JP2013217180A - 津波防災システム - Google Patents

津波防災システム Download PDF

Info

Publication number
JP2013217180A
JP2013217180A JP2012279693A JP2012279693A JP2013217180A JP 2013217180 A JP2013217180 A JP 2013217180A JP 2012279693 A JP2012279693 A JP 2012279693A JP 2012279693 A JP2012279693 A JP 2012279693A JP 2013217180 A JP2013217180 A JP 2013217180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tsunami
disaster prevention
opening
prevention system
seawall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012279693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013217180A5 (ja
Inventor
Kenji Kubota
久保田健治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2012279693A priority Critical patent/JP2013217180A/ja
Publication of JP2013217180A publication Critical patent/JP2013217180A/ja
Publication of JP2013217180A5 publication Critical patent/JP2013217180A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/11Hard structures, e.g. dams, dykes or breakwaters

Landscapes

  • Revetment (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

【課題】高台移転における問題点と、巨大防潮堤の建設における問題点を解決し、実現可能な津波防潮システムを提供する。
【解決手段】津波の来襲に対して沿岸地帯に住んでいる住民等の生命を護るための避難路、避難所及び津波の襲来を報せ、避難勧告をする警報手段と、住民等の財産及び生命を護るための防潮堤10とを具備する津波防災システムにおいて、防潮堤は所定の高さの堤体を有し、堤体の下端部に人、又は、車の通行するゲート用開口を設け、かつ、越流した海水を放出する放水用開口を堤体の上下方向に複数個を設け、ゲート用開口には遠隔操作及び手動による開閉可能な扉体を設け、放水用開口には遠隔操作により開閉可能な開閉装置を装着して、操作指令によりゲート用開口及び放水用開口の開閉を制御可能にしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は津波、特に巨大津波に対する防災システムに関する。
昔から現在に至るまで、巨大津波が日本沿岸地方に襲来し、多数の人の命を奪い、居住している家屋や働いている工場などを損壊し、流失させるという被害を与えてきた。これに対して、1933年の昭和三陸地震津波の襲来後から巨大津波に対する対策が再び本格的に考えられるようになってきた。現在までに提案された主な対策方法は以下のとおりである。
(1)高地(高台)移転:集落を津波が到達しない高地へ移転し、災害から逃れる方法である(非特許文献1,2)。これは、安全な対策であり、昭和三陸地震津波の災害を受けた後に三陸海岸の大船渡市綾里をはじめとする数多くの集落が高地移転を行った。なお、この高地移転は魚の加工処理場や漁船等の置場までも移転するものではない。
しかし、高地移転には以下のような欠点がある。漁業を生業とする者にとって、居住地から海辺までの距離が遠くなること。高地移転により、飲料水が不足したこと。交通路が不便であったこと。元の土地から離れて生活することに不便が生じたこと。先祖伝来からの土地に対する執着心があったこと。津波襲来が頻繁でなく、安全安心よりも便利さを優先するようになってきたこと。十分な代替地が得られなかったこと。被災者の生活再建や就労の機会が十分に確保できなかったこと。等の理由で、元の低い土地に復帰するものも多かった。
(2)防潮堤の建設:津波が超えられないような巨大な防潮堤を海岸線に沿って建設する方法(特許文献1)。
巨大な防潮堤としては、例えば、特許文献1の実施例では、防潮堤の胸壁高さ20m以上、底面幅30m以上としている。しかし、このような巨大な防潮堤を建造するには費用が莫大であること。建設に長期間を要すること。背後地(居住地)から海岸へのアクセスが不便になること。視界が遮られて景観が悪くなること。等の欠点があり、実現は困難であった。
また、特許文献2には、岸壁に防潮堤を設け、その前方の海域に津波の越波を許容する程度の堤高を有する複数の堤体を津波進行方向に向けて多段に設置して津波エネルギーを減衰させる方法が開示されている。しかし、記載された図面から判断する限り、普通程度の大きさの津波に対しては有効かもしれないが、巨大津波の被害を防止することはできないと考えられる。
(3)防波堤を建設する方法。防波堤とは港湾内の海域の波を静穏にするために港口の海底に構造物を建設し、外海と港湾内との連通する水路を狭める方法である。例えば、岩手県大船渡湾、同釜石湾の湾口に防波堤が設けられた。(非特許文献3、110〜112ページ)。
しかし、これは通常の津波に対しては津波のエネルギーを散逸させることにより、或いは港湾内の共振周波数を変えることにより津波の被害を軽減することは可能であるが、巨大津波の被害を防止することはできない。
(4)その他
上記の他に、防潮林を設ける方法(非特許文献3、101〜106ページ)や離岸堤を設ける方法(非特許文献3、116、117ページ)等がある。これらは何れも津波の被害を和らげることはできるが、巨大津波の被害を防止することはできない。
(5)津波の予警報と避難路・避難所
現在、津波の予警報は気象庁が担当しており、気象庁は地震データに基づき予測される津波の高さを求め、全国の沿岸を66に分割した予報区ごとに、3段階に分けた警報(大津波、津波、注意警報)を津波情報として発表している(非特許文献1、7−2津波予警報、312~318ページ)。また、全国110か所の潮位観測施設のデータをリアルタイムで津波予報中枢に収集して津波の監視を行い、実際に津波が観測された場合には津波の高さと時刻を津波情報として実況値で発表している。これらの津波情報は地上回線、衛星回線を利用して都道府県等に伝えられている。
避難路、避難所は地方の自冶体等によりハザードマップとして住民等に知らされる。避難所として高台を利用できない場合には、その代わりに人工の避難装置を建設してもよい(例えば、特許文献3、4)。しかし、人は避難すれば生命は助かるが、住居や生活上必要な建物、工場は大きな被害を免れず、大きな課題である
公開特許公報、特開2006−225996、津波防潮堤 公開特許公報、特開平7−113219、多段津波防波堤 公開特許公報、特開2008−14112、津波避難装置 公開特許公報、特開2008−74385、津波シェルター装置
津波の辞典、2007年11月出版、朝倉書店、首藤伸夫ほか編集、 HP、78年前の「注意書」に学ぶ津波対策、2011年5月10日掲載、三原岳 TSUNAMI、2009年3月31日出版、丸善プラネット株式会社、沿岸技術研究センター編集、 津波から生き残る、平成21年11月13日出版、土木学会発行
津波、特に巨大津波に対しては高台移転が有効な対策方法と考えられていた。しかし、移転する高台が見つからない場合もあり、また高台が見つかったとしても前述したような不都合が生じる場合もある。これは移転先の高台が山の山頂又は中腹にある場合は移転前に整地、道路、水道等の整備に多額の費用と長期間が必要であり、津波に被災して住居や職場、財産も失って、早急に復興に着手したいと思う被災者との間に大きな隔たりがあり、課題であった。さらに、高台移転で住民の生命が助かったとしても、職場や漁具、漁船をすべて失うことは漁業者にとって耐えがたい苦痛であり、大きな課題である。また、巨大津波が乗り越えられないような巨大堤防、巨大防潮堤を築くことは土地の確保だけでなく莫大な費用が掛かることから実現困難である。本願発明は実現可能で、上記の課題を解決するシステムを提供することを目的としている。
請求項1の発明は、津波の来襲に対して沿岸地帯に住んでいる住民等の生命を護るための避難路、避難所及び津波の襲来を報せ、避難勧告をする警報手段と、住民等の財産及び生命を護るための防潮堤とを具備する津波防災システムにおいて、前記防潮堤は所定の高さの堤体を有し、該堤体の下端部に人又は車の通行するゲート用開口を設け、かつ、越流した海水を放出する放水用開口を該堤体の上下方向に複数個を設け、該ゲート用開口には遠隔操作及び手動操作による開閉可能な扉体を設け、該放水用開口には遠隔操作により開閉可能な開閉装置を装着して、操作指令により該ゲート用開口及び該放水用開口の開閉を制御可能にしたことを特徴とする。
即ち、この発明は津波の波高が防潮堤の天端高さを越えない場合は、津波の被害を完全に防ぐとともに、天端高さを越えて津波水が陸側域内に浸水した場合でも浸水した海水の戻り速度を所定速度以下に制御して、住民の住居等の建物やその他の住民の財産等が海の沖に流され、又は、倒壊等や原状回復が困難になるような重大な被害が発生するのを防止するのを目的とする。また、これにより、住民が安心して避難できるようにすることをも目的としている。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記堤体の所定の高さは、津波が堤体を越えて流入した場合に、該堤体の陸側にある住宅等の建物に回復が困難な重大な被害を与えない高さとしたことを特徴とする。
即ち、この発明は、巨大な防潮堤を建設することにより生じる課題、長期の建設期間、建設費用が膨大になる等の問題と津波が防潮堤を越えて越流した場合に住民に与える被害との調和点を明確にすることを目的としている。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記操作指令は、津波襲来前又は津波の襲来が予想された時に前記全開口を一括して閉鎖する強制的な閉指令及び津波が引いた後に前記防潮堤を越流した海水の戻り速度を一定速度以下に制御する開指令を含むことを特徴とする。
即ち、この発明は強制的な閉指令により津波水が何れの開口からも浸水するのを防止し、同時に巨大津波が防潮堤を越流して流れ込んだ場合の海水の戻り速度を小さくして住宅等の被害を小さくすることを目的としている。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3の発明において、前記放水用開口の操作指令は、夏季の蒸し暑いときには該開口を開き、冬季の寒いときには該開口を閉じて、前記防潮堤の陸側域内の気温、湿度を調整する指令を含むことを特徴としている。
即ち、この発明は津波対策の他に、陸側域の環境調整をも行うことを目的としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の発明において、前記防潮堤の堤体を横切る河川がある場合は、該河川の水門を該堤体の下部に設けると共に該水門を開閉する扉体を設け、遠隔操作又は手動操作により開閉可能にしたことを特徴としている。
即ち、この発明は河川がある場合でも防潮堤の機能が発揮できるようにすることを目的としている。
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5の発明において、前記防潮堤の堤体は、該防潮堤の長手方向から見た断面の海側表面形状が凹形を形成し、該凹面の天端部における接線が水平面から上向き25度〜65度をなすように構成したことを特徴とする。
即ち、この発明は津波高さが堤体の天端高さより低い場合は津波水の一部が陸側に浸水するのを防止することを目的としている。
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記堤体の海側の曲面状表面に突起状の補強部材を設けて、海側域からの漂流物によって該堤体が破損、破壊などの被害を受けないようにしたことを特徴とする。
即ち、本発明は堤体の海側面を凹面としたので、強度を補強することを目的としている。
請求項8の発明は、請求項1〜請求項7の何れか1の発明において、前記防潮堤の堤体は、基台の上面に固設すると共に、前記基台及び堤体は来襲する津波の押波力及び引波力によって陸側及び海側に倒壊しないように杭等の手段により該基台を地面に堅固に固定すると共に、該堤体を該基台に堅固に固定したことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記基台及び堤体は鉄筋コンクリート製の構造として前記津波前の地震動に対して十分に耐える構造としたことを特徴とする。
即ち、この発明は津波の発生原因としての地震により機能を失わないようにしたことを目的としている。
請求項10の発明は、請求項1〜請求項9の発明において、前記防潮堤は、堤体の天端部の上面に歩道または車道を設け、該堤体天端部の両縁部に人または車の落下防止のための防止柵を設けたことを特徴とする。
即ち、この発明は防潮堤の本来の機能の他に観光用としての付加価値を追加したことを目的としている。
請求項11の発明は、請求項10の発明において、前記落下防止柵は、前記堤体天端部の両縁部から立設する防止柵の頂点部を連結し、該防潮堤の長手方向から見た断面形状が倒立U字形状となるように形成し、海側柵に海側域からの漂流物が引っ掛かって空中で宙づりにならないように縦部材で構成し、陸側柵は漂流して辿り着いた人間が該陸側柵を手で捕まえて該陸側柵に留まり、或いは該陸側柵に捕まって移動できるように横部材で構成としたことを特徴とする。
即ち、この発明は漂流物により被害が拡大するのを防止すると共に津波によって漂流してしまった人間の生還の機会を増やすことをも目的としている。
請求項12の発明は、請求項11の発明において、前記陸側柵に、該陸側柵の外側から前記堤体天端部の上面に移動できる避難用開口を設けたことを特徴とする。
即ち、この発明は陸側柵に辿り着いた者が天端部の上面の歩道を通って避難できるようにしたことを目的としている。
請求項13の発明は、請求項10〜請求項12の発明において、前記天端部の上面の歩道と通じる避難用歩道又は避難用階段を陸側域に設けたことを特徴とする。
即ち、この発明は両端の出入り口に戻らなくても直接に避難できる歩道を設けたことを目的としている。
請求項14の発明は、請求項1〜請求項13の発明において、前記ゲートの上方に、該ゲートの海側域の浜辺にいる人の有無をチェックする検出カメラと警報機を設けて遠隔操作により該ゲートの扉体を開閉する際に警報を発するようにしたことを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項1〜請求項14の発明において、前記防災システムを採用する当該地区は、1又は複数の避難路を設け、該避難路入口は徒歩又は車で住民が容易にアクセスできる場所に設け、かつ、複数の避難所を有し、第1避難所は海抜略10m前後の場所に設け、第3避難所は巨大津波が到達しない高さ略30m以上の場所に設け、第1避難所には複数の画像モニターとスピーカーが備えられ、公共放送による津波情報並びに当該地区の防災センターからの情報を得られることを特徴とする。
即ち、この発明の避難路は集まりやすい場所に避難所を設けると共に、巨大津波が到達しない高地に避難所を設けて安心して避難できるようにしたことを目的としている。
請求項16の発明は、請求項15の発明において、前記防災センターからの情報は、当該地区の湾口又は深さが急激に変化している海域の望遠カメラによる海面の画像、来襲している当該津波の大きさに関する情報、更に高い位置にある避難所に移動する勧告情報を含むことを特徴とする。
即ち、この発明は住民が津波の襲来を確かめに海岸近くに行かないでも正しい情報が得られるようにすることを目的としている。
請求項17の発明は、請求項15〜請求項16の発明において、前記防災センターは前記防潮堤の陸側域内の安全な場所に設けられ、該センター内部に前記望遠カメラ、浜辺の状況を撮影する監視カメラからの画像を映すモニターを設置し、該センターの職員は建物等の地震動又は公共放送により津波発生の情報を得たときには該情報を住民に報せる警報手段と、該望遠カメラにより津波来襲を判断したときは緊急避難場所と緊急避難路を含む緊急避難命令を緊急放送する避難勧告手段を実行すること特徴とする。
即ち、この発明は公共放送に頼るだけでなく、当該地区の固有の緊急情報を提供し、緊急避難が円滑に行われるようにすることを目的としている。
請求項18の発明は、請求項17の発明において、前記津波情報、前記緊急避難命令は、来襲する津波の大きさにより通常津波、巨大津波、超巨大津波の3種類に分類して各津波の大きさに適した津波情報、避難命令を出すことを特徴とする。
即ち、この発明は避難行動を住民の自主判断に任せないで、正しい情報を提供し、統一的な避難が行わせることを目的としている。
請求項19の発明は、請求項16〜請求項18の発明において、前記防災センターは、前記津波発生の情報を得た場合には前記監視カメラにより前記海辺に人がいることを認識した場合には緊急退避命令と前記防潮堤の通行用開口を閉鎖することを放送し、前記望遠カメラ等により津波来襲を判断した時は、前記通行用開口及び前記水門並びに前記全ての放水用開口を閉鎖する操作を緊急に開始することを特徴とする。
請求項20の発明は、請求項19の発明において、前記防災センターは、前記津波が引き始めたときは、前記防潮堤を越流して陸側域内に溜まった海水を放水するための前記放水制御手段の操作を開始し、前記海水の放水を終了した後、所定の時間経過後に前記通行用開口の扉体及び前記水門の扉体を開く操作を行うことを特徴とする。
請求項21の発明は、請求項20の発明において、前記所定の時間は、津波の再襲来がなくなったと判断した時刻であることを特徴としている。
請求項22の発明は、請求項1〜請求項21の発明において、前記防潮堤の海側域に存在し、津波によって漂流物となる可能性のある車両、漁船、沿岸貯木場にある丸太、コンテナ、油タンク等を漂流しないように固定したことを特徴とする。
即ち、この発明は漂流物が被害を増大していることに鑑み、被害を減少させることを目的とする。
請求項23の発明は、請求項22の発明において、前記車両の漂流防止手段は、駐車場に駐車している車両が津波水により浮上して漂流しないように、津波水の来襲する正面及びその両側に堅固な壁体を設け、該壁体に弾性体からなる屋根を設けたことを特徴とする。
即ち、この発明は、乗用車の漂流が火災等を起こして、津波の被害を大きくする原因の1つであることに鑑みて特に注意を喚起させることを目的としている。
請求項1〜請求項3の発明によれば、津波の引き波後に越流した海水の放水速度を制御することにより、住居等の建物類の損壊、流出を防止することができるという効果が得られる。この結果、住民は安心して避難できるという効果が得られる。また、請求項2、請求項3の発明によれば、通常の津波高さの津波に対しては津波による被害から完全に守られるという効果が得られ、津波高さが防潮堤を越える場合であっても避難により住民の生命だけは守られるという効果がある。更に、請求項4によれば、夏の暑いときは開口を開き、冬の寒いときは開口を閉じて、防潮堤の内側の気温や湿度を調節できるという効果が得られる。
請求項10〜請求項13の発明によれば、観光用道路として利用できるだけでなく、津波高さが堤体高さを越えた場合でも津波被害を小さくできるという効果が得られる。また、請求項15〜請求項21の発明によれば、防災センターの役割が明確になり、避難活動も円滑に行われるという効果が得られる。また、請求項22、23の発明によれば、浮遊漂流物となる可能性のある物体を浮上させないで、津波による被害の拡大を防止できるという効果が得られる。
防潮堤の長手方向から見た断面図を示す。 防潮堤の海側から見た一部分の正面図を示す。 防潮堤の陸側から見た一部分の後面図を示す。 実施形態を適用した地図を示す。 避難路と避難所の配置地図を示す。 防災センターの情報室の例を示す。 開閉装置を示す。(A),(B)「開」状態の正面図、側面断面図を示し、(C)、(D)「閉」状態の正面図、側面断面図を示す。 放水用開閉装置の制御装置例を示す。 放水用開閉装置の取付け例を示す。 防潮堤を越えて陸側内部に溜まった海水と内部の建物等の水位関係を示す。 (A)津波の周期と寄せ波と引き波の時刻を示す。(B)引き波になった瞬間の津波の側面図を示す。(C)上から見た平面図を示す。 (A)深さと流出速度と関係を示す。(B)海水放水口を横方向に配置した例を示し、(C)上下方向に配置した例を示す。 本発明の効果の説明図である。 本発明の効果の説明図(続き)である。 小型漁船の固定方法を示す。(A)は平面図、(B)は断面図を示す。 水面貯木場の流木防止方法の例を示す。(A)は平面図、(B)は断面図を示す。 自動車の漂流防止手段の例を示す。(A)は平面図、(B)は正面図を示す。 防災システムのフローチャートを示す。
この実施形態は比較的頻繁に来襲するような通常程度の津波、例えば、5m以下の津波高の津波に対しては大きな被害を受けることがなく、50年とか100年に1回来襲するような稀にしか来襲しない巨大津波、例えば10m以上の津波高の津波に対して、住宅等の浸水のような我慢できる被害は許容するが、家屋、工場等の建物が破損して漂流、流出するような重大な被害を防止することを目的とした実施形態である。
図1は本発明の実施形態の防潮堤10の長手方向から見た断面図を示す。図2は海側から見た防潮堤10の前面図を示し、図3は陸側から見た防潮堤10の後面図を示す。
図1において、防潮堤10は天端部11の下側に防潮堤本体12が構成され、防潮堤本体12は鉄筋コンクリート製である。防潮堤本体12の下端部は基台13の上に固設されている。基台13は杭14等の手段により地面に堅固に固定され、地震や津波力によって倒壊しないように構成されている。この場合に建設前の地盤の点検は重要である。天端部11の上面は歩道又は車道として利用できるように構成され、天端部11の両端には落下防止柵16、17が設けられており、落下防止柵16、17は頂部18において連結されている。なお、防潮堤の高さは地面から略6m〜10mにするのが好ましく、落下防止柵16、17の高さは天端部11から略2m〜5mにするのが好ましい。また、天端部11の上面は歩道のみとし、歩道幅を略1.2m〜2mとするのが好ましい。この程度の道幅があれば歩行には十分であり、津波による防潮堤10の転倒防止に必要な工事も容易に可能である。また、防潮堤10の建設方法は、高架道路や橋、或いはビルの建設などの建設と同様に現地の作業で建設する。
防潮堤本体12の前面21は表面形状が凹面となるように形成され、上端の接線角度が水平面と上向き25度〜65度となるように形成されている。この凹面に海側(左側)から津波が衝突すると津波の先端は左上側向きに流れる。従って津波高さが天端部11より低いときは、津波は防潮堤10の内側には浸入しない。また、津波高さが天端部11より高いときは天端部11の上方で左側から流れてくる津波と衝突し、その津波のエネルギーの一部を減殺し、浸入する津波の遡上速度及び遡上高さが減少する。なお、前面21には補強部材として突起状の部材22が設けられている。
天端部11の両端に設けられている落下防止柵の海側柵16は、図2に示すように、縦部材16aの間隔を横部材16bの間隔より細かくして、海側から流れてくる漂流物が横部材16bに引っ掛かって宙吊りにならないで落下するように構成している。防潮堤本体12の下部に開口24を設けて人や車などが通行できるようにしている。この開口24には点線で示す扉体25が開閉自在に設けられており、扉体25を締め切ったときは津波水が開口24から侵入しないように水密に閉じられる。また、開口24の上方には開口24の前方の浜辺に人がいるか否のチェックをするための監視カメラ26が設けられている。さらに、海側柵16には湾口又は海の深さが急変して大きな波が立ちやすい個所の津波の波面を観察する望遠カメラ27が設けられている。この望遠カメラ27及び監視カメラ26の映像は図示省略の無線機を通して後述する津波防災センター50に送信される。
図3において、落下防止柵の陸側柵17は横部材17bの間隔を縦部材17aより狭くして、漂流して辿り着いた人間が容易に横部材17bを手で掴かみ、かつ陸側柵17に設けられた避難用開口29を通って、天端部11の上面に設けられた歩道に移動できるように構成されている。なお、陸側柵17の下端は天端部11より低い位置まで延長して手で掴み易くしておくのが好ましい。さらに、防潮堤本体12には、図3に示すように、防潮堤本体12を越流して陸側域内部に溜まった津波水を海側に放水するための複数の開口30(30a、30b、30c、30d)が設けられている。開口30は防潮堤本体12を貫通していると共に上下方向に複数個設けられている。また、各開口30には開閉するための開閉装置71(後述する)が設けられている。なお、開口30aの下端は天端部11の上表面からの距離をh1とし、開口30bの下端は開口30aの下端からの距離をh2とし、開口30cの下端は開口30bの下端からの距離をh3とし、開口30dの下端は開口30cの下端からの距離をh4とする。開口30の開閉制御についての詳細は後述する。なお、開口30は横方向にも複数個設ける。
図4は本実施形態を適用した土地の上空から見た地図である。湾40の海岸線41の両側の岬には小高い山があり、海岸線の陸側は平らな低地42が広がっており、その奥の方は小高い山々に取り囲まれている。防潮堤10は海岸線41に沿って建設されている。防潮堤10の両端は小高い山の中腹まで延長され、両端の点線部は防潮堤の天端部11の表面に設けられた歩道の出入口に続く専用の階段、又は道路である。なお、低地42へ往来する一般道路は図示を省略している。この一般道路は防潮堤10の内側域に設けられたトンネルを介して他の地域と連絡している。歩道43は防潮堤10の通路の途中から接続されている避難用通路である。途中の丸印は支柱である。また、河川44が防潮堤10を横切って流れている場合にはこの交差点には図示省略の水門が設けられている。この水門は河川44の流れを遮断すると共に防潮堤10の陸側と海側を連通する水路を同時に遮断する。さらに、避難路45が適宜の場所に設けられる。
図5は避難路45と避難所46(46a、46b、46c)を示す。図5において、避難路45の入口45aは山の登り口等で住民に親しまれている所、便利な地点を選ぶ。避難路45に沿って、第1避難所46a、第2避難所46b、第3避難所46cを設ける。第1避難所46aは標高が略10mの〜15mの地点に住民が集まれる集会場等を設ける。第1避難所46aには湾内や湾口の波の状態を映すモニターや防災センター50の放送、津波に関する公共放送を聞くためのスピーカー(何れも図示省略)を設ける。第1避難所46aに来れば、津波の状況がよく分かり、さらに高い避難所に逃げる必要があるか否かの判断も容易にできる。第3避難所46cは巨大津波が到達しない場所、例えば海抜30m〜40mの地点に設ける。これによって、巨大津波がきても逃げ場がなくなることはない。第2避難所46bは中間の地点で、多数の住民が集まれる広場があることが望ましい。また、山頂付近に無線の中継所47が設けられている。なお、第2避難所は複数設けてもよい。全ての避難所46には防災センター50の放送を聞くためのスピーカー、湾内の映像を映すモニターを備える。防災センター50は湾口や湾内を見渡せ、電波が容易に届く場所に設置する。なお、避難路45、避難所46は一年中昼夜を問わず利用できる状態に管理しておく必要がある。なお、避難路45、避難所46は稀にしか利用しないと管理が疎かになるので、別の目的にも使用できるように工夫することが必要である。
図6は津波防災センター50の情報室を示す。スピーカー51は公共放送等の津波情報を聞くためのスピーカーで、映像を映すためのモニター52〜56が前面に設けられている。モニター52は湾口又は津波の大きさが変化しやすい海面を観察するためのモニターである。モニター52を観察して来襲する津波の津波高により津波の大きさを容易に判断できるようにする。モニター52は3D用のモニターとしてもよい。また、湾口等の適当な箇所に潮位計を設けて潮位の変化を映すようにしてもよい。モニター53は通行用開口24の前側の状況を映すモニターで、切り替えによってすべての通行用開口24の状況をチェックできるように構成されている。モニター54は防潮堤10の外側の浜辺にいる人々の状況を映すモニターである。モニター55は防潮堤10の内側の状況を確認するためのモニターである。モニター56は地震や津波情報に関する公共放送を受信するテレビである。マイク58は住民に避難命令等を伝えるためのもので、切り替えスイッチ59により設置されている全てのスピーカーで放送できるように構成されている。後述する制御装置100も切り替えスイッチ59の近くに配置する。
図7は開口30を開閉する開閉装置70の好適な例を示す。図7(A)は開口30を閉じた場合の正面図を示し、図7(B)は図7(A)の矢印方向から見た断面図を示す。図7(C)は開口30を開いた場合の正面図、図7(D)は矢印方向から見た断面図を示す。開閉装置70は円筒状ケーシング71の水平方向に回転軸75を通す軸穴を設けて軸受72を固設する。円板状の閉鎖板74を軸75に固設し、軸75を軸受72に回転自在に装着する。さらに、閉鎖板74の前後に半円のリング形状のストッパー76a、76bをそれぞれ固設する。ストッパー76a、76bは閉鎖板74を閉じる方向(反時計方向)に回転させたときに停止したい位置に設ける。ストッパー76a、76bはストッパー機能の他に水密機能を持たせる。また、軸75の一端にウオーム歯車78とウオーム79を取り付ける。
図8に開閉装置70を制御する制御装置100の例を示す。図8において、ウオーム79にはパルスモータ77を接続し、ウオーム歯車78に回転角度検出センサー80を接続してケース71aの内部に配置し、水密部材71bを介して配線する。なお、ケース71の内部に図示省略の無線送受信機を設けてもよい。制御装置100は制御回路104と、電源101、切換回路102、出力回路103からなる出力部と、開閉装置70の開閉状態を表示する表示器105と、開閉装置70の開閉状態を操作する操作パネル106及びデータを記憶するメモリ107から構成されている。ウオーム歯車78の軸に設けられた回転角度検出センサー80からの信号が制御回路104に入力され、個々の開閉装置の開閉状態が表示器105に表示される。操作パネル106に開閉装置70の開閉操作を指令するスイッチが設けられている。指令スイッチは個々に開閉装置を指定するだけでなく、グループの開閉装置を指定する指令スイッチや全体を一括して指定する指令スイッチも設けられている。指令スイッチで、開閉する開閉装置を指定してOKボタンを押すと出力回路103から「開」又は「閉」のパルス信号がパルスモータ77に送られて開閉装置70の開又は閉操作が行われる。この結果、開状態になったランプが赤く点灯し、閉状態になったランプは青く点灯する。また、指定されなかったランプは点灯しない。これによって装置の故障等がチェックできる。
防潮堤10の開口30に開閉装置70を取り付ける方法としては、例えば、図9(A)に示すように、防潮堤10の開口30の内側に雌ねじを設け、ケーシング71の外側に雄ねじを設けて螺合させるようにして取り付ける。また、開閉装置70は塩分によって錆びない材料で構成する必要がある。このような材料としては、例えば、ケーシング71は特殊コンクリート製とし、軸75及び閉鎖板74をステンレス製とする。また、ケーシング71の入口側、出口側の双方に小さな浮遊漂流物の流入防止用のネット81a、81bを設ける。更に開口30の海側の入り口に大きな浮遊漂流物(流木等)の流入を防止のための防止用のネット81cを設ける。また、図9(B)は防潮堤10の開口30の中にケーシング71の全体を挿入する場合の例を示す。即ち、開口30の後半部分の径をケース71aが挿入できるように大きくし、後半部にリング71dを螺合させてケーシング71の突起部分を開口30の中に入れる。
図10は本実施形態による防潮堤10を越流して防潮堤10の陸側域内に溜まった海水の状態を示す。海水表面の地上からの高さをHとし、h0を天端部11の上面から海水の表面までの距離とし、h1〜h4は図10に示すように、h1は天端部11から放水用第1開口(図示省略、以下同様)の下端までの距離、h2は第1開口の下端から第2開口の下端までの距離、h3は第2開口の下端から第3開口の下端までの距離、h4は第3開口の下端から第4開口の下端(地上面)までの距離を示す。h0の区域にある海水は津波の引き潮が始まると同時に海側域に自然に放水される。h1の区域にある海水は第1開口の開閉装置を「開」操作することにより海側域に放水される。h1区域の海水を放水した後(又は放水の半ば)で、第2開口の開閉装置を「開」操作する。この操作により、h2区域の海水が海側域に放水される。なお、第2開口の開閉装置を開操作する前に第1開口の開閉装置を「閉」操作してもよい。以下同様に、第3開口、第4開口の開閉装置を開操作する。これらの操作により防潮堤10の陸側域内に溜まった海水がすべて放水される。
このような操作により海水の放水を行うと、海水の引き波の速度が緩やかな速度に制御されて、陸側域内に建てられている建物61、62等を破壊や海側域への流失することなく海水を放水することができる。その結果、建物61、62等は海水に浸されるという被害は免れないが、破壊や流失等の被害なしにそのまま元の場所に残るので、津波後の原状回復が容易になる。また、貴重品や生活に必要な物等は真空パックをして保管することで海水に浸る被害や浮上して漂流、流出する被害から守ることができる。
津波が陸上に遡上する時の速さは、テレビ放映などを良く知られているが、陸側域内に溜まった海水が海に向かう引き速度についてはあまり知られていない。図11は防潮堤が設けられていない場合の浸水した海水の引き速度を説明する図である。図11(A)は津波の圧力を示す図で、時刻t=−T/ 2で津波が押し寄せて、時刻t=0で津波が引き波となったとする。津波の周期Tは略10分〜1時間程度である。津波の襲来から時間(T/2)経過したときに引き波となり、図11(B)に示すように、津波の遡上高さがHになったとする。この時の海側の圧力は大気圧(ゲージ圧で0気圧)となる。また、浸水した土地の形状を図11(C)に示すよう浸水域の入口幅をBとする。
浸水の引き波の速度「v」は表面からの深さ「y」の関数で、v(y)はトリチェリの定理によれば数式1で与えられる。下式で記号「*」は掛け算を表す。
v(y)=√(2*g*y)・・・(1)
(1)式で、gは重力加速度で、g=9.8m/s**2 である。
図12(A)に示すように、表面からの深さyが3m、5m、10m、15mの深さの点の速度v(y)は夫々、v(3)=7.76m/s;v(5)=9.87m/s;v(10)=13.99m/s;v(15)=17.13m/s
となる。従って、水路幅が一様であれば、遡上高さHが15mならば底部(y=15m)を流れる速度は17.13m/sとなり、極めて速い水流となる。図12(A)から理解できるように、水深が5mの深さの位置における流速v(5)は水深15mの深さにおける流速v(15)の略半分であり、エネルギーの大きさは略4分の1になる。従って、津波の遡上高さが高い場合は、引き波の流速は浸水時の流速に比べてかなり速くなり、速度エネルギーは速度の2乗に比例するので引き波時には陸側領域内に建てられている建物等の地面に近い基礎が破損され、特に木造の家屋等は浮遊して漂流し、海側域に流出される危険性は大となる。以上のごとく防潮堤が設けられていない場合は多くの木造家屋等の建物が海側域に流出する可能性が極めて高くなる。
防潮堤を設けた場合は、津波が防潮堤を越えて陸側域に溜まった海水を海側域に放水する必要がある。このために、防潮堤に複数の開閉自在な放水用開口30を設け、溜まった海水を放水する開口30の開閉を制御する必要がある。即ち、溜まった海水はできるだけ短時間で放水し、しかも放水速度は一定の制限速度を越えないように制御する必要がある。図12(B)、(C)は2個の大きさの海水放水用開口30a、30bを設けた場合の例を示す。即ち、同じ面積の2個の開口を同じ高さに平行に配置した場合(B)と、上下方向に2個を配置した場合(C)である。この場合に(B)の場合の放水量は1個の開口の放水量の2倍にしかならないのに対し、(C)の場合は略4倍の放水量を放水することができる。従って、海水を放水する制御する方式としては、複数の開口を上下方向に配置すると共に残っている海水の表面と放水する開口の下側縁までの距離が所定の範囲(例えば、略2m〜3m)を越えないようにして順次上側の開口から開操作をする制御方式が好ましい。
以下に、図13、図14を参照して防潮壁10を海岸線に沿って建設した場合の本発明の基本的効果を説明する。しかし、効果はその目的や、環境条件によって異なる。即ち、避難場所が近くにあって、巨大津波が来た時に避難所に避難して住民の生命を守り、防潮壁は住民の住居や財産等を守ることを目的にする場合と、避難所がなく、住民の生命を守ることを第一の目的とする場合では効果も異なる。ここでは前者の場合であり、住民は避難所に避難し、防潮壁は住民の住居や財産を巨大津波によるに被害から守ることを目的とする場合について説明する。図13、図14に示すように防潮壁10は海岸線41に沿って陸側に建設され、陸側には奥に向かって平坦又は緩やかな傾斜の平野部42が広がり、その奥には急傾斜の丘や山がある傾斜部48があり、奥方向(図の右側方向)には津波の海水が流失できないような環境になっている場合について検討する。図13(A)は防潮壁が設けられていない場合である。この場合に左側(海側)から津波が押し寄せてくると津波による海水は急激に水位を増加させながら奥方向に向かって流れ込む。この場合の流速は、巨大津波では毎秒10メートルを超す場合も有り、しかも長時間(略30分〜40分)続く場合もある。平野部42に建てられていた家屋等が一部破壊又は倒壊される場合も生じる。水位が最大遡上高さ(点Ro)に達すると、その後に引き波が生じ、平野部42や傾斜部48に溜まった越流水が一気に海側に向かって流れ出す。引き波の流速は押し波の流速より一般に速いと言われており(非特許文献1、169頁)、非常に速い速度で海岸に向かって流れ出す。このために、倒壊した建物や破壊された建物、その他多くのものが海の沖方向に流され、住民の貴重な財産が失われてしまう。
図13(B)〜図14(F)は防潮壁10を海岸に沿って建設した場合である。図13(B)は津波高さH1が防潮壁10の高さより低く、防潮壁10を超えて越流できない場合である。この場合は、津波は沖方向に反射され、沖方向に戻る。この場合には住民に大きな被害は生じない。なお、津波の来襲情報を聞いたら、来襲する津波の大小に関わらず、防潮壁10に設けられている全ての開口、例えば、海水放出用開口30、通行用ゲート24、水門等を閉じて、津波の来襲に備える。
図13(C)は津波高さH2が防潮堤10の高さより高く、防潮堤10を越えて越流する場合である。この場合は津波の一部は防潮堤10を超えて越流するが、他の一部は防潮堤10に反射され、沖方向に戻る。越流した津波水も最初は地面(下側)に向かって流れ、防潮堤10の陸側の平野部42に海水が溜まる。平野部42に溜まった海水の水位が防潮堤10を超えるまでは奥方向に向かう押し波の流速は押し寄せてきた津波の流速に比べて小さい。従って、平野部42に建てられた建物等114(114a、114b)は土台が堅固に固定されていて浮上しない限りは、倒壊又は破壊される危険度が小さくなる。さらに、水位が上昇して防潮堤10を越えた場合は低い建物114aは水浸しになるが、低い建物114aの部分における流速はそれほど大きくならない。表面の流速は大きいが、下方の部分の流れは防潮堤10と傾斜部48で制限されているためである。図14(D)は押し波が終わり、引き波が開始する瞬間の状態を示した図である。図中のR点は津波の遡上高さを示す。遡上高さRは同じ大きさの津波に対して、防潮堤10が設置されていない場合の遡上高さRo(図13A)に示す)より低い。即ち、R<Roである。この状態から、防潮堤10の高さより高い部分の越流水、即ち、図14(D)の点線より上の部分の海水が引き波と一緒に沖側に向かって流れ出す。従って、この場合の引き波の流速は防潮堤10が設置されていない場合の引き波の流速に比べてかなり小さくなる。引き波が引き終わった状態を図14(E)に示す。
図14(E)の状態から以後は海水放出用開口30から越流水の海側に向かう流速を制御しながら時間をかけて、例えば1時間〜2時間程度の時間をかけて越流した海水を放水する。図14(F)は放水が完了した状態を示す。以上の説明から理解できるように、引き波によって建物等が倒壊又は崩壊されるという被害は殆どなくなり、越流水の表面に浮上した物が引き波によって海側に向かって流されるだけである。海側に流されないようにするためには浮上するような物には重りを付けておけばよい。例えば、衣類、その他の貴重なものは真空パックにして、その袋の中に浮上しない程度の重りを入れておけば、海水によって汚されることもなく、海の沖方向に流されて失うこともない。
本発明の第2の効果として防潮堤10を越流した津波水の濁り又は汚れは防潮堤10がない場合に比べて少ないことである。従って、浸水による建物の汚れは少なくなる。即ち、防潮堤10がない場合は、襲来した津波水は表面にある土砂を巻き込みながら陸上を遡上する。しかし、防潮堤10が設けられている場合は津波水の当初の遡上速度が小さくなるために巻き上げられる土砂も少なくなるためである。
以上の説明から理解できるように、防潮堤10を越えない程度の小さな津波に対しては津波の被害をほぼ皆無にすることができるだけでなく、防潮堤10の高さを越えた津波に対しても被害を小さくすることができる。防潮堤10の高さを高くすれば、津波の被害をさらに小さくすることができるが、防潮堤の建造費用が高くなるという欠点のほかに、地震によって倒壊又は一部崩壊する危険性も増大する。従って、防潮堤の高さは適当な範囲に押さえることが好ましい。
さらに、津波によって、大きな浮遊物が漂流すると防潮堤10を破損し、機能を失わせるだけでなく、大きな漂流物は防潮堤10の陸側域内にある建物等を破損する原因にもなる。従って、津波の被害を最小限に食い止めるには、これらの大きな浮遊漂流物は浮遊又は漂流しないように固定しておかなければならない。浮遊して漂流物となる可能性の大きい代表例は、漁船などの小型船、水面貯水場に貯蔵されている流木、空のコンテナ、自動車、油タンク等である(非特許文献3、62〜70頁)。
漁船などの小型船は漁港の岸壁に一本のロープで係留されている場合が多い。小型漁船の係留索が外れたり、破断したりして容易に漂流する。また、水面貯蔵場の流木は2m以下の高さの津波でも流出することがあり、人々に大きな被害を与える危険性があり、防潮堤を毀損する危険性もある。中身が空のコンテナはかなり小さい浸水でも浮き上がってしまうので注意が必要である。自動車、特に乗用車は津波によって容易に浮き上がり、港内に落ちたり、浮上して漂流し、燃料油が漏れて火災の原因になったりするので特に危険である。この他に、木造の建物、例えば、木造家屋、木造の小屋等は浸水深さが5m前後の津波で大破し、壊れた破片が漂流するので、危険である。従って、木造家屋等にも浮遊防止対策や倒壊防止対策が必要である。以下に、代表的な浮遊漂流物の固定方法の例を示す。
図15は小型漁船100の固定方法で、図15(A)は上から見た平面図で、図15(B)はX-Xから見た断面図を示す。図15において、岸壁101からコンクリート製の歩道用堤102をコ字形状に設け、その内側にコンクリート製の固定用堤103を櫛形状に設ける。固定用堤103の沖側と陸側の3か所に漁船100の固定用のポール105を設ける。このポール105の先端にワンタッチで接続可能な接続具の一方を固定し、他方を漁船100の先端と後端部の左右両側に丈夫なロープ等を介して固定手段を設ける。接続具としては、例えば、「リング」と「ばねピン付きのフック」でもよい。接続するときはピンを押しながらフックをリングに引っ掛けるだけでよく、外すときもピンを押しながらフックを外すだけでよいので簡単に漁船100を係留することができ、係留を解くときも簡単である。漁船100を上記の様に固定すれば、津波力によってはなかなか外れないし、漁船100を3点で固定しているので転覆することもない。また、海水が漁船100の中に入っても海底に沈むこともない。従って、漁船100は簡単に漂流することもなく、破壊することもない。
図16は水面貯木場200に貯蔵されている丸太等の木材の漂流防止方法の説明図である。木材は容易に漂流しやすく、防潮堤10を毀損或いは破壊する危険性も大きいので、材木の漂流を防止することは重要である。図16(A)は上面から見た平面図で、図16(B)は断面図である。図16において、貯木場200は海岸線から少し離れた沖側に設け、貯木場200の周りに鋼製の金網210(211〜213)を設けて、金網210の内側に材木201を浮かせるのがよい。金網210は陸側の金網211を海面よりも相当に高くし、天井にも金網211aを張る。津波の押し波により材木201が浮上したときに金網210からの流出防止のためである。また津波の引き波時には材木201は沈み込むので、沖側の金網212は底まで張る。また津波以外にも干潮時や満潮時にも流出せず、海面に浮かんだ状態を維持するように沖側の金網212の高さを決定する。さらに、潮流によって材木201が流出しないように両側の側面にも金網213を張る。さらに、これらの天井方向にも金網212a、213aを張り、中央は空き空間とする。また、材木201の取り出し口(図示省略)を一方の側面の金網213に設ける。
図17は自動車の漂流防止手段を説明するための図である。自動車のうち、特に乗用車のような密閉空間が大きい車は容易に浮上し、漂流しやすい。乗用車でも四方が囲まれた車庫の中に保管している場合は津波が来ても車庫が壊れない限り漂流しない。しかし、四方が囲まれた車庫は乗用車が出入りする場合に入口ドアを開けたり、閉めたりしなければならない。以下は、入口ドアを開け放しにしておいても(又は、入り口ドアがない場合も)漂流を防止する手段について説明する。図17において、図(A)は上から見た平面図で、図(B)は入口ドアの方向、図(A)の矢印方向から見た図である。車庫250は入口の方向のみが解放されており、上方はズック布等の柔らかい丈夫な弾性のある物質の屋根252を低い位置に張ってある。車庫250に駐車している自動車255は何れも窓やドアは閉められており、浸水したときに浮きやすい状態にある。このような状態で入り口の反対側方向から津波が押し寄せると津波水が背後に回り込み、自動車255は容易に浮上し、浮上した自動車255は漂流することになる。しかし、柔らかい丈夫な布製の物質の屋根252が低い位置に張ってあると、浮上した自動車255は屋根252に圧接触し、屋根252が自動車255の形に添って変形しながら自動車をしっかりと把持する。そのため、自動車255はしっかりと押さえられ、漂流が防止される。
図18はこの実施形態の防災システムの流れを示すフローチャートである。
ステップ(S301)では、管理している地区に関して津波の発生に関して公共放送があったか、または、その地区で揺れを感じる地震があったかを監視する。
ステップ(S302)では、公共放送、又は地震の揺れから当該地区の湾内に津波が押し寄せてくるかを、放送を聞きながら判断する。遠地地震による津波と近地地震による津波をキャッチする。当該地区に津波が押し寄せてくると判断した場合は「避難準備」をするように放送する。
ステップ(S303)では、防潮堤の通用門、水門を閉じるための予告放送をする。
ステップ(S304)では、予告後通用門の海側に人がいないことを確認したら、通用門を閉じる。
ステップ(S305)では、津波高さの如何に関わらず、第1避難所への避難命令を放送する。
ステップ(S306)では、その後の公共放送、湾口等のビデオを見ながら状況を監視し、津波の大きさを判断する。
ステップ(S307)では、津波が小さい場合は第1避難所で待機、大きい場合は第2避難所へ移動待機、巨大の場合は第3避難所へ移動待機の命令を放送する。
ステップ(S308)では、津波の引き波が開始するのを待つ。
ステップ(S309)では、津波が引き始めたら、津波水が防潮堤を越えた場合のみ海水の放水操作を開始する。
ステップ(S310)では、津波が再襲来するかを公共放送等で検討する。
ステップ(S311)では、再襲来すると判断できたら待機命令を放送する。
ステップ(S312)では、再襲来がないと判断したら避難解除を放送する。
ステップ(S313)では、通用門、水門を開放する。
10 防潮堤
11 天端部
12 防潮堤本体
13 基台
16 海側柵(落下防止柵)
17 陸側柵(落下防止柵)
21 前面板
24 通行用開口
26 監視カメラ
30 放水用開口
40 湾
41 海岸線
44 河川
45 避難路
46 避難所
50 防災センター
70 開閉装置
74 閉鎖板
100 小型漁船
105 固定用ポール
200 貯木場
250 車庫
252 屋根

Claims (23)

  1. 津波の来襲に対して沿岸地帯に住んでいる住民等の生命を護るための避難路、避難所及び津波の襲来を報せ、避難勧告をする警報手段と、住民等の財産及び生命を護るための防潮堤とを具備する津波防災システムにおいて、
    前記防潮堤は所定の高さの堤体を有し、該堤体の下端部に人又は車の通行するゲート用開口を設け、かつ、越流した海水を放出する放水用開口を該堤体の上下方向に複数個を設け、該ゲート用開口には遠隔操作及び手動操作による開閉可能な扉体を設け、該放水用開口に遠隔操作による開閉可能な開閉装置を装着して、操作指令により該ゲート用開口及び該放水用開口の開閉を制御可能にしたことを特徴とする津波防災システム。
  2. 前記堤体の所定の高さは、津波が堤体を越えて流入した場合に、該堤体の陸側にある住宅等の建物に回復が困難な重大な被害を与えない高さとしたことを特徴とする請求項1に記載の津波防災システム。
  3. 前記操作指令は、津波襲来前又は津波の襲来が予想された時に前記全開口を一括して閉鎖する強制的な閉指令及び津波が引いた後に前記防潮堤を越流した海水の戻り速度を一定速度以下に制御する開指令を含むことを特徴とする請求項1に記載の津波防災システム。
  4. 前記放水用開口の操作指令は、夏季の蒸し暑いときには該開口を開き、冬季の寒いときには該開口を閉じて、前記防潮堤の陸側域内の気温、湿度を調整する指令を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1に記載の津波防災システム。
  5. 前記防潮堤の堤体を横切る河川がある場合は、該河川の水門を該堤体の下部に設けると共に該水門を開閉する扉体を設け、遠隔操作又は手動操作により開閉可能にしたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1に記載の津波防災システム。
  6. 前記防潮堤の堤体は、該防潮堤の長手方向から見た断面の海側表面形状が凹形を形成し、該凹面の天端部における接線が水平面から上向き25度〜65度をなすように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1に記載の津波防災システム。
  7. 前記堤体の海側の曲面状表面に一定間隔で突起状の補強材を設けて、海側域からの漂流物によって該堤体が破損、破壊などの被害を受けないようにしたことを特徴とする請求項6に記載の津波防災システム。
  8. 前記防潮堤の堤体は、基台の上面に固設すると共に、前記基台及び堤体は来襲する津波の押波力及び引波力によって陸側及び海側に倒壊しないように杭等の手段により該基台を地面に堅固に固定すると共に、該堤体を該基台に堅固に固定したことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1に記載の津波防災システム。
  9. 前記基台及び堤体は鉄筋コンクリート製の構造体として前記津波前の地震動に対して十分に耐える構造としたことを特徴とする請求項8に記載の津波防災システム。
  10. 前記防潮堤は、堤体の天端部の上面に歩道または車道を設け、該堤体天端部の両縁部に人または車の落下防止するための防止柵を設け、該落下防止柵は、該堤体の天端高さを超える津波の来襲時には、海側域で浮遊して漂流する漂流物が陸側域内へ流入するのを防止し、津波の引き波時には陸側域内で浮遊して漂流する漂流物や人間が漂流して海側域に流出するのを防止するように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1に記載の津波防災システム。
  11. 前記落下防止柵は、前記堤体天端部の両縁部から立設する防止柵の頂点部を連結し、該防潮堤の長手方向から見た断面形状が倒立U字形状となるように形成し、海側柵に海側域からの漂流物が引っ掛かって空中で宙づりにならないように縦部材で構成し、陸側柵は漂流して辿り着いた人間が該陸側柵を手で捕まえて該陸側柵に留まり、或いは該陸側柵に捕まって移動できるように横部材で構成したことを特徴とする請求項10に記載の津波防災システム。
  12. 前記陸側柵に、該陸側柵の外側から前記堤体天端部の上面に移動できる避難用開口を設けたことを特徴とする請求項11に記載の津波防災システム。
  13. 前記天端部の上面の歩道と通じる避難用歩道又は避難用階段を陸側域に設けたことを特徴とする請求項10〜請求項12の何れか1に記載の津波防災システム。
  14. 前記ゲートの上方に、該ゲートの海側域の浜辺にいる人の有無をチェックする検出カメラと警報機を設けて遠隔操作により該ゲートの扉体を開閉する際に警報を発するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項13の何れか1に記載の津波防災システム。
  15. 前記防災システムを採用する当該地区は、1又は複数の避難路を設け、該避難路入口は徒歩又は車で住民が容易にアクセスできる場所に設け、かつ、複数の避難所を有し、第1避難所は海抜略10m前後の場所に設け、第3避難所は巨大津波が到達しない高さ略30m以上の場所に設け、第1避難所には複数の画像モニターとスピーカーが備えられ、公共放送による津波情報並びに当該地区の防災センターからの情報を得られることを特徴とする請求項1〜請求項14の何れか1に記載の津波防災システム。
  16. 前記防災センターからの情報は、当該地区の湾口又は深さが急激に変化している海域の望遠カメラによる海面の画像、来襲している当該津波の大きさに関する情報、更に高い位置にある避難所に移動する勧告情報を含むことを特徴とする請求項15に記載の津波防災システム。
  17. 前記防災センターは前記防潮堤の陸側域内の安全な場所に設けられ、該センター内部に前記望遠カメラ、浜辺の状況を撮影する監視カメラからの画像を映すモニターを設置し、該センターの職員は建物等の地震動又は公共放送により津波発生の情報を得たときには該情報を住民に報せる警報手段と、該望遠カメラにより津波来襲を判断したときは緊急避難場所と緊急避難路を含む緊急避難命令を緊急放送する避難勧告手段を実行すること特徴とする請求項15〜請求項16の何れか1に記載の津波防災システム。
  18. 前記津波情報、前記緊急避難命令は、来襲する津波の大きさにより通常津波、巨大津波、超巨大津波の3種類に分類して各津波の大きさに適した津波情報、避難命令を出すことを特徴とする請求項17に記載の津波防災システム。
  19. 前記防災センターは、前記津波発生の情報を得た場合には前記監視カメラにより前記海辺に人がいることを認識した場合には緊急退避命令と前記防潮堤の通行用開口を閉鎖することを放送し、前記望遠カメラ等により津波来襲を判断した時は、前記通行用開口及び前記水門並びに前記全ての放水用開口を閉鎖する操作を緊急に開始することを特徴とする請求項16〜請求項18の何れか1に記載の津波防災システム。
  20. 前記防災センターは、前記津波が引き始めたときは、前記防潮堤を越流して陸側域内に溜まった海水を放水するための前記放水制御手段の操作を開始し、前記海水の放水を終了した後、所定の時間経過後に前記通行用開口の扉体及び前記水門の扉体を開く操作を行うことを特徴とする請求項19に記載の津波防災システム。
  21. 前記所定の時間は、津波の再襲来がなくなったと判断した時刻であることを特徴とする請求項20に記載の津波防災システム。
  22. 前記防潮堤の海側域及び陸側域に存在し、津波によって漂流物となる可能性のある車両、漁船、沿岸貯木場にある丸太、コンテナ、油タンク等を漂流しないように固定したことを特徴とする請求項1〜請求項21の何れか1に記載の津波防災システム。
  23. 前記車両の漂流防止手段は、駐車場に駐車している車両が津波水により浮上して漂流しないように、津波水の来襲する正面及びその両側に堅固な壁体を設け、該壁体に弾性体からなる屋根を低い位置に設けたことを特徴とする請求項24に記載の津波防災システム
JP2012279693A 2012-03-12 2012-12-21 津波防災システム Pending JP2013217180A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012279693A JP2013217180A (ja) 2012-03-12 2012-12-21 津波防災システム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012055151A JP2013092033A (ja) 2012-03-12 2012-03-12 津波防災システム
JP2012055151 2012-03-12
JP2012279693A JP2013217180A (ja) 2012-03-12 2012-12-21 津波防災システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013217180A true JP2013217180A (ja) 2013-10-24
JP2013217180A5 JP2013217180A5 (ja) 2015-01-22

Family

ID=48615365

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012055151A Pending JP2013092033A (ja) 2012-03-12 2012-03-12 津波防災システム
JP2012279693A Pending JP2013217180A (ja) 2012-03-12 2012-12-21 津波防災システム

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012055151A Pending JP2013092033A (ja) 2012-03-12 2012-03-12 津波防災システム

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2013092033A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113403999A (zh) * 2021-06-29 2021-09-17 福州大学 基于水轮机改变坝身透水率的丁坝
KR102511140B1 (ko) * 2022-05-24 2023-03-20 대한민국 월파 감지 장비를 이용한 월파 예측 방법 및 시스템
KR102511141B1 (ko) * 2022-05-24 2023-03-20 대한민국 월파 감지를 통한 시각신호 전달 방법 및 시스템

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6322839B2 (ja) * 2013-12-05 2018-05-16 有限会社フジカ 津波避難施設
CN116679082B (zh) * 2023-05-18 2024-07-16 自然资源部第二海洋研究所 浅海断面流速温度剖面测量仪

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113403999A (zh) * 2021-06-29 2021-09-17 福州大学 基于水轮机改变坝身透水率的丁坝
KR102511140B1 (ko) * 2022-05-24 2023-03-20 대한민국 월파 감지 장비를 이용한 월파 예측 방법 및 시스템
KR102511141B1 (ko) * 2022-05-24 2023-03-20 대한민국 월파 감지를 통한 시각신호 전달 방법 및 시스템

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013092033A (ja) 2013-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103981835B (zh) 用于防海啸与防洪、潮汐能及储能和鱼类养殖的水下构造
JP2013217180A (ja) 津波防災システム
JP2005315058A (ja) 非常用防護装置
JP6762464B1 (ja) 津波等の避難シェルター
JP2004305737A (ja) 津波・洪水等の非常事態からの避難装置
JP2012225139A (ja) 非常用防護装置
JP2013217180A5 (ja)
JP4979040B1 (ja) 津波、高潮、洪水対策用退避部屋
Haslett et al. Meteorological tsunamis in southern Britain: an historical review
JP2013253461A (ja) 津波防潮壁
WO2014045085A1 (en) Protection against tsunami and high sea waves
RU2015106777A (ru) Устройство защитной системы городской застройки и способ ее возведения
Stradford Earthquakes and tsunami in Taro town
JP6569034B1 (ja) 津波等の避難シェルター
JP6683417B2 (ja) 空中都市の構造
US11746495B2 (en) Floating foundation
JP5600135B2 (ja) 津波、高潮、洪水対策用退避部屋
JP7212818B1 (ja) 自宅の庭、学校、工場、魚市場等の敷地に設置する高床式津波等避難シェルター
JP2020056299A (ja) 空中都市の構造
Brien et al. Extreme wave events in Ireland: 2012–2016
JP2015187375A (ja) 河川氾濫防止装置
JP6518088B2 (ja) 空中都市の構造
Sakai et al. ANALYSIS OF DAMAGE CAUSED BY STORM WAVES TO A CONCRETE BRIDGE AT A REEF
Tauchi WHEN A TSUNAMI THREAT IS IMMINENT AIR-SEALED TYPE OF ENCLOSURES CAN SERVE AS TEMPORARY SHELTERS TO SAVE LIVES RELIABLY AND ECONOMICALLY.
Clark Structural Design Aspects of a Coastal Building Code

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140331

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141202

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151006

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160412