以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。なお、本発明における装置、器具、及び部品等の、個数、配置、向き、形状、及び大きさは、原則として、図面に示す個数、配置、向き、形状、及び大きさに限定されない。また、本発明は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組合わせ可能な構成のあらゆる組合わせを含み得る。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の掃除具を備えたバキューム掃除機の斜視図である。図1に示すように、実施の形態1のバキューム掃除機(電気掃除機)1は、掃除具2、接続パイプ3、吸引ホース4、及び掃除機本体5を備える。掃除具2は、ボディー6、ジョイント7、吸引パイプ8、及びハンドル9を備える。接続パイプ3は、掃除具2の吸引パイプ8に接続されている。掃除機本体5は、ホース接続口11、電源コード12、及び車輪13を備える。ホース接続口11は、掃除機本体5の前部に位置する。車輪13は、掃除機本体5の後半部分の両側の側面に位置する。
掃除具2のボディー6は、掃除される面(以下、「被清掃面」と称する)の塵埃を空気と一緒に吸い込む。ジョイント7は、ボディー6に対して吸引パイプ8を回動可能につなぐ。吸引パイプ8は、真直ぐな管状の部材である。吸引パイプ8の一端部は、ジョイント7に接続される。吸引パイプ8の他端部は、接続パイプ3の一端部に接続される。本実施の形態における吸引パイプ8は、ワンド部の例である。
接続パイプ3は、途中で折れ曲がった円筒状の部材である。接続パイプ3の他端部は、吸引ホース4の一端部に接続される。吸引ホース4は、可撓性を有する蛇腹状の部材である。吸引ホース4の他端部は、掃除機本体5のホース接続口11に接続される。掃除機本体5は、塵埃を含む空気から塵埃を分離し、塵埃が取り除かれた空気を排出するためのものである。以下、塵埃を含む空気を「汚れ空気」とも呼ぶ。また、塵埃が取り除かれた空気を「清浄空気」とも呼ぶ。清浄空気は、例えば、掃除機本体5から室内に戻される。
使用者がバキューム掃除機1を用いて掃除を行うとき、使用者はハンドル9を把持する。ハンドル9は、少なくとも部分的に、ゲル等の軟質材で形成されてもよい。ハンドル9が少なくとも部分的に軟質材で形成されることで、ハンドル9を把持する手との間で摩擦力が増大するとともに、使用者がハンドル9を握りやすくなる。その結果、掃除具2の操作性を更に向上させることができる。ハンドル9は、吸引パイプ8より軟らかい材質で形成されてもよい。ハンドル9は、棒状を呈してもよい。棒状のハンドル9の中心軸は、吸引パイプ8の中心軸と一致してもよい。図1において、ハンドル9の中心軸及び吸引パイプ8の中心軸は、一点鎖線で示されている。ハンドル9の全体的な形状が、吸引パイプ8の中心軸と同軸的な棒状の形状を呈する場合には、ハンドル9をひねる場合の手の動き及び筋負荷が小さくなる。その結果、掃除具2の取回しが容易になり、操作性を更に向上させることができる。ハンドル9は、長手方向の中心における断面積よりも先端部の断面積の方が大きくなるように形成されてもよい。ハンドル9は、長手方向においてボディー6に近い側よりもボディー6から遠い側の方が太くなるように形成されてもよい。
図1における両矢印は、ハンドル9の動かし方の一例を示している。ひねり方向Aの動きは、ハンドル9及び吸引パイプ8の中心軸周りの回転である。傾き方向Bの動きは、床面に対するハンドル9及び吸引パイプ8の角度を変える動きである。
ハンドル9には、操作スイッチ10及びロック解除ボタン25が設置されている。操作スイッチ10は、ハンドル9の根元付近の位置に設けられている。操作スイッチ10は、使用者がバキューム掃除機1の運転を制御するためのものである。ロック解除ボタン25については後述する。
電源コード12は、掃除機本体5内部の図示しないコードリール部に巻き付けられている。後述するように、掃除機本体5は、電動送風機を内蔵する。電源コード12が外部電源に接続されると、電動送風機等の内部機器が通電する。電動送風機は、通電によって駆動する。電動送風機は、操作スイッチ10に対する操作に応じて予め設定された吸引動作を行う。
電動送風機が吸引動作を行うと、汚れ空気がボディー6に吸い込まれる。ボディー6に吸い込まれた汚れ空気は、ジョイント7、吸引パイプ8、接続パイプ3、及び吸引ホース4の内部を通って、掃除機本体5に送られる。ボディー6、ジョイント7、吸引パイプ8、接続パイプ3、及び吸引ホース4は、汚れ空気を掃除機本体5へ送る風路を形成する。
図2は、実施の形態1における掃除機本体5の斜視図である。図3は、実施の形態1における掃除機本体5の平面図である。図2及び図3に示すように、掃除機本体5は、収容ユニット14及び集塵ユニット15を備える。収容ユニット14は、集塵ユニット15以外の各種機器を収容する。ホース接続口11は、収容ユニット14の前端部に形成されている。車輪13は、収容ユニット14の後ろ半分の両側の側面にある。集塵ユニット15は、収容ユニット14に対して着脱可能に取り付けられている。
図4は、実施の形態1における収容ユニット14の斜視図である。図5は、実施の形態1における収容ユニット14の平面図である。図4及び図5は、収容ユニット14から集塵ユニット15を取り外した状態を示す。図4及び図5に示すように、収容ユニット14は、収容体16及び収容体17を備える。
収容体16は、上方が開口した箱状を呈する部材である。収容体16は、例えば、成型品である。電動送風機及びコードリール部は、収容体16に収容されている。収容体17は、収容体16に形成された上記開口を塞ぐように、収容体16と結合される。収容体17は、集塵ユニット15を収容するための空間である収容部を有する。集塵ユニット15が収容ユニット14に適切に取り付けられると、集塵ユニット15の要部は、収容部に配置される。集塵ユニット15は、収容体17の上方に配置される。
図4及び図5に示すように、収容ユニット14には、第1接続口18及び第2接続口19が形成されている。第1接続口18及び第2接続口19は、収容ユニット14の上面において、後端部寄りに配置されている。第1接続口18は、収容ユニット14の側面のうち一方に寄って配置されている。第2接続口19は、収容ユニット14の両側面から等距離に配置されている。第1接続口18及び第2接続口19は、集塵ユニット15が収容ユニット14に取り付けられた状態において、集塵ユニット15の内部に通じる。
図6は、図5に示す収容ユニット14のC−C線での断面図である。図7は、図5に示す収容ユニット14のD−D線での断面図である。図6及び図7に示すように、収容ユニット14は、吸気風路形成部20を備える。吸気風路形成部20は、掃除機本体5において、汚れ空気を集塵ユニット15に導くための吸気風路21を形成する。吸気風路形成部20は、収容体16の内部空間を通過するように設けられている。吸気風路形成部20の一端は、収容ユニット14の前面で開口する。吸気風路形成部20の上記一端は、ホース接続口11を形成する。吸気風路形成部20の他端は、収容ユニット14の上面で開口する。つまり、吸気風路形成部20の上記他端は、収容体17で開口する。吸気風路形成部20の上記他端は、集塵ユニット15と接続される第1接続口18を形成する。
集塵ユニット15は、汚れ空気から塵埃を分離し、分離した塵埃を一時的に溜めておくためのものである。集塵ユニット15は、内部で汚れ空気を旋回させることにより、遠心力によって塵埃を空気から分離する。つまり、集塵ユニット15は、サイクロン分離機能を有するサイクロン分離装置である。
図6及び図7に示すように、収容ユニット14は、排気風路形成部22を備える。排気風路形成部22は、掃除機本体5において、集塵ユニット15から排出された清浄空気を図示しない排気口に導くための排気風路23を形成する。排気風路形成部22は、収容体16の内部空間を通過するように設けられている。排気風路形成部22の一端は、収容ユニット14の上面で開口する。つまり、排気風路形成部22の上記一端は、収容体17で開口する。排気風路形成部22の上記一端は、集塵ユニット15と接続される第2接続口19を形成する。排気風路形成部22の他端は、収容ユニット14の外側に向けて開口する。排気風路形成部22の上記他端は、排気口を形成する。
図6及び図7に示すように、収容ユニット14の内部には、電動送風機24が備えられている。電動送風機24は、バキューム掃除機1に形成された各風路に、気流を発生させるためのものである。バキューム掃除機1に形成された各風路とは、外部から掃除機本体5の内部に汚れ空気を流入させるための風路、吸気風路21、集塵ユニット15内の空間及び排気風路23である。電動送風機24は、収容ユニット14の後端部寄りの予め設定された位置において、排気風路23内に配置される。
電動送風機24が吸引動作を開始すると、バキューム掃除機1に形成された各風路に気流が発生する。このとき、掃除具2、接続パイプ3、及び吸引ホース4の内部には吸引力が発生する。掃除具2のボディー6に吸い込まれた汚れ空気は、ホース接続口11から掃除機本体5の内部に取り込まれる。掃除機本体5の内部に流入した汚れ空気は、吸気風路21を経て、第1接続口18から集塵ユニット15に送られる。集塵ユニット15の内部では、汚れ空気から塵埃が分離される。集塵ユニット15から排出された清浄空気は、排気風路23に流入し、排気風路23内において電動送風機24を通過する。電動送風機24を通過した清浄空気は、排気風路23を更に進み、排気口から掃除機本体5の外部に排出される。
図8は、実施の形態1の掃除具2の斜視図である。図9は、実施の形態1の掃除具2の平面図である。図9は、吸引パイプ8を被清掃面に対して垂直にし、かつ、吸引パイプ8を長手方向の途中の位置で切断した状態を示す。図10は、実施の形態1の掃除具2の下面図である。
図9及び図10に示すように、掃除具2のボディー6は、近位端61及び遠位端62を有する。近位端61から遠位端62まで長さ(最大長さ)をLとする。近位端61から遠位端62への方向をボディー6の長手方向と呼ぶ。ボディー6の幅(最大幅)をWとする。幅Wは、平面視でボディー6の長手方向に対して垂直な方向のボディー6の大きさである。ボディー6の長さLは、ボディー6の幅Wより長い。本実施の形態では、平面視におけるボディー6の形状は、おおむね長方形である。平面視でボディー6の長手方向に対して垂直な方向を、以下、ボディー6の幅方向と呼ぶ。
本実施の形態では、平面視で近位端61及び遠位端62は、直線状に延びる。このような構成に限らず、平面視で近位端61及び遠位端62は、少なくとも部分的に、曲線または折れ線でもよい。その場合、ボディー6の長さLは、平面視で近位端61と遠位端62との間の長手方向の最大長さを指すものとする。本実施の形態では、ボディー6の幅は、ボディー6の長手方向に沿って、おおむね一定である。このような構成に限らず、ボディー6の幅は、ボディー6の長手方向に沿って、変化してもよい。その場合、ボディー6の幅Wは、ボディー6の最大幅を指すものとする。
図8に示すように、ボディー6は、上ケース31及び下ケース32を含んでもよい。本実施の形態におけるジョイント7は、第一回転部71及び第二回転部72を備える。第二回転部72は、第二回転軸Yの周りに回転できるようにボディー6に対して接続されている。第一回転部71は、第一回転軸Xの周りに回転できるように第二回転部72に対して接続されている。第二回転軸Yは、第一回転軸Xに対して平行でない。第二回転軸Yは、第一回転軸Xに対して、交差またはねじれの位置にある。図8中、第一回転軸X及び第二回転軸Yを一点鎖線で示す。本実施の形態では、第二回転軸Yは、ボディー6の長手方向に対して実質的に平行である。第一回転軸Xは、第二回転軸Yに対して実質的に垂直である。
本実施の形態では、ジョイント7は、ボディー6の近位端61の一端に相当する面に接続されている。本実施の形態では、ジョイント7は、ボディー6の近位端61の端面に接続されている。ジョイント7の第二回転部72は、ボディー6の近位端61の端面に対して第二回転軸Yの周りに回転可能に接続されている。
本実施の形態では、ジョイント7の第一回転部71と、吸引パイプ8とが一体的に形成されている。このような構成に限らず、ジョイント7の第一回転部71と、吸引パイプ8とが別の部材で構成され、両部材が着脱可能に連結されてもよい。
ジョイント7の第二回転部72が第二回転軸Yの周りに回転することに伴って、第一回転軸Xの向きが変化するが、第一回転軸Xは第二回転軸Yに対して垂直に維持される。第二回転部72は、ボディー6に対して、予め設定された角度の範囲で、第二回転軸Yの周りに回転可能である。ジョイント7の第一回転部71は、第二回転部72に対して、予め設定された角度の範囲で、第一回転軸Xの周りに回転可能である。
図9に示すように、吸引パイプ8の内部には、第一吸引チャネル81が形成されている。図10に示すように、ボディー6は、吸引開口63を備える。吸引開口63は、ボディー6の底面64に開口する。ボディー6の底面64は、使用時すなわち清掃時に被清掃面に対向する。ジョイント7の内部には、吸引開口63及び第一吸引チャネル81に対して流体的につながる第二吸引チャネル(図示省略)が形成されている。
電動送風機24が作動すると、吸引開口63から汚れ空気が吸引される。その後、当該汚れ空気は、ジョイント7の内部の第二吸引チャネルと、吸引パイプ8の内部の第一吸引チャネル81を通過して、接続パイプ3の内部へ流入する。
ボディー6は、ボディー6の底面64以外の面(例えば側面)に形成された吸引開口をさらに備えてもよい。その場合、ボディー6の底面64以外の面に形成された吸引開口の総開口面積は、ボディー6の底面64に形成された吸引開口63の総開口面積より小さいことが望ましい。そのように構成することで、以下の効果が得られる。主として、ボディー6の底面64に形成された吸引開口63から塵埃を吸引することができるので、吸引性能のばらつきを軽減できる。
図11は、実施の形態1の掃除具2をボディー6の長手方向に対し垂直な方向から見た側面図である。以下の説明では、ボディー6の長手方向に対する吸引パイプ8の長手軸82の角度を第一角度αと称する。図11に示すように、ジョイント7が第一回転軸Xを中心として回転することで、第一角度αの大きさを変えることができる。第一角度αは、ボディー6と吸引パイプ8とが形成する角の劣角に対応するものとする。ジョイント7が第一回転軸Xを中心として回転可能な角度範囲は、例えば、図11が示すように、第一角度αが70°から180°まで変わりうる範囲でもよい。ジョイント7が第一回転軸Xを中心として回転可能な角度範囲は、さらに大きくてもよく、例えば、第一角度αが0°から180°まで変わりうる範囲でもよい。
図11に示すように、吸引パイプ8の長手軸82がジョイント7の第一回転部71に対して傾斜していてもよい。また、図8に示すように、ジョイント7の第一回転部71に対して、吸引パイプ8の長手軸82が同軸または平行でもよい。図9に示すように、吸引パイプ8内の第一吸引チャネル81の断面形状が多角形の場合には、当該多角形の一辺の垂直二等分線と、他の一辺の垂直二等分線との交点を吸引パイプ8の長手方向に連ねた線を吸引パイプ8の長手軸82とみなしてもよい。また、吸引パイプ8内の第一吸引チャネル81の断面形状が円形の場合には、当該円の中心を吸引パイプ8の長手方向に連ねた線を吸引パイプ8の長手軸82とみなしてもよい。
図12は、実施の形態1の掃除具2をボディー6の長手方向に平行な方向から見た側面図である。図12における両矢印は、ジョイント7が第二回転軸Yを中心として回転可能な角度範囲の一例を示している。以下の説明では、ボディー6の長手方向に平行な仮想直線と吸引パイプ8の長手軸82とを含む仮想平面とボディー6の底面64との間の角度を第二角度βと称する。ジョイント7が第二回転軸Yを中心として回転することで、第二角度βの大きさを変えることができる。ジョイント7が第二回転軸Yを中心として回転な角度範囲は、例えば、図12が示すように、第二角度βが0°から180°まで変わりうる範囲でもよい。
本実施の形態であれば、以下の効果が得られる。ジョイント7が第二回転軸Y及び第一回転軸Xを中心として回転することで第一角度α及び第二角度βが増減しても、吸引開口63の開口方向は維持される。前述したように、ジョイント7と連結されている吸引パイプ8は、吸引開口63の開口方向を維持した状態で、ボディー6に対して、予め設定された角度範囲で傾けることが可能である。ジョイント7が第二回転軸Y及び第一回転軸Xを中心として回転可能であること、すなわち第一角度α及び第二角度βが増減可能であることで、図1のひねり方向Aの動き及び傾き方向Bの動きに関係なく、ボディー6の底面64が被清掃面に対して平行の状態を維持できる。すなわち、吸引開口63と被清掃面との距離が変化しない。このため、吸引開口63の周辺の真空度が低下することを抑制でき、吸引性能を良好に維持しながらボディー6を操作することができる。
図9から図12は、第二角度βが90°の状態を示す。図9及び図10に示すように、第二角度βが90°の状態で、ボディー6の幅方向に沿ったジョイント7及び吸引パイプ8の大きさは、ボディー6の最大幅Wより小さい。また、図12に示すように、ジョイント7は、第二角度βが90°の状態で、平面視におけるボディー6の幅方向の中心を通って底面64に垂直な平面を介して対称な形状を有する。
以下の説明では、例えば家具の間などに形成される幅の狭い隙間を「狭隘部」と称する。また、従来の掃除具のように、掃除具のボディーの長手方向の中央にジョイントがあるものを「中央ジョイント式掃除具」と称する。本実施の形態であれば、以下の効果が得られる。ボディー6の遠位端62からジョイント7までの長さを、中央ジョイント式掃除具のボディーの端からジョイントまでの長さに比べて、長くできる。ボディー6の幅W以上の幅を有する狭隘部を掃除するとき、ボディー6を遠位端62の方から狭隘部に挿入することで、中央ジョイント式掃除具に比べて、ボディー6を奥へ挿入できる。このため、狭隘部を容易に掃除できる。平面視においてジョイント7を中心としてボディー6を回転させる際の回転半径が、中央ジョイント式掃除具に比べて長くなる。ボディー6の長手方向の長さを効率的に使用することができる。ボディー6を回転させた際の清掃範囲を広くすることができ、短時間で効率的な清掃が可能となる。
本発明では、ボディー6の近位端61の一端に相当する面にジョイント7が接続されなくてもよい。本発明では、ボディー6の近位端61の端面にジョイント7が接続されなくてもよい。本発明では、ジョイント7が、遠位端62より近位端61に近い位置にあればよい。すなわち、ボディー6の長手方向の中央よりも近位端61の側に偏った位置にジョイント7が配置されればよい。遠位端62より近位端61に近い位置にジョイント7があれば、中央ジョイント式掃除具に比べて、ボディー6を狭隘部のより奥へ挿入できる。
図13は、実施の形態1の掃除具2の使用形態を示す斜視図である。図14は、実施の形態1の掃除具2の他の使用形態を示す斜視図である。図13は、ボディー6を幅方向に沿って動かす使用形態を示す。図14は、ボディー6を長手方向に沿って動かす使用形態を示す。以下、図13に示す使用形態を「L字形態」とも呼び、図14に示す使用形態を「I字形態」とも呼ぶ。
使用者は、バキューム掃除機1を用いて掃除をする際に、ハンドル9を持った手で、掃除具2のボディー6の向きを操作できる。例えば、図1に示すひねり方向Aにハンドル9が回転されることにより、ジョイント7が回転し、ボディー6の向きが変化する。使用者は、ハンドル9をひねることで、自分から見て前後に動かす際のボディー6の向きを変化させることができる。この場合、ボディー6の向きは、例えば、L字形態とI字形態との間で、変化可能である。ボディー6の向きをL字形態にすることで、広いところを容易に掃除できる。ボディー6の向きをI字形態にすることで、狭隘部等の狭いところを容易に掃除できる。L字形態とI字形態との間でボディー6の向きが変化するとき、ボディー6は、被清掃面から離れることなく回転できる。本実施の形態では、このときのボディー6の回転半径は、平面視において、ボディー6の長さLと同程度である。
本実施の形態であれば、以下の効果が得られる。状況に応じて、掃除具2の使用形態をL字形態とI字形態との間で変化させることが可能である。例えば、部屋の中央等の広いところを掃除する場合には、掃除具2をL字形態で使用することで、清掃範囲を広くできる。例えば、家具の隙間等の狭隘部を掃除する場合は、掃除具2をI字形態で使用することで、狭隘部の奥にボディー6を挿入できる。ボディー6の向きを変えるだけで、広いところ及び狭いところを含む多様なシーンの掃除に対応できる。掃除する場所に応じたアタッチメントの取り外し及び付け替えの必要性を低減でき、使用者の負担を軽減できる。
ボディー6の長さLは、10cm以上が好ましい。ボディー6の長さLが10cm以上であれば、掃除具2をL字形態で使用する場合及びひねり方向Aの動きによってボディー6を回転させる場合の清掃範囲を十分に広くできる。ボディー6の長さLは、30cm以下が好ましい。ボディー6の長さLが30cm以下であれば、ジョイント7から遠い位置の吸引開口63の端部においても、十分に塵埃を吸引可能な吸引力を確保できる。
本実施の形態であれば、ボディー6の近位端61の端面にジョイント7が接続されたことで、以下の効果が得られる。平面視においてジョイント7を中心としてボディー6を回転させる際の回転半径を更に大きくできるため、より効率的な清掃が可能となる。被清掃面からジョイント7までの高さが抑えられ、ソファの下等の低所を清掃しやすくなるため、掃除具2の操作性を向上させることができる。ボディー6を狭隘部のより奥へ挿入できる。このため、狭隘部を特に容易に掃除できる。
図9、図10、及び図12に示すように、第二角度βが90°の状態で、ボディー6の幅方向に沿ったジョイント7及び吸引パイプ8の大きさは、ボディー6の最大幅Wより小さい。このような構成により、本実施の形態であれば、以下の効果が得られる。狭隘部の幅がボディー6の最大幅W以上であれば、掃除具2をI字形態にして当該狭隘部に挿入でき、当該狭隘部を掃除できる。
図12に示すように、ジョイント7は、ボディー6の幅方向の実質的に中央に位置する。すなわち、平面視において、ジョイント7と近位端61の端面との接続部は、ボディー6の幅Wの実質的に中央に位置する。このような構成により、本実施の形態であれば、以下の効果が得られる。掃除具2をI字形態にして狭隘部に挿入するときに、ジョイント7及び吸引パイプ8が妨げとなることをより確実に抑制できる。掃除具2を動かしたときにボディー6が被清掃面から離れにくくなり、高い吸引性能を維持するとともに、操作性を向上できる。
本実施の形態の掃除具2は、ロック機構26を備える。ロック機構26は、第一角度αが保持角度に等しいときに、第一角度αが当該保持角度から異なる角度へ変わることを阻止する。本実施の形態におけるロック機構26は、第一角度αが保持角度に等しいときに、ジョイント7が第一回転軸Xを中心として回転することを阻止する。保持角度は、90°以下の角度であり、予め設定された角度である。保持角度は、例えば、図11中の第一角度αに等しい角度でもよい。保持角度は、例えば、掃除具2をL字形態で使用可能な角度でもよい。本実施の形態では、ジョイント7が第一回転軸Xを中心として回転中に第一角度αが保持角度に等しくなると、ロック機構26が、第一角度αを固定するように作動する。本実施の形態では、掃除具2が一つのロック機構26を備える場合について説明するが、本発明では、掃除具が複数のロック機構を備えてもよい。
図15は、実施の形態1の掃除具2が備えるロック機構26を説明するための図である。図15は、第一回転軸X及び吸引パイプ8の長手軸82に対して垂直な方向からジョイント7を見た図である。図15は、部分的に断面図である。図15は、ロック機構26が第一角度αを固定するように作動した状態を示す。図15に示すように、本実施の形態におけるロック機構26は、第一凹部261、ピン262、スプリング263、及び第二凹部264を備える。第一凹部261は、ジョイント7の第一回転部71に形成されている。ピン262は、第一凹部261に挿入している。ピン262は、第一凹部261からの突出長さが変わるように移動可能である。スプリング263は、第一凹部261内に設置されている。スプリング263は、第一凹部261からのピン262の突出長さが大きくなる方向にピン262を付勢する。ジョイント7の第二回転部72は、第一回転軸Xを中心とする外周面721を有する。第一凹部261は、第二回転部72の外周面721に対向する。第二凹部264は、第二回転部72の外周面721に形成されている。第二凹部264は、第一角度αが保持角度に等しくなったときに第一凹部261に対向する位置にある。第一角度αが保持角度に等しくないときには、ピン262の先端は、第二凹部264が形成されていない部分の外周面721に接触する。第一角度αが保持角度に等しくないときには、ピン262の先端が外周面721に対して摺動可能であるので、ジョイント7の第一回転部71が第一回転軸Xを中心に第二回転部72に対して回転可能であり、第一角度αが変わりうる。第一角度αが保持角度に等しくなると、スプリング263に押されることでピン262が突出し、ピン262の一部が第二凹部264に挿入する。すなわち、図15に示す状態になる。図15に示す状態では、第一回転部71が第二回転部72に対して回転することがピン262によって阻止される。このため、第一角度αが保持角度から異なる角度へ変わることが阻止される。
本実施の形態であれば、ロック機構26を備えたことで、以下の効果が得られる。図13に示すL字形態で使用するときに、ロック機構26が作動することで、第一角度αが変化しないように保持できる。L字形態で使用するとき、吸引パイプ8がボディー6を使用者から見て前進させたり後退させたりする。このとき、ボディー6と被清掃面との間の摩擦力により、次のような力が作用する。吸引パイプ8がボディー6を使用者から見て前進させるときには、第一角度αを縮小させようとする力が作用する。吸引パイプ8がボディー6を使用者から見て後退させるときには、第一角度αを拡大させようとする力が作用する。仮にロック機構26がないとすると、吸引パイプ8がボディー6を使用者から見て前進させたり後退させたりするたびに、第一角度αが変化したり、ハンドル9がひねられたりしてしまい、掃除しにくい。これに対し、本実施の形態であれば、ロック機構26を備えたことで、L字形態で使用するときに第一角度αの変化を抑制でき、優れた操作性が得られる。
L字形態で使用しているときに、床の段差を回避したり、他の場所へ移動したりする目的で、ボディー6を被清掃面から持ち上げるようにハンドル9を操作することがある。このときに、仮にロック機構26がないとすると、第一角度αが拡大する方向にジョイント7が回転することで、遠位端62が下がるようにボディー6が傾く。その状態からボディー6を被清掃面に再び着地させると、遠位端62が被清掃面に衝突する可能性がある。これに対し、本実施の形態であれば、ロック機構26を備えたことで、L字形態でボディー6を被清掃面から持ち上げたときに、ボディー6が傾くことを抑制でき、ボディー6の底面64及び吸引開口63が被清掃面に対して平行または平行近くになる状態を維持できる。このため、円滑かつ容易にボディー6を被清掃面に再び着地させることができる。
第一角度αが保持角度から異なる角度へ変わることをロック機構26が阻止しているときに、第一角度αを変化させる方向に閾値以上の力が作用した場合に、ロック機構26による第一角度αの固定が自動的に解除されるように構成されてもよい。その場合、当該閾値は、以下の条件を満足することが望ましい。L字形態で吸引パイプ8がボディー6を使用者から見て前進させたり後退させたりしたときに、ロック機構26による第一角度αの固定が自動的に解除されないことが望ましい。L字形態で吸引パイプ8がボディー6を被清掃面から持ち上げたときに、ロック機構26による第一角度αの固定が自動的に解除されないことが望ましい。
ロック機構26による第一角度αの固定が解除された場合には、再び、第一角度αが変化可能になる。その場合、第一角度αは、保持角度に比べて小さい鋭角になってもよい。すなわち、第一角度αが変化可能な角度範囲の途中に保持角度があってもよい。
本実施の形態1の掃除具2は、ロック機構26による第一角度αの固定を、ロック解除ボタン25に加えられた操作に応じて解除するリリース機構27を備える。図1に示すように、ロック解除ボタン25は、ハンドル9に設置された操作部の例である。図15に示すように、リリース機構27は、ワイヤー28を備える。ワイヤー28の一端は、ロック機構26のピン262に連結されている。ロック機構26が作動した状態でワイヤー28が引かれると、ピン262が第一凹部261内へ引き込まれてピン262が第二凹部264から抜けることで、ロック機構26による第一角度αの固定が解除される。図示を省略するが、ワイヤー28の他端側は、ジョイント7及び吸引パイプ8に沿って、ハンドル9の内部まで延びている。ハンドル9には、ロック解除ボタン25が押されたときの動きを、ワイヤー28を引く動きに変換する機構(図示省略)が内蔵されている。ロック機構26が作動した状態のとき、使用者がロック解除ボタン25を押すと、ワイヤー28が引かれて、ロック機構26による第一角度αの固定が解除される。本実施の形態であれば、以下の効果が得られる。使用者は、ロック機構26により第一角度αが固定された状態のときに第一角度αを変えることを希望する場合には、ハンドル9を保持している指の位置を変えてロック解除ボタン25を押すだけで、ロック機構26による第一角度αの固定を解除できる。このため、ボディー6と吸引パイプ8とを遠ざける方向にハンドル9に力を入れる必要がない。よって、ボディー6の遠位端62側が被清掃面から離れるようにボディー6が傾いたりしないので、一時的に吸込性能が低下することを確実に抑制できる。また、ボディー6を足等で押さえつけるような動作をする必要がないので、煩わしさが生じない。
本実施の形態におけるロック機構26及びリリース機構27の構成は、一例である。本実施の形態におけるロック機構26及びリリース機構27は、同一または類似の機能を発揮し得る他の構成に置換できる。例えば、上述したリリース機構27に代えて、ロック解除ボタン25に加えられた操作を電気信号により伝達してアクチュエータを作動させることでロック機構26を解除する構成にしてもよい。
図13に示すL字形態で使用するときには、第二角度βが変わり得る。本実施の形態1におけるロック機構26は、第二角度βが変わることを妨げない。このため、図13に示すL字形態で使用するときに第二角度βが変わることをロック機構26が妨げないので、操作性を良好にできる。少なくともL字形態で使用するときに、すなわち、少なくとも第一角度αが保持角度に等しいときに、第二角度βが変わることをロック機構26が妨げることがなければ、上記と類似の効果が得られる。
実施の形態2.
次に、図16から図18を参照して、実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。図16は、実施の形態2の掃除具2Aをボディー6の長手方向に対し垂直な方向から見た側面図である。図17は、実施の形態2の掃除具2をボディー6の長手方向に平行な方向から見た側面図である。図18は、実施の形態2の掃除具2Aの平面図である。図18では、ジョイント7の外形を二点鎖線の仮想線で示す。図16から図18は、第一角度αが保持角度に等しく、かつ、第二角度βが90°の状態を示す。
図16から図18に示す実施の形態2の掃除具2Aは、ロック機構29を備える。図18に示すように、ロック機構29は、ボディー6の近位端61の端面から突出する一対の突出部291を備える。突出部291は、接触面292を有する。図17に示すように、ボディー6の近位端61の端面は、長方形を呈する。当該長方形の上側の二つの角部の各々に突出部291が形成されている。
第二角度βが90°の状態で第一角度αを保持角度に等しくしたとき、一対の突出部291の間にジョイント7の第一回転部71が挿入する。一対の突出部291の間にジョイント7の第一回転部71が挿入した状態では、一対の接触面292がジョイント7の第一回転部71に接触する。この状態では、一対の接触面292とジョイント7の第一回転部71との間の摩擦力により、ジョイント7の動きが固定される。一対の突出部291の間にジョイント7の第一回転部71が挿入した状態では、第一角度α及び第二角度βが変わることのないように固定される。このようにして、ロック機構29は、第一角度αが保持角度に等しく、かつ、第二角度βが90°のときに、第一角度α及び第二角度βが変わることを阻止できる。
図16の状態から、第一角度αを大きくする方向にボディー6及び吸引パイプ8に力を加えることで、ロック機構29による固定を解除できる。図16の状態から、第一角度αが大きくなるようにボディー6に対して吸引パイプ8を回転させることで、一対の突出部291の間からジョイント7の第一回転部71が抜け出る。これにより、ロック機構29による固定が解除される。
図18に示すように、一対の接触面292は、以下のように傾斜している。突出部291の根元の位置での一対の接触面292間の距離は、突出部291の先端の位置での一対の接触面292間の距離に比べて、小さい。このような構成により、以下の効果が得られる。一対の突出部291の間にジョイント7を挿入するときに、ジョイント7の位置が一対の突出部291の間の奥に入るほど、接触面292とジョイント7との間の摩擦力が強くなる。このため、ロック機構29がジョイント7をより確実に固定できる。ロック機構29を解除するときには、一対の突出部291の間からジョイント7が抜け出る過程で、接触面292とジョイント7との間の摩擦力が徐々に低下する。このため、ロック機構29を解除するのに必要な力を軽減できる。
図16に示すように、本実施の形態2における保持角度は、第一角度αが変化可能な範囲で最も小さい角度に相当する。ロック機構29が第一角度α及び第二角度βを固定した状態のとき、平面視において、吸引パイプ8は、ボディー6の遠位端62とジョイント7との間に位置することが望ましい。
本実施の形態2であれば、以下の効果が得られる。ロック機構29が第一角度α及び第二角度βを固定した状態のとき、掃除具2Aが、自立可能な状態、または自立可能に近い状態になる。非使用時に掃除具2Aを置いておくとき、あるいは掃除を一時中断して他の用事をするときなどに、ロック機構29により第一角度α及び第二角度βを固定することで、掃除具2Aを自立させたり、掃除具2Aを壁などに立てかけたりすることを、容易に行うことが可能となる。
図16に示すように、ジョイント7の下端は、ボディー6の底面64と同等な高さに位置する。図17に示すように、ボディー6の長手方向に平行な方向から見たとき、ジョイント7の端部は、第二回転軸Yを中心とする円弧状である。ジョイント7が第二回転軸Yを中心に回転しても、ジョイント7の下端は、ボディー6の底面64と同等な高さを維持する。このような構成により、以下の効果が得られる。使用時に吸引パイプ8がジョイント7を下向きに押す力を及ぼしたときに、ジョイント7の下端が被清掃面に接触することで、ボディー6の遠位端62側が被清掃面から浮き上がることを確実に抑制できる。このため、操作性を更に向上させることができる。これに対し、使用時に吸引パイプ8がジョイント7を下向きに押す力を及ぼしたときに、ジョイント7の下端が被清掃面に接触しないと仮定すると、てこの原理により、ボディー6が遠位端62側が被清掃面から浮き上がる可能性がある。
実施の形態3.
次に、図19及び図20を参照して、実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。図19は、実施の形態3の掃除具2Bをボディー6の長手方向に対し垂直な方向から見た側面図である。図20は、実施の形態3の掃除具2Bをボディー6の長手方向に平行な方向から見た側面図である。図19及び図20は、第一角度αが保持角度に等しく、かつ、第二角度βが90°の状態を示す。
図19及び図20に示す実施の形態3の掃除具2Bは、ロック機構33を備える。ロック機構33は、支持部331と、一対の突出部332とを備える。図19に示すように、支持部331は、ボディー6の近位端61の端面から突出する。被清掃面にボディー6が置かれたときに、支持部331は、少なくとも部分的に、ジョイント7と被清掃面との間に位置する。すなわち、ボディー6の底面64をジョイント7の下側へ延長した仮想平面とジョイント7との間に、支持部331が少なくとも部分的に位置する。一対の突出部332は、支持部331から上方、すなわち底面64に対して垂直な方向へ突出する。ボディー6の近位端61の端面と、一対の突出部332との距離は、以下のようになっている。第一角度αが保持角度に等しいときには、ボディー6の近位端61と突出部332との間に、ジョイント7が挿入可能である。本実施の形態3における保持角度は、第一角度αが変化可能な範囲で最も小さい角度に相当する。
図20に示すように、ボディー6の長手方向に平行な方向から見たときの一対の突出部332間の距離は、第二角度βが90°のときのジョイント7が挿入可能な大きさを有する。図20の状態からジョイント7が第二回転軸Yを中心に回転すると、ボディー6の近位端61といずれかの突出部332との間にジョイント7が挿入する。第一角度αが保持角度に等しいときには、ボディー6の近位端61と突出部332との間にジョイント7が挿入可能であることで、第二角度βが変化できる。第二角度βが90°のときには、一対の突出部332間にジョイント7が挿入可能であるので、第一角度αが、保持角度から、より大きい角度へ変わることができる。第一角度αが保持角度より大きい角度になると、一対の突出部332間にジョイント7が挿入する。
ボディー6の近位端61といずれかの突出部332との間にジョイント7が挿入した状態では、第二角度βは90°以外の角度になる。この状態では、ジョイント7が突出部332に接触することで、第一角度αが保持角度より大きい角度になることが阻止される。
本実施の形態3によれば、以下のようになる。ロック機構33は、第二角度βが90°のときには第一角度αが保持角度から異なる角度へ変わることを許容する。ロック機構33は、90°を含む所定の角度範囲に第二角度βがあるときに、第一角度αが保持角度から異なる角度へ変わることを許容してもよい。図20に示す構成では、ボディー6の長手方向に平行な方向から見たときの一対の突出部332間の距離は、第二角度βが90°のときのジョイント7の幅に比べてわずかに大きい。このため、90°を含む所定の角度範囲に第二角度βがあるときに、第一角度αが保持角度から異なる角度へ変わることが許容される。当該角度範囲に第二角度βがないときには、ボディー6の近位端61といずれかの突出部332との間にジョイント7が挿入することで、第一角度αが保持角度より大きい角度になることが阻止される。このようにして、本実施の形態3のロック機構33は、90°を少なくとも含む角度範囲に第二角度βがあるときには第一角度αが保持角度から異なる角度へ変わることを許容し、第二角度βが当該角度範囲にないときには第一角度αが保持角度から異なる角度へ変わることを阻止する。
本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。図13に示すL字形態で使用するときには、第一角度αが保持角度に等しくなり、第二角度βが90°以外の角度になる。この状態では、第一角度αが保持角度から異なる角度へ変わることがロック機構33により阻止される。このため、吸引パイプ8がボディー6を使用者から見て前進させたり後退させたりするときに、第一角度αの変化を抑制でき、優れた操作性が得られる。また、L字形態でボディー6を被清掃面から持ち上げたときに、ボディー6が傾くことを抑制でき、ボディー6の底面64及び吸引開口63が被清掃面に対して平行または平行近くになる状態を維持できる。このため、円滑かつ容易にボディー6を被清掃面に再び着地させることができる。第一角度αが保持角度に等しいときには、第二角度βが変わることをロック機構33が妨げることがない。このため、L字形態で使用するときには第二角度βが自由に変化できるので、優れた操作性が得られる。図14に示すI字形態で使用するときには、第二角度βが90°になる。第二角度βが90°のときには第一角度αが変化することをロック機構33が妨げない。このため、I字形態で使用するときには第一角度αが自由に変化できるので、優れた操作性が得られる。
図19に示すように、支持部331の下面は、ボディー6の底面64と同等な高さに位置する。このような構成により、以下の効果が得られる。使用時に吸引パイプ8がジョイント7を下向きに押す力を及ぼしたときに、支持部331の下面が被清掃面に接触することで、ボディー6の遠位端62側が被清掃面から浮き上がることを確実に抑制できる。このため、操作性を更に向上させることができる。支持部331の下面は、必ずしも、ボディー6の底面64と同等な高さに位置しなくてもよい。被清掃面にボディー6が置かれたときに、支持部331が、少なくとも部分的に、ジョイント7と被清掃面との間に位置することで、上記に類似の効果が得られる。
実施の形態4.
次に、図21から図23を参照して、実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。図21は、実施の形態4の掃除具2Cの斜視図である。図22は、実施の形態4の掃除具2Cをボディー6の長手方向に対し垂直な方向から見た側面図である。図23は、実施の形態4の掃除具2Cをボディー6の長手方向に平行な方向から見た側面図である。
実施の形態4の掃除具2Cは、実施の形態1のジョイント7に代えてジョイント7Aを備える。図22に示すように、本実施の形態におけるジョイント7Aは、ボディー6の近位端61と遠位端62との間で、かつ、遠位端62より近位端61に近い位置に配置されている。図21に示すように、ジョイント7Aは、第一回転部71A及び第二回転部72Aを備える。第二回転部72Aは、第二回転軸Yの周りに回転できるようにボディー6に対して接続されている。第一回転部71Aは、第一回転軸Xの周りに回転できるように第二回転部72に対して接続されている。図21中、第一回転軸X及び第二回転軸Yを一点鎖線で示す。第二回転軸Yは、第一回転軸Xに対して、ねじれの位置にある。本実施の形態では、第二回転軸Yは、ボディー6の長手方向に対して実質的に平行である。第一回転軸Xは、第二回転軸Yに対して実質的に垂直である。図21から図23は、第二角度βが90°の状態を示す。図22は、第一角度αが鋭角の状態を示す。図23は、第一角度αが鈍角の状態を示す。
本実施の形態4の掃除具2Cは、実施の形態1のロック機構26と同じ構造のロック機構を備えてもよい。本実施の形態4のように、本発明では、ボディー6の近位端61の端面にジョイントが接続されなくてもよい。本発明では、ジョイントが、遠位端62より近位端61に近い位置、すなわちボディー6の長手方向の中央に対して近位端61側に偏った位置にあればよい。
本実施の形態4であれば、ジョイント7Aを回転させることで、ボディー6の幅方向における掃除具2Cのサイズを、ボディー6の幅のみ、もしくはボディー6の幅にジョイント7Aを付加したサイズとに、選択的に変更できる。これにより、ボディー6の幅と同等の狭い場所にも、掃除具2Cを挿入して清掃できる。第二角度βを0°の近くまたは180°の近くにすることで、高さ方向における掃除具2Cのサイズを、ボディー6の高さと同程度にできる。このため、高さ方向の隙間が狭い場所にも、掃除具2Cを挿入して清掃できる。
実施の形態5.
次に、図24を参照して、実施の形態5について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。図24は、実施の形態5のバキューム掃除機1Aの斜視図である。図24に示すバキューム掃除機1Aは、例えば、コードレスタイプの充電式のバキューム掃除機である。本実施の形態5のバキューム掃除機1Aは、掃除具2及び掃除機本体5Aを備える。
本実施の形態5の掃除具2のボディー6、ジョイント7、吸引パイプ8、及びロック機構26の構造は、実施の形態1の掃除具2と同一または類似である。本実施の形態5のバキューム掃除機1Aは、実施の形態1の掃除具2と同一または類似の掃除具に代えて、実施の形態2から実施の形態4のいずれかの掃除具と同一または類似の掃除具を備えてもよい。
掃除機本体5Aの外形は、円柱状である。掃除機本体5Aは、収容ユニット14A及び集塵ユニット15Aを備える。収容ユニット14A及び集塵ユニット15Aの外形は、円柱状である。集塵ユニット15Aは、収容ユニット14Aの下側に、着脱可能に取り付けられる。ハンドル9は、掃除機本体5Aの上部に連結される。図24中で、ハンドル9の中心軸及び掃除機本体5Aの中心軸は、一点鎖線で示されている。ハンドル9の中心軸は、掃除機本体5Aの中心軸と一致してもよい。ハンドル9の中心軸は、収容ユニット14A及び集塵ユニット15Aの中心軸と一致してもよい。
本実施の形態5において、掃除具2の吸引パイプ8は、吸引ホース4を介さずに掃除機本体5Aに接続されている。吸引パイプ8は、集塵ユニット15Aの内部に通じている。吸引パイプ8の中心軸は、掃除機本体5Aの中心軸に対して平行でもよい。使用者は、バキューム掃除機1Aを使用する際に、ハンドル9を把持することで掃除機本体5Aの重量を支えながら掃除を行う。本実施の形態5のバキューム掃除機1Aは、収容ユニット14Aの内部に収容された電動送風機24Aを備える。電動送風機24Aの中心軸は、収容ユニット14Aの中心軸と一致してもよい。
実施の形態5において、ハンドル9は、中心軸が電動送風機24の中心軸に一致する棒状の部位を有する。ハンドル9の全体的な形状は、中心軸が電動送風機24の中心軸に一致する棒状の形状でもよい。これらの構成によれば、以下の効果が得られる。使用者が把持する位置と掃除機本体5Aの重心との距離が近くなる。これにより、特に、ハンドル9をひねる場合に必要な力が小さくて済む。その結果、バキューム掃除機1Aの使用時に使用者の手に掛かる負荷を軽減し、操作性を更に向上させることができる。
実施の形態5において、ハンドル9は、長手方向の中心における断面積よりも先端部の断面積の方が大きくなるように形成されている。このため、ボディー6を持ち上げる際等に、使用者の手がハンドル9から滑ったとしても、径が相対的に太い先端部が抜止めの役割を果たす。その結果、バキューム掃除機1の使用時にハンドル9が手から滑落することを抑制し、操作性を更に向上させることができる。
実施の形態1から5において、掃除具のボディー6に、被清掃面を攪拌することで被清掃面から塵埃を掻き上げるための回転ブラシ等のアジテーター(図示省略)が備えられてもよい。当該アジテーターを回転させる駆動手段は、例えば、電動機でもよいし、空気流によって回転するタービンでもよい。
実施の形態1から5では、バキューム掃除機用の掃除具を例に本発明を説明した。本発明の掃除具は、バキューム掃除機用の掃除具に限定されない。本発明の掃除具は、例えば、床用モップにも適用できる。床用モップに適用する場合には、掃除具のボディーは、掃除用の繊維品あるいはスポンジなどを保持することができる。バキューム掃除機用以外の掃除具に適用する場合には、ボディーは吸引開口を備えなくてよく、ワンド部は第一吸引チャネルを備えない棒状の部材でよく、ジョイントは第二吸引チャネルを備えなくてよい。