JP6753116B2 - 車載光学センサ洗浄装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両に搭載された車載光学センサの光学レンズや保護ガラス等のセンシング面を洗浄する車載光学センサ洗浄装置に関するものである。
従来、車両の前部あるいは後部等に光学センサを搭載し、その光学センサの受光信号に基づいて、運転上の安全を確保するようにした種々の安全装置が実用化されている。
このような光学センサは、外部に露出した光学レンズや保護ガラス等のセンシング面を介して車両の周囲の光学信号、あるいは車両の周囲の撮像データをセンシングすることができ、ひいては運転者に障害物の有無等を告知する役割を果たす。
そして、上記のような光学レンズや保護ガラス等のセンシング面は、車両の外部に露出されるため、汚れやすい。従って、車両には、安定した光学信号あるいは撮像データを得るために、光学レンズの汚れを除去する車載光学センサ洗浄装置が設けられることが好ましい。
そこで、特許文献1には、単一のノズルから高圧空気と洗浄水を噴出して、レンズ面を洗浄するようにしたカメラ洗浄装置が開示されている。
特許文献2には、独立した2つのノズルから高圧空気と洗浄水を噴出して、レンズ面を洗浄するようにした洗浄システムが開示されている。
特開2014−37239号公報 特開2015−224032号公報
特許文献1に開示されたカメラ洗浄装置では、ノズルから洗浄水を噴射した後に、所定時間高圧空気を噴出して、ノズル内に残留する洗浄水を排出するようにしている。しかし、ノズル内に残留する洗浄液を完全に排出することはできず、次に高圧空気のみを噴出して雨滴等を除去しようとするとき、高圧空気に洗浄水が混じってレンズ面に付着する。このため、安定した光学信号あるいは撮像データを得ることができない。
特許文献2に開示された洗浄システムでは、高圧空気と洗浄水を供給する経路及びノズルをそれぞれ独立して設けることにより、高圧空気への洗浄水の混入を防止することができる。
しかしながら、レンズ面に洗浄水を噴射した後に、高圧空気をレンズ面に噴射するため洗浄力が低く、レンズ面に固着した汚れを十分に除去することができない。
この発明の目的は、空気のみの噴射を可能にしつつ、高い洗浄性能を得ることができる車載光学センサ洗浄装置を提供することにある。
上記課題を解決する車載光学センサ洗浄装置は、車両に搭載される車載光学センサのセンシング面に流体を噴射して、該センシング面に付着した異物を除去するための車載光学センサ洗浄装置であって、送給された洗浄液を噴射するための洗浄液噴射口と、送給された空気を噴射するための空気噴射口とをそれぞれ独立して備え、前記空気噴射口は、自身が前記センシング面と正対する側に近づく噴射位置とその反対側の非噴射位置とに配置されるように可動する可動ノズル部材に設けられ、前記洗浄液噴射口は、前記可動ノズル部材とは別に設けられるとともに前記センシング面に対する位置が一定となるように設けられ、前記可動ノズル部材は、筒状のケースに出没可能に前後進可能に支持され、前記ケースは、前記可動ノズル部材の前記空気噴射口に連通する噴射空気導入口と、基端側が前記可動ノズル部材の基端部にて区画された密閉室と、前記噴射空気導入口とは別に設けられ前記密閉室と連通する前進用空気導入口とを有しており、前記前進用空気導入口から前記密閉室に空気が導入されたときに前記可動ノズル部材が前記噴射位置に向けて前進し、前記空気噴射口から噴射される空気の空気噴射軸線が、前記洗浄液噴射口から噴射される洗浄液と混合するように、かつ前記センシング面に向かうように設定される。
同構成によれば、送給された洗浄液を噴射するための洗浄液噴射口と、送給された空気を噴射するための空気噴射口とをそれぞれ独立して備えるため、空気噴射口までの空気の経路に洗浄液が残留してしまうといったことを回避でき、洗浄液の混じっていない空気を噴射することが可能となる。また、空気噴射口は、噴射する空気の空気噴射軸線が、洗浄液噴射口から噴射される洗浄液と(空気が)混合するように、かつセンシング面に向かうように設定されるため、洗浄液と空気が混合された流体をセンシング面に噴射することができ、高い洗浄性能を得ることができる。
同構成によれば、空気噴射口は、センシング面と正対する側に近づく噴射位置と、その反対側の非噴射位置とに可動する可動ノズル部材に設けられるため、洗浄時のみ噴射位置に可動させることで、非洗浄時には車載光学センサのセンシングの邪魔にならずに、洗浄時には正面に近い角度からセンシング面を洗浄することができる。よって、高い洗浄性能を得ることができる。
上記車載光学センサ洗浄装置であって、前記洗浄液噴射口は、噴射する洗浄液の洗浄液噴射軸線が、前記センシング面からずれた方向に向かうように設定されることが好ましい。
同構成によれば、洗浄液噴射口は、噴射する洗浄液の洗浄液噴射軸線が、センシング面からずれた方向に向かうように設定されるため、センシング面に洗浄液のみが直接噴射されることが抑えられ、センシング面上に洗浄液の液膜が形成されてしまうことが抑えられる。即ち、洗浄液がセンシング面に噴射される際には、常に洗浄液と空気が混合された流体がセンシング面に噴射されることになり、センシング面上に洗浄液の液膜が形成され難く、高い洗浄性能を得ることができる。
上記車載光学センサ洗浄装置であって、前記洗浄液噴射口は、噴射する洗浄液の洗浄液噴射軸線が、前記空気噴射口と前記センシング面との間における前記空気噴射口に近い側を通るように設定されることが好ましい。
同構成によれば、洗浄液噴射口は、噴射する洗浄液の洗浄液噴射軸線が、空気噴射口とセンシング面との間における空気噴射口に近い側を通るように設定されるため、洗浄液は空気噴射口とセンシング面との間における空気噴射口に近い側で空気と混合される。よって、センシング面に近い側で空気と混合される場合に比べて、洗浄液に空気の力をより伝えることができ、洗浄液をより高速でセンシング面に噴射させることができ、より高い洗浄性能を得ることができる。
上記車載光学センサ洗浄装置において、前記洗浄液噴射口を有する第一のノズルユニットと、前記空気噴射口が設けられた可動ノズル部材と前記ケースとを有する第二のノズルユニットと、前記車載光学センサとが同一の取付けフレームに取着されている
上記車載光学センサ洗浄装置であって、前記空気噴射口は、噴射する空気の空気噴射軸線が、前記センシング面の中心軸線よりも前記空気噴射口に近い側で前記センシング面と交差するように設定されることが好ましい。
同構成によれば、空気噴射口は、噴射する空気の空気噴射軸線が、センシング面の中心軸線よりも空気噴射口に近い側でセンシング面と交差するように設定されるため、より高い洗浄性能を得ることができる。即ち、洗浄液と空気が混合された流体の流れる方向は空気噴射口から遠のく方向であるため、センシング面における空気噴射口から遠い側は洗浄され易く、空気噴射口に近い側は流体が流れ難く洗浄され難い。そこで、上記のように設定することで、センシング面における空気噴射口に近い側も流体が流れ易くなるため、洗浄性能をセンシング面における空気噴射口に近い側と空気噴射口から遠い側とで均等に近づけることができる。その結果、全体としてより高い洗浄性能を得ることができる。
本発明の車載光学センサ洗浄装置によれば、空気のみの噴射を可能にしつつ、高い洗浄性能を得ることができる。
一実施形態の車両の概略構成図。 一実施形態の車載光学センサ洗浄装置を示す概要図。 第一及び第二のノズルユニットを示す斜視図。 第一及び第二のノズルユニットを示す下面図。 第二のノズルユニットを示す断面図。 第二のノズルユニットとエアポンプの動作を示す説明図。 第二のノズルユニットとエアポンプの動作を示す説明図。 第二のノズルユニットとエアポンプの動作を示す説明図。 車載光学センサ洗浄装置の動作を示す説明図。 車載光学センサ洗浄装置の動作を示す説明図。 車載光学センサ洗浄装置の動作を示す説明図。 エアポンプ及びウォッシャポンプの動作タイミングを示すタイムチャート。
以下、車両の一実施形態を図1〜図12に従って説明する。
図1に示すように、車両Sの後方には、バックドアBaが設けられ、該バックドアBaには、車載光学センサとしての車載カメラ1が設けられている。
図2及び図3に示すように、車載カメラ1は取付けフレーム2に取着されるとともに、取付けフレーム2を介してバックドアBaに取着される。そして、車載カメラ1のセンシング面としてのレンズ面3は車両後方に向かって露出される。図1に示すように、車載カメラ1は、例えば、変速装置のシフトレバーSLをリバース位置に操作すると、車両Sの後方の撮像画像を車内のディスプレイDSPに送信して表示させる。
図3及び図4に示すように、取付けフレーム2には、洗浄液噴射口4を備えた第一のノズルユニット5が取着され、第一のノズルユニット5には、ウォッシャポンプP(図1参照)の動作により貯留タンクTに貯留されている洗浄液が供給される。そして、第一のノズルユニット5は、洗浄液が供給されると、洗浄液噴射口4から洗浄液6を噴射する。
洗浄液噴射口4はレンズ面3の斜め上方に配置されている。また、図4に示すように、洗浄液噴射口4は、対向面が幅狭とされた絞り部4aを有することで洗浄液を膜状に噴射する。
取付けフレーム2には、空気噴射口7(図4及び図5参照)を備えた第二のノズルユニット8が取着されている。
図5に示すように、第二のノズルユニット8は円筒状のケース9に同じく筒状の可動ノズル部材10が出没可能であって前後進可能に支持され、その可動ノズル部材10の先端に前記前後進方向の略直角方向に開口した空気噴射口7が設けられている。
ケース9の基端側には、基端閉塞部材11が外嵌固定されている。基端閉塞部材11には、ケース9内において、可動ノズル部材10の前進方向に沿って延びる筒状の洗浄用空気導入管11aが設けられ、該洗浄用空気導入管11aは筒状の可動ノズル部材10に挿通(内嵌)され、可動ノズル部材10はケース9及び洗浄用空気導入管11aに沿って前後進可能に支持されている。また、基端閉塞部材11には、ケース9の外部であって前記洗浄用空気導入管11aとは反対側に延びつつ洗浄用空気導入管11aに連通する噴射空気導入口12aを有した第一の継手部12が設けられ、その第一の継手部12が第一の供給管13を介してエアポンプ14(図2参照)に接続されている。
そして、第二のノズルユニット8は、エアポンプ14から高圧の洗浄用の空気が第一の供給管13を介して供給されると、噴射空気導入口12a、洗浄用空気導入管11a及び可動ノズル部材10内を経て空気噴射口7から高圧の空気HAが噴射されるようになっている。
ケース9内において、可動ノズル部材10の周囲にはコイルスプリング15が配設されている。コイルスプリング15の一端は可動ノズル部材10の基端部に設けられたフランジ部10aに当接し、他端はケース9の先端部に当接している。そして、ケース9の先端部を支点とするコイルスプリング15の付勢力により、可動ノズル部材10は常に後進(没入)方向(図5において矢印A方向)に付勢されている。
また、ケース9の基端側には、可動ノズル部材10の基端部(フランジ部10a)にて区画された密閉室16が設けられている。なお、可動ノズル部材10の基端部(フランジ部10a)には、シールゴム10bが固定され、該シールゴム10bがケース9の内周面及び前記洗浄用空気導入管11aの外周面と密着(摺接)することで密閉室16の気密性が保たれている。基端閉塞部材11には、ケース9の外部であって、第一の継手部12の直交方向に延びつつ密閉室16に連通する前進用空気導入口17aを有した第二の継手部17が設けられ、その第二の継手部17が第二の供給管18を介してエアポンプ14(図2参照)に接続されている。
そして、第二のノズルユニット8は、エアポンプ14から空気が第二の供給管18を介して供給されると、密閉室16内の気圧の上昇により可動ノズル部材10がケース9から押し出されて前進する。すると、図3及び図4に示すように、空気噴射口7は、レンズ面3の側方(車幅方向)におけるレンズ面3と正対する側に近づいて噴射位置に配置され、該噴射位置にある空気噴射口7からレンズ面3に向かって高圧の空気HAを噴射可能となっている。また、第二のノズルユニット8は、密閉室16内の空気が減圧されると、可動ノズル部材10がコイルスプリング15の付勢力によって後進して、空気噴射口7がレンズ面3と正対する側から遠のいて非噴射位置に移動する。
図2に示すように、エアポンプ14は筒状のポンプケース19内にピストン20が往復動可能に支持され、ピストン20の先端とポンプケース19の先端側内面との間に圧縮室21が確保されている。
ピストン20内には、外周面にねじが刻設された駆動軸22が螺合されている。駆動軸22の基端はモータ23の出力軸23aに連結されている。そして、モータ23の作動により、駆動軸22が正転すると、ピストン20がポンプケース19の先端側(矢印B方向)に往動して圧縮室21の容積が小さくされて圧縮室21内の空気が加圧(圧縮)される。また、モータ23の作動により、駆動軸22が逆転すると、ピストン20がポンプケース19の基端側(矢印C方向)に復動して圧縮室21の容積が大きくされて圧縮室21内の空気が減圧される。
ポンプケース19の先端側には圧縮室21内に連通する前記第二の供給管18が接続されている。そして、圧縮室21内の空気が加圧されると、その空気が第二の供給管18及び前進用空気導入口17aを介して第二のノズルユニット8の密閉室16に供給される。
ポンプケース19の先端には吐出口19aが設けられ、該吐出口19aには前記第一の供給管13が連結されている。また、ポンプケース19内において、圧縮室21と吐出口19aとの間には、往動するピストン20に操作(押圧)されて開動作される吐出弁24が設けられている。詳しくは、吐出弁24は、コイルスプリング25により圧縮室21と吐出口19aとの間の連通孔を閉塞する方向であってピストン20の往動方向とは反対方向(即ち復動方向)に付勢されている。そして、吐出弁24には、ピストン20側に向かって突出する操作棒24aが設けられ、その操作棒24aが往動するピストン20の先端で押圧されると、圧縮室21と吐出口19a(第一の供給管13)が連通するようになっている。
従って、ピストン20が(矢印B方向に)往動して圧縮室21内の空気が圧縮され、ピストン20が操作棒24aを押圧すると、圧縮室21内の圧縮された高圧の空気が瞬間的に吐出口19aから吐出され、その空気は第一の供給管13から噴射空気導入口12aに供給される。
なお、ピストン20には、吸入弁(アンブレラ弁)26が設けられている。吸入弁26は、ピストン20が(矢印C方向に)復動して圧縮室21内が負圧となるとき開いて、ポンプケース19外から連通孔27a,27b,27cを介して圧縮室21内に空気が導入される。
図5に示すように、密閉室16に空気が導入されて可動ノズル部材10がケース9から押し出されるように前進すると、空気噴射口7はレンズ面3(図4参照)と正対する側に近づいて噴射位置まで進み、この状態で前記吐出弁24(図2参照)が開くと、空気噴射口7からレンズ面3に向かって高圧の空気HAが噴射される。
ここで、図4に示すように、空気噴射口7は、噴射する空気HAの空気噴射軸線Zが、洗浄液噴射口4から噴射される洗浄液6と(空気HAが)混合するように、かつレンズ面3に向かうように設定されている。異なる見方をすると、空気噴射口7は、噴射する空気HAの空気噴射軸線Zが、洗浄液噴射口4から噴射される洗浄液6を通過しつつレンズ面3に向かうように設定されている。言い換えると、空気噴射口7は、噴射する空気の空気噴射軸線Zがレンズ面3に向かうように設定され、洗浄液噴射口4は、噴射する洗浄液6が前記空気噴射軸線Zと交差するように設定されている。
また、本実施形態の洗浄液噴射口4は、噴射する洗浄液6の洗浄液噴射軸線Xが、レンズ面3からずれた方向(レンズ面3と交差しない方向)に向かうように設定されている。更に、本実施形態の洗浄液噴射口4は、噴射する洗浄液6の洗浄液噴射軸線Xが、空気噴射口7とレンズ面3との間における空気噴射口7に近い側を通るように設定されている。
また、本実施形態の空気噴射口7は、噴射する空気HAの空気噴射軸線Zが、レンズ面3の中心軸線Caよりも空気噴射口7に近い側でレンズ面3と交差するように設定されている。また、本実施形態の空気噴射口7は、噴射する空気HAの空気噴射軸線Zが、洗浄液噴射口4から噴射される膜状の洗浄液6の扁平面(薄い厚み方向と直交する面)と交差(本実施形態では直交)するように設定されている。言い換えると、洗浄液噴射口4は、噴射する膜状の洗浄液6の扁平面が空気噴射軸線Zと交差(本実施形態では直交)するように、前記絞り部4aが設定されている。
図1に示すように、ウォッシャポンプP及びエアポンプ14は、制御部31に電気的に接続され、運転者による操作スイッチSWの操作に基づいて制御部31により制御される。図12に示すように、操作スイッチSWが操作されると、制御部31は、まずエアポンプ14を一定時間t1だけ作動させる。これにより、空気噴射口7から高圧の空気HAが噴射される。
その後、例えば、高圧の空気HAでレンズ面3の汚れが落ちずに運転者による操作スイッチSWの操作が継続されると、制御部31は、エアポンプ14の作動を停止して予め設定された一定時間t2の待機後、エアポンプ14及びウォッシャポンプPを作動させる。そして、一定時間t3で洗浄液噴射口4から洗浄液6が噴射されるとともに、空気噴射口7から高圧の空気HAが噴射される。
その後、運転者による操作スイッチSWの操作が解除されると、制御部31は、ウォッシャポンプPを停止させた後に、一定時間t4だけエアポンプ14の作動を継続させる。これにより、例えば、レンズ面3に付着した洗浄液が吹き飛ばされる。なお、エアポンプ14は作動中、ピストン20の往復動作を繰り返し、空気噴射口7から高圧の空気HAが繰り返し噴射される。
次に、上記のように構成された車載光学センサ洗浄装置の作用を説明する。
操作スイッチSWの操作により、レンズ面3の清掃及び洗浄が開始されると、エアポンプ14(モータ23)が作動して、ピストン20が図6に示す復動終端位置にある状態から図7に示すようにピストン20が吐出弁24の操作棒24aと当接する状態に前進する。すると、第二のノズルユニット8の密閉室16に空気が供給されて、可動ノズル部材10が押し出されるように前進して、空気噴射口7が前記噴射位置に達する。
次いで、図8に示すように、ピストン20がさらに前進して吐出弁24の操作棒24aを押圧すると、圧縮室21内の高圧の空気が第二の供給管18から第二のノズルユニット8に供給(送給)され、空気噴射口7からレンズ面3に向かって高圧の空気HAが噴射される。この動作により、レンズ面3に付着した埃等が吹き飛ばされる。
次いで、操作スイッチSWが操作し続けられていると、所定時間t2の待機後にエアポンプ14及びウォッシャポンプPが作動する。すると、図9に示すように、ウォッシャポンプP(図3参照)から供給(送給)された洗浄液6が洗浄液噴射口4(図4参照)から噴射され、次いで、図10に示すように第二のノズルユニット8の可動ノズル部材10が前進して空気噴射口7(図4参照)が前記噴射位置まで前進する。そして、図11に示すように、空気噴射口7(図4参照)から高圧の空気HAがレンズ面3に向かって噴射される。
このとき、空気噴射口7は、噴射する空気の空気噴射軸線Zが、洗浄液噴射口4から噴射される洗浄液6と(空気が)混合するように、かつレンズ面3に向かうように設定されているため、レンズ面3には高圧の空気HAとともに洗浄液6の微粒子が(即ち洗浄液6と空気HAが混合された流体が)高圧で吹き付けられる。この結果、レンズ面3に固着した汚れが洗い落とされる。
このような洗浄動作の後に、操作スイッチSWの操作が解除されると、ウォッシャポンプPの作動が停止されるとともに、エアポンプ14の作動は所定時間t4の間継続される。そして、レンズ面3に高圧の空気HAのみが吹き付けられて、レンズ面3に付着した洗浄液6が吹き飛ばされて、レンズ面3が乾燥状態となる。
上記のような車載光学センサ洗浄装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)送給された洗浄液6を噴射するための洗浄液噴射口4と、送給された空気を噴射するための空気噴射口7とをそれぞれ独立して備えるため、空気噴射口7までの空気の経路に洗浄液が残留してしまうといったことを回避でき、洗浄液の混じっていない空気HAを噴射することが可能となる。また、空気噴射口7は、噴射する空気HAの空気噴射軸線Zが、洗浄液噴射口4から噴射される洗浄液6と(空気HAが)混合するように、かつレンズ面3に向かうように設定されるため、洗浄液6と空気HAが混合された流体をレンズ面3に噴射することができ、高い洗浄性能を得ることができる。
(2)洗浄液噴射口4は、噴射する洗浄液6の洗浄液噴射軸線Xが、レンズ面3からずれた方向(レンズ面3と交差しない方向)に向かうように設定されるため、レンズ面3に洗浄液6のみが直接噴射されることが抑えられ、レンズ面3上に洗浄液6の液膜が形成されてしまうことが抑えられる。即ち、洗浄液6がレンズ面3に噴射される際には、常に洗浄液6と空気HAが混合された流体がレンズ面3に噴射されることになり、レンズ面3上に洗浄液6の液膜が形成され難く、高い洗浄性能を得ることができる。
(3)洗浄液噴射口4は、噴射する洗浄液6の洗浄液噴射軸線Xが、空気噴射口7とレンズ面3との間における空気噴射口7に近い側を通るように設定されるため、洗浄液6は空気噴射口7とレンズ面3との間における空気噴射口7に近い側で空気HAと混合される。よって、レンズ面3に近い側で空気HAと混合される場合に比べて、洗浄液6に空気HAの力をより伝えることができ、洗浄液6をより高速でレンズ面3に噴射させることができ、より高い洗浄性能を得ることができる。
(4)空気噴射口7は、レンズ面3と正対する側に近づく噴射位置と、その反対側の非噴射位置とに前後進する可動ノズル部材10に設けられるため、洗浄時のみ噴射位置に前進させることで、非洗浄時には車載カメラ1のセンシング(撮像)の邪魔にならずに、洗浄時には正面に近い角度からレンズ面3を洗浄することができる。よって、高い洗浄性能を得ることができる。
(5)空気噴射口7は、噴射する空気HAの空気噴射軸線Zが、レンズ面3の中心軸線Caよりも空気噴射口7に近い側でレンズ面3と交差するように設定されるため、より高い洗浄性能を得ることができる。即ち、洗浄液6と空気HAが混合された流体の流れる方向は空気噴射口7から遠のく方向であるため、レンズ面3における空気噴射口7から遠い側は洗浄され易く、空気噴射口7に近い側は流体が流れ難く洗浄され難い。そこで、上記のように設定することで、レンズ面3における空気噴射口7に近い側も流体が流れ易くなるため、洗浄性能をレンズ面3における空気噴射口7に近い側と空気噴射口7から遠い側とで均等に近づけることができる。その結果、全体としてより高い洗浄性能を得ることができる。
(6)洗浄液噴射口4は、レンズ面3の上方に配置され、空気噴射口7は、レンズ面3の側方に配置されるため、空気噴射軸線Zが、洗浄液噴射口4から噴射される洗浄液6と(空気が)混合するように、かつレンズ面3に向かうように容易に設定することができる。また、重力の影響を受け易い洗浄液6を噴射するための洗浄液噴射口4をレンズ面3の上方に配置し、上方から下方に洗浄液6を噴射させるようにしたことで、狙った方向(空気噴射軸線Zと交差する方向)に安定して洗浄液6を噴射させることができ、ひいては安定して洗浄液6と空気HAが混合された流体をレンズ面3に噴射させることができる。
(7)洗浄液噴射口4は、対向面が幅狭とされた絞り部4aを有することで洗浄液6を膜状に噴射するものであって、空気噴射口7は、噴射する空気HAの空気噴射軸線Zが、洗浄液噴射口4から噴射される膜状の洗浄液6の扁平面と交差(本実施形態では直交)するように設定されるため、洗浄液6がレンズ面3全体に均等に噴射され易くなる。よって、より高い洗浄性能を得ることができる。
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態では、洗浄液噴射口4は、噴射する洗浄液6の洗浄液噴射軸線Xが、レンズ面3からずれた方向(レンズ面3と交差しない方向)に向かうように設定されるとしたが、これに限定されず、噴射する洗浄液6が空気噴射軸線Zと交差するように設定されれば、洗浄液噴射軸線Xをレンズ面3と交差するように設定してもよい。
・上記実施形態では、洗浄液噴射口4は、噴射する洗浄液6の洗浄液噴射軸線Xが、空気噴射口7とレンズ面3との間における空気噴射口7に近い側を通るように設定されるとしたが、これに限定されず、レンズ面3に近い側を通るように設定してもよい。
・上記実施形態では、空気噴射口7は可動ノズル部材10に設けられるとしたが、これに限定されず、レンズ面3に対する位置が一定となるように設けてもよい。
・上記実施形態では、洗浄液噴射口4はレンズ面3に対する位置が一定となるように設けられるとしたが、洗浄液噴射口4を可動ノズル部材に設けて可動させてもよい。
・上記実施形態では、空気噴射口7は、噴射する空気HAの空気噴射軸線Zがレンズ面3の中心軸線Caよりも空気噴射口7に近い側でレンズ面3と交差するように設定されるとしたが、これに限定されず、例えば、空気噴射軸線Zがレンズ面3の中心軸線Caの位置でレンズ面3と交差するように設定してもよい。また、例えば、空気噴射軸線Zがレンズ面3の中心軸線Caよりも空気噴射口7から遠い側でレンズ面3と交差するように設定してもよい。
・上記実施形態では、洗浄液噴射口4はレンズ面3の上方に配置され、空気噴射口7はレンズ面3の側方に配置されるとしたが、これに限定されず、例えば、洗浄液噴射口4をレンズ面3の側方に配置し、空気噴射口7をレンズ面3の上方に配置する等、洗浄液噴射口4や空気噴射口7を他の位置に配置してもよい。
・上記実施形態では、洗浄液噴射口4は、対向面が幅狭とされた絞り部4aを有するとしたが、これに限定されず、絞り部4aを有していない構成(例えば、真円形状の洗浄液噴射口)としてもよい。
・上記実施形態では、エアポンプ14は、吐出弁24を有することで瞬間的に高圧の空気を吐出するものとし、空気噴射口7からは瞬間的に高圧の空気HAが噴射される構成としたが、これに限定されず、例えば、エアポンプは空気を継続して吐出し続けるものとして空気噴射口7から空気が噴射され続ける構成としてもよい。
・上記実施形態の制御部31によるウォッシャポンプP及びエアポンプ14の制御は、適宜変更してもよい。例えば、上記実施形態では、操作スイッチSWが操作されると、まずエアポンプ14のみを作動させる制御を行うとしたが、このような制御は行わずに、操作スイッチSWが操作されると、まずウォッシャポンプP及びエアポンプ14を共に作動させるようにしてもよい。
・上記実施形態では、車載光学センサをバックドアBaに設けられた車載カメラ1としたが、これに限定されず、例えば、車両の前方に設けられた車載カメラ等の他の車載光学センサとして具体化してもよい。また、洗浄対象(センシング面)はレンズ面3に限定されず、車載光学センサを保護するように外部に露出して設けられる保護ガラスとしてもよく、該保護ガラスを洗浄する車載光学センサ洗浄装置としてもよい。
上記実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車載光学センサ洗浄装置であって、前記洗浄液噴射口は、前記センシング面の上方に配置され、前記空気噴射口は、前記センシング面の側方に配置されたことを特徴とする車載光学センサ洗浄装置。
同構成によれば、洗浄液噴射口は、前記センシング面の上方に配置され、空気噴射口は、センシング面の側方に配置されるため、空気噴射軸線が、洗浄液噴射口から噴射される洗浄液と(空気が)混合するように、かつセンシング面に向かうように容易に設定することができる。また、重力の影響を受け易い洗浄液を噴射するための洗浄液噴射口をセンシング面の上方に配置し、上方から下方に洗浄液を噴射させるようにしたことで、狙った方向(空気噴射軸線と交差する方向)に安定して洗浄液を噴射させることができ、ひいては安定して洗浄液と空気が混合された流体をセンシング面に噴射させることができる。
(ロ)請求項1乃至5及び上記(イ)のいずれか1つに記載の車載光学センサ洗浄装置であって、前記洗浄液噴射口は、対向面が幅狭とされた絞り部を有することで前記洗浄液を膜状に噴射するものであって、前記空気噴射口は、噴射する空気の空気噴射軸線が、前記洗浄液噴射口から噴射される膜状の洗浄液の扁平面と交差するように設定されたことを特徴とする車載光学センサ洗浄装置。
同構成によれば、洗浄液噴射口は、対向面が幅狭とされた絞り部を有することで洗浄液を膜状に噴射するものであって、空気噴射口は、噴射する空気の空気噴射軸線が、洗浄液噴射口から噴射される膜状の洗浄液の扁平面(薄い厚み方向と直交する面)と交差するように設定されるため、洗浄液がセンシング面全体に均等に噴射され易くなる。よって、より高い洗浄性能を得ることができる。
1…車載カメラ(車載光学センサ)、3…レンズ面(センシング面)、4…洗浄液噴射口、6…洗浄液、7…空気噴射口、10…可動ノズル部材、HA…空気、Ca…中心軸線、S…車両、Z…空気噴射軸線。

Claims (5)

  1. 車両に搭載される車載光学センサのセンシング面に流体を噴射して、該センシング面に付着した異物を除去するための車載光学センサ洗浄装置であって、
    送給された洗浄液を噴射するための洗浄液噴射口と、送給された空気を噴射するための空気噴射口とをそれぞれ独立して備え、
    前記空気噴射口は、自身が前記センシング面と正対する側に近づく噴射位置とその反対側の非噴射位置とに配置されるように可動する可動ノズル部材に設けられ、
    前記洗浄液噴射口は、前記可動ノズル部材とは別に設けられるとともに前記センシング面に対する位置が一定となるように設けられ、
    前記可動ノズル部材は、筒状のケースに出没可能に前後進可能に支持され、
    前記ケースは、前記可動ノズル部材の前記空気噴射口に連通する噴射空気導入口と、基端側が前記可動ノズル部材の基端部にて区画された密閉室と、前記噴射空気導入口とは別に設けられ前記密閉室と連通する前進用空気導入口とを有しており、
    前記前進用空気導入口から前記密閉室に空気が導入されたときに前記可動ノズル部材が前記噴射位置に向けて前進し、前記空気噴射口から噴射される空気の空気噴射軸線が、前記洗浄液噴射口から噴射される洗浄液と混合するように、かつ前記センシング面に向かうように設定されたことを特徴とする車載光学センサ洗浄装置。
  2. 請求項1に記載の車載光学センサ洗浄装置であって、
    前記洗浄液噴射口は、噴射する洗浄液の洗浄液噴射軸線が、前記センシング面からずれた方向に向かうように設定されたことを特徴とする車載光学センサ洗浄装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車載光学センサ洗浄装置であって、
    前記洗浄液噴射口は、噴射する洗浄液の洗浄液噴射軸線が、前記空気噴射口と前記センシング面との間における前記空気噴射口に近い側を通るように設定されたことを特徴とする車載光学センサ洗浄装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車載光学センサ洗浄装置であって、
    前記洗浄液噴射口を有する第一のノズルユニットと、前記空気噴射口が設けられた可動ノズル部材と前記ケースとを有する第二のノズルユニットと、前記車載光学センサとが同一の取付けフレームに取着されていることを特徴とする車載光学センサ洗浄装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車載光学センサ洗浄装置であって、
    前記空気噴射口は、噴射する空気の空気噴射軸線が、前記センシング面の中心軸線よりも前記空気噴射口に近い側で前記センシング面と交差するように設定されたことを特徴とする車載光学センサ洗浄装置。
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