JP2954266B2 - 繊維強化熱硬化性樹脂製中空体の製造法 - Google Patents
繊維強化熱硬化性樹脂製中空体の製造法Info
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- JP2954266B2 JP2954266B2 JP2072945A JP7294590A JP2954266B2 JP 2954266 B2 JP2954266 B2 JP 2954266B2 JP 2072945 A JP2072945 A JP 2072945A JP 7294590 A JP7294590 A JP 7294590A JP 2954266 B2 JP2954266 B2 JP 2954266B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、繊維強化熱硬化性樹脂材料を用いて、中空
体を製造する方法に係り、特に、所謂ロストコア成形法
により、継目のない一体的な中空体を製造する方法に関
するものである。
体を製造する方法に係り、特に、所謂ロストコア成形法
により、継目のない一体的な中空体を製造する方法に関
するものである。
(背景技術) 従来より、各種自動車部品として、炭素繊維強化エポ
キシ樹脂等の繊維強化熱硬化性樹脂製の軽量で硬度の高
い樹脂製中空成形品が用いられてきており、また、その
ような繊維強化樹脂材料を用いて、例えばインテークマ
ニホールド、サージタンク、バンパービーム、サブフレ
ーム等の中空構造を有する部品を製造するに際しては、
低融点合金中子を用いた、ロストコア成形法が一般に採
用されて、継目のない一体的な成形品が供給されてい
る。
キシ樹脂等の繊維強化熱硬化性樹脂製の軽量で硬度の高
い樹脂製中空成形品が用いられてきており、また、その
ような繊維強化樹脂材料を用いて、例えばインテークマ
ニホールド、サージタンク、バンパービーム、サブフレ
ーム等の中空構造を有する部品を製造するに際しては、
低融点合金中子を用いた、ロストコア成形法が一般に採
用されて、継目のない一体的な成形品が供給されてい
る。
より具体的に、ロストコア成形法は、第6図にその概
略を示すように、低融点合金にて形成された中子2に対
し、所定の繊維強化熱硬化性樹脂材料により樹脂材料層
4が形成され、更にその全体が、ナイロン系等の追従性
が有り且つ耐熱性を有するバッグフィルム6で包まれた
状態で、オートクレーブ成形機10内に配置されて、成形
(硬化)操作が実施される。その間、バッグフィルム6
内は、真空ポンプ8にて、常時真空引きされ、樹脂材料
層4間に存在する空気が除去されて、空気が製品の表面
に気泡跡を残すことが防止されることとなる。そして、
樹脂の硬化が完了すると、バッグフィルム6は剥がさ
れ、中子2の融点以上、且つ樹脂の耐熱温度以下の温度
に加熱されることにより、中子2は溶融、除去せしめら
れ、以て目的とする中空体が得られるのである。
略を示すように、低融点合金にて形成された中子2に対
し、所定の繊維強化熱硬化性樹脂材料により樹脂材料層
4が形成され、更にその全体が、ナイロン系等の追従性
が有り且つ耐熱性を有するバッグフィルム6で包まれた
状態で、オートクレーブ成形機10内に配置されて、成形
(硬化)操作が実施される。その間、バッグフィルム6
内は、真空ポンプ8にて、常時真空引きされ、樹脂材料
層4間に存在する空気が除去されて、空気が製品の表面
に気泡跡を残すことが防止されることとなる。そして、
樹脂の硬化が完了すると、バッグフィルム6は剥がさ
れ、中子2の融点以上、且つ樹脂の耐熱温度以下の温度
に加熱されることにより、中子2は溶融、除去せしめら
れ、以て目的とする中空体が得られるのである。
ところで、繊維強化熱硬化性樹脂を用いる場合には、
樹脂材料中での繊維の乱れを防止するために、その成形
操作時に、該樹脂材料を加圧する必要があり、そのため
に従来から、加熱機能に加えて加圧機能を備えたオート
クレーブ成形機10が用いられているのであり、通常、10
気圧程度の圧力下にて、100〜200℃×4〜8時間の加熱
が加えられている。しかしながら、オートクレーブ成形
機10は非常に高価であるため、設備費の大幅な上昇を招
き、それに伴って生産コストを上昇させる問題を内在す
るものであった。
樹脂材料中での繊維の乱れを防止するために、その成形
操作時に、該樹脂材料を加圧する必要があり、そのため
に従来から、加熱機能に加えて加圧機能を備えたオート
クレーブ成形機10が用いられているのであり、通常、10
気圧程度の圧力下にて、100〜200℃×4〜8時間の加熱
が加えられている。しかしながら、オートクレーブ成形
機10は非常に高価であるため、設備費の大幅な上昇を招
き、それに伴って生産コストを上昇させる問題を内在す
るものであった。
また、オートクレーブ成形機10を用いて成形する場
合、通常、加圧の際の安全性を考慮して、成形機内を窒
素雰囲気とすることが多く、窒素ガスのランニングコス
トも加わって、更にコスト上昇を招くこととなっていた
のである。
合、通常、加圧の際の安全性を考慮して、成形機内を窒
素雰囲気とすることが多く、窒素ガスのランニングコス
トも加わって、更にコスト上昇を招くこととなっていた
のである。
さらに、このような従来法では、第7図に示すよう
に、バッグフィルム6にて、樹脂材料層4を形成した中
子2を包み込む際に、特に突部やコーナー部等におい
て、該バッグフィルム6に皺12がよることが避けられな
いところから、製品表面にこの皺12が転写されてしま
い、その結果、製品表面に多数の突起(乃至は突条)14
が形成されてしまう問題があったのである。
に、バッグフィルム6にて、樹脂材料層4を形成した中
子2を包み込む際に、特に突部やコーナー部等におい
て、該バッグフィルム6に皺12がよることが避けられな
いところから、製品表面にこの皺12が転写されてしま
い、その結果、製品表面に多数の突起(乃至は突条)14
が形成されてしまう問題があったのである。
そのため、製品表面を平滑にし、製品の見映えを向上
するために、これらの突起14を切削除去する必要がある
のであるが、繊維強化樹脂を用いる場合にあっては、突
起14内に繊維が入り込み、繊維と樹脂とが複合状態で硬
化することとなるため、極めて硬度の高い突起14が形成
されてしまい、その切削除去は困難で、製品外面の仕上
げに多大な時間を要することとなっていたのであり、ま
た、かかる繊維の乱れによって、製品の物性が不均一と
なる問題をも内在するものであった。
するために、これらの突起14を切削除去する必要がある
のであるが、繊維強化樹脂を用いる場合にあっては、突
起14内に繊維が入り込み、繊維と樹脂とが複合状態で硬
化することとなるため、極めて硬度の高い突起14が形成
されてしまい、その切削除去は困難で、製品外面の仕上
げに多大な時間を要することとなっていたのであり、ま
た、かかる繊維の乱れによって、製品の物性が不均一と
なる問題をも内在するものであった。
(解決課題) かかる事情の下に、本発明は為されたものであって、
その解決課題とするところは、繊維強化熱硬化性樹脂材
料を用いた中空体の製造において、そのコストの低減を
図ると共に、製品外観の向上及び物性の均一化を図るこ
とにある。
その解決課題とするところは、繊維強化熱硬化性樹脂材
料を用いた中空体の製造において、そのコストの低減を
図ると共に、製品外観の向上及び物性の均一化を図るこ
とにある。
(解決手段) そして、上記課題を解決するため、本発明にあって
は、繊維強化熱硬化性樹脂製中空体を製造するに際し
て、所定の繊維強化熱硬化性樹脂材料を、溶融、溶解若
しくは崩壊によって容易に除去可能な中子の表面に付与
して、所定厚さの樹脂材料層を形成した後、熱膨張性弾
性材料からなり且つ複数の分割型にて構成される構造の
成形型を用い、前記得られた樹脂材料層形成中子を、か
かる成形型の内部に形成された、製品の外形形状に略対
応した形状のキャビティ内に収容すると共に、該成形型
を、実質的に外方に膨出しない密閉構造の箱体内に充填
せしめて、加熱することにより、該成形型の熱膨張力を
加圧力として前記中子表面に形成された樹脂材料層に作
用せしめつつ、該樹脂材料層を硬化させ、その後、該成
形型により取り出される硬化体から、前記中子を溶融、
溶解若しくは崩壊させて除去することにより、目的とす
る中空体を得るようにしたことを、その要旨とするもの
である。
は、繊維強化熱硬化性樹脂製中空体を製造するに際し
て、所定の繊維強化熱硬化性樹脂材料を、溶融、溶解若
しくは崩壊によって容易に除去可能な中子の表面に付与
して、所定厚さの樹脂材料層を形成した後、熱膨張性弾
性材料からなり且つ複数の分割型にて構成される構造の
成形型を用い、前記得られた樹脂材料層形成中子を、か
かる成形型の内部に形成された、製品の外形形状に略対
応した形状のキャビティ内に収容すると共に、該成形型
を、実質的に外方に膨出しない密閉構造の箱体内に充填
せしめて、加熱することにより、該成形型の熱膨張力を
加圧力として前記中子表面に形成された樹脂材料層に作
用せしめつつ、該樹脂材料層を硬化させ、その後、該成
形型により取り出される硬化体から、前記中子を溶融、
溶解若しくは崩壊させて除去することにより、目的とす
る中空体を得るようにしたことを、その要旨とするもの
である。
(作用) すなわち、本発明手法によれば、実質的に外方に膨出
しない箱体内に充填された、熱膨張性弾性材料からなる
成形型は、加熱により熱膨張するに際して、専ら内方
(中子側)へ膨張することとなり、それによって、該成
形型内に収容された樹脂材料層形成中子の樹脂材料層に
対する加圧が行なわれるのである。従って、単に加熱操
作を施すことにより、樹脂材料層への加圧力も確保され
るため、成形機として、単に加熱機能をのみ備えた安価
な恒温槽等を採用することが可能となったのであり、成
形操作における大幅な設備低減を図り得て、製品コスト
の引き下げに寄与することとなったのである。
しない箱体内に充填された、熱膨張性弾性材料からなる
成形型は、加熱により熱膨張するに際して、専ら内方
(中子側)へ膨張することとなり、それによって、該成
形型内に収容された樹脂材料層形成中子の樹脂材料層に
対する加圧が行なわれるのである。従って、単に加熱操
作を施すことにより、樹脂材料層への加圧力も確保され
るため、成形機として、単に加熱機能をのみ備えた安価
な恒温槽等を採用することが可能となったのであり、成
形操作における大幅な設備低減を図り得て、製品コスト
の引き下げに寄与することとなったのである。
また、本発明手法においては、製品の外形形状に略対
応した形状のキャビティによって、直接に型取りされる
ため、キャビティの平滑な内面形状に対応した平滑な製
品表面が得られるのであり、従来法の如く、バッグフィ
ルムの皺を転写した硬度の高い突起が形成されるような
ことがなく、繊維の乱れもないところから、優れた製品
外観と均一な物性を備えた製品を得ることが出来るので
ある。
応した形状のキャビティによって、直接に型取りされる
ため、キャビティの平滑な内面形状に対応した平滑な製
品表面が得られるのであり、従来法の如く、バッグフィ
ルムの皺を転写した硬度の高い突起が形成されるような
ことがなく、繊維の乱れもないところから、優れた製品
外観と均一な物性を備えた製品を得ることが出来るので
ある。
さらに、本発明手法では、成形型による樹脂材料層の
圧縮下において、複数の分割型の合せ目から余分な樹脂
がはみ出すことに伴って、樹脂材料層間に存在する空気
も除去されることとなるため、真空引きを行なう必要が
ないのである。
圧縮下において、複数の分割型の合せ目から余分な樹脂
がはみ出すことに伴って、樹脂材料層間に存在する空気
も除去されることとなるため、真空引きを行なう必要が
ないのである。
(実施例) 以下に、本発明をより一層具体的に明らかにするため
に、その一実施例を図面に基づいて詳細に説明すること
とする。
に、その一実施例を図面に基づいて詳細に説明すること
とする。
なお、ここでは、第1図及び第2図に示されている如
き形状の中空成形内16を製造する場合について、その実
施例を説明する。この中空成形体16は、全体として直方
体を呈する本体部18とその一側面から突出する2つの管
部20,20とを有し、それら本体部18と管部20,20とに通じ
る一体的な内部空間22を有しているものである。
き形状の中空成形内16を製造する場合について、その実
施例を説明する。この中空成形体16は、全体として直方
体を呈する本体部18とその一側面から突出する2つの管
部20,20とを有し、それら本体部18と管部20,20とに通じ
る一体的な内部空間22を有しているものである。
先ず、本発明にあっては、従来と同様にして、目的と
する中空成形体16の内部空間22の形状に一致した形状の
中子24が形成される。この中子24は、溶融、溶解若しく
は崩壊によって、中空成形体16の成形(硬化)後に、容
易に除去可能な材料から形成される必要があり、例えば
低融点合金、塩型、崩壊石膏等を用いて、鋳造、切削加
工等の加工方法により、形成されるのである。なお、本
実施例においては、融点が100〜120℃の、錫とビスマス
からなる低融点合金を用い、鋳造により中子24を作製し
た。
する中空成形体16の内部空間22の形状に一致した形状の
中子24が形成される。この中子24は、溶融、溶解若しく
は崩壊によって、中空成形体16の成形(硬化)後に、容
易に除去可能な材料から形成される必要があり、例えば
低融点合金、塩型、崩壊石膏等を用いて、鋳造、切削加
工等の加工方法により、形成されるのである。なお、本
実施例においては、融点が100〜120℃の、錫とビスマス
からなる低融点合金を用い、鋳造により中子24を作製し
た。
次いで、かかる中子24の表面に対して、樹脂材料層26
が付与されるのであるが、これも従来から行なわれてい
る種々の手法により行なえばよく、特に限定されるもの
ではない。本実施例においては、炭素繊維にエポキシ樹
脂を含浸せしめたシート形状及びテープ形状の構成材料
を用いて、これらシート材若しくはテープ材を、樹脂が
半乾燥状態(少しべたつく状態)のうちに、手作業で前
記中子24に貼着し、積層した。
が付与されるのであるが、これも従来から行なわれてい
る種々の手法により行なえばよく、特に限定されるもの
ではない。本実施例においては、炭素繊維にエポキシ樹
脂を含浸せしめたシート形状及びテープ形状の構成材料
を用いて、これらシート材若しくはテープ材を、樹脂が
半乾燥状態(少しべたつく状態)のうちに、手作業で前
記中子24に貼着し、積層した。
このようにして作製された樹脂材料層形成中子28は、
本発明においては、成形型30及び箱体34内に順次収容さ
れて、成形操作に供されるのである。
本発明においては、成形型30及び箱体34内に順次収容さ
れて、成形操作に供されるのである。
より具体的に、樹脂材料層形成中子28を収容するキャ
ビティ32を内部に有し、全体として直方体を呈する成形
型30は、シリコンゴムからなり、後述する成形操作にお
ける加熱に耐え得る充分な耐熱性を有すると共に、高い
熱膨張性を有するものである。そして、かかる成形型30
は、樹脂材料層形成中子28をセットし得るように、複数
の分割型から構成されるものであり、本実施例では、中
空成形体16(第1図参照)の管部20,20の2つの軸心を
含む平面を分割面とする、2つの分割型30a及び30bから
構成されており、第4図においては、30aのみが図示さ
れている。このような成形型30の内部に形成されたキャ
ビティ32は、目的とする製品(16)の外形形状に略対応
した形状を有しており、前記樹脂材料層形成中子28が、
密着される状態で収容されるようになっている。
ビティ32を内部に有し、全体として直方体を呈する成形
型30は、シリコンゴムからなり、後述する成形操作にお
ける加熱に耐え得る充分な耐熱性を有すると共に、高い
熱膨張性を有するものである。そして、かかる成形型30
は、樹脂材料層形成中子28をセットし得るように、複数
の分割型から構成されるものであり、本実施例では、中
空成形体16(第1図参照)の管部20,20の2つの軸心を
含む平面を分割面とする、2つの分割型30a及び30bから
構成されており、第4図においては、30aのみが図示さ
れている。このような成形型30の内部に形成されたキャ
ビティ32は、目的とする製品(16)の外形形状に略対応
した形状を有しており、前記樹脂材料層形成中子28が、
密着される状態で収容されるようになっている。
また、箱体34は、成形型30の外形形状に一致する内面
を有しており、成形型30が該箱体34内に充填されると、
両者は密着せしめられるようになっている。そして、か
かる箱体34は、鉄等の、強度が高く熱変形し難い素材に
て形成されており、樹脂材料の成形操作時における加熱
によっても、実質的に外方へ膨出しないような構成とさ
れているのである。なお、この箱体34は、成形型30を収
容した後、ボルト等で固定されて密閉構造とされること
となる。
を有しており、成形型30が該箱体34内に充填されると、
両者は密着せしめられるようになっている。そして、か
かる箱体34は、鉄等の、強度が高く熱変形し難い素材に
て形成されており、樹脂材料の成形操作時における加熱
によっても、実質的に外方へ膨出しないような構成とさ
れているのである。なお、この箱体34は、成形型30を収
容した後、ボルト等で固定されて密閉構造とされること
となる。
このようにして、成形型30及び箱体34に収容された樹
脂材料層形成中子28は、樹脂材料層26を硬化させるため
に、恒温層内に配置され、加熱される。この時の加熱温
度は、中子24の融点(100〜120℃)よりも低い温度に設
定されることは言うまでもない。
脂材料層形成中子28は、樹脂材料層26を硬化させるため
に、恒温層内に配置され、加熱される。この時の加熱温
度は、中子24の融点(100〜120℃)よりも低い温度に設
定されることは言うまでもない。
ところで、加熱状態とされることにより、前記成形型
30は、熱膨張することとなるが、上述したように、その
外面を規制する箱体34が熱変形し難く、且つ実質的に外
方へ膨出しない構成とされているところから、第5図
(a)及び(b)に示されるように、成形型30の膨張
は、専ら樹脂材料層26との接面側に現れることとなり、
樹脂材料層26は、その表面全体にわたり均一な圧縮を受
け、接面がAからBへ移行することとなる。即ち、成形
型30の熱膨張力が、加圧力として作用して樹脂材料層26
を圧縮し、かかる状態において樹脂が硬化するのであ
る。
30は、熱膨張することとなるが、上述したように、その
外面を規制する箱体34が熱変形し難く、且つ実質的に外
方へ膨出しない構成とされているところから、第5図
(a)及び(b)に示されるように、成形型30の膨張
は、専ら樹脂材料層26との接面側に現れることとなり、
樹脂材料層26は、その表面全体にわたり均一な圧縮を受
け、接面がAからBへ移行することとなる。即ち、成形
型30の熱膨張力が、加圧力として作用して樹脂材料層26
を圧縮し、かかる状態において樹脂が硬化するのであ
る。
従って、本発明手法においては、樹脂材料層26の成形
(硬化)操作に当たり、加熱を施すだけでよく、安価な
恒温槽等を用いて成形操作を行なうことが出来、大幅な
設備費の低減を図り得て、延いては生産コストの引き下
げに寄与し得ることとなったのである。
(硬化)操作に当たり、加熱を施すだけでよく、安価な
恒温槽等を用いて成形操作を行なうことが出来、大幅な
設備費の低減を図り得て、延いては生産コストの引き下
げに寄与し得ることとなったのである。
また、前述したように、成形型30は、複数の分割型30
a,30bから構成されているところから、その合せ目から
余分な樹脂がはみ出てバリを形成することとなるが、こ
のようなバリは、殆ど樹脂だけで、繊維が混入していな
いため、除去が容易で、製品の見栄が劣るようなことも
ない。従ってまた、繊維が乱れることもなく、製品に均
一な物性が得られるのである。
a,30bから構成されているところから、その合せ目から
余分な樹脂がはみ出てバリを形成することとなるが、こ
のようなバリは、殆ど樹脂だけで、繊維が混入していな
いため、除去が容易で、製品の見栄が劣るようなことも
ない。従ってまた、繊維が乱れることもなく、製品に均
一な物性が得られるのである。
さらに、本発明においては、成形型30の合せ目より樹
脂がはみ出す時に、樹脂材料中に存在する空気も排出さ
れるため、真空引きを行なう必要がない利点も存するの
である。
脂がはみ出す時に、樹脂材料中に存在する空気も排出さ
れるため、真空引きを行なう必要がない利点も存するの
である。
そして、樹脂材料層26の硬化が完了すると、得られた
硬化体に対して、従来と同様の操作が施され、中子24の
除去が行なわれる。本実施例においては、中子24が低融
点合金にて形成されているため、その融点以上且つ樹脂
の融点以下の温度に加熱することにより、中子24は溶融
し、以て容易に中空成形体16の管部20,20から流出さ
せ、除去せしめることが出来るのであり、以て目的とす
る中空成形品16を得ることが出来るのである。
硬化体に対して、従来と同様の操作が施され、中子24の
除去が行なわれる。本実施例においては、中子24が低融
点合金にて形成されているため、その融点以上且つ樹脂
の融点以下の温度に加熱することにより、中子24は溶融
し、以て容易に中空成形体16の管部20,20から流出さ
せ、除去せしめることが出来るのであり、以て目的とす
る中空成形品16を得ることが出来るのである。
以上、本発明の一実施例を詳細に説明したが、これは
文字通りの例示であり、本発明が、かかる具体例に限定
されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々なる
変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得る
ものであり、またそのような実施態様が、本発明の趣旨
を逸脱しない限り、何れも本発明の範囲内に含まれるも
のであることは言うまでもないところである。
文字通りの例示であり、本発明が、かかる具体例に限定
されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々なる
変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得る
ものであり、またそのような実施態様が、本発明の趣旨
を逸脱しない限り、何れも本発明の範囲内に含まれるも
のであることは言うまでもないところである。
例えば、本実施例では、繊維強化熱硬化性樹脂として
炭素繊維強化エポキシ樹脂を用いたが、その他、強化繊
維として、ガラス繊維、アラミド繊維等を用いることが
出来、また熱硬化樹脂としても、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂等を使用することが出来、それ
らを適宜に組み合わせて使用することが可能である。
炭素繊維強化エポキシ樹脂を用いたが、その他、強化繊
維として、ガラス繊維、アラミド繊維等を用いることが
出来、また熱硬化樹脂としても、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂等を使用することが出来、それ
らを適宜に組み合わせて使用することが可能である。
また、本実施例では成形型30をシリコンゴムにて形成
したが、適切な耐薬品性、耐熱性(通常150℃前後)を
有し、且つ熱による体積膨張率の高いゴム状弾性体であ
れば、何れも使用可能であり、例えばフッ素ゴム、アク
リルゴム等を使用することが出来る。
したが、適切な耐薬品性、耐熱性(通常150℃前後)を
有し、且つ熱による体積膨張率の高いゴム状弾性体であ
れば、何れも使用可能であり、例えばフッ素ゴム、アク
リルゴム等を使用することが出来る。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従う繊維強
化熱硬化性樹脂製中空体の製造法によれば、成形型の熱
膨張力を樹脂材料に対する加圧力として作用させるた
め、高価なオートクレーブ成形機を使用する必要がな
く、加熱機能のみを備えた安価な成形設備を用いて成形
操作を行なうことが出来るのであり、設備費の大きな低
減を図ることが出来、延いては生産コストの低減を有利
に図り得るのである。
化熱硬化性樹脂製中空体の製造法によれば、成形型の熱
膨張力を樹脂材料に対する加圧力として作用させるた
め、高価なオートクレーブ成形機を使用する必要がな
く、加熱機能のみを備えた安価な成形設備を用いて成形
操作を行なうことが出来るのであり、設備費の大きな低
減を図ることが出来、延いては生産コストの低減を有利
に図り得るのである。
しかも、本発明手法にあっては、その硬化操作時にお
いて、目的とする製品の外形形状に略対応した形状の平
滑なキャビティ面にて、樹脂材料が均一に圧縮され、そ
の状態で硬化されるため、製品表面に皺が発生すること
がなく、見栄の良い製品を得ることが出来、皺の除去工
程が大幅に低減されるのである。
いて、目的とする製品の外形形状に略対応した形状の平
滑なキャビティ面にて、樹脂材料が均一に圧縮され、そ
の状態で硬化されるため、製品表面に皺が発生すること
がなく、見栄の良い製品を得ることが出来、皺の除去工
程が大幅に低減されるのである。
加えて、樹脂材料中の繊維の乱れも惹起されないとこ
ろから、製品の物性が不均一となることもないのであ
る。
ろから、製品の物性が不均一となることもないのであ
る。
第1図は、本発明手法に従って製造される中空成形体の
外観を示す斜視図であり、第2図はその横断面図であ
る。第3図及び第4図は、それぞれ、本発明手法に従う
中空体の製造工程を説明する工程図であり、第5図
(a)、(b)は、加熱状態下における成形型の膨出を
説明するための説明図である。また、第6図は、従来法
を説明するための説明図であり、第7図は、従来法の実
施により発生する製品欠陥を説明するための拡大断面説
明図である。 16:中空成形体 24:中子、26:樹脂材料層 30:成形型、32:キャビティ 34:箱体
外観を示す斜視図であり、第2図はその横断面図であ
る。第3図及び第4図は、それぞれ、本発明手法に従う
中空体の製造工程を説明する工程図であり、第5図
(a)、(b)は、加熱状態下における成形型の膨出を
説明するための説明図である。また、第6図は、従来法
を説明するための説明図であり、第7図は、従来法の実
施により発生する製品欠陥を説明するための拡大断面説
明図である。 16:中空成形体 24:中子、26:樹脂材料層 30:成形型、32:キャビティ 34:箱体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 70/28 - 70/56 B29C 33/52
Claims (1)
- 【請求項1】所定の繊維強化熱硬化性樹脂材料を、溶
融、溶解若しくは崩壊によって容易に除去可能な中子の
表面に付与して、所定厚さの樹脂材料層を形成した後、
熱膨張性弾性材料からなり且つ複数の分割型にて構成さ
れる構造の成形型を用い、前記得られた樹脂材料層形成
中子を、かかる成形型の内部に形成された、製品の外形
形状に略対応した形状のキャビティ内に収容すると共
に、該成形型を、実質的に外方に膨出しない密閉構造の
箱体内に充填せしめて、加熱することにより、該成形型
の熱膨張力を加圧力として前記中子表面に形成された樹
脂材料層に作用せしめつつ、該樹脂材料層を硬化させ、
その後、該成形型より取り出される硬化体から、前記中
子を溶融、溶解若しくは崩壊させて除去することによ
り、目的とする中空体を得ることを特徴とする繊維強化
熱硬化性樹脂製中空体の製造法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2072945A JP2954266B2 (ja) | 1990-03-22 | 1990-03-22 | 繊維強化熱硬化性樹脂製中空体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2072945A JP2954266B2 (ja) | 1990-03-22 | 1990-03-22 | 繊維強化熱硬化性樹脂製中空体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03272832A JPH03272832A (ja) | 1991-12-04 |
JP2954266B2 true JP2954266B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=13504028
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2072945A Expired - Lifetime JP2954266B2 (ja) | 1990-03-22 | 1990-03-22 | 繊維強化熱硬化性樹脂製中空体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2954266B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP5099469B2 (ja) * | 2006-03-30 | 2012-12-19 | 東レ株式会社 | ラバー成形型の製造方法及びそのラバー成形型を用いたラバー成形方法 |
JP5652156B2 (ja) * | 2010-11-24 | 2015-01-14 | 三菱レイヨン株式会社 | 繊維強化プラスチックの成形方法 |
EP3034263A1 (en) * | 2014-12-19 | 2016-06-22 | Sadair Spear AB | Method for manufacturing a fibre-reinforced structure, mandrel, molding system and fibre-reinforced structure |
JPWO2023095424A1 (ja) | 2021-11-29 | 2023-06-01 |
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JPS62135349A (ja) * | 1985-12-09 | 1987-06-18 | Mitsubishi Electric Corp | 繊維強化プラスチツクの製造方法 |
JPH0767699B2 (ja) * | 1986-05-19 | 1995-07-26 | 石川島播磨重工業株式会社 | 成型用の溶解性中型 |
-
1990
- 1990-03-22 JP JP2072945A patent/JP2954266B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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TWI759323B (zh) * | 2017-08-21 | 2022-04-01 | 大葉大學 | 中空元件之製造方法 |
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Publication number | Publication date |
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JPH03272832A (ja) | 1991-12-04 |
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