JP6756740B2 - 音響制御システム - Google Patents
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Description
一方、音響機器とコンピュータとをUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等で接続し、コンピュータ内にインストールされている音響情報管理プログラムを実行させ、音響機器の操作等の音響制御情報を、コンピュータに入力し、コンピュータ上で再生する楽曲に対して、エフェクトや、ミキシング等の音響処理を施すシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
このようなシステム音響機器の音響制御情報に基づいて、コンピュータ上の音響情報管理プログラムで再生した楽曲に音響処理を施すことにより、限られた音響処理しか設定されていないDJ機器等では実現できない音響処理を行うことができるため、多彩なDJパフォーマンスを実現できるという利点がある。
図1には、本発明の実施形態に係る音響制御システム1が示されている。この音響制御システム1は、音響機器としての4台のデジタルプレーヤー2と、音響機器としてのデジタルミキサー3と、コンピュータ4とを接続して構成される。
4台のデジタルプレーヤー2は、操作することにより音響制御情報を出力する機能を備え、第1の通信手段としてのLANケーブル5によってデジタルミキサー3に接続されている。このように4台のデジタルプレーヤー2とデジタルミキサー3とをLANケーブル5で接続することにより、5つの音響機器2、3を連動させることが可能となる。
本実施形態では、LANケーブル5は、IEEE1394規格のインターフェースが用いられている。なお、デジタルプレーヤー2とデジタルミキサー3との接続は、これに限らず、MIDI(Musical Instruments Digital Interface:登録商標/社団法人音楽電子事業協会)規格のインターフェースを利用してもよい。
図2には、デジタルプレーヤー2のコントロールパネルの構成が示されている。
デジタルプレーヤー2には、図示を略したが、CD、DVD等の光ディスクのスロット等が設けられている。スロットに光ディスクを挿入することにより、光ディスクの再生を行うことができるが、コントロールパネル上の各種ボタンを操作することにより、外部に音響制御情報を出力する音響制御機器としても機能する。
すなわち、音響機器としてのデジタルプレーヤー2は、光ディスクの再生機能と、音響制御情報を生成して出力する再生制御機能を備え、コントロールパネル上のボタンを操作することにより、任意にこれらの機能を切り替える切替手段を備えている。
デジタルプレーヤー2は、プレイ/ポーズボタン2A、キューボタン2B、サーチボタン2C、トラックサーチボタン2D、ループ調整ボタン2E、ホットキューボタン2F、ジョグダイヤル2G、ジョグダイヤル表示部2H、マスターテンポ調整スライダー2I、ビート同期ボタン2J、および楽曲情報表示部2Kを備えている。
キューボタン2Bは、キューポイントを設定するボタンである。再生中にプレイ/ポーズボタン2Aを押し、このキューボタン2Bを続けて押すと、キューポイントが設定される。再生中にキューボタン2Bを押すと、予め設定されたキューポイントに戻り、キューポイントからの再生を繰り返す音響制御情報を生成することができる。
トラックサーチボタン2Dは、トラックの頭出しを行うボタンである。トラックサーチボタンを操作することにより、早送り、早戻しを行ってトラックの頭出しを行う音響制御情報を生成することができる。
ループ調整ボタン2Eは、ループ再生を行う位置を設定するボタンである。一方のループ調整ボタン2Eを押して、再生中にループ再生を開始する位置を設定し、所定の長さ再生させたら、他方のループ調整ボタン2Eを押すと、ループを終了する位置が設定され、ループを繰り返す音響制御情報を生成することができる。
ジョグダイヤル表示部2Hは、デジタルプレーヤー2がVINYLモードであるか、CDJモードであるかを表示する部分であり、VINYLモードの場合、内蔵されたLEDが点灯する。なお、VINYLモードでは、再生中にジョグダイヤル2Gを押すと、再生を停止し、ジョグダイヤル2Gの操作に応じた速度での再生を行うことができる。一方、CDJモードでは、ジョグダイヤル2Gの操作に応じた再生を停止して、他の設定による再生により再生を継続させることができる。
ビート同期ボタン2Jは、マスター音響機器として設定されたデジタルミキサー3のBPM(Beat Per Minute)に対して、自身のBPMを同期させる音響制御情報を生成することができる。
楽曲情報表示部2Kは、再生中の楽曲情報を表示する液晶表示パネルである。この楽曲情報表示部2Kには、デジタルプレーヤー2で設定されたキューポイント、再生中のトラック番号、楽曲管理プログラムで解析された楽曲の再生波形等が表示される。
制御マイコン21は、デジタルプレーヤー2の全体を制御するマイコンであり、操作ボタン2A・・・スライダー2Iのスイッチング制御およびボリューム制御の他、信号処理部23の制御、楽曲情報表示部2K、ジョグダイヤル表示部2Hの表示制御、およびLANポート24のデジタルデータの入出力制御を行う。
ADC(Analog Digital Converter)22は、操作ボタン2A・・・スライダー2Iの各種操作によって入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して、信号処理部23に出力する。
LANポート24は、IEEE1394規格のインターフェースであり、前述したLANケーブル5が接続され、信号処理部23で生成された音響制御情報は、LANポート24から出力される。出力された音声制御情報は、LANケーブル5を介して、デジタルミキサー3に入力される。
図4には、デジタルミキサー3のコントロールパネルが示されている。図4に示されるように、デジタルミキサー3のコントロールパネルには、4台のデジタルプレーヤー2に応じたチャンネルCH1−CH4が設けられており、各チャンネルCH1−CH4に応じて、音量調整レバー3A、キューボタン3B、イコライザ調整スイッチ3Cが設けられている。
また、デジタルミキサー3のコントロールパネルの中央には、クロスフェーダー3Dと、タッチパネル3Eと、エフェクトセレクトボタン3Fと、エフェクト調整スイッチ3Gが設けられている。これらのスイッチ類は、チャンネルCH1−CH4全体に音響処理を施すために設けられている。
キューボタン3Bは、モニターしたいチャンネルCH1−CH4を選択するボタンである。選択されたチャンネルをヘッドフォン等でモニターすることができる。
イコライザ調整スイッチ3Cは、チャンネルCH1−CH4のそれぞれについて、周波数特性を変化させるボリュームスイッチである。イコライザ調整スイッチ3Cを操作することにより、低域周波数、中域周波数、高域周波数のそれぞれについて、周波数特性を変化させる音響制御情報を生成することができる。
タッチパネル3Eは、楽曲にエフェクトをかける際の操作子ともなるが、演奏状況を表示する楽曲情報表示部と同様の機能も備える。タッチパネル3Eを操作することにより、入力されたMIDIデータのタイミング補正を行ったり、再生している楽曲をグラフィカルに表示させ、タッチパネル3Eを操作して、複数の楽曲をミックスしたり、楽曲の入れ替えを行ったりする音響制御情報を生成することができる。
エフェクト調整スイッチ3Gは、エフェクトセレクトボタン3Fで選択されたエフェクトの周波数特性を変化させるボリュームスイッチであり、低域周波数、中域周波数、高域周波数のそれぞれについて周波数特性を変化させる音響制御情報を生成することができる。
制御マイコン31は、デジタルミキサー3の全体を制御するマイコンであり、操作レバー3A・・・操作スイッチ3Gのスイッチング制御、ボリューム制御の他、信号処理部34の制御、タッチパネル3Eの表示制御、LANポート33およびUSBポート35の入出力制御を行う。
ADC32は、操作レバー3A・・・操作スイッチ3Gの各種操作によって入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して、信号処理部34に出力する。
LANポート33には、チャンネルCH1−CH4のデジタルプレーヤー2から出力された音響制御情報が入力され、入力された音響制御情報は、信号処理部34に出力される。
USBポート35は、バッファを備え、バッファは、チャンネルCH1−CH4のそれぞれの音響制御情報と、デジタルミキサー3を操作することにより、生成された音響制御情報とを並行して格納する複数の領域を備える。各チャンネルCH1−CH4の音響制御情報と、デジタルミキサー3による音響制御情報とは、同時にUSBポート35から出力される。
DAC(Digital Analog Converter)36は、信号処理部34で処理されたデジタル信号をアナログ信号に変換する。アナログ信号に変換される信号としては、主として、楽曲の再生情報(楽曲再生情報)であり、図示を略したが、オーディオ出力端子に接続されるオーディオケーブルを介して、スピーカ等の音響出力装置から音声出力が行われる。
図6には、コンピュータ4の機能ブロック図が示されている。コンピュータ4は、ハードウェア構成としてのCPU4A、ハードディスク、SDメモリー等の記憶装置4B、ディスプレイ4C、およびUSBポート4Dを備えている。
CPU4Aは、汎用の演算処理装置として構成され、OS上で実行されるI/Oドライバ41と、楽曲管理プログラム42とを備える。
記憶装置4Bは、I/Oドライバ41および楽曲管理プログラム42を記憶するプログラム記憶部43と、再生する楽曲を記憶する楽曲記憶部44と、再生楽曲に対する音響処理を記憶する音響処理記憶部45とを備える。
ディスプレイ4Cには、液晶表示装置等の薄型表示装置が用いられている。
USBポート4Dは、USB3.1規格のインターフェースとして構成され、前述したUSBケーブル6が接続され、デジタルミキサー3から出力された音響制御情報が入力される。
楽曲管理プログラム42は、記憶装置4Bに記憶された楽曲の管理、解析、エフェクト処理等を行うプログラムとして構成される。楽曲管理プログラム42は、楽曲管理部46、楽曲解析部47、再生制御部48、再生処理部49、および表示情報制御部50を備える。
楽曲解析部47は、楽曲記憶部44に記憶された楽曲の解析を行う。具体的には、楽曲解析部47は、例えば、FFT(Fast Fourier Transform)等を用いて解析を行い、楽曲の拍位置、テンポを検出し、必要に応じて、再生する楽曲間での調整を行う。
再生制御部48は、コンピュータ4のキーボード、マウス等の入力装置(図示略)の操作に応じて、再生処理部49の再生制御を行う。また、再生制御部48は、USBポート4Dから入力された音響制御情報に基づいて、再生処理部49の再生制御を行う。
楽曲の選択、再生順、デジタルミキサー3のチャンネル設定等は、楽曲管理部46で設定して行われる。楽曲の再生は、再生制御部48の音響制御情報に応じて、再生する楽曲に対して、音響処理記憶部45に記憶されたスクラッチ、ピッチベンド、ループ再生、イコライザ処理、エフェクト等の音響処理を施して、楽曲再生情報を生成する。再生処理部49は、生成した楽曲再生情報を、USBポート4Dから出力する。デジタルミキサー3には、USBケーブル6を介して楽曲再生情報が入力される。
表示情報制御部50は、ディスプレイ4Cに表示させる楽曲表示情報を生成する。具体的には、表示情報制御部50は、再生楽曲の曲名、トラック位置、エフェクト設定等をディスプレイ4C上に表示させる。また、表示情報制御部50は、生成した楽曲表示情報を、USBポート4Dから出力する。デジタルミキサー3には、USBケーブル6を介して楽曲表示情報が入力される。
次に、前述した音響制御システム1による楽曲再生の制御方法を、図7に基づいて説明する。
DJパフォーマーは、楽曲管理プログラム42の楽曲管理部46を操作して、再生する楽曲を選択し、デジタルミキサー3のどのチャンネルCH1−CH4で再生する楽曲、楽曲の再生の順番等を設定する。また、デジタルプレーヤー2の操作ボタン2A・・・スライダー2I、デジタルミキサー3の操作レバー3A・・・操作スイッチ3Gと、音響処理記憶部45内に設定された音響処理との対応関係も設定しておく。
これらの設定が終了したら、DJパフォーマーは、デジタルプレーヤー2のプレイ/ポーズボタン2Aを操作して、楽曲管理プログラム42の再生処理部49による楽曲再生を開始する。
デジタルミキサー3は、DJパフォーマーがデジタルミキサー3を操作して生成した音響制御情報とともに、それぞれのデジタルプレーヤー2から入力された音響制御情報を一括して出力し、USBケーブル6を介して、コンピュータ4に入力される。
コンピュータ4では、I/Oドライバ41を介して、楽曲管理プログラム42に音響制御情報が入力され、楽曲管理プログラム42の再生制御部48は、音響制御情報に基づいて、再生処理部49の制御を行う。
表示情報制御部50は、再生楽曲の曲名、トラック位置、エフェクト設定等の楽曲表示情報を生成し、ディスプレイ4Cに表示させる。
楽曲管理プログラム42は、再生処理部49で再生された楽曲再生情報と、楽曲表示情報とを、I/Oドライバ41に出力するとともに、USBポート4Dから出力する。楽曲再生情報および楽曲表示情報は、USBケーブル6を介して、デジタルミキサー3に入力される。
信号処理部34は、楽曲表示情報をIEEE1394規格に適合する形式に変換して、LANポート33からLANケーブル5を介して、チャンネルCH1−CH4のデジタルプレーヤー2に出力する。
デジタルプレーヤー2の信号処理部23は、入力された楽曲表示情報に基づいて、楽曲情報表示部2K上に、楽曲表示情報を表示させる。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
デジタルミキサー3にデジタルプレーヤー2をLANケーブル5で接続し、デジタルミキサー3のみをコンピュータ4に接続することにより、4台のデジタルプレーヤー2と、デジタルミキサー3とをそれぞれコンピュータ4に接続する必要がないので、接続配線の煩雑化を招くことがない。
楽曲管理プログラム42が、表示情報制御部50で生成された楽曲表示情報を、デジタルプレーヤー2に出力することにより、デジタルプレーヤー2の楽曲情報表示部2Kで楽曲再生位置等を確認することができるので、より多彩なDJパフォーマンスを実現することができる。
なお、本発明はこれに限らず、以下に示すような変形を含むものである。
例えば、前記実施形態では、音響制御システム1は4台のデジタルプレーヤー2を、デジタルミキサー3に接続していたが、本発明はこれに限られない。デジタルミキサー3に2台または3台のデジタルプレーヤー2を接続した構成としてもよい。
例えば、前記実施形態では、デジタルミキサー3をマスター音響機器としていたが、本発明はこれに限られない。いずれかのデジタルプレーヤー2をマスター音響機器としてコンピュータ4と接続する構成として、マスター音響機器となるデジタルプレーヤー2に、他のデジタルプレーヤー2や、デジタルミキサー3を接続する構成としてもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造としてもよい。
Claims (3)
- 楽曲の再生機能と再生制御機能とを備えた2以上の第1の音響機器と、
楽曲の再生制御機能を備えた第2の音響機器と、
前記2以上の第1の音響機器と前記第2の音響機器との間を通信可能に接続し、前記2以上の第1の音響機器と前記第2の音響機器とを連動させる第1の通信手段と、
前記第2の音響機器と、楽曲情報を管理するプログラムを実行可能なコンピュータとを、前記第1の通信手段とは異なる方式で通信可能に接続する第2の通信手段と、を備え、
前記2以上の第1の音響機器の操作に基づく音響制御情報が、前記第1の通信手段を介して、前記第2の音響機器に出力され、前記第2の音響機器が前記2以上の第1の音響機器から取得した前記音響制御情報を前記第2の通信手段に適合する形式に変換し、前記第2の通信手段を介して、前記音響制御情報と、前記第2の音響機器の操作に基づく音響制御情報とを一括して前記コンピュータに出力することを特徴とする音響制御システム。 - 請求項1に記載の音響制御システムにおいて、
前記2以上の第1の音響機器は、前記コンピュータ内で再生される楽曲情報を表示する楽曲情報表示部を備え、
前記コンピュータは、前記楽曲情報を表示情報として前記第2の音響機器に出力し、前記第2の音響機器は、前記表示情報を前記2以上の第1の音響機器に出力することを特徴とする音響制御システム。 - 請求項2に記載の音響制御システムにおいて、
前記第2の音響機器は、前記コンピュータから取得した前記表示情報を前記第1の通信手段に適合する形式に変換して、前記2以上の第1の音響機器に出力することを特徴とする音響制御システム。
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