JP6985787B2 - 電力変換装置とバイパス用遮断器の投入方法 - Google Patents
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Description
また、大きな慣性エネルギーを有している電動機が停電となったとき、電動機端子に誘起される電圧の周波数と略同じ電圧の周波数をインバータで発生させてフリーランさせる技術が特許文献3,4に記載されている。
時刻t3で系統連系スイッチを投入したとき同期電動機の誘起電圧の位相差と系統電圧との位相差が存在している場合があり、高速スイッチ4に過電流が流れて高速スイッチ4が故障する虞がある。
前記PCS出力電圧と系統電源電圧の位相差θを検出する位相差算出部と、
前記PCSの直流電圧と予め設定された設定値を比較して当該直流電圧が設定値以下となったとき比較信号を出力する電圧変化検出部と、
前記PCSの出力周波数に対し単位時間当たりの周波数変化量を算出する周波数変化量算出部と、
前記位相差算出部により算出された系統電源電圧とPCS出力電圧との位相差θと前記周波数変化量から前記バイパス用遮断器の閉路時刻を算出し、当該算出された閉路時刻からバイパス用遮断器の投入遅れ時間を差引いて得られた時刻において、バイパス用遮断器への投入指令を出す時間を決めるための系統電源電圧との位相差△θを算出する投入位相差算出部と、
前記PCSの出力周波数と、周波数変化量算出部および投入位相差算出部の各算出結果をホールドするホールド部と、
投入位相差算出部により得られた位相差△θと、前記系統電源電圧とPCS出力電圧との位相差θと、を比較し、|位相差θ−位相差△θ|≦所定値の場合に前記バイパス用遮断器の投入指令を出力する位相差判定部と、
を有するものである。
制御回路は、
前記PCS出力電圧と系統電源電圧の位相差θを検出する位相差算出部と、
前記PCSの直流電圧と予め設定された設定値を比較して当該直流電圧が設定値以下となったとき比較信号を出力する電圧変化検出部と、
前記PCSの出力周波数に対し単位時間当たりの周波数変化量を算出する周波数変化量算出部と、
前記位相差算出部により算出された系統電源電圧とPCS出力電圧との位相差θと前記周波数変化量から前記バイパス用遮断器の閉路時刻を算出し、当該算出された閉路時刻からバイパス用遮断器の投入遅れ時間を差引いて得られた時刻において、バイパス用遮断器への投入指令を出す時間を決めるための系統電源電圧との位相差△θを算出する投入位相差算出部と、
前記PCSの出力周波数と、周波数変化量算出部および投入位相差算出部の各算出結果をホールドするホールド部と、
投入位相差算出部により得られた位相差△θと、前記系統電源電圧とPCS出力電圧との位相差θと、を比較し、|位相差θ−位相差△θ|≦所定値の場合に前記バイパス用遮断器の投入指令を出力する位相差判定部と、
を有し、
系統電源が異常から正常に戻りPCSの直流電圧が設定値以下となったとき、前記周波数変化量算出部が算出した周波数変化量から導出される出力周波数の減少割合に基づき出力周波数を低減させ、
位相差算出部が算出した系統電源電圧とPCS出力電圧の各電圧波形の微分値および電圧値が同一もしくは所定範囲の値となった場合に、バイパス用遮断器を投入して系統電源と負荷を連系する。
本発明の位相差判定部から出力される投入指令は、系統電源電圧とPCS出力電圧の各電圧波形の微分値の出力周波数を低減させる各微分値(傾き)が共にプラスの最大時、マイナスの最大時若しくは最大時近辺、および系統電圧とPCS出力電圧が0のとき、系統電圧=PCS出力電圧若しくは系統電圧−PCS出力電圧の絶対値が所定値内の何れかである。
そして、電圧変化検出部12から論理1の信号が出力された場合には、当該論理1の立ち上がりエッジでホールド部15の動作を開始し各算出結果をホールドする。また、前記論理1の信号の出力により、後述の実行モジュール18も動作(後述するように、周波数変化部16,位相差判定部17がそれぞれ動作)することとなる。
なお、前記直流リンク電圧の設定値は、補償できる電力量が生成できる最低の直流電圧値と、系統電圧と瞬低補償装置の出力電圧の位相合わせ時間とバイパス用遮断器5が閉路するまでの時間から設定する。
前記位相差△θは、ホールド部15の動作(電圧変化検出部12の論理1の立ち上がりエッジで開始する動作)により、それぞれホールドされる。
実行モジュール18は、周波数変化部16と位相差判定部17から構成され、前記論理1の信号の出力により実行されるものであり、前記ホールド部15によりホールドされたホールド値(出力周波数f,周波数変化量df/dt,位相差△θ)と、位相差算出部11による位相差θと、が入力される。このとき、周波数変化部16によりPCSのPWM波形は前記df/dtの変化で出力周波数が低減する。
位相差判定部17においては、前記投入位相差算出部14で算出されてホールド部15によりホールドされた位相差△θと、位相差算出部11による位相差θと、を比較し、|位相差θ−位相差△θ|≦所定値のときバイパス用遮断器5に対して投入指令を出力する。
時刻t2で系統が正常に復帰すると、同期合わせを開始する。時刻t2以降時刻t3までに位相が合った場合には従来と同様にそのまま高速スイッチ4が投入されて連系運転に入るが、負荷として同期電動機が接続されている場合には時刻t3までに同期合わせができず同期投入ができない場合がある。
本発明では時刻t3以降で機能し、時刻t5までに系統と連系される。本発明では直流電圧Vbatが所定値以下となった時刻t3から動作を開始するもので、直流電圧の設定値は、動作開始から終了までかかる時間が(時刻t5−t3)であることを予め確認し、且つこの直流電圧の設定値以降でも出力が補償できる値に設定される。
同期投入するタイミングは電圧が正の傾斜で、系統,PCS電圧値が共にゼロとなった図4(a)の場合とする。算出条件は、図2で示す直流電圧が設定値となった時刻t3である。時刻t3における、系統電圧とPCS3の電圧、位相、周波数変化量算出部13においてのdf/dt値を用いている。
θは時刻t3での系統電圧に対してPCSの電圧の位相差で、位相が遅れている場合はθ<0、進んでいる場合にはθ>0で、位相として−180゜〜+180゜の範囲とし、系統電圧Vgは式(2)とする。
ここで、E1,E2はそれぞれの電圧振幅、ω0とωはそれぞれの角周波数である。
式(3)は系統波形1周期毎に生じる交点時刻であり、式(4)はPCS周波数変化量により生成される交点時刻である。
(ただし、n=0,1,2,…)
式(5)を解くと
−aωt2+θ+2nπ …… (7)
(ただし、n=0,1,2,…)
で得られる。
図5は、例として基準となる50Hzの系統電圧Vgに対し、50HzのPCS出力電圧Vp、a=0.026で60゜進みのときの波形図を示し、横軸は時間を示したものである。上記のようにPCSの電圧がゼロで、かつ周波数変化量算出部13により生成された電圧波形の微分値が正の1回目の交点は図5における時刻t1で、2回目が時刻t2である。
図7は、50Hzの系統電圧Vgに対し、50HzのPCS出力電圧Vpが60゜遅れのときの波形図を示したもので、横軸は時間を示したものである。上記のようにPCSの電圧がゼロで、且つ電圧波形の微分値が正の1回目の交点は時刻t1で、2回目が時刻t2である。周波数が徐々に低下することにより時刻t1の波形部が時刻t0の波形部に接近することで同期投入ができる。PCSの位相が系統に対して遅れ位相のとき、同期させるまでに時間を要している。
以上の算出は周波数が連側的に低下することを前提としたものである。
多くの場合、バイパス用遮断器に使用される機械的遮断器では投入指令を受け取ってから、回路が閉路となるまでの動作遅れ時間を、例えば保証値100msのように公称値として開示している。しかし、実際にはさらに短い時間で動作する場合もあるので、予め動作の実際時間を測定した時間を遅れ時間としてもよい。
図3(a)は時間軸に対するPCS周波数の様子を示している。
図3(b)は、表4で得られた時間tと位相差を示している。位相差略ゼロまでの時間は620msで、遮断器の投入遅れ時間を100msとすると、520msで遮断器への投入指令を発する必要がある。この時の位相差△θは略50゜が得られ、以上の演算は投入位相差算出部14で行われる。位相差算出部11の出力と、投入位相差算出部14で得た投入位相が位相差判定部17に入力され、この2入力の差が所定の範囲内のときが遮断器投入指令を発する時刻となる。
実際には、PCS出力周波数を連続的に低下させる場合もあるが、例えば、系統周波数の周期20ms毎に周波数を低下させる場合もある。低減された周波数の周期は計算上20msを超え、超過した分が位相差の調整分になり、時間の経過および周波数の低下と共に調整分が蓄積されて初期の位相差との差が縮まって行く。
図4(b)で示すようにd(系統電圧)/dtとd(PCS電圧)/dtがマイナスの最大値のとき、または最大値付近の所定の範囲、
図4(c)で示すようにd(系統電圧)/dt=0、&d(PCS電圧)/dt=0のときで、かつ系統電圧=PCS電圧、または|系統電圧−PCS電圧|<所定値。
4… 高速スイッチ(系統連系スイッチ)
5… バイパス用遮断器
8… 蓄電装置
11… 位相差算出部
12… 電圧変化検出部
13… 周波数変化量算出部
14… 投入位相差算出部
15… ホールド部
16… 周波数変化部
17… 位相差判定部
18… 実行モジュール
Claims (4)
- 系統電源と負荷間に並列接続された系統連系スイッチとバイパス用遮断器を設け、かつ負荷と並列に蓄電装置を有するPCSを接続し、系統電源の異常時にPCSを介して負荷に電力を供給する瞬低補償機能を有するものであって、系統電源が異常から正常に戻ったとき系統電源電圧とPCS出力電圧との位相差が発生している状態でバイパス用遮断器を投入する制御回路において、
前記PCS出力電圧と系統電源電圧の位相差θを検出する位相差算出部と、
前記PCSの直流電圧と予め設定された設定値を比較して当該直流電圧が設定値以下となったとき比較信号を出力する電圧変化検出部と、
前記PCSの出力周波数に対し単位時間当たりの周波数変化量を算出する周波数変化量算出部と、
前記位相差算出部により算出された系統電源電圧とPCS出力電圧との位相差θと前記周波数変化量から前記バイパス用遮断器の閉路時刻を算出し、当該算出された閉路時刻からバイパス用遮断器の投入遅れ時間を差引いて得られた時刻における、バイパス用遮断器への投入指令を出す時間を決めるための系統電源電圧とPCS出力電圧との位相差△θを算出する投入位相差算出部と、
前記PCSの出力周波数と、周波数変化量算出部および投入位相差算出部の各算出結果をホールドするホールド部と、
投入位相差算出部により得られた位相差△θと、前記系統電源電圧とPCS出力電圧との位相差θと、を比較し、|位相差θ−位相差△θ|≦所定値の場合に前記バイパス用遮断器の投入指令を出力する位相差判定部と、
を有し、
系統電源が異常から正常に戻りPCSの直流電圧が設定値以下となったとき、前記周波数変化量算出部が算出した周波数変化量から導出される出力周波数の減少割合に基づき出力周波数を低減させ、
位相差算出部が算出した系統電源電圧とPCS出力電圧の各電圧波形の微分値および電圧値が同一もしくは所定範囲の値となった場合に、バイパス用遮断器を投入して系統電源と負荷を連系することを特徴とする電力変換装置。 - 系統電源と負荷間に並列接続された系統連系スイッチとバイパス用遮断器を設け、かつ負荷と並列に蓄電装置を有するPCSを接続し、系統電源の異常時にPCSを介して負荷に電力を供給する瞬低補償を行うものであって、系統電源が異常から正常に戻ったときバイパス用遮断器を投入する制御回路により、系統電源電圧とPCS出力電圧との位相差が発生している状態でバイパス用遮断器を投入する方法において、
制御回路は、
前記PCS出力電圧と系統電源電圧の位相差θを検出する位相差算出部と、
前記PCSの直流電圧と予め設定された設定値を比較して当該直流電圧が設定値以下となったとき比較信号を出力する電圧変化検出部と、
前記PCSの出力周波数に対し単位時間当たりの周波数変化量を算出する周波数変化量算出部と、
前記位相差算出部により算出された系統電源電圧とPCS出力電圧との位相差θと前記周波数変化量から前記バイパス用遮断器の閉路時刻を算出し、当該算出された閉路時刻からバイパス用遮断器の投入遅れ時間を差引いて得られた時刻における、バイパス用遮断器への投入指令を出す時間を決めるための系統電源電圧とPCS出力電圧との位相差△θを算出する投入位相差算出部と、
前記PCSの出力周波数と、周波数変化量算出部および投入位相差算出部の各算出結果をホールドするホールド部と、
投入位相差算出部により得られた位相差△θと、前記系統電源電圧とPCS出力電圧との位相差θと、を比較し、|位相差θ−位相差△θ|≦所定値の場合に前記バイパス用遮断器の投入指令を出力する位相差判定部と、
を有し、
系統電源が異常から正常に戻りPCSの直流電圧が設定値以下となったとき、前記周波数変化量算出部が算出した周波数変化量から導出される出力周波数の減少割合に基づき出力周波数を低減させ、
位相差算出部が算出した系統電源電圧とPCS出力電圧の各電圧波形の微分値および電圧値が同一もしくは所定範囲の値となった場合に、バイパス用遮断器を投入して系統電源と負荷を連系することを特徴とした電力変換装置のバイパス用遮断器の投入方法。 - 前記位相差判定部から出力される投入指令は、系統電源電圧とPCS出力電圧の各電圧波形の微分値の出力周波数を低減させる各微分値(傾き)が共にプラスの最大時、マイナスの最大時若しくは最大時近辺、および系統電圧とPCS出力電圧が0のとき、系統電圧=PCS出力電圧若しくは系統電圧−PCS出力電圧の絶対値が所定値内の何れかであることを特徴とする請求項2または3記載の電力変換装置のバイパス用遮断器の投入方法。
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