JP6758609B2 - レドックスフロー電池 - Google Patents

レドックスフロー電池 Download PDF

Info

Publication number
JP6758609B2
JP6758609B2 JP2017567862A JP2017567862A JP6758609B2 JP 6758609 B2 JP6758609 B2 JP 6758609B2 JP 2017567862 A JP2017567862 A JP 2017567862A JP 2017567862 A JP2017567862 A JP 2017567862A JP 6758609 B2 JP6758609 B2 JP 6758609B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode member
electrode
electrolytic solution
conductive film
positive electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017567862A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017141356A1 (ja
Inventor
有希 植村
有希 植村
蛍子 藤本
蛍子 藤本
洋成 出口
洋成 出口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Electric Co Ltd filed Critical Nissin Electric Co Ltd
Publication of JPWO2017141356A1 publication Critical patent/JPWO2017141356A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6758609B2 publication Critical patent/JP6758609B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/18Regenerative fuel cells, e.g. redox flow batteries or secondary fuel cells
    • H01M8/184Regeneration by electrochemical means
    • H01M8/188Regeneration by electrochemical means by recharging of redox couples containing fluids; Redox flow type batteries
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/64Carriers or collectors
    • H01M4/66Selection of materials
    • H01M4/661Metal or alloys, e.g. alloy coatings
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/64Carriers or collectors
    • H01M4/66Selection of materials
    • H01M4/663Selection of materials containing carbon or carbonaceous materials as conductive part, e.g. graphite, carbon fibres
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/64Carriers or collectors
    • H01M4/66Selection of materials
    • H01M4/665Composites
    • H01M4/667Composites in the form of layers, e.g. coatings
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/96Carbon-based electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0202Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors
    • H01M8/023Porous and characterised by the material
    • H01M8/0232Metals or alloys
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0202Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors
    • H01M8/023Porous and characterised by the material
    • H01M8/0234Carbonaceous material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0202Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors
    • H01M8/023Porous and characterised by the material
    • H01M8/0241Composites
    • H01M8/0245Composites in the form of layered or coated products
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0202Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors
    • H01M8/0247Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors characterised by the form
    • H01M8/0254Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors characterised by the form corrugated or undulated
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

本発明は、レドックスフロー電池に関する。
一般的にレドックスフロー電池では強酸性の電解液が用いられる。強酸性の電解液の例としては、バナジウムのレドックス系物質を含有する電解液が実用化されている。強酸性の電解液中における金属レドックスイオンは、比較的高濃度であっても安定して溶解されるため、電池のエネルギー密度を高くすることができる。ところが、レドックスフロー電池を構成する材料には、強酸性の電解液に耐え得る耐薬品性が求められる。これに対して、例えば、特許文献1には、pH2以上の電解液を用いることで、レドックスフロー電池を構成する材料に求められる耐薬品性を緩和し、高価な材料の使用を回避することを可能にした技術が開示されている。
上述したレドックスフロー電池の電極には、一般にカーボン製のフェルトが用いられる(特許文献2参照)。また、カーボン製のフェルト以外の電極としては、炭素系の導電性皮膜からなる電極が知られている(特許文献3参照)。この導電性皮膜は、集電板の上に形成されており、その集電板は、一般にガラス状カーボン又はプラスチックカーボンから構成される。
国際公開第2015/092883号 特表2014−530476号公報 国際公開第2013/118278号
レドックスフロー電池の電極をカーボン製のフェルトを用いずに構成することは、レドックスフロー電池の普及を促進する点で有効である。
本発明の目的は、普及を促進することを可能にしたレドックスフロー電池を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様では、正極及び負極からなる2つの電極と、前記正極及び負極の間に設けられる隔膜とを有するセルを備えるレドックスフロー電池であって、前記2つの電極のうち少なくとも一方は、非炭素系の多孔質シート材と、前記多孔質シート材の上に形成された炭素系の導電性皮膜とを有する電極部材を含み、前記電極部材は、電極部材の厚さ方向に電解液が流通可能に構成されている。
前記レドックスフロー電池において、前記多孔質シート材は金属製であることが好ましい。
前記レドックスフロー電池において、前記電極部材は凹凸の主面を有することが好ましい。
前記レドックスフロー電池において、前記電極部材は、第1電極部材及び第2電極部材を含む複数であり、前記第2電極部材は、前記第1電極部材と前記隔膜との間に設けられており、前記第1電極部材及び前記第2電極部材の多孔質シート材はいずれも金属製であり、前記第1電極部材は凹凸の主面を有し、前記第2電極部材は平坦な主面を有することが好ましい。
前記レドックスフロー電池において、前記電極部材の導電性皮膜は、炭素系粉末と、バインダーとを含有し、前記バインダーは、フッ素系樹脂であることが好ましい。
前記レドックスフロー電池において、前記電極部材の導電性皮膜は、グラフェン粉末を含有することが好ましい。
前記レドックスフロー電池において、前記電極部材の導電性皮膜中の前記グラフェン粉末の含有量は、10質量%以上であることが好ましい。
前記レドックスフロー電池において、前記セルは集電板をさらに備え、前記集電板は、非多孔質の金属板と、前記金属板の上に形成された炭素系の導電性皮膜とを有することが好ましい。
前記レドックスフロー電池において、pHが1以上7以下の範囲内である正極電解液及び負極電解液が前記セルに供給されることが好ましい。
本発明の実施形態のレドックスフロー電池を示す概略図である。 セルを分解して示す断面図である。 セルを示す断面図である。 セルスタックを示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るレドックスフロー電池について説明する。
<レドックスフロー電池の全体構成>
図1に示すように、レドックスフロー電池は、充放電用のセル11を備える。セル11の内部は、隔膜12によって正極側セル21と負極側セル31とに仕切られている。レドックスフロー電池は、正極側セル21に用いられる正極電解液22を貯蔵する正極電解液タンク23と、負極側セル31に用いられる負極電解液32を貯蔵する負極電解液タンク33とを備える。レドックスフロー電池には、充放電用のセル11の周辺の温度を調節する図示しない温度調節装置が必要に応じて設けられる。
正極側セル21には、供給管24及び回収管25を介して正極電解液タンク23が接続されている。供給管24には、ポンプ26が装備されている。このポンプ26の作動により、正極電解液タンク23内の正極電解液22は、供給管24を通じて正極側セル21に供給される。このとき、正極側セル21内の正極電解液22は、回収管25を通じて正極電解液タンク23に回収される。このように正極電解液22は、正極電解液タンク23と正極側セル21との間を循環する。
負極側セル31には、供給管34及び回収管35を介して負極電解液タンク33が接続されている。供給管34には、ポンプ36が装備されている。このポンプ36の作動により、負極電解液タンク33内の負極電解液32は、供給管34を通じて負極側セル31に供給される。このとき、負極側セル31内の負極電解液32は、回収管35を通じて負極電解液タンク33に回収される。このように負極電解液32は、負極電解液タンク33と負極側セル31との間を循環する。
正極電解液タンク23及び負極電解液タンク33には、それらに不活性ガスを供給するための不活性ガス供給管13が接続されている。不活性ガス供給管13には、図示を省略した不活性ガス発生装置から不活性ガスが供給される。この不活性ガス供給管13を通じて正極電解液タンク23及び負極電解液タンク33に不活性ガスが供給されることで、正極電解液22及び負極電解液32と大気中の酸素との接触が抑制される。不活性ガスとしては、例えば窒素ガスが用いられる。正極電解液タンク23及び負極電解液タンク33に供給された不活性ガスは、排気管14を通じて排気される。排気管14の排出側の先端には、排気管14の先端開口を水封する水封部15が設けられている。水封部15は、排気管14内に大気が逆流することを防止するとともに、正極電解液タンク23内及び負極電解液タンク33内の圧力を一定に保つ。レドックスフロー電池は、充放電装置10に電気的に接続されている。
<セルの構成>
次に、セル11の構成について説明する。ここでは、説明の便宜上、単セルの構成について説明する。
図2及び図3に示すように、セル11は、正極側フレーム41と負極側フレーム51とを備えている。正極側フレーム41内には、隔膜12側から順に正極42と正極側集電板43とが設けられている。負極側フレーム51内には、隔膜12側から順に負極52と負極側集電板53とが設けられている。
セル11は、一対のエンドプレート61で挟持されている。両エンドプレート61は、複数の締結具62で互いに締め付けられている。両エンドプレート61の間には、必要に応じて図示しないシール部材が設けられることで、セル11からの電解液の漏れが防止される。
正極42は、第1電極部材42aと、第1電極部材42a及び隔膜12の間に設けられる第2電極部材42bとを備える。詳述すると、第1電極部材42aは、正極側集電板43に対向して接触している。第1電極部材42aと第2電極部材42bとは、互いに対向して接触している。第2電極部材42bは、隔膜12に対向して接触している。
負極52は、第1電極部材52aと、第1電極部材52a及び隔膜12の間に設けられる第2電極部材52bとを備える。詳術すると、第1電極部材52aは、負極側集電板53に対向して接触している。第1電極部材52aと第2電極部材52bとは、互いに対向して接触している。第2電極部材52bは、隔膜12に対向して接触している。
第1電極部材42a,52a及び第2電極部材42b,52bは、非炭素系の多孔質シート材と、多孔質シート材の上に形成された炭素系の導電性皮膜とを有する。第1電極部材42a,52a及び第2電極部材42b,52bは、厚さ方向に電解液が流通可能に構成されている。すなわち、第1電極部材42a,52a及び第2電極部材42b,52bは、多孔質系シート材に基づく多数の貫通孔を有する。第1電極部材42a,52aは、凹凸の主面(表裏面)を有する。本実施形態の第1電極部材42a,52aは、波形の主面を有しているが、凹部又は凸部が点在する主面を有していてもよい。第2電極部材42b,52bは、平坦な主面(表裏面)を有する。
第1電極部材42a,52aの導電性皮膜は、多孔質シート材の少なくとも一部を被覆するように設けることができる。第2電極部材42b,52bの導電性皮膜は、多孔質シート材の少なくとも一部を被覆するように設けることができる。第1電極部材42a,52a及び第2電極部材42b,52bにおいて、電解液と接触する部分の全体が導電性皮膜から構成されることが好ましい。例えば、多孔質シート材の多数の貫通孔の内面は、導電性皮膜から構成されることが好ましい。
本実施形態の多孔質シート材は金属シート材により構成されている。すなわち、多孔質シート材は、金属製である。金属シート材は、多数の貫通孔を有するものであり、具体例としては、エキスパンドメタル、パンチングメタル、及び金属ワイヤメッシュが挙げられる。金属シート材の金属としては、例えば、ステンレス鋼(SUS430等)、アルミニウム(A5052等のアルミ5000系等)、及びチタン又はチタン合金が挙げられる。金属シート材の金属は、チタン又はチタン合金製であることが好ましい。金属シート材の厚さは、10μm以上、100μm以下の範囲内であることが好ましい。
金属シート材の開口率(開孔率)を高めると、電極部材と電解液との接触面積を向上させることが容易となる。金属シート材の開口率を低めると、電極部材の剛性が得られ易くなる。なお、金属シート材の開口率は、金属シート材の平面視において金属シート材の単位面積(例えば、1m)当たりの孔の面積の百分率で表される。第1電極部材42a,52aを構成する金属シート材としては、例えば、27.0%や43.5%の開口率を有するものを用いることができる。第2電極部材42b,52bを構成する金属シート材としては、例えば、72.8%の開口率を有するものを用いることができる。
正極側集電板43は、非多孔質の金属板と、金属板の上に形成された炭素系の導電性皮膜とを有する。この導電性皮膜は、正極電解液22に接触する。負極側集電板53は、非多孔質の金属板と、金属板の上に形成された炭素系の導電性皮膜とを有する。この導電性皮膜は、負極電解液32に接触する。正極側集電板43及び負極側集電板53の金属板の金属としては、例えば、ステンレス鋼(SUS430等)、アルミニウム(A5052等のアルミ5000系等)、及びチタン又はチタン合金が挙げられる。金属シート材の金属は、チタン又はチタン合金製であることが好ましい。
正極側集電板43の導電性皮膜は、金属板の少なくとも一部を被覆するように設けることができる。負極側集電板53の導電性皮膜は、金属板の少なくとも一部を被覆するように設けることができる。正極側集電板43及び負極側集電板53において、電解液と接触する部分の全体が導電性皮膜から構成されることが好ましい。
上述した第1電極部材42a,52a、第2電極部材42b,52b、正極側集電板43、及び負極側集電板53の各部材が有する導電性皮膜は、炭素系粉末とバインダーとを含有する。炭素系粉末としては、例えば、黒鉛粉末、グラフェン粉末、及びアセチレンブラック粉末が挙げられる。炭素系粉末としては、一種又は二種以上を用いることができる。
導電性皮膜は、炭素系粉末としてグラフェン粉末を含有することが好ましい。グラフェン粉末の粒子形状は、例えば、鱗片状であり、グラフェン層の厚さは、例えば、10nm以下であり、粒径(鱗片状の平面における外径)は、例えば、100nm以上、50μm以下の範囲内である。導電性皮膜中のグラフェン粉末の含有量は、10質量%以上であることが好ましい。導電性皮膜中のグラフェン粉末の含有量は、90質量%以下であることが好ましい。
黒鉛粉末は、天然黒鉛粉末であってもよいし、人造黒鉛粉末であってもよい。黒鉛粉末の粒径は、1μm以上、100μm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは3μm以上、50μm以下の範囲内である。導電性皮膜中の黒鉛粉末の含有量は、例えば、5質量%以上、90質量%以下の範囲内であることが好ましい。
アセチレンブラック粉末の粒径は、1nm以上、100nm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは30nm以上、50nm以下の範囲内である。導電性皮膜中のアセチレンブラック粉末の含有量は、例えば、1質量%以上、20質量%以下の範囲内であることが好ましい。
導電性皮膜中の炭素系粉末の合計の含有量は、70質量%以上、97質量%以下の範囲内であることが好ましい。
バインダーとしては、合成樹脂材料が用いられる。バインダーは、フッ素系樹脂であることが好ましい。フッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフロオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、及びポリフッ化ビニルが挙げられる。導電性皮膜中のバインダーの含有量は、3質量%以上、10質量%以下の範囲内であることが好ましい。
導電性皮膜中には、増粘剤等の添加剤が含有されていてもよい。
導電性皮膜の厚さは、1μm以上、500μm以下の範囲内であることが好ましい。
導電性皮膜を形成するには、まず、上述した材料と、分散媒又は溶媒とを含有する導電性スラリーを調製し、この導電性スラリーを上述した金属シート材又は金属板に塗工する。分散媒又は溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドンが用いられる。導電性スラリーは、上述した材料を周知の混練機で混練することで得られる。導電性スラリーの塗工方法は、特に限定されず、例えば、周知のコーターを用いてもよいし、ディッピング法を用いてもよい。
次に、塗工した導電性スラリーを乾燥させることで、導電性皮膜が形成される。導電性スラリーの乾燥は、常温下又は加熱下で行うことができる。また、導電性スラリーの乾燥は、常圧下又は減圧下で行うことができる。
<レドックスフロー電池の動作>
レドックスフロー電池の充電時には、正極42に接触する正極電解液22中で酸化反応が行われるとともに、負極52に接触する負極電解液32中で還元反応が行われる。すなわち、正極42は電子を放出するとともに、負極52は電子を受け取る。このとき、正極側集電板43は、正極42から放出された電子を充放電装置10に供給する。負極側集電板53は、充放電装置10から受け取った電子を負極52に供給する。
レドックスフロー電池の放電時には、正極42に接触する正極電解液22中で還元反応が行われるとともに、負極52に接触する負極電解液32中で酸化反応が行われる。すなわち、正極42は電子を受け取るとともに、負極52は電子を放出する。このとき、正極側集電板43は、充放電装置10から受け取った電子を正極42に供給する。
<電解液>
正極電解液22のpH及び負極電解液32のpHは、1以上、7以下の範囲内であることが好ましい。正極電解液22のpH及び負極電解液32のpHが1以上の場合、レドックスフロー電池を構成する材料に求められる耐薬品性がより緩和され易くなる。正極電解液22のpH及び負極電解液32のpHが7以下の場合、例えば、活物質の溶解性が確保され易くなる。なお、pHは、例えば20℃で測定される値である。
電解液中の活物質としては、例えば、鉄のレドックス系物質、チタンのレドックス系物質、クロムのレドックス系物質、マンガンのレドックス系物質、及び銅のレドックス系物質が挙げられる。本出願で記載する「レドックス系物質」とは、金属の酸化還元反応で生成する金属イオン、金属錯イオン又は金属のことを言う。
活物質は、上記pHの範囲内における析出を抑制するために、金属錯体として電解液中に含有されることが好適である。金属錯体を形成するためのキレート剤としては、活物質と錯体を形成し得るものであって、例えば、アミン、クエン酸、乳酸、アミノカルボン系キレート剤、及びポリエチレンイミンが挙げられる。
以下、正極電解液22及び負極電解液32の一例の詳細について説明する。
正極電解液22は、鉄のレドックス系物質と、酸とを含有する。酸は、クエン酸又は乳酸である。
正極電解液22中では、鉄が活物質として機能し、例えば、充電時には、鉄(II)から鉄(III)への酸化が起こり、放電時には、鉄(III)から鉄(II)への還元が起こると推測される。正極電解液22は、上記の酸を含有することにより、実用的な起電力が得られ易くなっている。
正極電解液22中における鉄のレドックス系物質(鉄イオン)の濃度は、エネルギー密度を高めるという観点から、好ましくは0.2モル/L以上であり、より好ましくは0.3モル/L以上であり、さらに好ましくは0.4モル/L以上である。正極電解液22中における鉄のレドックス系物質(鉄イオン)の濃度は、好ましくは1.0モル/L以下である。
正極電解液22中の鉄のレドックス系物質に対する上記酸のモル比は、1以上、4以下の範囲内であることが好ましい。前記モル比が1以上の場合、正極電解液22の電気抵抗がより低くなるため、クーロン効率及び正極電解液22の利用率を高めることが容易となる。前記モル比が4以下の場合、経済性と実用性の両立が容易となる。
正極電解液22には、必要に応じて、例えば、無機酸の塩、又は各種キレート剤を含有させることもできる。
負極電解液32は、チタンのレドックス系物質と酸とを含有する電解液である。酸は、クエン酸又は乳酸である。
負極電解液32中では、チタンが活物質として機能し、例えば、充電時には、チタン(IV)からチタン(III)への還元が起こり、放電時には、チタン(III)からチタン(IV)への酸化が起こると推測される。負極電解液32は、上記の酸を含有することにより、錯体化し、約0.2V電位が下がるため、実用的な起電力が得られ易くなっている。
負極電解液32中におけるチタンのレドックス系物質(チタンイオン)の濃度は、エネルギー密度を高めるという観点から、好ましくは0.2モル/L以上であり、より好ましくは0.3モル/L以上であり、さらに好ましくは0.4モル/L以上である。負極電解液32中におけるチタンのレドックス系物質(チタンイオン)の濃度は、好ましくは1.0モル/L以下である。
負極電解液32中のチタンのレドックス系物質に対する上記酸のモル比は、1以上、4以下の範囲内であることが好ましい。前記モル比が1以上の場合、負極電解液32の電気抵抗がより低くなるため、クーロン効率及び負極電解液32の利用率を高めることが容易となる。前記モル比が4以下の場合、経済性と実用性の両立が容易となる。
負極電解液32には、必要に応じて、例えば、無機酸の塩、又は各種キレート剤を含有させることもできる。
正極電解液22及び負極電解液32は、公知の方法で調製することができる。正極電解液22及び負極電解液32に用いる水は、蒸留水と同等又はそれ以上の純度を有していることが好ましい。
以上説明した本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態のレドックスフロー電池において、各電極は、非炭素系の多孔質シート材と、多孔質シート材の上に形成された炭素系の導電性皮膜とを有する電極部材として、例えば、第1電極部材42a,52aを備える。第1電極部材42a,52aは、その厚さ方向に正極電解液22が流通可能に構成されている。
この構成によれば、電極部材としてカーボン製のフェルトを用いる場合よりも、電極部材のコストを低減することが可能である。このため、レドックスフロー電池の普及を促進することが可能となる。また、非炭素系の多孔質シート材の通液性を利用して電極部材と電解液との接触面積をより広く確保することが可能となるため、好適な電池特性が発揮され易くなる。
(2)電極部材の多孔質シート材は、金属シート材である。これにより、電極部材の導電性を高めることができるとともに電極部材の耐久性が得られ易くなる。
(3)第1電極部材42a,52aは、凹凸の主面を有するため、第1電極部材42a,52aに接触する電解液の流れが乱流になり易くなる。これにより、電解液の反応が促進され易くなるため、好適な電池特性が得られ易くなる。
(4)正極42は、第1電極部材42aと、第1電極部材42a及び隔膜12の間に設けられる第2電極部材42bとを備える。第1電極部材42a及び第2電極部材42bの多孔質シート材は、いずれも金属シート材である。第1電極部材42aは、凹凸の主面を有する。第2電極部材42bは、平坦な主面を有する。この構成によれば、第1電極部材42aにより上記(3)欄で述べた作用効果が得られる。さらに、第2電極部材42bによって隔膜12を支持することが可能であるため、隔膜12を好適に保護することができる。なお、本実施形態では、負極52の第1電極部材52a及び第2電極部材52bについても、同様の作用効果を奏する。
(5)導電性皮膜は、炭素系粉末と、バインダーとを含有し、バインダーは、フッ素系樹脂であることが好ましい。この場合、バインダーのフッ素系樹脂は耐水性を有するため、この耐水性により電極部材を構成する金属シート材を好適に保護することができる。これにより、電極部材の耐久性を高めることができるため、レドックスフロー電池のセル11の寿命を延ばすことができる。
(6)導電性皮膜は、グラフェン粉末を含有することが好ましい。ここで、グラフェン粉末は、黒鉛粉末よりも酸化還元反応の活性点が多いと考えられる。このため、電解液の酸化還元反応を促進させることが容易となる。従って、好適な電池特性が得られ易くなる。
(7)上記導電性皮膜中のグラフェン粉末の含有量は、10質量%以上であることが好ましい。この場合、電解液の酸化還元反応をさらに促進させることが容易となる。従って、好適な電池特性が得られ易くなる。
(8)セル11は、集電板として、例えば、正極側集電板43をさらに備えている。正極側集電板43は、非多孔質の金属板と、金属板の上に形成された炭素系の導電性皮膜とを有する。
この構成によれば、例えば、ガラス状カーボンやプラスチックカーボンを集電板として用いるよりも安価に集電板を構成することができるため、レドックスフロー電池の普及を促進することが可能となる。また、集電板の有する炭素系の導電性皮膜上での電解液の反応を促進させることが可能となるため、好適な電池特性が得られ易くなる。
(9)正極電解液22及び負極電解液32のpHは、1以上、7以下の範囲内であることが好ましい。この場合、レドックスフロー電池を構成する材料に求められる耐薬品性は緩和されるため、レドックスフロー電池の普及を促進することが可能となる。
(変更例)
前記実施形態は以下のように変更されてもよい。
・前記正極42において、第1電極部材42a及び第2電極部材42bのいずれか一方を省略してもよい。また、前記負極52において、第1電極部材52a及び第2電極部材52bのいずれか一方を省略してもよい。例えば、第2電極部材42bをポリプロピレンメッシュ等に変更してもよい。
・前記正極42及び負極52のいずれか一方の電極部材を、例えばカーボン製のフェルトのみから構成してもよい。また、前記正極42及び負極52の少なくとも一方を、例えば、カーボン製のフェルトを第3電極部材として備えた構成に変更してもよい。この場合であっても、カーボン製のフェルトの使用量を削減することが可能であり、電極部材のコストを低減することが可能である。
・前記電極部材の多孔質シート材の有する多数の貫通孔は、例えば、非多孔質の金属シート材をエッチングすることにより形成してもよい。
・前記電極部材の多孔質シート材は、金属シート材に限定されず、炭素繊維以外の繊維から構成された織布又は不織布であってもよい。炭素繊維以外の繊維としては、例えば、合成繊維(ポリアミド繊維等)、半合成繊維(アセテート等)、再生繊維(セルロース系繊維等)、及び無機繊維(ガラス繊維等)が挙げられる。例えば、多孔質シート材を構成する材料に応じて、多孔質シート材の上に形成された導電性皮膜のバインダーは、フッ素系樹脂以外の合成樹脂に変更することもできる。フッ素系樹脂以外の合成樹脂としては、例えばアクリル系樹脂が挙げられる。
・図4に示すように、レドックスフロー電池は、複数のセル11から構成されるセルスタックを備えていてもよい。セルスタックにおいて、正極側集電板43及び負極側集電板53は、隣り合う2つのセル11の間を仕切るように設けられる集電板としての双極板71に変更することができる。すなわち、双極板71は、非多孔質の金属板と、金属板の両面の上にそれぞれ形成された炭素系の導電性皮膜を有する。
・前記正極側集電板43及び負極側集電板53の少なくとも一方をガラス状カーボンやプラスチックカーボンから構成してもよい。
・前記正極側集電板43及び負極側集電板53の少なくとも一方の導電性皮膜を省略してもよい。
・レドックスフロー電池の有する正極電解液タンク23及び負極電解液タンク33の容量はレドックスフロー電池に求められる性能等に応じて変更することができる。また、充放電用のセル11に対する正極電解液22及び負極電解液32の供給量についても、例えば充放電用のセル11の容量等に応じて設定することができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
<電極部材(A)の作製>
以下のように電極部材(A)として第1電極部材及び第2電極部材を作製した。
非炭素系の多孔質シート材として金属シート材(エキスパンドメタル、純チタン製)に下記の導電性スラリーを塗工することで導電性皮膜を形成した。
炭素系粉末:黒鉛粉末(KS6L、Timcal社製)、0.52g
炭素系粉末:グラフェン粉末(商品名:xGnP−C−300、XGサイエンス社製)、4.70g
炭素系粉末(導電助剤):アセチレンブラック粉末(商品名:デンカブラック、電気化学工業株式会社製)、0.42g
バインダー:ポリフッ化ビニリデン溶液(KFポリマー#9305、株式会社クレハ製)、7.20g(固形分0.36g)
分散媒:N−メチルピロリドン、12.75g
導電性スラリーは、上述した材料を遊星型ボールミルで混練することで調製した。
上記エキスパンドメタルには、予め導電性接着剤(商品名:HITASOL GA−703、日立粉末冶金株式会社製)を塗工し、常圧、80℃の条件で12時間乾燥した。次に、エキスパンドメタルに上記導電性スラリーを塗工し、常圧、80℃の条件で12時間乾燥した後、200℃、30時間の条件で真空乾燥した。導電性皮膜を形成したエキスパンドメタルは、300kNの荷重でプレスすることで導電性皮膜中の空孔を埋めた。
次に、導電性皮膜を形成したエキスパンドメタルの主面が凹凸(凹凸の深さ1.4mm、ピッチ5mm)となるようにプレス成形することで第1電極部材を得た。
第2電極部材の作製は、導電性皮膜を形成したエキスパンドメタルの主面を凹凸にするプレス成形を省略した以外は、第1電極部材と同様に行った。
<電極部材(B)の作製>
非炭素系の多孔質シート材として繊維材料(麻タオル)に下記の導電性スラリーを塗工することで導電性皮膜を形成した。
炭素系粉末:黒鉛粉末(KS6L、Timcal社製)1.0g
炭素系粉末:グラフェン粉末(xGnP−C−300、XGサイエンス社製)8.96g
導電助剤:アセチレンブラック粉末(商品名:デンカブラック、電気化学工業株式会社製)0.37g
バインダー:アクリル系樹脂(AZ−9001、日本ゼオン株式会社製)1.01g(固形分0.36g)
増粘剤:セルロース系増粘剤(DN−10L,DN−800H、ダイセル工業株式会社製)
分散媒:蒸留水40g
導電性スラリーは、まず、炭素系粉末及び増粘剤を遊星型ボールミルで混練することで混合物を得た後、その混合物にバインダー、導電助剤及び分散媒を加えてさらに遊星型ボールミルで混練することで得た。
得られた導電性スラリーを繊維材料にスプレーで塗工し、常圧、12時間の条件で乾燥した。このように導電性皮膜を形成した繊維材料を蒸留水中で洗浄した後、常圧、12時間の条件で乾燥した。この洗浄により、導電性皮膜による繊維材料の目詰まりを低減させ、電極部材(B)の通液性を向上させた。
<集電板の作製>
集電板は、非多孔質の金属板(純チタン製)の上に導電性皮膜を形成することにより作製した。導電性皮膜の形成は、第1電極部材の導電性皮膜と同様に行った。
<導電性評価>
上記電極部材(A)の第1電極部材を上下一対の銅板で挟み込んだ積層体の上から150gの荷重を印加し、一対の銅板間の電気抵抗をテスターで測定した。上記電極部材(B)についても、電極部材(A)の第1電極部材と同様に電気抵抗を測定した。電極部材(A)の第1電極部材における電気抵抗は、4.4Ωであり、電極部材(B)の電気抵抗は、49.6Ωであり、電極部材(A)は電極部材(B)よりも高い導電性が得られた。
<レドックスフロー電池>
正極及び負極の各電極としては、電極部材(A)の第1電極部材及び第2電極部材を用いた。正極側集電板及び負極側集電板としては、上記集電板を用いた。隔膜としては、市販の陽イオン交換膜(CMS、アストム社製)を用いた。正極電解液タンク及び負極電解液タンクとしては、容量30mLのガラス容器を用いた。供給管、回収管、不活性ガス供給管及び排気管としては、シリコーン製のチューブを用いた。ポンプとしては、マイクロチューブポンプ(MP−1000、東京理化器械株式会社製)を用いた。充放電装置としては、充放電バッテリテストシステム(PFX200、菊水電子工業株式会社製)を用いた。
<鉄(II)−クエン酸錯体水溶液の調製>
蒸留水30mLに0.04モル(8.4g)のクエン酸を溶解させた。この水溶液に、28質量%アンモニア水を1.2g(0.02モルのアンモニアに相当)添加した。次に、この水溶液に0.02モル(4.0g)のFeCl・4HOを溶解させた。次に、この水溶液に、全量が100mLとなるように蒸留水を加えた。これにより、鉄(II)−クエン酸錯体の濃度が0.2モル/Lであり、pHが2.5の水溶液を得た。
<チタン(IV)−クエン酸錯体水溶液の調製>
蒸留水50mLに0.06モル(12.6g)のクエン酸を溶解させた。この水溶液に、28質量%アンモニア水を6.1g(0.10モルのアンモニアに相当)添加した後、0.093モルのNaOHを添加した。次に、この水溶液に、30質量%Ti(SO溶液を16.0g(0.02モルのチタン(IV)に相当)を添加した。次に、この水溶液に、全量が100mLとなるように蒸留水を加えた。これにより、チタン(IV)−クエン酸錯体の濃度が0.2モル/Lであり、pHが4.49の水溶液を得た。
<充放電試験>
正極電解液として鉄(II)−クエン酸錯体水溶液を用いるとともに、負極電解液としてチタン(IV)−クエン酸錯体水溶液を用いて充放電試験を行った。充放電試験は、充電から開始し、まず、50mAの定電流で108分間充電した(合計324クーロン)。次に、50mAの定電流で、放電終止電圧を0V、96分間(合計288クーロン)として放電した(1サイクル目)。2サイクル目以降の充電時間は、96分間(合計288クーロン)とした。
充放電を行う際のレドックス反応は、以下のように推定される。
正極:鉄(II)−クエン酸錯体 ⇔ 鉄(III)−クエン酸錯体+e
負極:チタン(IV)−クエン酸錯体+e ⇔ チタン(III)−クエン酸錯体
充放電試験において、4サイクル目のクーロン効率と、4サイクルの充放電を行った際のエネルギー効率を求めた。
クーロン効率は、4サイクル目の充電のクーロン量(A)と放電のクーロン量(B)とを下記式(1)に代入することで算出される。
クーロン効率[%]=B/A×100 ・・・(1)
エネルギー効率は、4サイクルの充放電において、充電の電力量(C)と放電の電力量(D)とを下記式(2)に代入することで算出される。
エネルギー効率[%]=D/C×100 ・・・(2)
この充放電試験において、レドックスフロー電池のクーロン効率は98%であり、エネルギー効率は83%であった。

Claims (6)

  1. 正極及び負極からなる2つの電極と、前記正極及び負極の間に設けられる隔膜とを有するセルを備えるレドックスフロー電池であって、
    前記2つの電極のうち少なくとも一方は、非炭素系の多孔質シート材と、前記多孔質シート材の上に形成された炭素系の導電性皮膜とを有する電極部材を含み、
    前記電極部材は、電極部材の厚さ方向に電解液が流通可能に構成され、かつ第1電極部材及び第2電極部材を含む複数であり、
    前記第2電極部材は、前記第1電極部材と前記隔膜との間に設けられており、
    前記第1電極部材及び前記第2電極部材の多孔質シート材はいずれも金属製であり、
    前記第1電極部材は凹凸の主面を有し、前記第2電極部材は平坦な主面を有する、
    ことを特徴とするレドックスフロー電池。
  2. 前記電極部材の導電性皮膜は、炭素系粉末と、バインダーとを含有し、
    前記バインダーは、フッ素系樹脂である、請求項に記載のレドックスフロー電池。
  3. 前記電極部材の導電性皮膜は、グラフェン粉末を含有する、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のレドックスフロー電池。
  4. 前記電極部材の導電性皮膜中の前記グラフェン粉末の含有量は、10質量%以上である、請求項に記載のレドックスフロー電池。
  5. 前記セルは集電板をさらに備え、
    前記集電板は、非多孔質の金属板と、前記金属板の上に形成された炭素系の導電性皮膜とを有する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のレドックスフロー電池。
  6. pHが1以上7以下の範囲内である正極電解液及び負極電解液が前記セルに供給される、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のレドックスフロー電池。
JP2017567862A 2016-02-16 2016-02-16 レドックスフロー電池 Active JP6758609B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2016/054472 WO2017141356A1 (ja) 2016-02-16 2016-02-16 レドックスフロー電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017141356A1 JPWO2017141356A1 (ja) 2018-12-06
JP6758609B2 true JP6758609B2 (ja) 2020-09-23

Family

ID=59624898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017567862A Active JP6758609B2 (ja) 2016-02-16 2016-02-16 レドックスフロー電池

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20190058206A1 (ja)
JP (1) JP6758609B2 (ja)
CN (1) CN108604700A (ja)
WO (1) WO2017141356A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110854401B (zh) * 2018-08-21 2022-08-19 北京普能世纪科技有限公司 一体化集流板、其制备方法与应用
CN109390615A (zh) * 2018-10-25 2019-02-26 中盐金坛盐化有限责任公司 基于盐穴的大容量液流电池储能系统、控制方法及其应用
JP6709945B1 (ja) * 2019-02-04 2020-06-17 日本フッソ工業株式会社 高純度グラフェンを含有する被膜体および、その被膜体の製造方法
WO2022249543A1 (ja) * 2021-05-27 2022-12-01 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池用集電構造、レドックスフロー電池セル、及びレドックスフロー電池システム

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60163377A (ja) * 1984-02-04 1985-08-26 Sumitomo Electric Ind Ltd レドツクスフロ−電池
JPS61285663A (ja) * 1985-06-12 1986-12-16 Sumitomo Electric Ind Ltd 電池構造
JP2920230B2 (ja) * 1988-11-30 1999-07-19 東洋紡績株式会社 レドックスフロー型電池
CN101656321A (zh) * 2009-09-27 2010-02-24 湖南维邦新能源有限公司 一种电池集流板以及包含其的液流电池
CN102110820B (zh) * 2009-12-29 2013-06-12 中国科学院大连化学物理研究所 锌溴氧化还原液流电池正极电极及其制备
WO2013058375A1 (ja) * 2011-10-21 2013-04-25 株式会社ギャラキシー ノンフローレドックス電池
WO2013118277A1 (ja) * 2012-02-09 2013-08-15 日新電機株式会社 電力貯蔵電池
DE102012017306A1 (de) * 2012-09-03 2014-03-06 Thyssenkrupp Uhde Gmbh Elektrochemische Zelle vom Durchflusstyp
JP5979551B2 (ja) * 2012-12-27 2016-08-24 株式会社 東北テクノアーチ バナジウムレドックス電池
US10586996B2 (en) * 2013-03-12 2020-03-10 Ess Tech, Inc. Electrolytes for iron flow battery
JP2014197521A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 株式会社 東北テクノアーチ バナジウム固体塩電池及びその製造方法
KR102163726B1 (ko) * 2013-11-22 2020-10-08 삼성전자주식회사 레독스 플로우 전지
JP2015228364A (ja) * 2014-05-02 2015-12-17 昭和電工株式会社 レドックスフロー電池

Also Published As

Publication number Publication date
CN108604700A (zh) 2018-09-28
WO2017141356A1 (ja) 2017-08-24
JPWO2017141356A1 (ja) 2018-12-06
US20190058206A1 (en) 2019-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Xiang et al. Cr2O3-modified graphite felt as a novel positive electrode for vanadium redox flow battery
Lee et al. Nanoconfinement of redox reactions enables rapid zinc iodide energy storage with high efficiency
Flox et al. Strategies for enhancing electrochemical activity of carbon-based electrodes for all-vanadium redox flow batteries
WO2015109994A1 (zh) 一种新型锂离子液流电池
JP6758609B2 (ja) レドックスフロー電池
US9469554B2 (en) Bipolar electrode and supercapacitor desalination device, and methods of manufacture
CN106159302B (zh) 一种锂浆料电池反应器
JP6070671B2 (ja) 空気電池
TWI553942B (zh) 可充電電池
CN105680081A (zh) 一种锂液流电池放电器
Na et al. Surface-functionalized graphite felts: Enhanced performance in cerium-based redox flow batteries
Zhu et al. A high-performance aqueous iron–hydrogen gas battery
Cheng et al. Towards large-scale electrochemical energy storage in the marine environment with a highly-extensible “paper-like” seawater supercapacitor device
WO2017137730A1 (en) Slurry electrodes and batteries comprising slurry electrodes
CN105304860A (zh) 一种制备石墨烯基底电极及电池和超级电容器的方法
Kavinkumar et al. Supercapattery driven electrolyzer both empowered by the same superb electrocatalyst
Sodiq et al. Black pearl carbon as a catalyst for all-vanadium redox flow batteries
JP2001313093A (ja) 空気電池
JP4366802B2 (ja) 炭素電極材集合体及びその製造方法
JPWO2018020807A1 (ja) 微生物燃料電池
WO2012056557A1 (ja) 非水系二次電池
JP2007128908A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池のセルユニット
JP2014197521A (ja) バナジウム固体塩電池及びその製造方法
WO2013159467A1 (zh) 空气-金属-电池和电化学发电方法
JP2018178136A (ja) 金属リチウムの製造装置、炭酸リチウムの分解装置、金属リチウムの製造方法及び炭酸リチウムの分解方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190910

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200227

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200410

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200605

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6758609

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250