JP6759064B2 - レンズ駆動装置 - Google Patents
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Description
このようなレンズ駆動装置は、撮影ユニット(可動モジュール)と呼ばれる従来のAFカメラモジュールを4本のサスペンションワイヤで支持し、光軸に直交する2軸方向に駆動することで手振れを補正する構造となっている。
具体的には、4本の直線状のサスペンションワイヤの一端がベースの四隅に固定され、他端が上側板バネの貫通孔に挿入され、はんだ等で固定されている。
ところで、このようなレンズ駆動装置では、撮影ユニットに光軸と交差する方向で不要な共振が生じると、手振れ補正の動作に支障が生じる。
特許文献1では、マグネットホルダとコイル基板との間に、不要共振を抑えるダンパ材を配置している。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、可動ユニット(レンズ保持部材)の不要な振動や共振を簡単かつ製造容易な構成で抑制できるレンズ駆動装置を提供することにある。
好適には、前記ダンパ材が少なくとも前記対向面から前記環状保持部に渡って設けられている。この構成によれば、前記ダンパ材の塗布量を多くできるので、長期に渡ってダンパ機能を確保することができる。
図1は、本発明の実施形態に係わるレンズ駆動装置1の外観斜視図である。図2は、図1に示すレンズ駆動装置1の上方側から見た分解斜視図である。図3は、図1に示すレンズ駆動装置1の下方側から見た分解斜視図である。図4は、図2に示すサスペンションワイヤ411,412,413,414の拡大側面図である。図5は、図1に示すレンズ駆動装置1のケース39を省略した状態の斜視図である。図6は、図5に示すレンズ駆動装置1のダンパ材9付近の拡大斜視図である。図7は、図5に示すレンズ駆動装置1のダンパ材9を省略した状態の拡大斜視図である。図8は、図5に示すレンズ駆動装置1のダンパ材9及び固定部材33を省略した状態の拡大斜視図である。
なお、理解を容易にするために、図1においては、レンズ体3がレンズ保持部材23に取り付けられた状態を示している。また、図2及び図3においては、各部材の配置関係を示す図であるので、一部の部材(下側板バネ17、上側板バネ35等)の形状を簡略化して図示している。
また、導電パターン15が形成されたベース部材11及び第2のコイル13が固定ユニット7を構成している。
また、第2のコイル13及び磁石25が可動ユニット5を光軸方向と交差(直交)する方向(X1−X2,Y1−Y2方向)へ移動させる第2の駆動機構57を構成する。
オートフォーカス機能は、撮像画像を基に、レンズ体3が保持されるレンズ保持部材23を光軸方向(Z1−Z2方向)に移動してピント調整を行う機能である。オートフォーカス機能は、主に、第1のコイル21、磁石25、固定部材33、下側板バネ17及び上側板バネ35等によって実現される。
手振れ補正機能は、主に、第2のコイル13、磁石25及びサスペンションワイヤ411,412,413,414等で構成される。
図4に示すように、サスペンションワイヤ411,412,413,414の両端の中間付近に位置する中間部85は、ダンパ材9と接触している。ダンパ材9は、固定部材33の対向部33aに設けられた保持部33b及び下側板バネ17の環状保持部17aに保持されている(図5〜図7参照)。
レンズ体3を保持可能なレンズ保持部材23は、下側板バネ17及び上側板バネ35にZ1−Z2方向両側から挟まれて弾性的に支持される。レンズ体3は、接着剤やねじ止め等の手段によって、筒状をなしたレンズ保持部材23の内周に保持(固定)される。
また、図8に示すように、レンズ保持部材23の外周には第1のコイル21が固定(保持)されている。第1のコイル21は、レンズ保持部材23の外周に導線を巻回して形成されている。第1のコイル21が通電されると、第1のコイル21を流れる電流と磁石25からの磁界との電磁相互作用により第1のコイル21及びレンズ保持部材23を一体としてZ1−Z2方向(光軸方向)に沿って移動させる電磁気力が生じる。これにより、オートフォーカス機能が実現される。
ベース部材11の中央近傍には、図示しないイメージセンサに対応する位置に円形状の開口部11kが形成されている。
ベース部材11の4辺の各辺の所定箇所には、第2のコイル13(多層基板14)の位置決め用に用いられる位置決め部が設けられている。ベース部材11の上面には、図10に示すように、第2のコイル13を構成する多層基板14を接着剤で固定する固定部11aが4つ形成されている。各固定部11aを囲むように環状に形成された凹部には、余分な接着剤が収められている。
第2のコイル13を構成する多層基板14の下面には、図2及び図3に示すGMR素子462,463が実装されている。ベース部材11には、GMR素子462,463を収容する収容凹部11bが設けられている。
なお、導電パターン15は、電気的に複数に分離されており、そのうちのいくつか(本実施形態では12個)が半田付けによって第2のコイル13を構成する多層基板14に形成された配線パターン(図示せず)に電気的に接続されている。これによって、導電パターン15を介して、第2のコイル13に電流を流したり、多層基板14に実装されたGMR素子462、463の出力を得ることができる。また、複数の導電パターン15は、ベース部材11の下面に導出されて、端子部15aとなっている。このうち2つの端子部15aから第1のコイル21に電流を流すことができる。
サスペンションワイヤ411,412,413,414は、前述したように下端部がベース部材11に形成された導電パターン15の接続部151に固定され、上端部が上側板バネ35に固定されており、可動ユニット5をX,Y方向に移動可能に支持している。
図5に示すように、環状保持部17aとサスペンションワイヤ411,412,413,414の中間部85との双方に接触するダンパ材9が設けられている。
図7に示すように、対向部33aは、サスペンションワイヤ411,412,413,414と対向する対向面33a1(側面)と、対向部33aの下端部に設けられ下側板バネ17(外側固定部17f)が固定される取付面33a2とを有する(図3参照)。取付面33a2には、下方に突出するボスが設けられている。
ダンパ材9は、少なくとも対向面33a1から環状保持部17aに渡って設けられている。図3に示す取付面33a2に固定される下側板バネ17の固定部(外側固定部17f)と環状保持部17aとが隣り合っている。
一対の側部対向面33a12同士が互いに対向する(向き合う)ように形成されている。すなわち、一対の側部対向面33a12同士が互いに対向するように、側部対向面33a12が中央対向面33a11と角度を有している。
上側板バネ35の外側固定部を構成する外側部分35cは、枠状をした2つの部材である固定部材33(枠状部33d)とスペーサ37とで挟持され、接着剤で固定されている。また、内側固定部である内側部分35dは、内側部分35dに形成された複数の取付孔35hにレンズ保持部材23の上部に設けられたボスが挿入され、ボスの先端を潰すこと(かしめ)によって、レンズ保持部材23に固定される。
この構成により、サスペンションワイヤ411と第1のコイル21の一端とが導通接続されると共に、サスペンションワイヤ412と第1のコイル21の他端とが導通接続され、第1のコイル21への給電が可能となる。
第2のコイル13には、磁石25からの磁界が横断する。そのため、第2のコイル13を流れる電流と磁石25からの磁界との電磁相互作用により、可動ユニット5を全体的にX方向や,Y方向あるいはX方向とY方向との間の方向に沿って移動させる電磁気力が生じる。
また、下側板バネ17は、内側部分17bに設けられた4つの内側固定部17eがレンズ保持部材23の下部に接着剤で固定されている。
本実施形態では、下側板バネ17及び上側板バネ35が同じ部材である固定部材33に固定されているので、レンズ保持部材23が光軸(Z1−Z2方向)に対して傾きにくいものにすることができる。
また、レンズ保持部材23の外側には、第1のコイル21の4辺部のそれぞれに隙間を有して対向する4個の磁石25が位置している。
固定部材33は、多角形状(略矩形体)に形成された枠状部33dと、4隅に位置する対向部33aを有する。なお、対向部33aは、略矩形状の枠状部33dの角部において、枠状部33dから下方に突出した脚部によって構成されている。
磁石25は、隣り合う対向部33a(脚部)の間に位置決めされた状態で配置され、接着剤によって対向部33aの側面に固定されている。これにより、磁石25と固定部材33とは一体化されたものとなる。
[オートフォーカス]
オートフォーカス動作において、レンズ体3を介してイメージセンサに入射した光の結像結果に応じた撮像画像を基に、ピントが調整されるように第1のコイル21に電流が供給される。
そして、第1のコイル21を流れる電流と磁石25からの磁界との電磁相互作用により第1のコイル21及びレンズ保持部材23を一体として光軸方向(Z1−Z2方向)に沿って移動させる電磁気力が生じる。
手振れ補正動作において、GMR素子462,463等で検出した位置情報を基に、第2のコイル13に通電される。なお、第2のコイル13は、X1−X2方向に延在する一対のコイルとY方向に延在する一対のコイルとに独立して電流を供給できるように構成されている。
第2のコイル13が通電されると、第2のコイル13を流れる電流と磁石25からの磁界との電磁相互作用により、レンズ保持部材23及び可動ユニット5を全体的にX1−X2,Y1−Y2方向に沿って移動させる電磁気力が生じる。そして、サスペンションワイヤ411,412,413,414で支持された可動ユニット5が、光軸方向(Z方向)と直交する手振れ補正方向(X1−X2,Y1−Y2方向)に移動する。
このとき、サスペンションワイヤ411,412,413,414の中間部85が環状保持部17aに保持されたダンパ材9に接触しているので、レンズ保持部材23及び可動ユニット5が振動して共振することを回避できる。これにより、手振れ補正を適切に行うことができる。
ダンパ材9は、サスペンションワイヤ411,412,413,414が挿通される貫通孔17a1が形成された環状保持部17aに保持されたものであり、サスペンションワイヤ411、412,413、414は、可動ユニット5から露出しているので、ダンパ材9を塗布しやすい。また、ダンパ材9は環状保持部17aに保持されるので、その保持が確実なものとなる。
この構成によれば、固定部材33の対向面33a1は、中央対向面33a11とその両側に位置する一対の側部対向面33a12とを有し、一対の側部対向面33a12同士が対向するように設けられているので、ダンパ材9の一部が互いに対向する一対の側部対向面33a12と接するものとなり、対向面33a1から環状保持部17aに渡って設けられたダンパ材9の保持をより確実なものとすることができる。
この構成によれば、貫通孔17a1を、ケース39内で可動ユニット5が移動可能な範囲に対応させた略四角形状とすることができるので、貫通孔17a1を小さくして、ダンパ材9が貫通孔17a1から脱落しにくいものとすることができる。また、貫通孔17a1が形成される環状保持部17aも小さく形成できるので、例えば、貫通孔を円形状とした場合に比べて、レンズ駆動装置1の小型化を図ることができる。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
また、固定部材33に保持部33bを設けた場合を例示したが、保持部33bを設けずに、環状保持部17aのみでダンパ材9を保持する構成にしてもよい。
また、環状保持部17aの貫通孔17a1の形状は、矩形以外でもよい。
また、上述した実施形態では、環状保持部17aは、下側板バネ17のみで構成されたものであるが、下側板バネ17と固定部材33とで、ダンパ材9を保持する環状保持部が構成されていてもよい。すなわち、例えば、下側板バネ17の貫通孔17a1と取付孔17f1とがつながっており、サスペンションワイヤの光軸から遠い外周側は、下側板バネ17の一部(外側保持部)が対向し、光軸に近い内周側は、固定部材33の対向部に形成された保持部(内側保持部)と対向して、外側保持部と内側保持部とで環状保持部が構成されていてもよい。このように、いずれの場合においても、下側板バネには、サスペンションワイヤの光軸から遠い(離れた)外周側において、サスペンションワイヤと対向する外側保持部が、環状保持部の少なくとも一部として形成されているものとする。
また、1つのサスペンションワイヤ411,412,413,414に対して、Z方向の異なる位置に複数の環状保持部17a及びダンパ材9を設けてもよい。
また、上述した実施形態では、サスペンションワイヤ411,412,413,414の他端部を上側板バネ35に固定する場合を例示したが、固定部材33に固定するようにしてもよい。
3…レンズ体
5…可動ユニット
7…固定ユニット
9…ダンパ材
11…ベース部材
13…第2のコイル
14…多層基板
15…導電パターン
17…下側板バネ
17a…環状保持部
17a1…貫通孔
17f…外側固定部(固定部)
21…第1のコイル
23…レンズ保持部材
25…磁石
33…固定部材
33a…対向部
33a1…対向面
33a11…中央対向面
33a12…側部対向面
33a2…取付面
33b…保持部
33b1…突出部
33d…枠状部
35…上側板バネ
37…スペーサ
39…ケース
411,412,413,414…サスペンションワイヤ
85…中間部
55…第1駆動機構
57…第2駆動機構
462,463…GMR素子
Claims (7)
- レンズ体を保持可能なレンズ保持部材及び当該レンズ保持部材を光軸方向へ移動させる第1駆動機構を含む可動ユニットと、前記可動ユニットを光軸方向と交差する方向へ移動可能に支持すると共に当該可動ユニットから露出するように設けられたサスペンションワイヤと、前記可動ユニットを光軸方向と交差する方向へ移動させる第2駆動機構とを備え、
前記可動ユニットは、
前記レンズ保持部材を光軸方向へ移動可能に支持する上側板バネ及び下側板バネと、前記上側板バネ及び下側板バネが固定される固定部材と、を有したレンズ駆動装置において、
前記可動ユニットは、前記サスペンションワイヤが挿通される貫通孔が形成された環状保持部を有し、
前記環状保持部と前記サスペンションワイヤの中間部との双方に接触するダンパ材が前記環状保持部に保持されており、
前記環状保持部の少なくとも一部は、前記下側板バネに設けられており、前記固定部材は、前記サスペンションワイヤと対向する対向部を有し、前記対向部には、前記下側板バネに形成された前記環状保持部の少なくとも一部と共に前記ダンパ材を保持する保持部が設けられていることを特徴とするレンズ駆動装置。 - 前記保持部は、前記下側板バネに形成された前記環状保持部の上側に位置すると共に前記対向部から外側へ突出し、少なくとも先端部に2つの突出部を有して構成されており、前記環状保持部は、前記2つの突出部の間から露出するように設けれている請求項1に記載のレンズ駆動装置。
- 前記突出部は、上部が下部よりも前記対向部からの距離が短く形成された段差部を有している請求項2に記載のレンズ駆動装置。
- 前記固定部材は、枠状部を有するとともに、前記対向部が前記枠状部から下方へ延出して設けられており、前記対向部は、前記サスペンションワイヤと対向する対向面と、当該対向部の下端部に設けられ前記下側板バネが固定される取付面とを有し、前記取付面に固定される前記下側板バネの固定部と前記環状保持部とが隣り合っている請求項1〜3のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
- 前記ダンパ材が、少なくとも前記対向面から前記環状保持部に渡って設けられている請求項4に記載のレンズ駆動装置。
- 前記対向面は、中央に位置する中央対向面と、前記対向部の延出方向と交差する方向における前記中央対向面の両端部に隣接して配置される一対の側部対向面とを有し、前記一対の側部対向面同士が互いに対向するように形成されている請求項5に記載のレンズ駆動装置。
- 前記可動ユニットを収容するケースを具備し、前記ケースは、光軸方向に沿った平面視において矩形状に形成されており、前記貫通孔は、平面視における形状が前記ケースの平面視の形状に対応した略四角形状をなしている請求項1〜6のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
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