JPH08770A - ラケットの成形方法 - Google Patents

ラケットの成形方法

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JPH08770A
JPH08770A JP6135787A JP13578794A JPH08770A JP H08770 A JPH08770 A JP H08770A JP 6135787 A JP6135787 A JP 6135787A JP 13578794 A JP13578794 A JP 13578794A JP H08770 A JPH08770 A JP H08770A
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laminated tube
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die
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JP6135787A
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Minoru Yoneyama
稔 米山
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YONETSUKUSU KK
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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
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  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 金型内へのセットが容易で短時間で成形で
き、ボイドの発生を防止して外観を向上する。 【構成】 積層チューブ5を成形金型10,20,22
に刻設されたラケット状の型溝11,21内にかん合
し、次いで金型を型締めして型溝を気密に閉鎖する。型
溝のシャフト部端部に該当する箇所から積層チューブの
中空内部に予備圧をかけて膨らませ、積層チューブ5の
外周を型溝11,21の形状に沿い可とう変形させる。
この状態で型溝の一端を通じて積層チューブと型溝との
隙間を真空吸引する一方、型溝11,21の他端側から
液状樹脂を供給して強化繊維4に含浸させ、金型を加熱
する。真空及び加熱状態を保ちつつ、中空内部に更に成
形圧力をかけてキュアリングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テニス,スカッシュ,
バトミントン等に用いられるラケットの成形方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】最近のラケットは、打球面の大型化に伴
なう軽量化の必要から中空のものが多く、特にいわゆる
「厚ラケ」のようにフレームの厚みが部分変化している
ものは中空品が適している。
【0003】この種の中空ラケットの製法として従来で
は、a.内圧製法、b.インジェクション製法、及び
c.リム成形方法の三種類が掲げられる。
【0004】このうちのa.内圧成形方法は、現在最も
主流となっている方法であり、樹脂チューブの外周にプ
リプレグを巻き付けたものを金型内に配置し、チューブ
内に加圧空気を導入してチューブを膨らませて金型に密
着させるとともに、加熱によりプリプレグ樹脂を硬化さ
せる方法である。
【0005】b.インジェクション製法は、中空の樹脂
芯材を金型内にセットし、この外周に短繊維の強化繊維
が混合された溶融樹脂を高温で射出し、芯材の外周に一
体化する方法である。
【0006】さらにc.リム成形方法は、低融点合金か
らなる芯材の外周に強化繊維を嵌挿したものを金型内に
セットし、金型内を真空状態にした後低粘度樹脂を注入
して強化繊維に含浸一体化させた後に、芯材を溶解し取
り出すことにより内部中空としたものである。
【0007】しかしながら、以上の各製法では次に述べ
る欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】まず、a.内圧製法で
は、製品となる樹脂にボイド(気泡)が発生するのは避
けられず、強度低下の原因となるとともに、外観も低下
する。またボイドの補修のためにパテ埋めなどの面倒な
後処理を必要とする。
【0009】また、b.インジェクション製法では均一
性は高いものの、強化繊維に長繊維が使えないため、製
品強度に限界がある。
【0010】さらに、c.リム成形方法では、金型と芯
材との間に製品が成形されるため、芯材そのものの寸法
精度が高いことを必要とし、しかも成形後に芯材を溶解
除去しなければならないので製造が面倒で高価となる。
また、強化繊維としてスリーブ形状以外のものでは形状
保持が難しくなり、部分補強なども困難となる。
【0011】この発明は以上の問題を解決するものであ
って、その目的とするところは、金型内へのセットが容
易で短時間で成形でき、成形された製品が緻密かつ強靭
な層構造をなし、ボイドの発生がなく外観を向上できる
ようにしたラケットの成形方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明の成形方法は、可撓性樹脂チューブの外周
にプリプレグを巻回し、さらに該プリプレグの外周にス
リーブ状に編組された未含浸強化繊維を嵌挿することに
より両端開口した内部中空の積層チューブを形成する工
程と、該積層チューブをラケットのフレームおよびシャ
フト部が連続する概略形状であって、前記両開口端が前
記シャフト部の端部一ケ所に位置すべく引き回しつつ成
形金型に刻設されたラケット状の型溝内に嵌合し、次い
で該金型を型締めして前記型溝を気密に閉鎖する工程
と、前記型溝のシャフト部端部に該当する箇所より前記
積層チューブの中空内部に予備圧をかけて膨らせること
で積層チューブの外周を前記型溝形状に沿って可撓変形
させる工程と、内圧を保った状態で前記型溝の一端を通
じて前記積層チューブと型溝との隙間を真空吸引する一
方で、型溝の他端側より液状樹脂を供給して前記強化繊
維に含浸させ、前記金型を加熱する工程と、真空及び加
熱状態を保ちつつ前記中空内部にさらに成形圧力をかけ
てキュアリングする工程、を備えたものである。
【0013】
【作用】以上の成形方法によれば、成形素材となる積層
チューブはその最外周をスリーブ状に編組された未含浸
強化繊維により包囲されているので、平坦な紐状に可撓
変形させることができ、しかもその内部に配置されたプ
リプレグの厚みなどによらず形状安定性がある。
【0014】成形時には積層チューブの中空内部に予備
圧をかけることによりおおよそのラケット形状に整えら
れ、次いで積層チューブの外周に真空をかけつつ液状樹
脂を供給することで、樹脂流れを容易にすると同時に気
泡を排出し、型内の細部迄回り込みつつ強化繊維内に含
浸される。加熱により含浸樹脂は硬化するとともに、さ
らに成形を加えることで中空内部は高い内圧に保持さ
れ、前記積層チューブの各層を緻密に一体化しつつ前記
含浸樹脂とともにプリプレグを硬化させる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を用いて詳
細に説明する。
【0016】図1(a)〜(c)は積層チューブの製作
手順を示すものである。図において、芯金1はラケット
のフレーム部からシャフト部の全長に亘る長さに相当す
る丸棒状のもので、まず(a)に示すように、この芯金
1の外周に可撓性樹脂チューブ、例えばナイロンチュー
ブ2を嵌挿する。その後(b)に示すように、ナイロン
チューブ2の外周にプリプレグ3を巻き付ける。
【0017】プリプレグ3はエポキシ樹脂等の熱硬化性
樹脂に強化繊維を配合して半硬化させた軟質シート状の
もので、強化繊維としては、カーボン繊維,ガラス繊
維,ケブラー繊維,チタン繊維及びボロン繊維のうちか
ら適宜選択できる。また強化繊維の繊維形状としては引
き揃え、平織り及びこれらの組合せを選択できる。この
巻き付け厚みは、各部均一であっても良いし、特に強度
を要求される位置では複数層巻回して部分補強すること
もできる。
【0018】次に(c)に示すように、プリプレグ3の
外周にスリーブ状に編組された未含浸強化繊維4を嵌挿
する。このものはカーボン繊維,ケブラー繊維,あるい
は他の熱可塑性樹脂繊維なども用いることもできる。
【0019】次にナイロンチューブ2から芯金1を引き
抜けば、ナイロンチューブ2,プリプレグ3及び強化繊
維4の三層構造からなる両端開口した内部中空の積層チ
ューブ5を得られ、成形用の素材として用いることがで
きる。積層チューブ5は外周を前記強化繊維4によって
拘束されているとともに、可撓性があり平坦な紐状に変
形させた状態で成形金型にセットできる。
【0020】図2は同成形金型の下型10を示すもので
ある。この下型10の上面には、ラケット形状の型溝1
1が刻設されている。すなわち型溝11は、略楕円状の
フレーム部11aと、フレーム部11aの基部11a−
1の両側より傾斜状に分枝して合流し、フレーム部11
aの約2倍幅で一直線上となるシャフト部11bとから
なっている。
【0021】この型溝11のフレーム部11a及びシャ
フト部11bが連続する全周に沿ってその外周には外側
パッキン12が配置され、またフレーム部11aの内周
側にも内側パッキン14が配置され、型締め時における
型溝11の気密性を保持している。
【0022】さらに型溝11のシャフト部11bの端部
には内圧を掛けるためのエア注入口15が開口され、ま
たその近房には型溝11の側面に開口する真空吸引口1
6が開口されている。さらにこの真空吸引口16と対向
して型溝11のフレーム部11aの頂部には樹脂注入口
18が開口されている。これらは図示しないエアコンプ
レッサ、真空ポンプ、及び樹脂注液装置に接続されてい
る。またこの下型10及び後述する上型及び中型には図
示しないが加熱手段、冷却手段その他金型付属設備が設
けられる。
【0023】前記積層チューブ5を型溝内にセットする
には、一端開口をシャフト部11bの端部に位置させた
状態で型溝11に沿って引き回して一周させ、再びシャ
フト部11bの端部に位置させ、その両端開口をエア注
入口15に接続すれば、セッティングを完了する。な
お、型溝11におけるフレーム部11aの基部11a−
1には、前記積層チューブ5とは別体の部材、例えばウ
レタンコアの外周に前記と同材質のプリプレグ及び強化
繊維を積層した部材が嵌合され、後述する成形工程で最
終的に一体化される。
【0024】セット作業完了後は、図3(a)〜(d)
に示すように下型10上に同一形状の型溝21を刻設し
た上型20及び中型22が係合され、型締め後成形作業
が行なわれる。なお、中型22は型溝の側面の一部を構
成するものでラケットの断面形状の特にフレーム部外周
のアンダーカット形状に対応して配置される。
【0025】セッティング時に積層チューブ5は図3
(a)に示すように断面が扁平状となった適度な収縮形
状でセットされるため、型溝11,21からはみ出すこ
となく型溝内11,21内に収納される。また、各パー
ティング面には前記パッキン12,14が介在されるこ
とで型溝11,21の周囲は気密に閉鎖される。
【0026】次にエア注入口15を通じて積層チューブ
5内に予備圧P1 をかけることによって積層チューブ5
は膨らみ、(b)に示すように型溝11,21のおおよ
その断面形状に沿って可撓変形する。この予備圧P1 は
1〜2Kg/cm2 程度が好ましい。
【0027】次にこの予備圧を保持したまま真空吸引口
16を通じて型溝11,21と積層チューブ5の外周と
の隙間を真空吸引することによって積層チューブ5の外
周部は(c)に矢印に示すように型溝11,21の面側
に吸引される。なお、これら型溝11,21の周囲はパ
ッキン12,14により気密に保たれ、真空度を保持す
る。この真空度は700〜760mmHgが好ましい。
【0028】真空度を保持した状態で吸引側とは逆の樹
脂注入口18より、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂液を
注入する。この樹脂は30cps程度の低粘度樹脂であ
って、吐出量は5〜10g/sec 程度に設定される。ま
た注入時の金型温度は110〜120℃に保持される。
【0029】したがって、注入された樹脂は真空吸引口
16側に向けて急速に流動しつつ強化繊維4内に含浸さ
れ、またこれの外周と型溝11,21との微小間隙内に
充填される。この時ボイド発生要因である気泡は、前記
真空吸引及び引き続く樹脂の流動によって外部に排出さ
れる。
【0030】吐出作業完了後は、金型内を成形温度であ
る120〜130℃に昇温し、真空状態を保つ一方で、
(d)に示すように、積層チューブ5の内圧を成形圧力
P2に昇圧する。この成形圧力P2 は4〜5Kg/cm2
程度が好ましい。これによって、ナイロンチューブ2及
びプリプレグ3はさらに外周側に押圧され、プリプレグ
3と樹脂含浸強化繊維4とを緻密に一体化し、中空内部
を広げるとともに、最外表面である樹脂含浸強化繊維4
を型溝11,21に強力に圧接し、この結果型溝11,
21の断面に精度良く一致した外観となる。
【0031】この状態で30〜40分キュアリングする
ことでプリプレグ3及び含浸樹脂ともに硬化し一体化す
る。キュア後、温度を下げ、圧力を常態に戻し脱型すれ
ば、各部一体化した製品を得られることになる。
【0032】
【発明の効果】以上実施例によって詳細に説明したよう
に、この発明に係るラケットの成形方法によれば、次の
利点がある。
【0033】成形素材となる積層チューブは平坦な紐
状に可撓変形させることができるため、金型の締結時に
噛み込みを生ずることがなく、金型セッティング時の作
業を簡素化できる。
【0034】強化繊維の内部に配置されたプリプレグ
の厚みなどによらず形状安定性があるので、部分補強が
可能であり、強度設計の自由度が高い。
【0035】成形時において、積層チューブの中空内
部は高い内圧に保持される一方、外周は真空吸引される
ため、各層が緻密に一体化した寸法精度高い中空のラケ
ットを得ることができる。
【0036】前記気泡排出によりボイドの発生が未然
に防止され、ボイドによる強度低下や外観不良及びこれ
に伴なう成形後の補修が不要となる。
【0037】従来のリム成形に比べて、芯材の成形や
これの溶解工程が不要となり、安価で成形時間も短縮で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c)は積層チューブの製作
工程を示す説明図である。
【図2】成形金型を構成する下型の平面図である。
【図3】(a)〜(c)は同成形金型を用いた成形手順
を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
2 ナイロンチューブ(可撓性樹脂チューブ) 3 プリプレグ 4 未含浸強化繊維 5 積層チューブ 10,20,22 成形金型(10 下型、20 上
型、22 中型) 11,21 型溝 11a フレーム部 11b シャフト部 15 エア注入口 16 真空吸引口 18 樹脂注入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 49/22 7619−4F 70/06 69/00 2126−4F // B29K 105:08 B29L 31:52

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性樹脂チューブの外周にプリプレグ
    を巻回し、さらに該プリプレグの外周にスリーブ状に編
    組された未含浸強化繊維を嵌挿することにより両端開口
    した内部中空の積層チューブを形成する工程:該積層チ
    ューブをラケットのフレームおよびシャフト部が連続す
    る概略形状であって、前記両開口端が前記シャフト部の
    端部一ケ所に位置すべく引き回しつつ成形金型に刻設さ
    れたラケット状の型溝内に嵌合し、次いで該金型を型締
    めして前記型溝を気密に閉鎖する工程:前記型溝のシャ
    フト部端部に該当する箇所より前記積層チューブの中空
    内部に予備圧をかけて膨らせることで積層チューブの外
    周を前記型溝形状に沿って可撓変形させる工程:内圧を
    保った状態で前記型溝の一端を通じて前記積層チューブ
    の外周と型溝との隙間を真空吸引する一方で、型溝の他
    端側より液状樹脂を供給して前記強化繊維に含浸させ、
    前記金型を加熱する工程:真空及び加熱状態を保ちつ
    つ、前記中空内部にさらに成形圧力をかけてキュアリン
    グする工程:を備えたことを特徴とするラケットの成形
    方法。
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