JP6761302B2 - 粒状凍結物製造装置及び粒状凍結物製造方法 - Google Patents
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特許文献1に開示された凍結装置においては、低温液化ガス供給部1に貯留された低温液化ガスCを、傾けて固定された樋2に流し、この低温液化ガスC中に被凍結物Aを滴下し、共に樋2を流下させることで凍結させて凍結物Bを製造し、下流側の分離部4で凍結物Bと低温液化ガスCとを分離している。このとき、分離部4で分離され、液回収容器5で回収された低温液化ガスCは、液溜8で貯留された後、エアリフトポンプ7で再び上流側の低温液化ガス供給部1に汲み上げられ、連続的に樋2に供給される。
また、低温液化ガスCをエアリフトポンプ7で高い位置に汲み上げるため、液溜8において低温液化ガスCをある程度大量に貯留する必要があった。
(9)上記(1)乃至(8)のいずれかに記載のものにおいて、前記貯槽は密閉構造であり、該密閉された前記貯槽内の圧力を一定に制御する圧力制御機構を有すること特徴とするものである。
本発明の実施の形態1に係る粒状凍結物製造装置100は、図1に示すように、低温液化ガスに投入された被凍結物を凍結させて粒状の凍結物を製造するものであって、下に凸の円錐部1を有して前記低温液化ガスを貯留する貯槽3と、貯槽3内の前記低温液化ガスを攪拌する攪拌機構5と、前記低温液化ガスに被凍結物である原料を滴下する原料滴下機構7と、前記低温液化ガス中で凍結した凍結物を抽出する凍結物抽出機構9と、低温液化ガスの液面高さを制御する液面制御機構11と、貯槽3内の圧力を制御する圧力制御機構13を備えたものである。
以下、上記の各構成について詳細に説明する。なお、本実施の形態1では低温液化ガスに液化窒素を用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。
貯槽3は、低温液化ガスを貯留するものであり、下に凸の円錐形状である円錐部1と、円錐部1の上部(円錐形状の底面)に連続する円筒部4を有している。
円錐部1の下端(円錐形状の頂点位置)は開口しており、円筒部4の上部は密閉された密閉構造である。なお、貯槽3の外周面は、保温材で覆われていることが望ましい。
攪拌機構5は、貯槽3に貯留された低温液化ガスに旋回流を形成する旋回流形成機構として設けられたものであり、貯槽3内の低温液化ガスに浸漬して円錐部1の中心軸回りに回転する第1羽根車15と、第1羽根車15を回転させるモーター17と、モーター17の動力を第1羽根車15に伝えるシャフト19からなるものである。
また、本実施の形態1では、第1羽根車15及びシャフト19の材質にはSUS304を用いたが、これに限定されるものではなく、原料及び低温液化ガスと反応しない材質であれば使用することができる。
原料滴下機構7は、貯槽3に貯留された低温液化ガスに被凍結物を投入する被凍結物投入機構として設けられたものであり、液体状態の原料が貯留された原料タンク21と、一端側が原料タンク21に接続して他端側が貯槽3内に設けられた原料供給配管23と、原料供給配管23に設けられた液滴製造装置25を有してなるものである。
また、液滴製造装置25は、原料供給配管23から滴下される液滴を製造するものであるが、液滴製造装置25において液滴を製造する方法は限定されることなく、様々な方法の中から適宜選択して用いることができる。
凍結物抽出機構9は、円錐部1の開口に接続し、貯槽3の低温液化ガスに投入された被凍結物が低温液化ガス中を沈降及び移動しながら凍結した凍結物を抽出するものであり、円錐部1の開口から下方に向けて延出するように設けられた抽出管27と、抽出管27の下部に接続して前記凍結物を抽出するスクリューコンベア29を有している。
凍結物移送管31は、一端側が抽出管27の下端に接続し、他端側が貯槽3に貯留された低温液化ガスの液面高さより上方に位置するように配設されたものであり、抽出管27を介して円錐部1の開口と連通している。そのため、凍結物移送管31の内部にも、低温液化ガスが貯留されている。
このように、凍結物抽出機構9は、凍結物と低温液化ガスとを効率よく分離することができる。
液面制御機構11は、補充用の低温液化ガスを貯留する低温液化ガスタンク41と、低温液化ガスタンク41から貯槽3に低温液化ガスを供給する低温液化ガス供給配管43と、低温液化ガス供給配管43に設けられた開閉弁45と、貯槽3に貯留された前記低温液化ガスの液面高さを測定する液面計47と、液面計47が測定した液面高さに基づいて開閉弁45を開閉制御する開閉弁制御部49とを備えてなるものである。
圧力制御機構13は、密閉された貯槽3内で気化した低温液化ガスの(気相)圧力を所定の設定値に保つために貯槽3に設置されたものであり、貯槽3に接続する放出管51と、放出管51に設けられて貯槽3内が予め設定された圧力以上のときに開弁する背圧弁53を備えている。
本実施の形態に係る粒状凍結物製造方法は、低温液化ガスに被凍結物を投入して粒状の凍結物を製造するものであって、下方に向かって縮径した縮径部を有する貯槽3に貯留した低温液化ガスに旋回流を形成する旋回流形成工程と、該旋回流が形成された低温液化ガスに被凍結物を投入する被凍結物投入工程と、該投入した被凍結物を前記低温液化ガス中で前記縮径部の上部から前記下端の開口に向かって沈降及び移動させながら凍結させる凍結工程と、該凍結した凍結物を前記縮径部の前記開口から抽出する凍結物抽出工程とを備えたものであり、例えば、図1に示す粒状凍結物製造装置100を用いることができる。
以下、粒状凍結物製造装置100に基づいて、本実施の形態に係る粒状凍結方法を詳細に説明する。
旋回流形成工程は、内周壁が曲面であり下方に向かって縮径して下端が開口した縮径部(図1における円錐部1に相当)を有する貯槽3に貯留した低温液化ガスを攪拌し、貯槽3に貯留した低温液化ガスに旋回流を形成する工程であり、粒状凍結物製造装置100においては、攪拌機構5のモーター17を起動して第1羽根車15を回転させることにより低温液化ガスを一定速度で攪拌し、旋回流を形成する。
被凍結物投入工程は、貯槽3内において旋回流が形成された低温液化ガスに被凍結物を投入する工程であり、被凍結物として原料を原料滴下機構7により滴下する。
滴下する原料としては、食品や医薬品などが挙げられる。また、滴下する位置としては、図2に示すように、原料供給配管23により円錐部1の中心からずれた位置が望ましく、滴下された液滴は低温液化ガス中を適した深度で沈降し、円錐部1の内周壁を螺旋状に移動させることができる。これにより、低温液化ガス中で凍結物同士が付着して、大きな塊となることが防止される。
凍結工程は、貯槽3の低温液化ガスに滴下した原料を前記低温液化ガス中で円錐部1の上部から下端の開口に向かって沈降及び移動させながら粒状に凍結させる工程である。
貯槽3の中心から離れた位置に滴下された原料の液滴は、低温液化ガスの旋回流に乗りながら沈降し円錐部1の内周壁に到達した後は、該内周壁上を螺旋状に移動する。そして、凍結物は、円錐部1の下端にある開口から排出され、抽出管27内を沈降する。
凍結物抽出工程は、凍結した凍結物を円錐部1の開口から抽出する工程であり、円錐部1の開口から排出されて抽出管27内を沈降した凍結物をスクリューコンベア29により抽出する。
ここで、円錐部1の内周壁に適した角度を設けることにより、円錐部1の内周壁を移動する凍結物は、途中で滞留することなく、固着や堆積を防止することができ、安定して粒状した凍結物を製造することができる。
本実施の形態2に係る粒状凍結物製造装置200は、図3に示すように、円錐部1における開口と上部とを連通した状態に連結する連結管55と、円錐部1の開口から連結管55を経て円錐部1の上部に至る液流れを形成する液流れ形成機構57を有するものである。
なお、図3に示す粒状凍結物製造装置200において、貯槽3、原料滴下機構7、凍結物抽出機構9、液面制御機構11、圧力制御機構13は、実施の形態1と同じものなので、以下、連結管55及び液流れ形成機構57について説明する。
連結管55は、円錐部1における開口と上部とを連通した状態に連結するものであり、図3に示すように、抽出管27の下部から分岐する分岐管部59と、分岐管部59の端部から上方に立ち上がる縦管部61と、縦管部61の上部から横方向に延出するように設けられて円錐部1に接続する横流路部63を有する。
また、連結管55への凍結物の流入を防ぐため、抽出管27と分岐管部59との間にはストレーナ65が設けられている。
液流れ形成機構57は、円錐部1の開口から連結管55を経て円錐部1の上部に至る液流れを形成するものであり、図3に示すように、縦管部61の上部と横流路部63の交差部に設けられた第2羽根車67と、第2羽根車67を回転させるモーター69と、モーター69の動力を第2羽根車67に伝えるシャフト71からなるものである。
横流路部63は、図3(b)に示すように上方から見ると、円錐部1の水平面において接線方向に延長するように配置されており、かつ、第2羽根車67は、縦管部61と横流路部63との交差部に位置している。そのため、第2羽根車67を回転させることにより横流路部63に流入した低温液化ガスは、円錐部1において接線方向に流入し、貯槽3の低温液化ガスに旋回流を形成する。
また、本実施の形態2では、第2羽根車67及びモーター69の材質としてSUS304を用いたが、これに限定されることではなく、低温液化ガスと反応しない材質であれば使用することができる。
そして、粒状凍結物製造装置300においては、攪拌機構5による円錐部1での低温液化ガスの旋回流形成と液流れ形成機構57による円錐部1での回流形成の双方をより効率よく行うことができる。
3 貯槽
4 円筒部
5 攪拌機構
7 原料滴下機構
9 凍結物抽出機構
11 液面制御機構
13 圧力制御機構
15 第1羽根車
17 モーター
19 シャフト
21 原料タンク
23 原料供給配管
25 液滴製造装置
27 抽出管
29 スクリューコンベア
31 凍結物移送管
33 スクリュー
35 モーター
37 排出口
39 回収容器
41 低温液化ガスタンク
43 低温液化ガス供給配管
45 開閉弁
47 液面計
49 開閉弁制御部
51 放出管
53 背圧弁
55 連結管
57 液流れ形成機構
59 分岐管部
61 縦管部
63 横流路部
65 ストレーナ
67 第2羽根車
69 モーター
71 シャフト
100 粒状凍結物製造装置
200 粒状凍結物製造装置
300 粒状凍結物製造装置
Claims (11)
- 低温液化ガスに投入された被凍結物を凍結させて粒状の凍結物を製造する粒状凍結物製造装置であって、
内周壁が曲面で下方に向かって縮径して下端が開口した縮径部を有し、前記低温液化ガスを貯留する貯槽と、
該貯槽内の低温液化ガスに旋回流を形成する旋回流形成機構と、
該旋回流が形成された低温液化ガスに前記被凍結物を投入する被凍結物投入機構と、
該投入された前記被凍結物が前記低温液化ガス中を沈降及び移動しながら凍結した凍結物を前記開口から抽出する凍結物抽出機構と、
前記縮径部における開口と上部とを連通した状態に連結する連結管と、
前記縮径部の前記開口から前記連結管を経て前記縮径部の上部に至る液流れを形成する液流れ形成機構とを有し、
前記液流れを形成することによって、前記縮径部と前記連結管との間に前記低温液化ガスの回流を形成するようにしたことを特徴とする粒状凍結物製造装置。 - 前記連結管は、上方に立ち上がる縦管部と、該縦管部の上部から横方向に延出するように設けられて前記縮径部に接続する横流路部を有し、
前記液流れ形成機構は、前記縦管部の上部と前記横流路部との交差部に設けられた第2羽根車からなり、
該第2羽根車を回転させることにより前記液流れを形成するとともに、前記横流路部を介して前記貯槽に低温液化ガスを噴出して旋回流を形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の粒状凍結物製造装置。 - 前記旋回流形成機構は、前記貯槽内の低温液化ガスに浸漬した第1羽根車を有し、該第1羽根車を回転させることにより、前記低温液化ガスに旋回流を形成するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の粒状凍結物製造装置。
- 前記旋回流形成機構は、前記貯槽において前記低温液化ガスを前記縮径部の接線方向に噴出することにより、前記低温液化ガスの旋回流を形成するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の粒状凍結物製造装置。
- 前記凍結物抽出機構は、前記縮径部の開口から下方に向けて延出するように設けられた抽出管と、該抽出管の下部に接続して前記凍結物を抽出するスクリューコンベアを有し、
該スクリューコンベアは、一端側が前記抽出管の下部に連通し、他端側が前記貯槽に貯留された前記低温液化ガスの液面よりも上方に位置するように配設された凍結物移送管と、該凍結物移送管に回転可能に配設されたスクリューとを備えてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の粒状凍結物製造装置。 - 前記貯槽に貯留された前記低温液化ガスの液面高さを制御する液面制御機構を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の粒状凍結物製造装置。
- 前記液面制御機構は、
補充用の低温液化ガスを貯留する低温液化ガスタンクと、
該低温液化ガスタンクから前記貯槽に低温液化ガスを供給する低温液化ガス供給配管と、
該低温液化ガス供給配管に設けられた開閉弁と、
前記貯槽に貯留された前記低温液化ガスの液面高さを測定する液面計と、
該液面計が測定した液面高さに基づいて前記開閉弁を開閉制御する開閉弁制御部と、を備えてなることを特徴とする請求項6に記載の粒状凍結物製造装置。 - 前記貯槽は密閉構造であり、
該密閉された前記貯槽内の圧力を一定に制御する圧力制御機構を有すること特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の粒状凍結物製造装置。 - 前記圧力制御機構は、前記貯槽に接続する放出管と、該放出管に設けられて前記貯槽内が予め設定された圧力以上のときに開弁する背圧弁を備えてなることを特徴とする請求項8に記載の粒状凍結物製造装置。
- 前記被凍結物投入機構は、前記貯槽に貯留された低温液化ガスに被凍結物として液体状の原料を滴下する原料滴下機構であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の粒状凍結物製造装置。
- 低温液化ガスに被凍結物を投入して粒状の凍結物を製造する粒状凍結物製造方法であって、
内周壁が曲面であり下方に向かって縮径して下端が開口した縮径部を有すると共に前記下端の開口と上部とが連通した貯槽に貯留した低温液化ガスを攪拌して、該低温液化ガスの下部から上部への回流を形成すると共に旋回流を形成する旋回流形成工程と、
該旋回流が形成された低温液化ガスに被凍結物を投入する被凍結物投入工程と、
該投入した被凍結物を前記低温液化ガス中で前記縮径部の上部から前記下端の開口に向かって沈降及び移動させながら凍結させる凍結工程と、
該凍結した凍結物を前記縮径部の前記開口から抽出する凍結物抽出工程と、を備えたことを特徴とする粒状凍結物製造方法。
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JP2016164463A JP6761302B2 (ja) | 2016-08-25 | 2016-08-25 | 粒状凍結物製造装置及び粒状凍結物製造方法 |
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