JP6758262B2 - 静止誘導器 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄心と、鉄心に設けられるコイルとを備える静止誘導器に関する。
静止誘導器では、短絡事故発生時にコイルへ作用する電磁機械力により、コイルの外周部がアーチ状に変形し、コイルが破損する場合がある。そのため静止誘導器には、電磁機械力によるコイルの変形を抑制する構造が必要である。
特許文献1に開示される油入変圧器は、磁路を形成する環状の鉄心と、鉄心に設けられるコイルと、鉄心の上面に設けられる上部締金具と、鉄心の下面に設けられる下部締金具と、コイルの側面に設けられ上部締金具と下部締金具とを連結する板状の2つの連結部材とを備える。一方の連結部材は、上部締金具及び下部締金具の一端に固定される。他方の連結部材は、上部締金具及び下部締金具の他端に固定される。連結部材がコイルの側面を押さえるコイル押さえとしての機能を発揮することで、短絡事故発生時のコイルの変形が抑制される。
特開2011−138931号公報
特許文献1に開示される従来技術では、鉄心の外周部に設けられる上下部締金具へコイル押さえが固定されるため、短絡事故発生時にコイルからコイル押さえへ押圧力が作用する部分から、上下部締金具へのコイル押さえの接続部までの距離が長い。特に鉄心が大きくなるほど当該距離が長くなる。そのため特許文献1に開示される従来技術では、コイル押さえへの曲げモーメントが増加し、コイルの変形を抑制するためにはコイル押さえの板圧を厚くしなければならず、また上記の接続部が変圧器の小型化の妨げになるという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コイルの変形を抑制しながら小型化できる静止誘導器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の静止誘導器は、互いに離間して配置される第1の鉄心ヨークおよび第2の鉄心ヨークと、第1の鉄心ヨークと第2の鉄心ヨークとを磁気的に接続する、互いに離間して配置される第1の鉄心脚および第2の鉄心脚とを有する鉄心と、第1の鉄心脚の外周部に設けられる第1の筒状部を有する第1の鉄心保護枠と、第2の鉄心脚の外周部に設けられる第2の筒状部を有する第2の鉄心保護枠と、第1の筒状部の外周部に設けられる第1のコイルと、第2の筒状部の外周部に設けられる第2のコイルと、第1のコイルおよび第2のコイルを第1の鉄心脚および第2の鉄心脚が離間する方向である第1の方向に沿って挟むように設けられ、第1のコイルおよび第2のコイルの変形を防止するための平板状の第1のコイル押さえおよび平板状の第2のコイル押さえとを備える。第1のコイル押さえが第1のコイルに当接するように第1のコイル押さえの両端部は第1の鉄心保護枠における第1の筒状部が伸びる方向の両端部に固定される。第2のコイル押さえが第2のコイルに当接するように第2のコイル押さえの両端部は第2の鉄心保護枠における第2の筒状部が伸びる方向の両端部に固定される。
本発明によれば、コイルの変形を抑制しながら小型化できるという効果を奏する。
実施の形態に係る静止誘導器の斜視図 実施の形態に係る静止誘導器が備える鉄心、鉄心保護枠及びコイル押さえの斜視図 図2のコイル、フランジ、コイル押さえ及び連結板を、図2のY軸方向から見た図 実施の形態の第1変形例に係る静止誘導器の斜視図 図4に示す静止誘導器が備える鉄心、鉄心保護枠及びコイル押さえの斜視図 実施の形態の第2変形例に係る静止誘導器の斜視図 図6に示す静止誘導器が備える鉄心、鉄心保護枠及びコイル押さえの斜視図 実施の形態の第3変形例に係る静止誘導器の斜視図 図8に示す静止誘導器が備える鉄心、鉄心保護枠及びコイル押さえの斜視図
以下に、本発明の実施の形態に係る静止誘導器を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は実施の形態に係る静止誘導器の斜視図である。図1では、左手系のXYZ座標において、本実施の形態に係る静止誘導器100の上下方向をX軸方向とし、複数のコイル3の配列方向をZ軸方向とし、X軸方向とZ軸方向の両者に直交する方向をY軸方向とする。図2は実施の形態に係る静止誘導器が備える鉄心、鉄心保護枠及びコイル押さえの斜視図である。図2では、図1に示す上部端枠4a及び下部端枠4bが省かれている。以下では、上部端枠4a及び下部端枠4bを上下部端枠と称する場合がある。また図2では、図1に示す3つのコイル3の内、コイル押さえ5bに隣接するコイル3のみが示される。
図1に示すように静止誘導器100は、鉄心1と、2つの鉄心保護枠2Aと、鉄心保護枠2Bと、3つのコイル3と、上部端枠4aと、下部端枠4bと、板形状のコイル押さえ5aと、板形状のコイル押さえ5bとを備える。
まず、鉄心1の構成を説明する。図2に示すように鉄心1は、鉄心ヨーク1aと、鉄心ヨーク1bと、3つの鉄心脚1cとを備える。
鉄心ヨーク1a及び鉄心ヨーク1bのそれぞれは、Z軸方向に伸びる形状である。鉄心ヨーク1a及び鉄心ヨーク1bは、互いにX軸方向に離間して配置される。3つの鉄心脚1cのそれぞれは、鉄心ヨーク1aと鉄心ヨーク1bとの間に設けられる。3つの鉄心脚1cのそれぞれは、X軸方向に伸びる形状である。3つの鉄心脚1cのそれぞれは、互いにZ軸方向に離間して配列される。
鉄心脚1cのX軸方向の一端は、鉄心ヨーク1aに接続される。鉄心脚1cのX軸方向の他端は、鉄心ヨーク1bに接続される。これにより、3つの鉄心脚1cのそれぞれと鉄心ヨーク1aと鉄心ヨーク1bとが、磁気的に接続されている。
(鉄心保護枠2A)
2つの鉄心保護枠2Aの内、一方の鉄心保護枠2Aは、コイル押さえ5aに隣接して設けられ、他方の鉄心保護枠2Aは、コイル押さえ5bに隣接して設けられる。2つの鉄心保護枠2Aのそれぞれは、鉄心脚1cの外周部を取り囲みX軸方向に伸びる筒状部2aと、筒状部2aのX軸方向の一端に設けられるフランジ2bと、筒状部2aのX軸方向の他端に設けられるフランジ2cとを備える。
筒状部2aは、4つの側板で囲まれた中空の四角柱の形状である。4つの側板で囲まれた空間は、筒状部2aの両方の端部に開口している。当該空間の開口する部分の形状は長方形又は正方形である。なお、筒状部2aの形状は中空の四角柱に限定されず、筒状部2aの鉄心脚1cの周囲を取り囲む筒形状であれば、中空の円柱又は中空の多角柱でもよい。筒状部2aが中空の円柱又は中空の多角柱の場合、筒状部2aの開口する部分の形状は円形又は多角形となる。
筒状部2aの外周部には、コイル3が設けられる。コイル3は、鉄心保護枠2の筒状部2aの外周部に銅線を巻き付けることによって形成される。コイル3は導体であり、本実施の形態ではコイル3に銅線が用いられる。コイル3を構成する導体は、銅線に限定されるものではなく、アルミニウムの線又はアルミニウム合金の線であってもよい。
フランジ2bは、張り出し部2b1を備える。張り出し部2b1は、筒状部2aのX軸方向の一端を筒状部2aの外側に折り曲げて形成された部分である。本実施の形態では、張り出し部2b1は、筒状部2aから、筒状部2aが伸びる方向と直交する方向に伸びて、筒状部2aの外側に張り出している。筒状部2aの外側とは、YZ平面上における筒状部2aの内側とは逆側である。なお、張り出し部2b1の形成は折り曲げに限定されず、張り出し部2b1は、筒状部2aの一端に板状の部材の端部を突き合わせ、突き合わせ部に溶接を施すことで筒状部2aに設けたものでもよい。また、張り出し部2b1が伸びる方向は、筒状部2aの外側であれば、筒状部2aが伸びる方向と直交する方向に限定されず、張り出し部2b1は、当該方向に対して傾斜していてもよい。
張り出し部2b1は、筒状部2aの端部の全周に渡って設けられる。なお張り出し部2b1の形状は、図示例に限定されず、張り出し部2b1は、連結板10によりZ軸方向に隣接する張り出し部2b1同士が連結され、かつ、後述する折り返し部2b2を設けることができる形状であれば、筒状部2aの端部の全周の内、一部に形成されたものでもよい。
コイル押さえ5aに隣接する張り出し部2b1には、折り返し部2b2が設けられる。折り返し部2b2は、張り出し部2b1のZ軸方向の先端をX軸方向に折り曲げて形成された部分である。具体的には、折り返し部2b2は、張り出し部2b1のコイル押さえ5a側の先端をX軸方向に折り曲げて形成される。なお、折り返し部2b2の形成は折り曲げに限定されず、折り返し部2b2は、張り出し部2b1の先端に板状の部材の端部を突き合わせ、突き合わせ部に溶接を施すことで張り出し部2b1に設けたものでもよい。
折り返し部2b2は、張り出し部2b1の端部から、筒状部2aが伸びる方向と平行な方向に伸びる。折り返し部2b2が伸びる方向は、張り出し部2b1の筒状部2a側とは逆側である。なお折り返し部2b2が伸びる方向は、筒状部2aが伸びる方向と平行な方向に限定されず、折り返し部2b2は、筒状部2aが伸びる方向に対して傾斜していてもよい。
コイル押さえ5bに隣接する張り出し部2b1にも、折り返し部2b2が設けられる。当該折り返し部2b2は、張り出し部2b1のコイル押さえ5b側の先端をX軸方向に折り曲げて形成される点を除き、コイル押さえ5aに隣接する折り返し部2b2と同様の形状である。
フランジ2cは、張り出し部2c1を備える。張り出し部2c1は、筒状部2aのX軸方向の他端を筒状部2aの外側に曲げて形成された部分である。本実施の形態では、張り出し部2c1は、筒状部2aから、筒状部2aが伸びる方向と直交する方向に伸びて、筒状部2aの外側に張り出している。なお、張り出し部2c1の形成は折り曲げに限定されず、張り出し部2c1は、筒状部2aの他端に板状の部材の端部を突き合わせ、突き合わせ部に溶接を施すことで筒状部2aに設けたものでもよい。また、張り出し部2c1が伸びる方向は、筒状部2aの外側であれば、筒状部2aが伸びる方向と直交する方向に限定されず、張り出し部2c1は、当該方向に対して傾斜していてもよい。
張り出し部2c1は、筒状部2aの端部の全周に渡って設けられる。なお張り出し部2c1の形状は、図示例に限定されず、張り出し部2c1は、連結板10によりZ軸方向に隣接する張り出し部2c1同士が連結され、かつ、後述する折り返し部2c2を設けることができる形状であれば、筒状部2aの端部の全周の内、一部に形成されたものでもよい。
コイル押さえ5aに隣接する張り出し部2c1には、折り返し部2c2が設けられる。折り返し部2c2は、張り出し部2c1のZ軸方向の先端をX軸方向に折り曲げて形成された部分である。具体的には、折り返し部2c2は、張り出し部2c1のコイル押さえ5a側の先端をX軸方向に折り曲げて形成される。なお、折り返し部2c2の形成は折り曲げに限定されず、折り返し部2c2は、張り出し部2c1の先端に板状の部材の端部を突き合わせ、突き合わせ部に溶接を施すことで張り出し部2c1に設けたものでもよい。
折り返し部2c2は、張り出し部2c1の端部から、筒状部2aが伸びる方向と平行な方向に伸びる。折り返し部2c2が伸びる方向は、張り出し部2c1の筒状部2a側とは逆側である。なお折り返し部2c2が伸びる方向は、筒状部2aが伸びる方向と平行な方向に限定されず、折り返し部2c2は、筒状部2aが伸びる方向に対して傾斜していてもよい。
コイル押さえ5bに隣接する張り出し部2c1にも、折り返し部2c2が設けられる。当該折り返し部2c2は、張り出し部2c1のコイル押さえ5b側の先端をX軸方向に折り曲げて形成される点を除き、コイル押さえ5aに隣接する折り返し部2c2と同様の形状である。
(鉄心保護枠2B)
鉄心保護枠2Bは、2つの鉄心保護枠2Aの間に設けられる。鉄心保護枠2Bは、前述した筒状部2a、張り出し部2b1及び張り出し部2c1を備える。鉄心保護枠2Bには、折り返し部2b2及び折り返し部2c2は設けられていない。
(上部端枠4a及び下部端枠4b)
上部端枠4aは、鉄心ヨーク1aに設けられる。上部端枠4aの断面形状は、コ字状又はC字状である。下部端枠4bは、鉄心ヨーク1bに設けられる。下部端枠4bの断面形状は、コ字状又はC字状である。
(コイル押さえ5a及びコイル押さえ5b)
コイル押さえ5aは、2つの鉄心保護枠2Aの内、一方の鉄心保護枠2Aに固定され、またコイル3の外側に設けられる。コイル押さえ5bは、2つの鉄心保護枠2Aの内、他方の鉄心保護枠2Aに固定され、またコイル3の外側に設けられる。
鉄心保護枠2、上部端枠4a、下部端枠4b、コイル押さえ5a,5b及び連結板10の材料には、アルミニウム合金、オーステナイト系ステンレス合金、銅合金、鋳鉄、鋼又は鉄合金を例示できる。
なお、本実施の形態では、3つの鉄心脚1cが用いられているが、鉄心脚1cの数は、3つに限定されず、2つ以上であればよい。鉄心脚1cの数が2つである場合、2つの鉄心脚1cのそれぞれには、鉄心保護枠2Aが設けられる。
次に、鉄心保護枠2A及び鉄心保護枠2Bの連結方法を説明する。
Z軸方向に隣接する鉄心保護枠2A及び鉄心保護枠2Bは、連結板10によって連結される。連結板10は、隣接する鉄心保護枠2A及び鉄心保護枠2Bの張り出し部2b1同士を連結する部材である。また連結板10は、隣接する鉄心保護枠2A及び鉄心保護枠2Bの張り出し部2c1同士を連結する部材である。
連結板10は、不図示の締結部材により、鉄心保護枠2A及び鉄心保護枠2Bへ固定される。締結部材としては、ボルトとボルトにねじ込まれるナットとの組みでもよいし、リベットでもよい。締結部材がボルト及びナットの組みである場合、連結板10に形成されX軸方向に貫通する不図示の貫通孔と、張り出し部2b1,2c1に形成されX軸方向に貫通する不図示の貫通孔とが、連通するように配置され、これらの貫通孔にボルトが挿入される。貫通孔に挿入されたボルトにナットがねじ込まれて締め付けられることにより、連結板10が張り出し部2b1,2c1に固定される。連結板10が張り出し部2b1,2c1に固定されることにより、隣接するコイル3は、互いのZ軸方向の対向面が接した状態で配列される。これにより、隣接するコイル3の対向面がコイル押さえとしての機能を発揮し、コイル3の外周部が電磁機械力により変形することを抑制できる。電磁機械力の詳細については後述する。
次に、鉄心保護枠2Aへのコイル押さえ5a,5bの固定方法を説明する。
コイル押さえ5a,5bは、不図示の締結部材により、折り返し部2b2,2c2に固定される。締結部材は、ボルトとボルトにねじ込まれるナットとの組みでもよいし、リベットでもよい。締結部材がボルト及びナットの組みである場合、コイル押さえ5a,5bに形成されZ軸方向に貫通する不図示の貫通孔と、折り返し部2b2,2c2に形成されZ軸方向に貫通する不図示の貫通孔とが連通するように配置され、これらの貫通孔にボルトが挿入される。貫通孔に挿入されたボルトにナットがねじ込まれて締め付けられることにより、コイル押さえ5a,5bと折り返し部2b2,2c2が固定される。
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る静止誘導器100の効果について説明する。図3は図2のコイル、フランジ、コイル押さえ及び連結板を、図2のY軸方向から見た図である。図3では、図1に示す鉄心1、上部端枠4a、下部端枠4bの図示を省略している。
図3に示すように、コイル押さえ5aに隣接する折り返し部2b2のコイル押さえ5a側の面と、コイル押さえ5aに隣接する折り返し部2c2のコイル押さえ5a側の面とは、それぞれのZ軸方向の位置が等しい。また、これらの面と、コイル押さえ5aに隣接するコイル3のコイル押さえ5a側の面とは、それぞれのZ軸方向の位置が等しい。従って、折り返し部2b2,2c2を介して、コイル押さえ5aが張り出し部2b1,2c1に固定されることにより、コイル押さえ5aは、コイル3のコイル押さえ5a側の面と接する。すなわち、コイル押さえ5aは、コイル押さえ5aに隣接するコイル3の外周部と接している。なお、コイル押さえ5aとコイル3のコイル押さえ5a側の面との間に隙間がある場合、この隙間を埋めるための板状部材であるスペーサが設けられる。当該スペーサを設ける場合、コイル押さえ5aは、当該スペーサを介して、コイル押さえ5aに隣接するコイル3の外周部に配置される。
同様に、コイル押さえ5bに隣接する折り返し部2b2のコイル押さえ5b側の面と、コイル押さえ5bに隣接する折り返し部2c2のコイル押さえ5b側の面とは、それぞれのZ軸方向の位置が等しい。また、これらの面と、コイル押さえ5bに隣接するコイル3のコイル押さえ5b側の面とは、それぞれのZ軸方向の位置が等しい。従って、折り返し部2b2,2c2を介して、コイル押さえ5bが張り出し部2b1,2c1に固定されることにより、コイル押さえ5bは、コイル3のコイル押さえ5b側の面と接する。すなわち、コイル押さえ5bは、コイル押さえ5bに隣接するコイル3の外周部と接している。なお、コイル押さえ5bとコイル3のコイル押さえ5b側の面との間に隙間がある場合、この隙間を埋めるための板状部材であるスペーサが設けられる。当該スペーサを設ける場合、コイル押さえ5bは、当該スペーサを介して、コイル押さえ5bに隣接するコイル3の外周部に配置される。
このように構成された静止誘導器100では、短絡事故発生時にコイル3へ電磁機械力Fhが作用する。電磁機械力Fhは、コイル3の中心から外側へ向かう力である。コイル3の外周部が電磁機械力Fhによりアーチ状に変形し、コイル3が破損する場合がある。
特許文献1に開示される従来技術では、鉄心の外周部に設けられる上下部締金具へコイル押さえが固定される。そのため、短絡事故発生時に、コイルからコイル押さえへ押圧力が作用する部分から、上下部締金具へのコイル押さえの接続部までの距離が長い。特に、鉄心を構成する2つの鉄心ヨーク間の距離が広くなるほど、すなわち鉄心が大きくなるほど、当該距離が長くなる。そのためコイル押さえへの曲げモーメントが増加し、コイルの変形を抑制するためにはコイル押さえの板圧を厚くしなければならず、また上記接続部が変圧器の小型化の妨げになる。
本実施の形態に係る静止誘導器100では、鉄心保護枠2Aにコイル押さえ5a,5bが固定されている。そのため、短絡事故発生時にコイル3からコイル押さえ5a,5bへ押圧力が作用する部分から、鉄心保護枠2Aへのコイル押さえ5a,5bの接続部までの距離が短くなる。従って、コイル押さえ5a,5bの曲げモーメントが低下する。押圧力は、コイル3の外周部がコイル押さえ5a,5bをZ軸方向に押す力である。押圧力が作用する部分は、コイル押さえ5a,5bのコイル3側の面の内、コイル3と接する面である。またコイル押さえ5a,5bが上下部端枠に接続されていないため、鉄心1が大きくなり鉄心ヨーク1a,1b間の距離が長くなった場合でも、コイル押さえ5a,5bの曲げモーメントの増加を抑制できる。従って、コイル押さえ5a,5bの板圧を厚くすることなくコイル3の変形を抑制できる。
また特許文献1に開示される従来技術では、鉄心が大きくなるほどコイル押さえと上下部端枠との寸法が長くなり、上下部締金具へのコイル押さえの接続部が大型化する。この接続部の体積が増えるほど、静止誘導器の製作に用いる材料の使用量が増加し、静止誘導器の製造コスト及び重量が増加する。
本実施の形態に係る静止誘導器100では、鉄心1が大きくなり鉄心ヨーク1a,1b間の距離が長くなった場合でも、コイル押さえ5a,5bが上下部端枠に接続されていないため、コイル押さえ5a,5bのX軸方向の寸法を長くする必要がない。従って、鉄心1のX軸方向の幅が増加した場合でも、静止誘導器100の製造コスト及び重量の増加を最小限に抑えることができる。
また鉄心1が、アモルファス磁性薄帯を巻回して成形されたアモルファス鉄心である場合、アモルファス鉄心は応力に対して脆弱な素材であるため、アモルファス鉄心をコイル3の変形から保護する鉄心保護枠2A,2Bが必要になる。従って鉄心保護枠2A,2Bには、コイル3の変形に耐えうる機械的強度及び剛性を確保する必要があり、鉄心保護枠2A,2Bの体積が増加することによる静止誘導器100の重量の増加が不可避である。
本実施の形態に係る静止誘導器100では、フランジ2b,2cが筒状部2aの両端部の全周に渡って設けられているため、重量の増加を最小限に抑えながら鉄心保護枠2A,2Bの剛性を向上でき、アモルファス鉄心への応力の集中を抑制できる。
なお、一般的なコイルの製造工程では、巻型に巻線を巻き付け、複数の巻線の束であるコイルの完成後に巻型を引き抜くという工程が必要である。
本実施の形態では、鉄心保護枠2A,2Bをコイル3の巻型として利用できるため、巻型が不要になる。また本実施の形態では、鉄心保護枠2A,2Bに巻線を巻き付けることができるため、巻型の寸法に左右されずにコイル3を形成でき、コイル3の設計の自由度が向上する。
また一般的なコイルの製造工程では、コイルが巻き上がった後、専用の締付治具でコイルを締め付けて規定寸法に成形する工程が必要である。
本実施の形態では、図3に示すように、コイル押さえ5a,5bを、コイル3の締付治具として利用できるため、コイル3を締め付けるための専用治具が不要になる。
また特許文献1に開示される従来技術では、上下部締金具へコイル押さえが固定される。従って、上下部締金具及びコイルの仕上がり精度によっては、コイルとコイル押さえとの間に隙間が生じる場合がある。このような隙間が生じていると、短絡時にコイルがその隙間分変形し、また短絡時の電磁機械力によりコイルとコイル押さえとの相対位置のズレが発生する。そのため、コイルの変形を抑制できない場合がある。
本実施の形態に係る静止誘導器100では、鉄心保護枠2Aにコイル押さえ5a,5bが固定される。そのため、上下部締金具の仕上がり精度によってコイル3とコイル押さえ5a,5bとの間に隙間が生じるということがなく、コイル3の変形を抑制できる。
なお本実施の形態に係る静止誘導器100には、図3に示される締結部材12を設けてもよい。締結部材12は、コイル押さえ5a,5bをコイル3の締付治具として利用するための、長尺ボルトである。締結部材12のZ軸方向の長さは、コイル押さえ5aからコイル押さえ5bまでの幅よりも長い。締結部材12の一端は、コイル押さえ5aのコイル3側とは逆側の面よりもZ軸方向に伸びている。締結部材12の他端は、コイル押さえ5bのコイル3側とは逆側の面よりもZ軸方向に伸びている。そして、コイル押さえ5a,5bのそれぞれには、締結部材12の一端を挿入するための貫通孔が形成され、折り返し部2b2,2c2のそれぞれには、締結部材12の他端を挿入するための貫通孔が形成される。これらの貫通孔が互いに連通するように配置され、これらの貫通孔に締結部材12が挿入される。貫通孔に挿入された締結部材12の両端に、不図示のナットがねじ込まれて締め付けられることにより、コイル押さえ5a及びコイル押さえ5bからコイル3に向かう付勢力Bfが生じる。付勢力Bfにより、隣接するコイル3の外周部同士がZ軸方向に押される。すなわち、締結部材12及びコイル押さえ5a,5bは、コイル3の締付治具として利用される。なお、締結部材12によってコイル3が締め付けられた後、連結板10が鉄心保護枠2A,2Bに固定されることにより、コイル3の締付状態が維持される。従って、締結部材12は、コイル3の締め付けが完了した後に取り外してもよい。
以下では、本実施の形態に係る静止誘導器100の変形例について説明する。
図4は実施の形態の第1変形例に係る静止誘導器の斜視図である。図4では、左手系のXYZ座標において、実施の形態の第1変形例に係る静止誘導器100Aの上下方向をX軸方向とし、複数のコイル3の配列方向をZ軸方向とし、X軸方向とZ軸方向の両者に直交する方向をY軸方向とする。図5は図4に示す静止誘導器が備える鉄心、鉄心保護枠及びコイル押さえの斜視図である。図5では、図4に示す上部端枠4a及び下部端枠4bが省かれている。また図5では、図4に示す3つのコイル3の内、コイル押さえ5bに隣接するコイル3のみが示される。
図1に示す静止誘導器100では、2つの鉄心保護枠2Aと1つの鉄心保護枠2Bとが用いられる。これに対して図4に示す静止誘導器100Aでは、2つの鉄心保護枠2Aの代わりに、2つの鉄心保護枠2Bが用いられる。すなわち、図4に示す静止誘導器100Aでは、3つの鉄心保護枠2Bが用いられる。また、図4に示す静止誘導器100Aでは、コイル押さえ5aに2つの延伸部5a1が設けられ、コイル押さえ5bに2つの延伸部5b1が設けられる。なお、その他の構成については、図1に示す静止誘導器100の構成と同一又は同等であり、同一又は同等の構成部には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
3つの鉄心保護枠2Bのそれぞれは、筒状部2aと、筒状部2aのX軸方向の一端に設けられる張り出し部2b1と、筒状部2aのX軸方向の他端に設けられる張り出し部2c1とを備える。張り出し部2b1及び張り出し部2c1は、第1の張り出し部である。
コイル押さえ5aに設けられる2つの延伸部5a1の内、一方の延伸部5a1は、コイル押さえ5aのX軸方向の一端に設けられ、他方の延伸部5a1は、コイル押さえ5aのX軸方向の他端部に設けられる。2つの延伸部5a1のそれぞれは、第2の張り出し部である。
2つの延伸部5a1は、コイル押さえ5aのX軸方向の両端をZ軸方向に折り曲げて形成された部分である。2つの延伸部5a1は、コイル押さえ5aのX軸方向の両端から、張り出し部2b1,2c1が伸びる方向と平行な方向に伸びて、張り出し部2b1,2c1に固定される。なお、延伸部5a1の形成は折り曲げに限定されず、延伸部5a1は、コイル押さえ5aの先端に板状の部材の端部を突き合わせ、突き合わせ部に溶接を施すことでコイル押さえ5aに設けたものでもよい。また、延伸部5a1が伸びる方向は、延伸部5a1を張り出し部2b1,2c1に固定できれば、張り出し部2b1,2c1が伸びる方向と平行な方向に限定されず、延伸部5a1は、当該方向に対して傾斜していてもよい。
コイル押さえ5bに設けられる2つの延伸部5b1の内、一方の延伸部5b1は、コイル押さえ5bのX軸方向の一端に設けられ、他方の延伸部5b1は、コイル押さえ5bのX軸方向の他端部に設けられる。2つの延伸部5b1のそれぞれは、第2の張り出し部である。
2つの延伸部5b1は、コイル押さえ5bのX軸方向の両端をZ軸方向に折り曲げて形成された部分である。2つの延伸部5b1は、コイル押さえ5bのX軸方向の両端から、張り出し部2b1,2c1が伸びる方向と平行な方向に伸びて、張り出し部2b1,2c1に固定される。なお、延伸部5b1の形成は折り曲げに限定されず、延伸部5b1は、コイル押さえ5bの先端に板状の部材の端部を突き合わせ、突き合わせ部に溶接を施すことでコイル押さえ5bに設けたものでもよい。また、延伸部5b1が伸びる方向は、延伸部5b1を張り出し部2b1,2c1に固定できれば、張り出し部2b1,2c1が伸びる方向と平行な方向に限定されず、延伸部5b1は、当該方向に対して傾斜していてもよい。
次に、張り出し部2b1,2c1への延伸部5a1,5b1の固定方法を説明する。コイル押さえ5aに隣接する張り出し部2b1,2c1のX軸方向の端面には、延伸部5a1が対向して設けられる。またコイル押さえ5bに隣接する張り出し部2b1,2c1のX軸方向の端面には、延伸部5b1が対向して設けられる。
延伸部5a1,5b1は、不図示の締結部材により張り出し部2b1,2c1へ固定される。締結部材としては、ボルトとボルトにねじ込まれるナットとの組みでもよいし、リベットでもよい。締結部材がボルト及びナットの組みである場合、張り出し部2b1,2c1に形成されX軸方向に貫通する不図示の貫通孔と、延伸部5a1,5b1に形成されX軸方向に貫通する不図示の貫通孔とが連通するように配置され、これらの貫通孔にボルトが挿入される。貫通孔に挿入されたボルトにナットがねじ込まれて締め付けられることにより、延伸部5a1,5b1が張り出し部2b1,2c1に固定される。
次に、静止誘導器100Aの効果について説明する。静止誘導器100Aでは、コイル押さえ5a,5bが延伸部5a1,5b1を介して、張り出し部2b1,2c1に固定される。従って、静止誘導器100Aでは、フランジ2b,2cに折り返し部2b2,2c2を設ける必要がなく、同一形状の複数の鉄心保護枠2Bを利用できる。鉄心保護枠2Bの構造は、図2に示す鉄心保護枠2Aよりも簡素化される。従って、3つの鉄心保護枠2Bの製造に要する時間は、2つの鉄心保護枠2A及び1つの鉄心保護枠2Bの製造に要する時間より短縮される。また製造された鉄心保護枠2Bの品質の確認に要する時間が短縮される。
図6は実施の形態の第2変形例に係る静止誘導器の斜視図である。図6では、左手系のXYZ座標において、実施の形態の第2変形例に係る静止誘導器100Bの上下方向をX軸方向とし、複数のコイル3の配列方向をZ軸方向とし、X軸方向とZ軸方向の両者に直交する方向をY軸方向とする。図7は図6に示す静止誘導器が備える鉄心、鉄心保護枠及びコイル押さえの斜視図である。図7では、図6に示す上部端枠4a、下部端枠4b及びコイル押さえ5aが省かれている。また図7では、図6に示す3つのコイル3の内、コイル押さえ5bに隣接するコイル3のみが示される。
図6に示す静止誘導器100Bでは、図4に示す静止誘導器100Aと同様に、3つの鉄心保護枠2Bが用いられる。また静止誘導器100Bは、張り出し部2b1,2c1にコイル押さえ5a,5bを固定するための固定部材14を備える。なお、その他の構成については、図1に示す静止誘導器100の構成と同一又は同等であり、同一又は同等の構成部には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図6に示すように、コイル押さえ5aに隣接する張り出し部2b1,2c1のX軸方向の端面に固定部材14が設けられる。コイル押さえ5bに隣接する張り出し部2b1,2c1のX軸方向の端面にも、固定部材14が設けられる。固定部材14は、平坦な板材を折り曲げてL字状に形成された部材である。なお、固定部材14の形成は折り曲げに限定されず、固定部材14は、2つの板状の部材のそれぞれの端部同士を突き合わせ、突き合わせ部に溶接を施すことでL字状に形成したものでもよい。
固定部材14は、張り出し部2b1,2c1に固定される第1の固定部14aと、第2の固定部14bとを備える。第2の固定部14bは、第1の固定部14aの端部に設けられ、コイル押さえ5a,5bの延伸方向と平行に伸びて、コイル押さえ5a,5bに固定される。
次に、張り出し部2b1,2c1への固定部材14の固定方法を説明する。固定部材14の第1の固定部14aは、不図示の締結部材により張り出し部2b1,2c1へ固定される。締結部材としては、ボルトとボルトにねじ込まれるナットとの組みでもよいし、リベットでもよい。締結部材がボルト及びナットの組みである場合、第1の固定部14aに形成されX軸方向に貫通する不図示の貫通孔と、延伸部5a1,5b1に形成されX軸方向に貫通する不図示の貫通孔とが連通するように配置され、これらの貫通孔にボルトが挿入される。貫通孔に挿入されたボルトにナットがねじ込まれて締め付けられることにより、固定部材14の第1の固定部14aが張り出し部2b1,2c1に固定される。
次に、固定部材14へのコイル押さえ5a,5bの固定方法を説明する。コイル押さえ5a,5bは、不図示の締結部材により固定部材14の第2の固定部14bへ固定される。締結部材としては、ボルトとボルトにねじ込まれるナットとの組みでもよいし、リベットでもよい。締結部材がボルト及びナットの組みである場合、第2の固定部14bに形成されZ軸方向に貫通する不図示の貫通孔と、コイル押さえ5a,5bに形成されZ軸方向に貫通する不図示の貫通孔とが連通するように配置され、これらの貫通孔にボルトが挿入される。この状態で、ボルトにナットがねじ込まれて締め付けられることにより、コイル押さえ5a,5bが固定部材14の第2の固定部14bに固定される。
次に、静止誘導器100Bの効果について説明する。静止誘導器100Bでは、コイル押さえ5a,5bが第1の固定部14a及び第2の固定部14bを介して、張り出し部2b1,2c1に固定される。従って、静止誘導器100Bでは、静止誘導器100Aと同様に、フランジ2b,2cに折り返し部2b2,2c2を設ける必要がなく、同一形状の複数の鉄心保護枠2Bを利用できる。従って、3つの鉄心保護枠2Bの製造に要する時間は、2つの鉄心保護枠2A及び1つの鉄心保護枠2Bの製造に要する時間より短縮される。また製造された鉄心保護枠2Bの品質の確認に要する時間が短縮される。
また静止誘導器100Bでは、L字形状の固定部材14を利用して、板形状のコイル押さえ5a,5bを張り出し部2b1,2c1へ固定できる。そのため、図4に示す延伸部5a1,5b1をコイル押さえ5aに設ける必要がなく、コイル押さえ5aの製造に要する時間を短縮できる。なお固定部材14は、押出成形でL字状に折り曲げられる長尺の部材を切断することで容易に製造可能である。
図8は実施の形態の第3変形例に係る静止誘導器の斜視図である。図8では、左手系のXYZ座標において、実施の形態の第3変形例に係る静止誘導器100Cの上下方向をX軸方向とし、複数のコイル3の配列方向をZ軸方向とし、X軸方向とZ軸方向の両者に直交する方向をY軸方向とする。図9は図8に示す静止誘導器が備える鉄心、鉄心保護枠及びコイル押さえの斜視図である。図9では、図8に示す上部端枠4a、下部端枠4b、コイル押さえ5a、延伸部5a1及び折り返し部5a2が省かれている。また図9では、図8に示す3つのコイル3の内、コイル押さえ5bに隣接するコイル3のみが示される。
図1に示す静止誘導器100では、2つの鉄心保護枠2Aと1つの鉄心保護枠2Bとが用いられる。これに対して図8に示す静止誘導器100Cでは、2つの鉄心保護枠2Aの代わりに、2つの鉄心保護枠2Cが用いられる。また、静止誘導器100Cでは、コイル押さえ5aに2つの延伸部5a1が設けられ、2つの延伸部5a1のそれぞれに折り返し部5a2が設けられる。また、静止誘導器100Cでは、コイル押さえ5bに2つの延伸部5b1が設けられ、2つの延伸部5b1のそれぞれに折り返し部5b2が設けられる。なお、その他の構成については、図1に示す静止誘導器100の構成と同一又は同等であり、同一又は同等の構成部には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
2つの鉄心保護枠2Cのそれぞれは、筒状部2aと、フランジ2bと、フランジ2cとを備える。
フランジ2bは、張り出し部2b1と、張り出し部2b3とを備える。張り出し部2b3は、コイル押さえ5a,5bに隣接する筒状部2aを構成する4つの側板の内、コイル押さえ5a,5bと対向する側板をX軸方向に延伸した部分である。張り出し部2b3は、コイル押さえ5a,5bに隣接する筒状部2aのX軸方向の一端に設けられる。
フランジ2cは、張り出し部2c1と、張り出し部2c3とを備える。張り出し部2c3は、コイル押さえ5a,5bに隣接する筒状部2aを構成する4つの側板の内、コイル押さえ5a,5bと対向する側板をX軸方向に延伸した部分である。張り出し部2c3は、コイル押さえ5a,5bに隣接する筒状部2aのX軸方向の他端に設けられる。
張り出し部2b3,2c3は、筒状部2aから、筒状部2aが伸びる方向と平行な方向に伸びて筒状部2aの外側に張り出す。なお張り出し部2b3,2c3が伸びる方向は、折り返し部5a2,5b2を張り出し部2b3,2c3に固定できれば、筒状部2aが伸びる方向と平行な方向に限定されず、折り返し部5a2,5b2は、筒状部2aが伸びる方向に対して傾斜していてもよい。
コイル押さえ5aに設けられる2つの延伸部5a1の内、一方の延伸部5a1は、コイル押さえ5aのX軸方向の一端に設けられ、他方の延伸部5a1は、コイル押さえ5aのX軸方向の他端部に設けられる。
折り返し部5a2は、延伸部5a1のZ軸方向の先端をX軸方向に折り曲げて形成された部分である。なお、折り返し部5a2の形成は折り曲げに限定されず、板状の部材を延伸部5a1の先端に溶接して形成したものでもよい。折り返し部5a2は、延伸部5a1から、張り出し部2b3,2c3が伸びる方向と平行な方向に伸びて、張り出し部2b3,2c3に固定される。なお折り返し部5a2が伸びる方向は、張り出し部2b3,2c3が伸びる方向と平行な方向に限定されず、折り返し部5a2は、張り出し部2b3,2c3が伸びる方向に対して傾斜していてもよい。
コイル押さえ5bに設けられる2つの延伸部5b1の内、一方の延伸部5b1は、コイル押さえ5bのX軸方向の一端に設けられ、他方の延伸部5b1は、コイル押さえ5bのX軸方向の他端部に設けられる。
折り返し部5b2は、延伸部5b1のZ軸方向の先端をX軸方向に折り曲げて形成された部分である。なお、折り返し部5b2の形成は折り曲げに限定されず、板状の部材を延伸部5b1の先端に溶接して形成したものでもよい。折り返し部5b2は、延伸部5b1から、張り出し部2b3,2c3が伸びる方向と平行な方向に伸びて、張り出し部2b3,2c3に固定される。なお折り返し部5b2が伸びる方向は、張り出し部2b3,2c3が伸びる方向と平行な方向に限定されず、折り返し部5b2は、張り出し部2b3,2c3が伸びる方向に対して傾斜していてもよい。
次に、張り出し部2b3,2c3への折り返し部5a2,5b2の固定方法を説明する。張り出し部2b3,2c3のZ軸方向の端面には、折り返し部5a2,5b2が対向して設けられる。折り返し部5a2,5b2は、不図示の締結部材により張り出し部2b3,2c3へ固定される。締結部材としては、ボルトとボルトにねじ込まれるナットとの組みでもよいし、リベットでもよい。締結部材がボルト及びナットの組みである場合、折り返し部5a2,5b2に形成されZ軸方向に貫通する不図示の貫通孔と、張り出し部2b3,2c3に形成されZ軸方向に貫通する不図示の貫通孔とが連通するように配置され、これらの貫通孔にボルトが挿入される。貫通孔に挿入されたボルトにナットがねじ込まれて締め付けられることにより、折り返し部5a2,5b2が張り出し部2b3,2c3に固定される。
次に、静止誘導器100Cの効果について説明する。静止誘導器100Cでは、コイル押さえ5a,5bが延伸部5a1,5b1及び折り返し部5a2,5b2を介して、張り出し部2b3,2c3に固定される。これにより、短絡事故発生時にコイル3からコイル押さえ5a,5bへ押圧力が作用する部分から、張り出し部2b3,2c3への折り返し部5a2,5b2の接続部までの距離が短くなる。従って、コイル押さえ5a,5bの板圧を厚くすることなくコイル3の変形を抑制できる。なお、本実施の形態では、コイル押さえ5a,5bの折り返し部5a2,5b2が、張り出し部2b3,2c3を介して、筒状部2aに固定されるが、静止誘導器100Cは、コイル押さえ5a,5bが筒状部2aに直接固定されるように構成してもよい。すなわち、筒状部2aに直接コイル押さえ5a,5bの折り返し部5a2,5b2を固定してもよい。この構成により、張り出し部2b3,2c3の加工が不要になる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 鉄心、1a,1b 鉄心ヨーク、1c 鉄心脚、2,2A,2B,2C 鉄心保護枠、2a 筒状部、2b,2c フランジ、2b1,2b3,2c1,2c3 張り出し部、2b2,2c2,5a2,5b2 折り返し部、3 コイル、4a 上部端枠、4b 下部端枠、5a,5b コイル押さえ、5a1,5b1 延伸部、10 連結板、12 締結部材、14 固定部材、14a 第1の固定部、14b 第2の固定部、100,100A,100B,100C 静止誘導器。

Claims (7)

  1. 互いに離間して配置される第1の鉄心ヨークおよび第2の鉄心ヨークと、前記第1の鉄心ヨークと前記第2の鉄心ヨークとを磁気的に接続する、互いに離間して配置される第1の鉄心脚および第2の鉄心脚とを有する鉄心と、
    前記第1の鉄心脚の外周部に設けられる第1の筒状部を有する第1の鉄心保護枠と、
    前記第2の鉄心脚の外周部に設けられる第2の筒状部を有する第2の鉄心保護枠と、
    前記第1の筒状部の外周部に設けられる第1のコイルと、
    前記第2の筒状部の外周部に設けられる第2のコイルと、
    前記第1のコイルおよび前記第2のコイルを前記第1の鉄心脚および前記第2の鉄心脚が離間する方向である第1の方向に沿って挟むように設けられ、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの変形を防止するための平板状の第1のコイル押さえおよび平板状の第2のコイル押さえと、
    を備え
    前記第1のコイル押さえが前記第1のコイルに当接するように前記第1のコイル押さえの両端部は前記第1の鉄心保護枠における前記第1の筒状部が伸びる方向の両端部に固定され、
    前記第2のコイル押さえが前記第2のコイルに当接するように前記第2のコイル押さえの両端部は前記第2の鉄心保護枠における前記第2の筒状部が伸びる方向の両端部に固定される
    ことを特徴とする静止誘導器。
  2. 前記第1の鉄心保護枠は、前記第1の筒状部の両端部に設けられ、前記第1の筒状部の外側に張り出す第1の張り出し部と、前記第1の張り出し部の端部から、前記第1の筒状部が伸びる方向に伸びる第1の折り返し部とを備え、
    前記第2の鉄心保護枠は、前記第2の筒状部の両端部に設けられ、前記第2の筒状部の外側に張り出す第2の張り出し部と、前記第2の張り出し部の端部から、前記第2の筒状部が伸びる方向に伸びる第2の折り返し部とを備え、
    前記第1のコイル押さえの両端部は、前記第1の筒状部の前記両端部の一方に設けられる前記第1の折り返し部である第3のり返し部と、前記第1の筒状部の前記両端部の他方に設けられる前記第1の折り返し部である第4の折り返し部とに固定され、
    前記第2のコイル押さえの両端部は、前記第2の筒状部の前記両端部の一方に設けられる前記第2の折り返し部である第5の折り返し部と、前記第2の筒状部の前記両端部の他方に設けられる前記第2の折り返し部である第6の折り返し部とに固定されることを特徴とする請求項1に記載の静止誘導器。
  3. 前記第3の折り返し部の前記第1のコイル押さえに対向する面と、前記第4の折り返し部の前記第1のコイル押さえに対向する面と、前記第1のコイルの前記第1のコイル押さえに対向する面とは、前記第1の方向の位置が等しく、
    前記第5の折り返し部の前記第2のコイル押さえに対向する面と、前記第6の折り返し部の前記第2のコイル押さえに対向する面と、前記第2のコイルの前記第2のコイル押さえに対向する面とは、前記第1の方向の位置が等しいことを特徴とする請求項2に記載の静止誘導器。
  4. 前記第1の鉄心保護枠は、前記第1の筒状部の両端部に設けられ、前記第1の筒状部の外側に張り出す第1の張り出し部を備え、
    前記第2の鉄心保護枠は、前記第2の筒状部の両端部に設けられ、前記第2の筒状部の外側に張り出す第2の張り出し部を備え、
    前記第1のコイル押さえには、前記第1のコイル押さえの両端部に設けられ前記第1の張り出し部に向かって延伸する第1の延伸部が設けられ、
    前記第2のコイル押さえには、前記第2のコイル押さえの両端部に設けられ前記第2の張り出し部に向かって延伸する第2の延伸部が設けられ、
    前記第1のコイル押さえの前記第1の延伸部の各々が前記第1の鉄心保護枠の前記第1の張り出し部の各々に固定され、
    前記第2のコイル押さえの前記第2の延伸部の各々が前記第2の鉄心保護枠の前記第2の張り出し部の各々に固定されることを特徴とする請求項1に記載の静止誘導器。
  5. 前記第1の鉄心保護枠は、前記第1の筒状部の両端部に設けられ、前記第1の筒状部の外側に張り出す第1の張り出し部を備え、
    前記第2の鉄心保護枠は、前記第2の筒状部の両端部に設けられ、前記第2の筒状部の外側に張り出す第2の張り出し部を備え、
    前記第1の張り出し部に固定される第1の固定部と、
    前記第1の固定部の端部に設けられ、前記第1のコイル押さえの延伸方向と平行に伸びて、前記第1のコイル押さえに固定される第2の固定部と、
    前記第2の張り出し部に固定される第3の固定部と、
    前記第3の固定部の端部に設けられ、前記第2のコイル押さえの延伸方向と平行に伸びて、前記第2のコイル押さえに固定される第4の固定部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の静止誘導器。
  6. 前記第1の鉄心保護枠は、前記第1の筒状部の両端部に設けられ、前記第1の筒状部の外側に張り出す第1の張り出し部を備え、
    前記第2の鉄心保護枠は、前記第2の筒状部の両端部に設けられ、前記第2の筒状部の外側に張り出す第2の張り出し部を備え、
    前記第1のコイル押さえには、前記第1のコイル押さえの両端部に設けられ前記第1の張り出し部に向かって延伸する第1の延伸部が設けられ、
    前記第1の延伸部には、前記第1の延伸部の端部から前記第1の筒状部が伸びる方向に伸びて、前記第1の張り出し部に固定される第1の折り返し部が設けられ、
    前記第2のコイル押さえには、前記第2のコイル押さえの両端部に設けられ前記第2の張り出し部に向かって延伸する第2の延伸部が設けられ、
    前記第2の延伸部には、前記第2の延伸部の端部から前記第2の筒状部が伸びる方向に伸びて、前記第2の張り出し部に固定される第2の折り返し部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の静止誘導器。
  7. 前記第1の鉄心保護枠と前記第2の鉄心保護枠とを締結する締結部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の静止誘導器。
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