JP6757652B2 - 透明導電性フィルム及びその製造方法並びにタッチパネル - Google Patents

透明導電性フィルム及びその製造方法並びにタッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、透明導電性フィルム及びその製造方法並びにタッチパネルに関する。
近年、投影型静電容量方式のタッチパネルや、マトリックス型の抵抗膜方式タッチパネルは、多点入力(マルチタッチ)が可能であるため、操作性に優れ、その需要が急速に高まっている。このようなタッチパネルの電極部材として、透明フィルム基に透明導電性薄膜が形成された透明導電性フィルムが提案されている。
上述のようなタッチパネルでは、パターン化された透明導電層を有する透明導電性フィルムが用いられる。透明導電層の材料としてインジウム−スズ複合酸化物(ITO)が可視光透過率の観点から広く用いられているものの、その屈折率が高いことから、ITOを含む透明導電層をパターン化した際には、透明導電層がパターンを形成する部分(パターン形成部)と透明導電層が除去された部分(パターン開口部)においてパターンの視認性に差異が生じ、外部からパターンが観察されて見栄えが悪化したり、色味が生じたりすることがある。このようなパターンを目立たなくするために、基材フィルムと透明導電層との間に光学調整層を設けた技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
特許第4364938号明細書 特許第4874145号明細書 特開2011−134482号公報
ところで、高温高湿度下に置かれることのあるスマートフォンやカーナビ等に搭載されるタッチパネル用途には、たとえば85℃85%RHといった従来に比してより厳しい条件下であっても、動作に支障の出ない高い湿熱耐久性が強く要望されている。しかしながら、上記技術に係る透明導電性フィルムについて85℃85%RH雰囲気での耐湿熱試験を行うと、パターン化された透明導電膜にクラックが発生し、電気特性が低下することが新たに判明している。
本発明は、優れた耐湿熱性を有する透明導電性フィルム及びその製造方法、並びに当該透明導電性フィルムを備えたタッチパネルを提供することを目的とする。
本願発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、透明導電膜がパターン化された透明導電性フィルムを高温高湿環境下に置いた場合には、塗工プロセスで形成した光学調整層が凝集破壊を起こしてそこに空隙が発生しており、この空隙の膨張に透明導電層が追従できなくなって透明導電層のクラックが発生しているのではないかとの知見を得た。本願発明者らは、さらに検討したところ、下記の構成を採用することにより前記目的を達成できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
本発明は、一実施形態において、基材フィルムと、塗工膜である光学調整層と、透明導電層とをこの順に備え、
前記透明導電層を除去した後の積層体を50℃の7重量%水酸化ナトリウム水溶液に8分間浸漬する前後での反射スペクトルを測定した際に、浸漬前において反射率が最低となる波長λ0[nm]と浸漬後において反射率が最低となる波長λ1[nm]との差の絶対値が50nm以下である透明導電性フィルムに関する。
本願発明者らは、高温高湿環境下での光学調整層の凝集破壊が、塗工膜の硬化不足に起因していると推察し、光学調整層の塗工形成プロセスを種々検討した。その中で、アルカリ耐性試験で良好な結果が得られたサンプルでは、透明導電層のクラックの発生頻度が低下しており、アルカリ耐性試験とクラック発生頻度との間に相関があることを突き止めた。アルカリ耐性試験では、サンプルのアルカリ溶液への浸漬前後での構造的ないし特性的変化を評価しており、塗工膜を硬化させた硬化膜(光学調整層)の強度(硬化の度合い)とも強い相関を有することから、アルカリ耐性試験を光学調整層の硬化度の指標として利用することについてさらに検討を進めた。アルカリ溶液浸漬前後で光学調整層の構造が変化すれば、その光学特性も変化すると予測される。この考えに基づき、浸漬前後でのサンプルの反射スペクトルを測定し、両者を比較した際のスペクトル形状の変化を評価したところ、スペクトル変化が小さい場合には透明導電層のクラックの発生頻度が低下していることが判明した。
当該透明導電性フィルムでは、アルカリ浸漬前後での反射スペクトルにおいて反射率が最低となる波長(以下、「最低反射率波長」ともいう。)同士の差の絶対値(すなわち、|λ0−λ1|:以下、便宜上「Δλ」とも表記する。)が50nm以下であるので、光学調整層のアルカリ浸漬に対する構造変化が小さく、言い換えると、光学調整層は十分な硬化度を有することになる。これにより、当該透明導電性フィルムを高温高湿環境下においた場合でも光学調整層の凝集破壊が抑制され、その結果、透明導電層のクラックを防止することができる。Δλが50nmを超えると、アルカリ浸漬前後での光学調整層の構造変化が凝集破壊を生じさせるほど大き過ぎ、高温高湿環境下に置いた際の透明導電層のクラックにつながるおそれがある。
一実施形態において、前記光学調整層は有機成分と無機成分とを含む有機無機複合材料で形成されており、前記無機成分のメジアン径の値は前記光学調整層の厚みの値より小さいことが好ましい。無機成分の添加により光学調整層の膜強度のさらなる向上を図ることができ、耐湿熱性をより高めることができる。また、無機成分の配合により光学特性の調整が容易となり、透明導電性フィルムの反射率をより低減させることができる。さらに、前記無機成分のメジアン径の値を前記光学調整層の厚さの値より小さくすることで、無機成分に起因する表面凹凸を抑制して光散乱を抑制することができる。
一実施形態において、前記基材フィルムと前記光学調整層との間、及び前記基材フィルムの前記光学調整層とは反対側の面側の少なくとも一方にハードコート層が形成されていることが好ましい。ハードコート層の形成により基材フィルムに強度を付与することができ、透明導電性フィルムの製造プロセスや搬送プロセスでのハンドリング性を高めることができる。
一実施形態において、前記基材フィルムがシクロオレフィン系樹脂を含むことが好ましい。これにより、当該透明導電性フィルムの透明性をより高めることができ、良好な見栄えを達成することができる。
本発明は、一実施形態において、基材フィルム上に光学調整層形成用塗工液を塗布して塗工膜を形成する工程、
前記塗工膜をエネルギー線照射により硬化させて光学調整層を形成する工程、及び
前記光学調整層上に透明導電層を形成する工程
を含み、
前記エネルギー線照射は前記基材フィルムを走行させながら行い、
前記基材フィルムの走行速度v[m/min]と前記エネルギー線の積算光量L[mJ/cm]とが下記の関係を満たす透明導電性フィルムの製造方法に関する。
v<0.1L
当該製造方法では、塗工膜をエネルギー線硬化して光学調整層を形成する際、エネルギー線の積算光量の値に対してフィルムの走行速度の値を10%以下の値にまで小さくしている。積算光量が一定であるとすると、フィルムの走行速度を遅くすることで光源からの照射強度は弱くなるものの、塗工膜へのエネルギー線の照射時間を長くとることができる。また、エネルギー線照射の際に酸素が存在すると塗工膜における硬化反応が阻害されるので、照射時には酸素排除のために不活性ガスを導入することが多い。フィルムの走行速度が速過ぎると、不活性ガスによる雰囲気置換が不十分となるのに対し、当該製造方法ではフィルムの走行速度を大幅に遅くしているので、不活性ガスによる雰囲気置換が十分行われることになり、エネルギー線の照射雰囲気中の酸素濃度を十分低下させることができる。以上のように、エネルギー線照射の際のフィルムの走行速度を所定範囲にまで低下させることにより、エネルギー線の照射時間及び不活性ガス置換のいずれをも高いレベルで達成することができ、十分に硬化した光学調整層を形成することができる。
一実施形態において、前記エネルギー線照射の際の前記塗工膜近傍の酸素濃度が100ppm未満であることが好ましい。これにより、エネルギー線の照射による塗工膜の硬化反応を促進させることができ、十分な硬化度を有する光学調整層を形成することができる。
本発明は、一実施形態において、当該透明導電性フィルムを備えるタッチパネルに関する。当該透明導電性フィルムは、スマートフォンやカーナビ等の高温高湿度下に置かれることのあるタッチパネル用途に好適である。
本発明の一実施形態に係る透明導電性フィルムの模式的断面図である。 図2に、実施例4のアルカリ浸漬前後での反射スペクトルを示す。
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。なお、図面に示した形態は実寸比ではなく、説明の便宜上、部分的に拡大又は縮小して示している箇所がある。また、本明細書における上下左右、表裏等の位置関係を示す用語は、単なる説明を容易にするための用語であり、実際の具体的構成の位置関係を特定する意図は一切ない。
<透明導電性フィルム>
図1は、本発明の透明導電性フィルムの一実施形態を模式的に示す断面図である。透明導電性フィルム10では、基材フィルム1の一方の面に、光学調整層3、及び透明導電層4がこの順で形成されている。本実施形態では、図1に示すように、基材フィルム1と光学調整層3との間にハードコート層2が設けられていてもよい。図1ではハードコート層が基材フィルム1の片面に形成されているが、基材フィルム1の両面に形成されていてもよい。
<基材フィルム>
基材フィルム1としては、特に制限されないが、透明性を有する各種のプラスチックフィルムが用いられる。例えば、その材料として、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂などのポリシクロオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。これらの中で好ましいのは、シクロオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂であり、特に好ましいのはシクロオレフィン系樹脂である。
シクロオレフィン系樹脂としては、環状オレフィン(シクロオレフィン)からなるモノマーのユニットを有する樹脂であれば特に限定されるものではない。シクロオレフィン系樹脂フィルムに用いられるシクロオレフィン系樹脂としては、シクロオレフィンポリマー(COP)又はシクロオレフィンコポリマー(COC)のいずれであってもよい。シクロオレフィンコポリマーとは、環状オレフィンとエチレン等のオレフィンとの共重合体である非結晶性の環状オレフィン系樹脂のことをいう。
上記環状オレフィンとしては、多環式の環状オレフィンと単環式の環状オレフィンとが存在している。かかる多環式の環状オレフィンとしては、ノルボルネン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブチルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセン、ジメチルシクロテトラドデセン、トリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエンなどが挙げられる。また、単環式の環状オレフィンとしては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロオクタトリエン、シクロドデカトリエンなどが挙げられる。
上記シクロオレフィン系樹脂からなる光学フィルムは市販品としても入手可能であり、例えば、ポリプラスチック社製のTopas、JSR社製のアートン、日本ゼオン社製のZEONOR、ZEONEX、三井化学社製のアペル等が挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂は、特に限定されないが、例えば、脂肪族ポリカーボネート、芳香族ポリカーボネート、脂肪族−芳香族ポリカーボネートなどが挙げられる。具体的には、例えば、ビスフェノール類を用いたポリカーボネート(PC)としてビスフェノールAポリカーボネート、分岐ビスフェノールAポリカーボネート、発砲ポリカーボネート、コポリカーボネート、ブロックコポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリホスホネートカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR−39)などが挙げられる。ポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノールAポリカーボネートブレンド、ポリエステルブレンド、ABSブレンド、ポリオレフィンブレンド、スチレン―無水マレイン酸共重合体ブレンドのような他成分とブレンドしたものも含まれる。ポリカーボネート樹脂の市販品としては、恵和社製「オプコン」、帝人社製「パンライト」、三菱ガス化学製「ユーピロン(紫外線吸収剤含有ポリカーボネート)」等が挙げられる。
基材フィルム1の厚みは、2〜200μmの範囲内であることが好ましく、20〜180μmの範囲内であることがより好ましい。基材フィルム1の厚みが2μm未満であると、基材フィルム1の機械的強度が不足し、フィルム基材をロール状にして光学調整層3及び透明導電層4を連続的に形成する操作が困難になる場合がある。一方、厚みが200μmを超えると、透明導電層4の耐擦傷性やタッチパネル用としての打点特性の向上が図れない場合がある。
基材フィルム1には、表面に予めスパッタリング、プラズマ処理、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化などのエッチング処理や下塗り処理を施して、フィルム基材上に形成されるハードコート層や光学調整層等との密着性を向上させるようにしてもよい。また、ハードコート層や光学調整層を形成する前に、必要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄などにより、フィルム基材表面を除塵、清浄化してもよい。
<ハードコート層>
透明導電性フィルム10では、基材フィルム1と光学調整層3との間にハードコート層2を設けることができる。ハードコート層2を設けることにより、耐擦傷性の向上やシクロオレフィン系樹脂フィルム等の柔軟な基材フィルム1のハンドリング性の向上等を図ることができる。
(樹脂組成物)
ハードコート層は、樹脂組成物の硬化物層である。樹脂組成物としては、ハードコート層形成後の皮膜として十分な強度を持ち、透明性のあるものを特に制限なく使用できる。中でも、樹脂組成物は、分子内に重合性官能基を3個以上有し、重量平均分子量が200以上1000以下である成分Aと、分子内における単位分子量当たりの重合性官能基の数が成分Aより少なく、かつ重量平均分子量が1000より大きく100000以下である成分Bとを含むことが好ましい。ハードコート層では、重量平均分子量が200以上1000以下である成分Aに由来する構造がハードセグメントとして作用することで耐擦傷性に寄与し、同時に、重量平均分子量が1000より大きく100000以下である成分Bに由来する構造がソフトセグメントとして作用することで耐割れ性に寄与することができる。
硬度を高めてフィルムの傷付きを防止する観点からは、成分Aの固形分の量を増やせばよい。一方、柔軟性を付与してフィルム破断を防止する観点から、成分Bの固形分の量は、成分Aの固形分の量よりも多いことが好ましい。この場合、成分Aの固形分及び成分Bの固形分の合計量に対し、成分Bの固形分の量は、70重量%〜90重量%であることが好ましく、75重量%〜85重量%であることがより好ましい。
樹脂組成物に用いる樹脂としては、熱硬化型樹脂、熱可塑型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、二液混合型樹脂などがあげられるが、これらのなかでも紫外線照射による硬化処理にて、簡単な加工操作にて効率よく各ハードコート層を形成することができる紫外線硬化型樹脂が好適である。
紫外線硬化型樹脂としては、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、アミド系、シリコーン系、エポキシ系等の各種のものがあげられ、紫外線硬化型のモノマー、オリゴマー、ポリマー等が含まれる。好ましく用いられる紫外線硬化型樹脂は、例えばアクリロイル基等の紫外線重合性官能基を有するもの、なかでも当該重合性官能基を分子内に2個以上、特に2〜6個有するアクリル系のモノマーやオリゴマーレベルの成分、及びポリマーレベルの成分を成分A及び成分Bとして含むものがあげられる。また、紫外線硬化型樹脂には、紫外線重合開始剤が配合されている。このような多官能の高分子量成分及び多官能の低分子量成分により樹脂組成物の硬化後には三次元架橋構造が形成されるとともに、多官能低分子量成分が架橋構造の架橋の起点となって主として硬度に寄与し、これより単位分子量当たりの重合性官能基数の少ない多官能高分子量成分がソフトセグメントとして主に柔軟性に寄与する。
本実施形態において、紫外線硬化型樹脂としてはウレタン(メタ)アクリレートを好適に用いることができる。
前記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、ポリオール、ジイソシアネートを構成成分として含有するものが用いられる。例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも一方のモノマーと、ポリオールとを用いて、水酸基を1個以上有するヒドロキシ(メタ)アクリレートを作製し、これをジイソシアネートと反応させることによりウレタン(メタ)アクリレートを製造することができる。ウレタン(メタ)アクリレートは、一種類を単独で使用でもよく、二種類以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリオールは、水酸基を少なくとも2つ有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、トリシクロデカンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、トリシクロデカンジメチロール、水添ビスフェノールA、エチレンオキサイド付加ビスフェノールA、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グルコース類、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、1,2−ブチレンオキシドとエチレンオキシドとの共重合体およびプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のジオール、脂肪族または環式ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。
ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族、脂肪族又は脂環族の各種のジイソシアネート類を使用することができ、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3−ジメチル−4,4−ジフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等、さらにはこれらの水添物等が挙げられる。
樹脂組成物中のウレタン(メタ)アクリレートの配合割合は、特に制限されない。ハードコート層の柔軟性や硬度、基材フィルムに対する密着性等の観点から、ウレタン(メタ)アクリレートの配合割合は、樹脂組成物の合計重量に対し、例えば、10〜90重量%の範囲であり、好ましくは、20〜80重量%の範囲である。
ハードコート層を形成する樹脂組成物に用いられる硬化型樹脂として、上記各成分に加えて反応性希釈剤を有していてもよい。反応性希釈剤としては、比較的低粘度である1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能以上のモノマーおよびオリゴマー並びに単官能モノマー、例えばN−ビニルピロリドン、エチルアクリレート、プロピルアクリレート等のアクリル酸エステル類、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ノニルフェニルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、そのカプロラクトン変成物などの誘導体、スチレン、q−メチルスチレン、アクリル酸等、またはそれらの混合物などを使用することができる。
樹脂組成物には、前記材料に加えて、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、チクソトロピー剤、帯電防止剤、光重合開始剤等の常用の添加剤を用いることができる。チクソトロピー剤を用いると、ハードコート層が粒子を含む場合に、微細凹凸形状表面における突出粒子の形成に有利である。チクソトロピー剤としては、0.1μm以下のシリカ、マイカ等があげられる。これら添加剤の含有量は、通常、紫外線硬化型樹脂100重量部に対して、15重量部以下程度、好ましくは0.01〜15重量部、とするのが好適である。
(粒子)
各ハードコート層は粒子を含んでいてもよい。高硬度化の観点および耐ブロッキング性付与の観点から、粒子を含有することが好ましい。
上記粒子としては、各種金属酸化物、ガラス、プラスチックなどの透明性を有するものを特に制限なく使用することができる。例えば、酸化ケイ素(シリカ)粒子、中空ナノシリカ粒子、酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化錫粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化カルシウム粒子等の無機系粒子、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン共重合体、ベンゾグアナミン、メラミン、ポリカーボネート等の各種ポリマーからなる架橋又は未架橋の有機系粒子やシリコーン系粒子などがあげられる。前記粒子は、1種または2種以上を適宜に選択して用いることができるが、屈折率の観点から、無機系粒子、有機系粒子が好ましい。
(コーティング組成物)
ハードコート層を形成するのに用いられるコーティング組成物は、上記の樹脂、粒子、及び溶媒を含む。
コーティング組成物は、上記の樹脂及び粒子を、必要に応じて溶媒、添加剤、触媒等と混合することにより調製することができる。コーティング組成物中の溶媒は、特に限定されるものではなく、用いる樹脂や塗装の下地となる部分の材質及び組成物の塗装方法などを考慮して適時選択される。溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アニソール、フェネトールなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテートなどのエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;などが挙げられる。これらの溶媒を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。これらの溶媒のうち、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒及びケトン系溶媒が好ましく使用される。
コーティング組成物において、粒子は溶液中に分散されていることが好ましい。溶液中に粒子を分散させる方法としては、樹脂組成物溶液に粒子を添加して混合する方法や、予め溶媒中に分散させた粒子を樹脂組成物溶液に添加する方法等、各種公知の方法を採用することができる。
コーティング組成物の固形分濃度は、1重量%〜70重量%が好ましく、2重量%〜50重量%がより好ましく、5重量%〜40重量%が最も好ましい。固形分濃度が低くなりすぎると、塗布後の乾燥工程でハードコート層表面の隆起のばらつきが大きくなり、ヘイズが上昇する場合がある。一方、固形分濃度が大きくなりすぎると、含有成分が凝集しやすくなり、その結果、凝集部分が顕在化して透明導電性フィルムの外観を損ねる場合がある。
(塗布及び硬化)
ハードコート層2は、基材フィルム1上に、上記のコーティング組成物を塗布することにより形成することができる。なお、コーティング組成物は、基材フィルム1上に直接行ってもよく、基材フィルム1上に形成されたアンダーコート層等の上に行うこともできる。
ハードコート層は、コーティング組成物を基材フィルム上に塗布し、コーティング組成物が溶剤を含む場合には、溶剤の乾燥を行い、熱、活性エネルギー線またはその両方のいずれかの適用により硬化させることにより得られる。熱は空気循環式オーブンやIRヒーターなど公知の手段を用いることができるがこれらの方法に限定されない。活性エネルギー線の例としては紫外線、電子線、ガンマ線などがあるが特に限定されない。
コーティング組成物の塗布方法は、コーティング組成物及び塗装工程の状況に応じて適時選択することができ、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法やエクストルージョンコート法などにより塗布することができる。
コーティング組成物を塗布後、塗膜を硬化させることによって、ハードコート層を形成することができる。樹脂組成物が光硬化性である場合は、必要に応じた波長の光を発する光源を用いて光を照射することによって、硬化させることができる。照射する光として、例えば、露光量150mJ/cm以上の光、好ましくは150mJ/cm〜1000mJ/cmの光を用いることができる。またこの照射光の波長は特に限定されるものではないが、例えば380nm以下の波長を有する照射光などを用いることができる。なお、光硬化処理の際に加熱を行ってもよい。
ハードコート層2には、表面に予めスパッタリング、プラズマ処理、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化などのエッチング処理や下塗り処理を施して、ハードコート層上に形成される光学調整層等との密着性を向上させるようにしてもよい。また、光学調整層を形成する前に、必要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄などにより、ハードコート層表面を除塵、清浄化してもよい。
<光学調整層>
透明導電性フィルム10においては、ハードコート層2と透明導電層4との間に、透明導電層の密着性や反射特性の制御等を目的として塗工膜である光学調整層3が設けられている。また、光学調整層は、透明導電層が形成されているパターン形成部と透明導電層が除去されたパターン開口部との光学厚み差を調整することによって、両者間の反射率差を低減し、パターンが視認され難くすることを目的として設けることができる。光学調整層3の層構造は1層構造に限定されず、2層でもよく、3層以上の層構造を有していてもよい。光学調整層が2層以上形成されている場合、少なくとも1層が塗工膜であればよく、残りの層は乾式法(例えば、スパッタリング等)により形成されたスパッタ膜等であってもよい。
光学調整層が2層構造を有する場合、2層の光学調整層は互いに異なる屈折率を有することが好ましい。反射特性をより高いレベルで制御して反射率を低減させる観点では、基材フィルム1に近い光学調整層の屈折率が基材フィルム1から遠い光学調整層の屈折率より高いことが好ましい。この場合、基材フィルムに近い光学調整層の屈折率は、1.60以上1.90以下が好ましく、1.70以上1.80以下がより好ましい。また、基材フィルムから遠い光学調整層の屈折率は、1.35以上1.60以下が好ましく、1.45以上1.55以下がより好ましい。
光学調整層の厚み(複数層の場合は、各層の厚み)は、10nm〜200nmであることが好ましく、20nm〜150nmであることがより好ましく、20nm〜130nmであることがさらに好ましい。光学調整層の厚みが過度に小さいと連続被膜となりにくい。また、光学調整層の厚みが過度に大きいと、透明導電性フィルムの透明性が低下したり、光学調整層にクラックが生じ易くなったりする傾向がある。
光学調整層は、有機成分、無機成分、及び有機成分と無機成分とを含む有機無機複合材料のいずれによって形成されていてもよい。中でも、少なくとも1層の光学調整層は有機成分と無機成分とを含む有機無機複合材料で形成されていることが好ましい。有機成分に加えて無機成分を複合的に用いることにより、光学調整層の膜強度のさらなる向上を図ることができ、耐湿熱性をより高めることができる。また、無機成分の添加により光学調整層の光学特性の調整が容易となり、透明導電性フィルムの反射率をより低減させることができる。
(有機成分)
有機成分としては特に限定されず、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂等が用いられる。加工速度の早さや基材フィルム1への熱ダメージを抑制する観点からは、紫外線硬化型樹脂を用いることが特に好ましい。
このような紫外線硬化型樹脂としては、例えば、光(紫外線)により硬化するアクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する硬化型化合物を用いることができる。硬化型化合物としては、例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物のアクリレートやメタクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマー等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機無機複合材料の有機成分に用いられる紫外線硬化型樹脂として、上記各成分に加えて反応性希釈剤を有していてもよい。反応性希釈剤としては、例えば、アクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する反応性希釈剤を用いることができる。反応性希釈剤の具体例としては、例えば特開2008−88309号公報に記載の反応性希釈剤を用いることができ、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、多官能アクリレート、多官能メタクリレート等を含む。反応性希釈剤としては、3官能以上のアクリレート、3官能以上のメタクリレートが好ましい。これは、ハードコート層の硬度を優れたものにすることができるからである。他の反応性希釈剤としては、例えば、ブタンジオールグリセリンエーテルジアクリレート、イソシアヌル酸のアクリレート、イソシアヌル酸のメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(無機成分)
有機無機複合材料は、電離放射線硬化型樹脂等の有機成分に加えて、無機成分を含有するものである。無機成分としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機酸化物の微粒子ないし微粉末があげられる。これらの中でも、ハードコート層の屈折率制御の観点から、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウムの微粒子が好ましく、特に酸化ケイ素が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機成分のメジアン径の値は光学調整層の厚みの値より小さいことが好ましい。有機無機複合材料により光学調整層を形成すると、比較的サイズの小さい突起状の外観不良が生じる場合がある。これは、無機成分により形成された光学調整層の表面凹凸が引き起こしていると考えられる。従って、無機成分のメジアン径の値を前記光学調整層の厚みの値より小さくし、無機成分に起因する表面凹凸を抑制して光散乱を抑制することが好ましい。
無機成分の具体的なメジアン径としては、50nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることがさらに好ましい。このように、ナノ粒子の最頻粒子径が小さければ、上述のような可視光の散乱が生じ難くなるとともに、有機無機複合材料中の有機成分とナノ粒子の屈折率が異なる場合であっても、光学調整層のヘイズが大幅に増大することが抑制される。なお、無機成分のメジアン径の下限は小さいほど好ましいが、凝集を防止して分散性を良好にする観点から、5nm以上であることが好ましい。
なお、本明細書において、「メジアン径」とは、粒子分布の累積度数が50%を示す粒径(d50)をいい、無機成分のメジアン径は、試料を希釈液で固形分濃度1%まで希釈し、動的光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所製、「LB−500」)で粒度分布を測定することによって求める。希釈液は無機成分の種類や、無機成分の表面修飾の種類により適宜選択される。
無機酸化物ナノ粒子は、重合性不飽和基を含む有機化合物により表面修飾されていることが好ましい。この不飽和基が、有機無機複合材料中の有機成分と反応硬化することで、ハードコート層の硬度を向上させることができる。無機酸化物ナノ粒子を表面修飾する有機化合物中の重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエート基、アクリルアミド基が好ましい。また、前記重合性不飽和基を含む有機化合物は、分子内にシラノール基を有する化合物あるいは加水分解によってシラノール基を生成する化合物であってもよい。また、重合性不飽和基を含む有機化合物は、光感応性基を有するものであることも好ましい。
有機無機複合材料中の無機酸化物ナノ粒子の配合量は、電離放射線硬化型樹脂等の有機成分固形分100重量部に対し、50重量部〜300重量部の範囲であることが好ましく、100重量部〜200重量部の範囲であることがより好ましい。有機無機複合材料中の無機酸化物ナノ粒子の配合量を上記範囲とすることで、光学調整層形成用の塗布液の隆起部周辺への流延を抑制して光の散乱を防止することができる。また、例えば光学調整層の屈折率を調整することも可能である。
(添加剤)
光学調整層3の形成材料には、さらに各種の添加剤を加えることもできる。添加剤としては、例えば有機無機複合材料を硬化して光学調整層を形成するための重合開始剤や、レベリング剤、顔料、充填剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、酸化防止剤、チクソトロピー化剤等を使用することができる。
重合開始剤としては、従来公知の光重合開始剤を用いることができる。例えば2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、N,N,N,N−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、その他、チオキサント系化合物等が使用できる。
レベリング剤としては、フッ素系またはシリコーン系のレベリング剤を適宜使用することができるが、より好ましくはシリコーン系のレベリング剤であり。シリコーン系レベリング剤としては、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン等が挙げられる。フッ素系またはシリコーン系のレベリング剤の添加量は、有機無機複合材料中の有機成分の固形分と無機成分との合計100重量部に対し0.01〜5重量部の範囲内で添加することが好ましい。
透明導電性フィルム10は、基材フィルム1と、塗工膜である光学調整層3と、透明導電層4とをこの順に備え、透明導電層4を除去した後の積層体(基材フィルム1及び塗工膜2)を50℃の7重量%水酸化ナトリウム水溶液に8分間浸漬する前後での反射スペクトルを測定した際に、浸漬前において反射率が最低となる波長λ0[nm]と浸漬後において反射率が最低となる波長λ1[nm]との差の絶対値が50nm以下である。Δλ(|λ0−λ1|)は50nm以下であればよいものの、25nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましい。Δλは0nmが好ましいものの、2nm以上であってもよい。Δλを小さくすることで、光学調整層はアルカリ浸漬に対して構造変化を呈しない程度に十分な硬化度を有することになる。これにより、透明導電性フィルムを高温高湿環境下においた場合でも光学調整層の凝集破壊が抑制され、その結果、透明導電層のクラックを防止することができる。
(透明導電層)
透明導電層は、透明樹脂フィルムの一方の面側に設けられた第1の硬化樹脂層上に設けることができる。また、透明導電層は、光学調整層を介して設けることもできる。透明導電層は、少なくとも1層の透明導電層が形成されたものであり、2層以上の透明導電層を有していてもよい。透明導電層は、金属の導電性酸化物を主成分とする薄膜、または主金属と1種以上の不純物金属を含有する複合金属酸化物を主成分とする薄膜である。これらの導電性薄膜は、透明でありかつ導電性を有するものであれば、その構成材料は特に限定されず、Sc,Y,Si,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,Al,Mg,Ga,Ti,Ge,In,Sn,Pb,As,Sb,Bi,Se,Te,Iからなる群より選択される1種の金属を主成分とする金属酸化物が好適に用いられる。透明導電層の透明性や導電性の観点からは、主金属元素はIn,Zn,Snのいずれかであることが好ましく、インジウム系複合酸化物が最も好ましい。透明導電層が、主金属と不純物金属を含有する複合金属酸化物である場合、不純物金属としても、上記群より選択される1種以上の金属が好適に用いられる。
透明導電層を低抵抗化する観点においては、複合金属酸化物における不純物金属は、主金属よりも価電子数の多いものが好適に用いられる。このような複合金属酸化物としては、インジウム・スズ複合酸化物(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)等が挙げられる。中でも低抵抗かつ高透明性の透明導電層を形成する観点において、インジウム・スズ複合酸化物が最も好適に用いられる。このようなインジウム・スズ複合酸化物は、可視光領域(380nm〜780nm)で透過率が高く、且つ単位面積当りの表面抵抗値が低いという特徴を有している。
透明導電層として、インジウム・スズ複合酸化物を用いる場合、SnOの量が、InとSnOとを加えた重さに対し、0.5重量%〜15重量%であることが好ましく、1〜10重量%であることがより好ましく、2〜6重量%であることがさらに好ましい。SnOの量が少なすぎると、ITO膜の耐久性に劣る場合がある。また、SnOの量が多すぎると、結晶化に要する時間が長くなる傾向がある。
透明導電層は結晶質であってもよく、非晶質であってもよい。例えば、基材として透明樹脂フィルムが用いられ、透明導電層としてスパッタリング法によってITO膜が形成される場合、基材の耐熱性による制約があるため、高い温度でスパッタ成膜を行うことができない。そのため、成膜直後の透明導電層は非晶質膜(一部が結晶化している場合もある)となっている場合が多い。このような非晶質の透明導電層は結晶質のもの比して透過率が低く、加湿熱試験後の抵抗変化が大きい等の問題を生じる場合がある。かかる観点からは、一旦非晶質の透明導電層を形成した後、大気中の酸素存在下で加熱することにより、結晶膜へ転換させてもよい。透明導電層を結晶化することにより、透明性が向上し、低抵抗化が図られ、加湿熱信頼性が向上するなどの利点がもたらされる。
透明導電層の表面抵抗値は、好ましくは400Ω/□以下であり、より好ましくは350Ω/□以下であり、さらに好ましくは300Ω/□以下である。このような表面抵抗値の小さい透明導電性フィルムは、例えば、スパッタリング法又は真空蒸着法により、インジウム・スズ系複合酸化物の非晶質層を硬化樹脂層上に形成した後、80℃〜200℃で30〜90分間程度加熱処理して、非晶質の透明導電層を結晶質に転化させることにより得られる。この転化させる手段は、特に限定されないが空気循環式オーブンやIRヒーターなどが用いられる。
「結晶質」の定義については、透明樹脂フィルム上に透明導電層が形成された透明導電性フィルムを、20℃、濃度5重量%の塩酸に15分間浸漬した後、水洗・乾燥し、15mm間の端子間抵抗をテスタにて測定を行い、端子間抵抗が10kΩを超えない場合、ITO膜の結晶質への転化が完了したものとする。
透明導電層の厚みは、特に制限されないが、その表面抵抗を1×10Ω/□以下の良好な導電性を有する連続被膜とするには、厚みを10nm以上とするのが好ましい。膜厚が、厚くなりすぎると透明性の低下などをきたすため、15〜35nmであることが好ましく、より好ましくは20〜30nmの範囲内である。透明導電層の厚みが15nm未満であると膜表面の電気抵抗が高くなり、かつ連続被膜になり難くなる。また、透明導電層の厚みが35nmを超えると透明性の低下などをきたす場合がある。
また、透明導電層は、エッチング等によりパターン化してもよい。例えば、静電容量方式のタッチパネルやマトリックス式の抵抗膜方式のタッチパネルに用いられる透明導電性フィルムにおいては、透明導電層がストライプ状にパターン化されることが好ましい。なお、エッチングにより透明導電層をパターン化する場合、先に透明導電層の結晶化を行うと、エッチングによるパターン化が困難となる場合がある。そのため、透明導電層のアニール処理は、透明導電層をパターン化した後に行うことが好ましい。
一般に、透明導電層は金属酸化物から形成されるために、屈折率が高く、表面での反射率が高い。そのため、パターン形成部とパターン開口部との間に反射率差が生じて、パターンが視認され易くなる傾向がある。これに対して、基材フィルム1と透明導電層4との間に光学調整層3を設けることで、界面多重反射により、透明導電層表面での反射光を干渉により打ち消して、パターン形成部での反射率が低減される。そのため、パターン形成部とパターン開口部との、反射率差が低減され、パターンが視認され難くなる。
透明導電性フィルム10の反射率は、表示モジュールに要求される光学特性を考慮して適宜設定可能であるものの、1.2%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましく、0.8%以下がさらに好ましい。
透明導電性フィルムのヘイズは、要求される透明性を確保可能であれば特に限定されないものの、5%以下が好ましく、4%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。なお、ヘイズの下限は0%が好ましいものの、0.3%以上であってもよい。
なお、本明細書において、「反射率」とはCIE表色系のD65光源の視感反射率Yを表す。
<透明導電性フィルムの製造方法>
本実施形態に係る透明導電性フィルムの製造方法は、基材フィルム上に光学調整層形成用塗工液を塗布して塗工膜を形成する工程、
前記塗工膜をエネルギー線照射により硬化させて光学調整層を形成する工程、及び
前記光学調整層上に透明導電層を形成する工程
を含み、
前記エネルギー線照射は前記基材フィルムを走行させながら行い、
前記基材フィルムの走行速度v[m/min]と前記エネルギー線の積算光量L[mJ/cm]とが下記の関係を満たす。
v<0.1L
(塗布膜形成工程)
本工程では、基材フィルム上に直接又はハードコート層等の他の層を介して光学調整層形成用塗工液を塗布して塗工膜を形成する。光学調整層形成用塗工液は、上述の有機無機複合材料や添加剤等を適宜混合することで調製される。
塗布方法としては、グラビアコート法やバーコート法、ファンテンコート、ダイコート、スピンコート、スプレーコート、ロールコート等の一般的な塗工法などにより好適に形成できる。このように少なくとも1層の光学調整層は塗工法により形成することが好ましいが、残りの光学調整層の形成法として、上述の塗工法に加えて、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを採用してもよい。
(光学調整層形成工程)
本工程では、塗工膜をエネルギー線照射により硬化させて光学調整層を形成する。エネルギー線源としては、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、窒素レーザー、電子線加速装置、放射性元素などの線源が使用される。
本工程においては、エネルギー線照射は塗工膜を形成した基材フィルム1を走行させながら行う。このとき、基材フィルム1の走行速度v[m/min]とエネルギー線の積算光量L[mJ/cm]とが下記の関係を満たす。
v<0.1L
さらに、基材フィルム1の走行速度v[m/min]とエネルギー線の積算光量L[mJ/cm]とは下記の関係を満たすことが好ましい。
v<0.07L
エネルギー線照射の際の基材フィルム1の走行速度を所定範囲にまで低下させることにより、エネルギー線の照射時間及び不活性ガス置換のいずれをも高いレベルで達成することができ、十分に硬化した光学調整層3を形成することができる。例えば、エネルギー線の積算光量L[mJ/cm]が100mJ/cmである場合、基材フィルムの走行速度は10m/min未満に設定され、エネルギー線の積算光量L[mJ/cm]が200mJ/cmである場合、基材フィルムの走行速度は20m/min未満に設定される。
エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算光量Lとして、200〜500mJ/cmが好ましく、220〜480mJ/cmが好ましい。積算光量Lが上記下限値未満の場合は、硬化が不十分となるため、光学調整層3の硬度が低下することがある。また、上記上限値を超えると、光学調整層3が着色して透明性が低下する場合がある。
基材フィルム1の走行速度vは、上記関係を満たすように設定すればよく、10〜35m/minが好ましく、15〜30m/minがより好ましい。走行速度vが上記上限値を超えると、エネルギー線の照射時間及び不活性ガス置換が不十分となり、塗工膜を十分に硬化させることができないおそれがある。
前記光学調整層形成工程において、エネルギー線照射の際の塗工膜近傍の酸素濃度は100ppm未満であることが好ましく、80ppm以下がより好ましく、60ppm以下がさらに好ましい。これにより、エネルギー線の照射による塗工膜の硬化反応を促進させることができ、十分な硬化度を有する光学調整層を形成することができる。
(透明導電層形成工程)
本工程では、光学調整層3上に透明導電層4を形成する。透明導電層の形成方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。具体的には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを例示できる。また、必要とする膜厚に応じて適宜の方法を採用することもできる。
<タッチパネル>
透明導電性フィルム10は、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式などのタッチパネルに好適に適用できる。特に、透明導電層がパターン化された場合であっても、パターン形成部とパターン開口部の視認性の差、特に反射率の差が小さく抑えられることから、投影型静電容量方式のタッチパネルや、多点入力が可能な抵抗膜方式のタッチパネルのように、所定形状にパターン化された透明導電層を備えるタッチパネルに好適に用いられる。
タッチパネルの形成に際しては、透明導電性フィルムの一方又は両方の主面に透明な粘着剤層を介して、ガラスや高分子フィルム等の透明基体を貼り合わせることができる。透明基体は、1枚の基体フィルムからなっていてもよく、2枚以上の基体フィルムの積層体(例えば透明な粘着剤層を介して積層したもの)であってもよい。また、透明導電性フィルムに貼り合わせる透明基体の外表面にハードコート層を設けることもできる。
透明導電性フィルムと基材との貼り合わせに用いられる粘着剤層としては、透明性を有するものであれば特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性及び接着性等の粘着特性を示し、耐候性や耐熱性等にも優れるという点からは、アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
上記の本発明にかかる透明導電性フィルムを、タッチパネルの形成に用いた場合、タッチパネル形成時のハンドリング性に優れる。そのため、透明性及び視認性に優れたタッチパネルを生産性高く製造することが可能である。
以下、本発明に関して実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。実施例中、特に示さない限り「部」とあるのは「重量部」を意味する。
<実施例1>
まず、有機無機複合成分である屈折率調整剤(JSR社製、商品名「オプスターZ7412」:無機成分としてメジアン径40nmの酸化ジルコニア粒子を含む屈折率が1.62の有機無機複合材料)を酢酸ブチルにより固形分濃度が4重量%となるように希釈した光学調整層形成用塗工液を調製した。
厚み100μmからなる長尺の基材フィルム1(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノア」)の片面に前記塗工液をバーコーターを用いて塗布して塗工膜を形成した。基材フィルム1を走行させながら塗工膜に紫外線を照射し、塗工膜を硬化させることで厚み nmで屈折率1.62の光学調整層を形成した。紫外線照射は、高圧水銀ランプにて、ライン速度15m/min、積算光量230mJ/cmの条件で行った。その際の酸素濃度は60〜70ppmであった。
その後、光学調整層を有する長尺の基材フィルムを巻き取り式スパッタ装置に投入し、光学調整層の表面に、透明導電層として厚み20nmのインジウム・スズ酸化物層(アルゴンガス98%と酸素2%とからなる0.4Paの雰囲気中、酸化インジウム97重量%−酸化スズ3重量%からなる焼結体を用いたスパッタリング)を積層した。これにより透明導電性フィルムを作製した。
<実施例2〜4及び比較例1〜2]
光学調整層形成用の屈折率調整剤、紫外線照射の際のライン速度及び積算光量を表1に示す内容としたこと以外は、実施例1と同様に透明導電性フィルムを作製した。
[評価]
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られたそれぞれの透明導電性フィルムについて、下記の評価を行った。各評価結果を表1に示す。
(アルカリ耐性の評価)
まず、50℃に加温した濃度10wt%のHCl水溶液に浸漬することにより、透明導電層を除去し、アルカリ耐性試験用サンプルである積層体(50mm×50mm)を得た。次に、50℃に加温した水酸化ナトリウム水溶液(7重量%)に積層体を10分間浸漬し、8分後、9分後及び10分後のそれぞれの時点で積層体を取り出してドライヤーにて乾燥した。
水酸化ナトリウム水溶液への積層体の各浸漬時間経過前後での反射スペクトルを測定した。具体的には、日立ハイテク社製の分光光度計「U−4100」(商品名)の積分球測定モードを用いて、光学調整層への入射角を2度として、波長200〜800nmの領域における反射スペクトルを測定した。なお、前記測定は、基材フィルムの光学調整層を形成していない面側に黒色のアクリル板を粘着剤にて貼り合わせて遮光層を形成し、サンプルの裏面からの反射や裏面側からの光の入射がほとんどない状態で測定を行った。図2に、実施例4のアルカリ浸漬(8分間)前後での反射スペクトルを示す。得られた反射スペクトルより、浸漬前において反射率が最低となる波長λ0[nm]と浸漬後において反射率が最低となる波長λ1[nm]との差の絶対値(|λ0−λ1|:Δλ)を求めた。Δλが20nm以下であった場合を「○」、20nmを超え50nm以下であった場合を「△」、50nmを超えた場合を「×」として評価した。
(耐湿熱特性の評価)
作製した透明導電性フィルムを85℃、85%RHに設定した恒温恒湿機(エスペック社製、LHL−113)内にて500時間保持し、透明導電層におけるクラックの発生時間に応じて評価を行った。240時間を超えてクラックが発生したか、又はクラックが発生しなかった場合を「○」、120時間を超えて240時間以内にクラックが発生した倍を「△」、120時間以内にクラックが発生した場合を「×」として評価した。
Figure 0006757652
実施例1〜4の透明導電性フィルムでは、アルカリ耐性が良好であり、光学調整層が十分に硬化していることが分かった。その結果、透明導電性フィルムの耐湿熱性も優れたものであった。比較例1〜2では、光学調整層の硬化が不十分であったため、アルカリ耐性の評価が低く、耐湿熱性も劣る結果となった。なお、実施例1と実施例2とを比較すると、積算光量が一定の場合、ライン速度が遅い方が、酸素濃度も低く、アルカリ耐性の結果が良好となることが分かる。
1 基材フィルム
2 ハードコート層
3 光学調整層
4 透明導電層

Claims (7)

  1. 基材フィルムと、塗工膜である光学調整層と、透明導電層とをこの順に備え、
    前記透明導電層を除去した後の積層体を50℃の7重量%水酸化ナトリウム水溶液に8分間浸漬する前後での波長200〜800nmの領域における反射スペクトルを測定した際に、浸漬前において反射率が最低となる波長λ0[nm]と浸漬後において反射率が最低となる波長λ1[nm]との差の絶対値が50nm以下である透明導電性フィルム。
  2. 前記光学調整層は有機成分と無機成分とを含む有機無機複合材料で形成されており、
    前記無機成分のメジアン径の値は前記光学調整層の厚みの値より小さい請求項1に記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記基材フィルムと前記光学調整層との間、及び前記基材フィルムの前記光学調整層とは反対側の面側の少なくとも一方にハードコート層が形成されている請求項1又は2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記基材フィルムがシクロオレフィン系樹脂を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
  5. 基材フィルム上に光学調整層形成用塗工液を塗布して塗工膜を形成する工程、
    前記塗工膜をエネルギー線照射により硬化させて光学調整層を形成する工程、及び
    前記光学調整層上に透明導電層を形成する工程
    を含み、
    前記エネルギー線照射は前記基材フィルムを走行させながら行い、
    前記基材フィルムの走行速度v[m/min]と前記エネルギー線の積算光量L[mJ/cm]とが下記の関係を満たす透明導電性フィルムの製造方法。
    v<0.1L
  6. 前記エネルギー線照射の際の前記塗工膜近傍の酸素濃度が100ppm未満である請求項5に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電性フィルムを備えるタッチパネル。

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