本発明の実施形態に係る遊技機の一例であるスロットマシン1について、図1〜図9を参照して説明する。
(構成)
スロットマシン1の構成の概略について図1、図2を参照して説明する。
この実施形態におけるスロットマシン1は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態において、メダルが規定枚数投入されることを条件とする遊技者の操作に基づいて一回の遊技が実行されるものであって、例えば図1に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、筐体3の前面が前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されると共に、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。
そして、この正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には、図1、図2に示すように、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。これら左・中・右リール13L,13M,13Rには、複数種類の図柄が合計21個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、各図柄には、0番から20番までのコマ番号が順に付されている。そして、例えば、コマ番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リール13L,13M,13Rがそれぞれ形成される。また、各リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。なお、例えば、上段ライン、中段ライン、下段ライン、右上がりライン、右下がりラインの5ラインが入賞ラインとして設定されている。
また、各リール13L,13M,13Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各リール13L,13M,13Rには、それぞれステッピングモータにより構成される図3に示すリールモータ14L,14M,14Rが連結されている。
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。また、各リール13L,13M,13Rにより複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ21L,21M,21Rは、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応して設けられている。
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行うための液晶表示器27が設けられている。また、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。なお、図2に示すように、後述するメダル払出口39の左右にもスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9の右下隅には、3つのリールに対する入賞ラインの位置を示す図形(図示省略)が描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
また、図2に示すように、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体13が、筐体3の後側内壁面に固定されている。筐体3内の支持枠体13の下方には、図2に示すように、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43が配設されている。なお、ホッパーユニット43の構成については後述する。また、メダル投入口25付近の裏面側には、図2に示すように、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48が配設されている。なお、筐体3内部には、メダル通路が設けられており、メダルセレクタ48において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット43から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口39から払い出される。また、ホッパーユニット43の右側には、図2に示すように、ホッパーユニット43で余剰になってホッパーユニット43から排出されるメダルを収納するメダル補助収納庫47が配置されている。また、ホッパーユニット43の左側には、図2に示すように、操作ボックス49が筐体3の左側内壁面に固定されている。この操作ボックス49には、電源のオンオフを切り替える電源スイッチ50(図3参照)が設けられるとともに、オンとオフとが切り替えられる設定変更開始処理用のキーシリンダからなる変更処理開始スイッチ56(図3参照)、設定変更時の設定値の切り替えを行うのに用いられるリセットスイッチ52(図3参照)が設けられている。ただし、変更処理開始スイッチ56がオンの状態で電源スイッチ50がオンにされると、リセットスイッチ52を用いた設定変更処理が開始される。
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について図3を参照して説明する。図3はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
図3において、投入センサ53は、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48部分に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出するものである。払出センサ54は、ホッパーユニット43の出口に設けられ、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出するものである。
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するためのもので、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
ホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出すものである。
また、このスロットマシン1では、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63に実装されたメインCPU61から送信された情報に基づき所定の演出(例えば、遊技の進行に合わせた演出)に関する制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられており、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種の遊技情報が一方向で送信される。メイン制御基板63、サブ制御基板73それぞれは、外部から不正にアクセスすることが困難なように、基板ケース内に収容された上、基板ケースが痕跡を残さずに開放することが困難なように厳重に封印されている。また、これらの基板ケースには、不正に開放されたことを視認することができるように、種々の対策が講じられている。メイン制御基板63を収容した基板ケースは図2に示すように筐体3の後側内壁面に支持枠体13より高い位置に設置されており、サブ制御基板73を収容した基板ケースは図2に示すように筐体3の左側内壁面にメイン制御基板63を収容した基板ケースと略同じ高さの位置に設置されている。
メイン制御基板63のRAM65はスロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものであり、各種のデータを格納するための各種の記憶領域が形成されている。
また、メイン制御基板63のROM67は予め設定されたデータを含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶する。
また、メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、役抽選結果に関する情報、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の遊技情報をコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
また、サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種の遊技情報等に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行することで、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器27やスピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63について説明する。
メイン制御基板63は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
メインCPU61は、当選した当選役グループ(1または複数の役を構成役として有する。)の種類や役の入賞・非入賞等により、スロットマシン1が備える複数の遊技状態のうちいずれか一つの遊技状態にスロットマシン1の遊技を制御する。
また、メインCPU61は、電源スイッチ50、変更処理開始スイッチ56、リセットスイッチ52に対する所定の設定変更操作に基づいて、出玉率(獲得メダル枚数÷投入メダル枚数×100[%])の調整をするための設定(設定1〜設定6)を変更する。
また、メインCPU61は、制御した遊技状態の種類、および、設定した設定値(設定1から設定6)に基づき、複数の役抽選テーブルから1つの役抽選テーブルを選択する。この役抽選テーブルには、予め設定された複数の当選役グループそれぞれについて、当選役グループと当該当選役グループが役抽選において当選となる抽選値の範囲とが対応づけて記憶されている。
また、メインCPU61は、スタートスイッチ19が遊技者により操作されると、役抽選用の乱数を所定の範囲内で発生させ、発生させた乱数値を抽選値としてスタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出する。そして、メインCPU61は、選択した役抽選値テーブルと抽出した抽選値とを用いてどの当選役グループに当選したかどうかの決定を行う。
また、メインCPU61は、スタートスイッチ19が遊技者により操作されると、各リール13L,13M,13Rの回転を開始させ、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する。メインCPU61は、全てのリール13L,13M,13Rが定速回転となったときに、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作を有効操作として受付ける状態となる。この状態で各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が遊技者により行われると、メインCPU61は、検出した各左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置と、遊技者による各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様(例えば押し順や操作タイミング)と、役抽選結果とに基づき、予め設定されているすべりコマ数(引き込み可能範囲:通常、最大4コマ)の範囲内で各リール13L,13M,13Rが停止するように停止制御を行う。
全てのリール13L,13M,13Rの回転が停止した後、メインCPU61は、リール13L,13M,13Rの入賞ラインの図柄組合せが、役抽選により当選した当選役グループを構成する役に対応する図柄組合せであるかどうかの判定を行い、入賞ラインの図柄組合せが当該役に対応する図柄組合せである場合は、当該役に入賞したと判定し、そうでない場合はハズレと判定する。メインCPU61は、役抽選により当選した当選役グループを構成する役に入賞したと判定したときに、それがメダル払い出しのある役の入賞であれば、ホッパーユニット43を動作させて、入賞した役に対応した払出枚数だけメダルを払い出すものである。ただし、メインCPU61はクレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達するまでは、払出枚数を基にクレジットメダルの枚数を増加させる。
また、メインCPU61は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切り替える。
また、メインCPU61は、設定値、遊技状態、役抽選結果に関する情報、図柄判定結果に関する情報、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、メダルの払出状態、前面扉5の開放または閉塞の状態、スロットマシン1のエラー状態などスロットマシン1の状態を表すデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成し、生成したコマンドをサブ制御基板73のサブCPU71に送信する。なお、コマンドはメイン制御基板63からサブ制御基板73に一方通行で送信される。
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について説明する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。サブ制御基板73は、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えている。
サブCPU71は、メイン制御基板63(メインCPU61)により送信された種々のデータを含むコマンドを受信する。そして、サブCPU71は、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、決定した演出の内容に応じて、例えば、液晶表示器27に動画等の画像を表示する表示制御を行ったり、スピーカ31L,31Rからの音声の出力制御を行ったり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅させる制御を行ったりする。
(ホッパーユニット)
続いて、スロットマシン1が備えるホッパーユニット43について図4から図7(a)を参照して説明する。ただし、本実施形態のホッパーユニット43はホッパーユニット43内の余剰なメダルをホッパーユニット43外に排出するためのメダルガイド部114を含む部分に特徴があるので、以下ではメダルガイド部114を含む部分について詳細に説明し、それ以外の部分については簡単に説明する。なお、ホッパーユニット43は本発明の「メダル排出装置」に相当する。
図4(a)はホッパーユニット43の正面図であり、図4(b)はホッパーユニット43の上面図であり、(c)はホッパーユニット43の右側面図である。また、図5は図4(a)のホッパーユニット43を図面の奥側から図面の手前側を見たホッパーユニットの斜視図である。また、図6は図4(b)のホッパーユニット43のA−A矢視断面図である。
ホッパーユニット43は、図4(a)の左側の側面が筐体3の左側内壁面に、図4(a)の右側の側面が筐体3の右側内壁面に向かい合うように筐体3内に設置される。
ホッパーユニット43は、貯留領域に一定量のメダルを貯留可能であって、貯留領域に貯留されたメダルを遊技者に払い出すものである。
ホッパーユニット43は、図4(a)〜図4(c)、図5、図6に示すように、貯留バケット101と、送出ロータ102と、送出ロータ受部103と、ホッパーモータ57(図4(a)〜図4(c)、図5、図6には不図示、図3参照)と、これらの構成部品をユニット化するための本体ベース104とを備える。
貯留バケット101は、上部が開放されるとともに底部101aにほぼ円形をした開口110が形成された(図4(b)、図6参照)、遊技者への払い出しに利用されるメダルを一時的に貯留する貯留領域を形成するものである。この貯留バケット101には、その前面に、メダルの払い出しの際に貯留バケット101の貯留領域に貯留されているメダルをホッパーユニット43外へと送出するためのメダル送出口111が形成されている(図4(a)参照)。このメダル送出口111から送出されたメダルは、前面扉5に形成されたメダル払出口39からメダル受け41に移動することになる。ここで、貯留バケット101は、成形のし易さから樹脂の材料で成形された樹脂製の部品である。具体的には、ABS樹脂により成形されているが、ポリカーボネートなど他の樹脂であってもよい。なお、貯留バケット101が本発明の「貯留容器」に相当する。また、貯留バケット101に形成される貯留領域が本発明の「貯留領域」に相当する。また、メダル送出口111が本発明の「メダル送出口」に相当する。
送出ロータ102には、メダルを1枚ずつ区分けするためのメダル収納部102aが複数設けられており(図4(b)、図6参照)、また、軸受部102bが設けられている(図4(b)、図6参照)。この実施形態では、メダル収納部102aは6個設けられている(図4(b)参照)。送出ロータ受部103には、ホッパーモータ57による駆動力を受けて回転する回転軸心103aが設けられており、送出ロータ102は、軸受部102bが回転軸心103aと接続されるように、送出ロータ受部103に回転自在に装着されている(図4(b)、図6参照)。送出ロータ102が装着された送出ロータ受部103は送出ロータ102が貯留バケット101の開口110と対応する位置になるように貯留バケット101の下部に配置される(図4(b)、図5、図6参照)。メダルの払い出しの際、ホッパーモータ57の駆動力による回転軸心103aの回転により送出ロータ102は回転し、貯留バケット101の正面に形成されたメダル送出口111(図4(a)参照)と対応する位置にメダル収納部102aに収納されて移動してきたメダルは、メダル送出口111からホッパーユニット43外に送出され、メダル払出口39からメダル受け41に移動することになる。なお、送出ロータ102が本発明の「送出ロータ」に相当する。
ホッパーユニット43を構成する貯留バケット101には、右側面に、貯留バケット101の貯留領域に貯留されている余剰のメダルをホッパーユニット43外へ排出するためのメダル排出口112が形成されている(図4(c)、図5参照)。このメダル排出口112から排出されたメダルは、メダル補助収納庫47(図2参照)に移動することになる。なお、メダル排出口112が本発明の「メダル排出口」に相当する。
貯留バケット101には、前側内壁面に、貯留バケット101の上方側よりも下方側が内側(貯留領域側)に突き出した段差部113が形成されている(図5、図6参照)。なお、段差部113が本発明の「段差部」に相当する。
貯留バケット101には、段差部113の上面と対応する位置にメダルガイド部114が設けられている。メダルガイド部114は、メダル排出口112の反対側がメダル排出口112側より高くなるように配置されており、この高低差により、メダルガイド部114の上面に乗ったメダルをメダル排出口112側へとスライドさせてメダル排出口112へと誘導するものである。例えば、メダルの払い出しの際、ホッパーモータ57の駆動力による回転軸心の回転により送出ロータ102は回転し、貯留バケット101の貯留領域に貯留されているメダルは回転移動(渦運動)する。このとき、貯留バケット101の貯留領域に貯留されているメダルの枚数が貯留領域内に貯留可能な貯留可能枚数を超えていると貯留可能枚数を超えた余剰なメダルがメダルガイド部114の上面に移動する。この移動したメダルが、メダルガイド部114の高低差により、メダル排出口112側へとスライドさせられてメダル排出口112から排出され、メダル補助収納庫47(図2参照)に移動する。なお、メダルガイド部114が本発明の「メダルガイド部」に相当する。
また、メダルガイド部114は、金属を加工した金属製の部品としている。具体的には、ステンレス鋼を加工した部品であるが、チタンなど他の金属であってもよい。
メダルガイド部114が金属製の部品であることの利点としては、メダルが表面を滑る際の摩擦抵抗が樹脂製の部品に比べて小さくなりメダルが滑り易くなるという点があり、また、樹脂製に比べて剛性が高いのでメダルと接触した際に削られることが少なく耐久性が高いという点もある。
メダルガイド部114は、貯留バケット101の段差部113より上側の壁面に設けられた貫通孔(図5のP点の位置に形成されている)に貯留バケット101の外側から内側へ向けてねじを挿通し貯留バケット101の内側でナットとねじ合せることにより、貯留バケット101内に設置されている。
メダルガイド部114は、このように組み付けられていることで、メダルガイド部114の上面をスライドするメダルの動きを阻害することなく、効率良く貯留バケット101内に組み付けることができる。
また、ナットの高さは、ねじを取り付ける際に貯留バケット101の内側に露出するねじ山の全てを覆うことができる高さとしている。これによれば、作業者が貯留バケット101を掴んだ際にねじ山が作業者の手指と接触し作業者が手指を痛めるということを防止することができる。
メダルガイド部114は、貯留バケット101とは別体として構成されている。このように構成されている利点として以下の点がある。
一つには、形状の作り易さの点である。仮に、貯留バケット101とメダルガイド部114とを一体的に成形しようとすると、後述するメダルガイド部114の非重複領域114aの部分の成形が複雑なものとなるが、この実施形態では、メダルガイド部114は、貯留バケット101とは別体として構成されているので、一体成形に伴う成形上の困難を回避することができる。
また、ホッパーユニット43の利用寿命を伸ばすことにも寄与できる。スロットマシン1で利用するメダルは、遊技者が触るものであるため遊技者の手垢等のごみが付着することがある。ごみ等が付着したメダルがメダルガイド部114の上面に接触すると、メダルガイド部114の上面にごみ等が転移し、それが堆積していくことでメダルガイド部114の上面にごみ等が固着してしまうことが考えられる。このような場合であっても、この実施形態では、メダルガイド部114のみを取り換えることで、ホッパーユニット43を引き続き利用することができ、利用寿命を伸ばすことができる。
さらに、図7(a)を参照してホッパーユニット43の貯留バケット101に形成された段差部113及び貯留バケット101に設けられたメダルガイド部114の寸法について説明する。図7(a)は本実施形態のホッパーユニット43の貯留バケット101の段差部113及びメダルガイド部114の寸法を説明するため、図6のうち段差部113とメダルガイド部114とを主に拡大して示した図である。
図7(a)では、図面の手前側にメダル排出口112があり、メダルガイド部114に乗ったメダルはメダルガイド部114の上面の高低差により図面の奥側から図面の手前側にスライドすることになる。なお、図7(a)での図面の奥側から図面の手前側の方向が、メダルがスライドする方向であり、本発明の「メダルがスライドする方向」に相当する。また、メダルがスライドする方向の幅は、メダルがスライドする方向と直交する方向の長さであり、以下では「メダルがスライドする方向の幅」を単に「幅」と記載する。なお、この実施形態で利用するメダルは円板状であり、メダルの半径Rは12.5mmを標準として±0.5mm程度の誤差があるものを想定している。ただし、メダルの半径Rは、これに限定されることなく、例えば、15mmを標準として±0.5mm程度の誤差があるものであってもよいし、その他の値であってもよい。
既に上述しているが、図7(a)に示すように、貯留バケット101に形成された段差部113の上面113aの対応する位置にメダルガイド部114が配置されている。
この実施形態では、段差部113の上面113aには、段差部113の上面113aの幅A1(図7(a)参照、段差部113を上方から見た面における、段差より上側の貯留バケット101の内壁面101uと段差より下側の貯留バケット101の内壁面101dとの距離)が、メダルの直径(=2×メダルの半径R)よりも大きく設定されている部分がある(A1>(2×R))。なお、この設定事項を、以下では、適宜、「設定事項A」と記載する。
また、この実施形態では、メダルガイド部114は、メダルガイド部114を上方から見て段差部113と重なり合わないメダルガイド部114の非重複領域114aの幅A2(図7(a)参照、メダルガイド部114を上方から見た面における、段差より下側の貯留バケット101の内壁面101dと、メダルガイド部114の段差より上側の貯留バケット101の内壁面101uと反対側の面114bとの距離)が、段差部113の幅A1よりも大きくならないように設定されている部分がある(A1>A2)。なお、この設定事項を、以下では、適宜、「設定事項B」と記載する。
また、メダルガイド部114の非重複領域114aの幅A2は、メダルの半径Rよりも小さくなるように設定されている部分がある(A2<R)。なお、この設定事項を、以下では、適宜、「設定事項C」と記載する。
以下、図7(b)のホッパーユニット43Cと比較しながら、本実施形態のホッパーユニット43の効果を説明する。ただし、比較対象のホッパーユニット43Cは、貯留バケット101Cに形成された段差部113C及び貯留バケット101Cに設けられたメダルガイド部114Cの寸法を除くと、本実施形態のホッパーユニット43と同様であるとする。
図7(b)を参照してホッパーユニット43Cの貯留バケット101Cに形成された段差部113C及び貯留バケット101Cに設けられたメダルガイド部114Cの寸法について説明する。図7(b)は本実施形態のホッパーユニット43と比較するホッパーユニット43Cの貯留バケット101Cの段差部113C及びメダルガイド部114Cの寸法を説明するための図である。
図7(b)では、図面の手前側にメダル排出口112に相当するメダル排出口があり、メダルガイド部114Cに乗ったメダルはメダルガイド部114Cの上面の高低差により図面の奥側から図面の手前側にスライドすることになる。なお、図7(b)での図面の奥側から図面の手前側の方向が、メダルがスライドする方向である。また、メダルがスライドする方向の幅は、メダルがスライドする方向と直交する方向の長さであり、比較対象のホッパーユニット43Cの説明においても、「メダルがスライドする方向の幅」を単に「幅」と記載する。
本実施形態のホッパーユニット43の場合と同様、比較対象のホッパーユニット43Cにおいても、図7(b)に示すように、貯留バケット101Cに形成された段差部113Cの上面113Caの対応する位置にメダルガイド部114Cが配置されている。
比較対象では、段差部113Cの上面113Caは、段差部113Cの上面113Caの幅B1(図7(b)参照、段差部113Cを上方から見た面における、段差より上側の貯留バケット101Cの内壁面101Cuと段差より下側の貯留バケット101Cの内壁面101Cdとの距離)が、メダルの直径より小さく設定されている(B1<(2×R))。なお、この設定事項を、以下では、適宜、「設定事項AC」と記載する。
また、比較対象では、メダルガイド部114Cは、メダルガイド部114Cを上方から見て段差部113Cと重なり合わないメダルガイド部114Cの非重複領域114Caの幅B2(図7(b)参照、メダルガイド部114Cを上方から見た面における、段差より下側の貯留バケット101Cの内壁面101Cdと、メダルガイド部114Cの段差より上側の貯留バケット101Cの内壁面101Cuと反対側の面114Cbとの距離)が、段差部113Cの幅B1よりも大きくなるように設定されている(B1<B2)。なお、この設定事項を、以下では、適宜、「設定事項BC」と記載する。
また、メダルガイド部114Cの非重複領域114Caの幅B2は、メダルの半径Rよりも大きくなるように設定されている(B2>R)。なお、この設定事項を、以下では、適宜、「設定事項CC」と記載する。
以下、貯留バケット101に余剰のメダルが貯留されている状態(メダル補助収納庫47に貯留バケット101に貯留しているメダルを排出しなければメダルが貯留バケット101から筐体3内に溢れ出す状態)における本実施形態のホッパーユニット43の有利な点について説明する。
まず、本実施形態のホッパーユニット43の設定事項Aが、比較対象のホッパーユニット43Cの設定事項ACより有利な点を説明する。
比較対象のホッパーユニット43Cにおいて、メダルが送出ロータ102に相当する送出ロータの回転によりメダルが回転移動(渦運動)をしてメダルガイド部114Cの下面に下方から当たると、メダルガイド部114Cに上向きの力が加わり、この上向きの力によりメダルガイド部114Cが上向きに折れ曲がってしまう虞がある。この場合、比較対象のホッパーユニット43Cの設定事項ACでは、幅B1がメダルの直径より小さいので、メダルがメダル排出口112に相当するメダル排出口に向けてスライドするためのスライド方向の幅を折れ曲がった部分で確保できず、メダル詰まりが発生してしまう。これにより、貯留バケット101C内の余剰なメダルをスムーズにホッパーユニット43C外に排出することできない。
これに対して、本実施形態のホッパーユニット43において、メダルが送出ロータ102の回転によりメダルが回転移動(渦運動)をしてメダルガイド部114の下面に下方から当たると、メダルガイド部114に上向きの力が加わり、この上向きの力によりメダルガイド部114が上向きに折れ曲がってしまう虞がある。この場合、本実施の形態のホッパーユニット43の設定事項Aでは、幅A1がメダルの直径より大きいので、メダルがメダル排出口112に向けてスライドするためのスライド方向の幅を折れ曲がった部分でも確保するこができ、折れ曲がった部分でもメダル詰まりが発生しない。これにより、貯留バケット101内の余剰なメダルをスムーズにホッパーユニット43外に排出することができる。
次に、本実施形態のホッパーユニット43の設定事項Bが、比較対象のホッパーユニット43Cの設定事項BCより有利な点を説明する。
ここで、メダルのスライドを可能にするために確保する必要があるメダルのスライド方向の幅はホッパーユニット43とホッパーユニット43Cとで同じであることが想定される(A1+A2=B1+B2)。この場合、設定事項B(A1>A2)と設定事項BC(B1<B2)との下では、メダルガイド部114の非重複領域114aの幅A2はメダルガイド部114Cの非重複領域114Caの幅B2よりも小さくなる(A2<B2)。
比較対象のホッパーユニット43Cにおいて、送出ロータ102に相当する送出ロータの回転によりメダルが回転移動(渦運動)をしてメダルが下方から当たるメダルガイド部114Cの下面の面積は本実施形態のホッパーユニット43Cと比べて大きくなる。このため、メダルによりメダルガイド部114Cの下面に下方から加わる上向きの力は本実施の形態のホッパーユニット43と比べて大きくなり、メダルガイド部114Cが上向きに折れ曲がりやすくなる。
これに対して、本実施形態のホッパーユニット43において、送出ロータ102の回転によりメダルが回転移動(渦運動)をしてメダルが下方から当たるメダルガイド部114の下面の面積は、比較対象のホッパーユニット43Cと比べて小さくなる。このため、メダルによりメダルガイド部114の下面に下方から加わる上向きの力は比較対象のホッパーユニット43Cと比べて抑えられ、メダルガイド部114が上向きに折れ曲がるのが抑制される。
続いて、本実施形態のホッパーユニット43の設定事項Cが、比較対象のホッパーユニット43Cの設定事項BCより有利な点を図8(a),(b)を参照して説明する。図8(a)は本実施形態のホッパーユニット43のメダルガイド部114の下面付近でのメダルの動きを説明するため、図6のうち段差部113とメダルガイド部114とに相当する部分を主に拡大して示した図であり、図8(b)は本実施形態のホッパーユニット43と比較するホッパーユニット43Cのメダルガイド部114Cの下面付近でのメダルの動きを説明するための図である。
比較対象のホッパーユニット43Cにおいて、メダルガイド部114Cの非重複領域114Caの幅B2がメダルM2の半径Rより大きくなるように設定されている(B2>R)。このため、メダルM2が水平面に対して貯留バケット101Cの中心から離れた側から貯留バケット101Cの中心に近い側にかけて高くなる斜めに傾いてメダルガイド部114Cの下面に当たった状態では、図8(b)の左側の図のように、メダルM2とメダルガイド部114Cとの接触点SPCがメダルM2の中心点CPよりも貯留バケット101Cの中心に近い位置になる(メダルM2の中心点CPはメダルガイド部114Cを上から見てメダルガイド部114Cの非重複領域114Ca内にある)。この状態で、送出ロータ102に相当する送出ロータの回転により貯留されているメダルが回転運動(渦運動)すると、メダルM2の下面にはメダルM1により下方から上方にメダルM2が押し上げられる上方向の力が加わる。これにより、メダルM2は、接触点SPCを回転の中心として、メダルM2の貯留バケット101Cの中心から離れた側の部分が上がり、メダルM2の貯留バケット101Cの中心に近い側が下がるように時計回りに回転する(図8(b)の左側の図の矢印参照)。そして、送出ロータが回転している際にメダルM2は図8(b)の右側の図のようにメダルM2の上面がメダルガイド部114Cの下面に押しつけられて、送出ロータの回転中にも関わらずメダルガイド部114Cの下面と平行な位置で留まる場合がある。この留まったメダルM2は送出ロータの回転による別のメダルの回転移動(渦運度)の妨げとなり、ホッパーユニット43Cは余剰なメダルをスムーズにホッパーユニット43C外に排出することできなくなる。
また、メダルM2が図8(b)の右側の図の状態で留まった場合、メダル投入口25(図1参照)から投入されたメダルがホッパーユニット43Cに飛来して、上面がメダルガイド部114Cの下面と平行な状態で留まっているメダルM2の上面と衝突したとしても、飛来してきたメダルをメダルガイド部114Cの上面に誘導することができない。
これに対して、本実施形態のホッパーユニット43において、メダルガイド部114の非重複領域114aの幅A2がメダルM2の半径Rより小さくなるように設計されている(A2<R)。このため、メダルM2が水平面に対して貯留バケット101の中心から離れた側から貯留バケット101の中心に近い側にかけて高くなる斜めに傾いてメダルガイド部114の下面に当たった状態では、図8(a)の左側の図のように、メダルM2とメダルガイド部114との接触点SPはメダルM2の中心点CPよりも貯留バケット101の中心から離れた位置になる(メダルM2の中心点CPはメダルガイド部114を上から見てメダルガイド部114の非重複領域114a外にある)。この状態で、送出ロータ102の回転により貯留されているメダルが回転運動(渦運動)すると、メダルM2の下面にはメダルM1により下方から上方にメダルM2が押し上げられる上方向の力が加わる。これにより、メダルM2は、接触点SPを回転の中心として、メダルM2の貯留バケット101の中心から近い側の部分が上がり、メダルM2の貯留バケット101の中心から離れた側が下がるように反時計回りに回転する(図8(a)の左側の図の矢印参照)。そして、メダルM2は図8(a)の右側の図のように貯留バケット101の中心から離れた側から貯留バケット101の中心に近い側にかけてより高くなった斜めに傾く。このように、送出ロータ102の回転中にメダルM2の上面がメダルガイド部114の下面に押しつけられて同じ位置に留まることを防ぐことができるので、メダルM2が送出ロータ102の回転による別のメダルの回転移動(渦運度)の妨げとはならず、ホッパーユニット43は余剰なメダルをスムーズにホッパーユニット43外に排出することできる。
また、メダルM2が送出ロータ102の回転の停止により図8(a)の右側の図の状態で留まった状態で、図9に示すように、メダル投入口25(図1参照)から投入されたメダルM3がホッパーユニット43に飛来する。この場合、図9に示すように、メダルM3は、貯留バケット101の中心から離れた側から貯留バケット101の中心に近い側にかけて高く斜めに傾いたメダルM2の上面に当たると、メダルM3はメダルガイド部114の方にはじかれ、メダルガイド部114の上面に誘導される。これにより、ホッパーユニット43に飛来してきた余剰なメダルM3を効率的にホッパーユニット43外に排出することができる。
以下、貯留バケット101に余剰のメダルが貯留されていない状態で、本実施形態のホッパーユニット43の設定事項Cが比較対象の設定事項CCよりも有利な点について説明する。
比較対象のホッパーユニット43Cの設定事項CCでは、メダルガイド部114Cの非重複領域114Caの幅B2がメダルの半径Rより大きい(B2>R)。このため、送出ロータ102に相当する送出ロータが回転している際にメダルはその上面がメダルガイド部114Cの下面に押しつけられて留まってしまい、メダルが貯留バケット101C内で回転移動(渦運動)しなくなる。これにより、ホッパーユニット43Cは、遊技者に払い出されるメダルをメダル送出口111に相当するメダル送出口からホッパーユニット43C外へとスムーズに送出できなくなる虞がある。
これに対して、本実施形態のホッパーユニット43の設定事項Cでは、メダルガイド部114の非重複領域114aの幅A2がメダルの半径Rより小さい(A2<R)。このため、メダルは、送出ロータ102が回転している際に、その上面がメダルガイド部114の下面に押しつけられることにはならず、貯留バケット101内で回転移動(渦運動)を継続して行うことが可能になる。これにより、ホッパーユニット43は、遊技者に払い出されるメダルをメダル送出口111からホッパーユニット43外へとスムーズに送出することができる。
また、本実施形態のホッパーユニット43では、図7(a)に示すように、メダルがスライドする方向の幅方向(図7(a)での図面の左右方向)において、段差部113の上面113a及びメダルガイド部114の上面は水平となっている。
このため、例えば、段差部113の上面113aやメダルガイド部114の上面に相当する面が水平面に対して傾斜している構造と比較して、メダルが片寄ることが少なくなるので、メダルがスライド方向にスムーズに流れやすいという利点がある。
具体的には、仮に図7(a)におけるメダルガイド部114の上面が貯留バケット101の中心から離れた側から貯留バケット101の中心に近い側にかけてより高くなるように傾いているとすれば、メダルガイド部114の上面をスライドするメダルは内壁面101u側に片寄ってメダルガイド部114の上面にてメダル詰まりを発生させてしまうが、本実施形態のホッパーユニット43では、メダルガイド部114の上面は幅方向において、水平となっているため、このような不都合の発生を抑制できる。
また、メダルガイド部114にはメダルガイド部114を上方から見て段差部113と重なり合わない非重複領域114aを設けている。このため、メダルがメダル排出口112に向けてスライドするためのスライド方向の幅を広くし易くなるという利点を享受できる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記した実施形態では、段差部113の上面113aには、段差部113の上面113aの幅A1が、メダルの直径よりも大きく設定されている部分がある(A1>(2×R))としている(設定事項A)が、これに限定されず、例えば、次のようにしてもよい。メダルガイド部114には、メダルガイド部114を上方から見て段差部113と重なり合う重複領域のメダルがスライドする方向の幅A1’(図7(a)参照、メダルガイド部114を上方から見た面における、段差より下側の貯留バケット101の内壁面101dと、メダルガイド部114の段差より上側の貯留バケット101の内壁面101u側の面114cとの距離)が、メダルの直径よりも大きく設定されている(A1’>(2×R))部分があるとしてもよい(この設定事項を、以下では、適宜、「設定事項A’」と記載する。)。この設定事項A’によると、メダルが送出ロータ102の回転により回転移動(渦運動)する際にメダルガイド部114の下面に下方から当たってメダルガイド部114に上向きの力が加わり、この上向きの力によりメダルガイド部114が上向きに折れ曲がったとしても、メダルガイド部114に乗ったメダルがメダル排出口112に向けてスライドするためのスライド方向の幅をメダルガイド部114だけで確保でき、余剰なメダルをスムーズにホッパーユニット43外に排出することができる。
また、上記した実施形態では、メダルガイド部114は、メダルガイド部114の非重複領域114aの幅A2が、段差部113の幅A1よりも大きくならないように設定されている(A1>A2)部分があるとしている(設定事項B)が、これに限定されず、例えば、次のようにしてもよい。メダルガイド部114は、メダルガイド部114の重複領域の幅A1’がメダルガイド部114の非重複領域の幅A2よりも大きくなるように設定されている(A1’>A2)部分があるとしてもよい(この設定事項を、以下では、適宜、「設定事項B’」と記載する。)。この設定事項B’によると、メダルが当たるメダルガイド部114の下面の面積が小さくなるため、メダルガイド部114の下面に下方から当たるメダルによる当該メダルガイド部114に加わる上向きの力の大きさが抑えられ、メダルガイド部114が上向きに折れ曲がるのを抑制することができる。
また、ホッパーユニット43は、例えば、設定事項A、設定事項B、設定事項Cの少なくとも一つを満たしていたり、設定事項A’、設定事項B’、設定事項Cの少なくとも一つを満たしているとよい。
上記した実施形態において、段差部113の上面113aには、段差部113の上面113aの幅A1が、メダルの直径の2倍((2×R)×2)よりも小さく設定されている部分がある(A1<(2×R)×2)としてもよい。これによると、メダルガイド部114を並行してスライドするメダルの枚数を1枚に制限することができるので、貯留バケット101に貯留されているメダルがメダル補助収納庫47に過度に排出されることを抑制することができる。
上記した変形例において、メダルガイド部114には、メダルガイド部114の重複領域の幅A1’が、メダルの直径の2倍((2×R)×2)よりも小さく設定されている部分がある(A1’<(2×R)×2)としてもよい。これによると、メダルガイド部114を並行してスライドするメダルの枚数を1枚に抑えることができるので、貯留バケット101に貯留されているメダルがメダル補助収納庫47に過度に排出されることを抑制することができる。
上記した実施形態において、図10に示すように、例えば、メダルガイド部114を上方から見て少なくともメダルガイド部114の非重複領域114aと重なる、貯留バケット101の段差より下側の内壁面101dに、突起部200を形成するようにしてもよい。この突起部200の内壁面101dからの高さHは、メダルガイド部114の非重複領域114aの幅A2より小さいことが好ましい。これによれば、メダルMの回転移動(渦運動)を滑らかなものにすることができる。
上記した実施形態では、メダルガイド部114は、金属を加工した金属製の部品であるとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、樹脂を材料とするものとしてもよい。これによれば、成形が容易となり、製造コストを抑えることができる。
上記した実施形態では、メダルガイド部114を貯留バケット101へ組み付ける位置(貫通孔が形成されている位置)は、貯留バケット101の段差部113より上側の壁面であったが、段差部113にスリットを設け、そこにメダルガイド部から延びる突片を差し込んだ上で該突片と貯留バケット101とを締結する構成などを採用して、メダルガイド部114を貯留バケット101へ組み付ける位置を貯留バケット101の段差部113より下側の壁面とするようにしても良い。
このように、メダルガイド部114の貯留バケット101への組み付け位置を、貯留バケット101の底部101a側から上方へ立設する壁面に設けることで、メダルガイド部114の上面をスライドするメダルの動きを阻害することなく、効率良く貯留バケット101内に組み付けることができる。
上記した実施形態では、メダルガイド部114は、貯留バケット101とは別体として構成されていたが、メダルガイド部114を貯留バケット101と一体的に形成しても良い。
また、上記した実施形態では、遊技機としてスロットマシンを対象として説明したが、これに限定されるものではなく、メダル排出装置を備える他の遊技機にも適用することができる。
また、上記実施形態や上記変形例等の内容を適宜組み合わせることができる。
本発明は、貯留領域にメダルを貯留可能なメダル排出装置を備える遊技機に適用することができる。