以下で図面を参照して本発明の実施形態を詳細に論じる前に、異なる図における同一の、機能的に同等または同等な要素、物体および/または構造には同じ参照番号がふられており、異なる実施形態で示されるそのためこれらの要素の説明は相互に交換可能または相互に適用可能であることに留意されたい。
図1に、一実施形態によるマルチアパーチャ・イメージング・デバイス1000の概略上面図を示す。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス1000は、対象領域(視野)26をいくつかの部分対象領域(部分視野)74a〜74cの形で取り込むように構成されたデバイスとすることができる。取り込まれた部分対象領域74a〜74cは、デバイス1000または下流のコンピューティングデバイス、例えば、プロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、CPU(中央処理装置)、ASICなどの方法に専用のハードウェアによって全体画像に組み立てることができる。実施形態によれば、対象領域26は、複数の部分対象領域74a〜74cとして走査される。この複数は、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも9またはそれ以上とすることができる。
デバイス1000は、イメージセンサ12と、それぞれ、光学部品64a、64bを各々含む並置された光チャネル16a、16bのアレイ14とを含む。これは、各光チャネル16a、16bが、イメージセンサのイメージセンサ領域58a、58b、58c上にそれぞれ、対象領域26の少なくとも1つの部分領域74a〜74cを投影するための光学部品64a、64bをそれぞれ含むことを意味する。そうして、光学部品64aは、例えば、イメージセンサ領域58a上に部分領域74aを投影し、これが光路17aで示されている。さらに、光学部品64aはイメージセンサ領域58b上に部分領域74bを投影し、これが光路17bで示されている。部分領域74aと部分領域74bとは対象領域26において互いに素であり、これは、部分領域74aと部分領域74bとが重ならず、かつ/または完全に異なることを意味する。
ビーム偏向手段18と組み合わせて各光チャネル16a〜16bの部分視野を制限することにより、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス1000の設置高さを低減させることができる(1次効果)。これは、設置高さがマルチアパーチャ・イメージング・デバイスの視線方向に対して垂直に実現されることとして得られる。加えて、部分視野を取り込むために視野収差のより単純な補正が可能になるので、チャネルごとに配置されるレンズをより少なくすることができるため、各チャネルの光学部品の簡素化も得られる(2次効果)。
光チャネル16bの光学部品64bは、光路17cで示されように、部分領域74cをイメージセンサ領域58c上に投影するように構成されている。部分領域74cは、部分領域74aおよび/または部分領域74bと重なっており、そのため、イメージセンサ領域58a、58b、58cの各部分画像の画像処理により、対象領域26の全体画像を得ることができる。あるいは、光チャネル16bを光チャネル16aと同等に構成することもできる。これは、対象領域の2つの互いに素な部分領域が2つのイメージセンサ領域に向けられるように2つの光路に影響を及ぼすことを意味する。
マルチアパーチャ・イメージング・デバイス1000は、光チャネル16a、16bが対象領域26に向けられるように光チャネル16a、16bの光路を偏向させるように構成され任意選択のビーム偏向手段18を含むことができる。光路17a、17b、17cは、イメージセンサ領域58a〜58cと任意選択のビーム偏向手段18との間の共通平面内で相互対して斜めに通ることができる。これは、光チャネルおよび光路の視線方向がそれぞれ異なり、かつ共通平面内にありうることを意味する。ビーム偏向手段18による偏向により、第2の方向に沿った視線方向を変更することができ、そのため、光路を偏向させることによって、相互に対して2次元的に分布する対象領域26の複数の部分領域を取り込むことができる。別の実施形態によれば、光チャネル16a、16b以外の別の光チャネルを配置することができる。代替として、または加えて、対象領域の別の部分領域が、光学部品64aによってイメージセンサ12の別の(図示されていない)イメージセンサ領域上に投影され、部分領域は各々互いに素である。別の部分領域は、方向142および/または方向144に沿って部分領域74aに対してオフセットすることができる。ビーム偏向手段18は、対象領域内のそれぞれの部分領域がもはや互いに素でなくなるように、光路17a、17bを偏向させることができる。しかしながら有利には、部分領域は、光路の偏向の後でさえも互いに素なままである。
簡単に言えば、光路17aと光路17bとは、相互に対して斜めに向けられており、部分対象領域74aと部分対象領域74bとの相互に対する横方向のオフセットを許容する。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス1000は、この場合、部分対象領域74aと部分対象領域74bとが、図示のように、対象領域26において第1の方向142に沿って相互に対してオフセットされるように実装することができる。代替として、または加えて、部分対象領域74aと部分対象領域74bとが、対象領域26において第2の方向144に沿って相互に対して横方向にオフセットされることも可能であり、両オフセット方向を組み合わせることもできる。方向142と方向144とは、例えば、取り込まれる画像または取り込まれた画像の画像軸に平行とすることができる。これは、相互に対して2次元的にオフセットされた部分領域74a〜74cをビーム偏向手段18なしで得ることもできることを意味する。
イメージセンサ12は、イメージセンサ領域58a、58b、58cを含むように図示されているが、別の実施形態によるマルチアパーチャ・イメージング・デバイスは、少なくとも2つ、3つ画像の総量センサ領域5またはそれ以上のイメージセンサを含み、全体として、イメージセンサ領域58a、58b、58cの全体量を提供する。全体量は、少なくとも3つ、少なくとも6つ、少なくとも9つなど、任意の数のイメージセンサ領域とすることができる。よって、イメージセンサは、ただ1つの、または複数のイメージセンサ領域58a〜58cを含むことができる。マルチアパーチャ・イメージング・デバイスは、1または複数のイメージセンサを含むことができる。
イメージセンサ領域58a〜58cの間の領域には、非感光性集積回路、電子部品(抵抗器、コンデンサ)および/または電気接続要素(ボンディングワイヤ、ビア)などを配置することができる。
任意選択で、光チャネル16aまたは光チャネル16bへの迷光の進入を少なくとも部分的に妨げ、取り込み画像の品質を得るために、光チャネル16a、16bを、隣接する光チャネルおよび/または光チャネルの環境の少なくとも部分的に不透明な構造1002a〜1002cから少なくとも部分的に遮断することもできる。
換言すれば、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスは、対象領域の部分領域を各々伝送するいくつかのイメージングチャネル(光チャネル)を含むことができ、部分領域は相互を部分的にカバーし、または相互に重なり合い、光チャネルのうちの少なくとも1つが少なくとも2つの不連続な対象領域を投影する。これは、このチャネルの画像にギャップがあることを意味する。光チャネルのうちのいくつかまたは全部により全視野が完全に伝送されうる。
図2aに、先行技術による全対象領域または全視野を投影するための代替概念の概略上面図を示す。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス2000は、例えば、全視野の部分領域を各々投影する、4つの光チャネル16a〜16dを含む。隣接する光チャネルの全対象視野の部分領域は部分的に重なることができ、そのため、隣接する光チャネルの部分視野にはチャネルごとの相互間のギャップがない。光路17a〜17dのチャネル個別偏向は、例えば、相互に異なる傾斜を有するビーム偏向手段18のファセット68a〜68dによって得ることができる。
図2bに、いくつかのチャネルのファセット68a、68bを共用できるように光チャネル16a〜16dが傾斜した光軸を有する、先行技術によるマルチアパーチャ・イメージング・デバイス2000’の概略上面図を示す。ファセットの傾斜は、(光チャネル16a〜16dのライン延長方向に直交する)角度成分に沿って行うことができ、これによりビーム偏向手段18の簡素化が得られる。
図3aに、本明細書に記載される実施形態によるマルチアパーチャ・イメージング・デバイスのイメージセンサ領域58a〜58fの概略上面図を示す。イメージセンサ領域58a〜58fは、少なくとも1つのイメージセンサの一部とすることができる。光チャネルの光路17a〜17fは、1または複数の平面に配置することができる。光路17a〜17fは、例えば、単一の平面内でイメージセンサ領域58a〜58fと光学部品64a〜64dとの間に配置される。あるいは、光路17a、光路17b、光路17fなどの光路の第1のサブセットを第1の平面内に配置することもでき、光路17c、光路17d、光路17eなどの光路の第2のサブセットを、第2の平面内に配置することもできる。2平面または数個の平面内の配置を、2本または数本の線における光チャネルの配置によって行うことができる。光路17a〜17fは、ビーム偏向手段18によって、部分対象領域74a〜74fが方向142と方向144とに沿って分布するように偏向させることができる。部分対象領域74a〜74fへの光路17a〜17fの割り振りも、アラビア数字1、1’、2、3、3’、4で示されている。
図3bに、図3aのビーム偏向手段18なしでの方向142と方向144とに沿った部分対象領域74a〜74fの仮想分布を示す。部分領域74aおよび部分領域74bと部分領域74dおよび部分領域74eとは互いに素である。ビーム偏向手段18のために、部分領域74cは、部分領域74aおよび部分領域74bと、それぞれ部分的に重なっている。さらに、部分領域74fは部分領域74dおよび部分領域74aと部分的に、すなわち不完全に重なっており、そのため、そこから全体画像を組み立てることができる全体として重なる部分領域74a〜74fが得られる。
別の実施形態によれば、代替として、または加えて、イメージセンサ領域58a〜58f、光学部品64a〜64dおよび/または別の光学部品の分布を、部分領域74a〜74cと部分領域74d〜74fとの重なりが得られるように実施することもができ、そのため、ビーム偏向手段18の配置を省くことができる。しかしながら、ビーム偏向手段18は、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス18の視線方向に影響を与えるために、すなわち、光路17a〜17fを偏向させるために設けることができる。
図4aに、対象領域の1つの部分領域が各々、光路17a〜17fによって別個のイメージセンサ12a〜12f上に投影される、イメージセンサ12a〜12fを含むマルチアパーチャ・イメージング・デバイス4000の概略上面図を示す。簡単に言えば、これは、各イメージセンサ12a〜12fが、部分領域の画像を投影するためのイメージセンサ領域を提供することを意味する。
イメージセンサ12a〜12fは、共通基板上に完全にまたは部分的に配置することができる。図1のコンテキストですでに論じたように、イメージセンサ12a〜12fのうちの少なくとも2つを、共通イメージセンサのイメージセンサ領域として構成することができる。イメージセンサ領域58a〜58cの間の領域には、非感光性集積回路、電子部品(抵抗器、コンデンサ)および/または電気接続要素(ボンディングワイヤ、ビア)などを配置することができる。
図4bに、ファセット68aとファセット68bとを含むビーム偏向手段18をさらに含むマルチアパーチャ・イメージング・デバイス4000の概略上面図を示す。ビーム偏向手段18は、光路17a〜17fを偏向させるように構成することができる。ビーム偏向手段18の有利な実施態様については、本明細書に記載される別の実施形態に基づいて論じる。
図5aに、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス4000と比較して、モノリシックなイメージセンサ12が配置されている、すなわち、イメージセンサ12が部分領域を取り込むためのそれぞれのイメージセンサ領域を含むマルチアパーチャ・イメージング・デバイス4000’の概略上面図を示す。このために、イメージセンサ12は、個別に構成されたイメージセンサ領域を含むことができる。あるいは、少なくとも2つの画像領域を、対象領域の異なる部分領域が投影される連続した画素行列の形で形成することもできる。イメージセンサ領域58a〜58cの間の領域には、非感光性集積回路、電子部品(抵抗器、コンデンサ)および/または電気接続要素(ボンディングワイヤ、ビア)などを配置することができる。
図5bに、ビーム偏向手段18が図4bのコンテキストで説明したように配置されている、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス4000’の概略上面図を示す。
図6に、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス4000またはマルチアパーチャ・イメージング・デバイス4000’と比較して、別のレンズ64e、64f、64gまたは64hが、少なくとも1つの光チャネル16a〜16dに配置されているマルチアパーチャ・イメージング・デバイス6000の概略上面図を示す。これは、光チャネル16a〜16dの光学部品が、光チャネル16a〜16dのすべてのイメージセンサ領域58a〜58fに対して有効な1または複数のレンズ64a〜64hを含むことができることを意味する。各光チャネル16a〜16dは、異なる数または同数のレンズ64a〜64hを有しうる。例えば、それぞれの光学部品によって得られるイメージング機能は、チャネル個別に適合させることができる。よって、光学部品64aおよび光学部品64e、光学部品64bおよび光学部品64f、光学部品64cおよび光学部品64g、または光学部品64dおよび光学部品64hによって得られる光チャネル16a〜16dのレンズ系を、たとえ1つの光チャネルによっていくつかの部分領域が取り込まれる場合でも、その光チャネルの部分領域が共用することができる。少なくとも部分的に不透明な構造1004a、1004bは、光チャネル16a〜16dが1つの光学部品だけを含む場合にも配置することができる。例えば、少なくとも部分的に不透明な構造1004aおよび/または少なくとも部分的に不透明な構造1004bは、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス1000の一部とすることができる。
図7aに、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス6000と比較して、対象領域の方向にイメージセンサ上のイメージセンサ領域58aとイメージセンサ領域58bとの間に配置されている少なくとも部分的に不透明な構造1004aを含むマルチアパーチャ・イメージング・デバイス7000の概略上面図を示す。少なくとも部分的に不透明な構造1004aは、半導体材料、ガラス、セラミックもしくはガラスセラミック材料、プラスチック材料および/または金属材料を含むことができ、画像がマルチアパーチャ・イメージング・デバイス7000によって取り込まれる波長範囲において少なくとも部分的に不透明とすることができる。そうして、例えば赤外線取り込みに際しては、半導体材料が赤外放射に対して透明である場合、半導体材料と比較してプラスチック材料または金属材料が有利でありうる。あるいは、可視域の波長では、金属材料と比較して半導体材料またはプラスチック材料が有利でありうる。というのは、金属材料はおそらく、より多くの生産努力、重量および/またはストを生じる可能性があるからである。
少なくとも部分的に不透明な構造1004aは、イメージセンサ領域58a、58b間の迷光の抑制を可能にする。すなわち、光チャネルの部分画像間のクロストークが低減される。同じく、または同様に、光チャネル16cは、少なくとも部分的に不透明な構造1004aと同じく、または同様に形成することができる少なくとも部分的に不透明な構造1004bを含む。
図7bに、少なくとも部分的に不透明な構造1004a、1004bが可変断面を有する代替の実施形態によるマルチアパーチャ・イメージング・デバイス7000の概略上面図を示す。断面は、ライン延長方向146に沿った寸法とみなすことができる。ライン延長方向146は、アレイ14内の光チャネルが配置されている方向とすることができ、かつ/またはイメージセンサ12と平行とすることができる。少なくとも部分的に不透明な構造1004a、1004bは、イメージセンサ12上に、またはイメージセンサ12に隣接して配置されている。アレイ14に向かう方向では、少なくとも部分的に不透明な構造1004a、1004bの断面は先細になる。これにより、光路17aおよび光路17bと、光路17dおよび光路17eとにそれぞれ適合された少なくとも部分的に不透明な構造1004a、1004bの幾何学的形状が可能になる。よって、少なくとも部分的に不透明な構造1004a、1004bは、イメージセンサ12のイメージセンサ領域の間に配置され、光チャネル16a〜16d間とイメージセンサ領域間とのチャネル分離の改善を可能にする。イメージセンサ領域58a〜58cの間の少なくとも部分的に不透明な構造1004a、1004bの背後の領域には、非感光性集積回路、電子部品(抵抗器、コンデンサ)および/または電気接続要素(ボンディングワイヤ、ビア)などを配置することができる。
図7cに、光チャネル16aおよび光チャネル16cが部分領域光学部品1006a〜1006dを含むマルチアパーチャ・イメージング・デバイス7000の概略上面図を示す。部分領域光学部品1006a〜1006dは、例えば、1つの部分領域に専用に各々割り振られた、レンズ、屈折素子または回折素子とすることができる。よって、例えば、部分領域光学部品1006aは、光路17aに影響を及ぼし、光路17bに影響を及ぼさないように構成されている。光路17aは、例えば、図1のコンテキストで説明したような部分領域74aを投影するのに使用することができる。部分領域光学部品1006bは、例えば、部分領域74bを投影する光路17bに影響を及ぼすように構成することができる。部分領域光学部品1006bは、光路17aに影響を及ぼさないように構成されている。あるいは、光チャネル16aは、部分領域光学部品1006aまたは部分領域光学部品1006bの一方だけ、および/または光路17aもしくは光路17bだけに割り振られた別の部分領域光学部品を含むこともできる。部分領域光学部品1006aおよび/または部分領域光学部品1006bを、例えば、少なくとも部分的に不透明な構造1004aに機械的に固定することができる。代替として、または加えて、部分領域光学部品1006aを構造1002aに機械的に固定することもできる。同様に、部分領域光学部品106bは構造1002bに機械的に固定することができる。代替の実施形態によれば、部分領域光学部品1006aおよび/または部分領域光学部品1006bを、光学部品64aに機械的に連結し、これによってイメージセンサに対して懸下することができる。別の実施形態によれば、光学部品64aを、部分領域光学部品1006aおよび/または部分領域光学部品1006bに機械的に連結し、これによってイメージセンサ12に対して懸下することができる。
部分領域光学部品1006aは、例えば、ダハプリズムとして製造することができる。部分領域光学部品1006a、1006bは、例えば、2つの部分に分割されている、かつ/または鏡面対称なダハプリズムの2つの部分とすることもできる。ダハプリズムは、例えば、平面1008に対して鏡面対称とすることができる。
部分領域光学部品1006cおよび部分領域光学部品1006dを各々、1つの部分領域に専用に割り振り、それぞれのイメージセンサ領域上のその投影に影響を及ぼすこともできる。光チャネル16aまたは光チャネル16cが2つの部分領域光学部品1006a、1006bと、2つの部分領域光学部品1006c、1006dとをそれぞれ含む場合、それら2つの部分領域光学部品を同一に構築することができる。部分領域光学部品1006a、1006bは、例えば、対称平面1008の周りに鏡面対称に配置することができる。
対称平面1008は、対称平面1008が、部分領域光学部品1006aと部分領域光学部品1006bとによって共用され、アレイ14のライン延長方向146に垂直に通る光学部品64aの光軸1012を含むように空間的に配置することができる。図7cには対称平面1008と軸1012とが相互に合同であるものとして示されていないが、平面1008は軸1012を含むので、平面1008と軸1012とは合同である。合同に図示されていないのは、単により適切に説明するためにすぎない。一実施形態によれば、光学部品64aは、光学部品64aのイメージング機能が光学部品64aの主視線方向に対して回転対称であり、または対称平面1008に対して鏡面対称であるように構成されている。これにより、光路17a、17bが光学部品64aによって対称に影響を受けることが可能になる。
部分領域光学部品1006a、1006bの鏡面対称な配置または実装により、光学部品64aも対称に構成できるように、光路17a、17bが対称に影響を及ぼすことが可能になる。これにより、例えば、対称な偏向や、対称に分布する部分対象領域に向かう光路に影響を及ぼすことが可能になる。例えば、対象領域内の部分領域の不規則な分布が意図される場合に、光学部品64aが鏡面対称にならないようにマルチアパーチャ・イメージング・デバイス7000を構成することもできる。代替の実施形態によれば、例えば、2つの光路17a、17bの対称ではない、または非対称のひずみが意図される場合に、部分領域光学部品1006a、1006bは、平面1008に対して非対称とすることができる。
換言すれば、分離構造1004a、1004bは、対象に向かう方向に部分領域の間で先細になる。分離構造(少なくとも部分的に不透明な構造)1004a、1004bは、光軸1012に対して対称に構成することができる。レンズ、例えば、1つの部分領域によってのみ各々使用される部分領域光学部品1006a、1006bを配置することができる。これらのレンズは、それらの光学特性に関して、同一とすることができ、かつ/または光軸1012に対して鏡面対称に配置することができる。同時に、回転対称を実現することはできない。
部分領域光学部品1006a〜1006dは、いくつかの層、すなわちいくつかの面として構成することができ、よって、各々、複数のレンズ、屈折面または回折面で構成することができる。光学部品16a、16cも多層式に構成することができ、よって、複数のレンズ、屈折面または回折面で構成することができる。
図7dに、少なくとも部分的に不透明な構造1004a、1004bが直線的に実装されている、すなわち、対象領域またはビーム偏向手段18に向かってあまり、または全く先細になっていないマルチアパーチャ・イメージング・デバイス7000の概略上面図を示す。あるいは、少なくとも部分的に不透明な構造1004a、1004bは、任意の幾何学的形状、例えば湾曲形状や多角形形状を有しうる。
言い換えれば、図7dには、先細りがなく、光軸1012aまたは光軸1012bに対して対称に構成されていないチャネル分離構造1004a、1004bを有する図が示されている。しかしながら、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス7000は、チャネル内の1つの部分領域にのみ使用されるレンズ(部分領域光学部品)1006a〜1006dを含む。
図7eに、部分領域光学部品1006a〜1006cを含むマルチアパーチャ・イメージング・デバイス7000’の概略上面図を示す。光チャネル16aまたは光チャネル16cの少なくとも一方は、それぞれ、部分領域光学部品1006aと部分領域光学部品1006bとの間、および部分領域光学部品1006cと部分領域光学部品1006dとの間に少なくとも部分的に不透明な構造を含まない。
言い換えれば、図7eには、チャネル分離構造1004を有さず、チャネル内の部分領域にのみ使用されるレンズ(部分領域光学部品)を有する図が示されている。有効な部分領域光学部品の配置が、対象領域の1つの部分領域のためのものにすぎないことにより、光路のチャネル個別適応が可能になる。好ましくは、例えば、光学部品64aや光学部品64cの領域の場合には、部分領域光学部品は、光チャネルの光路、例えば、光路17aと光路17bや光路17dと光路17eが重ならない領域に配置される。
例えば、迷光抑制が適切な開口絞りによって十分に可能になる場合や迷光抑制が必要とされない場合には、少なくとも部分的に不透明な構造1004を省略することにより、デバイスの製造を簡素化することができる。
図7fに、部分領域光学部品1006a、1006bが連続的に形成されているマルチアパーチャ・イメージング・デバイス7000’の概略上面図を示す。部分領域光学部品1006a、1006bは、光チャネル16aの2つの部分領域のための2つの光学活性領域を有する集積レンズとして形成することができる。あるいは、部分領域光学部品1006a、1006bは、相互に機械的に固定された2つの要素とすることもできる。
部分領域光学部品1006c、1006dは、部分領域光学部品1006a、1006bについて説明したように、連続した光学構成要素として形成されている。光チャネル16a、16cの部分領域光学部品は同様に形成されているものとして説明しているが、部分領域光学部品1006a〜1006dは異なるように形成することもできる。例えば、部分領域光学部品1006a、1006bは連続した構成要素として形成することができ、部分領域光学部品1006c、1006dは分離した構成要素として形成することができる。
光学部品64a〜64dのうちの1または複数を連続した光学構成要素として形成することができ、例えば、相互に一体的に形成することもでき、かつ/または相互に対して固定することもできる。光学部品または部分領域光学部品を連続した構成要素として実装することにより、製造中のレンズまたは光学部品を相互に対して機械的にロバストに整列させることが可能になり、そのため、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス7000’の製造中に相互に対して整列させなければならない要素数が低減され、これにより有利には製造公差が低減される。
光チャネルの光学部品を、アレイ14を横切る異なる光軸面および/または層に配置することができる。しかしながら、これは、1つの層の光学部品が1つの実際の平面に配置されるように考えるべきではなく、光学部品は光路に沿った有限の延長を有する平面に割り振ることができる例えば、光学部品64a、64b、64c、64dは、第1の光軸面を形成することができる。部分領域光学部品1006a、1006b、1006c、1006dは、光学部品64fおよび64hと共にアレイ14の第2の平面または層を形成することができる。1つの層の光学部品は、連続した構成要素として形成することができる。異なる層の光学部品または異なる層自体を、高い光学精度を可能にする連続した構成要素として形成することができる。
図7gに、光学部品64a〜64dが連続した構成要素として形成されているマルチアパーチャ・イメージング・デバイス7000’の概略上面図を示す。光学部品64a〜64dは光軸面1014bを形成している。さらに、部分領域光学部品1006a、1006b、1006c、1006dと、光学部品64f、64hとは、1つの連続した構成要素として形成されており、光軸面1014aを形成している。
図7hに、図7gのコンテキストで説明したように光チャネルの光学部品が2つの光軸面1014a、1014bに配置されているマルチアパーチャ・イメージング・デバイス7000の概略側断面図を示す。光路17a〜17fは、部分対象領域の方向にアレイ14から出発して、部分または区間として1つの平面内を通ることができる。光路は、ビーム偏向手段18のファセット68a、68bによって異なる方向に、かつ/または共通平面から偏向させることができる。例えば、光路17a〜17cは、共通平面内で異なる方向に沿って通り、または見ることができ、ファセット68aによって第1の方向に偏向させることができる。光路17d〜17fも、図7gに示すように、光路17a〜17fに共通のアレイ14の同じ平面または異なる平面内で異なる方向に沿って通ることができる。光路17d〜17fは、ファセット68bによって、第1の方向とは異なる第2の方向に偏向させることができ、そのため、光路17a〜17fは全体として異なる方向に通る。
言い換えれば、ファセット、例えばビーム偏向手段18の鏡面は、例えばアレイ14のライン延長方向146に直交するただ1つの角度成分を含むことができる。
図8aに、第1の光軸面1014aのレンズが共通透明基板16上に配置されているマルチアパーチャ・イメージング・デバイス8000の概略上面図を示す。透明基板1016は、例えば、プラスチック材料および/またはガラス材料を含むことができる。基板1016は、光学部品および/または部分領域光学部品の高い相互安定性を可能にする。透明基板1016は、2つ以上の隣接する光チャネル16a〜16dを横切って延在している。一実施形態によれば、透明基板は、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス8000のすべての光チャネルを横切って延在している。
図8bに、迷光抑制の改善が得られるように、少なくとも部分的に不透明な構造1004a、1004bが、光チャネル16aの部分領域と光チャネル16cの部分領域との間に配置されているマルチアパーチャ・イメージング・デバイス8000の概略上面図を示す。
代替として、または加えて、第2の層1014bの2つ以上のレンズを透明基板上に配置することもできる。基板上に配置されたレンズは、例えば、ガラス体またはプラスチック体として形成することができ、例えば、光学部品の第1の半レンズは基板の第1の主面上に形成されており、光学部品の第2の半レンズは基板の第2の反対側の主面に形成されている。
換言すれば、1または複数のレンズ層が、少なくとも2つの隣接するチャネルを横切って、またはすべての光チャネルを横切って延在する共通透明基板を使用できる。
図9aに、第1のマルチアパーチャ・イメージング・デバイス4000’aと第2のマルチアパーチャ・イメージング・デバイス4000’bと含むイメージングシステム9000の概略上面図を示す。代替として、または加えて、イメージングシステム9000は、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス1000、4000、7000、7000’などの、本明細書に記載される異なるマルチアパーチャ・イメージング・デバイスを含むこともできる。マルチアパーチャ・イメージング・システムは、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、モニタとして実装することができる。
マルチアパーチャ・イメージング・デバイス4000’a、4000’bを、各々、モジュールと呼ぶことができる。各モジュールは、イメージングシステム9000がモジュール4000’a、4000’bによって全視野を立体視的に取り込むよう実施されるように、全視野を完全またはほぼ完全に取り込むように構成し、配置することができる。これは、イメージングシステム9000が、例えばステレオ構造を含むことを意味する。別の実施形態によれば、イメージングシステムは、三重構造、四重構造、それ以上の高次構造の結果など、さらなる追加モジュールを含む。
図9bに、イメージングシステム9000の修正変形例とみなすことができるイメージングシステム9000’の概略上面図を示す。モジュール4000’aとモジュール4000’bとは、共通イメージセンサ12を含むことができる。代替として、または加えて、モジュール4000’aと4000’bとは、共通ビーム偏向手段18を含むこともできる。言い換えれば、各モジュールは連続していてよく、結果として単一の共通モジュールを生じさせることができる。
図10aに、少なくとも2つのマルチアパーチャ・イメージング・デバイス4000a、4000bを含む画像システム10000の概略上面図を示す。代替として、または加えて、イメージングシステム9000、9000’のコンテキストで説明したように、他のマルチアパーチャ・イメージング・デバイスおよび/または別のマルチアパーチャ・イメージング・デバイスを配置することもできる。
図10bに、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス4000a、4000b対して共通ビーム偏向手段18が配置されているイメージングシステム10000の概略上面図を示す。イメージセンサ12a〜12lは、少なくとも一部は共通基板上に配置することができ、かつ/または共通イメージセンサの部分領域とすることができる。代替の実施形態によれば、少なくとも1つのビーム偏向手段18aまたは18bは、図5aのコンテキストで説明したように配置されていない。
上述したように、ビーム偏向手段18は任意選択である。すなわち、個々の光チャネルの光路が偏向される異なる方向は、それでなくても光チャネルの光学部品によってすでに得られている。
各々が対象領域を(ほぼ完全に)取り込むように構成されている少なくとも2つのモジュールを含む本明細書に記載されている実施形態によるマルチアパーチャ・イメージング・システムは、モジュールによって共用される共通の構成要素を含むことができる。これは、共通イメージセンサ、共通合焦手段および/または共通ビーム偏向手段とすることができる。共通合焦手段は、第1および第2のマルチアパーチャ・イメージング・デバイス(モジュール)の焦点を共通して調整するための少なくとも1つのアクチュエータを含むことができる。代替として、または加えて、光学手ぶれ補正装置を共用することもできる。以下で手ぶれ補正または合焦に適した手段について説明する。手ぶれ補正装置は、第1のマルチアパーチャ・イメージング・デバイスのすべての光路と第2のマルチアパーチャ・イメージング・デバイスのすべての光路とに共通の効果を及ぼすことができ、第1の画像軸と第2の画像軸とに沿った手ぶれ補正に適する。これは、イメージセンサと、第1または第2のマルチアパーチャ・イメージング・デバイスのアレイまたはビーム偏向手段との間の並進相対移動を生成することによって行うことができる。共通のビーム偏向手段は、第1および第2のマルチアパーチャ・イメージング・デバイスのアレイと対象領域との間に配置することができ、第1および第2のマルチアパーチャ・イメージング・デバイスの光チャネルの光路を偏向させるように構成することができる。
図11aに、光チャネル16a〜16dが対象領域の2つまたはいくつかの部分領域を投影するように各々構成されているマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11000の概略上面図を示す。光チャネル16a〜16dのうちの1つによって取り込まれた部分領域は互いに素である。同時に、光チャネル(またはそれぞれのイメージセンサ領域)に割り振られているイメージセンサ12aおよび12bと、12cおよび12dと、12eおよび12fと、12gおよび12hとは、相互に隣接して配置されている。これは、2つの隣接したイメージセンサまたはイメージセンサ領域の相互に対する視差は低く、またはおそらく小さく、または相互に対して視差がないが、相互から離れた全視野の部分領域は取り込むことができることを意味する。例えば、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス1000は、「軸上」の部分領域を取り込む、簡単に言えば、まっすぐ前方を見るように構成された光チャネル16bを含むが、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11000は、すべての光チャネルが「軸上」(軸に沿った取り込み)とは異なる動作状態を有するように構成することができる。
マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11000は、ビーム偏向手段18を任意選択で含むことができる。続いて説明する図11bおよび図11cは、図7hのコンテキストで説明したように、ビーム偏向手段18が光路17a〜17fを別の方向に沿って偏向させるよう配置されているように記載されている。あるいは、第2の方向に沿った偏向は、光学部品64a〜64dによって、かつ/またはアレイ14のマルチライン構造によってすでに実行できている。アラビア数字1、1’、2、2’、3、3’、4および4’は、図11bおよび図11cの対象領域の部分領域への割り振りに使用されている。
図11bに、互いに素な部分領域を例示するための部分対象領域74a〜74fおよびそれらの空間的位置の概略例示図を示す。それぞれの部分対象領域74aと74b、部分対象領域74cと74d、部分対象領域74gと74h、部分対象領域74eと74fは、互いに素である。光チャネル16a〜16dの線形配置のために、図11bには示されていない部分対象領域74a〜74fの線形配列も得られることに留意されたい。
図11cに、例えばビーム偏向手段18によって得ることができるような対象領域内の部分対象領域74a〜74hの実際の配置を示す。例えば、互いに素な2つの部分対象領域1と1’、2と2’、3と3’または4と4’は、部分的に中間部分対象領域2または1’、4または3’によって部分的に不完全に重なっており、そのため、全体として連続した取り込み対象領域が得られることになる。部分対象領域74a〜74hが重なる領域が重なる重なり領域により、高品質の画像組み立てが可能になる。
マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11000は、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス1000と比較して、例えば、光学部品64bが、対象領域の第4の部分領域(部分領域74d)をイメージセンサ12dのイメージセンサ領域上に投影するように構成されているという点で変更されている。さらに、対象領域内の位置の割り振りを自由に選択できることにも留意されたい。別の実施形態によれば、例えば、部分対象領域74c、74eおよび部分対象領域74d、74fの位置は対として相互に交換される。よって、光チャネルのイメージセンサ領域の部分領域は、互いに素なままであり、他の光チャネルの他の部分領域とのみ重なる。
図12aに、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス4000’のコンテキストで説明したように、イメージセンサ12a〜12hが図11aによる連続したイメージセンサ12として形成されているマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11000の概略上面図を示す。
図12bに、少なくとも部分的に不透明な構造1004a〜1004dが光チャネル16a、16b、16cおよび16dの部分領域の間に配置されているマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11000の概略上面図を示す。
さらに、ビーム偏向手段18は、光チャネルの光路を偏向させるように配置されている。
換言すれば、レンズ系、すなわち、光学部品64a、64b、64c、64dはそれぞれ、それぞれの部分領域58aと58b、部分領域58cと58d、部分領域58eと58f、および部分領域58gと58hとによって共用される。部分領域58aと58bとの間、部分領域58cと58dとの間、部分領域58eと58fとの間、および部分領域58gと58hとの間には、チャネル分離のために、分離する(少なくとも部分的に不透明な)構造1004a〜1004dが配置されている。これは、1つのチャネル、いくつかのチャネル、またはすべてのチャネル16a〜16dで行うことができる。光チャネル16a、16bは、ファセット68aを共用することができる。光チャネル16c、16dは、光路を偏向させるためのファセット68bを共用することができる。
図12cに、ビーム偏向手段18が4つのファセット68a〜68dを含み、そのうちの1つが1つの光チャネル16a〜16dに割り振られるように構成されているマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11000の概略上面図を示す。本明細書に記載される実施形態の他のビーム偏向デバイスもファセットを含むこともでき、その場合1つのチャネルにいくつかのファセットを割り振ることができ、例えば、チャネルの異なる光路および/またはいくつかの光チャネルを1つのファセットに割り振ることができる。よって、例えば、光チャネル16aにはファセット68aが割り振られ、光チャネル16bにはファセット68bが割り振られ、光チャネル16cにはファセット68cが割り振られ、かつ/または光チャネル16dにはファセット68dが割り振られる。これにより、光チャネル18a〜18dの光路のチャネル個別の偏向または逸脱が可能になる。
簡単に言えば、対象領域の少なくとも2つの別々の不連続な部分領域を各々伝送するいくつかの光学(部分)チャネルは、個々のミラーファセット68a〜68dを使用することができる。図12bに示すように、2つ以上のチャネルは共通のミラーファセットを使用することもできる。
図13aに、光学部品64a、64b、64c、64dを通る光路をそれぞれ制限する開口絞り1022a〜1022dを含むという点でマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11000に対して変更が加えられているマルチアパーチャ・イメージング・デバイス13000の概略上面図を示す。光チャネル16aの光路17a、17bは概略的に示されている。光路17aは、外側限界17’−1a、17’−2aを有するビーム円錐の主視線方向とみなすことができる。光路17bは、外側限界17’−1b、17’−2bを有する光路の主視線方向とみなすことができる。開口絞り1022aは、外側限界17’−1a、17’−2a、17’−1bおよび17’−2bを一括して制限し、そうして、光路および光チャネル16aの視野を制限し、制約し、またはこれに影響を及ぼすことができる。これらの記述は、光チャネル16b〜16dの開口絞り1022b〜1022dに制限なく適用される。
図13bに、図13aのマルチアパーチャ・イメージング・デバイス13000に対して変更が加えられているマルチアパーチャ・イメージング・デバイス13000’の概略上面図を示す。光チャネル16aは、開口絞り1022aに加えて、各々が、部分領域光学部品1006aと部分領域光学部品1006bとにそれぞれ有効であり、それぞれの光路にそれぞれ有効である部分領域絞り1024aおよび部分領域絞り1024bを含む。部分領域絞り1024aは、部分領域光学部品1006aを通る光路を制限するように構成されている。部分領域絞り1024bは、部分領域光学部品1006bを通る光路を制限するように構成されている。部分領域絞り1024a、1024bは、開口絞り1022aの代替としてまたはこれに加えて配置することができる。代替として、または加えて、部分領域絞りは、光チャネル16b、光チャネル16cおよび/または光チャネル16dの部分領域光学部品に対して配置することもできる。
部分領域絞り1024aおよび/または部分領域絞り1024bが特に有利となりうるのは、光路17aおよび光路17a17bが図7hに示すようにイメージセンサ12とビーム偏向手段18との間の共通平面内を通らず、すでに2つの方向に沿って相互に異なっている場合である。この場合、光チャネル16aの部分領域は、1つの平面内で完全に重ならない。例えば、図3aの部分領域74a〜74eの割り振りでは、これには部分領域74aと部分領域74bと方向144に沿って相互にずらして配置されるという効果があるはずである。よって、個別の部分領域絞り1024a、1024bを配置することによって、それぞれの部分領域のそれぞれの絞りおよび光路のチャネル個別適応が得られる。例えば、光路17a、17bと光路円錐とはそれぞれ、1つの平面内で、最大でも20%、最大でも50%、最大でも70%、最大でも95%または最大でも99%だけ重なることができる。有利には、部分領域は、少なくとも5%、少なくとも10%、または少なくとも15%だけ同時に重なる。しかしながら、可能な限り大きい、すなわち少なくとも70%、少なくとも90%またはほぼ100%の重なりが好ましい。
光チャネル16aの部分領域の光路17aと光路17bとが、例えば、ほぼ完全に、すなわち、少なくとも99%、少なくとも99.5%またはほぼ100%の範囲で重なる場合、図13aのコンテキストで説明したような開口絞り1022の配置は、部分領域絞りを省けるような高画質を十分に得ることができる。
以下では、例えば、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス1000の光学部品64aについて説明したように、光学部品64a〜64dが対象領域の少なくとも2つの部分領域を取り込むために使用される場合の光学部品64a〜64dの実装を参照する。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス1000の光学部品64aは、例えば、対称とすることができ、そのため、光学部品64aによる光の屈折は、第1の部分領域74aと部分領域74bに向かう光路17aと光路17bとについて対称である。対称は、回転対称または鏡面対称とすることができる。同時に、対称は、第1の特定の対称を含むことができ、異なる特定の対称を除外し、または含まないことも可能である。よって、例えば、鏡面対称は存在しうるが回転対称は存在しない。すなわち、対称は、光学部品の光軸1012に対する回転対称なしで存在する。例えば、プリズムは、それぞれの光路の部分領域に1つのプリズム面が各々割り振られている鏡面対称に適する。凹面レンズまたは凸レンズは、回転対称に適する。この対称は、対称な光学部品による光の屈折が、第1の部分領域に向かう光路と第2の部分領域に向かう光路とについて、どちらの光路もその光学部品を通る場合に対称になることを可能にする。
図14に、いくつかの部分領域によって共用される光学部品の可能な実装の光学特性の概略図を示す。図には、画角w(縦座標)に対する光学部品のひずみV(横座標)の比較が示されている。画角wがゼロから増加するにつれて、光学部品は負のひずみの増加を示す。すなわち絶対値が増加する。代替の実施形態によれば、ひずみはまた、画角が増加する場合にも値が増加しうる。これは、画角が増加するにつれてひずみも増加しうることを意味する。記載される光学部品は、光学部品64とすることもでき、光チャネルの光路に影響を及ぼすいくつかのレンズの組み合わせとすることもできる。そうして、例えば、光学部品は、レンズ64と、第1の部分領域(74a)に専用に割り振られた部分領域光学部品との組み合わせとみなすこともできる。代替として、または加えて、本明細書に記載の光学部品は、光チャネルのすべての光路に有効ないくつかのレンズの組み合わせとすることもできる。
しかしながら、以下では、画角ゼロから増加する量、すなわち縦座標wに沿うコースに応じて増加する負のひずみを含むような光学部品について説明する。量に応じて増加する負のひずみは、第1の変化勾配dV/dwで増加する。量に応じた負のひずみの増加は、第1の画角閾値w1が得られるまで続く。画角がそれ以上に大きくなると、ひずみの第2の変化勾配dV/dwは、第1の変化勾配よりも量に応じて小さくなる。例えば、第2の変化勾配は、第1の変化勾配の最大でも1/3である。すなわち、画角閾値を超えた後に、量に応じたひずみの変化は、画角閾値を下回る量に応じたひずみの変化と比較して最大でも1/3程度まで発生する。そうして、ひずみは、直線2026−1で示されるように、画角が増加するにつれてさらにわずかに減少しうる。あるいは、ひずみは直線2026−2で示されるようにわずかに増加することも可能である。また、直線2026−3について示されるように、画角が増加するにつれて実質的に一定なひずみを実現することもできる。
画角閾値w1の点におけるひずみVの値V1は、5%〜90%、7%〜80%、または少なくとも10%〜最大70%の範囲、または約30%とすることができる。閾値w1を上回る画角の増加に伴うひずみの変化はほぼ1%〜2%になり、そのため、このひずみの変化を、第1の変化勾配に対して実質的に一定であるとみなすことができる。一定のひずみとは、実質的にそれ以上のひずみや画像破損がないことを意味する。光学部品のひずみは、使用可能な画像領域を規定することができる。画角閾値w1は、例えば、対象領域における第1の部分領域74aと第2の部分領域74bとの間の角距の半分以下である。少なくとも2つの部分領域を取り込む光チャネルの主視線方向について、これが意味するのは、光チャネルは、主視線方向の外側領域においてひずみのわずかな変化を有するが、光学的主軸の領域ではひずみの大きな変化を含むことである。取り込まれるべき対象領域の部分領域が主視線方向から離れて、主視線方向から間隔を置いて配置されている場合、これが意味するのは、わずかしか増加しないため、補正が容易なひずみである。
言い換えれば、画角が小さい場合、強い負のひずみが得られる。画角がより大きい場合には、可能な限り低いひずみが得られる。より大きな画角のひずみは、ゼロ、すなわち、一定、正または負となりうる。
簡素化のために、図14には、ひずみが直線として示されている。基本的には、グラフ2026−1、グラフ2026−2および/またはグラフ2026−3の他の、すなわち湾曲した、連続した、または不連続なコースも得ることができ、かつ/または複雑なコースの発生しうる。グラフ2026−1、グラフ2026−2およびグラフ2026−3のコースとは無関係に、画角閾値より上では、画角変化の関数としてのひずみの変化勾配は、画角閾値の下よりも低い。
本明細書に記載される実施形態は、線形チャネル配置を有するマルチアパーチャアプローチを使用することによって設置高さを低減することを可能にする。この効果は、アレイ14が単一ラインとして構築されている、すなわち単一ラインを構成しているという点で増加しうる。そのような実施態様によって、単一ラインの光チャネルを有する2次元的に分布する部分対象領域による2次元対象領域の取り込みが可能になる。これには、すべての光チャネルが単一ラインに沿って配置されており、そのため、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの寸法が、ライン延長方向146(設置高さ)に垂直な方向に沿って最小になるという効果がある。
以下では、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの別の構成要素の別の有利な実施態様について参照する。これらは、例えばミラーを用いて、光路の可変ビーム偏向によってイメージングシステムの第2のカメラを省くことを可能にする。本明細書に記載される実施形態は、基本的に、イメージングシステムの構造の簡素化を可能にし、よって、製造コストの削減および設置体積、特に設置高さ(光路に垂直かつライン延長方向に垂直な寸法)の削減を可能にする。上述の態様はまた、いくつかの光路の斜入射に対して最適化された光学部品を、レンズが回転対称であるために、少なくとも2つの画像領域に同時に使用できるという知見に基づくものでもある。第2の画像領域は、例えば、光軸について第1の画像領域に対して鏡面対称に配置され、同じ画像平面内に配置される。
公知のイメージングデバイスに関する重要な特徴は、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの少なくとも1つの光チャネルに少なくとも2つの画像領域が存在することであり、これらの領域は相互に連結されておらず(互いに素であり)、領域間の画像ギャップを含む。全対象領域および全視野の取り込まれる部分領域または取り込まれる部分視野は、それぞれ、それが、光チャネルで取り込むことができる対象領域または全視野の部分領域の全体画像である、すなわち、部分領域または部分視野の延長は、全体画像に影響を及ぼす、光学部品および絞りなどの要素によって決定されると考えられる。互いに素な部分領域では、これは、光チャネルが、互いに素な部分領域の間の全対象領域の全視野のうちの何も、またはそれ以上の部分領域を取り込まないことも意味しうる。
図15aに、第1の動作状態にある一実施形態によるデバイス10の概略側断面図を示す。デバイス10は、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータなどのモバイルコンピュータおよび/または携帯音楽プレーヤといったモバイルデバイスまたは非モバイルデバイスとすることができる。
デバイス10は、イメージセンサ12と、並置された光チャネル16のアレイ14と、ビーム偏向手段18とを含むマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11を含む。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11は、例えば、ビーム偏向手段18をさらに含むマルチアパーチャ・イメージング・デバイス1000とすることができる。あるいは、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11は、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス4000、4000’、7000、7000、8000、10000、10000’、11000、13000または13000’などの、本明細書に記載される実施形態による異なるマルチアパーチャ・イメージング・デバイスとすることもできる。いくつかの図は、2つのチャネルが共通の光学部品を使用する少なくとも2つの光路を含む4つの光チャネルを示しているが、これらの記述は上述の実施形態にも限定なく適用されることに留意されたい。代替として、または加えて、3、5またはそれ以上など、異なる数の光チャネルを配置することもできる。
続いて記載されるマルチアパーチャ・イメージング・デバイスおよび/またはイメージングシステムの特徴は、特に、手ぶれ補正機能、合焦機能、部分的に回転移動可能および並進移動可能な構成要素ならびに部分的なシステムとのハウジングにおける一体化の機能、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスまたはいくつかのマルチアパーチャ・イメージング・デバイスを含むデバイスを設計するための機能に関して、上述のマルチアパーチャ・イメージング・デバイスに容易に移すことができる。
ビーム偏向手段18は、光チャネル16の光路17を偏向させるように構成され、これについては以下で詳細に論じる。デバイス10は、ハウジング体積24を囲む外面23を有するハウジング22を含む。これは、ハウジング体積24がハウジング22の内容積とハウジング22の体積とを含みうることを意味する。よって、ハウジング体積は、ハウジング壁が必要とする体積も含み、よって、ハウジングの外面23によって囲まれている。ハウジング22は、透明または不透明なものとして形成することができ、例えば、プラスチック材料および/または金属材料を含むことができる。ビーム偏向手段18は、ハウジング体積24の内部の第1の位置を有する。マイクロフォンの音響チャネルやデバイス10の電気接点などのためのハウジングの側面の穴または開口部は、ハウジング体積24を求める際には無視することができる。ハウジング22および/またはハウジング22内に配置された部材は、ビーム偏向手段18による偏向後の光チャネル16の光路17を遮ることができ、そのため、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11が取り込むべきであるハウジング22の外部に配置された視野26は、全く、または限られた範囲までしか取り込むことができない。部材は、例えば、アキュムレータ、プリント回路基板、ハウジング22の不透明領域などとすることができる。換言すれば、従来のカメラの対物レンズの代わりに、異なる、おそらく非光学的なデバイスをハウジング上に配置することができる。
ハウジング22は、ハウジング体積24をハウジング22の外部体積25に連結するための開口部28を含むことができる。開口部28は、随時カバー32によって完全にまたは部分的に閉じることができる。デバイス10の第1の動作状態は、光チャネル16が、例えばハウジング22の内側に向けられており、または全く偏向されていないマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11の非活動動作状態とすることができる。
換言すれば、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの構造の設置高さは、少なくとも部分的には、光チャネル16の光学部品(レンズ)の直径によって決定される。(おそらくは最適な)場合には、この厚さ方向のミラー(ビーム偏向手段)の延長は、この方向のレンズの延長と等しい。しかしながらこの場合、光チャネル16の光路はミラー18によって制限される。その結果画像輝度が低下することになり、この低下は画角に依存する。本発明の実施形態はこの問題を、カメラの動作状態において、構造の部分が、例えば、カメラの非使用状態と比較してスマートフォンからハウジングを越えて突出するようにマルチチャネルカメラ構造の部分または全部を動かすことによって解決する。ビーム偏向手段などの部品の動きは、回転(折り畳みまたは折り畳み開放)、並進(延長)または混合の形態とすることができる。各部分およびシステム全体の追加的な動きにより、それぞれ、コンパクトカメラの公知の対物レンズと同様のカメラの非使用モードでは最小の構造的形態が、カメラの使用モードでは技術機能を実現するように最適化されたより大きい構造的形態が可能になる。
図15bに、第2の動作状態にあるデバイス10の概略側断面図を示す。第2の動作状態では、ビーム偏向手段18は、ハウジング体積24の外側の第2の位置を有する。これにより、ビーム偏向手段18は、光チャネル16の光路17を、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11がハウジング22の外部で取り込めるように、ハウジング体積24と視野26の外部で偏向させることができる。カバー32は、図15aに示す位置から離すことができ、そのため、ビーム偏向手段18をハウジング22の開口部28を通してハウジング体積24から出すことができるように、ビーム偏向手段18は、第1の位置と第2の位置との間で並進移動および/または回転移動させることができる。ハウジング22内部の部材および/またはハウジング22自体が、光チャネル16の偏向された光路17を遮らないことは有利である。
マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11は、ハウジング22の少なくとも部分的には内側に配置されたカメラハウジング内に配置することができる。カメラハウジングは、例えば、少なくとも部分的には、図19のコンテキストで説明したような移動キャリッジによって形成することができる。これは、シングルチャネルカメラが、折り畳み機構によって異なる方向に向けられるという概念とは、この場合には、イメージセンサおよび/またはイメージング光学部品の回転または傾きを防止できるという点で異なる。
第1の位置から開始して、ビーム偏向手段が少なくとも部分的にハウジング体積の外部に配置される第2の位置にビーム偏向手段が移動されるように、デバイス10によって全視野を取り込むことができる。ビーム偏向手段が第2の位置にあるとき、ビーム偏向手段によってその光路が偏向されるマルチアパーチャ・イメージング・デバイスの並置された光チャネルのアレイによって全視野を取り込むことができる。
図16aに、第1の動作状態にある別の実施形態によるデバイス20の概略側断面図を示す。デバイス20は、例えば、連結要素34aを介して、かつ/または任意選択の連結要素34bを介してハウジング22上で枢動するカバー23を備える。連結要素34aおよび/または連結要素34bは、ハウジング22とビーム偏向手段18のカバー23との間の傾斜、よって回転移動を可能にするように構成することができ、例えば、ヒンジまたはころ軸受として形成することができる。
ビーム偏向手段18は、ハウジングのカバーを形成することができ、またはハウジングの一部とすることができる。ビーム偏向手段18のビーム偏向面のうちの1つは、ハウジングの外縁部とすることができる。ビーム偏向手段18は、第1の位置を構成し、ハウジング22の一部または全部を閉じる。ビーム偏向手段18は、例えば、光路17を偏向させるための反射領域を含むことができ、第1の位置でハウジング22と機械的接触を形成するように構成された接触領域を含むことができる。簡単に言えば、カメラは使用中でないときには見えず、またはほとんど見えないであろう。
図16bは、第2の動作状態にあるデバイス20の概略側断面図を示す。第2の動作状態では、ハウジング体積24を開くようにビーム偏向手段18をハウジング22に対して回転移動させる、すなわち広げることができる。回転傾斜により、イメージセンサ12とビーム偏向手段18との間の光チャネル16の光路17のコースに対してビーム偏向手段18を傾斜させ、または傾けることが可能になり、そのため、光路17はビーム偏向手段18で第1の方向19aに偏向される。
図16cに、第3の位置にあるデバイス20の概略側断面図を示す。デバイス20は、第2の動作状態にありうる。図16bに示す第2の位置と比較して、ビーム偏向手段18は、光チャネル16の光路17を異なる方向19bに偏向させることができ、そのため、異なる視野または異なる位置に位置決めされた視野を取り込むことができる。例えばこれは、光路17がそこに向けて偏向されるデバイス20および/またはユーザの第1の面と反対の面、例えば、前面と背面、左右、上下などとすることができる。連結要素34a、34bは、ビーム偏向手段18が第2位置または第3の位置を択一的に構成できるように、例えば、フレーム構造およびビーム偏向手段18と連結することができる。マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの切替可能な視線方向によって、特に前方と後方の視線方向を有する2つのカメラを使用したスマートフォンにおける従来の解決策を1つの構造で置き換えることができる。
図17aに、第1の動作状態にある別の実施形態によるデバイス30の概略側断面図を示す。図16a〜16cに記載されているデバイス20と比較して、デバイス30は、ハウジング22の外縁部23とマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11との間に配置された少なくとも部分的に透明なカバー36を含む。少なくとも部分的に透明なカバーは、ビーム偏向手段18に連結されており、ビーム偏向手段18の移動に従って移動するように構成されている。少なくとも部分的に透明なカバー36は、例えば、ポリマーおよび/またはガラス材料を含むことができる。
言い換えれば、カプセル化された体積(移動可能なカバーガラス)を変更するという選択肢により、除染からの保護のための光学部品のカプセル化を可能にするデバイスを提供することができる。
図17bに、第2の動作状態にあるデバイス30の概略側断面図を示す。図16bのデバイス20と比較して、少なくとも部分的に透明なカバーは、ハウジング体積24から少なくとも部分的に出される。これは、連結要素34を中心としたビーム偏向手段の回転移動によって行われうる。ビーム偏向手段18は、光チャネルが少なくとも部分的に透明なカバーを通るように、光チャネル16の光路17を偏向させるように構成されている。カバー36は、ハウジング体積24内への粒子、ほこりおよび/または湿気の侵入を低減または防止するように構成されている。この場合カバー36は、光路17のために透明に、かつ/または部分的に不透明に形成することができる。カバー36は、例えば、電磁放射の特定の波長範囲にわたって不透明とすることができる。カバー36の1つの利点は、粒子、ほこりおよび/または湿気の量の減少により、光チャネルの光学部品の汚染が低下するため、デバイスの長い動作寿命および/または連続的な高画質が得られることである。
図17cに、ビーム偏向手段18が、任意選択のアクチュエータ38を用いて、イメージセンサ12と光チャネル16との間の光路17の方向xに対して垂直であり、光チャネル16のアレイのライン延長方向に対して垂直な方向zに対して垂直な方向yに沿って並進移動可能であるデバイス30の概略側断面図を示す。ビーム偏向手段18は、回転移動に基づいて連結要素34を中心として、例えば、ガイド、レベルなどを中心に並進移動させることもできる。折り畳み(回転移動)は、手動で、またはアクチュエータを使用して行うことができる。任意選択のアクチュエータ38は、ビーム偏向手段18上に配置することができる。あるいは、アクチュエータ38は、ハウジング22とビーム偏向手段18との間に配置することもできる。アクチュエータ38は、例えば、ハウジング22と連結要素34aとの間に、かつ/または連結要素34aとビーム偏向手段18との間に配置することができる。ビーム偏向手段がハウジングのx方向に沿って並進移動することにより、ハウジング22によって取り込まれるべき視野の陰影を低減させることができることは利点である。
図18aに、第1の動作状態にある一実施形態によるデバイス40の概略側断面図を示す。ビーム偏向手段18は、第1の位置において、ハウジング22のハウジング体積の内側に配置され、並進移動42に従って、第1の位置から図18bに概略的に示されている第2の位置まで移動するように構成されている。図18aに示すように、ハウジングは、第1の動作状態において、ハウジング22を閉じるカバー32と、およびその中の開口部とをそれぞれ含むことができる。ビーム偏向手段18は、第1の動作状態において、ハウジング22内部の光路によって定義される方向xに垂直な最小限の延長を有するように向けることができる。
図18bに、第2の動作状態にあるデバイス40の概略側断面図を示す。ビーム偏向手段は、並進移動42に従って、例えばx方向に沿ってハウジング体積24から出される。このために、ビーム偏向手段18は開口部28を通って移動することができる。ビーム偏向手段18は、回転軸44を中心に回転移動することができる。第1の動作状態と第2の動作状態との間の並進移動中に、ビーム偏向手段18は、回転軸44を中心とした回転移動を行うことができる。ビーム偏向手段の角度方向は、図18aの第1の動作状態と比較して変更することができ、そのため、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの光路によって使用されるビーム偏向手段の面積は、第1の動作状態と比較して増加する。回転軸44を中心とする回転移動46により、光チャネル16とビーム偏向手段18との間の光路17に対するビーム偏向手段18の傾斜を変え、よって光チャネル16の光路17が偏向される方向を変えることが可能になる。光チャネル16は、光学部品64a〜64bを含むことができる。
ビーム偏向手段18に加えて、光チャネル16の光学部品64a〜64bおよび/またはイメージセンサ12も、第2の動作状態でハウジング体積24の外側に配置することができる。光チャネル16の光学部品64a〜64bおよび/またはイメージセンサ12は、例えば、ビーム偏向手段18と共に移動させることができる。
言い換えれば、線形チャネル配置を有するマルチアパーチャカメラは、並置されており、全視野の各部分を各々伝送するいくつかの光チャネルを含む。有利には、イメージングレンズの前に、ビーム偏向のために使用することができ、設置高さの低減に寄与するミラーが取り付けられる。ファセットが平坦であり、または任意に湾曲しており、またはファセットに自由形式の領域が設けられているファセットミラーなど、チャネルごとに適合されたミラーと組み合わせて、有利には、光チャネルのイメージング光学部品は実質的に同一に構築されており、チャネルの視線方向は、ミラーアレイの個々のファセットによって予め決定されることが可能である。ビーム偏向手段の表面は、少なくとも各光チャネルに割り振られた反射ファセットにおいて鏡面化されている。チャネルのイメージング光学部品を異なるやり方で実装して、異なる視線方向がミラーファセットの角度およびそれぞれの光チャネルの実装によって得られるようにすることも可能である。さらに、いくつかのチャネルがビーム偏向手段の同じ領域を使用し、よってファセットの数をチャネルの数より少なくすることも可能である。この場合、偏向ミラーを枢動させることができ、回転軸は、例えば、チャネルの延長方向と平行に通る。偏向ミラーは、両面とも反射性とすることができ、金属層または誘電体層(シーケンス)を使用することができる。ミラーの回転は、1または複数の方向に沿ってアナログまたは安定でありうる。ビーム偏向手段は、回転移動に従って、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能とすることができ、光路は各位置において異なる方向に偏向される。図16−cのビーム偏向手段18の位置について説明したのと同様の方法で、ビーム偏向手段を回転軸を中心に移動させることもできる。ハウジングカバー32およびビーム偏向手段18の並進移動に加えて、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの各部分およびすべての追加構成要素を、それぞれ、同じ方向に並進的に一緒に移動させることができ、その場合、同じ移動範囲または異なる移動範囲が可能である。
図19aに、カバー32がハウジング22のハウジング側面22b上で移動要素34を介して回転移動可能に配置されているデバイス50の概略側断面図を示す。ビーム偏向手段18は、移動キャリッジ47に機械的に連結することができる。移動キャリッジ47は、少なくともビーム偏向手段18を移動させる機械的搬送手段とみなすことができる。デバイス50は、移動キャリッジ47を並進移動させるように構成されたアクチュエータ33を含むことができる。アクチュエータは、ステップモータ、圧電駆動装置、ボイスコイル駆動装置などの任意の駆動装置を含むことができる。アクチュエータ33の代替として、またはアクチュエータ33に加えて、デバイス50は、カバー32およびハウジングを少なくとも1つのハウジング側面22aに固定する機械的ロック35を解除するように構成されたアクチュエータ33’を含むことができる。ビーム偏向手段または移動キャリッジ47は、ロック33’が解除されるとばね力によってハウジングから追い出すことができる。これは、ビーム偏向手段18を第1の位置に維持するようにロック35を構成できることを意味する。移動キャリッジ47も、デバイス40内に配置することもできる。これは、移動キャリッジ47をカバー32の並進移動にも使用できることを意味する。
図19bに、移動キャリッジ47が並進移動方向42に沿って移動されて、ビーム偏向手段18がハウジング体積24から出されるデバイス50の概略側断面図を示す。イメージセンサ12および/または光チャネル16の光学部品も、移動キャリッジ47に機械的に連結することができ、ビーム偏向手段18と共に同程度に移動させることができる。あるいは、イメージセンサ12および/または光チャネル16の光学部品は、イメージセンサ12と、光学部品および/またはビーム偏向手段18との距離が延長時に増加するように、ビーム偏向手段18よりも小さい範囲まで移動可能とすることもできる。代替として、または加えて、イメージセンサ12および/または光チャネルの光学部品は、ビーム偏向手段18だけが移動キャリッジ47によって移動されるように、ハウジングに対して動かないように配置することもできる。延長時にイメージセンサ12と、光学部品および/またはビーム偏向手段18との距離が増加することにより、第1の動作状態における構成要素の距離をより小さくすることができ、そのため、より小さい必要設置空間でマルチアパーチャ・イメージング・デバイスをハウジング22内に収容することができる。
図19cに、第2の動作状態にあるデバイス50の概略側断面図を示す。ビーム偏向手段は、例えば、デバイス40について説明したように回転移動46を行うために枢動させることができる。図18bのコンテキストで説明したように、ビーム偏向手段18の角度方向は、図19aの第1の動作状態または図19bの状態と比較して変更することができ、そのため、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの光路によって使用されるビーム偏向手段の面積は、第1の動作状態と比較して増加する。光チャネル16とイメージセンサ12とにそれぞれ面するビーム偏向手段18の側面は、例えばy方向に沿った、移動方向42に平行な並進移動方向42にイ対して垂直な、この方向に沿った光チャネル16とイメージセンサ12との寸法Aよりもそれぞれ大きい寸法Bを有しうる。寸法Bは、例えば、アレイのライン延長方向に対して垂直であり、光チャネルが当たるイメージセンサの表面に対して平行である。これは、ビーム偏向手段18によって大きな光量を偏向させることができ、取り込まれる画像の輝度が高くなるという効果を有しうる。図19aに示す位置では、延長または寸法Bは、図19cに示す位置またはビーム偏向手段18が光路を別の視線方向に向ける位置よりも小さい。
図20aに、第1の動作状態にある一実施形態によるデバイス60の概略側断面図を示す。ビーム偏向手段18は第1の位置にある。図18aおよび図18bに記載されているデバイス40およびデバイスと比較して、デバイス50は、カバー32に連結され、並進移動方向42に沿ってカバー32と共に移動させることができる少なくとも部分的に透明なカバー36a、36bを含む。少なくとも部分的に透明なカバー36a、36bはそれぞれ、ビーム偏向手段18とハウジング22との間のビーム偏向手段18の異なる側に各々配置することができる。第1の動作状態では、カバー36a、36bを、部分的または完全にハウジング体積24の内部に配置することができる。カバー36a、36bは、例えば、図19a〜図19cに示す移動キャリッジ47上に配置することもでき、移動キャリッジ47の透明領域とすることもできる。
図20bに、ビーム偏向手段18が第1の位置と第2の位置との間の中間位置にあるデバイス60の概略側断面図を示す。ビーム偏向手段の中間位置は、例えば、ビーム偏向手段18をハウジング体積24内に引き込んだり、ハウジング体積24から引き出したりする際に、それぞれ得ることができる。ビーム偏向手段18は、ハウジング体積24から部分的に出される。
図20cに、ビーム偏向手段18が第2の位置にある、すなわち、ビーム偏向手段18が、例えば、ハウジング体積24から完全に引き出されているデバイス60の概略側断面図を示す。少なくとも部分的に透明なカバー26aとカバー36bとは、相互に対して、ハウジングの側面22a、22bの間の比較距離よりも小さい距離48を有する。
図20dに、少なくとも部分的に透明なカバー36aとカバー36bの距離が図22a〜図22cと比較して拡大されているデバイス60の概略側断面図を示す。少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび/またはカバー36bは、それぞれ、並進移動方向52a、52b沿って、例えば、それぞれの他方の少なくとも部分的に透明なカバー36a、36bと反対の正または負のy方向に沿って移動可能とすることができる。図20a〜図20cに示されている少なくとも部分的に透明なカバー36a、36bの状態は、引き込まれ、または折り畳まれた状態とみなすことができる。図20dに示されている状態は、引き出され、広げられた状態とみなすことができ、少なくとも部分的に透明なカバー36aとカバー36bとの間の距離48’が、距離48に対してそれぞれ変更され、拡大されている。距離48’は、例えば、ハウジング22の相当する側面間の距離以上とすることができる。ビーム偏向手段18は、光路が少なくとも部分的に透明なカバー36aおよび/またはカバー36bを通るように、光チャネルの光路を偏向させるように構成されている。図18b、図19aおよび図19bのコンテキストで説明したように、ビーム偏向手段18の角度方向は、図20aの第1の動作状態または図20bもしくは図20cの状態と比較して変更することができ、そのため、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの光路によって使用されるビーム偏向手段の面積は、第1の動作状態と比較して増加する。代替として、または加えて、拡大された距離48’は、回転移動46の範囲を増加させることもできる。回転移動46により、ビーム偏向手段18は、少なくとも第1の位置と別の位置とを切り替えることができ、各位置をマルチアパーチャ・イメージング・デバイスの視線方向に割り振ることができる。ミラーの回転は、1または複数の方向に沿ってアナログまたは安定でありうる。マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの視線方向を変更するための回転移動46を、図26のコンテキストで説明した光学手ぶれ補正のためのビーム偏向手段18の回転移動と組み合わせることができる。カバー36aおよび/またはカバー36bは、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスのその他の構成要素をカプセル化することができる。
対向するように配置されたカバー36aおよび/またはカバー36bとその透明領域とは、それぞれ、切替可能な絞りを含むことができ、そのため、切替可能な絞りは、例えば、ビーム偏向手段の上方および/または下方に、またはその任意の方向に沿って導入される。絞りは、カメラの動作状態および視線方向に応じて切り替えることができる。例えば、使用されていないマルチアパーチャ・イメージング・デバイスの視線方向は、迷光の侵入を低減させるために絞りによって少なくとも部分的に閉じることができる。絞りは、例えば、機械的に移動させることもでき、電子着色とすることもできる。絞りの影響を受ける領域には、さらに、非使用の場合に光学構造をカバーする切替可能な絞りを設けることもできる。絞りは電気的に制御可能とすることができ、電子着色層(シーケンス)を含むことができる。絞りは、機械的に移動される部分を含むことができる。この移動は、空気圧、油圧、圧電アクチュエータ、直流モータ、ステップモータ、熱アクチュエータ、静電アクチュエータ、電歪アクチュエータおよび/または磁歪アクチュエータまたは駆動装置を使用して行うことができる。視線方向が絞りを貫通するマルチアパーチャ・イメージング・デバイスの状態では、光チャネルの光路を通過させるように絞りを切り替えることができる。これは、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスが第1の動作状態と第2の動作状態とを有しうることを意味する。ビーム偏向手段は、第1の動作状態の光チャネルの光路を、光路がカバー36aの第1の透明領域を通るように偏向させることができる。第2の動作状態では、光チャネルの光路を、光路がカバー36bの第2の透明領域を通るように偏向させることができる。第1の絞り53aは、第2の動作状態において少なくとも部分的に第1の透明領域を光学的に閉じるように構成することができる。第2の絞り53bは、第1の動作状態において随時少なくとも部分的に第2の透明領域を光学的に閉じるように構成することができる。そうして、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの現在の視線方向ではない方向からの迷光の侵入を低減させることができ、画質に有利な効果を及ぼす。第1および/または第2の絞り53a〜53bは、少なくとも1つの光チャネル、少なくとも2つの光チャネル、またはすべての光チャネルに対して有効でありうる。例えば、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの少なくとも1つの光チャネル、少なくとも2つの光チャネル、またはすべての光チャネルは、光チャネルの光路が第1の透明領域を通して向けられるときには第1の絞りを通ることができ、光チャネルの光路が第2の透明領域を通して向けられるときには第2の絞りを通ることができる。
図16および図17によるビーム偏向手段を広げるための機構を、並進移動のための機構と組み合わせることができる、すなわち、混合形態を実施できることに留意されたい。ハウジングを広げ、かつ/またはビーム偏向手段を延長することにより、イメージングモジュール、すなわち、光チャネル、光チャネルの光学部品および/またはイメージセンサをハウジング体積から出すことができる。ビーム偏向手段の角度変化により、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの厚さ方向の延長を大きくすること、および/またはビーム偏向手段が「前」と「後」とに向けて光路を妨げられずに偏向させることを可能にできる。カバー36などのカバーガラスも、折り畳み要素または延長要素に対して固定することができる。カバーガラスは、任意の平面または非平面の表面を有しうる。
図21に、3つのマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a〜11cを有する一実施形態によるデバイス70の概略斜視図を示す。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a〜11cは、それぞれの並進移動方向42a〜42cに沿って並進移動可能とすることができる。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a〜11cは、ハウジング22の副面22c〜22fに配置することができる。ハウジングは、平坦に形成することができ、これは、第1のハウジング方向、例えばx方向に沿ったハウジング22の第1の延長と、第2のハウジング方向、例えばz方向に沿ったハウジング22の第2の延長とが、第3のハウジング方向、例えばy方向に沿ったハウジング22の第3の延長と比較して、少なくとも3倍の寸法、少なくとも5倍の寸法または少なくとも7倍の寸法を有しうることを意味する。ハウジング22の主面22aおよび/または主面22bは、第1および第2の寸法を有することができ、例えば、空間的にx/z平面に平行に配置することができる。副面22c−22fは、主面22aと主面22bとを連結することができ、それらの間にそれぞれ配置することができる。
マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a、11bは、ハウジング22の同じ面22dの内部または上に配置することができ、例えば、立体視などのために、相互までの基準距離BAを有しうる。3つ以上のモジュールも可能なはずである。このようにして、全視野を、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11cと少なくとも1つの別のマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11aおよび/または11bを使用して、例えば、立体視的に、またはそれ以上で取り込むことができる。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a、11bおよび/または11cは個別に移動可能とすることができる。あるいは、モジュールのうちの2つ以上をシステム全体として一緒に移動可能とすることもできる。
以下で詳細に説明するように、デバイス70は、少なくとも立体視的に全視野を取り込むように構成することができる。全視野は、例えば、主面22aまたは主面22bの一方に配置されているが、副面22c〜22fに配置することもできる。例えば、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a〜11cは、全視野を各々取り込むことができる。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a〜11cは、相互に空間的に間隔を置いて図示されているが、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a、11bおよび/または11cは、空間的に隣接させて、または組み合わせて配置することもできる。おそらくは単一ラインとして配置されたイメージングデバイス11a、および11bのアレイは、例えば、図27bのコンテキストで説明したように、相互に隣接して、または相互に平行に配置することができる。アレイは、相互に対してラインを形成することができ、各マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a、11bは、単一ラインアレイを含む。イメージングデバイス11a、11bは、共通のビーム偏向手段および/または共通のキャリアの光チャネルの光学部品および/または共通のイメージセンサを含むことができる。
図22に、デバイス70およびマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a、11bの一部分の拡大斜視図を示す。デバイス70は、第2の動作状態にある。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11aおよび/または11bは、例えば、元のハウジング側面を越えて突出している。ビーム偏向手段18a、18bは、少なくとも部分的に、並進移動方向42a、42bに基づいて、ハウジング体積の外部で移動される。あるいは、第2の動作状態では、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a〜11bのビーム偏向手段の一部のみをハウジング22のハウジング体積から出すことができる。
マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a〜11bは、例えば、4つの光チャネル16a〜16d、16e〜hを各々含む。ビーム偏向手段18a、18bは、それぞれ、光チャネル16a〜16dと光チャネル16e〜16hとの光路17a〜17fと光路17g〜17lとをそれぞれ偏向するように各々構成されている。以下で詳細に説明するように、他のマルチアパーチャ・イメージング・デバイスは、異なる数の光チャネルを有しうる。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a〜11bは、同数または異なる数の光チャネルを有しうる。
マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a、11bは、それぞれ、照明手段54a、54b、照明手段54c、54dを各々含む。照明手段54a〜54dは、取り込まれる全視野を少なくとも部分的に照明するように構成されており、例えば、取り込まれる全視野(対象領域)の中心を照明するように各々構成することができる。一実施形態によれば、照明手段54aまたは54bおよび照明手段54cまたは54dの少なくとも1つを、それぞれ、光チャネル16a〜16dおよび光チャネル16e〜16dの中心視線方向に沿って全視野をそれぞれ照明するように配置することができる。全視野は、それぞれ、少なくとも1つの光チャネル16a〜16dおよび光チャネル16e〜16hによって各々取り込まれる異なる部分視野を含むことができる。光チャネル16a〜16dまたは光チャネル16e〜16hの中心視線方向は、例えば、視線方向の幾何平均値または視線方向の中央値とすることができる。
照明手段54a〜54bおよび照明手段54c〜54dは、それぞれのマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11aまたは11bのフラッシュ光として動作することができ、任意の光源を含むことができる。有利には、光源は、絶縁空間要件が低く、エネルギー要件が低いため、例えば発光ダイオード(LED)として構成することができる。別の実施形態によれば、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスは、照明手段54a〜54dを含まないことも、1つ含むことも、2つ以上含むこともでき、照明手段54a〜54dマルチアパーチャ・イメージング・デバイスの数は、デバイスの他のマルチアパーチャ・イメージング・デバイスを異なっていてもよく、同じであってもよい。照明手段54a〜54dのうちの少なくとも1つは、いくつかの対象領域を照明するように構成することができる。そうして、例えば、照明手段によって1または複数の方向に光を選択的に放射させることができる。照明手段は、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの少なくとも2つの視線方向に沿って光を放射することができる。このために、照明手段は、少なくとも2つの光源を含むことができる。光源は、デバイスの対向する面で発光することができる。例えば、移動キャリッジ47の上下、前後、および/または左右の面に各々1つの光源を取り付けることができ、選択された向きに、よってビーム偏向手段18の動作状態に従って取り込まれるべき対象領域に対向し、その方向に発光するその面の(1または複数の)光源のみが使用される。上述の前後、上下、および左右の用語は、説明のために使用されているにすぎず、空間的に各向きと相互に交換可能であるため、限定的な意味で理解されるべきではない。これは、例えば、光源54iを移動キャリッジ47bの前後に配置することができ、ビーム偏向手段18bの位置に応じて、それぞれの光源を使用することができることを意味する。その他の対向する光源は、未使用のままとすることができる。
例えば、照明手段54a、54bは、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11aのビーム偏向手段18aとイメージセンサ12aとの間に配置されている。ビーム偏向手段18は、照明手段54aおよび/または照明手段54bによって放射される照明照射、例えばフラッシュ光を偏向させるように構成することができる。照明手段54a〜54bは、ハウジング体積内部のデバイス70の第1の動作状態および第2の動作状態で配置することができる。照明照射は、光路17a〜17fの少なくとも部分的に一部とすることができる。図示されているように、例えば、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11bの場合、照明手段54cおよび/または照明手段54dを、移動キャリッジ47b上のビーム偏向手段のそばに横方向に配置することができる。照明手段54c、54dは、並進移動42bと共にハウジング22に入り、またはハウジング22空出ることができる。照明手段はデバイス70のコンテキストで説明されているが、本明細書に記載の他のデバイスまたはマルチアパーチャ・イメージング・デバイスも照明手段を含むことができる。
照明手段54cおよび54dは、移動キャリッジ47aに機械的に連結することができ、よって、第1の動作状態では体積42内に配置することができ、よって、ユーザには見えないように配置することができる。代替として、または加えて、照明手段54a、54bは、ハウジング22の内部に固定して配置することもできる。移動キャリッジ47bの移動により、照明手段54c、54dの移動を実現することができる。
ビーム偏向手段18a、18bと一緒に、それぞれ、光学部品16a〜16dまたは光学部品16e〜16hとおそらくはイメージセンサ12a、12bとを、それぞれ、移動キャリッジ47a、47bの移動によってそれぞれハウジング体積から出すことができる。
言い換えれば、追加の照明(フラッシュ光)を実現するためのLEDを可動部に搭載することができる。この場合、LEDはチャネルの中心方向に照射するように配置することができ、ビーム偏向手段は、照射を偏向させるのに使用される別の領域をそれぞれ提供することができる。
この場合、光チャネルの数は基本的には随意に選択可能であることに留意されたい。また、光チャネルの配置も随意に調整することができる。すなわち、2つ以上の光路を有する光チャネルを、類似の光チャネルに隣接して、かつ/または単一の光路を含む光チャネルに隣接して配置することができる。有利な、または好都合な解決策は、全体として6つのイメージセンサ領域を含む4つの光チャネルを提供する。1光チャネル当たりの光路数のスキームは、「2/1/2/1」(16aから16まで、またはその逆に)に従って実施することができる。代替として、または加えて、2つの隣接するチャネルが、例えば、「2/2/1/1」、「1/2/2/2」または「2/2/2/2」のソートが得られる少なくとも2つの光路を含むことも可能である。
図23に、第2の動作状態を含む一実施形態によるデバイス90の概略斜視図を示す。ビーム偏向手段18は、取付要素56a、56bによってマルチアパーチャ・イメージング・デバイスに連結することができる。取付要素56a、56bは、移動キャリッジの一部とすることができる。
図24aに、第1の動作状態にある一実施形態によるデバイス100の概略斜視図を示す。カバー32は、ハウジング主面および/またはハウジング副面、例えばハウジング面側面22cと1つの平面を形成することができる。カバー32とハウジング側面22cとの間にはギャップがなく、または約1mm以下、0.5mm以下、または0.1mm以下のごくわずかなギャップしか配置することができず、そのため、カバー32とハウジング側面22cとの間の移行は全く、またはほとんど目立たない。簡単に言えば、カバー32は見えないであろう。
図24bに、第2の動作状態にあるデバイス100の概略図を示す。ビーム偏向手段18は、ハウジング体積の外部の第2の位置を構成する。外部から見ると、延長されたマルチアパーチャ・イメージング・デバイスは、全面において動かないハウジングフレームによって囲まれており、かつ/またはボタンのような外観を有しうる。デバイス100は、例えば、図24aによるカバー32に対する機械的圧力の間に機械的ロックを解除するように構成することができ、そのため、ビーム偏向手段を、例えばばね力に基づいてハウジング22から出すことができる。機械的圧力は、例えば、アクチュエータによって、かつ/または指圧など、ユーザによって生成されうる。ビーム偏向手段は、アクチュエータによって、または機械的圧力によって第2の位置から再度第1の位置に移動され、そこでロックを作動させることができる。アクチュエータは、例えば、アクチュエータ33またはアクチュエータ33’とすることができる。言い換えれば、移動は手動で行うこともでき、そのため、ユーザは、自発的に各部分またはシステム全体を、それぞれ、引き込んだり引き出したり、折り畳んだり広げたりする。移動は、特に、手動操作とばね力の効果の組み合わせとすることができる。そうして、ユーザは、カメラのスイッチをオフにするために、各部分およびシステム全体を、スマートフォンなどのデバイスのハウジング内に手動でそれぞれ折り畳みまたは移動させてばねを圧縮し、ロック機構によりこの位置が維持される。例えばスマートフォン上の適切なソフトウェアによってカメラのスイッチをオンにすると、切替可能なロック機構は、電気リレーなどの適切な制御可能機構によって解除され、ばねのばね力は、それぞれカメラの各部分とシステム全体とをそれぞれ延長し、広げる。さらに、ハウジングのカバー形成部分、延長可能部分および/または傾斜可能部分および/またはそれらに基づく別の機構を、このカバーに対する(指)圧によってロックが解除され、各部分またはシステム全体がそれぞれ拡大し、または広がり、おそらくはデバイス上の画像取り込みソフトウェアが起動するように実装することができる。一緒に移動するカバーは、側面のハウジングの一部を形成することができ、外部から見える、動かないハウジングによって全側面を囲むこともでき、全高(ハウジングの厚さ方向)にわたって側面を遮ることもできる。
図24cに、ハウジング22の主面の間の副面22cに連続したギャップが形成されるようにカバー32が形成されている図24aの代替形態の概略図を示す。これにより、ハウジング22において図24aに示す4つではなく2つのギャップだけが見えるようにすることができる。延長可能な、または折り畳み可能なカバー32および/または別のカバーを、平坦なハウジングの1または複数の側面にハウジング22の一部として形成することができる。
以下では、実施形態に従って使用することができるマルチアパーチャ・イメージング・デバイスのいくつかの可能な実施形態を参照する。
図25a〜図25bに、一実施形態によるマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11を示す。図25a〜図25bのマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11は、並置された光チャネル16a〜16dの単一ラインアレイ14を含む。光チャネル16aは、イメージセンサ領域58aと部分領域74aとの間の光路17aに影響を及ぼす。光チャネル16bは、イメージセンサ領域58bと部分領域74bとの間の光路17bと、イメージセンサ領域58cと部分領域74cとの間の光路17cとに影響を及ぼす。光チャネル16cは、イメージセンサ領域58dと部分領域74dとの間の光路17dに影響を及ぼす。光チャネル16dは、イメージセンサ領域58eと部分領域74eとの間の光路17eと、イメージセンサ領域58fと部分領域74fとの間の光路17fとに影響を及ぼす。
光路に影響を及ぼすために、各光チャネル16a〜16dは、光学部品64a〜64dと、おそらくは、全視野または全対象領域26に対応しうるデバイス11の全視野72のそれぞれの部分視野74a〜74fをそれぞれに割り振られたイメージセンサ12のイメージセンサ領域58a〜58d上に投影するための部分領域光学部品とを含む。この場合、全視野72は、図3aのコンテキストで説明したような部分領域74a〜74fを含みうることに留意されたい。部分領域および/または光路の付番a〜fは、随意に相互交換することができ、単により良い理解のために使用されている。共通の光チャネル16bと光チャネル16dとのそれぞれ光路17b/17cと光路17e/17fとによってそれぞれ走査される部分領域74b/74cと部分領域74e/74fとは、それぞれ、互いに素である。
イメージセンサ領域58a〜58fは、例えば、それぞれの画素配列を含む1つのチップで各々形成することができ、各チップは、図25a〜図25cに示すように、共通基板および共通のプリント回路基板62上にそれぞれ搭載することができる。あるいは、イメージセンサ領域58a〜58fを、イメージセンサ領域58a〜58fを横切って連続して延在する共通画素配列の一部で各々形成し、共通画素配列を、例えば単一のチップ上に形成することも可能であろう。例えば、イメージセンサ領域58a〜58fにおいては、共通画素配列の画素値だけが読み出される。例えば、2つ以上のチャネルのための1つのチップと、やはり他のチャネルのための別のチップがあるなど、これら代替形態の様々な混合も可能である。複数のチップのイメージセンサ12の場合、イメージセンサ12を、例えば、1または複数のプリント回路基板上、例えば、全部一緒に、または群単位などとして搭載することができる。
図25a〜図25bの実施形態では、4つの光チャネル16a〜16dが、アレイ14のライン延長方向に相互に並んで単一ラインで配置されているが、4という数は例示にすぎず、1より大きい任意の他の数とすることもできる。その上、アレイ14はまた、ライン延長方向に沿って延在する別のラインを含むこともできる。
光チャネル16a〜16dの光軸と光路17a〜17dとは、それぞれ、1つの平面内でイメージセンサ領域58a〜58fと光学部品64a〜64dとの間を通る。光チャネル16a、16cの光軸と光路17a、17dとは、イメージセンサ領域58a、58dと光学部品64a、64cとの間を相互に対して平行に通る。このため、イメージセンサ領域58a〜58fは、例えば、共通平面内二配置され、光学部品64a〜64dの光学的中心も配置される。両平面は相互に対して平行であり、すなわち、イメージセンサ領域58a〜58fの共通平面に平行である。加えて、イメージセンサ領域58a〜58fの平面上に対して垂直な投影において、光学部品64a、64dの光学的中心はイメージセンサ領域58a〜58fの中心と一致する。言い換えれば、これらの平行な平面において、一方の光学部品64a、64cとイメージセンサ領域58a、58dとはライン延長方向に同じ繰り返し距離で配置される。1光チャネル当たりの光路数の配置のスキームは、ライン延長方向に沿って1/2/1/2に、逆方向に2/1/2/1にそれぞれ対応する。基本的には、このスキームを随意に変更することができる。
イメージセンサ領域58a、58dと割り振られた光学部品64a、64cとの間の像側の距離は、イメージセンサ領域58a、58d上の投影が所望の対象距離に設定されるように調整される。この距離は、例えば、光学部品64a〜64dの焦点距離以上の範囲内、例えば、光学部品64a〜64dの焦点距離の1倍以上2倍以下の範囲内である。イメージセンサ領域58a、58dと光学部品64a、64cとの間の光軸17a、17dに沿った像側の距離は、ユーザによって手動で、または自動焦点制御によって自動で調整することもできる。
追加的な措置なしでは、光チャネル16a、16cの部分視野74a、74dは、光路と光軸17a、17dとの平行のために、それぞれ、実質的に完全に重なる。より大きい全視野72をカバーするために、部分視野74a〜74f、特に部分視野74a、74dが空間的に一部だけ重なるように、ビーム偏向手段18が設けられる。ビーム偏向手段18は、光路17a〜17fおよび光軸をチャネル個別の逸脱で全視野方向76にそれぞれ偏向させる。全視野方向76は、例えば、ビーム偏向の前とビーム偏向なしの場合とにそれぞれ、アレイ14のライン延長方向に対して垂直であり、光軸17a〜17fのコースに対して平行な平面に対して平行に通っている。例えば、全視野方向76は、光軸17a〜17fの、ライン延長方向を中心とした、>0°、<180°、例えば、80°〜100°の、例えば、90°とすることができる角度の回転によって得られる。よって、部分視野74a〜74dの全カバレッジに対応するデバイス11の全視野は、光軸17a〜17dの方向のイメージセンサ12とアレイ14との直列接続の延長方向ではなく、ビーム偏向のために、全視野は、デバイス11の設置高さが測定される方向、すなわち、ライン延長方向に対して垂直な横方向にイメージセンサ12およびアレイ14の側にある。加えて、ビーム偏向手段18は、各光路および各光チャネル16a〜16dの光路をそれぞれ偏向させ、偏向からのチャネル個別の逸脱により上述の方向76が得られる。このために、ビーム偏向手段18は、チャネル16a〜16dごとの反射ファセット68a〜68dを含む。反射ファセット68a〜68dは相互に対してわずかに傾斜している。ファセット68a〜68dの相互の傾きは、ビーム偏向手段18によるビーム偏向の間に、部分視野74a〜74dに、部分視野74a〜74dが部分的にのみ重なるようなわずかな発散が提供されるように選択される。この場合、図25aに例示的に示すように、個々の偏向を、部分視野74a〜74dが全視野72を2次元的にカバーする、すなわち、全視野72において2次元に分布して配置されるように設計することもできる。
これまで説明したデバイス11に関する詳細の多くは、単に例示として選択されたものにすぎないことに留意されたい。これはすでに、例えば、上述した光チャネルの数に関連したものである。ビーム偏向手段18は、上述したものとは異なるように形成することもできる。例えば、ビーム偏向手段18は必ずしも反射性ではない。ビーム偏向手段18は、ファセットミラーの形態とは異なって、例えば、透明なプリズムウェッジの形で実施することもできる。その場合、例えば、平均ビーム偏向は0°とすることができ、すなわち、方向76は、例えば、ビーム偏向の前またはビーム偏向なしの場合に、光路17a〜17dに対して平行とすることができ、言い換えれば、デバイス11は、ビーム偏向手段18にもかかわらず、依然として「まっすぐ前を見る」ことができる。ビーム偏向手段18によるチャネル個別偏向にはやはり、部分視野74a〜74dがごくわずかに重なる、例えば、部分視野74a〜74dの空間角度範囲に関して対ごとに<10%の重なりを有するという効果があるはずである。
また、光路および光軸は、それぞれ、前述した平行から逸脱する可能性があり、光チャネルの光路の平行は依然として非常に明確でありうるため、個々のチャネル16a〜16Nによってカバーされ、それぞれのイメージセンサ領域58a〜58d上に投影される部分視野は、それぞれ、さらなる措置、すなわちビーム偏向がなければ大部分が重なることになり、そのため、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11によってより大きな全視野をカバーするために、ビーム偏向手段18は光路に、N個の光チャネル16a〜16Nの部分視野の重なりが少なくなるようにさらなる発散を提供することになる。ビーム偏向手段18には、例えば、全視野が、光チャネル16a〜16Nの個々の部分視野の開口角の1.5倍を超える開口角を有するという効果がある。光路17a〜17dのある種の事前発散では、例えば、すべてのファセット傾斜が異なるわけではなく、いくつかのチャネル群が、例えば、同じ傾斜のファセットを有することも可能であろう。後者は、ライン延長方向に隣接するこのチャネル群に割り振られる実質的に1つのファセットとして、それぞれ、一体的かつ連続的に結合するように形成することができる。これらのチャネルの光軸の発散はその場合、これらの光軸の発散から発することができる。というのは、この発散が、光学部品の光学的中心とチャネルまたはプリズム構造または偏心レンズセクションのイメージセンサ領域との間の横方向のオフセットによって得られるからである。事前発散は、例えば、1つの平面に限定することができる。ビーム偏向の前、またはビーム偏向なしの場合には、それぞれ、光軸は、例えば、共通平面内を通るが、同じ平面内で発散する可能性もあり、ファセットは、他方の横断面における追加的な発散にのみ影響を及ぼす。すなわち、ファセットはすべてライン延長方向に平行であり、相互に対して傾斜しており、光軸の上述の共通平面と異なるにすぎない。この場合もまた、いくつかのファセットは同じ傾斜を有することができ、または1つのチャネル群に一緒に割り振ることができ、それらのチャネルの光軸は、例えば、ビーム偏向の前とビーム偏向なしの場合とにそれぞれ、対ごとの光軸の上述の共通平面においてすでに異なっている。
ビーム偏向手段を省いたり、ビーム偏向手段を平面鏡などとして実施したりする場合、全発散は、一方の光学部品の光学的中心と他方のイメージセンサ領域の中心との間の横方向のオフセットによって、またはプリズム構造もしくは偏心レンズセクションによって実現することができる。
上述の存在する可能性のある事前発散は、例えば、光学部品の光学的中心はライン延長方向に沿った直線上にあるが、イメージセンサ領域の中心は、イメージセンサ面内の直線上の点上のイメージセンサ領域の平面の法線に沿った光学的中心の投影から逸脱して、例えば、ライン延長方向に沿って、かつ/またはライン延長方向とイメージセンサ法線の両方に対して垂直な方向に沿って、チャネル個別的に、イメージセンサ面内の上述の直線上の点から逸脱した点上に配置されるという点において得ることができる。あるいは、事前発散は、イメージセンサの中心はライン延長方向に沿った直線上にあるが、光学部品の中心は、光学部品中心面内の直線上の点上の光学部品の光学的中心の平面の法線に沿ったイメージセンサの光学的中心の投影から逸脱して、例えば、ライン延長方向に沿って、かつ/またはライン延長方向と光学部品中心面の両方に対して垂直な方向に沿って、チャネル個別的に、光学部品中心面内の上述の直線上の点から逸脱した点上に配置されるという点において得ることもできる。好ましくは、それぞれの投影からの上述したチャネル個別の逸脱がライン延長方向に通っているにすぎず、すなわち、共通平面内の光軸だけに事前発散が与えられる。その場合、光学的中心とイメージセンサ領域中心の両方が、ライン延長方向に平行な直線上にあるが、その間に異なるギャップを有する。これと比較して、ライン延長方向に対して垂直な横方向のレンズとイメージセンサとの間の横方向のオフセットは、設置高さの拡大をもたらすはずである。ライン延長方向の純粋な面内オフセットは設置高さを変化させないが、おそらくはファセットがより少なくなり、かつ/またはファセットは1つの角度方向の傾きのみを有し、構造が簡素化される。
さらに、例えば、それぞれの部分視野が光チャネルによって走査される解像度を上げるための超解像を目的として、いくつかの光チャネルを同じ部分視野に割り振ることも可能であろう。そのような群内の光チャネルはその場合、例えば、ビーム偏向の前には平行に通り、1つのファセットによって部分視野上で偏向される。有利には、群のチャネルのイメージセンサの画素画像は、この群の異なるチャネルのイメージセンサの画素の画像間の中間位置にある。
超解像の目的なしで、単に立体視のためでさえも、直接隣接したチャネル群がそれらの部分視野でライン延長方向に全視野を完全にカバーし、別の直接隣接したチャネル群も全視野を完全にカバーし、両チャネル群の光路が、それぞれ、基板およびキャリア66を通る実施態様が可能なはずである。これは、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスが、全視野を、おそらくは完全に、取り込むように構成された第1の複数の光チャネルを含むことができることを意味する。マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの第2の複数の光チャネルは、おそらくは完全に全視野を取り込むように構成することもできる。このようにして、全視野を、第1の複数の光チャネルと第2の複数の光チャネルとによって少なくとも立体視的に取り込むことができる。第1の複数の光チャネルと第2の複数の光チャネルとは、共通のイメージセンサに当たることができ、共通のアレイ(アレイ光学部品)を使用することができ、かつ/または共通のビーム偏向手段によって偏向させることができる。個々のカメラのアレイとは反対に、例えば、合焦および/または手ぶれ補正に関して1つのデバイスとして一緒に制御することができる連続アレイカメラが形成され、これは、すべてのチャネルが同時に、同じアクチュエータを使用して影響を受けるため有利である。加えて、モノリシック構造から、特に温度変化中のアレイ全体の機械的安定性に関して利点が得られる。これは、個々のチャネルの部分画像からの全体画像の組み立てにも、異なる複数のチャネル16による全視野の複数走査を伴うステレオシステム、3チャネルシステム、4チャネルシステムなどでの使用時に3次元対象データの取得にも有利である。
以下の考察では、レンズ面がイメージセンサ領域58a〜58fの共通平面にも平行である光学部品64a〜64dを扱う。以下で説明するように、光チャネル16a〜16dの光学部品64a〜64dのレンズは、1または複数のレンズホルダを介して基板66の主面66aに取り付けられており、基板66を介して相互に機械的に連結されている。特に、複数の光チャネル16a〜16dの光路17a〜17fは基板66を通っている。よって、基板66は、少なくとも部分的に透明材料で形成されており、板状であるか、または例えば、平坦な主面66aとやはり平坦な対向する主面66bとを有する平行六面体または別の凸体の形状を有する。主面は、好ましくは、光路17a〜17fに対して垂直に位置決めされている。以下で説明するように、実施形態によれば、純粋な平行六面体形状からの逸脱が生じる可能性があり、これは、光学部品のレンズと基板との一体形成に基づくものである。
図25aおよび図25bの実施形態における平坦なキャリア基板66は、例えば、ガラスまたはポリマーの基板である。例えば、キャリア基板66は、ガラス板を含むことができる。基板66の材料は、高い光透過率と低い温係数、または硬度、弾性、ねじりモジュールなどの別の機械的特性の態様に従って選択することができる。
基板66は、光路に追加のレンズが直接取り付けられていない光路の単純な平坦部分として形成することができる。加えて、開口や迷光絞りなどの絞りおよび/またはIRブロックフィルタなどのフィルタ層を、基板面に取り付けることもでき、またはその絞りおよびフィルタ層を取り付けることができる表面上の異なる基板のいくつかの層で構成することもでき、これはやはりチャネルごとに、例えば、チャネルの分光吸収率に関して異なりうる。
基板66は、イメージセンサによって取り込まれうる電磁スペクトルの異なる領域における異なる特性、特に一定ではない吸収率を有する材料で構成することができる。
図25aおよび図25bの実施形態では、各光学部品64a〜64dは3つのレンズを含む。しかしながら、レンズの枚数は自由に選択可能である。枚数は、1、2または任意の他の随意の数とすることができる。レンズは凸面とすることもでき、球面、非球面、自由形状の領域などのただ1つの光学的投影機能領域、または、例えば、凸面または凹面レンズ形状をもたらす2つの対抗する領域を含むことができる。また、いくつかの材料からなるレンズを構築することなどによる、いくつかの光学的に有効なレンズ領域も可能である。
図25a〜図25bの実施形態では、各光チャネル16a〜16dまたは光学部品の第1のレンズ78a〜78dが主面66a上に形成されている。レンズ78a〜78dは、例えば、基板66の主面66a上に成形することによって製造されており、例えば、UV硬化性ポリマーなどのポリマーからなる。成形は、例えば、成形工具によって行われ、アニーリングは、例えば、温度および/またはUV照射によって行われる。
図25aおよび図25bの実施形態では、各光学部品64a〜64dは、それぞれ、別の第2のレンズ82a〜82dおよび第3のレンズ84a〜84dを有する。例えば、これらのレンズは、それぞれのレンズホルダの内部で軸方向に通る管状のレンズホルダ86a〜86dcを介して相互に固定されており、接着や別の接合技術によって、レンズホルダを介して主面66bに固定されている。レンズホルダ86a〜86dの開口部88a〜88dには、例えば、レンズ88a〜88dおよびレンズ84a〜84dがそれぞれ取り付けられているその円筒形の内部に円形の断面が設けられている。よって、光学部品64a〜64dごとに、レンズは光路17a〜17fのそれぞれの光軸上で同軸である。レンズホルダ86a〜86dはまた、それぞれ、その長さにわたって、それぞれの光軸に沿って変化する断面を有しうる。この場合断面は、イメージセンサ12までの距離が減少するにつれてますます矩形または正方形の形状を帯びる。よって、レンズホルダの外形も開口部の形状と異なりうる。レンズホルダの材料は吸光性でありうる。
上述のレンズホルダを介した取り付けは、例えば、レンズホルダによって保持されるレンズ頂点が基板66から離して配置されるように行われる。
すでに上述したように、基板66は両面が平坦であり、よって屈折力の影響を及ぼさないことが可能である。しかしながら、基板66が、例えば、個々のレンズまたはハウジング部品を連結する、連結される部材の容易な形状適合および/または力ばめを可能にする凹部や凸部など、機械的基板を含むことも可能であろう。図25aおよび図25bの実施形態では、例えば、基板66は、主面6b上の、それぞれの光学部品64a〜64dのレンズホルダ86a〜86dの管のそれぞれの端部が取り付けられる位置における取付けを容易にし、または方向付けを容易にする構造を有しうる。これらの構造は、例えば、円形凹部や、それぞれのレンズホルダ84a〜84dの側面が係合することができる基板に面するそれぞれのレンズホルダの側面の形状に対応する異なる形状を有する凹部とすることができる。円形のものではない他の開口断面およびそれに対応しておそらくは、他のレンズ開口も可能であることを再度強調すべきであろう。
よって、図25aおよび図25bの実施形態には、個々のレンズを含むカメラモジュールの従来の構造、および個々のレンズを保持するための構造、それらを完全に包囲する不透明なハウジングキャリアがない。むしろ、上記の実施形態は、透明体66を基板キャリアとして使用する。基板キャリアは、光チャネル16a〜16dの投影する光路によって貫通されるように、いくつかの隣接する光チャネル16a〜16dにわたって延在している。基板キャリアは投影を妨げず、設置高さも増やさない。
しかしながら、図25aおよび図25bの実施形態を変更するための様々な選択肢に留意されたい。例えば、基板66は、必ずしも、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11の全チャネル16a〜16dを横切って延在しない。上述したものとは対照的に、各光学部品64a〜64dが、両側面66a、66bにレンズホルダによって保持されたレンズを含むことも可能である。
図26に、図25aおよび図25bのマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11が、以下で説明される1または複数の追加手段によって補足されうることを例示的に示す。
例えば、図26には、アレイ14のライン延長方向に対して平行な回転軸44を中心にビーム偏向手段18を回転させるための手段92が存在しうることが示されている。回転軸44は、例えば、光路17a〜17fの平面内にあり、または、光学部品64a〜64dの直径の4分の1未満だけ光路17a〜17fから離れている。あるいは、回転軸が、1光学部品直径未満や、4光学部品直径未満など、さらに離れていることも可能であろう。手段92は、例えばユーザによる、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11のぶれを補正するために、例えば、1°未満または10°未満または20°未満の範囲内などのごく小さい角度範囲内で、短い応答時間でビーム偏向手段18を回転させるように設けることができる。この場合、手段92は手ぶれ補正制御によって制御される。図25aおよび図25bの図と比較すると、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11は、2/1/1/2など、光路をソートする異なる方式を有する。
代替として、または加えて、手段92は、部分視野74a〜74f(図25a)の全カバレッジによって定義される全視野の方向を、より大きな角度調整で変更するように構成することもできる。この場合、さらに、例えば、ビーム偏向手段18をと両面で反射するミラーアレイとして形成することによって、全視野がデバイス11に対して反対方向に配置されたビーム偏向手段18の回転によって偏向を得ることも可能であろう。
さらに、代替として、または加えて、デバイス11は、基板66によって光学部品64a〜64dを並進移動させ、基板66自体を並進移動させ、よって、光学部品64a〜64dを、それぞれ、ライン延長方向に沿って並進移動させる手段94を含むこともできる。手段94は、例えば、ライン延長方向に沿った移動96により、ミラー偏向デバイス18の回転によってもたらされる手ぶれ補正と交差する手ぶれ補正を得るために、上述した手ぶれ補正制御によって制御することもできる。
さらに加えて、または代替として、デバイス11は、被写界深度の調整を得るために、イメージセンサ12と光学部品64a〜64dとの間、およびイメージセンサ12とキャリア66との間の像側の距離をそれぞれ変更する手段98を備えることもできる。手段98は、手動ユーザ制御によって、またはデバイス11の自動焦点制御および合焦手段によってそれぞれ制御することができる。
よって、手段94は、基板66の懸架装置として機能し、好ましくは、図26に示すように、設置高さを増加させないためにライン延長方向に沿って基板66のそばに横方向に配置される。設置高さを増加させないために光路の平面内に配置されることが好ましいことは、手段92および手段98にも当てはまる。手段98は、ビーム偏向手段18に連結することもでき、イメージセンサ12と光学部品64a〜64dとの間の像側の距離を変更したときに、光学部品64a〜64dとビーム偏向手段18が実質的に一定または一定のままであるように、ビーム偏向手段18を同時に、またはほぼ同時に移動させることができる。手段92、手段94および/または手段98は、空気圧、油圧、圧電アクチュエータ、直流モータ、ステップモータ、熱アクチュエータ、静電アクチュエータ、電歪アクチュエータおよび/または磁歪アクチュエータまたは駆動装置に基づいて実施することができる。
光学部品64a〜64dは、例えば、すでに述べた透明基板を介して、一定の相対位置で相互に保持することができるだけでなく、例えば、好ましくは設置高さを増加させず、よって好ましくは、構成要素12、14、18の平面内と光路の平面内とをそれぞれ通る適切なフレームを介して、ビーム偏向手段に対しても保持することができることに留意されたい。この相対位置の一貫性は、光軸に沿った光学部品とビーム偏向手段との間の距離に制限することができ、そのため手段98は、例えば、光学部品64a〜64dをビーム偏向手段と一緒に光軸に沿って並進移動させる。光学部品/ビーム偏向距離を最小距離に設定することができ、そのためチャネルの光路がビーム偏向手段18のセグメントによって横方向に制限されず、これにより設置高さが減少する。というのは、そうしないと、光路を制限しないために、セグメント68a〜68dを、横方向の延長に関して最大の光学部品/ビーム偏向手段距離の寸法にしなければならなくなるからである。加えて、上述したフレームの相対位置の一貫性により、光学部品およびビーム偏向手段をx軸に沿って相互に厳密に保持することもでき、そのため手段94は、光学部品64a〜64dをビーム偏向手段と一緒に、ライン延長方向に沿って並進移動させることになる。光チャネルの共通の光路17aと17bまたは17eと17fを、ビーム偏向手段18の共通のファセットによって偏向させることができる。あるいは、各光路を個々のファセットに割り振ることもできる。
上述した光チャネルの光路を偏向させるビーム偏向手段18は、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11の光学手ぶれ補正制御のビーム偏向手段18の回転移動を生成するためのアクチュエータ92と相まって、画像および全視野の手ぶれ補正を、それぞれ2次元で、すなわち、基板66の並進移動による、ライン延長方向に対して実質的に平行に通る第1の画像軸に沿った手ぶれ補正と、ビーム偏向手段18の回転移動を生成することによる、ビーム偏向の前とビーム偏向なしの場合とにそれぞれ、光軸に対して実質的に平行に、すなわち、偏向された光軸が考慮されるときに、光軸とライン延長方向とに対して垂直に通る第2の画像軸に沿った手ぶれ補正とを可能にする。加えて、前述の配置は、例えば、焦点調節機能を実現するために、よって自動焦点機能に使用できる前述のアクチュエータ98などによって、ライン延長方向に垂直な前述のフレームにおいて固定されたビーム偏向手段およびアレイ14の並進移動を生じさせることもできる。
第2の画像軸に沿った手ぶれ補正を得るための回転移動の代替として、またはこれに加えて、イメージセンサ12とアレイ14との間の並進相対移動も実施することができる。この相対移動は、例えば、手段94および/または手段98によって提供することができる。
完全性を期すために、上記の記述に関して、デバイスは、イメージセンサ領域を介して取り込むときに、チャネルによってイメージセンサ領域上に投影される1チャネルにつき1場面の1つの1つの画像を取り込むこと、およびデバイスは、任意選択で、画像を組み立てまたは結合して全視野内の場面に対応する全体画像にし、かつ/または3D画像データや深度マップを生成するための対象場面の深度情報、リフォーカシング(実際の取り込み後に画像鮮明領域を決定すること)、全焦点画像、バーチャル・グリーン・スクリーン(前景と後景との分離)といったソフトウェア実現のための追加データを提供するプロセッサを有しうることに留意されたい。後者のタスクは、プロセッサによって行うことも、または外部で行うこともできる。しかしながらプロセッサは、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの外部の構成要素を表すこともできる。
図27aに、上述した代替形態のデバイス11を、例えば、携帯電話、スマートフォン、メディアプレーヤなどといった携帯用機器130の平坦なハウジングに組み込むことができ、その場合、例えば、イメージセンサ12およびイメージセンサ領域のそれぞれの平面と、光チャネル16の光学部品のレンズ面とは、それぞれ、平坦なハウジングの平坦な延長方向に対して垂直に、厚さ方向に対して平行に向けられることを示す。そうして、例えば、ビーム偏向手段18は、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11の全視野が、例えばモニタも含む平坦なハウジングの前面102の前になるという効果を有することになる。あるいは、視野が前面102に対向する平坦なハウジングの背面の前になるような偏向も可能である。ハウジング内のデバイス11の図示の位置により、ハウジングの厚さと平行なデバイス11の設置高さを低く保つことができるので、デバイス130のハウジング22およびデバイス自体を、それぞれ、平坦にすることができる。ウィンドウが面102に対向する面に設けられており、例えば、ビーム偏向手段は2つの位置間を移動されるという点で切替え可能性を提供することもでき、後者は、例えば、前面と背面とでミラーリングし、一方から他方の位置に回転されるミラーとして、または一方の位置のためのファセットのセットと他方の位置のためのファセットのセットとを有するファセットミラーとして実装され、ファセットのセットは、ライン延長方向に相互にそばにあり、位置の切り替えは、ビーム偏向手段をライン延長方向に沿って前後に並進移動させることによって行われる。車など、別のおそらくは非携帯用機器へのデバイス11の組み込みも可能である。
チャネルの部分視野が同じ視野を完全に、任意選択で合同にさえもカバーするいくつかのモジュール11を、例えば立体視のために、どちらのモジュールについても同じであるライン延長方向に沿って相互に対して基準距離BA(図21参照)でデバイス130に組み込むことができる。3つ以上のモジュールも可能なはずである。モジュール11のライン延長方向は、同一直線上になく、単に相互に平行であってもよい。しかしながら、上述したように、デバイス11およびモジュールは、それぞれ、群として同じ全視野を完全にカバーするようなチャネルを備えることができることに再度留意されたい。モジュールは、1/数本のライン/列として、またはデバイスの任意の位置に配置することができる。いくつかのモジュールが配置される場合、それらのモジュールを、同じ方法で形成することも異なる方法で形成することもできる。第1のモジュールは、例えば、全視野の立体視的取り込みを行うように構成することができる。第2のモジュールは、単純な取り込み、立体視的取り込みまたは高次の取り込みを行うように構成することができる。
代替の実施形態では、上述の実施形態と比較してビーム偏向手段を省略することもできることに留意されたい。単に部分的な使用視野の部分的な重なりだけが求められる場合、これは、例えば、イメージセンサ領域の中心とそれぞれのチャネルの光学部品の光学的中心との間の相互の横方向のオフセットによって得ることができる。明らかに、図26によるアクチュエータをさらに使用することもでき、手段92の代替として、例えば、アクチュエータ94は、光学部品およびキャリア66をそれぞれさらに並進移動させることができる。
やはり、言い換えれば、上述の実施形態は、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの光路のどこかに、ぶれを改善するために、チャネルを横切って延びる例えばガラスやポリマーの基板が延在する並置された光チャネルの単一ラインアレイを有するマルチアパーチャ・イメージング・デバイスを示している。加えて、基板は、前面および/または背面にレンズを含むことができる。レンズは、(例えば、ホットスタンピングによって製造された)基板の材料で作られていてもよく、基板の上に成形されてもよい。基板上ではなく個別に取り付けられる別のレンズが、基板の前と後とにあってもよい。1つの構造に、ライン延長方向に沿って、かつライン延長方向に対して垂直に、複数の基板が設けることができる。この場合、複数の基板を光路に沿って直列にレンズと連結する、すなわち、例えばフレームを介するなど結合動作を必要とせずに、異なる方法で複数の基板を相互に対して所定の位置関係に保持することも可能であろう。そのようにして、レンズを提供し、または取り付けるのに2倍の数の主面を利用することが可能になる。というのは、上記の例、この場合は例示として図25bによるレンズを搭載することができる基板66や、上記の実施形態によるレンズ、すなわち特に、レンズホルダを介して主面66aおよび/または主面66bに取り付けられたレンズを搭載することもできる基板などのキャリア基板が使用されるからである。しかしこの場合は、レンズが主面66aと主面66bの両方に形成されるように、例えば射出成形などによって一体的に製造されたものとして例示されているが、平行六面体形状の基板66の材料と異なる材料の成形レンズも可能であり、主面66aまたは主面66bの一方だけのレンズも可能である。どちらの基板も透明であり、主面66a、66bを通る光路によって貫通される。よって、上記の実施形態は、各チャネルが全視野の部分視野を伝送し、部分視野が部分的に重なる、単一ラインチャネル配置を有するマルチアパーチャ・イメージング・デバイスの形態で実施することができる。3D画像取り込みのステレオ、3チャネル、4チャネルなどの構造のためのそのようなマルチアパーチャ・イメージング・デバイスを有する構造が可能である。この場合、複数のモジュールを1つの連続したラインとして実装することができる。連続したラインは、同一のアクチュエータおよび共通のビーム偏向要素を使用することができる。光路内におそらくは存在する1または複数の機械的に実施される基板が全ラインにわたって延在し、これによりステレオ、3チャネル、4チャネル構造を形成することができる。いくつかのチャネルが同じ部分画像領域を投影する、超解像の方法を使用することができる。ビーム偏向装置で必要とされるファセットが少なくなるように、ビーム偏向手段なしで光軸がすでに発散的に通っているようにすることもできる。その場合有利には、各ファセットはただ1つの角度成分を有する。イメージセンサは、一体化することができ、ただ1つの連続した画素行列またはいくつかの中断された画素行列を含むことができる。イメージセンサは、例えばプリント回路基板上に並置された多くの部分センサで構成することができる。合焦手段の自動焦点駆動装置は、ビーム偏向要素が光学部品と同期して移動され、または静止しているように実施することができる。事前発散が存在しない場合、実施形態は、イメージセンサ12とビーム偏向手段18との間を実質的に、または完全に平行に通る光路を提供する。
図27bに、例えばデバイス130内に配置することができる第1のマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11aと第2のマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11bとを含む概略構造を示す。2つのマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a、11bは、共通のマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11を形成することができ、共通のイメージセンサ12および/または共通アレイ14を含むことができる。単一ラインアレイ14a、14bは、例えば、共通アレイ14内で共通ラインを形成している。イメージセンサ12a、12bは、共通イメージセンサ12を形成することができ、例えば、共通のプリント回路基板や共通のフレックスボードなど、共通基板上と共通の回路キャリア上に取り付けることができる。あるいは、イメージセンサ12a、12bは、異なる基板を含むこともできる。共通のイメージセンサ、共通のアレイおよび/または共通のビーム偏向手段18、ならびに別個の構成要素を含む別のマルチアパーチャ・イメージング・デバイスを含むマルチアパーチャ・イメージング・デバイスなど、これらの代替形態の異なる組み合わせも可能である。共通のイメージセンサ、共通の単一ラインアレイおよび/または共通のビーム偏向手段の利点は、それぞれの構成要素の移動を少量のアクチュエータを制御することによって高精度で得ることができ、アクチュエータ間の同期を低減させ、または防止することができることである。さらに、高い熱安定性を得ることができる。代替として、または加えて、別のマルチアパーチャ・イメージング・デバイスが、共通のアレイ、共通のイメージセンサおよび/または共通のビーム偏向手段を含むこともできる。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス11の構造は、例えば、異なる部分のマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11a、11bの光チャネルが同じ部分視野に向けられている場合に、全視野または部分視野の立体視取り込みに使用することができる。同様に、別の部分のマルチアパーチャ・イメージング・デバイスを共通のマルチアパーチャ・イメージング・デバイスに組み込んで、ステレオよりも高次の取り込みが可能になるようにするもできる。
図28に、本明細書に記載される実施形態に従って使用することができる3Dマルチアパーチャ・イメージング・デバイス140を示す。3Dマルチアパーチャ・イメージング・デバイス140は、図28に示すように、それぞれ2つの構成要素121、122、すなわち、「右」光チャネル161の構成要素121と、「左」チャネル162の他の構成要素122とに分割することができるイメージセンサを有する。左右の光チャネル161、162は、図28の例では同一に構成されているが、デバイス140の視野内の場面に関して可能な限り多くの深度情報を得るために、基準距離BAだけ相互に横方向にオフセットして配置されている。例えば、3Dマルチアパーチャ・イメージング・デバイスは、2つ以上のマルチアパーチャ・イメージング・デバイス11によって形成することができる。よって、左から第1の位置の添え字1を有する参照番号を備える要素は、デバイス140の右チャネルの第1の構成要素1または第1のモジュール、モジュール1に属し、左から第1の位置の添え字2を有する参照番号を備える要素は、デバイス140の左チャネルの第2の構成要素2または第2のモジュール、モジュール2に属する。図28のモジュールの数は2であるが、デバイスは、相互に対してそれぞれ基準距離で配置されたより多くのモジュールを有することもできる。
図28の例示的な事例では、各複数161、162の光チャネルは、4つの並置された光チャネルを含む。個々の「右」チャネルは、第2の添え字によって区別されている。チャネルは、右から左に添え字が付けられている。すなわち、明瞭化のための一部省略により図28に図示されていない光チャネル1611は、例えば、左右のチャネルがそれに沿って基準距離BAだけ相互からオフセットされて配置される基準距離方向108に沿って、外側右端に、すなわち、複数162の左チャネルから最も離れた位置に配置されており、その他の右チャネル1612〜1614は、基準距離方向108に沿って続いている。よって、チャネル1611〜1614は、ライン延長方向が基準距離方向108に対応する光チャネルの単一ラインアレイを形成している。左チャネル162も同様に構築されている。左チャネル162も、第2の添え字によって区別されている。左チャネル1621〜1624は、相互に隣り合って、右チャネル1611〜1614のように相互に続いて同じ方向に、すなわちチャネル1621は右チャネルに最も近く、チャネル1624はチャネルから最も離れるように配置されている。
右チャネル1611〜1614の各々は、図28に示すように、1つのレンズ系で構成されうるそれぞれの光学部品を含む。あるいは、各チャネルは1つのレンズを含むこともできる。各光チャネル1611〜1614は、図25aのコンテキストで説明したように重なる全視野72の重なる部分視野74a〜74fのうちの1つを取り込む。分かりやすく説明するために、図25aの部分視野74a〜74fは、その順序をアルファベット文字の順序に変換することができる添え字1〜6で示されている。さらに、部分視野は、モジュールへの割り振りの添え字1、2を有する。チャネル1611は、例えば、イメージセンサ領域5811、5812上に部分視野7411、7412を投影する。光チャネル1612は、イメージセンサ領域5813上に部分視野7413を投影し、光チャネル1613、図28で見えないイメージセンサ12のそれぞれのイメージセンサ領域5814、5815上に、割り振られた部分視野7414、7415を投影し、光チャネル1614は、カバーされているために図28には示されていないそれぞれのイメージセンサ領域5816上に割り振られた部分視野7416を投影する。
図28において、イメージセンサ12のイメージセンサ領域5811〜5816およびイメージセンサ12の構成要素121は、それぞれ、基準距離方向BAとライン延長方向108とにそれぞれ平行な平面内に配置されており、光チャネル1611〜1614の光学部品のレンズ面もこの平面に対して平行である。加えて、イメージセンサ領域5811〜5816は、この方向の光チャネル1611〜1614の光学部品によって事前に決定されているそれぞれの横方向のチャネル間距離110で配置されており、そのため、光チャネル1611〜1614の光軸および光路は、イメージセンサ領域5811〜5816と光学部品1611〜1614との間に相互に平行に通っている。例えば、イメージセンサ領域5813〜5816の中心と光チャネル1612、1613の光学部品の光学的中心とは、イメージセンサ領域5813、5816の上述の共通平面に対して垂直に通るそれぞれの光軸上に配置されている。
光チャネル1611〜1614の光軸および光路は、それぞれ、ビーム偏向手段181によって偏向され、よって発散が与えられ、これには、光チャネル1611〜1614の部分視野7411〜7416が部分的にのみ重なり、そのため例えば、部分視野7411〜7416が、空間角度的な意味で最大でも50%しか重ならず、また部分的に互いに素な画像コンテンツを含むことになるという効果がある。図28に示すように、ビーム偏向手段181は、例えば光チャネル1611〜1614ごとに、チャネル1611〜1614の間で相互に対して傾いた反射ファセットを含むことができる。イメージセンサ面に対する反射ファセットの平均傾斜は、右チャネル1611〜1614の全視野を、例えば、光チャネル1611〜1614の光学部品の光軸が、デバイス181によるビーム偏向の前と、ビーム偏向なしの場合とにそれぞれ通る平面に対して垂直な方向に偏向させ、またはこの垂直な方向から10°未満だけ逸脱している。あるいは、ビーム偏向手段181は、光チャネル1611〜1614それぞれの個々の光軸および光路のビーム偏向のためにプリズムを使用することもできる。
ビーム偏向手段181は、光チャネル1611〜1614の光路に、実際に方向108に直線的に相互に隣接して配置されたチャネル1611〜1614が、2次元的に全視野72をカバーするような発散を提供する。
光路および光軸は、それぞれ、前述した平行から逸脱する可能性もあるが、光チャネルの光路の平行は依然として非常に明確でありうるため、個々のチャネル1611〜1614によってカバーされ、それぞれのイメージセンサ領域5811〜5816上に投影される部分視野は、それぞれ、さらなる措置、例えばビーム偏向がなければ大部分が重なることになり、そのため、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス140によってより大きな全視野をカバーするために、ビーム偏向手段18は光路に、光チャネル1611〜1614の部分視野の重なりが少なくなるようにさらなる発散を提供することに留意されたい。ビーム偏向手段181には、例えば、全視野が、光チャネル1611−1614の部分視野のそれぞれの平均開口角の1.5倍よりも大きい、全方位角と、全横断方向とにわたってそれぞれ平均化された開口角を有するという効果がある。
左チャネル1621〜1624は、右チャネル1611〜1614と同様に構築され、それぞれの割り振られたイメージセンサ領域5821〜5826に対して位置決めされており、チャネル1611〜1614の光軸と同じ平面内を相互に対して平行に通る光チャネル1621〜1624の光軸は、対応するビーム偏向手段182によって偏向され、そのため、光チャネル1621〜1624は、ほぼ合同的に、すなわち、全視野72が2次元的に分割されており、重なっており、その各々が、右チャネル1611〜1614のそれぞれのチャネルのそれぞれの部分視野7411〜7416とほぼ完全に重なる部分視野7421〜7426に、同じ全視野72を取り込む。例えば、部分視野7411と部分視野7421とは、ほぼ完全に重なっており、部分視野7412と部分視野7422なども同様である。イメージセンサ領域5811〜5826は、例えば、図25のイメージセンサ12について説明したように、1つのチップで各々形成することができる。
上述した構成要素に加えて、3Dマルチアパーチャ・イメージング・デバイスは、3Dマルチアパーチャ・イメージング・デバイス10が右光チャネル1611〜1614によって取り込んだときに取り込まれた画像をマージして第1の全体画像にするタスクを有するプロセッサ112を含む。対処しなければならない問題は次のことである。右チャネル1611〜1614の隣接チャネル間のチャネル間距離110が原因で、チャネル1611〜1614による取り込み時に画像領域5811〜5816において取り込まれた画像を、相互に対して単純に並進移動させ、相互の上に配置することができない。言い換えれば、画像を簡単に結合することができない。相互に対応するが、異なる画像に存在する同じ場面を取り込むときのイメージセンサ領域5811〜5816の画像における方向B、108、110に沿った横方向のオフセットを像差と呼ぶ。対応する画像内容の像差は、場面内のこの画像内容の距離、すなわちデバイス140からのそれぞれの対象の距離にやはり依存する。プロセッサ112は、画像を相互にマージして第1の全体画像、すなわち「右全体画像」にするために、イメージセンサ領域5811〜5816自体の画像間の像差を評価しようと試みることができる。しかしながら、不都合なことには、チャネル間距離110が存在し、したがって問題を引き起こすが、チャネル間距離110は同時に相対的に低いため、深度分解能と推定値とがそれぞれ、きわめて不正確である。したがって、2つの画像間の重なり領域における、例えばイメージセンサ領域5811〜5812の画像間の重なり領域114における対応する画像内容を、例えば相関によって決定しようとするのは困難である。
よって、マージするために、図28のプロセッサは、部分視野7411と部分視野7412との間の重なり領域114において、画像の一方が、左チャネル1621または左チャネル1622のうちの1つによって取り込まれたものであり、その投影された第2の部分視野、すなわち7421および7422が、それぞれ、重なり領域114と重なる、1対の画像における像差を使用する。例えば、イメージセンサ領域5811、5812の画像をマージするためのプロセス112は、画像のうちの1つが、イメージセンサ領域5821または5822の一方によって取り込まれたものであり、別の1つが、重なり領域140に関与するチャネルによるものである、すなわち、イメージセンサ領域5811または5812の一方によって取り込まれた画像である、画像における像差を評価する。その場合、そのような対は、基準距離BA+/−1チャネル基準距離110またはチャネル基準距離110なしの基準距離を有する。後者の基準距離は、単一のチャネル基準距離110よりも著しく大きい。このため、プロセッサ112が重なり領域86における像差を決定することがより容易である。よって、右チャネルの画像をマージするために、プロセッサ112は、左チャネルの画像との、好ましくは、それだけに限らないが、右チャネルのうちの1つと左チャネルのうちの1つの画像間の像差を評価する。
より具体的には、プロセッサ112は、多少にかかわらず画像5811から直接、右チャネルのその他の部分視野のいずれとも重ならない部分視野7411の部分を取り込み、イメージセンサ領域5812〜5816の画像に基づいて、部分視野7412、7413、7414、7415、7416の非重なり領域について同様に取り込むことが可能であり、イメージセンサ領域5811〜5816の各画像は、例えば、同時に取り込まれたものである。部分視野7411や部分視野7412のような隣接する部分視野の重なり領域においてだけ、プロセッサ112は、全視野72におけるその重なりがその重なり領域において重なる画像対の像差を使用するが、それらの画像の1つだけではなく複数が、例えばやはり同時に、右チャネルのうちの1つによって取り込まれ、他方が左チャネルのうちの1つによって取り込まれたものである。
しかしながら、代替の手順によれば、プロセッサ112が、その一方が右チャネルによって、他方が左チャネルによって取り込まれた画像対間の像差の評価に従って右チャネルのすべての画像を変形させることも可能であろう。そのようにして、例えば、右チャネルの画像のためにプロセッサ112によって計算される全体画像を、右チャネルの部分視野7411〜7416の重なり領域においてのみならず、非重なり領域においても、例えば、横方向に右チャネル1611〜1614の間の中心にある焦点上で仮想的に、重ならない部分視野7411〜7416の領域についても、プロセッサ85が、1つの画像が右チャネルのうちの1つによって取り込まれており、別の画像が左チャネルのうちの1つによって取り込まれている、画像対の像差を評価することによって、仮想的に「変形」させることができる。
図28の3Dマルチアパーチャ・イメージング・デバイス140は、右チャネルの画像から全体画像を生成することができるだけでなく、図28の3Dマルチアパーチャ・イメージング・デバイス140は、1つの動作モードにおいて、第1のチャネルの全体画像に加えて、左チャネルの画像の全体画像も生成し、かつ/または右チャネルの全体画像に加えて、深度マップも生成することができる。
第1の代替形態によれば、プロセッサ112は、例えば、左光チャネル1621〜1624およびイメージセンサ領域5821〜5826によって取り込まれた画像をマージして第2の全体画像、すなわち左チャネルの全体画像にし、それによって、左光チャネルの部分視野7421〜7426の横方向に隣接する部分の重なり領域において、画像対における像差を使用するように構成されており、画像の1つだけではなく複数が右光チャネル1611〜1614によって取り込まれており、部分視野7421〜7426の対のそれぞれの重なり領域と重なり、他方の画像は好ましくは、その部分視野がそれぞれの重なり領域と重なる左光チャネルによって取り込まれる。
よって、第1の代替形態によれば、プロセッサ112は、1つの取り込みについて2つの全体画像、すなわち一方は右光チャネルの、他方は左光チャネルの全体画像を出力する。これら2つの全体画像は、例えば、ユーザの両目に別々に供給することができ、よって、取り込まれた場面の3次元イメージをもたらすことができる。
上述の他方の代替形態によれば、プロセッサ112は、右チャネルの全体画像に加えて、それぞれの右チャネルによって取り込まれた画像と、左チャネルの1つによって取り込まれた別の画像とを含む、少なくとも右チャネル1611〜1614の各々についての少なくとも1つの少なくとも1つの対を含む画像対における像差を使用して、深度マップも生成することができる。
プロセッサ112によって深度マップが生成される一実施形態では、上述の変形を、深度マップに基づいて右チャネルによって取り込まれたすべての画像について行うことも可能である。深度マップは全視野72にわたる深度情報を含むので、右チャネルによって取り込まれたすべての画像を、すなわち、画像の重なり領域においてのみならず、非重なり領域においても、仮想共通開口点と仮想光学的中心とで、それぞれ、変形させることが可能である。
2つの代替形態はどちらもプロセッサ112によって処理することもできる。プロセッサ112はまず、上述したように、次いで、異なる視点からの全視野における場面を表す、そのようにして得られた全体画像から、割り振られた深度マップを有する全体画像、例えば、左右の光チャネルの光学部品の光学的中心の間にあるが、仮想ビューと仮光学的中心とについては、それぞれ、おそらくは左右の光チャネルの光学部品の光学的中心の間にあるとは限らない全体画像などを生成するために、右チャネルの画像間の重なり領域における右チャネルの画像をマージするときには、画像のうちの1つが左チャネルの画像に属する画像対からの像差を使用して、左チャネルの画像間の重なり領域における左チャネルの画像をマージするときには、画像のうちの1つが道チャネルの画像に属する画像対からの像差を使用して、2つの全体画像、すなわち、右光チャネルの全体画像と左光チャネルの全体画像とを生成することができる。深度マップを計算し、2つの全体画像の一方を変形させ、または仮想ビューにおいて両方の全体画像を変形、マージするために、プロセッサ85は次いで、右と左の全体画像を、それぞれ左右の個々の画像の前のマージからの中間結果として仮想的に使用する。この場合、プロセッサは、深度マップを取得し、全体画像の変形または変形/マージを行うために2つの中間結果全体画像における像差を評価した。
プロセッサ112は、例えば、画像領域の相互相関によって画像対における像差の評価を行うことに留意されたい。
一方では左チャネルの部分視野による、他方では右チャネルの部分視野による全視野72の異なるカバー範囲において、おそらくは、5以上のチャネルが(それらの左右のチャネルへの割り振りにかかわらず)重なることに留意されたい。これは例えば、右チャネルの部分視野と左チャネルの部分視野とが行列として配置された以前の例の行方向または列方向に隣接する部分視野の重なり領域間の相互の重なりにおいても当てはまった。像差源の数には、像差源の数は
であり、Nは、重なる部分視野を有するチャネルの数に関するものである、ということが一般に適用される。
上記の説明に加えて、プロセッサ112は、任意選択で、それぞれのチャネルの透視投影誤りのチャネルごとの補正も行うことに留意されたい。
図28の実施形態は、多くの点で例示的なものであったことに留意されたい。これは、例えば、光チャネルの数に関してである。右光チャネルの数は4でない場合もあるが、いずれにせよ2以上、または2以上10以下であり、右光チャネルの部分視野の重なり領域は、部分視野ごとまたはチャネルごとにそれぞれの部分視野に対して最大の重なりを有する対が考察される限り、これらすべての対の表面積に関して、例えば、画像面、すなわちイメージセンサ領域の平面において測定された、画像領域5811〜5814によって取り込まれた画像の平均画像サイズの1/2と1/1000との間とすることができる。これは左チャネルにも適用される。しかしながら、その数は右チャネルと左チャネルとでは異なりうる。これは、左光チャネルの数NLと右光チャネルNRは同じである必要はなく、全視野72の左チャネルの部分視野と右チャネルの部分視野とへの分割が図28の事例とほぼ同じである必要はないことを意味する。部分視野およびそれらの重なりに関しては、部分視野は相互に、それぞれ10mの画像距離と対象距離とが考察される限り、より大きい重なりを有するすべての対について、ただし少なくとも20画素投影するものとすることができ、これは、右チャネルと左チャネルの両方に適用することができる。
上記の説明とは反対に、左光チャネルと右光チャネルはそれぞれ単一ラインとして形成されなくてもよい。左チャネルおよび/または右チャネルは、光チャネルの2次元アレイを形成することもできる。加えて、単一ラインアレイが同一線上のライン延長方向を有する必要もない。しかしながら、図28の配置は、光チャネルの光軸、すなわち、右チャネルと左チャネルがどちらも、ビーム偏向の前とビーム偏向なしの場合とにそれぞれ通る平面に対して垂直な最小の設置高さが得られるので、有利である。イメージセンサ12に関しては、1つ、2つ、または複数のチップで形成することができることをすでに述べた。例えば、イメージセンサ領域5811〜5816、5821〜5826ごとに1つのチップを設けることができ、複数のチップの場合には、左チャネルと左チャネルのイメージセンサとにそれぞれ1つのプリント回路基板と、右チャネルのイメージセンサに1つのプリント回路基板など、それらのチップを1または複数のプリント回路基板上に搭載することができる。
よって、図28の実施形態では、隣接するチャネルを右チャネルまたは左チャネルのチャネル内に可能な限り密に配置することが可能であり、最適な事例ではチャネル距離110はレンズ直径に対応する。これにより、チャネル距離が小さくなり、よって像差が小さくなる。しかしながら、一方の右チャネルと他方の左チャネルとを、大きな像差を実現できるように、相互に任意の距離BAのところに配置することもできる。全体としては、アーチファクトが低減された、またはアーチファクトのない画像融合、および受動光学イメージングシステムによる深度マップの生成という選択肢もある。
上記の例と比較して、2つのチャネル群16
1、16
2だけを上回るチャネル群を使用することもできるであろう。群の数はNで示すことができる。この事例では、1群当たりのチャネルの数は同じであり、全視野の部分視野への分割もすべての群について同じであった場合、
のいくつかの像差源が、例えば、群16
1の部分視野の重なり領域ごとに生じることになる。すでに上述したように、チャネル群についての異なる全視野分割も可能である。
最後に、上記の説明ではプロセッサ112が右チャネルの画像をマージする例示的な事例だけが使用されていることに留意されたい。上述したように、同じプロセスをプロセッサ112によって、両方のチャネル群とすべてのチャネル群について、それぞれ、または左チャネル群などについても行うことができる。
図29aに、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス150の一実施形態を示す。好ましくは、イメージセンサ領域58a〜58dは、共通平面、すなわち、光チャネル16およびそれらの光学部品の画像面にそれぞれ配置されている。図29aでは、この平面は例示的に、以下の説明を簡素化するために、図29aに示されており、参照番号115が与えられているデカルト座標系のz軸とy軸とが伸びる平面に対して平行である。
光チャネルの左アレイでは、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス150の延長は、イメージセンサ12および光学部品64によって下方に制限されるので、ライン延長方向に沿ってレンズ直径よりも大きい。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス150の最小延長は、イメージセンサ12と光学部品64とのz軸に沿った、すなわち、光チャネル16a〜16dの光軸および光路に沿った相互の配置によって決定されるので、z軸に沿った最小延長よりも小さいが、光チャネル16a〜16dは単一ラインアレイとして実装されているため、拡張ライン延長方向zに対して垂直な横方向yのマルチアパーチャ・イメージング・デバイスの最小延長よりも大きい。後者は、おそらくは学部品64a〜64dのホルダを含む、y軸に沿った光学部品64a〜64dの延長など、各個々の光チャネル16a〜16dの横方向の延長によって与えられる。
上述したように、図29aの実施形態では、光軸17a〜17dは、例えば、図29aに示すように、光学部品64a〜64dにおいて、それぞれ、ビーム偏向手段18による偏向前と偏向なしの場合とでは、それぞれ、別に対して平行であり、またはそれからわずかに逸脱しているだけである。光学部品64a〜64dならびにイメージセンサ領域58a〜58fの対応する中心位置決めは、製造が容易であり、設置空間を最小限にする点で好ましい。光チャネルの光路の平行には、個々のチャネル16a〜16dによってカバーされ、それぞれのイメージセンサ領域58a〜58dに投影される部分視野が、それぞれ、ビーム偏向などのさらなる措置がなくてもほぼ完全に重なることになるという効果もある。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス150が全視野をより大きくカバーするために、ビーム偏向手段18の別の機能は、チャネル16a〜16dの部分視野の重なりがより少なくなるように光路に発散提供することである。
例えば、光チャネル16a〜16dの光路の光軸17a〜17fは、ビーム偏向手段18の前とビーム偏向手段18なしとでは、それぞれ、相互に対して平行であり、またはすべてのチャネルにわたって平均された整列に沿った平行整列の点で、光チャネル16a〜16dの部分視野の最小開口角の10分の1未満だけ逸脱しているものと仮定する。追加的な措置を講じなければ、部分視野は大きく重なることになる。よって、図29aのビーム偏向手段18は、光チャネル16a〜16dごとに、このチャネルに明確に割り振られた反射ファセット68a〜68dを含み、反射ファセット68a〜68dは各々、光学的に平坦であり、相互に対して傾斜している。すなわち、そのため光チャネルの部分視野は、立体角に関して重なりがより小さく、例えば、開口角を有する全視野、すなわち、例えば、光チャネル16a〜16dの個々の部分視野の開口角の1.5倍超をカバーする。図29aの例示的な事例では、反射ファセット68a〜68dの相互傾斜には、例えば、z軸に沿って直線的に並置して実際に配置された光チャネル16a〜16dが、部分視野74a〜74dの2次元配列に従って全視野72をカバーするという効果がある。
図29aの実施形態において、光チャネル16a〜16dの光軸17a〜17dの角度偏向が、ビーム偏向前の光軸の平均方向とビーム偏向後の光軸の平均方向とが伸びる平面において、すなわち、一方では図29aの例におけるz平面において、他方ではz平面に対して垂直に、ビーム偏向後の光軸の平均方向に対して平行に通る平面において考察される場合、図29aの例は、ビーム偏向後の平均方向がy軸に対応する例示的事例に対応する。よって、平均して、光チャネルの光軸は、z軸を中心としてyz平面で90°偏向され、平均して、光軸はyz平面からタイルされない。
例えば、
は、xy平面において測定されたxz平面に対するファセット68aの傾斜角、すなわち、光軸17a〜17dが通るxz平面に対するz軸を中心としたファセット68aの傾きを示す。
=0°
は、xz平面に平行なファセット68aの整列に対応する。したがって、
が適用される。したがって、
は、z軸に沿って測定された、xz平面に対して傾斜
を有し、z軸に対して平行に通る平面に対するファセット68aの傾斜角を定義する。したがって、
がしかるべく適用される。同じ定義は他のチャネルにも適用され、
、
である。光チャネルごとに、設定角度は、光チャネルが通るキャリア基板に対するこのチャネルに割り振られた反射ファセットの傾斜の傾斜角よりも大きくすることができる。この場合、キャリア基板は、アレイ14のライン延長方向に対して平行に位置決めすることができ、設定角度は、ライン延長方向に対して垂直な平面内にありうる。
図29b〜図29eに、それぞれ、直線的に、または片側だけに配置された例示的な4つの光チャネルについての一実施形態によるビーム偏向デバイスの側面図を示す。図29b〜図29eのビーム偏向デバイス18は、図25aのビーム偏向デバイスとして使用することができ、その場合、部分視野を図25aとは異なるように割り振ることもできる。例示として、1つのファセット68a〜68fが1つの光路に割り振られることが示されている。あるいは、少なくとも1つのファセットを1つの光チャネル16a〜16dに割り振って、光チャネルの少なくとも2つの光路が同じファセットによって偏向されるようにすることもできる。図29b〜図29eにはファセット68a〜68dの傾斜角が示されている。ファセット68a〜68dの傾斜角は、それぞれ、上付き添え字1〜4で区別されており、それぞれのチャネルに割り振られている。この場合、
と
とはどちらも0°であり、概観がつかみやすいように、ファセット68a〜68dのみが示されている。図29b〜図29eでは、キャリア基板の背面、すなわちファセット68a〜68dが設けられた面に対向する面が121で示されている。キャリア基板123の平行六面体形状の部分を形成する材料は点線125の下方にある。キャリア基板123に添加されたその他の材料は、成形を容易にするように体積がほとんどないことは明らかである。
キャリア基板123は、イメージセンサ12に対して設定角度
だけ、すなわち光チャネルの光軸の平均方向がそれを中心に偏向される軸、すなわち図29aのz軸を中心に傾斜して配置されている。この設定角度には、イメージセンサ12に面するビーム偏向デバイス18の表面が光チャネルの光路の「粗偏向」をすでに実施しているという効果がある。
ビーム偏向手段18による各光チャネルの光路の偏向の偏向角度について、これは、偏向角度が、設定角度
に各々基づくものであると共に、キャリア基板123自体に対する光チャネルに割り振られた反射ファセットのそれぞれの傾斜にも基づくものであることを意味する。ファセット68a〜68dのこれらのファセット個別の傾斜は、上述したように、xy平面における傾斜角と、xy平面に垂直な平面におけるキャリア基板123の法線に対する傾斜角とによって定義することができる。チャネルごとに、設定角度
は傾斜よりも大きい、すなわちすべてのチャネルついて
が適用されることが好ましい。前記の不平等が、
ついて、または
ついてさえもすでに満たされていればより一層好ましい。換言すれば、好ましくは、ビーム偏向デバイス18の純粋な平行六面体形状と比較して追加材料が少なくなるように、設定角度はファセット68a〜68dの傾斜角に比較して大きい。
は、例えば、30°以上60°以下とすることができる。
図29b〜図29eのビーム偏向手段18の製造は、例えば、追加材料が成形ツールによってキャリア基板123上に成形されるという点で行うことができる。この場合、キャリア基板123は、例えば、ガラスとすることができ、その上の成形される追加材料はポリマーである。別の選択肢は、図29b〜図29eのビーム偏向デバイス18を射出成形などによって一体的に形成することである。これには、イメージセンサに面するビーム偏向手段の表面が、少なくとも、光チャネルに割り振られた反射ファセット上で鏡面化されるという効果がある。キャリア基板は、例えば、図18bのコンテキストで説明したように枢動させることができる。
これまで説明したマルチアパーチャ・イメージング・デバイスの構造のいくつかの態様は、言わば、例えば、全体画像を取り込む前または取り込み時における所望の、または瞬間的な設定に関するものである。図29aのマルチアパーチャ・イメージング・デバイス150は、例えば、イメージセンサ領域58a〜58fによって取り込まれた画像を、例えば同時に、上述した設定でマージして、全視野72内の場面を表す全体画像にするプロセッサ112などのプロセッサを含む。イメージセンサ領域58a〜58f上に光チャネル16a〜16dによって投影され、イメージセンサ領域58a〜58fによって取り込まれた画像を結合またはマージするためにプロセッサ112によって使用されるアルゴリズムは、例えば、全体画像の品質がある一定の仕様を満たし、またはアルゴリズムを完全に適用できるようにマルチアパーチャ・イメージング・デバイス150の上述した構成要素の特定のパラメータを維持することに関する前提に従うように設計される。例えば、このアルゴリズムでは、次の前提のうちの1または複数に準拠するものとされる。
1)x軸に沿った光学部品からイメージセンサ領域までの距離は、すべての光チャネル16a〜16dについて同じである。
2)部分視野74a〜74fの相対位置、および特に部分視野74a〜74f間の重なりは、所定の仕様に対応し、または所定の最大偏差だけ所定の仕様から逸脱する。
様々な理由で、上述した前提の1または複数が順守されず、または十分に順守されていない場合がありうる。前提を順守しない理由は、例えば、光学部品64a〜64dの相互およびイメージセンサ12に対する相対位置の誤差などの製造公差でありうる。製造誤差にはまた、ビーム偏向デバイス18の設置の誤差や、おそらくは、ビーム偏向手段18がファセット68a〜68fを含む場合のファセット68a〜68f(あるいは、チャネルごとに1つのファセットが配置される場合は68a〜68d)の相互に対する相対位置の誤差さも含まれうる。生産に起因する公差のばらつきに加えて、またはその代わりに、温度変動が、上述した前提のうちの1または複数が適用されず、または十分に順守されていないという影響を及ぼす可能性もある。
プロセッサ112によって実行されるイメージセンサ領域58fの画像をそれぞれ結合し、マージして全体画像にするためのアルゴリズムは、ある程度まで、おそらくは、相互に対する部分視野の相対位置の設定コンステレーションからの全視野72内の部分視野74a〜74fの位置の逸脱などの、構成要素の最適な整列および配置からの逸脱を補償することができる。プロセッサ112は、画像をそれぞれ結合しマージするとき、例えば、そのような逸脱をある程度まで補償することができる。しかしながら、特定の逸脱制限を超える(前提2を順守しない)場合、プロセッサ112は、例えば、逸脱を補償することができない。
上述した前提が常に、例えば特定の温度範囲にわたって順守されるようにマルチアパーチャ・イメージング・デバイス150を製造すると、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス150の製造コストを増加させる傾向が生じる。これを防止するために、図29aのマルチアパーチャ・イメージング・デバイス150は、それぞれの光チャネル16iのイメージセンサ領域58iと、それぞれの光チャネル16iの光学部品64iと、ビーム偏向手段18と、ビーム偏向手段18のそれぞれのセグメント68iとの間の相対位置をチャネル個別に変更するための、または光学特性16iもしくはそれぞれの光チャネルの光路の偏向に関連するビーム偏向手段18のセグメント68iの光学特性をチャネル個別に変更するための調整手段116を含む。調整手段116は、デフォルト値によって制御され、デフォルト値に従って調整タスクを行う。デフォルト値は、後述するメモリ118および/またはコントロール122によって提供される。
装置150は、例えば、調整手段116のチャネル個別制御のためのデフォルト値が格納されたメモリ118を含む。デフォルト値は、製造者が決定することができ、メモリ118に格納することができる。加えて、例えば、図29aに点線124で示すように、プロセッサ112は、プロセッサ112によって、結合、マージされて全体画像になる画像など、イメージセンサ領域58a〜58fの取り込み画像の評価を介して、メモリ118内の格納されたデフォルト値を改善し、更新することができでもよい。プロセッサ112は、以下でより詳細に説明するように、例えば、調整手段116を介して現在の格納されたデフォルト値でマルチアパーチャ・イメージング・デバイス150を調整することによって場面を取り込む。このために、デフォルト値がメモリ118から読み出され、チャネル個別調整のために調整手段116によって使用される。そのようにして取り込まれたイメージセンサ領域58a〜58fの画像を解析することにより、プロセッサ112は、次の取り込みにおいて、改善され、または更新されたデフォルト値を使用して上記の前提より正確な、または改善された順序を得るために、取り込みに使用されたばかりの格納されたデフォルト値がメモリ118においてどのように修正されるべきかに関する情報を得る。
格納されたデフォルト値は、完全な調整値のセット、すなわち、デバイス150を完全に調整するための調整値のセットを含むことができる。格納されたデフォルト値は、設定された特性からのチャネルの光学特性の特定のチャネル個別の逸脱を低減させ、または排除するために、上述し、以下でより詳細に説明するように選択される。
デフォルト値は、画像取り込みに常に、現在の状況に実際に適する調整値のセットが使用されるように、連続した温度間隔のシーケンスごとに1つなど、複数の調整値のセットを含む場合がありうる。このために、コントロール122は、メモリ118内のデフォルト値セットと異なる所定の状況との間の割り振りのテーブルにアクセスし、またはテーブルをルックアップすることができる。このアクセスのために、コントロール122は、室内におけるデバイス150の温度、圧力、湿気、位置および/またはデバイス150の現在の加速度や現在の回転速度に関するデータなどの現在の状況を反映したセンサデータを受け取り、このデータから、メモリ118内のいくつかのデフォルト値セットのうちの1つ、すなわち、センサデータによって記述された現在の状況に最も近い所定の状況に割り振られたデータを決定する。センサデータは、イメージセンサ領域のイメージ・センサ・データから取得することもできる。例えば、コントロール122は、現在の温度が該当する割り振られた温度間隔内のセットを選択する。調整手段116によって特定の画像取り込みに使用されたメモリ118からの選択されたセットのデフォルト値は、任意選択のフィードバック124が使用されるときに再度更新することができる。
格納されたデフォルト値は、例えば、光チャネル間の1または複数の特性の分布の分散の尺度が、すなわち、部分視野、光学部品の焦点距離または光チャネルの被写界深度の正規分布からの部分視野の横断的な逸脱が、格納されたデフォルト値によって調整デバイスをコントロールすることによって低減されるように構成することができる。
あるいは、コントロール122内のデフォルト値は、メモリ118なしで、すなわち例えば、適切なデフォルト値に関する現在のセンサデータのマッピングがコントロール122にしっかりと統合されている場合に決定することもできる。マッピングは、センサデータとデフォルト値との間の機能コンテキストによって記述することができる。機能コンテキストは、パラメータによって適合させることができる。パラメータは、フィードバック124を介して適合させることができる。
メモリ118は、例えば、不揮発性メモリとすることができる。メモリ118は、おそらくは読取り専用メモリであるが、書き換え可能なメモリも可能である。コントロール122およびプロセッサ112は、ソフトウェア、ハードウェア、またはプログラマブルハードウェアとして実装することができる。コントロール122およびプロセッサ112は、共通のマイクロプロセッサ上で実行されるプログラムとすることもできる。コントロール122のためのセンサデータを提供するセンサは、例えばイメージセンサ領域などのデバイス150に属していてもよく、以下の図に関連して後述するように、デバイスに組み込まれた装置の構成要素などの外部構成要素であってもよい。
以下では、調整手段116の可能な実施態様について説明する。この場合、図29aの調整手段116を、後述する実施態様の変形例のうちの1つ、いくつかまたはすべてに適用することができる。具体的な組み合わせについても後述する。
図示の変形例において、調整手段116は、例えば、チャネル16iごとに1つのアクチュエータ126iを含み、アクチュエータ126iは、それぞれのチャネル16iの光学部品64iを、光軸17iと光路とに沿って軸方向に、かつ/またはz軸および/もしくはy軸に沿って軸方向と交差してそれぞれ移動させる。あるいは、アクチュエータ126iは、例えば、イメージセンサ12または個々のイメージセンサ領域58iを移動させることもできる。一般に、アクチュエータ126iは、イメージセンサ領域58i、光学部品64iおよび/またはビーム偏向手段24のそれぞれのセグメント64iの相対移動を生じさせることができる。
図30aが関連する変形例によれば、調整手段116は、チャネル16iごとに、それぞれ、相変化光学素子と相変化素子128iとを含み、これらは、図30aに示すように、それぞれの光学部品64aに統合することができ(128i’’)、セグメント61iに統合することができ(128i’’’)、イメージセンサ領域58iと光学部品64iとの間(128i’)または光学部品64iとビーム偏向セグメント68iとの間(128i’’’)に位置決めすることができ、上述の選択肢の組み合わせも可能である。相変化光学素子128iは、例えば、屈折率の位置依存変化、すなわち、液晶などによる屈折率の局所分布を生じさせることができる。代替として、または加えて、相変化光学素子128iは、例えば、可撓性の固定された透明材料に対して機械的な効果を及ぼす圧電素子を使用して変形を引き起こすことによって、またはエレクトロウェッティング効果を使用して光学活性な面の形状の変化を生じさせる。相変化光学素子128i’’は、例えば、光学部品64iの屈折率を変化させることができる。あるいは、相変化素子128i’’は、光学部品64iの光学レンズ領域の形状を変化させ、それによって光学部品64iの有効屈折力を変化させることもできる。相変化素子128i’’’は、例えば、それぞれの表面の仮想傾斜を生じさせるために、反射ファセット上など、セグメント68iの光学的に適切な表面上に正弦波位相格子を生成することができる。同様に、相変化素子128i’または相変化素子128i’’は、光軸を偏向させることができる。
換言すれば、相変化光学素子128iによってもたらされる相変化は、光軸17iを中心とした回転対称など、ほとんど回転対称とすることができ、よって、128i’の場合には、例えば、光学部品64iの焦点距離の変化が生じる。しかしながら、素子128iによってもたらされる相変化は、偏向角度またはそれぞれの方向における光軸17iの偏向の変化を生じさせるために、z軸に沿って線形やy軸に沿って線形など、ほぼ線形とすることができる。
回転対称の相変化は、合焦と、それぞれの光チャネル16iの部分視野の位置補正のための線形相変化とに使用することができる。
図30bに示す別の変形例によれば、調整手段116は、チャネル16iごとに1つのアクチュエータ132iを含み、アクチュエータ132iは、セグメント68i、例えば、それぞれのチャネル16iの反射ファセットの、光軸17iに対するその角度方向、すなわち、設定角度
を変更する。この場合、セグメント68iは反射ファセットだけに限定されないことに留意されたい。各セグメント68iは、光チャネル16iの光路がプリズムを通過する間に光軸17iの方向をyz平面内で偏向するプリズムとして実施することもできる。
アクチュエータ126iおよびアクチュエータ132iによる相対移動を実現するために、すなわち、例えば並進的に実施されうる光学部品68iの移動を生成するためと、アクチュエータ132iによりセグメント68i傾けるために、z軸、例えば、空気圧、油圧、圧電、熱、静電または電動の駆動装置または直流モータまたはステップモータ、またはやはりボイスコイル駆動装置を使用することができる。
図29aに戻って、点線は、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス150が、任意選択で、調整手段116に加えて、イメージセンサ12と光学部品アレイ14とグローバル的なビーム偏向手段18、すなわち、すべての光チャネル16a〜16dのためのビーム偏向手段18との間に相対移動を生成するための1または複数のアクチュエータ134も含むことができることを示している。1または複数の追加のアクチュエータ134は、図29aに示すように、マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの任意選択で存在する自動焦点制御136(合焦手段)および/または任意選択で存在する手ぶれ補正制御の一部とすることもできる。
追加のアクチュエータによって補足された図29aのデバイス150の具体例を図31に示す。図31には、光チャネル16a〜16dの光学部品64a〜64dが共通のキャリア66を介して相互に機械的に固定されている、図29aのマルチアパーチャ・イメージング・デバイス150が示されている。この共通のホルダを介して、例えば、z方向の、すなわち、アレイ14のライン延長方向に沿ったキャリア66の並進移動によって、光学部品64a〜64dに、すべてのチャネルについて同じであるグローバルな移動をさせることが可能である。このために、アクチュエータ134aが設けられている。よって、アクチュエータ134aは、アクチュエータ134aが共通のキャリア66にx軸に沿った並進移動をさせるという点で、すべての光チャネル16a〜16dについて同じである光学部品64a〜64dの並進移動を生成する。アクチュエータ134aのタイプに関しては、図30aおよび図30bに関連して説明した例を参照されたい。さらに、デバイス150は、x軸と光軸17iに沿ったイメージセンサ58iの光学部品54iまでの距離を、それぞれ、グローバルな、すなわち、すべての光チャネル16a〜16dについて同じであるように変更するためのアクチュエータ134bを含む。図31に示すように、例えば、アクチュエータ134bは、光学部品64a〜64dに、キャリア66を介してのみならずアクチュエータ134を介しても割り振られたイメージセンサ位置58a〜58dからの距離を変更するためのz軸に沿った並進移動をさせ、よってこれはx軸に沿った並進移動も施され、実際にはキャリア66のための懸架装置として機能する。
加えて、図31のデバイス150は、ビーム偏向手段18を、z軸に平行に通り、光軸17a〜17dが通る平面内にあり、またはこの平面から遠く離れていない軸を中心に回転させるためのアクチュエータ134cも含む。アクチュエータ134bおよびアクチュエータ134cについても、可能な実施態様の例に関しては上記の図30aおよび図30bに関連して提供されている例のリストを参照されたい。ビーム偏向手段18に対してアクチュエータ134cによって与えられる回転移動は、すべてのチャネル16a〜16dのビーム偏向手段18上のセグメント68a〜68dに対して同じ、または同等の効果を及ぼす。すなわち、この効果はグローバルであり、またはすべてのチャネルである。
アクチュエータ134bを介して、自動焦点制御136は、例えば、デバイス150によって取り込まれた画像の焦点を、チャネル16a〜16dによってすべてのチャネルについてグローバルに制御することができる手ぶれ補正制御138は、ユーザによる手ぶれに関して、アクチュエータ134cによる第1の方向142と、アクチュエータ134aによる第1の方向142に垂直な方向144とに全視野72を補正することができる。第1の方向142は、回転軸44を中心とした回転移動によって得ることができる。第1の方向142’によって示されるように、代替として、または加えて、ビーム偏向手段18および/またはアレイ14の並進移動を、アクチュエータ134が生成することもできる。この場合、方向142、方向142’および方向144は、方向の1つの平面内で画像軸に平行であってもよく、または画像軸に対応していてもよい。本明細書に記載される手ぶれ補正装置は、光チャネルの2つ、複数、またはすべての光路に結合効果を及ぼすように構成することができる。これは、チャネル個別の補正を省略できることを意味し、有利である。
例えば、図29aのデバイス150は、例えば、全視野内の各部分視野の製造誤差や温度誘導のドリフトを補正するために、イメージセンサ領域58a〜58dに、チャネル個別に、z軸に沿った、かつ/またはy軸に沿った並進移動をさせるための、チャネル16a〜16dごとに1つのアクチュエータ、例えば、チャネル16iごとのアクチュエータ126iを含む。代替として、または加えて、図29aのデバイス150は、製造プロセスで不必要に生じた光学部品64a〜64dの焦点距離差を補正するためのアクチュエータ128i’’を含むこともできる。加えて、または代替として、図29aのデバイス150は、相対的な傾斜により、部分視野74a〜74dによる全視野72の所望のカバレージが得られるように、製造または温度によって生じた相互に対するセグメント68a〜68dの相対的な傾斜の逸脱を補正するためのアクチュエータ128i’’’を含むこともできる。加えて、または代替として、デバイス150は、タイプ128i’およびタイプ128i’’’のアクチュエータをそれぞれ含むこともできる。
再度要約すると、デバイス150は、ビーム偏向手段18を、アレイ14のライン延長方向zに平行な軸を中心に回転させるように構成されたアクチュエータ134cを含むことができる。回転軸は、例えば、光軸17a〜17fの平面内にあり、または光軸17a〜17fから光学部品64a〜64dの直径の4分の1未満離れている。あるいは、回転軸が、1光学部品直径未満や、4光学部品直径未満など、さらに離れていることも可能であろう。アクチュエータ134cは、例えば、画像取り込み時の例えばユーザによる、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス150のぶれを補正するために、例えば、5°未満や10°未満の範囲内などごく小さい角度範囲内で、短い応答時間でビーム偏向手段18を回転させるように設けることができる。この場合、アクチュエータ134cは、例えば、手ぶれ補正制御138によって制御される。
代替として、または加えて、アクチュエータ134cは、部分視野74a〜74f(図29a)の全カバレッジによって定義される全視野72を、より大きな角度オフセットを有するその方向で変更するように構成することもできる。この場合、ビーム偏向手段18を回転させることによって、例えば、ビーム偏向手段18が両面で反射するミラーアレイとして構成されるという点で、全視野がデバイス150に対して反対方向に配置される偏向を得ることもさらに可能であろう。
さらに、代替として、または加えて、デバイス150は、基板66によって光学部品64a〜64dを並進移動させ、基板66自体を並進移動させ、よって、光学部品64a〜64dをライン延長方向に沿って並進移動させるように構成されたアクチュエータ134aを含むこともできる。アクチュエータ134aは、例えば、ミラー偏向手段18の回転によって実現される手ぶれ補正と交差する手ぶれ補正を、ライン延長方向に沿った移動96によって得るために、上述の手ぶれ補正制御によって制御することもできる。
さらに加えて、または代替として、デバイス150は、被写界深度の調整を得るために、イメージセンサ12と光学部品64a〜64dとの間、およびイメージセンサ12と本体66との間の像側の距離をそれぞれ変更するためのアクチュエータ134bを含むこともできる。図26参照。手段98は、手動のユーザ制御によって、またはデバイス150の自動焦点制御によって制御することができる。
アクチュエータ134aは、基板66の懸架装置として機能し、図29aに示すように、アクチュエータ134aは好ましくは、設置高さを増加させないためにライン延長方向に沿って基板66のそばに横方向に配置される。設置高さを増加させないために光路の平面内に配置されることが好ましいことは、アクチュエータ134b、134cにも当てはまる。
光学部品64a〜64dは、例えば上述した透明基板を介して、相互に対して保持することができるのみならず、ビーム偏向手段に対しても、好ましくは、設置高さを増加させず、よって、好ましくは、構成要素12、14、66の平面と光路の平面とをそれぞれ通る例えば適切なフレームを介して、一定の相対位置で保持することができることに留意されたい。相対位置の一貫性は、光軸に沿った光学部品とビーム偏向手段との間の距離に制限することができ、そのためアクチュエータ134bは、例えば、光学部品64a〜64dを光軸に沿ってビーム偏向手段18と共に並進移動させる。光学部品/ビーム偏向手段間の距離を最小距離に設定することができ、そのためチャネルの光路がビーム偏向手段18のセグメントによって横方向に制限されず、これにより設置高さが減少する。というのは、そうしないと、光路を制限しないために、セグメント68iを、横方向の延長に関して最大の光学部品ビーム偏向手段間距離の寸法にしなければならなくなるからである。加えて、相対位置の一貫性は、上述したフレームが、光学部品およびビーム偏向手段をz軸に沿って相互に厳密に保持し、そのためアクチュエータ134aは、光学部品64a〜64dをライン延長方向に沿ってビーム偏向手段と一緒に並進移動させることになることも意味しうる。
上述した光チャネルの光路を偏向させるビーム偏向手段18は、マルチアパーチャ・イメージング・デバイス150の光学手ぶれ補正制御のビーム偏向手段18およびアクチュエータ134の回転移動を生成するためのアクチュエータ134cと相まって、画像および全画像視野の手ぶれ補正を、それぞれ2次元で、すなわち、基板66の並進移動による、ライン延長方向に対して実質的に平行に通る第1の画像軸に沿った手ぶれ補正と、ビーム偏向手段18の回転移動を生成することによる、ビーム偏向の前とビーム偏向なしの場合とにそれぞれ、光軸に対して実質的に平行に、すなわち、偏向された光軸が考慮される場合に、光軸とライン延長方向とに対して垂直に通る第2の画像軸に沿った手ぶれ補正とを可能にする。加えて、本明細書に記載される配置は、例えば、焦点調節機能を実現するために、よって自動焦点機能に使用できる前述のアクチュエータ54などによってライン延長方向に垂直な前述のフレームおよびアレイ14において固定されたビーム偏向手段の並進移動を生じさせることもできる。
図32に、手ぶれ補正および/または焦点調節などのためのアクチュエータの有利な配置を例示するためのマルチアパーチャ・イメージング・デバイス180の概略図を示す。イメージセンサ12、アレイ14およびビーム偏向手段18は、空間的に直方体を範囲とすることができる。この直方体は、仮想直方体とみなすこともでき、例えば、最小体積と、特に、y方向と厚さ方向とに対してそれぞれ平行な方向に沿った最小の垂直延長とを有することができ、イメージセンサ12、単一ラインアレイ14とビーム偏向手段18とを含むことができる。最小体積は、イメージセンサのコース、アレイ14および/またはビーム偏向手段18の配置および/または動作の動きが及ぶ範囲の直方体を記述するように考えることもできる。アレイ14は、光チャネル16a、16bが、それに沿っておそらくは相互に平行に、並置して配置されるライン延長方向146を有しうる。ライン延長方向146は、空間的に固定して配置することができる。
仮想直方体は、単一ラインアレイ14のライン延長方向146と、光路17aおよび/または光路17bおよび/または光路17cの一部とに平行に、相互に平行に対向して整列された2つの面を含むことができる。すなわち、光路17b、17cは両面まで等距離で通っており、光チャネル16a、16bはイメージセンサ12とビーム偏向手段18との間にある。簡単に言えば、これは、例えば、仮想直方体の上部と底部とすることができるが、これに限定されるものではない。2つの面は、第1の平面148aと第2の平面148bとを範囲とすることができる。これは、直方体の2つの面が、それぞれ平面148aと148bとの一部でありうることを意味する。マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの別の構成要素は、平面148aと平面148bとの間の領域の内部に少なくとも部分的にではなく完全に配置するができ、そのため、平面148aおよび/または平面148bの面法線に平行な方向に沿ったマルチアパーチャ・イメージング・デバイス180の設置空間要件は低く、これは有利である。マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの体積は、平面148aと平面148bとの間の低い設置空間または最小限の設置空間を有しうる。マルチアパーチャ・イメージング・デバイスの設置空間は、平面148aおよび/または平面148bの側方または延長方向に沿って、大きくすることも任意のサイズとすることもできる。仮想直方体の体積は、例えば、イメージセンサ12、単一ラインアレイ14およびビーム偏向手段18の配置によって影響され、これらの構成要素の配置は、本明細書に記載される実施形態に従って、これらの平面に垂直な方向に沿ったこれらの構成要素の設置空間が、よって平面148aと平面148bとの相互との距離が低くなり、または最小限になるように行うことができる。構成要素の他の配置と比較して、仮想直方体の体積および/または他の面の距離を拡大することができる。
マルチアパーチャ・イメージング・デバイス180は、イメージセンサ12と、単一ラインアレイ14と、ビーム偏向手段18との間の相対移動を生成するアクチュエータ手段152を含む。アクチュエータ手段152は少なくとも部分的に平面148aと平面148bとの間に配置される。アクチュエータ手段152は、イメージセンサ12、単一ラインアレイ14、またはビーム偏向手段18のうちの少なくとも1つを、少なくとも1つの軸を中心に回転移動させ、かつ/または1または複数の方向に沿って並進移動させるように構成することができる。このために、アクチュエータ手段152は、それぞれの光チャネル16iのイメージセンサ領域58iと、それぞれの光チャネル16iの光学部品64iと、ビーム偏向手段18と、ビーム偏向手段18のそれぞれのセグメント68iとの間の相対位置を、それぞれチャネル個別に変更するためと、光学特性16iまたはそれぞれの光チャネルの少なくとも1つの光路の偏向に関連するビーム偏向手段18のセグメント68iの光学特性をチャネル個別に変更するためのアクチュエータ128i、132i、134など、少なくとも1つのアクチュエータを含むことができる。代替として、または加えて、アクチュエータ手段は、上述したような自動焦点および/または光学手ぶれ補正を実施することもできる。
アクチュエータ手段152は、厚さ方向に対して平行な寸法または延長154を有しうる。寸法154の最大50%、最大30%または最大10%の割合が、平面148aと平面148bとの間の領域から出発して平面148aおよび/または平面148bを越えて突出することができ、またはこの領域から突出することができる。これは、アクチュエータ手段152が、最大でも、平面148aおよび/または平面148bを越えてわずかに突出することを意味する。実施形態によれば、アクチュエータ手段152は、平面148aおよび平面148bを越えて突出しない。マルチアパーチャ・イメージング・デバイス180の厚さ方向に沿った延長がアクチュエータ手段152によって拡大されないことは利点である。
いくつかの態様について装置のコンテキストで説明したが、これらの態様は、対応する方法の記述も表すものであり、よって、装置のブロックまたはデバイスは、それぞれの方法ステップまたは方法ステップの特徴にも対応することは明らかである。同様に、方法ステップのコンテキストでまたは方法ステップとして説明した態様は、対応する装置の対応するブロックまたは詳細または特徴の記述も表すものである。
上述した実施形態は、本発明の原理の単なる例示である。当業者には本明細書に記載された構成および詳細の改変および変形が明らかであることが理解されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書の実施形態の記述および説明によって提示される具体的な詳細によっては限定されないことが意図されている。