JP2015057558A - 玉軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の玉軸受を軸方向に積み重ねた場合、一方の玉軸受の冠型保持器が、他方の玉軸受の玉に当たらないようにする。
【解決手段】内周に軌道面21を形成した外輪20と、外周に軌道面31を形成した内輪30と、両軌道面上を転動する複数の玉40と、複数の玉40を回転可能に保持する樹脂製の冠型保持器50とを備え、冠型保持器50は、複数の玉40を挟んで軸方向に一側に配置される環状部52と、環状部52に対して複数の玉40側へ軸方向に延び、円周方向に間隔を空けて複数配置した一対の爪51とを備えた玉軸受において、外輪20および内輪30の軸方向の幅を短くして、冠型保持器の環状部52を外輪20の軸方向の一側の端面より軸方向の一側へ突出させ、外輪20の軸方向の一側の端面から環状部52の軸方向の一側の端面までの突出量を、外輪20の軸方向の他側の端面から玉40までの凹み量より小さくした。
【選択図】図3
【解決手段】内周に軌道面21を形成した外輪20と、外周に軌道面31を形成した内輪30と、両軌道面上を転動する複数の玉40と、複数の玉40を回転可能に保持する樹脂製の冠型保持器50とを備え、冠型保持器50は、複数の玉40を挟んで軸方向に一側に配置される環状部52と、環状部52に対して複数の玉40側へ軸方向に延び、円周方向に間隔を空けて複数配置した一対の爪51とを備えた玉軸受において、外輪20および内輪30の軸方向の幅を短くして、冠型保持器の環状部52を外輪20の軸方向の一側の端面より軸方向の一側へ突出させ、外輪20の軸方向の一側の端面から環状部52の軸方向の一側の端面までの突出量を、外輪20の軸方向の他側の端面から玉40までの凹み量より小さくした。
【選択図】図3
Description
本発明は、冠型保持器を用いた玉軸受に関する。
トランスミッションの回転軸を回転可能に支持するために、例えば特許文献1に示す玉軸受が使用される。トランスミッションの全長を短くするために、玉軸受の軸方向の幅を短くすることが要請されている。玉軸受の保持器として、低コストにし、玉軸受を貫通する潤滑油の油量をコントロールするために、樹脂製で冠型保持器が使用される。
玉軸受の外輪および内輪の軸方向の幅を短くすると、冠型保持器の一部が、外輪の軸方向の一側の端面より軸方向に突出する。複数の玉軸受は、搬送時、あるいはトランスミッションの組立て場で軸方向に積み重ねられる場合がある。一方の玉軸受の冠型保持器が、他方の玉軸受の玉に当たった状態で、複数の玉軸受が軸方向に積み重ねられると、振動、衝撃によって、玉軸受の軌道面、玉の転動面に傷を付ける場合がある。
請求項1に記載の玉軸受は、内周に軌道面を形成した外輪と、この外輪の内周側に配置され、外周に軌道面を形成した内輪と、前記両軌道面間に配置されこれらに対し転動する複数の玉と、前記複数の玉を円周方向に間隔を空けて回転可能に保持する樹脂製の冠型保持器とを備え、前記冠型保持器は、前記複数の玉を挟んで軸方向に一側に配置される環状部と、前記環状部に対して前記複数の玉側へ軸方向に延び、円周方向に間隔を空けて複数配置した一対の爪と、前記環状部および前記一対の爪によって形成され、前記玉を回転可能に保持するポケットとを備えた玉軸受において、前記外輪および前記内輪の軸方向の幅を短くして、前記冠型保持器の前記環状部を前記外輪の軸方向の一側の端面より軸方向の一側へ突出させ、前記外輪の軸方向の一側の端面から前記環状部の軸方向の一側の端面までの突出量を、前記外輪の軸方向の他側の端面から前記玉までの凹み量より小さくしたことを特徴とする。
本発明によれば、外輪に対し冠型保持器の突出している方向を揃えて、複数の玉軸受を軸方向に積み重ねた場合、一方の玉軸受の冠型保持器が、他方の玉軸受の玉に当たらない。振動、衝撃がかかっても、玉軸受の軌道面、玉の転動面に傷を付ける恐れがない。
本発明の一実施形態について、図1乃至図3を参酌しつつ説明する。
図1に示すように、玉軸受10は、リング状の外輪20と、外輪20の内周側に配置されたリング状の内輪30と、外輪20および内輪30間に配置されたリング状の冠型保持器50と、冠型保持器50に回転可能に保持された複数の玉40とからなっている。
外輪20の内周には、断面円弧状の外輪側軌道面21が形成され、外輪側軌道面21を挟んで軸方向両側に、外輪側肩面22が軸線と平行に形成されている。
内輪30の外周には、断面円弧状の内輪側軌道面31が形成され、内輪側軌道面31を挟んで軸方向両側に、内輪側肩面32が軸線と平行に形成されている。
図1および図2に示すように、冠型保持器50は、円周方向に複数のポケット53を有し、各ポケット53に玉40が回転可能に保持されている。ポケット53は、軸方向において一側に開口せず、他側に開口する位置に形成されている。冠型保持器50は、複数の玉40を挟んで軸方向に一側に配置されたリング状の環状部52と、環状部52に対して複数の玉40側へ軸方向に延び、円周方向に間隔を空けて複数配置した一対の爪51とからなる。環状部52は、軸方向において一側から玉40の回転中心まで有し、一対の爪51は、軸方向において玉40の回転中心から玉40の直径の4分の1だけ突出する位置まで有する。環状部52および一対の爪51によって玉40を回転可能に保持するポケット53が形成されている。ポケット53は、球形状の一部を有している。
玉40は、球形状を有する。玉40の外周が外輪側軌道面21および内輪側軌道面31を転動する転動面となる。
外輪20、内輪30、玉40は、鉄で構成され、冠型保持器50は、樹脂で構成されている。
玉40から外輪20および内輪30の軸方向の両端面までの距離が同じになるように、外輪20および内輪30の軸方向の幅を短くする。外輪20および内輪30の軸方向の幅を短くすると、冠型保持器50の軸方向の一側が外輪20および内輪30の軸方向の一側の端面より軸方向に突出する。外輪20および内輪30の軸方向の幅を短くすると、外輪側肩面22および内輪側肩面32の軸方向の幅が短くなり、外輪側軌道面21および内輪側軌道面31の軸方向の幅は変わらないので、玉40の転動に大きな影響を与えない。
外輪20および内輪30は、軸方向において同一の幅を有している。外輪20の軸方向両側の端面は、内輪30の軸方向両側の端面と同一の面を有する。図1および図3に示すように、外輪20の軸方向の一側の端面から冠型保持器50の軸方向の一側の端面までの突出量をnとし、外輪20の軸方向の他側の端面から玉40までの凹み量をmとすると、凹み量mの方が、突出量nより大きい関係が成り立つ。
続いて、玉軸受10の組付け動作について説明する。
図1において、外輪20に対して内輪30を平行にかつ偏心して配置し、外輪20および内輪30間の偏心量が多い箇所に全ての玉40を挿入し、玉40を外輪20の円周方向にずらして、外輪20に対して内輪30を同軸に配置する。玉40を円周方向に等間隔に配置する。軸方向において一端側より冠型保持器50を、外輪20および内輪30間に挿入し、玉40によって一対の爪51間が拡がる。さらに挿入すると、玉40に倣って一対の爪51間が狭まる方向へ一対の爪51が弾性復帰する。こうして、玉40は抜けないように一対の爪51に保持される。
外輪20および内輪30間へ玉40を挿入してから冠型保持器50を玉40に嵌めるため、外輪20および内輪30間へ玉40の挿入作業が容易になる。
搬送時あるいはトランスミッションの組立て場において、複数の玉軸受10は、外輪20に対し冠型保持器50の突出している方向を揃えて、軸方向に積み重ねられる場合がある。このとき、外輪20の軸方向の一側の端面から冠型保持器50の軸方向の一側の端面までの突出量nが、外輪20の軸方向の他側の端面から玉40までの凹み量mより小さいので、一方の玉軸受10の冠型保持器50が、他方の玉軸受10の玉40に当たらない。振動、衝撃がかかっても、玉軸受10の両軌道面21、31、玉40の転動面に傷を付ける恐れがない。
玉軸受10は、内輪30に図略の回転軸が挿入され、外輪20はトランスミッションの図略のハウジングに挿入されて使用される。
玉軸受10の使用状況について説明する。
回転軸とともに内輪30を回転させると、外輪側軌道面21および内輪側軌道面31上を玉40が転動し、玉40は内輪30の回転方向と同方向へ移動する。玉40を保持する冠型保持器50も玉40と同方向へ移動する。外輪20および内輪30間を軸方向に潤滑油が貫通する。冠型保持器50は、径方向に肉厚を持っているので、外輪20および内輪30間を流れる潤滑油の供給量を抑えことができる。
本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
上述した実施形態は、冠型保持器50が、軸方向において、一側から玉40の回転中心まで環状部52を有し、玉40の回転中心から玉40の直径の4分の1だけ突出する位置まで一対の爪51を有する例について述べた。他の実施形態として、一対の爪51の突出量を玉40の直径の4分の3とし、環状部52の軸方向の幅を一対の爪51の突出量を増やした分だけ短くしても良い。
20:外輪、30:内輪、40:玉、51:一対の爪、50:冠型保持器、53:ポケット、m:凹み量、n:突出量
Claims (1)
- 内周に軌道面を形成した外輪と、この外輪の内周側に配置され、外周に軌道面を形成した内輪と、前記両軌道面間に配置されこれらに対し転動する複数の玉と、前記複数の玉を円周方向に間隔を空けて回転可能に保持する樹脂製の冠型保持器とを備え、
前記冠型保持器は、前記複数の玉を挟んで軸方向に一側に配置される環状部と、前記環状部に対して前記複数の玉側へ軸方向に延び、円周方向に間隔を空けて複数配置した一対の爪と、前記環状部および前記一対の爪によって形成され、前記玉を回転可能に保持するポケットとを備えた玉軸受において、
前記外輪および前記内輪の軸方向の幅を短くして、前記冠型保持器の前記環状部を前記外輪の軸方向の一側の端面より軸方向の一側へ突出させ、前記外輪の軸方向の一側の端面から前記環状部の軸方向の一側の端面までの突出量を、前記外輪の軸方向の他側の端面から前記玉までの凹み量より小さくしたことを特徴とする玉軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013191252A JP2015057558A (ja) | 2013-09-16 | 2013-09-16 | 玉軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013191252A JP2015057558A (ja) | 2013-09-16 | 2013-09-16 | 玉軸受 |
Publications (1)
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JP2015057558A true JP2015057558A (ja) | 2015-03-26 |
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ID=52815696
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JP2013191252A Pending JP2015057558A (ja) | 2013-09-16 | 2013-09-16 | 玉軸受 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2015057558A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017065943A1 (en) * | 2015-10-12 | 2017-04-20 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Low friction ball bearing cage design with optimized contact surface |
US11181149B2 (en) | 2019-10-11 | 2021-11-23 | Jtekt Corporation | Rolling bearing |
US11221044B2 (en) | 2019-10-01 | 2022-01-11 | Jtekt Corporation | Rolling bearing |
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2013
- 2013-09-16 JP JP2013191252A patent/JP2015057558A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017065943A1 (en) * | 2015-10-12 | 2017-04-20 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Low friction ball bearing cage design with optimized contact surface |
US11221044B2 (en) | 2019-10-01 | 2022-01-11 | Jtekt Corporation | Rolling bearing |
US11181149B2 (en) | 2019-10-11 | 2021-11-23 | Jtekt Corporation | Rolling bearing |
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