JP2019143081A - 共役ジエン系重合体の製造方法 - Google Patents

共役ジエン系重合体の製造方法 Download PDF

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敦 安本
Atsushi Yasumoto
敦 安本
英樹 山崎
Hideki Yamazaki
英樹 山崎
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Abstract

【課題】保管中の共役ジエン系重合体のムーニー粘度の経時変化が小さく、保管中のコールドフローによる変形が小さく、樹脂組成物とした際の加工性及び耐摩耗性に優れた共役ジエン系重合体の製造方法を提供する。【解決手段】下記工程1〜工程3を含む共役ジエン系重合体の製造方法。工程1:重合開始剤を添加する工程。工程2:反応器中のモノマーの重合転化率が3%〜95%未満で少なくとも1種の重合停止剤を添加する工程。工程3:反応器中のモノマーの重合転化率が95%〜100%で少なくとも1種の重合停止剤を添加する工程。【選択図】なし

Description

本発明は、共役ジエン系重合体の製造方法に関する。
近年、環境に対する配慮が社会的要請となっており、自動車に対しても省燃費化の要求が高まっている。
具体的には、自動車走行時に路面との抵抗の小さいタイヤ用の材料が求められ、特に路面と直接に接するタイヤトレッドにおいて、転がり抵抗の小さい材料が求められている。
また、自動車の省燃費化と併せて、安全性改善の要求も強まっている。
上述したような、省燃費化及び安全性改善の要求は、自動車のタイヤ性能に寄与する部分が大きく、タイヤ用ゴムの開発、及びタイヤ用ゴム組成物の改良検討がなされている。
例えば、自動車のタイヤ性能として、省燃費性向上にはヒステリシスロスの小さい材料、操縦安定性向上には、ウェットスキッド抵抗の高い材料、耐久性向上には耐摩耗性と破壊強度に優れた材料が求められており、これらの要求性能をバランスよく維持しながら、各々の性能を向上させたタイヤ用ゴム組成物の開発が重要となる。
タイヤ用ゴム組成物の改良方法としては、BR(ブタジエンゴム)やSBR(スチレンブタジエンゴム)のような原料ゴムの改良、シリカやカーボンブラック等の補強用充填剤、加硫剤、可塑剤等の構造や組成改良が行われている。
従来、タイヤ卜レッドの材料における補強性充填剤としては、カーボンブラック、シリカ等が使用されている。
シリカを用いると、低ヒステリシスロス性及びウェットスキッド抵抗性の向上を図ることができるという利点を有している。
しかしながら、カーボンブラックの表面が疎水性であるのに対し、シリカの表面は親水性であるため、シリカと共役ジエン系重合体との親和性が低く、カーボンブラックに比較して分散性が悪いという欠点を有している。かかる観点から、シリカの分散性を改良させたり、シリカ−共役ジエン系ゴム間の結合付与を行ったりする目的で、別途シランカップリング剤等を含有させる必要がある。
近年、ゴム状重合体の活性末端に、シリカとの親和性や反応性を有する官能基を導入することによって、ゴム状重合体中におけるシリカの分散性を改良し、さらには、変性された重合末端部をシリカ粒子との結合で封じることによって、ヒステリシスロスを低減化する試みがなされている。
しかし、シリカ表面は親水性であるため、共役ジエン系ゴムとの親和性が低く、カーボンブラックに比べて分散性が悪くなるため、耐摩耗性や破壊強度に劣るという欠点を有している。
上述したような欠点を改良するために、共役ジエン系重合体の活性末端、又は共役ジエン系共重合体の活性末端を、アルコキシシリル基を有する化合物で変性することにより、共役ジエン系ゴム中におけるシリカの分散性を改良し、さらに共役ジエン系ゴム分子末端のアルコキシ基とシリカ表面の水酸基を結合させることで、ヒステリシスロスを低減化する技術が検討されている。
例えば、特許文献1には、共役ジエン系重合体の末端に特定の構造を有する変性剤を2回以上に分割して添加することで得られる変性共役ジエン系重合体は、保管、及び/又は輸送する際の耐コールドフロー性に優れ、さらにはシリカ系無機充填剤を配合し、かつ加硫物とした変性共役ジエン系重合体組成物は、低ヒステリシスロス性能とウェットスキッド抵抗性能とのバランスに優れ、高い耐摩耗性、破壊強度を有することが開示されている。
特開2013−82842号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載されている方法は、共役ジエン系重合体末端に特定の構造を有する変性剤を2回以上に分けて分割添加して、重合体の活性末端に変性剤を反応させる工程を有しているが、各変性剤添加のタイミングは、いずれも重合反応温度又は反応器内の圧力がピークに達した後であるため、分子量等のポリマー構造の設計自由度が低く、また、樹脂組成物とした際の加工性と耐摩耗性のバランスも十分ではないという問題を有している。
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑み、保管中の重合体のムーニー粘度の経時変化が小さく、かつ保管中のコールドフローによる変形が小さく、樹脂組成物とした際の加工性及び耐摩耗性に優れた共役ジエン系重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記従来技術の課題を解決するために鋭意研究検討した結果、重合開始剤を添加する工程と、反応器中のモノマーの重合転化率が所定の範囲内のときに少なくとも1種の重合停止剤を添加する工程と、反応器中のモノマーの重合転化率が所定の範囲内のときに1種の重合停止剤を添加する工程、とを含む共役ジエン系重合体の製造方法により上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
下記工程1〜工程3を含む共役ジエン系重合体の製造方法。
工程1:重合開始剤を添加する工程。
工程2:反応器中のモノマーの重合転化率が3%〜95%未満で少なくとも1種の重合停止剤を添加する工程。
工程3:反応器中のモノマーの重合転化率が95%〜100%で少なくとも1種の重合停止剤を添加する工程。
〔2〕
工程2における重合停止剤の添加量は、
工程1における重合開始剤の添加量に対して、モル比で0.01〜0.90である、前記〔1〕に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
〔3〕
工程3における重合停止剤の添加量は、
工程1における重合開始剤の添加量に対して、モル比で0.03〜2.0である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
〔4〕
工程2において添加する重合停止剤が、
窒素原子を有するカップリング剤である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
〔5〕
工程3において添加する重合停止剤が、
窒素原子を有するカップリング剤である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
〔6〕
工程2における重合停止剤の添加量は、
工程3における重合停止剤の添加量に対して、モル比で0.03〜30である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
〔7〕
工程2及び工程3における重合停止剤の添加量の合計が、
重合開始剤の添加量に対して、モル比で0.1〜3.0である、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
〔8〕
工程2において添加する重合停止剤は1種類である、前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
〔9〕
工程3において添加する重合停止剤は、共役ジエン系重合体と反応させることにより分岐構造を有する共役ジエン系重合体を生成する化合物である、前記〔1〕乃至〔8〕のいずれか一に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
〔10〕
工程2において添加する重合停止剤は、共役ジエン系重合体と反応させることにより分岐構造を有する共役ジエン系重合体を生成する化合物である、前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
本発明によれば、保管中の共役ジエン系重合体のムーニー粘度の経時変化が小さく、保管中のコールドフローによる変形が小さく、樹脂組成物とした際の加工性及び耐摩耗性に優れた共役ジエン系重合体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
〔共役ジエン系重合体の製造方法〕
本実施形態の共役ジエン系重合体の製造方法は、
下記工程1〜工程3を含む共役ジエン系重合体の製造方法である。
工程1:重合開始剤を添加する工程。
工程2:反応器中のモノマーの重合転化率が3%〜95%未満で少なくとも1種の重合停止剤を添加する工程。
工程3:反応器中のモノマーの重合転化率が95%〜100%で少なくとも1種の重合停止剤を添加する工程。
(重合開始剤)
本実施形態の共役ジエン系重合体の製造方法においては、工程1で重合開始剤を添加する。
重合開始剤としては、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が用いられ、特に限定されないが、重合体の生産性の観点から、アルカリ金属化合物が好ましく、具体的には有機リチウム化合物が好ましい。
有機リチウム化合物としては、例えば、低分子化合物、可溶化したオリゴマーの有機リチウム化合物、有機基とリチウムの結合様式において炭素−リチウム結合を有する化合物、窒素−リチウム結合を有する化合物、錫−リチウム結合を有する化合物等が挙げられる。
炭素−リチウム結合を有する化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等が挙げられる。
窒素−リチウム結合を有する化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジ−n−ヘキシルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムモルホリド等が挙げられる。
上述したモノ有機リチウム化合物に加え、重合開始剤として、多官能有機リチウム化合物を併用して、重合を行うこともできる。
多官能有機リチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,4−ジリチオブタン、sec−ブチルリチウムとジイソプロペニルベンゼンとの反応物、1,3,5−トリリチオベンゼン、n−ブチルリチウムと1,3−ブタジエンとジビニルベンゼンとの反応物、n−ブチルリチウムとポリアセチレン化合物との反応物等が挙げられる。
さらに、米国特許第5,708,092号明細書、英国特許第2,241,239号明細書、米国特許第5,527,753号明細書等に開示されている公知の有機アルカリ金属化合物も使用することができる。
有機リチウム化合物としては、工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムが好ましい。また、省燃費性の観点から、窒素−リチウム結合を有する化合物であることが好ましい。
上述した各種の有機リチウム化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤として用いられる他の有機アルカリ金属化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、有機ナトリウム化合物、有機カリウム化合物、有機ルビジウム化合物、有機セシウム化合物等が挙げられる。具体的には、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。その他にも、リチウム、ナトリウム及びカリウム等のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミド等が挙げられる。また、他の有機金属化合物と併用してもよい。
重合開始剤として用いられるアルカリ土類金属化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、有機マグネシウム化合物、有機カルシウム化合物、有機ストロンチウム化合物等が挙げられる。また、アルカリ土類金属のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミド等の化合物を用いてもよい。これらの有機アルカリ土類金属化合物は、アルカリ金属化合物や、その他有機金属化合物と併用してもよい。
本実施形態の共役ジエン系重合体の製造方法においては、工程1で重合開始剤を添加する。
重合開始剤を添加するタイミングは、工程1で添加する他には特に限定されないが、重合が開始された後に、重合開始剤を追加で添加してもよい。
(極性化合物)
本実施形態の共役ジエン系重合体の製造方法においては、工程1にて反応器に重合開始剤を添加する前や添加した後に極性化合物を添加してもよい。
アニオン重合においては、重合体の共役ジエン部分のミクロ構造の調節(ビニル結合量の調節)の目的、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合においては結合のランダム性を向上させる目的、又は、重合速度を速める目的で、極性化合物が用いられることがある。かかる目的で用いられる極性化合物としては、例えば、エーテル化合物や第3級アミン化合物、アルカリ金属アルコキシド化合物等が挙げられる。
極性化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)フロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、卜リメチルアミン、卜リエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミラー卜、カリウム−t−ブチラー卜、ナトリウム−t−ブチラー卜、ナトリウムアミラー卜等のアルカリ金属アルコキシド化合物;卜リフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等が挙げられる。
これらの極性化合物は、それぞれ1種のみを単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
テトラヒドロフランとその他の極性化合物の2種以上を添加することにより、よりシャープな分子量分布を達成でき好ましい。
極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができる。通常、上述した重合開始剤1モルに対して0.01〜100モルであることが好ましい。
極性化合物(ビニル化剤)は、重合体の共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤として、所望のビニル結合量に応じて、適量用いることができる。
多くの極性化合物は、同時に共役ジエン単量体とビニル芳香族単量体との共重合において有効なランダム化効果を有し、ビニル芳香族単量体の分布の調整やスチレンブロック量の調整剤として用いることができる。
共役ジエン単量体とビニル芳香族単量体とをランダム化する方法としては、例えば、特開昭59−140211号公報に記載されているような、共重合の途中に1,3−ブタジエンの一部を断続的に添加する方法を用いてもよい。
(共役ジエン化合物)
本実施形態の共役ジエン系重合体の製造方法においては、重合工程でモノマーとして共役ジエン化合物を用いる。
共役ジエン化合物としては、特に限定されず、重合可能な単量体であればよく、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(芳香族ビニル化合物)
本実施形態の共役ジエン系重合体の製造方法においては、重合モノマーとして芳香族ビニル化合物を用いてもよい。
芳香族ビニル化合物としては、特に限定されず、共役ジエン化合物と共重合可能な単量体であればよく、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の製造方法により得られる共役ジエン系重合体は、単一の共役ジエン化合物の重合体であってもよく、異なる種類の共役ジエン化合物との重合体すなわち共重合体であってもよく、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体であってもよい。
本実施形態の製造方法により共役ジエン系重合体を共重合体とする場合は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
ランダム共重合体としては、例えば、ブタジエン−イソプレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体等が挙げられる。
共重合体鎖中の各単量体の組成分布としては、特に限定されず、例えば、統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、組成がテーパー状に分布しているテーパー(勾配)ランダム共重合体等が挙げられる。共役ジエンの結合様式、すなわち1,4−結合や1,2−結合等の組成は、均一であってもよいし、分布があってもよい。
ブロック共重合体としては、例えば、ブロックが2個からなるジブロック共重合体、3個からなるトリブロック共重合体、4個からなるテトラブロック共重合体等が挙げられる。例えば、スチレン等の芳香族ビニル化合物からなるブロックを「S」で表し、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物からなるブロック及び/又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体からなるブロックを「B」で表すと、S−Bジブロック共重合体、S−B−Sトリブロック共重合体、S−B−S−Bテトラブロック共重合体等で表される。
本実施形態の製造方法により得られる共役ジエン系重合体を、タイヤトレッド用ゴム組成物として用いる場合には、より低ヒステリシスロス性に優れるゴム組成物を得る観点から、共役ジエン系重合体は、ランダム共重合体であることが好ましい。共役ジエン系重合体が共役ジエン−芳香族ビニル共重合体である場合には、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックの数が、少ないか又は無いものであることが好ましい。具体的には、共重合体がブタジエン−スチレン共重合体の場合、Kolthoffの方法(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により重合体を分解し、メタノールに不溶なポリスチレン量を分析する公知の方法において、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックが、重合体の総量に対して、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
本実施形態の製造方法により得られる共役ジエン系重合体中の結合共役ジエン量は、特に限定されないが、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。また、本実施形態の製造方法により得られる共役ジエン系重合体中の結合芳香族ビニル量は、特に限定されないが、0質量%以上50質量%以下であることが好ましく、20質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
結合共役ジエン量及び結合芳香族ビニル量が上記範囲であると、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスが更に優れ、耐摩耗性や破壊強度も満足する加硫物を得ることができる。ここで、結合芳香族ビニル量は、フェニル基の紫外吸光によって測定でき、ここから結合共役ジエン量も求めることができる。具体的には、後述する実施例に従った方法により測定することができる。
また、本実施形態の製造方法により得られる共役ジエン系重合体においては、共役ジエン結合単位中のビニル結合量が、10モル%以上75モル%以下であることが好ましく、25モル%以上65モル%以下であることがより好ましい。ビニル結合量が上記範囲であると、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスが更に優れ、耐摩耗性や破壊強度も満足する加硫物を得ることができる。
ここで、共役ジエン系重合体がブタジエンとスチレンの共重合体である場合には、ハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry,21,923(1949))により、ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−結合量)を求めることができる。
共役ジエン系重合体のミクロ構造については、上記共役ジエン系重合体中の各結合量が上記範囲にあり、さらに、重合体のガラス転移温度が−45℃以上−15℃以下の範囲にあるときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスにより一層優れた加硫物を得ることができる。ガラス転移温度については、ISO 22768:2006に従い、所定の温度範囲で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とする。
(重合停止剤)
本実施形態の共役ジエン系重合体の製造方法は、工程2及び工程3において、少なくとも1種の重合停止剤を添加する。
重合停止剤は、重合失活剤及び/又はカップリング剤であり、加硫物とした際の耐摩耗性の観点からカップリング剤であることが好ましい。
重合失活剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールや1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンやN−メチル−2−ピロリドン等の単官能変性剤等が挙げられる。
カップリング剤としては、本実施形態の製造方法により得られる共役ジエン系重合体を加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスの観点から、窒素原子を有するカップリング剤が好ましく、アミノ基を有しているカップリング剤がより好ましい。
前記カップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−3−メチルイミダゾリジン、1−[3−(ジエトキシシリル)プロピル]−3−エチルイミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、3−[3−(トリブトキシシリル)プロピル]−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、3−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、1−(2−エトキシエチル)−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イミダゾリジン、(2−{3−[3−(トリメチルシリル)プロピル]テトラヒドロピリミジン−イル}エチル)ジメチルアミン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(トリブトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)プロピル]−3−(トリエチルシリル)イミダゾリジン、2−(トリメトキシシラニル)−1,3−ジメチルイミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)イミダゾリジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)ヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)ヘキサヒドロピリミジン、1−[4−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン等が挙げられる。
また、以下に限定されるものではないが、例えば、2−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,3−ジメチルイミダゾリジン、2−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,3−(ビストリメチルシリル)イミダゾリジン、2−(ジエトキシジエチルシリル)−1,3−ジエチルイミダゾリジン、2−(トリエトキシシリル)−1,4−ジエチルピペラジン、2−(ジメトキシメチルシリル)−1,4−ジメチルピペラジン、5−(トリエトキシシリル)−1,3−ジプロピルヘキサヒドロピリミジン、5−(ジエトキシエチルシリル)−1,3−ジエチルヘキサヒドロピリミジン、{2−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−2−(エチルジメトキシシリル)−イミダゾリジン−1−イル]−エチル}−ジメチルアミン、5−(トリメトキシシリル)−1,3−ビス−(2−メトキシエチル)−ヘキサヒドロピリミジン、5−(エチルジメトキシシリル)−1,3−ビス−(2−トリメチルシリルエチル)−ヘキサヒドロピリミジンル−1,3−ジメチルイミダゾリジン、2−(3−ジエトキシエチルシリル−プロピル)−1,3−ジエチルイミダゾリジン、2−(3−トリエトキシシリル−プロピル)−1,4−ジエチルピペラジン、2−(3−ジメトキシメチルシリル−プロピル)−1,4−ジメチルピペラジン、5−(3−トリエトキシシリル−プロピル)−1,3−ジプロピルヘキサヒドロピリミジン、5−(3−ジエトキシエチルシリル−プロピル)−1,3−ジエチルヘキサヒドロピリミジン、{2−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−2−(3−エチルジメトキシシリル−プロピル)−イミダゾリジン−1−イル]−エチル}−ジメチルアミン、5−(3−トリメトキシシリル−プロピル)−1,3−ビス−(2−メトキシエチル)−ヘキサヒドロピリミジン、5−(3−エチルジメトキシシリル−プロピル)−1,3−ビス−(2−トリメチルシリルエチル)−ヘキサヒドロピリミジン、2−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,3−ビス(トリメチルシリル)イミダゾリジン、2−(ジエトキシエチルシリル)−1,3−ビス(トリエチルシリル)イミダゾリジン、2−(トリエトキシシリル)−1,4−ビス(トリメチルシリル)ピペラジン、2−(ジメトキシメチルシリル)−1,4−ビス(トリメチルシリル)ピペラジン、5−(トリエトキシシリル)−1,3−ビス(トリプロピルシリル)ヘキサヒドロピリミジン等が挙げられる。
さらに、以下に限定されるものではないが、例えば、[3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル]トリエトキシシラン、[3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル]トリメトキシシラン、[2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル]トリエトキシシラン、[2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル]トリメトキシシラン、[3−(1−ピロリジニル)プロピル]トリエトキシシラン、[3−(1−ピロリジニル)プロピル]トリメトキシシラン、[3−(1−ヘプタメチレンイミノ)プロピル]トリエトキシシラン、[3−(1−ドデカメチレンイミノ)プロピル]トリエトキシシラン、[3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル]ジエトキシメチルシシラン、[3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル]ジエトキシエチルシラン、N−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−[2−(トリメトキシシラニル)−エチル]−N,N’,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
さらにまた、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
またさらに、以下に限定されるものではないが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3,5−ベンゼントリイソシアネート等のイソシアネート化合物等が挙げられる。
また、以下に限定されるものではないが、例えば、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−卜リエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−卜リメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(5−卜リメトキシシリルペンチル)−1−アザ−2−シラシクロヘプタン、2,2−ジメトキシ−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−エチル−1−(3−卜リエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−エチル−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−卜リエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン等が挙げられる。
(その他の変性基を有するカップリング剤)
本実施形態の共役ジエン系重合体の製造方法においては、上述したような、重合停止剤として機能するカップリング剤以外にも、その他の変性基を有するカップリング剤(変性剤)を用いて変性する工程を有してもよい。
前記のその他の変性基とは、以下に限定されるものではないが、例えば、エポキシ基、カルボニル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、酸無水物基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基、エピチオ基、チオカルボニル基、チオカルボン酸エステル基、ジチオカルボン酸エステル基、チオカルボン酸アミド基、イミノ基、エチレンイミノ基、ハロゲン基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、共役ジエン基、アリールビニル基等であり、上記から選択される1種以上の官能基を有するカップリング剤が挙げられる。
その他のカップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、モノメチルトリクロロケイ素、モノエチルトリクロロケイ素、モノブチルトリクロロケイ素、モノヘキシルトリクロロケイ素、モノメチルトリブロモケイ素、ビストリクロロシリルエタン等のハロゲン化シラン化合物、モノクロロトリメトキシシラン、モノブロモトリメトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、ジブロモジメトキシシラン、トリクロロメトキシシラン、トリブロモメトキシシラン等のアルコキシハロゲン化シラン化合物等が挙げられる。
また、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、アルキルトリフェノキシシラン等のアルコキシシラン化合物;トリストリメトキシシリルプロピルアミン、トリエトキシシリルプロピルアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリブトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール等のイミノ基とアルコキシシリル基を有する化合物等が挙げられる。
(重合工程)
本実施形態の製造方法においては、上述したアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を重合開始剤とし、アニオン重合反応による成長反応によって得られる活性末端を有する共役ジエン系重合体を重合することが好ましい。特に、リビングアニオン重合による成長反応によって、活性末端を有する共役ジエン系重合体を重合することがより好ましい。これにより、高変性率の共役ジエン系重合体を得ることができる。
重合方式としては、特に限定されないが、回分重合方式(「バッチ重合方式」ともいう。)、連続重合方式等の重合方式が挙げられる。連続重合方式においては、1個又は2個以上の連結された反応器を用いることができる。反応器は、撹拌機付きの槽型、管型等のものが用いられる。重合をバッチ重合方式で実施した場合、連続重合方式と比較して、より安定して、同等のGPC形状を有する共役ジエン系重合体を安定的に生産でき、加硫物とする際の加工性を十分なものとする上で好ましい。
重合モノマーとして用いる共役ジエン化合物中に、アレン類、アセチレン類等が不純物として含有されていると、重合工程後に実施する変性工程における反応を阻害するおそれがある。そのため、これらの不純物の含有量濃度(質量)の合計は、200ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく、50ppm以下であることがさらに好ましい。アレン類としては、例えば、プロパジエン、1,2−ブタジエン等が挙げられる。アセチレン類としては、例えば、エチルアセチレン、ビニルアセチレン等が挙げられる。
共役ジエン系重合体の重合工程は、溶媒中で行うことが好ましい。
溶媒としては、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;それらの混合物からなる炭化水素等が挙げられる。
重合工程を実施する前に、不純物であるアレン類やアセチレン類を有機金属化合物で処理することは、高濃度の活性末端を有する共役ジエン系重合体が得られる傾向にあり、高い変性率が達成される傾向にあるため好ましい。
重合温度は、リビングアニオン重合が進行する温度であれば特に限定されないが、生産性の観点から、0℃以上であることが好ましく、重合終了後の活性末端に対するカップリング剤の反応量を充分に確保する観点から、120℃以下であることが好ましい。また、共役ジエン系重合体のコールドフローを防止する観点から、分岐をコントロールするためのジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル化合物を用いてもよい。
(重合停止剤の添加)
本実施形態の共役ジエン系重合体の製造方法においては、工程2にて、反応器内のモノマーの重合転化率が3〜95%未満で、少なくとも1種の重合停止剤を添加する。
工程2において重合停止剤を添加する際のモノマーの重合転化率は、加工性と耐摩耗性のバランスの観点から、5〜93%が好ましく、10%〜90%がより好ましく、15%〜90%がさらに好ましい。
前記反応器中のモノマーの重合転化率の測定は、既知の方法が使用できる。例えば、以下の方法に限定されるものではないが、重合中の溶液を密閉系にてサンプリングし、ガスクロマトグラフィーにより、未反応の残モノマー量を測定する方法が挙げられる。
また、重合の再現性を担保するために、工程2において添加する重合停止剤は2種類以下であることが好ましく、1種類であることがより好ましい。
さらに、工程2において添加する重合停止剤は、共役ジエン系重合体を組成物とした際の加工性と耐摩耗性の観点から、窒素原子を有するカップリング剤であることが好ましい。
また、加工性の観点から、前記工程2で添加する重合停止剤は、共役ジエン系重合体と反応させることによって分岐構造を有する共役ジエン系重合体を生成する化合物であることが好ましい。
また、工程2における重合停止剤の添加量は、コールドフロー防止やムーニー粘度の経時変化抑制の観点から、工程1における重合開始剤の添加量に対して、モル比で、(工程2における重合停止剤の添加量/工程1における重合開始剤の添加量)=0.01〜0.90であることが好ましく、0.03〜0.88であることがより好ましく、0.03〜0.85であることがさらに好ましい。
工程2において、重合停止剤を添加することで生成する共役ジエン系重合体のピーク分子量は、組成物とした際の加工性と耐摩耗性のバランスの観点から、0.5万〜70万であることが好ましく、1.0万〜60万であることがより好ましく、3.0万〜60万であることがさらに好ましい。当該分子量は、工程1における重合添加剤の添加量や、工程2における重合停止剤の添加量や、重合停止剤添加時のモノマーの重合転化率を調整することによって制御できる。
本実施形態の工程2において、重合停止剤を添加することで生成する共役ジエン系重合体のピーク分子量は、工程2において重合停止剤を添加した1分後に重合体溶液をサンプリングし、得られた共役ジエン系重合体のGPC測定によって把握することができる。
本実施形態の共役ジエン系重合体の製造方法においては、工程3において、反応器内のモノマーの重合転化率が95%〜100%で、少なくとも1種の重合停止剤を添加する。工程3において重合停止剤を添加する際のモノマーの重合転化率は、重合再現性の観点から、96%〜100%未満が好ましく、97%以上100%未満がさらに好ましい。重合の再現性が高いほど、量産時に安定して共役ジエン系重合体を製造でき、共役ジエン系重合体を用いた組成物の物性も安定するという効果が得られる。
前記反応器中のモノマーの重合転化率の測定は、既知の方法が使用できる。例えば、以下の方法に限定されるものではないが、重合中の溶液を密閉系にてサンプリングし、ガスクロマトグラフィーにより、未反応の残モノマー量を測定する方法が挙げられる。
また、重合の再現性を担保するために、工程3において用いる重合停止剤は3種類以下であることが好ましく、2種類であることがより好ましく、1種類であることがさらに好ましい。
また、工程3において添加する重合停止剤は、共役ジエン系重合体を樹脂組成物とした際の加工性と耐摩耗性のバランスの観点から、窒素原子を有するカップリング剤であることが好ましい。
また、加工性の観点から、工程3において添加する重合停止剤は、共役ジエン系重合体と反応させることにより分岐構造を有する共役ジエン系重合体を生成する化合物であることが好ましい。
また、工程3における重合停止剤の添加量は、コールドフロー防止やムーニー粘度の経時変化抑制の観点から、工程1における重合開始剤の添加量に対して、モル比で、(工程3における重合停止剤の添加量/工程1における重合開始剤の添加量)=0.03〜1.5であることが好ましく、0.05〜1.3であることがより好ましく、0.05〜1.1であることがさらに好ましい。
また、工程3において、重合停止剤を添加することで生成する共役ジエン系重合体のピーク分子量は、加工性と耐摩耗性のバランスの観点から10万〜250万であることが好ましく、20万〜250万であることがより好ましく、25万〜200万であることがさらに好ましい。上記分子量は、工程1における重合添加剤の添加量や、工程3における重合停止剤の添加量や、重合停止剤添加時のモノマーの重合転化率を調整することによって制御できる。
本実施形態の工程3において、重合停止剤を添加することで生成する共役ジエン系重合体のピーク分子量は、工程3において重合停止剤を添加した10分後に重合体溶液をサンプリングし、得られた共役ジエン系重合体のGPC測定によって把握することができる。
さらに、ムーニー粘度の経時変化抑制の観点から、工程2及び工程3における重合停止剤の添加量の合計が、重合開始剤の添加量に対して、モル比で、(工程2及び工程3における重合停止剤の添加量の合計)/(重合開始剤の添加量)=0.1〜3.0であることが好ましく、0.1〜2.0であることがより好ましく、0.1〜1.8であることがさらに好ましく、0.1〜1.5であることがさらにより好ましく、0.1〜1.3であることがよりさらに好ましい。
また、耐摩耗性と加硫物とする際の加工性のバランスの観点から、工程2における重合停止剤の添加量は、工程3における重合停止剤の添加量に対して、モル比で、(工程2における重合停止剤の添加量)/(工程3における重合停止剤の添加量)=0.03〜30であることが好ましく、0.05〜20であることがより好ましく、0.1〜10であることがさらに好ましい。
さらには、工程2で生成される共役ジエン系重合体の質量と、工程3で生成される共役ジエン系重合体の質量の比率が、耐摩耗性と加硫物とする際の加工性のバランスの観点から、(工程2で生成される共役ジエン系重合体の質量):(工程3で生成される共役ジエン系重合体の質量)=5:95〜90:10であることが好ましく、8:92〜85:15であることがより好ましく、10:90〜80:20であることがさらに好ましい。
本実施形態の共役ジエン系重合体の製造方法は、工程1〜工程3を含んでいれば、実施する順番は問わないが、重合の再現性の観点から、工程1の後に工程2が来ることが好ましく、工程2の後に工程3が来ることが好ましい。
また、重合の再現性の観点から、工程1の前に、反応器に重合に用いる全モノマーのうち80%以上を添加することが好ましく、90%以上添加することがより好ましく、95%以上添加することがさらに好ましく、100%添加することがさらにより好ましい。工程3の前には、全モノマーが反応器に添加されていることが好ましく、工程1の後にモノマーを追添してもよく、工程2の後にモノマーを追添してもよい。
本実施形態の共役ジエン系重合体の製造方法においては、共役ジエン系重合体にゴム用安定剤、伸展油等の添加物を添加する工程を有してもよい。
共役ジエン系重合体には、重合後のゲル生成を防止する観点や、加工時の安定性を向上させる観点から、ゴム用安定剤を添加することが好ましい。
ゴム用安定剤としては、公知のものを用いることができ、以下に限定されるものではないが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ卜ルン(BHT)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピネー卜、2−メチル−4,6−ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤が好ましいものとして挙げられる。
共役ジエン系重合体には、加工性を改善する観点から、必要に応じて伸展油を共役ジエン系共重合体に添加することが好ましい。
伸展油を共役ジエン系重合体に添加する方法としては、特に限定されないが、伸展油を共役ジエン系重合体の溶液に加え、混合して、油展重合体溶液としたものを脱溶媒する方法が好ましい。
伸展油としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油等が挙げられる。これらの中でも、環境安全上の観点や、オイルブリード防止及びウェットグリップ特性の観点から、IP346法による多環芳香族(PCA)成分が3質量%以下であるアロマ代替油が好ましい。アロマ代替油としては、Kautschuk Gummi Kunststoffe 52(12)799(1999)に示されるTDAE(Treated Distillate Aromatic Extracts)、MES(Mild Extraction Solvate)等の他、RAE(Residual Aromatic Extracts)等が挙げられる。
伸展油の添加量は、特に限定されないが、共役ジエン系重合体100質量部に対し、1質量部以上60質量部以下が好ましく、10質量部以上50質量部以下がより好ましく、15質量部40質量部以下がさらに好ましい。
本実施形態の共役ジエン系重合体の製造方法において、重合体溶液から共役ジエン系重合体を取得する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、スチームストリッピング等で溶媒を分離した後、重合体を濾別し、さらにそれを脱水及び乾燥して重合体を取得する方法、フラッシングタンクで濃縮し、さらにベント押出し機等で脱揮する方法、ドラムドライヤー等で直接脱揮する方法等が挙げられる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、以下の実施例及び比較例により何ら限定されるものではない。
なお、試料の分析は下記に示す方法により行った。
(1)結合スチレン量
共役ジエン系重合体を測定用試料とし、試料100mgをクロロホルムで100mLにメスアップ、溶解して測定サンプルとした。
スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収により、共役ジエン系重合体100質量%に対しての結合スチレン量(質量%)を測定した(島津製作所社製、分光光度計「UV−2450」)。
(2)ブタジエン部分のミクロ構造(1,2−ビニル結合量)
共役ジエン系重合体を測定用試料とし、試料50mgを、10mLの二硫化炭素に溶解して測定サンプルとした。
溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600〜1000cm-1の範囲で測定して、所定の波数における吸光度によりハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry 21,923(1949)に記載の方法)の計算式に従い、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合量を求めた(日本分光社製、フーリエ変換赤外分光光度計「FT−IR230」)。
(3)重量平均分子量
共役ジエン系重合体を測定用試料とし、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置(東ソー社製HLC−8320GPC)を使用して、RI検出器を用いてクロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用して得られる検量線に基づいて、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求めた。
溶離液はテトラヒドロフラン(THF)を使用した。カラムは、東ソー社製 TSKgel SuperMultiporeHZ−Hを3本接続し、その前段にガードカラムとして東ソー社製 TSKguardcolumn SuperMP(HZ)−Hを接続して使用した。
測定用の試料10mgを20mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液10μLをGPC測定装置に注入して、オーブン温度40℃、THF流量0.35mL/分の条件で測定した。
(4)重合体ムーニー粘度
共役ジエン系重合体を測定用試料とし、ムーニー粘度計(上島製作所社製、「VR1132」)を用い、JIS K6300に準拠し、L形ローターを用いてムーニー粘度を測定した。
測定温度は、100℃とした。
まず、試料を1分間試験温度で予熱した後、ローターを2rpmで回転させ、4分後のトルクを測定してムーニー粘度(ML1+4)とした。
(5)保管中の重合体ムーニー粘度の経時変化
40℃相対湿度50%に設定した恒温恒湿槽に、共役ジエン系重合体を入れ、30日経過後に100℃でムーニー粘度を測定し、重合直後の測定値との差を求めた。
(6)保管中のコールドフロー
共役ジエン系重合体を測定用試料とし、コールドフロー測定は25℃で40mm×40mm×厚み(H0)50mmの試料に、25℃で1kgの荷重を掛けて60分間放置後の厚み(H60)から、前記厚みの変化率(%)を測定した。
以下の式で厚みの変化率を評価した。
この値が大きいほど、共役ジエン系重合体は変形しやすいと判断した。
厚みの変化率(%)=(H0−H60)×100/H0
〔実施例1〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを2,220g、スチレンを780g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を5gと2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを2.15g、反応器へ入れ、反応器内温を49℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを1.04g、前記反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が88%に達した時点で、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシランを0.99g添加し、さらに重合反応を続け、最終的な反応器内の温度は79℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が99%に達した時点で、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシランを0.99g添加し、30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は55モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
〔実施例2〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを2,220g、スチレンを780g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を5gと2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを2.75g、ピペリジン(表中、Pipと示す。)を1.94g、反応器へ入れ、反応器内温を48℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを1.33g、前記反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が70%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを0.96g添加し、さらに重合反応を続け、最終的な反応器内の温度は78℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が99%に達した時点で、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシランを0.88g添加し、30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は55モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
〔実施例3〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを1,350g、スチレンを1,200g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を18g、ピペリジンを2.62g、反応器へ入れ、反応器内温を52℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを1.79g、前記反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が80%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを1.08g添加し、5分間重合反応を続けた後に、1,3−ブタジエンを450g追添し、さらに重合反応を続けた。最終的な反応器内の温度は75℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が97%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを0.65g添加し、30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は39質量%、結合ブタジエン量は61質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は24モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
〔実施例4〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを2,220g、スチレンを780g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を5gと2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを3.19g、ヘキサメチレンイミン(表中、HMIと示す。)を2.71g、反応器へ入れ、反応器内温を48℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを1.59g、前記反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が65%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを0.77g添加し、さらに重合反応を続け、最終的な反応器内の温度は78℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が99%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを0.77g添加し、30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は55モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
〔実施例5〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを2,220g、スチレンを780g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を5gと2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを2.56g、ヘキサメチレンイミンを2.11g、反応器へ入れ、反応器内温を48℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを1.24g、前記反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が80%に達した時点で、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを1.55g添加し、さらに重合反応を続け、最終的な反応器内の温度は79℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が99%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを0.24g添加し、30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は55モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
〔実施例6〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを2,220g、スチレンを780g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を5gと2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを1.84g、ヘキサメチレンイミンを1.45g、反応器へ入れ、反応器内温を48℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを0.85g、前記反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が70%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを0.21g添加し、さらに重合反応を続け、最終的な反応器内の温度は79℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が98%に達した時点で、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを1.06g添加し、30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は55モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
〔実施例7〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを2,220g、スチレンを780g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を5gと2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを2.78g、ヘキサメチレンイミンを2.29g、反応器へ入れ、反応器内温を49℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを1.34g、前記反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が35%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを0.65g添加し、重合反応を続け、モノマーの重合転化率が70%に達した時点で、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシランを0.64g添加し、さらに重合を続けた。最終的な反応器内の温度は78℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が99%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを0.32g添加し、30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は55モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
〔実施例8〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを2,220g、スチレンを780g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を5gと2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを2.98g、ヘキサメチレンイミンを2.46g、反応器へ入れ、反応器内温を49℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを1.44g、前記反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が40%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを0.70g添加し、重合反応を続けた。最終的な反応器内の温度は78℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が99%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを0.70g添加し、2分後に3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシランを2.05g添加し、30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は55モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
〔実施例9〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを2,220g、スチレンを780g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を5gと2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを2.44g、ヘキサメチレンイミンを2.01g、反応器へ入れ、反応器内温を47℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを1.18g、前記反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が40%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを0.57g添加し、さらに重合反応を続け、最終的な反応器内の温度は79℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が99%に達した時点で、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシランを5.59g添加し、30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は55モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
〔実施例10〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを2,220g、スチレンを780g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を5gと2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを2.28g、ヘキサメチレンイミンを1.88g、反応器へ入れ、反応器内温を48℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを1.10g、前記反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が65%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを0.80g添加し、さらに重合反応を続け、最終的な反応器内の温度は79℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が99%に達した時点で、メタノールを0.14g添加し、30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は55モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
〔実施例11〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを2,220g、スチレンを780g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を5gと2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを3.33g、ヘキサメチレンイミンを2.61g、反応器へ入れ、反応器内温を46℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを1.78g、前記反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が14%に達した時点で、メタノールを0.18g添加し、さらに重合反応を続け、最終的な反応器内の温度は77℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が98%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを1.55g添加し、30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は55モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
〔実施例12〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを2,220g、スチレンを780g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を5gと2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを1.38g、ピペリジンを0.83g、反応器へ入れ、反応器内温を50℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを0.57g、前記反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が50%に達した時点で、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを0.56g添加し、さらに重合反応を続け、最終的な反応器内の温度は77℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が99%に達した時点で、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを0.4g添加し、30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は55モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
〔比較例1〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを2,220g、スチレンを780g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を5gと2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを2.79g、反応器へ入れ、反応器内温を46℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを1.35g、前記反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。最終的な反応器内の温度は79℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が99%に達した時点で、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシランを2.56g添加し、30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は55モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
〔比較例2〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを2,220g、スチレンを780g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を5gと2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを2.92g、反応器へ入れ、反応器内温を46℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを1.41g、前記反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。最終的な反応器内の温度は78℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が99%に達した時点で、2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを0.68g添加し、2分間反応させた後に、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシランを1.34g添加し、30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は55モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
〔比較例3〕
内容積40Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した1,3−ブタジエンを2,220g、スチレンを780g、シクロヘキサンを21,000g、極性物質として、テトラヒドロフラン(THF)を5gと2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを2.92g、反応器へ入れ、反応器内温を46℃に保持した。
重合開始剤として、n−ブチルリチウムを1.41g、前記反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始めた。最終的な反応器内の温度は78℃、オートクレーブ内のモノマーの重合転化率が99%に達した時点で、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシランを6.7g添加し、30分間反応させた後に、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン(IV)を37.5g添加し、さらに30分間反応させた。
この重合体溶液に、酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)−プロピオネートを11gと、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを4.5g添加し、変性された共役ジエン系重合体を含有した重合体溶液を得た。
上記により得られた試料を分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。
赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は55モル%であった。
重合条件を表1に示し、その他の分析値を表2に示す。
また、タイヤ用組成物とした際の物性値を表3に示す。
Figure 2019143081
Figure 2019143081
なお、表1中の重合開始末端変性剤について、下記のように示す。
Pip:ピペリジン
HMI:ヘキサメチレンイミン
また、表1中の重合停止剤について、下記のように示す。
停止剤1:3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン
停止剤2:2,2−ジメトキシ−1−(3−卜リメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン
停止剤3:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
停止剤4:メタノール
また、表1中の縮合剤について、下記のように示す。
縮合剤:テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン(IV)
〔実施例13〜24〕、〔比較例4〜6〕
次に、上述した〔実施例1〜12〕、〔比較例1〜3〕で得られた共役ジエン系重合体を原料ゴムとして使用し、以下に示す配合に従い、それぞれの原料ゴムを含有する共役ジエン系重合体組成物を得た。
原料ゴム(実施例1〜12、比較例1〜3で得られたた共役ジエン系重合体):100.0質量部
シリカ(エボニックデグサ社製、Ultrasil7000GR):75.0質量部
カーボンブラック(東海カ−ボン社製、シ−ストKH(N339)):5.0質量部
シランカップリング剤(エボニックデグサ社製、Si75):6.0質量部
S−RAEオイル(ジャパンエナジー社製、JOMOプロセスNC140):30.0質量部
ワックス(大内新興化学社製、サンノックN):1.5質量部
亜鉛華:2.5質量部
ステアリン酸:2.0質量部
老化防止剤(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン):2.0質量部
硫黄:1.8質量部
加硫促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド):1.7質量部
加硫促進剤(ジフェニルグアニジン):2.0質量部
合計:229.5質量部
上記の材料を以下の方法により混練して共役ジエン系重合体組成物を得た。
温度制御装置を具備する密閉混練機(内容量0.3L)を使用し、第一段の混練として、充填率65%、ローター回転数50/57rpmの条件で、原料ゴム、充填剤(シリカ、カーボンブラック)、シランカップリング剤、プロセスオイル(S−RAEオイル、ワックス)、亜鉛華、ステアリン酸を混練した。このとき、密閉混合機の温度を制御し、排出温度(組成物)は155〜160℃で、共役ジエン系重合体組成物を得た。
次に、第二段の混練として、上記で得た組成物を室温まで冷却後、老化防止剤を加え、シリカの分散を向上させるため再度混練した。この場合も、混合機の温度制御により排出温度(組成物)を155〜160℃に調整した。
冷却後、第三段の混練として、70℃に設定したオーブンロールにて、硫黄、加硫促進剤を加えて混練した。その後、成型し、160℃で20分間、加硫プレスにて加硫した。
加硫後、共役ジエン系重合体組成物の物性を測定した。
物性測定結果を表3に示す。
前記のように加硫を行った後の、加硫物である共役ジエン系重合体組成物の特性を、下記の方法により測定した。
(1)組成物ムーニー粘度(組成物ML)
ムーニー粘度計を使用し、JISK6300−1に準じて、130℃、1分間の予熱を行った後に、ローターを毎分2回転で4分間回転させた後の粘度を測定し、比較例4の組成物の結果を100として指数化した。値が大きいほど加工性に優れることを示す。
(2)耐摩耗性
アクロン摩耗試験機(安田精機製作所製)を使用し、JISK6264−2に準じて、荷重44.1N、1000回転の摩耗量を測定し、比較例4の組成物の結果を100として指数化した。指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを示す。
Figure 2019143081
表2に示すように、実施例1〜12の共役ジエン系重合体は、保管中のムーニー変動が少なく、かつ保管中のコールドフロー性に優れるのに対し、比較例1〜3は、いずれかの性能が劣る結果となった。
さらに、表3に示すように、実施例1〜12の共役ジエン系重合体を用いた実施例13〜24の組成物は、組成物ムーニー粘度が低いため加工性に優れ、かつ耐摩耗性にも優れるのに対し、比較例1〜3の共役ジエン系重合体を用いた比較例4〜6の組成物は、いずれかの性能が劣る結果となった。
本発明の共役ジエン系重合体の製造方法によって得られる共役ジエン系重合体は、加硫組成物としたときに、タイヤトレッド、防振ゴム、ベルト、工業用品、履物、各種発泡体等の材料として、産業上の利用可能性を有している。

Claims (10)

  1. 下記工程1〜工程3を含む共役ジエン系重合体の製造方法。
    工程1:重合開始剤を添加する工程。
    工程2:反応器中のモノマーの重合転化率が3%〜95%未満で少なくとも1種の重合停止剤を添加する工程。
    工程3:反応器中のモノマーの重合転化率が95%〜100%で少なくとも1種の重合停止剤を添加する工程。
  2. 工程2における重合停止剤の添加量は、
    工程1における重合開始剤の添加量に対して、モル比で0.01〜0.90である、請求項1に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  3. 工程3における重合停止剤の添加量は、
    工程1における重合開始剤の添加量に対して、モル比で0.03〜2.0である、請求項1又は2に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  4. 工程2において添加する重合停止剤が、
    窒素原子を有するカップリング剤である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  5. 工程3において添加する重合停止剤が、
    窒素原子を有するカップリング剤である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  6. 工程2における重合停止剤の添加量は、
    工程3における重合停止剤の添加量に対して、モル比で0.03〜30である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  7. 工程2及び工程3における重合停止剤の添加量の合計が、
    重合開始剤の添加量に対して、モル比で0.1〜3.0である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  8. 工程2において添加する重合停止剤は1種類である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  9. 工程3において添加する重合停止剤は、共役ジエン系重合体と反応させることにより分岐構造を有する共役ジエン系重合体を生成する化合物である、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  10. 工程2において添加する重合停止剤は、共役ジエン系重合体と反応させることにより分岐構造を有する共役ジエン系重合体を生成する化合物である、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
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