JP6762464B1 - 津波等の避難シェルター - Google Patents

津波等の避難シェルター Download PDF

Info

Publication number
JP6762464B1
JP6762464B1 JP2019227261A JP2019227261A JP6762464B1 JP 6762464 B1 JP6762464 B1 JP 6762464B1 JP 2019227261 A JP2019227261 A JP 2019227261A JP 2019227261 A JP2019227261 A JP 2019227261A JP 6762464 B1 JP6762464 B1 JP 6762464B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tsunami
wall
evacuation
space
partition wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019227261A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021095731A (ja
Inventor
穣 冨田
穣 冨田
Original Assignee
穣 冨田
穣 冨田
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 穣 冨田, 穣 冨田 filed Critical 穣 冨田
Priority to JP2019227261A priority Critical patent/JP6762464B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6762464B1 publication Critical patent/JP6762464B1/ja
Publication of JP2021095731A publication Critical patent/JP2021095731A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/30Flood prevention; Flood or storm water management, e.g. using flood barriers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

【課題】水害から一時的に避難する空間を備えた、津波等の避難シェルターを提供する。【解決手段】避難シェルター1は、避難シェルターの内部空間を内側に規定する非透水性の壁体2と、壁体から内部空間に張り出す仕切壁3と、を備え、壁体は、人が出入りする開口部4を壁体の側面壁部6または天井壁部7の一部に有し、開口部には、防水性の蓋5または扉を設け、仕切壁は、内部空間のうち、開口部から見た奥側空間Aに、避難のための避難空間を確保する。【選択図】図10

Description

本発明は、急襲する津波等の避難シェルターに関する。
令和元年5月内閣府政策統括官資料によれば、近く来襲するといわれる南海トラフ巨大地震による死者は、24.2万人とされる。先の東日本大地震の13倍の死者数である。冬の真夜中が最大である。多くは自宅で就寝中である。「自らの命は自らが守る」が基本である。紀伊半島南端では2分で18mの津波が予想されている。「遠くに逃げろ」と言われても、服を着る間もなくあきらめが先立つ。ならば火葬場の建設が進んでいるのか。それとも海に流されるから必要がないのか。人間は魚ではない。2019年11月のローマ教皇の来日の際に、広島原爆投下で亡くなった弟を背負って火葬の順番待ちする少年の写真が世界中にクローズアップされたが、順番待ちをしないための努力が見えない。
先の、東日本大地震に伴う津波では、木造住宅は木端微塵であった。海辺の住民の多くは戸建ての住宅に住んでいる。小学校でも多くの犠牲者が出た。列車でも多くの犠牲者が出た。自動車避難による車中死も多く出た。2019年の台風19号の洪水でも車による避難途中で多くの犠牲者、車中死が出た。何とかならないか。従来は、津波対策として、高い防潮堤の構築、河川堤防の嵩上げ、高台移転、高い建物避難、津波タワーが有効であるといわれていた。しかし、日本の長い海岸線で高い防潮堤の構築とそれに伴う河川堤防の嵩上げ、さらにそれに伴う河川横断道路橋、鉄道橋の数kmに及ぶ嵩上げや高台移転には莫大な予算と長い歳月、住民の合意を要する。津波が引いたあと、防潮堤内ではプール状態となり、水に浸かったまま、あるいは石油コンビナートの近くでは浮いたオイル油で火の海となる2次災害が容易に想像できる。沿岸部には高台、高い建物があるとは限らない。内閣府発表によると、30年以内の発生確率が80パーセントと高まっている南海トラフ巨大地震では、死者数は24.2万人以上、全壊棟数は、217万棟である。最大津波高さは34.4mで、地域により地震発生2分後には高さ18mの津波が襲うと予測される。その2分のうち、建物の揺れが収まるのが2、3分後とされるので、実質の避難に残された時間はない。緊急避難命令がテレビで流れたときにはすでに津波に呑み込まれている。揺れながらの避難をしなければならない。一刻も早く身の安全を図らなければならないが外に逃げる時間的余裕はない。奥尻島の例でも分かる通り、来る日本海大地震でも厳しく、2分で10mの高さの津波が襲うとされている。当然、公共避難所までたどり着けないことは明白である。そこで、地域的な津波対策として、津波避難ビルや津波避難タワーが考えられている。しかし、エレベータは津波の前の地震時に使用停止となるので、高齢者は上までたどり着けない。かつ、それらはただでさえ危険な海沿い、沿岸部に設置されており、いち早く来襲する津波にそこにたどり着く避難途中で命を落とす可能性の方が大である。すなわち、0.3〜0.4mの津波でも足元をすくわれ人は抵抗できずに流される。安易に避難することの方が危険であることも言われている。大きな津波にどこまでの高さなら絶対安全という保証もない。その高さを超える想定外の津波に人は全滅することは明白である。これらは、公助、共助であるが、それでも我が身は自身で守る意識、「自助」の危機管理が大切である。明日かもしれない巨大地震の発生確率が高まっている。このため、ともかく逃げる、しかも遠くへと提唱されている。しかし、津波警報のたびに避難するのは、車の運転はどうするのか、沿岸地域の住民は酒も飲めない、入浴中では着の身着のままである。真冬では決意も翻る。日々熟睡ができない。本当に真に迫った避難の覚悟ができているのか。空振りでもいいから警報を出すという情報発信の方針では、オオカミ少年のたとえのとおり、警報の回数の多さに、いざ、大きな津波来襲までに精神的、肉体的に日本中の国民が疲弊する。自分だけは大丈夫というバイアスが働いて言い逃れになっていずれ麻痺するのではないか。どうせ無理とあきらめが先行する。夜中、大雨、寒中、大雪時や災害時要救護者は行動を伴わない。付き添い人については、美談のもと一蓮托生となる精神負担も相当である。家族がバラバラに逃げたのでは行方不明者の数が増えることは明白である。幸いにして、津波は地震の後にしか来ない。到達時間も予測され、その制約範囲で余裕もある。ただ時間的余裕がない大きな津波急襲地域では、安全、安心で、すぐに避難、退避ができるところが直近、身近にあることが最も重要となる。そこで、身近な設置場所から、浮力を利用して水上に浮上する密閉式の球体が提案されている。しかし、そのときに人は保管場所にいるのか、すぐ乗り込めるか不安だ。救済人数も絶対的に少ない。浮力は鉄の船を浮かべるほどに大きい。本願では、逆に浮かない、固定を基本とする。まず、浮力に対して浮かない重量が求められる。やはり、究極の身近は、24.2万人が明らかに居る場所、住んでいる家屋、その庭といえる。家族がバラバラにならずに助かることも大事である。その次は、学校の校庭である。さらには、駅とか公民館の人が集まる場所である。ここでは、津波で木端微塵となる戸建て住宅、木造住宅家屋に付帯して、敷地外に出ないで避難できる避難シェルターを優先最小単位とする。住んでいる24.2万人が死者になるということは、住んでいる家に設置すれば24.2万人の命を助けることができるということである。田んぼで働く人などにも選択が広がる。通学、学校校舎の学童が助かる。泣きじゃくる幼子に靴を履かせるだけでも時間が過ぎる。パニックにならないためにも直近、身近に避難シェルターが、まず必要である。巨大地震が来るからといって、100%津波が来るわけでない。それでも避難疲れが生じないようにしなければならない。真夜中の避難訓練を強いるのも過酷である。津波避難情報が地震と同時に発せられるわけでもないし、テレビをつけているわけでもない。各自、揺れを感じたら、それを号砲として避難する日頃の心構え、自分の命は自分で守る自助の覚悟が必要だ。
人は空気さえあれば何とか生きられる。頼りになるのは、家族用の設置しやすい小型避難シェルター、さらに、学校校庭、人の集まる駅、公民館、職場の工場などでの中型避難シェルターである。構造物は、大きな水圧、波力、さらに浮力を受けるので相当な外力が予想される。さらに転倒、ひび割れが出ては水没中では致命傷である。そこで、半地下式とすると静水圧の3倍といわれる波圧を受ける面積が少なくなる。転倒もしない。しかし、出入口が泥に覆われては脱出できない。避難シェルターの構造物は、構造的には密閉式と非密閉式、設置方式では、地上式、半地下式、地下式に分類されるが、密閉式とすると密閉扉が高価となる。開口部には防水性の蓋、扉を設置する。高い防水性能、耐圧性能を求めると破損したときに逆に危険となる。出入口は地上に設ける地上式、半地下式とする。漂流物の衝突による突破、突入も考慮しなければならない。設計以上の津波高さでは、防水機能も破壊され、内部に水が入り濡れることになるが、こうすることで、津波高さによる内部気圧が上昇するものの破損時に急激に圧力が上がらない効果がある。小型の半地下式では、戸建て住宅の庭に邪魔にならない、最小の突出で設置でき、濡れなくて済み、冬の真夜中でも避難する意欲は保たれる。いずれにしても、四の五の言わず早期に避難シェルターを数多く整備しなければならない。避難訓練をしている場合ではない。そのためには、設計、施工が統一され、品質が十分で、かつ安価な小型、中型避難シェルターを目指す必要がある。
また、2分で津波が到達する津波急襲地域では1分1秒でも早く津波を検知した警告システムが欲しいところ。
特許庁特許情報プラットホームで、「避難シェルター」、「蓋」のキーワードで検索した結果、3件あり、「避難シェルター」、「扉」のキーワードで検索した結果、7件あり、特許文献1、2の避難シェルターでは、扉が貧弱で破壊された時、内部空気が一気に抜けたとき危険。仕切壁があるものの人が手前側空間にいるのでは役に立たない。特許文献3の津波シェルターでは、排気塔を使用する。本願は、人が扉を開けてその都度換気するので構造が根本的に異なる。特許文献4の津波シェルターでは、半地下式で、銀行金庫のような密閉扉であり高価すぎる。本願は、最終的には水が入るが、それまでは人が水に濡れないことを前提としている。特許文献5の津波シェルターでは、タワーのようなシェルターであるが、扉が破壊されると中の人は全滅する。特許文献6の津波シェルターでは、マンションのような建物内に水密扉のシェルターを各部屋に設けるものだが、超高価であり現実的でない。2重としても密閉構造物には大水圧がかかるので横から入る扉構造では、シェルターが水圧で容易につぶされてしまう。特許文献7の津波シェルターでは、浮上式で本願の固定式と異なる。特許文献8の津波シェルターでは、ドッグ内が浸水した時シェルターは浮上するとしているが本願は、固定式で異なる。特許文献9の津波シェルターでは、床下を汚泥槽に使用する浮上式であり、固定式と異なる。特許文献10の津波シェルターでは、移動車輪を備える水陸両用型で固定式と異なる。
再表2017/038088公報 再表2016/199431公報 特許5418953公報 再表2016/194367公報 特開2016−075077公報 特許5706572公報 特許5639231公報 特許5543658公報 特許5424070公報 特開2013−086789公報
中川工業所安全資料 防波堤の耐津波設計ガイドライン:国土交通省港湾局、2013.9
南海トラフ巨大地震、津波では最大高さ34.4mで、24.2万人の死者が想定される。24.2万人という死者の多さに、早期に対応しなければならない。浜辺に打ち上げられた魚のような大量死が目に見えている。火葬場を早く建設しなければならない。それはそうとして、躊躇している暇はない。四の五の言っている場合でない。津波対策には、防潮堤、河川堤防の嵩上げ、高台移転があるが長い年月を要する。避難タワー、避難ビルでは、想定外の高さでは絶命するし、たどり着ける人もわずかである。30年以内の発生確率が高いといっても明日に来襲するかもしれない。南海トラフ巨大地震、津波対策で、長い海岸線に莫大な予算を集中するのは容易でない。早期整備が間に合わなければ、多くの人が落命するのである。いうまでもなく整備に必要なのは津波来襲の前である。津波が来襲して被害が出た後、こうすればよかった、ああすればよかった、といつもの講釈をしないためにも今考え、即実行できる安価な具体策で推進する必要がある。最大死者発生時間帯は真冬の真夜中とされ、その時に人は家の中で就寝中と考えられる。津波は、地域により地震発生2分後に高さ18mの津波が襲うと予測される。その2分のうち、建物の揺れが収まるのが揺れを感じ始めてから2、3分後とされるので、地震の揺れとともに津波はすでに到達している。緊急避難命令がテレビで流れたときにはすでに津波に呑み込まれている。実質の避難に残された時間はゼロである。グラグラと揺れている途中に避難する必要がある。敷地外に逃げる時間的余裕などない。当然、公共避難所までたどり着けないことは明白である。ともかく逃げる、しかも遠くへとも提唱されている。津波警報のたびに避難するのは、精神的、肉体的に日本中の国民が疲弊する。24.2万人という大人数すぎて、他人事のようで、どうせ無理とあきらめが先行する。防災、減災と言っている場合でない。まさに他人事でない。自分の命は自分で守る自助意識、決意、真の対策が急がれる。幸いにして、津波は地震の後にしか来ない。当然に、人は水中では生きられない。空気が無ければ生きられない。逆に言えば、空気さえあれば生存できる。設計高さ以上の津波も想定され、想定外の高さの大きな津波に水没したとしても生存に有効となる避難シェルターがあれば、絶対的に課題を解決できる。想定外だったといういつもの言い訳、弁明を聞くこともない。ただ、有効な避難シェルターができたとしてもそこにたどり着かなければ落命することは明らかである。そこで、水中となっても助かり、極寒の真夜中でも避難できる小型、中型の避難シェルターを、まず24.2万人の住む家、庭に付帯して設置すれば最も直近、直接的であり、24.2万人の命を救う命題を解決できる。これにより、家族全員が助かり、24.2万人のうちの多くが助かる光明が見える。これらは夜の部である。さらに、昼間の来襲も考えなければならない。家の周辺近く、小学校などの校庭、通勤通学で人の集まる場所、駅、工場内に設置することで昼間の迅速な避難、多くの命を救うという課題を解決できる。幼い子供の集団死は大人による虐殺みたいなもの。また世界中を悲劇のニュースが駆け巡る。先生とてそんな精神負担は負いたくない。
個々の避難が身近で、簡単、容易であることが全体で足し算されれば大きな数字、多くの命が助かることとなる。助かる希望、光明、具体的見込みがつく避難シェルターに納得ができれば、自分の命をあきらめず避難意欲を継続するという最も難しい課題を解決できる。
そこで、命が助かる避難シェルターの構造体としての課題、解決方法を考える。
構造体は、地上式とする場合と半地下式とする場合が考えられる。前者は設置高さに余裕がある場合で、後者は圧迫感を少なくし低くしたい場合、津波の波圧を受ける面積を少なくし転倒しにくくしたい場合に選択される。前者の開口部は、構造体の側面壁部に、床高さ以上に設けることで、後者は構造体の天端部に水平に設けることで、いずれも家屋の床高さ、縁側から連続で迅速に避難できるという課題を解決できる。
避難シェルターは、密閉構造体とすると耐圧密閉扉が必要で、高さ35mの津波に耐えるには潜水艦並みで非常に高価である。水圧が構造体の全面全方向からかかり、曲げモーメントが大きく鉄筋コンクリート造りとすれば壁厚が大で、鉄筋量が多くなり、高さ20m程度なら可能といえるが津波高さが高いと全体としても超高価である。万が一蓋、扉が破損した場合にも仕切壁で人への衝突は防げるものの、気圧の急変は負担が大きいことを承知しておかなければならない。そこで、潜水艦のような耐圧密閉扉、特殊扉のような完全性を求めず、マンホールのような単純なイメージで厚みのある鉄、鋳鉄、強化プラスチック、強化ガラスなどの蓋、扉とし、一般的な防水性の蓋、扉を使用することで、すなわち津波の水圧でパッキンが圧縮、密着され防水効果がでる程度とすることで、濡れずに、安価で、経済性の課題が解決できる。また、蓋、扉には津波の水圧や漂流物の衝突に対する強度を有することで、漂流物の壁体内への突入を防止できるので、安全、安心な課題を解決できる。命は金でないというものの先立つものも重要で、安価でできれば一挙に各家庭で採用することができる。避難シェルターのイメージができれば、命が助かる希望が持て、さらに安価になれば多くで採用され、津波来襲前の早期の備え、防災整備、準備完了という課題を解決できる。準備ができればあとは、いつ来てもいい、津波の来襲まで毎年余裕をもって自己訓練するだけである。
つぎに、漂流物の壁体内への突入は蓋、扉によって防げるものの、防水性は潜水艦のように完璧でないので水が入り、ということは同時に空気が抜ける。特に、開口部を天井壁部に設ける場合は、水没で空気が一挙に抜け危険である。そこで、内部に重力方向、鉛直方向の縦仕切壁を設ける。蓋、扉の防水性が喪失しても、生存に必要な空気が抜けださないよう、空気の抜け道となる開口部への流れを遮断する。蓋、扉が破損して内部に漂流物が突入する場合にも人に直接当たらない防護壁の役割がある。かつ、壁体内の水中の空気は、アルキメデスの原理で泡となり鉛直方向の上方向にしか逃げないので、その流れ方向を遮断する縦仕切壁で囲まれた奥側の上に凸の空間には、依然として生存必要空気量が閉じ込められたまま保持され、水没、浸水した場合も人が生存できるという縦仕切壁の位置配置で課題を解決できる。
さらに、構造体の内部空気圧と外部の津波による水圧との圧力差を小さくできれば、より安全な構造体といえ、そして人体への負荷を軽減できる。蓋や扉、壁体の突然の破損で、外の津波の大水圧で水がなだれ込むと一挙に水で満たされ危険どころでなくなる。内部奥側の空気保持空間が急速に圧縮される人体への危険性が危惧される。そこで、気圧の急激な変化を緩和するために、壁体の底面壁部に地中に連絡する貫通穴を設ける。ヒントは、地震の影響で、地盤が液状化し下水道のマンホールが吹き上がり、水柱が立ち上がる光景は映像でたびたび目にすることにある。押し寄せる津波高さの高まりとともに、津波到達に先行してパスカルの原理で地中の地下水圧が伝搬、上昇し、構造体内部に吹き上がり内部気圧を上昇させることで、津波到達までの2分までの時間差から、急激な気圧上昇を緩和する。すなわち徐々に内部気圧を上げておく準備をしておく。難しい圧力コントロールを、地中に貫通した穴が自動的に制御してくれる。またこのことで、すなわち、津波による外部圧力と、内部圧力が均衡することで、この場合は蓋、扉の耐圧性能は要求性能とならないともいえる。一般程度のパッキン防水の扉で良いものといえ、格段に安価になり、経済的にも手が届く合理的なものとなる。安全安心の構造体、圧力の人体負担、経済性の課題をも解決できる。ただし、津波の到達前の圧力がバランスする前に蓋が飛び上がることもあるので、逸脱防止の鎖、ロープで蓋、扉を内壁に余裕長をもって結び付けておく。
奥側の空気保持空間部に、上に凸のビニール袋、袋体を壁体の内側沿いに壁面と離隔して設けておくと万が一、津波の前の巨大地震で壁体の天井壁部にひび割れが入っていた場合に安全である。ポリゴミ袋をかぶっても空気を吸えるので万が一には助かる。
一方、水深が深いと水圧による潜函病の課題が残るが、緩やかな気圧上昇とすることで軽減でき、潜函病の課題は解決できる。酸素必要量は、中川工業所安全資料から、空気中の酸素は21%であり、酸欠は16%に減った時とされる。一人、1m3の空気で半分を呼吸する50分が限界とされることから、1時間では1.2m3の空気量が必要となる。南海トラフ地震での津波の継続時間は1波で10分程度であるため、水中となる避難部屋の必要空間量は、0.2m3となるが、設計上は1m3〜1.5m3/一人を目安とし避難人数分を確保する。このうちには、100kgの人の体積が、水に浮き泳ぐので比重1.0として計算すると、0.1m3を占め、1割ほど減ずる必要があるが大まかにはそのことも含まれるとしている。一酸化炭素については問題となるレベルには至らない。地域により第6波までが予測されているが、1波毎に引き潮となるので、1波毎に出入口の蓋、扉を開けて新鮮な空気に入れ替えればよい。すなわち、設計の生存必要空気量は単純に、最大波、その継続時間に対して確保すればよいといえる。そこで、個別要件として、大きな津波でたとえ水没しても、構造体は破壊されず引き潮までの生存必要空気量を確保すること、地域により、第6波までで最大波高となるところもあるので、その波の引き潮までの数分間の最大空気容量を確保することで津波水没のもと、継続生存する課題を解決できる。ただし、これは設計条件ではない、あくまでも地域津波特性を学んだあとの最低値である。それが万が一の命に対する安全倍率、余裕といえる。
重複になるが構造体の寸法を決めなければならない。設計要素は、津波高さ、波圧、水圧、漂流物衝突、転倒、浮力、避難人数、構造体材料など関数としても多い。設計基本要素を絞らなければ自由設計となり、発散してしまう。個別に対応することも大切だがそうなっては早期に施工することは不可能である。例えば津波高さ、津波到達時間で地域をグループ化し、設計を単純化し、統一規格を作り品質を向上させ、現場施工を少なくすることを考える。工場製作の家庭用では1人用ブロックを旗艦とし避難人数に応じて拡大、繋ぎ合わせるブロック工法、パネル、ピースを組み立てる工法を考えると、現場での施工が省力化でき安価で早期の整備という課題を解決できる。ブロック工法は、断面形を一定とし長手方向の一定寸法で継ぎ合わせる方法、パネル工法は上下の天井壁、底面壁、左右の側壁の4枚の板状部位とすれば軽量となりより長い寸法を可能として組み立てる方法であり、ピース工法は、空気保持に重要な上に凸の上半分の断面、仕切壁の下端先端より上の断面で品質の高い一つのピースとして、下半分とで組み立てる方法である。ただ、大きなブロックは重量も大であり、寸法も大なので小割での運搬、現場継ぎも考える。据え付け架設も家横の道路からの庭越しでは大きなクレーンが必要となり工費も高くなる。パネル工法は断面も板状なので軽く、嵩張らず、運搬、庭内の組み立ても容易である。家の門、垣根を壊さなくて済む。ピース工法は、その中間の長短の施工になるが空気保持性からの生存への安定性に優る。工場と現場の役割分担も大切である。現場での継ぎ足し、組み立ては、継ぎ足し鉄筋、PC鋼材による締め付けなどで列車の各車両をつなぐように密着し壁体を連結する。連結した避難シェルターは、家屋の縁側沿いに半地下式とすれば庭の邪魔にならない。連結した各壁体内部に、上に凸の防水性袋を準備すると万が一に安心だ。
また、地震時の情報伝達、緊急地震情報では加速度地震計で地震の揺れが検知でき、震度
も数分後に発表されるが、解析に時間を要している。津波が2分で来襲する地域には「時
すでに遅し」、津波は到着済みである。猶予はない。1分1秒を争う緊迫した避難である。
それでも心の準備は必要だ。少しでも早く、1分1秒でも早く津波の到来を事前に知るこ
とができれば、しかも警報音、サイレンで分かればシェルターに飛び込むこともできる。
一方、地震後の津波の到来では、引き潮がみられることはよく知られている現象である。
また、大きな津波では当然水圧が大きい。いずれの場合も到来に先行して、地下水位が連
動して異常に、急激に上下動すると推察できる。このことを利用する。パスカルの原理で
は、圧力変化は瞬時に伝達される。遠方においても瞬時に水位の上下動が感知できるはず
で、地下水位が瞬時に反応し上昇、あるいは下降するので、この動きを検知できれば、津
波の到来をいち早く察知することができるはず。2分の中の1分1秒でも早く知ることが
できれば、ただちに避難できるので助かる可能性が出てくる。避難シェルターの底面壁部
に設けた貫通穴に、パイプ管で地中にさらに伸ばして地下水位以下に設置すれば水面水位
の急激な変化を検知できる。検知は、電波式、超音波式のセンサーでも水面変化を検知で
きるが解析に時間を要する。パイプ管の中には、フロートを設け上下動を電気的に検知す
る。袋、キャップをかぶせておけば破裂音が出るので分かる。笛で音が出るようにする
のも面白い。電気的仕掛けで警報音が出るようにすれば多くの人に知らせることができる。
多くの住民が避難シェルターの貫通穴に津波早期検知装置を備えると津波の予兆を検知
する精度は飛躍的に高まり、かつネットワークが広がる。さらに、庭や屋外の空地さらに
は津波急襲地域に規則的に配置すれば多くの住民に地域ネットワーク発信で警告できる。
こうして津波の到来をいち早く、津波到来の2分のうちの、1分1秒でも早く検知、警報
する重要課題が解決できる。さらに発展して津波急襲地域に広げて配置しネットワーク化
すれば、津波警報システムで多くの人の命が助かるという命題を解決することができる。
このような課題を解決するために、本発明の避難シェルターは、 水害から一時的に避難する空間を提供する避難シェルターであって、
前記避難シェルターの内部空間を内側に規定する非透水性の壁体と、前記壁体から前記内部空間に張り出す仕切壁と、を備え、
前記壁体は、人が出入りする開口部を前記壁体の側面壁部または天井壁部の一部に有し、
前記開口部には、防水性の蓋または扉を設け、
前記仕切壁は、前記内部空間のうち、前記開口部から見た奥側空間に、避難のための避難空間を確保するものであり、
前記仕切壁は、前記開口部を前記側面壁部に設ける場合は、基端が前記壁体の底面壁部に連結し、先端が前記開口部の上端より高く、前記開口部を前記天井壁部に設ける場合は、基端が前記壁体の天井壁部に連結し、あるいは手前側に、基端が前記壁体の天井壁部に連結する仕切壁と、奥側に基端が前記壁体の底面壁部に連結する仕切壁を加え、奥側の仕切壁の上端は手前側の仕切壁の下端より高く、前記人が前記開口部と前記奥側との間を出入り可能なように、前記仕切壁と対面の側面壁部との間隙、前記仕切壁の上端と天井壁部との間隙、前記仕切壁の下端と底面壁部との間隙、さらには前記仕切壁間の間隙が確保されている避難シェルターである。
また、本発明の避難シェルターは、前記開口部と前記仕切壁との間の位置において、前記壁体の前記底面壁部に、貫通穴または多孔質の透水性部位を設けた避難シェルターである。
また、本発明の津波早期検知装置および津波警報発信システムは、前記避難シェルターの前記底面壁部の前記貫通穴を利用して、地下水位を貫通するパイプ管を地中に設け、津波の到達前に、津波地点から伝搬する地下水位の急激な変化を遠方でいち早く検知する装置であって、前記パイプ管内にフロートを浮かべ、平時の地下水位の変化に比べて異常を電気的に検知するもので、管内水位の急激な変化で飛び出した中央のフロートが上下移動し水面の浮沈異常値に達したときに、前記中央のフロート上の棒に取り付けた電極が上下に設けた電極板に接触し、通電することで検知する方法、あるいは前記フロート上の芯棒が上方に固定したコイルの間を急激に上下動するときに発生する誘導電流を検知する方法で、いずれも電気的経路から警報音を発することができる津波早期検知装置であり、さらには、屋外の空地、近傍地域の津波急襲地域の地中に前記装置を設置することで地域ネットワークとつないで警報発信できるとした、津波急襲地域に伝搬される地下水位の急激な変化を検知、警報する津波早期検知装置および津波警報発信システムである。
また、本発明の壁体連結型の避難シェルターは、水害から一時的に避難する空間を提供する避難シェルターであって、
前記避難シェルターの内部空間を内側に規定する非透水性の壁体を備え、前記壁体は、人が出入りする開口部を前記壁体の側面壁部または天井壁部の一部に有し、前記開口部には、防水性の蓋または扉を設け、
前記壁体から前記内部空間に張り出す仕切壁を備える場合は、前記内部空間のうち、前記開口部から見た奥側空間に、避難のための避難空間を確保するものであり、前記仕切壁を備えない場合は、全体を避難のための避難空間として確保するものであり、前記壁体を最小単位コア体とし、人数に応じて、開口部を設けない前記非透水性壁体を、平面の水平方向に連結するものであり、前記壁体の前記側面壁は連結部の縦隔壁を兼ねるとし、前記縦隔壁は前記仕切壁の役割を担うとし、前記縦隔壁の下方に水平移動用孔を設けるとした壁体連結型の避難シェルターである。
また、本発明の上に凸の防水性袋体は、(0006)から(0009)において前記避難シェルター壁体の奥側空間の壁面内側沿いに設ける上に凸の防水性袋体である。
先の東日本津波とは桁違いの、13倍の死者数である。24.2万人の死者を目のあたりにして、空調のある霊安所、検視する医者、歯型を調べる歯医者、身元特定する警察官の人数が足りているのか、死亡届を受ける役場の職員の数は足りているのか。葬儀場、葬儀社の数、さらに言えば火葬場設備の数が整っているのか。漂着ゴミ、廃棄ゴミの焼却場も必要だ。被害予想ばかりが先走って、対策の進捗はどうか。何万人が助かるようになったのか、対策が進捗してないのなら、これら災害事後支援整備が着々と進んでいるのか。このままでは相変わらず24.2万人が死の危険に晒されたまま予算と時ばかりが過ぎているようで死にきれないままの24.2万人ともいえる。
本発明は、安全、安価で、工事もユニック、クレーンで吊り上げて設置するイメージで簡単で早い。家族の人数分をいくらでも増結することができるので安い。半地下式では、縁側方向に伸ばせば圧迫感がない。被災予測地域の広域全体で進捗のピッチを上げることができる。上述のような心配をする必要がなくなる。最大34.4mとされる津波高さ以上の想定外の津波で水没しても生存できる。近所の津波避難タワーに逃げようとしても途中で流され、たどり着くまでに力尽き、エレベータも地震で使用停止中となり上に上がれず仕舞いで津波に絶命する。高齢者たちには避難訓練も空虚に思える。本発明で、どうせ助からないとあきらめていた命に一筋の光明がさす。24.2万人の住む住宅、その外面壁、縁側に近接しているので木端微塵になる木造住宅でも、揺れが始まったと同時に号砲として避難ダッシュスタート、制限時間2、3分に余裕をもって避難できる。近接したところに避難できること、出入口が床上、畳の上であれば、生活空間からすぐ飛び込めることが迅速な避難、制限時間内の避難につながる。妊婦、赤ん坊、寝たきりの人、入浴中、晩酌中、熟睡中の人でも助かる。風除けの連絡路をつければ極寒中でも外気にさらされないので避難する意欲がわく。身近、直近にあれば制限時間の2、3分で避難できる。なんと安心なことか。ストレスなく日々を平穏に暮らせる。出入口が部屋の床上、畳、縁側と同じ0.5m高さとすれば、日常的に意識でき、すぐ飛び込む心の準備ができている。避難シェルターに直結、延長しているので早い。水平導入路、桟橋を設ければ、寝たきりの人も避難できる。木端微塵になる弱い木造住宅、低層住宅でも、避難シェルターは構造的に分離しているので、避難シェルター本体は破壊されず単独で津波に有効である。津波に呑みこまれるとまず助からないという恐怖、先入観、固定観念を一掃できる。そんな対策などあり得ないというあきらめが一変、助かるという望みがあるならば、生き抜くという意欲が湧いてくる。いつ襲われるか分からない津波への恐怖が取り除かれる。強い揺れに、揺れが収まるのを待たずに反射的に自主避難ができる。避難に意欲的となる。避難困難地域に指定された人々の日々不安な状況を解消できる。24.2万人以上とされる死者数のうちの、絶望的、避難をあきらめた多くの人の命を救うことができる。校舎の学童は校庭のシェルターに、通学途中の学童は駅のシェルターへと、昼間も多くの人が助かる。工場従業員も人数分の基数を備えると大集団で助かる。サプライチェーンの危機管理ができているといえる。
避難シェルターは、防水性もあるので設計高さ以上の津波高さまでは濡れない。縦仕切壁の効果的配置で、万が一、内部になだれ込んでくる漂流物、浸水があっても、縦仕切壁で防ぎ、奥の空間で空気を保つ。仕切壁の先端で水平水面を生じさせるので、奥に上に凸の空気閉塞空間を作り出し、残り少なくなっても生存のための貴重な空気量はボイルの法則で必ず保つ。また、漂流物の直撃を受けることもない。比較的大きな空気空間、内部空間を確保できるので、コンパクトな避難シェルターとすることもできる。このことは、狭い敷地、大切な庭を犠牲にすることが少なくなるメリットがある。昼間バラバラで生活している家族もここなら安心して任せられる。
防潮堤の嵩上げ、高台移転、高い津波避難ビルや津波避難タワーをつくる費用範囲で、避難シェルターを有する住宅を多く整備、改築することができ、より多くの人の命を救うことができる。人口の少ない沿岸部、漁港部では公助、共助でなく個別に設置する自助の方が効率的、効果的といえる。あらゆる場所、場面で助かる希望が見えてくると避難訓練、防災意識も高まるといえるもの。自分の身は自分で守る自助意識が高まるといえる。避難で人命を救うのは実はこのことが最も重要である。24時間の多くの時間帯で最直近にあり、2、3分で避難でき、1日の中で避難安全時間数が多くを占めることができる。
地震のたびの避難警報、日頃の訓練や夜間の避難訓練の精神的、肉体的負担が少ないのは妊婦、高齢者、小学生には助かる。いざ地震で避難するとき、大雪や大雨など天気が荒れていれば津波が来ないことを祈り、外に出ることを躊躇する。逆に外に出たために多くの人が命を落としかねない。我が家に避難シェルターがあるということはなんと安心なことか。車を運転して避難する必要もないのでゆっくり晩酌を楽しめる。入浴を楽しめる。じっくり睡眠できる。津波到達時間が数分という予測地域では、地域防災計画は高台移転案でしか立案できないが、本発明の対策を取り入れることで選択肢が広がるといえる。移転跡の空地が生じ、その弊害による街なみ、コミュニティの崩れがない。防災の固定概念を変えることをためらってはならない。家族単位、少数単位で避難できるので、バラバラで逃げて行方不明、その捜索に莫大な費用がかかることも少なくなる。避難の途中で落命するという危険性が減る。形式的な避難訓練が毎年テレビで流れているが、今後は本当に自分自身の命を守る、家庭を中心とした避難訓練となりそうである。
従来の防潮堤の嵩上げや高台移転、津波避難ビル、津波避難タワーでは、巨額の予算のみ
ならず、日本中の長い海岸線での設置に長い歳月を要し、想定外の津波高さに対して安全の保証がない。自分のところへの恩恵も、生きているうちに回ってくるかどうかわからない。すなわち、日々を安心して暮らせないということである。自然に生かされている人間、美しい海が見えなくなる悲しい弊害もない。災害は、時と場所を選ばない。明日かも知れず待ってくれない。本考案で、来る南海トラフ巨大地震の津波、さらに津波以外にも、災害大国日本、高潮や、最近では2019年10月の関東・東北を襲った台風19号による記録的豪雨時の洪水、堤防決壊による河川氾濫時、海抜以下や天井川沿い地域の防災対策の一助としても有効である。避難警報、指示その空振りに関わらず、自主的に判断して避難できるので警報に振り回されて疲労困憊することはない。明日かもしれない津波には当然に、我が身は自分で守ることをためらってはならない。自分の命である、全て行政頼みをしている場合ではない。避難訓練で幼稚園の園児が背負われて逃げるところが毎年のようにテレビで放映されるが、靴を履かせることだってムズがられるとどうしようもない時間が過ぎ、かといって園児を放り出して、てんでんこに逃げろというある教授の教えが非情で痛ましい。身近、安価、迅速に適用できるので、とても避難できないと諦めていた人にも光明といえる。日々の晩酌など当たり前の平穏な日々を安心して楽しく暮らせる。やはり、命の危険を感じて日々暮らす生活から解放されること、身近にある安心感は何事にも代えがたい。一人の命でも大ニュースになる日本、その24.2万倍の命が助かるかもしれない。ともかく経済的に優れる。費用も100万円/人とすれば、24.2万人でわずか2、420億円である。これで24.2万人の尊い命が助かるとなればなんと安上がりなことか。過疎化、核家族化、生徒数の減少の影響で、今後も余るであろう家の中の居室部屋の一室を活用して部屋内部の床下から設置することも可能で、まさしく寒くて危険な外に出ない安心で迅速な避難と、庭も削らなくてよく、何より命を削らなくて済み、過疎化の課題も一石三鳥で解決できる。むしろ現在の居室を、命を救う避難シェルターに積極的に提供してもよいくらいだ。構造的には、縦仕切壁の効果的配置で、漂流物の突入の受け壁として、開口部からの空気逸脱防止、さらには、奥側の生存必要空気量の保存の上に凸の空間を形成することができる。
壁体の底面壁部に貫通穴を設けると、徐々に地下水が吹き出し、外部津波との圧力差を事前に縮小する効果があり、蓋、扉や、本体壁の突然の破損、ひび割れによる気圧の急激な変化を緩和することができる。すなわち徐々に内部気圧を上げておく準備をしておく。難しい圧力コントロールを、地中に貫通した穴が自動的に制御してくれる。またこのことで、すなわち、津波による外部圧力と、内部圧力が均衡することで、この場合は蓋、扉の耐圧性能は要求性能とならないといえる。一般程度のパッキン防水の扉で良いものといえ、格段に安価になり、経済的にも手が届く合理的なものといえる。潜函病の心配もなくなる。
小型避難シェルターでは家庭用となり、その人数により最小単位コア体から列車の車両のように容易に連結することができるので、早い施工で安価となる。個人個人がポリ袋をかぶれば生き延び、生存空気量程度は確保できるので万が一にも安心。家族全員がバラバラにならないということは何とありがたいことか。
自宅の庭といわず津波急襲地域で、地下水位以下のパイプ管の観測孔を網の目状に配置して、パスカルの原理による水位変化を事前にキャッチすることで津波到来を検知することができる。電気的に津波警報音に変換できれば真に迫った警報を瞬時に広範囲に伝えることができる。日本中の海岸線近くの地域に設置することでより多くの人命を救うことができる。
地上式避難シェルターのA-A断面図 地上式避難シェルターの正面図 垂れ壁のある半地下式避難シェルターのB-B断面図 垂れ壁のある半地下式避難シェルターの平面図 垂れ壁と立ち上げ壁のある半地下式避難シェルターのC-C断面図 垂れ壁と立ち上げ壁のある半地下式避難シェルターの平面図 図1の底面壁部に貫通穴、津波早期検知装置を設けたA-A断面図 図3の底面壁部に貫通穴、津波早期検知装置を設けたB-B断面図 図5の底面壁部に貫通穴、津波早期検知装置を設けたC-C断面図 地上式避難シェルターの最小単位コア体を先頭としたPC鋼棒による4ブロック連結の壁体連結型シェルターの断面図 地上式避難シェルターの最小単位コア体を中央としたPC鋼棒による5ブロック連結の壁体連結形シェルターの正面図 地上式避難シェルターの最小単位コア体を中央としたPC鋼棒による5ブロック連結の壁体連結型シェルターの平面図 図12のD-D断面図 図12のE-E断面図 下方に柔らかいひだ付の、上に凸の防水袋体 フロートの上下動の一定限度値で接触する通電による津波早期検知装置 フロートの芯棒がコイル通過時に発生する誘導電気による津波早期検知装置
図面及び詳細な説明の全体を通じて同じ要素を示すために共通の参照符号が用いられる。
まずは、必要な空気量の確保された構造体が浮力で浮かず流されないことが肝心である。地上式では波圧、水圧を受け、大きな曲げモーメントが働くため、転倒対策や構造の壁厚を厚くする必要がある。地下式、半地下式とすれば波圧を受ける面積が減少するので構造部材厚、鉄筋量が少し減らせる。曲げモーメント分布も比較的安定している。地下式といってもいずれは地上に脱出するための出入口を必要とし、津波で周囲は水浸しであることから、出入口は結局、地上に設ける必要があり半地下式となる。その高さは津波が引いた後の水はけ状況で決まるので、地域特性により異なるといえる。建物の玄関先のかまち高さは0.2cmで平時の降雨時の確保される高さであり、側面壁部に出入口を設ける場合はそれ以上の高さの確保が必要である。天井壁部に設ける場合は、半地下式となる。地上突出部高さの0.5mは絶対ではないが床、畳、縁側の高さに通じる目安となる高さである。そうすることにより、家の中から即、避難しやすいともいえる。地上突出部は漂流物の衝突、突入を考慮する必要がある。出入口には高価な耐圧密閉扉、特殊扉でなく一般的な防水性蓋、扉を使用することで、密閉構造体とならず、鉄筋量も減り経済性に優れるものとなる。開口部に設置する蓋、扉はそのものの個体で水圧に耐えるものとし、防水パッキンは耐圧密閉扉ほどではないが設計程度の防水性を有するものとする。いわゆるマンホールのようなもので、外水圧には強く、内気圧で吹っ飛ばないようまた津波の勢いで逸失しないよう鎖、ロープで内壁に余裕長をもって結んでおく。出入口部が直近、直接なので風雨中、極寒中、入浴中や就寝中、妊婦、病床の人、高齢者も、もちろん昼間も当然、敷地外に出ないで躊躇せず避難できる。
蓋または扉の防水性は、パッキンゴムを施すと防水性は高まる。特に、天井壁部に設ける開口部には、津波の圧力で密着して逆に防水性が高まる。ただし、圧縮されすぎても耐圧密閉扉のような完璧な防水性を維持できないので、設計以上の大きな津波高さで防水性は保てなくなる。その時までは、内部の人は濡れなくて済むといえる。以降は、水がなだれ込んでくるとともに、内部空気が水と入れ替わって、その分内部圧力が高まってくる。途中から防水性が徐々に失われてくると水の流入も徐々だし、急激に防水性が失われると急激に水が突入し、空気圧が急激に上がる。ただし、仕切壁の奥側には圧縮されながらも生存必要空気量は維持されている。内部水位は天井に向かって上昇する。空気は上に凸形状の天井部に必ず残る。問題は、避難するときの蓋または蓋が重いことであり、女性には扱いが大変である。平時は最初から開けた状態が良い。避難した後は、スライドさせるか、上から降ろすかである。棒とか板で事前の動作訓練をする。雨天時のために、木蓋、ブルーシートで覆い、開口部に水が入らないよう、子供が誤って転落しないようにしておくこと必要だ。蓋または蓋は、鉄、鋳物、プラスチック、強化プラスチック、強化ガラスが考えられるが、女性世帯では、プラスチックの軽いほうが良いかもしれない。この場合は、設計以上の大きな津波で濡れること、漂流物で破損、飛散することは承知してなくてはならない。蓋、扉は防水性が低いほうが、逆に急激な事態はないので安全安心ともいえる。蓋、扉を開けるときにスライドさせたり、持ち上げたりするので、外部には取手、内部には、昇降タラップ、脚立、丸椅子、こじ開けるための棒などを装備しておく。椅子は狭い空間で腰掛けて休むのによい。水が浸入するのも下から水位が上昇するので足を上げれば濡れなくて済む。さらに立ち上がれば濡れるのは足だけということもある。空気保持部に上に凸のビニール袋、袋体を壁体の内側沿いに壁面と離隔して設けておくと万が一、津波の前の巨大地震で壁体にクラックが入っていた場合に安全である。水平移動用孔より下まで垂れる長さがあると空気は多く保持できる。だだし、下部は蛇腹状の柔らかい材料性としてくぐりやすくする。ゴミ袋をかぶっても万が一には助かる。この場合も取っ手があるとくぐりやすい。
構造体には当然堅固な造りで、漂流物の衝突は地上部、突出部だけであり、津波の波力で転倒しない抵抗モーメントと、浮力は地下式でも構造体全体にかかるので浮き上がらない重量が必要である。設計外力のうち、10m、20m、30mの津波高さの水圧による曲げモーメントは、比例して大となるが、構造の外寸法は基本同じとした場合は、鉄筋量を増やすことで対処できる。型枠を転用できるメリットがある。この津波高さによる外力は、地域により異なるものであるが、逆に言えば地域により同じ設計でグループ化できるメリットがある。早期設計、早期完了を目指す。開口部の蓋、扉部の段差、鉄筋補強も同じ考えである。場合によっては、蓋、扉の厚み分を壁面より上面に載せることの方が合理的かもしれない。蓋、扉の周囲には、腐食防止のため、降雨後の水溜まりを流出させる1cm程度の溝を設ける。津波時の様子見で蓋、扉を開けた時に水が入ってきては中の空気が抜ける。あくまで様子見は新鮮な空気との入れ替え時である。
構造体は、予測される津波高さに応じて設計される。蓋、扉も当然、予測される津波高さに応じた性能のものを用いる。ところが、津波高さは、10m、20m、30mと地域により異なる。津波高さに応じたそれなりの耐圧性を有するとしても、30mと津波高さが高いと防水性を100%求めると大きな負荷を負うことになる。防水ゴムパッキンを付ければそれなりの防水が得られる。防水性を100%求めると最終的には潜水艦のような鉄板厚、その密閉構造物に使われる耐圧特殊密閉扉となる。当然に価格も累乗的に上がるので本望ではない。本願は、防水性が破損しても、生存に必要な空気が抜けださないよう、空気の抜け道となる開口部とその流れを遮断する仕切壁との位置関係、空気の貯まる上に凸の構造の維持、さらには蓋、扉の飛散、衝突からの人を保護、防護盾となる仕切壁位置に特徴がある。
狭所恐怖症の人、肥満の人には、1人前分以上の余裕を持った2、3人用を選択すればよい。突然の来客中の津波来襲のための余裕、設計空気量程度には余裕があるが、詰め込んでも大丈夫な人数は予め承知しておいた方がいい。津波の去った後を採光でキャッチして、こまめに蓋、扉を開閉すれば大丈夫。これも生存のための大事な作業である。新鮮な空気を胸一杯に味わえる。蓋、扉が透明、もしくは魚眼ガラス玉で採光できるもの、ガラス、プラスチック製であれば採光性がよい。
本来、構造体にとって、津波の前の巨大地震によるひび割れは、特に天井壁部のひび割れは水中となったときに空気が逸失するので致命的である。壁体構造は崩壊せず形状を保てるので、上に凸の袋状のプラスチックの膜、形状体、構造体を内壁沿いに設けると空気を
保つので2重3重に安全安心で、万が一の空気漏れの不安、課題を一掃することができる。津波は、地域により異なるが最大第6波の繰り返しで、6時間継続すると予想されているので地域特性、津波波形、継続時間特性を調べ、耐える事前の心構え、地域での共同訓練が必要である。津波来襲後、より地域に密着した第2波以降の津波情報が得られるなら、蓋、扉を開けて、携帯電話、スマホ、ラジオの電波を随時キャッチすることも大事である。白旗を用意しておけば、救助ヘリに合図を送ることができる。
その他、図の多くで、隅角部のハンチは省略している。また仕切り壁を超える時に壁の厚みが邪魔になるので、図には省略しているが、丸み、テーパーを設けた方がよい。避難シェルターの基礎部分には、均しコンクリート、基礎コンクリートで不等沈下などを防ぐ。
図1、図2の開口部を側面壁部に設け、蓋または扉を鉛直とし、下端を家の床高さ概0.5mとし、内部の仕切壁を底面壁部からの立上げ壁とした地上式避難シェルターによれば、側面壁部に開口部を設けることで家屋内、縁側から即、逃げ込みやすい。防水性の蓋、扉は、蓋、扉または開口部にパッキンゴムを設けることで、津波の設計以上の大きさで防水性が喪失するまでは、濡れなくて済む。天井壁部と仕切壁との奥側の空間と、天井壁部と仕切壁の上先端との上に凸の空間に生存必要空気量が確保できる。設計以上の大きな津波で防水性が喪失すると、水が仕切壁を越えてなだれ込み、その分、奥側の内部水位が上昇し、ボイルの法則で奥の内気圧が高まる。ただし、生存必要空気量は圧縮されるものの逃げないで必ず残る。35mの津波高さでは天井近くの内部水位となるが、空気は残るので口元を上に上げれば何とか吸える。丸椅子もある。ここで、地上式と言っても、すべてが地上に出ているわけではない。津波による転倒に対して抵抗するため、底面壁部、側面壁の一部が地中となることもある。
図3、図4の開口部を天井壁部に設け、蓋または扉を水平とし、家の床伝い高さ概0.5
mとし、内部の仕切壁を天井壁からの垂れ壁とした半地下式避難シェルターによれば、地
上突出部を低く、小さくできる。威圧感が少ないので庭に設置するメリットが出る。ただ
し、天井壁部の突出高さは、津波の引き潮後の高さ以上、地域の水はけ高さ以上とする。
開口部に防水性の扉を設けることで、設計以上の大きな津波で防水性が喪失するまでは、
濡れなくて済む。天井壁部と仕切壁との奥側の空間に空気が確保できているが、防水性が
喪失すると仕切壁の下先端以下の空気が開口部より抜け、すぐ水と置換され一面水浸しと
なる。仕切壁の下先端より上の上に凸の空間が生存必要空気量である。それ以上の津波高
さでは、垂れた仕切壁の先端で水平水面を張るので、内部水位上昇とともに内部空気は圧
縮され気圧が上昇する。生存必要空気量は圧縮されるものの逃げないで必ず残る。また、
扉本体が破損すると開口部から空気が一気に抜け、浸水で内部の水位、気圧が急激に上昇
する。しかし、仕切壁の下端から天井壁部との奥側の上に凸の空間空気は圧縮されながら
もボイルの法則で必ず残る。
図5、図6の開口部を天井壁部に設け、蓋または扉を水平とし、家の床伝い高さ概0.5
mとし、内部の仕切壁を垂れ壁と立上げ壁とを併設した半地下式避難シェルターによれば、地上突出部を小さくできる。庭に設置するメリットが出る。ただし、突出高さは、津波の引き潮後の高さ以上、地域の水はけ高さ以上とする。開口部に防水性の扉を設けることで、設計以上の大きな津波で防水性が喪失するまでは、濡れなくて済む。かつ、立上げ壁があるので(実施例2)に比べて濡れない。安心感がある。天井壁部と仕切壁との奥側の空間に必要空気量が確保できる。ただし、それ以上の津波高さでは、奥側の仕切壁の上先端を乗り越えて、水位上昇とともに内部空気は圧縮され気圧が上昇する。生存必要空気量は圧縮されるものの逃げないで必ず残る。立上げ壁と垂れ壁がある2枚壁なので、内部の安定度は増す。奥側の上に凸の空間空気は圧縮されながらもボイルの法則で必ず残る。
図7、図8、図9で、図1、図3、図5の手前側空間の底面壁部に貫通穴を設けた地上式
および半地下式避難シェルターによれば、押し寄せる津波の大きな水圧となる前に、津波
の到着に先行して、パスカルの原理でいち早く遠方の地中の地下水を伝わって底面壁部の
貫通穴に圧力が伝達される。避難シェルター壁体の内側の気圧が高まり、外側にあとで到
着する津波の大きな外圧力との差が事前に縮小される。そうなる間に、地中から水が水柱
となり噴出する現象もあるかもしれない。圧力差が内外で小さくなれば壁体にかかる曲げ
モーメントも少なくなり、防水性の扉が破損する危険性は激減する。経済的な防水性の扉
とすることも可能である。ただし、扉本体の強度は漂流物の衝突に耐える必要がある。地
質や、地下水位高さにより底面壁部の貫通穴から土砂を巻き込む可能性も無きにしも有ら
ずで、危惧される場合は、貫通穴の下方にパイプ管などで煙突状に防護ガードとして伸ば
し入れるとよい。壁体下の均しコンクリート、基礎コンクリートにも貫通しておくことは
当然である。
ここで、図8、図9の半地下式の場合に注意することは、地中の側面壁部に貫通穴を設け
てしまうと、土圧バランスが崩れ、土砂が流動化し、地中の側面壁部の穴から避難シェル
ター内部に土砂と水が入り、外部の地面が陥没する危険性があることである。
図7、図8、図9の貫通穴を利用して津波早期検知装置を設置できることは(実施例5)
で説明する。
図7、図8、図9の底面壁部に設けた貫通穴13に、径の少し小さいパイプ管20をさら
に地中の地下水位以下まで挿入し、津波早期検知装置20とする。津波の到来前に津波の
予兆を知ることができれば、2分で津波の来襲する地域では1分1秒でも早く知ることが
できることとなり絶望から助かる見込みが出る。原理は、津波の前兆には引き潮現象がみ
られることがあること、来襲時の津波の大きさで水圧が大きくかかることから、地下水位
にその変化があるはず。その地下水位の変化、圧力はパスカルの原理で瞬時に遠方の津波
到達点、住宅地、その避難シェルターまで伝搬される。すなわち、津波の到達より早くそ
の予兆が検出されるはず。パイプ管内の地下水面30にはフロート22、23を浮かべ、
その水位の急激な変化を電気的にキャッチし、電気的経路で避難警報音を発する。図16
はパイプ管内に、平時は水位の変化に追従し異常時にはフロート23のパイプ管内内側面
との摩擦が働き、電極刃27を持った棒26を有する中央のフロート22のみが飛び出す
という相対的移動差を利用して、水位の急激な変化で浮沈する一定限度以上の変位量、つ
なぎ棒25で上下に設けた金属板23、24に接触することで通電する津波早期検知装置
20、で、上部体24にほ空気を逃がす空気道33を設けている、あるいは、図17は中
央フロート22上に設けた芯棒29が管に固定したコイル28の間を急激に通過するこ
とで生じる誘導電流を検知する津波早期検知装置20を設ける。
避難シェルター内の貫通穴利用のみならず、さらに庭、屋外の空地、小学校校庭など津波
急襲地域の地中に配置しネットワークで警報する津波急襲地域警報システムとすれば多
くの人がいち早く1分1秒でも早く避難行動に移れ、命が助かる。キャップ21は、屋外
では雨水防止となる。ただし、異常降雨、集中豪雨を観測する場合にはキャップを取るこ
とで有益なデータが得られるかも知れない。
防水性の蓋、扉は、内部からの吹き上がりで飛び出す可能性があるので、鎖、ロープ等で
壁体内側と余長をもって結んでおく。蓋は重いので、平時は開けておく方が飛び込むのに
早い。水平にスライドさせると比較的楽であるが事前の訓練をしておく必要がある。女性
宅の場合は、軽い強化ガラス製、プラスチック製、強化プラスチック製がよい。採光性も
よい。津波が引いたかどうか扉を開けるタイミング判断、新鮮な空気を入れる判断となる。
鉄製、鋳物製の蓋、扉にはガラスのビー玉、魚眼付きなら明かりが分かる。
図10は、図1を最小単位コア体として、それを先頭に後方に壁体を連結した合計4ブロ
ックの地上式避難シェルターの例の断面図である。図11は中央に最小単位コア体を配置
して左右対称に展開し合計5ブロック連結とした例の正面図、図12は同じく合計5ブロ
ック連結の例の平面図である。図13、図14に水平移動用孔の位置関係の断面図を示す。
狭ければ水平移動用孔を拡大することができる。高さ方向に拡大すると万が一の場合に必
要生存空気量が減るので、横方向に穴を拡大することは言わずもがなである。連結する開
口部のない壁体は、万が一連結部が破損する事態でも、単独で上に凸形状としているので
空気放出とならず安心である。壁体連結型を住宅の縁側に平行して設ける場合は、開口部
が縁側方向に向くように、開口部を壁体の図1に直交する側面壁部に設けるとよい。ただ
し、半地下式の方が縁側の長さ方向の高さがそろい圧迫感がない。壁体を連結する場合に
は、人数によって工場製作と現場施工の役割分担を決める。
家族用では最小単位コア体は1人用、または2人用といえる。学校の校庭に設ける場合の
最小単位コア体は5人用、あるいは10人用となる。規模が大きくなる場合では地下深く
空間を取るのは掘削が大変で、基本は水平方向に連結して拡張する。工場製作では設計を
統一して、なるべく同じブロック、同じパネル、ピースとなるよう人数に応じて計画する。
ユニット化、プレハブ化、プレキャスト化も現地の作業を少なくする方法で、内容は共通
しているところが多い。現地で鉄筋組立するか、継ぎ足すか、PC鋼棒で転結するかを予
め選定する。現地への寸法、重量の運搬条件、狭い道幅から通れる地元道条件、庭、門越
しのクレーン架設か、小割して運び入れるか、掘削は2mまで可能か、コンクリートの打
設が可能か、など地域により予めの検討をグループ分けして基本を決めておく。閉所恐怖
症、肥満の人にも対応できる。内部空間の余裕では、全体的に移動が多いので、仕切り壁
の先端部や水平移動用孔は角取をするとスムーズに移動でき楽になる。
奥の空気を貯める空間には、万が一、構造体、特に天井壁部が、津波来襲前の巨大地震で
事前にひび割れた場合には、津波で水中、水没すると空気が抜けてしまう。壁体の奥の空
気保持空間に、壁体の壁内側沿いに上に凸のビニール、ポリ袋のような防水性袋体を設置
すると、空気保持で2重に安全安心である。連結シェルターでは後続の各壁体にジャスト
サイズで設置しやすい。かつ、水平移動用孔をくぐる時に上に凸の防水性袋体の下部を柔
らかいひだ付とすれば、幕のように容易に持ち上げられるので奥までの移動が楽である。
その他、引き潮で新鮮な空気と入れ替わるものの、扉の開閉で浸水してしまうと内部に貯水されたままでは第2波以降の内部空気を保存する体積が減っているので、第2波の来襲前に水抜きをする必要がある。ボイルの法則は気体に対する法則である。水の体積は津波が去った後の圧力低下でも体積変化がない。バケツでかき出す必要がある。そのため、バケツを吊るロープも内側に用意してなくてはならない。内部には、懐中電灯、スコップ、テコとなる棒、板、バケツ、ラジオ、足場台、丸椅子、ポリ袋、電池式扇風機、乾電池その他、地域で得る知識を共有して用意する。
1避難シェルター
2非透水性の壁体
3張り出す仕切壁
4開口部、出入口
5蓋または扉、
6側面壁部
7天井壁部
8底面壁
9基端
10先端
11均しコンクリート、基礎コンクリート
12浸水時に形成される内部水面と空気保持空間との境界線
13貫通穴(底面壁、均しコンクリート、基礎コンクリート)
14連結部
15縦隔壁
16水平移動用孔
17PC鋼棒
18PC定着部
19下部を持ち上げやすくした、ひだ付きの上に凸の防水袋体
20津波早期検知装置、パイプ菅
21キャップ
22中央フロート
23上面に金属板電極を有するいかだ状フロート組み、パイプ管内面とは急激な移動時に摩擦がある。
24下面に金属板電極を有する上部体
25上下間つなぎ棒
26フロートと電極(刃)間のつなぎ棒
27金属刃、電極(刃)
28コイル
29芯棒、磁石
30地下水面
31夏季地下水位(HWL)
32冬季地下水位(LWL)
33空気道
A 奥側空間、閉塞空間、生存必要空気量保持空間
B 開口部と仕切壁との空間、初期浸水域
▽ 浸水時に形成される内部水面と空気保持空間との境界の内部水位、水面

Claims (5)

  1. 水害から一時的に避難する空間を提供する避難シェルターであって、
    前記避難シェルターの内部空間を内側に規定する非透水性の壁体と、前記壁体から前記内部空間に張り出す仕切壁と、を備え、
    前記壁体は、人が出入りする開口部を前記壁体の側面壁部または天井壁部の一部に有し、
    前記開口部には、地域により異なる予測される津波高さに応じた性能の耐圧性、防水性の扉または蓋を設け、
    前記仕切壁は、前記内部空間のうち、前記開口部から見た奥側空間に、避難のための避難空間を確保するものであり、
    前記仕切壁は、前記開口部を前記側面壁部に設ける場合は、基端が前記壁体の底面壁部に連結し、先端が前記開口部の上端より高く、前記開口部を前記天井壁部に設ける場合は、基端が前記壁体の天井壁部に連結し、あるいは手前側に、基端が前記壁体の天井壁部に連結する仕切壁と、奥側に基端が前記壁体の底面壁部に連結する仕切壁を加え、奥側の仕切壁の上端は手前側の仕切壁の下端より高く、前記人が前記開口部と前記奥側との間を出入り可能なように、前記仕切壁と対面の側面壁部との間隙、前記仕切壁の上端と天井壁部との間隙、前記仕切壁の下端と底面壁部との間隙、さらには前記仕切壁間の間隙が確保さ
    れている避難シェルター。
  2. 前記開口部と前記仕切壁との間の位置において、前記壁体の前記底面壁部に、貫通穴または多孔質の透水性部位を設けた請求項1に記載の避難シェルター。
  3. 請求項2に記載の前記避難シェルターの前記底面壁部の前記貫通穴を利用して、地下水位を貫通するパイプ管を地中に設け、津波の到達前に、津波地点から伝搬する地下水位の急激な変化を遠方でいち早く検知する装置であって、前記パイプ管内にフロートを浮かべ、平時の地下水位の変化に比べて異常を電気的に検知するもので、管内水位の急激な変化で飛び出した中央のフロートが上下移動し水面の浮沈異常値に達したときに、前記中央のフロート上の棒に取り付けた電極が上下に設けた電極板に接触し、通電することで検知する方法、あるいは前記フロート上の芯棒が上方に固定したコイルの間を急激に上下動するときに発生する誘導電流を検知する方法で、いずれも電気的経路から警報音を発することができる津波早期検知装置であり、さらには、屋外の空地、近傍地域の津波急襲地域の地中に前記装置を設置することで地域ネットワークとつないで警報発信できるとした、津波急襲地域に伝搬される地下水位の急激な変化を検知、警報する津波早期検知装置と津波警報発信システム。
  4. 水害から一時的に避難する空間を提供する避難シェルターであって、
    前記避難シェルターの内部空間を内側に規定する非透水性の壁体を備え、前記壁体は、人が出入りする開口部を前記壁体の側面壁部または天井壁部の一部に有し、前記開口部には、地域により異なる予測される津波高さに応じた性能の耐圧性、防水性の扉または蓋を設け、
    前記壁体から前記内部空間に張り出す仕切壁を備える場合は、前記内部空間のうち、前記開口部から見た奥側空間に、避難のための避難空間を確保するものであり、前記仕切壁を備えない場合は、全体を避難のための避難空間として確保するものであり、前記壁体を最小単位コア体とし、人数に応じて、開口部を設けない前記非透水性壁体を、平面の水平方向に連結するものであり、前記壁体の前記側面壁は連結部の縦隔壁を兼ねるとし、前記縦隔壁は前記仕切壁の役割を担うとし、前記縦隔壁の下方に水平移動用孔を設けるとした壁体連結型の避難シェルター。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかにおいて、前記避難シェルター壁体の奥側空間の壁面内部沿いに設ける袋体で、その下部をひだ付きなどで持ち上げやすくした上に凸の防水性袋体。












JP2019227261A 2019-12-17 2019-12-17 津波等の避難シェルター Active JP6762464B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019227261A JP6762464B1 (ja) 2019-12-17 2019-12-17 津波等の避難シェルター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019227261A JP6762464B1 (ja) 2019-12-17 2019-12-17 津波等の避難シェルター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6762464B1 true JP6762464B1 (ja) 2020-09-30
JP2021095731A JP2021095731A (ja) 2021-06-24

Family

ID=72614654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019227261A Active JP6762464B1 (ja) 2019-12-17 2019-12-17 津波等の避難シェルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6762464B1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7212818B1 (ja) 2022-05-26 2023-01-26 冨田 穣 自宅の庭、学校、工場、魚市場等の敷地に設置する高床式津波等避難シェルター
JP7317273B1 (ja) 2022-06-23 2023-07-31 冨田 穣 マンション、ホテル、ビルなどの堅固な建物室内に設置する津波等避難シェルター
JP7376004B1 (ja) 2023-06-06 2023-11-08 穣 冨田 建物室内設置の津波、ミサイル爆風等災害避難シェルター

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010071029A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Masaaki Maekawa 水害防止具
JP2013142237A (ja) * 2012-01-10 2013-07-22 直徳 ▲高▼松 避難シェルター
JP5462322B2 (ja) * 2012-06-14 2014-04-02 盟子 冨田 津波退避部屋及びそれに用いるサイフォン装置
JP5390720B1 (ja) * 2012-09-28 2014-01-15 一剛 小島 津波避難地下シェルター

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021095731A (ja) 2021-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6762464B1 (ja) 津波等の避難シェルター
JP4031497B2 (ja) 津波シェルター
Suppasri et al. Lessons learned from the 2011 Great East Japan tsunami: performance of tsunami countermeasures, coastal buildings, and tsunami evacuation in Japan
JP6110046B1 (ja) 地下式避難用シェルター
JP2007077758A (ja) 水害対応免震建築物
JP2006322311A (ja) 高潮浮上建築物の浮体施工方法
JP2006322301A (ja) 浸水対応建築物とその建造方法
JP2013217180A (ja) 津波防災システム
JP4979040B1 (ja) 津波、高潮、洪水対策用退避部屋
JP5637414B1 (ja) 津波等災害シェルター
Heintz et al. Design of structures for vertical evacuation from tsunamis
JP6514917B2 (ja) シェルター
JP5624237B1 (ja) 津波用天井避難部屋
JP6368892B1 (ja) 津波、洪水、高潮対策用の避難部屋付き建築建造物
JP6402296B1 (ja) 津波、洪水、高潮対策用の避難部屋付き建築建造物
JP6547094B2 (ja) 津波、洪水、高潮対策用の避難部屋付き建築建造物
JP2013076257A (ja) 避難シェルタ
JP6569034B1 (ja) 津波等の避難シェルター
JP5462319B2 (ja) 津波退避部屋及びそれに用いる漂流物、火災侵入防止扉
JP7212818B1 (ja) 自宅の庭、学校、工場、魚市場等の敷地に設置する高床式津波等避難シェルター
JP5782655B2 (ja) 防護型住宅建造物
JP6312939B2 (ja) 地下式避難用シェルター
JP2013224519A (ja) 津波退避部屋及びそれに用いる空気保持独立体
JP6178297B2 (ja) 避難用シェルター
JP5600135B2 (ja) 津波、高潮、洪水対策用退避部屋

Legal Events

Date Code Title Description
A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20191217

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200318

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200428

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200513

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20200513

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6762464

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250