以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
〔ゲームの概要〕
まず、本実施形態に係るゲームの一例について、その概要を説明する。本実施形態に係るゲームは、ユーザが所持するゲーム媒体を利用してプレイするゲームであり、例えば、対戦相手とバトルを行うバトルゲームである。ゲーム媒体とは、例えば、複数のキャラクタそれぞれに対応するカードである。キャラクタとは、ゲームに登場する人物、動物、物体(例えば、乗り物)などである。カードとは、ゲームに登場するキャラクタを示す実体であって、且つ画像(テキスト、静止画像、または、動画像など)によってユーザに認識されるオブジェクトの一例である。具体的には、カードは、ゲーム内で対戦相手となる敵キャラクタとバトルを行うキャラクタを表すカードであり、ゲーム画面に画像で表示される。
なお、ここではバトルゲームを例とするが、バトルゲームに限られるものではなく、野球ゲームやサッカーゲーム、RPGゲーム、育成ゲーム等他の種類のゲームであってもよい。また、ゲーム媒体は、カードに限られるものではなく、メダルや、キャラクタそのものを表すフィギュア等他のオブジェクトであってもよく、カードと同様にゲーム画面に画像で表示されるものであってもよい。
本実施形態に係るバトルゲームでは、ゲームの進行に応じてバトルに使用できる複数のカードがユーザに付与される。例えば、カードは、ゲームのバトルに勝利したときに報酬としてユーザに付与されたり、カード抽選を行うことによりユーザに付与されたりする。ユーザは、付与されたカードを複数所持し、所持しているカードの中からバトルするキャラクタのカードを選択することができる。なお、カードには、キャラクタを示すもの以外に、バトルにおけるキャラクタの攻撃や防御に効果を与える武器や防具を示すものも含まれる。ユーザは、キャラクタを示すカードと同様に武器や防具を示すカードを所持し、所持しているカードの中からバトルに使用するカードを選択することができる。
〔システム構成〕
次に、本実施形態に係るゲームシステム1のシステム構成の概要を説明する。図1は、本実施形態に係るゲームシステム1の構成の一例を示すブロック図である。ゲームシステム1は、ユーザ端末10−1と、ユーザ端末10−2と、ユーザ端末10−3、・・・と、ゲームサーバ30とのコンピュータ装置を備えており、これらのコンピュータ装置はネットワークNWを介して接続される。ユーザ端末10−1と、ユーザ端末10−2と、ユーザ端末10−3とは同様の構成であるため、特に区別しない場合には、「−1」、「−2」等の記載を省略してユーザ端末10として説明する。ここでは3台のユーザ端末10を図示しているが、任意の台数のユーザ端末10がゲームサーバ30に接続されてもよい。
ゲームサーバ30は、ユーザ端末10において実行可能なゲームを提供するサーバ装置である。例えば、ゲームサーバ30は、ユーザ端末10において実行可能なゲームの制御プログラム(ゲーム制御プログラム)を、ユーザ端末10からダウンロード可能に提供する。また、ゲームサーバ30は、ユーザ端末10において実行されたゲームに必要な各種設定情報及び履歴情報などを記憶するとともに、必要に応じてユーザ端末10に送信する。なお、ユーザ端末10がダウンロードするゲーム制御プログラムは、ゲームサーバ30に限らず、他のダウンロード可能なサーバ装置に記憶されていてもよい。
ユーザ端末10は、ゲームサーバ30からダウンロードしたゲーム制御プログラムを実行する。例えば、ユーザ端末10は、ユーザが利用するコンピュータ装置であり、PC(Personal Computer)、タブレットPC、スマートフォンやフィーチャーフォン等の携帯電話機、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等が適用できる。本実施形態では、ユーザ端末10はスマートフォンであるとして説明する。
図2は、本実施形態に係るユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ端末10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)11と、通信部12と、入力部13と、表示部14と、記憶部15とを備え、ネットワークNWを介して接続されたゲームサーバ30や他の装置等と通信部12を介して通信を行う。これらの構成要素は、バス(Bus)を介して相互に通信可能に接続されている。CPU11は、記憶部15に記憶された各種プログラムを実行し、ユーザ端末10の各部を制御する。
通信部12は、例えば、複数のイーサネット(登録商標)ポートや複数のUSB等のデジタル入出力ポート等を含んで構成され、CPU11による制御に基づいて、ネットワークNWを介してゲームサーバ30や他の装置等と通信を行う。
入力部13は、例えば、タッチパネルとしてディスプレイと一体に構成されており、ユーザの操作が入力される。入力部13は、入力された操作を示す操作情報をCPU11へ出力する。なお、入力部13は、キーボードやマウス、タッチパッドや、音声により各種の指示が入力されるマイクロホンなど、その他の入力装置であってもよい。
表示部14は、画像やテキスト等の情報を表示するディスプレイであり、例えば、液晶ディスプレイパネル、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネルなどを含んで構成される。
記憶部15は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含み、ユーザ端末10が処理する各種情報や画像、プログラム(ゲーム制御プログラムを含む)等を記憶する。なお、記憶部15は、ユーザ端末10に内蔵されるものに限らず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。また、ユーザ端末10は、不図示のスピーカ、音声出力端子、カメラ、ジャイロセンサ、GPS(Global Positioning System)受信モジュールなどのハードウェア構成を含んで構成されてもよい。
図3は、本実施形態に係るゲームサーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。ゲームサーバ30は、例えば、CPU31と、通信部32と、入力部33と、記憶部35とを備え、ネットワークNWを介して接続された複数のユーザ端末10や他の装置等と通信部32を介して通信を行う。これらの構成要素は、バス(Bus)を介して相互に通信可能に接続されている。CPU31は、記憶部35に記憶されたゲーム制御プログラムを実行し、複数のユーザ端末10でプレイ可能なゲームを提供する。
通信部32は、例えば、複数のイーサネット(登録商標)ポートや複数のUSB等のデジタル入出力ポート等を含んで構成され、CPU31による制御に基づいて、ネットワークNWを介して複数のユーザ端末10や他の装置と通信を行う。
入力部33は、例えば、キーボードやマウス、タッチパッドや、音声により各種の指示が入力されるマイクロホンなど、その他の入力装置である。
記憶部35は、例えば、HDD、EEPROM、RAMなどを含み、ゲーム制御プログラム、アプリケーションプログラム、ゲームに必要な各種設定情報及び履歴情報などを記憶する。なお、記憶部35は、ゲームサーバ30に内蔵されるものに限らず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。また、記憶部35は、ゲームサーバ30とは物理的に離れた外部の記憶装置であってもよく、ゲームサーバ30とインターネットなどの通信網を介して接続されてもよい。また、ゲームサーバ30は、不図示の表示部、スピーカ、音声出力端子などのハードウェア構成を含んで構成されてもよい。
〔機能構成〕
次に、図4を参照して、ゲームシステム1が備えるユーザ端末10及びゲームサーバ30の機能構成について説明する。図4は、本実施形態に係るユーザ端末10及びゲームサーバ30の構成の一例を示すブロック図である。
〔ユーザ端末10の機能構成〕
まず、ユーザ端末10の機能構成について説明する。
ユーザ端末10は、記憶部15に記憶されているゲーム制御プログラムをCPU11が実行することにより実現される機能構成として、ゲーム制御部110を備えている。ゲーム制御部110は、入力部13に対するユーザの操作に応じてゲーム制御プログラムに基づくゲームの処理を実行する。例えば、ゲーム制御部110は、バトルゲームの処理を実行し、バトルゲームの処理に応じた各種ゲーム画面を表示部14に表示させる。各種ゲーム画面には、ゲームが起動したことにより表示されるホーム画面や、所持カードからバトルに用いるカードを選択するカード選択画面、ゲーム内で利用するアイテム等を購入可能なアイテム購入画面、敵キャラクタとバトルを行うバトル画面等が含まれる。
例えば、ホーム画面には、カード選択画面、アイテム購入画面、バトル画面等へ遷移する操作子としての操作アイコンが表示され、各画面に対応する操作アイコンに対するユーザの操作に応じて、各画面に遷移する。また、ホーム画面には、所定の条件が満たされると、ユーザがカード抽選を行うための操作アイコンが表示される。このカード抽選を行うための操作アイコンに対する操作のことを、以下では「抽選操作」ともいう。ユーザによる抽選操作に応じて、カード抽選を要求する抽選要求情報がユーザ端末10からゲームサーバ30へ送信され、カード抽選が行われるカード抽選画面に遷移する。
カード抽選が可能な所定の条件とは、例えば、1日1回までカード抽選が可能な仕様であれば、その日にまだカード抽選が実行されていないことである。なお、バトルによって獲得するポイントの消費や、ゲーム内の通貨(現実世界の通貨と交換されるものであってもよい)の消費を条件としてカード抽選が可能となってもよい。また、無条件にカード抽選が可能な仕様であってもよい。
例えば、ゲーム制御部110は、抽選要求部111と、抽選結果取得部112とを備えている。抽選要求部111は、カード抽選を行うための操作アイコンに対するユーザの操作に応じて、カード抽選を要求する抽選要求情報を、通信部12を介してゲームサーバ30へ送信する。抽選要求情報には、ゲームをプレイするユーザの識別情報、そのゲームの識別情報、実行を要求するカード抽選の種類を示す抽選種類情報等が含まれる。カード抽選の種類には、単発抽選と複数枚抽選がある。単発抽選とは、1回の抽選操作に対して1回の抽選処理が行われ、抽選で選択された1枚のカードがユーザに付与される抽選である。以下では、単発抽選のことを「単発ガチャ」ともいう。一方、複数枚抽選とは、1回の抽選操作に対して複数回の抽選処理が行われ、抽選で選択された複数枚のカードが一度にユーザに付与される抽選である。ここでは、複数枚抽選として、1回の抽選操作に対して10回の抽選処理が行われ、抽選で選択された10枚のカードがユーザに付与される抽選を例に説明する。この1回の抽選操作に対して10回の抽選処理が行われ、10枚のカードがユーザに付与される抽選のことを、以下では「10連ガチャ」ともいう。
抽選処理は、ゲームサーバ30で実行される。ゲームサーバ30は、ユーザ端末10から抽選要求情報を取得すると、抽選処理を実行し抽選結果を示す抽選結果情報を、通信部32を介してユーザ端末10へ送信する。抽選結果取得部112は、ゲームサーバ30で実行された抽選処理の抽選結果を示す抽選結果情報を、通信部12を介して取得する。ゲーム制御部110は、抽選結果取得部112が抽選結果情報を取得すると、取得した抽選結果情報に基づいて抽選結果を表示部14に表示させる。
また、ゲーム制御部110は、ゲームの処理に応じた各種設定情報及び履歴情報を通信部12を介してゲームサーバ30に送信するとともに、必要に応じて各種設定情報及び履歴情報を通信部12を介してゲームサーバ30から取得する。
〔ゲームサーバ30の機能構成〕
次に、ゲームサーバ30の機能構成について説明する。
ゲームサーバ30は、記憶部35に記憶されているプログラムをCPU31が実行することにより実現される機能構成として、サーバ制御部310を備えている。サーバ制御部310は、ゲームサーバ30の各部を制御する。例えば、サーバ制御部310は、ユーザ端末10からの要求に応じて、通信部32を介してユーザ端末10からユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報を記憶部35に記憶させる。ここで、ユーザ情報とは、例えば、ユーザを識別する識別情報である。例えば、ユーザ情報は、ユーザ毎にユニークに付与されたユーザIDあり、ユーザのゲーム内での各種パラメータや、ユーザがゲームで使用できるキャラクタカードなどが対応付けられて記憶される。なお、ユーザ情報は、ユーザを識別可能であればユーザIDに限らずユーザ名などであってもよい。
また、サーバ制御部310は、ユーザ端末10からの要求に応じて、ユーザ端末10において実行されるゲームの処理に必要な各種設定情報等を記憶部35から読み出し、通信部32を介してユーザ端末10へ送信する。また、サーバ制御部310は、ユーザ端末10から送信されたゲームのプレイ結果を示すプレイ結果情報を取得すると、取得したプレイ結果情報をユーザのゲームの履歴情報として記憶部35に記憶させる。
ここで、記憶部35に記憶されるゲームの各種設定情報及び履歴情報などについて詳しく説明する。例えば、記憶部35は、ユーザデータ記憶部351と、カードマスタデータ記憶部352と、所持カードデータ記憶部353とを備えている。
ユーザデータ記憶部351には、ユーザ端末10においてゲームをプレイするユーザのユーザ情報が記憶される。例えば、ユーザデータ記憶部351には、ユーザデータとして、ユーザID及びユーザ名や、ゲームの進行に応じて値が増加するユーザレベル等が関連付けられて記憶される。
カードマスタデータ記憶部352には、ゲーム内で用意されているカードのマスタデータ(カードマスタデータ)が記憶される。図5は、カードマスタデータ記憶部352に記憶されるカードマスタデータのデータ例を示す図である。図示するカードマスタデータには、カードID、型式、カード名、カード画像、レアリティ、属性、キャラクタパラメータ等のカード情報が関連付けられて設定されている。
カードIDは、カードの種類毎に識別可能な識別情報である。例えば、カードの種類としては、カード名が異なるカードや、カード名が同じであってもレアリティが異なるカードは、異なる種類のカードとして識別される。用途は、ゲーム内でのカードの用途に応じた分類であり、各カードが示すものとして、キャラクタ、武器、または防具等が設定されている。カード名は、各カードの名称であって、キャラクタ、武器、防具等の名称である。カード画像は、各カードのキャラクタ、武器、防具等の態様(姿、形、名称など)の少なくとも一部を表した画像であり、例えば、カードに描かれているイラストである。レアリティは、各カードの希少度を示す指標であり、例えば、低い方から高い方へ順に1、2、3、4、5の5段階に分けられている。レアリティが高いカードほど、ユーザにとって価値が高いカードであり、攻撃力および防御力の値が高い或いは上限値が高いカードである。ユーザは、レアリティが高いカードを使用することで、バトルを有利に進められる可能性が高くなる。また、例えば、ガチャの抽選ではレアリティに応じてカードの選択割合が設定される。属性は、キャラクタを示すカードのキャラクタが得意とする攻撃を示す情報である。例えば、属性は、互いに優劣関係にある火、水、木のいずれかが対応付けられている。例えば、火のキャラクタには水のキャラクタが攻撃をすると大きなダメージを与えることができ、水のキャラクタには木のキャラクタが攻撃をすると大きなダメージを与えることができ、木のキャラクタには火のキャラクタが攻撃をすると大きなダメージを与えることができる。
キャラクタパラメータは、ゲームの進行に応じて値が変動する情報であり、例えば、各カード(キャラクタ)のHP、攻撃力、防御力などが含まれる。なお、このカードマスタデータに設定されているキャラクタパラメータの値は、ユーザにカードが付与されるときの初期値である。HPは、各カード(キャラクタ)の体力や生命力等を表す値である。攻撃力は、各カード(キャラクタ)のバトルにおける攻撃力を示す情報である。防御力は、各カード(キャラクタ)のバトルにおける防御力の値を示す情報である。これらのキャラクタパラメータは、ゲームの進行過程において、バトルの勝敗やカードの合成(複数枚のカードをまとめて1枚のカードにすることでキャラクタパラメータの値をアップさせること)等によって変更される。例えば、HP、攻撃力、防御力などの値が高くなるにつれて、バトルを有利に進めることができる。
所持カードデータ記憶部353には、各ユーザが所持するカードを管理する所持カードデータが記憶される。例えば、所持カードデータには、ユーザのユーザIDと、そのユーザが所持しているカードのシリアルNo(シリアルナンバー)、カードID、キャラクタ名、キャラクタ画像、レアリティ、及びキャラクタパラメータ、が関連付けられて格納される。シリアルNoは、キャラクタカード毎にユニークに付与された番号であり、ゲーム内で個々のキャラクタカードを特定可能な情報である。同じカードIDのキャラクタカードであっても、複数所持している場合には、それぞれに異なるシリアルNoが対応付けられている。また、カードID、キャラクタ名、キャラクタ画像、レアリティ、及びキャラクタパラメータには、ユーザにカードが付与されたときに、そのカードのマスタデータの値(カードマスタデータの値)が格納される。そして、ゲームの進行に応じて、この所持カードデータのキャラクタパラメータの値は随時更新される。
〔抽選処理の詳細〕
次に、ゲームサーバ30で実行されるカードの抽選処理について説明する。
図4に示すように、サーバ制御部310は、カード抽選の抽選処理を実行する抽選処理部311を備えている。例えば、抽選処理部311は、ユーザ端末10から送信された抽選要求情報を取得すると、抽選処理を実行する。そして、抽選処理部311は、抽選結果情報を、通信部32を介してユーザ端末10へ送信する。
図6は、本実施形態に係るカード抽選処理の一例を示すフローチャートである。この図を参照して、ゲームサーバ30で実行されるカード抽選処理の動作を説明する。
まず、抽選処理部311は、ユーザ端末10から送信された抽選要求情報を取得する(ステップS100)と、取得した抽選要求情報に含まれる抽選種類情報に基づいてカード抽選の種類を判定する(ステップS102)。
カード抽選の種類が単発ガチャであると判定された場合、抽選処理部311は、単発ガチャの抽選処理を実行する(ステップS104)。一方、カード抽選の種類が10連ガチャであると判定された場合、抽選処理部311は、10連ガチャの抽選処理を実行する(ステップS106)。
次に、図7を参照して、単発ガチャの抽選処理の動作を説明する。図7は、本実施形態に係る単発ガチャの抽選処理の一例を示すフローチャートである。単発ガチャの抽選処理では、抽選処理部311は、カードマスタデータ記憶部352に記憶されているカードマスタデータを参照し、カードマスタデータに記憶されているカードのうちのいずれか1枚を抽選する(ステップS150)。
そして、抽選処理部311は、抽選結果に基づいて、抽選で選択されたカードのカードID及びカードの情報を所持カードデータ記憶部353に記憶されている所持カードデータに追加して更新する(ステップS152)。また、抽選処理部311は、抽選要求情報を送信したユーザ端末10へ抽選結果を送信する。例えば、抽選処理部311は、抽選で選択されたカードのカードID及びカードの情報を、抽選結果としてユーザ端末10へ送信する(ステップS154)。これにより、抽選で選択されたカードがユーザに付与される。
このように、単発ガチャの抽選処理では、抽選処理部311は、カードマスタデータ記憶部352に記憶されているカードマスタデータを参照し、カードマスタデータに記憶されているカードのうちのいずれかを抽選する抽選処理を1回行い、1枚のカードを選択する。
一方、10連ガチャの抽選処理では、抽選処理部311は、カードマスタデータに記憶されているカードのうちのいずれかを抽選する抽選処理を10回行い、10枚のカードを選択する。10連ガチャでは、10回の抽選処理のうちのそれぞれ1回毎の抽選処理がそれぞれ独立しており、毎回カードマスタデータに記憶されているカードのすべてから抽選される。そのため、10回の抽選処理の中で同種類のカードが複数枚選択される可能性がある。そこで、抽選処理部311は、10連ガチャでは10回の抽選処理の中の2回目以降の抽選処理において、10回の抽選処理の中のそれまでに選択されたカードと同種類のカードが選択された場合、その抽選結果を採用しないで、再抽選を行う。これにより、10連ガチャにおける10回の抽選処理の中で同種類のカードが複数枚選択されることがなくなる。
図8は、本実施形態に係る10連ガチャの抽選処理の一例を示すフローチャートである。この図を参照して、10連ガチャの抽選処理の動作を説明する。
抽選処理部311は、10連ガチャの抽選処理を開始すると、まず抽選回数n(nは、0〜10の整数)を0にリセットする(ステップS200)。
次に、抽選処理部311は、カードマスタデータ記憶部352に記憶されているカードマスタデータを参照し、カードマスタデータに記憶されているカードのうちのいずれかを抽選する(ステップS202)。抽選処理部311は、抽選で選択されたカードのカードIDを抽選結果として記憶部35に記憶させ保持する。また、抽選処理部311は、この抽選結果に対しては、抽選未確定のフラグを関連付ける。
続いて、抽選処理部311は、ステップS202における抽選で選択されたカードと同種類のカードが、10回の抽選処理の中のそれまでの抽選処理において未選択であるか否かを判定する(ステップS204)。未選択であると判定された場合(ステップS204:YES)、抽選処理部311は、ステップS202の抽選結果に対して抽選確定のフラグを関連付ける(ステップS250)。これにより、抽選結果が確定する。例えば、1枚目を抽選するための1回目の抽選処理の場合には、必ず未選択であると判定されるため、ステップS250の処理で抽選結果が確定する。
一方、2回目以降の抽選処理では、ステップS202における抽選で選択されたカードと同種類のカードが既に選択済みであると判定される場合がある(ステップS204:NO)。その場合、抽選処理部311は、カードマスタデータに記憶されているカードのうちのいずれかを再抽選し(ステップS210)、ステップS204の処理に戻し、再抽選で選択されたカードが、10回の抽選処理の中のそれまでの抽選処理において未選択であるか否かを判定する。そして、再抽選で選択されたカードと同種類のカードが未選択であると判定された場合には(ステップS204:YES)、抽選処理部311は、その抽選結果に対して抽選確定のフラグを関連付ける(ステップS250)。一方、再抽選で選択されたカードと同種類のカードが既に選択済みであると判定された場合には(ステップS204:NO)、抽選処理部311は、未選択のカードが選択されるまで再抽選する(ステップS210)。
ステップS250において抽選結果が確定すると、抽選処理部311は、抽選で選択されたカードのカードID及びカードの情報を所持カードデータ記憶部353に記憶されている所持カードデータに追加して更新する(ステップS252)。また、抽選処理部311は、抽選要求情報を送信したユーザ端末10へ抽選結果を送信する。例えば、抽選処理部311は、抽選で選択されたカードのカードID及びカードの情報を、抽選結果としてユーザ端末10へ送信する(ステップS254)。これにより、10回の抽選処理の中の1回分の抽選処理で選択されたカードがユーザに付与される。
次に、抽選処理部311は、抽選回数nを1増加させ(ステップS256)、抽選回数nが10回未満であるか否かを判定する(ステップS258)。抽選回数nが10回未満であると判定された場合(ステップS256:YES)、ステップS202の処理に戻り、抽選処理部311は、次の抽選を行う。一方、抽選回数nが10回に達した場合(ステップS256:YES)、抽選処理部311は、10連ガチャの抽選処理を終了する。
〔第1の実施形態のまとめ〕
以上説明してきたように、本実施形態によるゲームサーバ30(ゲーム装置の一例)は、複数種類のカード(ゲーム媒体の一例)のうちからいずれかのカードを抽選する抽選処理を複数回行う際に、2回目以降の抽選処理で選択されたカードが既に選択済みのカードと同種類のカードである場合、再抽選を行う抽選処理部311を備えている。これにより、ゲームサーバ30は、10連ガチャ等のように複数枚のカードがユーザに付与される抽選において、同種類のカードが複数枚ユーザに付与されることがないようにできるため、ユーザに付与されるカードに偏りが生じない。よって、本実施形態によれば、カード抽選におけるユーザの不満を改善することができる。
また、抽選処理部311は、再抽選で選択されたカードが既に選択済みのカードと同種類のカードである場合、さらに再抽選を行ってもよい。これにより、ゲームサーバ30は、再抽選で選択されたカードが既に選択済みのカードと同種類のカードであっても、さらに再抽選を行うので、同種類のカードが複数枚ユーザに付与されることがないようにできる。
なお、10連ガチャの抽選処理では、選択された10枚のカードを10回に分けてユーザに通知してもよいし、選択された10枚のカードの全てを一度に通知してもよい。10回に分けて通知する際は、選択されたカードを選択された順番で通知してもよいし、選択されたカードのレアリティ等に基づいた順番で通知してもよい。
なお、上記実施形態では、1回の抽選処理で選択されるカードが1枚の例を説明したが、1回の抽選処理で複数枚のカードが選択されてもよい。また、上述したようにカードはゲーム媒体の一例であって、メダルや、キャラクタそのものを表すフィギュア等他のオブジェクトであってもよく、カードと同様にゲーム画面に画像で表示されるものであってもよい。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態のゲームシステム1の構成は、第1の実施形態と同様であるので、本実施形態において特徴的な処理について説明する。
本実施形態は、10連ガチャの抽選処理が第1の実施形態と異なる。第1の実施形態では、10連ガチャにおいて同種類のカードが抽選で選択された場合に再抽選することにより同種類のカードが複数枚選択されてしまうことを回避する例を説明した。この例では、10連ガチャにおいて再抽選が行われると、単発ガチャの抽選と10連ガチャの抽選とでレアリティの高いレアカードが出る確率に差が生じる場合がある。例えば、最初の抽選でレアカードが選択されると、2枚目以降の抽選は、同じレアカードに当選すると、別のカードが選択結果となるように再抽選される。この場合、ユーザがレアカードを取得する確率が下がり、ユーザにとって不利な抽選となる。一方、最初の抽選でレアリティの低い非レアカードが選択されると、再抽選ではその非レアカードを除いた抽選となるため、レアカードの出る確率が上がり、ユーザにとって有利な抽選となる。
そこで、本実施形態では、再抽選によってユーザが不利にならないように、同種類のカードが抽選で選択された場合、抽選対象であるカードのうち、そのカードと同一レアリティのカードを再抽選する。例えば、抽選処理部311は、10連ガチャにおいて、「同種類のカードを複数枚付与しない」という第1の抽選条件と、「n枚目のカードを選択するためのn回目の抽選処理において再抽選を行う場合には、n回目の抽選処理の最初の抽選で選択されたカードと同一レアリティのカードを抽選する(再抽選は同一レアリティのカード)」という第2の抽選条件とを満たすように抽選処理を行う。
但し、特定の条件において、上述の第1の抽選条件と第2の抽選条件とが矛盾する場合がある。例えば、レアリティが最高(例えば、5)のカードが1種類のみ(例えば、カードZ)である場合、n回目の抽選処理でカードZが選択され、且つn+1回目以降の抽選処理の最初の抽選でカードZが選択された場合、「同種類のカードを複数枚付与しない」という第1の抽選条件にしたがって再抽選の対象となる。しかし、「再抽選は同一レアリティのカード」という第2の抽選条件にしたがって再抽選が行われると、再抽選結果は毎回カードZとなり、第1の抽選条件を満たさなくなる。そのため、抽選処理部311は、上述の第1の抽選条件と第2の抽選条件とが矛盾する場合には第1の抽選条件より第2の抽選条件を優先して抽選処理を実行する。例えば、抽選処理部311は、n回目の抽選処理において再抽選を行う際に、n回目の抽選処理の最初の抽選で選択されたカードと同一レアリティの他の種類のカードが、抽選対象となるカードの中に無い場合には、第1の抽選条件より第2の抽選条件を優先する。
図9は、本実施形態に係る10連ガチャの抽選処理の一例を示すフローチャートである。この図を参照して、本実施形態に係る10連ガチャの抽選処理の動作を説明する。なお、この図において、図7の各処理に対応する処理には同一の符号を付しており、その説明を省略する。
ステップS202における抽選で選択されたカードと同種類のカードが既に選択済みであると判定された場合(ステップS204:NO)。抽選処理部311は、抽選で選択されたカードと同一レアリティの他の種類のカードがあるか否かを判定する(ステップS220)。同一レアリティの他の種類のカードがないと判定された場合(ステップS220:NO)、抽選処理部311は、ステップS202において抽選で選択されたカードを抽選結果として確定する(ステップS250)。
一方、同一レアリティの他の種類のカードがあると判定された場合(ステップS220:YES)、抽選処理部311は、カードマスタデータに記憶されているカードのうちの同一レアリティのカードのうちのいずれかを再抽選し(ステップS210)、ステップS204の処理に戻す。この場合、第1の実施形態と同様に、抽選処理部311は、未選択のカードが選択されるまで再抽選を行う。
〔第2の実施形態のまとめ〕
以上説明してきたように、本実施形態によるゲームサーバ30(ゲーム装置の一例)の抽選処理部311は、複数種類のカード(ゲーム媒体の一例)のうちからいずれかのカードを抽選する抽選処理を複数回行う際に、2回目以降の抽選処理で選択されたカードが既に選択済みのカードと同種類のカードである場合、同一レアリティ(希少度)のカードのうちから再抽選を行う。これにより、ゲームサーバ30は、10連ガチャにおいて同種類のカードが複数枚ユーザに付与されないようにできるとともに、再抽選によってレアカードまたは非レアカードの出る確率が変わってしまいユーザにとって不利な抽選となってしまうこと、が発生しないようにできる。よって、本実施形態によれば、カード抽選におけるユーザの不満を改善することができる。
また、抽選処理部311は、2回目以降の抽選処理で選択されたカードが既に選択済みのカードと同種類のカードであっても、該選択されたカードと同一レアリティの他の種類のカードがない場合には、再抽選を行わないで、該選択されたカードを抽選結果とする。これにより、ゲームサーバ30は、抽選条件を満たすカードがなく抽選結果が得られないといったことがないようにすることができる。
なお、本実施形態では、抽選で選択されたカードと同一レアリティの他の種類のカードがない場合に再抽選を行わない処理の例を説明したが、予め設定された特定のカードが抽選で選択された場合には再抽選を行わない処理としてもよい。特定のカードとは、同一レアリティのカードが1種類のみのカード(例えば、カードZ)である。例えば、図9のステップS220の処理代えて、抽選処理部311は、抽選で選択されたカードが特定のカードであるか否かを判定し、特定のカードであると判定した場合には再抽選を行わずにステップS250の処理に進み、特定のカードでないと判定した場合にはステップS222の処理に進み再抽選を行ってもよい。
なお、10連ガチャの抽選処理では、選択された10枚のカードを10回に分けてユーザに通知してもよいし、選択された10枚のカードの全てを一度に通知してもよい。10回に分けて通知する際は、選択されたカードを選択された順番で通知してもよいし、選択されたカードのレアリティ等に基づいた順番で通知してもよい。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態のゲームシステム1の構成は、第1の実施形態と同様であるので、本実施形態において特徴的な処理について説明する。
本実施形態は、第2の実施形態と同様に、「同種類のカードを複数枚付与しない」という第1の抽選条件と「再抽選は同一レアリティのカード」という第2の抽選条件と満たすように抽選処理を実行するとともに、第1の抽選条件と第2の抽選条件とが矛盾する場合には第1の抽選条件より第2の抽選条件を優先して抽選処理を実行するが、第2の実施形態とは、第2の抽選条件を優先する際の処理内容が異なる。例えば、本実施形態では、抽選処理部311は、所定回数の再抽選をしても第1の条件及び第2の抽選条件を満たす抽選結果にならなかった場合に、それ以降は再抽選を行わずに最初の抽選結果を確定する。
図10は、本実施形態に係る10連ガチャの抽選処理の一例を示すフローチャートである。この図を参照して、本実施形態に係る10連ガチャの抽選処理の動作を説明する。なお、この図において、図7、8の各処理に対応する処理には同一の符号を付しており、その説明を省略する。
まず、ステップS201において、抽選処理部311は、再抽選回数m(mは、0〜5の整数)を0にリセットする。この再抽選回数mのリセット処理は、10連ガチャにおける10回の抽選処理のそれぞれ最初に実行される。
また、ステップS202における抽選で選択されたカードと同種類のカードが既に選択済みであると判定された場合(ステップS204:NO)。抽選処理部311は、再抽選回数mが5回未満であるか否かを判定する(ステップS230)。再抽選回数mが5回未満であると判定された場合(ステップS230:YES)、抽選処理部311は、カードマスタデータに記憶されているカードのうちの同一レアリティのカードの中で再抽選する(ステップS232)。そして、抽選処理部311は、再抽選回数mを1増加させ(ステップS232)、ステップS204の処理に戻す。つまり、抽選処理部311は、再抽選で選択されたカードが、10回の抽選処理の中のそれまでの抽選処理において未選択であるか否かを判定する。そして、再抽選で選択されたカードと同種類のカードが未選択であると判定された場合には(ステップS204:YES)、抽選処理部311は、その再抽選結果を確定する(ステップS250)。一方、再抽選で選択されたカードと同種類のカードが既に選択済みであると判定された場合には(ステップS204:NO)、抽選処理部311は、ステップS230の処理に進み、再抽選回数mが5回未満であるか否かを判定する(ステップS230)。再抽選回数mが5回未満であると判定された場合(ステップS230:YES)、抽選処理部311は、さらに再抽選する(ステップS232)。
一方、再抽選回数mが5回に達したと判定された場合(ステップS230:NO)、抽選処理部311は、ステップS202において抽選で選択されたカード(最初の抽選で選択されたカード)を抽選結果として確定する(ステップS250)。なお、抽選処理部311は、最後に再抽選で選択されたカードを抽選結果として確定してもよい。
〔第3の実施形態のまとめ〕
以上説明してきたように、本実施形態によるゲームサーバ30(ゲーム装置の一例)の抽選処理部311は、2回目以降の抽選処理で最初に選択されたカードが既に選択済みのカードと同種類のカードであって、所定の回数(例えば、5回)以上の再抽選を行っても抽選条件を満たすカードが選択されない場合(再抽選で選択されたカードが既に選択済みのカードと同種類のカードである場合)、最初に選択されたカードを抽選結果として選択する。これにより、ゲームサーバ30は、抽選条件を満たすカードがなく抽選結果が得られないといったことがないようにすることができる。なお、ここでは、再抽選を行う回数が最大で5回である例を説明したが、任意の回数とすることができる。また、再抽選により選択されるカードは、最初の抽選結果のカードと同一レアリティのカードだけでなく、最初の抽選結果のカードと同一かそれ以上のレアリティのカードであってもよい。
なお、10連ガチャの抽選処理では、選択された10枚のカードを10回に分けてユーザに通知してもよいし、選択された10枚のカードの全てを一度に通知してもよい。10回に分けて通知する際は、選択されたカードを選択された順番で通知してもよいし、選択されたカードのレアリティ等に基づいた順番で通知してもよい。
また、上記実施形態では、抽選の都度、判定を行うことによって、一度に付与される複数のカードの中に同種類のカードが複数含まれないようにする処理を説明したが、この処理は他の方法によって実現されてもよい。例えば、2回目以降の抽選において、既に選択されたカードを抽選対象から除くことによって、一度に付与される複数のカードの中に同種類のカードが複数含まれないようにする方法としてもよい。また、10回の抽選を行った後で、選択された10枚の中に同種類のカードが複数枚含まれるか否かを判定し、判定結果に応じて、再度10回の抽選を行うことによって、一度に付与される複数のカードの中に同種類のカードが複数含まれないようにする方法としてもよい。これらの処理によって、重複しない複数枚のカードを抽選によって選択することができる。言い換えると、複数枚のカードを抽選によって選択する場合に、複数枚のカードの中に同種類のカードが複数枚含まれない抽選結果とすることができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。本実施形態のゲームシステム1の構成は、第1の実施形態と同様であるので、本実施形態において特徴的な処理について説明する。
第1〜3の実施形態では、10連ガチャの10回の抽選処理のそれぞれにおいて、同種類のカードが既に選択済みである場合には再抽選を行うことで、同種類のカードが複数枚選択されないようにした。本実施形態では、予め同種類のカードが含まれないような10枚のカードの組を複数管理しておき、組を抽選することで、一度に付与される複数のカードの中に同種類のカードが複数含まれないように構成した例を説明する。
抽選処理部311は、単発ガチャの抽選処理では、抽選処理部311は、カードマスタデータ記憶部352に記憶されているカードマスタデータを参照し、カードマスタデータに記憶されているカードのうちのいずれかを抽選する抽選処理を1回行い、1枚のカードを抽選する。
一方、10連ガチャの抽選処理では、抽選処理部311は、予め設定された10種類のカードの組のいずれかを抽選する抽選処理を1回行い、10枚のカードを抽選する。なお、選択されたカードの組である10枚のカードの全てを一度にユーザに通知してもよいし、10枚のカードを複数回(例えば10回)に分けて通知してもよい。その際、選択されたカードを選択された順番で通知してもよいし、選択されたカードのレアリティ等に基づいた順番で通知してもよい。
図11は、本実施形態に係る10連ガチャの抽選処理で抽選するカードの組が設定されたカード組データの一例を示す図である。図示するカード組データには、複数の組(組1、組2、組3、・・・)毎に、互いに異なる種類の10枚のカード(カードID)が関連付けられた組情報が設定されている。抽選で選択された組に関連付けられている10枚のカードが抽選で選択されるカードとなる。なお、カードの組の内容は、ゲームの運営者等によって予め設定されたものであってもよいし、ユーザの選択によって設定されたものであってもよい。或いは、第1〜3の実施形に記載した抽選方法にてコンピュータにより設定されたものであってもよい。
〔第4の実施形態のまとめ〕
以上説明してきたように、本実施形態によるゲームサーバ30(ゲーム装置の一例)の抽選処理部311は、複数種類のカード(ゲーム媒体の一例)のうちからいずれかのカードを抽選する抽選処理を複数回行う代わりに、同種類のカードが含まれない複数枚のカードが関連付けられた組が複数設定されたカード組データ(組情報の一例)を参照して、複数の組のうちからいずれかの組を1回抽選する。これにより、ゲームサーバ30は、10連ガチャ等のように1回の抽選操作で複数枚のカードがユーザに付与される抽選において、同種類のカードが複数枚ユーザに付与されないようにできるため、ユーザに付与されるカードに偏りが生じない。よって、本実施形態によれば、カード抽選におけるユーザの不満を改善することができる。
[変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の第1〜4の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
なお、上記実施形態において、10連ガチャにおいて「同種類のカードを複数回付与しない」という第1の抽選条件より「再抽選は同一レアリティのカード」という第2の抽選条件を優先して再抽選を行う例を説明したが、2枚までは同種類のカードが抽選されることを許容し、3枚以上は同種類のカードが抽選されない構成としてもよい。例えば、抽選処理部311は、2枚までは第1の抽選条件より第2の抽選条件を優先し、それ以降は第2の抽選条件より第1の抽選条件を優先してもよい。また、抽選処理部311は、再抽選するかどうかを所定の確率で制御してもよい。
また、上記第2、3の実施形態において、「再抽選は同一レアリティのカード」という第2の抽選条件を満たすために、同一レアリティのカードの中で再抽選する処理を説明したが、すべてのカードの中で再抽選を行い、同一レアリティのカード以外のカードが選ばれた場合にはさらに再抽選する処理としてもよい。また、カードの種類の他に、カードの用途や属性を参照して再抽選を行うか否かを判定する処理としてもよい。例えば、カードの属性に偏りがあった方がユーザにとって有利となるゲームである場合なども考えられる。このような場合等においては、例えば、既に選択されたカードの属性とは異なる属性のカードが選択された場合に再抽選を行う処理としてもよい。また、例えば、3種類のカードの用途(例えば、キャラクタ、武器、防具)がある場合において、一度に付与される10枚のカードの中に3種類全ての用途のカードが含まれるような処理としてもよい。具体的には、未選択の用途を特定し、抽選で選択されたカードの用途と未選択の用途とを比較し、再抽選を行うか否かを判定する処理としてもよい。
また、上記実施形態のように、複数枚のカードの中に同種類のカードが複数含まれないように抽選する処理ではなく、複数枚のカードを抽選で選択した結果、選択された複数枚のカードの中に同種類のカードが含まれていた場合に、ユーザに追加でカードを付与する処理としてもよい。複数枚の中の同種類のカードの数や、複数枚の中に含まれるカードの種類数等によって、追加で付与するカードの数が異なっていてもよい。このような構成によって、カードに偏りによって生じるユーザの不満を改善することができる。
また、上記実施形態において、1回の抽選操作に対して複数回の抽選処理が行われ、抽選で選択された複数枚のカードがユーザに一度に付与される複数枚抽選の例として、1回の抽選操作に対して10回の抽選処理が行われる10連ガチャを例に説明したが、これに限られるものではない。例えば、抽選回数は、10回に限られるものではなく、2回以上の任意の数とすることができる。また、1回の抽選でユーザに付与されるカードの枚数は、1枚に限られるものではなく、2枚以上の任意の数とすることができる。
また、複数枚抽選(例えば、10連ガチャ)の場合、抽選で選択されたカードが、選択されたカードの順番とは異なる順番でユーザに提示されてもよい。例えば、レアリティの高いカードが最後になるような順番でユーザに提示されてもよい。また、本実施形態の抽選処理によるカードの付与方法と、毎回の抽選処理の結果が独立した従来の抽選処理によるカードの付与方法とのいずれを実行するかがユーザの選択に基づいて決定されてもよい。例えば、第1の操作子がユーザによって選択された場合には、複数枚のカードの中に同種類のカードが含まれないように抽選する抽選処理によって複数枚のカードが付与される処理が実行され、第2の操作子がユーザによって選択された場合には、複数回の抽選処理が独立した従来の抽選処理によって複数枚のカードが付与される処理が実行される、といったように、いずれの処理を実行するかがユーザの選択に基づいて決定されてもよい。また、抽選対象となるカードの集合は、上述したカードマスタデータではなく、ゲームの運営者が選択したカードのリストであってもよい。
また、上記実施形態で説明した抽選処理は、所謂、ボックスガチャであってもよい。ボックスガチャとは、抽選対象となる集合(ここでは、カード群)の総数と種類が予め決まっており、抽選の度に抽選で選択されたカードがカード群から減り、次の抽選ではカード群に残っているカードの中から抽選が行われるものである。例えば、カード群はユーザ毎に管理されるものでもよいし、複数のユーザで共有のものとして管理されてもよい。ボックスガチャでは、例えば、ユーザに付与するカードのカードIDとそれぞれの枚数(或いはカードの組(セット)のIDとそれぞれの組(セット)の数)が抽選対象となる集合として定められている。この場合、ゲームサーバ30は、各カードの種類と残り枚数とを対応付けて記憶するテーブルによって、カードの残り枚数(抽選対象の枚数)を管理してもよい。例えば、ゲームサーバ30は、抽選結果に基づいてユーザにカード(あるいはカードの組(セット))が付与された際に、付与されたカードのID(あるいはカード組(セット)のID)に対応付けられた残り枚数を更新することによって、残り枚数を管理する。なお、ゲームサーバ30は、抽選対象のカード群のカードの種類及び枚数(或いはカードの組(セット)のIDとそれぞれの組(セット)の数)と、抽選により選択されたカードの種類及び枚数(あるいは既に付与したカードの組(セット)のID)とを記憶して比較することによって、カードの残り枚数(抽選対象の枚数)を算出して管理してもよい。
また、上記実施形態では、ゲームサーバ30の記憶部35が、ユーザデータ記憶部351と、カードマスタデータ記憶部352と、所持カードデータ記憶部353とを備えている構成を説明したが、記憶部35が備える各記憶部の一部、または、各記憶部に記憶されているデータの一部は、ユーザ端末10の記憶部15にも記憶されてもよい。例えば、記憶部35に記憶されているデータのうち各ユーザのデータ(例えば、各ユーザのユーザデータ及び所持カードデータ)は、各ユーザのユーザ端末10のそれぞれの記憶部15に記憶されてもよい。つまり、ゲームサーバ30には、ゲームに登録されている全てのユーザのデータが記憶され、ユーザ端末10には、各ユーザのデータが記憶されてもよい。この場合、ゲームサーバ30に記憶されているデータとユーザ端末10に記憶されているデータとは、所定の契機で同期が行われる。
また、上述のゲーム制御部110またはサーバ制御部310の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりゲーム制御部110またはサーバ制御部310としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、上述のゲーム制御部110またはサーバ制御部310の一部または全部の機能を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
また、上記実施形態では、ゲームサーバ30が抽選処理を行う構成を説明したが、ユーザ端末10が抽選処理を行う構成としてもよい。例えば、ユーザ端末10で実行されるゲームの処理がユーザ端末10で独立して(スタンドアローンで)行われるような場合、ユーザ端末10で抽選処理を行う機能構成として、上記実施形態で説明した抽選処理部311、ユーザデータ記憶部351、カードマスタデータ記憶部352、所持カードデータ記憶部353等に相当する構成をユーザ端末10が備えてもよい。
[付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
(付記1)本発明の一態様に係るゲーム装置(30、10)は、複数種類のゲーム媒体(例えば、カード)のうちからいずれかのゲーム媒体を抽選する抽選処理を複数回行う際に、2回目以降の抽選処理で選択されたゲーム媒体が既に選択済みのゲーム媒体と同種類のゲーム媒体である場合、前記2回目以降の抽選処理で選択されたゲーム媒体の再抽選を行う抽選処理部(311、S106、S200〜S258)、を備える。
付記1の構成によれば、ゲーム装置は、10連ガチャ等のような複数枚抽選において、同種類のカードが複数枚ユーザに付与されることがないようにできるため、ユーザに付与されるカードに偏りが生じない。よって、カード抽選におけるユーザの不満を改善することができる。
(付記2)また、本発明の一態様は、付記2に記載のゲーム装置であって、前記抽選処理部は、前記2回目以降の抽選処理で選択されたゲーム媒体(例えば、カード)が既に選択済みのゲーム媒体と同種類のゲーム媒体である場合、同一レアリティのゲーム媒体のうちから再抽選を行う(S222)。
付記2の構成によればゲーム装置は、複数枚抽選において同種類のカードが複数枚ユーザに付与されないようにできるとともに、再抽選によってレアカードまたは非レアカードの出る確率が変わってしまいユーザにとって不利な抽選となってしまうこと、が発生しないようにできる。
(付記3)また、本発明の一態様は、付記2に記載のゲーム装置であって、前記抽選処理部は、前記2回目以降の抽選処理で選択されたゲーム媒体(例えば、カード)が既に選択済みのゲーム媒体と同種類のゲーム媒体であっても、該選択されたゲーム媒体と同一レアリティの他の種類のゲーム媒体がない場合には、再抽選を行わないで、該選択されたゲーム媒体を抽選結果として選択する(S220)。
付記3の構成によれば、ゲーム装置は、抽選条件を満たすカードがなく抽選結果が得られないといったことがないようにすることができる。
(付記4)また、本発明の一態様は、付記2に記載のゲーム装置であって、前記抽選処理部は、前記2回目以降の抽選処理で最初に選択されたゲーム媒体(例えば、カード)が既に選択済みのゲーム媒体と同種類のゲーム媒体であって、所定の回数以上の再抽選を行っても再抽選で選択されたゲーム媒体が既に選択済みのゲーム媒体と同種類のゲーム媒体である場合、該最初に選択されたゲーム媒体を抽選結果として選択する(S230〜S234)。
付記4の構成によれば、ゲーム装置は、抽選条件を満たすゲーム媒体がなく抽選結果が得られないといったことがないようにすることができる。
(付記5)また、本発明の一態様に係るゲーム装置(30、10)は、同種類のゲーム媒体(例えば、カード)が含まれない複数枚のゲーム媒体が関連付けられた組が複数設定された組情報を参照して、前記複数の組のうちからいずれかの組を抽選する抽選処理部(311、S106)、を備える。
付記5の構成によれば、ゲーム装置は、10連ガチャ等のような複数枚抽選において、同種類のカードが複数枚ユーザに付与されないようにできるため、ユーザに付与されるカードに偏りが生じない。よって、カード抽選におけるユーザの不満を改善することができる。
(付記6)また、本発明の一態様に係るゲーム装置(30、10)は、ユーザの要求に基づいて複数のゲーム媒体(例えば、カード)を抽選する際に、同種類のゲーム媒体が複数含まれないように抽選する抽選処理部(311、S106)、を備えるゲーム装置である。
付記6の構成によれば、ゲーム装置は、10連ガチャ等のような複数枚抽選において、同種類のカードが複数枚ユーザに付与されないようにできるため、ユーザに付与されるカードに偏りが生じない。よって、カード抽選におけるユーザの不満を改善することができる。
(付記7)また、本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、付記1から付記5のいずれか一に記載のゲーム装置(30、10)として機能させるためのプログラムである。
付記7の構成によれば、プログラムは、10連ガチャ等のような複数枚抽選において、同種類のカードが複数枚ユーザに付与されることがないようにできるため、ユーザに付与されるカードに偏りが生じない。よって、カード抽選におけるユーザの不満を改善することができる。