JP6757558B2 - 熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物、柔軟性材料、および通信ケーブル - Google Patents

熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物、柔軟性材料、および通信ケーブル Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物、柔軟性材料、および通信ケーブルに関する。
従来、自動車部品、電子・電気機器部品などの成形品材料、通信ケーブルや電線の被覆材として、加硫ゴムや塩化ビニル樹脂が用いられている。これら成形品、通信ケーブル、電線などには、耐摩耗性が求められる。また、例えば通信ケーブルをロボットアーム等の装置に用いる場合、この装置の動作に追従して通信ケーブルも動く。そのため、特に通信ケーブルの最外層(シース)には摺動性も求められる。
しかし、加硫ゴムや塩化ビニル樹脂では、耐摩耗性や摺動性を十分に満足しない。
耐摩耗性や摺動性に優れる樹脂として、例えば特許文献1には、オレフィン系熱可塑性エラストマーに、アクリル変性オルガノポリシロキサンを配合したオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。
特許第3437466号公報
ところで、ロボットアーム等の装置に用いられる通信ケーブルは、装置の動作に追従して引っ張られるため、伸び性や引張強度も求められる。
しかしながら、特許文献1に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、伸び性や引張強度を必ずしも満足するものではなく、通信ケーブルの被覆用には不向きであった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、成形品とした際、あるいは通信ケーブルや電線を被覆した際に、耐摩耗性および摺動性を維持しつつ、伸び性および引張強度に優れる熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物および柔軟性材料と、耐摩耗性および摺動性を維持しつつ、伸び性および引張強度に優れる通信ケーブルの提供を課題とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] 熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー100質量部に対して、1〜100質量部のアクリル変性オルガノポリシロキサンとを含有する、熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
[2] 前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー100質量部に対して、0.01〜10質量部の金属石鹸をさらに含有する、[1]に記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
[3] [1]または[2]に記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物からなる、柔軟性材料。
[4] [3]に記載の柔軟性材料で表面が被覆された、通信ケーブル。
本発明の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物および柔軟性材料は、成形品とした際、あるいは通信ケーブルや電線を被覆した際に、耐摩耗性および摺動性を維持しつつ、伸び性および引張強度に優れる。
また、本発明の通信ケーブルは、耐摩耗性および摺動性を維持しつつ、伸び性および引張強度に優れる。
「熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物」
本発明の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、アクリル変性オルガノポリシロキサンとを含有する。熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物は、金属石鹸をさらに含有することが好ましい。
以下、各成分について説明する。
<熱可塑性ポリウレタンエラストマー>
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(以下、「TPU」ともいう。)としては、ハードセグメントブロックとソフトセグメントブロックとを繰り返し単位とするブロック共重合体が好ましい。
ハードセグメントブロックは、少なくともジイソシアネートとジオール類とで構成されていることが好ましい。
ジイソシアネートとしては、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、水素添加XDI、トリレンジイソシアネート(TDI)、トリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートなどが挙げられる。
ジオール類としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどが挙げられる。
ソフトセグメントブロックは、少なくともポリオールとジイソシアネートとで構成されていることが好ましい。
ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、ジオール類とジカルボン酸との縮合重合により得られるポリエステルポリオール;ε−カプロラクトン等のラクトンモノマーの開環重合により得られるポリラクトンジオールなどが挙げられる。
ジオール類としては、ハードセグメントブロックの説明において先に例示したジオール類などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ジカルボン酸とグリコールとの縮合重合により得られるポリエーテルポリオール;ポリエチレングリコール;ポリプロピレングリコール;ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
ジカルボン酸としては、ポリエステルポリオールの説明において先に例示したジカルボン酸などが挙げられる。
グリコールとしては、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、ジオール類とカーボネート類との反応により得られるポリカーボネートポリオール;ポリカプロラクトンポリオールとポリヘキサメチレンカーボネートとの共重合体などが挙げられる。
ジオール類としては、ハードセグメントブロックの説明において先に例示したジオール類などが挙げられる。
カーボネート類としては、例えばジエチレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。
TPUとしては市販品を用いることができ、例えばディーアイシーバイエルポリマー株式会社製の「T−8185N」、BASFジャパン株式会社製の「ET870−11V」などが挙げられる。
<アクリル変性オルガノポリシロキサン>
アクリル変性オルガノポリシロキサンとしては、下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサンに、アクリル酸エステルを乳化グラフト共重合させてなるもの、下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサンに、アクリル酸エステルとこれと共重合可能な単量体との混合物を乳化グラフト共重合させてなるものが好ましい。
Figure 0006757558
上記一般式(1)中、R、RおよびRは、それぞれ同一または異なる炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基などが挙げられる。
炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、例えば前記炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1つがハロゲン原子で置換されたものが挙げられる。
上記一般式(1)中、Yはラジカル反応性基、SH基またはその両方をもつ有機基である。
ラジカル反応性基としては、例えばビニル基、アリル基、γ−アクリロキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基などが挙げられる。
上記一般式(1)中、ZおよびZはそれぞれ同一または異なる水素原子、低級アルキル基またはトリオルガノシリル基である。
低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
トリオルガノシリル基は、下記一般式(2)で表される。
Figure 0006757558
上記一般式(2)中、RおよびRは、それぞれ同一または異なる炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基であり、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ラジカル反応性基、SH基またはその両方をもつ有機基である。
これら、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ラジカル反応性基、SH基またはその両方をもつ有機基は、上記R 、R 、RおよびYの説明において先に例示したものと同じものを挙げることができる。
また、上記一般式(1)中、mは10,000以下の正の整数であり、好ましくは500〜8,000の範囲の整数であり、nは1以上の整数であり、好ましくは1〜500の範囲の整数である。
上記オルガノポリシロキサンに乳化グラフト共重合されるアクリル酸エステルとしては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート等のアクリルアクリレート;メトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート等のアルコキシアルキルアクリレート;シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなどが挙げられる。これらは一種単独または2種以上の組み合わせで使用される。
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有不飽和単量体などが挙げられる。これらは一種単独または2種以上の組み合わせで使用される。
上記オルガノポリシロキサン(a)と、アクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルとこれと共重合可能な単量体との混合物(b)との配合割合((a)/(b))は、質量比で2/8〜8/2が好ましく、4/6〜7/3がより好ましい。
また、(b)として、アクリル酸エステルとこれと共重合可能な単量体との混合物を用いる場合、混合物の総質量に対し、アクリル酸エステルと共重合可能な単量体の含有量は、30質量%未満であることが好ましい。
アクリル変性オルガノポリシロキサンとしては市販品を用いることができ、例えば日信化学工業株式会社製の「シャリーヌR−170」、「シャリーヌR−170S」、「シャリーヌR−127E」などが挙げられる。
アクリル変性オルガノポリシロキサンの含有量は、TPU100質量部に対して、1〜100質量部であり、5〜80質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。アクリル変性オルガノポリシロキサンの含有量が1質量部以上であれば、耐摩耗性および摺動性の向上効果が得られる。特に、アクリル変性オルガノポリシロキサンの含有量が5質量部以上であれば、燃焼時のドリップ防止効果も得られる。これら耐摩耗性および摺動性の向上効果や、ドリップ防止効果は、アクリル変性オルガノポリシロキサンの含有量が多くなるに連れて高まる傾向にある。しかし、含有量が多くなりすぎるとアクリル変性オルガノポリシロキサンがTPU中で凝集しやすくなる。アクリル変性オルガノポリシロキサンが凝集すると、凝集部分を基点にクラックが生じることがある。また、伸び性や引張強度も低下しやすくなる。アクリル変性オルガノポリシロキサンの含有量が100質量部以下であれば、TPU中でアクリル変性オルガノポリシロキサンが凝集するのを抑制できるので、クラックが発生しにくい。また、伸び性および引張強度も良好に維持できる。
<金属石鹸>
金属石鹸は、脂肪酸の金属塩である。
脂肪酸としては、例えば酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、オクチル酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、ナフテン酸などが挙げられる。
金属としては、例えばカリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、リチウムなどが挙げられる。
金属石鹸としては、具体的に、ベヘン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウムなどが挙げられる。これらは一種単独または2種以上の組み合わせで使用される。これらの中でも、TPUとの相性、具体的には、金属離型性、非ブルーム性に優れる点で、ベヘン酸カルシウムが好ましい。
金属石鹸の含有量は、TPU100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.01〜1.0質量部がより好ましく、0.1〜1.0質量部が特に好ましい。金属石鹸の含有量が0.01質量部以上であれば、TPU中にアクリル変性オルガノポリシロキサンが均一に分散しやすくなり、耐摩耗性および摺動性を良好に維持できる。また、アクリル変性オルガノポリシロキサンがTPU中で凝集するのを抑制できる。一方、金属石鹸の含有量が10質量部以下であれば、成形性を良好に維持できる。
<任意成分>
熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物は、必要に応じて、TPU、アクリル変性オルガノポリシロキサン、金属石鹸以外の成分(任意成分)を含んでいてもよい。
任意成分としては、プロセスオイル等の軟化剤、タルク、カーボンブラック、炭酸カルシウム等の充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、加工安定剤、着色剤などの各種添加剤が挙げられる。
<作用効果>
上述したTPUは主に伸び性と引張強度に寄与する成分であり、アクリル変性オルガノポリシロキサンは主に耐摩耗性と摺動性に寄与する成分である。
本発明の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物は、TPUと特定量のアクリル変性オルガノポリシロキサンとを併有するので、成形品とした際、あるいは通信ケーブルや電線を被覆した際に、耐摩耗性および摺動性を維持しつつ、伸び性および引張強度に優れる。
特に、熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物が金属石鹸も含有すれば、TPU中でアクリル変性オルガノポリシロキサン均一に分散しやすくなり、耐摩耗性および摺動性を良好に維持できる。また、アクリル変性オルガノポリシロキサンがTPU中で凝集するのを抑制できるので、クラックが発生しにくい。
「柔軟性材料」
本発明の柔軟性材料は、上述した本発明の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物からなる。よって、本発明の柔軟性材料を成形してなる成形品、あるいは本発明の柔軟性材料により表面が被覆された通信ケーブルや電線は、耐摩耗性および摺動性を維持しつつ、伸び性および引張強度に優れる。
本発明の柔軟性材料は、自動車部品、電子・電気機器部品などの成形品材料、通信ケーブルや電線の被覆材に適している。本発明の柔軟性材料は耐摩耗性、摺動性、伸び性および引張強度に優れることから、通信ケーブル用の被覆材として特に好適である。
「通信ケーブル」
本発明の通信ケーブルは、上述した本発明の柔軟性材料で表面が被覆されている。
通信ケーブルの構成としては、最外層(シース層)が本発明の柔軟性材料で形成されていれば特に制限されず、例えば導体線の外周が絶縁体で被覆された心線の外周が、本発明の柔軟性材料で被覆された構成などが挙げられる。
本発明の通信ケーブルは、表面が本発明の柔軟性材料で被覆されているので、耐摩耗性および摺動性を維持しつつ、伸び性および引張強度に優れる。
本発明の通信ケーブルは、ロボットアーム、自動組立機械、ゲーム機のクレーンなどの装置に用いられる通信ケーブルとして好適であり、これら装置の動作に追従して通信ケーブルが動いても摺動性に優れるので表面が摩耗しにくい。しかも、本発明の通信ケーブルは伸び性および引張強度に優れるので、これら装置の動作に追従して通信ケーブルが引っ張られても、切断しにくい。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
なお、実施例1〜4、7は参考例である。
「実施例1」
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(ディーアイシーバイエルポリマー株式会社製、「T−8185N」)100質量部と、アクリル変性オルガノポリシロキサン(日信化学工業株式会社製、「シャリーヌR−170S」、(a)/(b)=7/3)1質量部とを混合し、熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物を得た。
得られた熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物を、3.5インチテストロール(2本)を用いて170℃で7分間混練してロールシート成形物を得た。これを鏡面板で狭持して170℃で4分間予熱した後、150kg/cmの圧力で4分間加圧して、厚さ1.0mmのシート状の試験片(120mm×120mm)を作製した。
得られた試験片について、以下に示す方法で各種測定・評価を行った。結果を表1に示す。
<測定・評価>
(硬度の測定)
JIS K 6253−3:2012に準拠し、試験片のショアA硬度を測定した。
(摺動性・耐摩耗性の評価)
摩擦試験機(新東科学株式会社製、「ヘイドン 14D−ANL」)を用い、直径10mmのSUS鋼球、荷重50g、引張速度100mm/分の条件で試験片の静摩擦係数および動摩擦係数を測定した。摩擦係数が低いほど、摺動性および耐摩耗性に優れることを意味する。
(引張試験)
予め、試験片をJIS K 6251のダンベル5号型で打ち抜き、25mmの標線を記入した。
ショッパ式引張試験機を用い、引張速度200mm/分、温度23℃で試験片を引張り、100%モジュラスを測定した。また、試験片が破断するのに要した最大荷重を引張強度(破断強度)とした。また、試験片が破断した際の標線間距離を測定し、伸び率を求めた。
(燃焼性の評価)
試験片を1.0mm×120mmの短冊状に切り出し、UL94規格に準拠し、薄材料垂直燃焼試験(VTM試験)を行い、下記評価基準にて燃焼性を評価した。
◎:燃焼時に形態を保持した。
○:燃焼時に形態を少し保持した。
×:ドリップが生じた。
「実施例2〜7、比較例1〜3」
表1に示す配合組成に変更した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物を調製し、試験片を作製し、各種測定・評価を行った。結果を表1に示す。
「比較例4」
オレフィン系熱可塑性エラストマー(三井化学株式会社製、「ミラストマー7030BS」)100質量部と、アクリル変性オルガノポリシロキサン(日信化学工業株式会社製、「シャリーヌR−170S」、(a)/(b)=7/3)10質量部と、金属石鹸としてベヘン酸カルシウム0.5質量部とを混合し、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得た。
得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製し、各種測定・評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006757558
表1から明らかなように、各実施例で得られた熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物からは、耐摩耗性、摺動性、伸び性および引張強度に優れる成形品が得られた。特に、アクリル変性オルガノポリシロキサンを5質量部以上用いた実施例2〜7の場合、ドリップ防止効果にも優れていた。
一方、アクリル変性オルガノポリシロキサンおよび金属石鹸を用いなかった比較例1の場合、成形性が低下し、試験片を作製できなかった。
比較例2の場合、金属石鹸を用いたので試験片を作製することはできたが、アクリル変性オルガノポリシロキサンを用いなかったので、摺動性および耐摩耗性に劣っていた。
アクリル変性オルガノポリシロキサンを150質量部用いた比較例3の場合、伸び性および引張強度に劣っていた。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーに代えてオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いた比較例4の場合、伸び性および引張強度に劣っていた。

Claims (3)

  1. 熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー100質量部に対して、50〜100質量部のアクリル変性オルガノポリシロキサンと、0.01〜10質量部の金属石鹸とを含有し、
    前記アクリル変性オルガノポリシロキサンが、下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサンに、アクリル酸エステルを乳化グラフト共重合させてなるもの、または下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサンに、アクリル酸エステルとこれと共重合可能な単量体との混合物を乳化グラフト共重合させてなるものである、熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
    Figure 0006757558
    (式(1)中、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なる炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基であり、Yはビニル基、アリル基、γ−アクリロキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基から選ばれるラジカル反応性基であり、ZおよびZはそれぞれ同一または異なる水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基または下記一般式(2)で表されるトリオルガノシリル基であり、mは10,000以下の正の整数であり、nは1以上の整数である。)
    Figure 0006757558
    (式(2)中、RおよびRはそれぞれ同一または異なる炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基であり、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、または、ビニル基、アリル基、γ−アクリロキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基から選ばれるラジカル反応性基である。)
  2. 請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物からなる、柔軟性材料。
  3. 請求項に記載の柔軟性材料で表面が被覆された、通信ケーブル。
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