JP2016120270A - 小型電気器具 - Google Patents

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武則 岡村
Takenori Okamura
武則 岡村
岡本 祐介
Yusuke Okamoto
祐介 岡本
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【課題】肌面に電流を供給できるとともに擦り刺激を付与できる小型電気器具を提供することにある。
【解決手段】肌面に電流を供給する肌電極15・65に隣接して肌面に擦り刺激を付与する擦り体77・114を設けている。擦り体77・114が、回転自在に支持されたボール77・114である。肌電極15・65の平面視において、ボール114の周囲を囲繞するように肌電極15・65の肌接触面25が位置する。
【選択図】図26

Description

本発明は、肌面に電流を供給できる小型電気器具に関する。
本出願人は、肌に冷熱刺激を付与する美容器具を先に提案している(特許文献1)。そこでは、本体ケースの上部に肌面を冷却するためのヘッド部を備えている。ヘッド部には、ペルチェ素子と、同素子の周囲を保持する熱絶縁体と、ペルチェ素子を間にして冷熱面側に密着配置される冷熱ブロックと、温熱面側に密着配置される温熱ブロックと、これらの部材を支持する冷却部ホルダーと、温熱ブロックに密着配置されるヒートシンクなどが設けてある。これらの構成部材のうち、冷熱ブロック、ペルチェ素子、熱絶縁体、温熱ブロックと、冷却部ホルダーは、冷熱ブロックにねじ込んだビスで一体化されてユニット部品化されており、冷却部ホルダーを本体ケースの前ケースにビスで締結することにより、先のユニットが本体ケースと一体化してある。また、ヒートシンクは、温熱ブロックにねじ込まれたビスで同ブロックに固定してある。冷却部ホルダーの外面は、第1電極を兼ねる接触板で覆われており、本体ケースの左右両側には第2電極が設けてある。
上記の美容器具は、第1、第2、第3、第4の各モードに切換えて使用することができる。第1モードにおいては、化粧水が含浸された綿マットで接触板の外面を覆い、第1・第2の両電極に電圧を印加した状態で、綿マットを顔肌にあてがうことにより電気刺激を与えて、イオン導出作用によって微細な汚れを落とすことができる。このとき、第1電極はプラス極性、第2電極はマイナス極性とする。第2モードにおいては、第1電極と第2電極に極性の異なる電圧を交互に印加し、本体ケース内のバイブレーターを駆動した状態で、接触板を肌面にあてがうことにより、肌をほぐすことができる。第3モードにおいては、化粧水が含浸された綿マットで接触板の外面を覆い、第1電極をマイナス極性、第2電極をプラス極性とした電圧を印加した状態で、綿マットを顔肌にあてがうことにより電気刺激を与えて、イオン導入作用によって保湿成分を肌に浸透させることができる。第4モードにおいては、ペルチェ素子を作動させて接触板を冷却し、冷却された接触板を肌面にあてがって冷却することができる。
球体によりマッサージを行う器具は特許文献2に公知である。具体的には、台座に中空状の複数の固定部を設け、その内部に複数の球体を設置してふたで塞ぐことで球体を台座に対して自由回転可能に構成している。
特開2012−61251号公報 特開2008−55026号公報
特許文献1の器具は、熱刺激や電気刺激を肌面に付与できる。
一方、特許文献2の器具は、球体による擦り刺激を付与できる。
本発明の目的は、肌面に電流を供給できるとともに擦り刺激を付与できる小型電気器具を提供することにある。
本発明に係る小型電気器具は、肌面に電流を供給する肌電極65・130に隣接して肌面に擦り刺激を付与する擦り体77・114・141を設けている。
また、本発明に係る小型電気器具は、擦り体77・114・141が、回転自在に支持されたボール77・114・141である。
また、本発明に係る小型電気器具は、肌電極65の平面視において、ボール114の周囲を囲繞するように肌電極65の肌接触面25が位置する。
また、本発明に係る小型電気器具は、ボール114が肌電極65に対してフロート可能に支持されている。
図14に示すように、小型電気器具は、本体ケース1に機能ヘッド15を有している。機能ヘッド15または同ヘッド15を支持する本体ケース1に装着部50が設けられている。肌面に擦り刺激を付与する刺激付与具Bが装着部50に設けられていることを特徴とする。刺激付与具Bは機能ヘッド15とは別の構造体で装着部50に設けられている。
刺激付与具Bが、装着部50に装着される連結部75と、肌面に擦り刺激を付与する擦り体77を備えている。機能ヘッド15と擦り体77を肌面に同時に作用させる。
刺激付与具Bが、連結部75と、連結部75と一体に設けた擦り体ホルダー76と、擦り体ホルダー76で回転自在に支持した少なくとも1個の球状の擦り体77を備えている。擦り体77が肌面に沿って回転しながら擦り刺激を付与する。
擦り体77が、擦り体77から連結部75に至る間に設けたフロート構造で、本体ケース1に対してフロート可能に支持してある。
図18に示すように、擦り体ホルダー76は、擦り体ホルダー76と連結部75との間に設けたフロート構造で支持されている。これにより擦り体ホルダー76は、擦り体77をフロートさせることができる。
フロート構造が、擦り体ホルダー76と連結部75との間に設けた可撓体90を含んで構成されている(図18、図19参照)。これにより擦り体ホルダー76は、擦り体77をフロートさせることができる。
刺激付与具Bが、複数の擦り体77および擦り体ホルダー76を備えている。一つの擦り体77が肌反力を受けてフロート移動するとき、残る擦り体77が先の擦り体77とは逆向きにフロート移動する(図21参照)。
図23に示すようにフロート構造は、連結部75の周囲を囲むフロート枠96と、連結部75とフロート枠96との間に配置されて、フロート枠96を中立位置へ復帰付勢する複数のフロートばね90を備えている。中立位置におけるフロート枠96は、連結部75に設けた枠支持壁101で支持されている。フロート枠96に複数個の擦り体77および擦り体ホルダー76が設けてある。
フロート構造が、連結部75の周囲を囲むフロート枠96と、連結部75に装着されてフロート枠96を傾動可能に支持するフロート軸99を備えている。フロート枠96に複数個の擦り体77および擦り体ホルダー76が設けてある。
機能ヘッド15が、肌面に温熱刺激または冷熱刺激を付与できる熱刺激ヘッド15となっている。熱刺激ヘッド15を擦り体77の温度より高い温度に加熱した状態、あるいは熱刺激ヘッド15を擦り体77の温度より低い温度に冷却した状態で、熱刺激ヘッド15と擦り体77を肌面に同時に作用させて、肌面に熱刺激と擦り刺激を同時に付与する。
擦り体77が擦り体ホルダー76内に設けられたフロートばね90で弾性支持してある。
擦り体77は擦り体ホルダー76で回転自在に支持した球体からなる。機能ヘッド15と擦り体77を肌面に同時に作用させた状態において、機能ヘッド15で強い擦り刺激を付与し、擦り体77で弱い擦り刺激を付与する。
擦り体77の頂部を通る第1仮想平面H1が、機能ヘッド15の頂部を通るヘッド仮想平面Hより上側に位置させてある。
擦り体77が擦り体ホルダー76で上下フロート可能に支持されて、フロートばね90で押上げ付勢されている。擦り体77はフロートばね90で押上げられた待機位置と、フロートばね90の付勢力に抗して押下げられたフロート位置との間で上下フロートできる。フロート位置において、擦り体77の頂部を通る第2仮想平面H2が、熱刺激ヘッド15の頂部を通るヘッド仮想平面Hと同じかこれより下側に位置させてある。
機能ヘッド15の肌接触面25の面積が、平面視における1個の擦り体77の面積より大きく設定してある。
球体からなる複数の擦り体77が擦り体ホルダー76で回転自在に支持してある。
平面視における1個の擦り体77の面積は機能ヘッド15の肌接触面25の面積より小さいが、平面視における複数個の擦り体77の合計面積が、機能ヘッド15の肌接触面25の面積より大きく設定してある。
上突湾曲状に形成した機能ヘッド15の肌接触面25の曲率と、球体からなる擦り体77の曲率を比較するとき、前者曲率が後者曲率より小さく設定され、後者曲率が前者曲率より大きく設定してある。
擦り体77が擦り体ホルダー76で回転自在に支持されている。擦り体ホルダー76に一体で、かつ擦り体ホルダー76の底に設けた複数の受腕87で擦り体77が受止められている。これにより擦り体77を複数の受腕87で弾性支持している。
擦り体77が擦り体ホルダー76で回転自在に支持されている。擦り体ホルダー76の底に設けた複数の受腕87で擦り体77を受止めて、擦り体77の周面が擦り体ホルダー76の底面側に露出させてある。
刺激付与具Bの連結部75を装着部50に装着した状態において、擦り体ホルダー76の底面と本体ケース1との間に通水空間Sが確保してある。
刺激付与具Bの連結部75が複数の連結脚79で構成されて、周方向へ隣接する連結脚79の間に通水開口が設けてある。
機能ヘッド15が、肌面に電流を供給する肌電極65となっている。装着部50に装着した刺激付与具Bで、肌電極65の外面を覆う含浸体Cを固定している。
本発明に係る小型電気器具においては、肌面に電流を供給する肌電極65・130に隣接して肌面に擦り刺激を付与する擦り体77・114・141を設けていることにより、肌面に対して電流を供給しながら擦り刺激を付与できる。
小型電気器具においては、肌面に擦り刺激を付与する刺激付与具Bが装着部50に設けられていることにより、機能ヘッド15の作用とは別に肌面に擦り刺激を付与できる。「刺激付与具Bが装着部50に設けられている」とは、刺激付与具Bが装着部50に分離不能に固定されている構成を含むものであるが、例えば、機能ヘッド15または同ヘッド15を支持するケース体(本体ケース1の一部)を装着部50としてこれに刺激付与具Bを着脱可能に装着する構成であれば、刺激付与具Bを本体ケース1に対して安定した状態で連結できる。これは、他の部位に比べて剛性の高い機能ヘッド15、あるいは同ヘッド15を支持するケース体に装着部50を設けることにより、装着部50の構造強度を強化し、同部50に装着した刺激付与具Bを強固に支持できるからである。機能ヘッド15が剛性の高い理由として、肌面に対して直接当てられて応力がかかる部位であるためその肉厚を厚くしている、或いは、機能向上のため金属製の材質を採用しているからである。必然的にそれを支持するケース体(本体ケース1の一部)も剛性が高い。
刺激付与具Bに擦り体77が設けてあると、機能ヘッド15と擦り体77を肌面に同時に作用させた状態で擦り移動することにより、肌面に対して機能ヘッド15の作用と擦り刺激を同時に付与できる。例えば、機能ヘッド15で肌面を温めながら擦り体77で擦り刺激を付与する状態では、温熱刺激よって血行を促進しながら、肌面に物理的な刺激を付与できる。また、機能ヘッド15で肌面に冷熱を与えながら擦り体77で擦り刺激を付与する状態では、冷熱刺激によって顔肌を引締めながら、肌面に物理的な刺激を付与できる。
連結部75、および擦り体ホルダー76と、同ホルダー76で回転自在に支持した球状の擦り体77で構成した刺激付与具Bによれば、擦り体77が肌面に沿って回転(転動)することで擦り刺激を付与できる。従って、擦り体77の肌面に対するタッチ(接触感)をソフトで優しいものとして、より繊細な擦り刺激を肌面に付与でき、外部刺激に敏感で繊細な肌面であっても優しくマッサージすることができる。なお、「回転自在に支持した少なくとも1個の球状の擦り体77」とは、全方位に転動するボールだけを意味するのではなく、肌接触面が半球状となるように丸められた軸体が、その軸体の軸まわりに回転自在に擦り体ホルダーに支持された構造であってもよい。好ましくは、全方位に転動するボールの方が肌面に対するタッチ(接触感)を、よりソフトで優しいものとして、より繊細な擦り刺激を肌面に付与できるので、発明を実施するための形態では、ボール構造を具体例として挙げている。
擦り体77が、擦り体77から連結部75に至る間に設けたフロート構造で、本体ケース1に対してフロート可能に支持してあると、擦り体77がフロートすることで、擦り体77による擦り刺激が肌面に対して過剰に作用するのを防止して、擦り体77の肌面に対するタッチ(接触感)をさらにソフトで優しいものとすることができる。また、立体的な肌面の変化に追随して擦り体77がフロートするので、擦り体77による擦り刺激を肌面に対して効果的に付与できる。
擦り体ホルダー76は、擦り体ホルダー76と連結部75との間に設けたフロート構造で支持されていると、擦り体77のみがフロートする場合に比べて、フロート構造を設計する際の構造の自由度や、フロート時の変位量、あるいは変位に伴う弾性変形力などの設計の自由度を拡大して、フロート構造の最適化を促進できる。
擦り体ホルダー76と連結部75との間に設けた可撓体90を含むフロート構造によれば、フロート構造を簡素化して刺激付与具Bの製造コストを低コスト化できる。これは、擦り体ホルダー76の支持構造の少なくとも一部を可撓体90が兼ねるので、可撓体90を含む支持構造が複雑化するのを避けてフロート構造を簡素化し、その分だけ刺激付与具Bの構成部品を最小限化できるからである。
複数の擦り体77および擦り体ホルダー76を備える刺激付与具Bにおいて、一つの擦り体77がフロート移動するとき、残る擦り体77を逆向きにフロート移動させると、一方の擦り体77が沈み込んだ分だけ他方の擦り体77が浮き上がって肌面を押圧できるので、起伏の大きい肌面でも適切に擦り刺激を付与できる。
連結部75の周囲を囲むフロート枠96と、フロート枠96を中立位置へ復帰付勢する複数のフロートばね90を備えたフロート構造は、フロート枠96を連結部75の周りの全方位方向へフロート移動させることができる。このようなフロート構造を備えた刺激付与具Bにおいて、フロート枠96に複数個の擦り体77および擦り体ホルダー76が設けてあると、フロート枠96が傾動するときの支点位置が複雑に変化するので、擦り体77傾動軌跡を複雑に変化させることができる。従って、擦り体77の肌面に対するあてがい方の違いでフロート枠96の移動態様を様々に変化させて、擦り刺激の強弱の度合いや、擦り刺激が付与される部位の変化を多様化し、多様な擦り刺激を付与できる。また、起伏の大きい肌面でも適切に擦り刺激を付与できる。
フロート枠96をフロート軸99で上下傾動可能に支持するフロート構造において、フロート枠96に複数個の擦り体77および擦り体ホルダー76を設けると、一つの擦り体77がフロート傾動するとき、残る擦り体77を逆向きにフロート傾動できる。換言すると、フロート枠96をシーソー状にフロート傾動させて、肌面に作用する擦り刺激を多様化できる。従って、一つの擦り体77のみで肌面に擦り刺激を付与する状態と、複数の擦り体77で肌面に擦り刺激を付与する状態を選択することにより、肌面の部位の違いや肌状態の違いに応じて、あるいはユーザーの好みに応じて異なる擦り刺激を付与できる。また、起伏の大きい肌面でも適切に擦り刺激を付与できる。
熱刺激ヘッド15を擦り体77の温度より高い温度に加熱した状態、あるいは熱刺激ヘッド15を擦り体77の温度より低い温度に冷却した状態で、熱刺激ヘッド15と擦り体77を肌面に同時に作用させて、肌面に熱刺激と擦り刺激を同時に付与すると、肌面の血行を促進しながら物理的な刺激を付与できる、あるいは、肌面を引締めながら物理的な刺激を付与できる。
擦り体77が擦り体ホルダー76内に設けられたフロートばね90で弾性支持してあると、弱いばね力で擦り体77を弾性支持できるので、擦り体77の肌面に対するタッチ(接触感)をさらにソフトで優しいものとすることができる。
機能ヘッド15と擦り体77を肌面に同時に作用させた状態において、機能ヘッド15で強い擦り刺激を付与し、擦り体77で弱い擦り刺激を付与すると、肌面の部位の違いや肌状態の違いに応じて、機能ヘッド15と擦り体77を使い分けることにより、ユーザーの好みに応じた擦り刺激を肌面に付与できる。
擦り体77の頂部を通る第1仮想平面H1が、機能ヘッド15の頂部を通るヘッド仮想平面Hより上側に位置させてあると、第1仮想平面H1とヘッド仮想平面Hが面一になった状態でのみ、機能ヘッド15による作用と擦り体77による擦り刺激を肌面に同時に作用させることができる。このとき、擦り体77にはフロートばね90のばね力が作用しているので、擦り体77を肌面に確実に密着させて、擦り体77が転動するときの擦り刺激を肌面に付与できる。
フロート位置において、擦り体77の頂部を通る第2仮想平面H2が、機能ヘッド15の頂部を通るヘッド仮想平面Hと同じかこれより下側に位置させてあると、擦り体77が肌面に過剰に押付けられるのを防止して、擦り体77の肌面に対するタッチをソフトで優しいものとして、より繊細な擦り刺激を肌面に付与できる。
機能ヘッド15の肌接触面25の面積が、平面視における1個の擦り体77の面積より大きく設定してあると、面積の大きな肌接触面25で肌面に機能ヘッド15による機能を作用させながら、面積の小さな擦り体77で肌面に擦り刺激を与えることができる。こうした小型電気器具によれば、主として肌面に機能ヘッド15による機能を作用させることができる。擦り体77による擦り刺激は付随的となる。
球体(ボール)からなる複数の擦り体77が擦り体ホルダー76で回転自在に支持してあると、擦り体77の肌面に対するタッチ(接触感)をソフトで優しいものとして、より繊細な擦り刺激を肌面に付与でき、外部刺激に敏感で繊細な肌面であっても優しくマッサージすることができる。
平面視における1個の擦り体77の面積は機能ヘッド15の肌接触面25の面積より小さいが、平面視における複数個の擦り体77の合計面積が、機能ヘッド15の肌接触面25の面積より大きく設定してあると、機能ヘッド15の作用と擦り刺激を肌面に同時に作用させる際に、主として肌面に擦り刺激を付与できる。同時に機能ヘッド15による機能を作用させることができる。
上突湾曲状に形成した機能ヘッド15の肌接触面25の曲率と、球体からなる擦り体77の曲率を比較するとき、前者曲率が後者曲率より小さく設定され、後者曲率が前者曲率より大きく設定してあると、肌接触面25と肌面の接触機会を、擦り体77と肌面の接触機会より多くして、肌接触面25による作用を肌面に対して的確に付与できる。
擦り体77を、擦り体ホルダー76に一体で、かつ擦り体ホルダー76の底に設けた複数の受腕87で弾性支持していると、低コストで支持構造を構成することができる。
擦り体ホルダー76の底に設けた複数の受腕87で擦り体77を受止めて、擦り体77の底面側の周面が擦り体ホルダー76の底面側に露出させてあると、刺激付与具Bを洗浄するときの洗浄液の排出を円滑化できる。また、洗浄時には、擦り体77の上周面、あるいは擦り体ホルダー76の底面側から洗浄水を流し掛けながら洗浄できるので、擦り体77の表面全体を余すところなく確実に洗浄できる。
刺激付与具Bの連結部75を装着部50に装着した状態において、擦り体ホルダー76の底面と本体ケース1との間に通水空間Sが確保してあると、擦り体77および擦り体ホルダー76から流れ落ちた洗浄水を、通水空間Sから確実に排水できる。また、洗浄後の擦り体77および擦り体ホルダー76の風通しを良くして乾燥を促進できる。
刺激付与具Bの連結部75が複数の連結脚79で構成されて、周方向へ隣接する連結脚79の間に通水開口が設けてあると、連結脚79および装着部50に沿って洗浄水を速やかに流下させて、洗浄水が連結脚79や装着部50の周辺部分に滞留するのを防止できる。
装着部50に装着した刺激付与具Bで、肌電極65の外面を覆う含浸体Cを押圧固定していると、含浸体Cを固定する固定具を別途用意する必要がなく肌電極65周りの構成を簡素化できる。したがって、肌電極65周りをコンパクト化でき、使い勝手を向上できる。
本発明の実施例1に係る小型電気器具の要部の断面図である。 実施例1に係る美容器具の正面図である。 実施例1に係る美容器具の側面図である。 図1におけるJ−J線断面図である。 実施例1に係る発熱ユニットの分解斜視図である。 実施例1に係る発熱ユニットの分解側面図である。 図1におけるD−D線断面図である。 図1におけるE−E線断面図である。 図1におけるF−F線断面図である。 図1におけるG−G線断面図である。 電気刺激用の電極と制御基板の接続状態の概略を示す説明図である。 刺激付与具の縦断側面図である。 刺激付与具の平面図である。 本体部に含浸体と刺激付与具を装着した状態の縦断側面図である。 実施例2に係る小型電気器具本体および刺激付与具の平面図である。 図15におけるK−K線断面図である。 実施例3に係る小型電気器具本体および刺激付与具の平面図である。 図17におけるL−L線断面図である。 実施例4に係る刺激付与具の断面図である。 実施例5に係る小型電気器具本体および刺激付与具の平面図である。 実施例5に係る刺激付与具の一部破断側面図である。 実施例6に係る小型電気器具本体および刺激付与具の平面図である。 図22におけるM−M線断面図である。 実施例7に係る小型電気器具本体および刺激付与具の一部破断側面図である。 実施例8に係る小型電気器具本体および刺激付与具の平面図である。 図25におけるN−N線断面図である。 実施例9に係る小型電気器具本体および刺激付与具の平面図である。 図27におけるO−O線断面図である。 実施例10に係る小型電気器具の一部破断側面図である。 図29に係る小型電気器具の要部の正面図である。
(実施例1) 図1ないし図14は、本発明に係る小型電気器具を美容器具に適用した実施例1を示す。本発明における前後・左右・上下とは、図2および図3に示す交差矢印と、矢印の近傍に表記した前後・左右・上下の表示に従う。図2および図3において美容器具は、熱刺激機能およびイオン導出とイオン導入機能を発揮する本体部Aと、肌面に擦り刺激を付与する刺激付与具Bとを備えている。
本体部Aは、グリップを兼ねる円柱状の本体ケース1を基本構造体にして、その上部に発熱ユニット(機能ユニット)2を配置して構成してある。本体ケース1の前面には、スイッチパネル3が設けてあり、同パネル3の上から順に、電源をオン・オフする電源ボタン4と、熱切換えボタン5と、イオン切換えボタン6と、各ボタン4〜6の切換え状態を表示する表示灯4a、5a、5b、6a、6bが設けてある。また、本体ケース1の後面には、イオン導入あるいはイオン導出に関連する第2電極66が設けてある。
本体ケース1は、ヘッドケース9と把持ケース8とを有し、把持ケース8はヘッドケース9を前後に挟持固定する前ケース10および後ケース11で構成してある。ヘッドケース9の内部には発熱ユニット2が組まれ、前ケース10および後ケース11の内部には2次電池12と制御基板13が組込んである。制御基板13には、先の各ボタン4〜6に対応するスイッチ4c、5c、6cが設けてある。ヘッドケース9と把持ケース8を一体で形成して本体ケース1を構成したものであってもよい。
図1において、発熱ユニット2は、本体ケース1の外面に露出されて冷熱または温熱を肌面に作用させる熱刺激ヘッド(機能ヘッド)15と、本体ケース1の内部に収容されるヒートシンク16と、熱刺激ヘッド15とヒートシンク16との間に配置されるペルチェ素子(熱電変換素子)17、およびペルチェ素子を保護するスペーサー18などで構成する。
熱刺激ヘッド15は、熱伝導性に優れたアルミニウム製のダイキャスト成型品からなり、その殆どを占めるヘッド軸21と、ヘッド軸21の下部周面に形成されるフランジ状の張出壁22と、張出壁22より下方へ突設される伝熱部23を一体に備えている。つまり熱刺激ヘッド15は金属製の剛性のある構造体からなる。ヘッド軸21は、正三角形の各頂部が丸められた断面形状に形成してあり、軸内部に後述するサーミスタ51を収容する穴24が形成され、軸頂部に肌接触面25が上突湾曲状に形成してある。ヘッド軸21の下部に張出壁22を設けておくことにより、熱刺激ヘッド15の組付時に、張出壁22をヘッドケース9に設けた組付座44で受止め支持できるので、熱刺激ヘッド15がぐら付くのを防止して確りと固定することができる。ヘッド軸21の表面および肌接触面25は、チタンコーティングまたはアルマイト処理が施されている。ヘッド軸21については、コーティングやアルマイト処理など表面処理を行うのではなく、それ自身が、チタン製の金属で形成することができる。
図5において、ヒートシンク16は、熱伝導性に優れたアルミニウム製のダイキャスト成型品からなり、直方体状のシンクブロック27と、シンクブロック27の後および下面に設けた多数個の放熱フィン28と、シンクブロック27の左右両側に設けた締結座29と、シンクブロック27の上面に設けた伝熱部30および受熱台31を一体に備えている。シンクブロック27の前面の中央には、スペーサー18を位置決めする上下方向の位置決め溝32が形成してある。放熱フィン28は、その下端が前後ケース10・11の内部に入りこむ状態でシンクブロック27から下方へ大きく突設してあって、その合計の表面積を大きくすることにより、シンクブロック27に伝導した温熱あるいは冷熱を効果的に放熱できる。締結座29には上下貫通状のねじ挿通穴33が形成され、その上端にトンネル断面形の係合凹部34が凹み形成してある。伝熱部30の平面視形状は、ヘッド軸21の断面形状に一致させてあり、受熱台31の平面視形状は、ペルチェ素子17の外形形状より僅かに大きな四角形状に形成してある。
ペルチェ素子17は、厚みが薄い直方体状の市販されている発熱モジュールからなり、その上面と下面にはシリコーン樹脂製の伝熱シート35が配置してある。ペルチェ素子17に直流の駆動電流を供給することにより、例えば素子上面側を発熱させ、素子下面から吸熱を行うことができ、駆動電流の極性を反転することにより、素子下面側を発熱させ、素子上面から吸熱を行うことができる。こうした運転モードの違いは、電源ボタン4をオン操作したのち、熱切換えボタン5を1回オン操作するか、2回オン操作するかで切換えることができる。
スペーサー18は、ペルチェ素子17の周囲を囲む四角枠状のプラスチック成型品からなり、その前面の中央に縦長の位置決めリブ38が一体に設けてある。図1および図8に示すように、発熱ユニット2をヘッドケース9に組付けた状態においては、ペルチェ素子17の周囲がスペーサー18で密閉状に覆われる。そのため、例えばペルチェ素子17で熱刺激ヘッド15を加熱している状態から、ペルチェ素子17の作動を停止すると、熱容量が大きな熱刺激ヘッド15から伝導するフィードバック熱によって、ペルチェ素子17が過熱するおそれがある。こうしたフィードバック熱を速やかに放出するために、四角枠状のスペーサー18の隅部分の合計4個所に熱放出用の溝状の排熱開口39を形成している。スペーサー18の前壁に形成した溝は、ペルチェ素子17から導出した給電リードを通すための溝であるが、この溝も排熱開口39と同様に熱放出機能を発揮する。また、スペーサー18の前壁を除く周囲壁と位置決めリブ38の上面に突起40を設け、スペーサー18および位置決めリブ38の上面が熱刺激ヘッド15の下面に密着するのを防いで、熱刺激ヘッド15の熱がスペーサー18側へ伝導するのを抑止している。このような熱遮断をより効果的に行うために、スペーサー18は熱伝導しにくいプラスチック材で形成することが好ましい。
ヘッドケース9は、断面形状がヘッド軸21と相似状に形成してある上側のヘッド筒壁42と、これよりひとまわり大きな下側の丸筒状の連結筒壁43を備えた、段丘状のプラスチック成型品からなる。発熱ユニット2をより簡単な構造でヘッドケース9に組むために、ヘッド筒壁42の上端に、熱刺激ヘッド15の張出壁22を受止める組付座44が形成され、組付座44の中央にヘッド開口45が形成してある。また、連結筒壁43の内面の左右に、シンクブロック27を締結するためのねじボス46が一体に形成してある。図9に示すようにねじボス46の周囲5個所には、寸法誤差を吸収するための縦リブ47が形成してある。ヘッド筒壁42と連結筒壁43の間には肩部48が形成してあり、連結筒壁43の下端には前後ケース10・11で挟持される連結溝49が形成してある。発熱ユニット2をヘッドケース9に組付けた状態では、先の縦リブ47が係合凹部34と接当するので、ねじボス46の周面が係合凹部34の内周面に密着することはない。この実施例では、ヘッド筒壁42が後述する刺激付与具Bを着脱するための装着部50を兼ねるようにした。
先に説明したように、熱刺激ヘッド15の内部の穴24にはサーミスタ51が配置してある。この実施例では、サーミスタ51として、温度上昇に伴って抵抗値が減少するNTCサーミスタを使用し、穴24に嵌め込んだセンサーホルダー52でサーミスタ51を保持した(図7参照)。図4に示すように、シリコーン樹脂で形成したセンサーホルダー52は、その下端が伝熱シート35を介してペルチェ素子17と密着しており、その周面が穴24の内面に密着しているので、ペルチェ素子17および熱刺激ヘッド15の熱をサーミスタ51に伝える熱伝導体として機能する。
把持ケース8を構成する前ケース10および後ケース11は、それぞれ本体ケース1のグリップ部分を構成する前後に分割された半割りケースからなり、両者の上端にヘッドケース9の連結溝49と係合する半円状の連結リブ54が形成してある。また、前ケース10の内面の上下4個所には、後ケース11を締結するためのケースねじボス55が形成され、後ケース11のケース壁の上下にはケースねじボス55に対応して4個のねじ挿通穴56が形成してある。前ケース10の内面には制御基板13と、充電器から導出された給電プラグを接続するためのソケット57が組付けてある。符号58はソケット57に設けた接続ピンである。
図1に示すように、4個のケースねじボス55のうち、上側の左右一対のケースねじボス55には、ヒートシンク16の傾動を規制する傾動規制体60が外嵌する状態で装着してある。傾動規制体60は、ゴム、シリコーン樹脂、弾性変形可能な多孔質樹脂などの弾性材を素材にしてトンネル断面状に形成してあり、その中央寄りにケースねじボス55に外嵌する装着穴61が設けてある。また、ヒートシンク16の放熱フィン28と正対する傾動規制体60の周面には、平坦なフィン受面62が設けてある。
イオン導出およびイオン導入の美容処理を行うために電気刺激構造を設けている。図11において、電気刺激構造は肌面と接触する第1電極(肌電極)65と、本体ケース1の後部に設けた第2電極(グリップ電極)66と、これらの電極65・66に微弱なパルス電流を供給する制御回路などで構成する。この実施例では、熱刺激ヘッド15を利用して第1電極65とした。つまり熱刺激ヘッド15が第1電極65を兼ねている。図示していない制御回路は、制御基板13に実装してあり、第1電極65と第2電極66のいずれか一方をプラス極性にし、他方をマイナス極性にしてパルス電流を供給する。第2電極66は、チタン製の板をプレス加工して、握りやすい湾曲状に形成したものである。ここで電気刺激については、イオン導入、イオン導出以外に、イオン導入、イオン導出の際の電圧よりも高く設定して使用する電気的筋肉刺激を含む概念である。この電気的筋肉刺激の場合は小型電気器具を治療装置として利用する。
発熱ユニット2はヘッドケース9に対して以下の要領で組付ける。組付けに際しては、予めヘッド軸21にサーミスタ51とセンサーホルダー52を装着し、ヘッド軸21の基端部にOリング68を装着しておく。また、図6に示すように、シンクブロック27の受熱台の上面にペルチェ素子17を伝熱シート35と共に組んだうえで、スペーサー18をシンクブロック27に組付けておく。次に、熱刺激ヘッド15をヘッドケース9の内面側からヘッド開口45に挿通して、肌接触面25をヘッドケース9の上方に突出させる。さらに、ペルチェ素子17やスペーサー18をヒートシンク16と共に組んで、スペーサー18を熱刺激ヘッド15の伝熱部23に装着し、シンクブロック27の締結座29をヘッドケース9のねじボス46に接合して、ねじボス46と係合凹部34を係合する。この状態で、図1に示すように2個のビス(シンク締結ねじ)69をねじボス46にねじ込むことにより、発熱ユニット2をヘッドケース9と一体化できる。
上記のように、本体ケース1とヒートシンク16で、熱刺激ヘッド15、熱電変換素子17、スペーサー18の3者を固定保持すると、ヒートシンク16をビス69で本体ケース1に締結するだけで、前記3者15・17・18を同時に、しかも確りと固定することができる。従って、発熱構造部の構成部品の全てをより簡単な構造で確りと締結固定することができ、その分だけ組付けの手間を省くことができる。
また、熱刺激を付与するのに必要不可欠な熱刺激ヘッド15、ヒートシンク16、熱電変換素子17、およびスペーサー18で発熱構造部を構成するので、従来の美容器具に比べて無駄な部品を省いて、発熱構造部の構造を簡素化しコンパクト化でき、これに伴い発熱構造部を備えた美容器具の小型化とコンパクト化を実現できる。さらに、熱電変換素子17からヒートシンク16に伝導した熱を、ビス69を介して本体ケース1に伝導し、本体ケース1の表面において放熱することができるので、ヒートシンク16による放熱効果を向上できる。
さらに、シンクブロック27の締結座29に設けた係合凹部34をヘッドケース9のねじボス46に係合して、ヒートシンク16を前後左右に位置決めした状態で、ビス69をねじボス46にねじ込むので、ヒートシンク16のねじボス46に対する締結を的確に、しかも強固に行える。さらに、係合凹部34をねじボス46に係合する状態においては、縦リブ47の突端が係合凹部34に接当して寸法のばらつきを吸収するので、常に適正にヒートシンク16をヘッドケース9に固定することができる。
ヘッドケース9に固定した状態の熱刺激ヘッド15は、スペーサー18およびヒートシンク16で押圧されて、その張出壁22がOリング68を介して組付座44に押し付けられており、張出壁22の周囲がヘッド筒壁42の内面で受止められている。また、ペルチェ素子17は、ヒートシンク16の受熱台31と熱刺激ヘッド15の伝熱部23で挟持固定されている。つまり、熱刺激ヘッド15およびペルチェ素子17は、ヘッドケース9と同ケースに締結したヒートシンク16およびスペーサー18で固定保持されている。最後に、2次電池12や制御基板13が組付けられた前ケース10および後ケース11の連結リブ54をヘッドケース9の連結溝49に係合して、図10に示すように、4個のビス(ケース締結ねじ)70をケースねじボス55にねじ込むことにより本体部Aの組立を完了できる。この状態のヒートシンク16の放熱フィン28の両側面は、傾動規制体60のフィン受面62で受止められている。そのため、放熱フィン28が熱膨張し、あるは熱収縮するとき、放熱フィン28の変形を、傾動規制体60が圧縮変形しあるいは膨張変形して吸収できる。
図12ないし図14において刺激付与具Bは、ヘッドケース9の装着部50(ヘッド筒壁42)に着脱される連結部75と、連結部75の上部の周囲3個所に一体で設けたボールホルダー(擦り体ホルダー)76と、ボールホルダー76で回転自在に支持したプラスチック製のボール(擦り体)77を備えている。連結部75は、上端の連結端壁78と、連結端壁78の周囲から下向きに突設される3個の連結脚79を一体で備えており、連結端壁78の中央にヘッド軸21を通すための軸通口80が形成してある。周方向へ隣接する連結脚79の間は開口になっているので、開口の分だけ刺激付与具Bを軽量化できる。刺激付与具Bをヘッド筒壁42に装着した状態において、各連結脚79はヘッド筒壁42の頂部が丸められた筒壁部分に弾性変形した状態で係合する。連結部75とボールホルダー(擦り体ホルダー)76は本実施例ではプラスチック製であるが、金属製であってもよい。
ボールホルダー76は、スリット81で分割された周長の長い2個の保持筒壁82と、周長の短い2個の保持筒壁83で形成してあり、これら保持筒壁82・83の内面の上端に3対の抜止爪84が形成してある。図13に示すように、抜止爪84はスリット81に臨んで形成してある。各保持筒壁82・83の内面を通る仮想円の直径は、ボール77の球直径より僅かに大きく、抜止爪84の爪端を通る仮想円の直径は、ボール77の球直径より僅かに小さく設定してある。これにより使用時におけるボール77は、肌面に沿って回転しながら擦り刺激を付与することができる。なお、ボール77は各保持筒壁82・83を拡開状に弾性変形させながら押込むことにより、ボールホルダー76の内部に装着することができる。
刺激付与具Bは、肌接触面25の表面を覆うシート状の含浸体Cを固定保持するための固定具を兼ねており、合計6個の周長の短い保持筒壁83の下端と連結部75の連結端壁78の一部でヘッドケース9のヘッド筒壁42やヘッド軸21と協同して含浸体Cの周縁を挟持固定する(図14参照)。含浸体Cを固定保持するのは、ボールホルダー76だけで行ってもよければ、連結部75だけで行ってもよい。要するに、刺激付与具Bで含浸体Cを固定できればよい。上記のように、ボール77を3対の抜止爪84で支持することにより、ボール77下周面はボールホルダー76の下面側に露出する。従って、刺激付与具Bを洗浄するとき、ボール77の表面をくまなく洗浄できる。含浸体Cは、布、コットン(脱脂綿)、スポンジ、不織布等をシート状に形成したものである。このように、装着部50に装着した刺激付与具Bの連結部75または/および擦り体ホルダー76で、肌電極65の外面を覆う含浸体Cを押圧固定していると、含浸体Cを固定する固定具を別途用意する必要がなく肌電極65周りの構成を簡素化できる。したがって、肌電極65周りをコンパクト化でき、使い勝手を向上できる。本実施例では、刺激付与具Bとヘッドケース9および熱刺激ヘッド15にて含浸体Cを挟持固定しているが、含浸体Cを刺激付与具Bとヘッドケース9だけで挟持固定することができ、あるいは含浸体Cを刺激付与具Bと熱刺激ヘッド15だけで挟持固定することもできる。要するに含浸体Cは、刺激付与具Bと本体部Aとの間で挟持固定されていればよい。
ボール77を本体ケース1に対して上下フロート可能に支持するためにフロート構造を設けている。フロート構造は、各ボールホルダー76の底に一体で設けた弾性変形可能な3個の受腕87で構成してある。受腕87は、先のスリット81の下端壁に連続してボールホルダー76の中央に向けた斜め下向きに連出される腕基部88と、腕基部88の下端からボールホルダー76の中央に向けた斜め上向きに連出される支持腕部89で形成してあり、ボールホルダー76に装着したボール77の下周面を支持腕部89の先端で受止めることでボール77を弾性支持している。腕基部88と支持腕部89をともに斜め方向に連出して、受腕87の全長を稼いでいるので、塑性変形を起こしにくく、大きな押圧力を受けても弾性力(ばね力)を維持できる。このように、ボール77の下周面を弾性変形可能な3個の受腕87の自由端で弾性支持することにより、ボール77を全方位に転動させることができるとともに、ボール77と受腕87とが点接触となることで転がり抵抗を減少させることができ、ボール77を肌面上でスムースに回転させることができる。したがって、この実施例における受腕87は、ボール77を押上げ付勢するフロートばね(可撓体)90を兼ねている。使用時におけるボール77は、受腕87で押上げられた待機位置と、受腕87の付勢力に抗して押下げられたフロート位置との間で上下フロートできる。3個のボール77のいずれも肌反力を受けると、ボール77はフロートばね90のばね力に抗してボールホルダー76の底面側へ沈込み、擦り体77の肌面に対するタッチ(接触感)をソフトで優しいものとすることができる。図14に示されるように各ボールホルダー76内で支持された各ボール77は肌接触面25と直交する向きにおいて或いは熱刺激ヘッド15の軸方向と同一方向においてすべて同じ高さとなっている。受腕87の材質については、各ボールホルダー76がプラスチック製であるので、それに一体の受腕87もプラスチック製である。ボールホルダー76および受腕87はステンレス材などの金属製であってもよい。
刺激付与具Bをヘッド筒壁42に装着した状態を図14に示す。この状態のボール77の頂部を通る第1仮想平面H1は、熱刺激ヘッド15の頂部、すなわち肌接触面25の頂部を通るヘッド仮想平面Hより上側に位置させてある。また、ボール77が肌反力を受けて、受腕87を弾性変形させながらボールホルダー76内へ最大限沈み込んだフロート位置においては、ボール77の頂部を通る第2仮想平面H2が、肌接触面25の頂部を通るヘッド仮想平面Hより下側に位置させてある。ボールホルダー76とヘッドケース9の肩部48との間には通水空間Sが確保してあり、同空間Sを設けることにより洗浄水の排出を容易化している。また、刺激付与具Bをヘッド筒壁42に装着した状態では、図13の仮想線(2点鎖線)に示すように、熱刺激ヘッド15の周囲に3個(複数)の全方位に転動するボール77が隣接する状態で配設される。またそのボール77は、周方向の距離が均等になるように配設される。さらにそのボール77は、径方向の距離が均等になるように配設される。このように、熱刺激ヘッド15に隣接して全方位に転動するボール77を設けていれば、機能ヘッド15を肌に接触させた状態で移動させる際、移動抵抗が少なくなることで使用者は弱い力で熱刺激ヘッド15を移動させることができる。さらにボール77の頂部を通る第1仮想平面H1が、熱刺激ヘッド15の頂部を通るヘッド仮想平面Hより上側に位置させてあれば、より一層移動が容易となる。特に、熱刺激ヘッド15の周囲に複数のボール77を周方向にすべて同じ高さで配設すれば、全方位の移動がさらに容易となるとともに、熱刺激ヘッド15を肌面に対して不適切な傾動を伴うことなく当接できる。より好ましくは、熱刺激ヘッド15の周囲に複数の転動するボール77を周方向に均等に配設する。つまり、機能ヘッド15に隣接して転動可能なボール77を設けられており、ボール77は、機能ヘッド15の周囲を囲繞するように3個設けられている。また、各ボール77は、各ボール77を直線で繋いだとき正三角形を構成するように配設されている。具体的には、各ボール77は、平面視、つまり機能ヘッド15の肌接触面25に向き合う側から視て各ボール77を直線で繋いだとき正三角形を構成するように配設されている。また、転動するボール77が弾性支持されてフロート可能となっていることにより、肌面に過度の負担を強いることがない。なお、ヘッド仮想平面Hがボール77の頂部を通る第1仮想平面H1より下側にあって、ボール77がボールホルダー76に対してフロートしない構成であっても、ボール77が押圧している肌面は凹み、ボール77はその肌面に対して沈み込むので、熱刺激ヘッド15の肌接触面25は肌面に容易に接触できる。
肌接触面25とボール77の関係は、次のように設定してある。肌接触面25の面積は、平面視における1個のボール77の面積より大きく設定してあるが、平面視における3個のボール77の合計面積は、肌接触面25の面積より大きく設定してある。上突湾曲状に形成した肌接触面215の曲率が小さく設定してあるのに対し、ボール77の曲率は大きく設定してある。こうした刺激付与具Bによれば、熱刺激ヘッド15で肌面に強い擦り刺激を付与でき、ボール77で肌面に対して局部的な弱い擦り刺激を付与できる。
以上のように構成した美容器具は、ヘッド筒壁42に刺激付与具Bを装着した状態で、ヘッド軸21の肌接触面25とボール77で顔肌(肌面)を同時に擦ることにより、肌面に物理的な刺激を付与できる。美容用液を含浸させた含浸体Cを肌接触面25の表面に装着した状態で、第1電極65および第2電極66に微弱なパルス電流を供給して行うイオン導入モード、あるいはイオン導出モードで肌面に電気刺激を付与できる。また、ペルチェ素子17で生成した温熱あるいは冷熱を熱刺激ヘッド15に伝導して、肌面に熱刺激を付与する温熱刺激モード、あるいは冷熱刺激モードで肌面に刺激を付与できる。刺激付与具Bは、本体部Aに対して着脱可能に設けられているので、擦り刺激を必要としない場合は、本体部Aから刺激付与具Bを脱して分離させることで熱刺激ヘッド(機能ヘッド)15単独での使用が可能である。これによって肌の部分的な手入れが容易となる。
イオン導入モードの場合には、電源ボタン4をオン操作したのち、イオン切換えボタン6をオン操作することにより、図2に向かって左側の表示灯6aが点灯し、第1電極65をマイナス極性、第2電極66をプラス極性とした電圧が、制御回路から両電極65・66に印加される。この状態で、第2電極66を含む把持ケース8を握り、第1電極65を、美容用液を含浸させた含浸体Cを介して手入れしたい肌面にあてがうことにより、肌面に微弱な電流を供給でき、美容用液の保湿成分を肌に浸透させることができる。また、含浸体Cとボール77を肌面にあてがって擦ることにより、イオン導入を行って美容用液の保湿成分を肌に浸透させながら、ボール77による優しい擦り刺激を付与してマッサージ効果を発揮できる。なお、予め肌面に美容用液を塗布する場合は、含浸体Cを省いて、直接、第1電極65を肌面に接触させてイオン導入を行うことができる。
イオン導出モードの場合には、電源ボタン4をオン操作したのち、イオン切換えボタン6を2回オン操作することにより、図2に向かって右側の表示灯6bが点灯し、第1電極65をプラス極性、第2電極66をマイナス極性とした電圧が、制御回路から両電極65・66に印加される。この状態で、第2電極66を含む把持ケース8を握り、第1電極65を、美容用液を含浸させた含浸体Cを介して手入れしたい肌面にあてがうことにより、肌面に微弱な電流を供給でき、含浸体Cに肌の微細な汚れを付着させることができる。また、含浸体Cとボール77を肌面にあてがって擦ることにより、イオン導出を行って肌面の微細な汚れを落としながら、ボール77による優しい擦り刺激を付与できる。このとき、ボール77による優しい擦り刺激を付与しながら顔肌を伸長させて、微細な汚れの排出を促進することができる。また、ボール77の擦り刺激によってマッサージ効果を発揮できる。
温熱刺激モードにおいては、電源ボタン4をオン操作したのち、熱切換えボタン5をオン操作することにより、図2に向かって左側の表示灯5aが点灯し、ペルチェ素子17で生成した温熱が熱刺激ヘッド15に伝導される。このとき、ペルチェ素子17で生成した冷熱は、シンクブロック27へ伝導され、放熱フィン28から放熱される。このように、熱刺激ヘッド15をボール77の温度より高い温度に加熱した状態で、熱刺激ヘッド15の肌接触面25とボール77を肌面に同時にあてがって擦ることにより、肌面に温熱刺激と擦り刺激を同時に付与して、血行を促進することできる。温熱刺激モードにおいては、熱刺激ヘッド15の肌接触面25で強い擦り刺激を付与し、ボール77で弱い擦り刺激が付与される。なお、冷熱を放熱する際の放熱フィン28の収縮変形は、傾動規制体60が膨張変形して吸収する。
冷熱刺激モードにおいては、電源ボタン4をオン操作したのち、熱切換えボタン5を2回オン操作することにより、図2に向かって右側の表示灯5bが点灯し、ペルチェ素子17で生成した冷熱が熱刺激ヘッド15に伝導される。また、ペルチェ素子17で生成した温熱は、シンクブロック27へ伝導され、放熱フィン28から放熱される。このように、熱刺激ヘッド15をボール77の温度より低い温度に冷却した状態で、熱刺激ヘッド15の肌接触面25とボール77を肌面に同時にあてがって擦ることにより、肌面に冷熱刺激と擦り刺激を同時に付与して、肌面を引締めることができる。冷熱刺激モードにおいては、熱刺激ヘッド15の肌接触面25で強い擦り刺激を付与し、ボール77で弱い擦り刺激が付与される。なお、温熱を放熱する際の放熱フィン28の膨張変形は、傾動規制体60が収縮変形して吸収する。
上記の各刺激モードにおいては、ボール77が待機位置とフロート位置との間で上下フロートして、ボール77による擦り刺激が肌面に対して過剰に作用するのを防止できる。そのため、フロート構造を備えていない美容器具に比べて、ボール77の肌面に対するタッチ(接触感)をさらにソフトで優しいものとすることができる。また、立体的な肌面の変化に追随してボール77が上下フロートするので、ボール77による擦り刺激を肌面に対して効果的に付与できる。また、熱電変換素子17で生成した温熱はもちろん、熱電変換素子17で生成した冷熱を熱刺激ヘッド15で肌面に付与できるので、肌面に対する熱刺激を多様化して美容効果を向上できる。なお、イオン導出モードおよびイオン導入モードと、温熱刺激モードおよび冷熱刺激モードは、各モードを単独で作動させることができるが、相互に組み合わせを変更した状態で同時に駆動することができる。詳しくは、電源ボタン4がオン状態にあるとき、イオン切換えボタン6を1回押せばイオン導入モードとなり、イオン切換えボタン6を2回押せばイオン導出モードとなり、イオン切換えボタン6を3回押せば各電極65・66への電流供給がオフされる。また、電源ボタン4がオン状態にあるとき、熱切換えボタン5を1回押せば温熱刺激モードとなり、熱切換えボタン5を2回押せば冷熱刺激モードとなり、熱切換えボタン5を3回押せばペルチェ素子17への電流供給がオフされる。以上により、イオン導出モードと、イオン導入モードと、温熱刺激モードと、冷熱刺激モードの各モードを単独で作動させることができる。また、イオン導入モード時に、温熱刺激モードと冷熱刺激モードのいずれか一方を同時に作動させることができ、同様にイオン導出モード時に、温熱刺激モードと冷熱刺激モードのいずれか一方を同時に作動させることができる。このように、美容器具は8種の作動パターンに切換えることができる。
本実施例においては、機能ヘッド15は、肌面に温熱刺激または冷熱刺激を付与できる熱刺激ヘッド15および肌面に電気刺激を付与できる電極ヘッド15(肌電極65)となっている複数機能型のヘッドであるが、さらに、ヘッド内にバイブレーターや圧電素子を設けて、肌面に音波振動や超音波振動を付与できる機能を追加した多機能な機能ヘッド15であってもよい。逆に、上述した機能を単機能で搭載した簡易構造の機能ヘッド15であってもよい。
上記構成の美容器具においては、肌面に擦り刺激を付与する刺激付与具Bが装着部50に設けられていることにより、機能ヘッド15の作用とは別に肌面に擦り刺激を付与できる。「刺激付与具Bが装着部50に設けられている」とは、刺激付与具Bが装着部50に分離不能に固定されている構成を含むものであるが、例えば、機能ヘッド15または同ヘッド15を支持するケース体(ヘッドケース9、把持ケース8など本体ケース1の一部)を装着部50としてこれに刺激付与具Bを着脱可能に装着する構成であれば、刺激付与具Bを本体ケース1に対して安定した状態で連結できる。これは、他の部位に比べて剛性の高い熱刺激ヘッド15、あるいは同ヘッド15を支持するケース体に装着部50を設けることにより、装着部50の構造強度を強化し、同部50に装着した刺激付与具Bを強固に支持できるからである。機能ヘッド15が剛性の高い理由として、肌面に対して直接当てられて応力がかかる部位であるためその肉厚を厚くしている、或いは、機能向上のため金属製の材質を採用しているからである。必然的にそれを支持するケース体(本体ケース1の一部)も剛性が高い。また、上記の「機能ヘッド15または同ヘッド15を支持するケース体を装着部50としてこれに刺激付与具Bを着脱可能に装着する構成」は、本実施例のように刺激付与具Bが完全に分離独立するもの以外に、刺激付与具Bの一部がヒンジを介して本体ケース1に取り付けられて、機能ヘッド15に隣接する使用形態と、刺激付与具Bを前記使用形態から回動させて機能ヘッド15から離間した位置にある不使用形態との間で状態を変更できるものであってもよい。後者の着脱構造であれば刺激付与具Bの紛失を確実に防止できる。
また、刺激付与具Bに擦り体77が設けてあると、機能ヘッド15と擦り体77を肌面に同時に作用させた状態で擦り移動することにより、肌面に対して機能ヘッド15の作用と擦り刺激を同時に付与できる。例えば、熱刺激ヘッド15で肌面を温めながら擦り体77で擦り刺激を付与する状態では、温熱刺激よって血行を促進しながら、肌面に物理的な刺激を付与できる。また、熱刺激ヘッド15で肌面に冷熱を与えながら擦り体77で擦り刺激を付与する状態では、冷熱刺激によって顔肌を引締めながら、肌面に物理的な刺激を付与できる。
また、連結部75、および擦り体ホルダー76と、同ホルダー76で回転自在に支持した球状の擦り体77で構成した刺激付与具Bによれば、擦り体77が肌面に沿って回転することで擦り刺激を付与できる。従って、擦り体77の肌面に対するタッチ(接触感)をソフトで優しいものとして、より繊細な擦り刺激を肌面に付与でき、外部刺激に敏感で繊細な肌面であっても優しくマッサージすることができる。
また、熱刺激ヘッド15を擦り体77の温度より高い温度に加熱した状態、あるいは熱刺激ヘッド15を擦り体77の温度より低い温度に冷却した状態で、熱刺激ヘッド15と擦り体77を肌面に同時に作用させて、肌面に熱刺激と擦り刺激を同時に付与すると、肌面の血行を促進しながら物理的な刺激を付与できる、あるいは、肌面を引締めながら物理的な刺激を付与できる。
また、擦り体77が擦り体ホルダー76内に設けられたフロートばね90でフロート可能に弾性支持してあると、弱いばね力で擦り体77を弾性支持できるので、擦り体77の肌面に対するタッチ(接触感)をさらにソフトで優しいものとすることができる。
また、機能ヘッド15と擦り体77を肌面に同時に作用させた状態において、機能ヘッド15で強い擦り刺激を付与し、擦り体77で弱い擦り刺激を付与すると、肌面の部位の違いや肌状態の違いに応じて、機能ヘッド15と擦り体77を使い分けることにより、ユーザーの好みに応じた擦り刺激を肌面に付与できる。
また、擦り体77の頂部を通る第1仮想平面H1が、機能ヘッド15の頂部を通るヘッド仮想平面Hより上側に位置させてあると、第1仮想平面H1とヘッド仮想平面Hが面一になった状態でのみ、機能ヘッド15による作用と擦り体77による擦り刺激を肌面に同時に作用させることができる。このとき、擦り体77にはフロートばね90のばね力が作用しているので、擦り体77を肌面に確実に密着させて、擦り体77が転動するときの擦り刺激を肌面に付与できる。また、機能ヘッド15に隣接して全方位に転動するボール77を設けていれば、別の効果として、使用者が機能ヘッド15を肌に接触させた状態で肌面に沿って移動するのが容易となる。
また、フロート位置において、擦り体77の頂部を通る第2仮想平面H2が、機能ヘッド15の頂部を通るヘッド仮想平面Hと同じかこれより下側に位置させてあると、擦り体77が肌面に過剰に押付けられるのを防止して、擦り体77の肌面に対するタッチをソフトで優しいものとして、より繊細な擦り刺激を肌面に付与できる。
また、機能ヘッド15の肌接触面25の面積が、平面視における1個の擦り体77の面積より大きく設定してあると、面積の大きな肌接触面25で肌面に機能ヘッド15による機能を作用させながら、面積の小さな擦り体77で肌面に擦り刺激を与えることができる。こうした美容器具によれば、主として肌面に機能ヘッド15による機能を作用させることができる。擦り体77による擦り刺激は付随的となる。
また、球体からなる複数の擦り体77が擦り体ホルダー76で回転自在に支持してあると、擦り体77の肌面に対するタッチ(接触感)をソフトで優しいものとして、より繊細な擦り刺激を肌面に付与でき、外部刺激に敏感で繊細な肌面であっても優しくマッサージすることができる。
また、平面視における1個の擦り体77の面積は機能ヘッド15の肌接触面25の面積より小さいが、平面視における複数個の擦り体77の合計面積が、機能ヘッド15の肌接触面25の面積より大きく設定してあると、機能ヘッド15の作用と擦り刺激を肌面に同時に作用させる際に、主として肌面に擦り刺激を付与できる。同時に機能ヘッド15による機能を作用させることができる。
また、上突湾曲状に形成した機能ヘッド15の肌接触面25の曲率と、球体からなる擦り体77の曲率を比較するとき、前者曲率が後者曲率より小さく設定され、後者曲率が前者曲率より大きく設定してあると、肌接触面25と肌面の接触機会を、擦り体77と肌面の接触機会より多くして、肌接触面25による作用を肌面に対して的確に付与できる。
また、擦り体77を、擦り体ホルダー76に一体で、かつ擦り体ホルダー76の底に設けた複数の受腕87で弾性支持していると、低コストで支持構造を構成することができる。
また、擦り体ホルダー76の底に設けた複数の受腕87で擦り体77を受止めて、擦り体77の底面側の周面が擦り体ホルダー76の底面側に露出させてあると、刺激付与具Bを洗浄するときの洗浄液の排出を円滑化できる。また、洗浄時には、擦り体77の上周面、あるいは擦り体ホルダー76の底面側から洗浄水を流し掛けながら洗浄できるので、擦り体77の表面全体を余すところなく確実に洗浄できる。
また、刺激付与具Bの連結部75を装着部50に装着した状態において、擦り体ホルダー76の底面と本体ケース1との間に通水空間Sが確保してあると、擦り体77および擦り体ホルダー76から流れ落ちた洗浄水を、通水空間Sから確実に排水できる。また、洗浄後の擦り体77および擦り体ホルダー76の風通しを良くして乾燥を促進できる。
また、刺激付与具Bの連結部75が複数の連結脚79で構成されて、周方向へ隣接する連結脚79の間に通水開口が設けてあると、連結脚79および装着部50に沿って洗浄水を速やかに流下させて、洗浄水が連結脚79や装着部50の周辺部分に滞留するのを防止できる。
また、装着部50に装着した刺激付与具Bで、肌電極65の外面を覆う含浸体Cを押圧固定していると、含浸体Cを固定する固定具を別途用意する必要がなく肌電極65周りの構成を簡素化できる。したがって、肌電極65周りをコンパクト化でき、使い勝手を向上できる。
(実施例2) 図15および図16は、本発明に係る小型電気器具を美容器具に適用した実施例2を示す。そこでは、刺激付与具Bを連結筒壁43に着脱して、連結筒壁43が装着部50を兼ねるようにした。この実施例における刺激付与具Bは、連結部75と、連結部75の上部の周囲3個所に設けたボールホルダー76と、ボールホルダー76で回転自在に支持したプラスチック製のボール77で構成した。連結部75は、部分筒壁からなる3個の連結脚79で構成し、隣接する連結脚79の間に隙間93を設けて、連結脚79の隣接端の上部にボールホルダー76を設けるようにした。また、ボールホルダー76は、スリット81で分割された3個の保持筒壁82で形成し、各保持筒壁82の隣接部に臨んで抜止爪84を設けた。さらに、熱刺激ヘッド15のヘッド軸21を丸軸状に形成して、肌接触面25を部分球面状に形成した。実施例2のフロート構造は、実施例1のフロート構造と同じである。他の構成は先の実施例1と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
(実施例3) 図17および図18は、本発明に係る小型電気器具を美容器具に適用した実施例3を示す。そこでは、実施例1と同様にヘッド筒壁42が装着部50を兼ねるようにした。刺激付与具Bは、ヘッド筒壁42に装着される三角枠状の連結部75と、3個のボールホルダー76およびボール77と、連結部75とボールホルダー76との間に設けたフロートばね(可撓体)90で構成した。フロートばね90は金属製の板ばねからなり、その基端が連結部75の肉壁内に固定され、その先端がボールホルダー76を構成する保持筒壁82の肉壁内に固定してある。この実施例においては、フロートばね90が上下に弾性変形することで、ボールホルダー76がフロートばね90とともにフロート傾動して、ボール77を上下フロートさせる。ボールホルダー76の下開口には、実施例1における受腕87に換えてY字状の支持枠94が設けてあり、この支持枠94でボール77を受止めている。実施例3のフロート構造は、連結部75と、ボールホルダー76と、これら両者の間に設けたフロートばね90で構成してある。
(実施例4) 図19は、本発明に係る小型電気器具を美容器具に適用した実施例4を示す。そこでは、実施例3と同様に、ヘッド筒壁42に装着される三角枠状の連結部75と、3個のボールホルダー76およびボール77と、連結部75とボールホルダー76を繋ぐホルダー腕95などで刺激付与具Bを構成した。また、ホルダー腕95の中途部には、逆U字状のフロートばね(可撓体)90を一体に設けた。この実施例においては、フロートばね90が上下に弾性変形することで、ボールホルダー76がフロートばね90とともにフロート傾動して、ボール77を上下フロートさせる。実施例4のフロート構造は、連結部75と、ボールホルダー76と、これら両者の間に設けたホルダー腕95およびフロートばね90で構成してある。連結部75、ボールホルダー76、フロートばね90、およびホルダー腕95は、プラスチック成型されて一体化してある。
(実施例5) 図20、および図21は、本発明に係る小型電気器具を美容器具に適用した実施例5を示す。そこでは、連結筒壁43に装着されるリング状の連結部75と、連結部75の周囲を囲むフロート枠96と、フロート枠96の左右に設けた2個のボールホルダー76およびボール77などで刺激付与具Bを構成した。フロート枠96は、ハット形に形成した前後一対のフロート腕97を備えており、フロート腕97の側端間にボールホルダー76が一体に設けてある。フロート腕97の左右中央には傾動ボス98が設けてあり、同ボス98を連結筒壁43に設けた前後一対のフロート軸99で軸支することにより、フロート枠96がフロート軸99を中心にしてシーソー傾動(上下傾動)できるようにしている。
左右のボールホルダー76は、フロート枠96を中立位置へ復帰付勢する左右一対のフロートばね90で弾性支持されている。板ばねからなるフロートばね90の基端は、連結部75の肉壁内に固定され、先端分は支持枠94の下面に接当している。この実施例においては、フロート枠96がシーソー傾動するとき、フロートばね90が上下に弾性変形することで、ボールホルダー76がフロートばね90とともにフロート傾動して、ボール77を上下フロートさせる。また、片方のボール77が肌反力を受けて下向きにフロート傾動するとき、残るボール77は先のボール77とは逆に上向きにフロート傾動する。実施例5のフロート構造は、連結部75と、ボールホルダー76と、これら両者の間に設けたフロート枠96と、フロートばね90などで構成してある。フロートばね90は捩じりコイルばねで形成することができ、その場合には、傾動ボス98とフロート軸99にフロートばね90を配置して、フロート枠96を中立位置へ復帰付勢することができる。
(実施例6) 図22、および図23は、本発明に係る小型電気器具を美容器具に適用した実施例6を示す。そこでは、ヘッド筒壁42に装着されるリング状の連結部75と、連結部75の周囲を囲むリング状のフロート枠96と、フロート枠96の周囲3個所に設けた3個のボールホルダー76およびボール77などで刺激付与具Bを構成した。フロート構造は、先のフロート枠96と、連結部75とフロート枠96との間に配置されて、フロート枠96を中立状態へ復帰付勢する6個のフロートばね90と、連結部75の周囲に張出し形成した枠支持壁101などで構成する。フロートばね90は圧縮コイルばねからなり、その上端が連結部75の上部に固定したばね受リング102で受止められ、その下端はフロート枠96の内面下部に張出したリング状のフロート座103で受止めてある。フロート枠96はホルダー腕95を介してボールホルダー76と繋がっており、これら3者は一体に成形してある。
3個のボール77のうちのひとつが肌反力を受けて下向きに傾動すると、フロート枠96の全体が傾動して、傾動したボール77と対向する側のフロートばね90がフロート座103で圧縮変形される。このときのフロート枠96は、傾動したボール77に最も近い位置にある枠支持壁101の周縁を傾動支点にして傾動する。肌反力が解放されると、圧縮変形されていたフロートばね90のばね力によって、フロート枠96は図23に示す中立位置へ戻され、浮き離れていたフロート座103が再び枠支持壁101で支持される。この実施例においては、ひとつ、または二つのボール77が肌反力を受けて下向きにフロート傾動するとき、残るボール77は先のボール77とは逆に上向きにフロート傾動する。しかし、フロート枠96が傾動するときの支点位置は一様ではないので、ボール77の傾動軌跡は複雑に変化する。
(実施例7) 図24は、本発明に係る小型電気器具を美容器具に適用した実施例7を示す。そこでは、ヒートシンク16を含む発熱ユニット2の全体をヘッドケース9に収容し、ヘッドケース9の全体を把持ケース8で上下フロートかつ傾動可能に支持して、ヘッドフロートばね106で押上げ付勢した。詳しくは、ヘッドケース9の下部に首振軸107とフロート座103を設け、前後ケース10・11に設けたフロート区画108内に、ヘッドフロートばね106とフロート座103を収容した。フロート区画108の上壁には、首振軸107つまりヘッドケース9の全方位方向への傾動を許す傾動窓109が開口してある。刺激付与具Bは、ヘッド筒壁42に装着されるリング状の連結部75と、連結部75の周囲3個所から連出されるホルダー腕95と、ホルダー腕95の先端に設けたボールホルダー76およびボール77などで構成してある。ボール77はボールホルダー76で上下フロート可能に支持されて、同ホルダー76に収容したフロートばね90で押上げ付勢してある。
3個のボール77のうちのひとつが肌反力を受けると、ボール77はフロートばね90のばね力に抗してボールホルダー76の底面側へ沈込む。このとき、ヘッドケース9には傾動モーメントが作用するため、発熱ユニット2およびヘッドケース9は、ヘッドフロートばね106のばね力に抗しながら、ボール77の沈込み方向と同じ方向へ傾動する。つまり、ボール77の上下フロート動作に連動して、発熱ユニット2およびヘッドケース9が上下傾動して、肌面に擦り刺激を付与する。肌反力が解放されると、ボール77はフロートばね90のばね力で押上げ操作される。同時に、圧縮変形されていたヘッドフロートばね106のばね力によって、ヘッドケース9が図24に示す中立位置へ戻されて、フロート座103の上面がフロート区画108の上壁で受止められる。以上のように、ヘッドケース9の全体を把持ケース8で上下フロートかつ傾動可能に支持する美容器具によれば、ボール77を支持するばね90と、ヘッドケース9を支持するばね106が弾性変形することで、肌面に対する刺激をさらに緩和できる。
(実施例8) 図25および図26は、本発明に係る小型電気器具を美容器具に適用した実施例8を示す。そこでは、刺激付与具Bをヘッド筒壁42から突出する機能ヘッド15のヘッド軸21の周囲面に着脱して、機能ヘッド15が装着部50を兼ねるようにした。この実施例における刺激付与具Bは、ヘッド軸21に装着される三角枠状の連結部75と、連結部75の周囲3個所に設けたボールホルダー76、およびボール77などで構成した。さらに、肌接触面25の中央にフロート穴112を設け、その内部にボールホルダー(擦り体ホルダー)113とボール(擦り体)114を収容した。この場合、フロート穴112が装着部50であり、ボールホルダー(擦り体ホルダー)113が連結部75となっている。ボール114を上下フロート可能に支持するために、ボールホルダー113の底に弾性変形可能な3個の受腕115を設けている。受腕115は、実施例1で説明した受腕87と同様の、腕基部116と支持腕部117を備えていて、フロートばね118を兼ねている。ヘッド軸21に設けたボール114の直径は、ボール77の直径より小さい。この実施例における刺激付与具Bは、ボールホルダー76およびボール77と、ボールホルダー113およびボール114を含む概念である。ボールホルダー113およびボール114を含む刺激付与具Bは機能ヘッド15、つまり本体部Aに対して着脱不能に設けられている。このように、刺激付与具Bは必ずしも本体部Aに対して着脱可能に設けられていなくてもよい。
刺激付与具Bのボール77と熱刺激ヘッド15の肌接触面25を肌面に押し付けた状態では、肌接触面25の中央に設けたボール114が、受腕115の弾性力に抗しながらボールホルダー113内へ沈込み、肌面に沿って回転しながらボール77と協同して擦り刺激を付与する。このように、熱刺激ヘッド15にボール114が配置してあると、肌接触面25で肌面を擦って熱刺激を付与するのと同時に、熱刺激が付与された肌面にボール114で擦り刺激を付与できるので、熱刺激と擦り刺激の相乗効果によってさらに美容効果を向上できる。自由状態において、ボール77・114の頂部を通る第1仮想平面H1は、肌接触面25の頂部を通るヘッド仮想平面Hより上側に位置させてある。また、ボール77・114が肌反力を受けてボールホルダー76・113内へ最大限沈み込んだフロート位置においては、ボール77・114の頂部を通る第2仮想平面H2が、肌接触面25の頂部を通るヘッド仮想平面Hより下側に位置させてある。
(実施例9) 図27よび図28は、本発明に係る小型電気器具を美容器具に適用した実施例9を示す。そこでは、刺激付与具Bをヘッドケース9と一体化して、熱刺激ヘッド15で肌面に電気刺激や熱刺激を付与するのと同時に、刺激付与具Bのボール77で擦り刺激を付与できるようにした。詳しくは、ヘッド筒壁42の周囲3個所にボールホルダー76を一体に形成し、その内部にボール77とフロートばね90を収容した。
実施例9に係る美容器具は、以下の形態で実施できる。
熱刺激機能を備えた本体部Aと、肌面に擦り刺激を付与する刺激付与具Bとを備えており、
本体部Aは、本体ケース1と、本体ケース1のヘッドケース9に設けられて冷熱または温熱を肌面に付与する発熱ユニット2を備えており、
発熱ユニット2は、ヘッドケース9の外面に露出されて冷熱または温熱を肌面に作用させる熱刺激ヘッド15と、本体ケース1の内部に収容されるヒートシンク16と、熱刺激ヘッド15とヒートシンク16との間に配置される熱電変換素子17を含み、
熱刺激ヘッド15の周囲の少なくとも1個所に、擦り体77と擦り体77を支持する擦り体ホルダー76が配置されており、
擦り体ホルダー76が、ヘッドケース9と一体に設けてある美容器具。
(実施例10) 図29よび図30は、本発明に係る小型電気器具を美容器具に適用した実施例10を示す。そこでは、イオン導出とイオン導入などの電気刺激機能を発揮する本体部Aと、肌面に擦り刺激を付与する刺激付与具Bとを備えている。本体部Aは、グリップを兼ねる本体ケース121と、本体ケース121の前面に配置した含浸体Cを固定する固定具122と、本体ケース121の前面上部に設けられて電気刺激を付与する電極ヘッド123(肌電極130)などで構成している。本体ケース1の後面には、電源ボタン124とイオン切換えボタン126が設けてあり、本体ケース1の左右両側にはグリップ電極131が設けてある。本実施例では、電極ヘッド123(肌電極130)が機能ヘッド15となっている。
側面視における本体ケース1は前突湾曲状に形成されており、その内部に2次電池125と、表示灯127と、バイブレーター128などが設けてある。イオン導出およびイオン導入の美容処理を行うために、本体ケース121に電気刺激構造を設けている。電気刺激構造は、手入れされる肌面に電流を供給する電極ヘッド123(肌電極130)と、本体ケース121の側面に設けたグリップ電極131と、これらの電極130・131に微弱なパルス電流を供給する制御回路などで構成する。
制御回路は、2次電池125の前側に配置した制御基板(図示していない)に実装してあり、電極ヘッド123(肌電極130)とグリップ電極131のいずれか一方をプラス極性にし、他方をマイナス極性にしてパルス電流を供給する。バイブレーター128は、電極ヘッド123(肌電極130)の内部後方に配置してあり、電気刺激を付与する際に肌面に振動を作用させて、肌面をほぐすことができる。電極ヘッド123(肌電極130)は導電性に優れた金属板材を断面台形状にプレス加工して形成してあり、その開口周縁壁が本体ケース121の前壁に固定してある。肌刺激ヘッド123の突端面には、前突湾曲状の肌接触面132が形成してある。具体的には、電極ヘッド123はチタン製の板材をプレス加工して断面台形のカップ状に形成している。
固定具122は、電極ヘッド123の外面に被せ付けた含浸体Cを押え保持するために設けてあり、本体ケース121の前面に被さるアーム部134を有している。アーム部134は、前方に向けて湾曲した板状の前壁154と、前壁154の周囲の縁から後方に向けて突出した左側壁155および右側壁156と、前壁154の周囲の縁から後方に向けて突出し、かつ左右側壁155・156の上端を繋ぐように連結した上側壁157とを含んで構成される。前壁154の上部には、含浸体Cを押え保持する円形の押え窓135が設けてある。また、押え窓135の本体ケース121との対向縁には、挟持リング(挟持体)136が設けてある。アーム部134は、本体ケース121の湾曲形状に沿って前突湾曲状に形成してあり、その左右側壁155・156の下端が本体ケース121に対して回動軸137で前後回動可能に連結してある。これにより、固定具122は、電極ヘッド123および本体ケース121と協同して含浸体Cを挟持する使用姿勢と、図29に想像線で示すように、押え窓135が電極ヘッド123から離脱する開放姿勢とに姿勢変更できる。使用姿勢の際、固定具122は、上記左右側壁156・156の回動軸137に近い側の内面に設けた突起160が、本体ケース121の同じく回動軸137に近い側の側面に設けた突起161を乗り越えて係合することで、使用姿勢を保持できるようになっている。使用姿勢では、押え窓135が電極ヘッド123の周囲を囲む位置に保持されているが、このとき、後述するボール(擦り体)141も電極ヘッド123の周囲を囲むところに位置している。
刺激付与具Bは、図30に示すように、押え窓135の周囲6個所に設けたボールホルダー(擦り体ホルダー)140と、ボールホルダー140で全方位に回転自在に支持したプラスチック製のボール(擦り体)141と、ボール141を前向きに弾性付勢するフロートばね142を備えている。ボールホルダー140は先のアーム部134と一体に形成してあり、その前開口の内面に抜止爪143が形成してある。フロートばね142は圧縮コイル形のばねからなる。フロートばね142でボールホルダー140の前開口から突出する向きに弾性付勢されたボール141は、球面の一部がボールホルダー140の前面から露出する待機位置と、フロートばね142の付勢力に抗してボールホルダー140内へ沈込むフロート位置との間で前後にフロート変位できる。図29に示されるように各ボールホルダー140内で支持された各ボール141は肌接触面132と直交する向きにおいて或いは電極ヘッド123の軸方向と同一方向においてすべて同じ高さとなっている。電極ヘッド123の周囲に複数のボール141を周方向に配設すれば、全方位の移動および擦り刺激が容易になるとともに、電極ヘッド123を肌面に対して不適切な傾動を伴うことなく当接できる。より好ましくは、電極ヘッド123の周囲に複数の全方位に転動するボール141を周方向に均等に配設する。つまり、電極ヘッド123に隣接して全方位に転動可能なボール141が設けられており、ボール141は、電極ヘッド123の周囲を囲繞するように6個設けられている。また、各ボール141は、各ボール141を直線で繋いだとき正六角形を構成するように配設されている。具体的には、各ボール141は、平面視、つまり電極ヘッド123の肌接触面132に向き合う側から視て各ボール141を直線で繋いだとき正六角形を構成するように配設されている。
刺激付与具Bはアーム部134(固定具122)を含んで構成されている。電極ヘッド123に対して刺激付与具Bを回動不能にロックさせている部分は、上述の両突起160・161であり、この両突起160・161は、電極ヘッド123から遠く離れた部分にある。すなわち、刺激付与具Bを実際に位置保持している部分は電極ヘッド123から離れているが、電極ヘッド123の周囲にボールホルダー140やボール141、つまり刺激付与具Bが位置していれば、装着部50は、その電極ヘッド123あるいはそれを支持する本体ケース1の一部となる。一方、含浸体Cを電極ヘッド123に装着していない状態における使用姿勢のとき、たとえ電極ヘッド123および本体ケース121と上側壁157および挟持リング(挟持体)136との間に間隔があったとしても、装着部50に正対する部分が連結部75となる。本実施例では、本体ケース121の上部周面が装着部50であり、アーム部134における押え窓135、上側壁157および左右側壁155・156の上部が連結部75である。
以上のように構成した美容器具は、以下のように使用する。まず、化粧水などの美容用液を含浸させた含浸体Cを、電極ヘッド123の肌接触面132に被せ付け、固定具122を使用姿勢にして、含浸体Cの周縁部分を挟持リング136と本体ケース121で挟持固定する。この状態で電源ボタン124とイオン切換えボタン126をオン操作し、肌電極130およびグリップ電極131に微弱なパルス電流を供給し、肌面に電気刺激と刺激付与具Bによる擦り刺激を付与する。刺激付与具Bは、固定具122を含んで構成されており、刺激付与具Bを装着部50に装着した状態、つまり使用姿勢の状態において、電極ヘッド123(肌電極130)の外面を覆う含浸体Cの周囲を挟持する固定具を兼ねている。
電気刺激には、イオン導入モードとイオン導出モードがあり、イオン導入モードの場合には、電源ボタン124をオン操作したのち、イオン切換えボタン126をオン操作することにより、電極ヘッド123(肌電極130)をマイナス極性、グリップ電極131をプラス極性とした電圧が、制御回路から両電極130・131に印加される。この状態で、含浸体Cとボール141を肌面にあてがって擦ることにより、イオン導入を行って美容用液の保湿成分を肌に浸透させることができる。イオン導入時には、ボール141による優しい擦り刺激を付与して、マッサージ効果を発揮できる。また、電極ヘッド123に隣接して転動するボール141を設けていれば、さらなる効果として、使用者が電極ヘッド123を肌に接触させた状態で肌面に沿って移動するのが容易となる。
イオン導出モードの場合には、電源ボタン124をオン操作したのち、イオン切換えボタン126を2回オン操作することにより、電極ヘッド123(肌電極130)をプラス極性、グリップ電極131をマイナス極性とした電圧が、制御回路から両電極130・131に印加される。この状態で、含浸体Cとボール141を肌面にあてがって擦ることにより、イオン導出を行って肌の微細な汚れを落とすことができる。イオン導出時にはボール141による優しい擦り刺激を付与しながら顔肌を伸長させて、微細な汚れの排出を促進することができる。また、ボール141の擦り刺激によってマッサージ効果を発揮できる。また、電極ヘッド123に隣接して転動するボール141を設けていれば、さらなる効果として、使用者が電極ヘッド123を肌に接触させた状態で肌面に沿って移動するのが容易となる。
上記実施例では、肌電極65・130がイオン導入またはイオン導出を行う美容器具を例としていたが、肌電極65・130がイオン導入、イオン導出以外に、イオン導入、イオン導出の際の電圧よりも高く設定して電気的な治療を行う治療装置としたものであってもよい。
上記実施例に係る小型電気器具は、以下の形態で実施できる。
肌面に電流を供給する肌電極65・130に隣接して全方位に転動可能なボール77・114・141を設けている小型電気器具。
肌面に電流を供給する肌電極65・130に隣接して全方位に回転自在に支持されたボール77・114・141を設けている小型電気器具。
これにより、肌面に対して電気刺激を付与しながら擦り刺激を付与できる。また、肌面に対する肌電極65・130の移動がボール77・114・141によって容易となる。
ボール77・114・141は、肌電極65・130の周囲を囲繞するように複数個設けられている小型電気器具。
ボール77・114・141は、肌電極65・130の周囲を囲繞するように複数個回転自在に支持されている小型電気器具。
これにより、肌面に対して電気刺激を付与しながら擦り刺激を付与できる。また、肌面に対する肌電極65・130の全方位への移動がボール77・114・141によって容易となる。
ボール77・141は、肌電極65・130の周囲を囲繞するように複数個設けられており、
各ボール77・141は、各ボール77・141を直線で繋いだとき正三角形、正四角形(正方形)、正五角形、正六角形などの正多角形を構成するように配設されている小型電気器具。
ボール77・114・141は、肌電極65・130の周囲を囲繞するように複数個回転自在に支持されており、
各ボール77・141は、各ボール77・141を直線で繋いだとき正三角形、正四角形(正方形)、正五角形、正六角形などの正多角形を構成するように配設されている小型電気器具。
これにより、肌面に対して電気刺激を付与しながら擦り刺激を付与できる。また、肌面に対する肌電極65・130の全方位への移動がボール77・114・141によってさらに容易となるとともに、肌電極65・130を肌面に対して不適切な傾動を伴うことなく接触できる。
ボール77・141は、肌電極65・130の周囲を囲繞するように複数個設けられており、
各ボール77・141はすべて同じ高さ位置となるように支持されており、
肌電極65・130は、肌面に接触する肌接触面25・132を含み、
各ボール77・141は、肌電極65・130の肌接触面25・132に向き合う側から視て各ボール77・141を直線で繋いだとき正多角形を構成するように配設されている小型電気器具。
ボール77・141は、肌電極65・130の周囲を囲繞するように複数個設けられており、
各ボール77・141はすべて同じ高さ位置となるように回動自在に支持されており、
肌電極65・130は、肌面に接触する肌接触面25・132を含み、
各ボール77・141は、肌電極65・130の肌接触面25・132に向き合う側から視て各ボール77・141を直線で繋いだとき正多角形を構成するように配設されている小型電気器具。
これにより、肌面に対して電気刺激を付与しながら擦り刺激を付与できる。また、肌面に対する肌電極65・130の全方位への移動がボール77・114・141によってさらに容易となるとともに、より効果的に肌電極65・130を肌面に対して不適切な傾動を伴うことなく接触できる。
肌電極65・130の周囲を囲繞するように複数個のボールホルダー76・140が設けられており、
各ボールホルダー76・140のそれぞれに、複数個のボール77・141が全方位に回転自在に支持されており、
各ボール77・141は、肌電極65・130の周囲を囲繞し、かつすべて同じ高さ位置となるようにボールホルダー140の内部に配置したフロートばね90・142で、ボールホルダー76・140から突出する向きに弾性付勢されており、
肌電極65・130は、肌面に接触する肌接触面25・132を含み、
各ボール77・141は、肌電極65・130の肌接触面25・132に向き合う側から視て各ボール77・141を直線で繋いだとき正多角形を構成するように配設されている小型電気器具。
これにより、肌面に対して電気刺激を付与しながら擦り刺激を付与できる。また、肌面に対する肌電極65・130の全方位への移動がボール77・114・141によってさらに容易となるとともに、より効果的に肌電極65・130を肌面に対して不適切な傾動を伴うことなく接触できる。
グリップ兼用の本体ケース1に肌面に電流を供給する肌電極65・130を有しており、
肌電極65・130または同電極65・130を支持する本体ケース1に装着部50が設けられており、
肌面に擦り刺激を付与する刺激付与具Bが、装着部50に設けられており、
刺激付与具Bは、装着部50に装着される連結部75と、肌面に擦り刺激を付与するボール77を備えて、肌電極65・130とボール77を肌面に同時に接触可能となっており、
装着部50に装着した刺激付与具Bで、肌電極65・130の外面を覆う含浸体Cを固定している小型電気器具。
これにより、肌面に対して電気刺激を付与しながら擦り刺激を付与できる。また、肌面に対する肌電極65・130の全方位への移動がボール77・114・141によって容易となる。装着部50に装着した刺激付与具Bで、肌電極65の外面を覆う含浸体Cを押圧固定していると、含浸体Cを固定する固定具を別途用意する必要がなく肌電極65・130周りの構成を簡素化できる。したがって、肌電極65・130周りをコンパクト化でき、使い勝手を向上できる。
電気刺激機能を発揮する本体部Aと、肌面に擦り刺激を付与する刺激付与具Bとを備えており、
本体部Aは、本体ケース1と、本体ケース121に対して揺動軸137で連結されて揺動開閉する固定具122と、本体ケース1に設けられて肌面に電気刺激を付与する電気刺激構造および電極ヘッド123(肌電極130)を備えており、
固定具122には、電極ヘッド123(肌電極130)の外面に被さる含浸体Cを押え保持する押え窓135が設けられており、
刺激付与具Bは、電極ヘッド123(肌電極130)の周囲の少なくとも1個所に設けた擦り体(ボール)141と、擦り体(ボール)141を支持する擦り体ホルダー(ボールホルダー)140を含み、
擦り体ホルダー(ボールホルダー)140は固定具122と一体に設けられており、
電極ヘッド123(肌電極130)で肌面に電気刺激を付与するのに並行して、刺激付与具Bの擦り体141で肌面に擦り刺激を付与することを特徴とする小型電気器具。
これにより、肌面に対して電気刺激を付与しながら擦り刺激を付与できる。また、肌面に対する電極ヘッド123(肌電極130)の移動が擦り体(ボール)141によって容易となる。装着部50に装着した刺激付与具Bで、電極ヘッド123(肌電極130)の外面を覆う含浸体Cを押圧固定していると、含浸体Cを固定する固定具を別途用意する必要がなく電極ヘッド123(肌電極130)周りの構成を簡素化できる。したがって、電極ヘッド123(肌電極130)周りをコンパクト化でき、使い勝手を向上できる。
電極ヘッド123(肌電極130)の周囲の複数個所にボールホルダー140が等間隔おきに配置されており、
擦り体がボール141で形成されて、ボールホルダー140で全方位に回転自在に支持されており、
ボール141が、ボールホルダー140の内部に配置したフロートばね142で、ボールホルダー140から突出する向きに弾性付勢されている小型電気器具。
これにより、肌面に対して電気刺激を付与しながら擦り刺激を付与できる。また、肌面に対する電極ヘッド123(肌電極130)の移動がボール141によって容易となる。装着部50に装着した刺激付与具Bで、電極ヘッド123(肌電極130)の外面を覆う含浸体Cを押圧固定していると、含浸体Cを固定する固定具を別途用意する必要がなく電極ヘッド123(肌電極130)周りの構成を簡素化できる。したがって、電極ヘッド123(肌電極130)周りをコンパクト化でき、使い勝手を向上できる。また、ボール141が、フロートばね142で、ボールホルダー140から突出する向きに弾性付勢されてフロート可能となっていることにより、ボール141の肌面に対するタッチ(接触感)をソフトで優しいものとして、より繊細な擦り刺激を肌面に付与でき、外部刺激に敏感で繊細な肌面であっても優しくマッサージすることができる。
電気刺激構造は、肌面に電気刺激を付与する肌電極130と、本体ケース121の側面に設けたグリップ電極131と、これらの電極130・131に微弱なパルス電流を供給する制御回路を備えており、
電気刺激構造は、肌電極130とグリップ電極131のいずれか一方をプラス極性にし、他方をマイナス極性にしてパルス電流を供給することにより、イオン導入モードあるいはイオン導出モードで肌面に刺激を付与できる小型電気器具。
これにより、肌面に微弱な電流を供給して美容用液の保湿成分を肌に浸透させることができ、或いは肌の汚れを肌表面に移動させて含浸体Cに付着させることができる。
上記の実施例においては、擦り体77・114・141が球状のボールである場合について説明したが、その必要はなく、擦り体77・141は上面が半球状に丸められた回転不可能な軸体で形成してあってもよい。したがって、「球状の擦り体77」とは、全方位に回転自在に支持されるボール77・114・141だけを意味するものではなく、肌との接触面が半球状の回転しない擦り体を含む概念である。また、「回転自在に支持した少なくとも1個の球状の擦り体77」とは、全方位に回転自在に支持された球状のボールだけを意味するのではなく、肌接触面が半球状となるように丸められた軸体が、その軸体の軸まわりに回転自在に擦り体ホルダーに支持された構造であってもよい。その軸体が軸方向にフロートばね90でフロートする構成であればより肌面に対するタッチ(接触感)をソフトで優しいものとして、より繊細な擦り刺激を肌面に付与できる。「球体」は球状のボールを意味する。また、擦り体77・141は、機能ヘッド15・123の周囲に設けた回転軸まわりに回転するローラーであってもよい。ローラーが複数ある場合は、機能ヘッド15・123の周囲を囲繞するように、しかも同じ高さ位置となるように設けるが、その場合、回転軸の方向は、機能ヘッド15・123を中心として放射状となる仮想線に直交する向きとする。機能ヘッド15・123は、本体ケース1・121の上端に設ける必要はなく、本体ケース1・121の中央周面に突設してあってもよい。また、機能ヘッド15・123は、可動部を有しない固定構造に限らず、機能ヘッド15・123自身が、軸まわりに回転するローラーまたは全方位に転動するボールであってもよい。この場合、ローラーまたはボール自身が、温熱ローラー、温熱ボール、冷熱ローラー、冷熱ボール、電流刺激ローラー、電流刺激ボール、振動ローラー、振動ボールなどの機能性のある機能ヘッド15となる。また、機能ヘッド15・123自身が、回転するローラーまたは転動するボールであれば、この機能ヘッド15・123とボールからなる擦り体77・141は、共に略同一の優しい擦り刺激を肌面に付与できる。
機能ヘッド15・123と同時に擦り刺激を付与できれば、刺激付与具Bは、本体部Aに対して着脱可能に設けられていなくてもよい。本体ケース1・121または/および機能ヘッド15・123に直接ボールホルダー(擦り体ホルダー)76・140を形成し、その部位にボール(擦り体)77・141を配設した着脱不能な構成であってもよい。また、1個の本体ケース1・121であれば刺激付与具Bは、機能ヘッド15・123と同時に擦り刺激を付与できない構成であってもよい。すなわち機能ヘッド15・123が突出する面とは反対側の面の本体ケース1・121に装着部50を形成してこれに刺激付与具Bを着脱可能に装着することができる。つまり、機能ヘッド15・123が突出する側とは反対側にボールホルダー(擦り体ホルダー)76・140やボール(擦り体)77・141が突出する形態とすることで、本体ケース1・121を反転させながら肌面の手入れを行わせることができる。この構成においても刺激付与具Bを本体ケース1・121に対して着脱可能にする必要はなく、本体ケース1・121に一体でボールホルダー(擦り体ホルダー)76・140を形成し、その部位にボール(擦り体)77・141を配設した構成であってもよい。また、擦り体77・141は、機能ヘッド15・123に隣接して複数設ける必要はなく、1個だけ設けたものであってもよい。
A 本体部
1 本体ケース
2 発熱ユニット
9 ヘッドケース
15 熱刺激ヘッド
16 ヒートシンク
17 電熱変換素子(ペルチェ素子)
21 ヘッド軸
22 張出壁
25 肌接触面
44 組付座
46 ねじボス
50 装着部
65 第1電極(肌電極)
66 第2電極
69 シンク締結ねじ(ビス)
B 刺激付与具
75 連結部
76 擦り体ホルダー(ボールホルダー)
77 擦り体(ボール)
90 フロートばね
C 含浸体

Claims (4)

  1. 肌面に電流を供給する肌電極(65・130)に隣接して肌面に擦り刺激を付与する擦り体(77・114・141)を設けていることを特徴とする小型電気器具。
  2. 擦り体(77・114・141)が、回転自在に支持されたボール(77・114・141)であることを特徴とする請求項1に記載の小型電気器具。
  3. 肌電極(65)の平面視において、ボール(114)の周囲を囲繞するように肌電極(65)の肌接触面(25)が位置することを特徴とする請求項2に記載の小型電気器具。
  4. ボール(114)が肌電極(65)に対してフロート可能に支持されていることを特徴とする請求項3に記載の小型電気器具
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