JP6714519B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

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本発明は、入力電圧を所望の電圧に変換し電子機器に供給するためのスイッチング電源装置に関し、特に、負荷短絡や過負荷状態で大電流が出力されないように制御する過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置に関する。
従来、スイッチング電源装置は、出力側に接続された負荷が短絡等の異常状態になった場合に大電流が出力されることで発熱、発火等の事故を発生させる可能性があり、大電流が出力されると、スイッチング電源装置自身も故障を引き起こすため、これらの不具合を解消するために、過電流保護制御部を内蔵することで、大電流が出力されないような制御が行われているスイッチング電源装置が一般的である。
このような過電流保護制御部を備えたスイッチング電源装置は、例えば特許文献1の図6に開示されている。
特許文献1の図6に開示された従来のスイッチング電源装置は、スイッチング素子を所定のスイッチング周波数でオンオフする制御が行われ、スイッチング素子のオンデューティを所定の値に制御することで、出力電圧が所定の値になるように制御が行われている。
また、従来のスイッチング電源装置は、スイッチング素子がオンの時に流れる電流を検出し、スイッチング素子に流れる電流が所定の値以上になると、次のスイッチング周期まで、スイッチング素子をオフさせる制御を行う。これにより、スイッチング電源装置から所定の値以上の電流を出力させようとすると、スイッチング素子のオンデューティが狭くなるように制御されることになり、出力電圧を低下させる制御が行われることで出力電流が制限されて大電流が流れることがなくなる過電流保護動作が行われる。
ここで、従来のスイッチング電源装置の過電流保護動作は、図9に示すように、出力電流Ioが所定の値を超えて出力電圧Voが低下すると、出力電圧Voが低下するに従って出力電流Ioが大きくなる所謂「への字」型の垂下特性となっている。この「への字」型の垂下特性は、スイッチング素子に流れる電流を検出する回路に設けられた低域通過型フィルタ(ローパスフィルタ)の遅れ時間による。
図10は、図9の垂下特性をもつ過電流保護制御部を備えたスイッチング電源装置の一例を示した回路ブロック図であり、過電流保護動作において「への字」型の垂下特性となる原因を説明すると次のようになる。
図10に示すように、スイッチング電源装置は、電力変換部10、出力電圧検出回路16、フィードバック制御部18、スイッチング素子制御信号生成部20、過電流保護制御部22、出力電圧制御用基準電圧源24から構成される。
[回路構成と動作]
電力変換部10は、スイッチング素子TR1を備えており、スイッチング素子TR1のオンオフにより、入力電源12からの入力電圧Vinを断続電圧に変換し、これを整流平滑することで出力電圧Voに変換する電源回路である。図10では、電力変換部10を、1次巻線N1と2次巻線N2をもつトランスT1、整流素子D1,D2、平滑用の出力チョークL1と出力コンデンサC1を備えた絶縁型のシングルエンデッドフォワードコンバータ回路としている。
スイッチング素子TR1のオンオフは、スイッチング素子制御信号生成部20からスイッチング素子TR1へ出力するスイッチング素子制御信号VGSで制御される。スイッチング素子制御信号VGSは所定の周波数とデューティを持つ信号であり、スイッチング素子TR1のオンデューティによって出力電圧Voが制御される。具体的には、オンデューティが広くなると出力電圧Voが上昇し、オンデューティが狭くなると出力電圧Voが低下するように制御が行われる。
フィードバック制御部18は、スイッチング素子制御信号生成部20へフィードバック信号VFBを出力することで、スイッチング電源装置の出力電圧Voを所定の値に制御する。
フィードバック制御部18は、誤差アンプ25を備えており、誤差アンプ25には、出力電圧検出回路16からの出力電圧Voに比例した電圧信号である出力電圧比例信号Vsensと出力電圧制御用基準電圧源24からの出力電圧制御用基準電圧Vref1が入力され、出力電圧比例信号Vsensと出力電圧制御用基準電圧Vref1を比較した結果に基づいてフィードバック信号VFBを制御する。この場合、Vsens>Vref1のときフィードバック信号VFBが低下し、Vsens<Vref1のときフィードバック信号VFBが上昇するように制御される。
この動作により、スイッチング電源装置の出力電圧Voが出力電圧制御用基準電圧Vref1で規定される所定の電圧よりも上昇しようとした場合、出力電圧Voが低下するようにフィードバック信号VFBが低下することでスイッチング素子TR1のオンデューティが狭くなるように制御される。
また、スイッチング電源装置の出力電圧Voが出力電圧制御用基準電圧Vref1で規定される所定の電圧よりも低下しようとした場合、出力電圧Voが上昇するようにフィードバック信号VFBが上昇することでスイッチング素子TR1のオンデューティが広くなるように制御される。
スイッチング素子制御信号生成部20は、フィードバック制御部18が出力するフィードバック信号VFBと過電流保護制御部22が出力する過電流保護動作信号Vocpが入力され、スイッチング素子TR1にスイッチング素子制御信号VGSを出力することでスイッチング素子TR1のオンオフを制御する。
スイッチング素子制御信号生成部20は、三角波生成回路26、スイッチング周波数制御用発振回路28、PWMコンパレータ30、スイッチング素子強制停止回路32で構成される。
三角波生成回路26は、所定の周波数と所定の振幅を持つ三角波信号Vtriを生成する回路であり、電流源34、コンデンサC21、トランジスタTR21で構成している。コンデンサC21は、電流源34が出力する電流で充電が行われることで電圧が上昇し、トランジスタTR21がオンすることで放電が行われることで電圧が低下する。スイッチング周波数制御用発振回路28は所定の周波数で短い電圧パルスVfswを出力する発振回路である。
トランジスタTR21はスイッチング周波数制御用発振回路28によって駆動されることで所定の周波数で短時間だけオンする動作となる。従って、トランジスタTR21は所定の周波数でコンデンサC21を短時間だけ放電する動作となる。コンデンサC21は、所定の周波数で充電と放電が繰り返されることで三角波状の電圧が発生する。コンデンサC21の電圧を三角波信号VtriとしてPWMコンパレータ30へ出力する。
PWMコンパレータ30は、三角波生成回路26からの三角波信号Vtriおよびフィードバック制御部18からのフィードバック信号VFBが入力され、三角波信号Vtriとフィードバック信号VFBを比較した結果に基づいてPWM信号Vpwmを生成する。
PWMコンパレータ30からのPWM信号Vpwmは、Vtri<VFBのとき、スイッチング素子TR1がオンするようにPWM信号VpwmがHレベルとなり、Vtri>VFBのときスイッチング素子TR1がオフするようにPWM信号VpwmがLレベルとなる。この動作により、スイッチング周波数制御用発振回路28で決定される所定の周波数によってスイッチング素子TR1のスイッチング周波数が決定され、また、フィードバック信号VFBの高低でスイッチング素子TR1のオンデューティが制御される。
スイッチング素子強制停止回路32は、過電流保護制御部22が出力する過電流保護動作信号VocpおよびPWMコンパレータ30が出力するPWM信号Vpwmが入力され、スイッチング素子制御信号VGSが出力される。
スイッチング素子強制停止回路32は、RSフリップフロップ36およびアンドゲート38で構成されている。RSフリップフロップ36は、入力であるS端子(セット端子)にHレベルの信号が入力されると出力であるQ端子がHレベルに変化すると同時に出力であるQB端子がLレベルに変化し、S端子にHレベルの信号が入力されなくなってもQ端子およびQB端子の信号レベルが保持される動作を行う。
また、入力であるR端子(リセット端子)にHレベルの信号が入力されると出力であるQB端子がHレベルに変化すると同時にQ端子がLレベルに変化し、R端子にHレベルの信号が入力されなくなってもQB端子およびQ端子の信号レベルが保持される動作を行う。
RSフリップフロップ36は、S端子に過電流保護動作信号Vocpが入力され、R端子にスイッチング周波数制御用発振回路28が出力する短い電圧パルスVfswが入力されている。RSフリップフロップ36のQB端子がアンドゲート38の一方の入力端子に接続され、PWMコンパレータ30の出力がアンドゲート38の他方の入力端子に接続され、アンドゲート38の出力端子からスイッチング素子制御信号VGSが出力される。
これにより、定常動作中は、PWM信号Vpwmがスイッチング素子制御信号VGSとして出力され、過電流保護動作信号Vocpが入力されると、その瞬間から、スイッチング周期の1周期分だけ、PWM信号Vpwmの状態によらずスイッチング素子TR1がオフする動作となる。
過電流保護制御部22は、電流電圧変換部40、ローパスフィルタ部42、OCPコンパレータ44及び過電流しきい値制御用電圧源46を備えており、スイッチング素子TR1を流れる電流が所定の過電流しきい値になると動作する。電流電圧変換部40は、抵抗R1を用いており、スイッチング素子TR1に流れる電流を電圧信号Vis1に変換し、ローパスフィルタ部42へ出力する。
ローパスフィルタ部42は、抵抗R11とコンデンサC11を用いており、電流電圧変換部40が出力する電圧信号Vis1の高周波成分を除去し電圧信号Vis2としてOCPコンパレータ44へ出力している。OCPコンパレータ44には、過電流しきい値制御用電圧源46が接続されており、電圧信号Vis2が過電流しきい値制御用電圧源46の出力する過電流保護しきい値電圧Vproよりも大きくなると、過電流保護動作信号Vocpが出力される。
[過電流保護時の動作]
図11は図10のスイッチング電源装置における各部の波形を示したタイムチャートであり、期間Aはスイッチング電源装置の出力電流が定格内であり過電流保護機能が動作していない状態、期間B及び期間Cはスイッチング電源装置の出力電流が過電流保護しきい値となり過電流保護機能が動作した状態を示す。
ここで、図11(A)は出力電流Ioを示し、図11(B)は出力電圧Voを示し、図11(C)はスイッチング周波数制御用発振回路28が出力する短い電圧パルスVfswを示し、図11(D)はPWMコンパレータ30の入力を示し、図11(E)はPWMコンパレータ30の出力を示し、図11(F)はローパスフィルタ部42の入力を示し、図11(G)はOCPコンパレータ44の入力を示し、図11(H)はOCPコンパレータ44の出力である過電流保護動作信号Vocpを示し、図11(I)はRSフリップフロップ36のQB端子出力を示し、図11(J)はスイッチング素子制御信号VGSを示している。
図11の期間Aでは、スイッチング電源装置の出力電流Ioは定格電流以下だが、スイッチング素子TR1がオンした直後に流れるサージ電流によって、図11(F)に示す電流電圧変換部40からの電圧信号Vis1にサージ電圧が発生しており、サージ電圧が過電流保護しきい値電圧Vproよりも大きな値となっている。
電圧信号Vis1は過電流保護しきい値電圧Vproよりも大きな値になり、電圧信号Vis1をOCPコンパレータ44に直接入力すると定格電流以下で過電流保護動作が行われてしまうことになることから、ローパスフィルタ部42でサージ電圧が除去された電圧信号Vis2がOCPコンパレータ44に入力され、このため定格電流以下では過電流保護動作が発生することがない。ところで、ローパスフィルタ部42の周波数特性が適切に設定されていない場合は過電流保護制御部22が誤動作し、スイッチング電源装置は定格電流を出力できないことになる。
図11の期間Bでは、スイッチング電源装置の負荷14が電流を要求している状態(負荷のインピーダンスが小さくなっている状態)であり、出力電流Ioが所定の過電流しきい値と一致して図9に示した出力電圧Voの垂下が始まった状態である。このとき、出力電圧Voは過電流保護動作によって垂下させられるため、Vsens<Vref1となり、フィードバック制御部18は図11(D)に示すようにフィードバック信号VFBを上昇させるため、VFB>Vtriとなり、図11(E)に示すPWM信号VpwmはHレベル期間が長くなる動作となる。
期間Bでは、スイッチング素子TR1のオンしている間に、図11(G)に示すように、電圧信号Vis2が過電流保護しきい値電圧Vproに達するため、OCPコンパレータ44が動作して過電流保護動作信号VocpがHレベルとなる。
過電流保護動作信号VocpがHレベルになると、図11(I)に示すように、スイッチング素子強制停止回路32内のRSフリップフロップ36がセットされてQB端子がLレベルとなることで、図11(J)に示すように、スイッチング素子制御信号VGSがLレベルとなる。スイッチング素子制御信号VGSがLレベルになると、スイッチング素子TR1がオフするため、スイッチング素子TR1を流れる電流が停止して電圧信号Vis1および電圧信号Vis2が低下する。
電圧信号Vis2が過電流保護しきい値電圧Vpro以下になるため、過電流保護動作信号VocpはHレベルからLレベルに戻るが、RSフリップフロップ36の働きによりQB端子はLレベルを維持する。この状態は、スイッチング周波数制御用発振回路28が出力する短い電圧パルスVfswがRSフリップフロップ36のR端子に入力されることでQB端子がHレベルに戻るまで継続する。
QB端子がLレベルを維持している期間はPWM信号Vpwmの値によらずスイッチング素子制御信号VGSはLレベルとなる。従って、次のスイッチング周期まではスイッチング素子TR1のオフが維持されることで、スイッチング素子TR1のオンデューティが制御される。
図11の期間Cでは、スイッチング電源装置の負荷14が期間Bよりもさらに電流を要求した状態である。スイッチング電源装置は出力電流Ioを増加させないように、過電流保護動作によってスイッチング素子TR1のオンデューティが狭くなるような制御が行われ、出力電圧Voが更に垂下する動作となるが、図9に示すように「への字」型の特性となるため、出力電圧Voが垂下するに従って出力電流Ioが増加する。これは、ローパスフィルタ部42の影響によるものである。
期間Cでは、図11(F)に示すように、スイッチング素子TR1を流れる電流に比例した電圧信号Vis1が過電流保護しきい値電圧Vproよりも大きな値となっている。OCPコンパレータ44に入力する電圧信号Vis2は、図11(G)に示すように、電圧上昇の立ち上がりの傾きがローパスフィルタ部42の影響により緩やかになっており、過電流保護しきい値電圧Vproに達するまでの時間に遅れが生じる。
OCPコンパレータ44は、電圧信号Vis2が過電流保護しきい値電圧Vproに達するまでは、スイッチング素子TR1をオフすることができないため、スイッチング電源装置の出力電流Ioは、過電流保護しきい値よりも大きくなる動作となる。これは、スイッチング素子TR1のオンデューティが狭いほど電圧信号Vis2の傾きによる時間遅れの寄与率が大きくなり、出力電圧Voが垂下するほどスイッチング電源装置の出力電流Ioが増加して、「への字」型の特性となる。
特開2002−300777号公報
このように図10に示したスイッチング電源装置の過電流保護動作は、図9に示したように、出力電流が所定の過電流しきい値を超えた場合に出力電圧Voが垂下するに従って出力電流Ioが大きくなる「への字」型の特性となっている。
この特性を持つスイッチング電源装置の出力が短絡されると大電流が出力されることになる。この時、短時間ではスイッチング電源装置が故障することはないが、出力電流が流れる経路の部品となる整流素子D1,D2、出力チョークL1等には定常時と比較して大きな損失が発生した状態となることで発熱が生じることになり、いずれは故障してしまう。
このような過電流保護動作による「への字」型の特性は、過電流保護制御部22に設けたローパスフィルタ部42の影響によるものであり、この特性を改善しようとすると、ローパスフィルタ部42の特性を高域の信号が通過できるように設定しなければならないが、スイッチング素子TR1がオンした直後のサージ電流に対して過電流保護制御部22が動作する可能性が高くなり、誤動作しやすいスイッチング電源装置となってしまう。
特許文献1では、この問題を解決するために、過電流状態においてスイッチング電源装置のスイッチング周波数が遅くなるような制御を導入している(特許文献1の図1、図2)。スイッチング周波数を遅くすることで制御回路や低域通過の垂下特性を出力電圧が低下しても出力電流が大きくならない制御とする。これにより、出力短絡時でも、出力電流が流れる経路の部品となる整流素子、出力チョーク等には定常時と同じ電流が流れるため、発熱による故障を防ぐことができる。
しかしながら、過電流保護動作時の発熱による故障の問題は、過電流状態においてスイッチング電源装置のスイッチング周波数が遅くなるような制御とすることで解消れるが、スイッチング周波数を低下させると、図10の出力チョークL1と出力コンデンサC1で構成された出力フィルタ回路部の減衰量が小さくなるため、出力電圧垂下時の出力リップルが増大する欠点がある。
これを解決するためには、出力フィルタ回路部を低い周波数に対応させた大型の部品に変更する等の対策が必要となるが、スイッチング電源装置の大型化、高コスト化を招く問題がある。また、過電流保護動作時にスイッチング周波数を低下させるための部品点数が増加するため、スイッチング電源装置の大型化、高コスト化を招く問題もある。
本発明は、負荷短絡や過負荷状態等により出力電流が大きく増加した場合に、初期段階で高速に電流制限を行うと共に、続いて出力電圧が低下しても出力電流を増加させることなく電流保護値に正確に制御する電流制限を行うことで、小型化と低コスト化を可能とするスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
(第1発明のスイッチング電源装置)
本発明は、電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧が等しくなるようにフィードバック信号を制御するものであり、
スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、
過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、
演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
制御パルス平滑部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部の出力に接続されており、演算部から入力された制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成し、制御パルス平滑電圧によってフィードバック信号を変化させるものであり、
演算部は、更に、スイッチング電源装置が過負荷状態になると、制御パルスを制御することでフィードバック信号を変化させて、出力電流を制限することを特徴とする。
(第2発明のスイッチング電源装置)
本発明の別の形態にあっては、電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧が等しくなるようにフィードバック信号を制御するものであり、
スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、
過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、
演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
制御パルス平滑部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部の出力電圧制御用基準電圧源の出力に接続されており、演算部から入力された制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成し、制御パルス平滑電圧によって出力電圧制御用基準電圧を変化させるものであり、
演算部は、更に、スイッチング電源装置が過負荷状態になると、制御パルスを制御することで出力電圧制御用基準電圧を変化させて、出力電流を制限することを特徴とする。
(第3発明のスイッチング電源装置)
本発明の他の形態にあっては、電力変換部、フィードバック制御部、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と制御パルス平滑部が出力する制御パルス平滑電圧が入力され、出力電圧比例信号と制御パルス平滑電圧が等しくなるようにフィードバック信号を制御するものであり、
スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、
過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、
演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
制御パルス平滑部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部に入力され、演算部から入力された制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成するものであり、
演算部は、更に、スイッチング電源装置が過負荷状態になると、制御パルスを制御することで制御パルス平滑電圧を出力電圧制御用基準電圧として変化させて、出力電流を制限することを特徴とする。
(演算部)
演算部は、ADコンバータ、クロック回路、CPU及びタイマで構成されており、
ADコンバータは、スイッチング電源装置の前記出力電流情報が与えられており、
クロック回路は、CPU及びタイマに動作タイミングの基準となるクロック信号を出力する回路であり、
CPUは、予め与えられている演算用のプログラムを実行することで、ADコンバータから出力電流値を取得し、演算用のプログラムに従ってタイマに対して周期とデューティを指示する機能を備えたものであり、
タイマは、クロック回路から入力されたクロック信号をカウントすることで、CPUから指示された周期とデューティを持つ制御パルスを出力する。
(過電流保護動作の動的保護値と静的保護値)
過電流保護制御部が動作する電流値(動的保護値Idyn)は、演算部が電流を制限する電流値(静的保護値Ista)より大きい値に設定される。
(過電流保護制御部)
過電流保護制御部は、
スイッチング素子に流れる電流を検出して電圧信号に変換する電流電圧変換部と、
電流電圧変換部から出力された電圧信号の高周波成分を除去した電圧信号を出力するローパスフィルタ部と、
を備え、ローパスフィルタ部から出力された電圧信号と所定の過電流しきい値制御用電圧を比較して過電流保護動作を行う。
を備える。
(第1発明のスイッチング電源装置による効果)
本発明は、電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧が等しくなるようにフィードバック信号を制御するものであり、スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、制御パルス平滑部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部の出力に接続されており、演算部から入力された制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成し、制御パルス平滑電圧によってフィードバック信号を変化させるものであり、演算部は、更に、スイッチング電源装置が過負荷状態になると、制御パルスを制御することでフィードバック信号を変化させて、出力電流を制限するようにしたため、過電流保護制御部は、出力電圧の垂下特性が出力電圧の低下に対し出力電流が増加する所謂「への字」型の垂下特性となり、過電流保護動作により出力電圧が低下すると大電流が流れるが、出力短絡等に対しては即座に応答することができ、一方、デジタルプロセッサ等を用いた演算部は安価なものは処理速度が低速であるため、過電流保護制御部と比べると、出力電流に対して出力電圧を即座に応答させることができないが、過負荷状態で出力電流が増加した場合に、出力電圧の垂下に対し出力電流を増加させることなく所定の電流保護値に正確に制御する高精度な電流制限動作を行うことができ、出力電流が流れる経路の部品となる出力フィルタ回路部の設けられた整流素子や出力チョーク等の発熱による損耗や破壊を確実に防止可能とする。
即ち、過電流保護制御部が動作した初期は、「への字」型の垂下特性であるが電流制限動作が即座に機能することで、大電流が流れることを防ぎ、続いて、演算部により出力電圧の垂下に対し出力電流を所定の電流に正確に制御する高精度な電流制限動作が行われることで、出力電圧が低下しても出力電流は増加せず、出力電流が流れる経路の部品の発熱による損耗や破壊を確実に防止可能とする。
また、電流制限動作は、出力電圧制御用基準電圧を制御することで行うため、従来のようにスイッチング周波数を変更する必要がなく、出力電圧垂下時の出力リップルが増大するといったことがなく、出力フィルタ回路を大型化する必要がないため、小型、低コストで正確な電流制限を行うことが可能なスイッチング電源装置を作ることができる。
(第2発明のスイッチング電源装置に特有な効果)
本発明の別の形態にあっては、電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、出力電圧比例信号と出力電圧制御用基準電圧が等しくなるようにフィードバック信号を制御するものであり、スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、制御パルス平滑部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部の出力電圧制御用基準電圧源の出力に接続されており、演算部から入力された制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成し、制御パルス平滑電圧によって出力電圧制御用基準電圧を変化させるものであり、演算部は、更に、スイッチング電源装置が過負荷状態になると、制御パルスを制御することで出力電圧制御用基準電圧を変化させて、出力電流を制限するようにしたため、前述した第1発明のスイッチング電源装置としての効果に加え、フィードバック制御部とスイッチング素子制御信号生成部との間にアイソレーション回路を設けてスイッチング電源装置を入力側と出力側に絶縁分離した場合、演算部及び制御パルス平滑部を出力側に配置して制御パルスを制御することで出力電圧制御用基準電圧を変化させて、出力電圧の垂下に対し出力電流を所定の電流に正確に制御する高精度な電流制限動作を可能とする。
(第3発明のスイッチング電源装置に特有な効果)
本発明の他の形態にあっては、電力変換部、フィードバック制御部、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、電力変換部は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、フィードバック制御部は、スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と制御パルス平滑部が出力する制御パルス平滑電圧が入力され、出力電圧比例信号と制御パルス平滑電圧が等しくなるようにフィードバック信号を制御するものであり、スイッチング素子制御信号生成部は、フィードバック制御部が出力するフィードバック信号と過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応してスイッチング素子制御信号を出力するものであり、過電流保護制御部は、スイッチング素子を流れる電流が所定の値になると、スイッチング素子制御信号生成部へ過電流保護動作信号を出力するものであり、演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、制御パルス平滑部は、演算部が出力する制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部の入力に接続され、演算部から入力された制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成するものであり、演算部は、更に、スイッチング電源装置が過負荷状態になると、制御パルスを制御することで制御パルス平滑電圧を出力電圧制御用基準電圧として変化させて、出力電流を制限するようにしたため、前述した第1発明の効果に加え、フィードバック制御部に出力電圧制御用基準電圧源を設ける必要がなくなり、部品点数の低減により低コスト化と小型化が実現できる。
(演算部による効果)
また、第1発明乃至第3発明の演算部は、ADコンバータ、クロック回路、CPU及びタイマで構成されており、ADコンバータは、スイッチング電源装置の前記出力電流情報が与えられており、クロック回路は、CPU及びタイマに動作タイミングの基準となるクロック信号を出力する回路であり、CPUは、予め与えられている演算用のプログラムを実行することで、ADコンバータから出力電流値を取得し、演算用のプログラムに従ってタイマに対して周期とデューティを指示する機能を備えたものであり、タイマは、クロック回路から入力されたクロック信号をカウントすることで、CPUから指示された周期とデューティを持つ制御パルスを出力するようにしたため、ADコンバータ、クロック回路、CPU及びタイマを備えた低速のデジタルプロセッサを使用することができ、コストの低減と装置の小型化を実現可能とする。
(過電流保護動作の動的保護値と静的保護値による効果)
また、過電流保護制御部が動作する電流値(動的保護値Idyn)は、演算部が電流を制限する電流値(静的保護値Ista)より大きい値に設定されたため、負荷短絡状態や過負荷状態により増加した出力電流は、最初、過電流保護制御部による電流制限が行われることで大電流に対し高速に過電流保護動作が行われ、続いて、演算部による正確な過電流保護動作が行われ、出力電圧の垂下に対し出力電流を増加させないことで、発熱の問題を確実に解消可能とする。
また、演算部が電流を制限する電流値(静的保護値Ista)が、過電流保護制御部が動作する電流値(動的保護値Idyn)より小さいため、過電流保護制御部の過電流保護動作に影響されることなく、演算部による正確な過電流保護動作を行うことができる。
(過電流保護制御部の効果)
また、過電流保護制御部は、スイッチング素子に流れる電流を検出して電圧信号に変換する電流電圧変換部と、電流電圧変換部から出力された電圧信号の高周波成分を除去した電圧信号を出力するローパスフィルタ部を備え、ローパスフィルタ部から出力された電圧信号と所定の過電流しきい値制御用電圧を比較して過電流保護動作を行うようにしたため、従来の過電流保護制御部を用いることができ、スイッチング電源装置の低コスト化を実現可能とする。
本発明によるスイッチング電源装置の第1実施形態を示した回路ブロック図 図1の演算部における各部の波形を示したタイムチャート 図1のスイッチング電源装置の電流制限動作による出力電流の動的特性を示したタイムチャート 図1のスイッチング電源装置の過電流保護動作における出力電圧と出力電流の垂下特性を示した説明図 図1の演算部に設けたCPUによる電流制限の演算制御を示したフローチャート 本発明によるスイッチング電源装置の第2実施形態を示した回路ブロック図 本発明によるスイッチング電源装置の第3実施形態を示した回路ブロック図 本発明のスイッチング電源装置により充電されるリチウムイオン電池の充電特性を示したタイムチャート 従来のスイッチング電源装置による過電流保護動作で得られる「への字」型となる出力電圧と出力電流の垂下特性を示した説明図 図9の垂下特性をもつ過電流保護制御部を備えたスイッチング電源装置の一例を示した回路ブロック図 図10のスイッチング電源装置における各部の波形を示したタイムチャート
[第1実施形態]
図1は本発明によるスイッチング電源装置の第1実施形態を示した回路ブロック図であり、本願の第1発明に対応する。
(第1実施形態の構成と動作)
図1に示すように、第1実施形態のスイッチング電源装置は、電力変換部10、出力電圧検出回路16、フィードバック制御部18、出力電圧制御用基準電圧源24、スイッチング素子制御信号生成部20、過電流保護制御部22、演算部48、及び制御パルス平滑部50から構成される。
本実施形態は、電力変換部10としてPWM制御(時比率変調制御)が行われるシングルエンディッドフォワードコンバータを示しているが、フライバックコンバータ、フルブリッジコンバータ、ハーフブリッジコンバータ、プッシュプルコンバータ等の絶縁型のコンバータや、降圧チョッパー、昇圧チョッパー、昇降圧チョッパー等の非絶縁型のコンバータとしても良い。また、PFM制御(周波数変調制御)が行われる自励式フライバックコンバータ、LLCコンバータ等を用いてもよい。
本実施形態は、図10に示したスイッチング電源装置のフィードバック制御部18の出力に、演算部48から出力される制御パルス信号Vctlpを平滑する制御パルス平滑部50の出力を接続しており、それ以外の構成及び動作は、図10に示した出力電圧検出回路16、フィードバック制御部18、出力電圧制御用基準電圧源24、スイッチング素子制御信号生成部20及び過電流保護制御部22と同じになることから、同一符号を付して、その説明は省略する。
(演算部の構成と動作)
図1に示すように、演算部48は、ADコンバータ52、CPU54、クロック回路56、及びタイマ58で構成されている。演算部48を構成するADコンバータ52、CPU54、クロック回路56、及びタイマ58は、全てがワンチップに集積されたデジタルプロセッサを用いることが望ましいが、別々の回路として構成しても良い。また、演算部48は低コストで低速のデジタルプロセッサを用いることができる。
ADコンバータ52には、スイッチング電源装置の出力電流情報が与えられている。出力電流情報は、スイッチング電源装置の出力電流(出力電流値)Ioを直接検出するものでも良いし、スイッチング電源装置の入力電流を検出し出力電流値に換算したものでも良いし、過電流保護制御部22の電流電圧変換部40からの信号を出力電流値に換算したものでも良い。
クロック回路56は、CPU54やタイマ58に動作タイミングの基準となるクロック信号Vckを出力する回路である。
CPU54は予め与えられている演算用のプログラムを実行することで、ADコンバータ52から出力電流情報を取得し、演算用のプログラムに従ってタイマ58に与える設定値R1、設定値R2を生成する制御を行う。CPU54は生成した設定値R1、R2をタイマ58のレジスタ60およびレジスタ62へ引き渡す。
タイマ58は、クロック回路56から入力されたクロック信号Vckをカウントし、レジスタ62の設定値R2で決められた周期とレジスタ60の設定値R1で決められたデューティを持つ制御パルスVctlpを出力する。
制御パルス平滑部50は、演算部48から出力された制御パルスVctlpを平滑し、直流電圧である制御パルス平滑電圧Vsmを出力する。制御パルス平滑部50は、抵抗R31、コンデンサC31及びPNP型のトランジスタTR31で構成され、抵抗R31およびコンデンサC31を用いて制御パルスVctlpを平滑する。
PNP型のトランジスタTR31はエミッタフォロア(電流増幅用のバッファ)として動作させており電圧増幅は行われない。また、PNP型のトランジスタTR31は、エミッタ端子に加わるフィードバック信号VFBとベース端子に加わる制御パルス平滑電圧Vsmとの間にVsm>VFBの関係があるとき、即ち、演算部48による電流制限動作が行われていない状態においてオフしており、制御パルス平滑部50を機能させないために用いられる。
これに対し演算部48による電流制限動作が行われると、Vsm<VFBの関係となり、PNP型のトランジスタTR31はエミッタフォロアとして動作し、制御パルス平滑電圧Vsmをフィードバック制御部18の出力に加えることで、制御パルス平滑部50を機能させ、フィードバック信号VFBが制御パルス平滑電圧Vsmになるように制御を行う。ここまで、トランジスタTR31のベース−エミッタ間の電圧降下はゼロとして説明を行ったが、ベース−エミッタ間に0.6ボルト程度の電圧降下を持つものを用いることもできる。この場合は、フィードバック信号VFBは制御パルス平滑電圧Vsmよりも0.6ボルト高い電圧に制御されることになる。
制御パルス平滑部50の出力段にPNP型のトランジスタTR31を用いているのは、フィードバック信号VFBを低下させることでスイッチング素子TR1のオンデューティを低下させるようにスイッチング電源装置が設計されているためであり、フィードバック信号VFBを上昇させることでスイッチング素子のオンデューティを低下させるようなスイッチング電源装置の設計を行った場合は、NPN型のトランジスタTR31を用いたエミッタフォロアで構成する。また、電流制限動作を行っていない場合に演算部48に設けたタイマ58の出力端子をハイインピーダンスに設定するように設計を行えば、トランジスタTR31は省略しても構わない。
(タイマ58の動作と制御パルス平滑電圧
図2は図1の演算部における各部の波形を示したタイムチャートである。図1に示した演算部48に設けたタイマ58の動作と制御パルス平滑部50から出力される制御パルス平滑電圧Vsmについて図2を基に説明すると次のようになる。
タイマ58は、レジスタ60、レジスタ62及びカウンタ64を備えており、図2(A)に示すクロック周期Tckを持つクロック信号Vckが入力され、図2(C)に示す制御パルスVctlpを出力する。演算部48で電流制限動作が行われると、CPU54から、設定値R1がレジスタ60へ与えられ、設定値R2がレジスタ62へ与えられる。
カウンタ64は、図2(B)に示すように、クロック信号Vckを1つカウントするとカウント値NCTを1だけ増加させる。カウント値NCTが増加し、カウント値NCTがレジスタ60の設定値R1と一致すると、制御パルスVctlpがHレベルからLレベルに変化する。図2(B)(C)では、レジスタ60の設定値R1=3000としており、NCT=3000のときに、制御パルスVctlpがLレベルとなる。
さらにカウント値NCTが増加し、カウント値NCTがレジスタ62の設定値R2と一致した次のタイミングで、カウント値NCTがリセットされてNCT=0となり、制御パルスVctlpをLレベルからHレベルに変化させる。図2(B)(C)では、レジスタ62の設定値R2=4999としており、NCT=4999までカウントされて次のクロック信号が入力されたタイミングで制御パルスVctlpをLレベルからHレベルに変化させると同時にNCT=0となる。
このようなタイマ58の動作により制御パルスVctlpは、
周期Tctl=クロック周期Tck×(レジスタ62の値+1)
デューティDctl=レジスタ60の値/(レジスタ62の値+1)
をもつ矩形波となる。
制御パルス平滑部50から出力される制御パルス平滑電圧Vsmは、制御パルスVctlpを平滑した電圧であるので、例えば、制御パルスVctlpのHレベルが5ボルト、Lレベルが0ボルトだとすると、図2(C)では、
Vctlp=5×(3000/5000)=3ボルト
の電圧が得られる。
レジスタ60の設定値R1およびレジスタ62の設定値R2で制御パルス平滑電圧Vsmの値が決定される。レジスタ62の設定値R2によって、レジスタ60の値が1だけ変化したときの制御パルス平滑電圧Vsmの変化量が決定される。スイッチング電源装置の出力電圧を制御する際には、通常はレジスタ62の設定値R2を固定値で用い、レジスタ60の設定値R1を変更することで制御パルス平滑電圧Vsmを所定の値に設定する。
制御パルス平滑電圧Vsmは制御パルスVctlpのデューティで制御できるため、レジスタ60の値が大きくなると制御パルス平滑電圧Vsmの電圧値が高くなり、レジスタ60の値が小さくなると制御パルス平滑電圧Vsmの電圧値が低くなる。
低速なタイマは低速で低コストのデジタルプロセッサにも一般的に内蔵されおり、本実施形態のように制御パルス平滑部50と組み合わせて用いれば、CPU54から制御可能な高分解能の電圧源を低コストで作ることができる。
なお、演算部48による電流制限機能が動作していない定常状態では、CPU54によりレジスタ60の値は設定値R3となっている。この設定値R3は定数で設定値R2以下であり、制御パルスVctlpのデューティが設定値R3で決められた値になった時の制御パルス平滑電圧Vsmがフィードバック信号VFBよりも大きくなるような値として予め設定されており、制御パルス平滑部50のトランジスタTR31を逆バイアスによりオフし、定常状態で制御パルス平滑部50を機能させないための制御パルス平滑電圧Vsmを出力させるための設定値となる。
(電流制限機能)
図3は図1のスイッチング電源装置の電流制限動作による出力電流の動的特性を示したタイムチャート、図4は図1のスイッチング電源装置の過電流保護動作における出力電圧と出力電流の垂下特性を示した説明図である。
図3の期間Aは負荷14のインピーダンスが高く出力電流Ioが低い状態であり、電流制限機能が動作していない状態である。
期間Bの最初で負荷14のインピーダンスが低下することで負荷14が大電流を要求する。このとき、スイッチング電源装置の過電流保護制御部22が動作し、図4の垂下特性70に示すように、過電流保護制御部22に対して設定されている電流制限値である動的保護値Idynに出力電流Ioが制限される。過電流保護制御部22は、スイッチング素子TR1の電流の増加に対して即座に応答し出力電流Ioを制限する。期間Bでは、演算部48に低速のデジタルプロセッサを用いているため演算部48による電流制限動作は行われないが、過電流保護制御部22が動作するためスイッチング電源装置は故障することが無い。
期間Cでは、スイッチング電源装置が過電流状態であることを演算部48が検知し、図4の垂下特性60に示すように、スイッチング電源装置の出力電流が演算部48に設定されている電流制限値である静的保護値Istaになるように出力電流Ioを制限する。
演算部48は低速のデジタルプロセッサを用いているため、スイッチング電源装置の出力電流Ioを静的保護値Istaに制御するまでは一定の時間を要するが、CPU54の演算で電流制限動作を行うことで出力電流Ioを正確に静的保護値Istaに制限することができる。演算部48が出力電流Ioを制限する動作は後述する。
本実施形態のスイッチング電源装置の電流制限動作における電圧-電流特性は、図4に示すように、電流制限動作の初期には、過電流保護制御部22のローパスフィルタ部42の遅れ時間により「への字」型となる動的な垂下特性70が現れる。その後、短時間で、演算部48の電流制限動作で出力電流が制御されるため、図4の静的な垂下特性60となる。
また、図4に示すように、演算部48が電流を制限する静的保護値Istaが、過電流保護制御部22が動作する動的保護値Idynより小さいため、過電流保護動作の初期には出力電流Ioが過電流しきい値制御用電圧Vproに対応した動的保護値Idynに達して過電流保護制御部22から過電流保護動作信号Vocpを出力させる過電流保護動作が即時に行われるが、その後、演算部48により静的動作値Istaに出力電流Ioを制限する電流制限動作が開始されると、出力電流Ioは動的保護値Idynを下回ることで、過電流保護制御部22が過電流保護動作信号Vocpの出力を停止し、過電流保護制御部22の過電流保護動作に影響されることなく、演算部48による正確な過電流保護動作を行うことができる。
(演算部による電流制限制御)
図5は図1の演算部に設けたCPUによる電流制限の演算制御を示したフローチャートである。
演算部48のCPU54では、図5の演算が実行される。演算部48は低速のデジタルプロセッサが用いられているため、例えば、100μsec毎に図5の演算が行われる。演算部48のCPU54による演算を、出力電流が定格内にあって電流制限機能が動作していない定常状態、負荷のインピーダンスが低下することで大電流が要求されて電流制限機能が動作する電流制限状態、及び、負荷のインピーダンスが回復して電流制限機能が解除された状態に分けて説明すると、次のようになる。
(電流制限機能が動作していない定常状態)
図5に示すように、ステップS1において、ADコンバータ52に入力されているスイッチング電源装置の出力電流情報を出力電流値IoとしてCPU54が取得する。図5の演算が一定時間毎に実行されることから、CPU54は、一定時間毎にスイッチング電源装置の出力電流値Ioを取得する。
続いてステップS2に進み、CPU54はステップS1で取得した出力電流値Ioと予め設定されている電流制限値(静的保護値)Istaを比較し、定常状態では、出力電流値Ioは電流制限値Istaより小さいことから、「出力電流値Io>電流制限値Ista」の条件が成立せず、ステップS3に進む。
ステップS3ではCPU54がステップS1で取得した出力電流値Ioと予め設定されている電流制限値Istaを比較し、「出力電流値Io≒電流制限値Ista」の条件が成立するか否か判別する。
ステップS3の比較にあっては、出力電流値IoはADコンバータ52の読み取り誤差やゆらぎがあるため、電流制限値Istaに対して数%の差分を許容して「出力電流値≒電流制限値」の条件が成立するか否か判定することで、制御の安定化を図る。
定常状態では、出力電流値Ioは電流制限値Istaに対し十分低いことから、ステップS3の「出力電流値Io≒電流制限値Ista」の条件が成立しないことが判定され、ステップS4に進む。
ステップS4では、CPU54は設定値R1と設定値R3を比較し、「設定値R1<設定値R3」の条件が成立するか否か判定する。ステップS4で比較に使用する設定値R3は、定数で設定値R2以下であり、制御パルスVctlpのデューティが設定値R3で決められた値になった時の制御パルス平滑電圧Vsmがフィードバック信号VFBよりも大きくなるような値として予め設定されている。
定常状態にあっては、「設定値R1=設定値R3」となっており、ステップS4の「設定値R1<設定値R3」の条件が成立しないことが判定され、演算終了となる。
このようなCPU54による定常状態でのステップS1,S2,S3,S4の処理は、一定時間毎に行われるので、「設定値R1=設定値R3」が維持され、制御パルス平滑電圧Vsmはフィードバック信号VFBよりも大きくなり、これにより制御パルス平滑部50のトランジスタTR31が逆バイアスによりオフし、定常状態で制御パルス平滑部50を機能させないようにし、演算部48による電流制限機能は解除されている。
(電流制限機能の動作状態)
スイッチング電源装置に接続されている負荷14のインピーダンスが低下し、スイッチング電源装置の出力電流が大きく増加した場合、演算部48のCPU54はステップS1でADコンバータ52に入力されている増加中の出力電流値Ioを取得してステップS2に進み、「出力電流値Io>電流制限値Ista」の条件が成立した場合はステップS5に進む。
ステップS5でCPU54は設定値R1を所定値、例えば1カウントだけ減少させ、次にステップS7に進んで設定値R1をレジスタ60に引き渡して演算を終了する。
このようなCPU54によるステップS1,S2,S5,S7の処理が一定時間毎に繰り返され、ステップS5で設定値R1が減少されるため、定常状態で「設定値R1=設定値R3」となっていたレジスタ60の値が減少し、制御パルス平滑電圧Vsmが低下する。
このようにして減少する制御パルス平滑電圧Vsmがフィードバック信号VFBに対しVsm<VFBとなると、トランジスタTR31の動作により制御パルス平滑部50が機能し、フィードバック信号VFBを低下させる動作となる。
フィードバック信号VFBが低下することでスイッチング素子TR1のオンデューティが狭くなりスイッチング電源装置の出力電圧Voが低下することで、出力電流Ioが減少する。
CPU54によるステップS1,S2,S5,S7の処理は、一定時間毎に行われるので、ステップS2で「出力電流値>電流制限値」の条件が成立している期間は設定値R1が減少するように制御が行われることになり出力電圧Voが低下する。
出力電圧Voの低下中に、CPU54がステップS3で「出力電流値≒電流制限値」の条件の成立を判定すると演算を終了し、その後、CPU54の処理はステップS1,S2,S3となるため、設定値R1が減少する動作が停止し、出力電圧Voを低下させる動作も停止する。この状態は、スイッチング電源装置の出力電流Ioが静的保護値Istaになっている電流制限機能の動作状態である。
(電流制限機能が解除された状態)
CPU54がステップS1,S2,S3の処理を繰り返している電流制限機能の動作状態で、負荷14のインピーダンスが元の正常な状態に回復すると、出力電流Ioが低下するため、CPU54はステップS2の「出力電流値>電流制限値」の条件が成立しなくなったことを判別してステップS3に進み、出力電流Ioは低下していることから、ステップS3の「出力電流値≒電流制限値」の条件の成立が判定しないことを判定してステップS4に進む。
このとき設定値R1は電流制限動作のために減少されていることから、ステップS4でCPU54は「設定値R1<設定値R3」の条件が成立したことを判定してステップS6に進み、設定値R1を所定値、例えば1カウント増加させ、次にステップS7に進み、増加させた設定値R1をレジスタ60に引き渡す。
このようなCPU54によるステップS1,S2,S3,S4,S6,S7の処理は一定時間毎に繰り返され、設定値R1を設定値R3に向けて増加させる動作となる。
また、CPU54によるステップS1,S2,S3,S4,S6,S7の処理を繰り返している期間は、レジスタ60の設定値R1が増加する制御が行われることになるので、制御パルス平滑電圧Vsmが上昇するためフィードバック信号VFBも上昇し、スイッチング素子TR1のオンデューティが広がることでスイッチング電源装置の出力電圧Voが上昇する。
そして、Vsm>VFBとなるとトランジスタTR31の逆バイアスによるオフで制御パルス平滑部50が機能しなくなり、演算部48による電流制限動作が解除された状態となる。
続いて、CPU54はステップS1,S2,S3,S4,S6,S7の処理を繰り返している間に、ステップS4の「設定値R1<設定値R3」の条件が成立しなくなることを判別すると、ステップS6,S7の処理をスキップしたステップS1,S2,S3,S4の処理となり、設定値R1を増加する処理が停止して「設定値R1=設定値R3」の状態となり、電流制限機能が動作していない定常状態の制御に戻る。
(設定値R1の変更)
図5の電流制限の演算制御にあっては、設定値R1を減少させることで電流制限動作を行っているが、これは、図1の実施形態が、フィードバック信号VFBを低下させることでスイッチング素子TR1のオンデューティを低下させるようにスイッチング電源装置が設計されているためであり、フィードバック信号VFBを上昇させることでスイッチング素子TR1のオンデューティを低下させるようなスイッチング電源装置では、設定値R1を増加させることで電流制限動作を行う動作を行うことになる。この場合、ステップS5が設定値R1を増加させる処理となり、ステップS6が設定値R1を減少させる処理となり、更に、ステップS4が「設定値R1>設定値R3」の条件の成立を判別する比較処理となる。
(第1実施形態のメリット)
図1の第1実施形態の過電流保護制御部22は、従来と同様に、スイッチング素子TR1のスイッチング周期内で動作することから、例えばスイッチング周期が10μsec(スイッチング周波数が100kHz)のスイッチング電源装置では、過電流保護制御部22は、1μsec以下で動作する。
これにより、負荷インピーダンスの急激な低下に対しても出力電流Ioを制限することが可能であるので、短時間ではスイッチング電源装置が故障することはない。ただし、過電流保護制御部22は、誤動作を防止するためのローパスフィルタ部42の設定を行うことで、正確な電流制限を行うことができない図4に示す垂下特性70を持つため、整流素子D1,D2や出力チョークL1に大きな損失が発生し、いずれは故障してしまう。これを補完するように、演算部48による電流制限動作を行うことで、図4に示す垂下特性60が得られ、正確な電流制限動作を行うことができる。
また、過電流保護制御部22は、正確性よりも高速で動作することを目的とした設計を行い、演算部48の電流制限動作は、高速性よりも電流制御が正確に行えることを目的とした設計を行うことで、故障することなく、正確に電流制限を行うことができるスイッチング電源装置を低コストで実現することができる。
また、電流制限動作は、フィードバック信号VFBを制御することで行うため、スイッチング周波数を変更する必要がなく、出力電圧垂下時の出力リップルが増大するといったことがなく、出力チョークL1や出力コンデンサC1を備えた出力フィルタ回路を大型化する必要がない。これにより、小型、低コストで正確な電流制限を行うことが可能なスイッチング電源装置を作ることができる。
[第2実施形態]
図6は本発明によるスイッチング電源装置の第2実施形態を示した回路ブロック図であり、本願の第2発明に対応する。
本実施形態と図1に示した第1実施形態との違いは、制御パルス平滑部50の出力をフィードバック制御部18の誤差アンプ25の入力側に接続されている出力電圧制御用基準電圧源24の出力に接続したことである。
図1の第1実施形態のスイッチング電源装置では、演算部48が電流制限動作を行う場合には、演算部48が制御パルス平滑部50からの制御パルス平滑電圧Vsmを低下させてフィードバック信号VFBを低下させる制御を行うことでスイッチング素子TR1のオンデューティを狭くしている。
これに対し、本実施形態のスイッチング電源装置では、演算部48が電流制限動作を行う場合には、演算部48が制御パルス平滑部50からの制御パルス平滑電圧Vsmを低下させて出力電圧制御用基準電圧Vrefを低下させる制御を行うことでスイッチング素子TR1のオンデューティを狭くする。その他の動作はすべて図1の第1実施形態と同じであり、得られるメリットも同じになる。
第1実施形態と第2実施形態のスイッチング電源装置の使い分けは以下のように考えればよい。
絶縁型のスイッチング電源装置を設計する場合、フィードバック制御部18の出力側にフォトカプラ等の絶縁素子を入れることで、スイッチング電源装置の出力側から入力側に絶縁されたフードバック信号VFBを伝送する。この構成では、絶縁型スイッチング電源装置の入力側には、フィードバック信号VFBが有るが出力電圧制御用基準電圧Vrefが無いことになり、スイッチング電源装置の出力側には、フィードバック信号VFBと出力電圧制御用基準電圧Vrefが有ることになる。
従って、演算部48を絶縁型スイッチング電源装置の入力側に配置する場合は、図1の第1実施形態のように制御パルス平滑部50の出力をフィードバック制御部18の出力に接続することになり、これに対し演算部48を出力側に配置する場合は、図1の第1実施形態と図6の第2実施形態のどちらを用いても良いことになる。
[第3実施形態]
図7は本発明によるスイッチング電源装置の第3実施形態を示した回路ブロック図であり、本願の第3発明に対応する。
本実施形態のスイッチング電源装置は、図6の第2実施形態のスイッチング電源装置から、出力電圧制御用基準電圧源24を削除し、スイッチング電源装置が過電流状態に無い定常状態にあるときに演算部48がレジスタ60に設定値R1として付与する設定値R3を、スイッチング電源装置が定常状態にあるときの出力電圧Voを出力できる値としたものである。
この場合は、フィードバック制御部18の誤差アンプ25の入力インピーダンスが十分に高いため、制御パルス平滑部50の出力側に設けられていた電流増幅用のバッファは不要となるので、トランジスタTR31は省略できる。
以下、第3実施形態の動作を第2実施例と比較して説明すると次のようになる。図6に示した第2実施形態では、電流制限動作が行われていない状態では、Vsm>Vrefとなり、制御パルス平滑部50は機能しない動作となっている。これに対し、第3実施形態では、図6の出力電圧制御用基準電圧源24を削除したため、電流制限動作が行われていない状態でも、スイッチング電源装置の出力電圧Voが制御パルス平滑電圧Vsmに比例した電圧で制御される動作となる。
電流制限動作が行われていない場合の演算部48の制御は、図6で示したように、「設定値R1=設定値R3」になるように制御が行われるため、制御パルス平滑電圧Vsmは設定値R3で決定される電圧値となる。従って、第3実施形態のスイッチング電源装置が定常状態(電流制限動作が行われていない状態)にあるときの出力電圧Voは設定値R3で決定することができる。
図7の第3実施形態のスイッチング電源装置は、図1の第1実施形態や図6の第2実施形態のスイッチング電源装置と比較して、さらに部品を低減しながら、同様の電流制限動作を実現し、また、電流制限動作が行われていない時のスイッチング電源装置の出力電圧Voを設定値R3で決定することができる機能を付加することができる。
[本発明の用途]
図8は本発明のスイッチング電源装置により充電されるリチウムイオン電池の充電特性を示したタイムチャートである。
本発明のスイッチング電源装置は、特別な回路を付加することなく、リチウムイオン電池等のバッテリの充電を直接行うことができるスイッチング電源装置を作ることができる。
例えばリチウムイオン電池を充電するためには、図8に示す電圧特性80及び電流特性90に従った充電を行うために、スイッチング電源装置の出力電圧を4.2ボルトとなるように設計し、また、静的保護値(電流制限値)Istaを800ミリアンペアとなるように演算部48を設定すれば良い。この設定を行ったスイッチング電源装置は、特別な回路を付加することなく、直接リチウムイオン電池に接続して充電を行うことができる。
スイッチング電源装置をリチウムイオン電池に接続すると、スイッチング電源装置の出力電圧(=電池の電圧)が4.2ボルトに達するまでは、800ミリアンペアの充電電流が流れる。スイッチング電源装置の出力電圧が4.2ボルトに達すると、この電圧を超えないように定電圧で制御が行われるようになり、時間とともに出力電流が低下し、図8の充電動作に対応した充電特性を作ることができる。
[本発明の変形例]
本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:電力変換部
12:入力電源
14:負荷
16:出力電圧検出回路
18:フィードバック制御部
20:スイッチング素子制御信号生成部
22:過電流保護制御部
24:出力電圧制御用基準電圧源
25:誤差アンプ
26:三角波生成回路
28:スイッチング周波数制御用発振回路
30:PWMコンパレータ
32:スイッチング素子強制停止回路
34:電流源
36:RSフリップフロップ
38:アンドゲート
40:電流電圧変換部
42:ローパスフィルタ部
44:OCPコンパレータ
46:過電流しきい値制御用電圧源
48:演算部
50:制御パルス平滑部
52:ADコンバータ
54:CPU
56:クロック回路
58:タイマ
60,62:レジスタ
64:カウンタ

Claims (6)

  1. 電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
    前記電力変換部は、スイッチング素子を備えており、前記スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、前記スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、前記断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
    前記フィードバック制御部は、前記スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、前記電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、前記出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、前記出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧が等しくなるように前記フィードバック信号を制御するものであり、
    前記スイッチング素子制御信号生成部は、前記フィードバック制御部が出力する前記フィードバック信号と前記過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応して前記スイッチング素子制御信号を出力するものであり、
    前記過電流保護制御部は、前記スイッチング素子を流れる電流が所定の値になると、前記スイッチング素子制御信号生成部へ前記過電流保護動作信号を出力するものであり、
    前記演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
    前記制御パルス平滑部は、前記演算部が出力する前記制御パルスが入力され、出力が前記フィードバック制御部の出力に接続されており、前記演算部から入力された前記制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成し、前記制御パルス平滑電圧によって前記フィードバック信号を変化させるものであり、
    前記演算部は、更に、スイッチング電源装置が過負荷状態になると、前記制御パルスを制御することで前記フィードバック信号を変化させて、出力電流を制限することを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 電力変換部、フィードバック制御部、出力電圧制御用基準電圧源、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
    前記電力変換部は、スイッチング素子を備えており、前記スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、前記スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、前記断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
    前記フィードバック制御部は、前記スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、前記電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、前記出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧源が出力する出力電圧制御用基準電圧が入力され、前記出力電圧比例信号と前記出力電圧制御用基準電圧が等しくなるように前記フィードバック信号を制御するものであり、
    前記スイッチング素子制御信号生成部は、前記フィードバック制御部が出力する前記フィードバック信号と前記過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応して前記スイッチング素子制御信号を出力するものであり、
    前記過電流保護制御部は、前記スイッチング素子を流れる電流が所定の値になると、前記スイッチング素子制御信号生成部へ前記過電流保護動作信号を出力するものであり、
    前記演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
    前記制御パルス平滑部は、前記演算部が出力する前記制御パルスが入力され、出力が前記フィードバック制御部の前記出力電圧制御用基準電圧源の出力に接続されており、前記演算部から入力された前記制御パルスを平滑することで制御パルス平滑電圧を生成し、前記制御パルス平滑電圧によって前記出力電圧制御用基準電圧を変化させるものであり、
    前記演算部は、更に、スイッチング電源装置が過負荷状態になると、前記制御パルスを制御することで前記出力電圧制御用基準電圧を変化させて、出力電流を制限することを特徴とするスイッチング電源装置。
  3. 電力変換部、フィードバック制御部、スイッチング素子制御信号生成部、過電流保護制御部、演算部、及び制御パルス平滑部から構成され、入力電圧を所定の出力電圧に変換するスイッチング電源装置であって、
    前記電力変換部は、スイッチング素子を備えており、前記スイッチング素子制御信号生成部が出力するスイッチング素子制御信号に従って、前記スイッチング素子をオンオフすることで、入力電圧を断続電圧に変換し、前記断続電圧を整流平滑することで出力電圧に変換するものであり、
    前記フィードバック制御部は、前記スイッチング素子制御信号生成部へフィードバック信号を出力することで、前記電力変換部の出力電圧を所定の値に制御する機能を備え、前記出力電圧に比例した電圧信号である出力電圧比例信号と前記制御パルス平滑部が出力する制御パルス平滑電圧が入力され、前記出力電圧比例信号と前記制御パルス平滑電圧が等しくなるように前記フィードバック信号を制御するものであり、
    前記スイッチング素子制御信号生成部は、前記フィードバック制御部が出力する前記フィードバック信号と前記過電流保護制御部が出力する過電流保護動作信号に対応して前記スイッチング素子制御信号を出力するものであり、
    前記過電流保護制御部は、前記スイッチング素子を流れる電流が所定の値になると、前記スイッチング素子制御信号生成部へ前記過電流保護動作信号を出力するものであり、
    前記演算部は、スイッチング電源装置の出力電流情報を取得し、所定の制御パルスを出力するものであり、
    前記制御パルス平滑部は、前記演算部が出力する前記制御パルスが入力され、出力がフィードバック制御部に入力され、前記演算部から入力された前記制御パルスを平滑することで前記制御パルス平滑電圧を生成するものであり、
    前記演算部は、更に、スイッチング電源装置が過負荷状態になると、前記制御パルスを制御することで前記制御パルス平滑電圧出力電圧制御用基準電圧として変化させて、出力電流を制限することを特徴とするスイッチング電源装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のスイッチング電源装置に於いて、
    前記演算部は、ADコンバータ、クロック回路、CPU及びタイマで構成されており、
    前記ADコンバータは、スイッチング電源装置の前記出力電流情報が与えられており、
    前記クロック回路は、前記CPU及び前記タイマに動作タイミングの基準となるクロック信号を出力する回路であり、
    前記CPUは、予め与えられている演算用のプログラムを実行することで、前記ADコンバータから出力電流値を取得し、前記演算用のプログラムに従って前記タイマに対して周期とデューティを指示する機能を備えたものであり、
    前記タイマは、前記クロック回路から入力された前記クロック信号をカウントすることで、前記CPUから指示された前記周期と前記デューティを持つ前記制御パルスを出力するものであることを特徴とするスイッチング電源装置。
  5. 請求項1乃至3の何れかに記載のスイッチング電源装置に於いて、
    前記過電流保護制御部が動作する電流値は、前記演算部が電流を制限する電流値より大きい 値に設定されたことを特徴とするスイッチング電源装置。
  6. 請求項1乃至3の何れかに記載のスイッチング電源装置に於いて、
    前記過電流保護制御部は、
    前記スイッチング素子に流れる電流を検出して電圧信号に変換する電流電圧変換部と、
    前記電流電圧変換部から出力された電圧信号の高周波成分を除去した電圧信号を出力するローパスフィルタ部と、
    を備え、前記ローパスフィルタ部から出力された電圧信号と所定の過電流しきい値制御用電圧を比較して前記過電流保護動作信号を出力する過電流保護動作を行うことを特徴とするスイッチング電源装置。
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