JP6759584B2 - 転がり軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、転がり軸受に関する。
各種産業機器には多くの転がり軸受が用いられている。転がり軸受は、内輪、外輪、これら内輪と外輪との間に介在している複数の転動体、及び、これら転動体を保持する保持器を備えている。このような転がり軸受の中でも特に、転動体が玉である玉軸受は回転抵抗が小さい。
回転抵抗には、軸受内部に存在する潤滑油を保持器が撹拌することで生じる成分(撹拌抵抗)が含まれる。このような撹拌抵抗を低減するためには、軸受外部の潤滑油が軸受内部に浸入し難くするのが好ましく、そのために、内輪及び外輪と保持器との隙間を小さくした玉軸受が提案されている(特許文献1参照)。この玉軸受では、保持器が、軸方向一方側の環状部と、この環状部から軸方向他方側に延びて設けられている複数の柱部とを有する冠型のものであり、環状部の外周面と外輪の肩部との隙間を小さくし、更に、環状部の内周面と内輪の肩部との隙間を小さくしている。
なお、冠型の保持器は、玉を収容するポケットを周方向に複数有しており、内輪と外輪との間に介在している複数の玉に対して保持器を組み付けるために、ポケットの軸方向他方側は開口している。また、この開口の幅は玉の直径よりも狭くなっており、玉がポケットに一旦収容された状態になると、保持器が玉軸受から脱落するのを防ぐことができる。
特開2009−281585号公報
前記のように、内輪及び外輪と保持器の環状部との隙間を小さくすることで、潤滑油が軸受内部に浸入し難くなり、潤滑油の撹拌抵抗を低減することが可能となる。しかし、このように構成した保持器の場合、内輪と外輪との間に介在している複数の玉に対して組み付ける作業が難しくなる。
すなわち、保持器を組み付ける作業は、次のようにして行われる。先ず、内輪と外輪との間に複数の玉を介在させた状態とする。次に、複数の玉に対して保持器を軸方向から接近させ、更に保持器を軸方向に押して、保持器の各ポケットに玉を一つずつ収容した状態とする。玉をポケットに収容させる際、前記のとおり、ポケットにおける開口の幅は玉の直径よりも狭くなっているため、保持器の柱部は玉に押されて径方向外側に弾性変形する。柱部が径方向外側に弾性変形すると、この柱部の一部が外輪に干渉することがあり、保持器の組み付けが困難となる。なお、玉をポケットに収容させる際、柱部が玉に押されて径方向内側に弾性変形する場合、この柱部の一部は内輪に干渉し、やはり保持器の組み付けが困難となる。
そこで、保持器の一部が外輪(内輪)と隙間を有して対向する転がり軸受において、保持器の組み付けが容易となる転がり軸受を提供することを目的とする。
本発明の転がり軸受は、外周側に内輪軌道面を有している内輪と、内周側に外輪軌道面及び当該外輪軌道面の軸方向一方側に設けられている肩部を有している外輪と、前記内輪と前記外輪との間に設けられている複数の玉と、軸方向一方側の環状部及び当該環状部から軸方向他方側に延びて設けられている複数の柱部を有し周方向で隣り合う前記柱部の間が前記玉を収容するポケットとなる環状の保持器と、を備え、前記保持器の径方向外側面は、前記肩部と隙間を有して対向する対向面と、当該対向面よりも径方向内側に位置し前記柱部が径方向外側に弾性変形した際に前記肩部及び前記外輪軌道面の間の境界部との干渉を防ぐための退避面と、を有している。
この転がり軸受によれば、保持器(前記対向面)が外輪の肩部と隙間を有して対向する構成であり、この保持器を、複数の玉が設けられている内輪と外輪との間に組み付ける際、保持器の柱部が径方向外側に弾性変形するが、前記退避面によって保持器が外輪の前記境界部と干渉するのを防ぐことで、保持器の組み付けが容易となる。
また、前記保持器は、前記ポケットの軸方向他方側に、当該ポケットよりも狭い間隔で周方向に対向している一対の対向部を有しており、前記柱部は、前記対向部を当該柱部の一部として有していると共に、当該対向部の周方向の変形を阻害する中実部を軸方向他方側に有しているのが好ましい。
この場合、柱部の軸方向他方側は対向部及び中実部を含む中実構造を有する構成となり、保持器(柱部)の軸方向他方側は周方向に変形し難くなる。このため、一旦ポケットに玉が収容されると、玉とポケットとが外れ難くなる。そして、前記のような保持器の構成によれば、保持器(柱部)の軸方向他方側は周方向に変形し難いことから、転がり軸受の組み立てにおいて、玉をポケットに収容させる際、柱部は玉に押されて径方向外側に弾性変形しやすくなる。しかし、前記転がり軸受によれば、柱部が弾性変形しても、前記退避面により保持器が外輪と干渉するのを防ぐことができる。
以上より、保持器の組み付けは容易であると共に、一旦、保持器が組み付けられると、外れにくくなる構成が得られる。
また、前記外輪は、前記外輪軌道面の軸方向他方側に設けられている第二の肩部を更に有し、前記保持器は、前記退避面よりも径方向内側に位置し前記柱部が径方向外側に弾性変形した際に前記第二の肩部及び前記外輪軌道面の間の第二の境界部との干渉を防ぐための第二の退避面を更に有しているのが好ましい。
この場合、保持器の組み付けの際、第二の肩部側においても保持器が外輪に干渉するのを防ぐことができる。
また、前記環状部の軸方向一方側の側面は、前記外輪側に向かうにしたがって更に軸方向一方側へ向かう傾斜面を有しているのが好ましい。
この場合、軸受が回転することで潤滑油が遠心力によって内輪側から外輪側へ流れるが、この際、その潤滑油は前記傾斜面に沿って流れ、軸受内部に潤滑油が浸入するのを抑制する作用を高めることができる。これにより、軸受内部における潤滑油の撹拌抵抗を低減し、軸受の回転性能を高めることが可能となる。そして、保持器の組み付けの際、環状部の軸方向一方側の側面を押すが、この際、傾斜面を押すと柱部が弾性変形を伴いながら傾いて径方向外側に向きやすい。これにより、保持器の径方向外側面が外輪に干渉しやすくなるが、前記退避面によりその干渉を防ぐことができる。
また、本発明の転がり軸受は、外周側に内輪軌道面及び当該内輪軌道面の軸方向一方側に設けられている肩部を有している内輪と、内周側に外輪軌道面を有している外輪と、前記内輪と前記外輪との間に設けられている複数の玉と、軸方向一方側の環状部及び当該環状部から軸方向他方側に延びて設けられている複数の柱部を有し周方向で隣り合う前記柱部の間が前記玉を収容するポケットとなる環状の保持器と、を備え、前記保持器の径方向内側面は、前記肩部と隙間を有して対向する対向面と、当該対向面よりも径方向外側に位置し前記柱部が径方向内側に弾性変形した際に前記肩部及び前記内輪軌道面の間の境界部との干渉を防ぐための退避面と、を有している。
この転がり軸受によれば、保持器(前記対向面)が内輪の肩部と隙間を有して対向する構成であり、この保持器を、複数の玉が設けられている内輪と外輪との間に組み付ける際、保持器の柱部が径方向内側に弾性変形するが、前記退避面によって保持器が内輪の前記境界部と干渉するのを防ぐことで、保持器の組み付けが容易となる。
本発明によれば、複数の玉が設けられている内輪と外輪との間に、保持器を組み付ける際、保持器の柱部が径方向に弾性変形するが、保持器が有する退避面によって外輪(内輪)と干渉するのを防ぐことができ、保持器の組み付けが容易となる。
本発明の転がり軸受の実施の一形態を示す断面図である。 保持器を示す説明図であり、保持器を半分に切断した状態を示している。 保持器のポケット及びその周囲を示す説明図である。 ポケット及びその周囲を径方向外側から見た図である。 他の形態の転がり軸受を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の転がり軸受の実施の一形態を示す断面図である。この転がり軸受10は、内輪11と、外輪12と、これら内輪11と外輪12との間に設けられている複数の玉(転動体)13と、これら玉13を周方向に間隔をあけて保持する環状の保持器14とを備えている。内輪11、外輪12及び玉13は、軸受鋼や炭素鋼からなる。本実施形態の保持器14は樹脂製からなり、金型を用いた射出成形により製造できる。保持器14を樹脂製とすることで、後に説明する退避面41,42等を含む段付き形状を形成するのが容易である。
図1に示す転がり軸受10は深溝玉軸受である。内輪11は円筒状の部材であり、その外周側に、玉13が転動する凹溝状の内輪軌道面51が設けられている。更に、内輪11には、内輪軌道面51の軸方向一方側に第一の肩部53が設けられており、また、内輪軌道面51の軸方向他方側に第二の肩部54が設けられている。本実施形態では、両肩部53,54の外径は同じである。
外輪12は円筒状の部材であり、その内周側に、玉13が転動する凹溝状の外輪軌道面52が設けられている。更に、外輪12には、外輪軌道面52の軸方向一方側に第一の肩部55が設けられており、また、外輪軌道面52の軸方向他方側に第二の肩部56が設けられている。本実施形態では、両肩部55,56の内径は同じである。
複数の玉13は、内輪11と外輪12との間に形成されている環状空間15に設けられており、転がり軸受10が回転すると(本実施形態では内輪11が回転すると)、これら玉13は保持器14によって保持された状態で内輪軌道面51と外輪軌道面52とを転動する。
図2は、保持器14を示す説明図であり、保持器14を半分に切断した状態を示している。図3は、保持器14のポケット20及びその周囲を示す説明図である。図4は、ポケット20及びその周囲を径方向外側から見た図である。保持器14は、複数の玉13を周方向に沿って所定間隔(等間隔)をあけて保持することができ、このために、保持器14には玉13を保持するポケット20が周方向に沿って複数形成されている。本実施形態の保持器14は、いわゆる冠型保持器であり、玉13の軸方向一方側(図1及び図2では右側)に設けられている環状部21と、この環状部21から軸方向他方側(図1及び図2では左側)に延びて設けられている複数の柱部22とを有している。環状部21の軸方向他方側であって周方向で隣り合う一対の柱部22,22の間の空間が、玉13を収容するポケット20となる。
本実施形態において、軸方向とは、転がり軸受10の中心線C0(図1参照)に平行な方向である。この中心線を軸受中心線C0という。内輪11、外輪12及び保持器14の中心線は、軸受中心線C0と一致する。また、転がり軸受10の径方向を軸受径方向という。図1及び図3において、二点鎖線で示す仮想線C1は、軸受中心線C0に直交しており、この仮想線C1に沿う方向が軸受径方向となる。
図2〜図4に示すように、保持器14のポケット20は、仮想の円筒面に沿った形状であるポケット面25を有している。この円筒面は、前記軸受径方向の仮想線C1を中心線とする面である。つまり、ポケット面25を構成している前記円筒面の中心線は仮想線C1と一致している。
図4に示すように、前記円筒面の直径Dは、玉13の直径dよりも僅かに大きい。このため、ポケット面25と玉13との間には隙間が形成され、この隙間により、玉13に対して保持器14は僅かに変位することができる。そして、玉13は球体であることから、円筒面に沿った形状であるポケット面25に点接触することができる。
図3に示すように、環状部21の外周面は、外輪12の肩部55の内周面19と微小隙間を有して対向しており、保持器14が径方向に変位することで、この環状部21の外周面は肩部55の内周面19に接触可能となる。つまり、環状部21の前記外周面は、肩部55の内周面19と隙間を有しており、この内周面19と接触可能な対向面24となる。以上より、本実施形態の保持器14は、外輪12によって径方向の位置決めがされる外輪案内のものである。
図1及び図3に示すように、環状部21の軸方向一方側の側面は、軸受中心線C0に直交する円環状の面62と、傾斜面61とを有している。傾斜面61は、外輪12側に向かうにしたがって軸方向一方側へ向かう面(テーパ状の面)である。後にも説明するが、転がり軸受10の組み立てにおいて、玉13に対して保持器14を組み付ける際、円環状の面62は、治具等によって押される面となる。また、傾斜面61についても、押される面となる場合がある。
図4において、保持器14は、ポケット20の軸方向他方側に、一対の対向部31,32を有している。一対の対向部31,32は、前記円筒面に沿った形状であるポケット面25の直径Dよりも小さい間隔Wをあけて周方向に対向している。周方向一方側の対向部31は、周方向他方側に臨むストレート面33を有しており、また、周方向他方側の対向部32は、周方向一方側に臨むストレート面34を有している。一方側のストレート面33と他方側のストレート面34とは平行であり、両者は間隔Wをあけて対向している。周方向で隣り合う柱部22,22の先部側(軸方向他方側)において、周方向の間隔はストレート面33,34の間で最も小さく(狭く)なっている。このように、ポケット20は軸方向他方側において開口しており、このポケット20における開口の幅(W)は玉13の直径dよりも狭くなっている。以上より、本実施形態の保持器14では、一対の対向部31,32それぞれは、互いに平行となるストレート面33,34を有している構成となる。
ここで、転がり軸受10(図1参照)において保持器14を組み付ける作業について説明する。その作業は次のようにして行われる。先ず、内輪11と外輪12との間に複数の玉13を介在させた状態とする。次に、複数の玉13に対して保持器14を軸方向一方側から接近させ、保持器14の環状部21を軸方向一方側から他方側に向かって押し、保持器14の各ポケット20に玉13を一つずつ収容した状態とする。
このようにポケット20に玉13を収容させる際、前記のとおり、ポケット20における開口の幅(W:図3参照)は玉13の直径dよりも狭くなっているため、保持器14の柱部22は玉13に押されて径方向外側に弾性変形する。
図3により、保持器14の径方向外側面40の形状について更に説明する。この径方向外側面40は、前記対向面24を有している他に、第一退避面41を有している。本実施形態では、更に、軸方向他方側(柱部22の先部側)に第二退避面42を有しており、また、第一退避面41と第二退避面42とを繋いでいる中間面43を有している。
対向面24は、前記のとおり、環状部21の外周面であり、軸受中心線C0を中心とする円筒面からなる。
第一退避面41は、対向面24と連続する面であり、軸方向他方側に向かうにしたがって径方向内側に向かう傾斜面からなる。第一退避面41は、対向面24よりも径方向内側に位置している。第一退避面41は、肩部55の内周面19と外輪軌道面52との間の第一の境界部57と対向する位置に設けられている。第一退避面41は、柱部22が径方向外側に変形しても、第一の境界部57と対向して、この境界部57と非接触となる。
中間面43は、第一退避面41と連続する面であり、軸受中心線C0(図1参照)を中心とする円筒面に沿った面からなる。中間面43は、対向面24よりも径方向内側に位置している。中間面43は、外輪軌道面52と対向する位置に設けられている。
第二退避面42は、中間面43と連続する面であり、軸方向他方側に向かうにしたがって径方向内側に向かう傾斜面からなる。第二退避面42は、第一退避面41及び中間面43よりも径方向内側に位置している。第二退避面42は、柱部22が径方向外側に変形しても、肩部56の内周面18と外輪軌道面52との間の第二の境界部58と対向して、この境界部58と非接触となる位置に設けられている。
本実施形態では、第一退避面41、中間面43及び第二退避面42それぞれは、柱部22の径方向外側の面の一部からなる。以上のように、保持器14の径方向外側面40は、軸方向一方側から他方側に向かって、段階的に径方向寸法が小さくなる段付き形状を有している。
また、保持器14は、前記のとおり(図4参照)、ポケット20の軸方向他方側に、一対の対向部31,32を有しており、これら対向部31,32は、ポケット20よりも狭い間隔W(ポケット20の直径Dよりも小さい間隔W)で周方向に対向している。そして、図2に示すように、各柱部22は、二つの対向部31,32をこの柱部22の一部として有している。更に、各柱部22は、軸方向他方側に中実部37を有しており、中実部37は、この柱部22に含まれる二つの対向部31,32の周方向の変形(柱部22を周方向に圧縮する方向の変形)を阻害する機能を有している。中実部37は、一対の対向部31,32の間の部分であり、これら中実部37及び一対の対向部31,32は柱部22の一部として一体となって形成されている。
この構成によれば、各柱部22の軸方向他方側は、対向部31,32及び中実部37を含む中実構造を有する構成となる。このため、保持器14(柱部22)の軸方向他方側は周方向に圧縮変形し難くなり、一旦ポケット20に玉13が収容されると、玉13とポケット20とが外れ難くなる。
また、前記のような保持器14の構成によれば、保持器14(柱部22)の軸方向他方側は周方向に圧縮変形し難いことから、転がり軸受10の組み立てにおいて、玉13をポケット20に収容させる際、柱部22は玉13に押されて径方向外側に弾性変形しやすくなる。
図1及び図3に示すように、外輪案内の保持器14の場合、柱部22が径方向外側に弾性変形すると、保持器14の一部が外輪12と干渉しやすい。そこで、本実施形態の転がり軸受10では、このような干渉を防ぐための構成として、保持器14の径方向外側面40は、前記第一退避面41を備えている。
すなわち、保持器14の径方向外側面40は、肩部55の内周面19と隙間を有して対向する対向面24を有している他に、この対向面24よりも径方向内側に位置している第一退避面41を有している。第一退避面41は、対向面24よりも径方向内側に位置する面となっているため、保持器14の径方向外側面40の一部と、前記第一の境界部57との間隔を、肩部55の内周面19と対向面24との間隔よりも、大きくすることができる。このため、転がり軸受10の組み立てにおいて、柱部22が径方向外側に弾性変形した際に、保持器14が前記第一の境界部57に干渉するのを防ぐことができる。
これにより、保持器14を、複数の玉13が設けられている内輪11と外輪12との間に組み付ける際、柱部22が径方向外側に弾性変形するが、第一退避面41によって保持器14が外輪12の前記境界部57と干渉するのを防ぐことで、保持器14の組み付けが容易となる。
また、本実施形態では、図4に示すように、対向する一対の対向部31,32は、ストレート面33,34の軸方向他方側において、更に、軸方向他方側に向かうにしたがって相互の間隔が広くなる傾斜面35,36を有している。保持器14を玉13に組み付ける際、この傾斜面35,36により保持器14がガイドされ、保持器14(ポケット20)を玉13に組み込みやすくしている。
図1及び図3に示すように、保持器14の柱部22の軸方向他方側の先端は、前記第二の境界部58よりも、更に軸方向他方側に位置している。そして、保持器14は、第一退避面41及び中間面43よりも径方向内側に位置している第二退避面42を更に有している。この第二退避面42によれば、転がり軸受10の組み立てにおいて、柱部22が径方向外側に弾性変形した際に、保持器14が軸方向他方側の先部において第二の境界部58と干渉するのを防ぐことができる。このように、保持器14の組み付けの際、第二の肩部56側においても保持器14が外輪12に干渉するのを防ぐことで、保持器14の組み付けが容易となる。
また、前記のとおり、柱部22それぞれは、各柱部22が有している対向部31,32の周方向の変形(柱部22を周方向に圧縮する方向の変形)を阻害する中実部37を軸方向他方側に有しており、一旦、保持器14が転がり軸受10に組み付けられると、玉13とポケット20とが外れ難くなる。
以上より、前記第一退避面41(及び前記第二退避面42)によって保持器14の組み付けは容易であると共に、一旦、保持器14が組み付けられると、外れにくくなる構成が得られる。
本実施形態では(図3参照)、保持器14の環状部21と外輪12の肩部55との隙間を小さくしていることで、軸方向一方側から軸受内部に潤滑油が浸入するのを抑制している。更に、環状部21の軸方向一方側において、傾斜面61は、外輪12側に向かうにしたがって軸方向一方側へ向かう面となっている。このため、転がり軸受10(内輪11)が回転することで潤滑油が遠心力によって内輪11側から外輪12側へ流れるが、この際、その潤滑油は傾斜面61に沿って流れ、環状部21と肩部55との隙間から軸方向一方側に遠のく速度成分を有することができ、軸受内部に潤滑油が浸入するのを抑制する作用を高めることができる。これにより、軸受内部における潤滑油の撹拌抵抗を低減し、転がり軸受10の回転性能を高めることが可能となる。
転がり軸受10の組み立てのために、保持器14のポケット20に玉13を収容させる際、環状部21が治具等によって軸方向他方側に向かって押される。特に、環状部21が有する軸方向一方側の円環状の面62が押される面となるが、傾斜面61も押される場合がある。傾斜面61が軸方向他方側に向けて押されると、柱部22は弾性変形を伴いながら傾いて径方向外側に向きやすい。これにより、保持器14の径方向外側面40が外輪12に干渉しやすくなるが、前記実施形態によれば、第一退避面41(及び第二退避面42)によりその干渉を防ぐことができる。
前記実施形態では、保持器14の径方向外側面40が、第一退避面41の他に、第二退避面42も有している場合について説明したが、例えば、保持器14の柱部22の軸方向他方側の先端が、前記第二の境界部58よりも軸方向一方側に位置している場合、その保持器14は、軸方向他方側において外輪12と干渉するおそれがない。この場合、第二退避面42を省略することができる。
図5は、他の形態の転がり軸受を示す断面図である。前記実施形態(図1)では、保持器14を、内輪11及び外輪12の間に介在している複数の玉13に組み付ける際、保持器14の柱部22は径方向外側に弾性変形する場合を説明している。これに対して、図5に示す転がり軸受10は、柱部22が径方向内側に弾性変形する場合の軸受である。
図5に示す転がり軸受10と、図1に示す転がり軸受10とでは、内輪11、外輪12、及び玉13の構成は同じであり、保持器84の構成が異なる。
図5に示す形態では、保持器84は、環状の部材であり、軸方向一方側の環状部71と、この環状部71から軸方向他方側に延びて設けられている複数の柱部72とを有している。周方向で隣り合う柱部72,72の間が玉13を収容するポケット70となる。保持器84の径方向内側面79は、内輪11の肩部53の外周面60と隙間を有して対向している対向面80と、この対向面80よりも径方向外側に位置している(第一の)退避面81とを有している。この退避面81は、保持器84の組み付けのために柱部72が径方向内側に弾性変形した際、肩部53の外周面60及び内輪軌道面51の間の境界部59との干渉を防ぐ。
図5に示す形態においても、保持器84は、軸方向他方側に、第二の退避面82を有している。また、図5に示す保持器84は、図1に示す保持器14の外周側と内周側とを反対にした形状であり、図1に示す保持器14が有している構成を、図5に示す保持器84に(反対にして)適用することができる。
図5に示す転がり軸受10によれば、保持器84(対向面80)が内輪11の肩部53と隙間を有して対向する構成であり、この保持器84を、複数の玉13が設けられている内輪11と外輪12との間に組み付ける際、保持器84の柱部72が径方向内側に弾性変形するが、退避面81によって保持器84が内輪11の前記境界部59と干渉するのを防ぐことで、保持器の組み付けが容易となる。
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の転がり軸受は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。
10:転がり軸受 11:内輪 12:外輪
13:玉 14:保持器 20:ポケット
21:環状部 22:柱部 24:対向面
31:対向部 32:対向部 37:中実部
40:径方向外側面 41:第一退避面 42:第二退避面
51:内輪軌道面 52:外輪軌道面 53:第一の肩部
54:第二の肩部 55:第一の肩部 56:第二の肩部
57:第一の境界部 58:第二の境界部 59:第一の境界部
61:傾斜面 70:ポケット 71:環状部
72:柱部 79:径方向内側面 80:対向面
81:第一の退避面 82:第二の退避面 84:保持器

Claims (4)

  1. 外周側に内輪軌道面を有している内輪と、
    内周側に外輪軌道面及び当該外輪軌道面の軸方向一方側に設けられている第一の肩部を有している外輪と、
    前記内輪と前記外輪との間に設けられている複数の玉と、
    軸方向一方側の環状部及び当該環状部から軸方向他方側に延びて設けられている複数の柱部を有し周方向で隣り合う前記柱部の間が前記玉を収容するポケットとなる環状の保持器と、備え、
    前記保持器の径方向外側面は、前記第一の肩部と隙間を有して対向する対向面と、当該対向面よりも径方向内側に位置し前記柱部が径方向外側に弾性変形した際に前記第一の肩部及び前記外輪軌道面の間の第一の境界部との干渉を防ぐための第一の退避面と、を有し、
    前記外輪は、前記外輪軌道面の軸方向他方側に設けられている第二の肩部を更に有し、
    前記保持器の径方向外側面は、前記第一の退避面よりも径方向内側に位置し前記柱部が径方向外側に弾性変形した際に前記第二の肩部及び前記外輪軌道面の間の第二の境界部との干渉を防ぐための第二の退避面を、前記柱部の軸方向他方側の端部に有し、
    前記第二の退避面は、軸方向一方側から軸方向他方側に向けて縮径し、
    前記ポケットは、軸受の径方向の仮想線を中心線とする円筒面に沿った形状であり、
    前記保持器は、前記ポケットの軸方向他方側に、当該ポケットよりも狭い間隔で周方向に対向している一対の対向部を有しており、
    前記一対の対向部それぞれは、ストレート面を有し、一対の対向する前記ストレート面は平行であり、その間隔は前記玉の直径よりも小さく、
    前記柱部は、前記対向部を当該柱部の一部として有していると共に、当該対向部の周方向の変形を阻害する中実部を軸方向他方側に有していて、
    前記中実部は、一つの前記柱部が有する二つの前記対向部の間の部分であり、
    一対の対向する前記ストレート面から前記柱部の軸方向他方側の端部までの範囲に、軸方向一方側から軸方向他方側に向けて相互の間隔が広くなる一対の傾斜面が形成されている、転がり軸受。
  2. 前記柱部のうち、前記ストレート面と前記傾斜面とが形成されている範囲における径方向内側面は、軸方向一方側から軸方向他方側に向かって拡径している、請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 一対の前記傾斜面の間隔は、前記柱部の軸方向他方側の側面の位置で前記玉の直径より大きく、
    前記柱部の軸方向他方側の前記側面からの、前記傾斜面の軸方向長さは、前記柱部の軸方向他方側の前記側面からの、前記第二の退避面の軸方向長さよりも長い、請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 前記環状部の軸方向一方側の側面は、前記外輪側に向かうにしたがって更に軸方向一方側へ向かう傾斜面を有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり軸受。
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