JP7007083B2 - 導電性フィルム、タッチパネル、および画像表示装置 - Google Patents

導電性フィルム、タッチパネル、および画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、導電性フィルム、タッチパネル、および画像表示装置に関する。
従来から、導電性フィルムは、タッチパネルのセンサなどに幅広く利用されている。導電性フィルムは、光透過性基材上に設けられた、酸化インジウムスズ(ITO)からなる導電部を備えている。しかしながら、ITOには柔軟性がないため、光透過性基材として可撓性の基材を使用した場合には、導電部にひび割れが生じやすいという問題がある。
このようなことから、導電性フィルムに、ITOの代わりに、銀ナノワイヤ等の金属ナノワイヤを用いることが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2013/118643号
現在、金属ナノワイヤを用いた導電性フィルムにおいては、感度を向上させる観点から、表面抵抗値を低下させることが望まれている。ここで、表面抵抗値を低下させるために金属ナノワイヤの添加量を増やすことも考えられるが、金属ナノワイヤの添加量を増やすと、導電性フィルムのヘイズ値が上昇してしまう。
一方で、画像表示装置の用途が拡大しつつあり、様々な形状(例えば、細長形状)の画像表示装置が開発されている。画像表示装置の形状によっては、2次元方向に均一ではなく、主に、特定の方向に多く通電させればよい場合もある。このため、画像表示装置に組み込まれる導電性フィルムも、面内の特定の方向の電気抵抗値が低ければよく、他の方向の電気抵抗値は高くてもよい場合がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。すなわち、特定の方向における電気抵抗値がより一層低い導電性フィルム、タッチパネルおよび画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の一の態様によれば、光透過性基材と、前記光透過性基材の一方の面側に設けられた導電部とを備える光透過性の導電性フィルムであって、前記導電部が、光透過性樹脂と、前記光透過性樹脂中に配置された複数の導電性繊維とを含み、前記導電部の表面において、面内の任意の方向に対し前記任意の方向を含め30°毎に6方向における電気抵抗値をそれぞれ所定の大きさで測定し、最も低い電気抵抗値が得られる方向を第1の方向とし、前記第1の方向と直交する方向を第2の方向としたとき、前記第1の方向の電気抵抗値に対する前記第2の方向の電気抵抗値の比が、2以上であることを特徴とする、導電性フィルムが提供される。
上記導電性フィルムにおいて、前記導電性繊維の繊維長が、30μm以上であってもよい。
上記導電性フィルムにおいて、前記導電性繊維の繊維径が、200nm以下であってもよい。
上記導電性フィルムにおいて、前記導電性フィルムのヘイズ値が5%以下であってもよい。
上記導電性フィルムにおいて、前記導電性フィルムの全光線透過率が80%以上であってもよい。
本発明の他の態様によれば、上記導電性フィルムを備える、タッチパネルが提供される。
本発明の他の態様によれば、上記タッチパネルとを備える、画像表示装置が提供される。
本発明の一の態様によれば、導電部の表面において、面内の任意の方向に対し前記任意の方向を含め30°毎に6方向における電気抵抗値をそれぞれ所定の大きさで測定し、最も低い電気抵抗値が得られる方向を第1の方向とし、前記第1の方向と直交する方向を第2の方向としたとき、前記第1の方向の電気抵抗値に対する前記第2の方向の電気抵抗値の比が、2以上となっているので、特定の方向における電気抵抗値がより一層低い導電性フィルムを提供することができる。また、本発明の他の態様によれば、このような導電性フィルムを備えるタッチパネルおよび画像表示装置を提供することができる。
実施形態に係る導電性フィルムの概略構成図である。 図1に示される導電性フィルムの一部の拡大図である。 実施形態に係る導電性フィルムからサンプルを切り出す際のサンプルのレイアウト図である。 電気抵抗値を測定する際のサンプルの平面図である。 実施形態に係る他の導電性フィルムの概略構成図である。 図5に示される導電性フィルムの一部の拡大図である。 実施形態に係る他の導電性フィルムの概略構成図である。 図7に示される導電性フィルムの一部の拡大図である。 実施形態に係る導電性フィルムの製造工程を模式的に示した図である。 実施形態に係る導電性フィルムの製造工程を模式的に示した図である。 実施形態に係る導電性フィルムの製造工程を模式的に示した図である。 実施形態に係る画像表示装置の概略構成図である。 実施形態に係るタッチパネルの模式的な平面図である。
以下、本発明の実施形態に係る導電性フィルム、タッチパネル、および画像表示装置について、図面を参照しながら説明する。本明細書における「光透過性」とは、光を透過させる性質を意味する。また「光透過性」とは、必ずしも透明である必要はなく、半透明であってもよい。図1は本実施形態に係る導電性フィルムの概略構成図であり、図2は図1に示される導電性フィルムの一部の拡大図である。図3は本実施形態に係る導電性フィルムのサンプルを切り出す際のサンプルのレイアウト図であり、図4は電気抵抗値を測定する際のサンプルの平面図である。図5および図7は本実施形態に係る他の導電性フィルムの概略構成図であり、図6は図5に示される導電性フィルムの一部の拡大図であり、図8は図7に示される導電性フィルムの一部の拡大図である。図9~図11は本実施形態に係る導電性フィルムの製造工程を模式的に示した図である。
<<<導電性フィルム>>>
図1に示される導電性フィルム10は、光透過性を有し、かつ光透過性基材11と、光透過性基材11の一方の面に設けられた光透過性機能層12と、光透過性機能層12における光透過性基材11側の面とは反対側の面に設けられた導電部13とを備えている。ただし、導電性フィルム10は、光透過性基材11と、導電部13とを備えていればよく、光透過性機能層12を備えていなくともよい。図1に示される光透過性機能層12は光透過性基材11と導電部13との間に設けられているが、光透過性機能層は、光透過性基材11と導電部13との間ではなく、光透過性基材11における導電部13側の面とは反対側の面に設けられていてもよく、また光透過性基材11と導電部13との間および光透過性基材11における導電部13側の面とは反対側の面の両方に設けられていてもよい。また、図1に示される導電性フィルム10においては、片面側のみに導電部13が設けられているが、導電性フィルムの両面側に導電部が設けられていてもよい。
導電性フィルム10の全光線透過率は、80%以上であることが好ましい。導電性フィルムの全光線透過率が80%未満であると、光学的性能が不充分となるおそれがある。全光線透過率は、JIS K-7361:1997に準拠して、ヘイズメーター(製品名「HM-150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、測定することができる。全光線透過率は、導電性フィルム全体で測定したときの値であり、また3回測定して得られた値の算術平均値とする。導電性フィルム10の全光線透過率は、88%以上であることがより好ましく、89%以上であることが最も好ましい。
導電性フィルム10のヘイズ値(全ヘイズ値)は、5%以下であることが好ましい。導電性フィルム10のヘイズ値が5%を超えると、光学的性能が不充分となるおそれがある。ヘイズ値は、JIS K7136:2000に準拠して、ヘイズメーター(製品名「HM-150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、測定することができる。ヘイズ値は、導電性フィルム全体で測定したときの値であり、また3回測定して得られた値の算術平均値とする。導電性フィルム10のヘイズ値は、1.5%以下であることが好ましく、1.2%以下であることが最も好ましい。
<<光透過性基材>>
光透過性基材11としては、光透過性を有すれば特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン基材、ポリカーボネート基材、ポリアクリレート基材、ポリエステル基材、芳香族ポリエーテルケトン基材、ポリエーテルサルフォン基材、またはポリアミド基材等の光透過性樹脂基材が挙げられる。
ポリオレフィン基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン基材等の少なくとも1種を構成成分とする基材が挙げられる。環状ポリオレフィン基材としては、例えばノルボルネン骨格を有するものが挙げられる。
ポリカーボネート基材としては、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)をベースとする芳香族ポリカーボネート基材、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート基材等が挙げられる。
ポリアクリレート基材としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル基材、ポリ(メタ)アクリル酸エチル基材、(メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸ブチル共重合体基材等が挙げられる。
ポリエステル基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)の少なくとも1種を構成成分とする基材が挙げられる。
芳香族ポリエーテルケトン基材としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基材等が挙げられる。
光透過性基材11の厚みは、特に限定されないが、3μm以上500μm以下とすることが可能であり、光透過性基材11の厚みの下限はハンドリング性等の観点から10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。光透過性基材11の厚みの上限は薄膜化の観点から250μm以下であることが好ましい。光透過性基材の厚みは、厚み測定装置(製品名「デジマチックインジケーターIDF-130」、ミツトヨ社製)を用いて任意の10箇所の厚みを測定し、その平均値を算出することにより求めることができる。
光透過性基材11は、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理が表面に施されたものであってもよい。また、光透過性基材11は、少なくとも一方の面側に、他の層との接着性を向上させるため、巻き取り時の貼り付きを防止するため、および/または他の層を形成する塗布液のはじきを抑制するための下地層を有するものであってもよい。ただし、本明細書においては、光透過性基材の少なくとも一方の面側に存在し、かつ光透過性基材に接する下地層は、光透過性基材の一部をなすものとし、光透過性機能層には含まれないものとする。
下地層は、例えば、アンカー剤やプライマー剤を含んでいる。アンカー剤やプライマー剤としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンと酢酸ビニルまたはアクリル酸などとの共重合体、エチレンとスチレンおよび/またはブタジエンなどとの共重合体、オレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂および/またはその変性樹脂、電離放射線重合性化合物の重合体、および熱重合性化合物の重合体等の少なくともいずれかを用いることが可能である。
下地層は、上記したように巻き取り時の貼り付き防止のために、易滑剤等の粒子を含んでいてもよい。粒子としては、シリカ粒子等が挙げられる。
<<光透過性機能層>>
光透過性機能層12は、光透過性基材11と導電部13との間に配置されている。本明細書における「光透過性機能層」とは、光透過性を有し、かつ導電性フィルムにおいて、何らかの機能を発揮することを意図された層である。具体的には、光透過性機能層としては、例えば、ハードコート機能、屈折率調整機能、および/または色味調整機能を発揮するための層が挙げられる。光透過性機能層は、単層のみならず、2層以上積層されたものであってもよい。光透過性機能層が2層以上積層されたものである場合、それぞれの層が有する機能は同じであってもよいが、異なっていてもよい。本実施形態においては、光透過性機能層12が、ハードコート機能を発揮する層、すなわちハードコート層である場合について説明する。
光透過性機能層12は、上記したようにハードコート層として機能するので、光透過性機能層12は、JIS K5600-5-4:1999で規定される鉛筆硬度試験(4.9N荷重)で「H」以上の硬度を有する層となっている。鉛筆硬度を「H」以上とすることにより、導電性フィルム10が硬くなり、耐久性を向上させることができる。なお、光透過性機能層の靱性およびカールの防止の観点から、導電部13の表面13Aの鉛筆硬度の上限は4H程度程とすることが好ましい。
光透過性機能層12の膜厚は0.5μm以上15μm以下であることが好ましい。光透過性機能層12の膜厚がこの範囲であれば、所望の硬度を得ることができる。光透過性機能層の膜厚は、光透過性機能層の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影された光透過性機能層の断面写真からランダムに10箇所厚みを測定し、測定された厚みの平均値として求めることができる。
光透過性機能層12の膜厚の上限は、光透過性機能層の割れを抑制する観点から、12μm以下であることがより好ましい。また、光透過性機能層の薄膜化を図る一方で、カールの発生を抑制する観点から、光透過性機能層11の膜厚は0.5μm以上10μm以下であることがさらに好ましい。
光透過性機能層12は、少なくとも光透過性樹脂から構成することが可能である。なお、光透過性機能層12は、光透過性樹脂の他に、無機粒子、有機粒子およびレベリング剤を含んでいてもよい。
<光透過性樹脂>
光透過性機能層12における光透過性樹脂としては、重合性化合物の重合体(硬化物、架橋物)を含むものが挙げられる。光透過性樹脂は、重合性化合物の重合体の他、溶剤乾燥型樹脂を含んでいてもよい。重合性化合物としては、電離放射線重合性化合物および/または熱重合性化合物が挙げられる。
電離放射線重合性化合物は、1分子中に電離放射線重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。本明細書における「電離放射線重合性官能基」とは、電離放射線照射により重合反応し得る官能基である。電離放射線重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和基が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。また、電離放射線重合性化合物を重合する際に照射される電離放射線としては、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、およびγ線が挙げられる。
電離放射線重合性化合物としては、電離放射線重合性モノマー、電離放射線重合性オリゴマー、または電離放射線重合性プレポリマーが挙げられ、これらを適宜調整して、用いることができる。電離放射線重合性化合物としては、電離放射線重合性モノマーと、電離放射線重合性オリゴマーまたは電離放射線重合性プレポリマーとの組み合わせが好ましい。
電離放射線重合性モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を含むモノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
電離放射線重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましく、電離放射線重合性官能基が3つ(3官能)以上の多官能オリゴマーが好ましい。上記多官能オリゴマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル-ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
電離放射線重合性プレポリマーは、重量平均分子量が1万を超えるものであり、重量平均分子量としては1万以上8万以下が好ましく、1万以上4万以下がより好ましい。重量平均分子量が8万を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる光透過性樹脂の外観が悪化するおそれがある。多官能プレポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル-ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
熱重合性化合物は、1分子中に熱重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。本明細書における「熱重合性官能基」とは、加熱により同じ官能基同士または他の官能基との間で重合反応し得る官能基である。熱重合性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、アミノ基、環状エーテル基、メルカプト基等が挙げられる。
熱重合性化合物としては、特に限定されず、例えば、エポキシ化合物、ポリオール化合物、イソシアネート化合物、メラミン化合物、ウレア化合物、フェノール化合物等が挙げられる。
溶剤乾燥型樹脂は、熱可塑性樹脂等、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂である。溶剤乾燥型樹脂を添加した場合、光透過性機能層12を形成する際に、塗液の塗布面の被膜欠陥を有効に防止することができる。溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般に、熱可塑性樹脂を使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、透明性や耐候性という観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
<無機粒子>
無機粒子は、光透過性機能層12の機械的強度や鉛筆強度を向上させるための成分であり、無機粒子としては、例えば、シリカ(SiO)粒子、アルミナ粒子、チタニア粒子、酸化スズ粒子、アンチモンドープ酸化スズ(略称:ATO)粒子、酸化亜鉛粒子等の無機酸化物粒子が挙げられる。これらの中でも、硬度をより高める観点からシリカ粒子が好ましい。シリカ粒子としては、球形シリカ粒子や異形シリカ粒子が挙げられるが、これらの中でも、異形シリカ粒子が好ましい。本明細書における「球形粒子」とは、例えば、真球状、楕円球状等の粒子を意味し、「異形粒子」とは、ジャガイモ状のランダムな凹凸を表面に有する形状の粒子を意味する。上記異形粒子は、その表面積が球状粒子と比較して大きいため、このような異形粒子を含有することで、上記重合性化合物等との接触面積が大きくなり、光透過性機能層12の鉛筆硬度をより優れたものとすることができる。光透過性機能層12に含まれているシリカ粒子が異形シリカ粒子であるか否かは、光透過性機能層12の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)で観察することによって確認することができる。球形シリカ粒子を用いる場合、球形シリカ粒子の粒子径が小さいほど、光透過性機能層の硬度が高くなる。これに対し、異形シリカ粒子は、市販されている最も小さい粒子径の球形シリカ粒子ほど小さくなくとも、この球形シリカと同等の硬度を達成することができる。
異形シリカ粒子の平均一次粒子径は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。異形シリカ粒子の平均一次粒子径がこの範囲であっても、平均一次粒子径が1nm以上45nm以下の球形シリカと同等の硬度を達成することができる。異形シリカ粒子の平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した光透過性機能層の断面の画像から粒子の外周の2点間距離の最大値(長径)と最小値(短径)とを測定し、平均して粒子径を求め、20個の粒子の粒子径の算術平均値とする。また、球形シリカ粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した粒子の断面の画像から20個の粒子の粒子径を測定し、20個の粒子の粒子径の算術平均値とする。
光透過性機能層12中の無機粒子の含有量は、20質量%以上70質量%以下であることが好ましい。無機粒子の含有量が20質量%未満であると、十分な硬度を担保することが難しくなり、また無機粒子の含有量が70質量%を超えると、充填率が上がりすぎてしまい、無機粒子と樹脂成分との密着性が悪化し、かえって光透過性機能層の硬度を低下させてしまう。
無機粒子としては、表面に光重合性官能基を有する無機粒子(反応性無機粒子)を用いることが好ましい。このような表面に光重合性官能基を有する無機粒子は、シランカップリング剤等によって無機粒子を表面処理することによって作成することができる。無機粒子の表面をシランカップリング剤で処理する方法としては、無機粒子にシランカップリング剤をスプレーする乾式法や、無機粒子を溶剤に分散させてからシランカップリング剤を加えて反応させる湿式法等が挙げられる。
<有機粒子>
有機粒子も、光透過性機能層12の機械的強度や鉛筆強度を向上させるための成分であり、有機粒子としては、例えば、プラスチックビーズを挙げることができる。プラスチックビーズとしては、具体例としては、ポリスチレンビーズ、メラミン樹脂ビーズ、アクリルビーズ、アクリル-スチレンビーズ、シリコーンビーズ、ベンゾグアナミンビーズ、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合ビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等が挙げられる。
<<導電部>>
導電部13の表面13Aは、導電性フィルム10の表面10Aをなしている。導電部13は、図2に示されるように、光透過性樹脂14と、光透過性樹脂14中に配置された複数の導電性繊維15とを含んでいる。本明細書における「導電性繊維」とは、導電性を有し、かつ長さが太さ(例えば直径)に比べて十分に長い形状を持つものであり、例えば、概ね長さが太さの5倍以上のものは導電性繊維に含まれるものとする。また、「導電部」とは、光透過性樹脂と、光透過性樹脂中に配置された複数の導電性繊維を含み、かつ表面から導通可能な部分を意味し、層状のものおよび層状以外のものの両方を含む概念である。導電部13は、光透過性樹脂14中に存在する反応抑制剤をさらに含むことが好ましい。
導電部13の表面13Aにおいて、面内の任意の方向に対し任意の方向を含め30°毎に6方向における電気抵抗値を所定の大きさで測定し、最も低い電気抵抗値が得られる方向を第1の方向とし、第1の方向と直交する方向を第2の方向としたとき、第1の方向の電気抵抗値に対する第2の方向の電気抵抗値の比(以下、この比を「電気抵抗値比」と称する。)が、2以上となっている。電気抵抗値比は、例えば、以下のようにして求めることができる。まず、図3に示されるように、導電部13の面内において、任意の方向ADを定め、この任意の方向ADに対しこの任意の方向ADを含め30°毎に6方向の所定の大きさ(例えば、縦125mm×横50mmの長方形形状)のサンプルSを導電性フィルム10から切り出す。導電性フィルム10からサンプルSを切り出した後、図4に示されるように、それぞれのサンプルSの長手方向の両端部(例えば、各縦10mm×横50mmの部分)上に、電気抵抗値の測定距離が変動するのを防ぐために、銀ペースト(製品名「DW-520H-14」、東洋紡社製)を塗布し、130℃で30分加熱して、両端部に硬化した銀ペースト16が設けられたサンプルSを得る。なお、両端部に硬化した銀ペースト16が設けられた各サンプルSにおける電気抵抗値の測定距離(例えば、105mm)を一定とする。そして、両端部に硬化した銀ペースト16が設けられた各サンプルSの電気抵抗値をテスター(製品名「Digital MΩ Hitester 3454-11」、日置電機社製)を用いて、測定する。具体的には、両端部に設けられた硬化した銀ペースト16のそれぞれにテスターの端子を接触させて電気抵抗値を測定する。そして、導電性フィルム10から切り出したサンプルSの中から、電気抵抗値が最も低いサンプルSを見付ける。電気抵抗値が最も低いサンプルSを切り出した方向を第1の方向としたとき、第1の方向と直交する第2の方向から切り出したサンプルSを見付け、第1の方向から切り出したサンプルSの電気抵抗値に対する第2の方向から切り出したサンプルSの電気抵抗値の比を求める。この電気抵抗値比が大きすぎると、導電部の表面における面内の電気抵抗値の均一性が悪化するおそれがあるため、電気抵抗値比の上限は、10以下であることが好ましく、7以下であることがより好ましい。
このような電気抵抗値比が1以上2未満の導電部13は、例えば、後述する導電性繊維15の繊維長、後述する有機保護層を構成する樹脂の種類や膜厚、および/または導電性繊維含有組成物の乾燥温度を調節することによって得ることが可能である。
導電部13は、導電部13の表面13Aから電気的に導通可能となっている。導電部が、導電部の表面から電気的に導通可能であるか否かは、導電部の表面抵抗値を測定することによって判断することが可能である。具体的には、JIS K7194:1994(導電性プラスチックの4深針法による抵抗率試験方法)に準拠して、接触式抵抗率計(製品名「ロレスタGP MCP-T610型」、三菱化学アナリテック社製、端子形状:ESP)を用いて導電部の表面における表面抵抗値をランダムに10箇所測定し、測定した10箇所の表面抵抗値の算術平均値が1MΩ/□未満であれば、導電部の表面から電気的な導通が得られていると判断できる。なお、後述するように、大部分の導電性繊維15は導電部13の膜厚の半分の位置HLより光透過性基材11側に存在しているが、その他の導電性繊維15は光透過性基材11側に存在している導電性繊維15上に積み重なることにより、導電部13の膜厚の半分の位置HLから表面13A側にも存在し、また導電部13の表面13Aにも存在しているので、導電部13は、表面13Aから電気的に導通可能となっている。
導電部13の表面13Aにおける抵抗値(表面抵抗値)は、1000Ω/□以下であることが好ましい。導電部13の表面抵抗値が1000Ω/□を超えると、特にタッチパネル用途では、応答速度が遅くなる等の不具合が発生するおそれがある。表面抵抗値は、JIS K7194:1994(導電性プラスチックの4深針法による抵抗率試験方法)に準拠して、抵抗率計(製品名「ロレスタGP MCP-T610型」、三菱化学アナリテック社製、端子形状:ESP)を用いて、測定することができる。表面抵抗値は、導電部の表面の表面抵抗値をランダムに10箇所測定し、測定した10箇所の表面抵抗値の算術平均値とする。導電性フィルム10が、タッチパネル用途で用いられる場合には、導電部13の表面抵抗値は、100Ω/□以下であることが好ましく、60Ω/□以下であることが最も好ましい。
導電部13においては、図2に示されるように導電性繊維15が導電部13の膜厚の半分の位置HLより光透過性基材11側に偏在していることが好ましい。導電性繊維15が導電部13の膜厚の半分の位置HLより光透過性基材11側に偏在しているか否かは、以下のようにして判断するものとする。まず、走査透過型電子顕微鏡(STEM)、または透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1000~50万倍にて導電部の断面写真を10箇所撮影する。なお、STEMやTEMによる撮影の際に用いられるサンプルの作製方法としては、一般的に知られている方法を用いることができる。導電部の断面写真を撮影した後、各断面写真において導電部の膜厚の半分の位置を求める。そして、断面写真に現れている導電性繊維がこの半分の位置よりも光透過性基材側に存在するか否かを判断する。具体的には、まず、上記電子顕微鏡における導電部の断面写真においては、導電性繊維は、光透過性樹脂よりも濃色(例えば、黒色)で写るので、導電部の断面写真において、導電性繊維を確認することができる。一方で、この断面写真を拡大していくと、画素が現れる。画素は、同じ大きさで、しかも方眼状(格子状)となっているので、各断面写真において、上記半分の位置より光透過性基材側に位置する導電性繊維が表示されている画素の個数および上記半分の位置より導電部の表面側に位置する導電性繊維が表示されている画素の個数を数え、導電性繊維が表示されている画素の全個数に対する上記半分の位置より光透過性基材側に位置する導電性繊維が表示されている画素の個数の割合を求める。ここで、導電性繊維が表示されている画素が上記半分の位置に跨っている場合には、各画素において、上記半分の位置から光透過性基材側に存在している部分と、この位置から導電部の表面側に存在している部分とに分けて、分けた部分の面積比に基づいて1画素を分けるものとする。そして、この断面写真から求めた上記割合を、導電部の膜厚の半分の位置より光透過性基材側に位置する導電性繊維の存在割合とし、この存在割合が55%以上である場合を、導電性繊維が導電部の膜厚の半分の位置より光透過性基材側に偏在していると判断する。この存在割合は、各断面写真から求めた存在割合の算術平均値とする。なお、抵抗値が低い場合には、導電部中に導電性繊維が一様に存在するので、導電部の一部の断面写真を用いて導電性繊維の存在割合を求めたとしても、導電部全体における導電性繊維の存在割合を表しているものと考えられる。上記断面写真から求めた導電部の膜厚の半分の位置より光透過性基材側に位置する導電性繊維の存在割合は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
導電部13の膜厚は、10nm以上300nm未満とすることが可能である。導電部13の膜厚が10nm未満であると、その分、光透過性樹脂14の膜厚が薄すぎることになるので、導電部からの導電性繊維の脱離、導電部の耐久性の悪化、耐擦傷性の低下が生ずるおそれがあり、さらに導電性繊維が、全体として、導電部中において導電部の膜厚の半分の位置より光透過性基材側に偏在しなくなるおそれがある。また、導電部13の膜厚が300nm以上であると、その分、光透過性樹脂14の膜厚が厚すぎることになるので、全ての導電性繊維が光透過性樹脂に埋もれてしまうことによって、一部の導電性繊維が導電部の表面に露出しなくなってしまい、導電部の表面から電気的な導通が得られないおそれがある。導電部13の膜厚は、導電性フィルム10の用途によって異なるが、タッチパネル用途に用いる場合には、例えば、50nm以上200nm以下とすることが可能である。導電部13の膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査透過型電子顕微鏡(STEM)、または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて1000~50万倍にて撮影された導電部の断面写真からランダムに10箇所厚みを測定し、測定された10箇所の厚みの算術平均値とする。
<光透過性樹脂>
光透過性樹脂14は、導電部13からの導電性繊維15の脱離を防ぎ、かつ導電部13の耐久性や耐擦傷性を向上させるために、導電性繊維15を覆うものであるが、導電部13の表面13Aから電気的な導通が得られる程度に導電性繊維15を覆うものである。具体的には、上記したように一部の導電性繊維が、導電部の表面に露出していないと、導電部の表面から電気的な導通が得られないおそれがあるので、光透過性樹脂14は、一部の導電性繊維15が導電部13の表面13Aから露出するように導電性繊維15を覆っていることが好ましい。一部の導電性繊維15が導電部13の表面13Aに露出するように導電性繊維15を光透過性樹脂14で覆うためには、例えば、光透過性樹脂14の膜厚を調整すればよい。すなわち、光透過性樹脂の膜厚が厚すぎると、全ての導電性繊維が光透過性樹脂に埋もれてしまうことによって、一部の導電性繊維が導電部の表面に露出しなくなってしまい、導電部の表面から電気的な導通が得られないおそれがある。また、光透過性樹脂の膜厚が薄すぎると、導電部からの導電性繊維の脱離、導電部の耐久性の悪化、耐擦傷性の低下が生ずるおそれがあり、さらに導電性繊維が、全体として、導電部中において導電部の膜厚の半分の位置より光透過性基材側に偏在しなくなるおそれがある。このため、光透過性樹脂の膜厚を適度な厚みに調節する必要がある。
上記の観点から、光透過性樹脂14の膜厚は、10nm以上300nm未満とすることが好ましい。光透過性樹脂14の膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査透過型電子顕微鏡(STEM)、または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて1000~50万倍にて撮影された導電部の断面写真からランダムに10箇所厚みを測定し、測定された10箇所の厚みの算術平均値とする。光透過性樹脂14の膜厚の下限は、50nm以上であることがより好ましく、上限は200nm以下であることがより好ましい。
光透過性樹脂14は、光透過性樹脂から構成されている。光透過性樹脂は、光透過性樹脂としては、光透過性を有する樹脂であれば、特に限定されないが、重合性化合物の重合体や熱可塑性樹脂等が挙げられる。重合性化合物としては、光透過性機能層12の欄で説明した重合性化合物と同様のものが挙げられるので、ここでは説明を省略するものとする。
<反応抑制剤>
反応抑制剤は、光透過性樹脂用組成物の塗布後に、導電性繊維15と雰囲気下の物質との反応による導電性低下を抑制するためのものである。反応抑制剤としては、例えば、ベンゾアゾール系化合物、トリアゾール系化合物、テトラゾール系化合物、イソシアヌル酸系化合物、アニリン系化合物等の窒素含有化合物等が挙げられる。反応抑制剤として用いられる窒素含有化合物としては、例えば、1-アミノベンゾアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-メチル-1H-テトラゾール-5-アミン、DL-α-トコフェロール、1-オクタデカンチオール、2-メルカプト-5-(トリフルオロメチル)ピリジン、イソシアヌル酸ジアリル、イソシアヌル酸ジアリルプロピル、6-アニリノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、チオシアヌル酸、3,5-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール、4-(1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)アニリン、6-(ジブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、4-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)アニリン、2-メチルチオ-ベンゾチアゾール、1-フェニル-5-メルカプト-1H-テトラゾール、5-メルカプト-1-メチルテトラゾール、5-(メチルチオ)-1H-テトラゾール、5-アミノ-1H-テトラゾール、1-(2-ジメチルアミノエチル)-5-メルカプトテトラゾール、1-(2-ジメチルアミノエチル)-5-メルカプトテトラゾール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾール、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾールが挙げられる。
導電部13中の反応抑制剤の含有量は、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。反応抑制剤の含有量が、0.01質量%未満であると、導電性繊維が雰囲気下の物質との反応してしまい、導電性が低下するおそれがある。反応抑制剤は、導電性繊維の表面と反応することによって導電性繊維の表面を失活させて、導電性繊維が雰囲気下の物質と反応し難い状態を作り出すものであるが、反応抑制剤の含有量が、10質量%を超えると、導電性繊維における反応抑制剤との反応が導電性繊維の表面のみならず内部まで進行してしまい、導電性が低下するおそれがある。
<導電性繊維>
導電性繊維15は導電部13の膜厚の半分の位置HLより光透過性基材11側に偏在している場合には、導電部13の表面13Aから電気的に導通可能となっているので、導電部13の厚み方向において導電性繊維15同士が接触している。
導電部13の膜厚の半分の位置HLより光透過性基材11側においては、導電性繊維15同士が接触することによって導電部13の平面方向(2次元方向)にネットワーク構造(網目構造)を形成していることが好ましい。導電性繊維15がネットワーク構造を形成することによって、少量の導電性繊維15であっても、効率良く導電経路を形成することができる。
一部の導電性繊維15は導電部13の表面13Aに露出していることが好ましい。なお、導電性繊維15が導電部13に固定される程度に導電性繊維15の一部が露出していればよく、導電性繊維15が導電部13の表面13Aから突出している場合も導電性繊維15が導電部13の表面13Aに露出している場合に含まれる。一部の導電性繊維が、導電部の表面に露出していないと、導電部の表面から電気的な導通が得られないおそれがあるので、上記の測定方法によって、導電部13の表面13Aから電気的な導通が得られれば、一部の導電性繊維15が、導電部13の表面13Aに露出していると判断できる。
導電性繊維15の繊維径は200nm以下であることが好ましい。導電性繊維の繊維径が200nmを超えると、導電性フィルムのヘイズ値が高くなり、または光透過性能が不充分となるおそれがある。導電性繊維15の繊維径のより好ましい下限は導電部13の導電性の観点から10nm以上であり、導電性繊維15の繊維径のより好ましい範囲は15nm以上180nm以下である。
導電性繊維15の繊維長は、30μm以上であることが好ましい。導電性繊維15の繊維長は、30μm以上であることが好ましいとしたのは、導電性繊維15の繊維長が30μm以上であると、後述するMD方向に沿って導電性繊維が並びやすくなるので、面内の方向に依存した電気抵抗値の相違が大きくなる傾向があるからである。導電性繊維15の繊維長の下限は35μm以上であることがより好ましい。
導電性繊維15の繊維径、繊維長は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1000~50万倍にて50本の導電性繊維の繊維径を測定し、その50本の導電性繊維の繊維径の算術平均値として求めるものとする。導電性繊維15の繊維長は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、1000~50万倍にて50本の導電性繊維の繊維長を測定し、その50本の導電性繊維の繊維長の算術平均値として求めるものとする。
導電性繊維15としては、導電性炭素繊維、金属ナノワイヤ等の金属繊維、金属被覆有機繊維、金属被覆無機繊維、およびカーボンナノチューブからなる群より選択される少なくとも1種の繊維であることが好ましい。
上記導電性炭素繊維としては、例えば、気相成長法炭素繊維(VGCF)、ワイヤーカップ、ワイヤーウォール等が挙げられる。これらの導電性炭素繊維は、1種又は2種以上を使用することができる。
上記金属繊維としては、例えば、ステンレススチール、鉄、金、銀、アルミニウム、ニッケル、チタン等を細く、長く伸ばす伸線法または切削法により作製された繊維が使用できる。このような金属繊維は、1種又は2種以上を使用することができる。金属繊維は、繊維径が200nm以下の金属ナノワイヤであることが好ましい。
<<<他の導電性フィルム>>>
図1に示される導電性フィルム10は、導電部13がパターニングされていない状態の膜、いわゆるべた膜であるが、用途によっては、導電部は、パターニングされていてもよい。具体的には、導電性フィルムは、図5に示されるような、複数の導電部22と、導電部22間に位置する非導電部23とから構成された導電層21を備える導電性フィルム20であってもよく、また図7に示されるような、複数の導電部31と、導電部31間に存在する空隙32とを備える導電性フィルム30であってもよい。導電性フィルム20の表面20Aは、導電部22の表面22Aと非導電部23の表面23Aから構成されており、導電性フィルム30の表面30Aは、導電部31の表面31Aと光透過性機能層12の一方の表面12Aとから構成されている。導電部フィルム20、30の物性値等は、導電性フィルム10の物性値等と同様になっている。導電部フィルム20、30の物性値等は、導電性フィルム10の物性値等と同様になっている。なお、図5および図7において、図1と同じ符号が付されている部材は、図1で示した部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。
<<導電部>>
導電部22、31は、パターニングされている以外、導電部12と同様となっている。すなわち、導電部22、31は、図6および図8に示されるように、光透過性樹脂14と、光透過性樹脂14中に配置された複数の導電性繊維15とを含んでいる。導電部22、31は、表面22A、31Aから電気的に導通可能となっている。導電部22、31においては、図6および図8に示されるように導電性繊維15が導電部22、31の膜厚の半分の位置HLより光透過性基材11側に偏在していることが好ましい。導電部22、31のその他の構成、材料、物性値等も、導電部13と同様となっているので、ここでは、説明を省略するものとする。
<<非導電部>>
非導電部23は、導電部22間に位置し、かつ導電性を示さない部分である。図6に示されるように、非導電部23は、実質的に導電性繊維15を含んでいない。本明細書における「実質的に」とは、導電部からの金属イオンのマイグレーションによって金属イオンが非導電部側に析出した場合であっても、導電部間の電気的な短絡が生じない程度であれば導電性繊維を若干含んでいてもよいことを意味する。非導電部23は、導電性繊維15を全く含んでいないことが好ましい。なお、後述するようにレーザー光で導電性繊維15を昇華させることによって、またはフォトリソグラフィ法によるウエットエッチングによって非導電部23から導電性繊維15を除去する際に、導電性繊維15を構成する導電性材料が残存するおそれがあるが、この導電性材料は繊維状ではないので、導電性繊維とはみなさない。
非導電部23の膜厚は、導電部22と一体的に形成されるので、10nm以上300nm未満とすることが好ましい。非導電部23の膜厚は、導電性フィルム20の用途によって異なるが、タッチパネル用途に用いる場合には、例えば、50nm以上200nm以下とすることが可能である。非導電部23の膜厚は、導電部13の膜厚と同様の方法によって測定するものとする。
図6に示されるように、非導電部23は、光透過性樹脂14から構成されている。なお、非導電部23は、導電性繊維15を昇華させることによって形成され、かつ導電性繊維が存在しない空洞部23Bを有していてもよい。この場合、非導電部23を形成する際には導電性繊維15が昇華によって非導電部23とすべき領域を突き破って外に放出されるので、非導電部23の表面23Aは粗面化される。非導電部23の光透過性樹脂14は、導電部13の光透過性樹脂14と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
<<導電性フィルムの製造方法>>
導電性フィルム10は、例えば、以下のようにして作製することができる。まず、図9(A)に示されるように、光透過性基材11の一方の面に光透過性機能層用組成物を塗布し、乾燥させて、光透過性機能層用組成物の塗膜35を形成する。
光透過性機能層用組成物は、重合性化合物を含むが、その他、必要に応じて、上記無機粒子、上記レベリング剤、溶剤、重合開始剤を添加してもよい。さらに、光透過性機能層用組成物には、光透過性機能層の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、または屈折率を制御する等の目的に応じて、従来公知の分散剤、界面活性剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、易滑剤等を添加していてもよい。
<溶剤>
溶剤としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール、ベンジルアルコール、PGME、エチレングリコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘプタノン、ジエチルケトン等)、エーテル類(1,4-ジオキサン、ジオキソラン、ジイソプロピルエーテルジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、またはこれらの混合物が挙げられる。
<重合開始剤>
重合開始剤は、光または熱により分解されて、ラジカルやイオン種を発生させて重合性化合物の重合(架橋)を開始または進行させる成分である。光透過性機能層用組成物に用いられる重合開始剤は、光重合開始剤(例えば、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、光アニオン重合開始剤)や熱重合開始剤(例えば、熱ラジカル重合開始剤、熱カチオン重合開始剤、熱アニオン重合開始剤)、またはこれらの混合物が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACURE OXE01、ルシリンTPO(いずれもBASFジャパン社製)、NCI-930(ADEKA社製)、SPEEDCURE EMK(日本シーベルヘグナー社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等が挙げられる。上記光カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、アデカオプトマーSP-150、アデカオプトマーSP-170(いずれもADEKA社製)等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化物やアゾ化合物等が挙げられる。これらの中でも、高分子アゾ化合物からなる高分子アゾ開始剤が好ましい。高分子アゾ開始剤としては、例えば、アゾ基を介してポリアルキレンオキサイドやポリジメチルシロキサン等のユニットが複数結合した構造を有するものが挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
上記過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、パーブチルO、パーヘキシルO、パーブチルPV(いずれも日油社製)、V-30、V-501、V-601、VPE-0201、VPE-0401、VPE-0601(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩等の各種オニウム塩類等が挙げられる。上記熱カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、アデカオプトンCP-66、アデカオプトンCP-77(いずれもADEKA社製)、サンエイドSI-60L、サンエイドSI-80L、サンエイドSI-100L(いずれも三新化学工業社製)、CIシリーズ(日本曹達社製)等が挙げられる。
光透過性機能層用組成物における重合開始剤の含有量は、重合性化合物100質量部に対して、0.5質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。重合開始剤の含有量をこの範囲内にすることにより、ハードコート性能が充分に保つことができ、かつ硬化阻害を抑制できる。
光透過性機能層用組成物を塗布する方法としては、スピンコート、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法等の公知の塗布方法が挙げられる。
次いで、図9(B)に示されるように塗膜35に紫外線等の電離放射線を照射し、または加熱して、重合性化合物を重合(架橋)させることにより塗膜35を硬化させて、光透過性機能層12を形成する。
光透過性機能層用組成物を硬化させる際の電離放射線として、紫外線を用いる場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる紫外線等が利用できる。また、紫外線の波長としては、190~380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
光透過性基材11上に光透過性機能層12を形成した後、光透過性機能層12における光透過性基材11側の面とは反対側の面に、導電性繊維15および有機系分散媒を含む導電性繊維含有組成物を塗布し、乾燥させて、図10(A)に示されるように光透過性機能層12上に複数の導電性繊維15を配置させる。有機系分散媒は、10質量%未満の水を含んでいてもよい。なお、導電性繊維含有組成物は、導電性繊維15および有機系分散媒の他、熱可塑性樹脂や重合性化合物からなる樹脂分を含ませてもよい。ただし、導電性繊維含有組成物中の樹脂分の含有量が多すぎると、導電性繊維間に樹脂分が入り込んでしまい、導電部の導通が悪化してしまうので、樹脂分の含有量を調節する必要がある。本明細書における「樹脂分」とは、樹脂(ただし、導電性繊維を覆う導電性繊維同士の自己溶着や雰囲気中の物質との反応から防ぐため等の、導電性繊維の合成時に導電性繊維周辺に形成された有機保護層を構成する樹脂(例えば、ポリビニルピロリドン等)は含まない)の他、重合性化合物のように重合して樹脂となり得る成分も含む概念である。また、導電性繊維含有組成物中の樹脂分は、導電部13を形成した後においては、光透過性樹脂14の一部を構成するものである。
有機系分散媒としては、特に限定されないが、親水性の有機系分散媒であることが好ましい。有機系分散媒としては、例えば、ヘキサン等の飽和炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類;エチレンクロライド、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。これらの中でも、導電性繊維含有組成物の安定性の観点から、アルコール類が好ましい。
導電性繊維含有組成物に含まれていてもよい熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレン、ポリビニルトルエン、ポリビニルキシレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の芳香族系樹脂;ポリウレタン系樹脂;エポキシ系樹脂;ポリオレフィン系樹脂;アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS);セルロース系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリアセテート系樹脂;ポリノルボルネン系樹脂;合成ゴム;フッ素系樹脂等が挙げられる。
導電性繊維含有組成物に含まれていてもよい重合性化合物としては、光透過性機能層12の欄で説明した重合性化合物と同様のものが挙げられるので、ここでは説明を省略するものとする。
光透過性機能層12上に複数の導電性繊維15を配置させた後、導電性繊維15上に重合性化合物および溶媒を含む光透過性樹脂用組成物を塗布し、乾燥させて、図10(B)に示されるように光透過性樹脂用組成物の塗膜36を形成する。光透過性樹脂用組成物は、重合性化合物および溶剤を含むが、その他、必要に応じて、重合開始剤や上記反応抑制剤を添加してもよい。ここで、反応抑制剤を、導電性繊維含有組成物に添加することも可能であるが、導電性繊維含有組成物に反応抑制剤を添加すると、導電性繊維がネットワーク構造を形成する前に導電性繊維の表面が反応抑制剤によって被覆されてしまい、導電性が悪化するおそれがあるので反応性抑制剤を光透過性樹脂用組成物に添加することが好ましい。
次いで、図11(A)に示されるように、塗膜36に紫外線等の電離放射線を照射して、重合性化合物を重合(架橋)させることにより塗膜36を硬化させて、光透過性樹脂14を形成する。これにより、図1に示される導電性フィルム10を得ることができる。図2に示される導電性フィルム20は、パターニングされているので、以下、パターニング工程について述べる。
光透過性樹脂14を形成した後、図11(B)に示されるように、非導電部23とすべき領域にレーザー光(例えば、赤外線レーザー)を照射して、導電部22のパターニングを行う。非導電部23とすべき領域にレーザー光を照射すると、レーザー光の熱によってこの領域に含まれる導電性繊維15が昇華する。昇華した導電性繊維15は、光透過性樹脂14を突き破って光透過性樹脂14外に放出される。これにより、図5に示される導電部22および非導電部23を備えた導電性フィルム20を得ることができる。上記においては、レーザー光を照射して、導電部22のパターニングを行っているが、フォトリソグラフィ法によっても、非導電部23とすべき領域から導電性繊維15を除去することができるので、フォトリソグラフィ法によって、導電部22のパターニングを行ってもよい。
本実施形態によれば、導電部13、22、31における上記電気抵抗値比が2以上となっているので、第2の方向においては電気抵抗値が高くなっているが、第1の方向においては電気抵抗値が低くなっている。これにより、特定の方向(第1の方向)における電気抵抗値がより一層低い導電性フィルム10、20、30を提供できる。なお、電気抵抗値比を求める際に、第1の方向と直交する第2の方向の電気抵抗値を用いているのは、導電部13、22、31の面内においては、第1の方向に導電性繊維15が並ぶことによって電気抵抗値が低くなるので、第1の方向と直交する第2の方向の電気抵抗値が導電部13、22、31の面内において最も高くなる傾向があるからである。
本実施形態において、導電部13、22、31中において導電性繊維15が導電性繊維15全体として導電部13、22、31の膜厚の半分の位置HLより光透過性基材11側に偏在している場合には、導電性繊維15間の接点を増やすことができる。これにより、導電性繊維15の含有量が少ない場合であっても、導電部13、22、31の表面13A、22A、31Aに露出した導電性繊維15を介して導電部13の表面13A、22A、31Aからの電気的な導通を確保することができるので、より低表面抵抗値を実現することが可能である。また、導電性繊維15の含有量を少なくすることができるので、より低ヘイズ値を実現できる。さらに、導電性繊維15が導電部13中において導電部13の膜厚の半分の位置HLより光透過性基材11側に偏在している場合には、導電性繊維15の大部分は光透過性樹脂14によって覆われている。これにより、空気中の硫黄や酸素による導電性繊維15の腐食を低減できる。
従来の導電性フィルムであっても、導電部が、光透過性樹脂と、光透過性樹脂中に配置された導電性繊維とからなる導電性フィルムは存在するが、この導電性フィルムの導電部においては、導電性繊維と、樹脂分とを含む導電性繊維含有組成物を用いて導電部が形成されている。ここで、従来の導電部に用いられる導電性繊維含有組成物においては、分散媒として、主に、水系分散媒が用いられている。本明細書における「水系分散媒」とは、分散媒中の水の濃度が10質量%以上である分散媒を意味するものとする。水系分散媒を用いる場合、保管安定性や塗布したときの塗膜の均一性の観点から、導電性繊維含有組成物中の樹脂分の含有量が多くなっている。このため、導電性繊維含有組成物を用いて導電部を形成したとしても、導電性繊維を導電性繊維全体として導電部の膜厚の半分の位置より光透過性基材側に偏在させることができないのが現状である。これに対し、分散媒として有機系分散媒を用いた場合には、塗布したときの塗膜の均一性に優れるので、樹脂分の含有量を減らすことができる。本実施形態においては、導電性繊維含有組成物の分散媒として有機系分散媒を用い、かつ導電性繊維含有組成物に樹脂分を含ませない、または樹脂分を含ませたとしても従来よりも樹脂分の含有量を減らしているので、導電部13、22、31中において導電性繊維15を導電部13、22、31の膜厚の半分の位置HLより光透過性基材11側に偏在させることができる。
本実施形態によれば、導電部13、22、31の光透過性樹脂14が反応抑制剤を含んでいるので、雰囲気である空気中の硫黄、酸素、および/またはハロゲンとの反応による導電性繊維15の導電性低下をより抑制できる。
導電性フィルムが画像表示装置に組み込まれる際には、導電部は光透過性粘着層に接することになるが、導電部に光透過性粘着層が接した状態で、例えば、60℃、相対湿度90%の環境下、85℃、相対湿度85%の環境下、またはそれら以上の高温高湿環境下に240時間放置する耐湿熱性試験を行うと、光透過性粘着層の種類によっては、導電性繊維が、光透過性粘着層中の成分(例えば、粘着層自体を構成する酸成分や粘着層中に添加された添加物)と反応し、導電部の表面抵抗値が上昇するおそれがある。これに対し、本実施形態によれば、導電部13、22、31中に反応抑制剤を含んでいるので、導電部13、22、31に光透過性粘着層が接した状態で、耐湿熱性試験を行った場合であっても、導電性繊維15と光透過性粘着層中の成分との反応を抑制することができる。これにより、光透過性粘着層の選択肢を広げることができる。
本実施形態によれば、導電性繊維15を用いているので、ITOとは異なり、屈曲させたとしても割れ難い導電性フィルム10を提供することができる。このため、導電性フィルム10、20、30を折り畳み可能(フォールダブル)な画像表示装置にも組み込んで使用することも可能である。
本実施形態の導電性フィルム10は、例えば、画像表示装置に組み込んで使用することが可能である。図12は本実施形態に係る画像表示装置の概略構成図であり、図13は本実施形態に係るタッチパネルの模式的な平面図である。なお、図12および図13において、図1と同じ符号が付されている部材は、図1で示した部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。
<<<画像表示装置>>>
図12に示されるように、画像表示装置40は、主に、画像を表示するための表示パネル50と、表示パネル50の背面側に配置されたバックライト装置60と、表示パネル50よりも観察者側に配置されたタッチパネル70と、表示パネル50とタッチパネル70との間に介在した光透過性接着層90とを備えている。本実施形態においては、表示パネル50が液晶表示パネルであるので、画像表示装置40がバックライト装置60を備えているが、表示パネル(表示素子)の種類によってはバックライト装置60を備えていなくともよい。
<<表示パネル>>
表示パネル40は、図12に示されるように、バックライト装置60側から観察者側に向けて、トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)等やシクロオレフィンポリマーフィルムの保護フィルム51、偏光子52、保護フィルム53、光透過性粘着層54、表示素子55、光透過性粘着層56、保護フィルム57、偏光子58、保護フィルム59の順に積層された構造を有している。表示パネル40は、表示素子45を備えていればよく、保護フィルム41等は備えていなくともよい。
表示素子55は液晶表示素子である。ただし、表示素子55は液晶表示素子に限られず、例えば、有機発光ダイオード(OLED)、無機発光ダイオード、および/または量子ドット発光ダイオード(QLED)を用いた表示素子であってもよい。液晶表示素子は、2枚のガラス基材間に、液晶層、配向膜、電極層、カラーフィルタ等を配置したものである。
<<バックライト装置>>
バックライト装置60は、表示パネル50の背面側から表示パネル50を照明するものである。バックライト装置60としては、公知のバックライト装置を用いることができ、またバックライト装置60はエッジライト型や直下型のバックライト装置のいずれであってもよい。
<<タッチパネル>>
タッチパネル70は、導電性フィルム80と、導電性フィルム80より観察者側に配置された導電性フィルム20と、導電性フィルム20より観察者側に配置されたカバーガラス等の光透過性カバー部材71と、導電性フィルム80と導電性フィルム20との間に介在した光透過性粘着層72と、導電性フィルム20と光透過性カバー部材71との間に介在した光透過性接着層73とを備えている。
<導電性フィルム>
導電性フィルム80は、導電性フィルム20とほぼ同様の構造となっている。すなわち、導電性フィルム80は、図12に示されるように、光透過性基材81と、光透過性基材81の一方の面に設けられた光透過性機能層82と、光透過性機能層82における光透過性基材81側の面とは反対側の面に設けられ、パターニングされた導電部84とを備えている。導電部84は、導電層83の一部となっている。導電層83は、複数の導電部84と、導電部84間に位置する非導電部85とから構成されている。光透過性基材81は光透過性基材11と同様のものであり、また光透過性機能層82は光透過性機能層82と同様のものであるので、ここでは説明を省略するものとする。
(導電部および非導電部)
導電部84は、導電部22と同様の構造になっている。すなわち、図12に示されるように、導電部84は光透過性樹脂と導電性繊維とから構成されている。非導電部85は光透過性樹脂から構成されており、実質的に導電性繊維を含んでいない。また、導電部84中の導電性繊維は、導電部84の膜厚の半分の位置HLより光透過性基材81側に偏在しており、導電部84の表面84Aから電気的に導通可能となっている。なお、導電部84は、導電部22と同様の構造になっているが、導電部84は必ずしも、導電部13と同様の構造になっていなくともよい。
導電性フィルム20の導電部22は、投影型静電容量方式のタッチパネルにおけるY方向の電極として機能するものであり、導電性フィルム80の導電部84は、投影型静電容量方式のタッチパネルにおけるX方向の電極として機能するものである。
図13に示されるように導電性フィルム20の導電部22は、Y方向に延びた複数のセンサ部13Bと、各センサ部13Bに連結した端子部(図示せず)とを備えており、導電性フィルム80の導電部84は、X方向に延びた複数のセンサ部84Bと、各センサ部84Bに連結した端子部(図示せず)とを備えている。各センサ部22B、84Bは、タッチ位置を検出され得る領域である矩形状のアクティブエリア内に設けられており、端子部は、アクティブエリアに隣接し、アクティブエリアを四方から周状に取り囲む領域である非アクティブエリア内に設けられている。
各センサ部22B、84Bは、直線状に延びるライン部22C、84Cと、ライン部22C、84Cから膨出した膨出部22D、84Dとを有している。図13においては、ライン部22C、84Cは、センサ部22B、84Bの配列方向と交差する方向に沿って直線状に延びている。膨出部22D、84Dは光透過性機能層12の表面に沿ってライン部22C、84Cから膨らみ出ている部分である。したがって、各センサ部22B、84Bの幅は、膨出部22D、84Dが設けられている部分においては太くなっている。本実施形態においては、膨出部22D、84Dは平面視略正方形状の外輪郭を有している。なお、膨出部22D、84Dは平面視略正方形状に限らず、菱形状、またはストライプ状であってもよい。
<光透過性粘着層>
光透過性粘着層72、73としては、例えば、OCA(Optical Clear Adhesive)のような粘着シートが挙げられる。光透過性粘着層72、73の代わりに、光透過性接着層を用いてもよい。
<<光透過性接着層>>
光透過性接着層90は、表示パネル40とタッチパネル60との間に介在し、かつ表示パネル40とタッチパネル60の両方に接着されている。これにより、表示パネル40とタッチパネル60とが固定されている。光透過性接着層80は、例えば、OCR(Optically Clear Resin)のような重合性化合物を含む液状の硬化性接着層用組成物の硬化物から構成されている。
光透過性接着層90の膜厚は、10μm以上150μm以下であることが好ましい。光透過性接着層の膜厚が10μm未満であると、薄すぎることにより異物の噛み込みや段差追従が不足するなどの不具合が発生しやすくなり、また光透過性接着層の膜厚が150μmを超えると、製造コストがかかりすぎてしまう。光透過性接着層の膜厚は、光学顕微鏡を用いて撮影された光透過性接着層の断面写真からランダムに10箇所膜厚を測定し、測定された10箇所の膜厚の算術平均値として求める。光透過性接着層90の代わりに、光透過性粘着層を用いてもよい。
上記実施形態においては、タッチパネル用途に用いられる導電性フィルムについて説明しているが、導電性フィルムの用途は特に限定されない。例えば、導電性フィルム10、20、30を、ICチップとの接続や配線として用いてもよい。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。
<ハードコート層用組成物の調整>
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、ハードコート層用組成物1を得た。
(ハードコート層用組成物1)
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(製品名「KAYARAD-PET-30」、日本化薬社製):30質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):1.5質量部
・メチルエチルケトン(MEK):50質量部
・シクロヘキサノン:18.5質量部
<銀ナノワイヤ含有組成物の調整>
(銀ナノワイヤ含有組成物1)
還元剤としてエチレングリコール(EG)を、有機保護層としてポリビニルピロリドン(PVP:平均分子量130万、アルドリッチ社製)を使用し、下記に示した核形成工程と粒子成長工程とを分離して粒子形成を行い、銀ナノワイヤ含有組成物を調製した。
1.核形成工程
反応容器内で160℃に保持したEG液100mLを攪拌しながら、硝酸銀のEG溶液(硝酸銀濃度:1.0モル/L)2.0mLを、一定の流量で1分間かけて添加した。その後、160℃で10分間保持しながら銀イオンを還元して銀の核粒子を形成した。反応液は、ナノサイズの銀微粒子の表面プラズモン吸収に由来する黄色を呈しており、銀イオンが還元されて銀の微粒子(核粒子)が形成されたことを確認した。続いて、PVPのEG溶液(PVP濃度:3.0×10-1モル/L)10.0mLを一定の流量で10分間かけて添加した。
2.粒子成長工程
上記核形成工程を終了した後の核粒子を含む反応液を、攪拌しながら160℃に保持し、硝酸銀のEG溶液(硝酸銀濃度:1.0×10-1モル/L)100mLと、PVPのEG溶液(PVP濃度:3.0×10-1モル/L)100mLを、ダブルジェット法を用いて一定の流量で120分間かけて添加した。この粒子成長工程において、30分毎に反応液を採取して電子顕微鏡で確認したところ、核形成工程で形成された核粒子が時間経過に伴ってワイヤ状の形態に成長しており、粒子成長工程における新たな微粒子の生成は認められなかった。最終的に得られた銀ナノワイヤの繊維径および繊維長を測定したところ、銀ナノワイヤの繊維径は30nmであり、繊維長は40μmであった。銀ナノワイヤの繊維径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1000~50万倍にて50本の導電性繊維の繊維径を測定し、その50本の導電性繊維の繊維径の算術平均値として求めた。また、銀ナノワイヤの繊維長は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、1000~50万倍にて50本の導電性繊維の繊維長を測定し、その50本の導電性繊維の繊維長の算術平均値として求めた。なお、以下の銀ナノワイヤの繊維径および繊維長も同様にして求めた。
3.脱塩水洗工程
粒子成長工程を終了した反応液を室温まで冷却した後、分画分子量0.2μmの限外濾過膜を用いて脱塩水洗処理を施すとともに、溶媒をエタノールに置換した。そして、液量を100mLまで濃縮して銀ナノワイヤ分散液を得た。最後に、銀ナノワイヤ濃度が0.1質量%となるようにエタノールとイソプロピルアルコール(IPA)で希釈し、銀ナノワイヤ含有組成物1を得た。IPAの比率は組成物全体の30質量%とした。
(銀ナノワイヤ含有組成物2)
粒子成長工程の反応時間を短くして、繊維長が15μmの銀ナノワイヤを得たこと以外は、銀ナノワイヤ含有組成物1と同様に、銀ナノワイヤ含有組成物2を得た。
(銀ナノワイヤ含有組成物3)
銀ナノワイヤ分散液を銀ナノワイヤ濃度が0.2質量%となるようにエタノールおよびイソプロピルアルコールで希釈したこと以外は、銀ナノワイヤ含有組成物2と同様に、銀ナノワイヤ含有組成物3を得た。
(銀ナノワイヤ含有組成物4)
エタノールおよびイソプロピルアルコールに代えて、エタノールを用いたこと以外は、銀ナノワイヤ含有組成物2と同様にして、銀ナノワイヤ含有組成物4を得た。
(銀ナノワイヤ含有組成物5)
脱塩水洗処理の回数を減らして、ポリビニルピロリドンの量を、銀ナノワイヤ含有組成物2におけるポリビニルピロリドンの量よりも多くしたこと以外は、銀ナノワイヤ含有組成物2と同様に、銀ナノワイヤ含有組成物5を得た。
(銀ナノワイヤ含有組成物6)
粒子成長工程の反応時間を短くして、繊維長が25μmの銀ナノワイヤを得たこと以外は、銀ナノワイヤ含有組成物1と同様に、銀ナノワイヤ含有組成物6を得た。
(銀ナノワイヤ含有組成物7)
粒子成長工程の反応時間を短くして、繊維長が10μmの銀ナノワイヤを得たこと以外は、銀ナノワイヤ含有組成物1と同様に、銀ナノワイヤ含有組成物7を得た。
(銀ナノワイヤ含有組成物8)
脱塩水洗処理の回数を増やして、ポリビニルピロリドンの量を、銀ナノワイヤ含有組成物2におけるポリビニルピロリドンの量よりも減らしたこと以外は、銀ナノワイヤ含有組成物2と同様に、銀ナノワイヤ含有組成物8を得た。
(銀ナノワイヤ含有組成物9)
イソプロピルアルコール(IPA)に代えてアノンを用い、かつ粒子成長工程の反応時間を短くして、繊維長が25μmの銀ナノワイヤを得たこと以外は、銀ナノワイヤ含有組成物1と同様に、銀ナノワイヤ含有組成物9を得た。なお、アノンの比率は組成物全体の30質量%とした。
<光透過性樹脂用組成物>
下記に示す組成となるように各成分を配合して、光透過性樹脂用組成物を得た。
(光透過性樹脂用組成物1)
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(製品名「KAYARAD-PET-30」、日本化薬社製):5質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):0.25質量部
・メチルエチルケトン(MEK):70質量部
・シクロヘキサノン:24.75質量部
(光透過性樹脂用組成物2)
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(製品名「KAYARAD-PET-30」、日本化薬社製):5質量部
・2-メチルチオ-ベンゾチアゾール(東京化成工業社製):0.1質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):0.25質量部
・メチルエチルケトン(MEK):70質量部
・シクロヘキサノン:24.75質量部
<実施例1>
まず、光透過性基材としての片面に下地層を有する厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「コスモシャインA4100」、東洋紡社製)を準備し、このポリエチレンテレフタレートフィルムの下地層側に、ハードコート層組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.5m/sの流速で50℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が100mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、光透過性機能層としての膜厚が2μmのハードコート層を形成した。
ハードコート層を形成した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムにおけるハードコート層が形成された面と反対側の未処理面上に、銀ナノワイヤ含有組成物1を10mg/mになるように塗布した。次いで、塗布した銀ナノワイヤ含有組成物1に対して、0.5m/sの流速で50℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて銀ナノワイヤ含有組成物1中の分散媒を蒸発させることにより、ハードコート層の表面に、銀ナノワイヤを配置させた。
次いで、銀ナノワイヤを覆うように上記光透過性樹脂用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。そして、形成した塗膜に対して、0.5m/sの流速で50℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が100mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚が100nmの光透過性樹脂を形成し、光透過性樹脂および光透過性樹脂中に配置された銀ナノワイヤからなる導電部を備える導電性フィルムを得た。なお、実施例1に係る導電部は、パターニングされていないべた膜状のものであった。
<実施例2>
実施例2においては、光透過性樹脂用組成物1の代わりに光透過性樹脂用組成物2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
<実施例3>
実施例3においては、銀ナノワイヤ含有組成物1の代わりに銀ナノワイヤ含有組成物2を用い、かつ銀ナノワイヤ含有組成物1の塗布後の乾燥温度をすべて100℃にしたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
<実施例4>
実施例4においては、銀ナノワイヤ含有組成物1の代わりに銀ナノワイヤ含有組成物3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
<実施例5>
実施例5においては、銀ナノワイヤ含有組成物1の代わりに銀ナノワイヤ含有組成物4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
<実施例6>
実施例6においては、銀ナノワイヤ含有組成物1の代わりに銀ナノワイヤ含有組成物5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
<比較例1>
比較例1においては、銀ナノワイヤ含有組成物1の代わりに銀ナノワイヤ含有組成物2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
<比較例2>
比較例2においては、銀ナノワイヤ含有組成物1の代わりに銀ナノワイヤ含有組成物6を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
<比較例3>
比較例3においては、銀ナノワイヤ含有組成物1の代わりに銀ナノワイヤ含有組成物7を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
<比較例4>
比較例4においては、銀ナノワイヤ含有組成物1の代わりに銀ナノワイヤ含有組成物8を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
<比較例5>
比較例5においては、銀ナノワイヤ含有組成物1の代わりに銀ナノワイヤ含有組成物9を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性フィルムを得た。
<電気抵抗値比測定>
実施例および比較例に係る導電性フィルムの面内において、任意の方向を定め、この任意の方向に対しこの任意の方向を含め30°毎に6方向の縦125mm×横50mmの長方形状のサンプルを導電性フィルムから切り出した。導電性フィルムからサンプルを切り出した後、それぞれのサンプルの長手方向の表面の両端部の縦10mm×横50mmの部分に銀ペースト(製品名「DW-520H-14」、東洋紡社製)を塗布し、130℃で30分加熱して、両端部に硬化した銀ペーストが設けられたサンプルを得た。なお、両端部に硬化した銀ペーストが設けられた各サンプルにおける電気抵抗値の測定距離は105mmで一定とした。そして、両端部に硬化した銀ペーストが設けられた各サンプルの電気抵抗値をテスター(製品名「Digital MΩ Hitester 3454-11」、日置電機社製)を用いて、測定した。具体的には、両端部に設けられた硬化した銀ペーストのそれぞれにテスターの端子を接触させて電気抵抗値を測定した。そして、この6方向から切り出したサンプルの中から、電気抵抗値が最も低いサンプルを見付けた。このサンプルが導電性フィルムの第1の方向から切り出したものであるとしたとき、第1の方向と直交する第2の方向から切り出したサンプルを見付け、第1の方向から切り出したサンプルの電気抵抗値に対する第2の方向から切り出したサンプルの電気抵抗値の比を求めた。電気抵抗値比は、3回測定して得られた値の算術平均値とした。
<銀ナノワイヤの偏在評価>
実施例および比較例に係る導電性フィルムにおいて、銀ナノワイヤが、全体として、導電部中において導電部の膜厚の半分の位置よりポリエチレンタレフタレートフィルム側に偏在しているか否か調べた。具体的には、まず、走査透過型電子顕微鏡(STEM)により導電性フィルムの導電部の断面写真を10箇所撮影した。そして、各断面写真を画素レベルまで拡大し、各断面写真において、導電部の膜厚の半分の位置よりポリエチレンタレフタレートフィルム側に位置する銀ナノワイヤが表示されている画素の個数および導電部の膜厚の半分の位置より導電部の表面側に位置する銀ナノワイヤが表示されている画素の個数を数え、銀ナノワイヤが表示されている画素の全個数に対する上記半分の位置よりポリエチレンタレフタレートフィルム側に位置する銀ナノワイヤが表示されている画素の個数の割合を求めた。なお、銀ナノワイヤが表示されている画素が上記半分の位置に跨っている場合には、各画素において、上記半分の位置からポリエチレンタレフタレートフィルム側に存在している部分と、この位置から導電部の表面側に存在している部分とに分けて、分けた部分の面積比に基づいて1画素を分けるものとした。そして、各断面写真から求めた上記割合を、導電部の膜厚の半分の位置よりポリエチレンタレフタレートフィルム側に位置する導電性繊維の存在割合とし、各断面写真から求めた存在割合の算術平均値を求め、この算術平均値が55%以上のときをポリエチレンテレフタレートフィルム側に偏在しているとした。走査透過型電子顕微鏡における断面写真の撮影の際には、加速電圧を30Vとし、エミッションを10μAとし、倍率を1000~50万倍で適宜調節し、またコントラストおよび明るさを各層が見分けられるよう適宜調節した。
<全光線透過率測定>
上記実施例および比較例に係る導電性フィルムについて、ヘイズメーター(製品名「HM-150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7361に従って全光線透過率を測定した。全光線透過率は、導電性フィルム全体で測定し、また3回測定して得られた値の算術平均値とした。
<ヘイズ測定>
上記実施例および比較例に係る導電性フィルムにおいて、ヘイズメーター(製品名「HM-150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7136に従って導電性フィルムのヘイズ値(全ヘイズ値)を測定した。ヘイズ値は、導電性フィルム全体で測定し、また3回測定して得られた値の算術平均値とした。
<表面抵抗値測定>
上記実施例および比較例に係る導電性フィルムにおいて、接触式の抵抗率計(製品名「ロレスタGP MCP-T610型」、三菱化学アナリテック社製、端子形状:ESP)を用いて、JIS K7194:1994(導電性プラスチックの4深針法による抵抗率試験方法)に従って導電部の表面の抵抗値を測定した。また、光透過性樹脂の膜厚が大きい場合、上記抵抗率計で表面抵抗値を測定すると、抵抗値が極めて大きくなる場合がある。この場合、光透過性樹脂によって銀ナノワイヤ間の導通が悪くなったのか、また導電部の表面から導通が取れていないのか区別することができない。このため、渦電流法を用いた非接触式の抵抗率計(製品名「EC-80P」、ナプソン社製、モードM-H)でも導電部の表面の抵抗値を測定した。表面抵抗値は、導電部の表面の表面抵抗値をランダムに10箇所測定し、測定した10箇所の表面抵抗値の算術平均値とした。
<放置試験>
上記実施例および比較例に係る導電性フィルムにおいて、室温で空気中に導電性フィルムを放置する放置試験を行った。具体的には、評価を加速するため、硫黄成分を多く含むテープ(品番「7210」、日東電工社製)を導電部の表面に貼り、その状態で1週間放置した。そして、導電性フィルムにおいて、放置試験前後におけるそれぞれ導電部の表面抵抗値を、接触式の抵抗率計(製品名「ロレスタGP MCP-T610型」、三菱化学アナリテック社製、端子形状:ESP)を用いて、JIS K7194:1994(導電性プラスチックの4深針法による抵抗率試験方法)に従って測定し、放置試験前の表面抵抗値に対して放置試験後の表面抵抗値がどの程度上昇しているか評価した。評価基準は以下の通りとした。なお、表面抵抗値の上昇率は、表面抵抗値の上昇率をAとし、放置試験前の導電部の表面抵抗値をBとし、放置試験後の導電部の表面抵抗値をCとし、下記式によって求めた。また、放置試験前の表面抵抗値Bは、放置試験前における導電部の表面の表面抵抗値をランダムに10箇所測定し、測定した10箇所の表面抵抗値の算術平均値を用い、また放置試験後の表面抵抗値Cは、放置試験後における導電部の表面の表面抵抗値をランダムに10箇所測定し、測定した10箇所の表面抵抗値の算術平均値を用いた。
A=(C-B)/B×100
○:導電部における放置試験前の表面抵抗値に対する放置試験後の表面抵抗値の上昇率が10%以内であった。
△:導電部における放置試験前の表面抵抗値に対する放置試験後の表面抵抗値の上昇率が10%を超え50%以内であった。
×:導電部における放置試験前の表面抵抗値に対する放置試験後の表面抵抗値の上昇率が50%を超えていた。
以下、結果を表1に示す。
Figure 0007007083000001
比較例1~3に係る導電性フィルムにおいては、電気抵抗値比が2未満であったので、第1の方向の電気抵抗値が高かった。これは、銀ナノワイヤ含有組成物の塗布直後には銀ナノワイヤがある方向に並ぶ傾向があり、それが乾燥する過程で緩和されるが、銀ナノワイヤの繊維長が短いので、銀ナノワイヤがある方向に並びにくく、かつ乾燥の間に、銀ナノワイヤの配列が解消されたためであると考えられる。
比較例4に係る導電性フィルムにおいては、電気抵抗値比が2未満であったので、第1の方向の電気抵抗値が高かった。これは、ポリビニルピロリドンの量が少なすぎたために、乾燥初期で増粘せず、乾燥の間に、銀ナノワイヤの配列が解消されたためであると考えられる。
比較例5に係る導電性フィルムにおいては、電気抵抗値比が2未満であったので、第1の方向の電気抵抗値が高かった。これは、アノンはイソプロピルアルコールを含む場合に比べて乾燥が遅く、乾燥の間に、銀ナノワイヤの配列が解消されたためであると考えられる。
これに対し、実施例1~6に係る導電性フィルムにおいては、電気抵抗値比が2以上であったので、第1の方向の電気抵抗値は比較例1~6に比べて低かった。
実施例1、2に係る導電性フィルムにおいて、導電部の表面に光透過性粘着シート(製品名「OCA8146-2」、3M社製)を貼り付けた状態で、導電性フィルムを85℃、相対湿度85%の環境下に240時間放置する耐湿熱性試験を行ったところ、実施例1に係る導電性フィルムにおいては、導電部における耐湿熱性試験前の表面抵抗値に対する耐湿熱性試験後の表面抵抗値の上昇率は10%であり、実施例2に係る導電性フィルムにおいては、導電部における耐湿熱性試験前の表面抵抗値に対する耐湿熱性試験後の表面抵抗値の上昇率は5%であった。なお、表面抵抗値および表面抵抗値の上昇率は、上記放置試験における表面抵抗値および表面抵抗値の上昇率と同様の方法によって求めた。
10、20、30、80…導電性フィルム
10A…表面
11…光透過性基材
12…光透過性機能層
13…導電部
13A…表面
14…光透過性樹脂
15…導電性繊維
40…画像表示装置
50…表示パネル
55…表示素子
70…タッチパネル
AD…任意の方向
S…サンプル

Claims (7)

  1. 光透過性基材と、前記光透過性基材の一方の面側に設けられた導電部とを備える光透過性の導電性フィルムであって、
    前記導電部が、光透過性樹脂と、前記光透過性樹脂中に配置された複数の導電性繊維とを含み、
    前記光透過性樹脂の膜厚が、50nm以上300nm未満であり、
    前記導電部の表面において、面内の任意の方向に対し前記任意の方向を含め30°毎に6方向における電気抵抗値をそれぞれ所定の大きさで測定し、最も低い電気抵抗値が得られる方向を第1の方向とし、前記第1の方向と直交する方向を第2の方向としたとき、前記第1の方向の電気抵抗値に対する第2の方向の電気抵抗値の比が、2以上であり、
    前記導電性繊維が、全体として、前記導電部中において前記導電部の膜厚の半分の位置より前記光透過性基材側に偏在している、導電性フィルム。
  2. 前記導電性繊維の繊維長が、30μm以上である、請求項1に記載の導電性フィルム。
  3. 前記導電性繊維の繊維径が、200nm以下である、請求項1に記載の導電性フィルム。
  4. 前記導電性フィルムのヘイズ値が5%以下である、請求項1に記載の導電性フィルム。
  5. 前記導電性フィルムの全光線透過率が80%以上である、請求項1に記載の導電性フィルム。
  6. 請求項1に記載の導電性フィルムを備える、タッチパネル。
  7. 請求項6に記載のタッチパネルを備える、画像表示装置。
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