JP6761357B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

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本発明は、入力電圧を所望の電圧に変換し電子機器に供給するためのスイッチング電源装置に関し、特に、負荷短絡や過負荷状態で大電流が出力されないように制御する過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置に関する。
従来、スイッチング電源装置は、出力側に接続された負荷が短絡等の異常状態になった場合に大電流が出力されることで発熱、発火等の事故を発生させる可能性があり、大電流が出力されると、スイッチング電源装置自身も故障を引き起こすため、これらの不具合を解消するために、過電流保護制御部を内蔵することで、大電流が出力されないような制御が行われているスイッチング電源装置が一般的である。
このような過電流保護制御部を備えたスイッチング電源装置は、例えば特許文献1の図6に開示されている。
特許文献1の図6に開示された従来のスイッチング電源装置は、スイッチング素子を所定のスイッチング周波数でオンオフする制御が行われ、スイッチング素子のオンデューティを所定の値に制御することで、出力電圧が所定の値になるように制御が行われている。
また、従来のスイッチング電源装置は、スイッチング素子がオンの時に流れる電流を検出し、スイッチング素子に流れる電流が所定の値以上になると、次のスイッチング周期まで、スイッチング素子をオフさせる制御を行う。これにより、スイッチング電源装置から所定の値以上の電流を出力させようとすると、スイッチング素子のオンデューティが狭くなるように制御されることになり、出力電圧を低下させる制御が行われることで出力電流が制限されて大電流が流れることがなくなる過電流保護動作が行われる。
ここで、従来のスイッチング電源装置の過電流保護動作は、図9に示すように、出力電流Ioが所定の値を超えて出力電圧Voが低下すると、出力電圧Voが低下するに従って出力電流Ioが大きくなる所謂「への字」型の垂下特性となっている。この「への字」型の垂下特性は、スイッチング素子に流れる電流を検出する回路に設けられた低域通過型フィルタ(ローパスフィルタ)の遅れ時間による。
図10は、図9の垂下特性をもつ過電流保護制御部を備えたスイッチング電源装置の一例を示した回路ブロック図であり、過電流保護動作において「への字」型の垂下特性となる原因を説明すると次のようになる。
図10に示すように、スイッチング電源装置は、電力変換部10、出力電圧検出回路16、フィードバック制御部18、スイッチング素子制御信号生成部20、過電流保護制御部22、出力電圧制御用基準電圧源24から構成される。
[回路構成と動作]
電力変換部10は、スイッチング素子TR1を備えており、スイッチング素子TR1のオンオフにより、入力電源12からの入力電圧Vinを断続電圧に変換し、これを整流平滑することで出力電圧Voに変換する電源回路である。図10では、電力変換部10を、1次巻線N1と2次巻線N2をもつトランスT1、整流素子D1,D2、平滑用の出力チョークL1と出力コンデンサC1を備えた絶縁型のシングルエンデッドフォワードコンバータ回路としている。
スイッチング素子TR1のオンオフは、スイッチング素子制御信号生成部20からスイッチング素子TR1へ出力するスイッチング素子制御信号VGSで制御される。スイッチング素子制御信号VGSは所定の周波数とデューティを持つ信号であり、スイッチング素子TR1のオンデューティによって出力電圧Voが制御される。具体的には、オンデューティが広くなると出力電圧Voが上昇し、オンデューティが狭くなると出力電圧Voが低下するように制御が行われる。
フィードバック制御部18は、スイッチング素子制御信号生成部20へフィードバック信号VFBを出力することで、スイッチング電源装置の出力電圧Voを所定の値に制御する。
フィードバック制御部18は、誤差アンプ25を備えており、誤差アンプ25には、出力電圧検出回路16からの出力電圧Voに比例した電圧信号である出力電圧比例信号Vsensと出力電圧制御用基準電圧源24からの出力電圧制御用基準電圧Vref1が入力され、出力電圧比例信号Vsensと出力電圧制御用基準電圧Vref1を比較した結果に基づいてフィードバック信号VFBを制御する。この場合、Vsens>Vref1のときフィードバック信号VFBが低下し、Vsens<Vref1のときフィードバック信号VFBが上昇するように制御される。
この動作により、スイッチング電源装置の出力電圧Voが出力電圧制御用基準電圧Vref1で規定される所定の電圧よりも上昇しようとした場合、出力電圧Voが低下するようにフィードバック信号VFBが低下することでスイッチング素子TR1のオンデューティが狭くなるように制御される。
また、スイッチング電源装置の出力電圧Voが出力電圧制御用基準電圧Vref1で規定される所定の電圧よりも低下しようとした場合、出力電圧Voが上昇するようにフィードバック信号VFBが上昇することでスイッチング素子TR1のオンデューティが広くなるように制御される。
スイッチング素子制御信号生成部20は、フィードバック制御部18が出力するフィードバック信号VFBと過電流保護制御部22が出力する過電流保護動作信号Vocpが入力され、スイッチング素子TR1にスイッチング素子制御信号VGSを出力することでスイッチング素子TR1のオンオフを制御する。
スイッチング素子制御信号生成部20は、三角波生成回路26、スイッチング周波数制御用発振回路28、PWMコンパレータ30、スイッチング素子強制停止回路32で構成される。
三角波生成回路26は、所定の周波数と所定の振幅を持つ三角波信号Vtriを生成する回路であり、電流源34、コンデンサC21、トランジスタTR21で構成している。コンデンサC21は、電流源34が出力する電流で充電が行われることで電圧が上昇し、トランジスタTR21がオンすることで放電が行われることで電圧が低下する。スイッチング周波数制御用発振回路28は所定の周波数で短い電圧パルスVfswを出力する発振回路である。トランジスタTR21はスイッチング周波数制御用発振回路28によって駆動されることで所定の周波数で短時間だけオンする動作となる。従って、トランジスタTR21は所定の周波数でコンデンサC21を短時間だけ放電する動作となる。コンデンサC21は、所定の周波数で充電と放電が繰り返されることで三角波状の電圧が発生する。コンデンサC21の電圧を三角波信号VtriとしてPWMコンパレータ30へ出力する。
PWMコンパレータ30は、三角波生成回路26からの三角波信号Vtriおよびフィードバック制御部18からのフィードバック信号VFBが入力され、三角波信号Vtriとフィードバック信号VFBを比較した結果に基づいてPWM信号Vpwmを生成する。
PWMコンパレータ30からのPWM信号Vpwmは、Vtri<VFBのとき、スイッチング素子TR1がオンするようにPWM信号VpwmがHレベルとなり、Vtri>VFBのときスイッチング素子TR1がオフするようにPWM信号VpwmがLレベルとなる。この動作により、スイッチング周波数制御用発振回路28で決定される所定の周波数によってスイッチング素子TR1のスイッチング周波数が決定され、また、フィードバック信号VFBの高低でスイッチング素子TR1のオンデューティが制御される。
スイッチング素子強制停止回路32は、過電流保護制御部22が出力する過電流保護動作信号VocpおよびPWMコンパレータ30が出力するPWM信号Vpwmが入力され、スイッチング素子制御信号VGSが出力される。
スイッチング素子強制停止回路32は、RSフリップフロップ36およびアンドゲート38で構成されている。RSフリップフロップ36は、入力であるS端子(セット端子)にHレベルの信号が入力されると出力であるQ端子がHレベルに変化すると同時に出力であるQB端子がLレベルに変化し、S端子にHレベルの信号が入力されなくなってもQ端子およびQB端子の信号レベルが保持される動作を行う。
また、入力であるR端子(リセット端子)にHレベルの信号が入力されると出力であるQB端子がHレベルに変化すると同時にQ端子がLレベルに変化し、R端子にHレベルの信号が入力されなくなってもQB端子およびQ端子の信号レベルが保持される動作を行う。
RSフリップフロップ36は、S端子に過電流保護動作信号Vocpが入力され、R端子にスイッチング周波数制御用発振回路28が出力する短い電圧パルスVfswが入力されている。RSフリップフロップ36のQB端子がアンドゲート38の一方の入力端子に接続され、PWMコンパレータ30の出力がアンドゲート38の他方の入力端子に接続され、アンドゲート38の出力端子からスイッチング素子制御信号VGSが出力される。
これにより、定常動作中は、PWM信号Vpwmがスイッチング素子制御信号VGSとして出力され、過電流保護動作信号Vocpが入力されると、その瞬間から、スイッチング周期の1周期分だけ、PWM信号Vpwmの状態によらずスイッチング素子TR1がオフする動作となる。
過電流保護制御部22は、電流電圧変換部40、ローパスフィルタ部42、OCPコンパレータ44及び過電流しきい値制御用電圧源46を備えており、スイッチング素子TR1を流れる電流が所定の過電流しきい値になると動作する。電流電圧変換部40は、抵抗R1を用いており、スイッチング素子TR1に流れる電流を電圧信号Vis1に変換し、ローパスフィルタ部42へ出力する。
ローパスフィルタ部42は、抵抗R11とコンデンサC11を用いており、電流電圧変換部40が出力する電圧信号Vis1の高周波成分を除去し電圧信号Vis2としてOCPコンパレータ44へ出力している。OCPコンパレータ44には、過電流しきい値制御用電圧源46が接続されており、電圧信号Vis2が過電流しきい値制御用電圧源46の出力する過電流保護動作しきい値電圧Vproよりも大きくなると、過電流保護動作信号Vocpが出力される。
[過電流保護時の動作]
図11は図10のスイッチング電源装置における各部の波形を示したタイムチャートであり、期間Aはスイッチング電源装置の出力電流が定格内であり過電流保護機能が動作していない状態、期間B及び期間Cはスイッチング電源装置の出力電流が過電流保護動作しきい値となり過電流保護機能が動作した状態を示す。
ここで、図11(A)は出力電流Ioを示し、図11(B)は出力電圧Voを示し、図11(C)はスイッチング周波数制御用発振回路28が出力する短い電圧パルスVfswを示し、図11(D)はPWMコンパレータ30の入力を示し、図11(E)はPWMコンパレータ30の出力を示し、図11(F)はローパスフィルタ部42の入力を示し、図11(G)はOCPコンパレータ44の入力を示し、図11(H)はOCPコンパレータ44の出力である過電流保護動作信号Vocpを示し、図11(I)はRSフリップフロップ36のQB端子出力を示し、図11(J)はスイッチング素子制御信号VGSを示している。
図11の期間Aでは、スイッチング電源装置の出力電流Ioは定格電流以下だが、スイッチング素子TR1がオンした直後に流れるサージ電流によって、図11(F)に示す電流電圧変換部40からの電圧信号Vis1にサージ電圧が発生しており、サージ電圧が過電流保護動作しきい値電圧Vproよりも大きな値となっている。
電圧信号Vis1は過電流保護動作しきい値電圧Vproよりも大きな値になり、電圧信号Vis1をOCPコンパレータ44に直接入力すると定格電流以下で過電流保護動作が行われてしまうことになることから、ローパスフィルタ部42でサージ電圧が除去された電圧信号Vis2がOCPコンパレータ44に入力され、このため定格電流以下では過電流保護動作が発生することがない。ところで、ローパスフィルタ部42の周波数特性が適切に設定されていない場合は過電流保護制御部22が誤動作し、スイッチング電源装置は定格電流を出力できないことになる。
図11の期間Bでは、スイッチング電源装置の負荷14が電流を要求している状態(負荷のインピーダンスが小さくなっている状態)であり、出力電流Ioが所定の過電流しきい値と一致して図9に示した出力電圧Voの垂下が始まった状態である。このとき、出力電圧Voは過電流保護動作によって垂下させられるため、Vsens<Vref1となり、フィードバック制御部18は図11(D)に示すようにフィードバック信号VFBを上昇させるため、VFB>Vtriとなり、図11(E)に示すPWM信号VpwmはHレベル期間が長くなる動作となる。
期間Bでは、スイッチング素子TR1のオンしている間に、図11(G)に示すように、電圧信号Vis2が過電流保護動作しきい値電圧Vproに達するため、OCPコンパレータ44が動作して過電流保護動作信号VocpがHレベルとなる。
過電流保護動作信号VocpがHレベルになると、図11(I)に示すように、スイッチング素子強制停止回路32内のRSフリップフロップ36がセットされてQB端子がLレベルとなることで、図11(J)に示すように、スイッチング素子制御信号VGSがLレベルとなる。スイッチング素子制御信号VGSがLレベルになると、スイッチング素子TR1がオフするため、スイッチング素子TR1を流れる電流が停止して電圧信号Vis1および電圧信号Vis2が低下する。
電圧信号Vis2が過電流保護動作しきい値電圧Vpro以下になるため、過電流保護動作信号VocpはHレベルからLレベルに戻るが、RSフリップフロップ36の働きによりQB端子はLレベルを維持する。この状態は、スイッチング周波数制御用発振回路28が出力する短い電圧パルスVfswがRSフリップフロップ36のR端子に入力されることでQB端子がHレベルに戻るまで継続する。
QB端子がLレベルを維持している期間はPWM信号Vpwmの値によらずスイッチング素子制御信号VGSはLレベルとなる。従って、次のスイッチング周期まではスイッチング素子TR1のオフが維持されることで、スイッチング素子TR1のオンデューティが制御される。
図11の期間Cでは、スイッチング電源装置の負荷14が期間Bよりもさらに電流を要求した状態である。スイッチング電源装置は出力電流Ioを増加させないように、過電流保護動作によってスイッチング素子TR1のオンデューティが狭くなるような制御が行われ、出力電圧Voが更に垂下する動作となるが、図9に示すように「への字」型の特性となるため、出力電圧Voが垂下するに従って出力電流Ioが増加する。これは、ローパスフィルタ部42の影響によるものである。
期間Cでは、図11(F)に示すように、スイッチング素子TR1を流れる電流に比例した電圧信号Vis1が過電流保護動作しきい値電圧Vproよりも大きな値となっている。OCPコンパレータ44に入力する電圧信号Vis2は、図11(G)に示すように、電圧上昇の立ち上がりの傾きがローパスフィルタ部42の影響により緩やかになっており、過電流保護動作しきい値電圧Vproに達するまでの時間に遅れが生じる。
OCPコンパレータ44は、電圧信号Vis2が過電流保護動作しきい値電圧Vproに達するまでは、スイッチング素子TR1をオフすることができないため、スイッチング電源装置の出力電流Ioは、過電流保護動作しきい値よりも大きくなる動作となる。これは、スイッチング素子TR1のオンデューティが狭いほど電圧信号Vis2の傾きによる時間遅れの寄与率が大きくなり、出力電圧Voが垂下するほどスイッチング電源装置の出力電流Ioが増加して、「への字」型の特性となる。
特開2002−300777号公報
このように図10に示したスイッチング電源装置の過電流保護動作は、図9に示したように、出力電流が所定の過電流しきい値を超えた場合に出力電圧Voが垂下するに従って出力電流Ioが大きくなる「への字」型の特性となっている。
この特性を持つスイッチング電源装置の出力が短絡されると大電流が出力されることになる。この時、短時間ではスイッチング電源装置が故障することはないが、出力電流が流れる経路の部品となる整流素子D1,D2、出力チョークL1等には定常時と比較して大きな損失が発生した状態となることで発熱が生じることになり、いずれは故障してしまう。
このような過電流保護動作による「への字」型の特性は、過電流保護制御部22に設けたローパスフィルタ部42の影響によるものであり、この特性を改善しようとすると、ローパスフィルタ部42の特性を高域の信号が通過できるように設定しなければならないが、スイッチング素子TR1がオンした直後のサージ電流に対して過電流保護制御部22が動作する可能性が高くなり、誤動作しやすいスイッチング電源装置となってしまう。
特許文献1では、この問題を解決するために、過電流状態においてスイッチング電源装置のスイッチング周波数が遅くなるような制御を導入している(特許文献1の図1、図2)。スイッチング周波数を遅くすることで制御回路や低域通過の垂下特性を出力電圧が低下しても出力電流が大きくならない制御とする。これにより、出力短絡時でも、出力電流が流れる経路の部品となる整流素子、出力チョーク等には定常時と同じ電流が流れるため、発熱による故障を防ぐことができる。
しかしながら、過電流保護動作時の発熱による故障の問題は、過電流状態においてスイッチング電源装置のスイッチング周波数が遅くなるような制御とすることで解消されるが、スイッチング周波数を低下させると、図10の出力チョークL1と出力コンデンサC1で構成された出力フィルタ回路部の減衰量が小さくなるため、出力電圧垂下時の出力リップルが増大する欠点がある。
これを解決するためには、出力フィルタ回路部を低い周波数に対応させた大型の部品に変更する等の対策が必要となるが、スイッチング電源装置の大型化、高コスト化を招く問題がある。
(過電流保護動作における間欠動作の導入)
従来のスイッチング電源装置にあっては、過電流保護動作時にスイッチング周波数を低下させないことと、過電流保護動作時の発熱による故障の防止を両立する方法として、スイッチング電源装置を間欠動作させる方法がある。
スイッチング電源装置の間欠動作は、スイッチング電源装置の出力電流が過電流垂下動作しきい値よりも大きい値に設定された間欠動作しきい値以上となった時に、一定時間スイッチング素子の動作を停止させることでスイッチング電源装置の出力電流を停止させるものである。
これにより、スイッチング電源装置の出力電流が流れる経路の部品となる整流素子、出力チョーク等の発熱を低減し故障を防ぐことができる。間欠動作は、スイッチング周波数を可変する制御のような複雑な制御を行わないため、制御回路を低コストで作ることが可能であり、市販のスイッチング電源制御用のコントロールIC等にも備えられている機能である。以下、スイッチング電源装置の間欠動作について説明する。
図12は、間欠動作による過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置が間欠動作していない場合の各部の波形を示したタイムチャートであり、過電流保護時の垂下特性が「への字」の特性を持つスイッチング電源装置において、過電流垂下動作しきい値以上かつ間欠動作しきい値以下の電流Io1を出力させている場合の動作であり、図12(A)に出力電流を示し、図12(B)に平均電流を示し、図12(C)にスイッチング素子制御信号を示している。
この場合、スイッチング素子のオンオフ動作が連続で行われており、出力電流値はIo1となり、連続で出力された状態となっている。また、出力電流値Io1と平均電流値Iave1は等しい値となっている。
図13は間欠動作による過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置が間欠動作した場合の各部の波形を示したタイムチャートであり、間欠動作しきい値を超えた電流を出力させている場合の動作であり、図13(A)に出力電流を示し、図13(B)に平均電流を示し、図13(C)にスイッチング素子制御信号を示している。
スイッチング電源装置の出力電流が間欠動作しきい値以上になると、スイッチング電源装置は間欠動作を開始し、出力電流値は間欠動作しきい値以上の電流Io2とゼロを交互に繰り返す。出力電流値が間欠動作しきい値以上の電流Io2の状態が時間T1だけ継続すると、スイッチング素子のオンオフ動作が停止するように制御が行われ、停止状態が時間T2だけ経過すると、スイッチング素子のオンオフ動作が再開する。
この動作により、スイッチング電源装置が出力する平均電流値Iave2は、
Iave2=T1/(T1+T2)×Io2
となる。例えば、T1=200ms、T2=800msに設定されたスイッチング電源装置では、この場合の平均電流値Iave2は間欠動作しきい値以上の電流Io2の1/5となる。これにより、過電流垂下特性が「への字」の場合で、出力電流Ioが大きくなった場合でも、スイッチング電源装置の出力電流が流れる経路の部品となる整流素子、出力チョーク等の発熱を低減することが可能となり、故障を防ぐことができる。
(間欠動作の不具合)
スイッチング電源装置の過電流保護動作に間欠動作を導入したスイッチング電源装置の出力に、間欠動作時の平均電流値Iave2以上の電流を要求する負荷と、出力電流急変時等のおける電圧安定化やリップル電圧の低減を目的とした大容量の外付けコンデンサを接続すると、スイッチング電源装置が起動できなくなる不具合が発生する可能性が有る。以下、スイッチング電源装置の起動時の不具合について説明する。
スイッチング電源装置の出力に負荷電流として定電流の電流値Io3を要求する負荷と外付けのコンデンサを接続する。このとき、負荷電流値Io3は間欠動作時の平均電流値Iave2よりも大きいものとする。この状態でスイッチング電源装置を起動させる。
図14は間欠動作による過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置に小容量のコンデンサを外付けした状態で起動した場合の各部の波形を示したタイムチャートであり、スイッチング電源装置が起動動作で不具合を起こさない場合の波形である。ここで、図14(A)は出力電流を示し、図14(B)は負荷に流れる電流を示し、図14(C)は外付けコンデンサの電流を示し、図14(D)は外付けコンデンサの電圧、即ちスイッチング電源装置の出力電圧を示す。
スイッチング電源装置の起動直後は、外付けコンデンサが蓄えている電荷がゼロなので発生電圧もゼロとなっている。この状態のスイッチング電源装置は、出力を短絡した状態と同じになっているため起動直後から過電流保護動作となり、出力電流として電流値Io2を出力する。
スイッチング電源装置の出力電流は外付けコンデンサと負荷に流れるため、外付けコン
デンサに流入する電流Icは、Ic=Io2Io3となる。したがって、外付けコンデ ンサは電流Icで充電されることで電圧が上昇する。
スイッチング電源装置の出力電圧は、外付けコンデンサの電圧の上昇に従って上昇し、スイッチング電源装置の出力電圧が定格電圧Vnomに達したところで、出力電圧の上昇が停止し、一定電圧を出力する。
出力電圧の上昇が停止すると外付けコンデンサの充電が停止することになり電流Icがゼロとなり、スイッチング電源装置の出力電流は負荷に流れる電流Io3だけとなる。
スイッチング電源装置の出力電圧が定常電圧Vnomに達するまでの時間が時間T1以下の場合は、間欠動作しきい値を超えた電流が流れても間欠動作とならない。つまり、間欠動作が開始される時間T1に達する前にスイッチング電源装置の起動動作が完了することで起動時の不具合が発生しない。
図15は間欠動作による過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置に大容量のコンデンサを外付けした状態で起動した場合の各部の波形を示したタイムチャートであり、スイッチング電源装知の起動で不具合が発生する場合の波形である。ここで、図15(A)は出力電流を示し、図15(B)は負荷に流れる電流を示し、図15(C)は外付けコンデンサの電流を示し、図15(D)は外付けコンデンサの電圧、即ちスイッチング電源装置の出力電圧を示す。
スイッチング電源装置の起動直後は、外付けコンデンサが蓄えている電荷がゼロなので発生電圧もゼロとなっている。この状態のスイッチング電源装置は、出力を短絡した状態と同じになっているため起動直後から過電流保護動作となり、出力電流として電流値Io2を出力する。
スイッチング電源装置の出力電流は外付けコンデンサと負荷に流れるため、外付けコンデンサに流入する電流Icは、Ic=Io2Io3となる。したがって、外付けコンデンサは電流Icで充電されて電圧が上昇する。この時、外付けコンデンサは大容量のものが付けられているため、先の図14の場合よりも電圧の上昇が遅くなる。
スイッチング電源装置の出力電圧は、外付けコンデンサの電圧の上昇に従って上昇するが、定格電圧Vnomに達する前に時間T1が経過し、スイッチング素子のオンオフ動作が停止する。
スイッチング素子のオンオフ動作が停止すると、スイッチング電源装置からの出力電流は停止する。ただし、負荷は一定の電流を要求する動作が継続しており、電流値Io3の電流が負荷に流れる。この電流は、外付けコンデンサが放電することで供給される。外付けコンデンサが放電するとコンデンサの電圧が低下する。コンデンサの電圧がゼロになると負荷に電流を供給することができなくなる。
スイッチング素子のオンオフ動作が停止してから時間T2が経過するとスイッチング素子のオンオフ動作が再開されるが、上記と同じ動作が繰り返される。
このようにスイッチング電源装置の出力電圧の上昇が時間T1までに定格電圧Vnomに達することができないような大容量の外付けコンデンサを付けた場合は、過電流保護時の間欠動作が行われてしまってスイッチング電源装置が起動できない不具合がある。
本発明は、大容量のコンデンサを外付けした場合でも、出力電流を制限しながら出力電圧を上昇させることで確実な起動動作を実現すスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
(第1発明のスイッチング電源装置)
本発明は、電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス積分部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧が等しくなるようにフィードバック信号を制御するものであり、
スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、
過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、
演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
制御パルス積分部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部の出力に接続されており、演算部から入力された制御パルスを積分することで制御パルス積分電圧を生成し、制御パルス積分電圧によってフィードバック信号を変化させるものであり、
演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、電力変換部の出力電流を監視し、出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ制御パルスを出力することを特徴とする。
(第2発明のスイッチング電源装置)
本発明の他の形態にあっては、電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス積分部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、前記出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧が等しくなるように前記フィードバック信号を制御するものであり、
スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、
過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、
演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
制御パルス積分部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部の出力電圧制御用基準電圧源の出力に接続されており、演算部から入力された制御パルスを積分することで制御パルス積分電圧を生成し、制御パルス積分電圧によって出力電圧制御用基準電圧を変化させるものであり、
演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、電力変換部の出力電流を監視し、出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ制御パルスを出力することを特徴とする。
(第1及び第2発明の演算部)
演算部は、ADコンバータ、CPU、出力ポートで構成されており、
ADコンバータは、スイッチング電源装置の出力電流情報が与えられており、
CPUは、予め与えられている演算用のプログラムを実行することで、ADコンバータから出力電流値を取得し、演算用のプログラムに従って出力電流値が所定の値以下になっている場合のみ、出力ポートに制御パルスを出力する指示を行うものであり、
出力ポートは、CPUが制御パルスを出力していない場合に出力ポートがハイインピーダンスで保持されており、制御パルスを出力する場合に出力ポートからHレベル、もしくはLレベルの信号を出力する。
(第3発明のスイッチング装置)
本発明の他の形態にあっては、電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧が等しくなるようにフィードバック信号を制御するものであり、
スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、
過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、
演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
制御パルス平滑部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部の出力に接続されており、演算部から入力された制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成し、制御パルス平滑電圧によってフィードバック信号を変化させるものであり、
演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、電力変換部の出力電流を監視し、出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ制御パルスを出力することを特徴とする。
(第4発明のスイッチング電源装置)
本発明の他の形態にあっては、電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧が等しくなるようにフィードバック信号を制御するものであり、
スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、
過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、
演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
制御パルス平滑部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部の出力電圧制御用基準電圧源の出力に接続されており、演算部から入力された制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成し、制御パルス平滑電圧によって出力電圧制御用基準電圧を変化させるものであり、
演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、電力変換部の出力電流を監視し、出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ制御パルスを出力することを特徴とする。
(第5発明のスイッチング電源装置)
本発明の他の形態にあっては、電力変換部、フィードバック制御部、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と制御パルス平滑部が出力する制御パルス平滑電圧が入力され、出力電圧比例信号と制御パルス平滑電圧が等しくなるようにフィードバック信号を制御するものであり、
スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、
過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、
演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
制御パルス平滑部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部に入力され、演算部から入力された制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成するものであり、
演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、電力変換部の出力電流を監視し、出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ制御パルスを出力することを特徴とする。
(第3乃至第5発明の演算部)
演算部は、ADコンバータ、クロック回路、CPU及びタイマで構成されており、
ADコンバータは、スイッチング電源装置の出力電流情報が与えられており、
クロック回路は、CPU及びタイマに動作タイミングの基準となるクロック信号を出力する回路であり、
CPUは、予め与えられている演算用のプログラムを実行することで、ADコンバータから出力電流値を取得し、演算用のプログラムに従ってタイマに対して周期とデューティを指示するものであり、
タイマは、クロック回路から入力されたクロック信号をカウントすることで、CPUから指示された周期とデューティを持つ制御パルスを出力する。
(間欠動作)
電力変換部の出力電流が過電流保護動作しきい値と起動時電流制限値の間となる所定の間欠動作しきい値になると、スイッチング素子を所定の時間停止して出力電流を間欠的に出力させる。
(第1発明のスイッチング電源装置による効果)
本発明は、電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス積分部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧が等しくなるようにフィードバック信号を制御するものであり、スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、制御パルス積分部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部の出力に接続されており、演算部から入力された制御パルスを積分することで制御パルス積分電圧を生成し、制御パルス積分電圧によってフィードバック信号を変化させるものであり、演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、電力変換部の出力電流を監視し、出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ制御パルスを出力するようにしたため、スイッチング電源装置が起動する際に演算部がスイッチング電源装置の出力電流をモニタし、出力電流を制限しながら出力電圧を上昇させるように制御され、スイッチング電源装置に大容量のコンデンサを外付けした場合でも、出力電流を制限しながら出力電圧を上昇させることでスイッチング電源装置を確実に起動させることができる。
(第2発明のスイッチング電源装置による効果)
本発明の他の形態にあっては、電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス積分部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、前記出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧が等しくなるように前記フィードバック信号を制御するものであり、スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、制御パルス積分部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部の出力電圧制御用基準電圧源の出力に接続されており、演算部から入力された制御パルスを積分することで制御パルス積分電圧を生成し、制御パルス積分電圧によって出力電圧制御用基準電圧を変化させるものであり、演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、電力変換部の出力電流を監視し、出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ制御パルスを出力するようにしたため、前述した第1発明のスイッチング電源装置としての効果に加え、フィードバック制御部とスイッチング素子制御信号生成部との間にアイソレーション回路を設けてスイッチング電源装置を入力側と出力側に絶縁分離した場合、フィードバック制御回路、演算部及び制御パルス平滑部をスイッチング電源装置の出力側に配置して制御パルスを制御することで出力電圧制御用基準電圧を変化させて、出力電圧の垂下に対し出力電流を所定の電流に正確に制御する高精度な電流制限動作を可能とする。
(第1及び第2発明の演算部による効果)
また、演算部は、ADコンバータ、CPU、出力ポートで構成されており、ADコンバータは、スイッチング電源装置の出力電流情報が与えられており、CPUは、予め与えられている演算用のプログラムを実行することで、ADコンバータから出力電流値を取得し、演算用のプログラムに従って出力電流値が所定の値以下になっている場合のみ、出力ポートに制御パルスを出力する指示を行うものであり、出力ポートは、前記CPUが制御パルスを出力していない場合に出力ポートがハイインピーダンスで保持されており、制御パルスを出力する場合に出力ポートからHレベル、もしくはLレベルの信号を出力するようにしたため、ADコンバータ、CPU及び出力ポートを備えた低速のデジタルプロセッサを使用することができ、コストの低減と装置の小型化を実現可能とする。
(第3発明のスイッチング装置による効果)
本発明の他の形態にあっては、電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧が等しくなるようにフィードバック信号を制御するものであり、スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、制御パルス平滑部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部の出力に接続されており、演算部から入力された制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成し、制御パルス平滑電圧によってフィードバック信号を変化させるものであり、演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、電力変換部の出力電流を監視し、出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ制御パルスを出力するようにしたため、スイッチング電源装置が起動する際に演算部がスイッチング電源装置の出力電流をモニタし、出力電流を制限しながら出力電圧を上昇させるように制御され、スイッチング電源装置に大容量のコンデンサを外付けした場合でも、出力電流を制限しながら出力電圧を上昇させることでスイッチング電源装置を確実に起動させることができる。
(第4発明のスイッチング電源装置による効果)
本発明の他の形態にあっては、電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧が等しくなるようにフィードバック信号を制御するものであり、スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、制御パルス平滑部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部の出力電圧制御用基準電圧源の出力に接続されており、演算部から入力された制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成し、制御パルス平滑電圧によって出力電圧制御用基準電圧を変化させるものであり、演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、電力変換部の出力電流を監視し、出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ制御パルスを出力するようにしたため、前述した第3発明のスイッチング電源装置としての効果に加え、フィードバック制御部とスイッチング素子制御信号生成部との間にアイソレーション回路を設けてスイッチング電源装置を入力側と出力側に絶縁分離した場合、フィードバック制御回路、演算部及び制御パルス平滑部をスイッチング電源装置の出力側に配置して制御パルスを制御することで出力電圧制御用基準電圧を変化させて、出力電圧の垂下に対し出力電流を所定の電流に正確に制御する高精度な電流制限動作を可能とする。
(第5発明のスイッチング電源装置による効果)
本発明の他の形態にあっては、電力変換部、フィードバック制御部、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と制御パルス平滑部が出力する制御パルス平滑電圧が入力され、出力電圧比例信号と制御パルス平滑電圧が等しくなるようにフィードバック信号を制御するものであり、スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、制御パルス平滑部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部に入力され、演算部から入力された制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成するものであり、演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、電力変換部の出力電流を監視し、出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ制御パルスを出力するようにしたため、前述した第3発明の効果に加え、フィードバック制御部に出力電圧制御用基準電圧源を設ける必要がなくなり、部品点数の低減により低コスト化と小型化が実現できる。
(第3乃至第5発明の演算部による効果)
また、演算部は、ADコンバータ、クロック回路、CPU及びタイマで構成されており、ADコンバータは、スイッチング電源装置の出力電流情報が与えられており、
クロック回路は、CPU及びタイマに動作タイミングの基準となるクロック信号を出力する回路であり、CPUは、予め与えられている演算用のプログラムを実行することで、ADコンバータから出力電流値を取得し、演算用のプログラムに従ってタイマに対して周期とデューティを指示するものであり、タイマは、クロック回路から入力されたクロック信号をカウントすることで、CPUから指示された周期とデューティを持つ制御パルスを出力するようにしたため、ADコンバータ、クロック回路、CPU及びタイマを備えた低速のデジタルプロセッサを使用することができ、コストの低減と装置の小型化を実現可能とする。
(間欠動作による効果)
また、電力変換部の出力電流が過電流保護動作しきい値と起動時電流制限値の間となる所定の間欠動作しきい値になると、スイッチング素子を所定の時間停止して出力電流を間欠的に出力させるようにしたため、出力電流が間欠動作しきい値以上になると間欠動作による過電流保護機能が動作し、出力電流が間欠的に出力されることで平均電流が低下し、スイッチング電源装置の出力電流が流れる経路の部品となる整流素子、出力チョーク等の発熱を低減することが可能となり、故障を防ぐことができる。
また、スイッチング電源装置が間欠動作による過電流保護機能を備え、且つ大容量のコンデンサを外付けしていても、出力電流を間欠動作しきい値と起動時電流制限値の間に制限しながら出力電圧を上昇させる起動動作が行われ、起動時に間欠動作が行われて起動できない問題を解消し、間欠動作による過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置に大容量のコンデンサを外付けしていても、スイッチング装置を確実に起動させることができる。
本発明によるスイッチング電源装置の第1実施形態を示した回路ブロック図 大容量のコンデンサを外付けした状態で図1のスイッチング電源装置を起動した場合の各部の波形を示したタイムチャート 本発明によるスイッチング電源装置の第2実施形態を示した回路ブロック図 本発明によるスイッチング電源装置の第3実施形態を示した回路ブロック図 図4の演算部における各部の波形を示したタイムチャート 図4の演算部に設けたCPUによる演算制御を示したフローチャート 本発明によるスイッチング電源装置の第4実施形態を示した回路ブロック図 本発明によるスイッチング電源装置の第5実施形態を示した回路ブロック図 従来のスイッチング電源装置による過電流保護動作で得られる「への字」型となる出力電圧と出力電流の垂下特性を示した説明図 図9の垂下特性をもつ過電流保護制御部を備えたスイッチング電源装置の一例を示した回路ブロック図 図10のスイッチング電源装置における各部の波形を示したタイムチャート 間欠動作による過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置が間欠動作していない場合の各部の波形を示したタイムチャート 間欠動作による過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置が間欠動作した場合の各部の波形を示したタイムチャート 間欠動作による過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置に小容量のコンデンサを外付けした状態で起動した場合の各部の波形を示したタイムチャート 間欠動作による過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置に大容量のコンデンサを外付けした状態で起動した場合の各部の波形を示したタイムチャート
[第1実施形態]
図1は本発明によるスイッチング電源装置の第1実施形態を示した回路ブロック図であり、本願の第1発明に対応する。
(第1実施形態の構成と動作)
図1に示すように、第1実施形態のスイッチング電源装置は、電力変換部10、出力電圧検出回路16、フィードバック制御部18、出力電圧制御用基準電圧源24、スイッチング素子制御信号生成部20、過電流保護制御部22、演算部48、及び制御パルス積分部50から構成される。
本実施形態は、電力変換部10としてPWM制御(時比率変調制御)が行われるシングルエンディッドフォワードコンバータを示しているが、フライバックコンバータ、フルブリッジコンバータ、ハーフブリッジコンバータ、プッシュプルコンバータ等の絶縁型のコンバータや、降圧チョッパー、昇圧チョッパー、昇降圧チョッパー等の非絶縁型のコンバータとしても良い。また、PFM制御(周波数変調制御)が行われる自励式フライバックコンバータ、LLCコンバータ等を用いてもよい。
本実施形態は、図10に示したスイッチング電源装置のフィードバック制御部18の出力に、演算部48から出力される制御パルス信号Vctlpを積分する制御パルス積分部50の出力を接続しており、それ以外の構成及び動作は、図10に示した出力電圧検出回路16、フィードバック制御部18、出力電圧制御用基準電圧源24、スイッチング素子制御信号生成部20及び過電流保護制御部22と同じになることから、同一符号を付して、その説明は省略し、追加したブロックの説明を行う。
(演算部の構成と動作)
演算部48は、ADコンバータ52、CPU54、出力ポートとして機能するI/Oポート56で構成されている。演算部48を構成するブロックは、全てがワンチップに集積されたデジタルプロセッサを用いることが望ましいが、別々の回路として構成しても良い。また、演算部48は低コストで低速のプロセッサを用いることができる。演算部48には、出力電流情報および起動指示が与えられる。
演算部48のADコンバータ52には、スイッチング電源装置の出力電流情報が与えられている。出力電流情報は、スイッチング電源装置の出力電流を直接検出するものでも良いし、スイッチング電源装置の入力電流を検出し出力電流値に換算したものでも良いし、過電流保護制御部22の電流電圧変換部40からの信号を出力電流値に換算したものでも良い。
CPU54は、起動指示が与えられた場合に、予め与えられている演算用のプログラムを実行することで、ADコンバータ52から出力電流値を取得し、演算用のプログラムに従って出力電流値が後述の間欠動作しきい値より小さい所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ、I/Oポート56に制御パルスVctlpを出力する指示を行う。
I/Oポート56は、電源電圧Vccと接地側との間にトランジスタTR41,TR42を直列接続し、トランジスタTR41のエミッタとトランジスタTR42のコレクタの接続部分から出力ポートを取り出しており、CPU54からの指示で、ハイインピーダンス、Hレベル、もしくは、Lレベルの3つの状態を出力することができる。
I/Oポート56は通常はハイインピーダンスの状態となっており、スイッチング電源装置を起動する場合にCPU54からの指示でHレベル若しくはLレベルの短いパルス信号である制御パルスVctlpを出力する動作を行う。
制御パルス積分部50は、抵抗R31、コンデンサC31及びPNP型のトランジスタTR31で構成され、演算部48から出力された制御パルスVctlpを抵抗R31およびコンデンサC31を用いて積分し、制御パルス積分電圧Vintを出力する。
PNP型のトランジスタTR31はエミッタフォロア(電流増幅用のバッファ)として動作させており電圧増幅は行われない。また、PNP型のトランジスタTR31は、エミッタ端子に加わるフィードバック信号VFBとベース端子に加わる制御パルス積分電圧Vintとの間にVint>VFBの関係があるとき、即ち、演算部48による起動時の電流制限動作が行われていない通常状態においてオフしており、制御パルス積分部50を機能させないために用いられる。
これに対し演算部48による起動時の電流制限動作が行われると、Vint<VFBの関係となり、PNP型のトランジスタTR31はエミッタフォロアとして動作し、制御パルス平滑電圧Vintをフィードバック制御部18の出力に加えることで、制御パルス積分部50を機能させ、フィードバック信号VFBがクランプされて制御パルス平滑電圧Vintになるように制御を行う。
制御パルス積分部50の出力段にPNP型のトランジスタTR31を用いているのは、フィードバック信号VFBを低下させることでスイッチング素子TR1のオンデューティを低下させるようにスイッチング電源装置が設計されているためであり、フィードバック信号VFBを上昇させることでスイッチング素子のオンデューティを低下させるようなスイッチング電源装置の設計を行った場合は、NPN型のトランジスタTR31を用いたエミッタフォロアで構成する。
(演算部の間欠動作機能)
また、演算部48は、予め与えられている演算用のプログラムを実行することで、間欠動作による過電流保護制御を行う。
演算部48は、スイッチング電源装置の出力電流をモニタしており、出力電流が所定の間欠動作しきい値以上となる状態が所定の時間T1だけ継続すると、I/Oポート56のトランジスタTR42をオンしてLレベル信号の出力状態とし、これにより制御パルス積分部50の制御パルス積分電圧VintをLレベルにすることで、フィードバック信号VFBをLレベルにクランプし、これによりスイッチング素子制御信号VGSによるスイッチング素子TR1のオンオフ動作が停止するように制御が行われ、停止状態が所定の時間T2だけ経過すると、演算部48の出力を通常はハイインピーダンスの状態となっており、Hレベル、もしくは、Lレベルの短いパルス信号である制御パルスVctlpを出力することができる状態に戻すことで、スイッチング素子TR1のオンオフ動作が再開する間欠動作が行われる。
この間欠動作により、スイッチング電源装置が出力する平均電流値Iaveは、
Iave=T1/(T1+T2)×(間欠動作しきい値)
となり、間欠動作しきい値に対し十分に小さな電流値とすることができ、スイッチング電源装置の出力電流が流れる経路の部品となる整流素子D1,D2、出力チョークL1等の発熱を低減することが可能となる。
なお、本発明の機能によって、スイッチング電源装置が起動する際の出力電流が起動時電流制限値以下に制限されることから、演算部48による間欠動作機能は必ず設ける必要はなく、必要に応じて設ければ良い。
(第1実施形態のスイッチング電源装置の起動動作)
図2は大容量のコンデンサを外付けした状態で図1のスイッチング電源装置を起動した場合の各部の波形を示したタイムチャートであり、図2(A)は出力電圧を示し、図2(B)は出力電流を示し、図2(C)は負荷に流れる電流を示し、図2(D)は外付けしたコンデンサに流れる電流を示し、図2(E)はフィードバック信号VFBを示し、図2(F)は制御パルス積分電圧Vintを示し、図2(G)は制御パルスVctlpを示す。なお、図2(G)の制御パルスVctlpはハイインピーダンス状態を点線で示している。
図2に示すように、期間Aはスイッチング電源装置が起動する前の期間である。この期間Aは、制御パルスVctlpが出力されていないため、制御パルス積分電圧Vintがゼロになっており、トランジスタTR31のベース・エミッタ間電圧をゼロとした場合、フィードバック信号VFBも制御パルス積分電圧Vintにクランプされてゼロとなっている。
期間Bはスイッチング電源装置が起動動作を行う期間である。スイッチング電源装置の起動指示を演算部48に与えると、期間Bの先頭で演算部48から、図2(G)に示すように、制御パルスVctlpが1パルスだけ出力される。ここで、制御パルスVctlpは、出力されるタイミングのみHレベルとなり、通常はハイインピーダンスの状態になっている信号である。
制御パルスVctlpは制御パルス積分部50に入力される。制御パルスVctlpがHレベルになっているタイミングでは抵抗R31を介してコンデンサC31が充電されるため、図2(F)に示すように、積分パルス電圧Vintが上昇する。
スイッチング電源装置のフィードバック制御部18は、スイッチング電源装置の出力電圧Voをスイッチング電源制御用基準電圧Vrefに比例した電圧まで上昇させるように動作しているため、フィードバック信号VFBを上昇させようと動作するが、フィードバック信号VFBは制御パルス積分電圧Vintでクランプされているので、図2(E)に示すように、フィードバック信号VFBが制御パルス積分電圧Vintと等しい値までしか上昇できない。なお、フィードバック信号VFBが制御パルス積分電圧Vintと等しい値に上昇するのは、前述したようにトランジスタTR31のベース・エミッタ間電圧をゼロと仮定していることによる。
フィードバック信号VFBが制御パルス積分電圧Vintと等しい値に上昇することで、スイッチング素子TR1のオンオフ動作が開始されて、図2(A)に示すように、スイッチング電源装置の出力電圧の上昇が開始される。スイッチング電源装置の電圧上昇が開始されると、図2(B)に示すように、電流が出力される。
スイッチング電源装置の出力には一定電流を要求する負荷と大容量のコンデンサとが接続されているため、図2(C)(D)に示すように、それぞれに電流が流れる。最初は、大容量のコンデンサの電荷がゼロなので、スイッチング電源装置の出力は短絡されている状態と同じ状態になっている。このため、スイッチング電源装置は、図2(B)に示すように、過電流保護動作の「への字特性」で制限される過電流保護動作電流値まで電流を出力する。負荷は一定電流を要求するため、図2(B)のスイッチング電源装置の出力電流Ioから図2(C)の負荷に流れる電流を差し引いた図2(D)の電流が大容量のコンデンサに充電電流として流れることになる。大容量のコンデンサは充電されることで電圧が上昇する。
演算部48には、予め起動時電流制限値が記録されている。また、演算部48にはスイッチング電源装置の出力電流情報が連続的に与えられており、スイッチング電源装置の出力電流が起動時電流制限値以上の場合は、演算部48が制御パルスを出力しないように動作する。
ここで、各電流値は、
(過電流保護動作電流制限値の「への字特性」)>(間欠動作しきい値)>(起動時電流制限値)
となっている。
スイッチング電源装置は、フィードバック信号VFBで制御される電圧まで出力電圧Voを上昇させるようとするが、スイッチング電源装置の出力には負荷と大容量のコンデンサが接続されているため、スイッチング電源装置の出力電圧Voは、過電流保護動作電流制限値の「への字特性」によって決定される電圧となる。
大容量のコンデンサは充電されることで電圧が上昇し、大容量のコンデンサの電圧がスイッチング電源装置の出力したい電圧(フィードバック信号VFBで決定される電圧)に近づくことになり、図2(D)に示すように、大容量のコンデンサの充電電流Icが減少し、これに伴い図2(B)に示す出力電流Ioも低下する。
スイッチング電源装置の出力電流Ioが低下して起動時電流制限値以下となると、図2(G)に示すように、演算部48から制御パルスが1パルス出力される。制御パルスが出力されると、図2(F)に示すように、積分パルス電圧Vintが上昇し、積分パルス電圧Vintにクランプされていたフィードバック信号VFBが図2(E)に示すように上昇し、図2(A)示すように、スイッチング電源装置の出力電圧Voが高くなるように制御が行われる。これにより、図2(B)に示すように、スイッチング電源装置の出力電流Ioが増加する。
ここで、制御パルスが1パルス出力されることによる出力電流Ioの増加を出力電流Ioが間欠動作しきい値を超えないように制御パルスのパルス幅や抵抗R31、コンデンサC31の値を設定する。
スイッチング電源装置の起動の瞬間は、スイッチング素子TR1のオンパルス幅を極小に制御することが難しいため、起動の瞬間は、図2(B)のように、出力電流Ioが間欠動作しきい値を超えることを許容する。
図2(B)では、図2(G)に示す制御パルスの2パルス目以降では、出力電流Ioが間欠動作しきい値以下となっているが、実際のスイッチング電源装置の設計では、数パルスから数十パルスは許容することができる。具体的には、間欠動作しきい値が図13で示した時間T1以下であれば、スイッチング電源装置は、間欠動作が行われることがない。
このような動作が繰り返されることで、図2(B)に示すように、スイッチング電源装置の出力電流Ioは間欠動作しきい値と起動時電流制限値の間に保たれるように図2(G)に示す制御パルスが出力されることで、大容量のコンデンサが充電されて図2(A)のように出力電圧Voが上昇する。この制御が行われることで、間欠動作しきい値を超えた電流が流れる時間が時間T1以下になるため、スイッチング電源装置が間欠動作になることはなく、図14に示したようにスイッチング電源装置が起動できなくなるような不具合は発生しない。
期間Cの最初でスイッチング電源装置の起動動作が完了し、定常動作に移行する。ここでは、スイッチング電源装置の出力電圧Voが出力電圧制御用基準電圧Vrefに比例した電圧に達するため、図2(E)に示すように、フィードバック制御部18はフィードバック信号VFBの上昇を停止してフィードバック信号VFBを一定電圧に保つように制御が行われる。従って、期間Cでは、Vint>VFBの関係となり、フィードバック信号VFBは、制御パルス積分電圧Vintでクランプされることが無くなる。
スイッチング電源装置の出力電圧Voが一定になると、大容量のコンデンサの電圧を上昇させる動作も無くなるため、図2(D)に示すように、大容量のコンデンサには充電電流が流れない。従って、図2(B)のスイッチング電源装置の出力電流Ioは図2(C)の負荷に流れる電流と同じになる。
スイッチング電源装置が定常動作中は、例えば、負荷が動的に大電流を要求すると言った状態が発生すると、フィードバック制御部18がフィードバック信号VFBを上昇させる制御を行う。この時、制御パルス積分電圧Vintがフィードバック信号VFBをクランプしないように、制御パルス積分電圧Vintは十分に高い電圧になっている必要がある。これを実現するために、期間Cでは、起動動作が完了しても、図2(G)に示すように、制御パルスVctlpを出し続けることで、制御パルス積分電圧Vintを上昇させる。
以上、フィードバック信号VFBを低下させることでスイッチング素子TR1のオンデューティを低下させるように設計されているスイッチング電源装置を例に説明したが、フィードバック信号VFBを上昇させることでスイッチング素子TR1のオンデューティを低下させるようなスイッチング電源装置の設計を行った場合は、トランジスタTR31にNPN型トランジスタを用いたエミッタフォロアを構成し、また、制御パルスVctlpは、通常ハイインピーダンスとし短いLレベルのパルスを出すように構成することで、スイッチング電源装置の起動動作を制御することができる。
(第1実施形態のメリット)
本実施形態のスイッチング電源装置では、大容量のコンデンサを外付けした場合でも、出力電流が間欠動作しきい値を超える時間が、間欠動作を開始させるに必要な時間T1以下になるように制御され、また、出力電流が間欠動作しきい値と起動時電流制限値の間に保たれるように制御パルスが出力されながらスイッチング電源装置が起動動作を行う。これにより、スイッチング電源装置の過電流保護動作特性が「への字特性」で、必要に応じて間欠動作を行う安価な回路で構成しても大容量のコンデンサを外付けした起動が可能となる。
[第2実施形態]
図3は本発明によるスイッチング電源装置の第2実施形態を示した回路ブロック図であり、本願の第2発明に対応する。
本実施形態と図1に示した第1実施形態との違いは、制御パルス積分部50の出力をフィードバック制御部18の誤差アンプ25の入力側に接続されている出力電圧制御用基準電圧源24の出力に接続したことである。
図1の第1実施形態のスイッチング電源装置では、演算部48が制御パルス積分部50からの制御パルス積分電圧Vintでフィードバック信号VFBをクランプすることにより、出力電流Ioが間欠動作しきい値と起動時電流制限値の間に保たれるように制御パルスが出力されながらスイッチング電源装置が起動動作を行う。
これに対し、本実施形態のスイッチング電源装置では、演算部48が制御パルス積分部50からの制御パルス積分電圧Vintでフィードバック制御部18の出力電圧制御用基準電圧Vrefをクランプすることにより、出力電流Ioが間欠動作しきい値と起動時電流制限値の間に保たれるように制御パルスが出力されながらスイッチング電源装置が起動動作を行う。その他の動作はすべて図1の第1実施形態と同じであり、得られるメリットも同じになる。
第1実施形態と第2実施形態のスイッチング電源装置の使い分けは以下のように考えればよい。
絶縁型のスイッチング電源装置を設計する場合、フィードバック制御部18の出力側にフォトカプラ等の絶縁素子を入れることで、スイッチング電源装置の出力側から入力側に絶縁されたフードバック信号VFBを伝送する。この構成では、絶縁型スイッチング電源装置の入力側には、フィードバック信号VFBが有るが出力電圧制御用基準電圧Vrefが無いことになり、スイッチング電源装置の出力側には、フィードバック信号VFBと出力電圧制御用基準電圧Vrefが有ることになる。
従って、演算部48を絶縁型スイッチング電源装置の入力側に配置する場合は、図1の第1実施形態のように制御パルス積分部50の出力をフィードバック制御部18の出力に接続することになり、これに対し演算部48を出力側に配置する場合は、図1の第1実施形態と図2の第2実施形態のどちらを用いても良いことになる。
[第3実施形態]
図4は本発明によるスイッチング電源装置の第3実施形態を示した回路ブロック図であり、本願の第3発明に対応する。
本実施形態は、演算部48をADコンバータ52、CPU54、タイマ60及びクロック回路62で構成し、演算部48から出力される制御パルス信号Vctlp2を制御パルス平滑部58で平滑して制御パルス平滑電圧Vsmを出力し、フィードバック制御部18の出力に制御パルス平滑部58の出力を接続しており、それ以外の構成及び動作は、図1に示した出力電圧検出回路16、フィードバック制御部18、出力電圧制御用基準電圧源24、スイッチング素子制御信号生成部20及び過電流保護制御部22と同じになることから、同一符号を付して、その説明は省略し、追加したブロックの説明を行う。
(演算部の構成と動作)
図4に示すように、演算部48は、ADコンバータ52、CPU54、クロック回路62、及びタイマ60で構成されている。演算部48を構成するADコンバータ52、CPU54、クロック回路62、及びタイマ60は、全てがワンチップに集積されたデジタルプロセッサを用いることが望ましいが、別々の回路として構成しても良い。また、演算部48は低コストで低速のデジタルプロセッサを用いることができる。
ADコンバータ52には、スイッチング電源装置の出力電流情報が与えられている。出力電流情報は、スイッチング電源装置の出力電流(出力電流値)Ioを直接検出するものでも良いし、スイッチング電源装置の入力電流を検出し出力電流値に換算したものでも良いし、過電流保護制御部22の電流電圧変換部40からの信号を出力電流値に換算したものでも良い。
クロック回路62は、CPU54やタイマ60に動作タイミングの基準となるクロック信号Vckを出力する回路である。
CPU54は予め与えられている演算用のプログラムを実行することで、ADコンバータ52から出力電流情報を取得し、演算用のプログラムに従ってタイマ60に与える設定値R1、設定値R2を生成する制御を行う。CPU54は生成した設定値R1、R2をタイマ60のレジスタ64およびレジスタ66へ引き渡す。
タイマ60は、クロック回路62から入力されたクロック信号Vckをカウントし、レジスタ66の設定値R2で決められた周期とレジスタ64の設定値R1で決められたデューティを持つ制御パルスVctlp2を出力する。
制御パルス平滑部58は、演算部48から出力された制御パルスVctlp2を平滑し、直流電圧である制御パルス平滑電圧Vsmを出力する。制御パルス平滑部58は、抵抗R31、コンデンサC31及びPNP型のトランジスタTR31で構成され、抵抗R31およびコンデンサC31を用いて制御パルスVctlp2を平滑する。
PNP型のトランジスタTR31はエミッタフォロア(電流増幅用のバッファ)として動作させており電圧増幅は行われない。また、PNP型のトランジスタTR31は、エミッタ端子に加わるフィードバック信号VFBとベース端子に加わる制御パルス平滑電圧Vsmとの間にVsm>VFBの関係があるとき、即ち、演算部48による起動動作が行われていない状態においてオフしており、制御パルス平滑部58を機能させないために用いられる。
これに対し演算部48による起動動作が行われると、Vsm<VFBの関係となり、PNP型のトランジスタTR31はエミッタフォロアとして動作し、制御パルス平滑電圧Vsmをフィードバック制御部18の出力に加えることで、制御パルス平滑部50を機能させ、フィードバック信号VFBが制御パルス平滑電圧Vsmになるようクランプする制御を行う。
制御パルス平滑部50の出力段にPNP型のトランジスタTR31を用いているのは、フィードバック信号VFBを低下させることでスイッチング素子TR1のオンデューティを低下させるようにスイッチング電源装置が設計されているためであり、フィードバック信号VFBを上昇させることでスイッチング素子のオンデューティを低下させるようなスイッチング電源装置の設計を行った場合は、NPN型のトランジスタTR31を用いたエミッタフォロアで構成する。またトランジスタTR31に換えてFETを用いても良いし、オペアンプ等の増幅回路でも構成することができる。
(タイマの動作と制御パルス平滑電圧
図5は図4の演算部における各部の波形を示したタイムチャートである。図4に示した演算部48に設けたタイマ60の動作と制御パルス平滑部58から出力される制御パルス平滑電圧Vsmについて図5を基に説明すると次のようになる。
タイマ60は、レジスタ64、レジスタ66及びカウンタ68を備えており、図5(A)に示すクロック周期Tckを持つクロック信号Vckが入力され、図5(C)に示す制御パルスVctlp2を出力する。演算部48による起動動作が行われると、CPU54から、設定値R1がレジスタ64へ与えられ、設定値R2がレジスタ66へ与えられる。
カウンタ68は、図5(B)に示すように、クロック信号Vckを1つカウントするとカウント値NCTを1だけ増加させる。カウント値NCTが増加し、カウント値NCTがレジスタ64の設定値R1と一致すると、制御パルスVctlp2がHレベルからLレベルに変化する。図5(B)(C)では、レジスタ64の設定値R1=3000としており、NCT=3000のときに、制御パルスVctlp2がLレベルとなる。
さらにカウント値NCTが増加し、カウント値NCTがレジスタ66の設定値R2と一致した次のタイミングで、カウント値NCTがリセットされてNCT=0となり、制御パルスVctlp2をLレベルからHレベルに変化させる。図5(B)(C)では、レジスタ62の設定値R2=4999としており、NCT=4999までカウントされて次のクロック信号が入力されたタイミングで制御パルスVctlp2をLレベルからHレベルに変化させると同時にNCT=0となる。
このようなタイマ60の動作により制御パルスVctlp2は、
周期Tctl=クロック周期Tck×(レジスタ66の値+1)
デューティDctl=レジスタ64の値/(レジスタ66の値+1)
をもつ矩形波となる。
制御パルス平滑部58から出力される制御パルス平滑電圧Vsmは、制御パルスVctlp2を平滑した電圧であるので、例えば、制御パルスVctlp2のHレベルが5ボルト、Lレベルが0ボルトだとすると、図5(C)では、
Vctlp2=5×(3000/5000)=3ボルト
の電圧が得られる。
レジスタ64の設定値R1およびレジスタ66の設定値R2で制御パルス平滑電圧Vsmの値が決定される。レジスタ66の設定値R2によって、レジスタ64の値が1だけ変化したときの制御パルス平滑電圧Vsmの変化量が決定される。スイッチング電源装置の出力電圧を制御する際には、通常はレジスタ66の設定値R2を固定値で用い、レジスタ64の設定値R1を変更することで制御パルス平滑電圧Vsmを所定の値に設定する。
制御パルス平滑電圧Vsmは制御パルスVctlp2のデューティで制御できるため、レジスタ64の値が大きくなると制御パルス平滑電圧Vsmの電圧値が高くなり、レジスタ64の値が小さくなると制御パルス平滑電圧Vsmの電圧値が低くなる。
低速なタイマは低速で低コストのデジタルプロセッサにも一般的に内蔵されおり、本実施形態のように制御パルス平滑部58と組み合わせて用いれば、CPU54から制御可能な高分解能の電圧源を低コストで作ることができる。
なお、定常状態では、CPU54によりレジスタ64の値は設定値R3となっている。この設定値R3は定数で設定値R2以下であり、制御パルスVctlp2のデューティが設定値R3で決められた値になった時の制御パルス平滑電圧Vsmがフィードバック信号VFBよりも大きくなるような値として予め設定されており、制御パルス平滑部50のトランジスタTR31を逆バイアスによりオフし、定常状態で制御パルス平滑部50を機能させないための制御パルス平滑電圧Vsmを出力させるための設定値となる。
(第3実施形態のスイッチング電源装置の起動動作)
図6は図4の演算部に設けたCPUによる演算制御を示したフローチャートである。
本実施形態のスイッチング電源装置は、演算部48に起動指示が与えられるとCPU54が一定時間毎に図6の演算を行う。演算部48は低速のデジタルプロセッサが用いられているため、例えば、100μsec毎に図6の演算が行われる。
図6に示すように、演算部48のCPU54は、ステップS1において、ADコンバータ52に入力されているスイッチング電源装置の出力電流情報を出力電流値Ioとして取得する。図6の演算が一定時間毎に実行されることから、CPU54は、一定時間毎にスイッチング電源装置の出力電流値Ioを取得する。
続いて、ステップS2に進み、CPU54はステップS1で取得した出力電流値Ioと予め記録されている起動時電流制限値を比較し、「出力電流値>起動時電流制限値」の条件が成立するか否か判定する。
起動直後のタイミングでは、出力電流値はゼロであることから、ステップS2の「出力電流値>起動時電流制限値」の条件が成立しないことが判定され、ステップS3に進む。
ステップS3では、CPU54は設定値R1と設定値R3を比較し、「設定値R1<設定値R3」の条件が成立するか否か判定する。ステップS3で比較に使用する設定値R3は、定数で設定値R2以下であり、制御パルスVctlp2のデューティが設定値R3で決められた値になった時の制御パルス平滑電圧Vsmがフィードバック信号VFBよりも大きくなるような値として予め設定されている。
このため起動直後の状態にあっては、「設定値R1<設定値R3」の条件が成立することが判定されてステップS4に進み、設定値R1を所定値、例えば1カウントだけ増加させ、次にステップS5に進んで設定値R1をレジスタ64に引き渡して演算を終了する。
このようなCPU54によるステップS1,S2,S3,S4,S5の処理が一定時間毎に繰り返され、ステップS5で設定値R1が増加されるため、レジスタ64の値を増加させることで、制御パルス信号Vctlp2のデューティが増加される。制御パルスVctlp2のデューティが増加すると制御パルス平滑電圧Vsmが上昇するため、制御パルス平滑電圧Vsmにクランプされているフィードバック信号VFBも上昇し、フィードバック信号VFBの上昇に応じて出力電圧Voが上昇する。
ここで、スイッチング電源装置に大容量のコンデンサが外付けされていた場合には、起動直後に短絡状態となって出力電流が増加し、ステップS2で「出力電流値>起動時電流制限値」の条件の成立が判定されて演算を終了する。このようにステップS1,S2の処理が繰り返されることで、ステップS4による設定値R1の増加は行われず、外付けコンデンサの充電電流が低下することで出力電流も低下し、ステップS2で「出力電流値>起動時電流制限値」の条件の成立しないことが判定されると、ステップS3,S4,S5の処理となり、再び設定値R1が増加し、制御パルス平滑電圧Vsmが上昇してフィードバック信号VFBが上昇し、出力電圧Voが上昇する。
このような処理の繰り返しにより外付けコンデンサの充電が終了すると、スイッチング電源装置の出力電圧Voが出力電圧制御用基準電圧Vrefに比例した電圧に達するため、フィードバック制御部18はフィードバック信号VFBの上昇を停止してフィードバック信号VFBを一定電圧に保つようにする定常状態の制御が行われる。
スイッチング電源装置が定常状態になっても、CPU54はステップS1,S2,S3,S4,S5の演算を繰り返しており、このため制御パルス平滑電圧Vsmは増加を続け、増加している設定値R1が設定値R3に達してステップS2で「設定値R1<設定値R3」の条件が成立しないことが判別されると、ステップS1,S2の演算の繰り返しとなる。
ここで、設定値R3は、制御パルス平滑電圧Vsmの最終的な到達電圧を決定するための設定値で、第1実施形態と同様に、トランジスタTR31を逆バイアスしてオフすることで、スイッチング電源装置が定常動作にあるときのフィードバック信号VFBの変化を制限しない値に設定される。例えば、R3=R2となるように設定することで、制御パルスVctl2のデューティが1になるため、制御パルス平滑電圧Vsmは制御パルスVctl2がHレベルの時と同じ値になり、フィードバック信号VFBに影響を及ぼすことが無くなる。
このように演算部48と制御パルス平滑部58によるスイッチング電源装置の起動動作により、図1に示した第1実施形態と同じ動作とメリットを得ることができる。
[第4実施形態]
図7は本発明によるスイッチング電源装置の第4実施形態を示した回路ブロック図であり、本願の第4発明に対応する。
本実施形態と図4に示した第3実施形態との違いは、制御パルス平滑部58の出力をフィードバック制御部18の誤差アンプ25の入力側に接続されている出力電圧制御用基準電圧源24の出力に接続したことである。
図4の第1実施形態のスイッチング電源装置では、演算部48が起動動作を行う場合には、演算部48が制御パルス平滑部58からの制御パルス平滑電圧Vsmでフィードバック信号VFBをクランプすることにより、出力電流Ioが間欠動作しきい値と起動時電流制限値の間に保たれるように制御パルスのデューティが制御されることでスイッチング電源装置が起動動作を行う。
これに対し、本実施形態のスイッチング電源装置では、演算部48が制御パルス平滑部58からの制御パルス平滑電圧Vsmでフィードバック制御部18の出力電圧制御用基準電圧Vrefでクランプすることにより、出力電流Ioが間欠動作しきい値と起動時電流制限値の間に保たれるように制御パルスのデューティが制御されることでスイッチング電源装置が起動動作を行う。その他の動作はすべて図4の第3実施形態と同じであり、得られるメリットも同じになる。
第3実施形態と第4実施形態のスイッチング電源装置の使い分けは以下のように考えればよい。
絶縁型のスイッチング電源装置を設計する場合、フィードバック制御部18の出力側にフォトカプラ等の絶縁素子を入れることで、スイッチング電源装置の出力側から入力側に絶縁されたフードバック信号VFBを伝送する。この構成では、絶縁型スイッチング電源装置の入力側には、フィードバック信号VFBが有るが出力電圧制御用基準電圧Vrefが無いことになり、スイッチング電源装置の出力側には、フィードバック信号VFBと出力電圧制御用基準電圧Vrefが有ることになる。
従って、演算部48を絶縁型スイッチング電源装置の入力側に配置する場合は、図4の第3実施形態のように制御パルス積分部50の出力をフィードバック制御部18の出力に接続することになり、これに対し演算部48を出力側に配置する場合は、図4の第3実施形態と図7の第4実施形態のどちらを用いても良いことになる。
[第5実施形態]
図8は本発明によるスイッチング電源装置の第5実施形態を示した回路ブロック図であり、本願の第5発明に対応する。
本実施形態のスイッチング電源装置は、図4の第3実施形態のスイッチング電源装置から、出力電圧制御用基準電圧源24を削除し、スイッチング電源装置が定常状態にあるときに演算部48がレジスタ60に設定値R1として付与する設定値R3を、スイッチング電源装置が定常状態にあるときの出力電圧Voを出力できる値としたものである。
この場合は、フィードバック制御部18の誤差アンプ25の入力インピーダンスが十分に高いため、制御パルス平滑部50の出力側に設けられていた電流増幅用のバッファは不要となるので、トランジスタTR31は省略できる。
以下、第5実施形態の動作を第3実施例と比較して説明すると次のようになる。図4に示した第3実施形態では、起動動作が終了した後の定常状態では、Vsm>Vrefとなり、制御パルス平滑部58は機能しない動作となっている。これに対し、第5実施形態では、図4の出力電圧制御用基準電圧源24を削除したため、起動動作が終了した後の定常状態でも、スイッチング電源装置の出力電圧Voが制御パルス平滑電圧Vsmに比例した電圧で制御される動作となる。
起動動作が終了した後の定常状態での演算部48の制御は、図6で示したように、「設定値R1=設定値R3」になるように制御が行われるため、制御パルス平滑電圧Vsmは設定値R3で決定される電圧値となる。従って、第5実施形態のスイッチング電源装置が定常状態にあるときの出力電圧Voは設定値R3で決定される。
このように図8の第5実施形態のスイッチング電源装置は、図4の第3実施形態や図7の第4実施形態のスイッチング電源装置と比較して、さらに部品を低減しながら、出力電流が間欠動作しきい値と起動時電流制限値の間に保たれるように制御パルスVctlp2が制御されることで、第3及び第4実施形態と同様にスイッチング電源装置が起動動作を実現する。
また、起動動作が終了した後の定常状態では、スイッチング電源装置の出力電圧を設定値R3で決定できることから、スイッチング電源装置の出力電圧Voを演算部48が制御する機能を付加することができる。
[本発明の変形例]
なお、上記の実施形態は、スイッチング電源装置に大容量のコンデンサを外付けした場合の起動動作を例にとっているが、間欠動作による過電流保護機能を設けても不具合が起きない小容量のコンデンサを外付けするか又はコンデンサを外付けしないスイッチング電源装置の起動動作についても、同様に、演算部の演算により出力電流が間欠動作しきい値と起動時電流制限値の間に保たれるように制御パルスが出力されながらスイッチング電源装置が起動動作を行うことができる。
また、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:電力変換部
12:入力電源
14:負荷
16:出力電圧検出回路
18:フィードバック制御部
20:スイッチング素子制御信号生成部
22:過電流保護制御部
24:出力電圧制御用基準電圧源
25:誤差アンプ
26:三角波生成回路
28:スイッチング周波数制御用発振回路
30:PWMコンパレータ
32:スイッチング素子強制停止回路
34:電流源
36:RSフリップフロップ
38:アンドゲート
40:電流電圧変換部
42:ローパスフィルタ部
44:OCPコンパレータ
46:過電流しきい値制御用電圧源
48:演算部
50:制御パルス積分部
52:ADコンバータ
54:CPU
56:I/Oポート
58:制御パルス平滑部
60:タイマ
62:クロック回路
64,66:レジスタ
68:カウンタ

Claims (8)

  1. 電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス積分部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
    前記電力変換部は、スイッチング素子を備えており、前記スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、前記スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、前記断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
    前記フィードバック制御部は、前記スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、前記電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、前記出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、前記出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧が等しくなるように前記フィードバック信号を制御するものであり、
    前記スイッチング素子制御信号生成部は、前記フィードバック制御部が出力する前記フィードバック信号と前記過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応して前記スイッチング素子制御信号を出力するものであり、
    前記過電流保護制御部は、前記スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、前記スイッチング素子制御信号生成部へ前記過電流保護動作信号を出力するものであり、
    前記演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
    前記制御パルス積分部は、前記演算部が出力する制御パルスが入力され、出力が前記フィードバック制御部の出力に接続されており、前記演算部から入力された前記制御パルスを積分することで制御パルス積分電圧を生成し、前記制御パルス積分電圧によって前記フィードバック信号を変化させるものであり、
    前記演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、前記電力変換部の出力電流を監視し、前記出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ前記制御パルスを出力することを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス積分部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
    前記電力変換部は、スイッチング素子を備えており、前記スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、前記スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、前記断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
    前記フィードバック制御部は、前記スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、前記電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、前記出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、前記出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧が等しくなるように前記フィードバック信号を制御するものであり、
    前記スイッチング素子制御信号生成部は、前記フィードバック制御部が出力する前記フィードバック信号と前記過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応して前記スイッチング素子制御信号を出力するものであり、
    前記過電流保護制御部は、前記スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、前記スイッチング素子制御信号生成部へ前記過電流保護動作信号を出力するものであり、
    前記演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
    前記制御パルス積分部は、前記演算部が出力する前記制御パルスが入力され、出力が前記フィードバック制御部の前記出力電圧制御用基準電圧源の出力に接続されており、前記演算部から入力された前記制御パルスを積分することで制御パルス積分電圧を生成し、前記制御パルス積分電圧によって前記出力電圧制御用基準電圧を変化させるものであり、
    前記演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、前記電力変換部の出力電流を監視し、前記出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ前記制御パルスを出力することを特徴とするスイッチング電源装置。
  3. 請求項1又は2記載のスイッチング電源装置に於いて、
    前記演算部は、ADコンバータ、CPU、出力ポートで構成されており、
    前記ADコンバータは、前記スイッチング電源装置の出力電流情報が与えられており、
    前記CPUは、予め与えられている演算用のプログラムを実行することで、前記ADコンバータから出力電流値を取得し、前記演算用のプログラムに従って前記出力電流値が所定の値以下になっている場合のみ、前記出力ポートに前記制御パルスを出力する指示を行うものであり、
    出力ポートは、前記CPUが前記制御パルスを出力していない場合に出力ポートをハイインピーダンスに保持しており、前記制御パルスを出力する場合に前記出力ポートからHレベル、もしくはLレベルの信号を出力することを特徴とするスイッチング電源装置。
  4. 電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
    前記電力変換部は、スイッチング素子を備えており、前記スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、前記スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、前記断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
    前記フィードバック制御部は、前記スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、前記電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、前記出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、前記出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧が等しくなるように前記フィードバック信号を制御するものであり、
    前記スイッチング素子制御信号生成部は、前記フィードバック制御部が出力する前記フィードバック信号と前記過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応して前記スイッチング素子制御信号を出力するものであり、
    前記過電流保護制御部は、前記スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、前記スイッチング素子制御信号生成部へ前記過電流保護動作信号を出力するものであり、
    前記演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
    前記制御パルス平滑部は、前記演算部が出力する前記制御パルスが入力され、出力が前記フィードバック制御部の出力に接続されており、前記演算部から入力された前記制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成し、前記制御パルス平滑電圧によって前記フィードバック信号を変化させるものであり、
    前記演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、前記電力変換部の出力電流を監視し、前記出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ前記制御パルスを出力することを特徴とするスイッチング電源装置。
  5. 電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
    前記電力変換部は、スイッチング素子を備えており、前記スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、前記スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、前記断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
    前記フィードバック制御部は、前記スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、前記電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、前記出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、前記出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧が等しくなるように前記フィードバック信号を制御するものであり、
    前記スイッチング素子制御信号生成部は、前記フィードバック制御部が出力する前記フィードバック信号と前記過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応して前記スイッチング素子制御信号を出力するものであり、
    前記過電流保護制御部は、前記スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、前記スイッチング素子制御信号生成部へ前記過電流保護動作信号を出力するものであり、
    前記演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
    前記制御パルス平滑部は、前記演算部が出力する前記制御パルスが入力され、出力が前記フィードバック制御部の前記出力電圧制御用基準電圧源の出力に接続されており、前記演算部から入力された前記制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成し、前記制御パルス平滑電圧によって前記出力電圧制御用基準電圧を変化させるものであり、
    前記演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、前記電力変換部の出力電流を監視し、前記出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ前記制御パルスを出力することを特徴とするスイッチング電源装置。
  6. 電力変換部、フィードバック制御部、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
    前記電力変換部は、スイッチング素子を備えており、前記スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、前記スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、前記断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
    前記フィードバック制御部は、前記スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、前記電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、前記出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と前記制御パルス平滑部が出力する制御パルス平滑電圧が入力され、前記出力電圧比例信号と前記制御パルス平滑電圧が等しくなるように前記フィードバック信号を制御するものであり、
    前記スイッチング素子制御信号生成部は、前記フィードバック制御部が出力する前記フィードバック信号と前記過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応して前記スイッチング素子制御信号を出力するものであり、
    前記過電流保護制御部は、前記スイッチング素子を流れる電流が所定の過電流保護動作しきい値になると、前記スイッチング素子制御信号生成部へ前記過電流保護動作信号を出力するものであり、
    前記演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
    前記制御パルス平滑部は、前記演算部が出力する前記制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部に入力され、前記演算部から入力された前記制御パルスを平滑することで前記制御パルス平滑電圧を生成するものであり、
    前記演算部は、更に、スイッチング電源装置が起動する際に、前記電力変換部の出力電流を監視し、前記出力電流が所定の起動時電流制限値以下になっている場合のみ前記制御パルスを出力することを特徴とするスイッチング電源装置。
  7. 請求項4乃至6の何れかに記載のスイッチング電源装置に於いて、
    前記演算部は、ADコンバータ、クロック回路、CPU及びタイマで構成されており、
    前記ADコンバータは、スイッチング電源装置の前記出力電流情報が与えられており、
    前記クロック回路は、前記CPU及び前記タイマに動作タイミングの基準となるクロック信号を出力する回路であり、
    前記CPUは、予め与えられている演算用のプログラムを実行することで、前記ADコンバータから出力電流値を取得し、前記演算用のプログラムに従って前記タイマに対して周期とデューティを指示するものであり、
    前記タイマは、前記クロック回路から入力された前記クロック信号をカウントすることで、前記CPUから指示された前記周期と前記デューティを持つ前記制御パルスを出力するものであることを特徴とするスイッチング電源装置。
  8. 請求項1,2,4,5又は6の何れかに記載のスイッチング電源装置に於いて、
    前記電力変換部の出力電流が前記過電流保護動作しきい値とは異なる所定の間欠動作しきい値になると、前記スイッチング素子を所定の時間停止して前記出力電流を間欠的に出力させることを特徴とするスイッチング電源装置。
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