JP6759584B2 - 転がり軸受 - Google Patents
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Description
この転がり軸受によれば、保持器(前記対向面)が外輪の肩部と隙間を有して対向する構成であり、この保持器を、複数の玉が設けられている内輪と外輪との間に組み付ける際、保持器の柱部が径方向外側に弾性変形するが、前記退避面によって保持器が外輪の前記境界部と干渉するのを防ぐことで、保持器の組み付けが容易となる。
この場合、柱部の軸方向他方側は対向部及び中実部を含む中実構造を有する構成となり、保持器(柱部)の軸方向他方側は周方向に変形し難くなる。このため、一旦ポケットに玉が収容されると、玉とポケットとが外れ難くなる。そして、前記のような保持器の構成によれば、保持器(柱部)の軸方向他方側は周方向に変形し難いことから、転がり軸受の組み立てにおいて、玉をポケットに収容させる際、柱部は玉に押されて径方向外側に弾性変形しやすくなる。しかし、前記転がり軸受によれば、柱部が弾性変形しても、前記退避面により保持器が外輪と干渉するのを防ぐことができる。
以上より、保持器の組み付けは容易であると共に、一旦、保持器が組み付けられると、外れにくくなる構成が得られる。
この場合、保持器の組み付けの際、第二の肩部側においても保持器が外輪に干渉するのを防ぐことができる。
この場合、軸受が回転することで潤滑油が遠心力によって内輪側から外輪側へ流れるが、この際、その潤滑油は前記傾斜面に沿って流れ、軸受内部に潤滑油が浸入するのを抑制する作用を高めることができる。これにより、軸受内部における潤滑油の撹拌抵抗を低減し、軸受の回転性能を高めることが可能となる。そして、保持器の組み付けの際、環状部の軸方向一方側の側面を押すが、この際、傾斜面を押すと柱部が弾性変形を伴いながら傾いて径方向外側に向きやすい。これにより、保持器の径方向外側面が外輪に干渉しやすくなるが、前記退避面によりその干渉を防ぐことができる。
この転がり軸受によれば、保持器(前記対向面)が内輪の肩部と隙間を有して対向する構成であり、この保持器を、複数の玉が設けられている内輪と外輪との間に組み付ける際、保持器の柱部が径方向内側に弾性変形するが、前記退避面によって保持器が内輪の前記境界部と干渉するのを防ぐことで、保持器の組み付けが容易となる。
図1は、本発明の転がり軸受の実施の一形態を示す断面図である。この転がり軸受10は、内輪11と、外輪12と、これら内輪11と外輪12との間に設けられている複数の玉(転動体)13と、これら玉13を周方向に間隔をあけて保持する環状の保持器14とを備えている。内輪11、外輪12及び玉13は、軸受鋼や炭素鋼からなる。本実施形態の保持器14は樹脂製からなり、金型を用いた射出成形により製造できる。保持器14を樹脂製とすることで、後に説明する退避面41,42等を含む段付き形状を形成するのが容易である。
第一退避面41は、対向面24と連続する面であり、軸方向他方側に向かうにしたがって径方向内側に向かう傾斜面からなる。第一退避面41は、対向面24よりも径方向内側に位置している。第一退避面41は、肩部55の内周面19と外輪軌道面52との間の第一の境界部57と対向する位置に設けられている。第一退避面41は、柱部22が径方向外側に変形しても、第一の境界部57と対向して、この境界部57と非接触となる。
中間面43は、第一退避面41と連続する面であり、軸受中心線C0(図1参照)を中心とする円筒面に沿った面からなる。中間面43は、対向面24よりも径方向内側に位置している。中間面43は、外輪軌道面52と対向する位置に設けられている。
第二退避面42は、中間面43と連続する面であり、軸方向他方側に向かうにしたがって径方向内側に向かう傾斜面からなる。第二退避面42は、第一退避面41及び中間面43よりも径方向内側に位置している。第二退避面42は、柱部22が径方向外側に変形しても、肩部56の内周面18と外輪軌道面52との間の第二の境界部58と対向して、この境界部58と非接触となる位置に設けられている。
また、前記のような保持器14の構成によれば、保持器14(柱部22)の軸方向他方側は周方向に圧縮変形し難いことから、転がり軸受10の組み立てにおいて、玉13をポケット20に収容させる際、柱部22は玉13に押されて径方向外側に弾性変形しやすくなる。
以上より、前記第一退避面41(及び前記第二退避面42)によって保持器14の組み付けは容易であると共に、一旦、保持器14が組み付けられると、外れにくくなる構成が得られる。
図5に示す転がり軸受10と、図1に示す転がり軸受10とでは、内輪11、外輪12、及び玉13の構成は同じであり、保持器84の構成が異なる。
13:玉 14:保持器 20:ポケット
21:環状部 22:柱部 24:対向面
31:対向部 32:対向部 37:中実部
40:径方向外側面 41:第一退避面 42:第二退避面
51:内輪軌道面 52:外輪軌道面 53:第一の肩部
54:第二の肩部 55:第一の肩部 56:第二の肩部
57:第一の境界部 58:第二の境界部 59:第一の境界部
61:傾斜面 70:ポケット 71:環状部
72:柱部 79:径方向内側面 80:対向面
81:第一の退避面 82:第二の退避面 84:保持器
Claims (4)
- 外周側に内輪軌道面を有している内輪と、
内周側に外輪軌道面及び当該外輪軌道面の軸方向一方側に設けられている第一の肩部を有している外輪と、
前記内輪と前記外輪との間に設けられている複数の玉と、
軸方向一方側の環状部及び当該環状部から軸方向他方側に延びて設けられている複数の柱部を有し周方向で隣り合う前記柱部の間が前記玉を収容するポケットとなる環状の保持器と、備え、
前記保持器の径方向外側面は、前記第一の肩部と隙間を有して対向する対向面と、当該対向面よりも径方向内側に位置し前記柱部が径方向外側に弾性変形した際に前記第一の肩部及び前記外輪軌道面の間の第一の境界部との干渉を防ぐための第一の退避面と、を有し、
前記外輪は、前記外輪軌道面の軸方向他方側に設けられている第二の肩部を更に有し、
前記保持器の径方向外側面は、前記第一の退避面よりも径方向内側に位置し前記柱部が径方向外側に弾性変形した際に前記第二の肩部及び前記外輪軌道面の間の第二の境界部との干渉を防ぐための第二の退避面を、前記柱部の軸方向他方側の端部に有し、
前記第二の退避面は、軸方向一方側から軸方向他方側に向けて縮径し、
前記ポケットは、軸受の径方向の仮想線を中心線とする円筒面に沿った形状であり、
前記保持器は、前記ポケットの軸方向他方側に、当該ポケットよりも狭い間隔で周方向に対向している一対の対向部を有しており、
前記一対の対向部それぞれは、ストレート面を有し、一対の対向する前記ストレート面は平行であり、その間隔は前記玉の直径よりも小さく、
前記柱部は、前記対向部を当該柱部の一部として有していると共に、当該対向部の周方向の変形を阻害する中実部を軸方向他方側に有していて、
前記中実部は、一つの前記柱部が有する二つの前記対向部の間の部分であり、
一対の対向する前記ストレート面から前記柱部の軸方向他方側の端部までの範囲に、軸方向一方側から軸方向他方側に向けて相互の間隔が広くなる一対の傾斜面が形成されている、転がり軸受。 - 前記柱部のうち、前記ストレート面と前記傾斜面とが形成されている範囲における径方向内側面は、軸方向一方側から軸方向他方側に向かって拡径している、請求項1に記載の転がり軸受。
- 一対の前記傾斜面の間隔は、前記柱部の軸方向他方側の側面の位置で前記玉の直径より大きく、
前記柱部の軸方向他方側の前記側面からの、前記傾斜面の軸方向長さは、前記柱部の軸方向他方側の前記側面からの、前記第二の退避面の軸方向長さよりも長い、請求項1又は2に記載の転がり軸受。 - 前記環状部の軸方向一方側の側面は、前記外輪側に向かうにしたがって更に軸方向一方側へ向かう傾斜面を有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり軸受。
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