JP6759255B2 - ジャイロセンサシステム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、ジャイロセンサシステムに関する。
ジャイロセンサを用いて角度検出を行おうとした場合、通常はジャイロセンサで検出された角速度を積分する。そのため、十分な角度検出精度が得られない場合がある。
ジャイロセンサを用いて直接的に角度検出を行うことも可能であるが、この場合には種々の制約があり、やはり高精度で角度検出を行うことは難しい。
特開2016−200512号公報 特表2009−530603号公報 特許第5161440号公報
高精度で角度検出を行うことが可能なジャイロセンサシステムを提供する。
実施形態に係るジャイロセンサシステムは、第1の方向及び第1の方向に対して垂直な第2の方向に振動可能な可動体と、前記可動体を前記第1及び第2の方向に振動させるバネ機構と、前記バネ機構によって前記第1の方向に自由振動している前記可動体に働くコリオリ力に基づく前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅を検出することができる検出部と、前記検出部で検出された前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅に基づいて、前記可動体の前記第1の方向の振動の第1の共振周波数と前記可動体の前記第2の方向の振動の第2の共振周波数とを一致させるように調整を行う調整部と、前記調整部によって前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数とが一致するように調整された状態で検出された前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅に基づいて、前記可動体の回転角度を取得する回転角度取得部と、を備えるジャイロセンサユニットを少なくとも1つ備える。
実施形態に係るジャイロセンサシステムの基本的な構成を示したブロック図である。 実施形態に係るジャイロセンサシステムにおけるジャイロ素子の構成を模式的に示した平面図である。 実施形態に係るジャイロセンサシステムにおけるジャイロ素子の変更例の構成を模式的に示した平面図である。 実施形態に係り、α(Δf)の一例を示した図である。 実施形態に係り、調整用の振幅検出動作及び測定用の振幅検出動作の第1の具体例を示した図である。 実施形態に係り、調整用の振幅検出動作及び測定用の振幅検出動作の第2の具体例を示した図である。 実施形態に係り、調整用の振幅検出動作及び測定用の振幅検出動作の第3の具体例を示した図である。 実施形態に係り、調整用の振幅検出動作及び測定用の振幅検出動作の第4の具体例を示した図である。 実施形態の第1の変更例に係るジャイロセンサシステムの基本的な構成(概念)を示した図である。 実施形態の第1の変更例に係るジャイロセンサシステムの基本的な動作を示した図である。 実施形態に係るジャイロセンサシステムの第1の動作例を示した図である。 実施形態に係るジャイロセンサシステムの第2の動作例を示した図である。 実施形態に係るジャイロセンサシステムの第2の動作例の第2の方法に用いる構成を模式的に示した図である。 実施形態に係るジャイロセンサシステムの第3の動作例を示した図である。 実施形態の係るジャイロセンサシステムの第4の動作例を示した図である。 実施形態の第2の変更例に係るジャイロセンサシステムの基本的な構成(概念)を示した図である。 実施形態の第3の変更例に係るジャイロセンサシステムの基本的な構成(概念)を示した図である。 実施形態に係り、ダンピング係数調整機構を有するジャイロセンサシステムの第1の構成例を模式的に示した図である。 実施形態に係り、ダンピング係数調整機構を有するジャイロセンサシステムの第2の構成例を模式的に示した図である。 実施形態に係り、ダンピング係数調整機構を有するジャイロセンサシステムの第3の構成例を模式的に示した図である。 実施形態に係り、ダンピング係数調整機構を有するジャイロセンサシステムの第4の構成例を模式的に示した図である。 実施形態に係り、ダンピング係数調整機構を有するジャイロセンサシステムの第5の構成例を模式的に示した図である。 実施形態に係り、ダンピング係数調整機構を有するジャイロセンサシステムの第6の構成例を模式的に示した図である。 実施形態に係り、ダンピング係数調整機構を有するジャイロセンサシステムの第7の構成例を模式的に示した図である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係るジャイロセンサシステムの基本的な構成を示したブロック図である。
図2は、実施形態に係るジャイロセンサシステム(ジャイロセンサユニット)におけるジャイロ素子の構成を模式的に示した平面図である。ジャイロ素子は、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)技術を用いて基板上に形成される。
図1に示すように、ジャイロセンサシステム200(ジャイロセンサユニット100)は、ジャイロ素子(MEMS素子)110と、振幅検出回路120と、調整信号発生回路130と、回転角度取得回路140とを備えている。
図2に示すように、ジャイロ素子(MEMS素子)110は、可動体111と、バネ機構112と、アンカー113と、捕捉及び解放(catch and release)機構114と、ドライブ及びモニタ機構115と、検出機構116と、調整機構117とを備えている。
可動体111は、可動部(可動マス)111a及び可動部(可動マス)111bを含んでおり、x方向(第1の方向)及びx方向に対して垂直なy方向(第2の方向)に振動可能である。可動部111aは、ドライブ用の可動部であり、主としてx方向(第1の方向)に振動可動である。可動部111bは、センス用の可動部であり、主としてy方向(第2の方向)に振動可動である。図2に示すように、可動体111は、x方向のパターンとy方向のパターンとが異なっている。より厳密に言うと、x方向及びy方向に対して垂直で且つ可動体111のパターンの中心を通る軸を中心として可動体111を90度回転させたときに、回転前の可動体111のパターンと回転後の可動体111のパターンとは一致しない。
バネ機構112は、バネ部分112a及びバネ部分112bを含んでおり、可動体111をx及びy方向に振動させる。バネ部分112aは、可動部111aに接続されており、主として可動部111aをx方向に振動させるために設けられている。バネ部分112bは、可動部111a及び可動部111bに接続されており、主として可動部111bをy方向に振動させるために設けられている。図2に示した例では、バネ機構112は、8つのバネ部分112a及び4つのバネ部分112bを含んでいる。バネ機構112によってx方向に自由振動している可動体111に回転運動が加わると、可動体111にはコリオリ力が働き、可動体111はy方向に振動する。
アンカー113は、バネ部分112aを支持するために設けられており、下地領域に固定されている。図2に示した例では、8つのバネ部分112aに対応して8つのアンカー113が設けられている。
捕捉及び解放機構114は、可動体111を捕捉し且つ捕捉された可動体111を解放して可動体111をx方向に自由振動させる機能を有している。捕捉及び解放機構114は、電極部分114a及びストッパー部分114bを含んでいる。電極部分114aと可動体111との間に所定電圧を印加することで、電極部分114aと可動体111との間に静電引力が働く。その結果、可動体111がストッパー部分114bにコンタクトした状態で静止し、可動体111が捕捉及び解放機構114に捕捉される。電極部分114aと可動体111との間に印加されている電圧を下げて静電引力を減少させることで、可動体111が捕捉及び解放機構114から解放され、可動体111はx方向に自由振動を開始する。
ドライブ及びモニタ機構115は、電極部分115a及び電極部分115bを含み、可動体111に対するドライブ機能及びモニタ機能を有している。ドライブ機能は、ジャイロセンサシステムの電源をオンさせた直後の初期状態において可動体111を強制的にドライブする機能である。すなわち、電源オン直後の初期状態では、可動体111が捕捉及び解放機構114に捕捉されていない。このような初期状態において、電極部分115aと電極部分115bとの間に所定電圧を印加することで、電極部分115aと電極部分115bとの間に静電引力が働く。その結果、可動体111がドライブされ、可動体111を捕捉及び解放機構114に捕捉させることができる。モニタ機能は、x方向に振動している可動体111のx方向の位置をモニタする機能である。電極部分115aと電極部分115bとの間のキャパシタンスを検出することで、可動体111のx方向の位置をモニタすることができる。図2に示した例では、2つのドライブ及びモニタ機構115が設けられており、一方のドライブ及びモニタ機構115をドライブ用に用い、他方のドライブ及びモニタ機構115をモニタ用に用いることが可能である。
検出機構116及び振幅検出回路120(図1参照)を含む検出部では、バネ機構112によってx方向に自由振動している可動体111に働くコリオリ力に基づく可動体111のy方向の振動の振幅を検出する。以下、検出機構116及び振幅検出回路120について説明を加える。
検出機構116は、可動体111のy方向の振動の振幅に基づく所定物理量を検出するものであり、電極部分116a及び電極部分116bを含んでいる。本実施形態では、所定物理量は、電極部分116aと可動体111との間のキャパシタンスCa及び電極部分116bと可動体111との間のキャパシタンスCbに基づく物理量である。すでに述べたように、x方向に自由振動している可動体111に回転運動が加わると、可動体111にはコリオリ力が働き、可動体111はy方向に振動する。その結果、上述したキャパシタンスCa及びCbが振動に応じて変化する。電極部分116a及び116bは下地領域に固定されているため、可動体111のy方向の振動によってキャパシタンスCa及びCbの一方が増加すると、キャパシタンスCa及びCbの他方は減少する。
検出機構116の電極部分116a及び116bには、図1に示した振幅検出回路120が接続されている。振幅検出回路120では、検出機構116で検出された所定物理量(キャパシタンスCa及びCb)に基づいて、可動体111のy方向の振動の振幅を検出する。すでに述べたように、キャパシタンスCa及びCbの一方が増加すると、キャパシタンスCa及びCbの他方は減少する。したがって、振幅検出回路120では、キャパシタンスCaとキャパシタンスCbとの差分に基づいて、可動体111のy方向の振動の振幅を検出することが可能である。
調整機構117及び調整信号発生回路130(図1参照)を含む調整部では、検出部(検出機構116及び振幅検出回路120)で検出された可動体111のy方向の振動の振幅に基づいて所定の調整を行う。具体的には、調整部では、後述するように、可動体111のx方向の振動の共振周波数(第1の共振周波数)と可動体111のy方向の振動の共振周波数(第2の共振周波数)とを一致させるように所定の調整を行う。以下、調整機構117及び調整信号発生回路130について説明を加える。
調整信号発生回路130では、検出部(検出機構116及び振幅検出回路120)で検出された可動体111のy方向の振動の振幅に基づいて、第1の共振周波数と第2の共振周波数とを一致させるための調整信号を発生する。具体的には、振幅検出回路120からの振幅情報が調整値取得回路131に入力される。調整値取得回路131では、振幅情報に基づいて調整値(補正値)が算出され、調整値が取得される。調整値取得回路131からの調整値情報は電圧発生回路132に入力し、第1の共振周波数と第2の共振周波数とを一致させるための電圧が発生する。
調整機構117では、調整信号発生回路130で発生した調整信号を受けて可動体111に対して所定の調整を行う。具体的には、電圧発生回路132で発生した電圧が調整信号として、調整機構117の電極部分117aに印加される。電圧発生回路132で発生した電圧信号(調整信号)が調整機構117に印加されることで、可動体111の可動部111bの可動部111aに対する向き(xy平面内における角度)が調整され、第1の共振周波数と第2の共振周波数とを一致させることができる。図2に示した例では、ジャイロ素子110に4つの調整機構117が含まれており、4つの調整機構117にはそれぞれ電圧V1、V2、V3及びV4が印加される。
回転角度取得回路(回転角度取得部)140では、調整部(調整機構117及び調整信号発生回路130)によって第1の共振周波数と第2の共振周波数とが一致するように調整された状態で検出された可動体111のy方向の振動の振幅に基づいて、可動体111の回転角度を取得する(算出する)。後述するように、第1の共振周波数と第2の共振周波数とが一致するように調整された状態で可動体111のy方向の振動の振幅を検出することで、可動体111の回転角度を直接的に取得することが可能である。
図3は、本実施形態に係るジャイロセンサシステム(ジャイロセンサユニット)におけるジャイロ素子の変更例の構成を模式的に示した平面図である。なお、本変更例のジャイロ素子の基本的な構成は、図2に示したジャイロ素子の構成と類似しているため、すでに説明した事項の説明は省略する。
図2に示したジャイロ素子(MEMS素子)110では、可動体(可動マス)111が、主としてx方向に振動可動な可動部111aと、主としてy方向に振動可動な可動部111bとを含んでいた。本変更例のジャイロ素子(MEMS素子)110は、図3に示すように、x方向の可動部とy方向の可動部とが一体となった可動体(可動マス)111を有している。そのため、バネ機構112も、バネ部分112aのみによって構成されている。また、検出機構116(電極部分116a及び116b)及び調整機構(電極部分117a)117の位置も図2の場合とは異なっている。
本変更例のジャイロ素子110の基本的な機能及び基本的な動作は、図2に示したジャイロ素子110と同様である。したがって、本変更例のジャイロ素子110を図1に示したジャイロセンサシステム200(ジャイロセンサユニット100)に適用することで、上述した実施形態と同様の動作を行うことが可能である。
次に、本実施形態に係るジャイロセンサシステムの原理について説明する。
回転角度を直接的に検出可能なジャイロセンサは、フーコー振り子の原理に基づくものである。バネ機構によって保持され、x方向及びy方向に振動可能な可動体(マス)を想定する。x方向の共振周波数及びy方向の共振周波数が互いに等しく、角共振周波数がωであるとする。
上述したような系において、可動体(マス)が角速度Ω(t)で回転している場合の運動方程式は以下のように表される。
Figure 0006759255
右辺は、コリオリ力の寄与を表している。
初期条件
Figure 0006759255
を満たす解は、以下のようになる。
Figure 0006759255
ただし、
Figure 0006759255
である。Φは角速度Ωを積分したもの、すなわち角度である。
したがって、自由振動している可動体(マス)のxy平面内における回転角を、以下の式
Figure 0006759255
から求めれば、角度Φを直接的に求めることができる。
上述した手法は、回転角度を直接的に求めることができため、角速度を積分して回転角度を求める方法に比べて、精度を大幅に向上させることが可能である。しかしながら、上述した手法では、以下のような問題がある。
第1に、x方向の共振周波数とy方向の共振周波数とを常に一致させる(マッチングさせる)ことが困難である。具体的には、製造ばらつきの影響を補償し、且つ温度が変化しても、共振周波数をマッチングさせておくことが困難である。第2に、上述したスキームは、可動体(マス)が自由振動している期間にのみ成立する。ダンピング効果等のエネルギー損失によって自由振動は必ず減衰するため、長時間にわたって継続的に測定することは困難である。
本実施形態では、以下のようにして、上述したような問題を解決している。
まず、本実施形態の前提として、ωの値が十分に大きく、r<<1が成立するものとする。さらに、自由振動の時間tが小さく、角度Φが小さい場合には、
Figure 0006759255
となる。したがって、x方向に可動体(マス)を自由振動させ、y方向の振幅をモニタすることにより角度Φを求めることができる。時間tが大きくなると、非線形効果が表れてくるために振幅がΦに比例しなくなってくるが、そのような状態になる前に捕捉してモニタを終了させれば問題はない。
本実施形態の可動体111の運動方程式は、以下のように表すことができる。
Figure 0006759255
x はx方向の可動体の質量であり、my はy方向の可動体の質量である。なお、図3に示したように、x方向の可動体とy方向の可動体とが一体となった構造である場合には、mx =my である。また、KM は、以下のバネ行列
Figure 0006759255
である。
バネ行列の非対角成分kxy及びkyxは小さいことが望ましいが、製造ばらつきや温度依存の影響を受けるため、通常はゼロにはならない。以下の説明では、簡単のために、ダンピング係数(減衰係数)bx 及びby がゼロであるとする。Q値が大きい場合には、この近似は妥当である。また、bx 及びby がゼロでない場合にも、以下の議論の本質に変わりはない。
図2において、V1=V3、V2=V4として、調整機構117に調整電圧V1及びV2を印加する。このように、調整機構117に調整電圧を印加することにより、静電引力によって実効的なバネ定数を変えることができる。静電引力による実効的なバネ定数の変化量は、
Figure 0006759255
と表される。ここで、p及びqは、誘電率や電極間ギャップ等に依存する定数である[Yunfang Ni, Sensors 2014, 14, 20419-20438]。
/KM 、/KE 、及び、/Kを、以下の式
Figure 0006759255
で定義する。μはx方向(ドライブ方向)の角共振周波数であり、ωはy方向(センス方向)の角共振周波数である。この場合の運動方程式は、以下の式
Figure 0006759255
で表される。
上記の運動方程式の解を(Ω及びκ2 に関する)摂動により求めると、前述した初期条件を満たす解は、
Figure 0006759255
となる。ただし、
Figure 0006759255
である。
μ〜ω、κ〜0、の場合には、yは、
Figure 0006759255
となる。ここで、
Figure 0006759255
である。Δfは、x方向の共振周波数とy方向の共振周波数との差である。α(Δf)は、Δf=0(μ=ω)のときに最大値1となり、Δfがゼロから離れると急速にゼロに近づく関数である。α(Δf)の具体的な形は、Ω(t)によって決まる。
図4は、α(Δf)の一例を示した図である。具体的には、図4は、角速度入力が一定期間のみ与えられた場合の例である。
μ=ω、κ2 =0、の場合には、yは、
Figure 0006759255
となる。これは、前述した式と同じ形であり、y方向の振動の振幅から角度Φが求められることを意味している。Φを抽出するためには、y方向の振動をモニタし、ローパスフィルタによって高周波成分(ωの寄与)を下げればよい。角度Φは、時間依存を有していてもよい。
以上のことから、y方向の振動の振幅から角度Φを算出するためには、μ=ω、κ2 =0、が成立する必要があることがわかる。これは、行列 /Kが、以下の形で表される必要であることを意味する。
Figure 0006759255
なお、(κ”)2 はゼロである必要はない。
本実施形態では、電圧V1及びV2を適切な電圧に調整し、行列 /KE を変化させることにより、上述したような行列 /Kが得られるようにしている。2つのパラメータ(V1、V2)があるため、上述したような行列 /Kを得ることは可能である。
上述したような方法を採用することにより、可動部の構造の対称性を極度に高める(可動部のx方向のパターンとy方向のパターンとの同一性を極度に高める)必要がない。したがって、通常のMEMS製造プロセスを用いて、低コストでジャイロセンサ素子を製造することができる。また、温度等の動作環境が変化しても、電圧V1及びV2を適切に調整することで、常に行列 /Kを上述した形(/K=/KJ )に維持することができる。すなわち、行列 /Kをアダプティブに調整することが可能である。
次に、上述した条件(/K=/KJ )を得るための方法を説明する。すなわち、V1及びV2を決める方法について説明する。
まず、
Figure 0006759255
上式を考慮すると、
Figure 0006759255
上式において、振幅Am の傾き(dAm(t)/dt)が最小になるようにV1及びV2を決めれば、κ2 =0、が成立する。また、α(Δf)が最大のときに、Δf=0(μ=ω)となる。したがって、振幅Am が最大となるようにV1及びV2を決定すれば、Δf=0(μ=ω)という条件を得ることができる。
以上のことから、本実施形態のジャイロセンサでは、以下の2つの条件を満たすことが重要である。
第1の条件は、「μ=ω」が成立することである。すなわち、可動体111のx方向の振動の角共振周波数μと可動体111のy方向の振動の角共振周波数ωとを一致させること(可動体111のx方向の振動の第1共振周波数と可動体111のy方向の振動の第2共振周波数とを一致させること)である。具体的には、検出部(検出機構116及び振幅検出回路120)で検出された可動体111のy方向の振動の振幅に基づいて、第1の共振周波数と第2の共振周波数とを一致させるように、調整部(調整機構117及び調整信号発生回路130)で調整を行う。また、このような条件を成立させるためには、可動体111のy方向の振動の振幅Am が最大となるようにする。具体的には、可動体111のy方向の振動の振幅Am が最大となるように、調整信号発生回路130によって調整信号(調整電圧V1及びV2)を発生する。
第2の条件は、「κ2 =0」が成立することである。すなわち、バネ機構112による可動体111のx及びy方向の振動を規定するバネ行列において、バネ行列における非対角成分のうち可動体111のy方向の運動を規定する成分κ2 がゼロとなるようにすることである。具体的には、バネ行列における非対角成分κ2 がゼロとなるように、調整信号発生回路130によって調整信号(調整電圧V1及びV2)を発生する。また、このような条件を成立させるためには、可動体111のy方向の振動の振幅Am の時間的変化が最小となるように、調整信号発生回路130によって調整信号(調整電圧V1及びV2)を発生する。すなわち、振幅Am の傾き(dAm(t)/dt)が最小になるように調整信号を発生する。
第1の条件(μ=ω)を満たすV1及びV2を求めることと、第2の条件(κ2 =0)を満たすV1及びV2を求めることとは、同時に行うようにしてもよいし、時間をずらして行うようにしてもよい。時間をずらす場合には、最初に決めた最適値を壊さないようにするために、以下の条件を満たすようにする。
κ2 =0を満たす条件を決めた後に、μ=ωを満たす条件を決める場合には、μ=ωを満たすV1及びV2を探索している最中は、(V1 2−V2 2)の値を一定値(最初に決めた値)に保つ。一方、μ=ωを満たす条件を決めた後に、κ2 =0を満たす条件を決める場合には、κ2 =0を満たすV1及びV2を探索している最中は、(V1 2+V2 2)の値を一定値(最初に決めた値)に保つ。
次に、検出部(検出機構116及び振幅検出回路120)で検出動作を行うタイミングについて説明する。
すでに述べたように、検出部(検出機構116及び振幅検出回路120)では、上述した第1及び第2の条件を満たす調整を行うための振幅検出と、実際の測定を行うため(回転角度を取得するため)の振幅検出とを行う。基本的には、これらの調整用の振幅検出動作及び測定用の振幅検出動作はいずれも、可動体111が捕捉及び解放機構114から解放されて可動体111が自由振動している解放期間の最中に行われる。以下、具体的に説明する。
図5は、調整用の振幅検出動作及び測定用の振幅検出動作の第1の具体例を示した図である。捕捉期間と解放期間とが一定周期で繰り返されており、時刻t0からt2までが解放期間である。図6〜8に示した第2〜第4の具体例についても同様である。
第1の具体例では、解放期間(t0からt2)において、調整期間(t0からt1)と測定期間(t1からt2)とが別々に設けられている。調整期間では、上述した第1の条件(μ=ω)及び第2の条件(κ2 =0)を満たす調整電圧(V1及びV2)を同時に探索する。測定期間では、調整期間中に決定された調整電圧(V1及びV2)を維持した状態で調整動作を行う。なお、点Pは、y方向の振幅Am の傾き(dAm(t)/dt)が最小になる点を示している。
図6は、調整用の振幅検出動作及び測定用の振幅検出動作の第2の具体例を示した図である。
第2の具体例でも、解放期間(t0からt2)において、調整期間(t0からt1)と測定期間(t1からt2)とが別々に設けられている。ただし、本具体例では、調整期間が、第1の調整期間(t0からt0a)と第2の調整期間(t0aからt1)とに分かれている。例えば、第1の調整期間で第1の条件(μ=ω)を満たす調整電圧(V1及びV2)を探索し、第2の調整期間で第2の条件(κ2 =0)を満たす調整電圧(V1及びV2)を探索する。逆に、第1の調整期間で第2の条件(κ2 =0)を満たす調整電圧(V1及びV2)を探索し、第2の調整期間で第1の条件(μ=ω)を満たす調整電圧(V1及びV2)を探索するようにしてもよい。測定期間では、調整期間中に決定された調整電圧(V1及びV2)を維持した状態で調整動作を行う。
図7は、調整用の振幅検出動作及び測定用の振幅検出動作の第3の具体例を示した図である。
第3の具体例では、第1の調整期間(t0からt1)、第2の調整期間(t0からt2)及び測定期間(t1からt2)が設けられている。例えば、第1の調整期間で第1の条件(μ=ω)を満たす調整電圧(V1及びV2)を探索し、第2の調整期間で第2の条件(κ2 =0)を満たす調整電圧(V1及びV2)を探索する。逆に、第1の調整期間で第2の条件(κ2 =0)を満たす調整電圧(V1及びV2)を探索し、第2の調整期間で第1の条件(μ=ω)を満たす調整電圧(V1及びV2)を探索するようにしてもよい。本具体例では、測定期間中にも第2の調整期間が設けられている。そのため、測定期間の最中にも調整動作が行われる。したがって、測定期間中に最適条件が変動するような場合には、本具体例の方法が効果的である。
図8は、調整用の振幅検出動作及び測定用の振幅検出動作の第4の具体例を示した図である。
第4の具体例では、調整期間(t0からt2)及び測定期間(t1からt2)が設けられている。調整期間では、第1の条件(μ=ω)及び第2の条件(κ2 =0)を満たす調整電圧(V1及びV2)を同時に探索する。また、本具体例では、測定期間中にも調整期間が設けられているため、測定期間の最中にも調整動作が行われる。したがって、測定期間中に最適条件が変動するような場合には、本具体例の方法が効果的である。
なお、上述した第1〜第4の具体例において、可動体111が捕捉及び解放機構114に捕捉された後に、可動体111のy方向の振動が強制的に減衰させられるようにしてもよい。図5〜図8に示した例では、時刻t2後の捕捉期間において、y方向の振動の振幅が強制的に減衰している。このような動作は、y方向の振幅Am をゼロにするような電圧V1及びV2をフォースフィードバックによってチューニングすることで実現可能である。このように、y方向の振動を強制的に減衰させることで、次の解放期間が開始するまでy方向のセンス振動が継続することを防止することができる。なお、この強制的な減衰は、後述するダンピング係数調整機構によって実現させてもよい。
次に、本実施形態のジャイロセンサシステムの第1の変更例について説明する。なお、基本的な事項は上述した実施形態と同様であるため、上述した実施形態で説明した事項の説明は省略する。
図9は、本変更例に係るジャイロセンサシステムの基本的な構成(概念)を示した図である。本変更例では、ジャイロセンサシステム200が、図1に示したジャイロセンサユニット100と同様の構成を有する2つのジャイロセンサユニット100a及び100bを含んでいる。
図10は、本変更例に係るジャイロセンサシステムの基本的な動作を示した図である。
図10に示すように、第1のジャイロセンサユニット100a及び第2のジャイロセンサユニット100bそれぞれは、可動体111がx方向に自由振動している振動期間(解放期間)と可動体111の振動が停止している振動停止期間(捕捉期間)とを交互に有している。また、ジャイロセンサユニット100a及び100bの振動期間(解放期間)は順次且つ連続的に生じている。言い換えると、ジャイロセンサユニット100aの振動期間(解放期間)とジャイロセンサユニット100bの振動期間(解放期間)とが互いに補完するように設定されている。
また、本変更例では、第1のジャイロセンサユニット100aの振動期間(解放期間)と第2のジャイロセンサユニット100bの振動期間(解放期間)とは、互いにオーバーラップしている。オーバーラップ期間において、第1のジャイロセンサユニット100aの角度情報と第2のジャイロセンサユニット100bの角度情報をマッチングさせるようにしてもよい。また、オーバーラップ期間中に、すでに述べたような調整期間を設けるようにしてもよい。
なお、図9及び図10に示した例では、ジャイロセンサシステム200が2つのジャイロセンサユニット100a及び100bを含んでいたが、ジャイロセンサシステム200が3つ以上のジャイロセンサユニット100を含んでいてもよい。
また、図1に示した振幅検出回路120、調整信号発生回路130及び回転角度取得回路140を、ジャイロセンサシステム200に含まれる複数のジャイロセンサユニット100で共用するようにしてもよい。
上述したように、本変更例では、複数のジャイロセンサユニット100を設け、複数のジャイロセンサユニット100それぞれは、可動体111がx方向に自由振動している振動期間(解放期間)と可動体111の振動が停止している振動停止期間(捕捉期間)とを交互に有しており、複数のジャイロセンサユニット100の振動期間(解放期間)が順次且つ連続的に生じるようにしている。このように、振動期間(解放期間)が連続的に設定されているため、間断無く連続的な測定を行うことが可能である。これにより、回転角度の検出精度を向上させることができる。
また、本変更例では、複数のジャイロセンサユニット100を設けることで、1つのジャイロセンサユニット100の振動期間を短くすることができる。仮に、ジャイロセンサシステム200を1つのジャイロセンサユニット100で構成したとすると、1つのジャイロセンサユニット100の振動期間を長く設定する必要がある。角速度が一定の場合には、振動の振幅が単調に増加するため、振動期間を長く設定すると、振幅が大きくなり過ぎてしまう。本変更例では、1つのジャイロセンサユニット100の振動期間を短くすることができるため、そのような問題を防止することができる。例えば、角速度が1000deg/secであるとした場合、1msで1deg、10msで10degしか回転しない。したがって、回転範囲を「sinΦ〜Φ」の線形近似が成立し得る範囲内に制限することができる。
なお、本変更例において、複数のジャイロセンサユニット100にそれぞれ含まれる可動体111の向きを互いに揃えることが好ましい。すなわち、複数のジャイロセンサユニット100それぞれにおけるx方向(第1の方向)が互いに同一であり、複数のジャイロセンサユニット100それぞれにおけるy方向(第2の方向)が互いに同一であることが好ましい。このような構成を採用することで、複数のジャイロセンサユニット100でドライブ振動が同一方向になる。そのため、1つのジャイロセンサユニット100に含まれる可動体111のドライブ振動によるノイズが、他のジャイロセンサユニット100のセンス動作に悪影響を与えることを防止することができる。
また、複数のジャイロセンサユニット100は、同一のチップ内に設けてもよいし、別々のチップ内に設けてもよい。
次に、本実施形態に係るジャイロセンサシステム200の種々の動作例について説明する。
図11は、本実施形態に係るジャイロセンサシステム200の第1の動作例を示した図である。なお、本動作例は、主として図9に示したジャイロセンサシステムに適用可能である。
本動作例では、1つのジャイロセンサユニット100の可動体111のy方向の振動の振幅が増加して所定値よりも大きくなったときに、他の1つのジャイロセンサユニット100の可動体111のx方向の振動が開始されるようにしている。図11では、第1のジャイロセンサユニット100aの可動体111のy方向の振動の振幅が所定値(Amax)よりも大きくなったときに、第2のジャイロセンサユニット100bの可動体111のx方向の振動が開始される場合について示している。また、本動作例では、オーバーラップ期間が経過した後に、一方の可動体111を捕捉して振動を停止させている。本動作例のような制御方法を用いることで、可動体111のy方向の振動の振幅が過度に増大することを防止することができる。
また、一方の可動体111のy方向の振動の振幅が所定値(Amax)よりも大きくなる前に、予め決められた最大振動期間(最大解放期間)が経過した場合には、予め決められた最大振動期間(最大解放期間)が経過した後に、他方の可動体111のx方向の振動を開始させる。すなわち、本動作例では、実際に振動する振動期間(解放期間)をTR、予め決められた最大振動期間(最大解放期間)をTRmax、可動体111のy方向の振動の振幅が所定値(Amax)に達するまでの期間をTAmaxとすると、TRは、TRmax及びTAmaxのいずれか小さい方になる。すなわち、
TR=min{TRmax,TAmax}
となる。
図12は、本実施形態に係るジャイロセンサシステム200の第2の動作例を示した図である。なお、本動作例は、主として図1及び図9に示したジャイロセンサシステムに適用可能である。
本動作例では、可動体111のy方向の振動の振幅が増加して所定値よりも大きくなったときに、回転角度を取得するための振幅の検出が行われる。図12では、可動体111のy方向の振動の振幅が増加して所定値(Amin)よりも大きくなったときに、回転角度を取得するための測定期間が開始される。回転角度が非常に小さい場合には、角度Φの値はほぼゼロであり、振幅Amが極めて小さな値となる。振幅Amが測定システムのノイズレベルに近づくと、測定精度が悪化する。本動作例では、可動体111のy方向の振動の振幅が所定値(Amin)よりも大きくなったときに測定期間が開始されるので、測定精度の悪化を防止することができる。
なお、本動作例では、以下に述べるように、可動体111の振動の振幅を強制的に増加させるようにしてもよい。
第1の方法では、調整期間において、κ2 の値を調整し、可動体111のy方向の振動の振幅が所定値(Amin)よりも大きくなるようにする。κ2 >0の場合には、
Figure 0006759255
が成立する。したがって、本方法が可能であることは明らかである。なお、κ2 =0となる電圧V1及びV2の条件は予め見つけておき、レジスタに記憶させておく。
第2の方法では、図13に示すように、回転機構150を設け、ジャイロ素子110を強制的に回転させる。このように、回転機構150によってジャイロ素子110を強制的に回転させることで、可動体111のy方向の振動の振幅が所定値(Amin)よりも大きくなるようにする。
図14は、本実施形態に係るジャイロセンサシステム200の第3の動作例を示した図である。なお、本動作例は、主として図9に示したジャイロセンサシステムに適用可能である。
本動作例では、1つのジャイロセンサユニット100の可動体111のy方向の振動の振幅が減少して所定値よりも小さくなったときに、他の1つのジャイロセンサユニット100の可動体111のx方向の振動が開始される。図14では、第1のジャイロセンサユニット100aの可動体111のy方向の振動の振幅が所定値(Amin)よりも小さくなったときに、第2のジャイロセンサユニット100bの可動体111のx方向の振動が開始される場合を示している。また、本動作例では、オーバーラップ期間が経過した後に、一方の可動体111を捕捉して振動を停止させている。本動作例のような制御方法を用いることで、可動体111のy方向の振動の振幅が極めて小さい状態で測定が行われることを防止することができ、測定精度の悪化を防止することができる。
また、一方の可動体111のy方向の振動の振幅が所定値(Amin)よりも小さくなる前に、予め決められた最大振動期間(最大解放期間)が経過した場合には、予め決められた最大振動期間(最大解放期間)が経過した後に、他方の可動体111のx方向の振動を開始させる。すなわち、本動作例では、実際に振動する振動期間(解放期間)をTR、予め決められた最大振動期間(最大解放期間)をTRmax 、可動体111のy方向の振動の振幅が所定値(Amin)よりも小さくなるまでの期間をTAminとすると、TRは、TRmax及びTAminのいずれか小さい方になる。すなわち、
TR=min{TRmax,TAmin}
となる。
図15は、本実施形態の係るジャイロセンサシステム200の第4の動作例を示した図である。なお、本動作例は、主として図1及び図9に示したジャイロセンサシステムに適用可能である。
本動作例では、ジャイロセンサユニット100の可動体111に対して、y方向の振動の振幅Amが一定となるように制御される。具体的には、y方向の振動の振幅が一定となるようにフィードバック制御される。このような制御方法を用いることにより、最適な振幅レベルでセンス動作を行うことができるため、高精度の測定を行うことが可能となる。なお、振幅Amを一定値に保つ方法としては、κ2 の値を調整する方法、図13に示したような回転機構150を用いる方法、等がある。前者の方法では、振幅Amを一定値に保つためのκ2 の値から、角度Φの情報を逆算することが可能である。
次に、本実施形態のジャイロセンサシステムの第2の変更例について説明する。なお、基本的な事項は上述した実施形態と同様であるため、上述した実施形態で説明した事項の説明は省略する。
図16は、本変更例に係るジャイロセンサシステムの基本的な構成(概念)を示した図である。本変更例では、ジャイロセンサシステム200が、ジャイロセンサユニット100a、100b及び100cを備えている。ジャイロセンサユニット100a及び100bはいずれも、図1に示したジャイロセンサユニット100と同様の構成を有している。すなわち、ジャイロセンサユニット100a及び100bでは、可動体の回転角度が直接的に取得される。ジャイロセンサユニット100a及び100bの基本的な動作は、図9及び図10に示した第1の変更例の動作と同様である。第2のジャイロセンサユニット100cは、第2のジャイロセンサユニットに含まれる可動体の角速度を取得するものである。
ジャイロセンサユニット100a及び100bで取得された角度Φを微分することで角速度Ωを算出することが可能であるが、第2のジャイロセンサユニット100cによって角速度Ωを直接的に検出することで、演算量を低減することができる。また、角度Φ及び角速度Ωの両者を取得し、両者の整合をとることで、角度Φ及び角速度Ωの精度を向上させることも可能である。
なお、複数の第2のジャイロセンサユニットを設けてもよいし、第2のジャイロセンサユニットとして3軸ジャイロセンサを用いてもよい。
次に、本実施形態のジャイロセンサシステムの第3の変更例について説明する。なお、基本的な事項は上述した実施形態と同様であるため、上述した実施形態で説明した事項の説明は省略する。
図17は、本変更例に係るジャイロセンサシステムの基本的な構成(概念)を示した図である。本変更例では、ジャイロセンサシステム200が、3つのジャイロセンサユニット100x、100y及び100zを備えている。ジャイロセンサユニット100xはジャイロセンサユニット100ax及び100bxを含んでおり、ジャイロセンサユニット100yはジャイロセンサユニット100ay及び100byを含んでおり、ジャイロセンサユニット100zはジャイロセンサユニット100az及び100bzを含んでいる。ジャイロセンサユニット100ax、100bx、100ay、100by、100az及び100bzはいずれも、図1に示したジャイロセンサユニット100と同様の構成を有しており、可動体の回転角度が直接的に取得される。ジャイロセンサユニット100x、100y及び100zそれぞれの基本的な動作は、図9及び図10に示した第1の変更例と同様である。
本変更例に係るジャイロセンサシステムは、3軸ジャイロセンサとして用いられる。すなわち、ジャイロセンサユニット100xはx軸を回転中心とする回転角度の検出を行い、ジャイロセンサユニット100yはy軸を回転中心とする回転角度の検出を行い、ジャイロセンサユニット100zはz軸を回転中心とする回転角度の検出を行う。言い換えると、3つのジャイロセンサユニット100x、100y及び100zにおいて、上述した実施形態で規定した第1の方向は互いに垂直であり、上述した実施形態で規定した第2の方向は互いに垂直である。
本変更例において、互いに連結された3軸ジャイロ構造(例えば、パンタグラフ型の3軸ジャイロ構造)を採用してもよい。この場合、ドライブ振動の周波数fdと、3つのセンス振動の周波数fsx、fsy及びfszとが等しくなるようにしてもよい。すなわち、fd=fsx=fsy=fsz、となるように設定してもよい。
なお、上述した実施形態において、ダンピング係数(減衰係数)bx 及びby がゼロでない場合には、x方向及びy方向の振幅はそれぞれ、exp(−bxt/2)及びexp(−byt/2)に基づいて減衰する。角度情報及び角速度情報を取得する際に、このような減衰効果を補正してもよい。例えば、y方向の振幅の測定値yobs に対して、
Figure 0006759255
という補正を行えば、減衰の影響が除去された値yc(t)が得られる。
また、上述した実施形態において、ダンピング係数(減衰係数)bx 及びby の非対称性が存在すると、角度ドリフトが発生することが知られている[Igor P. Prikhodko, et.al., “Foucault pendulum on a chip: Rate integrating silicon MEMS gyroscope”, Sensors and Actuators A 177 (2012) 67-78]。そこで、角度ドリフトを抑制するために、以下に示すように、ダンピング係数調整機構を設けるようにしてもよい。
図18は、ダンピング係数調整機構を有するジャイロセンサシステムの第1の構成例を模式的に示した図である。
第1の構成例では、キャパシタンスC1を有する一方の可変キャパシタ118(電極対118a及び118b)とキャパシタンスC2を有する他方の可変キャパシタ118(電極対118a及び118b)とが、可変抵抗Rを介して接続できるようになっている。これらの2つの可変キャパシタ118には、スイッチSW1を介して可変電圧Vを供給できるようになっている。スイッチSW1及びSW2をともにオンにして、2つの可変キャパシタ118に可変電圧Vを充電した後、スイッチSW1のみをオフにすると、2つの可変キャパシタ118が可変抵抗Rを介して接続された状態になる。可動部(マス)111が変位すると、キャパシタンスC1及びC2が変化し、可変キャパシタ118に蓄積されている電荷が可変抵抗Rを通って移動する。その結果、可変抵抗Rで熱エネルギーが発生し、これがダンピングの役割を果たす。
キャパシタンスC1及びC2は、可動部111の位置xを用いて、
Figure 0006759255
と表すことができる。
スイッチSW1をオフした後、Δtの期間中に可動部111がΔx変位したとすると、移動した電荷量は
Figure 0006759255
となる。このとき、可変抵抗Rで消費されるエネルギーは、
Figure 0006759255
となる。したがって、可変抵抗Rによるダンピング力は、
Figure 0006759255
となる。これは、以下のダンピング係数
Figure 0006759255
を有するダンピング力が働いていることを意味する。このダンピング係数は、可変電圧V及び可変抵抗Rによって変更可能である。したがって、可変電圧V及び可変抵抗Rの値を調整することで、ダンピング係数の非対称性をなくすことが可能である。
なお、ダンピング係数bとダンピングの時定数τとの間には、τ=2m/bの関係がある。mは可動部の質量である。したがって、ダンピング係数bを調整することは、ダンピングの時定数τを調整することと同じことである。
図19は、ダンピング係数調整機構を有するジャイロセンサシステムの第2の構成例を模式的に示した図である。
第2の構成例では、x方向及びy方向のいずれに対してもダンピング係数調整機構が採用されている。スイッチSWx2或いはSWy2の一方をオフにすると、可変抵抗によるダンピングの影響をなくすことができる。これにより、例えば、捕捉期間中にのみダンピング機構を機能させることで、不要振動の発生を抑制することができる。具体的には、測定が行われる解放期間中では、スイッチSWx1a、SWx1b、SWy1a及びSWy1bをオン状態にし、スイッチSWx2及びSWy2はオフ状態にする。捕捉期間中では、スイッチSWx1a、SWx1b、SWy1a及びSWy1bをオフ状態にし、スイッチSWx2及びSWy2はオン状態にする。解放期間直後の不要振動を抑制するために、解放期間後の一定期間では、捕捉期間中のスイッチ状態と同じスイッチ状態を継続させるようにしてもよい。
図20は、ダンピング係数調整機構を有するジャイロセンサシステムの第3の構成例を模式的に示した図である。
第3の構成例では、可変抵抗Rが固定キャパシタンスを有するキャパシタCに接続されている。すなわち、可変抵抗Rが、可動体111の変位に応じてキャパシタンスが変化する可変キャパシタ118と、固定キャパシタンスを有するキャパシタCとの間に接続されている。可動体111が変位したときに、可変キャパシタ118に蓄積された電荷の一部が可変抵抗Rを通過する。このときのエネルギー損失により、可動体111のダンピング係数が調整される。
なお、可変抵抗の代わりに固定抵抗を採用し、可変電圧Vのみによってダンピング係数を調整するようにしてもよい。この場合、可変キャパシタはスイッチを介して可変電圧源に接続されており、可変電圧源の電圧値を調整することによって可変キャパシタの蓄積電荷量を制御する。これによって、ダンピング係数を調整することが可能である。
図21は、ダンピング係数調整機構を有するジャイロセンサシステムの第4の構成例を模式的に示した図である。
第4の構成例では、可動体111に付随して設けられた第1のキャパシタ119と、電圧源(可変電圧源)Vcと、第1のキャパシタ119と電圧源Vcとの間に接続された抵抗(可変抵抗)Rとを含むダンピング係数調整機構が設けられている。ダンピング係数調整機構により、抵抗Rの抵抗値及び電圧源Vcの電圧値の少なくとも一方に基づいて可動体111のダンピング係数を調整することが可能である。第1のキャパシタ119は、互いに対向する一対の櫛歯電極119a及び119bによって構成されている。本構成例では、抵抗Rを含むノードに電圧源Vcが接続されているため、リークの影響を受け難いという利点がある。また、スイッチSWを設けなくてもよい。以下、本構成例について説明を加える。
可動体111の質量をm、バネ定数をk、第1のキャパシタ119のキャパシタンスをC1 、電圧源Vcの電圧をV1 とすると、運動方程式は、
Figure 0006759255
となる。
また、抵抗Rを含むノードでのオームの法則は、
Figure 0006759255
となる。
上記の連立方程式は、抵抗Rに関する摂動の1次までで表すと、
Figure 0006759255
と等価になる。ただし、
Figure 0006759255
はダンピング係数である。
以上のことから明らかなように、本構成例も、ダンピング係数の調整が可能である。x方向及びy方向のダンピング時定数の逆数のミスマッチ量をΔ(1/τ)とすると、
Figure 0006759255
が成り立つように抵抗Rの値及び電圧V2 の値を調整すればよい。
なお、第1のキャパシタ119として、櫛歯電極の代わりに平行平板電極を用いると、式A1の右辺がx依存性を持つ。そのため、ダンピング係数に加えて、共振周波数も変化してしまう。したがって、共振周波数の変化を抑制したい場合には、櫛歯電極を採用することが好ましい。
図22は、ダンピング係数調整機構を有するジャイロセンサシステムの第5の構成例を模式的に示した図である。なお、基本的な事項は上述した第4の構成例と類似しているため、第4の構成例で述べた事項の説明は省略する。
本構成例では、第1のキャパシタ119の一方と電圧源Vcとの間に抵抗R1が接続され、第1のキャパシタ119の他方と電圧源Vcとの間に抵抗R2が接続されている。本構成例では、式A3に対応する式の右辺をゼロにすることができる。このことは、可動体111の釣り合い位置が電圧印加によってずれないことを意味する。
図23は、ダンピング係数調整機構を有するジャイロセンサシステムの第6の構成例を模式的に示した図である。なお、基本的な事項は上述した第4の構成例と類似しているため、第4の構成例で述べた事項の説明は省略する。
本構成例では、リング状の可動体211が用いられており、リングの中心にアンカー213が設けられている。可動体211とアンカー213とは、バネ機構212によって接続されている。可動体211は、x方向及びy方向に可動である。
可動体211の周囲には、ホールド電極214、第1のキャパシタ215及び第2のキャパシタ216が設けられている。ホールド電極214は、可動体211を捕捉するための電極であり、捕捉及び解放機構を構成する。第1のキャパシタ215は、すでに説明した第1のキャパシタ119と同様の機能を有しており、ダンピング係数を調整するために用いられる。第1のキャパシタ215は、第1のキャパシタ119と同様に、櫛歯電極によって形成されている。第2のキャパシタ216は、第1の共振周波数と第2の共振周波数とを一致させるために用いられ、平行平板電極によって形成されている。
ダンピング係数は、第1のキャパシタ(櫛歯型キャパシタ)215に接続された抵抗R(R1〜R8)及び電圧Vc(Vc1〜Vc8)によって調整することができる。共振周波数は、第2のキャパシタ(平行平板型キャパシタ)216に供給される電圧Vp(Vp1〜Vp8)によって調整することができる。
このように、本構成例によれば、第1のキャパシタ(櫛歯型キャパシタ)215及び第2のキャパシタ(平行平板型キャパシタ)216を用いることにより、ダンピング係数の調整及び共振周波数の調整を共に実行することができる。
図24は、ダンピング係数調整機構を有するジャイロセンサシステムの第7の構成例を模式的に示した図である。なお、基本的な事項は上述した第4及び第6の構成例と類似しているため、第4及び第6の構成例で述べた事項の説明は省略する。
本構成例では、第1のキャパシタ(櫛歯型キャパシタ)215及び第2のキャパシタ(平行平板型キャパシタ)216の少なくとも一方が可動体211の変位量を検出する変位量検出回路220に接続されている。変位量検出回路220は、CV変換回路及びAD変換回路等によって構成されている。図24に示した例では、第1のキャパシタ(櫛歯型キャパシタ)215の一部が変位量検出回路220に接続されている。
以下、上述した実施形態の内容を付記する。
[付記1]
第1の方向及び第1の方向に対して垂直な第2の方向に振動可能な可動体と、
前記可動体を前記第1及び第2の方向に振動させるバネ機構と、
前記バネ機構によって前記第1の方向に自由振動している前記可動体に働くコリオリ力に基づく前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅を検出することができる検出部と、
前記検出部で検出された前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅に基づいて、前記可動体の前記第1の方向の振動の第1の共振周波数と前記可動体の前記第2の方向の振動の第2の共振周波数とを一致させるように調整を行う調整部と、
前記調整部によって前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数とが一致するように調整された状態で検出された前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅に基づいて、前記可動体の回転角度を取得する回転角度取得部と、
を備えるジャイロセンサユニットを少なくとも1つ備える
ことを特徴とするジャイロセンサシステム。
[付記2]
前記調整部は、
前記検出部で検出された前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅に基づいて、前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数とを一致させるための調整信号を発生する調整信号発生回路と、
前記調整信号発生回路で発生した調整信号を受けて前記可動体の調整を行う調整機構と、
を備える
ことを特徴とする付記1に記載のジャイロセンサシステム。
[付記3]
前記調整信号発生回路は、前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅が最大となるように前記調整信号を発生する
ことを特徴とする付記2に記載のジャイロセンサシステム。
[付記4]
前記バネ機構による前記可動体の前記第1及び第2の方向の振動はバネ行列によって規定され、
前記調整信号発生回路は、前記バネ行列における非対角成分のうち前記可動体の前記第2の方向の運動を規定する成分がゼロとなるように前記調整信号を発生する
ことを特徴とする付記2に記載のジャイロセンサシステム。
[付記5]
前記調整信号発生回路は、前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅の時間的変化が最小となるように前記調整信号を発生する
ことを特徴とする付記2に記載のジャイロセンサシステム。
[付記6]
前記第1及び第2の方向に対して垂直で且つ前記可動体のパターンの中心を通る軸を中心として前記可動体を90度回転させたときに、回転前の前記可動体のパターンと回転後の前記可動体のパターンとは一致しない
ことを特徴とする付記1に記載のジャイロセンサシステム。
[付記7]
前記ジャイロセンサユニットは、前記可動体を捕捉し且つ捕捉された前記可動体を解放して前記可動体を前記第1の方向に自由振動させる捕捉及び解放機構をさらに備える
ことを特徴とする付記1に記載のジャイロセンサシステム。
[付記8]
前記検出部は、前記調整を行うための前記振幅の検出及び前記回転角度を取得するための前記振幅の検出を、前記可動体が前記捕捉及び解放機構から解放されて前記可動体が自由振動している期間の最中に行う
ことを特徴とする付記7に記載のジャイロセンサシステム。
[付記9]
前記可動体が前記捕捉及び解放機構に捕捉された後に前記可動体の前記第2の方向の振動が強制的に減衰させられる
ことを特徴とする付記7に記載のジャイロセンサシステム。
[付記10]
複数の前記ジャイロセンサユニットを備え、
前記複数のジャイロセンサユニットのそれぞれは、前記可動体が前記第1の方向に自由振動している振動期間と前記可動体の振動が停止している振動停止期間とを交互に有し、
前記複数のジャイロセンサユニットの1つが前記振動停止期間にあるときに、前記複数のジャイロセンサユニットの他の1つが前記振動期間にある
ことを特徴とする付記1に記載のジャイロセンサシステム。
[付記11]
前記複数のジャイロセンサユニットそれぞれの前記第1の方向は互いに同一であり、前記複数のジャイロセンサユニットそれぞれの前記第2の方向は互いに同一である
ことを特徴とする付記10に記載のジャイロセンサシステム。
[付記12]
1つの前記ジャイロセンサユニットの前記振動期間と他の1つの前記ジャイロセンサユニットの前記振動期間とは互いにオーバーラップしている
ことを特徴とする付記10に記載のジャイロセンサシステム。
[付記13]
1つの前記ジャイロセンサユニットの可動体の前記第2の方向の振動の振幅が増加して所定値よりも大きくなったときに、他の1つの前記ジャイロセンサユニットの可動体の前記第1の方向の振動が開始される
ことを特徴とする付記10に記載のジャイロセンサシステム。
[付記14]
1つの前記ジャイロセンサユニットの可動体の前記第2の方向の振動の振幅が減少して所定値よりも小さくなったときに、他の1つの前記ジャイロセンサユニットの可動体の前記第1の方向の振動が開始される
ことを特徴とする付記10に記載のジャイロセンサシステム。
[付記15]
前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅が増加して所定値よりも大きくなったときに、前記回転角度を取得するための前記振幅の検出が行われる
ことを特徴とする付記1に記載のジャイロセンサシステム。
[付記16]
前記可動体は、前記第2の方向の振動の振幅が一定となるように制御される
ことを特徴とする付記1に記載のジャイロセンサシステム。
[付記17]
第2のジャイロセンサユニットに含まれる可動体の角速度を取得する第2のジャイロセンサユニットをさらに備える
ことを特徴とする付記1に記載のジャイロセンサシステム。
[付記18]
3つの前記ジャイロセンサユニットを備え、
前記3つのジャイロセンサユニットの第1の方向は互いに垂直であり、前記3つのジャイロセンサユニットの第2の方向は互いに垂直である
ことを特徴とする付記1に記載のジャイロセンサシステム。
[付記19]
前記可動体の変位に応じてキャパシタンスが変化する可変キャパシタと、前記可変キャパシタに接続された抵抗と、を含むダンピング係数調整機構をさらに備え、
前記ダンピング係数調整機構は、前記可動体の変位によって前記可変キャパシタに蓄積された電荷の一部が前記抵抗を通過する際に生じるエネルギー損失に基づいて前記可動体のダンピング係数を調整する
ことを特徴とする付記1に記載のジャイロセンサシステム。
[付記20]
前記ダンピング係数調整機構は、可変電圧源と、前記可変キャパシタと前記可変電圧源との間に接続されたスイッチと、をさらに含み、
前記可変キャパシタの蓄積電荷量は、前記可変電圧源の電圧を調整することによって制御される
ことを特徴とする付記19に記載のジャイロセンサシステム。
[付記21]
前記可動体に付随して設けられた第1のキャパシタと、電圧源と、前記第1のキャパシタと前記電圧源との間に接続された抵抗と、を含むダンピング係数調整機構をさらに備え、
前記ダンピング係数調整機構は、前記抵抗の抵抗値及び前記電圧源の電圧値の少なくとも一方に基づいて前記可動体のダンピング係数を調整する
ことを特徴とする付記1に記載のジャイロセンサシステム。
[付記22]
前記第1のキャパシタは、互いに対向する一対の櫛歯電極によって形成されている
ことを特徴とする付記21に記載のジャイロセンサシステム。
[付記23]
前記調整部は、前記可動体に付随して設けられ且つ前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数とを一致させるために用いられる平行平板型の第2のキャパシタをさらに備える
ことを特徴とする付記22に記載のジャイロセンサシステム。
[付記24]
前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタの少なくとも一方に接続され、前記可動体の変位量を検出する変位量検出部をさらに備える
ことを特徴とする付記23に記載のジャイロセンサシステム。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…ジャイロセンサユニット 110…ジャイロ素子
111…可動体 112…バネ機構 113…アンカー
114…捕捉及び解放機構 115…ドライブ及びモニタ機構
116…検出機構 117…調整機構 118…可変キャパシタ
119…第1のキャパシタ119
120…振幅検出回路 130…調整信号発生回路
131…調整値取得回路 132…電圧発生回路
140…回転速度取得回路 150…回転機構
200…ジャイロセンサシステム
211…可動体 212…バネ機構
213…アンカー 214…ホールド電極
215…第1のキャパシタ 216…第2のキャパシタ
220…変位量検出回路

Claims (13)

  1. 第1の方向及び第1の方向に対して垂直な第2の方向に振動可能な可動体と、
    前記可動体を前記第1及び第2の方向に振動させるバネ機構と、
    前記バネ機構によって前記第1の方向に自由振動している前記可動体に働くコリオリ力に基づく前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅を検出することができる検出部と、
    前記検出部で検出された前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅に基づいて、前記可動体の前記第1の方向の振動の第1の共振周波数と前記可動体の前記第2の方向の振動の第2の共振周波数とを一致させるように調整を行う調整部と、
    前記調整部によって前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数とが一致するように調整された状態で検出された前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅に基づいて、前記可動体の回転角度を取得する回転角度取得部と、
    を備えるジャイロセンサユニットを少なくとも1つ備える
    ことを特徴とするジャイロセンサシステム。
  2. 前記調整部は、
    前記検出部で検出された前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅に基づいて、前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数とを一致させるための調整信号を発生する調整信号発生回路と、
    前記調整信号発生回路で発生した調整信号を受けて前記可動体の調整を行う調整機構と、
    を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のジャイロセンサシステム。
  3. 前記調整信号発生回路は、前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅が最大となるように前記調整信号を発生する
    ことを特徴とする請求項2に記載のジャイロセンサシステム。
  4. 前記バネ機構による前記可動体の前記第1及び第2の方向の振動はバネ行列によって規定され、
    前記調整信号発生回路は、前記バネ行列における非対角成分のうち前記可動体の前記第2の方向の運動を規定する成分がゼロとなるように前記調整信号を発生する
    ことを特徴とする請求項2に記載のジャイロセンサシステム。
  5. 前記調整信号発生回路は、前記可動体の前記第2の方向の振動の振幅の時間的変化が最小となるように前記調整信号を発生する
    ことを特徴とする請求項2に記載のジャイロセンサシステム。
  6. 前記第1及び第2の方向に対して垂直で且つ前記可動体のパターンの中心を通る軸を中心として前記可動体を90度回転させたときに、回転前の前記可動体のパターンと回転後の前記可動体のパターンとは一致しない
    ことを特徴とする請求項1に記載のジャイロセンサシステム。
  7. 前記ジャイロセンサユニットは、前記可動体を捕捉し且つ捕捉された前記可動体を解放して前記可動体を前記第1の方向に自由振動させる捕捉及び解放機構をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のジャイロセンサシステム。
  8. 複数の前記ジャイロセンサユニットを備え、
    前記複数のジャイロセンサユニットのそれぞれは、前記可動体が前記第1の方向に自由振動している振動期間と前記可動体の振動が停止している振動停止期間とを交互に有し、
    前記複数のジャイロセンサユニットの1つが前記振動停止期間にあるときに、前記複数のジャイロセンサユニットの他の1つが前記振動期間にある
    ことを特徴とする請求項1に記載のジャイロセンサシステム。
  9. 前記可動体の変位に応じてキャパシタンスが変化する可変キャパシタと、前記可変キャパシタに接続された抵抗と、を含むダンピング係数調整機構をさらに備え、
    前記ダンピング係数調整機構は、前記可動体の変位によって前記可変キャパシタに蓄積された電荷の一部が前記抵抗を通過する際に生じるエネルギー損失に基づいて前記可動体のダンピング係数を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載のジャイロセンサシステム。
  10. 前記可動体に付随して設けられた第1のキャパシタと、電圧源と、前記第1のキャパシタと前記電圧源との間に接続された抵抗と、を含むダンピング係数調整機構をさらに備え、
    前記ダンピング係数調整機構は、前記抵抗の抵抗値及び前記電圧源の電圧値の少なくとも一方に基づいて前記可動体のダンピング係数を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載のジャイロセンサシステム。
  11. 前記第1のキャパシタは、互いに対向する一対の櫛歯電極によって形成されている
    ことを特徴とする請求項10に記載のジャイロセンサシステム。
  12. 前記調整部は、前記可動体に付随して設けられ且つ前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数とを一致させるために用いられる平行平板型の第2のキャパシタをさらに備える
    ことを特徴とする請求項11に記載のジャイロセンサシステム。
  13. 前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタの少なくとも一方に接続され、前記可動体の変位量を検出する変位量検出部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項12に記載のジャイロセンサシステム。
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