JP2015039860A - タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム、タッチパネル用透明導電性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムを構成する最表層の紫外線硬化性樹脂層(A)の耐アルカリ性の向上を図り、それによって最表層の紫外線硬化性樹脂層(A)上に積層される透明導電膜のパターンの視認「骨見え」を安定的に十分に抑制する。【解決手段】基材フィルムの少なくとも一方の面に最表層として膜厚が70nm未満の紫外線硬化性樹脂層(A)を有し、該紫外線硬化性樹脂層(A)はオリゴマー型重合開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物を硬化せしめた層であることを特徴とする、タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。【選択図】なし
Description
本発明は、タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムおよびこのベースフィルムを用いたタッチパネル用透明導電性フィルム、並びにタッチパネル用透明導電性フィルムの製造方法に関する。詳しくは、透明導電膜のパターン部の視認「骨見え」が安定的に抑制されたタッチパネル用透明導電性フィルムを製造するために用いられるベースフィルムに関する。
以下の説明において、「タッチパネル用透明導電性フィルム」を単に「透明導電性フィルム」と言うことがあり、また、「タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム」を単に「ベースフィルム」と言うことがある。以下の説明において「透明導電性フィルム」なる表現は断りのない限り「タッチパネル用透明導電性フィルム」を意味し、また「ベースフィルム」なる表現は断りのない限り「タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム」を意味する。
ベースフィルムとして、基材フィルム上にハードコート層が設けられたハードコートフィルム、あるいはハードコートフィルムにさらに光学調整層が設けられたフィルムが一般に知られている。
透明導電膜としては酸化インジウム錫(ITO)等の金属酸化物の薄膜が一般的に用いられており、ベースフィルム上にスパッタリング法や真空蒸着によって積層されている。
タッチパネルの動作方式として、抵抗膜式が主流であるが、近年、静電容量式が拡大している。抵抗膜式タッチパネルに用いられる透明導電性フィルムは、一般的にパターン化されていない透明導電膜(基材上を一面に覆う透明導電性膜)で構成されている。一方、静電容量式タッチパネルには、通常、パターン化された透明導電膜が積層された透明導電性フィルムが用いられている。
静電容量式タッチパネルに用いられる透明導電性フィルムは、通常、エッチングによって透明導電膜がパターン化されており、平面視上透明導電膜のパターン部と非パターン部が存在する。
このような透明導電膜がパターン化された透明導電性フィルムを用いた静電容量式タッチパネルは、透明導電膜のパターン部が視認される、いわゆる「骨見え」という現象が問題となっている。この「骨見え」現象は表示装置としての品質を低下させる。
透明導電膜パターンの骨見えを抑制するために、基材フィルムあるいはハードコートフィルムと透明導電膜との間に、単層もしくは複数層からなる光学調整層を設けることが知られている。これらの光学調整層として、金属酸化物層をスパッタリングによって形成することが一般的に知られている。
近年、生産性向上等のために光学調整層を、紫外線硬化性樹脂組成物をウェットコーティング法により塗布し、紫外線を照射し硬化せしめて形成することが提案されている(特許文献1〜3)。
上記光学調整層の1層当たりの厚みは、数nm〜数十nm程度と比較的厚みが小さいため、上記したように紫外線硬化性樹脂組成物をウェットコーティング法により塗布し、紫外線を照射し硬化せしめて形成された光学調整層は、良好な耐アルカリ性が得られないことがある。
透明導電膜のパターン化は、一般にエッチング法で行われる。つまり、透明導電膜の上にパターン化されたエッチングレジスト膜を形成した後、透明導電膜をエッチングする方法である。エッチング後、エッチングレジスト膜はアルカリ液で剥離される。
このような透明導電膜のエッチング工程において、エッチングされてパターン化された透明導電膜の非パターン部(透明導電膜が存在しない部分)は、光学調整層は露出状態となる。このような状態でエッチングレジスト膜の剥離工程でアルカリ処理されると、光学調整層の耐アルカリ性が不十分であると光学調整層の厚みが減少(膜減り)するという不都合な現象を起こすことがある。この現象は、最表層の光学調整層で顕著となる。
つまり光学調整層の膜減りが起こると、光学調整層の本来の機能である「骨見え」抑制が十分に発現しなくなるという問題が生じる。
また、この光学調整層の膜減りは剥離工程におけるアルカリ処理条件によって変動することがあり、光学調整層の最終膜厚にばらつきを生じさせることがある。この結果、安定的な「骨見え」の抑制効果が得られなくなる。
従って、本発明の目的は、ベースフィルムを構成する最表層の紫外線硬化性樹脂層の耐アルカリ性の向上を図り、それによって最表層の紫外線硬化性樹脂層上に積層される透明導電膜のパターンの視認「骨見え」を安定的に十分に抑制することにある。本発明の他の目的は、パターン化された透明導電膜のパターンの視認「骨見え」が安定的に抑制された透明導電性フィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明により基本的に達成された。
[1]基材フィルムの少なくとも一方の面に最表層として膜厚が70nm未満の紫外線硬化性樹脂層(A)を有し、該紫外線硬化性樹脂層(A)はオリゴマー型重合開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物(a)を硬化せしめた層であることを特徴とする、タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[2]前記オリゴマー型重合開始剤が下記一般式(1)で表される化合物である、[1]に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[1]基材フィルムの少なくとも一方の面に最表層として膜厚が70nm未満の紫外線硬化性樹脂層(A)を有し、該紫外線硬化性樹脂層(A)はオリゴマー型重合開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物(a)を硬化せしめた層であることを特徴とする、タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[2]前記オリゴマー型重合開始剤が下記一般式(1)で表される化合物である、[1]に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
式中、Yは直鎖状又は分岐状の3価の炭化水素基を表し、R1、R2はそれぞれ独立的に直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、R1とR2は相互に結合して環を形成してもよい。nは2〜50の整数を表す。
[3]前記紫外線硬化性樹脂層(A)の屈折率が1.35〜1.55である、[1]または[2]に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[4]前記基材フィルムが、屈折率が1.61〜1.70であるポリエチレンテレフタレートフィルムである、[1]〜[3]のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[5]前記基材フィルムが、屈折率が1.61〜1.70であるポリエチレンテレフタレートフィルムであり、かつ該基材フィルム上に、屈折率が1.61〜1.70である易接着層(P1)を介して紫外線硬化性樹脂層(A)のみが設けられている、[1]〜[4]のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[6]前記基材フィルムと紫外線硬化性樹脂層(A)との間に、屈折率が1.61〜1.80でかつ膜厚が70nm未満の紫外線硬化性樹脂層(B)を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[7]前記基材フィルムと紫外線硬化性樹脂層(B)との間にハードコート層(C)を有する、[6]に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[8]前記基材フィルムとハードコート層(C)との間に、屈折率が1.55〜1.60である易接着層(P2)を有する、[7]に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[9]前記基材フィルムと紫外線硬化性樹脂層(A)との間に、屈折率が1.61〜1.80であるハードコート層(D)を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[10]前記基材フィルムとハードコート層(D)との間に、屈折率が1.61〜1.75である易接着層(P3)を有する、[9]に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[11]前記[1]〜[10]のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に、エッチングによりパターン化された透明導電膜を有する、タッチパネル用透明導電性フィルム。
[12]前記[1]〜[10]のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に、エッチングによりパターン化された透明導電膜を有するタッチパネル用透明導電性フィルムの製造方法であって、(1)前記ベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に透明導電膜を積層する工程、(2)透明導電膜上に所定パターンのエッチングレジスト膜を形成する工程、(3)透明導電膜をエッチングする工程、および(4)エッチングレジスト膜をアルカリ液で剥離する工程をこの順に有する、タッチパネル用透明導電性フィルムの製造方法。
[3]前記紫外線硬化性樹脂層(A)の屈折率が1.35〜1.55である、[1]または[2]に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[4]前記基材フィルムが、屈折率が1.61〜1.70であるポリエチレンテレフタレートフィルムである、[1]〜[3]のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[5]前記基材フィルムが、屈折率が1.61〜1.70であるポリエチレンテレフタレートフィルムであり、かつ該基材フィルム上に、屈折率が1.61〜1.70である易接着層(P1)を介して紫外線硬化性樹脂層(A)のみが設けられている、[1]〜[4]のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[6]前記基材フィルムと紫外線硬化性樹脂層(A)との間に、屈折率が1.61〜1.80でかつ膜厚が70nm未満の紫外線硬化性樹脂層(B)を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[7]前記基材フィルムと紫外線硬化性樹脂層(B)との間にハードコート層(C)を有する、[6]に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[8]前記基材フィルムとハードコート層(C)との間に、屈折率が1.55〜1.60である易接着層(P2)を有する、[7]に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[9]前記基材フィルムと紫外線硬化性樹脂層(A)との間に、屈折率が1.61〜1.80であるハードコート層(D)を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[10]前記基材フィルムとハードコート層(D)との間に、屈折率が1.61〜1.75である易接着層(P3)を有する、[9]に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
[11]前記[1]〜[10]のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に、エッチングによりパターン化された透明導電膜を有する、タッチパネル用透明導電性フィルム。
[12]前記[1]〜[10]のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に、エッチングによりパターン化された透明導電膜を有するタッチパネル用透明導電性フィルムの製造方法であって、(1)前記ベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に透明導電膜を積層する工程、(2)透明導電膜上に所定パターンのエッチングレジスト膜を形成する工程、(3)透明導電膜をエッチングする工程、および(4)エッチングレジスト膜をアルカリ液で剥離する工程をこの順に有する、タッチパネル用透明導電性フィルムの製造方法。
本発明によれば、パターン化された透明導電膜のパターンが視認される「骨見え」を安定的に抑制することができるベースフィルムを提供することができる。また、本発明のベースフィルムを用いることにより、「骨見え」が安定的に抑制された透明導電性フィルムを得ることができる。
本発明のベースフィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面に最表層として膜厚が70nm未満の紫外線硬化性樹脂層(A)を有するベースフィルムであり、前記紫外線硬化性樹脂層(A)はオリゴマー型重合開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物(a)を硬化せしめた層である。
紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みは70nm未満であることが重要である。紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みが70nm以上となると、透明導電膜の「骨見え」の抑制効果が十分に得られなくなる。
紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みは、この層の屈折率およびこの層の上に積層される透明導電膜の厚みや組成に応じて、透明導電膜の「骨見え」の抑制効果が最適となるように設計されるが、以下の範囲で調整されることが好ましい。
つまり、紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みは、10〜60nmの範囲で調整されることが好ましく、20〜55nmの範囲で調整されることがより好ましく、特に25〜50nmの範囲で調整されることが好ましい。
紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みが10nm未満となると、透明導電膜の「骨見え」の抑制効果が十分に得られなくなることがある。また、紫外線硬化性樹脂層(A)をウェットコーティング法により精度よく形成するという面からも、その厚みは10nm以上であることが好ましい。
本発明のベースフィルムにおいて、紫外線硬化性樹脂層(A)は最表層に位置し、本発明のベースフィルムを用いて透明導電性フィルムを作製する場合、紫外線硬化性樹脂層(A)の上に直接に透明導電膜が積層される。透明導電膜は更にエッチング工程でエッチングされてパターン化される。
この透明導電膜のパターン化工程は、透明導電膜上に所定パターンのエッチングレジスト膜を形成する工程、透明導電膜をエッチングする工程(エッチングにより透明導電膜をパターン化する工程)、および透明導電膜上のエッチングレジスト膜を剥離する工程が含まれる。エッチングレジスト膜の剥離工程では一般的にアルカリ液が用いられており、パターン化された透明導電膜の非パターン部(透明導電膜が存在しない部分)は紫外線硬化性樹脂層(A)が露出しており、アルカリ液に晒される。
上記したように紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みは比較的小さいことから、エッチングレジスト膜の剥離工程においてけるアルカリ処理に十分に耐えられない場合がある。つまり、アルカリ処理により紫外線硬化性樹脂層(A)の膜厚が減少する場合がある(膜減りが起こる場合がある)。この膜減りが起こると、透明導電膜の「骨見え」抑制効果が十分に得られなくなる。
エッチングレジスト膜の剥離工程は、使用するレジスト膜の種類や厚み、あるいはレジスト膜のパターン(透明導電膜のパターン)等により剥離条件(アルカリ処理条件)が適宜設定される。例えば、アルカリ液のアルカリ濃度、アルカリ液の温度、処理時間が適宜設定される。
紫外線硬化性樹脂層(A)の耐アルカリ性が不十分であると、剥離条件(アルカリ処理条件)の変化によって紫外線硬化性樹脂層(A)の膜減りの程度が変動するために、エッチング工程を経て得られた透明導電性フィルムにおいて紫外線硬化性樹脂層(A)の厚み(最終膜厚)を安定的に得ることができない。
紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みは、70nm未満の範囲内で透明導電膜の材料や厚みあるいは基材フィルムの種類等に応じて、光学的シミュレーションあるいは経験的に「骨見え」抑制に有効な厚みに予め設定される。しかし、上記したように透明導電膜のパターン化工程を経て得られた透明導電性フィルムにおいて、紫外線硬化性樹脂層(A)の厚み(最終膜厚)が膜減りしたり、あるいは剥離条件によってばらつくと、「骨見え」の抑制効果が安定的に得られない。
従って、本発明は、厚みが70nm未満の紫外線硬化性樹脂層(A)の耐アルカリ性を向上させるべき鋭意検討した結果、オリゴマー型重合開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物(a)を硬化せしめて紫外線硬化性樹脂層(A)を形成することによって、上記課題が解決することを見出し本発明に至った。
[紫外線硬化性樹脂層(A)]
本発明のベースフィルムにおける紫外線硬化性樹脂層(A)は、オリゴマー型重合開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物(a)を硬化せしめた層である。紫外線硬化性樹脂層(A)は、基材フィルム上に上記紫外線硬化性樹脂組成物(a)をウェットコーティング法により塗布し、乾燥した後、紫外線を照射して硬化せしめた層であることが好ましい。
本発明のベースフィルムにおける紫外線硬化性樹脂層(A)は、オリゴマー型重合開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物(a)を硬化せしめた層である。紫外線硬化性樹脂層(A)は、基材フィルム上に上記紫外線硬化性樹脂組成物(a)をウェットコーティング法により塗布し、乾燥した後、紫外線を照射して硬化せしめた層であることが好ましい。
上記のウェットコーティング法としては、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法、スピンコート法、エクストルージョンコート法等の塗布方法を用いることができる。
紫外線を照射するための光源としては、特に限定されないが、例えば、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプ又はシンクロトロン放射光等も用いることができる。このうち、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプを好ましく用いられる。また、紫外線を照射するときに、低酸素濃度下の雰囲気下、例えば、酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができるので好ましい。
紫外線の照射光量は、50mJ/cm2以上が好ましく、100mJ/cm2以上がより好ましく、特に150mJ/cm2以上が好ましい。上限は2000mJ/cm2以下が好ましく、1000mJ/cm2以下がより好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物(a)は、重合開始剤としてオリゴマー型重合開始剤を含有する。かかるオリゴマー型重合開始剤は、重合開始性能(光によりラジカルを発生させる基)を有する繰り返し単位を2〜50有する化合物である。この繰り返し単位は、側鎖に光ラジカル発生基を有するものが好ましく、かかる光ラジカル発生基としては公知の光ラジカル発生剤に由来する官能基を用いることができる。
本発明に用いることができるオリゴマー型重合開始剤の代表例として、例えば、下記の一般式(1)に示す化合物が挙げられる。
式中、Yは直鎖状又は分岐状の3価の炭化水素基を表す。R1、R2はそれぞれ独立的に直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、R1とR2は相互に結合して環を形成してもよい。nは2〜50の整数を表す。
Yの直鎖状又は分岐状の3価の炭化水素基の炭素数は、特に制限されないが、2〜10が好ましく、2〜6がより好ましく、特に2〜3が好ましい。R1及びR2の直鎖状又は分岐状のアルキル基の炭素数は、特に制限されないが、1〜8が好ましく、1〜5がより好ましく、特に1〜3が好ましい。nは2〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、2〜10が特に好ましい。
上記の一般式(1)の中でも、下記一般式(2)の化合物が好ましく用いられる。
式中、R3は水素原子またはメチル基を表す。R1、R2およびnは一般式(1)と同義である。
また、一般式(1)、(2)において、オリゴマー型重合開始剤の繰り返し単位の連鎖部の末端は、置換基が結合されている。置換基としては、オリゴマー重合開始剤に由来する基であってもよいし、オリゴマー重合停止剤に由来する基であってもよいが、通常は水素原子、炭化水素基が挙げられる。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基などが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの低級アルキル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロヘキシル、シクロへプチル基、シクロオクチル基およびこれ等のアルキル基置換体などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、およびそのアルキル基置換体等が挙げられる。
上記の一般式(1)、(2)で表されるオリゴマー型重合開始剤の具体例としては、ポリ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン]、ポリ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−ビニル−フェニル〕プロパノン]、ポリ[2−ヒドロキシ−2−エチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン]、ポリ[2−ヒドロキシ−2−エチル−1−〔4−ビニル−フェニル〕プロパノン]、ポリ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕ブタノン]、ポリ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−ビニル−フェニル〕ブタノン]、ポリ[2−ヒドロキシ−2−エチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕ブタノン]、ポリ[2−ヒドロキシ−2−エチル−1−〔4−ビニル−フェニル〕ブタノン]等が挙げられる。
上記の一般式(1)、(2)で表されるオリゴマー型重合開始剤は、一般に市販されており入手することができる。例えば、ランベルティ社製の商品名「エザキュアワン」、「エザキュアKIP150」、「エザキュアKIP65LT」、「エザキュアKIP100F」、「エザキュアKT37」、「エザキュアKT55」、「エザキュアKTO46」、「エザキュアKIP75/B」等を挙げることができる。
また、オリゴマー型重合開始剤として、特開2011−99974号公報に開示されている光ラジカル発生基を有するエチレン性不飽和化合物(同公報の式(2)〜式(7)の化合物)を重合して得られた化合物を用いることができる。
これらのオリゴマー型重合開始剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
紫外線硬化性樹脂組成物(a)におけるオリゴマー型重合開始剤の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物(a)の固形分総量100質量%に対して0.1〜10質量%の範囲が好ましく、0.3〜8質量%の範囲がより好ましく、特に0.5〜5質量%の範囲が好ましい。
また、オリゴマー型重合開始剤と他の重合開始剤(例えば単量体)を組み合わせて用いることができる。この場合のオリゴマー型重合開始剤の比率は、重合開始剤の総量100質量部に対して60質量部以上が好ましく、70質量部以上がより好ましく、特に80質量部以上が好ましい。上限は100質量部である。
上記の他の重合開始剤(単量体)としては、例えば、セトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、2.2−ジメトキシ−1.2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチループロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタン、1−シクロヒキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−エトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなどのアルキルフェノン系化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物が挙げられる。
紫外線硬化性樹脂組成物(a)は、紫外線硬化性樹脂を含有する。かかる紫外線硬化性樹脂としては、分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物(モノマーやオリゴマー)が挙げられる。ここで、エチレン性不飽和基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アリル基、ビニル基等が挙げられる。本発明において、このようなエチレン性不飽和基を分子中に2個以上有する化合物が好ましく、特にエチレン性不飽和基を分子中に3個以上有する化合物が好ましく用いられる。
分子中にエチレン性不飽和基を有する化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの化合物に限定されない。尚、下記の説明において、「・・・(メタ)アクリレート」なる表現は、「・・・アクリレート」と「・・・メタクリレート」との2つの化合物を含む。
分子中にエチレン性不飽和基を2個有する化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
分子中にエチレン性不飽和基を3個以上有する化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレオリゴマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトルエンジイソシアネートウレタンオリゴマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンオリゴマーなどが挙げられる。
また、多官能のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとして、市販されているものを使用することができる。例えば、共栄社化学(株)製のウレタンアクリレートAHシリーズ、ウレタンアクリレートATシリーズ、ウレタンアクリレートUAシリーズ、根上工業(株)製のUN−3320シリーズ、UN−900シリーズ、新中村化学工業(株)製のNKオリゴUシリーズ、ダイセル・ユーシービー社製のEbecryl1290シリーズなどが挙げられる。
紫外線硬化性樹脂として、上記したように分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物が好ましく、更に分子中にエチレン性不飽和基を3個以上有する化合物が好ましいが、分子中にエチレン性不飽和基を1個有する化合物を組み合わせて用いることができる。
分子中にエチレン性不飽和基を1個有する化合物としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
紫外線硬化性樹脂組成物(a)における紫外線硬化性樹脂(分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物)の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物(a)の固形分総量100質量%に対して40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が特に好ましい。上限は99質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましく、97質量%以下が特に好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物(a)を硬化せしめて形成される紫外線硬化性樹脂層(A)は、その上に積層される透明導電膜の「骨見え」を抑制するという観点から、その屈折率は1.35〜1.55の範囲が好ましく、1.40〜1.53の範囲がより好ましく、1.42〜1.50の範囲が特に好ましい。
なお、本発明において、上記紫外線硬化性樹脂層(A)の屈折率、および後述する各層の屈折率は、特に断りの無い限り、波長589nmにおける屈折率を言う。
紫外線硬化性樹脂層(A)の屈折率を上記した範囲とするために、紫外線硬化性樹脂組成物(a)は低屈折率無機粒子やフッ素化合物を含有することが好ましい。低屈折率無機粒子およびフッ素化合物はそれぞれ単独で使用してもよいし、組み合わせて使用してもよい。
低屈折率無機粒子としては、シリカやフッ化マグネシウム等の無機粒子挙げられる。さらにこれらの無機粒子は中空状や多孔質のものが好ましい。紫外線硬化性樹脂組成物(a)における低屈折率無機粒子の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物(a)の固形分総量100質量%に対して1〜45質量%の範囲が好ましく、3〜35質量%の範囲がより好ましく、特に5〜30質量%の範囲が好ましい。
含フッ素化合物としては、含フッ素モノマー、含フッ素オリゴマー、含フッ素高分子化合物が挙げられる。ここで、含フッ素モノマー、含フッ素オリゴマーは、分子中にエチレン性不飽和基とフッ素原子とを有するモノマーやオリゴマーである。
含フッ素モノマー、含フッ素オリゴマーとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、βー(パーフロロオクチル)エチル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類、 ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,2−トリフルオロエチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニルエチレングリコールなどのジ−(α−フルオロアクリル酸)フルオロアルキルエステル類が挙げられる。
含フッ素高分子化合物としては、例えば、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等である。架橋性基付与のためのモノマーとしてはグリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。
紫外線硬化性樹脂組成物(a)における含フッ素化合物の含有量は紫外線硬化性樹脂組成物(a)の固形分総量100質量%に対して5〜50質量%の範囲が好ましく、10〜45質量%の範囲がより好ましく、特に15〜40質量%の範囲が好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物(a)は、低屈折率無機粒子とフッ素化合物を組み合わせて用いることができる。この場合、低屈折率無機粒子とフッ素化合物の合計の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物(a)の固形分総量100質量%に対して5〜60質量%の範囲が好ましく、10〜55質量%の範囲がより好ましく、特に15〜50質量%の範囲が好ましい。また、低屈折率無機粒子とフッ素化合物との含有比率は、質量比で5:95〜95:5の範囲が適当であり、10:90〜90:10の範囲が好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物(a)は、適当な有機溶媒を含有することができる。かかる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert―ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、トルエン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールアルキルエーテル類が挙げられ、これらを単独もしくは2種以上併用して用いることができる。
[基材フィルム]
本発明における基材フィルムの材料は、特に限定されるものではないが、かかる材料として、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等が挙げられる。好ましくは、熱、溶剤、折り曲げ等の加工時の負荷に対する耐性が高く、透明性が特に高い点で、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂等が挙げられ、より好ましくは、加工性に優れている点でポリエステルが使用される。ポリエステルの中でもポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明における基材フィルムの材料は、特に限定されるものではないが、かかる材料として、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等が挙げられる。好ましくは、熱、溶剤、折り曲げ等の加工時の負荷に対する耐性が高く、透明性が特に高い点で、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂等が挙げられ、より好ましくは、加工性に優れている点でポリエステルが使用される。ポリエステルの中でもポリエチレンテレフタレートが好ましい。
上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの屈折率は、通常1.61〜1.70の範囲であり、詳細には1.62〜1.68の範囲の範囲であり、より詳細には1.63〜1.67の範囲である。
基材フィルムの厚みは、20〜300μmの範囲が適当であり、50〜250μmの範囲が好ましく、50〜200μmの範囲がより好ましい。
[易接着層]
本発明の基材フィルムは、少なくとも紫外線硬化性樹脂層(A)を積層する側の面に易接着層が設けられていることが好ましい。易接着層は基材フィルムの両面に積層されていることがより好ましい。
本発明の基材フィルムは、少なくとも紫外線硬化性樹脂層(A)を積層する側の面に易接着層が設けられていることが好ましい。易接着層は基材フィルムの両面に積層されていることがより好ましい。
易接着層は、樹脂を含有する層であることが好ましい。かかる樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましく用いられる。
易接着層の厚みは、5〜200nmの範囲が好ましく、10〜150nmの範囲がより好ましく、特に15〜120nmの範囲が好ましい。
易接着層は架橋剤を含有することが好ましい。かかる架橋剤としては、例えばメラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤が挙げられる。これらの中でも、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤が好ましく用いられる。
易接着層における架橋剤の含有量は、易接着層の固形分総量100質量%に対して、1〜40質量%の範囲が好ましく、3〜35質量%の範囲がより好ましく、5〜30質量%の範囲が特に好ましい。
易接着層は、更に滑り性や耐ブロッキング性の向上のために、有機あるいは無機の粒子を含有することが好ましい。このような粒子としては特に限定されないが、例えばシリカ、炭酸カルシウム、ゼオライト粒子などの無機粒子や、アクリル粒子、シリコーン粒子、ポリイミド粒子、テフロン(登録商標)粒子、架橋ポリエステル粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋重合体粒子、コアシェル粒子などの有機粒子が挙げられる。これらの粒子の中でも、シリカが好ましく、更にコロイダルシリカが好ましく用いられる。
粒子の平均粒子径は、滑り性や耐ブロッキング性を向上させるという観点から30nm以上が好ましく、50nm以上がより好ましく、特に100nm以上が好ましい。平均粒子径の上限は500nm以下好ましく、400nm以下がより好ましく、特に300nm以下が好ましい。
易接着層における粒子の含有量は、易接着層の固形分総量100質量%に対して0.05〜8質量%の範囲が好ましく、0.1〜5質量%の範囲がより好ましい。
易接着層は、基材フィルム上にウェットコーティング法により積層されていることが好ましい。特に易接着層を基材フィルムの製造工程内で積層する、いわゆる「インラインコーティング法」で積層されていることが好ましい。基材フィルム上に易接着層を塗布する際には、塗布性や密着性を向上させるための予備処理として、基材フィルム表面にコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理等を施しておくことが好ましい。
上述の易接着層に関する説明は、後述の易接着層(P1)、易接着層(P2)、および易接着層(P3)に共通する。
[ベースフィルムの構成]
本発明のベースフィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面(つまり、片側)に紫外線硬化性樹脂層(A)を有する。紫外線硬化性樹脂層(A)は、基材フィルムの両面(つまり、両側)に設けることができるが、基材フィルムの一方の面のみに設けることが好ましい。この場合、基材フィルムの他方の面(紫外線硬化性樹脂層(A)を有する面とは反対面)には、ハードコート層(H)が設けられていることが好ましい。上記の好ましい態様は、以下の態様1〜態様3においても共通する。ハードコート層(H)については後述する。
本発明のベースフィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面(つまり、片側)に紫外線硬化性樹脂層(A)を有する。紫外線硬化性樹脂層(A)は、基材フィルムの両面(つまり、両側)に設けることができるが、基材フィルムの一方の面のみに設けることが好ましい。この場合、基材フィルムの他方の面(紫外線硬化性樹脂層(A)を有する面とは反対面)には、ハードコート層(H)が設けられていることが好ましい。上記の好ましい態様は、以下の態様1〜態様3においても共通する。ハードコート層(H)については後述する。
[態様1]
態様1は、基材フィルムの少なくとも一方の面に紫外線硬化性樹脂層(A)のみが設けられたベースフィルムである。この態様において、基材フィルムとしては易接着層(P1)を有するポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、この易接着層(P1)の上に紫外線硬化性樹脂層(A)のみが設けられた構成である。
態様1は、基材フィルムの少なくとも一方の面に紫外線硬化性樹脂層(A)のみが設けられたベースフィルムである。この態様において、基材フィルムとしては易接着層(P1)を有するポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、この易接着層(P1)の上に紫外線硬化性樹脂層(A)のみが設けられた構成である。
この態様において、透明導電膜の「骨見え」の抑制効果を高めるという観点から、易接着層(P1)の屈折率は、1.61〜1.70の範囲が好ましく、1.62〜1.68の範囲がより好ましく、特に1.63〜1.67の範囲が好ましい。更に、ポリエチレンテレフタレートフィルムの屈折率と易接着層の屈折率との差の絶対値は、0.03以下が好ましく、0.02以下がより好ましく、0.01以下が特に好ましい。
ポリエチレンテレフタレートフィルムおよび紫外線硬化性樹脂層(A)の屈折率は、前述した通りである。
[易接着層(P1)]
易接着層(P1)は樹脂を含有することが好ましい。易接着層(P1)における樹脂の含有量は、易接着層(P1)の固形分総量100質量%に対して20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が特に好ましい。上限の含有量は95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下が特に好ましい。
易接着層(P1)は樹脂を含有することが好ましい。易接着層(P1)における樹脂の含有量は、易接着層(P1)の固形分総量100質量%に対して20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が特に好ましい。上限の含有量は95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下が特に好ましい。
易接着層(P1)の屈折率(nb)は1.61〜1.70であり、このような比較的大きい屈折率とするために、易接着層(P1)は樹脂として高屈折率樹脂を含有することが好ましい。かかる高屈折率樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂に、芳香族環、硫黄原子、臭素原子等を導入することにより高屈折率化した樹脂を挙げることができる。
高屈折率樹脂としては、分子中に縮合芳香族環を有するポリエステル樹脂が好ましく用いられる。上記縮合芳香族環としては、ナフタレン環やフルオレン環が好ましい。
ポリエステル樹脂は、一般的にカルボン酸成分とグリコール成分から重縮合して得られる。上記の分子中にナフタレン環を有するポリエステル樹脂は、カルボン酸成分として、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレン環を有するジカルボン酸を用いることによって合成することができる。分子中にナフタレン環を有するポリエステル樹脂の屈折率は、全カルボン酸成分中のナフタレン環を有するジカルボン酸の比率を調整することによって制御することができる。
分子中にフルオレン環を有するポリエステル樹脂は、カルボン酸成分および/またはグリコール成分として、フルオレン環を有する化合物を用いることによって合成することができる。上記フルオレン環を有する化合物の含有量を調整することによって該ポリエステル樹脂の屈折率を制御することができる。分子中にフルオレン環を有するポリエステル樹脂は、例えば、国際公開第WO2009/145075号に詳しく記載されており、それを参照して合成することができる。
易接着層(P1)における高屈折率樹脂の含有量は、易接着層(P1)の固形分総量100質量%に対して50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が特に好ましい。上限の含有量は95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下が特に好ましい。
また、易接着層(P1)の屈折率を比較的大きくするために、易接着層(P1)は屈折率が1.65以上の金属酸化物微粒子を含有することが好ましい。特に、易接着層(P1)は屈折率が1.7〜2.8の金属酸化物微粒子を含有することが好ましい。
屈折率が1.7〜2.8の金属酸化物微粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化鉄、アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、リンドープ酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫等が挙げられ、これらの金属酸化物微粒子は単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。上記金属酸化物微粒子の中でも、特に酸化チタンおよび酸化ジルコニウムが、透明性を低下させずに易接着層(P1)の屈折率を高めることができるので好ましい。
易接着層(P1)が金属酸化物微粒子を含有する態様において、樹脂と金属酸化物微粒子の含有比率は、質量比で100:10〜100:400の範囲が適当であり、100:20〜100:300の範囲が好ましく、特に100:30〜100:200の範囲が好ましい。樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびウレタン樹脂からなる群の中から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。これらの樹脂の一部もしくは全部は、上記の高屈折率樹脂であってもよい。
易接着層(P1)は、前述したように架橋剤および粒子を含有することが好ましい。
[態様2]
態様2は、基材フィルムの少なくとも一方の面に、基材フィルムと紫外線硬化性樹脂層(A)との間に、厚みが70nm未満でかつ屈折率が1.61〜1.80である紫外線硬化性樹脂層(B)が設けられたベースフィルムである。この紫外線硬化性樹脂層(B)を設けることによって、更に透明導電膜の「骨見え」を抑制することができる。
態様2は、基材フィルムの少なくとも一方の面に、基材フィルムと紫外線硬化性樹脂層(A)との間に、厚みが70nm未満でかつ屈折率が1.61〜1.80である紫外線硬化性樹脂層(B)が設けられたベースフィルムである。この紫外線硬化性樹脂層(B)を設けることによって、更に透明導電膜の「骨見え」を抑制することができる。
更に透明導電膜の「骨見え」の抑制の観点から、紫外線硬化性樹脂層(B)の屈折率は、1.62〜1.77の範囲が好ましく、1.63〜1.75の範囲がより好ましく、1.64〜1.73の範囲が特に好ましい。
紫外線硬化性樹脂層(B)の厚みは、透明導電膜の「骨見え」の抑制の観点から、65nm以下が好ましく、60nm以下がより好ましく、特に55nm以下が好ましい。下限の厚みは、透明導電膜の「骨見え」の抑制の観点から、20nm以上が好ましく、25nm以上がより好ましく、30nm以上が特に好ましい。
態様2は、ベースフィルムの耐擦傷性向上および基材フィルムからのオリゴマー析出抑制の観点から、更に基材フィルムと紫外線硬化性樹脂層(B)との間にハードコート層(C)が設けられていることが好ましい。上記観点から、ハードコート層(C)の厚みは0.3〜5μmの範囲が好ましく、0.5〜4μmの範囲がより好ましく、特に1〜3μmの範囲が好ましい。このハードコート層(C)の屈折率は、1.48〜1.54の範囲が適当であり、1.50〜1.53の範囲が好ましい。
また、態様2においては、ベースフィルムの反射色むらを抑制するという観点から、基材フィルムとハードコート層(C)との間に、屈折率が1.55〜1.60である易接着層(P2)を有することが好ましい。
態様2においては、特に、基材フィルムとして易接着層(P2)を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が好ましく用いられる。
態様2の特に好ましい構成は、「PETフィルム/易接着層(P2)/ハードコート層(C)/紫外線硬化性樹脂層(B)/紫外線硬化性樹脂層(A)」である。この構成において、ベースフィルムの反射色むらを抑制するという観点から、易接着層(P2)の屈折率は1.55〜1.60の範囲が好ましく、1.56〜1.59の範囲がより好ましく、特に1.57〜1.59の範囲が好ましい。他の構成層(PETフィルム、ハードコート層(C)、紫外線硬化性樹脂層(B)および紫外線硬化性樹脂層(A))の屈折率は前述した通りである。
[紫外線硬化性樹脂層(B)]
紫外線硬化性樹脂層(B)は、紫外線硬化性樹脂組成物(b)をウェットコーティング法により塗布し、乾燥した後、紫外線を照射して硬化せしめた層であることが好ましい。
紫外線硬化性樹脂層(B)は、紫外線硬化性樹脂組成物(b)をウェットコーティング法により塗布し、乾燥した後、紫外線を照射して硬化せしめた層であることが好ましい。
上記のウェットコーティング法および紫外線を照射するための光源としては、前述の紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するために用いられるのと同様の方法および光源を用いることができる。また、紫外線を照射するときに、低酸素濃度下の雰囲気下、例えば、酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができるので好ましい。紫外線の照射光量は、50mJ/cm2以上が好ましく、100mJ/cm2以上がより好ましく、特に150mJ/cm2以上が好ましい。上限は2000mJ/cm2以下が好ましく、1000mJ/cm2以下がより好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物(b)は、紫外線硬化性樹脂を含有する。ここで紫外線硬化性樹脂は、前述の紫外線硬化性樹脂組成物(a)に用いられるのと同様の紫外線硬化性樹脂(分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物)を用いることができる。
紫外線硬化性樹脂組成物(b)における紫外線硬化性樹脂(分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物)の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物(b)の固形分総量100質量%に対して30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が特に好ましい。上限は90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下が特に好ましい。
紫外線硬化性樹脂層(B)の屈折率は、1.61〜1.80と比較的大きいため、紫外線硬化性樹脂組成物(b)は、屈折率が1.65以上の金属酸化物微粒子を含有することが好ましく、特に屈折率が1.7〜2.8の金属酸化物微粒子を含有することが好ましい。このような金属酸化物微粒子としては、チタン、ジルコニウム、亜鉛、錫、アンチモン、セリウム、鉄、インジウム等の金属酸化物粒子が挙げられる。金属酸化物微粒子の具体例としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化鉄、アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、リンドープ酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫等が挙げられ、これらの金属酸化物微粒子は単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。上記金属酸化物微粒子の中でも、特に酸化チタンおよび酸化ジルコニウムが、透明性を低下させずに紫外線硬化性樹脂層(B)の屈折率を高めることができるので好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物(b)における金属酸化物微粒子の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物(b)の固形分総量100質量%に対して20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が特に好ましく、45質量%以上が最も好ましい。上限は90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、特に80質量%以下が好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物(b)は、重合開始剤を含有することが好ましい。このような重合開始剤の具体例としては、例えば、セトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、2.2−ジメトキシ−1.2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチループロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタン、1−シクロヒキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−エトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなどのアルキルフェノン系化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物が挙げられる。また、前述したオリゴマー型重合開始剤も用いることができる。これらの重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。
上記重合開始剤の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物(b)の固形分総量100質量%に対して0.1〜10質量%の範囲が好ましく、0.3〜8質量%の範囲がより好ましく、特に0.5〜5質量%の範囲が好ましい。
[ハードコート層(C)]
ハードコート層(C)は、鉛筆硬度がF以上の層であることが好ましい。ハードコート層(C)の鉛筆硬度は更にH以上が好ましく、2H以上がより好ましい。上限は9H程度である。ここで、鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定されるものである。
ハードコート層(C)は、鉛筆硬度がF以上の層であることが好ましい。ハードコート層(C)の鉛筆硬度は更にH以上が好ましく、2H以上がより好ましい。上限は9H程度である。ここで、鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定されるものである。
ハードコート層(C)は、紫外線硬化性樹脂組成物(c)をウェットコーティング法により塗布し、乾燥した後、紫外線を照射して硬化せしめた層であることが好ましい。
上記のウェットコーティング法および紫外線を照射するための光源としては、前述の紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するために用いられるのと同様の方法および光源を用いることができる。また、紫外線を照射するときに、低酸素濃度下の雰囲気下、例えば、酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができるので好ましい。紫外線の照射光量は、50mJ/cm2以上が好ましく、100mJ/cm2以上がより好ましく、特に150mJ/cm2以上が好ましい。上限は2000mJ/cm2以下が好ましく、1000mJ/cm2以下がより好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物(c)は、紫外線硬化性樹脂を含有する。ここで紫外線硬化性樹脂は、前述の紫外線硬化性樹脂組成物(a)に用いられるのと同様の紫外線硬化性樹脂(分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物)を用いることができる。
紫外線硬化性樹脂組成物(c)における紫外線硬化性樹脂(分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物)の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物(c)の固形分総量100質量%に対して60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が特に好ましい。上限は99質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物(c)は、重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤は、前述の紫外線硬化性樹脂組成物(b)に用いられるものと同様のものを用いることができる。また、重合開始剤の含有量も前述の紫外線硬化性樹脂組成物(b)と同様である。
[易接着層(P2)]
易接着層(P2)の屈折率は1.55〜1.60と比較的大きいことから、易接着層(P2)は、樹脂として前述の易接着層(P1)で用いられる高屈折率樹脂(分子中に縮合芳香族環を有するポリエステル樹脂)を用いることが好ましい。特に分子中にナフタレン環を有するポリエステル樹脂が好ましい。
易接着層(P2)の屈折率は1.55〜1.60と比較的大きいことから、易接着層(P2)は、樹脂として前述の易接着層(P1)で用いられる高屈折率樹脂(分子中に縮合芳香族環を有するポリエステル樹脂)を用いることが好ましい。特に分子中にナフタレン環を有するポリエステル樹脂が好ましい。
易接着層(P2)における高屈折率樹脂の含有量は、易接着層(P2)の固形分総量100質量%に対して50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が特に好ましい。上限の含有量は95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下が特に好ましい。
易接着層(P2)は、前述したように架橋剤および粒子を含有することが好ましい。
[態様3]
態様3は、基材フィルムの少なくとも一方の面に、基材フィルムと紫外線硬化性樹脂層(A)との間に、屈折率が1.61〜1.80であるハードコート層(D)が設けられたベースフィルムである。このハードコート層(D)を設けることによって、透明導電膜の「骨見え」の抑制効果を維持しながら、ベースフィルムの耐擦傷性向上および基材フィルムからのオリゴマー析出抑制が向上する。
態様3は、基材フィルムの少なくとも一方の面に、基材フィルムと紫外線硬化性樹脂層(A)との間に、屈折率が1.61〜1.80であるハードコート層(D)が設けられたベースフィルムである。このハードコート層(D)を設けることによって、透明導電膜の「骨見え」の抑制効果を維持しながら、ベースフィルムの耐擦傷性向上および基材フィルムからのオリゴマー析出抑制が向上する。
透明導電膜の「骨見え」の抑制の観点から、ハードコート層(D)の屈折率は、1.62〜1.78の範囲が好ましく、1.63〜1.75の範囲がより好ましく、1.64〜1.74の範囲が特に好ましい。
ハードコート層(D)の厚みは、ベースフィルムの耐擦傷性および基材フィルムからのオリゴマー析出抑制の向上の観点から、0.3〜3μmの範囲が好ましく、0.4〜2μmの範囲がより好ましく、特に0.5〜1.5μmの範囲が好ましい。
態様3においては、前記基材フィルムとハードコート層(D)との間に、屈折率が1.61〜1.75である易接着層(P3)を有することが好ましい。
特に、態様3においては、基材フィルムとして易接着層(P3)を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が好ましく用いられる。
態様3の特に好ましい構成は、「PETフィルム/易接着層(P3)/ハードコート層(D)/紫外線硬化性樹脂層(A)」である。この構成において、透明導電膜の「骨見え」を抑制するという観点およびベースフィルムの反射色むらを抑制するという観点から、易接着層(P3)の屈折率は、1.61〜1.75の範囲が好ましく、1.62〜1.70の範囲がより好ましく、特に1.63〜1.68の範囲が好ましい。他の構成層(PETフィルム、ハードコート層(D)および紫外線硬化性樹脂層(A))の屈折率は前述した通りである。
更に上記観点から(透明導電膜の「骨見え」を抑制するという観点およびベースフィルムの反射色むらを抑制するという観点から)、PETフィルム、易接着層(P3)の屈折率およびハードコート層(D)の屈折率の関係は以下の範囲が好ましい。
−0.02≦(np−nf)≦0.05 ・・・ 式1
−0.02≦(nd−np)≦0.05 ・・・ 式2
|np−{nf+(nd−nf)/2)}|≦0.02 ・・・ 式3
上記式1〜3および下記式4〜6において、nfはPETフィルムの屈折率、npは易接着層(P3)の屈折率、ndはハードコート層の屈折率を表す。
−0.02≦(nd−np)≦0.05 ・・・ 式2
|np−{nf+(nd−nf)/2)}|≦0.02 ・・・ 式3
上記式1〜3および下記式4〜6において、nfはPETフィルムの屈折率、npは易接着層(P3)の屈折率、ndはハードコート層の屈折率を表す。
更に、PETフィルム、易接着層(P3)の屈折率およびハードコート層(D)の屈折率の関係は以下の範囲が特に好ましい。
−0.01≦(np−nf)≦0.02 ・・・ 式4
−0.01≦(nd−np)≦0.02 ・・・ 式5
|np−{nf+(nd−nf)/2)}|≦0.01 ・・・ 式6
[ハードコート層(D)]
ハードコート層(D)は、鉛筆硬度がF以上の層であることが好ましい。ハードコート層(D)の鉛筆硬度は更にH以上が好ましく、2H以上がより好ましい。上限は9H程度である。ここで、鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定されるものである。
−0.01≦(nd−np)≦0.02 ・・・ 式5
|np−{nf+(nd−nf)/2)}|≦0.01 ・・・ 式6
[ハードコート層(D)]
ハードコート層(D)は、鉛筆硬度がF以上の層であることが好ましい。ハードコート層(D)の鉛筆硬度は更にH以上が好ましく、2H以上がより好ましい。上限は9H程度である。ここで、鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定されるものである。
ハードコート層(D)は、紫外線硬化性樹脂組成物(d)をウェットコーティング法により塗布し、乾燥した後、紫外線を照射して硬化せしめた層であることが好ましい。
上記のウェットコーティング法および紫外線を照射するための光源としては、前述の紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するために用いられるのと同様の方法および光源を用いることができる。また、紫外線を照射するときに、低酸素濃度下の雰囲気下、例えば、酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができるので好ましい。紫外線の照射光量は、50mJ/cm2以上が好ましく、100mJ/cm2以上がより好ましく、特に150mJ/cm2以上が好ましい。上限は2000mJ/cm2以下が好ましく、1000mJ/cm2以下がより好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物(d)は、紫外線硬化性樹脂を含有する。ここで紫外線硬化性樹脂は、前述の紫外線硬化性樹脂組成物(a)に用いられるのと同様の紫外線硬化性樹脂(分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物)を用いることができる。
紫外線硬化性樹脂組成物(d)における紫外線硬化性樹脂(分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物)の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物(d)の固形分総量100質量%に対して20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が特に好ましい。上限は80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下が特に好ましい。
ハードコート層(D)の屈折率は、1.61〜1.80と比較的大きいため、紫外線硬化性樹脂組成物(d)は、屈折率が1.65以上の金属酸化物微粒子を含有することが好ましく、特に屈折率が1.7〜2.8の金属酸化物微粒子を含有することが好ましい。このような金属酸化物微粒子としては、チタン、ジルコニウム、亜鉛、錫、アンチモン、セリウム、鉄、インジウム等の金属酸化物粒子が挙げられる。金属酸化物微粒子の具体例としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化鉄、アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、リンドープ酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫等が挙げられ、これらの金属酸化物微粒子は単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。上記金属酸化物微粒子の中でも、特に酸化チタンおよび酸化ジルコニウムが、透明性を低下させずにハードコート層(D)の屈折率を高めることができるので好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物(d)における金属酸化物微粒子の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物(d)の固形分総量100質量%に対して20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が特に好ましく、50質量%以上が最も好ましい。上限は80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、特に70質量%以下が好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物(d)は、重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤は、前述の紫外線硬化性樹脂組成物(b)に用いられるものと同様のものを用いることができる。また、重合開始剤の含有量も前述の紫外線硬化性樹脂組成物(b)と同様である。
[易接着層(P3)]
易接着層(P3)は、前述の易接着層(P2)と同様の構成を採用することができる。易接着層(P3)は、易接着層(P2)と同様の構成として、高屈折率樹脂あるいは金属酸化物微粒子の種類や含有量を調整することによって、所望の屈折率を得ることができる。
易接着層(P3)は、前述の易接着層(P2)と同様の構成を採用することができる。易接着層(P3)は、易接着層(P2)と同様の構成として、高屈折率樹脂あるいは金属酸化物微粒子の種類や含有量を調整することによって、所望の屈折率を得ることができる。
易接着層(P2)は、前述したように架橋剤および粒子を含有することが好ましい。
[ベースフィルムを構成する他の機能層]
前述したように、紫外線硬化性樹脂層(A)は基材フィルムの一方の面のみに設けることが好ましく、この場合、基材フィルムの他方の面(紫外線硬化性樹脂層(A)を有する面とは反対面)には、ハードコート層(H)が設けられていることが好ましい。
前述したように、紫外線硬化性樹脂層(A)は基材フィルムの一方の面のみに設けることが好ましく、この場合、基材フィルムの他方の面(紫外線硬化性樹脂層(A)を有する面とは反対面)には、ハードコート層(H)が設けられていることが好ましい。
[ハードコート層(H)]
ハードコート層(H)は、鉛筆硬度がF以上の層であることが好ましい。ハードコート層(H)の鉛筆硬度は更にH以上が好ましく、2H以上がより好ましい。上限は9H程度である。ここで、鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定されるものである。
ハードコート層(H)は、鉛筆硬度がF以上の層であることが好ましい。ハードコート層(H)の鉛筆硬度は更にH以上が好ましく、2H以上がより好ましい。上限は9H程度である。ここで、鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定されるものである。
ハードコート層(H)は、ベースフィルムおよび透明導電性フィルムに良好なすべり性や耐ブロッキング性を付与するために、粒子を含有することが好ましい。
ハードコート層(H)が粒子を含有することにより、ベースフィルムのヘイズ値が大きくなり透明性が低下する傾向にあるが、ハードコート層(H)の厚み(T)に対して、粒子の平均粒子径(D)が十分に小さい粒子を用いることによってヘイズ値の上昇を抑制することができる。
つまり、ヘイズ値の上昇を抑制しながら良好なすべり性や耐ブロッキング性を確保するという観点から、ハードコート層(H)の厚み(T)[μm]に対する粒子の平均粒子径(D)[μm]の比率(D/T)は、0.01〜0.5の範囲が好ましく、0.02〜0.3の範囲がより好ましく、特に0.03〜0.2の範囲が好ましい。
ハードコート層(H)の厚みは、良好なすべり性や耐ブロッキング性を得るという観点およびベースフィルムのカールバランスを維持するという観点から、0.5〜5μmの範囲が好ましく、0.8〜4μmの範囲がより好ましく、特に1〜3μmの範囲が好ましい。
粒子としては、有機粒子や無機粒子を用いることができる。有機粒子を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、あるいは上記樹脂の合成に用いられる2種以上のモノマーの共重合樹脂が挙げられる。これらの中でもアクリル系樹脂粒子が好ましく用いられる
ここでアクリル系樹脂粒子とは、アクリル樹脂粒子、メタクリル樹脂粒子、アクリルモノマーあるいはメタクリルモノマーと他のモノマー(例えば、スチレン、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、シリコーンアクリレート、シリコーンメタクリレート等)との共重合樹脂粒子が含まれる。
ここでアクリル系樹脂粒子とは、アクリル樹脂粒子、メタクリル樹脂粒子、アクリルモノマーあるいはメタクリルモノマーと他のモノマー(例えば、スチレン、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、シリコーンアクリレート、シリコーンメタクリレート等)との共重合樹脂粒子が含まれる。
上記共重合樹脂粒子の中でも、スチレン−アクリル共重合樹脂粒子やスチレン−メタクリル共重合樹脂粒子のようなスチレン−アクリル系共重合樹脂粒子が好ましく用いられる。
これらの有機粒子は乳化重合法により合成されることが好ましく、乳化重合法で合成されることによって平均粒子径が0.5μm未満の有機粒子を得ることができる。
無機粒子としてはシリカが好ましく、特にコロイダルシリカが好ましい。
ハードコート層(H)における粒子の含有量は、ハードコート層(H)の固形分総量100質量%に対して2〜20質量%の範囲が好ましく、3〜15質量%の範囲がより好ましく、特に4〜12質量%の範囲が好ましい。
ハードコート層(H)は、紫外線硬化性樹脂組成物(h)をウェットコーティング法により塗布し、乾燥した後、紫外線を照射して硬化せしめた層であることが好ましい。
上記のウェットコーティング法および紫外線を照射するための光源としては、前述の紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するために用いられるのと同様の方法および光源を用いることができる。また、紫外線を照射するときに、低酸素濃度下の雰囲気下、例えば、酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができるので好ましい。紫外線の照射光量は、50mJ/cm2以上が好ましく、100mJ/cm2以上がより好ましく、特に150mJ/cm2以上が好ましい。上限は2000mJ/cm2以下が好ましく、1000mJ/cm2以下がより好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物(h)は、前述の粒子と紫外線硬化性樹脂を少なくとも含有する。ここで紫外線硬化性樹脂は、前述の紫外線硬化性樹脂組成物(a)に用いられるのと同様の紫外線硬化性樹脂(分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物)を用いることができる。
紫外線硬化性樹脂組成物(h)における紫外線硬化性樹脂(分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物)の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物(c)の固形分総量100質量%に対して60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、75質量%以上が特に好ましい。上限は97質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物(h)は、重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤は、前述の紫外線硬化性樹脂組成物(b)に用いられるものと同様のものを用いることができる。また、重合開始剤の含有量も前述の紫外線硬化性樹脂組成物(b)と同様である。
[紫外線硬化性樹脂層(A)の積層]
前述したように、紫外線硬化性樹脂層(A)は基材フィルム上にオリゴマー型重合開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物(a)をウェットコーティング法により塗布し、乾燥した後、紫外線を照射して硬化せしめることによって形成されることが好ましい。
前述したように、紫外線硬化性樹脂層(A)は基材フィルム上にオリゴマー型重合開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物(a)をウェットコーティング法により塗布し、乾燥した後、紫外線を照射して硬化せしめることによって形成されることが好ましい。
ここで、乾燥工程は紫外線硬化性樹脂組成物(a)に含有する有機溶媒を蒸発させるために行われるが、乾燥温度は高い方が好ましい。
本発明のベースフィルムを用いて透明導電性フィルムを製造する場合、紫外線硬化性樹脂層(A)上に透明導電膜が積層される。透明導電膜はその表面抵抗値を小さくするために結晶化処理(加熱処理)が施されることがある。この結晶化処理において、ベースフィルムの揮発性溶媒の含有率が高いと結晶化が十分に行われず、その結果表面抵抗値が十分に低下しないことがある。つまり、透明導電膜の結晶化においてベースフィルムの揮発性溶媒の含有率は小さいことが好ましい。
ベースフィルムの揮発性溶媒の含有率を小さくするために、上記したように紫外線硬化性樹脂層(A)の乾燥工程における乾燥温度は高い方が好ましい。
具体的には、上記乾燥工程における乾燥温度の最高温度は、110℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、特に130℃以上が好ましい。上限は200℃程度である。
しかし、紫外線硬化性樹脂層(A)の乾燥工程における乾燥温度を上記のように高くすると、紫外線硬化性樹脂組成物(a)に含有する重合開始剤が昇華して紫外線硬化性樹脂層(A)の耐アルカリ性が低下することがある。
この観点からも、オリゴマー型重合開始剤は低昇華性であるので、乾燥温度を高くしても耐アルカリ性は低下しないという利点がある。
[透明導電性フィルム]
透明導電性フィルムは、前述した本発明のベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)の上に透明導電膜を設けることにより得られる。
透明導電性フィルムは、前述した本発明のベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)の上に透明導電膜を設けることにより得られる。
本発明の透明導電性フィルムは、静電容量式タッチパネルに好適である。静電容量式タッチパネルの透明導電性フィルムの透明導電膜は、通常、所定のパターンにパターン化されている。この透明導電膜のパターン化は、透明導電膜をエッチング処理することにより行われる。
この透明導電膜のパターン形状は、透明導電性フィルムが適用される用途に応じて、各種パターンが採用される。この透明導電膜パターン化により、パターン部と非パターン部が形成されるが、パターン部のパターン形状としては、例えば、ストライプ状、格子状、あるいはこれらの組み合わせ等が挙げられる。具体的には、例えば、特開2006−344163号公報、特開2011−128896号公報等に開示されているパターンが挙げられる。
パターン化された透明導電膜を有する透明導電性フィルムは、透明導電膜のパターン部(透明導電膜がエッチングされずに残存している部分(導電部))と非パターン部(透明導電膜がエッチングされて除去された部分(非導電部))との反射率や透過率の違い、あるいはパターン部と非パターン部の色調の違いにより、パターン部が視認される、いわゆる「骨見え」が起こり、透明導電膜の視認性を低下させている。この「骨見え」の問題は、本発明のベースフィルムを用いることにより低減される。
[透明導電膜]
透明導電膜の材料としては、透明導電性フィルムに用いられる公知の材料を用いることができる。例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、ITO(酸化インジウム錫)、ATO(酸化アンチモン錫)などの金属酸化物、銀ナノワイヤーなどの金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等が挙げられる。これらの中でもITOが好ましく用いられる。
透明導電膜の材料としては、透明導電性フィルムに用いられる公知の材料を用いることができる。例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、ITO(酸化インジウム錫)、ATO(酸化アンチモン錫)などの金属酸化物、銀ナノワイヤーなどの金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等が挙げられる。これらの中でもITOが好ましく用いられる。
透明導電膜の厚みは、透明導電膜の視認性を向上させるという観点から小さい方が好ましく、具体的には50nm以下が好ましく、40nm以下がより好ましく、30nm以下が更に好ましく、特に25nm以下が好ましい。透明導電膜の厚みの下限は、低抵抗の透明導電膜を確保するという観点から5nm以上が好ましく、7nm以上がより好ましく、10nm以上が特に好ましい。
透明導電膜の表面抵抗値は、1000Ω/□以下が好ましく、500Ω/□以下が好ましい。
透明導電膜の屈折率1.81以上であることが好ましい。さらに透明導電膜の屈折率は1.85以上が好ましく、1.90以上がより好ましい。上限は2.20以下が好ましく、2.10以下がより好ましい。
[透明導電性フィルムの製造方法]
本発明のベースフィルムを用いた透明導電性フィルムの製造方法の好ましい態様は、下記の1)〜4)の工程をこの順に含む。
(1)ベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に透明導電膜を積層する工程(透明導電膜積層工程)
(2)透明導電膜上に所定パターンのエッチングレジスト膜を形成する工程(エッチングレジスト膜形成工程)
(3)透明導電膜をエッチングする工程(エッチング工程)
(4)エッチングレジスト膜をアルカリ液で剥離する工程(剥離工程)。
本発明のベースフィルムを用いた透明導電性フィルムの製造方法の好ましい態様は、下記の1)〜4)の工程をこの順に含む。
(1)ベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に透明導電膜を積層する工程(透明導電膜積層工程)
(2)透明導電膜上に所定パターンのエッチングレジスト膜を形成する工程(エッチングレジスト膜形成工程)
(3)透明導電膜をエッチングする工程(エッチング工程)
(4)エッチングレジスト膜をアルカリ液で剥離する工程(剥離工程)。
[(1)透明導電膜積層工程]
本発明のベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に直接に透明導電膜が積層される。この透明導電膜の積層方法(製膜方法)としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを用いることができる。
本発明のベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に直接に透明導電膜が積層される。この透明導電膜の積層方法(製膜方法)としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを用いることができる。
透明導電膜は、結晶化処理(加熱処理)が施されることが好ましい。この結晶化処理は、100〜200℃の温度で10〜200分程度の加熱処理が一般的である。透明導電膜を結晶化処理することにより、透明導電膜の表面抵抗値を低下させることができる。
[(2)エッチングレジスト膜の形成工程]
ベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に積層された透明導電膜をパターン化するために、先ず透明導電膜上に所定パターンのエッチングレジスト膜を形成する。
ベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に積層された透明導電膜をパターン化するために、先ず透明導電膜上に所定パターンのエッチングレジスト膜を形成する。
所定パターンのエッチングレジスト膜は、フォトリソグラフィ法(マスク露光法およびレーザー露光法を含む)あるいは印刷法により形成する。
エッチングレジスト膜は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、タルハライドランプあるいはレーザー光線などの露光で硬化しかつアルカリ溶液などで現像が可能なアクリル系フォトレジスト材料などで構成される。エッチングレジスト膜は、透明導電膜上に液状のレジスト材料を塗布によって積層してもよいし、透明導電膜上にドライレジストフィルムを貼り合わせることによって積層してもよい。エッチングレジスト膜の厚みは、0.01〜20μmの範囲が適当である。
透明導電膜上に積層されたエッチングレジスト膜は、所定パターン状にマスク露光(所定パターンのフォトマスクを介して、高圧水銀灯、超高圧水銀灯またはメタルハライドランプなどで露光)あるいは所定パターンにレーザー露光され、現像液で現像されて所定パターンのエッチングレジスト膜が形成される。
現像液としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩を、0.1〜3質量%含有するアルカリ水溶液を用いることができる。現像温度は、一般的には20〜40℃の範囲である。
[(3)(エッチング工程)]
透明導電膜上に形成された所定パターンのエッチングレジスト膜を介して、透明導電膜をエッチングする。エッチングレジスト膜が存在しない部分の透明導電膜がエッチングされて所定パターンの透明導電膜が形成される。
透明導電膜上に形成された所定パターンのエッチングレジスト膜を介して、透明導電膜をエッチングする。エッチングレジスト膜が存在しない部分の透明導電膜がエッチングされて所定パターンの透明導電膜が形成される。
エッチング液としては、従来公知のものが用いられる。例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸、塩化第二鉄/塩酸水溶液、ヨウ素酸水溶液、塩酸/硝酸水溶液(王水)等の無機酸、シュウ酸、酢酸等の有機酸、およびこれらの混合物、並びにこれらの水溶液が用いられる。
[(4)剥離工程]
エッチング後、エッチングレジスト膜はアルカリ処理されて剥離される。アルカリ処理に用いられるアルカリ液としては、1〜4質量%程度の水酸化ナトリウムを含有するアルカリ水溶液が一般的に用いられる。アルカリ処理時のアルカリ液の温度は、40〜65℃の範囲が一般的であり、処理時間は1〜5分が一般的である。
エッチング後、エッチングレジスト膜はアルカリ処理されて剥離される。アルカリ処理に用いられるアルカリ液としては、1〜4質量%程度の水酸化ナトリウムを含有するアルカリ水溶液が一般的に用いられる。アルカリ処理時のアルカリ液の温度は、40〜65℃の範囲が一般的であり、処理時間は1〜5分が一般的である。
剥離工程後には、通常水洗処理が行われる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、本実施例における、測定方法および評価方法を以下に示す。
[測定方法および評価方法]
(1)屈折率の測定1
各層を形成するための塗布組成物または紫外線硬化性樹脂組成物をシリコンウエハー上にスピンコーターにて塗工形成した塗膜(乾燥厚み約2μm)について、25℃の温度条件下で位相差測定装置(ニコン(株)製:NPDM−1000)で589nmの屈折率を測定した。この塗工形成した塗膜の屈折率をもって各層の屈折率とする。よって、下記の実施例および比較例における各層の屈折率の値は、ここで測定した屈折率の値(各層を形成するための塗布組成物または紫外線硬化性樹脂組成物を塗工形成した塗膜の屈折率の値)である。
(1)屈折率の測定1
各層を形成するための塗布組成物または紫外線硬化性樹脂組成物をシリコンウエハー上にスピンコーターにて塗工形成した塗膜(乾燥厚み約2μm)について、25℃の温度条件下で位相差測定装置(ニコン(株)製:NPDM−1000)で589nmの屈折率を測定した。この塗工形成した塗膜の屈折率をもって各層の屈折率とする。よって、下記の実施例および比較例における各層の屈折率の値は、ここで測定した屈折率の値(各層を形成するための塗布組成物または紫外線硬化性樹脂組成物を塗工形成した塗膜の屈折率の値)である。
(2)屈折率の測定2
基材フィルム(PETフィルム)の屈折率は、JIS K7105(1981)に準じて、アッベ屈折率計で589nmの屈折率を測定した。
基材フィルム(PETフィルム)の屈折率は、JIS K7105(1981)に準じて、アッベ屈折率計で589nmの屈折率を測定した。
(3)各層の厚みの測定
サンプルの断面を超薄切片に切り出し、透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA型)で加速電圧100kVにて5万倍〜30万倍の倍率でサンプルの断面を観察し、各層の厚みを測定した。尚、複数層構成で層の境界が明確でない場合は必要に応じて染色処理を施した。
サンプルの断面を超薄切片に切り出し、透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA型)で加速電圧100kVにて5万倍〜30万倍の倍率でサンプルの断面を観察し、各層の厚みを測定した。尚、複数層構成で層の境界が明確でない場合は必要に応じて染色処理を施した。
(4)ハードコート層(H)に含有する粒子の平均粒子径の測定
ハードコート層(H)の断面を電子顕微鏡(約2万〜5万倍)で観察し、その断面写真から、無作為に選択した30個の粒子のそれぞれの最大長さを計測し、それらを平均した値を粒子の平均粒子径とした。
ハードコート層(H)の断面を電子顕微鏡(約2万〜5万倍)で観察し、その断面写真から、無作為に選択した30個の粒子のそれぞれの最大長さを計測し、それらを平均した値を粒子の平均粒子径とした。
(5)易接着層に含有される粒子の平均粒子径の測定
基材フィルムに積層された易接着層表面を、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて倍率一万倍で観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(たとえばケンブリッジインストルメント製QTM900)に結び付け、観察箇所を変えてデータを取り込み、合計粒子数5000個以上となったところで次の数値処理を行ない、それによって求めた数平均径dを平均粒径(直径)とした。
基材フィルムに積層された易接着層表面を、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて倍率一万倍で観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(たとえばケンブリッジインストルメント製QTM900)に結び付け、観察箇所を変えてデータを取り込み、合計粒子数5000個以上となったところで次の数値処理を行ない、それによって求めた数平均径dを平均粒径(直径)とした。
d=Σdi /N
ここでdi は粒子の等価円直径(粒子の断面積と同じ面積を持つ円の直径)、Nは個数である。
ここでdi は粒子の等価円直径(粒子の断面積と同じ面積を持つ円の直径)、Nは個数である。
(6)透明導電膜のパターンの視認「骨見え」の評価
黒い板の上に透明導電膜が上になるように置いて、目視により透明導電膜のパターン部が視認できるかどうか以下の基準で評価した。
A:パターン部が視認できない。
B:パターン部が僅かに視認できる。
C:パターン部が明確に視認できる。
黒い板の上に透明導電膜が上になるように置いて、目視により透明導電膜のパターン部が視認できるかどうか以下の基準で評価した。
A:パターン部が視認できない。
B:パターン部が僅かに視認できる。
C:パターン部が明確に視認できる。
(7)ハードコート層の鉛筆硬度の測定
ハードコート層(C)、ハードコート層(D)およびハードコート層(H)の表面について、それぞれJIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定した。荷重は750g、速度は30mm/minである。測定装置は、新東科学(株)製の表面性硬度計(HEIDON;タイプ14DR)を用いた。測定時の環境は、23℃±2℃、相対湿度55%±5%である。
ハードコート層(C)、ハードコート層(D)およびハードコート層(H)の表面について、それぞれJIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定した。荷重は750g、速度は30mm/minである。測定装置は、新東科学(株)製の表面性硬度計(HEIDON;タイプ14DR)を用いた。測定時の環境は、23℃±2℃、相対湿度55%±5%である。
[原料]
<易接着層の塗布組成物>
(易接着層の塗布組成物1)
下記のナフタレン環含有のポリエステル樹脂を100質量部、酸化ジルコニウムを60質量部、メラミン系架橋剤(メチロール型メラミン系架橋剤(三和ケミカル(株)製の「ニカラックMW12LF」))を15質量部、平均粒子径が190nmのコロイダルシリカを1質量部含有する水系分散物である。この塗布組成物の屈折率は1.65であった。
<易接着層の塗布組成物>
(易接着層の塗布組成物1)
下記のナフタレン環含有のポリエステル樹脂を100質量部、酸化ジルコニウムを60質量部、メラミン系架橋剤(メチロール型メラミン系架橋剤(三和ケミカル(株)製の「ニカラックMW12LF」))を15質量部、平均粒子径が190nmのコロイダルシリカを1質量部含有する水系分散物である。この塗布組成物の屈折率は1.65であった。
<ナフタレン環含有のポリエステル樹脂>
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂である。
・カルボン酸成分
テレフタル酸 35モル%
2,6−ナフタレンジカルボン酸 9モル%
5−Naスルホイソフタル酸 6モル%
・グリコール成分
エチレングリコール 49モル%
ジエチレングリコール 1モル%。
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂である。
・カルボン酸成分
テレフタル酸 35モル%
2,6−ナフタレンジカルボン酸 9モル%
5−Naスルホイソフタル酸 6モル%
・グリコール成分
エチレングリコール 49モル%
ジエチレングリコール 1モル%。
(易接着層の塗布組成物2)
上記のナフタレン環含有のポリエステル樹脂を100質量部、メラミン系架橋剤(メチロール型メラミン系架橋剤(三和ケミカル(株)製の「ニカラックMW12LF」))を15質量部、平均粒子径が190nmのコロイダルシリカを1質量部含有する水系分散物である。この塗布組成物の屈折率は1.58であった。
上記のナフタレン環含有のポリエステル樹脂を100質量部、メラミン系架橋剤(メチロール型メラミン系架橋剤(三和ケミカル(株)製の「ニカラックMW12LF」))を15質量部、平均粒子径が190nmのコロイダルシリカを1質量部含有する水系分散物である。この塗布組成物の屈折率は1.58であった。
<紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(a)>
(紫外線硬化性樹脂組成物a1)
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート84質量部、中空シリカ14質量部、重合開始剤としてオリゴマー型重合開始剤(ランベルティ社製のエザキュアワン;ポリ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン])2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.46であった。
(紫外線硬化性樹脂組成物a1)
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート84質量部、中空シリカ14質量部、重合開始剤としてオリゴマー型重合開始剤(ランベルティ社製のエザキュアワン;ポリ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン])2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.46であった。
(紫外線硬化性樹脂組成物a2)
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート84質量部、中空シリカ14質量部、重合開始剤としてオリゴマー型重合開始剤(エザキュアKIP150;CAS−No.163702−01−0)2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.46であった。
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート84質量部、中空シリカ14質量部、重合開始剤としてオリゴマー型重合開始剤(エザキュアKIP150;CAS−No.163702−01−0)2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.46であった。
(紫外線硬化性樹脂組成物a3)
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート68質量部、含フッ素化合物として(ダイキン工業(株)製のフッ素樹脂「AR110」)30質量部、重合開始剤としてオリゴマー型重合開始剤(ランベルティ社製のエザキュアワン;ポリ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン])2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.46であった。
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート68質量部、含フッ素化合物として(ダイキン工業(株)製のフッ素樹脂「AR110」)30質量部、重合開始剤としてオリゴマー型重合開始剤(ランベルティ社製のエザキュアワン;ポリ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン])2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.46であった。
(紫外線硬化性樹脂組成物a4)
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート84質量部、中空シリカ14質量部、単量体の重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.46であった。
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート84質量部、中空シリカ14質量部、単量体の重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.46であった。
(紫外線硬化性樹脂組成物a5)
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート84質量部、中空シリカ14質量部、単量体の重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)127」;2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチループロパン−1−オン)2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.46であった。
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート84質量部、中空シリカ14質量部、単量体の重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)127」;2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチループロパン−1−オン)2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.46であった。
(紫外線硬化性樹脂組成物a6)
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート53質量部、含フッ素化合物として(ダイキン工業(株)製のフッ素樹脂「AR110」)45質量部、重合開始剤としてオリゴマー型重合開始剤(ランベルティ社製のエザキュアワン;ポリ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン])2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.43であった。
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート53質量部、含フッ素化合物として(ダイキン工業(株)製のフッ素樹脂「AR110」)45質量部、重合開始剤としてオリゴマー型重合開始剤(ランベルティ社製のエザキュアワン;ポリ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン])2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.43であった。
(紫外線硬化性樹脂組成物a7)
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート53質量部、含フッ素化合物として(ダイキン工業(株)製のフッ素樹脂「AR110」)45質量部、重合開始剤としてオリゴマー型重合開始剤(ランベルティ社製のエザキュアKIP150;CAS−No.163702−01−0)2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.43であった。
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート53質量部、含フッ素化合物として(ダイキン工業(株)製のフッ素樹脂「AR110」)45質量部、重合開始剤としてオリゴマー型重合開始剤(ランベルティ社製のエザキュアKIP150;CAS−No.163702−01−0)2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.43であった。
(紫外線硬化性樹脂組成物a8)
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート53質量部、含フッ素化合物として(ダイキン工業(株)製のフッ素樹脂「AR110」)45質量部、単量体の重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.43であった。
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート53質量部、含フッ素化合物として(ダイキン工業(株)製のフッ素樹脂「AR110」)45質量部、単量体の重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.43であった。
(紫外線硬化性樹脂組成物a9)
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート53質量部、含フッ素化合物として(ダイキン工業(株)製のフッ素樹脂「AR110」)45質量部、単量体の重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)127」;2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチループロパン−1−オン)2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.43であった。
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート53質量部、含フッ素化合物として(ダイキン工業(株)製のフッ素樹脂「AR110」)45質量部、単量体の重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)127」;2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチループロパン−1−オン)2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.43であった。
<紫外線硬化性樹脂層(B)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(b)>
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート47質量部、酸化ジルコニウム50質量部、および重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)3質量部を有機溶媒(プロピレングリコールモノエチルエーテル)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.65であった。
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート47質量部、酸化ジルコニウム50質量部、および重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)3質量部を有機溶媒(プロピレングリコールモノエチルエーテル)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.65であった。
<ハードコート層(C)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(c)>
紫外線硬化性樹脂として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート58質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中にエチレン性不飽和基を9個含む)37質量部、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.52であった。
紫外線硬化性樹脂として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート58質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中にエチレン性不飽和基を9個含む)37質量部、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.52であった。
<ハードコート層(D)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(d)>
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート47質量部、酸化ジルコニウム50質量部、および重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)3質量部を有機溶媒(プロピレングリコールモノエチルエーテル)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.65であった。
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート47質量部、酸化ジルコニウム50質量部、および重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)3質量部を有機溶媒(プロピレングリコールモノエチルエーテル)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.65であった。
<ハードコート層(H)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(h)>
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを87質量部、有機粒子としてスチレン−アクリル系共重合樹脂粒子(ガンツ化成(株)製の商品名「スタフィロイド EA−1135」;平均粒子径130nm)を固形分換算で8質量部、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.52であった。
紫外線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを87質量部、有機粒子としてスチレン−アクリル系共重合樹脂粒子(ガンツ化成(株)製の商品名「スタフィロイド EA−1135」;平均粒子径130nm)を固形分換算で8質量部、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に分散・溶解して調製した。この組成物の屈折率は1.52であった。
[実施例1]
下記の要領で態様1のベースフィルムを作製した。
下記の要領で態様1のベースフィルムを作製した。
<ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の作製>
実質的に外部添加粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施した後、一軸延伸フィルムの一方の面(第1面)に易接着層塗布組成物1、他方の面(第2面)に易接着層塗布組成物2をそれぞれ塗布した。
実質的に外部添加粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施した後、一軸延伸フィルムの一方の面(第1面)に易接着層塗布組成物1、他方の面(第2面)に易接着層塗布組成物2をそれぞれ塗布した。
次に、両面にそれぞれの易接着層塗布組成物が塗布された1軸延伸フィルムをクリップで把持して予熱ゾーンに導き、雰囲気温度75℃で乾燥、ラジエーションヒーターを用いて110℃に上げ、再度90℃で乾燥した後、引き続き連続的に120℃の加熱ゾーンで幅方向に3.5倍延伸し、続いて220℃の加熱ゾーンで20秒間熱処理を施し、結晶配向の完了した二軸延伸PETフィルムを作製した。このPETフィルムは両面に易接着層を有するPETフィルムである。尚、PETフィルムの第1面の易接着層は、易接着層(P1)である。
このPETフィルムの厚みは100μm、第1面に設けられた易接着層(P1)の厚みは20nm、第2面に設けられた易接着層の厚みは80nmであった。
PETフィルムの屈折率は1.65、第1面の易接着層(P1)の屈折率は1.65、第2面の易接着層の屈折率は1.58であった。
尚、PETフィルムの屈折率は、両面に易接着層を積層しない以外は上記と同様の条件で製造したPETフィルムの屈折率を測定し、その値をPETフィルムの屈折率とした。
<ハードコート層(H)の積層>
上記で作製したPETフィルムの第2面の易接着層上に、紫外線硬化性樹脂組成物(h)をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、90℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を500mJ/cm2照射し硬化させてハードコート層(H)を形成した。このハードコート層(H)は、厚み1.0μm、屈折率が1.52、鉛筆硬度がHであった。
上記で作製したPETフィルムの第2面の易接着層上に、紫外線硬化性樹脂組成物(h)をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、90℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を500mJ/cm2照射し硬化させてハードコート層(H)を形成した。このハードコート層(H)は、厚み1.0μm、屈折率が1.52、鉛筆硬度がHであった。
<紫外線硬化性樹脂層(A)の積層>
上記でハードコート層(H)が積層されたPETフィルムの第1面の易接着層(P1)上に、紫外線硬化性樹脂組成物a1をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、140℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を350mJ/cm2照射し硬化させて紫外線硬化性樹脂層(A)を形成した。この紫外線硬化性樹脂層(A)は、厚みが43nm、屈折率が1.46であった。
上記でハードコート層(H)が積層されたPETフィルムの第1面の易接着層(P1)上に、紫外線硬化性樹脂組成物a1をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、140℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を350mJ/cm2照射し硬化させて紫外線硬化性樹脂層(A)を形成した。この紫外線硬化性樹脂層(A)は、厚みが43nm、屈折率が1.46であった。
[実施例2〜3、比較例1〜3]
紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(a)の種類および紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてベースフィルムを作製した。
紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(a)の種類および紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてベースフィルムを作製した。
[透明導電性フィルムの作製]
上記の実施例および比較例で作製したベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)の上に、透明導電膜としてITO膜を厚みが12nmとなるようにスパッタリング法で積層しし、以下のエッチング工程を実施してパターン状のITO膜を形成した。
上記の実施例および比較例で作製したベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)の上に、透明導電膜としてITO膜を厚みが12nmとなるようにスパッタリング法で積層しし、以下のエッチング工程を実施してパターン状のITO膜を形成した。
<エッチング工程>
ITO膜上に市販のアクリル系ネガ型のドライレジストフィルムを貼り合わせ、このドライレジストフィルムの上からフォトマスクを介してメタルハライドランプで露光し、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像してパターン状のエッチングレジスト膜を形成した。このパターン状のエッチングレジスト膜を介してITO膜をエッチング処理(5%の塩酸(塩化水素水溶液)に1分間浸漬)し、続いてエッチングレジスト膜を以下の剥離条件で剥離除去した。最後に水洗してパターン状(格子パターン)のITO膜を形成した。
ITO膜上に市販のアクリル系ネガ型のドライレジストフィルムを貼り合わせ、このドライレジストフィルムの上からフォトマスクを介してメタルハライドランプで露光し、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像してパターン状のエッチングレジスト膜を形成した。このパターン状のエッチングレジスト膜を介してITO膜をエッチング処理(5%の塩酸(塩化水素水溶液)に1分間浸漬)し、続いてエッチングレジスト膜を以下の剥離条件で剥離除去した。最後に水洗してパターン状(格子パターン)のITO膜を形成した。
<剥離条件1>
45℃の2%水酸化ナトリウム水溶液で4分間処理する。
45℃の2%水酸化ナトリウム水溶液で4分間処理する。
<剥離条件2>
60℃の2%水酸化ナトリウム水溶液で3分間処理する。
60℃の2%水酸化ナトリウム水溶液で3分間処理する。
[評価]
上記の剥離条件1および剥離条件2で処理して得られた透明導電性フィルムについて、透明導電膜の「骨見え」状態を目視で評価した。その結果を表1に示す。
上記の剥離条件1および剥離条件2で処理して得られた透明導電性フィルムについて、透明導電膜の「骨見え」状態を目視で評価した。その結果を表1に示す。
表1の結果から、本発明の実施例のベースフィルム(紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(a)がオリゴマー型重合開始剤を含む)を用いて作製された透明導電性フィルムは、透明導電膜の「骨見え」が抑制されていることが分かる。また、エッチングレジスト膜の剥離条件を変化しても「骨見え」の抑制は安定して良好である。
一方、比較例1および2のベースフィルムは、紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(a)に重合開始剤として単量体を用いているために、耐アルカリ性が十分に得られず、エッチングレジスト膜の剥離処理時に膜減りが起こり、その結果、「骨見え」の抑制が不十分となっている。
比較例3は、紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みが70nm以上であるので、「骨見え」の抑制が不十分となっている。
[実施例4]
下記の要領で態様2のベースフィルムを作製した。
下記の要領で態様2のベースフィルムを作製した。
<ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の作製>
実質的に外部添加粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施した後、一軸延伸フィルムの一方の面(第1面)に易接着層塗布組成物2、他方の面(第2面)にも易接着層塗布組成物2をそれぞれ塗布した。
実質的に外部添加粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施した後、一軸延伸フィルムの一方の面(第1面)に易接着層塗布組成物2、他方の面(第2面)にも易接着層塗布組成物2をそれぞれ塗布した。
次に、両面にそれぞれの易接着層塗布組成物が塗布された1軸延伸フィルムをクリップで把持して予熱ゾーンに導き、雰囲気温度75℃で乾燥、ラジエーションヒーターを用いて110℃に上げ、再度90℃で乾燥した後、引き続き連続的に120℃の加熱ゾーンで幅方向に3.5倍延伸し、続いて220℃の加熱ゾーンで20秒間熱処理を施し、結晶配向の完了した二軸延伸PETフィルムを作製した。このPETフィルムは両面に易接着層を有するPETフィルムである。尚、PETフィルムの第1面の易接着層は、易接着層(P2)である。
このPETフィルムの厚みは100μm、第1面に設けられた易接着層(P2)の厚みは80nm、第2面に設けられた易接着層の厚みは80nmであった。
PETフィルムの屈折率は1.65、第1面の易接着層(P2)の屈折率は1.58、第2面の易接着層の屈折率は1.58であった。
尚、PETフィルムの屈折率は、両面に易接着層を積層しない以外は上記と同様の条件で製造したPETフィルムの屈折率を測定し、その値をPETフィルムの屈折率とした。
<ハードコート層(H)の積層>
上記で作製したPETフィルムの第2面の易接着層上に、紫外線硬化性樹脂組成物(h)をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、90℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を500mJ/cm2照射し硬化させてハードコート層(H)を形成した。このハードコート層は、厚み1.0μm、屈折率が1.52、鉛筆硬度がHであった。
上記で作製したPETフィルムの第2面の易接着層上に、紫外線硬化性樹脂組成物(h)をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、90℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を500mJ/cm2照射し硬化させてハードコート層(H)を形成した。このハードコート層は、厚み1.0μm、屈折率が1.52、鉛筆硬度がHであった。
<ハードコート層(C)と紫外線硬化性樹脂層(B)の積層>
上記でハードコート層(H)が積層されたPETフィルムの第1面の易接着層(P2)上に、ハードコート層(C)のための紫外線硬化性樹脂組成物(c)をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、90℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を500mJ/cm2照射し硬化させてハードコート層(C)を形成した。このハードコート層(C)は、厚み1.5μm、屈折率が1.52、鉛筆硬度がHであった。
上記でハードコート層(H)が積層されたPETフィルムの第1面の易接着層(P2)上に、ハードコート層(C)のための紫外線硬化性樹脂組成物(c)をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、90℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を500mJ/cm2照射し硬化させてハードコート層(C)を形成した。このハードコート層(C)は、厚み1.5μm、屈折率が1.52、鉛筆硬度がHであった。
次に、ハードコート層(C)上に、紫外線硬化性樹脂層(B)のための紫外線硬化性樹脂組成物(b)をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、80℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を350mJ/cm2照射し硬化させて紫外線硬化性樹脂層(B)を形成した。この紫外線硬化性樹脂層(B)は、厚みが40nm、屈折率が1.65であった。
<紫外線硬化性樹脂層(A)の積層>
次に、紫外線硬化性樹脂層(B)上に、紫外線硬化性樹脂組成物a1をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、140℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を350mJ/cm2照射し硬化させて紫外線硬化性樹脂層(A)を形成した。この紫外線硬化性樹脂層(A)は、厚みが40nm、屈折率が1.46であった。
次に、紫外線硬化性樹脂層(B)上に、紫外線硬化性樹脂組成物a1をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、140℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を350mJ/cm2照射し硬化させて紫外線硬化性樹脂層(A)を形成した。この紫外線硬化性樹脂層(A)は、厚みが40nm、屈折率が1.46であった。
[実施例5〜6、比較例4〜6]
紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(a)の種類および紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みを表2に示すように変更した以外は、実施例4と同様にしてベースフィルムを作製した。
紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(a)の種類および紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みを表2に示すように変更した以外は、実施例4と同様にしてベースフィルムを作製した。
[透明導電性フィルムの作製]
上記の実施例および比較例で作製したベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)の上に、透明導電膜としてITO膜を厚みが22nmとなるようにスパッタリング法で積層し、実施例1と同様にエッチング工程を実施した。
上記の実施例および比較例で作製したベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)の上に、透明導電膜としてITO膜を厚みが22nmとなるようにスパッタリング法で積層し、実施例1と同様にエッチング工程を実施した。
[評価]
上記の剥離条件1および剥離条件2で処理して得られた透明導電性フィルムについて、透明導電膜の「骨見え」状態を目視で評価した。その結果を表2に示す。
上記の剥離条件1および剥離条件2で処理して得られた透明導電性フィルムについて、透明導電膜の「骨見え」状態を目視で評価した。その結果を表2に示す。
表2の結果から、本発明の実施例のベースフィルム(紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(a)がオリゴマー型重合開始剤を含む)を用いて作製された透明導電性フィルムは、透明導電膜の「骨見え」が抑制されていることが分かる。また、エッチングレジスト膜の剥離条件を変化しても「骨見え」の抑制は安定して良好である。
一方、比較例4および5のベースフィルムは、紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(a)に重合開始剤として単量体を用いているために、耐アルカリ性が十分に得られず、エッチングレジスト膜の剥離処理時に膜減りが起こり、その結果、「骨見え」の抑制が不十分となっている。
比較例6は、紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みが70nm以上であるので、「骨見え」の抑制が不十分となっている。
[実施例7]
下記の要領で態様3のベースフィルムを作製した。
下記の要領で態様3のベースフィルムを作製した。
<ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の作製>
実質的に外部添加粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施した後、一軸延伸フィルムの一方の面(第1面)に易接着層塗布組成物1、他方の面(第2面)にも易接着層塗布組成物2をそれぞれ塗布した。
実質的に外部添加粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施した後、一軸延伸フィルムの一方の面(第1面)に易接着層塗布組成物1、他方の面(第2面)にも易接着層塗布組成物2をそれぞれ塗布した。
次に、両面にそれぞれの易接着層塗布組成物が塗布された1軸延伸フィルムをクリップで把持して予熱ゾーンに導き、雰囲気温度75℃で乾燥、ラジエーションヒーターを用いて110℃に上げ、再度90℃で乾燥した後、引き続き連続的に120℃の加熱ゾーンで幅方向に3.5倍延伸し、続いて220℃の加熱ゾーンで20秒間熱処理を施し、結晶配向の完了した二軸延伸PETフィルムを作製した。このPETフィルムは両面に易接着層を有するPETフィルムである。尚、PETフィルムの第1面の易接着層は、易接着層(P3)である。
このPETフィルムの厚みは100μm、第1面に設けられた易接着層(P3)の厚みは20nm、第2面に設けられた易接着層の厚みは80nmであった。
PETフィルムの屈折率は1.65、第1面の易接着層(P3)の屈折率は1.65、第2面の易接着層の屈折率は1.58であった。
尚、PETフィルムの屈折率は、両面に易接着層を積層しない以外は上記と同様の条件で製造したPETフィルムの屈折率を測定し、その値をPETフィルムの屈折率とした。
<ハードコート層(H)の積層>
上記で作製したPETフィルムの第2面の易接着層上に、紫外線硬化性樹脂組成物(h)をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、90℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を500mJ/cm2照射し硬化させてハードコート層(H)を形成した。このハードコート層は、厚み1.0μm、屈折率が1.52、鉛筆硬度がHであった。
上記で作製したPETフィルムの第2面の易接着層上に、紫外線硬化性樹脂組成物(h)をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、90℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を500mJ/cm2照射し硬化させてハードコート層(H)を形成した。このハードコート層は、厚み1.0μm、屈折率が1.52、鉛筆硬度がHであった。
<ハードコート層(D)の積層>
上記でハードコート層(H)が積層されたPETフィルムの第1面の易接着層(P3)上に、ハードコート層(D)のための紫外線硬化性樹脂組成物(d)をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、90℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を500mJ/cm2照射し硬化させてハードコート層(D)を形成した。このハードコート層(D)は、厚み0.5μm、屈折率が1.65、鉛筆硬度がFであった。
上記でハードコート層(H)が積層されたPETフィルムの第1面の易接着層(P3)上に、ハードコート層(D)のための紫外線硬化性樹脂組成物(d)をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、90℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を500mJ/cm2照射し硬化させてハードコート層(D)を形成した。このハードコート層(D)は、厚み0.5μm、屈折率が1.65、鉛筆硬度がFであった。
<紫外線硬化性樹脂層(A)の積層>
次に、ハードコート層(D)上に、紫外線硬化性樹脂組成物a6をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、140℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を350mJ/cm2照射し硬化させて紫外線硬化性樹脂層(A)を形成した。この紫外線硬化性樹脂層(A)は、厚みが25nm、屈折率が1.43であった。
次に、ハードコート層(D)上に、紫外線硬化性樹脂組成物a6をウェットコーティング法(グラビアコート法)により塗布して、140℃(最高温度)で乾燥後、紫外線を350mJ/cm2照射し硬化させて紫外線硬化性樹脂層(A)を形成した。この紫外線硬化性樹脂層(A)は、厚みが25nm、屈折率が1.43であった。
[実施例8、比較例7〜9]
紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(a)の種類および紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みを表3に示すように変更した以外は、実施例7と同様にしてベースフィルムを作製した。
紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(a)の種類および紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みを表3に示すように変更した以外は、実施例7と同様にしてベースフィルムを作製した。
[透明導電性フィルムの作製]
上記の実施例および比較例で作製したベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)の上に、透明導電膜としてITO膜を厚みが18nmとなるようにスパッタリング法で積層し、実施例1と同様にエッチング工程を実施した。
上記の実施例および比較例で作製したベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)の上に、透明導電膜としてITO膜を厚みが18nmとなるようにスパッタリング法で積層し、実施例1と同様にエッチング工程を実施した。
[評価]
上記の剥離条件1および剥離条件2で処理して得られた透明導電性フィルムについて、透明導電膜の「骨見え」状態を目視で評価した。その結果を表3に示す。
上記の剥離条件1および剥離条件2で処理して得られた透明導電性フィルムについて、透明導電膜の「骨見え」状態を目視で評価した。その結果を表3に示す。
表3の結果から、本発明の実施例のベースフィルム(紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(a)がオリゴマー型重合開始剤を含む)を用いて作製された透明導電性フィルムは、透明導電膜の「骨見え」が抑制されていることが分かる。また、エッチングレジスト膜の剥離条件を変化しても「骨見え」の抑制は安定して良好である。
一方、比較例7および8のベースフィルムは、紫外線硬化性樹脂層(A)を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物(a)に重合開始剤として単量体を用いているために、耐アルカリ性が十分に得られず、エッチングレジスト膜の剥離処理時に膜減りが起こり、その結果、「骨見え」の抑制が不十分となっている。
比較例9は、紫外線硬化性樹脂層(A)の厚みが70nm以上であるので、「骨見え」の抑制が不十分となっている。
Claims (12)
- 基材フィルムの少なくとも一方の面に最表層として膜厚が70nm未満の紫外線硬化性樹脂層(A)を有し、該紫外線硬化性樹脂層(A)はオリゴマー型重合開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物(a)を硬化せしめた層であることを特徴とする、タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
- 前記紫外線硬化性樹脂層(A)の屈折率が1.35〜1.55である、請求項1または2に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
- 前記基材フィルムが、屈折率が1.61〜1.70であるポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜3のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
- 前記基材フィルムが、屈折率が1.61〜1.70であるポリエチレンテレフタレートフィルムであり、かつ該基材フィルム上に、屈折率が1.61〜1.70である易接着層(P1)を介して紫外線硬化性樹脂層(A)のみが設けられている、請求項1〜4のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
- 前記基材フィルムと紫外線硬化性樹脂層(A)との間に、屈折率が1.61〜1.80でかつ膜厚が70nm未満の紫外線硬化性樹脂層(B)を有する、請求項1〜4のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
- 前記基材フィルムと紫外線硬化性樹脂層(B)との間にハードコート層(C)を有する、請求項6に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
- 前記基材フィルムとハードコート層(C)との間に、屈折率が1.55〜1.60である易接着層(P2)を有する、請求項7に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
- 前記基材フィルムと紫外線硬化性樹脂層(A)との間に、屈折率が1.61〜1.80であるハードコート層(D)を有する、請求項1〜4のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
- 前記基材フィルムとハードコート層(D)との間に、屈折率が1.61〜1.75である易接着層(P3)を有する、請求項9に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に、エッチングによりパターン化された透明導電膜を有する、タッチパネル用透明導電性フィルム。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に、エッチングによりパターン化された透明導電膜を有するタッチパネル用透明導電性フィルムの製造方法であって、(1)前記ベースフィルムの紫外線硬化性樹脂層(A)上に透明導電膜を積層する工程、(2)透明導電膜上に所定パターンのエッチングレジスト膜を形成する工程、(3)透明導電膜をエッチングする工程、および(4)エッチングレジスト膜をアルカリ液で剥離する工程をこの順に有する、タッチパネル用透明導電性フィルムの製造方法。
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JP2013173029A JP2015039860A (ja) | 2013-08-23 | 2013-08-23 | タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム、タッチパネル用透明導電性フィルムおよびその製造方法 |
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JP2018085297A (ja) * | 2016-11-25 | 2018-05-31 | 日東電工株式会社 | 透明導電性フィルム及びその製造方法並びにタッチパネル |
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JP2017220411A (ja) * | 2016-06-10 | 2017-12-14 | 日東電工株式会社 | 透明導電性フィルム |
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CN113242792B (zh) * | 2018-12-12 | 2023-05-23 | 大塚化学株式会社 | 透明导电层形成用基材、透明导电性膜、触摸面板以及透明导电层形成用基材的制造方法 |
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