JP6758242B2 - インバータ制御装置 - Google Patents

インバータ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6758242B2
JP6758242B2 JP2017082771A JP2017082771A JP6758242B2 JP 6758242 B2 JP6758242 B2 JP 6758242B2 JP 2017082771 A JP2017082771 A JP 2017082771A JP 2017082771 A JP2017082771 A JP 2017082771A JP 6758242 B2 JP6758242 B2 JP 6758242B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inverter
phase
voltage
correction amount
correction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017082771A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018182973A (ja
Inventor
亨 平田
亨 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2017082771A priority Critical patent/JP6758242B2/ja
Publication of JP2018182973A publication Critical patent/JP2018182973A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6758242B2 publication Critical patent/JP6758242B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Inverter Devices (AREA)

Description

本発明は、並列運転を行うインバータを制御するインバータ制御装置に関する。
並列運転を行う複数のインバータを備えるインバータシステムにおいて、複数のインバータの出力電圧の位相同期に用いられる位相同期信号の引き通し線が設けられていないことがある。該インバータシステムにおいて、インバータの運転中に他のインバータの負荷母線への投入が指示されることがある。この場合、該他のインバータの出力電圧と負荷母線の電圧との位相同期が、PLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)によって確立された後に、該他のインバータが負荷母線に投入される。インバータシステムは、複数のインバータが並列運転を行っている間は、インバータの出力電圧と出力電流から算出される有効電流の垂下特性に応じてインバータの周波数を調節することで、インバータ間の横流電流の発生を抑制する。
特許文献1に開示されるインバータの並列運転装置は、待機インバータの出力電圧と負荷母線の電圧とを導入して同期を検出する同期検出器を有し、同期確立後にインバータを負荷母線に投入する。
実開平1−157586号公報
並列運転を行う複数のインバータを備えるインバータシステムをアナログ回路で実現する場合、周囲の温度または経年によって制御回路の特性が変化する。制御回路の特性の変化によって、PLLの同期処理の性能が劣化することがある。また制御回路の特性の変化によって、インバータの有効電流の垂下特性に応じてインバータの周波数を調節する、周波数調節回路の性能が劣化することがある。制御回路の特性の変化を抑制するためにインバータシステムをデジタル回路で実現する場合、PLLの演算周期および周波数調節回路の演算周期と、A−D(Analogue-to-Digital)変換器のサンプリング周期とを一致させる必要がある。そのため、インバータの出力電圧と負荷母線の電圧との位相差が微小であると、母線負荷の電圧の位相変化に対して、インバータの出力電圧の位相が十分に追従しないことがある。またインバータの出力電圧と負荷母線の電圧との位相同期処理の精度を向上させるためには、PLLの演算周期および周波数調節回路の演算周期を短くするとともに、A−D変換器のサンプリング周期を短くしなければならない。そのため、インバータシステムの構造が複雑化し、製造コストが増大することがある。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、構造を複雑化することなく、インバータの出力電圧と負荷母線の電圧との位相同期処理の精度を向上させることが目的である。
上記目的を達成するため、本発明に係るインバータ制御装置は、母線用スイッチを介して負荷母線に接続され、母線用スイッチおよび負荷母線を介して負荷に交流電力を供給するインバータを制御するインバータ制御装置であって、A−D変換器、第1の補正量算出部、角速度算出部、積分器、指令生成部、制御部、およびスイッチ切替部を備える。A−D変換器は、負荷母線の電圧を取得し、サンプリング周期に応じて負荷母線の電圧をデジタル値である電圧データに変換する。第1の補正量算出部は、電圧データとインバータの出力電圧との位相差に応じて、出力電圧の角速度の補正に用いられる第1の補正量を算出する。角速度算出部は、第1の補正量に応じて、補正後の角速度を算出する。積分器は、サンプリング周期より短い周期で補正後の角速度を積分して位相角を算出する。指令生成部は、位相角に応じてインバータに対する電圧指令を生成する。制御部は、電圧指令に応じた制御信号をインバータに出力する。スイッチ切替部は、電圧データと出力電圧との位相差が閾値以下である場合に、母線用スイッチを投入することで、インバータを負荷母線に投入する。
本発明によれば、A−D変換器のサンプリング周期より短い周期で角速度を積分し、インバータに対する電圧指令の生成に用いられる位相角を算出することで、構造を複雑化することなく、インバータの出力電圧と負荷母線の電圧との位相同期処理の精度を向上させることが可能である。
本発明の実施の形態1に係るインバータシステムの例を示すブロック図 鉄道車両に搭載される実施の形態1に係るインバータシステムの例を示すブロック図 実施の形態1に係るインバータ制御装置の構成例を示すブロック図 実施の形態1に係るインバータ制御装置の他の構成例を示すブロック図 実施の形態1におけるインバータの出力電圧の例を示す図 実施の形態1における電圧データと位相角の例を示す図 本発明の実施の形態2に係るインバータ制御装置の構成例を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係るインバータ制御装置の構成例を示すブロック図 実施の形態3における位相角と搬送波の例を示す図 実施の形態3における位相角と搬送波の例を示す図 実施の形態3に係るインバータ制御装置の他の構成例を示すブロック図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るインバータシステムの例を示すブロック図である。インバータシステム1は、インバータ30a,30b、インバータ30aを制御するインバータ制御装置10aおよびインバータ30bを制御するインバータ制御装置10bを備える。図1の例では、インバータシステム1が有するインバータの数は2つであるが、インバータシステム1は、任意の数のインバータ、およびインバータごとに設けられるインバータ制御装置を備えることができる。図1の例では、インバータ30a,30bの出力は三相交流である。インバータ30aは母線用スイッチ3aを介して負荷母線4のU相、V相、W相のそれぞれに接続される。インバータ30bは、母線用スイッチ3bを介して負荷母線4のU相、V相、W相のそれぞれに接続される。
負荷母線4には、負荷2a,2bが接続されている。インバータ30aは母線用スイッチ3aおよび負荷母線4を介して負荷2aに交流電力を供給する。インバータ30bは母線用スイッチ3bおよび負荷母線4を介して負荷2bに交流電力を供給する。インバータ制御装置10a,10bはそれぞれ、負荷母線4の電圧を取得し、負荷母線4の電圧とインバータ30a,30bの出力電圧との位相同期を確立してから、インバータ30a,30bを負荷母線4に投入する。負荷母線4の電圧とインバータ30a,30bの出力電圧との位相同期を確立してから、インバータ30a,30bを負荷母線4に投入することで、インバータ30a,30bの間の横流電流の発生を抑制することが可能である。
図2は、鉄道車両に搭載される実施の形態1に係るインバータシステムの例を示すブロック図である。インバータ30a,30bの入力側の正極端子は、遮断器7およびリアクトル8を介して集電装置6に接続される。インバータ30a,30bの入力側の負極端子は接地される。架線5から集電装置6を介して取得された電力は、遮断器7およびリアクトル8を介してインバータシステム1に供給される。インバータシステム1が鉄道車両に搭載される場合、インバータ30a,30bは補助電源装置として動作する。負荷2a,2bは、例えば、空調機器および照明機器などである。例えば、インバータ30aと負荷2aが1号車に搭載され、インバータ30bと負荷2bが2号車に搭載される。
インバータシステム1において、例えば、母線用スイッチ3bが投入され、インバータ30bが運転中である場合に、インバータ30aが負荷母線4に投入され、インバータ30a,30bが並列運転することがある。インバータ30aを負荷母線4に投入する前に、インバータ制御装置10aは、インバータ30aの出力電圧と負荷母線4の電圧との位相同期を確立する。インバータ30aの出力電圧と負荷母線4の電圧との位相同期を確立することで、インバータ30a,30bの間の横流電流の発生を抑制することが可能である。インバータ制御装置10a,10bの構造は同じであるから、インバータ制御装置10aについて説明する。
図3は、実施の形態1に係るインバータ制御装置の構成例を示すブロック図である。インバータ制御装置10aは、負荷母線4の電圧をデジタル値である電圧データに変換するA−D(Analogue-to-Digital)変換器11、および電圧データと後述する基準データ出力部15が出力する基準データとの位相差に応じて、インバータ30aの出力電圧の角速度の補正に用いられる第1の補正量を算出する第1の補正量算出部12を備える。第1の補正量算出部12は、電圧データに基準データを乗算し、乗算結果を出力する位相比較器121、ループフィルタ122、およびループフィルタ122の出力から第1の補正量を算出する第1の増幅器123を備える。
インバータ制御装置10aはさらに、第1の補正量に応じて補正後の角速度を算出する角速度算出部13、A−D変換器11のサンプリング周期より短い周期で補正後の角速度を積分して位相角を算出する積分器14、および位相角に応じてインバータ30aの出力電圧に相当するデジタル値を出力する基準データ出力部15を備える。角速度算出部13、積分器14および基準データ出力部15が協働してVCO(Voltagge-Controlled Oscillator:電圧制御発振器)として動作する。第1の補正量算出部12と、VCOとして動作する角速度算出部13、積分器14、および基準データ出力部15とで、PLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)を形成する。
インバータ制御装置10aはさらに、位相角に応じてインバータ30aに対する電圧指令を生成する指令生成部16、および電圧指令に応じた制御信号をインバータ30aに出力する制御部17を備える。インバータ制御装置10aはさらに、ループフィルタ122の出力、すなわち電圧データと基準データとの位相差に応じて母線用スイッチ3aの投入および開放を切り替えるスイッチ切替部18を備える。
インバータ制御装置10aの各部について説明する。A−D変換器11は、例えば、負荷母線4のU相電圧を取得し、U相電圧をA−D変換して電圧データを生成する。なおA−D変換器11は、U相電圧の代わりに、V相電圧またはW相電圧を取得してもよい。基準データ出力部15は、積分器14が算出した位相角に応じてインバータ30aの出力電圧に相当するデジタル値を出力するデジタル値である基準データを出力する。負荷母線4のU相電圧が正弦波である場合、基準データは、位相角に対応した余弦の値である。
位相比較器121は、電圧データに基準データを乗算した結果をループフィルタ122に出力する。乗算結果は、電圧データと基準データの周波数の差の成分と和の成分を含む。ループフィルタ122は、乗算結果の高調波成分、すなわち電圧データと基準データの周波数の和の成分を除去し、電圧データと基準データとの位相差を出力する。ループフィルタ122の出力は、負荷母線4の電圧とインバータ30aの出力電圧との位相差に相当する。例えば、ループフィルタ122の出力は、負荷母線4のU相電圧とインバータ30aの出力のU相電圧との位相差に相当する。第1の増幅器123は、ループフィルタ122の出力にPLLゲインを乗算することで、初期角速度からの補正量である第1の補正量を算出する。初期角速度は、インバータ30aの角速度の初期値であり、インバータ30aの定格周波数に応じた角速度である。初期角速度は、例えば、インバータの定格周波数より0.5Hz程度大きい値、すなわち50.5Hzまたは60.5Hzに対応する角速度である。
角速度算出部13は、第1の増幅器123が出力する第1の補正量に初期角速度を加算することで、補正後の角速度を算出する。積分器14は、A−D変換器11のサンプリング周期より短い周期で補正後の角速度を積分して位相角を算出する。積分器14の演算周期は、例えばサンプリング周期の1/16である。A−D変換器11のサンプリング周期が例えば10μ秒である場合、積分器14の積分の周期が0.625μ秒である。指令生成部16は、位相角に応じてインバータ30aに対する電圧指令を生成する。例えば、指令生成部16は、積分器14が出力するU相の位相角に応じて、インバータ30aに対するU相、V相、W相の電圧指令を生成する。制御部17は、インバータ30aが有するスイッチング素子のオンオフを切り替える制御信号をインバータ30aに送る。スイッチ切替部18は、電圧データと基準データとの位相差が閾値以下である場合に、母線用スイッチ3aを投入することで、インバータ30aを負荷母線4に投入する。閾値を十分に小さい値に設定することで、インバータ30aの出力電圧と負荷母線4の電圧との位相同期を確立してから、インバータ30aを負荷母線4に投入することが可能となる。
上述の構成により、インバータ制御装置10aは、インバータ30aの出力電圧と負荷母線4の電圧との位相同期を確立してから、インバータ30aを負荷母線4に投入することが可能である。積分器14の積分周期をA−D変換器11のサンプリング周期より短くすることで、インバータ30aの出力電圧と負荷母線4の電圧との位相差が微小な場合であっても、インバータ30aの出力電圧の位相を、負荷母線4の電圧の位相に追従させることが可能である。積分器14の演算周期のみを短くすればよく、A−D変換器11のサンプリング周期は固定でよいため、構造を複雑化することなく、インバータの出力電圧と負荷母線4の電圧との位相同期処理の精度を向上させることが可能である。
図4は、実施の形態1に係るインバータ制御装置の他の構成例を示すブロック図である。図4に示すインバータ制御装置10aは、図3の構成に加え、インバータ30aの出力電流の有効電流と有効電流垂下特性とに応じて、インバータ30aの出力電圧の角速度の補正に用いられる第2の補正量を算出する第2の補正量算出部19、ならびに、第1の補正量および第2の補正量が入力され、第1の補正量および第2の補正量のいずれかを出力する補正用スイッチ20をさらに備える。第2の補正量算出部19は、インバータ30aの出力電圧および出力電流から有効電流を算出する有効電流算出部191、ならびに有効電流の垂下特性に応じたゲインである垂下特性ゲインを有効電流に乗算することで第2の補正量を算出する第2の増幅器192を備える。
有効電流算出部191は、インバータ30aの出力電圧および出力電流を取得し、出力電圧および出力電流から有効電流を算出する。有効電流算出部191は、A−D変換器11のサンプリング周期と同じ周期で動作し、インバータ30aの出力電圧および出力電流から、デジタル値である有効電流を算出する。第2の増幅器192は、有効電流に垂下特性ゲインを乗算することで、初期角速度からの変化量を示す第2の補正量を算出する。スイッチ切替部18は、ループフィルタ122の出力、すなわち電圧データと基準データとの位相差に応じて母線用スイッチ3aおよび補正用スイッチ20の投入および開放を切り替える。
図5は、実施の形態1におけるインバータの出力電圧の例を示す図である。インバータ30bの運転中に、時刻T1において、インバータ30aの投入が指示される。時刻T1において母線用スイッチ3aは開放された状態である。時刻T1において、インバータ制御装置10aは、インバータ30aの出力電圧と負荷母線4の電圧との位相同期処理を開始する。その後、時刻T2において、インバータ30aの出力電圧と負荷母線4の電圧との位相同期が確立すると、インバータ制御装置10aが母線用スイッチ3aを投入し、インバータ30aが負荷母線4に投入される。図5のように、位相同期処理中は、インバータ30aの出力電圧の振幅はランプ関数で示されるように増大する。
図4に示すインバータ制御装置10aを用いて、母線用スイッチ3aが開放された状態で、インバータ30aの投入が指示された場合に、インバータ制御装置10aが行う、インバータ30aの出力電圧と負荷母線4の電圧との位相同期処理について説明する。母線用スイッチ3aが開放されている間は、スイッチ切替部18は、補正用スイッチ20を制御して補正用スイッチ20に第1の補正量を出力させる。A−D変換器11は、U相電圧を取得し、サンプリング周期に応じてU相電圧のA−D変換を行って、電圧データを生成する。
位相比較器121は、電圧データに基準データを乗算し、乗算結果を出力する。ループフィルタ122は、乗算結果の高調波成分を除去し、電圧データと基準データとの位相差を出力する。第1の増幅器123は、電圧データと基準データとの位相差に定められたPLLゲインを乗算することで第1の補正量を算出する。補正用スイッチ20は第1の補正量を出力する。角速度算出部13は、補正用スイッチ20が出力する第1の補正量に初期角速度を加算することで、補正後の角速度を算出する。積分器14は、A−D変換器11のサンプリング周期より短い周期で補正後の角速度を積分して位相角を算出する。積分器14は、位相角を基準データ出力部15および指令生成部16に送る。基準データ出力部15は、位相角に応じた基準データを出力する。
指令生成部16は、位相角に応じて、インバータ30aに対する電圧指令を生成する。実施の形態1においては、指令生成部16は、位相角に応じて、U相電圧指令、V相電圧指令、およびW相電圧指令を生成する。指令生成部16は、位相角、およびインバータ30aの定格電圧が示す振幅または電圧データが示す負荷母線4の電圧の振幅に応じて、電圧指令を生成してもよい。制御部17は、電圧指令に応じて、インバータ30aが有するスイッチング素子のオンオフを切り替える制御信号を生成し、インバータ30aに出力する。
スイッチ切替部18は、ループフィルタ122が出力する位相差が閾値以下である場合に、母線用スイッチ3aを投入し、補正用スイッチ20を制御して補正用スイッチ20に第2の補正量を出力させる。これにより、インバータ30aが負荷母線4に投入され、後述する、インバータ30aの有効電流の垂下特性に応じたインバータ30aの周波数調節処理が開始される。スイッチ切替部18は、ループフィルタ122が出力する位相差が閾値以下であり、かつ、負荷母線4の電圧の振幅とインバータ30aの出力電圧の振幅との比が閾値以下である場合に、母線用スイッチ3aの投入および補正用スイッチ20の切替を行ってもよい。閾値は、負荷母線4の電圧とインバータ30aの出力電圧との位相同期処理に求められる精度に応じて定めることができる。
インバータ30aが負荷母線4に投入された後における、インバータ30aの有効電流の垂下特性に応じたインバータ30aの周波数の調節について説明する。有効電流算出部191は、インバータ30aの出力電圧および出力電流から有効電流を算出する。第2の増幅器192は、有効電流に垂下特性ゲインを乗算することで、第2の補正量を算出する。補正用スイッチ20は第2の補正量を出力する。後続の処理は、上述の位相同期処理の場合と同じである。垂下特性ゲインをマイナスゲインとすることで、有効電流が増加した場合にインバータ30aの周波数を低下させることができる。
図6は、実施の形態1における電圧データと位相角の例を示す図である。A−D変換器11におけるサンプリング周期がC1である。積分器14は、C1よりも短い周期C2で角速度を積分し、位相角を算出する。積分器14がC1よりも短い周期C2で角速度を積分することで、負荷母線4の電圧の位相に対する、インバータ30a,30bの出力電圧の位相の追従性を向上させることができる。すなわち、インバータ30a,30bの出力電圧と負荷母線4の電圧との位相同期処理の精度が向上する。また積分器14の演算周期のみを短縮するため、A−D変換器11として、サンプリング周期が可変であるA−D変換器を用いる必要がなく、構造の複雑化を避けることができ、製造コストの増大を抑制することが可能である。
図4に示すインバータ制御装置10a,10bにおいては、母線用スイッチ3a,3bの投入にあわせて、補正用スイッチ20が切り替わるため、位相角の連続性が担保される。またインバータ30a,30bを負荷母線4に投入する前の位相同期処理と、インバータ30a,30bを負荷母線4に投入した後の周波数調節処理とで、位相角の算出に用いる積分器14を共用することで、インバータ制御装置10a,10bの構造を簡易化することが可能である。
以上説明したとおり、本実施の形態1に係るインバータ制御装置10a,10bによれば、A−D変換器11のサンプリング周期より短い周期で、積分器14が角速度を積分して位相角を算出することで、構造を複雑化することなく、インバータ30a,30bの出力電圧と負荷母線4の電圧との位相同期処理の精度を向上させることが可能である。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係るインバータ制御装置の構成例を示すブロック図である。実施の形態2に係るインバータ制御装置10a,10bは、図4に示すインバータ制御装置10a,10bの構成に加えて、位相補正部21をさらに備える。位相補正部21は、積分器14が出力する位相角に定められた位相補正量を加算することで、位相角を補正する。指令生成部16は、補正された位相角に応じて電圧指令を生成する。位相補正部21は、例えば、インバータ制御装置10a,10bの制御回路およびインバータ30a,30bの主回路で生じ得る位相の遅れに応じて、位相角をすすめる補正を行う。これにより、制御回路および主回路での位相の遅れが生じても、インバータ30a,30bの出力電圧と負荷母線4の電圧との位相差が生じない。そのため、インバータ30a,30bの間の横流電流の発生を抑制することが可能である。
以上説明したとおり、本発明の実施の形態2に係るインバータ制御装置10a,10bによれば、例えば制御回路および主回路で生じ得る位相の遅れに応じて位相角を補正することで、インバータ30a,30bの間の横流電流の発生を抑制することが可能である。
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3に係るインバータ制御装置の構成例を示すブロック図である。実施の形態3に係るインバータ制御装置10a,10bは、図4に示すインバータ制御装置10a,10bの構成に加えて、位相角に応じて、制御部17での制御信号の生成に用いられるPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)方式の搬送波を生成する搬送波生成部22をさらに備える。搬送波生成部22は、角速度に応じた分周比を出力する分周比出力部221、図示しない水晶発振器からの基準信号を分周して搬送波用クロックを生成する分周器222、位相角が0度になるタイミングを検出する位相角検出部223、ならびに、位相角が0になるタイミングおよび搬送波用クロックに応じて搬送波を生成する搬送波同期部224を備える。
分周比出力部221は、角速度に応じた分周比を出力する。分周比は、搬送波の周期が、位相角の変動周期を自然数で除算した値になるように、水晶発振器の発振周波数に基づき、角速度に応じて定められている。分周器222は、水晶発振器からの基準信号を分周して搬送波用クロックを生成する。位相角検出部223は、位相角が0度になるタイミングを検出し、搬送波同期部224に通知する。搬送波同期部224は、搬送波用クロックに応じて、位相角が0度になるタイミングの位相が初期位相であり、初期位相は0度である搬送波を生成する。上記の構成により、搬送波生成部22は、位相角が0度になるタイミングの位相が0度であって、周期が、位相角の変動周期を自然数で除算した値である搬送波を生成する。搬送波生成部22は、搬送波を制御部17に送る。制御部17は指令生成部16が生成した電圧指令および搬送波生成部22が生成した搬送波に基づいて制御信号を生成し、インバータ30a,30bに制御信号を出力する。
図9および図10は、実施の形態3における位相角と搬送波の例を示す図である。図9において、位相角が0度になるタイミングで搬送波の位相が0度である。搬送波の周期は、位相角の変動周期C3を自然数で除算した値である。図9の例では、搬送波の周期は、位相角の変動周期C3を6で除算した値である。図10においても同様に、位相角が0度になるタイミングで搬送波の位相が0度である。搬送波の周期は、位相角の変動周期C4を自然数で除算した値である。図10の例では、搬送波の周期は、位相角の変動周期C4を6で除算した値である。分周器222が、角速度に応じて定められた分周比で水晶発振器からの基準信号を分周して搬送波用クロックを生成するため、インバータ30a,30bの出力電圧と搬送波との同期をとることが可能である。
搬送波生成部22を設けることで、インバータ30a,30bの出力電圧と搬送波とが同期するため、インバータ30a,30bの帰線電流に非理論高調波が重畳されない。そのため、非理論高調波が重畳されることによるATC(Automatic Train Control:自動列車制御装置)およびATS(Automatic Train Stop:自動列車停止装置)などの保安装置が使用する信号波が妨害される誘導障害の発生を抑制することが可能である。
図11は、実施の形態3に係るインバータ制御装置の他の構成例を示すブロック図である。図11に示すインバータ制御装置10a,10bは、図7に示すインバータ制御装置10a,10bの構成に加えて、上述の搬送波生成部22を備える。搬送波生成部22の動作は上述の通りである。ただし位相角検出部223は、位相補正部21が出力する補正された位相角が0度になるタイミングを検出する。
以上説明したとおり、本発明の実施の形態3に係るインバータ制御装置10a,10bによれば、インバータ30a,30bの出力電圧と同期した搬送波に基づく制御信号を用いることで、誘導障害の発生を抑制することが可能である。
本発明の実施の形態は上述の実施の形態に限られない。インバータ30a,30bの出力は単相交流でもよい。
1 インバータシステム、2a,2b 負荷、3a,3b 母線用スイッチ、4 負荷母線、5 架線、6 集電装置、7 遮断器、8 リアクトル、10a,10b インバータ制御装置、11 A−D変換器、12 第1の補正量算出部、13 角速度算出部、14 積分器、15 基準データ出力部、16 指令生成部、17 制御部、18 スイッチ切替部、19 第2の補正量算出部、20 補正用スイッチ、21 位相補正部、22 搬送波生成部、30a,30b インバータ、121 位相比較器、122 ループフィルタ、123 第1の増幅器、191 有効電流算出部、192 第2の増幅器、221 分周比出力部、222 分周器、223 位相角検出部、224 搬送波同期部。

Claims (5)

  1. 母線用スイッチを介して負荷母線に接続され、前記母線用スイッチおよび前記負荷母線を介して負荷に交流電力を供給するインバータを制御するインバータ制御装置であって、
    前記負荷母線の電圧を取得し、サンプリング周期に応じて前記負荷母線の電圧をデジタル値である電圧データに変換するA−D変換器と、
    前記電圧データと前記インバータの出力電圧との位相差に応じて、前記出力電圧の角速度の補正に用いられる第1の補正量を算出する第1の補正量算出部と、
    前記第1の補正量に応じて、補正後の前記角速度を算出する角速度算出部と、
    前記サンプリング周期より短い周期で前記補正後の角速度を積分して位相角を算出する積分器と、
    前記位相角に応じて前記インバータに対する電圧指令を生成する指令生成部と、
    前記電圧指令に応じた制御信号を前記インバータに出力する制御部と、
    前記電圧データと前記出力電圧との位相差が閾値以下である場合に、前記母線用スイッチを投入することで、前記インバータを前記負荷母線に投入するスイッチ切替部と、
    を備えるインバータ制御装置。
  2. 前記出力電圧および前記インバータの出力電流を取得し、前記出力電圧および前記出力電流から算出される有効電流と、有効電流垂下特性とに応じて、前記出力電圧の角速度の補正に用いられる第2の補正量を算出する第2の補正量算出部と、
    前記第1の補正量および前記第2の補正量が入力され、前記第1の補正量および前記第2の補正量のいずれかを出力する補正用スイッチと、
    をさらに備え、
    前記角速度算出部は、前記補正用スイッチが出力する前記第1の補正量および前記第2の補正量のいずれかに応じて、前記補正後の角速度を算出し、
    前記スイッチ切替部は、前記電圧データと前記出力電圧との位相差が前記閾値以下である場合に、前記母線用スイッチを投入し、前記補正用スイッチを制御して前記補正用スイッチに前記第2の補正量を出力させる、
    請求項1に記載のインバータ制御装置。
  3. 前記位相角に定められた位相補正量を加算することで、前記位相角を補正する位相補正部をさらに備え、
    前記指令生成部は、前記位相補正部で補正された前記位相角に応じて前記電圧指令を生成する、
    請求項1または2に記載のインバータ制御装置。
  4. 前記位相角が0になるタイミングの位相が初期位相であって、前記初期位相の値は0であり、周期が、前記位相角の変動周期を自然数で除算した値である、パルス幅変調方式の搬送波を生成する搬送波生成部をさらに備え、
    前記制御部は、前記搬送波に基づき生成される前記制御信号を出力する、
    請求項1または2に記載のインバータ制御装置。
  5. 前記位相補正部で補正された前記位相角が0になるタイミングの位相が初期位相であって、前記初期位相の値は0であり、周期が、前記位相補正部で補正された位相角の変動周期を自然数で除算した値である、パルス幅変調方式の搬送波を生成する搬送波生成部をさらに備え、
    前記制御部は、前記搬送波に基づき生成される前記制御信号を出力する、
    請求項3に記載のインバータ制御装置。
JP2017082771A 2017-04-19 2017-04-19 インバータ制御装置 Active JP6758242B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017082771A JP6758242B2 (ja) 2017-04-19 2017-04-19 インバータ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017082771A JP6758242B2 (ja) 2017-04-19 2017-04-19 インバータ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018182973A JP2018182973A (ja) 2018-11-15
JP6758242B2 true JP6758242B2 (ja) 2020-09-23

Family

ID=64277175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017082771A Active JP6758242B2 (ja) 2017-04-19 2017-04-19 インバータ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6758242B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5959083A (ja) * 1982-09-28 1984-04-04 Toshiba Corp 自励式電力変換装置の起動方式
JP5600016B2 (ja) * 2010-03-08 2014-10-01 オリジン電気株式会社 自動同期並列装置
JP6279416B2 (ja) * 2014-06-16 2018-02-14 三菱電機株式会社 電力変換装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018182973A (ja) 2018-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5184153B2 (ja) 単相電圧型交直変換装置及び単相電圧型交直変換回路の制御方法
JP4664836B2 (ja) 三相電圧型交直変換装置
EP1921740B1 (en) Power converter control
JP6744477B2 (ja) 無停電電源装置および無停電電源装置の試験方法
JP2009124836A (ja) 無停電電源システムの制御装置
JP2009290993A (ja) 単相電圧型交直変換装置
US11329593B2 (en) Power conversion device and rotating machine drive system
JPH08126228A (ja) 電源装置
JP2004201440A (ja) パルス幅変調方法とその装置及び電力変換方法と電力変換器
JP4591710B2 (ja) 交流電源装置
JP6758242B2 (ja) インバータ制御装置
JP4777913B2 (ja) 三相電圧型交直変換装置
JPH08154348A (ja) 電力変換装置の同期制御方式
JP6041250B2 (ja) 系統連系装置
JP5616411B2 (ja) 単相電圧型交直変換装置
WO2014050759A1 (ja) 単相電圧型交直変換装置
JP5616412B2 (ja) 単相電圧型交直変換装置
JP3110898B2 (ja) インバータ装置
WO2023112222A1 (ja) 電力変換装置及び電力変換装置の制御方法
WO2021156923A1 (ja) 電力変換器の制御システム
JP3142029B2 (ja) 分散配置型電源設備における逆充電検出回路
JP2626274B2 (ja) インバータ
WO2014050758A1 (ja) 単相電圧型交直変換装置
JP6985787B2 (ja) 電力変換装置とバイパス用遮断器の投入方法
JP5497941B2 (ja) 分散電源用インバータ及び分散電源用インバータの制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190904

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200901

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6758242

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250