JP2021075612A - 熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物 Download PDF

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【課題】優れた難燃性を有し、成形性や伸び性に関する硬度が適度に低く、引張強さに優れた熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物を提供する。【解決手段】熱可塑性ポリウレタンエラストマー100質量部と、水酸化アルミニウム10〜40質量部と、ヒンダードアミン系難燃剤0.5〜5質量部と、フォスフィン酸金属塩0.5質量部以上2質量部以下と、を含む、熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物に関する。
熱可塑性エラストマーは、ゴム的性質を有し、柔軟性に優れるため、加硫ゴムや塩化ビニル樹脂の代替として、自動車部品、電子・電気機器部品、フィルム等の成形品材料や、通信ケーブル、電線等の被覆材等に広く使用されている。これら成形品材料や被覆材等には、難燃性が求められる場合がある。
熱可塑性エラストマーの難燃性を高める目的で種々の難燃剤が検討されている。塩素系や臭素系等のハロゲン系の難燃剤は、火災時や焼却処理時に有害ガスを生成するおそれがある。そのため、非ハロゲン系の難燃剤として、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水酸化物系難燃剤を添加した材料が開示されている(例えば特許文献1)。
しかし、金属水酸化物系難燃剤の添加により充分な難燃性を得るためには、エラストマー樹脂の総質量に対して比較的多量の難燃剤を添加する必要がある。一方、多量の難燃剤を添加すると、硬度が高くなり過ぎて成形が困難になったり、引張強度等の機械的特性が低下したりする問題がある。このため、高い難燃性と、良好な機械的特性の両立を図ることが困難であった。
特開平7−145288号公報
本発明は、優れた難燃性を有し、成形性や伸び性に関する硬度が適度に低く、引張強さに優れた熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物を提供する。
[1] 熱可塑性ポリウレタンエラストマー100質量部と、水酸化アルミニウム10〜40質量部と、ヒンダードアミン系難燃剤0.5〜5質量部と、フォスフィン酸金属塩0.5質量部以上2質量部以下と、を含む、熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
[2] 引張強さが30MPa以上である、[1]に記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
[3] 硬度が90以下である、[1]又は[2]に記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
[4] 前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー100質量部のうち、カーボネート系ポリウレタンエラストマーの占める割合が50質量部以上である、[1]〜[3]の何れか一項に記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
本発明の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物は、成形品の材料として、さらには電線等の被覆材として、優れた難燃性を有し、難燃剤を含むことによる脆性の発現を抑制することができ、引張強さを向上させることができる。
≪熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物(TPU組成物)≫
本発明のTPU組成物は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、水酸化アルミニウムと、ヒンダードアミン系難燃剤と、フォスフィン酸金属塩とを含む。
その配合量は、熱可塑性ポリウレタンエラストマー100質量部に対して、水酸化アルミニウム10〜40質量部、ヒンダードアミン系難燃剤0.5〜5質量部、フォスフィン酸金属塩0.5質量部以上2質量部以下である。
本発明のTPU組成物は、引張強さをより一層向上させる観点から、ポリリン酸アンモニウム塩を含まないか、含んだとしてもその含有量が、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー100質量部に対して、1質量部以下であることが好ましい。
以下、各成分について説明する。
<熱可塑性ポリウレタンエラストマー>
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(略称:TPU)としては、ハードセグメントブロックとソフトセグメントブロックとを繰り返し単位とするブロック共重合体が好ましい。
ハードセグメントブロックは、少なくともジイソシアネートとジオール類とで形成されていることが好ましい。
ジイソシアネートとしては、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、水素添加XDI、トリレンジイソシアネート(TDI)、トリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート等が挙げられる。
ジオール類としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。
ソフトセグメントブロックは、少なくともジイソシアネートとポリオールとで形成されていることが好ましい。
ジイソシアネートとしては、ハードセグメントブロックの説明において先に例示したジイソシアネート等が挙げられる。
ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、ジオール類とジカルボン酸との縮合重合により得られるポリエステルポリオール;ε−カプロラクトン等のラクトンモノマーの開環重合により得られるポリラクトンジオール等が挙げられる。
ジオール類としては、ハードセグメントブロックの説明において先に例示したジオール類等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ジカルボン酸とグリコールとの縮合重合により得られるポリエーテルポリオール;ポリエチレングリコール;ポリプロピレングリコール;ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、ポリエステルポリオールの説明において先に例示したジカルボン酸等が挙げられる。
グリコールとしては、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、ジオール類とカーボネート類との反応により得られるポリカーボネートポリオール;ポリカプロラクトンポリオールとポリヘキサメチレンカーボネートとの共重合体等が挙げられる。
ジオール類としては、ハードセグメントブロックの説明において先に例示したジオール類等が挙げられる。
カーボネート類としては、例えばジエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられる。
TPUは、エステル系TPU、エーテル系TPU、カーボネート系TPUに分類することができる。ここで、エステル系TPUはエラストマーの分子鎖中にエステル結合を複数有するTPUであり、エーテル系TPUはエラストマーの分子鎖中にエーテル結合を複数有するTPUであり、カーボネート系TPUはエラストマーの分子鎖中にカーボネート結合を複数有するTPUである。エラストマーの分子鎖中に含まれる上記結合は、TPUの合成時に使用したポリオールが有する結合に由来する。
本発明のTPU組成物に含まれるTPUの種類は、1種類でもよいし、2種類以上が組み合わされてもよい。
本発明のTPU組成物の難燃性を高めつつ引張強さの向上を図る観点から、TPU100質量部のうち、カーボネート系TPUの含有割合は、50質量部以上100質量部以下が好ましく、60質量部以上100質量部以下がより好ましく、70質量部以上100質量部以下がさらに好ましく、80質量部以上100質量部以下が特に好ましく、80質量部以上90質量部以下が特に好ましい。
ここで、TPU100質量部のうち、上記含有割合で含まれるカーボネート系TPU以外の残部は、エーテル系TPUであることが好ましい。
TPUの硬度は、A75〜A95が好ましい。TPUの硬度が低いほど、TPU組成物の硬度も低くなる傾向がある。TPUの硬度が低くなり過ぎると、TPU組成物の成形性が低下する場合がある。例えば金型で成形する場合に、成形品を金型から取り出す際に成形品が変形しやすくなる。TPUの硬度が前記範囲内であれば、広い用途においてTPU組成物の硬度が適当であり、かつ成形性にも優れる。
ここで、TPUの硬度は、JIS K 6253−3:2012に準拠して測定されるショアA硬度である。TPUの硬度は、TPUの分子量、ハードセグメントブロックの量等によって調整できる。
TPUとしては市販品を用いることができ、例えばディーアイシーコベストロポリマー社製の「T−9280」、「T−7275」、「T−8185N」、「T−8180N」、「T−8175N」;BASF社製の「1175A10W」、「ET−885」、「ET−880」、「ET870−11V」;Lubrizol社製の「58215」、「58315」、「2103−70A」等が挙げられる。
<難燃剤>
[水酸化アルミニウム]
水酸化アルミニウムの含有量は、TPU100質量部に対して、10〜40質量部であり、10〜30質量部が好ましく、15〜25質量部がより好ましい。水酸化アルミニウムの含有量が上記範囲の下限値以上であれば、TPU組成物の難燃性をより高めることができる。水酸化アルミニウムの含有量が上記範囲の上限値以下であれば、TPU組成物の硬度や脆性が高まることを抑制しつつ、引張強さを向上させることができる。
[ヒンダードアミン系難燃剤]
本発明のTPU組成物に含まれるヒンダードアミン系難燃剤としては、公知のヒンダードアミン系難燃剤を適用することができる。なかでも、ピペリジン骨格を有するものが好ましく、下記式(1)で示される骨格を有するものがより好ましく、下記式(2)で示される骨格を有するものがさらに好ましい。ここで「骨格」の用語は、構造式中の任意の水素原子が、他の化学構造(原子団)によって置換されていてもよいことを意味する。
Figure 2021075612
前記式(1)中、Xは、任意の置換基を有していてもよいシクロアルカンを表す。前記式(2)中、複数のRはそれぞれ独立に炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を表す。前記シクロアルカンとしては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等が挙げられる。
前記式(2)で表される骨格を有する化合物としては、例えば、下記式(3)で表される化合物、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
下記式(3),(4)中、Zが前記式(2)で表される骨格を表す。前記式(2)のトリアジン環の水素原子を置換しているメチル基がメチレン基となって、Zが結合する窒素原子に結合しているものが好ましい。
Figure 2021075612
前記式(3)で表される化合物は、例えばBASF社製の「Flamestab NOR 116 FF」(CAS-No. 191680-81-6)として市販されている。前記式(4)で表される化合物は、例えばBASF社製の「Tinuvin 152」(CAS-No. 191743-75-6)として市販されている。
本発明のTPU組成物に含まれるヒンダードアミン系難燃剤の種類は、1種類でもよいし、2種類以上が組み合わされてもよい。
ヒンダードアミン系難燃剤の含有量は、TPU100質量部に対して、0.5〜5質量部であり、1〜4質量部が好ましく、1.5〜3.5質量部がより好ましく、2〜3質量部がさらに好ましい。ヒンダードアミン系難燃剤の含有量が上記範囲の下限値以上であれば、TPU組成物の難燃性をより高めることができる。ヒンダードアミン系難燃剤の含有量が上記範囲の上限値以下であれば、TPU組成物の脆性が高まることを抑制しつつ、引張強さを向上させることができる。
[フォスフィン酸金属塩]
本発明のTPU組成物に含まれるフォスフィン酸金属塩は、公知の化合物である。なかでも、下記式(5)で表されるフォスフィン酸金属塩が好ましい。
{[R11−P(−O)(=O)−R12 + Mm+} ・・・(5)
式中、R11、R12は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数12以下のアリール基であり、Mは、カルシウム、アルミニウム又は亜鉛であり、Mがアルミニウムの場合はm=3、それ以外の場合はm=2である。
なかでも、本発明のTPU組成物が優れた難燃性と優れた引張強さとを両立して発揮するために、R11及びR12が炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であるものが好ましく、R11及びR12が炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、かつ、Mがアルミニウムであるものがより好ましい。
フォスフィン酸金属塩の具体例としては、例えば、ARCHROMA社製の「Pekoflam STC」、クラリアント社製の「EXOLIT OP1230」、「EXOLIT OP1240」、「EXOLIT OP930」、「EXOLIT OP935」等のフォスフィン酸のアルミニウム塩;「EXOLIT OP1312」等のフォスフィン酸のアルミニウム塩とポリリン酸メラミンの混合物が挙げられる。
本発明のTPU組成物に含まれるフォスフィン酸金属塩の種類は、1種類でもよいし、2種類以上が組み合わされてもよい。
フォスフィン酸金属塩の含有量は、TPU100質量部に対して、0.5〜2質量部であり、0.7〜1.8質量部が好ましく、0.9〜1.6質量部がより好ましく、1.1〜1.4質量部がさらに好ましい。フォスフィン酸金属塩の含有量が上記範囲の下限値以上であれば、TPU組成物の難燃性をより高めることができる。フォスフィン酸金属塩の含有量が上記範囲の上限値以下であれば、TPU組成物の脆性が高まることを抑制しつつ、引張強さを向上させることができる。
また、TPU組成物の引張強さをより向上させる観点から、フォスフィン酸金属塩の含有量は、ヒンダードアミン系難燃剤の含有量よりも少ないか又は同じが好ましい。
<任意成分>
本発明のTPU組成物は、必要に応じて、TPU、水酸化アルミニウム、ヒンダードアミン系難燃剤、及びフォスフィン酸金属塩以外の成分(任意成分)を含有していてもよい。
任意成分としては、例えば、溶剤、可塑剤、プロセスオイル等の軟化剤、タルク、カーボンブラック、炭酸カルシウム等の充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、加工安定剤、着色剤等の各種の添加剤が挙げられる。
本発明のTPU組成物は、混練機等を用いて、TPU、水酸化アルミニウム、難燃剤等の各成分を常法により穏やかに混練することで得られる。
本発明のTPU組成物の引張強さは、用途によっても異なるが、30MPa以上が好ましく、30MPa以上45MPa以下がより好ましい。TPU組成物の引張強さが30MPa以上であれば、成形品の強度をより一層高めることができる。TPU組成物の引張強さが45MPa以下であれば、成形品の柔軟性や伸び性を高めることができる。
本発明のTPU組成物の引張強さは、TPUの硬度、水酸化アルミニウム及び難燃剤の含有量等によって調整することができる。
本発明のTPU組成物の硬度は、用途によっても異なるが、A70〜A100が好ましく、A75〜A95が好ましく、A80〜A90がさらに好ましい。TPU組成物の硬度がA70以上であれば、成形品の強度を高めることができる。TPU組成物の硬度がA100以下であれば、成形性が良好となる。
本発明のTPU組成物の硬度は、TPUの硬度、水酸化アルミニウム及び難燃剤の含有量等によって調整することができる。
<作用効果>
本発明のTPU組成物は、難燃剤として水酸化アルミニウムと、ヒンダードアミン系難燃剤と、フォスフィン酸金属塩とを特定の量で含む。これらの相対的な含有量が、優れた難燃性を発揮し、かつ、引張強さを向上させる要因であると考えられる。
<成形品>
本発明のTPU組成物は、プレス成形、射出成形、押出成形等の公知の成形法により成形して成形品とすることができる。
成形品としては、特に限定されず、例えば自動車部品、パーソナルコンピュータ、コピー機等の電子・電気機器部品(例えばキーボード、トナーシール材、クリーニングブレード等)、レインコート等のフィルム材、放水ホース材、時計用バンド、フィギュア(人間やキャラクター等の立体的な模型)、工具グリップ(ドライバーのハンドル等)等が挙げられる。
本発明のTPU組成物の成形品は、難燃性だけでなく引張強さにも優れ、また、硬度も広い用途で実用可能な範囲である。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
表1〜2に記載の原材料の詳細は次の通りである。
「T-9280」:DICコベストロポリマー社製、硬度80、カーボネート系TPU
「T-7275」:DICコベストロポリマー社製、硬度75、エーテル系TPU
「1175A10W」:BASF社製、硬度75、エーテル系V−0TPU
「BF013」:日本軽金属社製、水酸化アルミニウム
「FR-2200」:ADEKA社製、イントメッセント系難燃剤
「EXOLIT432」:CLARIANT社製、ポリリン酸アンモニウム
「EXOLIT930」:CLARIANT社製、フォスフィン酸金属塩
「Flamestab NOR 116 FF」:BASF社製、ヒンダードアミン系難燃剤
「FP-T80」:ADEKA社製、ヒンダードアミン系難燃剤
「Pekoflam STC」:ARCHROMA社製、フォスフィン酸金属塩
「C-7」:日東化工社製、滑剤
[試験片の作成]
表1〜2に記載の量(質量部)で各原材料を配合した配合物を得た。例えば、試験例1においては、「T-9280」の100質量部に対して「C-7」の2質量部を配合し、TPU組成物を得た。
各試験例において、調製したTPU組成物65gをラボプラストミル(東洋精機社製:型番:4C150、ローター:R30)に投入し、160℃設定で30回転にて7分混錬した。得られた混練物を1分以内に155℃設定の6インチロールにて1分素通して、約0.5mm厚のシートを作成した。
各試験例で得たシートについて、ロールに通した方向(投げ入れ方向)と、それに直交する方向を区別することができる。複数のシートを準備し、各シートの投げ入れ方向が互いに交差(クロス)した状態で重ねて、170℃にて4分間予熱、4分間加熱圧縮成形後、加圧のまま冷却を行い、1mm厚の試験片を作製した。
[試験片の評価1]
試験片を23±1℃の環境に24時間静置した後、硬度と引張強さを測定した。
硬度はJIS Z 2246:2000に従い、シュアA硬度系にて測定した。
引張強さは、試験片をJIS K 6251:2010に規定された5号ダンベルにて打ち抜き、JIS K 7161−2に基づいて測定した。その結果を表1〜2に示す。
[試験片の評価2]
試験片を20mm×120mmの大きさに切り出し、短辺を2つ折りにした。これを80#の金網からなる直径1cmの円筒の外周に1重で巻き付けて、ホッチキスにて止めたものを試験サンプルとした。
次に、試験サンプルの下部にバーナーの炎を側方から垂直に当て、10秒間燃焼させ、バーナーの炎を離した後に消えた場合には、再度バーナーの炎を当てて10秒間燃焼させ、バーナーの炎を離した後に消えた場合には、再々度バーナーの炎を当てて10秒間燃焼させた後、バーナーの炎を離し、試験サンプルの燃焼状態を確認した。
その結果を表1〜2に示す。表1〜2中、「燃える」は、1回目の燃焼後に消えなかったことを意味し、「消える」は、3回目の燃焼後にも消えたことを意味する。
Figure 2021075612
Figure 2021075612
表1〜2の各試験例のうち、試験例1〜20は比較例であり、試験例21〜22は実施例である。
実施例のTPU組成物にあっては、燃焼試験の結果から明らかなように3度目の燃焼後においても火が消えるという優れた難燃性を示した。また、試験片の硬度が90以下であり、過度に硬くないので、容易に成形することができた。さらに引張強さが30MPa以上であり、引張強さが求められる種々の用途に適していることが示された。
試験例19〜20と、試験例21〜22の結果から、引張強さをより向上させるためには、フォスフィン酸金属塩の含有量は、ヒンダードアミン系難燃剤の含有量よりも少ないか又は同じが好ましいと理解される。
試験例1〜20では、水酸化アルミニウム、ヒンダードアミン系難燃剤、及びフォスフィン酸金属塩のうち、何れかの含有量が本発明の範囲に含まれないため、難燃性が不良であるか、硬度が高過ぎるか、又は引張強さが弱い、という問題がある。

Claims (4)

  1. 熱可塑性ポリウレタンエラストマー100質量部と、水酸化アルミニウム10〜40質量部と、ヒンダードアミン系難燃剤0.5〜5質量部と、フォスフィン酸金属塩0.5質量部以上2質量部以下と、を含む、熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
  2. 引張強さが30MPa以上である、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
  3. 硬度が90以下である、請求項1又は2に記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
  4. 前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー100質量部のうち、カーボネート系ポリウレタンエラストマーの占める割合が50質量部以上である、請求項1〜3の何れか一項に記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物。
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