本発明の実施形態が図面を参照しながら以下で詳細に説明される前に、種々の図面内の同一の、機能的に等しい、または等しい要素、物体および/または構造は、同じ参照番号を与えられており、それによって、異なる実施形態において示されているこれらの要素の説明は、相互交換可能または相互適用可能であることが留意されるべきである。
以下に説明されるいくつかの実施形態は、物体領域を取り込むことに関する。以下に説明される他の実施形態は、視野を取り込むことに関する。物体領域/全物体領域および視野または全視野という用語は、以下では相互に変更可能であると考えられるべきである。これは、本明細書における陳述の意味を変更することなく、物体領域、前物体領域、視野または全視野という用語が交換可能であることを意味する。同程度に、部分視野および部分的物体領域という用語は、割り当てられた記述の意味を変えることなく交換可能である。
図1は、一実施形態による多開口撮像デバイス1000の概略上面図を示す。多開口撮像デバイス1000は、複数の部分物体領域(部分視野)74a〜bの形で物体領域(視野)27を取り込むように構成されたデバイスとすることができる。取り込まれた部分物体領域74a〜bは、ASICなどのような、プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、CPU(中央処理装置)、ASICなどのような本方法に特有のハードウェアのような、デバイス1000または下流のコンピューティングデバイスによって全画像に組み立てることができる。実施形態によれば、物体領域72は、複数の部分物体領域74a〜bによって走査される。複数は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも5つ、少なくとも9つまたはそれ以上であり得る。
多開口撮像デバイス1000は、画像センサ12と、並置された光チャネル16aおよび16bのアレイ14とを含む。各光チャネル16aおよび16bは、画像センサ12の画像センサ領域上に少なくとも1つの部分領域74aまたは74bを投影するための光学素子64aおよび64bをそれぞれ備える。多開口撮像デバイス1000は、ビーム偏向手段18を含む。ビーム偏向手段18は、光チャネル16aおよび16bの光路17aおよび17bを偏向させるように構成されている。このために、ビーム偏向手段はファセット68aおよび68bを備える。言い換えると、ビーム偏向ビーム18は、ファセット68a〜bのアレイとして形成される。ファセット68aおよび68bは、ライン延伸方向146に沿って配置され、ライン延伸方向146は、光チャネル16aおよび16bがアレイ14内で、すなわち、画像センサの前方において配置される方向に関連する。
1つのファセット68aおよび68bがそれぞれ、各光チャネル16aおよび16bに割り当てられる。以下に説明するように、いくつかの光路を1つのファセット68aまたは68bに割り当てることができる。ファセット68aは、光チャネル16aの光路17aを、ビーム偏向領域1002a内で部分領域74aに向かって偏向させるように構成されている。同様に、ファセット68bは、光チャネル16bの光路17bを、ファセット68bのビーム偏向領域1002b内で部分領域74bに向かって偏向させるように構成されている。これは、各ファセット68aおよび68bがビーム偏向領域1002aおよび1002bを含むことを意味する。ビーム偏向領域1002aまたは1002bは、それぞれの光路を偏向するように構成された、それぞれファセット68aおよび68bの表面領域とすることができる。
迷光抑制構造1004が、ビーム偏向領域1002aとビーム偏向領域1002bとの間に配置され、これは、第1のビーム偏向領域1002aと、第2のビーム偏向領域1002bとの間の迷光の遷移を低減または防止するように構成されている。好ましくは、迷光抑制構造1004は、少なくとも部分的に不透明な材料を含む。迷光抑制構造1004は、第1のファセット68aおよび/または第2のファセット68bのトポグラフィに対して上昇したトポグラフィを含むことがさらに好ましい。トポグラフィとは、隣接する構造に対するファセット68aおよび68bならびに迷光抑制構造1004の上昇および/または湾曲を考慮した表面プロファイルを意味することができる。簡単に言えば、迷光抑制構造1004は、ファセット68aおよび/またはファセット68bの間で少なくとも部分的に上昇させることができる。
一実施形態によれば、迷光抑制構造1004は、ファセット68aとファセット68bとの間に配置された隔壁である。迷光抑制構造が存在しない場合に、それぞれ隣接する光チャネル16aおよび16bのビーム偏向領域1002aまたは1002bに意図せず入射することになる光路17aおよび/または17b内の散乱は、迷光抑制構造1004によって少なくとも部分的に妨害することができ、それによって、画像品質は、迷光の遷移によって限定された程度にしか、または、まったく影響を受けないようにされる。これにより、迷光抑制構造1004aまたは1004bが存在しない場合に迷光の遷移を低減するために使用されることになるビーム偏向領域間の距離を低減することができる。
換言すれば、迷光を低減および/または防止するための構造を、ビーム偏向手段の個々のファセットの遷移部に配置することができる。
図2aは、画像センサ12、アレイ14およびビーム偏向手段18を含む多開口撮像デバイス2000の概略上面図を示す。各光チャネル16a〜cは、それぞれの光チャネル16a〜cの光路17a〜cに影響を及ぼすために、および、これを画像センサ領域58a〜cへと方向付けるために、例えば2つの光学素子(レンズ)64aおよび64b、64cおよび64dまたは64eおよび64fを含む。実施形態によれば、光チャネルは、1つ、2つ、または3つ以上のような任意の数のレンズを有することができる。光チャネル16a〜cは、異なる数のレンズを有することができる。迷光抑制構造1004aは、ファセット68aのビーム偏向領域1002aとファセット68bのビーム偏向領域1002aとの間に配置される。迷光抑制構造1004bは、ビーム偏向手段18の、ビーム偏向領域1002bと、ファセット68cのビーム偏向領域1002cとの間に配置される。
ビーム偏向手段18および個々のファセット68a〜cの主面を、ライン延伸方向146およびライン延伸方向146に垂直に配置された方向1006にまたがる平面上に投影することができる。またがる平面は、例えば、画像センサ領域58a〜cに本質的に垂直であり得る。ライン延伸方向146は、ビーム偏向手段18の軸方向延伸に平行に配置することができ、一方、方向1006は、ビーム偏向手段18の横延伸方向と呼ぶことができる。迷光抑制構造1004aおよび/または1004bは、方向1006に平行なビーム偏向手段18の延伸全体に沿って、すなわち1006までの範囲に配置することができ、迷光抑制構造のビーム偏向手段18を越えた突出も可能である。これは、方向1006に沿ったビーム偏向手段18の延伸全体にわたって、それぞれ2つの隣接するビーム偏向領域1002aおよび1002b、ならびに1002bおよび1002cの間の迷光の遷移を抑制することを可能にする。
図2bは、図2aの多開口撮像デバイスの概略上面図を示し、迷光抑制構造1004aおよび1004bが、ビーム偏向手段18の主面上で約50%の範囲まで、方向1006に沿って延伸する。迷光抑制構造1004aおよび/または1004bは、例えば、光学素子64a〜fから外方に面するビーム偏向手段18の主面の側から開始して、光学素子64a〜fに向かって配置することができ、方向1006に沿って約50%の領域にわたって延伸することができる。さらなる実施形態によれば、迷光抑制構造は、方向1006に沿って少なくとも10%、少なくとも20%、または少なくとも30%の範囲まで延伸する。さらなる実施形態によれば、迷光抑制構造1004aおよび/または1004bは、ビーム偏向手段18の側縁から離間して配置することができ、すなわち本質的に、ビーム偏向領域1004a〜cの中心領域内に配置することができる。図2aの文脈で説明した実施形態によれば、方向1006に沿った迷光抑制構造の延伸はまた、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも90%、または少なくとも95%であってもよい。迷光抑制構造1004aまたは1004bが、方向1006に沿った任意の領域に沿って延伸することも可能であり、迷光抑制構造は、それぞれ隣接するファセット68aおよび68b、ならびに68bおよび68cのトポグラフィに対して部分的にのみ上昇し、すなわち、上昇(トポグラフィ)は、領域内でほぼゼロであり、これは負の値も含む。
本明細書に記載の実施形態による2つの並置されたファセット68a〜cの間の迷光抑制構造は、好ましくは、少なくとも1つの不透明材料から形成される。このために、金属材料、プラスチック材料および/または半導体材料を提供することができる。ここで、迷光抑制の特性は、多開口撮像デバイスの有用な波長範囲に関係することが好ましい。このようにして、例えば、迷光抑制構造のための半導体材料の使用は、多開口撮像デバイスが可視波長範囲の画像を取り込むように構成されている場合に有利であり得る。対照的に、赤外線波長範囲で画像を取り込む場合、半導体材料がこの波長範囲内で透明になるとき、金属材料の使用が好ましい。
図3aは、図2bに示す多開口撮像デバイス2000と比較して、少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび36bをさらに備える実施形態による多開口撮像デバイス3000の概略側断面図を示す。少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび36bは、例えば、多開口撮像デバイス3000が配置されるハウジングの一部であり得る。ビーム偏向手段18は、透明カバー36aまたは透明カバー36bを通じて画像センサ12に対するビーム偏向手段18の相対位置に応じて、光チャネルの光路を偏向させるように構成することができる。以下で詳細に説明するように、ビーム偏向手段18の位置に応じて、異なる物体領域を多開口撮像デバイス3000によって取り込むことができる。これに関して、少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび36bはそれぞれ、汚染または機械的影響などの外部の影響から多開口撮像デバイス3000を保護することを可能にする。第1の位置と第2の位置との間で移動可能であるために、ビーム偏向手段18は、例えば、回転軸44を介して移動可能であり得る。
迷光抑制構造1004aは、ファセット68aおよび68bのビーム偏向領域の間に配置される。迷光抑制構造1004aは、例えば、ビーム偏向手段18の第1の主面1008a上にのみ配置される。したがって、図示の視点では、ファセット68bの側縁が見える。ビーム偏向手段18の第2の後述する位置の間に有効であるように、ビーム偏向手段18の反対側の第2の主面1008b上で、さらなる迷光抑制構造1004cをファセット68aおよび68bのビーム偏向領域の間に配置することができる。したがって、主面1008aおよび1008bは、反射性であり得る。
図示した断面において、迷光抑制構造1004aは、多角形トポグラフィを有することができる。迷光抑制構造1004aの断面形状が多角形であることも考えられる。これは、迷光抑制構造1004aが、互いに対して任意に配置された任意の真っ直ぐなセグメントまたは曲がったセグメントから組み立てることができる任意の断面を有することができることを意味する。迷光抑制構造1004aの一部分1002aは、図示された第1の位置において、ビーム偏向手段18に面する少なくとも部分的に透明なカバー36aの表面と本質的に平行に配置されるように配置することができる。これにより、高い迷光抑制と、少なくとも部分的に透明なカバー36aと迷光抑制構造1004aとの間の短い距離が同時に可能となり、それによって、ライン延伸方向に垂直に、かつ、図2bに記載された方向1006に垂直に配置することができる方向1014に沿った多開口撮像デバイス3000の延伸が低く、またはさらには最小になる。多開口撮像デバイス3000の方向1014への延伸は、設置高さと考えることもでき、高さという用語は、空間における多開口撮像デバイス3000の位置に応じて、長さまたは幅のような他の用語と相互に交換可能でもあり、したがって、本明細書に記載された実施形態の文脈においていかなる限定的な効果も有しないことは明らかである。
図3bは、多開口撮像デバイス3000の概略側断面図を示し、ビーム偏向手段18が少なくとも部分的に透明なカバー36bを通る光チャネルの光路を偏向させる第2の位置にある。迷光抑制構造1004cは、例えば、迷光抑制構造1004aとは反対側の第2の主面1008b上に配置されている。迷光抑制構造1004cは、ビーム偏向手段18が第2の位置にあるとき、ビーム偏向手段18に面する少なくとも部分的に透明なカバー36bの表面に平行に配置された部分1012bを有することができる。
多開口撮像デバイス3000の迷光抑制構造1004aおよび1004cは、それぞれ同じファセット上のビーム偏向手段18の主面上に配置されるように記載されているが、さらなる実施形態によれば、対向する迷光抑制構造1004aおよび1004cを異なるファセット上に配置することもできる。例えば、迷光抑制構造1004aは、ファセット68a上に配置されてもよく、迷光抑制構造1004cはファセット68b上に配置されてもよく、またはその逆に配置されてもよい。さらなる実施形態によれば、迷光抑制構造1004aおよび1004cは、一体的に形成することもでき、例えば、ファセット68aまたは68bの表面を通じて突出することができる。ビーム偏向手段18が、迷光抑制構造がビーム偏向手段18の両主面に向けて突出する2つのファセット間の領域を含むことも可能である。
上記において、迷光抑制構造1004aおよび1004bの部分1012aおよび1012bはそれぞれ、ビーム偏向手段18がそれぞれの位置にある存在するときに、それぞれ少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび36bと平行であるように記載されている。部分1012aと少なくとも部分的に透明なカバー36aとの間の距離を0に減少させること、すなわち機械的接触を行うことが可能である。しかし、機械的相互作用、すなわち当接または相互の力の印加を防止するために、両方の構成要素、迷光抑制構造1004aおよび少なくとも部分的に透明なカバー36aの間の距離を維持することが有利である。これは、第1の位置において、迷光抑制構造1004aが、少なくとも部分的に透明なカバー36aから、したがって多開口撮像デバイス3000のハウジングから離間して(非接触で)配置されることを意味する。これは、ビーム偏向手段18の第2の位置における少なくとも部分的に透明なカバー36bに関して、迷光抑制構造1004bの部分1012bについても同様である。
ファセット68aおよび68bの各々が、それぞれビーム偏向手段18の一方の主面上に2つの反射ビーム偏向領域を有するように多開口撮像デバイス3000を説明したが、これはまた、ファセット68aに対向して、ファセット68aのビーム偏向領域に対向して配置されるビーム偏向領域を含むさらなるファセットが配置されるように考えることもできる。簡単に言えば、これは、2つの対向するビーム偏向領域を有するファセットはまた、2つの対向するファセットと考えることもできることを意味する。ビーム偏向手段は、第1の位置と第2の位置との間で回転移動することができるように記載されているが、さらなる実施形態によれば、これは並進的に、すなわち回転軸34と平行にシフトすることができ、位置に応じて第1の方向または第2の方向において光路を偏向させる、それぞれ異なる方向を向いたファセットを含むことができる。
以下でより詳細に説明するように、少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび/または36b上に切り替え可能な絞りを配置することができ、これは、少なくとも時折、画像品質をさらに向上させるために、画像センサに向かって光が入射することを防止するように構成されている。
言い換えれば、迷光抑制構造1004aおよび/または1004bは、ビーム偏向手段の第1の位置において、縁部、すなわち部分1012aが、光路が通過するカバーガラス(少なくとも部分的に透明なカバー36a)にほぼ平行に向けられるように、構成することができる。ビーム偏向手段の第2の位置において、第2の縁、すなわち部分1012bは、他方のカバーガラス、すなわち少なくとも部分的に透明なカバー36bにほぼ平行に向けられるように配置することができる。迷光抑制構造1004aおよび/または1004bのさらなる整形は、結像チャネル(光チャネル)内の光路の最大スクリーニングが得られ、ただし、同時に、ビーム偏向手段を回転させるときにカバーガラスがいずれも触れられないように構成することができる。
図4aは、多開口撮像デバイス3000と比較して、迷光抑制構造の間に配置された隆起部1014aおよび1014bをさらに備える、多開口撮像デバイス4000の概略側断面図である。図2aを参照すると、例えば、迷光抑制構造1004aおよび1004bは、隆起部1014aによって接続することができる。隆起部は、隣接する迷光抑制構造1004aと1004bとの間の一定の機械的安定性を可能にする材料を含むことができる。これは例えば、半導体材料、プラスチック材料および/または金属材料とすることができる。一実施形態では、隆起部1014は、その上に配置された迷光抑制構造と一体的に形成することができる。好ましい実施形態では、隆起部1014aは、光学素子64aおよび64bに向いている迷光抑制構造および/またはビーム偏向手段18の縁部に配置される。これはまた、いくつかの実施形態では、隆起部が他の縁部に配置されないように考えることもできる。回転軸を中心としてビーム偏向手段を第1の位置から第2の位置に切り替えるとき、これは、少なくとも部分的に透明なカバー36aと36bとの間の追加の設置高さまたは距離が必要ない、すなわち追加の設置高さが必要ないことを可能にする。これにより、ビーム偏向手段18のファセットが、光学素子から外方に面する面に関係し得ない3つの面上の領域内で迷光抑制構造によって取り囲まれることがさらに可能になる。
隆起部の配置は、多開口撮像デバイス4000の単純化された製造および/またはビーム偏向手段18上の迷光抑制構造の単純化された組み立てを可能にする。
言い換えると、隆起部は、機械的に安定するために特定の厚さを有することができる。例示的な厚さは、例えば、少なくとも100μmかつ最大で10mmの範囲内、少なくとも200μmかつ最大で1mmの範囲内、または少なくとも300μmかつ最大で500μmの範囲であり、これは十分に大きな安定性を提供するが、デバイスの設置高さを不必要に大きくすることはない。隆起部は、多開口撮像デバイス3000の設置高さ/厚さを一切またはわずかしか拡大しないため、光学素子に面する面にのみ配置されることが可能である。しかしながら、光学素子から外方に面する面にも隆起部を配置することは可能であるが、これは、設置高さ/厚さのより大きい拡大をもたらすことがあり、また、結像光路の口径食(画像縁部に向かって影ができる)がもたらされる可能性もあり、これは望ましくない。ビーム偏向手段は、カメラの視野方向が、例えば、例として携帯電話などの撮像システムの表面に関連する少なくとも前および後ろに向けられるように、その向きに関して変更することができる。
ビーム偏向手段は、物体領域および画像センサ12ならびに光学素子64aおよび64bを含むアレイの間の光チャネルの光路17を偏向させるように構成される。図3a〜図3bの文脈において説明したように、ビーム偏向手段は、可変の物体領域と画像センサ12との間で光路を偏向させるために可変の位置または向きを有することができる。光学素子領域とビーム偏向手段18との間で、光路17は、多開口撮像デバイスの出口領域、例えば、それぞれ少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび36b、またはハウジング内の開口部を通過する。
ビーム偏向手段18の第1の向きまたは位置では、レンズに面する隆起部1014aは、結像チャネル16aの中心光路17に対して、図4aに示されるようにレンズ64aおよび64bの光心の下に配置される。さらなる実施形態によれば、ビーム偏向手段18の傾斜はまた、隆起部1014aがレンズ64aおよび64bの下にあるように行うこともできる。「下」という用語は、例えば、図示された向きにおいて、図示された光路17および光チャネル16aの視野方向が、少なくとも部分的に透明なカバー36a(光路17が通過する多開口撮像デバイスの出口面)と隆起部1014aとの間を通るという事実に関する。「下」という用語は、空間における向きに関していかなる限定的な効果を有するものではなく、単に例示の目的を果たすに過ぎない。これにより、隆起部1014aは、光路17の外側に配置されるため、物体領域の部分領域の投影に影響を与えないことが可能である。したがって、多開口撮像デバイス4000’ではこれは見られない。図示したようなビーム偏向手段18の第2の向きまたは位置において、例えば図3bにおいて、レンズに面する隆起部1014bは、レンズ64aおよび64bの上に配置され、見えない。これに関連して、これは、第2の向きにおいて、光路17および光チャネル16aの視野方向がそれぞれ、少なくとも部分的に透明なカバー36b(多開口撮像デバイス4000’の出口面)と隆起部1014bとの間を通るように考えることができる。「上」という用語もまた、この文脈において、空間的な向きの上/下/左/右に対して限定的な効果を有せず、例示としてのみ考慮される。
このような配置は、レンズから外方に面する側、例えば部分1012上に配置された隆起部1014aまたは1014bが、2つの位置のいずれかに見られるか、または取り込まれ、画像に陰影を生じることを防止する。このような効果は、構造の厚さまたは設置高さが少なくとも隆起部の厚さだけ増加した場合に防止され得るが、これは多開口撮像デバイス4000’の設置高さを増大する結果となり、これは不利である。
ビーム偏向手段は、上部と底部の両方に鏡面反射領域を含む反射ファセットを有することができる。開口が設けられたカバーガラスをビーム偏向手段の上および下に取り付けることができる。
図4bは、図2aの変更された多開口撮像デバイスと考えることができる多開口撮像デバイス4000’の概略上面図を示す。多開口撮像デバイス2000と比較して、多開口撮像デバイス4000’は隆起部1014を備える。例えば、迷光抑制構造1004aおよび1004bがビーム偏向手段18の両主面に対して有効である場合、図4aの文脈で説明したように、1つの隆起部の配置のみで十分な機械的安定性を得ることができる。個々の隆起部は、2つの主面のうちの1つに配置することができる。代替的に、隆起部1014は、例えば、ビーム偏向手段18の主側縁の周りに形成されるという点で、両方の主面上に配置することもできる。隆起部1014と迷光抑制構造1004a〜dとを一体的に構成することができる。例えば、ビーム偏向手段の1つまたは2つの主面上に配置された迷光抑制構造は、隆起部1014によって互いに接続することができ、共通の構成要素としてビーム偏向手段18上に配置することができる。
図5は、本明細書で説明される実施形態による全物体領域または全視野を撮像するための概念の概略上面図である。多開口撮像デバイス5000は、例えば、各々が全視野の部分領域を撮像する4つの光チャネル16a〜dを含む。対の光路17aのチャネル個別偏向は、例えば、互いに別様に傾けられたビーム偏向手段18のファセット68a〜bによって得ることができる。光チャネル16a〜dは、ファセット68aおよび68bをいくつかのチャネルによって共有することができるように、傾斜した光軸を有することができる。ファセットを傾斜させることは、ビーム偏向手段18の単純化をもたらすことができる角度成分(光チャネル16a〜dのライン延伸方向に直交する)に沿って行うことができる。
図6aは、多開口撮像デバイス6000の一区画の概略上面図を示す。多開口撮像デバイス6000は、画像センサ12と、それぞれ、各々光学素子64aおよび64bを含む並置された光チャネル16aおよび16bのアレイ14とを含む。
これは、各光チャネル16aおよび16bが、画像センサのそれぞれ58a、58bおよび58c上に、物体領域26の少なくとも1つの部分領域74a〜cを投影するための光学素子64aおよび64bをそれぞれ備える。このようにして、光学素子64aは、例えば画像センサ領域58a上に部分領域74aを投射し、これは光路17aによって示されている。さらに、光学素子64aは、画像センサ領域58b上に部分領域74bを投射し、これは光路17bによって示されている。部分領域74aおよび74bは、物体領域26において分離しており、これは、これらが重なり合わず、および/または完全に異なることを意味する。
ビーム偏向手段18と組み合わされた各光チャネル16a〜bの部分視野の制限は、多開口撮像デバイス1000の設置高さの低減(主な効果)をもたらす可能性がある。これは、設置高さが多開口撮像デバイスの視野方向に対して垂直に実現されることにおいて得られる。さらに、部分視野を取り込むために、視野収差のより単純な補正が可能である(二次的効果)ため、チャネル辺りより少ないレンズを配置することができるため、各チャネルの光学素子の簡素化が得られる。
光チャネル16bの光学素子64bは、光路17cに示すように、部分領域74cを、画像センサ領域58c上に投影するように構成されている。部分領域74cは、部分領域74aおよび/または74bと重なっており、それによって、画像センサ領域58a、58bおよび58cの部分画像の画像処理により、物体領域26の全画像を得ることができる。代替的に、光チャネル16bは、光チャネル16aと同等に構成することもできる。これは、物体領域の2つの分離した部分領域が2つの画像センサ領域に向けられるように、2つの光路に影響を及ぼすことを意味する。
多開口撮像デバイス6000は、物体領域26に向けて方向付けられるように、光チャネル16aおよび16bの光路を偏向するように構成された任意選択のビーム偏向手段18を備える。光路17a、17bおよび17cは、画像センサ領域58a〜cと任意選択のビーム偏向手段18との間の共通平面内で互いに斜めに延伸することができる。これは、光チャネルおよび光路の視野方向がそれぞれ異なることができ、共通の平面内にあることができることを意味する。ビーム偏向手段18による偏向により、第2の方向に沿った視野方向を変えることができ、それによって、光路を偏向させることによって、互いに2次元的に分布した物体領域26の複数の部分領域を取り込むことができる。さらなる実施形態によれば、さらなる光チャネルを、光チャネル16aおよび16bに加えて配置することができる。代替的にまたは付加的に、物体領域のさらなる部分領域は、光学素子64aによって画像センサ12のさらなる(図示されない)画像センサ領域上に投影され、部分領域は各々互い分離されている。さらなる部分領域は、方向142および/または方向144に沿って部分領域74aに対してオフセットすることができる。ビーム偏向手段18は、物体領域内のそれぞれの部分領域がもはや互いから分離されないように、光路17aおよび17bを偏向させることができる。しかしながら、有利には、部分領域は、光路の偏向の後でさえも分離したままである。
簡単に言えば、互いに斜めに向けられた光路17aおよび17bは、部分物体領域74aおよび74bの互いの横方向のオフセットを許容する。ここで、図示されるように、部分物体領域74aおよび74bが物体領域26の第1の方向142に沿って互いにオフセットされるように、多開口撮像デバイス1000の実施態様を実施することができる。代替的にまたは付加的に、部分的物体領域74aおよび74bが、物体領域26内の第2の方向144に沿って互いに横方向にオフセットされていることも可能であり、両方のオフセット方向を組み合わせることもできる。方向142および144は、例えば、取り込まれるべき画像または取り込まれた画像の画像軸に平行であり得る。これは、ビーム偏向手段18なしで、互いに2次元的にオフセットされた部分領域74a〜74cを得ることもできることを意味する。
画像センサ12は、画像センサ領域58a、58bおよび58cを含むように図示されているが、さらなる実施形態による多開口撮像デバイスは、少なくとも2つ、3つまたはそれ以上の画像センサを備え、全体として、画像センサ領域58a、58bおよび58cの合計量を提供する。合計量は、少なくとも3つ、少なくとも6つ、または少なくとも9つのような、任意の数の画像センサ領域とすることができる。したがって、画像センサは、1つのみまたは複数の画像センサ領域58a〜cを含むことができる。多開口撮像デバイスは、1つまたは複数の画像センサを含むことができる。
画像センサ領域58a〜cの間の領域には、非感光性集積回路、電子構成要素(抵抗器、キャパシタ)および/または電気接続要素(ボンディングワイヤ、ビア)などを配置することができる。
任意選択的に、光チャネル16aおよび16bは、迷光が光チャネル16aまたは16bに入射することを少なくとも部分的に防止し、取り込まれる画像の品質を得るために、隣接する光チャネルの少なくとも部分的に不透明な構造1016a〜cおよび/または光チャネルの環境から少なくとも部分的に絶縁することができる。
換言すれば、多開口撮像デバイスは、各々が物体領域の一部の領域を伝達するいくつかの結像チャネル(光チャネル)を含むことができ、これらの部分領域は部分的に互いを被覆しまたは重なり合い、光チャネルの少なくとも1つは少なくとも2つの不連続な物体領域を投影する。これは、このチャネルの画像に間隙があることを意味する。光チャネルの数または総数は、全視野を完全に伝達し得る。
図6bは、物体領域の方向において画像センサ上の画像センサ領域58aと58bとの間に配置された少なくとも部分的に不透明な構造1018aをさらに備える、多開口撮像デバイス6000の概略上面図を示す。少なくとも部分的に不透明な構造1018aは、半導体材料、ガラス、セラミックもしくはガラスセラミック材料、プラスチック材料および/または金属材料を含むことができ、画像が多開口撮像デバイス6000によって取り込まれる波長範囲において少なくとも部分的に不透明であり得る。このようにして、例えば、赤外線取り込みにおいて、半導体材料が赤外線に対して透明である場合には、プラスチック材料または金属材料が半導体材料に比べて有利であり得る。代替的に、可視領域の波長に対して、金属材料がより高い生産労力、より高い重量および/またはより高いコストを引き起こす可能性があるため、半導体材料またはプラスチック材料が、金属材料と比較して有利であり得る。
少なくとも部分的に不透明な構造1018aは、画像センサ領域58aと58bとの間の迷光の抑制を可能にする。すなわち、光チャネルの部分画像間のクロストークが低減される。同じまたは類似の様式で、光チャネル16cは、少なくとも部分的に不透明な構造1018aと同じまたは類似の様式で形成することができる、少なくとも部分的に不透明な構造1018bを含む。
少なくとも部分的に不透明な構造1018aおよび1018bは、一定または可変の断面を有することができる。断面は、ライン延伸方向146に沿った寸法と考えることができる。ライン延伸方向146は、アレイ14内の光チャネルが配置される方向とすることができ、かつ/または画像センサ12と平行に延伸することができる。少なくとも部分的に不透明な構造1018aおよび1018bは、画像センサ12上に、または画像センサ12に隣接して配置される。アレイ14に向かう方向において、少なくとも部分的に不透明な構造1018aおよび1018bの断面は先細になる。これにより、光路17aおよび17bならびに17dおよび17eにそれぞれ適合する、少なくとも部分的に不透明な構造1018aおよび1018bの幾何学形状が可能になる。したがって、少なくとも部分的に不透明な構造1018aおよび1018bは、画像センサ12の画像センサ領域の間に配置され、光チャネル16a〜dの間および画像センサ領域の間のチャネル分離を改善することができる。画像センサ領域58a〜cの間の少なくとも部分的に不透明な構造1004aおよび1004bの背後の領域には、非感光性集積回路、電子構成要素(抵抗器、キャパシタ)および/または電気接続要素(ボンディングワイヤ、ビア)などを配置することができる。
図6cは、光チャネル16aおよび16cが部分領域光学素子1022a〜1022dを備える、多開口撮像デバイス6000の概略上面図を示す。部分領域光学素子1022a〜1022dは、例えば、レンズ、屈折または回折素子とすることができ、各々が排他的に1つの部分領域に割り当てられる。したがって、例えば、部分領域光学素子1022aは、光路17aに影響を与え、光路17bに影響を与えないように構成されている。光路17aは、例えば図1に関連して説明したように、部分領域74aを投影するために使用することができる。部分領域光学素子1022bは、例えば部分領域74bを投影する光路17bに影響を与えるように構成することができる。部分領域光学素子1022bは、光路17aに影響を与えないように構成されている。代替的に、光チャネル16aは、部分領域光学素子1022aもしくは1022bのうちの1つだけ、および/または、光路17aもしくは17bのみに割り当てられたさらなる部分領域光学素子を備えてもよい。部分領域光学素子1022aおよび/または1022bは、例えば、少なくとも部分的に不透明な構造1018aに機械的に固定され得る。代替的または付加的に、部分領域光学素子1022aは、構造1018aまたは1016aに機械的に固定することができる。同様に、部分領域光学素子1022bは、構造1018bおよび/または1016bに機械的に固定することができる。代替の実施形態によれば、部分領域光学素子1022aおよび/または1022bは、光学素子64aに機械的に接続され、これを介して画像センサに対して懸垂され得る。さらなる実施形態によれば、光学素子64aは、部分領域光学素子1022aおよび/または1022bに機械的に接続され、これを介して画像センサ12に対して懸垂され得る。
部分領域光学素子1022aは、例えば、屋根型プリズムとして製造することができる。部分領域光学素子1022aおよび1022bは、例えばまた、2つの部分にかつ/または鏡面対称に分割された屋根型プリズムの2つの部分であってもよい。屋根プリズムは、例えば、平面1024に対して鏡面対称であり得る。
部分領域光学素子1022cおよび1022dも各々、1つの部分領域に排他的に割り当てられ、それぞれの画像センサ領域へのその投影に影響を与えることができる。光チャネル16aまたは16cがそれぞれ2つの部分領域光学素子1022aおよび1022bならびに1022cおよび1022dを含む場合、2つの部分領域光学素子は同一に構成することができる。部分領域光学素子1022aおよび1022bは、例えば、対称面1024の周りに鏡面対称に配置することができる。
対称面1024は、部分領域光学素子1022aおよび1022bによって共有され、アレイ14のライン延伸方向146に垂直に延伸する光学素子64aの光軸1026を含むように、空間内に配置することができる。対称面1024および軸1026は、図7cにおいてお互いに一致して示されていないが、平面1024は軸1026を含むため、平面1024および軸1026は一致する。一致していない図解は、より良好な図解に役立つに過ぎない。一実施形態によれば、光学素子64aは、光学素子64aの結像機能が光学素子64aの主視野方向に対して回転対称であるか、または対称面1024に対して鏡面対称であるように構成される。これにより、光路17aおよび17bが光学素子64aによって対称的に影響を受けることが可能になる。
部分領域光学素子1022aおよび1022bの鏡面対称配置または実装は、光学素子64aを対称的に構成することもできるような、光路17aおよび17bの対称的な影響を可能にする。これにより、例えば、対称な偏向、または、対称的に分布された部分物体領域に向かう光路に影響を与えることが可能である。例えば、物体領域内の部分領域の不規則な分布が意図される場合など、光学素子64aが鏡面対称でないように、多開口撮像デバイス7000を構成することもできる。代替の実施形態によれば、部分領域光学素子1022aおよび1022bはまた、例えば、2つの光路17aおよび17bの非相称または非対称の歪みが意図される場合に、平面1024に関して非対称であってもよい。
言い換えれば、分離構造1018aおよび1018bは、物体に向かう方向において部分領域の間で先細になる。分離構造(少なくとも部分的に不透明な構造)1018aおよび1018bは、光軸1026に対して対称的に構成することができる。各々1つの部分領域のみによって使用されるレンズ、例えば部分領域光学素子1022aおよび1022bを配置することができる。これらのレンズは、光学特性に関して、同一であってもよく、および/または光軸1026に対して鏡面対称に配置されてもよい。さらに、回転対称性は実施されなくてもよい。
部分領域光学素子1022a〜dは、いくつかの層、すなわちいくつかの面に構成することができ、したがって、各々が、2つ以上のレンズ、屈折面または回折面から構成することができる。光学素子16aおよび16cはまた、多層方式で構成することもでき、それゆえ、2つ以上のレンズ、屈折面または回折面から構成することができる。
図7aは、第1の多開口撮像デバイス1000aおよび第2の多開口撮像デバイス1000bを備える撮像システム7000の概略上面図を示す。代替的にまたは付加的に、撮像システム7000は、多開口撮像デバイス2000,3000,4000,5000または6000のような、本明細書に記載された異なる多開口撮像デバイスを備えることができる。多開口撮像システムは、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットまたはモニタとして実装することができる。
多開口撮像デバイス1000aおよび1000bは、各々モジュールと呼ぶことができる。モジュールの各々は、撮像システム7000が、モジュール1000aおよび1000bによって立体視的に全視野を取り込むように実装されるように、全視野を完全またはほぼ完全に取り込むように構成および配置することができる。これは、撮像システム7000が、例えば立体構造を含むことを意味する。さらなる実施形態によれば、撮像システムは、三重構造、四重構造またはより高次の構造のようなさらなる追加のモジュールを含む。
図7bは、撮像システム7000の変形例として考えることができる、撮像システム7000’の概略上面図を示す。モジュール1000aおよび1000bは、共通の画像センサ12を備えることができる。代替的または付加的に、モジュール1000aおよび1000bは、共通のビーム偏向手段18を備えてもよい。代替的または付加的に、モジュール1000aおよび1000bは、並置された光チャネル16の共通アレイ14を備えてもよい。さらなる実施形態によれば、撮像システムは、他の共通構成要素を備えることもできる。これは、例えば、第1の多開口撮像デバイスおよび第2の多開口撮像デバイスの焦点を共通に調整するための少なくとも1つのアクチュエータを含む共通の焦点合わせ手段であってもよい。代替的にまたは付加的に、共通の構成要素は、第1の多開口撮像デバイスまたは第2の多開口撮像デバイスの画像センサとアレイまたはビーム偏向手段との間の並進相対移動を生成することによって、第1の画像軸および第2の画像軸に沿った画像安定化のための、第1の多開口撮像デバイスの少なくとも1つの光路および第2の多開口撮像デバイスの少なくとも1つの光路に対して共同効果を有する、光学画像安定化装置であってもよい。代替的にまたは付加的に、共通の構成要素は、第1の多開口撮像デバイスの少なくとも1つの光路および第2の多開口撮像デバイスの少なくとも1つの光路に対して共同効果を有する、光学画像安定化装置であってもよく、光学画像安定化装置は、第1の画像軸に沿った画像安定化のために、画像センサとアレイとの間の並進相対移動を生成し、第2の画像軸に沿った画像安定化のために、第1の多開口撮像デバイスのビーム偏向手段または第2の多開口撮像デバイスのビーム偏向手段の回転運動を生成するように構成されている。これらの構成要素については、以下でさらに詳しく説明する。言い換えれば、モジュールは連続させることができ、結果として単一の共通モジュールにすることができる。
以下では、少なくとも1つの多開口撮像デバイスを含むデバイスを参照する。デバイスは、少なくとも多開口撮像デバイスを用いて物体領域を撮像するように構成された撮像システムとすることができる。以下に説明するような多開口撮像デバイスは、例えば、多開口撮像デバイス1000,2000,3000,4000,5000または6000とすることができる。
図8aは、第1の動作状態にある一実施形態によるデバイス10の概略側断面図を示す。デバイス10は、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータおよび/または携帯音楽プレーヤなどのモバイルコンピュータなどの移動可能または固定デバイスとすることができる。
デバイス10は、画像センサ12と、並置された光チャネル16のアレイ14と、ビーム偏向手段18とを備える、多開口撮像デバイス1000,2000,3000,4000,4000’、5000および/または6000などの多開口撮像デバイス11を含む。ビーム偏向手段18は、光チャネル16の光路17を偏向させるように構成されており、下記に詳細に論じる。デバイス10は、ハウジング容積24を囲む外面23を有するハウジング22を含む。これは、ハウジング容積24がハウジング22の内部容積とハウジング22の容積とを含むことができることを意味する。したがって、ハウジング容積はまた、ハウジング壁によって得られる容積をも含み、したがって、ハウジングの外面23によって囲まれる。ハウジング22は、透明または不透明に形成することができ、例えば、プラスチック材料および/または金属材料を含むことができる。ビーム偏向手段18は、ハウジング容積24の内部に第1の位置を有する。マイクロフォンの音響チャネルまたはデバイス10の電気的接触などのためのハウジングの側面の穴または開口部は、ハウジング容積24を決定するためには無視することができる。ハウジング22および/またはハウジング22内に配置された部材は、ビーム偏向手段18による偏向後に光チャネル16の光路17を遮る可能性があり、それによって、多開口撮像デバイス11によって取り込まれることになる、ハウジング22の外側に配置された視野26は、まったく、または、限られた範囲でしか取り込むことができない。部材は、例えば、アキュムレータ、プリント回路基板、ハウジング22の不透明領域などであり得る。換言すれば、従来のカメラ対物レンズの代わりに、異なる、場合によっては非光学的なデバイスをハウジング上に配置することができる。
ハウジング22は、ハウジング容積24がそれを通じてハウジング22の外部容積25に接続される開口部28を備えることができる。時折、開口部28は、カバー32によって完全にまたは部分的に閉じられ得る。デバイス10の第1の動作状態は、光チャネル16が、例えばハウジング22の内側に向けられているか、まったく偏向されていない多開口撮像デバイス11の非アクティブ動作状態とすることができる。
換言すれば、多開口撮像デバイスの構造の設置高さは、光チャネル16(レンズ)の光学素子の直径によって少なくとも部分的に決定される。(場合によっては最適な)場合には、この厚さ方向におけるミラー(ビーム偏向手段)の延伸は、この方向におけるレンズの延伸に等しい。しかし、ここでは、光チャネル16の光路はミラー18によって制限される。この結果、画像輝度が低減し、この低減は画角に依存する。本実施形態は、カメラの動作状態において、カメラの非使用状態と比較して、構造の部分が、例えばスマートフォンのハウジングを越えて突出するように、マルチチャネルカメラ構造の部分または全体を動かすことによって、この問題を解決する。ビーム偏向手段のような部品の動きは、回転(展開または折り畳み開放)、並進(伸長)または混合の形態とすることができる。部品およびシステム全体の付加的な動きは、それぞれ、コンパクトカメラの既知の対物レンズと同様の、カメラの非使用モードにおける最小の構造形状、および、技術的な機能の実現のために最適化されたカメラの使用モードにおけるより大きい構造形状を可能にする。
図8bは、第2の動作状態にあるデバイス10の概略側断面図である。第2の動作状態では、ビーム偏向手段18は、ハウジング容積24の外側の第2の位置を有する。これにより、ビーム偏向手段18は、光チャネル16の光路17をハウジング容積24および視野26の外側に偏向させることを可能にし、それにより、多開口撮像デバイス11によってハウジング22の外部でこれを取り込むことができる。カバー32は、ビーム偏向手段18がハウジング22の開口部28を通ってハウジング容積24から外方に移動することができるように、図1aに示す位置から外方に移動させることができる。ビーム偏向手段18は、第1の位置と第2の位置との間で並進および/または回転運動することができる。ハウジング22の内部の部材および/またはハウジング22自体は、光チャネル16の偏向された光路17を遮断しないことが有利である。
多開口撮像デバイス11は、ここでも少なくとも部分的にハウジング22の内部に配置されたカメラハウジング内に配置することができる。カメラハウジングは、例えば、図12の文脈で説明したような走行台車によって、少なくとも部分的に形成することができる。これは、本事例においては、画像センサおよび/または結像光学素子の回転または傾きを防止することができるという点において、単一チャネルカメラが折り畳み機構によって異なる方向に向けられているという概念とは異なる。
全視野は、ビーム偏向手段が第1の位置から開始して、第2の位置に移動され、そこでビーム偏向手段が少なくとも部分的にハウジング容積の外側に配置されるように、デバイス10によって取り込むことができる。ビーム偏向手段が第2の位置にあるとき、ビーム偏向手段によって光路が偏向される多開口撮像デバイスの並置された光チャネルのアレイによって全視野を取り込むことができる。
図9aは、第1の動作状態にあるさらなる実施形態によるデバイス20の概略側断面図を示す。デバイス20は、たとえば接続要素34aおよび/または任意選択の接続要素34bを介して、ハウジング22上で枢動されるカバー23を備える。接続要素34aおよび/または34bは、ハウジング22に対してビーム偏向手段18のカバー23の間で傾斜すること、したがって回転運動を可能にするように構成することができ、例えばヒンジまたはローラベアリングとして形成することができる。
ビーム偏向手段18は、ハウジングのカバーを形成することができ、またはその一部分とすることができる。ビーム偏向手段18のビーム偏向面の1つは、ハウジングの外縁とすることができる。ビーム偏向手段18は、第1の位置を有し、ハウジング22の一部または全部を閉じる。ビーム偏向手段18は、例えば、光路17を偏向させるための反射領域を含むことができ、第1の位置においてハウジング22と機械的接触を形成するように構成された接触領域を含むことができる。簡単に言えば、カメラは使用していないときには見えないか、またはほとんど見えないものであり得る。
図9bは、第2の動作状態にあるデバイス20の概略側断面図である。第2の動作状態では、ビーム偏向手段18をハウジング22に対して回転移動させる、すなわち折り畳んでハウジング容積24を開くことができる。回転傾斜は、画像センサ12とビーム偏向手段18との間の光チャネル16の光路17の過程に対してビーム偏向手段18の傾斜したまたは傾倒した向きを可能にし、それによって、光路17は、ビーム偏向手段18において第1の方向19aに偏向される。
図9cは、第3の位置にあるデバイス20の概略側断面図を示す。デバイス20は、第2の動作状態にあり得る。図9bに示す第2の位置と比較して、ビーム偏向手段18は、光チャネル16の光路17を異なる方向19bに偏向させることができ、それによって、異なる視野または異なる位置に位置決めされている視野を取り込むことができる。例えば、これは、光路17が偏向されるデバイス20および/またはユーザの前側および後側、左および右または上および下のような、第1の側および反対側とすることができる。接続要素34aおよび34bは、例えばフレーム構造およびビーム偏向手段18に接続することができ、それによって、ビーム偏向手段18は代替的に第2の位置または第3の位置を含むことができる。多開口撮像デバイスの切り替え可能な視野方向によって、特に前および後ろの視野方向を有する2つのカメラを使用するスマートフォンにおける従来のソリューションを、1つの構造に置き換えることができる。
図10aは、第1の動作状態にあるさらなる実施形態によるデバイス30の概略側断面図を示す。図3a〜図3cに記載された装置20と比較して、デバイス30は、ハウジング22の外縁23と多開口撮像デバイス11との間に配置された少なくとも部分的に透明なカバー36を備える。少なくとも部分的に透明なカバーは、ビーム偏向手段18に接続され、ビーム偏向手段18の移動に基づいて移動するように構成されている。少なくとも部分的に透明なカバー36は、例えば、ポリマーおよび/またはガラス材料を含むことができる。
言い換えれば、封入された容積(可動カバーガラス)を変更するオプションにより、除染からの保護のために光学素子の封入を可能にするデバイスを提供することができる。
図10bは、第2の動作状態にあるデバイス30の概略側断面図である。図9bのデバイス20と比較して、少なくとも部分的に透明なカバーは、少なくとも部分的にハウジング容積24から外に移動されている。これは、接続要素34の回りでのビーム偏向手段の回転運動によって行うことができる。ビーム偏向手段18は、光チャネルが少なくとも部分的に透明なカバーを通じて延伸するように、光チャネル16の光路17を偏向させるように構成されている。カバー36は、ハウジング容積部24内への粒子、塵芥および/または湿気の侵入を低減または防止するように構成される。ここで、カバー36は、光路17に対して透明および/または部分的に不透明に形成することができる。カバー36は、例えば、電磁放射の特定の波長範囲に対して不透明であってもよい。光チャネルの光学素子の汚染が低いため、粒子、塵芥および/または湿気の量が減少することに起因して、デバイスの長い動作寿命および/または連続的に高い画像品質を得ることができることが、カバー36の利点である。
図10cは、デバイス30の概略側断面図を示し、ビーム偏向手段18が、画像センサ12と光チャネル16との間の光路17の方向xに垂直で、光チャネル16のアレイのライン延伸方向に垂直な方向zに垂直な方向yに沿って、任意選択のアクチュエータ38と共に並進移動可能である。ビーム偏向手段18はまた、回転運動に基づいて、例えばガイド、水平面などの周りの回転運動に基づいて、接続要素34の周りで並進移動させることもできる。折り畳み(回転運動)は、手動でまたはアクチュエータを用いて行うことができる。任意選択のアクチュエータ38は、ビーム偏向手段18上に配置することができる。代替的に、アクチュエータ38は、ハウジング22とビーム偏向手段18との間に配置することができる。アクチュエータ38は、例えば、ハウジング22と接続要素34aとの間、および/または接続要素34aとビーム偏向手段18との間に配置することができる。ビーム偏向手段がハウジングのx方向に沿って並進運動することに起因して、ハウジング22によって取り込まれることになる視野の影が減少することができることが有利である。
図11aは、第1の動作状態にある一実施形態によるデバイス40の概略側断面図を示し、第1の位置では、ビーム偏向手段18は、ハウジング22のハウジング容積の内側に配置され、並進運動42に基づいて、第1の位置から図11bに概略的に示されている第2の位置まで移動されるように構成されている。図11aに示すように、ハウジングは、第1の動作状態において、ハウジング22およびその中の開口部をそれぞれ閉じるカバー32を備えることができる。ビーム偏向手段18は、第1の動作状態において、ハウジング22の内部の光路によって画定される方向xに垂直な最小の延伸を有するように、向けられ得る。
図11bは、第2の動作状態にあるデバイス40の概略側断面図である。ビーム偏向手段は、並進運動42に基づいて、例えばx方向に沿ってハウジング容積24から外方に移動される。このために、ビーム偏向手段18は開口部28を通じて動かすことができる。ビーム偏向手段18は、回転軸44の周りを回転可動である。第1の動作状態と第2の動作状態との間の並進運動の間、ビーム偏向手段18は、回転軸44の周りの回転運動を行うことができる。ビーム偏向手段の角度方向は、多開口撮像デバイスの光路によって使用されるビーム偏向手段の面積が、第1の動作状態と比較して増大するように、図11aの第1の動作状態と比較して修正することができる。回転軸44を中心とする回転運動46は、光路16とビーム偏向手段18との間で光路17に対してビーム偏向手段18を可変に傾けることを可能にし、したがって光チャネル16の光路17が偏向される方向を可変にすることができる。光チャネル16は、光学素子64a〜bを含むことができる。
ビーム偏向手段18に加えて、光チャネル16および/または画像センサ12の光学素子64a〜bは、第2の動作状態においてハウジング容積24の外側に配置することができる。例えば、光チャネル16の光学素子64a〜bおよび/または画像センサ12は、ビーム偏向手段18と共に移動することができる。これは、特に第2の動作状態において、光チャネルの光学素子64a〜bとビーム偏向手段18との間の短距離から最短距離を可能にする。短距離は、ビーム偏向手段18の小さな表面積を可能にする。距離が増加すると、光チャネル16の散乱光路を完全に偏向させるためのビーム偏向手段18の面積が必然的に大きくなる。短距離または最短距離に起因して、ビーム偏向手段18はまた、小さい面積を有することもでき、より小さな部材を移動させなければならず、回転運動によって、ビーム偏向手段18が配置されていない状態に対してはデバイスの厚さをわずかしか増やしてはならないか、またはまったく増やしてはならないため、これは有利である。小型であることは、例えば第1の動作状態において、設置スペースの要件に有利な効果も有する。
言い換えれば、線形チャネル構成を有する多開口カメラは、並置され、各々が全視野の一部分を伝達するいくつかの光チャネルを含む。有利には、結像レンズの前に、ビーム偏向のために使用することができるミラーが取り付けられ、設置高さの低減に寄与する。ファセットミラーのような、チャネルごとに適合されたミラーと組み合わせて、ここで、ファセットは平面であるかまたは任意の様式で湾曲し、または自由形態の領域が設けられている、有利には、光チャネルの結像光学素子が本質的に同一の構造になっており、一方で、チャネルの視野方向が、ミラーアレイの個々のファセットによって予め決定されることが可能である。ビーム偏向手段の表面は、少なくとも、光チャネルに割り当てられた反射ファセットにおいて鏡面反射される。チャネルの結像光学素子が、異なる視野方向がミラーファセットの角度およびそれぞれの光チャネルの実施態様によってもたらされるように、別様に実装されることも可能である。さらに、いくつかのチャネルがビーム偏向手段の同じ領域を使用し、したがってファセットの数がチャネルの数よりも小さいことが可能である。ここでは、偏向ミラーを旋回させることができ、回転軸は、例えばチャネルの延伸方向に平行に延伸する。偏向ミラーは、両面で反射性であり得、金属または誘電体層(シーケンス)が使用され得る。ミラーの回転は、1つまたは複数の方向に沿って同様または安定であり得る。回転運動に基づいて、ビーム偏向手段は、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり得、光路は各位置において異なる方向に偏向される。図9〜図9cのビーム偏向手段18の位置について説明したのと同様の方法で、ビーム偏向手段を回転軸の周りで移動させることもできる。ハウジングカバー32およびビーム偏向手段18の並進運動に加えて、多開口撮像デバイスの部品およびすべての追加の構成要素は、それぞれ、同じ方向に並進的に共動することができ、同じまたは異なる走行範囲も可能である。
図12aは、デバイス50の概略側断面図を示し、カバー32がハウジング22のハウジング側面22b上の移動要素34を介して回転可動に配置されている。ビーム偏向手段18は、走行台車47に機械的に接続することができる。走行台車47は、少なくともビーム偏向手段18を移動させる機械的輸送手段と考えることができる。デバイス50は、走行台車47を並進移動させるように構成されたアクチュエータ33を含むことができる。アクチュエータは、ステップモータ、圧電駆動装置またはボイスコイル駆動装置などの任意の駆動装置を含むことができる。アクチュエータ33の代わりに、またはアクチュエータ33に加えて、デバイス50は、カバー32およびハウジングを少なくとも、1つのハウジング側面22aに固定する機械的ロック35を解放するように構成されたアクチュエータ33’を含むことができる。ビーム偏向手段または走行台車47は、ロック33’が解放されたときに、ばね力によってハウジングから外方に駆動することができる。これは、ビーム偏向手段18を第1の位置に維持するようにロック35を構成できることを意味する。走行台車47は、デバイス40内に配置することもできる。これは、走行台車47をカバー32の並進運動のために使用することもできることを意味する。
図12bは、デバイス50の概略側断面図を示し、走行台車47が移動42の並進方向に沿って移動され、それによって、ビーム偏向手段18がハウジング容積24から外方に移動されている。画像センサ12および/または光チャネル16の光学素子は、走行台車47に機械的に接続することもでき、ビーム偏向手段18と共に同じ範囲まで移動させることができる。代替的に、画像センサ12、および/または光チャネル16の光学素子は、ビーム偏向手段18よりも小さい範囲まで移動可能であり得、それによって、画像センサ12、光学素子および/またはビーム偏向手段18の間の距離が伸張中に増加する。代替的にまたは付加的に、画像センサ12および/または光チャネルの光学素子は、ビーム偏向手段18だけが走行台車47によって移動されるように、ハウジングに対して静止して配置することができる。伸張中に画像センサ12、光学素子および/またはビーム偏向手段18の間の距離が増加することにより、第1の動作状態における構成要素の距離をより小さくすることが可能であり、それによって、多開口撮像デバイスをハウジング22内に収容する設置スペース要件を小さくすることができる。
図12cは、第2の動作状態にあるデバイス50の概略側断面図である。ビーム偏向手段は、例えばデバイス40について説明したように回転運動46を行うために旋回させることができる。図11bの文脈において説明したように、ビーム偏向手段18の角度方向は、多開口撮像デバイスの光路によって使用されるビーム偏向手段の面積が、第1の動作状態と比較して増大するように、図12aの第1の動作状態または図12bの状態と比較して修正することができる。光チャネル16および画像センサ12にそれぞれ対向するビーム偏向手段18の側面は、それぞれこの方向に沿った画像センサ12、および光チャネル16の寸法Aよりも大きい、例えばy方向に沿った、並進運動方向42に垂直な寸法Bを有することができる。寸法Bは、例えば、アレイのライン延伸方向に対して垂直であり、光チャネルが当たる画像センサの表面に平行である。これにより、ビーム偏向手段18により大きな光量を偏向させることができ、取り込まれるべき画像の輝度が高くなるという効果が得られる。図12aに示す位置では、延伸または寸法Bは、図12cに示す位置またはビーム偏向手段18が光路を別の視野方向に向ける位置よりも小さい。
図13aは、第1の動作状態にある一実施形態によるデバイス60の概略側断面図を示す。ビーム偏向手段18は第1の位置にある。デバイス40ならびに図4aおよび図4bに記載されたデバイスと比較して、デバイス50は、カバー32に接続され、並進運動方向42に沿ってカバー32とともに移動することができる、少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび36bを備える。少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび36bは各々、ビーム偏向手段とハウジング22との間でビーム偏向手段18の異なる側に配置することができる。第1の動作状態では、カバー36aおよび36bは、部分的にまたは完全にハウジング容積24の中に配置することができる。カバー36aおよび36bは、例えば、図12a〜図12cに示す走行台車47上に配置することができ、または走行台車47の透明領域とすることができる。
図13bは、ビーム偏向手段18が第1の位置と第2の位置との間の中間位置にある、デバイス60の概略側断面図を示す。ビーム偏向手段の中間位置は、例えば、ビーム偏向手段18のハウジング容積24への引き込みまたはビーム偏向手段18のハウジング容積24からの伸張の間に得ることができる。ビーム偏向手段18は、部分的にハウジング容積24から外方に移動される。
図13cは、ビーム偏向手段18が第2の位置にある、すなわちビーム偏向手段18が例えばハウジング容積24から完全に伸張されているデバイス60の概略側断面図を示す。少なくとも部分的に透明なカバー26aおよび36bは、ハウジング22aおよび22bの側面の間の相当する距離よりも小さい、互いに対する48の距離を有する。
図13dは、少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび36bの間の距離が、図13a〜図13cと比較して拡大されている、デバイス60の概略側断面図を示す。少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび/または36bは、それぞれ並進運動方向52aおよび52bに沿って、例えば、それぞれの他方の少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび36bから外方に面する正または負のy方向に沿って移動可能であり得る。図13a〜図13cに示す少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび36bの状態は、引き込み状態または折り畳み状態と考えることができる。図13dに示された状態は、少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび36bの間の距離48’が、距離48に対してそれぞれ変更および拡大された伸張状態または展開状態と考えることができる。距離48’は、例えば、ハウジング22の相当する側面の間の距離以上であり得る。ビーム偏向手段18は、光路が、少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび36bを通じて延伸するように、光チャネルの光路を偏向させるように構成されている。図11b、図12aおよび図12bの文脈において説明したように、ビーム偏向手段18の角度方向は、多開口撮像デバイスの光路によって使用されるビーム偏向手段の面積が、第1の動作状態と比較して増大するように、図13aの第1の動作状態または図13bもしくは図13cの状態と比較して修正することができる。代替的にまたは付加的に、拡大された距離48’は、回転運動46の範囲を増加させることができる。回転運動46により、ビーム偏向手段18は、少なくとも第1の位置とさらなる位置との間で切り替え可能であり得、各位置は、多開口撮像デバイスの視野方向に割り当てることができる。ミラーの回転は、1つまたは複数の方向に沿って同様または安定であり得る。多開口撮像デバイスの視野方向を変更するための回転移動46は、図19の文脈で説明した光学像安定化のためのビーム偏向手段18の回転移動と組み合わせることができる。カバー36aおよび/または36bは、多開口撮像デバイスの他の構成要素を封入することができる。
対向して配置されたカバー36aおよび/または36bおよびその透明領域はそれぞれ、例えば、ビーム偏向手段の上方および/もしくは下方に、またはビーム偏向手段の任意の方向に沿って切り替え可能な絞りが導入されるように、切り替え可能な絞りを備えることができる。絞りは、カメラの動作状態および視野方向に応じて切り替えることができる。例えば、使用されていない多開口撮像デバイスの視野方向は、迷光の侵入を低減するために絞りによって少なくとも部分的に閉じることができる。絞りは、例えば、機械的に移動されてもよく、またはエレクトロクロミックであってもよい。絞りの影響を受ける領域には、付加的に、非使用の場合に光学構造を被覆する切り替え可能な絞りを設けることができる。絞りは電気的に制御可能であり得、エレクトロクロミック層(シーケンス)を含むことができる。絞りは、機械的に動かされる部分を含むことができる。この動きは、空気圧、液圧、圧電アクチュエータ、DCモータ、ステップモータ、熱アクチュエータ、静電アクチュエータ、電歪アクチュエータおよび/または磁歪アクチュエータまたは駆動装置を用いて行うことができる。視野方向が絞りを貫通する多開口撮像デバイスの状態では、光チャネルの光路を通過させるように絞りを切り替えることができる。これは、多開口撮像デバイスが第1の動作状態と第2の動作状態とを有することができることを意味する。ビーム偏向手段は、第1の動作状態の光チャネルの光路を、カバー36aの第1の透明領域を通過するように偏向させることができる。第2の動作状態では、光チャネルの光路は、カバー36bの第2の透明領域を通過するように偏向させることができる。第1の絞り53aは、第2の動作状態において第1の透明領域を光学的に少なくとも部分的に閉じるように構成することができる。第2の絞り53bは、時折、第1の動作状態において第2の透明領域を光学的に少なくとも部分的に閉じるように構成することができる。このようにして、多開口撮像デバイスの現在の視野方向ではない方向からの迷光の入射を低減することができ、これは画質に有利な効果をもたらす。第1の絞り53aおよび/または第2の絞り53bは、少なくとも1つ、少なくとも2つまたはすべての光チャネルに対して有効であり得る。例えば、多開口撮像デバイスの少なくとも1つ、少なくとも2つまたはすべての光チャネルは、光チャネルの光路が第1の透明領域を通って導かれるときに第1の絞りを通過することができ、光チャネルの光路が第2の透明領域を通って導かれるときに第2の絞りを通過することができる。
図2および図3によるビーム偏向手段を展開するための機構を、並進運動のための機構と組み合わせることが可能である、すなわち、混合形態が生じ得ることに留意されたい。場合によって撮像モジュール、すなわち光チャネル、その光学素子および/または画像センサがハウジング容積から外方に移動されるように、ハウジングの展開および/またはビーム偏向手段の伸張を実施することができる。ビーム偏向手段の角度変化は、多開口撮像デバイスの厚さ方向への延伸を大きくすることを可能にすることができ、および/または、ビーム偏向手段が妨げられないように光路を「前」および「後ろ」に向けて偏向させることができる。カバー36のようなカバーガラスは、展開または伸張した要素に対して固定することもできる。カバーガラスは、任意の平面または非平面の表面を有することができる。
図14は、3つの多開口撮像デバイス11a〜cを有する一実施形態によるデバイス70の概略斜視図を示す。多開口撮像デバイス11a〜cは、それぞれの並進移動方向42a〜cに沿って並進移動可能であり得る。多開口撮像デバイス11a〜cは、ハウジング22の二次面22c〜fに配置することができる。ハウジングは、平らに形成することができ、これは、第1のハウジング方向、例えばx方向に沿ったハウジング22の第1の伸長、および第2のハウジング方向、例えばz方向に沿ったハウジング22の第2の伸長が、y方向のような第3のハウジング方向に沿ったハウジング22の第3の延伸と比較して、少なくとも3倍、少なくとも5倍または少なくとも7倍の寸法を有することができることを意味する。ハウジング22の主面22aおよび/または22bは、第1の寸法および第2の寸法を有することができ、例えば、空間内でx/z平面に平行に配置することができる。二次面22c〜fは、主面22aおよび22bを接続することができ、それぞれ、それらの間に配置することができる。
多開口撮像デバイス11aおよび11bは、ハウジング22の同じ面22d内または上に配置することが可能であり、立体視目的などのために、例えば、互いに対するベース距離BAを有することができる。3つ以上のモジュールも可能である。このようにして、多開口撮像デバイス11cならびに少なくとも1つのさらなる多開口撮像デバイス11aおよび/または11bの使用によって、全視野を、例えば、立体視的にまたはより高次に取り込むことができる。多開口撮像デバイス11a、11bおよび/または11cは個別に移動可能であり得る。代替的に、2つ以上のモジュールがシステム全体として共に移動可能でもあり得る。
以下で詳細に説明するように、デバイス70は、少なくとも立体視的に全視野を取り込むように構成することができる。全視野は、例えば、主面22aもしくは22bの一方に配置されるが、または二次面22c〜fに配置することもできる。例えば、多開口撮像デバイス11a〜cが各々、全視野を取り込むことができる。多開口撮像デバイス11a〜11cは、互いから空間的に離間して図示されているが、多開口撮像デバイス11a、11bおよび/または11cは、空間的に隣接してまたは組み合わせて配置することもできる。可能性として単一のライン内に配置される撮像デバイス11aおよび11bのアレイは、例えば、図20bの文脈で説明されているように、互いに横並びにまたは互いに平行に配置することができる。アレイは、互いに対してラインを形成することができ、各多開口撮像デバイス11aおよび11bは、単一ラインアレイを含む。撮像デバイス11aおよび11bは、共通のビーム偏向手段および/または光チャネルの光学素子の共通のキャリアおよび/または共通の画像センサを備えることができる。
図15は、デバイス70ならびに多開口撮像デバイス11aおよび11bの一区画の拡大斜視図を示す。デバイス70は、第2の動作状態にある。多開口撮像デバイス11aおよび/または11bは、例えば、元のハウジング側面を越えて突出する。ビーム偏向手段18aおよび18bは、少なくとも部分的にかつハウジング容積の外側の並進運動方向42aおよび42bに基づいて移動される。代替的に、第2の動作状態では、多開口撮像デバイス11a〜cのビーム偏向手段の一部分のみをハウジング22のハウジング容積から外方に移動させることができる。
多開口撮像デバイス11a〜bは、例えば、各々4つの光チャネル16a〜dおよび16e〜hを備える。ビーム偏向手段18aおよび18bは各々、それぞれ光チャネル16a〜dおよび16e〜hのそれぞれ光路17a〜dおよび17e〜hを偏向するように構成されている。以下で詳細に説明するように、他の多開口撮像デバイスは、異なる数の光チャネルを有することができる。多開口撮像デバイス11a〜bは、同じまたは異なる数の光チャネルを有することができる。
多開口撮像デバイス11aおよび11bは各々、それぞれ照明手段54aおよび54bならびに54cおよび54dを備えている。照明手段54a〜dは、取り込まれるべき全視野を少なくとも部分的に照明するように構成され、例えば、各々、取り込まれるべき全視野(物体領域)の中心を照明するように構成され得る。一実施形態によれば、それぞれ照明手段54aまたは54bおよび54cまたは54dの少なくとも1つは、それぞれ光チャネル16a〜dおよび16e〜dの中心視野方向に沿って全視野を照明するように配置することができる。全視野は、それぞれ少なくとも1つの光チャネル16a〜dおよび16e〜hによって各々取り込まれる異なる部分視野を含むことができる。光チャネル16a〜dまたは16e〜hの中心視野方向は、例えば、視野方向の幾何学的平均または視野方向の中央値であり得る。
照明手段54a〜bおよび54c〜dは、それぞれの多開口撮像デバイス11aまたは11bのフラッシュライトとして動作することができ、任意の光源を含むことができる。有利には、光源は、断熱空間要件が低く、エネルギー要件が低いため、例えば発光ダイオード(LED)として構成することができる。さらなる実施形態によれば、多開口撮像デバイスは、照明手段を含まなくてもよく、1つ、または3つ以上の照明手段54a〜dを含んでもよく、多開口撮像デバイスの照明手段54a〜54dの数は、1つのデバイスの他の多開口撮像デバイスと異なってもよく、または同じであってもよい。照明手段54a〜dの少なくとも1つは、いくつかの物体領域を照明するように構成することができる。このようにして、光は、例えば、照明手段によって1つまたは複数の方向に選択的に放出することができる。照明手段は、多開口撮像デバイスの少なくとも2つの視野方向に沿って光を放出することができる。このために、照明手段は、少なくとも2つの光源を備えることができる。光源は、デバイスの対向する両側で発光することができる。例えば、1つの光源を各々、走行台車47の上および下、前および後ろならびに/または左および右の面に搭載することができ、ビーム偏向手段18の選択される向き、したがって動作状態に従って取り込まれるべき物体領域に対向するその側面の光源(複数可)のみが使用され、その方向に光を放出する。上記の前、後ろ、上および下ならびに左または右の用語は単に例示の目的のために役立つものであり、限定的な意味で理解されるべきではない。これは、これらの用語が空間における各向きと相互に交換可能であるためである。これは、例えば、光源54iを走行台車47bの前および後ろに配置することができ、ビーム偏向手段18bの位置に応じて、それぞれの光源を使用することができることを意味する。他方の反対の光源は、未使用のままにすることができる。
例えば、照明手段54aおよび54bは、多開口撮像デバイス11aのビーム偏向手段18aと画像センサ12aとの間に配置される。ビーム偏向手段18は、照明手段54aおよび/または54bによって放出される照明放射、例えばフラッシュ光を偏向するように構成することができる。照明手段54a〜bは、ハウジング容積の内部でデバイス70の第1の動作状態および第2の動作状態に配置することができる。照明放射は、光路17a〜dの少なくとも一部分であり得る。図示されているように、例えば、多開口撮像デバイス11bについて、照明手段54cおよび/または54dは、走行台車47b上でビーム偏向手段の横に配置することができる。照明手段54cおよび54dは、並進運動42bと共にハウジング22内に、またはハウジング22の外に移動することができる。照明手段はデバイス70の文脈で記載されているが、本明細書に記載の他のデバイスまたは多開口撮像デバイスも照明手段を備えることができる。
照明手段54cおよび54dは、走行台車47aに機械的に接続することができ、したがって、第1の動作状態では容積42内に配置することができ、したがって、ユーザに見えないように配置することができる。代替的におよび/または付加的に、照明手段54aおよび54bは、ハウジング22の内部に静止して配置することができる。走行台車47bの移動は、照明手段54cおよび54dの移動をもたらすことができる。
それぞれビーム偏向手段18aおよび18bと共に、光学素子16a〜dまたは16e〜fおよび場合によっては画像センサ12aおよび12bはそれぞれ、それぞれ走行台車47aおよび47bの移動によってハウジング容積から外方に移動することができる。
言い換えれば、追加の照明(フラッシュ光)を実現するためのLEDを可動部に搭載することができる。ここで、LEDは、チャネルの中心方向において放射するように配置することができ、ビーム偏向手段は、放射を偏向させるために使用されるさらなる領域をそれぞれ提供することができる。
図16は、第2の動作状態を含む一実施形態によるデバイス90の概略斜視図を示す。ビーム偏向手段18は、取り付け要素56aおよび56bによって多開口撮像デバイスに接続することができる。取り付け要素56aおよび56bは、走行台車の一部とすることができる。
図17aは、第1の動作状態にある一実施形態によるデバイス100の概略斜視図を示す。カバー32は、ハウジング主面および/またはハウジング二次面、例えばハウジング平面22cを有する一平面を形成することができる。カバー32とハウジング側22cとの間には、隙間がなく、または約1mm以下、0.5mm以下、または0.1mm以下のわずかな隙間が、カバー32とハウジング面22cとの間に配置され得、それによって、カバー32とハウジング面22cとの間の遷移はなく、または、ほとんど目立たない。簡単に言えば、カバー32は見えないものであり得る。
図17bは、第2の動作状態にあるデバイス100の概略図を示す。ビーム偏向手段18は、ハウジング容積の外側の第2の位置を含む。外部から見ると、拡張された多開口撮像デバイスは、不活性ハウジングフレームによってすべての側面を囲まれ得、および/またはボタンのような外観を有することができる。デバイス100は、例えば、図17aによるカバー32の機械的圧力の間に機械的ロックを解放するように構成され、それによって、ビーム偏向手段が、例えばばね力に基づいてハウジング22の外に移動することができる。機械的圧力は、例えば、アクチュエータおよび/または指圧のようにユーザによって生成することができる。ビーム偏向手段は、アクチュエータによってまたは機械的圧力によって第2の位置から第1の位置へ再び移動され、そこでロックを作動させることができる。アクチュエータは、例えば、アクチュエータ33または33’とすることができる。言い換えれば、移動は手動で行うことも可能であり、それによって、ユーザは部品または全体のシステムを自分自身でそれぞれ引き込みまたは伸長および折り畳みまたは展開する。移動は特に、手動操作とばね力の効果との組み合わせであってもよい。このようにして、ユーザは、カメラをスイッチオフするために、スマートフォンのようなデバイスのハウジング内に手動で部品およびシステム全体を折り畳みまたはシフトさせ、それによってばねを圧縮し、ロック機構がこの位置を維持する。例えばスマートフォン上の適切なソフトウェアによってカメラをスイッチオンすると、切り替え可能なロック機構が、電気リレーのような適切な制御可能機構によって解放され、ばねのばね力が、それぞれカメラの部品およびシステム全体の伸張および展開を行う。さらに、ハウジングのカバー形成部分、伸長可能および/または傾動可能部分および/またはそれに基づくさらなる機構は、このカバーに対する(指)圧力がロックを解放し、部品またはシステム全体がそれぞれ伸張または展開し、場合によってはデバイス上の画像取り込みソフトウェアが起動するように、実装することができる。側面のハウジングの一部を形成することができる共動カバーは、外側から見える不活性ハウジングによって全側面を囲まれ得、または全高さ(=ハウジングの厚さ方向)にわたって側面を遮断することができる。
図17cは、ハウジング22の主面の間の二次面22cに連続的な間隙が形成されるようにカバー32が形成されている図17aの代替形態の概略図を示す。これにより、図17aに示す4つのギャップの代わりに2つだけがハウジング22内で知覚され得ることが可能になる。伸張可能なまたは折り畳み可能なカバー32および/またはさらなるカバーは、平らなハウジングの1つまたは複数の側面にハウジング22の部分(複数可)として形成することができる。
以下では、実施形態に従って使用することができる多開口撮像デバイスのいくつかの可能な実施形態を参照する。
図18a〜図18cは、本発明の一実施形態による多開口撮像デバイス11を示す。図18a〜図18cの多開口撮像デバイス11は、並置された光チャネル16a〜dの単一ラインアレイ14を含む。各光チャネル16a〜dは、デバイス11の全視野72のそれぞれの部分視野74a〜dを、画像センサ12のそれぞれ割り当てられた画像センサ領域58a〜d上に投影するための光学素子64a〜dを含む。画像センサ領域58a〜dは、例えば、各々、それぞれのピクセルアレイを含む1つのチップから形成することができ、チップは、図18a〜図18cに示すように、それぞれ共通の基板および共通のプリント回路基板62上に搭載することができる。代替的に、画像センサ領域58a〜dが各々、画像センサ領域58a〜dにわたって連続的に延伸する共通のピクセルアレイの一部から形成されることも可能であり、共通ピクセルアレイは、例えば単一のチップ上に形成される。例えば、画像センサ領域58a〜d内の共通ピクセルアレイのピクセル値のみが読み出される。2つ以上のチャネルのための1つのチップ、および、また他のチャネルのためのさらなるチップの存在など、これらの代替形態の異なる混合も可能である。画像センサ12のいくつかのチップの場合には、例えば、1つまたは複数のプリント回路基板上に、例えば、すべて一緒に、またはグループごとなどに、これを取り付けることができる。
図18a〜図18cの実施形態では、4つの光チャネル16a〜dがアレイ14のライン延伸方向に互いに横一列に配置されているが、数4は単に例示的なものであり、1よりも大きい任意の他の数であってもよい。その上、アレイ14はまた、ライン延伸方向に沿って延伸するさらなるラインを含むことができる。
光チャネル16a〜dの光軸および光路17a〜dはそれぞれ、画像センサ領域58a〜dと光学素子64a〜dとの間で互いに平行に延伸する。このために、画像センサ領域58a〜dは、例えば、共通平面内に配置され、また光学素子64a〜dの光学中心に配置される。両方の平面は、互いに平行であり、すなわち画像センサ領域58a〜58dの共通平面に平行である。さらに、画像センサ領域58a〜dの平面上に垂直な投影において、光学素子64a〜dの光学中心は画像センサ領域58a〜dの中心と一致する。言い換えれば、これらの平行な平面において、一方における光学素子64a〜dおよび画像センサエリア58a〜dがライン延伸方向に同じ反復距離で配置される。
画像センサ領域58a〜dと割り当てられた光学素子64a〜dとの間の像側距離は、像センサ領域58a〜d上の投影が所望の物体距離に設定されるように調整される。この距離は、例えば、光学素子64a〜64dの焦点距離以上の範囲、例えば、光学素子64a〜64dの焦点距離の1倍〜2倍の範囲内であり、これらは両方とも包括的である。画像センサ領域58a〜dと光学素子64a〜dとの間の光軸17a〜dに沿った像側距離は、ユーザによって手動で、または自動焦点制御を介して自動的に調整することもできる。
さらなる措置を講じなければ、光チャネル16a〜dの部分視野74a〜dはそれぞれ光路および光軸17〜dの平行性に起因して本質的に完全に重なり合う。より大きい全視野72をカバーし、それによって、部分視野74a〜74dが空間的に単に部分的にのみ重なるように、ビーム偏向手段18が設けられている。ビーム偏向手段18は、光路17a〜dおよび光軸をそれぞれチャネル個別の偏差を伴って全視野方向76に偏向させる。全視野方向76は、例えば、それぞれビーム偏向の前およびビーム偏向がない場合、アレイ14のライン延伸方向に垂直で光軸17a〜dの過程に平行な平面に平行に延伸する。例えば、全視野方向76は、光軸17a〜fから、ライン延伸方向を中心として、>0°かつ<180°であり、例えば80〜100°であり、例えば、90°とすることができる角度だけ回転することによって生じる。したがって、部分視野74a〜dの全カバレッジに対応するデバイス11の全視野は、光軸17a〜dの方向にある画像センサ12とアレイ14との直列接続の延伸方向にはなく、ビーム偏向に起因して、全視野は、デバイス11の設置高さが測定される方向、すなわちライン延伸方向に垂直な予行方向において画像センサ12およびアレイ14の側にある。さらに、ビーム偏向手段18は、各光路および各光チャネル16a〜dの光路を、それぞれ、上述の方向76をもたらす偏向からチャネル個別の偏差を伴って偏向させる。このために、ビーム偏向手段18は、各チャネル16a〜dの反射ファセット68a〜dを備える。ファセットは互いに対してわずかに傾いている。ファセット68a〜dの相互の傾斜は、ビーム偏向手段18によるビーム偏向の間に部分視野74a〜dがわずかに部分的に重なり合うように、部分視野74a〜dにわずかな発散がもたらされるように選択される。ここでは、図18aに例示的に示すように、個々の偏向は、部分視野74a〜74dが全視野72を二次元的にカバーするように、すなわち全視野72内に二次元的に配置されるように設計することもできる。
これまで説明したデバイス11に関する詳細の多くは、単に例示的に選択されたものであることに留意されたい。これはすでに、例えば、上述した光チャネルの数について触れた。ビーム偏向手段18は、上述とは異なるように形成することもできる。例えば、ビーム偏向手段18は必ずしも反射性である必要はない。ビーム偏向手段は、透明なプリズムウェッジの形態のように、ファセットミラーの形態とは異なって実施することもできる。この場合、例えば、平均ビーム偏向は0°であり、すなわち、方向76は、例えば、ビーム偏向の前に、またはビーム偏向がなければ、光路17a〜dに平行であってもよく、または言い換えれば、デバイス11は、ビーム偏向手段18にもかかわらず、依然として「真っ直ぐ見通す」ことができる。ビーム偏向手段18によるチャネル個別の偏向はここでも、部分視野74a〜74dの空間角度範囲に関して<10%の重なりを有する対のように、部分視野74a〜74dがわずかにしか重ならないという効果を有する。
また、光路および光軸は、それぞれ、説明した平行から逸脱する可能性があり、光チャネルの光路の平行は依然として、個々のチャネル16a〜Nによってカバーされ、それぞれの画像センサ領域58a〜d上に投影される部分視野がそれぞれ、さらなる措置、すなわちビーム偏向なしにほぼ重なり合うように個別のものであり、それによって、多開口撮像デバイス11によってより大きい全視野をカバーするために、ビーム偏向手段18は、N個の光チャネル16a〜Nの部分視野の重なり合いがより少なくなるように、光路に追加の発散を提供する。ビーム偏向手段18は、例えば、全視野が、光チャネル16a〜Nの個々の部分視野の開口角の1.5倍を超える開口角を有するという効果を有する。光路17a〜dの何らかの種類の前発散によって、例えば、すべてのファセットの傾斜が異なるのではなく、例えばチャネルの何らかのグループが、例えば、同じ傾斜を有するファセットを有することも可能である。後者はこのとき、ライン延伸方向に隣接するこのチャネルグループに割り当てられる仮想的に1つのファセットとして、それぞれ一体的にかつ連続的に融合して形成されてもよい。これらのチャネルの光軸の発散はこのとき、チャネルの光学素子の光学中心と画像センサ領域との間の光学中心の横方向オフセットまたはプリズム構造もしくは非共軸レンズ区画によって得られる、これらの光軸の発散に起因する。前発散は、例えば、1つの平面に限定することができる。それぞれビーム偏向の前に、またはビーム偏向されない場合、光軸は、例えば、共通の平面内ではあるが、その平面内で発散して延伸することができ、ファセットは、他の横断面における追加の発散にのみ影響を及ぼし、すなわち、すべてライン延伸方向に平行であり、上述の光軸の共通平面とは異なるだけで互いに傾斜しており、ここでもまた、いくつかのファセットは同じ傾斜を有することができ、または、その光軸が異なる、例えば、それぞれビーム偏向の前におよびビーム偏向されない場合に、対をなす光軸の上述した共通平面内に既に存在するチャネルのグループにともに割り当てることができる。
ビーム偏向手段を省くか、または、ビーム偏向手段を平面ミラーなどとして実施する場合、全発散は、一方の光学素子の光学中心と他方の光学素子の光学中心との間の横方向オフセットによって、または、プリズム構造もしくは非共軸レンズ区画によって達成することができる。
例えば、存在し得る、上述した前発散は、ライン延伸方向および/またはライン延伸方向と画像センサ法線の両方に垂直な方向に沿ってチャネル固有の様式で画像センサ平面内の上述した直線上の点からずれる点などにおいて、画像センサ領域の中心が、画像センサ平面内の当該直線上の点に対する画像センサ領域の平面の法線に沿った光学中心の投影からずらして配置されている間に、光学素子の光学中心がライン延伸方向に沿った直線上にあることによって得ることができる。代替的に、前発散は、ライン延伸方向および/またはライン延伸方向と光学素子中心面の法線の両方に垂直な方向に沿ってチャネル固有の様式で光学素子中心面内の上述した直線上の点からずれる点などにおいて、光学素子の中心が、光学素子中心面内の直線上の点に対する光学素子の光学中心の平面の法線に沿った画像センサの光学中心の投影からずらして配置されている間に、画像センサの中心がライン延伸方向に沿った直線上にあることによって得ることができる。上述したそれぞれ投影からのチャネル固有の逸脱が単にライン延伸方向にのみ延伸すること、すなわち、共通平面内の光軸のみに前発散が与えられることが好ましい。光学中心と画像センサ領域中心は両方とも、このときライン延伸方向に平行であるが、その間の間隙が異なる直線上にある。比較すると、ライン延伸方向に対して垂直な横方向におけるレンズと画像センサとの間の横方向のオフセットは、設置高さの拡大をもたらす。ライン延伸方向における純粋な面内オフセットは、設置高さを変化させることはないが、結果としてファセットを少なくする可能性があり、かつ/または、ファセットが、1つの角度方向に傾斜するだけになって、構造が単純化する。
これは、共通キャリア上に保持された光学素子の場合について、図18dおよび図18eに例示されており、一方では隣接チャネル16aおよび16b、ならびに、他方では隣接チャネル16cおよび16dが、共通の平面内に延伸し、互いに対して斜めになっている、すなわち、前発散を与えられている光軸17aおよび17bならびに17cおよび17dを含む。それぞれのファセット対の間の点線によって示されているように、ファセット68aおよび68bは、1つのファセットによって形成することができ、ファセット68cおよび68dは、別のファセットによって形成することができ、2つのファセットのみが1つの方向において傾けられているに過ぎず、両方がライン延伸方向に平行である。個々のファセットが、空間方向において1つの傾斜のみを含むことも可能である。
さらに、いくつかの光チャネルが、または、それぞれの部分視野がこれらチャネルによって走査される解像度を高めるために、超解像などのために、同じ部分視野に割り当てられるようにすることができる。そのようなグループ内の光チャネルは、このとき、例えば、ビーム偏向の前に平行に延伸し、1つのファセットによって部分視野に偏向される。有利には、グループのチャネルの画像センサのピクセル画像は、このグループの異なるチャネルの画像センサのピクセルの画像の間の中間位置にある。
超解像度の目的でさえなく、単に立体的な目的のためにも、直に隣接するチャネルのグループが、それらの部分視野によってライン延伸方向において全視野を完全にカバーこと、および、直に隣接するさらなるグループチャネルも全視野を完全にカバーし、両方のチャネルグループの光路がそれぞれ基板およびキャリア66を通過する実施態様が可能である。これは、多開口撮像デバイスが、場合によっては完全に全視野を取り込むように構成された第1の複数の光チャネルを含むことができることを意味する。多開口撮像デバイスの第2の複数の光チャネルは、同じく全視野を場合によっては完全に取り込むように構成することができる。このようにして、全視野は、第1の複数の光チャネルおよび第2の複数の光チャネルによって少なくとも立体的に取り込むことができる。第1の複数の光チャネルおよび第2の複数の光チャネルは、共通の画像センサに衝突することができ、共通のアレイ(アレイ光学素子)を使用することができ、および/または共通のビーム偏向手段によって偏向することができる。個々のカメラのアレイとは対照的に、例えば合焦および/または画像安定化に関して1つのデバイスとしてともに制御することができる連続アレイカメラが形成され、これは、すべてのチャネルが同時に、かつ同じアクチュエータを使用することによって影響を受けるため、有利である。さらに、モノリシック構造から、特に温度変化の間にアレイ全体の機械的安定性に関して利点が得られる。これは、個々のチャネルの部分画像からの全画像の組み立てのために、および、異なる複数のチャネル16によって視野を複数回走査することによってステレオ、三重、四重などのシステムにおける使用中に3次元物体データを得るために有利である。
以下の議論では、レンズ面がまた、画像センサ領域58a〜58fの共通平面に平行である光学素子64a〜64dについて説明する。以下で説明するように、光チャネル16a〜dの光学素子64a〜dのレンズは、1つまたは複数のレンズホルダを介して基板66の主面66aに取り付けられ、基板66を介して互いに機械的に接続される。特に、複数の光チャネル16a〜dの光路17a〜dは、基板66を通じて延伸する。したがって、基板66は、少なくとも部分的に透明材料から形成され、板状であるか、または例えば平らな主面66aおよび同じく平らな対向する主面66bを有する平行六面体または他の凸体の形状を有する。主面は、好ましくは光路17a〜dに垂直に位置決めされる。以下に説明するように、実施形態によれば、光学素子のレンズが基板と一体的に形成されることに基づく、純粋な平行六面体形状からの逸脱が生じる可能性がある。
図11a〜cの実施形態における平坦なキャリア基板66は、例えば、ガラスまたはポリマーからなる基板である。例えば、キャリア基板66は、ガラスプレートを含むことができる。基板66の材料は、高い光透過性および低温度係数、または硬度、弾性もしくは捩れ加群などのさらなる機械的特性の態様に従って選択することができる。
基板66は、光路の単純な平面部分として形成することができ、付加的なレンズが、光路上に直接取り付けられることはない。さらに、開口もしくは迷光絞りなどの絞りおよび/またはIRブロックフィルタなどのフィルタ層が、基板表面に取り付けられ得、または、絞りおよびフィルタ層をその表面に取り付けることができる異なる基板のいくつかの層から構成することができ、これは、ここでも、例えば、それらのスペクトル吸収に関して、チャネル毎に異なり得る。
基板66は、画像センサによって取り込まれ得る電磁スペクトルの異なる領域において、特に非定常吸収において異なる特性を有する材料からなることができる。
図18a〜cの実施形態では、各光学素子64a〜dは3つのレンズを含む。ただし、レンズの数は自由に選択可能である。数は、1,2、または任意の他の任意の数にすることができる。レンズは凸状であってもよく、例えば凸状または凹状のレンズ形状をもたらすために、球面、非球面または自由形状の領域のような1つの光学的に突出した機能領域、または2つの対向する機能領域を含んでもよい。また、いくつかの材料からなるレンズを構成することなどによって、いくつかの光学的に有効なレンズ領域も可能である。
図18a〜cの実施形態では、各光チャネル16a〜dの第1のレンズ78a〜dまたは光学素子が主面66a上に形成される。レンズ78a〜dは、例えば基板66の主面66a上に成形することによって製造されており、例えばUV硬化性ポリマーのようなポリマーからなる。成形は、例えば成形工具によって行われ、アニーリングは、例えば、温度および/またはUV放射によって行われる。
図18a〜cの実施形態では、各光学素子64a〜dは、さらなる第2のレンズ82a〜dおよび第3のレンズ84a〜dを有する。例示的に、これらのレンズは、それぞれのレンズホルダの内部で軸方向に延伸する管状のレンズホルダ86a〜86dを介して相互に固定され、接着または他の接合技術などによって、それらを介して主面66bに固定される。レンズホルダ86a〜dの開口部88a〜dは、例えば、レンズ88a〜dおよび84a〜dがそれぞれ取り付けられている円筒形の内部に円形断面を与えられている。したがって、各光学素子64a〜dについて、レンズは光路17a〜dのそれぞれの光軸上で同軸である。レンズホルダ86a〜dはまたそれぞれ、それぞれの光軸に沿って、その長さにわたって変化する断面を有することもできる。ここで、断面は、画像センサ12までの距離が減少するにつれて、ますます大きくなる矩形または正方形の形状を有することができる。したがって、レンズホルダの外形も開口部の形状と異なり得る。レンズホルダの材料は光吸収性であることができる。図11dおよび図11eに関連して上記で説明した傾斜光学素子によれば、レンズホルダは、非回転対称的および/または非同軸的に構成することもできる。
上記レンズホルダを介して取り付けることは、例えば、レンズホルダによって保持されるレンズのレンズ頂点が基板66から離間されるように行われる。
すでに上述したように、基板66は両面が平坦であり、したがって屈折力効果を有しないことが可能である。しかし、基板66が、接続されるべき部材、例えば、個々のレンズまたはハウジング部品を接続する、接続されるべき部材の形状適合および/または圧力嵌めの位置整合を容易にする凹部または突起のような機械的基板を含むことも可能である。例えば、図18a〜cの実施形態では、基板66は、それぞれの光学素子64a〜dのレンズホルダ86a〜dのチューブのそれぞれの端部が取り付けられている位置において、主面6bに対する取り付けを容易にするか、または、配向を容易にする構造を有することができる。これらの構造は、例えば、それぞれのレンズホルダ84a〜84dの側面が係合することができる基板に面するそれぞれのレンズホルダの側面の形状に対応する円形凹部または異なる形状を有する凹部であり得る。円形のものではない他の開口部断面、したがって、それに対応して恐らく他のレンズ開口が可能であることを再度強調すべきである。
したがって、図18a〜図18cの実施形態は、個々のレンズを含むカメラモジュールの従来の構造を有せず、個々のレンズを保持するために、それらを完全に包囲する不透明なハウジングキャリアを有しない。むしろ、上記の実施形態は、基板キャリアとして透明体66を使用する。それらは、それらの投影光路が貫通するために、いくつかの隣接する光チャネル16a〜dにわたって延伸している。これは投影に干渉せず、設置高さも増加しない。
しかしながら、図18a〜cの実施形態を変更するための異なる選択肢に注目すべきである。例えば、基板66は、必ずしも、多開口撮像デバイス11のすべてのチャネル16a〜dにわたって延伸する必要はない。上記とは対照的に、各光学素子64a〜64dが、図18fに示すように、両側面66aおよび66bにレンズホルダによって保持されたレンズを含むことが可能である。
また、主面66a上にレンズ82e〜hのみが存在する、すなわち他方の側面66b上にレンズ82a〜dおよび/または84a〜dが存在しないことも可能であり、ならびに、他方の側面66a、すなわち、画像センサ12に面する側面、すなわち66aではなく、画像センサ12から外方に面する基板66の側面上にレンズ82a〜dおよび/または84a〜dを設けることも可能である。また、レンズキャリア86a〜86hのレンズの数を自由に選択することもできる。したがって、ただ1つのレンズまたは3つ以上のレンズがそのような1つのキャリア86a〜h内に存在することができる。図18fに示すように、レンズが、それぞれ、それぞれの側面66aおよび66b上のそれぞれのレンズキャリア86a〜dおよび86e〜hを介して、両方の側面66aおよび66bにそれぞれ取り付けられることが可能であり得る。
図19は、図18a〜図18cの多開口撮像デバイス11が、以下に説明する1つまたは複数の追加の手段によって補完され得ることを例示的に示す。
例えば、図19は、アレイ14のライン延伸方向に平行な回転軸44の周りでビーム偏向手段18を回転させる手段92が存在することができることを示している。回転軸44は、例えば、光路17a〜dの平面内にあり、または、光学素子64a〜dの直径の4分の1未満だけ当該平面から離れている。代替的に、回転軸が、1つの光学素子の直径未満または4つの光学素子の直径未満など、さらに離れていることも可能である。手段92は、例えばユーザによる多開口撮像デバイス11の振れを補償するために、例えば、1°未満または10°未満または20°未満の範囲内のようなわずかな小さい角度範囲内で短い応答時間でビーム偏向手段18を回転させるために設けられてもよい。この場合、手段92は画像像安定化制御装置によって制御される。
代替的にまたは付加的に、手段92は、より大きな角度調整によって部分視野74a〜d(図18a)の全カバレッジによって規定される全視野の方向を変えるように構成することができる。ここで、例えば、ビーム偏向手段18を両面が反射性のミラーアレイとして形成することによって、全視野がデバイス11に対して反対方向に配置されるビーム偏向手段18の回転によって偏向を得ることがさらに可能である。
ここでも、代替的にまたは付加的に、デバイス11は、ライン延伸方向に沿って、基板66によって光学素子64a〜dを並進移動させ、および、基板66自体を並進移動させ、したがって光学素子64a〜64dを並進移動させるための手段94を備えることができる。手段94は、例えば、ライン延伸方向に沿った動き96によって、ミラー偏向デバイス18の回転によってもたらされる画像安定化に対して横方向の画像安定化を得るために、上述の画像安定化制御装置によって制御することもできる。
さらに、代替的にまたは付加的に、デバイス11は、被写界深度の調整を得るために、画像センサ12と光学素子64a〜64dとの間、および画像センサ12とキャリア66との間の像側距離を変更する手段98を備えることができる。手段98は、手動のユーザ制御またはデバイス11の自動焦点制御および焦点合わせ手段によってそれぞれ制御することができる。
したがって、手段94は、基板66のサスペンションとして機能し、好ましくは、図19に示すように、設置高さを増加させないために、ライン延伸方向に沿って基板66の横方向に並んで配置される。これは、設置高さを増加させないために光路の平面内に配置されることが好ましい手段92および98にも当てはまる。手段98は、ビーム偏向手段18に接続することもでき、画像センサ12と光学素子64a〜64dとの間の像側距離を変化させるときに、光学素子64a〜dとビーム偏向手段18は本質的に一定または一定のままであるように、これらを同時にまたはほぼ同時に動かすことができる。手段92、94および/または98は、空気圧、液圧、圧電アクチュエータ、DCモータ、ステップモータ、熱アクチュエータ、静電アクチュエータ、電歪アクチュエータおよび/または磁歪アクチュエータまたは駆動装置に基づいて実装することができる。
光学素子64a〜64dは、すでに述べた透明基板などを介して、一定の相対位置で相互に保持することができるだけでなく、好ましくは設置高さを増加させず、したがって、好ましくはそれぞれ構成要素12,14および18の平面内ならびに光路の平面内に延伸する適切なフレームなどを介して、ビーム偏向手段に対しても保持することができる。相対位置の一貫性は、手段98が、例えば、光学手段64a〜dをビーム偏向手段と共に光軸に沿って並進移動させるように、光軸に沿った光学素子とビーム偏向手段との間の距離に制限され得る。光学素子/ビーム偏向距離は、チャネルの光路が、ビーム偏向手段18のセグメントによって横方向に制限されないように、最小限の距離に設定することができ、これによって、そうでなければセグメント68a〜dは、光路を制限しないために、横方向の延伸に関して最大の光学/ビーム偏向手段の距離のための寸法にされなければならないため、設置高さが低減される。さらに、上述のフレームの相対的位置の一貫性により、光学素子およびビーム偏向手段をx軸に沿って互いに堅固に保持することができ、それによって、手段94は光学手段64a〜dをビーム偏向手段とともに、ライン延伸方向に沿って並進移動させる。
上述した光チャネルの光路を偏向させるビーム偏向手段18は、多開口撮像デバイス11の光学像安定化制御装置のビーム偏向手段18の回転運動を発生させるためのアクチュエータ92と共に、二次元における画像および全視野の安定化を可能にする、すなわち、基板66の並進運動による、ライン延伸方向に本質的に平行な第1の画像軸に沿った画像安定化と、ビーム偏向手段18の回転運動を生成することによる、ビーム偏向の前に、および、ビーム偏向されない場合に光軸に本質的に平行に、または、偏向された光軸が考慮されるときは光軸およびライン延伸方向に垂直に延伸する第2の画像軸に沿った画像安定化とを可能にする。さらに、説明された構成は、焦点調整、したがって自動合焦機能を実現するために使用することができる、記載されたアクチュエータ98などによって、ライン延伸方向に垂直な記述されているフレームに固定されたビーム偏向手段およびアレイ14の並進運動を行うことができる。
第2の画像軸に沿った像安定化を得るための回転運動の代替として、またはそれに加えて、画像センサ12とアレイ14との間の並進的な相対運動も実施することができる。この相対移動は、例えば、手段94および/または手段98によって提供することができる。
完全性を期すために、上記の陳述に関して、画像センサ領域を介して取り込むときに、デバイスが、画像センサ領域上のチャネルによって投影されるチャネル当たりシーンの1つの画像を取り込むこと、ならびに、デバイスが全視野内でシーンに対応する全画像に画像を組み立てもしくは接合し、かつ/または、深度マップを生成するための、および、再合焦(実際の取り込み後の画像鮮明度領域の決定)、全焦点画像、仮想グリーンスクリーン(前景と背景との分離)などのようなソフトウェア実現のための、物体シーンの3D画像データおよび深度情報などの追加データを提供するプロセッサを任意選択的に有することを留意されたい。後者のタスクは、プロセッサによって、または外部的に実行することもできる。しかし、プロセッサは、多開口撮像デバイスの外部の構成要素を表すこともできる。
図20aは、例えば、携帯電話、スマートフォンまたはメディアプレーヤなどのポータブルデバイス130の平坦なハウジング内に、上述した代替形態のデバイス11をインストールすることができ、その後、例えば、画像センサ12の平面および画像センサ領域、ならびに、光チャネル16の光学素子のレンズ面が、平坦なハウジングの平坦な延伸方向に対して垂直に、かつ厚さ方向に平行に向けられることを示す。このようにして、例えば、ビーム偏向手段18には、多開口撮像デバイス11の全視野が、例えば、モニタをも備える平坦なハウジングの正面102の前にあるという効果がある。代替的に、視野が、正面102に対向する平坦なハウジングの後面の前にあるように、偏向も可能である。ハウジング内のデバイス11の図示された位置に起因して、ハウジングの厚さに平行なデバイス11の設置高さは低く維持することができるため、デバイス130のハウジング22およびデバイス自体は平坦にすることができる。切り替え可能性はまた、側面102に対向する側面に窓が設けられ、例えば、ビーム偏向手段が2つの位置の間で移動され、後者が、例えば前および後ろで鏡面反射し1つの位置から他方の位置へと回転されるミラーとして、または、1つの位置のためのファセットのセットと、他方の位置のためのファセットの別のセットとを有するファセットミラーとして実施され、ファセットのセットは、ライン延伸方向において互いに隣り合っており、ビーム偏向手段をライン伸長方向に沿って前後に並進移動させることにより位置の間の切り替えが行われる。車のような別の、場合によっては携帯不可能なデバイスへのデバイス11の設置も可能である。
チャネルの部分視野が同じ視野をカバーするいくつかのモジュール11は、例えば立体視などのために、両方のモジュールにとって同じライン延伸方向に沿ってベース距離BA(図14参照)をもってデバイス130内に、完全に、かつ任意選択的にさらには一致して設置することができる。3つ以上のモジュールも可能である。モジュール11のライン延伸方向は、非共線であってもよく、単に互いに平行であってもよい。しかしながら、上述したように、デバイス11およびモジュールはまたそれぞれ、グループ内の同じ全視野を完全にカバーするようにチャネルを設けられてもよいことに再度留意されたい。モジュールは、1つまたは複数の行(複数可)/列(複数可)またはデバイスの任意の位置に配置することができる。いくつかのモジュールが配列されている場合、モジュールは同じ様式でまたは別様にされてもよい。第1のモジュールは、例えば、全視野の立体的取り込みを行うように構成することができる。第2のモジュールは、単純な取り込み、立体的な取り込みまたはより高次の取り込みを実行するように構成することができる。
代替の実施形態では、上述の実施形態と比較してビーム偏向手段を省略することもできることに留意されたい。使用される部分視野の部分的な相互の重なりのみが望まれる場合、これは、例えば、画像センサ領域の中心とそれぞれのチャネルの光学素子の光学中心との間の相互の横方向のオフセットによって得ることができる。明らかに、図19によるアクチュエータは依然として使用可能であり、手段92の代替物として、例えば、アクチュエータ94が付加的に、光学素子およびキャリア66をそれぞれ並進移動させることができる。
再び、言い換えれば、上述の実施形態は、並置された光チャネルの単一ラインアレイを有する多開口撮像デバイスを示し、多重開口撮像デバイスの光路のいずこかに、チャネルにわたって延伸する、例えばガラスまたはポリマーの基板が、安定性を改善するために延伸する。さらに、基板は、正面および/または背面にレンズを含むことができる。レンズは、(ホットスタンピングによって製造されるような)基板の材料から作製されてもよく、またはその上に成形されてもよい。基板上になく、個別に取り付けられるさらなるレンズが、基板の前および後ろにあってもよい。1つの構造内に、ライン延長方向に沿って、およびライン延伸方向に垂直に、いくつかの基板が存在することができる。ここで、いくつかの基板を光路に沿ってレンズに直列に接続すること、すなわち、フレームなどを介して、いかなる結合動作も必要とせずに、別様に互いに所定の位置関係にそれらを保つことも可能である。このようにして、上記の例に従って、ここでは例として図18bに従って、レンズを装填することができる基板66、および、上記の実施形態に従ってレンズを充填することもできる、すなわち、とりわけ、レンズホルダを介して主面66aおよび/または66bに取り付けられているが、ここでは例示的に一体的に製造されて示されている、レンズを有する基板のように、使用されるキャリア基板の2倍の数の主面がレンズを提供しまたは取り付けるために利用可能であり、それぞれによって、レンズは両方の側面66aおよび66b上に形成されるが、平行六面体の基板66の材料とは異なる材料の成形レンズ、および、側面66aおよび66bのうちの一方の上のみのレンズも可能である。両方の基板は透明であり、主面66aおよび66bを通る光路が貫通している。したがって、上記の実施形態は、単一ラインチャネル構成を有するそのような多開口撮像デバイスの形態で実施することができ、各チャネルは、全視野のうちの部分視野を伝達し、部分視野は部分的に重複する。3D画像取り込みのためのステレオ、三重、四重などの構造のためのそのような多開口撮像デバイスを有する構造が可能である。ここで、複数のモジュールは、1つの連続したラインとして実装することができる。連続ラインは、同一のアクチュエータおよび共通のビーム偏向要素を使用することができる。場合によって光路内に存在する1つまたは複数の機械的に強化する基板が、ステレオ、三重、四重構造を形成することができる全ラインにわたって延伸することができる。いくつかのチャネルが同じ部分画像領域を投影する、超解像の方法を使用することができる。ビーム偏向ユニット上に必要とされるファセットがより少なくなるように、ビーム偏向手段を用いずに、光軸がすでに発散しているように延伸することもできる。ここで、有利には、ファセットは1つの角度成分のみを有する。画像センサは、一体的にすることができ、1つの連続したピクセルマトリクスのみ、または、複数の中断されたピクセルマトリクスを含むことができる。画像センサは、例えばプリント回路基板上に並置された多くの部分センサから構成することができる。ビーム偏向要素が光学素子と同期して動かされるか、または静止しているように、合焦手段の自動焦点駆動装置を実装することができる。前発散が存在しない場合、実施形態は、画像センサ12とビーム偏向手段18との間で本質的にまたは完全に平行に延伸する光路を提供する。
図20bは、例えばデバイス130に配置することができる第1の多開口撮像デバイス11aと第2の多開口撮像デバイス11bとを含む概略構造を示す。2つの多開口撮像デバイス11aおよび11bは、共通の多開口撮像デバイス11を形成することができ、共通の画像センサ12および/または共通アレイ14を備えることができる。単一ラインアレイ14aおよび14bは、例えば共通アレイ14内の共通ラインを形成する。画像センサ12aおよび12bは、共通の画像センサ12を形成することができ、例えば、共通のプリント回路基板または共通のフレックスボードなどの、共通の基板および共通の回路キャリア上に搭載することができる。代替的に、画像センサ12aおよび12bは、異なる基板を含むこともできる。共通の画像センサ、共通のアレイ、および/または共通のビーム偏向手段18を含む多開口撮像デバイス、ならびに、別々の構成要素を備えるさらなる多開口撮像デバイスのような、これらの代替形態の様々な組み合わせも可能である。少数のアクチュエータを制御することにより、高精度でそれぞれの構成要素の動きを得ることができ、アクチュエータ間の同期を低減または防止することができることが、共通の画像センサ、共通の単一ラインアレイおよび/または共通のビーム偏向手段の利点である。さらに、高い熱安定性を得ることができる。代替的にまたは付加的に、さらなる多開口撮像デバイスがまた、共通のアレイ、共通の画像センサ、および/または共通のビーム偏向手段を備えてもよい。多開口撮像デバイス11の構造は、例えば、異なる部分多開口撮像デバイス11aおよび11bの光チャネルが同じ部分視野に向けられているときに、全視野または部分視野の立体的取り込みに使用することができる。同様に、さらなる部分多開口撮像デバイスは、共通の多開口撮像デバイスに一体化することができ、それによって、ステレオよりも高次の取り込みが可能である。
図21は、本明細書に記載の実施形態に従って使用することができる3D多開口撮像デバイス140を示す。3D多開口撮像デバイスは、図21に示すように、2つの構成要素121および122、すなわち、「右」の光チャネル161のための構成要素121と、「左」のチャネル162のための他の構成要素122とに分割することができる画像センサを有する。右の光チャネル161および左の光チャネル162は、図21の例では同一に構成されているが、デバイス140の視野内のシーンに関して可能な限り多くの深度情報を得るために、ベース距離BAだけ互いに横方向にずれて配置されている。例えば、3D多開口撮像デバイスは、2つ以上の多開口撮像デバイス11によって形成することができる。したがって、左側から1番目の位置にある、インデックス1を有する参照番号を有する要素は、デバイス140の右側チャネルの第1の構成要素1または第1のモジュール、すなわちモジュール1に属し、したがって、左側から1番目の位置にある、インデックス2を有する参照番号を有する要素は、デバイス140の左側チャネルの第2の構成要素2または第2のモジュール、すなわちモジュール2に属する。図21のモジュールの数は2であるが、デバイスは、互いに対してそれぞれのベース距離を置いて配置されたより多くのモジュールを有することもできる。
図21の例示的なケースでは、の各複数の光チャネル161および162は、4つの並置された光チャネルを含む。個々の「右」のチャネルは、第2の添え字インデックスによって区別される。チャネルは、右から左にインデックス付けされている。すなわち、明瞭化のために部分的に省略されていることに起因して図21には示されていない光チャネル1611は、例えば、左右のチャネルが外側右縁においてベース距離BAだけ互いからオフセットして配置されているベース距離方向108に沿って配置されており、すなわち、複数の左側チャネル162から最も離れており、他の右側チャネル1612〜1614は、ベース距離方向108に沿って後続する。したがって、チャネル1611〜1614は、ライン延伸方向がベース距離方向108に対応する、光チャネルの単一ラインアレイを形成する。左側チャネル162も同様に構成されている。これも、第2の添え字インデックスによっても区別される。左側チャネル1621〜1624は、互いに隣り合って、右側チャネル1611〜1614のように同じ方向に互いに後続し、すなわち、チャネル1621が右側チャネルに最も近く、チャネル1624が右側チャネルから最も離れて配置される。
右側チャネル1611〜1614の各々は、図21に示すように、1つのレンズ系から構成することができるそれぞれの光学素子を含む。代替的に、各チャネルがレンズを含んでもよい。各光チャネル1611〜1614は、図21aの文脈で説明したように重なり合う全視野72の重なり合う部分視野74a〜dの1つを取り込む。チャネル1611は、例えば、部分視野7411を画像センサ領域5811上に投影し、光チャネル1612は、部分視野7412を画像センサ領域5812上に投影し、光チャネル1613は、割り当てられた部分視野7413を、図21には見えない画像センサ12のそれぞれの画像センサ領域5813上に投影し、光チャネル1614は、割り当てられた部分視野7414を、被覆されているために同じく図21には見えないそれぞれの画像センサ領域5814上に投影する。
図21において、画像センサ12の画像センサ領域5811〜5814および画像センサ12の構成要素121は、それぞれ、ベース距離方向BAに平行でかつライン延伸方向108と平行な平面内に配置され、光チャネル1611〜1614の光学素子のレンズ面もこの平面に平行である。さらに、画像センサ領域5811〜5814は、横方向のチャネル間距離110をもって配置され、これによって、光チャネル1611〜1614の光学素子もこの方向に配置され、それによって、光チャネル1611〜1614の光軸および光路は、画像センサ領域5811〜5814と光学素子1611〜1614との間で互いに平行に延伸する。例えば、画像センサ領域5811〜5814の中心と、光チャネル1611〜1614の光学素子の光学中心とは、画像センサ領域5811〜5814の上述の共通平面に垂直に延伸するそれぞれの光軸上に配置される。
光チャネル1611〜1614の光軸および光路はそれぞれ、ビーム偏向手段181によって偏向され、したがって発散が与えられ、これには、光チャネル1611〜1614の部分視野7411〜7414が部分的にのみ重なり合い、それによって、例えば部分視野7411〜7414が空間角度的な意味において最大で50%重なり合うという効果がある。図21に示すように、ビーム偏向手段181は、例えば各光チャネル1611〜1614に対して、チャネル1611〜1614の間で互いに別様に傾斜している反射ファセットを含むことができる。画像センサ面に対する反射ファセットの平均傾斜は、ビーム偏向の前に、および、ビーム偏向されない場合に、例えば、光チャネル1611〜1614の光学素子の光軸が延伸する平面に垂直な方向において、右側チャネル1611〜1614の全視野をデバイス181によって偏向させるか、または、この垂直な方向から10°未満だけ逸れる。代替的に、ビーム偏向手段181は、光チャネル1611〜1614の個々の光軸および光路のビーム偏向のためにプリズムを使用することもできる。
ビーム偏向手段181は、光チャネル1611〜1614の光路に発散を与え、それによって、実際に方向108において直線的に互いに隣接して配置されているチャネル1611〜1614が、全視野72を二次元的にカバーする。
光路および光軸はまた、それぞれ、説明した平行から逸脱する可能性があり、ただし、光チャネルの光路の平行は依然として、個々のチャネル1611〜1614によってカバーされ、それぞれの画像センサ領域5811〜5814上に投影される部分視野がそれぞれ、ビーム偏向のようなさらなる措置なしにほぼ重なり合うように個別のものであり得、それによって、多開口撮像デバイス140によってより大きい全視野をカバーするために、ビーム偏向手段18は、チャネル1611〜1614の部分視野の重なり合いがより少なくなるように、光路に追加の発散を提供することに留意されたい。ビーム偏向手段181は、例えば、全視野が、光チャネル1611〜1614の部分視野のそれぞれの平均開口角の1.5倍よりも大きい、すべての方位角およびすべての横方向にわたって平均化された開口角を有する。
左側チャネル1621〜1624は、右側チャネル1611〜1614と同じ方法で構成され、それぞれの割り当てられた画像センサ領域5821〜5824に対して位置決めされ、ここで、チャネル1611〜1614の光軸と同じ平面内で互いに平行に延伸する光チャネル1621〜1624の光軸は、対応するビーム偏向手段182によって偏向され、それによって、光チャネル1621〜1624は、ほぼ一致して、すなわち、全視野72が二次元的に分割され、重なり合っており、各々が、右側チャネル1611〜1614のそれぞれのチャネルのそれぞれの部分視野7411〜7414とほぼ完全に重なる部分視野7421〜7424において、全視野72を取り込む。例えば、部分視野7411および部分視野7421は、ほぼ完全に重なっており、部分視野7412および7422はほぼ完全に重なっている、などである。画像センサ領域5811〜5824は、例えば、各々、図18の画像センサ12について説明したように、1つのチップから形成することができる。
上記の構成要素に加えて、3D多開口撮像デバイスは、3D多開口撮像デバイス10によって右側光チャネル1611〜1614によって取り込むときに取り込まれた画像を第1の全画像にマージするタスクを有するプロセッサ112を備える。対処されなければならない問題は、以下の通りである。すなわち、右側チャネル1611〜1614の隣接チャネル間のチャネル間距離110に起因して、画像領域5811〜5814内のチャネル1611〜1614による取り込み中に取り込まれた画像は、互いに単純かつ並進的に動かすことができず、互いの上に置くことができない。言い換えれば、これらを容易に結合することはできない。互いに対応するが異なる画像に存在する、同じシーンを取り込むときの画像センサ領域5811〜5814の画像におけるそれぞれ方向B、108および110に沿った横方向のオフセットは、視差と呼ばれる。対応する画像内容の視差はここでも、シーン内のこの画像内容の距離、すなわちデバイス140からのそれぞれの物体の距離に依存する。プロセッサ112は、画像センサ領域5811〜5814自体の画像間の視差を評価して、これらの画像を互いにマージして第1の全画像、すなわち「右側全画像」にすることを試みることができる。しかしながら、チャネル間距離110が存在し、したがって問題を引き起こすという欠点があるが、チャネル間距離110も比較的小さく、それによって、深度分解能および推定値はそれぞれ単に不正確であるだけである。したがって、例えば、相関によって、画像センサ領域5811〜5812の画像間の重なり領域114のような、2つの画像間の重なり領域において対応する画像内容を決定する試みは困難である。
したがって、マージのために、図21のプロセッサは、部分視野7411と7412との間の重なり領域114において、一対の画像における視差を使用し、画像のうちの1つは、左側チャネル1621または1622のうちの1つによって取り込まれており、その投影されている第2の部分視野、すなわち、それぞれ7421および7422は、重なり領域114と重なる。例えば、画像センサ領域5811および5812の画像をマージするプロセス112は、一方が画像センサ領域5821または5822のうちの1つによって取り込まれている画像であり、および、もう一方が重なり領域140に含まれるチャネルによって取り込まれている画像、すなわち画像センサ領域5811または5812のうちの1つによって取り込まれた画像である画像の視差を評価する。そして、そのような対は、ベース距離BA±1つのチャネルベース距離110またはチャネルベース距離110なしのベース距離を有する。後者のベース距離は、単一のチャネルベース距離110よりも著しく大きく、これが、プロセッサ112にとって重なり領域86内で視差を決定することがより容易である理由である。したがって、右側チャネルの画像をマージするために、プロセッサ112は、左側チャネルの画像によって生じる、好ましくは、排他的にではなく、右側チャネルのうちの1つの画像と左側チャネルのうちの1つの画像との間の視差を評価する。
より具体的には、プロセッサ112は、画像5811から多かれ少なかれ直接的に右側チャネルの他の部分視野のいずれかと重ならない部分視野7411の部分を取り、画像センサ領域5812〜5814の画像に基づいて、部分視野7412,7413、および7414の重なり合わない領域に対して評価を実行することが可能であり、画像センサ領域5811〜5814の画像は、例えば、同時に取り込まれている。部分視野7411および7412のような隣接する部分視野の重なり領域のみにおいて、プロセッサ112は、全視野72における重なりが重なり領域において重複する画像対の視差を使用するが、複数のチャネルのうちの1つだけが右側チャネルのうちの1つによって取り込まれており、他の1つのチャネルは、ここでも同時などに、左側チャネルのうちの1つによって取り込まれている。
しかしながら、代替の手順によれば、プロセッサ112が、一対の画像間の視差の評価に従って右側チャネルのすべての画像をワープすることも可能であり、それらの一方は右側チャネルによって取り込まれており、他方は左側チャネルによって取り込まれている。このようにして、例えば、右側チャネルの画像のためにプロセッサ112によって計算される全画像は、1つの画像が右側チャネルの1つによって取り込まれ、別の画像が左側チャネルの1つによって取り込まれている場合に、部分視野7411〜7414の重なり合わない領域についても、プロセッサ85によって画像対の視差を評価することによって、視野右側チャネルの部分視野7411〜7414の重なり領域だけでなく、同様に、例えば、右側チャネル1611〜1614の間で横方向において中央にある焦点上で仮想的な様式で重なり合わない領域においても、仮想的に「ワープ」し得る。
図21の3D多開口撮像デバイス140は、右側チャネルの画像から全画像を生成することができるだけでなく、図21の3D多開口撮像デバイス140は、ある動作モードにおいて、第1のチャネルの全画像に加えて、左側チャネルの画像の全画像を生成し、および/または右側チャネルの全画像に加えて、深度マップを生成することもできる。
第1の代替形態によれば、プロセッサ112は、例えば、左側光チャネル1621〜1624および画像センサ領域5821〜5824によって取り込まれる画像を、第2の全画像、すなわち左側チャネルの全画像にマージし、それによって、左側光チャネルの部分視野7421〜7424の横方向に隣接する視野の重なり領域において、一対の画像内の視差を使用することが可能であり、それら複数のうちの1つだけが、右側光チャネル1611〜1614によって取り込まれており、部分視野7421〜7424の対のそれぞれの重なり領域と重なり合い、他の1つは、好ましくは、部分視野がそれぞれの重なり領域と重なる左側光チャネルの1つによって取り込まれる。
したがって、第1の代替形態によれば、プロセッサ112は、1つの取り込みのための2つの全画像、すなわち右側光チャネルのための1つ、左側光チャネルのための1つを出力する。これらの2つの全画像は、例えば、ユーザの2つの目に別々に供給することができ、その結果、取り込まれたシーンの三次元印象をもたらすことができる。
他の上述の代替形態によれば、プロセッサ112は、右側チャネルの全画像に加えて、それぞれの右側チャネルによって取り込まれた画像と、左側チャネルの1つによって取り込まれたさらなる画像とを含む少なくとも右側チャネル1611〜1614の各々少なくとも一対を含む画像の対の視差を使用することによって、深度マップを生成する。
深度マップがプロセッサ112によって生成される一実施形態では、深度マップに基づいて右側チャネルによって取り込まれたすべての画像について上述のワープを実行することも可能である。深度マップは、全視野72にわたる深度情報を含むため、右側チャネルによって取り込まれたすべての画像、すなわち、それらの重なり領域だけでなく、非重なり領域においても取り込まれたすべての画像を、それぞれの仮想共通開口点および仮想光学中心上でワープすることが可能である。
2つの代替形態は両方ともプロセッサ112によって処理することもできる。プロフェッサは最初に、上述したように、右側チャネルの画像の間の重なり領域において右側チャネルの画像をマージするときに、それらのうちの1つが左側チャネルに属する画像対からの視差をも使用し、また、左側チャネルの画像の間の重なり領域において左側チャネルの画像をマージするときに、それらのうちの1つが右側チャネルに属する画像対からの視差をも使用して、異なる視点からの全視野内のシーンを表すように得られる全画像から、右側チャネルおよび左側光チャネルの光学素子の光学的中心の間にあるが、可能性として排他的ではなく、仮想的な視野のための、および仮想光学中心について、それらの間の中心にある全画像のような、割り当てられた深度マップを有する全画像を生成することによって、2つの全画像、すなわち、右側光チャネルのためのものと左側の光チャネルのための他方のものを生成することができる。深度マップを計算し、2つの全画像のうちの1つをワーピングするか、または仮想視野における両方の全画像をワープしてマージするために、プロセッサ85は、仮想的に、それぞれ左および右の個々の画像の先行するマージからの中間結果として、右および左の全画像を使用する。ここでは、プロセッサは、深さマップを取得し、そのワーピングまたはワーピング/マージを実施するために、2つの中間結果の全画像における視差を評価した。
プロセッサ112は、例えば画像領域の相互相関によって一対の画像における視差の評価を行うことに留意されたい。
一方では左側チャネルの部分視野による、および、他方では右側チャネルの部分視野による、全視野72の異なるカバレッジにおいて、場合によっては5つ以上のチャネル(左側チャネルまたは右側チャネルへの割り当てに関わらず)が、例えば、右側チャネルの部分視野および左側チャネルの部分視野が各々列および行において配列されていた以前の例の、行方向または列方向に隣接する部分視野の重なり領域間の相互重なりにおいてもそうであったように、重なり合うことに留意されたい。一般に、視差源の数について、これは
であることが適用され、Nは、部分視野の重なりを有するチャネルの数に関する。
上記の説明に加えて、プロセッサ112は、任意選択的に、それぞれのチャネルの透視投影欠陥のチャネルごとの補正も行うことに留意されたい。
図21の実施形態は、多くの点で例示的なものであったことに留意されたい。これは、例えば、光チャネルの数に関係する。右側光チャネルの数は、4でなくてもよく、何らかの形で2以上であるか、または両方の値を含んで2と10との間であり、右側光チャネルの部分視野の重なり領域は、各部分視野またはそれぞれの部分視野に対する最大重複を有する各チャネルの各チャネルが考慮される限り、これらすべての対の表面積に関して、例えば、画像平面内で、すなわち、画像センサ領域の平面内で測定される、画像領域5811〜5814によって取り込まれる画像の平均画像サイズの1/2と1/1000との間であり得る。例えば、左側チャネルにも同じことが適用される。しかし、その数は右側チャネルと左側チャネルとで異なることがある。これは、左側光チャネルの数NLおよび右側光チャネルNRが同じである必要はなく、全視野72の左側チャネルの部分視野および右側チャネルの部分視野への分割は、図21の場合とほぼ同じである必要はないことを意味する。部分視野およびそれらの重なりに関して、これは、より大きい重なりを有するすべての対について、それぞれ10mの画像距離および物体距離が考慮される限り、部分視野が互いを少なくとも20ピクセル投影するようなものであり得、これは、右側チャネルと左側チャネルの両方に適用することができる。
上記の説明とは対照的に、左の光チャネルおよび右側光チャネルがそれぞれ単一ライン内に形成される必要はない。左側チャネルおよび/または右側チャネルは、光チャネルの二次元アレイを形成することもできる。さらに、単一ラインアレイが共線のライン延伸方向を有する必要はない。しかし、図21の構成は、光チャネル、すなわち右側チャネルと左側チャネルの両方の光軸がビーム偏向の前およびビーム偏向がない場合にそれぞれ延伸する平面に垂直な最小設置高さをもたらすため、有利である。画像センサ12に関して、これを1つ、2つ、または複数のチップから形成することができることはすでに述べた。例えば、画像センサ領域5811〜5814および5821〜5824あたり1つのチップを設けることができ、複数のチップの場合、これは、左側チャネルおよび左側チャネルの画像センサのための1つのプリント回路基板、ならびに、右側チャネルの画像センサのための1つのプリント回路基板のような、1つまたは複数のプリント回路基板上に取り付けることができる。
したがって、図21の実施形態では、右側チャネルまたは左側チャネルのチャネル内に隣接するチャネルを可能な限り密に配置することが可能であり、最適な場合、チャネル距離110はレンズの直径に対応する。この結果として、チャネル距離が小さくなり、したがって、視差が低くなる。しかしながら、一方における右側チャネル、および、他方における左側チャネルは、大きな視差を実現できるように、互いに対する任意の距離BAで配置することができる。全体として、アーティファクトが低減された、またはアーティファクトのない画像融合、および、受動的光学撮像システムを用いた深度マップの生成の選択肢がある。
上記の例と比較して、チャネル161および162の2つのみを超えるグループを使用することが可能である。グループの数は、Nによって示され得る。この場合、1グループ当たりのチャネル数が同じであり、部分視野への全視野分割もすべてのグループについて同じであるとすると、例えば、グループ161の部分視野の重なり領域あたり
の視差源の数がもたらされる。既に上述したように、チャネルのグループに対する異なる全視野分割も可能である。
最後に、上記の説明では、単にプロセッサ112が右側チャネルの画像をマージする例示的なケースが使用されていることに留意されたい。上述したように、プロセッサ112によって、両方のチャネルグループおよびすべてのチャネルグループについて、または左のものなどについても、同じプロセスを実行することができる。
図22aは、多開口撮像デバイス150の一実施形態を示す。好ましくは、画像センサ領域58a〜dは、共通平面、すなわち、光チャネル16およびそれらの光学素子の画像平面内に配置される。図22aにおいて、この平面は、以下の説明を単純化するために、図22aに示され、参照番号115が与えられているデカルト座標系のz軸およびy軸がまたがる平面に例示的に平行である。
光チャネルの線形アレイにおいて、多開口撮像デバイス150の延伸は、画像センサ12および光学素子64によって底部に向かって制限されるため、ライン延伸方向に沿ってレンズの直径よりも大きい。多開口撮像デバイス150の最小延伸は、画像センサ12の光学素子64に対するz軸に沿った、すなわち、光チャネル16a〜dの光軸および光路に沿った相互の配置によって決定されるように、z軸に沿った最小延伸よりも小さいが、単一ラインアレイとしての光チャネル16a〜dの実施態様に起因して、ライン延伸方向zに垂直な横方向yにおける多開口撮像デバイスの最小延伸よりも大きい。後者は、場合によってホルダ66を含む、y軸に沿った光学素子64a〜dの延伸のような、各個々の光チャネル16a〜dの横方向の延伸によって与えられる。
上述したように、図22aの実施形態では、光軸17a〜dは、それぞれ、例えば、図22aに示すように、光学素子64a〜dにおいてそれぞれビーム偏向手段18による偏向の前に、および、偏向されない場合に、別の光軸に平行であるか、またはそれからわずかにのみ逸脱する。光学素子64a〜dおよび画像センサ領域58a〜dの対応する中心位置決めは、生成が容易であり、設置スペースを最小限にする点で好ましい。光チャネルの光路の平行性はまた、個々のチャネル16a〜dによってカバーされ、それぞれの画像センサ領域58a〜dに投影される部分視野がそれぞれ、ビーム偏向のようないかなるさらなる措置も用いずにほぼ完全に重なり合うという効果も有する。多開口撮像デバイス150によってより大きい全視野をカバーするために、ビーム偏向手段18のさらなる機能は、光路に発散を与え、それによって、チャネル16a〜dの部分視野の重なりを少なくすることである。
例えば、光チャネル16a〜dの光路の光軸17a〜dは、ビーム偏向手段18の前に、および、ビーム偏向手段18を用いない場合に、互いに平行であるか、または、全チャネルにわたって平均化された位置整合に沿った平行な位置整合に関して、光チャネル16a〜dの部分視野の最小開口角の10分の1未満だけ逸脱する。付加的な措置を講じなければ、部分視野は大きく重なることになる。したがって、図22aのビーム偏向手段18は、各光チャネル16a〜dに対して、光学的に平面であり、このチャネルに明確に割り当てられた反射ファセット68a〜dを含み、これらは各々光学的に平坦で、互いに対して傾斜しており、すなわち、それによって、光チャネルの部分視野は、立体角に関して重なり合いがより少なく、例えば、光チャネル16a〜dの個々の部分視野の開口角の1.5倍を超える開口角を有する全視野をカバーする。図22aの例示的なケースでは、反射ファセット68a〜dの相互の傾倒は、例えば、実際にz軸に沿って直線的に並置されている光チャネル16a〜dが、部分視野74a〜dの二次元配列に従って全視野72をカバーするという効果を有する。
図22aの実施形態において、光チャネル16a〜dの光軸17a〜dの角度偏向が、ビーム偏向前の光軸の平均方向、および、ビーム偏向後の光軸の平均方向が及ぶ平面内で考慮され、すなわち、一方では図22aの例のzy平面において、および、他方では、後者の平面に垂直で、かつビーム偏向後の光軸の平均方向に平行に延伸する平面において、図22aの例は、ビーム偏向後の平均方向がy軸に対応する例示的な場合に対応する。したがって、平均して、光チャネルの光軸は、z軸の周りでyz平面内で90°偏向され、平均して、光軸はyz平面から外れて傾斜されない。
例えば、
は、xy平面で測定される、xz平面に対するファセット68aの傾斜角各、すなわち、光軸17a〜dが延伸するxz平面に対するz軸を中心としたファセット68aの傾斜を示す。
は、xz平面に平行なファセット68aの位置整合に対応する。したがって、
が適用される。したがって、
がz軸に沿って測定される、xz平面に対する傾斜
を有し、z軸に平行に延伸する平面に対するファセット68aの傾斜角を規定する。したがって、それに応じて
が適用される。他のチャネルについても同じ定義
が適用される。各光チャネルに対して、設定角度は、光チャネルが延伸するキャリア基板に対するこのチャネルに割り当てられた反射ファセットの傾斜の傾斜角よりも大きくすることができる。ここで、キャリア基板は、アレイ14のライン延伸方向に平行に位置決めすることができ、設置角度は、ライン延伸方向に垂直な平面内にあることができる。
図22b〜図22eは、直線的にまたは一方的に配置されている例示的な4つの光チャネルの、一実施形態によるビーム偏向デバイスの側面図を示している。図22b〜図229eのビーム偏向デバイス18は、図18aのビーム偏向デバイスとして使用することができ、このとき、部分視野は、全視野を図18aに示すように時計回り3,4、2、1の順にはカバーせず、時計回の順序4,2,1,3にカバーする。ファセット68a〜dの傾斜角は、図22b〜eに示されている。これは、上付き添え字1〜4によって区別され、それぞれのチャネルにそれぞれ割り当てられる。ここで、
と
は両方とも0°である。キャリア基板の背面、すなわち、ファセット68a〜dが設けられた面と反対側の面は、図22b〜22eに121によって示されている。キャリア基板123の平行六面体部分を形成する材料は点線125の下にある。これに加えられる追加の材料は、成形が容易になるように、体積がほとんどないことは明らかである。
キャリア基板123は、画像センサ12に対して設定角度
だけ、すなわち光チャネルの光軸の平均方向が偏向される軸、すなわち、図22aのz軸の周りに傾斜して配置される。この設定角度は、画像センサ12に面するビーム偏向デバイス18の表面がすでにして、光チャネルの光路の「粗偏向」に影響を与えるという効果を有する。
ビーム偏向手段18による各光チャネルの光路の偏向の偏向角度について、これは、これが各々設定角度
および、キャリア基板123自体に対する、光チャネルに割り当てられている反射ファセットのそれぞれの傾きに基づくことを意味する。ファセット68a〜dの、これらの言及されているファセットの個々の傾斜は、上述したように、xy平面における傾斜角、および、それに垂直な平面におけるキャリア基板123の法線に対する傾斜角によって規定することができる。適用される場合、各チャネルについて、設定角度が傾斜
よりも大きい、すなわちすべてのチャネルに対して
であることが好ましい。上記の不等式が
についてすでに、またはさらには
について満たされていることがさらに好ましい。言い換えれば、ビーム偏向デバイス18の純粋な平行六面体形状と比較して追加の材料が少ないように、ファセット68a〜dの傾斜角に比べて設定角度が大きいことが好ましい。
は、例えば、各々その値を含む30°と60°との間にあることができる。
図22b〜図22eのビーム偏向手段18の製造は、例えば、追加の材料が成形工具によってキャリア基板123上に成形されるように実行することができる。ここで、キャリア基板123は、例えば、ガラスであってもよく、一方で、その上に成形される追加の材料はポリマーであってもよい。さらなる選択肢は、図22b〜図22eのビーム偏向デバイス18を射出成形などによって一体的に形成することである。これには、画像センサに面するビーム偏向手段の表面が、少なくとも、光チャネルに割り当てられた反射ファセットにおいて鏡面反射されるという利点がある。キャリア基板は、例えば図11bの文脈で説明したように枢動させることができる。
これまで説明した多開口撮像デバイスの構造のいくつかの態様は、例えば、全画像を取り込む前のまたはその時点における、所望のまたは瞬間的な設定に関連する。図22aの多開口撮像デバイス150は、例えば、画像センサ領域58a〜dによって取り込まれた画像を、例えば同時に、上述の設定によって、全視野72内のシーンを表す全画像にマージするプロセッサ112などのプロセッサを含む。光チャネル16a〜dによって画像センサ領域58a〜d上に投影され、後者によって取り込まれる画像を結合またはマージするためにプロセッサ112によって使用されるアルゴリズムは、例えば、多開口撮像デバイス150の上記の構成要素の特定のパラメータを維持することに関する仮定が、全画像の品質が特定の仕様を満たすように、アルゴリズムを全体的に適用することができるように、遵守されるように設計される。たとえば、このアルゴリズムは、以下の仮定の1つまたは複数を遵守することを仮定する。
1)x軸に沿った光学素子から画像センサ領域への距離が、すべての光チャネル16a〜dについて同じである。
2)部分視野74a〜dの相対的な位置、特にその間の重なりが、所定の仕様に対応するか、または所定の最大偏差未満で所定の仕様から逸脱する。
様々な理由から、上記の仮定の1つまたは複数が遵守されないか、または十分に遵守されない場合があり得る。これを遵守しない理由は、例えば光学素子64a〜dの互いに対する、および、画像センサ12に対する相対的位置の不確かさのような製造公差である。製造の不正確さはまた、ビーム偏向デバイス18の設置、および、場合によって、ビーム偏向手段18がファセット68a〜fを含むときはファセット68a〜dの互いに対する相対位置の不正確さも含み得る。製造に起因する公差の偏差に加えて、またはその代わりに、温度変動が、上記の仮定の1つまたは複数が適用されないか、または十分に遵守されないという効果をもたらす可能性がある。
画像センサ領域58a〜dの画像をプロセッサ112によって実行される全画像に結合およびマージするためのアルゴリズムは、ある程度まで、可能性として、部分視野74a〜74dの全視野72内の位置の、互いに対する部分視野の相対位置の設定集合からの逸脱のような、構成要素の最適な位置整合および配置からの逸脱を補償することができる。プロセッサ112は、画像をそれぞれ結合およびマージするとき、例えば、そのような逸脱をある程度まで補償することができる。しかし、特定の逸脱限界を超える(仮定2に従わない)場合、プロセッサ112は、例えば、逸脱を補償することができない。
上述の仮定が常に、例えば特定の温度範囲などにわたって遵守されるように多開口撮像デバイス150を製造することは、多開口撮像デバイス150の製造コストを増加させる傾向を有する。これを防止するために、図22aの多開口撮像デバイス150は、それぞれの光チャネル16iの画像センサ領域58i、それぞれの光チャネル16iの光学素子64i、ならびに、ビーム偏向手段18およびそのそれぞれのセグメント68iの間の相対的な位置をチャネルごとに個別に変更するか、または、光学的特性16i、もしくは、それぞれの光チャネルの光路の偏向に関する、ビーム偏向手段18のセグメント68iの光学的特性をチャネルごとに個別に変更するための調整手段116を含む。調整手段116は、デフォルト値によって制御され、デフォルト値に従って調整タスクを実行する。これは、後述するメモリ118および/または制御装置122によって提供される。
デバイス150は、例えば、調整手段116のチャネル個別制御のためのデフォルト値を記憶されたメモリ118を備える。デフォルト値は、製造業者によって決定することができ、メモリ118に格納することができる。加えて、例えば、図22aに点線124によって示すように、プロセッサ112は、プロセッサ112による、全画像に結合およびマージされる画像のような、画像センサ領域58a〜dの取り込まれる画像の評価を介して、メモリ118内の記憶されたデフォルト値を改善し、更新することが可能であり得る。プロセッサ112は、以下でより詳細に説明するように、調整手段116を介して現在の記憶されているデフォルト値によって多開口撮像デバイス150を調整することによって、例えばシーンを取り込む。このために、デフォルト値がメモリ118から読み出され、チャネル個別調整のために調整手段116によって使用される。このようにして取り込まれた画像センサ領域58a〜dの画像を解析することにより、プロセッサ112は、取り込みにちょうど使用された、記憶されているデフォルト値がメモリ118内でどのように修正されるべきかに関する情報を取得して、これらの改善または更新されたデフォルト値を使用して、次の取り込みにおいて上記の仮定を遵守する。
格納されたデフォルト値は、調整値の完全なセット、すなわち、デバイス150を完全に調整するための調整値のセットを含むことができる。これは、上述したように選択され、設定特性からのチャネルの光学特性の特定のチャネル個別の逸脱を低減または排除するために、以下でより詳細に説明される。
デフォルト値は、画像取り込みのために常に、現在の状況に実際に適した調整値のセットが使用されるように、連続する温度間隔のシーケンスあたり1つのような、調整値の複数のセットを含むという事例があり得る。このために、制御デバイス122は、メモリ118内のデフォルト値セットと異なる所定の状況との間の割り当てテーブルにアクセスしまたは検索することができる。このアクセスのために、制御装置122は、室内のデバイス150の温度、圧力、水分、位置および/またはデバイス150の現在の加速度または現在の旋回速度に関するデータなどの、現在の状況を反映するセンサデータを受信し、このデータから、メモリ118内のいくつかのデフォルト値セットの1つ、すなわちセンサデータによって記述された現在の状況に最も近い所定の状況に割り当てられるものを決定する。センサデータは、画像センサ領域の画像センサデータから取得することもできる。例えば、制御装置122は、現在の温度が下がっている、割り当てられた温度間隔のセットを選択する。調整手段116によって特定の画像取り込みに使用されるメモリ118からの選択されたセットのデフォルト値は、その後、任意選択のフィードバック124が使用されるときに再び更新することができる。
格納されているデフォルト値は、例えば、格納されたデフォルト値、すなわち、部分視野の規則的分布からの部分視野の横方向の逸脱、光学素子の焦点距離、または光チャネルの被写界深度によって調整デバイスを制御することによって、光チャネル間の1つまたはいくつかの特性の分布のばらつきの速度が低減されるように構成することができる。
代替的に、制御デバイス122内のデフォルト値は、メモリ118なしで、すなわち、例えば現在のセンサデータの適切なデフォルト値へのマッピングが制御装置122に堅固に統合されているときに決定することができる。マッピングは、センサデータとデフォルト値との間の機能的なコンテキストによって記述することができる。機能的なコンテキストは、パラメータによって適合させることができる。パラメータは、フィードバック124を介して適合させることができる。
メモリ118は、例えば、不揮発性メモリとすることができる。場合によって、メモリは読み出し専用メモリであるが、書き換え可能なメモリも可能である。制御装置122およびプロセッサ112は、ソフトウェア、ハードウェア、またはプログラム可能なハードウェアにおいて実施することができる。これは、共通のマイクロプロセッサ上で実行されるプログラムであってもよい。制御装置122のためのセンサデータを提供するセンサは、例えば画像センサ領域のようなデバイス150に属してもよいし、または、後続の図面を参照しながら後述するようにデバイスに組み込まれる装置の構成要素のような外部構成要素であってもよい。
以下では、調整手段116の可能な実施態様について説明する。ここで、図22aの調整手段116は、以下に説明する実施変形例の1つ、いくつかまたはすべてに適用することができる。具体的な組み合わせについても後述する。
図示された変形例では、調整手段116は、例えば、各チャネル16iの光学素子64iを、光軸17iおよび光路に沿って軸方向に、かつ/またはz軸および/またはy軸に沿って横方向に移動させる、角チャネル16iについて1つのアクチュエータ126iを含む。代替的に、アクチュエータ126iは、例えば、画像センサ12または個々の画像センサ領域58iを移動させることもできる。一般に、アクチュエータ126iは、画像センサ領域58i、光学素子64iおよび/またはビーム偏向手段24のそれぞれのセグメント64iの相対運動を行うことができる。
図23aが関連する変形例によれば、調整手段116は、図23aに示すように、それぞれの光学素子64ai(128i’’)内で、画像センサ領域58iと光学素子64i(128i’)との間のセグメント61i(128i’’’)に統合することができるか、または、光学素子64iとビーム偏向セグメント68i(128i’’’)との間に配置することができる、各チャネル16iの位相変更光学素子および位相変更素子128iを備え、上述した選択肢の組み合わせも可能である。位相変更光学素子128iは、例えば、屈折率の位置に応じた変更、すなわち、液晶などによるその局所分布をもたらすことができる。代替的にまたは付加的に、位相変更光学素子128iは、可撓性のある固定された透明材料に対する機械的効果を有し、変形を引き起こす圧電素子を使用すること、または、エレクトロウェッティング効果を使用することなどによって、光学的に活性な表面の形状を変化させる。位相変更光学素子128i’’は、例えば、光学素子64iの屈折率を変化させることができる。代替的に、位相変更素子128i’’は、光学素子64iの光学レンズ領域の形状を変化させることができ、それによって光学素子64iの有効屈折力を変化させることができる。位相変更素子128i’’’は、例えば、反射ファセット上のような、セグメント68iの光学的に関連する表面上に、それぞれの表面の仮想傾斜を生じさせるための正弦波位相格子を生成することができる。同様に、位相変更素子128i’’または位相変更素子128i’’は、光軸を偏向させることができる。
換言すれば、位相変更光学素子128iによってもたらされる位相変更は、光軸17iを中心に回転対称であるなど、ほぼ回転対称であり得、したがって事例128i’において、例えば、光学素子64iの焦点幅の変化などをもたらし得る。しかしながら、素子128iによってもたらされる位相変更は、偏向角の変化またはそれぞれの方向の光軸17iにおける偏向をもたらすために、z軸に沿ってまたはy軸に沿って線形など、ほぼ線形であり得る。
回転対称位相変更は、それぞれの光チャネル16iの部分視野の位置補正のための焦点合わせおよび線形位相変更のために使用することができる。
図23bに示すさらなる変形例によれば、調整手段116は、各チャネル16iに1つのアクチュエータ132iを備え、アクチュエータは、それぞれのチャネル16iの反射ファセットのようなセグメント68iの光軸17iに対するその角度方向、すなわち設定角度
を変化させる。ここで、セグメント68iは、反射ファセットに限定されないことに留意されたい。各セグメント68iはまた、光チャネル16iの光路を通される間にyz平面内で光軸17iの方向を偏向させるプリズムとして実施することもできる。
アクチュエータ126iおよび132iによる相対運動を実現するために、すなわち、たとえば並進的に構成され得る光学素子68iの運動を生成し、アクチュエータ132iおよびzによってセグメント68iを傾斜させるために、例えば、空気圧式、液圧式、圧電式、熱式、静電式または電気力学式の駆動装置またはDCまたはステップモータ、またはここでもボイスコイル駆動装置を使用することができる。
図22aを改めて参照すると、多開口撮像デバイス150が任意選択的に、調整手段116に加えて、チャネル大域的に、すなわち、すべての光チャネル16a〜dに対して、画像センサ12、光学素子アレイ14およびビーム偏向手段18の間の等しい相対移動を生成するための1つまたは複数のアクチュエータ134を含むことができることが、点線によって示されている。1つまたはいくつかの追加のアクチュエータ134は、図22aに示すように、任意選択的に存在する自動焦点制御装置136(合焦手段)および/または多開口撮像デバイスの任意選択的に存在する画像安定化制御装置の一部であってもよい。
追加のアクチュエータによって補完された図22aのデバイス150の具体例を図24に示す。図24は、光チャネル16a〜dの光学素子64a〜dが共通のキャリア66を介して互いに機械的に固定されている、図22aの多開口撮像デバイス150を示す。この共通ホルダを介して、z方向における、すなわちアレイ14のライン延伸方向に沿ったキャリア66の並進運動などによる、全チャネルについて同じである帯域的な動きに光学素子64a〜64dをさらすことが可能である。このために、アクチュエータ134aが設けられている。したがって、アクチュエータ134aは、アクチュエータ134aが共通のキャリア66をx軸に沿った並進運動にさらすという点で、すべての光チャネル16a〜dについて同じである、光学素子64a〜dの並進運動を生成する。アクチュエータ134aのタイプに関しては、図23aおよび図23bを参照して参照された例が参照される。さらに、デバイス150は、チャネル大域的な、すなわち、すべての光チャネル16a〜16dについて同じである、x軸および光軸17iに沿った画像センサ58iから光学素子54iまでの距離の変更のためのアクチュエータ134bを備える。図24に示されているように、例えば、アクチュエータ134bは、キャリア66を介さずにアクチュエータ134をも介して、割り当てられた画像センサ部分58a〜58dからの距離を変化させるために、z軸に沿った並進運動に光学素子64a〜dをさらし、したがって、これはx軸に沿った並進運動も受け、実際にはキャリア66のためのサスペンションとして機能する。
さらに、図24のデバイス150は、ビーム偏向手段18を、z軸に平行に延伸し、光軸17a〜dが延伸する平面内にあるかまたはその平面から遠く離れていない軸の周りに回転させるためのアクチュエータ134cを備えている。アクチュエータ134bおよび134cに関しても、可能な実施例に関して上記の図23aおよび図23bを参照して提供されている例のリストが参照される。アクチュエータ134cによってビーム偏向手段18に対して加えられる回転運動は、すべてのチャネル16a〜dについてビーム偏向手段18上のセグメント68a〜dに対して同じかまたは同等の効果を有し、すなわち、チャネル大域的である。
アクチュエータ134bを介して、自動焦点制御装置136は、例えば、チャネル大域的な意味において、チャネル16a〜dによってデバイス150による画像の合焦を制御することができる。画像安定化制御装置138は、第1の方向142においてはアクチュエータ134cによって、および、それに垂直な方向144においてはアクチュエータ134aによって、ユーザによる揺れから全視野72を安定化させることができる。第1の方向142は、回転軸44の周りの回転運動によって得ることができる。第1の方向142’によって示されるように、代替的にまたは付加的に、ビーム偏向手段18および/またはアレイ14の並進運動が、アクチュエータ134によって生成され得る。ここで、方向142,142’および144は、方向の1つの平面内で画像軸に平行であってもよく、またはそれに対応してもよい。本明細書で説明する画像安定化装置は、光チャネルの2つ、複数の、またはすべての光路に対して共通に作用するように構成することができる。これは、チャネルの個々の安定化を省略することができることを意味し、有利である。
例えば、図22aのデバイス150は、例えば、全視野内の部分視野の不正確さの低減または温度誘導ドリフトを補償するために、z軸に沿ったおよび/またはy軸に沿った並進運動に、画像センサセグメントまたは領域58a〜dをチャネル個別的にさらすために、各チャネル16i〜dのアクチュエータ126iなど、各チャネル16iのためのアクチュエータ126iを備える。代替的にまたは付加的に、図22aのデバイス150は、製造によって不都合に生じる光学素子64a〜64dの焦点幅の差を補償するためのアクチュエータ128i’’を備えることができる。付加的にまたは代替的に、図22aのデバイス150は、相対的な傾きが部分視野74a〜dによる全視野72の所望のカバレージをもたらすように、展開された製造または温度によって引き起こされるセグメント68a〜dの相対的な傾斜の逸脱を補償するためのアクチュエータ128i’’’を備えることができる。付加的にまたは代替的に、デバイス150は、このとき、タイプ128i’および128i’’’のアクチュエータをそれぞれ備えることができる。
再び要約すると、デバイス150は、アレイ14のライン延伸方向zに平行な軸の周りでビーム偏向手段18を回転させるように構成されたアクチュエータ134cを備えることができる。回転軸は、例えば、光軸17a〜dの平面内にあるか、またはそこから光学素子64a〜dの直径の1/4だけ離れている。代替的に、回転軸が、1つの光学素子の直径未満または4つの光学素子の直径未満など、さらに離れていることも可能であり得る。アクチュエータ134cは、画像取り込み中の例えばユーザによる多開口撮像デバイス150の振れを補償するために、例えば、5°未満または10°未満の範囲内のようなわずかな小さい角度範囲内で短い応答時間でビーム偏向手段18を回転させるために設けられてもよい。この場合、アクチュエータ134cは、例えば、画像安定化制御装置138によって制御される。
代替的にまたは付加的に、アクチュエータ134cは、より大きい角度オフセットによって、その方向において部分視野74a〜d(図22a)の全カバレッジによって規定される、全視野72の方向を変えるように構成することができる。ここで、例えば、ビーム偏向手段18が両面が反射性のミラーアレイとして構成されるという点において、全視野がデバイス150に対して反対方向に配置されるビーム偏向手段18の回転によって偏向を得ることもさらに可能である。
ここでも、代替的にまたは付加的に、デバイス150は、ライン延伸方向に沿って、基板66によって光学素子64a〜dを並進移動させ、および、基板66自体を並進移動させ、したがって光学素子64a〜64dを移動させるように構成されているアクチュエータ134aを備えることができる。アクチュエータ134aは、例えば、ライン延伸方向に沿った動き96によって、ミラー偏向手段18の回転によって実現される画像安定化に対して横方向の画像安定化を得るために、上述の画像安定化制御装置によって制御することもできる。
さらに、代替的にまたは付加的に、デバイス150は、被写界深度の調整を得るために、画像センサ12と光学素子64a〜64dとの間、および画像センサ12と本体66との間の像側距離を変更するアクチュエータ134bを備えることができる。図19を参照されたい。手段98は、手動のユーザ制御またはデバイス150の自動焦点制御装置によって制御することができる。
アクチュエータ134aは、基板66のサスペンションとして機能し、図22aに示すように、設置高さを増加させないために、ライン延伸方向に沿って基板66の横方向に並んで配置される。これは、設置高さを増加させないために光路の平面内に配置されることが好ましいアクチュエータ134bおよび134cにも当てはまる。
光学素子64a〜64dは、上述した透明基板などを介して、互いに保持することができるだけでなく、好ましくは設置高さを増加させず、したがって、好ましくはそれぞれ構成要素12,14および66の平面内ならびに光路の平面内に延伸する適切なフレームなどを介して、一定の相対位置においてビーム偏向手段に対しても保持することができる。相対位置の一貫性は、アクチュエータ134bが、例えば、光学手段64a〜dをビーム偏向手段18と共に光軸に沿って並進移動させるように、光軸に沿った光学素子とビーム偏向手段との間の距離に制限され得る。光学素子からビーム偏向手段までの距離は、チャネルの光路が、ビーム偏向手段18のセグメントによって横方向に制限されないように、最小限の距離に設定することができ、これによって、そうでなければセグメント68iは、光路を限定しないために、横方向の延伸に関して最大の光学/ビーム偏向手段の距離のための寸法にされなければならないため、設置高さが低減される。さらに、相対的位置の一貫性は、上述のフレームが、光学素子およびビーム偏向手段をz軸に沿って互いに堅固に保持し、それによって、アクチュエータ134aは光学手段64a〜dをビーム偏向手段とともに、ライン延伸方向に沿って並進移動させることを意味する。
上述した光チャネルの光路を偏向させるビーム偏向手段18は、多開口撮像デバイス150の光学像安定化制御装置のビーム偏向手段18およびアクチュエータ134の回転運動を発生させるためのアクチュエータ134cと共に、二次元における画像および全画像視野の安定化を可能にする、すなわち、基板66の並進運動による、ライン延伸方向に本質的に平行な第1の画像軸に沿った画像安定化と、ビーム偏向手段18の回転運動を生成することによる、ビーム偏向の前に、および、ビーム偏向されない場合に光軸に本質的に平行に、または、偏向された光軸が考慮されるときは光軸およびライン延伸方向に垂直に延伸する第2の画像軸に沿った画像安定化を可能にする。さらに、本明細書に記載の構成は、焦点制御、したがって自動合焦機能を実現するために使用することができる、記載されたアクチュエータ54などによって、ライン延伸方向に垂直な状態フレームに固定されたビーム偏向手段およびアレイ14の並進運動を行うことができる。
図25は、画像安定化および/または焦点調整のためのアクチュエータの有利な構成を示すための多開口撮像デバイス180の概略図を示す。画像センサ12、アレイ14およびビーム偏向手段18は、空間内の直方体に及ぶことができる。直方体はまた、仮想直方体と考えることもでき、例えば、y方向および厚さ方向にそれぞれ平行な方向に沿った最小体積、特に最小垂直延伸を有することができ、画像センサ12と、単一ラインアレイ14と、ビーム偏向手段18とを含むことができる。最小体積は、画像センサコース、アレイ14および/またはビーム偏向手段18の構成および/または動作運動が及ぶ直方体を記述していると考えることもできる。アレイ14は、光チャネル16aおよび16bが並置されて、場合によって互いに平行に配置されるライン延伸方向146を有することができる。ライン延伸方向146は、空間内に静止して配置することができる。
仮想直方体は、画像センサ12とビーム偏向手段18との間で、互いに対向して平衡に、単一ラインアレイ14のライン延伸方向146に平行に、かつ、光チャネル16aおよび16bの光路17aおよび/または17bの一部に平行に延伸する2つの側面を含むことができる。簡単に言えば、これに限定されるものではなく、これは例えば、仮想直方体の上部および下部であってもよい。2つの側面は、第1の平面148aおよび第2の平面148bに及ぶことができる。これは、立方体の2つの側面が、それぞれ、平面148aおよび148bの一部であることができることを意味する。多開口撮像デバイスのさらなる構成要素は、完全に、ただし少なくとも部分的に平面148aと148bとの間の領域の内部に配置することができ、その結果、多開口撮像デバイス180の、平面148aおよび/または148bの表面法線に平行な方向に沿った設置スペース要件が低くなり、これは有利である。多開口撮像デバイスの体積は、平面148aと148bとの間の設置スペースを低くまたは最小にすることができる。側面または平面148aおよび/または148bの延伸方向に沿って、多開口撮像デバイスの設置スペースは大きくても、または任意の大きさであってもよい。仮想直方体の体積は、例えば、画像センサ12、単一ラインアレイ14、およびビーム偏向手段18の配置によって影響され、これらの構成要素の構成は、本明細書に記載の実施形態によれば、平面に垂直な方向に沿ったこれらの構成要素の設置スペース、したがって、平面148aおよび148bの互いに対する距離が、小さくまたは最小になるように実施することができる。構成要素の他の構成と比較して、仮想直方体の体積および/または他の側面の距離が拡大されてもよい。
多開口撮像デバイス180は、画像センサ12と、単一ラインアレイ14と、ビーム偏向手段18との間の相対運動を生成するアクチュエータ手段152を含む。アクチュエータ手段152は少なくとも部分的に平面148aと148bとの間に配置される。アクチュエータ手段152は、画像センサ12、単一ラインアレイ14、またはビーム偏向手段18のうちの少なくとも1つを、少なくとも1つの軸の周りで回転運動、および/または1つもしくは複数の方向に沿って並進運動させるように構成することができる。このために、アクチュエータ手段152は、それぞれの光チャネル16iの画像センサ領域58i、それぞれの光チャネル16iの光学素子64i、ならびに、ビーム偏向手段18およびそのそれぞれのセグメント68iの間の相対的な位置をチャネルごとに個別に変更するか、または、光学的特性16i、もしくは、それぞれの光チャネルの光路の偏向に関する、ビーム偏向手段18のセグメント68iの光学的特性をチャネルごとに個別に変更するためのアクチュエータ128i、132iおよび134のような、少なくとも1つのアクチュエータを含むことができる。代替的にまたは付加的に、アクチュエータ手段は、上述したような自動焦点および/または光学画像安定化を実施することができる。
アクチュエータ手段152は、厚さ方向に平行な寸法または延伸154を有することができる。寸法154の最大50%、最大30%または最大10%の割合が、平面148aおよび148bの間の領域から出発して平面148aおよび/または148bを越えて突出することができ、またはその領域から突出することができる。これは、アクチュエータ手段152が最大で平面148aおよび/または148bをわずかに超えて突出することを意味する。実施形態によれば、アクチュエータ手段152は、面148aおよび148bを越えて突出していない。多開口撮像デバイス180の厚さ方向に沿った延伸がアクチュエータ手段152によって拡大されないことが有利である。
図26a〜図26eに基づいて、ビーム偏向手段18の有利な実施態様を説明する。これらの陳述は、個別にまたは任意の組み合わせで実行できる一連の利点を示していますが、限定する効果は一切有しない。
図26aは、図1,図2,図3a、図3b、図4a、図4b、図5、図6b、図6cのビーム偏向手段18のような本明細書に記載されたビーム偏向手段に用いることができ、図7aおよび/または図7bによるデバイス内にあるビーム偏向要素172の概略側断面図を示す。しかしながら、この構成は、さらなる図に従ったビーム偏向手段の実施形態と組み合わせることもできる。
ビーム偏向素子172は、1つ、複数、またはすべての光チャネル16a〜dに対して有効であり、多角形の断面を有することができる。三角形の断面が示されているが、任意の他の多角形であってもよい。代替的にまたは付加的に、断面はまた、少なくとも1つの曲面を有していてもよく、特に、反射面では、結像誤差を防止するために少なくとも部分的に平坦な構成が有利であり得る。
ビーム偏向要素172は、例えば、第1の面174a、第2の面174bおよび第3の面174cを備える。ビーム偏向素子172が両面で反射するように、面174aおよび174bなどの少なくとも2つの面が反射性に形成される。面174aおよび174bは、ビーム偏向要素172の主面、すなわち面積が面174cよりも大きい面であってもよい。
換言すれば、ビーム偏向素子172はくさび形であってもよく、両面で反射性であってもよい。領域174cの反対側、すなわち領域174aと174bとの間に、領域174cよりも相当に小さいさらなる領域を配置することができる。言い換えれば、領域174a、b、およびcによって形成されるくさび形は、いかなる形でも先細りではなく、尖った側に領域が設けられ、したがって切頂形である。
図26bは、ビーム偏向要素172の概略側断面図を示し、ビーム偏向要素172のサスペンションまたは変位軸176が記載されている。ビーム偏向要素172がビーム偏向手段18内で回転および/または並進移動することができる変位軸176は、断面の重心178に関して偏心して変位することができる。重心は、代替的にまた、厚さ方向182に沿って、およびそれに垂直な方向184に沿って半分のビーム偏向要素172の寸法を表す点であってもよい。
変位軸は、例えば、厚さ方向182に沿って反らされず、これに垂直な方向に任意のオフセットを有することができる。代替的に、厚さ方向182に沿ったオフセットも可能である。変位は、例えば、ビーム偏向要素172を変位軸176の周りで回転させるときに、重心178の周りを回転するときよりも大きなアクチュエータ経路が得られるように、実行することができる。このように、変位軸176を変位させることによって、回転中に縁部が面174aと174bとの間を移動する経路は、同じ回転角での、重心178の周りの回転と比較して増加することができる。好ましくは、ビーム偏向要素172は、すなわちくさび形断面の縁部、すなわち尖った側が、面174aと174bとの間で画像センサに面するように配置される。小さな回転運動によって、それぞれ異なる面174aまたは174bは、光チャネルの光路を偏向させることができる。ここで、主面が画像センサに垂直であるような、ビーム偏向素子172の運動は必要とされないため、ビーム偏向素子172の厚さ方向182に沿った空間的な要求が低くなるように、回転を行うことができることが明らかになる。
面174cは、二次面または後側として参照されることもある。いくつかのビーム偏向要素を互いに接続することができ、それによって、接続要素が面174c上に配置されるか、またはビーム偏向要素の断面を通過する、すなわち、例えば、変位軸176の領域内でビーム偏向要素の内部に配置される。具体的には、保持要素は、保持要素が方向182に沿った全体構造の延伸を増加させないかまたは決定しないように、方向182に沿って、ビーム偏向要素172を超えないように、またはわずかにしか、すなわち最大50%、最大30%、または最大10%しか超えないように突出するように、配置することができる。厚さ方向182の延伸は代替的に、光チャネルのレンズによって決定することができ、すなわち、厚さの最小値を規定する寸法を有する。
ビーム偏向素子172は、ガラス、セラミック、ガラスセラミック、プラスチック、金属またはこれらの材料および/もしくはさらなる材料の組み合わせから形成することができる。
言い換えれば、ビーム偏向素子172は、先端、すなわち主面174aと174bとの間の縁部が画像センサを指すように配置することができる。ビーム偏向要素の保持は、ビーム偏向要素の背面またはビーム偏向要素の内部のみで保持される、すなわち主面が覆われないようにすることができる。共通の保持要素または接続要素が、背面174cを越えて延伸することができる。ビーム偏向要素172の回転軸は偏心して配置することができる。
図26cは、画像センサ12と並置された光チャネル16a〜dの単一ラインアレイ14とを含む多開口撮像デバイス190の概略斜視図を示す。ビーム偏向手段18は、光チャネルの数に対応することができる複数のビーム偏向要素172a〜dを含む。代替的に、例えば、少なくとも1つのビーム偏向要素が2つの光チャネルによって使用される場合、より少ない数のビーム偏向要素を配置することができる。代替的に、例えば、ビーム偏向手段18の偏向手段の切り替えが、図4aおよび図4bの文脈で説明したような並進移動によって実施されるときに、より多い数を配置することができる。各ビーム偏向素子172a〜dは、光チャネル16a〜dに割り当てることができる。ビーム偏向要素172a〜dは、図4cおよび図4dに従った複数の要素172として形成することができる。代替的に、少なくとも2つ、いくつかまたはすべてのビーム偏向要素172a〜dを一体的に形成することができる。
図26dは、断面が自由形状領域として形成されたビーム偏向要素172の概略側断面図を示す。このように、面174cは、保持要素の取り付けを可能にする凹部186を備えることができ、凹部186は、溝・舌部システムの舌部などの突出要素として形成することもできる。さらに、断面は、主面174aおよび174bよりも面積が小さく、それらを互いに接続する第4の面174dを含む。
図26eは、第1のビーム偏向要素172aおよび図示方向において第1のビーム偏向要素の背後にある第2のビーム偏向要素172の概略側断面図を示している。ここで、凹部186aおよび186bは、凹部内の接続要素の配置が可能になるように、実質的に一致するように配置することができる。
図26fは、例えば、接続要素188に接続される4つのビーム偏向要素172a〜dを含むビーム偏向手段18の概略斜視図を示す。接続要素は、アクチュエータによって並進および/または回転可能に可動であるために使用することができる。接続要素188は、一体的に形成することができ、延伸方向、例えば、図4eのy方向にわたってまたはビーム偏向要素172a〜d内に延伸することができる。代替的に、例えばビーム偏向素子172a〜dが一体的に形成されている場合には、接続素子188を単にビーム偏向手段18の少なくとも一方の側に接続するだけでもよい。代替的に、アクチュエータへの接続および/またはビーム偏向素子172a〜dの接続は、任意の他の方法、例えば接着、接合またははんだ付けによって確立することもできる。
いくつかの態様を装置の文脈で説明してきたが、これらの態様は、対応する方法の説明も表しており、それによって、装置のブロックまたはデバイスは、それぞれの方法ステップまたは方法ステップの特徴にも対応する。同様に、方法ステップの文脈で説明されている態様は、対応する装置の対応するブロックまたは詳細または特徴の説明をも表す。
上述の実施形態は、本発明の原理の例示にすぎない。当業者には、本明細書に記載された構成および詳細の変更および変形が明らかになることは理解されたい。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書の実施形態の記述および説明によって示される特定の詳細によっては限定されないことが意図される。