(第1の提案例) 図1ないし図5に、第1の提案例に係る美容器具を示す。なお、本提案例における前後、左右、上下とは、図中に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図1および図2において美容器具は、グリップを兼ねる縦長の本体ケース1と、本体ケース1の前面上部に配置される肌接触体2と、肌接触体2を加熱または冷却するペルチェユニット(熱源)3と、ペルチェユニット3などの駆動状態を制御する電装品ユニット4などで構成される。
肌接触体2は本体ケース1に対して着脱自在に設けてあり、ペルチェユニット3と電装品ユニット4は本体ケース1に組み込んである。ペルチェユニット3は肌接触体2の後方に配置してあり、本体ケース1の前面上部に形成した伝熱窓5からペルチェユニット3の前面が露出して、肌接触体2の後面に正対している。ペルチェユニット3は本体ケース1に対して前後移動可能に組み付けてあり、本体ケース1に組み込まれた上下一対のばね(弾性体)6で前方へ、すなわち肌接触体2へ向かって密着付勢してある。
電装品ユニット4は、本体ケース1の下部に収容された2個の電池9と制御基板10などで構成してあり、制御基板10の前面には上下一対のスイッチ11・12と、美容器具の運転状態を表示する表示部13などが実装してある。上側のスイッチ11は、電池9からペルチェユニット3等への駆動電流の供給をオンオフ操作するための電源スイッチであり、下側のスイッチ12は、美容器具の運転モードを切り替え操作するためのモード切替スイッチである。表示部13は、上下に並べて配置された4個のLEDで構成してある。両スイッチ11・12および表示部13はそれぞれ、本体ケース1の前面下部に形成された開口に臨んでおり、これら開口は、本体ケース1に外面側から貼着された薄い化粧シート14で覆われている。化粧シート14は、少なくとも表示部13に正対する部分が透光性を有している。
図2および図3に示すように、本体ケース1の前面上部には、肌接触体2が装着される正面視U字状の装着部17が突設してある。装着部17は、前面および上面が開口する装填溝18を備えており、この装填溝18に対して肌接触体2を上面開口から出し入れすることにより、肌接触体2を本体ケース1に着脱することができる。装填溝18の左右対向面には、上下方向に伸びる突条19がそれぞれ形成してあり、肌接触体2の左右側面には、突条19と係合する挿入溝20がそれぞれ形成してある。本体ケース1の前面の上端部には、肌接触体2を装着状態に維持するためのロック具21が設けてある。ロック具21は、本体ケース1に対して前後移動可能に組み付けられて、本体ケース1に組み込まれたばね22で前方へ移動付勢されている。
肌接触体2の挿入溝20の下端部に突条19の上端部を挿入し、肌接触体2を装填溝18の左右面に沿って下方にスライドさせると、肌接触体2を装着部17に装着することができる。この装着動作の際に、ロック具21およびペルチェユニット3は肌接触体2によって後方へ押される。ロック具21は、その前方を肌接触体2の全体が通り過ぎたところで、ばね22に付勢されて前方へ復帰し、肌接触体2の上縁部に形成された段部24に係合する。ロック具21と段部24の係合により、肌接触体2の上方への抜け出しが規制される。肌接触体2を装着部17から取り外す場合は、ロック具21をばね22の付勢力に抗して後方へ移動させた状態で肌接触体2を上方へスライドさせて、装填溝18の上面開口から肌接触体2を抜き出す。
肌接触体2は、ペルチェユニット3から温熱あるいは冷熱を受容する受熱体28と、受熱体28で遊転自在に支持される6個の球体状のボール(転動体)29と、受熱体28と協同してボール29を保持するボールカバー30とで構成される。受熱体28は全体として、前後寸法が上下寸法および左右寸法よりも小さい四角ブロック状に形成されている。上述の挿入溝20は受熱体28の左右側面に形成してあり、段部24は受熱体28の後面の上隅に形成してある。受熱体28の後面側にはペルチェユニット3と正対する伝熱壁31が設けてあり、同壁31の受熱面32がペルチェユニット3の前面の熱供給面49と密着して、ペルチェユニット3から温熱あるいは冷熱を受容する。
ボール29は、肌接触体2の前面側において、上下方向に3個、左右方向に2個の格子状に配列されている。具体的には、受熱体28の前面に、ボール29と同数すなわち6個の収容凹部35が形成してあり、各収容凹部35にボール29が1個ずつ収容してある。ボールカバー30は、受熱体28の前面の周縁に沿う矩形枠状の周囲枠36と、各収容凹部35の前縁に沿って配置される6個のリング状の保持枠37とを備える。図4に示すように各保持枠37の内径は、ボール29の直径Rよりも小さく形成してある。各保持枠37の内周縁は、その全周にわたってボール29の前部の表面に当接しており、保持枠37の内側からボール29の前端部が前方へ突出している。また、各収容凹部35の内奥面には、同凹部35よりも小径のボール保持凹部38が形成してあり、ボール保持凹部38の周縁がその全周にわたってボール29の後部の表面に当接している。このように、ボール29の前後面を保持枠37とボール保持凹部38の周縁で支持することにより、ボール29の受熱体28およびボールカバー30に対する全方向(前後方向・左右方向・上下方向)の移動が規制されている。各ボール29は、全方向の自転(ボール29の中心のまわりの回転)のみ可能な状態で、収容凹部35に収容されている。
収容凹部35の内奥面にボール保持凹部38を設け、同凹部38の縁でボール29を支持したのは、収容凹部35とボール29を線接触の状態として、ボール29が自転するときの摺動抵抗を減少させるためである。保持枠37とボール29も線接触の状態として、両者37・29の間で大きな摺動抵抗が生じないようにしている。その一方で、収容凹部35とボール29の接触面積を小さくすると、受熱体28からボール29への熱伝導効率が低下してしまうが、これを補うため、ボール保持凹部38の内奥隅部を部分球面状に形成し、ボール29の後部に臨む収容凹部35の内奥隅部も部分球面状に形成した。これにより、ボール保持凹部38および収容凹部35の内奥隅部とボール29の表面との間隔を小さくして、その間に介在する空気の層を薄くすることができるので、受熱体28からボール29への熱伝導効率を向上することができる。
ボール保持凹部38の深さ寸法T1は、受熱面32からボール保持凹部38の内奥面までの前後方向の距離T2よりも小さく設定してある(T1<T2)。また、深さ寸法T1は、ボール29の半径よりも小さく設定してある(T1<R/2)。このように、ボール保持凹部38の深さ寸法T1を小さくすることによっても、ボール保持凹部38の壁面とボール29の表面の間隔を小さくして、その間に介在する空気の層を薄くすることができるので、ボール29への熱伝導効率を向上することができる。受熱面32から収容凹部35の内奥面までの前後方向の距離T3(T3=T1+T2)、すなわち伝熱壁31の前後厚みは、ボール29の直径Rよりも小さく設定してある。これにより、伝熱壁31を薄型化して、受熱体28を軽量化できるとともに、ペルチェユニット3の熱を収容凹部35の内奥面やボール保持凹部38の壁面まで素早く伝えることができる。
図2においてボールカバー30の各保持枠37は、上下に隣接する保持枠37あるいは周囲枠36の横桟と上下に繋がっており、ボールカバー30の左右中央およびその両側には、周囲枠36と保持枠37で囲まれる縦長の窓部41が形成されている。各窓部41からは受熱体28の前面が露出しており、当該前面が肌面に熱刺激を付与する肌刺激面42を構成する。ペルチェユニット3から受熱体28に伝導した熱の一部はボールカバー30に伝導するため、ボールカバー30の前面もまた肌刺激面43を構成する。受熱体28とボールカバー30の肌刺激面42・43は面一状になっている(図4参照)。肌接触体2を構成する受熱体28とボール29とボールカバー30はそれぞれ、熱伝導率の高い金属材料を素材として形成することができ、具体的な金属材料としてはチタンやアルミニウムおよびその合金などを挙げることができる。受熱体28は、ダイキャスト成形品あるいは押出成形品に切削加工を施して形成することができる。
なおボールカバー30は、プラスチック材料を素材として形成してもよく、この場合は金属製のものよりも安価に製造でき、また種々のカラーリングを施してデザイン性を向上できる。ボールカバー30のデザインが異なる複数種の美容器具を容易にシリーズ化できる利点もある。一方、プラスチック製のボールカバー30は、金属製の受熱体28やボール29に比べて熱伝導性に劣るので、この場合は肌接触体2の前面に占める肌刺激面43の割合を小さくし、代わりに受熱体28の肌刺激面42やボール29の割合を大きくすることが好ましい。また後述するように、金属製のボールカバー30の肌刺激面43は、受熱体28の肌刺激面42およびボール29と同様に、肌面に電流刺激を付与する電流供給面として機能するが、ボールカバー30をプラスチック材料で形成する場合の肌刺激面43は、電流供給面としては機能しない。
図3および図4においてペルチェユニット3は、発熱面と吸熱面を前後に向けて配置される矩形状のペルチェ素子45と、ペルチェ素子45の周縁を取り囲む矩形枠状の素子ホルダー46と、ペルチェ素子45の前面に密着配置される矩形板状の伝熱板47と、ペルチェ素子45の後面に密着配置されるヒートシンク48などで構成される。伝熱板47およびヒートシンク48は、熱伝導率の高いアルミニウムなどの金属材料を素材として形成してある。伝熱板47の前面は、肌接触体2の受熱面32に密着する熱供給面49を構成する。ヒートシンク48の後面の上下2個所が先述のばね6で前方へ付勢されており、肌接触体2を分離した状態においては、ヒートシンク48の上下端部が、本体ケース1に設けた上下一対のストッパー50に受け止められて、ペルチェユニット3のそれ以上の前方への移動が規制される。上側のストッパー50は、ロック具21用のばね22の後端を受け止めるばね受体を兼ねている。
図1においてヒートシンク48の後方には、ヒートシンク48に熱交換風を供給するためのファン53が配置してあり、ファン53に正対する本体ケース1の後壁上部と、本体ケース1の底壁には、網目状のフィルタを備える通気口54・55がそれぞれ形成してある。ファン53を駆動すると、底壁に設けた下通気口55から本体ケース1内に空気が取り込まれ、ヒートシンク48を通過した熱交換後の空気が、後壁上部に設けた上通気口54から本体ケース1外へ排出される。なお、ファン53を逆方向に回転させて、上通気口54から吸気し下通気口55から排気することも可能である。
ペルチェ素子45に駆動電流を供給してその前面を発熱させると、伝熱板47を介して肌接触体2を加熱することができる。この場合はペルチェ素子45の後面が吸熱面となり、冷熱がヒートシンク48を介して空気中に放出される。ペルチェ素子45に供給する駆動電流を逆向きにして、同素子45の前面を吸熱面とすると、伝熱板47を介して肌接触体2を冷却することができる。この場合はペルチェ素子45の後面が発熱面となり、温熱がヒートシンク48を介して空気中に放出される。このときファン53を駆動することにより、ヒートシンク48と空気の熱交換を促進することができる。
本提案例に係る肌接触体2は、肌面に微弱な肌刺激電流を供給する肌電極としても機能する。先述の制御基板10には、パルス電流を生成する電流調整回路が実装してあり、当該回路と肌接触体2が電気的に接続してある。具体的には、電流調整回路から導出された不図示のリード線の導出端が、ペルチェユニット3の伝熱板47の後面に接続してあり、電流調整回路で生成されたパルス電流がリード線と伝熱板47を介して肌接触体2に供給される。リード線の導出端を伝熱板47の後面に接続したのは、肌接触体2を装着部17から取り外した際に、リード線を本体ケース1の外面に露出させないためである。本体ケース1の後面下部には、肌接触体2とは逆の極性のパルス電流が供給されるグリップ電極58が露出させてあり、このグリップ電極58と制御基板10の電流調整回路も不図示のリード線で接続してある。
図3に示すように本体ケース1には、上通気口54に正対する状態でイオン発生器59が内蔵されている。イオン発生器59は、針状の放電電極60と、放電電極60の周囲を囲むリング状の対向電極61とを備え、両電極60・61の間に高電圧が印加されると、コロナ放電によって放電電極60から電子が放出されるよう構成したものである。放出された電子は、その空間に存在する酸素分子と結合してイオン種(負または正の電荷を帯びた分子種)となり、このイオン種に水分子が結合すればイオン(マイナスイオンまたはプラスイオン)となる。このイオンには髪や肌に付着してその水分量を増やす効果がある。イオンはファン53により生起された風に乗って上通気口54から本体ケース1外へ放出される。上通気口54に装着されるフィルタは、イオンの放出を阻害しないよう、その網目は比較的大きく形成されている。その一方で網目は、手指の太さよりは小さく形成されているため、指先が誤ってイオン発生器59やファン53に触れることをフィルタで防止することができ、従って美容器具の安全性は確保されている。
本提案例に係る美容器具は、電源スイッチ11の一度の操作により駆動を開始し、同スイッチ11の再度の操作により停止する。具体的には、図5に示すように、美容器具の停止状態で電源スイッチ11が押圧操作されると、制御基板10からペルチェ素子45とファン53とイオン発生器59に駆動電流が供給され、また肌接触体2とグリップ電極58にパルス電流が供給される。美容器具の駆動状態で電源スイッチ11が押圧操作されると、上記の全ての駆動電流とパルス電流の供給が停止される。また、本実施例に係る美容器具は、肌接触体2を加熱する「温熱モード」、肌接触体2を冷却する「冷熱モード」、肌接触体2をマイナスに帯電させる「イオン導入モード」、および、肌接触体2をプラスに帯電させる「イオン導出モード」による運転が可能であり、ユーザは温熱モードと冷熱モードの一方を選択し、またイオン導入モードとイオン導出モードの一方を選択することができる。具体的には、モード切替スイッチ12の押圧操作により、運転モードを「温熱・イオン導入モード」「冷熱・イオン導入モード」「温熱・イオン導出モード」および「冷熱・イオン導出モード」の順で切り替えることができる。表示部13を構成する4個のLEDは、上から順に、温熱モード、冷熱モード、イオン導入モード、イオン導出モードを示しており、選択された運転モードに応じた2個のLEDが点灯するようになっている。
温熱・イオン導入モードにおいては、制御基板10からペルチェ素子45とファン53とイオン発生器59に駆動電流が供給され、また肌接触体2にマイナス極性のパルス電流が供給され、グリップ電極58にプラス極性のパルス電流が供給される(図5参照)。この運転モードでは、ペルチェ素子45の前面が発熱面となり、温熱が伝熱板47を介して肌接触体2に伝導する。ペルチェ素子45の後面(吸熱面)から発生する冷熱は、ヒートシンク48に伝導し、ファン53が生成する熱交換風によって空気中に放出される。肌接触体2においては、温熱がまず受熱面32から伝熱壁31に伝導し、次いで受熱体28の前部、ボール29、およびボールカバー30に温熱が伝導する。
本体ケース1の下半部を握り、加熱された肌接触体2の前面を肌面に押し当て、肌面に沿って往復動させると、ボール29が肌面上で転動して、肌面に圧刺激と温熱刺激を付与することができ、同時に、ボール29の周囲の肌刺激面42・43で肌面を擦って、肌面に圧刺激と温熱刺激を付与することができる。さらに、肌接触体2に供給されるマイナス極性のパルス電流によって、肌面に電流刺激を付与することができる。肌面への電流刺激は、ボール29の表面と肌刺激面42・43から肌面に電流が供給されることにより行われる。化粧水などの美容用液を肌面に塗布しておけば、美容用液を肌面に浸透させて保湿効果を高めることができる。
一方、イオン発生器59の周囲の空気はヒートシンク48により冷却されて、室温よりも低温の空気となる。この空気は周囲と比べて相対湿度が高く、空気中に占める水分子の割合が大きい。つまり、イオン発生器59の周囲で生じたイオン種が水分子と結合しやすく、従ってイオンが長時間にわたって消滅し難い。生成したイオンは、上通気口54から本体ケース1の外へ室温よりも低温の風で運ばれる。低温の風でイオンを運ぶと、イオンの熱運動エネルギーを小さくして、イオンを構成する水分子が離散するのを可及的に防止できるので、長時間にわたってイオンの消滅を防止することができる。これにより、イオンの到達距離が長くなり、より多くのイオンを髪や肌に付着させることができる。このイオンで美容対象(肌、髪、頭皮など)をケアする(水分量を増やす)場合は、グリップ兼用の本体ケース1を持ち替えて、上通気口54を美容対象に正対させるとよい。
冷熱・イオン導入モードにおいては、ペルチェ素子45に供給される電流が、先述の温熱・イオン導入モードとは逆向きになり、同素子45の前面が吸熱面となって肌接触体2が冷却される。この肌接触体2の前面を肌面に押し当て、肌面に沿って往復動させると、ボール29と肌刺激面42・43による圧刺激と冷熱刺激を肌面に付与することができる。ペルチェ素子45の後面(発熱面)から発生する温熱は、ヒートシンク48に伝導し、ファン53が生成する熱交換風によって空気中に放出される。ヒートシンク48を通過し上通気口54から吹き出す熱交換風は、室温よりも高温の空気であり、温熱・イオン導入モードの場合と同様にイオンを含む。従って、上通気口54を美容対象(肌、髪、頭皮など)に正対させて美容器具を駆動すると、美容対象に温熱刺激を付与しながらこれをケアする(水分量を増やす)ことができる。その他の点は温熱・イオン導入モードと同じである。
温熱・イオン導出モードにおいては、肌接触体2とグリップ電極58に供給されるパルス電流が、先述の温熱・イオン導入モードとは逆向きになる。すなわち、肌接触体2にプラス極性のパルス電流が供給され、グリップ電極58にマイナス極性のパルス電流が供給される。プラス極性のパルス電流を肌接触体2に供給すると、肌面に電流刺激を付与するとともに、肌面の毛穴などに入り込んでいる微細な汚れを吸着することができる。加えて、肌接触体2を押し当てることでプラスに帯電した肌面に対して、イオン発生器59によって生成されたマイナスイオンが誘引される。イオン発生器59で生成されたマイナスイオンは、熱交換風に乗って上通気口54から本体ケース1外へ放出されてから、肌面に向かって形成される電気力線に沿って肌面に誘引される。その他の点は温熱・イオン導入モードと同じである。冷熱・イオン導出モードの説明は省略する。温熱・イオン導出モードおよび冷熱・イオン導出モードにおいても、先の温熱・イオン導入モードと同様に、水分量を増やす効果を有するイオンがイオン発生器59の周囲で生成されて、上通気口54から放出される。ただし、イオン導出モードにおいては、プラスに帯電した肌面にマイナスイオンが誘引されるため、必ずしも本体ケース1を持ち替えて上通気口54を正対させる必要は無い。
以上のように、本提案例に係る美容器具によれば、ボール29を肌面上で転動させて圧刺激を付与するのに併行して、ボール29から肌面に熱刺激(温熱刺激または冷熱刺激)を付与することができ、同時に、ボール29の周囲の肌刺激面42・43で肌面を擦って、肌面に圧刺激と熱刺激を付与することができる。さらに、肌接触体2に供給されるパルス電流によって肌面に電流刺激を付与するとともに、イオン導入またはイオン導出の美容処理を行うことができる。このように、本提案例に係る美容器具によれば、肌面に圧刺激のみを付与する従来の美容器具に比べて多様な刺激を付与することができ、従って、美容処理を効果的に行うことができる。
(第2の提案例) 図6および図7は、第2の提案例に係る美容器具を示しており、肌接触体2の構造が第1の提案例と異なる。本提案例では、第1の提案例のボールカバー30に代えて上下一対の蓋62・63を用意し、これら蓋62・63と受熱体28および6個のボール29で肌接触体2を構成した。受熱体28の前面には、左右一対の縦長の収容凹部35が設けてあり、各収容凹部35にボール29が3個ずつ収容してある。受熱体28および収容凹部35は、ボール29の直径Rの3倍に等しい上下寸法を有する。各収容凹部35の内奥面には、縦長の溝からなるボール保持凹部38が設けてある。受熱体28は押出成形品からなり、収容凹部35およびボール保持凹部38は受熱体28の上下方向の全長にわたって形成してある。収容凹部35の前端には、縦長矩形状のボール窓64が形成してあり、各ボール29の前端部がボール窓64から外方へ露出している。ボール窓64の左右幅はボール29の直径Rよりも小さく設定してあるため、各ボール29がボール窓64から前方へ抜け出すことはない。
受熱体28の上下面には、収容凹部35にボール29を挿入するための挿入口65がそれぞれ形成してある。各収容凹部35に挿入口65から3個のボール29を挿入し、蓋62・63を受熱体28の上下面に固定して挿入口65を塞ぐと、各収容凹部35にボール29を封入して、本実施例に係る肌接触体2を得ることができる。各蓋62・63の内面(受熱体28と正対する面)には、蓋62・63を受熱体28に固定するための左右一対の固定突起66が突設してあり、受熱体28の左右側面には、固定突起66が嵌入される縦長の嵌入溝67が形成してある。装着部17の突条19と係合する挿入溝20は、受熱体28の左右側面に形成される長溝20aと、各蓋62・63の左右端部に形成される短溝20bとで構成される。嵌入溝67および長溝20aも、受熱体28の上下方向の全長にわたって形成してある。ロック具21と係合する段部24は、上側の蓋62の後面の上隅に形成してある。
図6(a)に示すように各ボール29は、上下に隣接するボール29と当接する状態で収容凹部35に収容されており、上下3個のボール29が上下一対の蓋62・63で上下から挟まれることにより、各ボール29の受熱体28に対する上下方向の遊動が規制されている。また、各ボール29の前部の左右2個所がボール窓64の縁に当接(点接触)し、同後部の左右2個所がボール保持凹部38の縁に当接(点接触)することにより、各ボール29の受熱体28に対する水平方向(前後方向および左右方向)の遊動が規制されている。各ボール29は、全方向の自転のみ可能な状態で、収容凹部35に収容されている。上下一対の蓋62・63は、各ボール29を圧迫してその自転を妨げない程度の力でボール29に当接している。他は第1の提案例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
本提案例の変形例として、少なくとも一方の蓋62・63の内面に、ボール29に当接する上下方向の規制突起を突設し、当該突起によりボール29の上下方向の遊動を規制することができる。この場合の受熱体28および収容凹部35は、ボール29の直径Rの3倍よりも大きい上下寸法を有する。蓋62・63の内面にボール29を直接当接させる形態では、蓋62・63が経年的に外凸状に湾曲変形した場合に、ボール29が蓋62・63に面接触して摺動抵抗が大きくなることがあるが、規制突起をボール29に当接させる形態では、蓋62・63が外凸状に湾曲変形した場合でも、ボール29は規制突起に対して点接触するので、ボール29の摺動抵抗が大きくなることは無い。
(第3の提案例) 図8および図9は、第3の提案例に係る美容器具を示しており、肌接触体2の構造が第2の提案例と少し異なる。具体的には、受熱体28の下面にのみ挿入口65を形成し、挿入口65を塞ぐ蓋63を受熱体28の下面にのみ固定した。また、各収容凹部35の横断面をボール29よりも僅かに大径の優弧状に形成して、各ボール29の収容凹部35内における若干の遊動を許容するようにした。ただし、ボール窓64の左右幅はボール29の直径Rよりも小さく設定してあるため、各ボール29がボール窓64から前方へ抜け出すことはない。ボール29と収容凹部35の径を異ならせると、ボール29の表面と収容凹部35の壁面を点接触の状態として、ボール29が遊転するときの摺動抵抗を小さくすることができる。第2の提案例に係るボール保持凹部38は省略した。他は第2の提案例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
本提案例に係る受熱体28は、例えば金属ブロックの切削加工により作製することができる。具体的にはまず、金属ブロックの左右側面に嵌入溝67と長溝20aを形成し、次いで、金属ブロックの下面から上方へ、収容凹部35となる円筒状の穴を非貫通状に形成し、最後に金属ブロックの前面を、円筒状の穴の周面の一部を含めて削り取る。
(第4の提案例) 図10は、第4の提案例に係る美容器具を示しており、肌接触体2の受熱体28およびペルチェユニット3の伝熱板47の構造が第1の提案例と異なる。具体的には、伝熱板47の前面に横断面が等脚台形状の伝熱凸部70を突設し、受熱体28の後面に伝熱凸部70と係合する伝熱凹部71を形成して、受熱面32と熱供給面49を凹凸面で構成した。受熱面32と熱供給面49を凹凸面で構成すると、両面32・49を平坦面とする場合に比べて、受熱体28と伝熱板47の伝熱面積を大きくすることができるので、伝熱板47から受熱体28、すなわちペルチェユニット3から肌接触体2への熱伝導効率を向上することができる。他は第1の提案例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
本提案例において、台形状の伝熱凸部70の斜辺部分は、伝熱凹部71の壁面と僅かな隙間を介して対向しており、伝熱凸部70のその他の部分は伝熱凹部71に密着している。斜辺部分では、伝熱凸部70の熱が空気層を介して伝熱凹部71に伝導しており、先に説明した伝熱面積は空気層を介した伝熱面の面積を含んでいる。伝熱凸部70と伝熱凹部71は、本提案例のように一部の面のみが互いに密着していてもよく、全面が隙間を介して対向していてもよく、全面が互いに密着していてもよい。伝熱凸部70と伝熱凹部71の全面を隙間無く密着させると、伝熱板47から受熱体28への熱伝導効率をより向上することができる。本提案例の変形例として、伝熱板47に伝熱凹部71を形成し、受熱体28に伝熱凸部70を形成することができる。また、伝熱板47と受熱体28に伝熱凸部70と伝熱凹部71を交互に形成することができる。伝熱凸部70と伝熱凹部71の断面形状は台形などの多角形状に限られず、半円形状や弓形状などの湾曲線を含む形状であってもよい。
(第5の提案例) 図11は、第5の提案例に係る美容器具を示しており、主に肌接触体2の構造が第1の提案例と異なる。本提案例では、肌接触体2の構成要素として、受熱体28を前後移動可能に支持する支持体74と、両者28・74の間に設けられる複数個のばね(弾性体)75とを加えた。支持体74は、受熱体28の上下面および左右面を取り囲む矩形枠状に形成されており、支持体74を装着部17の装填溝18に対して上面開口から出し入れすることにより、支持体74を含む肌接触体2の全体を本体ケース1に着脱することができる。支持体74の左右壁の外面には係合片76がそれぞれ突設してあり、装填溝18の左右対向面の前端には保持壁77がそれぞれ内向きに突設してある。肌接触体2の装着状態においては、各係合片76が保持壁77で前方から受け止められるとともに、支持体74の後端が本体ケース1の伝熱窓5の周囲壁で受け止められることにより、支持体74の本体ケース1に対する前後動が規制される。
受熱体28は、支持体74に対して前後動可能に組み付けられて、ばね75により後方へ移動付勢されている。具体的には、受熱体28の左右側面に、ばね75を収容するばね凹部78が形成してあり、支持体74の左右壁の内面に、ばね凹部78内に収容されるばね座79が突設してある。ばね座79とばね凹部78の後面との間にばね75が配置されて、受熱体28を支持体74に対して後方へ、すなわちペルチェユニット3の伝熱板47へ向かって密着付勢している。伝熱板47は伝熱窓5の周縁部に係止されており、これにより本体ケース1に対するペルチェユニット3の相対移動が規制されている。先の第1の提案例でペルチェユニット3を前方へ付勢していたばね6は省略した。他は第1の提案例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。本提案例のようにペルチェユニット3を本体ケース1に固定すると、ペルチェユニット3が破損することや、ペルチェユニット3と電装品ユニット4の制御基板10との間で導通不良が生じることなどをよく防止できる。
(第6の提案例) 図12は、第6の提案例に係る美容器具を示しており、肌接触体2とペルチェユニット3の間に設けたねじ構造を介して肌接触体2を着脱する点が第1の提案例と異なる。ねじ構造は、肌接触体2の受熱体28に設けたねじ穴82と、ペルチェユニット3の伝熱板47に設けたねじ軸83とで構成される。具体的には受熱体28は、前後方向を中心軸方向とする円盤状に形成してあり、その後面中央にねじ穴82が形成してある。受熱体28の前面中央には、1個のボール29を収容する収容凹部35が、ねじ穴82と前後に連通するように形成されている。
ねじ穴82と螺合するねじ軸83は、伝熱板47の前面中央に突設してある。伝熱板47は、先の第5の提案例と同様に伝熱窓5の周縁部に係止されており、これにより本体ケース1に対するペルチェユニット3の相対移動が規制されている。本体ケース1の装着部17は前方へ開口する円筒壁からなり、装着部17の内径は受熱体28の外径よりも僅かに大きく形成してある。肌接触体2の後部を装着部17に挿入し、ペルチェユニット3に対して時計回りに回転させると、ねじ穴82にねじ軸83をねじ込んで、肌接触体2を装着部17に装着固定することができる。装着状態の肌接触体2を反時計回りに回転させると、ねじ穴82からねじ軸83を分離して、肌接触体2を装着部17から取り外すことができる。
肌接触体2の装着状態において、ねじ軸83の周面はねじ穴82の周面に密着し、ねじ軸83の先端面はボール29の後端部と僅かな隙間を介して対向している。従って、ペルチェ素子45から伝熱板47を介してねじ軸83に伝導した熱は、ねじ軸83の周面からねじ穴82の周面に伝導し、またねじ軸83の先端面から空気を介してボール29の表面に伝導する。ねじ軸83とねじ穴82は、先の第4の提案例で説明した伝熱凸部70と伝熱凹部71をそれぞれ兼ねている。また、ねじ軸83の先端面とねじ穴82で囲まれる空間が、ボール29用のボール保持凹部38を構成する。なお、伝熱板47からねじ軸83へ伝導する熱は、ペルチェ素子45から伝熱板47へ伝導した熱の一部のみであり、伝熱板47へ伝導した熱の多くは伝熱板47から受熱体28へ伝導する。他は第1の提案例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。本提案例においても、先の第5の提案例と同様にペルチェユニット3を本体ケース1に固定したので、ペルチェユニット3が破損することや、ペルチェユニット3と制御基板10の間で導通不良が生じることなどをよく防止できる。
(第7の提案例) 図13は、第7の提案例に係る美容器具を示しており、肌接触体2と装着部17の間に設けたバヨネット構造を介して肌接触体2を着脱する点が第6の提案例と異なる。バヨネット構造は、肌接触体2の受熱体28に設けた一対のバヨネット爪86と、装着部17に設けた環状のバヨネット壁87とで構成される。詳しくは、バヨネット爪86は、円盤状の受熱体28の周面の対向位置にそれぞれ突設してある。バヨネット壁87は、円筒壁からなる装着部17の前端に内向きに形成してあり、その内周縁の対向位置に、バヨネット爪86を前後に通過させるための溝88がそれぞれ形成してある。
ペルチェユニット3は、先の第1の提案例と同様に、本体ケース1に対して前後移動可能に組み付けてあり、本体ケース1に組み込まれた左右一対のばね6で前方へ、すなわち肌接触体2へ向かって密着付勢してある。ペルチェユニット3の伝熱板47の前面中央には、丸軸状の伝熱凸部70が突設してあり、受熱体28の後面中央には、伝熱凸部70と係合する丸穴状の伝熱凹部71が形成してある。伝熱凹部71は収容凹部35と前後に連通しており、伝熱凸部70の先端面はボール29の後端部と僅かな隙間を介して対向している。肌接触体2の装着状態において、伝熱凸部70の先端面と伝熱凹部71で囲まれる空間が、ボール29用のボール保持凹部38を構成する。
肌接触体2を装着部17に装着するには、バヨネット爪86と溝88の周方向位置を合わせて、肌接触体2を前方から装着部17の内部へ挿入し、バヨネット爪86が溝88を通り過ぎたところで、肌接触体2を一方へ回動させる。これにより、両バヨネット爪86をバヨネット壁87の後方に位置させて、肌接触体2の前方への抜け出しを規制することができる。肌接触体2を装着部17から取り外すには、肌接触体2を装着時とは逆向きに回動させて、バヨネット爪86と溝88の周方向位置を合わせて、肌接触体2を装着部17から前方へ引き抜く。
装着状態の肌接触体2は、装着部17に対する前後移動が可能であり、常態においてはばね6でペルチェユニット3を介して前方へ付勢されて、両バヨネット爪86がバヨネット壁87で前方から受け止められる。つまり、肌接触体2がペルチェユニット3と一体にばね6でフロート支持されている。肌接触体2を前後フロートさせると、肌接触体2を肌面の凹凸に沿わせることが容易になり、これにより肌面への負荷やストレスを軽減することができる。他は第6の提案例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(第8の提案例) 図14ないし図17は、第8の提案例に係る美容器具を示しており、肌接触体2とペルチェユニット3を含むアタッチメント90を本体ケース1に対して着脱自在に装着する点が、第1の提案例と大きく異なる。電装品ユニット4は本体ケース1に収容されており、電装品ユニット4からペルチェユニット3への駆動電流の供給と、電装品ユニット4から肌接触体2へのパルス電流の供給とは、後述するコネクタ群96・97を介して行われる。
本提案例に係るアタッチメント90Aは、肌接触体2とペルチェユニット3が組み付けられる箱型のヘッドケース91を備える。図16に示すように、ヘッドケース91の前壁にはヘッド開口92が形成してあり、このヘッド開口92から肌接触体2の前部が外方へ露出している。ペルチェユニット3は肌接触体2の後方に配置されて、その全体がヘッドケース91に収容されている。ペルチェユニット3の伝熱板47の前面(熱供給面49)と、肌接触体2の受熱体28の後面(受熱面32)とは、前後に正対して互いに密着している。本実施例では、ペルチェユニット3を肌接触体2に固定することにより、両面49・32を確実に密着させて、伝熱板47から受熱体28への熱移動を良好に行えるようにした。ヒートシンク48と前後に正対するヘッドケース91の後壁には、網目状のフィルタを備えるヘッド通気口93が形成してある。先の第1の提案例においてヒートシンク48の後方に配置したファン53は図示省略した。
ヘッドケース91の下端部には、下向きに開口する四角筒状の装着凹部94が形成してあり、本体ケース1の上端部には、装着凹部94と係合可能な装着凸部95が形成してある。装着凹部94と装着凸部95の上下に対向する壁面には、3個のコネクタ96A〜96C・97A〜97Cからなるコネクタ群96・97がそれぞれ設けられている。本提案例では、装着凹部94側の各コネクタ96A〜96Cを雄型とし、装着凸部95側の各コネクタ97A〜97Cを雌型とした。3対のうち2対のコネクタ96A・97A・96B・97Bは、ペルチェ素子45と制御基板10を電気的に接続し、残りの1対のコネクタ96C・97Cは、肌電極を兼ねる肌接触体2と制御基板10(電流調整回路)を電気的に接続する(図17参照)。パルス電流供給用のコネクタ96Cから伸びるリード線106は伝熱板47に接続してあり、パルス電流はリード線106から伝熱板47を介して肌接触体2に供給される。肌接触体2においてパルス電流は、受熱体28からボール29を通じて肌面に供給され、あるいは受熱体28からボールカバー30を通じて肌面に供給され、あるいは受熱体28の肌刺激面42から肌面に供給される。ただしボールカバー30は、先の第1の提案例で説明したように、コストやデザインを考慮してプラスチック材料で形成することができ、この場合のボールカバー30には電流が流れないので、パルス電流は受熱体28からボール29を通じて、あるいは受熱体28の肌刺激面42から肌面に供給される。
装着凹部94を装着凸部95に外嵌すると、雄型の各コネクタ96A〜96Cが、対応する雌型の各コネクタ97A〜97Cに接続される。また、本体ケース1に組み込まれたロック具98が、装着凸部95の筒壁を外向きに貫通して、装着凹部94の筒壁に設けられたロック穴99に係合し、これにより本体ケース1に対するヘッドケース91の装着状態が維持される。他は第1の提案例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(第9の提案例) 図18ないし図20は、アタッチメント90の構造を変更した第9の提案例を示す。本提案例に係るアタッチメント90Bの肌接触体2は、ヘッドケース91のヘッド開口92の内側に配置される円盤状の受熱体28と、受熱体28の前面側に配置されてヘッド開口92から外方へ露出するボールカバー30と、受熱体28とボールカバー30の間に保持される3個のボール29とで構成される。ボールカバー30の前壁には、ボール29よりも小径の3個のボール窓102が形成してあり、各ボール窓102からボール29の前端部が前方へ突出している。
詳しくは、ボールカバー30は後面が開口する丸皿状に形成してあり、開口端すなわち後端が受熱体28の前面に密着している。これにより、受熱体28からボールカバー30への熱伝導が良好に行われる。肌接触体2を構成する受熱体28とボール29とボールカバー30はそれぞれ、先の第1の提案例と同様に、熱伝導率の高い金属材料を素材として形成してある。ボールカバー30の前面は肌刺激面43を構成しており、受熱体28からボールカバー30に伝導した温熱あるいは冷熱の一部が肌刺激面43から放出される。
受熱体28には、3個のボール29に対応して、ボール29よりも小径の3個の貫通口103が形成してある。各貫通口103には、ボール29を支持して前方(外方)のボール窓102へ向かってその弾性力により移動付勢するばね104が収容してある。各ばね104は、導電性を有する金属製のコイルばねからなり、その前後端はそれぞれリング状に形成してある。ばね104の後端のリング状部は伝熱板47の前面で受け止めてある。ばね104の前端のリング状部は、ボール29の後端部を受け入れる受座104aを構成しており、ボール29の後部の表面に常時、接触する状態、すなわち常時、線接触の状態でボール29を支持する。ボール29を肌面に押し当てボール29がばね104の弾性力に抗して沈み込んだ状態では、ボール29は受座104aに対して接触しており、そのまま肌接触体2を移動させボール29が肌面上を転動する際も、ボール29は受座104aに対して摺動しながら回転するためやはり接触している。さらにボール29を肌面に押し当てない常態の際もボール29は、ばね104により押圧されているので、ボール29と受座104aは接触している。リング状部(受座104a)はらせん状のコイルばねの端部から一周する円弧部分となっており、その円弧部分の大半(優弧)がボール29にリング状に線接触する。これは、コイルばねはらせん状となっていることにより、リング状に線接触する部分は完全円が好ましいが完全円ではなく部分円となっているからである。線接触する部分が部分円であってもそれが完全円に近い線接触(優弧状接触)であり、さらにコイルばねの端部から一周あるいは2周する円弧部分の内側は、ボール29を内方に向かって受入れる空間を有するので、ボール29の後端部を受座104aですっぽり収めることができ、受座104aによるボール29の支持が安定する。リング状とは真円に限らず、楕円などの非真円も含む概念であるが、本実施例ではリング状部を真円状に形成した。このようにボール29の後端部がばね104の真円のリング状部(受座104a)にすっぽり収まるようにすると、ボール29の姿勢をより安定させることができる。また、ばね104にリング状部を設けてボール29を直接支持すると、ボール29を支持するための部材をばね104との間に介在させる必要が無く、その分だけコストを削減することができる。
常態においてボール29は、ボールカバー30に設けたボール窓102の周縁(102a)で受け止められる。ボール29が肌面等に当接して後方(内方)へ押し込まれると、貫通口103の前端に形成した前拡がりテーパー状の受座105で受け止められる。つまりボール29は、常態における受座105との間の前後(内外)方向の隙間の分だけ前後にフロート動作(浮上、沈み込み動作)を行うことが可能である。このようにボール29をフロート可能に支持すると、ボール29を肌面に強く押し当てても内方へ沈み込ませることができるので、肌面に対するボール29の接触感をソフトで優しいものとすることができる。また、ボール29と受座105との間の前後(内外)方向の隙間をさらに大きくとるとフロート量を拡大できるので、ボール29を肌面の凹凸に沿わせることが容易になり、これにより肌面への負荷やストレスを軽減することができる。この場合、フロート時にボール29がフロート方向と直交する方向にブレないようにボールカバー30にリブを設けてガイドすればフロート動作が安定する。なお、ボール窓102の径と受座105の径はほぼ同じ寸法である。受座105の径に比べてボール29の径は大きい。ばね104の受座104の径に比べて受座105の径は大きい
各ばね104は、伝熱板47の熱をボール29へ伝導する伝熱体として機能し、またパルス電流の供給体として機能する。各ばね104は、装着凹部94に設けた1個のコネクタ96Cから伸びるリード線106に接続してある。このコネクタ96Cと対になる装着凸部95側のコネクタ97Cは、制御基板10に実装されたパルス電流を生成する電流調整回路と電気的に接続してある。従って、制御基板10の電流調整回路で生成されたパルス電流は、雌雄のコネクタ97C・96Cからリード線106とばね104を順に介して、肌電極を兼ねるボール29に供給される。ばね104は、自身の弾性によってボール29に安定的に密着するから、このばね104を介してリード線106とボール29を電気的に接続することにより、ボール29とリード線106の間が通電不良に陥ることを確実に防止できる。ばね104のリング状部でボール29を線接触状態で支持するので、両者29・104の接触状態を安定させることができ、このことによってもボール29とリード線106の間が通電不良に陥ることを確実に防止できる。両者29・104の接触状態を安定させると、ばね104を介した伝熱板47からボール29への熱伝導も良好に行える。また、ボール29がばね104のリング状部にすっぽり収まると、ボール29が回転するにもかかわらず、ボール29とばね104の接触状態を確実に維持して、通電不良に陥ることを防止することができる。
肌刺激面43内において3個のボール29の中心を結ぶ形状は正三角形になっており、隣接する2個のボール29の間隔はそれぞれ同一である。本提案例の肌接触体2の前面を肌面に押し当て、肌面に沿って往復動させると、転動する各ボール29によって肌面に圧刺激が付与されるのに加え、隣接する2個のボール29で肌面がつままれることによっても肌面に圧刺激が付与される。他は第8の提案例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
本提案例の変形例として、4個のボール29を、肌刺激面43内に仮想した正方形の各頂点上に配置することができる。また、5個のボール29を、肌刺激面43内に仮想した正五角形の各頂点上に配置することもできる。さらに、6個のボール29を、肌刺激面43内に仮想した正六角形の各頂点上に配置することもできる。
(第10の提案例) 図21は、アタッチメント90の構造を変更した第10の提案例を示す。本提案例に係るアタッチメント90Cは、肌接触体2におけるボール29の配置が第9の提案例のアタッチメント90Bと異なる。具体的には、4個のボール29の中心を結ぶ形状が台形となるように各ボール29を配置した。この台形は、上底が下底よりも長い等脚台形である。隣接する2個のボール29の間隔を比較すると、下底の両端に配置した2個のボール29の間隔(第1間隔)が最も短く、次いで、斜辺部の両端に配置した2個のボール29の間隔(第2間隔)が短く、上底の両端に配置した2個のボール29の間隔(第3間隔)が最も長い。
第1間隔で隣接する2個のボール29によれば、肌面を比較的強くつまむことができ、第2間隔で隣接する2個のボール29によれば、それよりも弱い力で肌面をつまむことができ、第3間隔で隣接する2個のボール29によれば、さらに弱い力で肌面をつまむことができる。つまり、強さの異なる複数の圧刺激を肌面に付与することが可能となる。他は第9の提案例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
第9および第10の提案例では、図18および図21に示すように、肌接触体2の前面においてボール29を分散配置し、ボール29の露出部分の前面投影面積の総和を、肌刺激面43の面積よりも十分に小さく設定した。ボール29が肌面に付与する圧刺激は比較的大きいため、両提案例のようにボール29が密集するのを避けることにより、肌接触体2の全体が肌面に付与する圧刺激を強過ぎない適度なものにすることができる。
上記提案例に係る美容器具は、以下の態様で実施することができる。
美容器具は、本体ケース1と、肌面上を転動可能な転動体29・109を含む肌接触体2と、肌接触体2の少なくとも一部を加熱または冷却する熱源3・111を備えており、肌接触体2が本体ケース1に対して着脱可能に設けてある。肌接触体2のうち肌面に熱刺激を付与する部分は、転動体29・109と後述の肌刺激面42・43の一方であってもよく、また両方であってもよい。
これにより、肌面上で転動体29・109を転動させて圧刺激を付与するのに併行して、熱源3・111で加熱または冷却した肌接触体2を肌面に押し当てて、肌面に熱刺激(温熱刺激または冷熱刺激)を付与することができる。肌面に圧刺激のみを付与する従来の美容器具に比べて多様な刺激を付与することができ、従って、美容処理を効果的に行うことができる。
上記美容器具において、肌接触体2が、熱源3に対して受熱面32を介して密着配置される受熱体28を含む。転動体を、受熱体28で全方向に遊転自在に支持したボール29で構成する。
このように、転動体としてのボール29を受熱体28で支持すると、熱源3からの熱を受熱体28を介してボール29へ伝導させて、ボール29を加熱または冷却することができる。このボール29を肌面上で転動させることにより、ボール29で圧刺激と熱刺激を同時に与えることができる。圧刺激と熱刺激の付与体を同一とすることにより、肌面の1個所に2つの刺激を同時にピンポイントで付与することが可能となる。また、ボール29を全方向に遊転自在とすると、受熱体28からボール29に伝わった熱を肌面に対してムラなく伝えることができる。なお、ボール29を1本の自転軸のまわりにのみ回転させる場合は、ボール29の極やその近傍を肌面に触れさせて、当該部分の熱を肌面に伝えることが難しくなる。
上記美容器具において、受熱体28の外面に、肌面に熱刺激を付与する肌刺激面42を設ける。ボール29と肌刺激面42で肌面に熱刺激を付与する。
このように、受熱体28の外面に肌刺激面42を設け、ボール29と肌刺激面42で肌面に熱刺激を付与すると、肌面上でボール29を転動させることによる圧刺激と、肌面を肌刺激面42で擦ることによる圧刺激とを付与することができ、肌面に付与する圧刺激を多様化することができる。
上記美容器具において、ボール29を、受熱体28に形成した収容凹部35に遊転自在に収容する。収容凹部35の内奥に、ボール29を遊転自在に支持するボール保持凹部38を設ける。ボール保持凹部38は、ボール29の表面に対して点接触状あるいは線接触状に接触する。
このように、受熱体28に形成した収容凹部35の内奥に、ボール29を遊転自在に支持するボール保持凹部38を設け、同凹部38をボール29の表面に対して点接触状あるいは線接触状に接触させると、ボール29が遊転するときの摺動抵抗を減少させて、肌面上でボール29を滑らかに転動させることができる。
上記美容器具において、図4に示すように、ボール保持凹部38の深さ寸法T1を、ボール29の直径Rの半分未満に設定する。
このように、ボール保持凹部38の深さ寸法T1を、ボール29の直径Rの半分未満に設定すると、ボール保持凹部38の壁面とボール29の表面の間隔を小さくして、その間に介在する空気の層を薄くすることができるので、ボール保持凹部38の壁面からボール29への熱伝導効率を向上することができる。
上記美容器具において、受熱体28の前面に収容凹部35を形成する。受熱体28の後面は熱源3に正対する受熱面32を構成する。受熱面32から収容凹部35の内奥面までの前後方向の距離T3を、ボール29の直径Rよりも小さく設定する。
このように、受熱面32から収容凹部35の内奥面までの前後方向の距離T3を、ボール29の直径Rよりも小さく設定すると、受熱面32と収容凹部35の内奥面とで挟まれる伝熱壁31を薄型化して、受熱体28を軽量化できるとともに、熱源3の熱を収容凹部35の内奥面まで素早く伝えることができる。
上記美容器具において、受熱体28の前面に収容凹部35を形成する。受熱体28の後面は熱源3に正対する受熱面32を構成する。ボール保持凹部38の深さ寸法T1を、受熱面32からボール保持凹部38の内奥面までの前後方向の距離T2よりも小さく設定する。
このように、ボール保持凹部38の深さ寸法T1を、受熱面32からボール保持凹部38の内奥面までの距離T2よりも小さく設定すると、ボール保持凹部38の壁面とボール29の表面の間隔を小さくして、その間に介在する空気の層を薄くすることができるので、ボール保持凹部38の壁面からボール29への熱伝導効率を向上することができる。
上記美容器具において、ボール29の後部に臨む収容凹部35の内奥隅部を部分球面状に形成する。
このように、収容凹部35の内奥隅部を部分球面状に形成すると、収容凹部35の内奥隅部とボール29の表面の間隔を小さくして、その間に介在する空気の層を薄くすることができるので、収容凹部35の内奥隅部からボール29への熱伝導効率を向上することができる。
上記美容器具において、ボール保持凹部38の内奥隅部を部分球面状に形成する。
このように、ボール保持凹部38の内奥隅部を部分球面状に形成すると、ボール保持凹部38の内奥隅部とボール29の表面の間隔を小さくして、その間に介在する空気の層を薄くすることができるので、ボール保持凹部38の内奥隅部からボール29への熱伝導効率を向上することができる。
上記美容器具において、図6ないし図9に示すように、ボール29を遊転自在に収容する収容凹部35を受熱体28に形成する。収容凹部35は、ボール29の直径Rよりも幅狭のボール窓64と、ボール29を挿入するための挿入口65を備える。収容凹部35に装填されたボール29の一部は、ボール窓64から受熱体28の外面に露出する。受熱体28に固定した蓋62・63で挿入口65を塞いで、ボール29を収容凹部35に封入する。
このように、幅狭のボール窓64と挿入口65を備える収容凹部35を受熱体28に形成し、挿入口65を塞ぐ蓋62・63でボール29を収容凹部35に封入すると、ボール29がボール窓64あるいは挿入口65から抜け出すことを確実に防止できる。また、受熱体28の構造を簡素化しながら、ボール29を精度よく支持できる。
上記美容器具において、図1に示すように、本体ケース1に熱源3と、熱源3の駆動状態を制御する電装品ユニット4を組み込む。電装品ユニット4は、内部に電源を含むものであってもよく、外部の商用電源などから駆動電流の供給を受けるものであってもよい。
このように、熱源3および電装品ユニット4を本体ケース1に組み込むと、肌接触体2を本体ケース1から取り外した際に、肌接触体2を熱源3および電装品ユニット4から分離できるので、肌接触体2の水洗いを可能として、肌接触体2の洗浄作業を容易化できる。
上記美容器具において、図3および図11に示すように熱源3に、受熱体28の受熱面32と前後に正対する熱供給面49を設ける。受熱面32と熱供給面49を弾性体6・75で密着付勢する。
このように、肌接触体2の受熱面32と熱源3の熱供給面49を弾性体6・75で密着付勢すると、熱源3から肌接触体2への熱伝導効率を向上することができる。
上記美容器具において、図3に示すように熱源3を、本体ケース1に対して前後移動可能に組み付け、本体ケース1に組み込まれた弾性体6によって肌接触体2へ向かって密着付勢する。
このように、熱源3を肌接触体2へ向かって密着付勢する弾性体6を本体ケース1に組み込むと、肌接触体2の構造を簡素化して、本体ケース1から分離した状態の肌接触体2の取扱いを容易化することができる。
上記美容器具において、図11に示すように肌接触体2は、受熱体28と、本体ケース1に装着されて受熱体28を前後移動可能に支持する支持体74とを含む。受熱体28と支持体74の間に、受熱体28を熱源3へ向かって密着付勢する弾性体75を設ける。
このように、受熱体28を熱源3へ向かって密着付勢する弾性体75を肌接触体2の側に設けると、本体ケース1に対する熱源3の組付構造を簡素化して、その分だけコストを削減することができる。特に、熱源3を本体ケース1に固定すると、熱源3が破損することや、電装品ユニット4との間で導通不良が生じることなどをよく防止できる。
上記美容器具において、図10、図12および図13に示すように、熱源3と肌接触体2の接触面に、互いに係合する伝熱凸部70と伝熱凹部71を設ける。
このように、熱源3と肌接触体2の接触面に、互いに係合する伝熱凸部70と伝熱凹部71を設けると、当該接触面を平坦面とする場合に比べて、熱源3と肌接触体2の伝熱面積を大きくすることができるので、熱源3から肌接触体2への熱伝導効率を向上することができる。
上記美容器具において、図15に示すように、熱源3を受熱体28に固定する。本体ケース1に、熱源3の駆動状態を制御する電装品ユニット4を組み込む。
このように、肌接触体2の受熱体28に熱源3を固定すると、受熱体28と熱源3を確実に密着させて、熱源3から受熱体28への熱移動を良好に行える。
上記美容器具において、図5および図17に示すように、肌接触体2は肌電極を兼ねる。グリップを兼ねる本体ケース1の外面にグリップ電極58を設ける。肌接触体2とグリップ電極58で肌面に電流を供給する。
このように、肌電極を兼ねる肌接触体2と、本体ケース1に設けたグリップ電極58とで、人体を介して肌面に電流を供給すると、肌面に圧刺激と熱刺激に加えて電流刺激を付与でき、肌面に対してより多様で効果的な美容処理を行うことができる。本発明において電流刺激とは、微弱電流による刺激のみに限らず、イオン導入処理とイオン導出処理を含み、さらに、イオン導入処理時やイオン導出処理時よりも高い電圧に設定して行う筋肉の電流刺激なども含む概念である。
上記美容器具において、ボール29は肌電極を兼ねる。電流は受熱体28を介してボール29に供給する。
このように、ボール29が肌電極を兼ねるようにすると、ボール29とは別に肌電極を設ける場合に比べて肌接触体2を簡素化して、その分だけコストを削減することができる。
上記美容器具において、図19および図20に示すように、ボール29は肌電極を兼ねる。受熱体28に形成された貫通口103に、ボール29をボール窓102へ向かって移動付勢するばね104を収容する。ボール29と電流を供給するリード線106を、ばね104を介して電気的に接続する。
このように、ボール29をボール窓102へ向かって移動付勢するばね104は、自身の弾性によってボール29に安定的に密着するから、このばね104を介してボール29とリード線106を電気的に接続することにより、ボール29とリード線106の間が通電不良に陥ることを確実に防止できる。
上記美容器具において、ばね104の一端を熱源3の伝熱板47で受け止める。
このように、ばね104の一端を熱源3の伝熱板47で受け止めると、ばね104の他端でボール29を安定的に支持することができる。また、伝熱板47からばね104を介してボール29に熱を供給して、ボール29を加熱あるいは冷却することができるので、ばね104とは別に伝熱構造を設ける場合に比べてボール29および伝熱板47の周囲構造を簡素化して、その分だけコストを削減することができる。
上記美容器具において、図18および図21に示すように肌接触体2の外面に、肌面に熱刺激を付与する肌刺激面42・43を設ける。正面視における肌刺激面42・43の外郭線の内側に、複数個のボール29を配置する。なお本発明において、熱源3からボール29へ熱を供給することは必須ではない。
このように、肌刺激面42・43の外郭線の内側に複数個のボール29を配置すると、肌面に対して複数個のボール29と肌刺激面42・43を同時に押し当てることができる。従って、複数個のボール29を肌面上で同時に転動させて圧刺激を付与でき、さらに肌面を肌刺激面42・43で擦ることによる圧刺激と熱刺激を付与でき、肌面に対して多様な刺激を同時に付与することができる。
上記美容器具において、図18に示すように、肌刺激面42・43に3個以上のボール29を配置し、各ボール29の中心を結ぶ形状を正多角形状に形成する。
このように、肌刺激面42・43内に配置した各ボール29の中心を結ぶ形状を正多角形状に形成すると、美容器具のデザイン性を向上させて、その商品価値を高めることができる。また、複数のボール29を肌面上で転動させた際に、隣接する2個のボール29で肌面をつまんで圧刺激を付与することを可能にして、美容器具が付与する圧刺激を多様化することができる。
上記美容器具において、図21に示すように、肌刺激面42・43に4個のボール29を配置し、各ボール29の中心を結ぶ形状を台形状に形成する。
このように、肌刺激面42・43内に配置した各ボール29の中心を結ぶ形状を台形状に形成すると、複数のボール29を肌面上で転動させた際に、隣接する2個のボール29で肌面をつまんで圧刺激を付与することを可能にして、美容器具が付与する圧刺激を多様化することができる。また、ボール29を台形状に配置すると、隣接する2個のボール29の間隔を多様化させることができる。すなわち、台形の上底の両端に配置した2個のボール29と、下底の両端に配置した2個のボール29とでは、その間隔が異なる。間隔が比較的小さい2個のボール29によれば、肌面を比較的強くつまむことができ、間隔が比較的大きい2個のボール29によれば、肌面を比較的弱くつまむことができる。つまり、強さの異なる複数の圧刺激を肌面に付与することが可能となる。
上記美容器具において、図18および図21に示すように、ボール29の露出部分の投影面積の総和を、肌刺激面42・43の面積よりも小さく設定する。
ボール29が肌面に付与する圧刺激は比較的大きいため、ボール29の露出部分の投影面積の総和を、肌刺激面42・43の面積よりも小さくすることにより、ボール29が密集するのを避けて、肌接触体2の全体が肌面に付与する圧刺激を強過ぎない適度なものにすることができる。
(第1実施例) 図22ないし図24は、本発明の美容器具に係る第1実施例を示す。本実施例における本体ケース1(電装品ユニット4等の内蔵部品や機能を含む)の構造は、先の第8の提案例と同じであるので、その説明は省略する。本実施例に係るアタッチメント90Dは、肌接触体2がボール29に代えて丸底壺型のローラ(転動体)109を備える点で、上記各アタッチメント90A〜90Cと大きく相違する。具体的には、アタッチメント90Dは、装着凹部94が設けられたベース体110と、ベース体110の上面から突出するように配置される左右一対のヒータユニット(熱源)111と、各ヒータユニット111に被さる肌接触体2とを備える。各ヒータユニット111は丸棒状に形成してあり、同ユニット111の中心軸のまわりに、ローラ109を含む肌接触体2の全体が回転自在に支持してある。ローラ109とヒータユニット111の中心軸は一致しており、この中心軸がローラ109の回転軸Pとして機能する。各ローラ109の回転軸Pは、本体ケース1の上下方向の中心軸Qに対して前傾(傾斜)しており、本実施例では中心軸Qに対する回転軸Pの前方への傾斜角度αを50度とした。また、左右の回転軸Pを含む平面内における左右の回転軸Pの交差角度βを100度とした。アタッチメント90Dの全体は中心軸Qに対して左右対称である。交差角度βの「交差」の意味するところは、図23において一方の回転軸Pが奥まった位置にあり、他方の回転軸Pが手前の位置あって、2つの回転軸Pの互いが左右方向から視た側面視において交差しないが平面視では交差するような位置関係、つまり2つの回転軸Pがねじれの位置関係を含む。本実施例においては、平面視、側面視ともに2つの回転軸Pは交差している。また、本実施例では、本体ケース1に対して一対のローラ109を設けているが、前後方向に、回転軸Pの交差角度が同じ或いは交差角度を異ならせたもう一対のローラ109を設けることができる。つまり4個のローラ109を設けることができる。
次に、ヒータユニット111および肌接触体2の構造について説明するが、同説明においては、図24に表記した矢印と上下の表示に従い、ローラ109とヒータユニット111の中心軸(ローラ109の回転軸P)の伸び方向を上下方向と規定し、ローラ109とヒータユニット111の突端側を上、基端側を下と規定する。ヒータユニット111は、下向きに開口する細長い円筒状の伝熱筒114と、伝熱筒114の内奥部に収容されるヒータ115とを備える。ヒータ115は、PTCヒータや電熱線ヒータを好適に用いる。伝熱筒114は、熱伝導率が高くかつ導電性を有する金属材料を素材として形成してある。具体的には、剛性を有する銅またはアルミニウムで構成してある。ヒータ115と伝熱筒114との間には図示していないが有底筒状で熱伝導性に優れ絶縁性もあるシリコーンが介在してある。伝熱筒114の下端部には、伝熱筒114をベース体110に連結固定するための段部116が形成してある。ヒータ115は、装着凹部94に設けた駆動電流供給用のコネクタ96A・96B(図22参照)にリード線で接続してある。また伝熱筒114の内周面に、パルス電流供給用のコネクタ96Cから延びるリード線106が接続してある(図24参照)。つまり伝熱筒114は、制御基板10の電流調整回路からパルス電流の供給を受ける内部電極117を兼ねる。丸棒状の内部電極117に供給されたパルス電流は、後に詳述する摺動端子135を介してローラ109に供給される。つまり、伝熱筒114は剛体の電極となり、電流供給手段の一部を構成する。また、ヒータユニット111の伝熱体(棒状体)114は上述したようにローラ109の回転軸Pでもある。
肌接触体2は、下向きに開口する丸底壺型のローラ109と、ヒータユニット111の熱をローラ109へ伝導する受熱体120とを備える。ローラ109は、その大半を占める球欠(球を一つの平面で切り取った空間図形)型の頭部121と、頭部121の下端に連続する首部122とを備える。頭部121の上半部は半球状の突端部123を構成し、頭部121の下半部は外凸状に湾曲する膨出部124を構成する。首部122は、膨出部124の下端に連続する括れ部125と、括れ部125の下端に連続する張出部126とで構成される。すなわちローラ109には、上側から順に突端部123、膨出部124、括れ部125および張出部126が形成してある。括れ部125はローラ109において最も小径の箇所であり、その外周面は内凹み状に湾曲している。張出部126の外周面は外凸湾曲面で形成してあり、その外径寸法R2は頭部121の外径寸法R1よりも小さく設定してある。首部122の内周面と伝熱筒114の外周面との間には、ヒータユニット111に対してローラ109を滑らかに回転させるためのベアリング127が配置してある。
ヒータユニット111は、ローラ109の首部122から頭部121の内奥面の付近まで挿入してあり、このヒータユニット111を取り囲むように受熱体120が配置してある。受熱体120は内受熱体129と外受熱体130からなり、ヒータユニット111の熱は内受熱体129と外受熱体130を順に介してローラ109に伝導される。具体的には内受熱体129は、伝熱筒114の外周面を離れて取り囲む上下対称な球帯(球面を平行な二平面で切ったとき、その二平面に挟まれる球面の部分)型の包囲壁131と、包囲壁131の内周面から内向きに伸びる複数個の連結片132と、各連結片132の内端(突端)に形成される受熱片133とを一体に備える。受熱片133は、横断面円弧状の弾性変形可能な湾曲板からなり、伝熱筒114の外周面すなわち熱供給面134に弾性的に密着している。本実施例では、包囲壁131の上半部と下半部のそれぞれに一対の連結片132および受熱片133を設けた。一対の連結片132および受熱片133は伝熱筒114に対して対称に配置してある。
外受熱体130は、内受熱体129の包囲壁131よりも一回り大きい球帯型に形成してあり、包囲壁131の外周面とローラ109の頭部121の内周面との間に配置されて、両面に対して密着する。ローラ109と内受熱体129が金属材料を素材として形成されるのに対し、外受熱体130はシリコーンなどの弾性体を素材として形成される。柔軟性(弾性)および熱伝導性に優れるシリコーンなどの弾性体で外受熱体130を形成すると、外受熱体130を包囲壁131およびローラ109に対して隙間無く密着させて、包囲壁131からローラ109への熱伝導を良好に行える。ヒータユニット111のヒータ115が発する温熱は、伝熱筒114の熱供給面134に密着する各受熱片133から連結片132を介して包囲壁131に伝導し、さらに包囲壁131から外受熱体130を介してローラ109に伝導する。外受熱体130とローラ109および包囲壁131との間に生じる摩擦力は、伝熱筒114と各受熱片133の間に生じる摩擦力よりも十分に大きいため、ローラ109を回転軸Pのまわりに回転させると、内受熱体129および外受熱体130はローラ109と同行回転する。
外受熱体130の下方には、内部電極117(伝熱筒114)からローラ109へパルス電流を供給するための摺動端子135が配置してある。摺動端子135は金属製の板ばねからなり、その基端部はローラ109の内周面に固定され、その突端部は内部電極117の外周面すなわち電流供給面136に弾性的に密着している。制御基板10の電流調整回路で生成され、雌雄のコネクタ97C・96C等を介して伝熱筒114、つまりローラ109の回転軸Pに伝導されたパルス電流は、摺動端子135を介してローラ109に伝導される。伝熱筒114の下部とベアリング127およびベース体110との間には絶縁被膜138が形成してある。
図23に示すように、左右のローラ109の膨出部124の最小対向間隔W1と、括れ部125の最大対向間隔W2と、張出部126の最小対向間隔W3とは、不等式W3<W1<W2の関係にある。本実施例では、間隔W1・W2・W3をそれぞれ18mm、22mm、6mmとした。張出部126の外周面には複数個の凸部137が周方向等間隔に突設してある。
本実施例に係るアタッチメント90Dによれば、2個のローラ109の間に掌を挿入し、掌の肌面に沿ってアタッチメント90Dを往復動させることにより、掌に圧刺激を付与することができる。詳しくは、両膨出部124で掌をつまむことによる圧刺激と、両張出部126で掌の肌面を擦ることによる圧刺激とを同時に付与することができる。膨出部124と張出部126の外周面は外凸状に湾曲しているため、掌の肌面に対して滑らかにフィットする。さらに、ローラ109が肌面に沿って回転することにより、張出部126に設けた複数個の凸部137から次々に圧刺激が付与される。また、ローラ109の各部位で肌面に圧刺激を付与するのと同時に、ヒータユニット111で加熱されたローラ109からの温熱刺激と、ローラ109に供給されたパルス電流による電流刺激を付与できる。
もちろんアタッチメント90Dの適用対象は掌に限られず、顔肌、腕、足などにも適用することができる。
本実施例に係る美容器具の操作については、基本的に第1の提案例の操作と基本的に同じである。つまり、本実施例に係る美容器具は、電源スイッチ11の一度の操作により駆動を開始し、同スイッチ11の再度の操作により停止する。具体的には、美容器具の停止状態で電源スイッチ11が押圧操作されると、美容器具が駆動状態(記憶されていた後述する各運転モードが駆動状態)となる。つまり、制御基板10からヒータ115に駆動電流が供給され、運転モードによっては肌接触体2(ローラ109)とグリップ電極58にパルス電流が供給される。美容器具の駆動状態で電源スイッチ11が押圧操作されると、上記駆動電流または/およびパルス電流の供給が停止される。本実施例に係る美容器具は、ヒータ115、肌接触体2とグリップ電極58に電流が供給されない「待機モード」、ヒータ115に駆動電流を供給して肌接触体2を加熱する「温熱モード」、肌接触体2を加熱しながら肌接触体2をマイナスに帯電させる「イオン導入モード」、および、肌接触体2を加熱しながら肌接触体2をプラスに帯電させる「イオン導出モード」を有する。ユーザは、モード切替スイッチ12の押圧操作により、運転モードを、「待機モード」、「温熱モード」、「イオン導入モード」、「イオン導出モード」を順に切り替えることができる。表示部13を構成する4個のLEDは、上から順に、待機モード、温熱モード、イオン導入モード、イオン導出モードを示しており、選択された運転モードに応じた4個のLEDが点灯するようになっている。
温熱モードにおいては、制御基板10からヒータ115に駆動電流が供給され2個の肌接触体2が40℃前後の温度まで加熱される。この運転モードでは、加熱状態が維持される肌接触体2を肌面に当て、そのまま肌接触体2を往復移動させれば、肌面に物理的な刺激(圧刺激)を付与しながら肌面に温熱刺激を付与できる
イオン導入モードにおいては、制御基板10からヒータ115に駆動電流が供給され、また2個の肌接触体2にマイナス極性のパルス電流が供給され、グリップ電極58にプラス極性のパルス電流が供給される。この運転モードでは、予め肌面に化粧水などの美容用液を塗布した状態で肌接触体2を肌面に当て、そのまま肌接触体2を往復移動させれば、肌面に物理的な刺激(圧刺激)を付与しながら美容用液の保湿成分を肌に浸透させることができる。このとき肌接触体2は40℃前後まで加熱されているので肌面に温熱刺激を付与でき、これにより保湿成分の浸透効果も向上する。
イオン導出モードにおいては、制御基板10からヒータ115に駆動電流が供給され、また2個の肌接触体2にプラス極性のパルス電流が供給され、グリップ電極58にマイナス極性のパルス電流が供給される。この運転モードでは、肌接触体2に部分的に切りかかれた球状の専用のコットンシート(含浸体)を被せ、このコットンシートに美容用液を滲み込ませる。この状態で肌接触体2を肌面に当て、そのまま往復移動させる。これにより、肌面に物理的な刺激(圧刺激)を付与しながら、肌面に微弱な電流を供給でき、コットンシートに肌の微細な汚れを付着させることができる。このとき肌接触体2は40℃前後まで加熱されているので肌面に温熱刺激を付与できる。他は第8の提案例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
本実施例の変形例としてローラ109は、その生産性を考慮して、上下または左右に2分割したパーツを組み合わせて形成することができ、あるいは上下に3分割したパーツを組み合わせて形成することができる。ローラ109の全体を金属で構成する必要はなく、例えばプラスチック成形品の表面に金属めっきを施してローラ109を構成することができ、この場合もローラ109にパルス電流を流して肌面に電流刺激を付与することができる。また、ローラ109とヒータユニット111の中心軸は必ずしも一致させる必要は無く、ローラ109の中心軸に対してヒータユニット111の中心軸すなわちローラ109の回転軸Pを、ローラ109の径方向に偏心させてもよい。この場合は、左右のローラ109の対向間隔が、その回転に伴って変化するので、肌面に対して強い圧刺激と弱い圧刺激を交互に付与することができる。張出部126の外周面には、凸部137に代えて複数個の凹部を設けることができ、膨出部124などの外周面にも凸部137や凹部を設けることができる。
(第2実施例) 図25および図26は、アタッチメント90の構造を変更した本発明の第2実施例を示す。本実施例に係るアタッチメント90Eは、肌接触体2を支持するヒータユニット111が回転軸Pの方向に移動可能であり、従って一対のローラ109の対向間隔を自在に変更できる点で、第1実施例のアタッチメント90Dと相違する。本実施例のヒータユニット111の伝熱筒(棒状体)114は、ベース体110の上壁に固定された丸筒状のガイド筒(棒状体)141で上下出没自在に案内支持されている。ガイド筒141の上面には、伝熱筒114を出没させるための通口142が形成してある。つまり、伝熱筒(棒状体)114とガイド筒(棒状体)141とで導電性筒体よるテレスコピック形の伸縮部が構成されている。2本の棒状体114・141は、縮めた状態と伸長した状態の少なくとも2つの位置で位置保持可能となっており、本実施例の場合は、図示しない節度構造により、伝熱筒(棒状体)114をガイド筒(棒状体)141の固定端まで縮めた状態のベース位置からガイド筒(棒状体)141の半分位置まで伸長した状態の第1伸長位置と、ガイド筒(棒状体)141の通口142位置まで伸長した状態の第2伸長位置の3つの位置に位置保持可能となっている。従って、ベース位置の場合には、ローラ109は、本体ケース1にもっとも近いところに位置(図25における2点鎖線位置)し、第2伸長位置の場合には、ローラ109は、本体ケース1からもっとも遠いところに位置(図25における実線位置)する。また、第1伸長位置の場合は、ローラ109は、本体ケース1からもっとも遠いところに位置するローラ109と本体ケース1にもっとも近いところに位置するローラ109の中間に位置することになる。3つのどの位置においても棒状体114・141同士が電気的に接続されていることから、制御基板10から送られてくる電流は、リード線106、2本の棒状体114・141および後述するベアリング144からなる電流供給ラインを経由してローラ109に電流を供給できる。
ローラ109の内奥面には、伝熱筒114の上端部(突端部)を囲む円筒状のボス143が下向きに突設してあり、このボス143と伝熱筒114の上端部との間に、丸棒状のヒータユニット111に対してローラ109を滑らかに回転させるためのベアリング144が配置してある。パルス電流供給用のコネクタ96Cから延びるリード線106はガイド筒141に接続してあり、ガイド筒141に供給されたパルス電流は、伝熱筒114とベアリング144とボス143を順に介してローラ109に供給される。本実施例の場合、内外2本の棒状体(伝熱筒114とガイド筒141)により、ローラ109の回転軸Pが構成されている。リード線106をローラ109に直接接続すると、ローラ109を上下動させた際にリード線106が断線するおそれがあるが、本実施例のようにリード線106からガイド筒141を介して伝熱筒114に電流を供給すると、伝熱筒114とガイド筒141は共に剛体であるから、相対移動により断線するおそれは無く、従って美容器具の信頼性を高めることができる。ガイド筒141の外周面には絶縁被膜を形成することができる。
本実施例のアタッチメント90Eによれば、各ローラ109を本体ケース1およびベース体110に対して上下動させて、一対のローラ109の対向間隔を自在に変更できる。本実施例のアタッチメント90Eは、掌、腕、太股など、太さの異なる複数の人体部位に対して適用することができる。具体的には、適用対象となる人体部位の太さに合うように、両ローラ109を回転軸Pに沿って移動させて対向間隔を調整し、両ローラ109で当該部位を挟み、肌面に沿ってアタッチメント90Eを往復動させることにより、当該部位に圧刺激を付与することができる。例えば図25において、各ローラ109を2点鎖線に示すように縮めた位置に配置した状態では、湾曲する肌面(太股など)の手前側を圧刺激し、一方、実線で示す伸長位置に配置した状態では、湾曲する肌面の奥まった部位を圧刺激できる。他は第1実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(第3実施例) 図27は、アタッチメント90の構造を変更した本発明の第3実施例を示す。本実施例に係るアタッチメント90Fは、ローラ109が上下一対の分割体147・148で構成される点で、第2実施例のアタッチメント90Eと相違する。本実施例のローラ109は、括れ部125の上下方向の中央において、突端部123および膨出部124を含む第1分割体147と、張出部126を含む第2分割体148に分割されている。第1分割体147は、伝熱筒114でベアリング144を介して回転自在に支持してあり、この伝熱筒114がガイド筒141で上下出没自在に案内支持してある。第2分割体148は、ガイド筒141でベアリング127を介して回転自在に支持してあり、第1分割体147とは独立して回転軸Pのまわりに回転可能である。
本実施例のアタッチメント90Fによれば、各ローラ109の第1分割体147を第2分割体148に対して上下動させて、第1分割体147どうしの対向間隔を自在に変更できる。従って、第2実施例のアタッチメント90Eと同様に、掌、腕、太股など、太さの異なる複数の人体部位に対して適用することができる。さらに本実施例では、上下に離れた第1分割体147と第2分割体148を同時に肌面に接触させて、圧刺激を付与することができる。つまり、肌面の広い範囲に両分割体147・148で同時に圧刺激を付与することができる。両分割体147・148は互いに独立して回転するので、各分割体147・148と肌面の間に大きな摩擦が生じることは無く、各分割体147・148を肌面に沿ってスムーズに往復動させることができる。他は第2実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。なお、第1分割体147と第2分割体148の形状や大小は任意に設定することができ、例えば両分割体147・148は同一形状や相似形状などであってもよい。
第2および第3実施例において、外受熱体130を導電性かつ弾性を有するシリコーンやゴムなどの弾性体で形成すると、ガイド筒141から伝熱筒114に伝導したパルス電流を、内受熱体129および外受熱体130を介してローラ109に供給することができる。この場合は、伝熱筒114の熱供給面134が電流供給面136を兼ねるとともに、内受熱体129の連結片132および受熱片133が摺動端子135を兼ねる。摺動端子135(連結片132および受熱片133)は、包囲壁131および外受熱体130を介してローラ109の内面に固定されている。また変形例として、円筒状のボス143を下向きに延長し、当該延長部の内周面に摺動端子135を固定し、同端子135を伝熱筒114の外周面すなわち電流供給面136に弾性的に接触させることができる。
(第4実施例) 図28は、アタッチメント90の構造を変更した本発明の第4実施例を示す。本実施例に係るアタッチメント90Gは、ローラ109の頭部121が拡縮可能なゴムで形成される点で、第1実施例のアタッチメント90Dと相違する。各ローラ109は、伝熱筒114でベアリング127を介して回転自在に支持される金属製の首部122と、内部に気密空間Sが形成されたゴム製の頭部121とで構成してあり、頭部121は首部122と一体に伝熱筒114のまわりを回転可能である。頭部121内の気密空間Sは、伝熱筒114の内部を通じて、ベース体110に内蔵された給気用のポンプ151と排気弁152に接続してある。ポンプ151を駆動して気密空間Sへ給気して頭部121を拡径し、あるいは排気弁152を操作して気密空間Sから排気して頭部121を縮径することにより、2個のローラ109の対向間隔をユーザの好みに合わせて調整することができる。ゴム製の頭部121が膨張していない自然状態(実線)のローラ109の形状は、第1実施例のローラ109の形状とほぼ同一寸法、同一形状である。他は第1実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(第5実施例) 図29および図30は、アタッチメント90の構造を変更した本発明の第5実施例を示す。本実施例に係るアタッチメント90Hは、ローラ109が提灯型の拡縮部155を備える点で、第1実施例のアタッチメント90Dと相違する。拡縮部155は、図29に想像線で示すように、上下方向に圧縮することで拡径し、逆に上下方向に引き伸ばすと縮径する。具体的には拡縮部155は、外凸状に湾曲する複数枚(本実施例では12枚)の弾性板156を、ヒータユニット111のまわりに周方向等間隔に配置して構成されている。各弾性板156の上下端は、ヒータユニット111の伝熱筒114に挿通された上下一対の保持体157・158にそれぞれ係止されている。張出部126を含む下保持体158が伝熱筒114に固定されるのに対し、上保持体157は伝熱筒114に沿って上下スライド可能である。上保持体157には、各弾性板156からの上向きの付勢力が作用しており、この付勢力は上保持体157の上側に配置された操作体159で受け止められる。操作体159はねじ穴160を有し、伝熱筒114の上部に設けられたねじ軸161にねじ込んである。操作体159を回転操作して下向きに移動させると、拡縮部155を上下方向に圧縮して拡径させることができ、逆に操作体159を上向きに移動させると、拡縮部155を上下方向に引き伸ばして縮径させることができる。拡縮部155を縮径させた状態のローラ109の形状は、弾性板156間の隙間やねじ軸161、操作体159の存在を除けば概ね第1実施例のローラ109の形状と同一である。ベース体110の上壁内面には、伝熱筒114の下端部を回転自在に支持するベアリング162が設けてあり、ローラ109(肌接触体2)はヒータユニット111と一体に回転する。ヒータユニット111のヒータ115に対する給電は、ヒータユニット111と共に回転しない不図示の給電構造を介して行う。他は第1実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
上記実施例に係る美容器具は以下の態様で実施することができる。
美容器具は、本体ケース1と、肌面上を転動可能な転動体を含む肌接触体2を備えている。肌接触体2の転動体が、回転軸Pまわりに回転可能なローラ109である。少なくとも2個のローラ109が隣り合って配置されている。各ローラ109の回転軸Pが所定の交差角度βを有して配置されている。各ローラ109が回転軸Pに沿って移動可能に支持されている。
このように、転動体としての2個のローラ109を隣り合って配置しているので、2個のローラ109の間に挿入した手や腕などの人体部位に対して圧刺激を付与することができる。また、各ローラ109を回転軸Pに沿って移動可能に支持することにより、移動位置の違いで2個のローラ109の対向間隔を変更することができる。従って、掌、腕、太股など、太さの異なる複数の人体部位に対して、美容器具を適用することができる。具体的には、適用対象となる人体部位の太さに合うように、両ローラ109を移動させて対向間隔を調整し、両ローラ109で当該部位を挟み、肌面に沿って美容器具を往復動させることにより、当該部位に圧刺激を付与することができる。例えば図25において、各ローラ109を2点鎖線に示すように縮めた位置に配置した状態では、湾曲する肌面(太股など)の手前側を圧刺激し、一方、実線で示す伸長位置に配置した状態では、湾曲する肌面の奥まった部位を圧刺激できる。
上記美容器具において、各ローラ109が、第1分割体147と、第2分割体148とで構成されている。第1分割体147が回転軸Pに沿って移動可能に支持されている。
このように、各ローラ109を第1分割体147と第2分割体148で構成し、第1分割体147を回転軸Pに沿って移動可能に支持することにより、第1分割体147同士の対向間隔を自在に変更できる。従って、掌、腕、太股など、太さの異なる複数の人体部位に対して、本発明の美容器具を適用することができる。具体的には、適用対象となる人体部位の太さに合うように、第1分割体147を移動させて対向間隔を調整し、両第1分割体147で当該部位を挟み、肌面に沿って美容器具を往復動させることにより、当該部位に圧刺激を付与することができる。これと同時に、第1分割体147から離れた第2分割体148を肌面に接触させて、圧刺激を付与することができる。つまり本発明によれば、肌面の広い範囲に両分割体147・148で同時に圧刺激を付与することができる。
上記美容器具において、第1分割体147と第2分割体148が、回転軸Pまわりに互いに独立して回転可能である。
このように、第1分割体147と第2分割体148を互いに独立して回転可能とすることにより、各分割体147・148を肌面に沿って往復動させた際に、各分割体147・148が肌面に沿って回転するので、各分割体147・148と肌面の間に大きな摩擦が生じるのを解消して、各分割体147・148を肌面に沿ってスムーズに往復動させることができる。
上記美容器具において、各ローラ109の突端側から基端側にかけて、突端部123、外凸状の膨出部124、内凹み状の括れ部125、および括れ部125よりも大径の張出部126が記載順に形成してある。
このように、ローラ109の突端側から基端側にかけて、突端部123、外凸状の膨出部124、内凹み状の括れ部125、および張出部126を記載順に形成すると、隣り合う2個のローラ109の対向間隔を場所により異ならせることができる。間隔が比較的小さい箇所では人体部位を比較的強くつまむことができ、間隔が比較的大きい箇所では人体部位を比較的弱くつまむことができる。つまり、圧刺激に強弱を付けることができる。
上記美容器具において、隣り合う2個のローラ109の膨出部124の最小対向間隔W1と、括れ部125の最大対向間隔W2と、張出部126の最小対向間隔W3が、不等式W3<W1<W2の関係に設定してある。
このように、2個のローラ109の膨出部124の最小対向間隔W1と、括れ部125の最大対向間隔W2と、張出部126の最小対向間隔W3とを、不等式W3<W1<W2の関係に設定することにより、両ローラ109の間に突端側から挿入した手や腕などの人体部位に対して、膨出部124と張出部126を同時に接触させることができる。従って、両膨出部124で人体部位をつまむことによる圧刺激と、両張出部126で人体部位を擦ることによる圧刺激とを同時に付与することができる。
上記美容器具において、張出部126の外径寸法R2が、突端部123と膨出部124を含む頭部121の外径寸法R1よりも小さく設定してある。
このように、張出部126の外径寸法R2を頭部121の外径寸法R1よりも小さく設定することにより、本体ケース1等を握る手に対して張出部126が接当干渉するのを解消して、美容器具の使い勝手を向上することができる。
上記美容器具において、張出部126の外周面が外凸湾曲面で形成してある。
このように、張出部126の外周面を外凸湾曲面で形成することにより、手や腕などの人体部位に対する張出部126の肌当たりを滑らかなものとして、張出部126のフィット感を向上することができる。
上記美容器具において、張出部126の外周面に沿って複数個の凸部137または凹部が形成してある。
このように、張出部126の外周面に沿って複数個の凸部137または凹部を形成することにより、ローラ109が肌面に沿って回転することにより、張出部126に接触する肌面に対して凸部137または凹部で次々に圧刺激を与えることができる。これにより、張出部126で人体部位を擦ることによる圧刺激を向上することができる。
上記美容器具において、各ローラ109の回転軸Pは、本体ケース1の中心軸Qに対して傾斜している。
このように、各ローラ109の回転軸Pが、本体ケース1の中心軸Qに対して傾斜していることにより、無理な把持姿勢をとらずとも容易に各ローラ109を肌面に当てることができる。
上記美容器具において、ローラ109が肌面に電流を供給する肌電極となっている。ローラ109に電流を供給する電流供給手段の一部を回転軸Pが兼ねている。
このように、ローラ109が肌面に電流を供給する肌電極となっていることにより、肌面に電流刺激を付与することができる。また、ローラ109に電流を供給する電流供給手段の一部を回転軸Pが兼ねていることにより、ローラ109に電流を供給するのにすべてリード線を使用せずに済むため、リード線の断線による導通不良を可及的に防止できる。 さらに、電流供給手段の一部を回転軸Pが兼ねていることにより、リード線の断線防止目的に別途電流供給用電極を設けずに済むためコストを削減できる。
上記美容器具において、ローラ109の回転軸Pに沿って、円筒状の熱供給面134を有する熱源111を配置する。ローラ109の内面と熱源111の熱供給面134との間に、熱源111の熱をローラ109へ伝導する受熱体120を配置する。受熱体120は、熱供給面134に弾性的に密着する受熱片133を含み、ローラ109と同行回転する。このように、熱源111の熱をローラ109へ伝導する受熱体120が、熱源111の熱供給面134に弾性的に密着する受熱片133を含み、ローラ109と同行回転するものであると、ローラ109の回転中においても熱源111の熱を受熱体120へ確実に伝導して、ローラ109を加熱または冷却することができる。
上記美容器具において、図28ないし図30に示すように、ローラ109は径方向に拡縮可能である。
このように、ローラ109が径方向に拡縮可能であると、2個のローラ109の対向間隔を調整することにより、両ローラ109で人体部位をつまむ力の強さをユーザの好みに合わせて調整することができる。具体的には、両ローラ109の対向間隔を小さくするほど人体部位を強くつまむことができ、対向間隔を大きくするほど人体部位を弱くつまむことができる。
さらに上記実施例に係る美容器具は以下の態様で実施することができる。
美容器具は、本体ケース1と、肌面上を転動可能な転動体を含む肌接触体2を備えている。肌接触体2の転動体が、回転軸Pまわりに回転可能なローラ109である。少なくとも2個のローラ109が隣り合って配置されている。各ローラ109の回転軸Pが所定の交差角度βを有して配置されている。ローラ109が肌面に電流を供給する肌電極となっている。
このように、転動体としての2個のローラ109を隣り合って配置しているので、2個のローラ109の間に挿入した手や腕などの人体部位に対して圧刺激を付与することができる。ローラ109が肌面に電流を供給する肌電極となっていることにより、肌面に電流刺激を付与することができる。
上記美容器具において、ローラ109に電流を供給する電流供給手段を回転軸Pが兼ねている。
このように、ローラ109に電流を供給する電流供給手段の一部を回転軸Pが兼ねていることにより、ローラ109に電流を供給するのにすべてリード線を使用せずに済むため、電流供給ラインの断線による導通不良を可及的に防止できる。さらに、電流供給手段の一部を回転軸Pが兼ねていることにより、リード線の断線防止目的に別途電流供給用電極を設けずに済むためコストを削減できる。
上記美容器具において、ローラ109の回転軸Pが、円筒状の電流供給面136を有し、ローラ109の内面に、電流供給面136に弾性的に接触して電流をローラ109に供給する摺動端子135を固定している。
このように、ローラ109の回転軸Pが、円筒状の電流供給面136を有し、ローラ109の内面に、電流供給面136に弾性的に接触して電流をローラ109に供給する摺動端子135を固定していることにより、ローラ109の回転中においても、回転軸Pからローラ109への電流の供給を常に確実かつ良好に行うことができる。
上記美容器具において、ローラ109の回転軸Pとローラ109との間にベアリング144を設けることでローラ109を滑らかに回転できるよう構成されている。ローラ109に電流を供給する電流供給手段が、回転軸Pとベアリング144を含んで構成される。
このように、ローラ109に電流を供給する電流供給手段が、回転軸Pとベアリング144を含んで構成されることにより、ローラ109に電流を供給するのにすべてリード線を使用せずに済むため、電流供給ラインの断線による導通不良を可及的に防止できる。
上記美容器具において、本体ケース1と、肌面上を転動可能な転動体を含む肌接触体2を備えている。肌接触体2の転動体が、回転軸Pまわりに回転可能なローラ109である。 少なくとも2個のローラ109が隣り合って配置されている。各ローラ109の回転軸Pが所定の交差角度βを有して配置されている。各ローラ109が回転軸Pに沿って移動可能に支持されている。
このように、各ローラ109を回転軸Pに沿って移動可能に支持することにより、移動位置の違いで2個のローラ109の対向間隔を変更することができる。従って、掌、腕、太股など、太さの異なる複数の人体部位に対して、本発明の美容器具を適用することができる。具体的には、適用対象となる人体部位の太さに合うように、両ローラ109を移動させて対向間隔を調整し、両ローラ109で当該部位を挟み、肌面に沿って美容器具を往復動させることにより、当該部位に圧刺激を付与することができる。例えば図25において、各ローラ109を2点鎖線に示すように縮めた位置に配置した状態では、湾曲する肌面(太股など)の手前側を圧刺激し、一方、実線で示す伸長位置に配置した状態では、湾曲する肌面の奥まった部位を圧刺激できる。
上記美容器具において、各ローラ109が、第1分割体147と、第2分割体148とで構成されており、第1分割体147が回転軸Pに沿って移動可能に支持されている。
このように、各ローラ109を第1分割体147と第2分割体148で構成し、第1分割体147を回転軸Pに沿って移動可能に支持することにより、第1分割体147同士の対向間隔を自在に変更できる。従って、掌、腕、太股など、太さの異なる複数の人体部位に対して、本発明の美容器具を適用することができる。具体的には、適用対象となる人体部位の太さに合うように、第1分割体147を移動させて対向間隔を調整し、両第1分割体147で当該部位を挟み、肌面に沿って美容器具を往復動させることにより、当該部位に圧刺激を付与することができる。これと同時に、第1分割体147から離れた第2分割体148を肌面に接触させて、圧刺激を付与することができる。つまり本発明によれば、肌面の広い範囲に両分割体147・148で同時に圧刺激を付与することができる。
上記美容器具において、第1分割体147と第2分割体148が、回転軸Pまわりに互いに独立して回転可能である。
このように、第1分割体147と第2分割体148を互いに独立して回転可能とすることにより、各分割体147・148を肌面に沿って往復動させた際に、各分割体147・148が肌面に沿って回転するので、各分割体147・148と肌面の間に大きな摩擦が生じるのを解消して、各分割体147・148を肌面に沿ってスムーズに往復動させることができる。
上記美容器具において、回転軸Pが少なくとも2本の棒状体114・141からなり、2本の棒状体114・141は、相対的に移動可能に設けられている。移動する側の棒状体114にローラ109が設けられている。移動する側の棒状体114とローラ109とが電気的に接続されている。2本の棒状体114・141は、縮めた状態と伸長した状態の少なくとも2つの位置で位置保持可能となっており、どちらの位置においても棒状体114・141同士が電気的に接続されていることから、2本の棒状体114・141を経由してローラ109に電流を供給可能となっている。
このように、2本の棒状体114・141のうち移動する側の棒状体114とローラ109とが電気的に接続されていることにより、ローラ109に電流を供給するのにすべてリード線を使用せずに済むため、電流供給ラインの断線による導通不良を可及的に防止できる。このとき、2本の棒状体114・141がともに導電性を有する剛体であるので、縮めた状態でも伸長した状態においても電流をローラ109に供給することができ、しかも断線のおそれがなく、品質的に優れた電流供給ラインを構成できる。
上記各提案例、上記各実施例の転動体は、上記各提案例や上記各実施例に示した球体状のボール29と丸底壺型のローラ109に限られず、例えば、楕円体状のボールや円筒形のローラなどであってもよい。転動体29・109を加熱あるいは冷却することは必須ではなく、肌接触体2の少なくとも一部を熱源3・111で加熱あるいは冷却する構造になっていればよい。
上記各提案例、上記各実施例では、電装品ユニット4が内部電源としての電池9を含むものとしたが、これに代えて外部の商用電源などから電装品ユニット4の制御基板10へ駆動電流を供給することができる。具体的には、電装品ユニット4の一部としてのAC−DCコンバータを本体ケース1に内蔵し、商用電源の交流を同コンバータで直流に変換して制御基板10へ供給する。あるいは、本体ケース1の外側の電源アダプターを含めて電装品ユニット4を構成し、電源アダプターにAC−DCコンバータを内蔵し、同コンバータから本体ケース1内の制御基板10へ直流電流を供給する。