JP6759833B2 - Aei型ゼオライトの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、AEI型ゼオライトの製造方法に関する。
AEI型ゼオライトは、オレフィン製造用触媒や選択的接触還元触媒(いわゆるSCR触媒)として検討されている結晶性アルミノシリケートである(例えば、特許文献1及び非特許文献1)。これまで、AEI型ゼオライトの製造方法として以下の製造方法が報告されている。
特許文献1は、Y型ゼオライト、ケイ酸ナトリウム、及び1,1−ジエチル−2,6−ジメチルピペリジニウムカチオンを含む原料を結晶化するAEI型ゼオライトの製造方法が開示されている。特許文献1に係る製造方法は、AEI型ゼオライトを得るための結晶化に5〜7日かかることが開示されている。
特許文献2では、硝酸アルミニウム、テトラエチルオルソシリケート、及び、1,1−ジエチル−2,6−ジメチルピペリジニウムカチオンを含む原料を、フッ化水素共存下で結晶化させ、アルミナに対するシリカのモル比が100を超えるAEI型ゼオライトの製造方法が開示されている。
非特許文献1では、ケイ酸ナトリウム、USY型ゼオライト、及び1,1,3,5−テトラメチルピペリジニウムカチオンを含む原料を結晶化するSSZ−39の製造方法が開示されている。非特許文献1に係る製造方法では、AEI型ゼオライトを得るための結晶化に7日かかることが開示されている。
非特許文献2では、特定のSDA、及び、原料のSiO/Al比が30のシリカアルミナ源を用いることで、SSZ−39が得られることが開示されている。非特許文献2では、SiO/Alモル比が30以外の混合物を結晶化した場合、AEI型ゼオライトが得られないことが開示されている。
非特許文献3では、Y型ゼオライト、テトラエチルホスホニウムカチオンを含む原料を結晶化するAEI型ゼオライトの製造方法が示されている。非特許文献3に係る製造方法では、AEI型ゼオライトを得るための結晶化に1日かかることが開示されている。
非特許文献4では、コロイダルシリカ、Y型ゼオライト、及び1,1,3,5−テトラメチルピペリジニウムカチオンを含む原料を結晶化するSSZ−39の製造方法が開示されている。非特許文献4に係る製造方法では、AEI型ゼオライトを得るための結晶化に66時間以上かかることが開示されている。
非特許文献5では、USY型ゼオライト、及び1,1,3,5−テトラメチルピペリジニウムカチオンを含む原料を結晶化するSSZ−39の製造方法が開示されている。非特許文献5に係る製造方法では、AEI型ゼオライトを得るための結晶化に7日かかることが開示されている。
また非特許文献5では、USY型ゼオライト、銅−ポリアミン錯体、及び1,1,3,5−テトラメチルピペリジニウムカチオンを含む原料を結晶化するSSZ−39の製造方法も開示されている。結晶化時間は記載されていない。
米国特許第5958370号 米国特許第7008610号
Chemical Communication 第48巻、8264−8266頁(2012年) Journal of American Chemical Society、第122号、263−273頁(2000年) Chemistry Letters、第43号、302−304頁(2014年) 第30回ゼオライト研究発表会、A5(2014年) Chemical Communication 第51巻、11030−11033頁(2015年)
これまで開示されたAEI型ゼオライトの製造方法は結晶化に時間がかかる。そのため、これらの製造方法はコストの高い製造方法であるのみならず、生産性が非常に低く、AEI型ゼオライトの工業的な製造方法として適用することは困難であった。
また、特許文献2及び非特許文献3は、比較的短い時間でAEI型ゼオライトの結晶化が可能であるとされる。しかしながら、これらの製造方法はフッ素又はリンを含む原料を使用することを必須とする。フッ素やリンは得られるAEI型ゼオライトに含まれることはもちろん、AEI型ゼオライトの製造後の排水等にも含まれる。そのため、排水処理等の追加の処理及び装置が必要となり、AEI型ゼオライトの製造コストが高くなる。さらに、特許文献2のAEI型ゼオライトの製造方法は、腐食性の高いフッ素を使用するため、通常のゼオライトの製造設備を用いることができなかった。
これらの課題に鑑み、本発明は、フッ素やリンを含む原料を実質的に使用することなく、なおかつ従来のAEI型ゼオライトの製造方法と比べて、生産性の高いAEI型ゼオライトの製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明はAEI型ゼオライト、特にアルミナに対するシリカのモル比が100以下のAEI型ゼオライトの工業的な製造方法を提供することを別の目的とする。
本発明者は、AEI型ゼオライトを工業的に製造するための製造方法について検討した。その結果、原料となる組成物に、アルミナ源、シリカ源、及び構造指向剤など必須の成分以外の第三成分を共存させることで、従来のAEI型ゼオライトの製造方法と比べて、より短い結晶化時間でAEI型ゼオライトが得られることを見出した。さらに、この様な製造方法はフッ素やリンなど、排液管理を必要とする成分を使用することなくAEI型ゼオライトが製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アルミナ源、シリカ源、構造指向剤、ナトリウム源、水及び(CHRN(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基であり、当該アルキル基は1以上の置換基を含んでいてもよい)で表されるカチオンを含む組成物を結晶化する結晶化工程、を有するAEI型ゼオライトの製造方法である。
以下、本発明のAEI型ゼオライトの製造方法について説明する。
本発明はAEI型ゼオライトの製造方法に係る。AEI型ゼオライトとは、AEI構造を有するゼオライトであり、特にAEI構造を有するアルミノシリケートである。
アルミノシリケートは、アルミニウム(Al)とケイ素(Si)とが酸素(O)を介したネットワークの繰返しからなる構造である。
AEI構造とは、国際ゼオライト学会(International ZeoliteAssociation;以下、「IZA」)のStructure Commissionが定めているIUPAC構造コードで、AEI型となる構造である。
AEI型ゼオライトの結晶相は、Collection of simulated XRD powder patterns for zeolites,Fifth revised edition,p.22(2007)に記載の粉末X線回折(以下、「XRD」とする。)パターン、又は、IZAの構造委員会のホームページhttp://www.iza−struture.org/databases/のZeolite Framework TypesのAEIに記載のXRDパターンのいずれかと比較することで、これを同定することができる。
本発明の製造方法により得られるAEI型ゼオライトとして、SSZ−39を挙げることができる。
本発明のAEI型ゼオライトの製造方法は、アルミナ源、シリカ源、構造指向剤、ナトリウム源、水及び(CHRN(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基であり、当該アルキル基は1以上の置換基を有してもよい)で表されるカチオンを含む組成物(以下、「原料組成物」ともいう。)を結晶化する結晶化工程、を含む。これにより、AEI型ゼオライト、更にはSiO/Al比が100以下のAEI型ゼオライト、また更にはSiO/Al比が50以下のAEI型ゼオライト、また更にはSiO/Al比が40以下のAEI型ゼオライトが得られる。
アルミナ源はアルミニウム(Al)及びアルミニウムを含む化合物であり、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、非晶質アルミノシリケート(以下、「無定形アルミノシリケート」ともいう場合もある。)、結晶性アルミノシリケート、金属アルミニウム、擬ベーマイト、アルミナゾル、及びアルミニウムアルコキシドからなる群の少なくとも1種、更には、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、非晶質アルミノシリケート、Y型構造以外の構造を有する結晶性アルミノシリケート、金属アルミニウム、擬ベーマイト、アルミナゾル、及びアルミニウムアルコキシドからなる群の少なくとも1種を挙げることができる。工業的な観点から、アルミナ源は水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、非晶質アルミノシリケート、結晶性アルミノシリケート、及び金属アルミニウムからなる群の少なくとも1種、更には水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、非晶質アルミノシリケート、及び結晶性アルミノシリケートからなる群の少なくとも1種、また更には酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、非晶質アルミノシリケート、及び結晶性アルミノシリケートからなる群の少なくとも1種、また更には結晶性アルミノシリケート又は非晶質アルミノシリケートの少なくともいずれか、また更には非晶質アルミノシリケートであることが好ましい。さらに、アルミナ源としての非晶質アルミノシリケートはシリカ含有率が43重量%超(ケイ素含有率として20重量%超)であることが好ましく、SiO/Al比が1.4以上2000以下、更には1.4以上100以下、また更には1.4以上50以下の非晶質アルミノシリケートを挙げることができる。
更に、本発明において原料組成物は(CHRN(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基であり、当該アルキル基は1以上の置換基を有していてもよい)で表されるカチオンを含有する。これにより、非晶質アルミノシリケート又はY型構造を有する以外の結晶性アルミノシリケートの少なくともいずれか、更には非晶質アルミノシリケートをアルミナ源とした場合であっても、従来のAEI型ゼオライトの製造方法と比べてより短時間でAEI型ゼオライトを結晶化することができる。
シリカ源はケイ素(Si)を含む化合物である。シリカ源は、シリカゾル、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、沈降法シリカ、無定形ケイ酸、無定形アルミノシリケート、及び結晶性アルミノシリケートからなる群の少なくとも1種であることが好ましく、無定形ケイ酸又は無定形アルミノシリケートの少なくともいずれかであることが好ましい。
構造指向剤(以下、「SDA」ともいう。)は、AEI型ゼオライトを指向する化合物として公知の化合物を使用することができる。原料組成物が含むSDAとして、1,1,3,5−テトラメチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジエチル−2,6−ジメチルピペリジニウムカチオン、1,1,2,6−テトラメチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1,2,6−トリメチルピペリジニウムカチオン、及び1,1,2−トリエチルピペリジニウムカチオンからなる群の少なくとも1種、更には1,1,3,5−テトラメチルピペリジニウムカチオン又は1,1−ジエチル−2,6−ジメチルピペリジニウムカチオンの少なくともいずれか、また更には1,1,3,5−テトラメチルピペリジニウムカチオンを挙げることができる。
SDAは、上記のカチオンの塩の状態であればよく、上記のカチオンの水酸化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物からなる群の少なくとも1種であり、更には上記のカチオンの水酸化物、塩化物及び臭化物からなる群の少なくとも1種であることが挙げられる。
ナトリウム源はナトリウムを含む化合物であり、特に塩基性を示すナトリウムの化合物である。具体的なナトリウム源として、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム及び硫酸ナトリウムからなる群の少なくとも1種、更には水酸化ナトリウムを挙げることができる。また、シリカ源またはアルミナ源がナトリウムを含む場合、当該ナトリウムもナトリウム源とすることができる。
原料組成物は、ナトリウム以外のアルカリ金属を含む化合物(以下、「アルカリ金属源」ともいう。)を含んでいることが好ましい。アルカリ金属源を含むことにより、AEI型ゼオライト以外の構造の結晶性アルミノシリケートの副生が抑制されやすくなる。アルカリ金属源は、ナトリウム以外のアルカリ金属を含む化合物であり、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群の少なくとも1種を含む化合物であり、更にはカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群の少なくとも1種を含む水酸化物である。
工業的に入手しやすいため、アルカリ金属源はカリウムを含む化合物であることが好ましく、水酸化カリウム、炭酸カリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム及び臭化カリウムからなる群の少なくとも1種であることがより好ましい。さらに、工業的に入手しやすく、比較的安価であることからアルカリ金属源は水酸化カリウムであることが好ましい。また、シリカ源またはアルミナ源がナトリウム以外のアルカリ金属を含む場合、当該アルカリ金属もアルカリ金属源とすることができる。
原料組成物は水を含む。原料組成物が含む水は、蒸留水、脱イオン水や純水であればよい。また、アルミナ源やシリカ源など、原料組成物に含まれる他の成分に由来する水であってもよい。
原料組成物は(CHRN(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基であり、当該アルキル基は1以上の置換基を有していてもよい)で表されるカチオン(以下、「四級アンモニウムカチオン」ともいう。)を含む。更には非晶質アルミノシリケートをアルミナ源とした場合であっても、AEI型ゼオライトが結晶化することができ、製造コストを抑えてAEI型ゼオライトの結晶化ができる。これに加え、原料組成物が四級アンモニウムカチオンを含有することで、AEI型ゼオライトの結晶化が促進される。これにより、従来のAEI型ゼオライトの製造方法と比べ、より短い時間でのAEI型ゼオライトの結晶化が可能となり、原料組成物のシリカに対する水酸化物イオンのモル比(以下、「OH/SiO比」ともいう。)が低い場合であっても、AEI型ゼオライトが結晶化できる。より低いOH/SiO比環境下でのAEI型ゼオライトの結晶化が可能となるため、高い収率でAEI型ゼオライトを結晶化することができる。OH/SiO比は0.45以上、又は結晶化時間が80時間以上の少なくともいずれかを満たしていてもよいが、OH/SiO比が0.45未満、結晶化時間が80時間未満、更には、OH/SiO比が0.45未満、かつ、結晶化時間が80時間未満、であってもAEI型ゼオライトが単一相で結晶化する。
原料組成物が四級アンモニウムカチオンを含有することでAEI型ゼオライトの結晶化が促進される理由のひとつとして、四級アンモニウムカチオンが存在することにより、AEI型ゼオライトを誘導する構造ユニットが生成しやすくなることが考えられる。AEI型ゼオライト全体の構造を生成させる製造方法に比べ、AEI型ゼオライトを誘導する構造ユニットが生成することで、よりAEI型ゼオライトが得られやすくなることが考えられる。
原料組成物に含まれる四級アンモニウムカチオンにおけるRは、炭素数1以上3以下のアルキル基、更には炭素数1以上2以下のアルキル基であることが好ましい。さらに、Rは1以上、更には1以上2以下、また更には1つの置換基を有していてもよい。Rが置換基を有する場合、当該置換基は水酸基(OH)、メルカプト基(SH)、ハロゲン基、オキソ基(=O)、ニトロ基(NO)及びアミノ基(NH)からなる群の少なくとも1種、更には水酸基又はアミノ基の少なくともいずれか、また更には水酸基であることが好ましい。
具体的な四級アンモニウムカチオンとして、テトラメチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、イソプロピルトリメチルアンモニウムカチオン、ブチルトリメチルアンモニウムカチオン、イソブチルトリメチルアンモニウムカチオン、セカンダリーブチルトリメチルアンモニウムカチオン、ターシャリーブチルトリメチルアンモニウムカチオン、ヒドロキシメチルトリメチルアンモニウムカチオン、ジヒドロキシメチルトリメチルアンモニウムカチオン、トリヒドロキシメチルトリメチルアンモニウムカチオン、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(1−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(1−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、(3−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2,3−ジヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、(1−ヒドロキシブチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2−ヒドロキシブチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(3−ヒドロキシブチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(4−ヒドロキシブチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、(1−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2−アミノエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2−メルカプトエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2−クロロエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2−オキソエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(3−アミノプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2−メトキシエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2−オキソプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン、(4−オキソブチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2−アミノ−2−オキソエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2−カルボキシエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、(2−ヒドロキシイミノエチル)トリメチルアンモニウムカチオン、及び(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオンからなる群の少なくとも1種、更にはテトラメチルアンモニウムカチオン(以下、「TMA」ともいう。)、エチルトリメチルアンモニウムカチオン(以下、「ETMA」ともいう。)、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン(以下、「TMPA」ともいう。)、イソプロピルトリメチルアンモニウムカチオン(以下、「IPTMA」ともいう。)、ブチルトリメチルアンモニウムカチオン(以下、「BTMA」ともいう。)、イソブチルトリメチルアンモニウムカチオン(以下、「IBTMA」ともいう。)、セカンダリーブチルトリメチルアンモニウムカチオン(以下、「SIBTMA」ともいう。)、ヒドロキシメチルトリメチルアンモニウムカチオン(以下、「HMTMA」ともいう。)、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムカチオン(以下、「2−HETMA」ともいう。)、(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムカチオン(以下、「2−HPTMA」ともいう。)、及び(2−ヒドロキシブチル)トリメチルアンモニウムカチオン(以下、「2−HPTMA」ともいう。)からなる群の少なくとも1種、また更にはTMA、ETMA、2−HETMA、及び2−HPTMAからなる群の少なくとも1種、また更にはTMA又は2−HETMAの少なくともいずれかを挙げることができる。
原料組成物に含まれる四級アンモニウムカチオンは、上記のカチオンの塩の状態であればよく、上記のカチオンの水酸化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物からなる群の少なくとも1種であり、更には上記のカチオンの水酸化物、塩化物及び臭化物からなる群の少なくとも1種であることが挙げられる。
原料組成物は種晶としてAEI型ゼオライトを含んでいてもよい。種晶はAEI型ゼオライト、CHA型ゼオライト、KFI型ゼオライト及びLEV型ゼオライトからなる群の少なくとも1種であり、AEI型ゼオライト又はCHA型ゼオライトの少なくともいずれかであることが好ましく、更にはCHA型ゼオライトであることが好ましい。原料組成物が少量のCHA型ゼオライトを含むことによって、ANA型ゼオライト等のAEI型ゼオライト以外の結晶性アルミノシリケートの生成がより一層抑制される傾向がある。原料組成物が含有する種晶は平均粒子径が0.5μm以上5μm以下、更には0.5μm以上4μm以下、また更には0.85μm以上4μm以下を挙げることができる。
原料組成物のアルミナに対するシリカのモル比(以下、「SiO/Al比」ともいう。)は10以上100以下、更には15以上50以下であることが好ましい。得られるAEI型ゼオライトのSiO/Al比は原料組成物のSiO/Al比よりも低くなる。原料組成物のSiO/Al比が100以下であることにより、SiO/Al比が100以下のAEI型ゼオライトが得られやすくなる。より好ましいSiO/Al比として、15以上50以下、更には15以上40以下、また更には15以上38以下、また更には20以上28以下を挙げることができる。
原料組成物におけるシリカに対するナトリウムのモル比(以下、「Na/SiO比」ともいう。)は、0.01以上1.0以下、更には0.1以上0.6以下であることが好ましい。特に好ましい範囲として、Na/SiO比は0.1以上0.3未満、更には0.1以上0.2以下、また更には0.1以上0.18以下を挙げることができる。
原料組成物におけるシリカに対するナトリウム以外のアルカリ金属のモル比(以下、「M/SiO比」ともいう。)は、0以上0.5以下、更には0以上0.3未満、また更には0以上0.1以下、また更には0以上0.05以下であればよい。
原料組成物がナトリウム以外のアルカリ金属(M)とナトリウムとを含有する場合、原料組成物中のシリカに対するアルカリ金属のモル比(以下、「(M+Na)/SiO」ともいう。)の好ましい範囲は、0.1以上0.6以下、更には0.1以上0.3未満、また更には0.1以上0.25以下である。
原料組成物のナトリウムに対する、ナトリウム以外のアルカリ金属のモル比(以下、「M/Na比」ともいう。)は、0以上2.0以下であればよい。原料組成物がアルカリ金属源を含む場合、M/Na比は0を超え1.0以下、更には0.05以上0.6以下を挙げることができる。ナトリウム以外のアルカリ金属の割合はナトリウムの割合以下であることが好ましく、M/Na比は0.05以上0.5以下、また更には0.05以上0.35以下を挙げることができる。
原料組成物におけるシリカに対するSDAのモル比(以下、「SDA/SiO比」ともいう。)は、0.05以上であることが好ましい。よりAEI型ゼオライトの結晶化を促進させるためにSDA/SiO比は0.10以上、更には0.13以上、更には0.15以上であることが好ましい。製造コストを低減させる観点からSDAは少ないことが好ましく、SDA/SiO比が0.40以下、更には0.30以下であることが好ましい。AEI型ゼオライトの結晶化の効率及び製造コストの観点から、原料組成物のSDA/SiO比は0.05以上0.40以下、更に0.10以上0.30以下、また更には0.13以上0.25以下、また更には0.13以上0.23以下、また更には0.15以上0.25以下であることが好ましい。
原料組成物の四級アンモニウムカチオンのモル比(以下、「Q/SiO比」とする。)は0.0001以上0.1以下、更には0.001以上0.05以下、また更には0.001以上0.06以下であることが好ましい。Q/SiO比がこの範囲になることで、AEI型ゼオライトの結晶化が促進されやすくなる。
種晶の重量は0重量%以上30重量%以下、更には0.1重量%以上10重量%以下、また更には1重量%以上10重量%以下が挙げられる。
なお種晶の重量は以下の式で算出することができる。
種晶重量(重量%)=種晶に含まれるアルミノシリケート重量
÷原料組成物中に含まれる種晶以外のアルミノシリケート重量×100
原料組成物のシリカに対する水酸化物イオン(OH)のモル比(以下、「OH/SiO比」ともいう。)は0.5以下、更には0.45以下、更には0.4以下であることが好ましい。OH/SiO比が0.5以下であることで、より高い収率でAEI型ゼオライトを得ることができる。OH/SiO比が高いほどAEI型ゼオライトの結晶化が促進される。OH/SiO比は0.45以上の場合、結晶化時間が80時間以上であってもよいが、結晶化時間が80時間未満であってもAEI型ゼオライトが単一相で結晶化する。
OH/SiO比が低くともAEI型ゼオライトが結晶化する。OH/SiO比は0.5以下、更には0.45以下、また更には0.45未満であってもよく、更には0.4以下であることが好ましい。OH/SiO比が0.5以下であることで、より高い収率でAEI型ゼオライトを得ることができる。原料組成物のOH/SiO比は、0.1以上、更には0.2以上であればよい。特に好ましいOH/SiO比の範囲としては0.2以上0.43以下、更には0.2以上0.4以下が挙げられる。
原料組成物のシリカに対する水のモル比(以下、「HO/SiO比」ともいう。)は、3以上50以下、更には5以上50以下、また更には5以上25以下を挙げることができる。HO/SiO比をこの範囲とすることでAEI型ゼオライトが結晶化しやすくなる。
より短時間でAEI型ゼオライトを結晶化させるため、HO/SiO比は5以上20未満、更には5以上15以下、また更には7以上12以下であることが好ましい。
好ましい原料組成物の組成として以下のモル組成を挙げることができる。なお、以下の組成における各割合はモル(mol)割合であり、Mはナトリウム以外のアルカリ金属、SDAは有機構造指向剤、及びQは四級アンモニウムカチオンである。
SiO/Al比 =10以上100以下
Na/SiO比 =0.01以上1以下
M/SiO比 =0以上0.5以下
SDA/SiO比 =0.1以上0.5以下
OH/SiO比 =0.1以上0.5以下
O/SiO比 =3以上20以下
Q/SiO比 =0.0001以上0.1以下
更に好ましい原料組成物の組成として以下のものを挙げることができる。
SiO/Al比 =20以上50以下
Na/SiO比 =0.1以上0.3未満
M/SiO比 =0以上0.3未満
SDA/SiO比 =0.1以上0.3以下
OH/SiO比 =0.1以上0.45以下
O/SiO比 =3以上20未満
Q/SiO比 =0.001以上0.05以下
原料組成物の組成は、本明細書に記載したSiO/Al比、SDA/SiO比、Na/SiO比、M/SiO比、(M+Na)/SiO比、M/Na比、HO/SiO比、OH/SiO比及びQ/SiO比の各範囲の組合せからなる組成を有していればよい。
原料組成物は結晶化後の排水処理を必要とする元素を実施的に含んでいないことが好ましい。このような元素として、フッ素(F)やリン(P)を挙げることができる。
原料組成物がフッ素を含有する場合、製造装置に対腐食性の材質を用いる必要がある。そのため、原料組成物はフッ素を含まないこと、すなわち、フッ素含有量が0重量ppmであることが好ましい。しかしながら、通常の組成分析等による測定誤差を考慮すると、原料組成物のフッ素含有量は検出限界以下であり、100重量ppm以下、更には10重量ppm以下であることが挙げられる。原料組成物がフッ素やフッ素化合物を含有しないことで、汎用的な設備を用いたAEI型ゼオライトの製造ができる。また、原料組成物はリンを含まないことが好ましく、リン含有量は検出限界以下であること、更には100重量ppm以下、また更には10重量ppm以下であることが好ましい。
原料組成物中のフッ素含有量及びリン含有量は、ICPなど一般的な測定方法によりにより測定することができる。
結晶化工程では、原料組成物を結晶化する。結晶化方法は、水熱合成が挙げられる。その場合、原料組成物を密閉容器に充填し、これを加熱すればよい。
結晶化温度は100℃以上であれば、原料組成物が結晶化する。温度が高いほど、結晶化が促進される。そのため、結晶化温度は130℃以上、好ましくは160℃以上であることが好ましい。原料組成物が結晶化すれば、必要以上に結晶化温度を高くする必要はない。そのため、結晶化温度は200℃以下、好ましくは180℃以下であればよい。また、結晶化は原料組成物を攪拌した状態、又は静置した状態のいずれの状態で行うことができる。
本発明の製造方法では、フッ素やリン等を使用しない従来のAEI型ゼオライトの製造方法と比較してより短い時間でAEI型ゼオライトの結晶化が可能である。そのため、OH/SiO比の影響をほとんど受けることなく、結晶化時間が72時間以下、更には48時間以下であっても、AEI型ゼオライトを得ることができる。得られたAEI型ゼオライトは、必要に応じて解砕や粉砕をしてもよい。
結晶化工程では、従来のAEI型ゼオライトの製造方法と比較して、結晶化時間が短い。これに加え、より高い収率でAEI型ゼオライトを製造することができる。例えば、下式で求められるAEI型ゼオライトの収率として、50%以上、更には70%以上、また更には75%以上であることが挙げられる。
収率(重量%)=(AEI型ゼオライト中のAl及びSiOの合計重量)
/(原料組成物中のAl及びSiOの合計重量)×100
ここで、AEI型ゼオライトのAl及びSiOとの合計重量は、AEI型ゼオライト中のAl含有量を測定し、これをAl換算して求まる重量、及び、AEI型ゼオライト中のSi含有量を測定し、SiO換算して求まる重量の合計重量である。また、原料組成物中のAl及びSiOの合計重量も同様な方法で求めればよい。
本発明の製造方法では、結晶化工程の後、洗浄工程、乾燥工程及びイオン交換工程の少なくともいずれかを含んでいてもよい。
洗浄工程は、結晶化後のAEI型ゼオライトと液相とを固液分離する。洗浄工程は、公知の方法で固液分離をし、固相として得られるAEI型ゼオライトを純水で洗浄すればよい。
乾燥工程は、結晶化工程後又は洗浄工程後のAEI型ゼオライトから水分を除去する。乾燥工程の条件は任意であるが、結晶化工程後又は洗浄工程後のAEI型ゼオライトを、大気中、50℃以上、150℃以下で2時間以上、静置することが例示できる。
結晶化後のAEI型ゼオライトは、そのイオン交換サイト上にアルカリ金属イオン等の金属イオンを有する場合がある。イオン交換工程では、これをアンモニウムイオン(NH )や、プロトン(H)等の非金属カチオンにイオン交換する。アンモニウムイオンへのイオン交換は、AEI型ゼオライトを塩化アンモニウム水溶液に混合、攪拌することが挙げられる。また、プロトンへのイオン交換は、AEI型ゼオライトをアンモニアでイオン交換した後、これを焼成することが挙げられる。
本発明の製造方法で得られるAEI型ゼオライトは、触媒担体として適したSiO/Al比を有し、SiO/Al比が100以下、更には50以下、また更には30以下、更には25以下であること、及び、10以上、更には14以上、また更には15以上であることが挙げられる。特に好ましいSiO/Al比として10以上100以下、更には14以上50以下、更には15以上30以下であることが挙げられる。
本発明の製造方法で得られるAEI型ゼオライトは、平均結晶径が0.1μm以上、更には0.5μm以上であること、及び、5μm以下、更には2μm以下であることが挙げられる。特に好ましい平均結晶径として0.5μm以上8μm以下、更には0.5μm以上2μm以下であることが挙げられる。これにより、水熱雰囲気下へ晒されても劣化しにくくなる。これに加え、この様な平均結晶径であることにより、粒子同士が凝集しにくくなり、触媒基材への塗布性の向上が期待できる。
本発明における結晶径とは、一次粒子の粒径であり、電子顕微鏡で観察される独立した最小単位の粒子の直径である。平均結晶径は、電子顕微鏡で無作為に抽出した30個以上の一次粒子の結晶径を相加平均した値である。そのため、複数の一次粒子が凝集した二次粒子の直径である二次粒子径や平均二次粒子径と、結晶径や平均結晶径とは異なる。一次粒子の形状は、立方晶形状、正方晶形状、並びに、立方晶形状又は正方晶形状が複合化した双晶形状からなる群の少なくとも1種であってもよい。
AEI型ゼオライトの充填性は、結晶化工程の条件や、結晶化後の処理工程によりある程度調整することができる。本発明のAEI型ゼオライトの充填性は、ゆるみ嵩密度として0.1g/cm以上1g/cm以下、更には0.1g/cm以上0.5g/cm以下であることが挙げられる。ゆるみ嵩密度がこの範囲であることで、AEI型ゼオライトが触媒や吸着剤等として実用的な充填性を有するものとなる。ゆるみ嵩密度は、ふるいを通したAEI型ゼオライトを自然落下させて容器に充てんさせたときの嵩密度であり、これは一般的な粉体物性測定装置により測定することができる。
本発明の製造方法で得られるAEI型ゼオライトは、酸触媒として十分な酸量する。酸量は、0.5mmol/g以上3mmol/g以下であり、更には1mmol/g以上2mmol/g以下である。
酸量は、有機物を除去した状態のプロトン型のAEI型ゼオライトをアンモニアTPD測定することで求めることができる。
本発明の製造方法で得られるAEI型ゼオライトは、ケイ素に対するシラノール量のモル比(以下、「SiOH/Si比」ともいう。)が0.5×10−2以下であることが挙げられる。理想的なAEI型ゼオライトはシラノールを含まないが、現実的に、AEI型ゼオライトはシラノールを含む。そのため、SiOH/Si比は0を超え3×10−2以下、更には0を超え1×10−2以下を挙げることができる。
シラノール量は、有機物を除去した状態のアンモニウム型のAEI型ゼオライトをNMR測定することで求めることができる。
本発明の製造方法で得られるAEI型ゼオライトは、高い耐熱性を有し、水熱雰囲気への曝露前後の結晶性の低下が少なく、Y型ゼオライトを原料として得られる従来のAEI型ゼオライトと比べて、水熱雰囲気への曝露前後の結晶性の低下が少ないことが好ましい。水熱雰囲気への曝露による結晶性の低下度合いは、水熱雰囲気に晒される前の結晶性に対する、水熱雰囲気に晒された後の結晶性の割合(以下、「結晶化維持率」ともいう。)を指標とすることができ、これは熱水雰囲気の曝露前後のXRDピークの強度を比較することで求めることができる。
本発明の製造方法で得られるAEI型ゼオライトは、触媒担体や吸着剤として使用することができる。更には、本発明の製造方法で得られるAEI型ゼオライトが銅又は鉄の少なくともいずれかを含有することで、これを触媒として、更には窒素酸化物還元触媒として使用することが期待できる。
本発明により、フッ素やリンを含む原料を実質的に使用することなく、なおかつ従来のAEI型ゼオライトの製造方法と比べて、生産性の高いAEI型ゼオライトの製造方法を提供することができる。さらに、本発明により、AEI型ゼオライト、特にアルミナに対するシリカのモル比が100以下のAEI型ゼオライトの工業的な製造方法を提供することができる。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。なお、「比」は特に断らない限り、「モル比」である。
(結晶構造の同定)
一般的なX線回折装置(装置名:MXP−3、マックサイエンス社製)を使用し、試料のXRD測定をした。線源にはCuKα線(λ=1.5405Å)を用い、測定範囲は2θとして3°から43°の範囲で測定した。
得られたXRDパターンと、特許文献1の表1のXRDパターンとを比較することで、試料の構造を同定した。
(組成分析)
フッ酸と硝酸の混合水溶液に試料を溶解して試料溶液を調製した。一般的なICP装置(装置名:OPTIMA5300DV、PerkinElmer社製)を使用して、当該試料溶液を誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)で測定した。得られたSi、Alの測定値から、試料のSiO/Al比を求めた。
(収率)
以下の式より、AEI型ゼオライトの収率を求めた。
収率(重量%)=(AEI型ゼオライト中のAl及びSiOの合計重量)
/(原料組成物中のAl及びSiOの合計重量)×100
Al及びSiOとの合計重量は、Al含有量を測定し、これをAl換算して求めた重量、及び、Si含有量を測定し、SiO換算して求めた重量の合計重量とした。
(SAR変化率)
組成分析により得られたSiO/Al比から、以下の式により、SAR変化率を求めた。
SAR変化率(%)
={1−(生成物のSiO/Al比)
/(原料組成物のSiO/Al比)}×100
(シラノール量)
合成したAEI型ゼオライトを600℃×2時間空気中で焼成した後に、1H MAS NMRにより、シラノール量の含有量を測定した。条件は以下の通りとした。測定に先立ち、試料を真空排気下にて400℃で5時間保持し脱水することで前処理とした。前処理後、室温まで冷却した試料を窒素雰囲気下で採取し秤量した。測定装置は一般的なNMR装置(装置名:VXR−300S、Varian製)を使用した。
共鳴周波数 :300.0MHz
パルス幅 :π/2
測定待ち時間 :10秒
積算回数 :32回
回転周波数 :4kHz
シフト基準 :TMS
得られた1H MAS NMRスペクトルからシラノール基に帰属されるピーク(2.0±0.5ppmのピーク)を波形分離し、その面積強度を求めた。得られた面積強度から検量線法により試料中のシラノール量を求めた。
(酸量)
合成したAEI型ゼオライトを600℃×2時間空気中で焼成した後に、マイクロトラック・ベル株式会社製のBELCATIIを用い、アンモニアTPD(Temperature Programmed Desorption)法によって測定した。測定に先立ち、AEI型ゼオライト0.05gを500℃、ヘリウム中で加熱処理して吸着成分を除去した後、100℃で、ヘリウム90%、アンモニア10%の混合気体を流通させることでアンモニアを飽和吸着させた。次にヘリウムガスを流通させて系内に残存するアンモニアを除去した。アンモニアの除去後、以下の条件で処理した際に試料から脱離したアンモニア量を定量し、酸量を求めた。
雰囲気 :ヘリウム流通下(流通速度30mL/分)
昇温速度 :10℃/分
処理温度 :100℃〜700℃
(平均結晶径)
電子顕微鏡(装置名:JSM−6390LV、日立分光社製)を用いて一次粒子の結晶径及び形状を観察した。一次粒子が立方晶形状の結晶である場合は結晶の1辺の長さを測定すること、及び、一次粒子が正方晶形状の結晶である場合は正方形の面の辺の長さを測定することで結晶径を求めた。平均結晶径は、30個以上の一次粒子を無作為に抽出し、個々の結晶径の測定値の平均から求めた。
(ゆるみ嵩密度)
粉末試料をふるいを通して自然落下させ、容器に充てんさせたときの嵩密度を測定し、ゆるみ嵩密度とした。測定には粉体物性測定装置(装置名:MULTI TESTER MT−1001、セイシン企業製)を用いた。
(結晶化維持率)
水熱耐久処理前後のAEI型ゼオライト試料について、結晶構造の同定と同様な方法でXRD測定した。得られたXRDパターンについて、バックグラウンド除去処理及びピークサーチ処理を行った後、2θ=16.9±0.2°及び17.2±0.2°に相当するXRDピークのピーク強度を合計し、AEI型ゼオライト試料の結晶化度とした。以下の式を用いて結晶化維持率を算出した。
結晶化維持率(%)=(水熱耐久処理後の結晶化度)
÷(水熱耐久処理前の結晶化度)×100
実施例1
純水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、非晶質アルミノシリケート、DMDMPOH水溶液、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物、及びAEI型ゼオライト(SiO/Al比=16、平均粒子径3.1μm)を混合し、以下の組成を有する原料組成物を得た。
SiO/Al比 =23
Na/SiO比 =0.12
K/SiO比 =0.04
(Na+K)/SiO比 =0.16
K/Na比 =0.33
DMDMPOH/SiO比 =0.2
2−HETMA/SiO比 =0.03
O/SiO比 =10
OH/SiO比 =0.36
種晶(AEI型ゼオライト) =10重量%
原料組成物は、密閉容器内に充填し、これを攪拌しながら170℃で48時間結晶化させた。得られた結晶化物を固液分離し、純水で洗浄した後、110℃で乾燥した。XRD測定の結果、当該結晶化物はAEI型ゼオライトであり、収率は80%であった。本実施例のAEI型ゼオライトのSiO/Al比は18であり、SAR変化率は22%であった。本実施例で使用した四級アンモニウムカチオンの構造式を表1に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表2に示す。
本実施例のAEI型ゼオライトの平均結晶径は0.55μmであった。
実施例2
以下の組成を有する原料組成物としたこと以外は、実施例1と同様な方法により結晶化物を得た。
SiO/Al比 =25
Na/SiO比 =0.15
K/SiO比 =0.01
(Na+K)/SiO比 =0.16
K/Na比 =0.07
DMDMPOH/SiO比 =0.2
2−HETMA/SiO比 =0.03
O/SiO比 =10
OH/SiO比 =0.36
種晶(AEI型ゼオライト) =5重量%
得られた結晶化物はAEI型ゼオライトであり、収率は76%であった。また、SiO/Al比は19であり、SAR変化率は24%であった。本実施例で使用した四級アンモニウムカチオンの構造式を表1に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表2に示す。
実施例3
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物の代わりに(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム水酸化物を使用したこと、及び、原料組成物の組成を以下の組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法により結晶化し、得られた結晶化物を洗浄、乾燥した。
SiO/Al比 =25
Na/SiO比 =0.12
K/SiO比 =0.04
(Na+K)/SiO比 =0.16
K/Na比 =0.33
DMDMPOH/SiO比 =0.2
2−HETMA/SiO比 =0.03
O/SiO比 =10
OH/SiO比 =0.36
種晶(AEI型ゼオライト) =10重量%
得られた結晶化物はAEI型ゼオライトであり、収率は76%であった。SiO/Al比(ICP)が18のSSZ−39であり、SAR変化率は28%であった。本実施例で使用した四級アンモニウムカチオンの構造式を表1に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表2に示す。
実施例4
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物の代わりにテトラメチルアンモニウム水酸化物を用いたこと、及び、原料組成物の組成を以下の組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法により結晶化し、得られた結晶化物を洗浄、乾燥した。
SiO/Al比 =25
Na/SiO比 =0.12
K/SiO比 =0.01
(Na+K)/SiO比 =0.13
K/Na比 =0.08
DMDMPOH/SiO比 =0.2
TMA/SiO比 =0.03
O/SiO比 =10
OH/SiO比 =0.36
種晶(AEI型ゼオライト) =5重量%
得られた結晶化物はAEI型ゼオライトであり、収率は71%であった。本実施例で使用した四級アンモニウムカチオンの構造式を表1に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表2に示す。
実施例5
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物の代わりにテトラメチルアンモニウム塩化物を使用したこと、及び、原料組成物の組成を以下の組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法により結晶化し、得られた結晶化物を洗浄、乾燥した。
SiO/Al比 =27
Na/SiO比 =0.12
K/SiO比 =0.04
(Na+K)/SiO比 =0.16
K/Na比 =0.33
DMDMPOH/SiO比 =0.2
TMA/SiO比 =0.015
O/SiO比 =10
OH/SiO比 =0.36
種晶(AEI型ゼオライト) =5重量%
得られた結晶化物はAEI型ゼオライトであり、収率は71%であった。本実施例で使用した四級アンモニウムカチオンの構造式を表1に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表2に示す。
実施例6
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物の代わりに(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム塩化物を用いたこと、及び、原料組成物の組成を以下の組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法により結晶化し、得られた結晶化物を洗浄、乾燥した。
SiO/Al比 =27
Na/SiO比 =0.12
K/SiO比 =0.04
(Na+K)/SiO比 =0.16
K/Na比 =0.33
DMDMPOH/SiO比 =0.2
2−HPTMA/SiO比 =0.05
O/SiO比 =10
OH/SiO比 =0.36
種晶(AEI型ゼオライト) =5重量%
得られた結晶化物はAEI型ゼオライトであり、収率は73%であった。本実施例で使用した四級アンモニウムカチオンの構造式を表1に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表2に示す。
実施例7
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物の代わりにエチルトリメチルアンモニウム臭化物を使用したこと、原料組成物の組成を以下の組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法により結晶化し、得られた結晶化物を洗浄、乾燥した。
SiO/Al比 =27
Na/SiO比 =0.12
K/SiO比 =0.04
(Na+K)/SiO比 =0.16
K/Na比 =0.33
DMDMPOH/SiO比 =0.2
TMA/SiO比 =0.05
O/SiO比 =10
OH/SiO比 =0.36
種晶(AEI型ゼオライト) =5重量%
得られた結晶化物はAEI型ゼオライトであり、収率は71%であった。本実施例で使用した四級アンモニウムカチオンの構造式を表1に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表2に示す。
実施例8
原料組成物の組成を以下の組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法により結晶化し、得られた結晶化物を洗浄、乾燥した。
SiO/Al比 =36
Na/SiO比 =0.12
K/SiO比 =0.04
(Na+K)/SiO比 =0.16
K/Na比 =0.33
DMDMPOH/SiO比 =0.2
2−HETMA/SiO比 =0.03
O/SiO比 =10
OH/SiO比 =0.36
種晶(AEI型ゼオライト) =10重量%
得られた結晶化物はAEI型ゼオライトであり、収率は71%であった。また、当該AEI型ゼオライトはSiO/Al比が25のSSZ−39であり、SAR変化率は31%であった。本実施例で使用した四級アンモニウムカチオンの構造式を表1に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表2に示す。
実施例9
原料組成物の組成を以下の組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法により結晶化し、得られた結晶化物を洗浄、乾燥した。
SiO/Al比 =20
Na/SiO比 =0.15
K/SiO比 =0.01
(Na+K)/SiO比 =0.16
K/Na比 =0.07
DMDMPOH/SiO比 =0.2
2−HETMA/SiO比 =0.03
O/SiO比 =10
OH/SiO比 =0.36
種晶(AEI型ゼオライト) =10重量%
得られた結晶化物はAEI型ゼオライトであり、収率は79%であった。本実施例で使用した四級アンモニウムカチオンの構造式を表1に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表2に示す。
実施例10
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物の代わりにテトラメチルアンモニウム塩化物を使用したこと、及び、原料組成物の組成を以下の組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法により結晶化し、得られた結晶化物を洗浄、乾燥した。
SiO/Al比 =25
Na/SiO比 =0.16
K/SiO比 =0.04
(Na+K)/SiO比 =0.20
K/Na比 =0.25
DMDMPOH/SiO比 =0.22
TMA/SiO比 =0.002
O/SiO比 =10
OH/SiO比 =0.42
種晶(AEI型ゼオライト) =5重量%
得られた結晶化物はAEI型ゼオライトであり、収率は70%であった。本実施例で使用した四級アンモニウムカチオンの構造式を表1に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表2に示す。
実施例11
AEI型ゼオライトの代わりにCHA型ゼオライト(SiO/Al比=20、平均粒子径1.3μm)を用い、原料組成物の組成を以下の組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法により結晶化し、得られた結晶化物を洗浄、乾燥した。
SiO/Al比 =26
Na/SiO比 =0.16
K/SiO比 =0.04
(Na+K)/SiO比 =0.20
K/Na比 =0.25
DMDMPOH/SiO比 =0.22
2−HETMA/SiO2比 =0.015
O/SiO比 =13
OH/SiO比 =0.40
種晶(CHA型ゼオライト) =5重量%
得られた結晶化物はAEI型ゼオライトであり、収率は71%であった。また、当該AEI型ゼオライトはSiO/Al比(が18のSSZ−39であり、SAR変化率は31%であった。本実施例で使用した四級アンモニウムカチオンの構造式を表1に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表2に示す。
本実施例のAEI型ゼオライトは、平均結晶径が0.76μm、シラノール量がSiOH/Si=0.95×10−2、及び、酸量が1.54mmol/gであった。
実施例12
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物の代わりにテトラメチルアンモニウム塩化物を使用したこと、AEI型ゼオライトの代わりにCHA型ゼオライト(SiO/Al比=20、平均粒子径1.3μm)を用いたこと、及び、原料組成物の組成を以下の組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法により結晶化し、得られた結晶化物を洗浄、乾燥した。
SiO/Al比 =26
Na/SiO比 =0.16
K/SiO比 =0.04
(Na+K)/SiO比 =0.20
K/Na比 =0.25
DMDMPOH/SiO比 =0.22
TMA/SiO比 =0.002
O/SiO比 =10
OH/SiO比 =0.42
CHA型ゼオライト =5重量%
得られた結晶化物はAEI型ゼオライトであり、収率は70%であった。また、当該AEI型ゼオライトはSiO/Al比が18のSSZ−39であり、SAR変化率は31%であった。本実施例で使用した四級アンモニウムカチオンの構造式を表1に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表2に示す。
本実施例のAEI型ゼオライトは、平均結晶径が0.76μm、シラノール量がSiOH/Si=0.92×10−2、酸量が1.41mmol/g、及び、ゆるみ嵩密度は0.16g/cmであった。
実施例13
原料組成物の組成を以下の組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法により結晶化し、得られた結晶化物を洗浄、乾燥した。
SiO/Al比 =24
Na/SiO比 =0.12
K/SiO比 =0.04
(Na+K)/SiO比 =0.16
K/Na比 =0.33
DMDMPOH/SiO比 =0.2
2−HETMA/SiO比 =0.03
O/SiO比 =13
OH/SiO比 =0.36
原料組成物のAEI型ゼオライトの含有量は9.1重量%であり、これは非晶質アルミノシリケート中のAl及びSiの合計重量に対するAEI型ゼオライトのAl及びSiの重量割合として10重量%であった。
得られた結晶化物はAEI型ゼオライトであり、収率は80%であった。また、当該AEI型ゼオライトはSiO/Al比が19のSSZ−39であり、SAR変化率は21%であった。本実施例で使用した四級アンモニウムカチオンの構造式を表1に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表2に示す。
Figure 0006759833
Figure 0006759833
表2より、いずれの実施例においても48時間以内にAEI型ゼオライトが70%以上の高い収率で製造できることが確認できた。また実施例10より、Q/SiO比が0.002以上と非常に少ない四級アンモニウムカチオン含有量であっても、AEI型ゼオライトの結晶化時間が短縮され、原料組成物が四級アンモニウムカチオンを含有する効果が確認できた。
比較例1
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物を使用しなかったこと、及び、結晶化時間を72時間にしたこと以外は、実施例2と同様な方法により結晶化し、得られた固形物を洗浄、乾燥した。
XRD測定の結果、当該結晶化物は非晶質アルミノシリケートであり、AEI型ゼオライトの収率は0%であった。本比較例の原料組成物の主な組成及び結果を表4に示す。
比較例2
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物の代わりにテトラエチルアンモニウム水酸化物を用いたこと、原料組成物の組成を以下の組成としたこと以外は、実施例1と同様な方法により結晶化し、得られた固形物を洗浄、乾燥した。
SiO/Al比 =25
Na/SiO比 =0.12
K/SiO比 =0.01
(Na+K)/SiO比 =0.13
K/Na比 =0.08
DMDMPOH/SiO比 =0.2
TEA/SiO比 =0.03
O/SiO比 =10
OH/SiO比 =0.36
種晶 =5重量%
XRD測定の結果、当該結晶化物は非晶質アルミノシリケートであり、AEI型ゼオライトの収率は0%であった。本比較例で使用した添加物の構造式を表3に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表4に示した。
比較例3
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物の代わりにテトラプロピルアンモニウム水酸化物を使用したこと以外は、比較例2と同様な方法により結晶化し、得られた固形物を洗浄、乾燥した。
XRD測定の結果、当該結晶化物は非晶質アルミノシリケートであり、AEI型ゼオライトの収率は0%であった。本比較例で使用した添加物の構造式を表3に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表4に示した。
比較例4
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物の代わりにジエチルジメチルアンモニウム水酸化物を使用したこと以外は、比較例2と同様な方法により結晶化し、得られた固形物を洗浄、乾燥した。
XRD測定の結果、当該結晶化物は非晶質アルミノシリケートであり、AEI型ゼオライトの収率は0%であった。本比較例で使用した添加物の構造式を表3に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表4に示した。
比較例5
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物の代わりにエチル(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウム塩化物を使用したこと以外は、実施例6と同様な方法により結晶化し、得られた固形物を洗浄、乾燥した。
XRD測定の結果、当該結晶化物は非晶質アルミノシリケートであり、AEI型ゼオライトの収率は0%であった。本比較例で使用した添加物の構造式を表3に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表4に示した。
比較例6
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物の代わりにジ(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウム塩化物を使用したこと以外は、実施例6と同様な方法により結晶化し、得られた固形物を洗浄、乾燥した。
XRD測定の結果、当該結晶化物は非晶質アルミノシリケートであり、AEI型ゼオライトの収率は0%であった。本比較例で使用した添加物の構造式を表3に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表4に示した。
比較例7
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム塩化物の代わりにジエチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム塩化物を使用したこと以外は、実施例6と同様な方法により結晶化し、得られた固形物を洗浄、乾燥した。
XRD測定の結果、当該結晶化物は非晶質アルミノシリケートであり、AEI型ゼオライトの収率は0%であった。本比較例で使用した添加物の構造式を表3に示した。また、本実施例の原料組成物の主な組成及び結果を表4に示した。
Figure 0006759833
Figure 0006759833
比較例1は四級アンモニウム塩を含まないこと以外は実施例2と同様な方法による製造方法である。しかしながら、72時間でもAEI型ゼオライトが製造できず、比較例1では少なくとも72時間以上の結晶化時間を要することが分かった。さらに、比較例2乃至7から、本発明の四級アンモニウム塩以外を含む原料組成物においても、48時間という短時間ではAEI型ゼオライトが製造できないことが確認できた。
比較例8
Y型ゼオライト(SiO/Al比=23.8)、DMDMPOH水溶液、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、AEI型ゼオライト(SiO/Al比=16)及びの純水を混合し、以下の組成からなる原料組成物を得た。
SiO/Al =23.3
Na/SiO =0.05
K/SiO =0.05
O/SiO =10
DMDMPOH/SiO =0.20
OH/SiO =0.30
AEI型ゼオライト =5重量%
原料組成物の(Si−Al)Cry/(Si−Al)Totalは100重量%であった。
得られた原料組成物をステンレス製オートクレーブに密閉した。当該オートクレーブを回転させながら、170℃で48時間加熱して原料組成物を結晶化させた。
得られた生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。得られた生成物はAEI型ゼオライトであり、SiO/Al比が18のSSZ−39であった。
測定例
実施例11乃至13、及び、比較例8で得られたAEI型ゼオライトを、それぞれ600℃×2時間空気中で焼成した。焼成後のAEI型ゼオライトは以下の条件での水熱耐久処理を施した。
処理温度 :900℃
処理時間 :4時間
処理雰囲気 :含水空気流通下(水10体積%、空気90体積%)
昇温速度 :20℃/分
昇温雰囲気 :室温から200℃までは空気流通下、
200℃超は含水空気流通下
比較例8の結晶化維持率に対する、各AEI型ゼオライトの結晶化維持率の相対値を表5に示す。
Figure 0006759833
表5より、本発明の製造方法で得られたAEI型ゼオライトは水熱耐久処理後の結晶化維持率は、Y型ゼオライトの転換により得られたAEI型ゼオライト以上であり、結晶安定性が高いことが確認できた。
本発明の製造方法は、AEI型ゼオライトの製造方法、特にAEI型ゼオライトの工業的な製造方法として使用することができる。さらには、触媒等の担体として適した、SiO/Al比が100以下のAEI型ゼオライトの工業的な製造方法として使用することができる。

Claims (8)

  1. アルミナ源、シリカ源、構造指向剤、ナトリウム源、水及び(CHRN(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基であり、当該アルキル基は1以上の置換基を含んでいてもよい)で表されるカチオンを含む組成物を結晶化する結晶化工程、を有するAEI型ゼオライトの製造方法。
  2. 前記カチオンが、テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム、及び(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムからなる群の少なくとも1種である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記アルミナ源が、結晶性アルミノシリケート又は非晶質アルミノシリケートの少なくともいずれかである請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記構造指向剤が、1,1,3,5−テトラメチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジエチル−2,6−ジメチルピペリジニウムカチオン、1,1,2,6−テトラメチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1,2,6−トリメチルピペリジニウムカチオン及び1,1,2−トリエチルピペリジニウムカチオンからなる群の少なくとも1種である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 原料組成物のシリカに対する水酸化物イオン(OH)のモル比が0.5以下である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 下記組成の原料組成物を結晶化させる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の製造方法。但し、以下の組成における各割合はモル(mol)割合であり、Mはナトリウム以外のアルカリ金属、SDAは構造指向剤、及びQは前記カチオンである。
    SiO/Al比 =20以上50以下
    Na/SiO比 =0.1以上0.3未満
    M/SiO比 =0以上0.3未満
    SDA/SiO比 =0.1以上0.3以下
    OH/SiO比 =0.1以上0.45以下
    O/SiO比 =3以上20未満
    Q/SiO比 =0.001以上0.05以下
  7. 前記組成物のフッ素含有量が100重量ppm以下である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記AEI型ゼオライトのアルミナに対するシリカのモル比が100以下である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の製造方法。
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