JP6756501B2 - 熱硬化性樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
製品の凹凸形状に対応した窪み部を有する金型に、前記凹凸形状に合わせて形成された印刷済みのフィルムを配置するフィルム配置工程と、
前記金型の前記窪み部に、前記フィルムを介して、熱硬化性樹脂で形成された基材を配置する基材配置工程と、
加熱及び加圧によって、前記フィルムと前記基材とを一体に成形する成形工程と、
を有する熱硬化性樹脂成形品の製造方法であって、
前記金型は、前記窪み部の外側に位置する外側部と、前記窪み部の内側に位置する内側部と、を有し、
前記フィルムは、前記窪み部に対応した形状の湾曲部と、前記湾曲部から外側に延出した外側延出部と、前記湾曲部から内側に延出した内側延出部と、を有し、
前記フィルム配置工程においては、
前記湾曲部が前記窪み部に、前記外側延出部が前記外側部に、前記内側延出部が前記内側部に、それぞれ対応するように、前記フィルムを前記金型に配置することを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の製造方法である。
本明細書及び図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
前記金型の前記窪み部に、前記フィルムを介して、熱硬化性樹脂で形成された基材を配置する基材配置工程と、
加熱及び加圧によって、前記フィルムと前記基材とを一体に成形する成形工程と、
を有することを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の製造方法が明らかとなる。
このような熱硬化性樹脂成形品の製造方法によれば、製品の成型後に塗装などの作業をしなくて済み、加飾の作業の簡易化を図ることができる。
このような熱硬化性樹脂成形品の製造方法によれば、フィルムを金型に安定して配置することができる。
このような熱硬化性樹脂成形品の製造方法によれば、延出部があることでフィルムの取り除き作業が容易となる。
このような熱硬化性樹脂成形品の製造方法によれば、フィルムの位置ずれを抑制することができる。
このような熱硬化性樹脂成形品の製造方法によれば、フィルムと基材をより確実に一体化させることができる。
このような熱硬化性樹脂成形品の製造方法によれば、基材に対して2つのフィルム(第1フィルム、第2フィルム)を一体化させることができる。
かかる熱硬化性樹脂成形品の製造方法であって、前記第1フィルム配置工程と前記成形工程との間に、前記第1金型の所定部位に第3金型を配置してもよい。
このような熱硬化性樹脂成形品の製造方法によれば、前記第1金型と前記第2金型のみでは形成できないより複雑な形状に対応することができる。
<<基材の形成について>>
図1A〜図1Cは、テニスラケットの基材の形成についての説明図である。ここでは、シート筒形成工程と屈曲工程を行っている。
先ず、熱硬化性の繊維強化樹脂(FRP:Fiber Reinforced Plastics)の樹脂シート14(カーボンシート)を用意する。なお、繊維強化樹脂は、エポキシやビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂に強化繊維を配合して半硬化させたものであり、強化繊維としては、カーボン繊維,ガラス繊維,有機繊維、セラミック繊維などのうちから適宜選択できる。本実施形態の樹脂シート14は、強化繊維としてカーボン繊維を用いている。
次に、図1Cに示すように、シート筒10をテニスラケットのフレームの形状に沿うように屈曲させる。また、フェイス部とシャフト部との境界部分には、シート筒10と同様の構成によって形成されたヨーク部16を取り付ける。このようにしてテニスラケットの基材1を形成する。
次に、金型(後述する下金型20、上金型30、及び、側面金型40)を用いて基材1(シート筒10)をテニスラケットに成形する。
まず、下金型20(第1金型に相当)を用意する。この下金型20には、テニスラケットの凹凸形状に合わせて形成された窪み部22が形成されている(図2A、図3A参照)。窪み部22は、図2Aに示すように、テニスラケットのフェイス部と対応して環状に設けられた部位を有している。以下の説明において、環状部位の外側のことを「外側」、環状部位の内側のことを「内側」と呼ぶことがある。
本実施形態では、図3Aに示すように、下金型20の窪み部22の外側は、窪み部22の内側よりも高さが低く、上金型30の窪み部32の外側は、窪み部32の内側よりも高さを低く設計しており、上記部位(フェイス部の外周面)を形成するため、側面金型40(第3金型に相当)を用いる。これにより、下金型20と上金型30のみでは形成できないより複雑な形状に対応することが可能となり、所望の形状に形成することができる。
その後、下金型20の窪み部22に、フィルム50(具体的には湾曲部50a)を介して、基材1を配置する(図2D、図3D参照)。
基材1を配置した後、加熱を行うとともに、基材1のうちのグリップ部の端(後端)の開口から、チューブ12内にエア(加圧空気)を導入する。基材1は加熱されて塑性変形し、その際、チューブ12はエアの導入により膨らみ樹脂シート14を外方に押し広げる。こうして、チューブ12は樹脂シート14を、フィルム50(湾曲部50a)を介して下金型20の窪み部22に押圧し、また、フィルム60(湾曲部60a)を介して上金型30の窪み部32に押圧する。これにより、塑性変形した基材1は、下金型20の窪み部22及び上金型30の窪み部32に沿った形状に成型されるとともに、フィルム50及びフィルム60と一体になる(図3F参照)。
金型成形工程後、基材1(及び、フィルム50、60)を、下金型20及び上金型30から脱型する。そして、フィルム50の外側延出部50b、内側延出部50c、及び、フィルム60の外側延出部60b、内側延出部60cを切除する(切除工程に相当)。これにより、図3Gに示すように、基材1の外表面にフィルム50(湾曲部50a)とフィルム60(湾曲部60a)を一体に備えたテニスラケットが得られる。
金型に位置決め用のピンを設け、フィルムにピンに対応する位置合わせ部を設けてもよい。これにより、フィルムの位置ずれを抑制することができる。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
10 シート筒、12 チューブ、
14 樹脂シート(カーボンシート)、16 ヨーク部、
18 樹脂シート(カーボンシート)、
20 下金型、22 窪み部、
30 上金型、32 窪み部、
40 側面金型、
50 下フィルム、50a 湾曲部、
50b 外側延出部、50c 内側延出部、
60 上フィルム、60a 湾曲部、
60b 外側延出部、60b 内側延出部
Claims (9)
- 製品の凹凸形状に対応した窪み部を有する金型に、前記凹凸形状に合わせて形成された印刷済みのフィルムを配置するフィルム配置工程と、
前記金型の前記窪み部に、前記フィルムを介して、熱硬化性樹脂で形成された基材を配置する基材配置工程と、
加熱及び加圧によって、前記フィルムと前記基材とを一体に成形する成形工程と、
を有する熱硬化性樹脂成形品の製造方法であって、
前記金型は、前記窪み部の外側に位置する外側部と、前記窪み部の内側に位置する内側部と、を有し、
前記フィルムは、前記窪み部に対応した形状の湾曲部と、前記湾曲部から外側に延出した外側延出部と、前記湾曲部から内側に延出した内側延出部と、を有し、
前記フィルム配置工程においては、
前記湾曲部が前記窪み部に、前記外側延出部が前記外側部に、前記内側延出部が前記内側部に、それぞれ対応するように、前記フィルムを前記金型に配置することを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の製造方法。 - 請求項1に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法であって、
前記成形工程の後、前記外側延出部及び前記内側延出部を切除する切除工程をさらに有する、
ことを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の製造方法。 - 請求項1に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法であって、
前記成形工程の後、前記基材に転写された印刷絵柄のみを残し前記フィルムを剥離除去する工程をさらに有する、
ことを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の製造方法。 - 請求項2又は3に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法であって、
前記外側部及び前記外側延出部、又は、前記内側部及び前記内側延出部に、位置決め用のピン及び穴が設けられており、
前記フィルム配置工程においては、前記穴を前記ピンに通す、
ことを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の製造方法。 - 請求項1〜4の何れかに記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法であって、
フィルムの前記基材と対向する側の面には、加熱によって接着性を発揮する接着層が設けられている、
ことを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の製造方法。 - 請求項1〜5の何れかに記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法であって、
前記金型は、対向して配置される一対の第1金型と第2金型とを有し、
前記フィルム配置工程は、
前記第1金型の前記窪み部に対応した第1フィルムを、前記第1金型に配置する第1フィルム配置工程と、
前記第2金型の前記窪み部に対応した第2フィルムを、前記第2金型に配置する第2フィルム配置工程と、
を有する、ことを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の製造方法。 - 請求項6に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法であって、
前記第1フィルム配置工程後の前記第1金型に対して前記基材配置工程を行い、
前記成形工程の前に、前記第2フィルム配置工程後の前記第2金型を前記第1金型に対向させて配置する、
ことを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の製造方法。 - 請求項6又は7に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法であって、
前記第1フィルム配置工程と前記成形工程との間に、前記第1金型の所定部位に第3金型を配置する、
ことを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の製造方法。 - 請求項1〜8の何れかに記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法であって、
前記熱硬化性樹脂成形品は、ラケットである
ことと特徴とする熱硬化性樹脂成形品の製造方法。
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