JP6749750B2 - 自己修復材料及びその製造方法 - Google Patents

自己修復材料及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6749750B2
JP6749750B2 JP2015199945A JP2015199945A JP6749750B2 JP 6749750 B2 JP6749750 B2 JP 6749750B2 JP 2015199945 A JP2015199945 A JP 2015199945A JP 2015199945 A JP2015199945 A JP 2015199945A JP 6749750 B2 JP6749750 B2 JP 6749750B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
self
polymer
solvent
substituents
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015199945A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017071710A (ja
Inventor
原田 明
明 原田
義徳 ▲高▼島
義徳 ▲高▼島
雅樹 中畑
雅樹 中畑
肇 小野
肇 小野
高橋 宏明
宏明 高橋
瑛規 白川
瑛規 白川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yushiro Chemical Industry Co Ltd
Osaka University NUC
Original Assignee
Yushiro Chemical Industry Co Ltd
Osaka University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yushiro Chemical Industry Co Ltd, Osaka University NUC filed Critical Yushiro Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2015199945A priority Critical patent/JP6749750B2/ja
Publication of JP2017071710A publication Critical patent/JP2017071710A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6749750B2 publication Critical patent/JP6749750B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、自己修復材料及びその製造方法に関する。
近年、自己修復性や形状記憶性の特性を有する高分子材料の研究開発が盛んに行われている。特に、最近では材料の損傷や劣化の原因による事故が絶えないことからも、材料に対する信頼性を高めることの有用性は非常に大きいといえる。材料に対する信頼性を高めるための一つのアプローチとしては、材料自身の耐久性を向上させることが挙げられる。耐久性に加えて自己修復性の機能も有していれば、安全性に対する信頼がより高まり、また、コストの面からも有利となる。
このような自己修復性を有する高分子材料を、例えば、携帯電話、ディスプレイ、自動車等の部材や表面コーティング剤として適用すれば、材料に傷が付いても、その傷を自然に修復することができる。そのため、自己修復性を有する高分子材料は、製品の耐久性の向上の点、さらには意匠性の長期維持の点においてもその利用価値が高い材料といえる。一般的な高分子材料は、機械強度等を高めるために、鎖状高分子どうしの共有結合による架橋によって三次元網目構造に形成されている。このような高分子材料に応力が加わると、この応力は三次元網目の短い部分に集中しやすいため、材料に破損が生じやすい。そして、三次元網目の架橋部分の結合が一度切断されると、元通りに結合(再結合)することが不可能であることから、通常は自己修復することは困難である。このような観点から、高分子材料に自己修復機能を付与する研究が盛んに行われている。例えば、特許文献1には、結晶性モノマー及び非結晶性のモノマーを架橋剤存在下で重合することにより、短時間で形状を回復することが可能なヒドロゲルが提案されている。
特開2008−239722号公報
しかしながら、ヒドロゲルのような材料は、時間の経過あるいは温度環境等の変化とともに包含する水分が蒸発してやがては乾固するものである。そして、このようにヒドロゲルが乾固すると、ヒドロゲル状態で見られていた自己修復性等の機能の低下が起こるという問題があった。このような観点から、長期にわたって自己修復機能が維持された材料の開発が望まれていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、時間の経過や温度環境等が変化しても自己修復機能が損なわれにくい自己修復材料及びこの自己修復材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、高分子ゲルを含んで構成される自己修復材料において、該高分子ゲルに含まれる溶媒を特定の種類にすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.高分子ゲルを含んで構成される自己修復材料であって、
前記高分子ゲルは、ホスト基及びゲスト基による相互作用によって架橋された架橋構造体と、水よりも沸点が高い親水性の溶媒とを含む、自己修復材料。
項2.前記溶媒は、水酸基を有する有機化合物を含む、上記項1に記載の自己修復材料。
項3.前記溶媒は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン及びジエチレングリコールモノエチルエーテルの群から選ばれる少なくとも1種を含む、上記項1又は2に記載の自己修復材料。
項4.前記架橋構造体は、下記一般式(1a)
[式中、Raは水素原子またはメチル基、Rはヒドロキシル基、チオール基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいチオアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個以上の置換基を有していてもよいアミド基、アルデヒド基及びカルボキシル基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表し、Rはホスト基を表す]で表される繰り返し構成単位、
下記一般式(2a)
[式中、Raは水素原子またはメチル基、Rはヒドロキシル基、チオール基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいチオアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個以上の置換基を有していてもよいアミド基、アルデヒド基及びカルボキシル基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表し、Rはゲスト基を表す]で表される繰り返し構成単位、
及び、下記一般式(3a)
[式中、Raは水素原子またはメチル基、Rはハロゲン原子、ヒドロキシル基、チオール基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個の置換基を有していてもよいカルボキシル基又は1個以上の置換基を有していてもよいアミド基を表す]で表される繰り返し構成単位を有する重合体の架橋体である、上記項1〜3のいずれか1項に記載の自己修復材料。
項5.上記項1〜4のいずれか1項に記載の自己修復材料の製造方法であって、
ホスト基及びゲスト基による相互作用によって架橋された架橋構造体及び水を含むヒドロゲルを、水よりも沸点が高い親水性の溶媒に浸漬することにより、前記水の一部又は全部を前記溶媒に置換して前記高分子ゲルを製造する工程を具備する、自己修復材料の製造方法。
本発明に係る自己修復材料は、水よりも沸点が高い親水性の溶媒を含むことから、時間の経過及び温度環境等が変化しても乾燥が起こりにくい。その結果、本発明に係る自己修復材料は、長期にわたって安定な自己修復機能を有することが可能であり、耐久性に優れる。
本発明に係る自己修復材料の製造方法によれば、簡便な方法で上記自己修復材料を製造することができ、自己修復材料を製造する方法として適している。
実施例1及び比較例1の高分子ゲルの耐乾燥性の評価結果を示し、時間(日数)と重量との関係を示すグラフである。 実施例1,7及び比較例1で得られた高分子ゲルの修復回数と延伸率との関係を示すグラフである。 実施例1,7及び比較例1で得られた高分子ゲルの修復回数と破断力との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<自己修復材料>
本実施形態の自己修復材料は、高分子ゲルを含んで構成される。特に、高分子ゲルは、ホスト基及びゲスト基による相互作用によって架橋された架橋構造体と、水よりも沸点が高い親水性の溶媒とを含む。これより、本実施形態の自己修復材料は、時間の経過及び温度環境等が変化しても乾燥が起こりにくいため、長期にわたって安定な自己修復機能を有することが可能である。
架橋構造体は、高分子ゲルを構成するマトリックス成分である。架橋構造体は、重合体が架橋されて形成された、いわゆる三次元網目構造を有している。本実施形態では、架橋構造体は、ホスト基及びゲスト基による相互作用、いわゆるホスト−ゲスト相互作用によって形成された結合を架橋点としている。ホスト−ゲスト相互作用は、例えば、ホスト分子とゲスト分子との疎水性相互作用、水素結合、分子間力、静電相互作用、配位結合、π電子相互作用等によって生じ得るが、これらに限定されるものではない。架橋構造体は、ホスト−ゲスト相互作用によって架橋された構造を有している限り、その種類は特に限定されない。
架橋構造体の具体例として、側鎖にホスト分子及びゲスト分子が結合した重合体(側鎖にホスト基及びゲスト基を有する重合体)の架橋体が挙げられる。
上記ホスト分子及びゲスト分子は、互いにホスト−ゲスト相互作用が生じることが可能な分子であれば特にその種類は制限されない。
ホスト分子としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、カリックス[6]アレーンスルホン酸、カリックス[8]アレーンスルホン酸、12−クラウン−4、18−クラウン−6、[6]パラシクロファン、[2,2]パラシクロファン、ククルビット[6]ウリル及びククルビット[8]ウリルの群から選ばれる少なくとも1種が例示され、これらは置換基を有していてもよい。このようなホスト分子をホスト基として有していれば、後述のゲスト基との相互作用が起こりやすいので、安定した架橋構造を有する架橋構造体が形成され、また、自己修復機能も発揮されやすい。
上記のようなホスト分子は、例えば、重合体の側鎖に置換されることでホスト基となり得る。
ゲスト分子としては、炭素数4〜18の鎖状又は環状のアルキル化合物及びそのアルコール誘導体;アリール化合物;カルボン酸誘導体;アミノ誘導体;環状アルキル基又はフェニル基を有するアゾベンゼン誘導体;桂皮酸誘導体;芳香族化合物及びそのアルコール誘導体;アミン誘導体;フェロセン誘導体;アゾベンゼン;ナフタレン誘導体;アントラセン誘導体;ピレン誘導体:ペリレン誘導体;フラーレン等の炭素原子で構成されるクラスター類;ダンシル化合物の群から選ばれる少なくとも1種が例示され、これらは置換基を有していてもよい。記炭素数4〜18のアルキル化合物としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、アダマンタン等が挙げられ、いずれの化合物も直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよい。
上記のようなゲスト分子は、例えば、重合体の側鎖に置換されることでゲスト基となり得る。
ホスト−ゲスト相互作用が起こりやすく、自己修復材料の自己修復性がより向上すると言う観点から、ホスト基としてα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンの群から選ばれる少なくとも1種の分子又はこれらいずれかの誘導体を含んで形成される置換基であることが好ましい。同様の理由により、ゲスト基としてn−ブチル基、n−ドデシル基、t−ブチル基、及びアダマンチル基の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。ホスト基とゲスト基の組み合わせとしては、α−シクロデキストリンとn−ドデシル基、β−シクロデキストリンとアダマンチル基が特に好ましい。
架橋構造体を構成する重合体は、上記ホスト基及びゲスト基を有している限りは、主鎖の構造は特に制限されない。例えば、架橋構造体としては、下記一般式(1a)、一般式(2a)及び一般式(3a)で表される繰り返し構成単位のすべてを有することが好ましい。
式(1a)中、Raは水素原子またはメチル基、Rはヒドロキシル基、チオール基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいチオアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個以上の置換基を有していてもよいアミド基、アルデヒド基及びカルボキシル基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表し、Rはホスト基を表す。
式(2a)中、Raは水素原子またはメチル基、Rはヒドロキシル基、チオール基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいチオアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個以上の置換基を有していてもよいアミド基、アルデヒド基及びカルボキシル基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表し、Rはゲスト基を表す。
式(3a)中、Raは水素原子またはメチル基、Rはハロゲン原子、ヒドロキシル基、チオール基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個の置換基を有していてもよいカルボキシル基又は1個以上の置換基を有していてもよいアミド基を表す。
なお、以下では、一般式(1a)、一般式(2a)及び一般式(3a)で表される繰り返し構成単位をそれぞれ有する重合体を「重合体A」と表記する。
式(1a)中、Rがアルコキシ基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基である場合、当該アルコキシ基として炭素数1〜10のアルコキシ基が例示され、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ、これらは直鎖状及び分枝鎖状のいずれであってもよい。
式(1a)中、Rがチオアルコキシ基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基である場合、当該チオアルコキシ基として炭素数1〜10のチオアルコキシ基が例示され、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基等が挙げられ、これらは直鎖状及び分枝鎖状のいずれであってもよい。
式(1a)中、Rがアルキル基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基である場合、当該アルキル基として炭素数1〜30のアルキル基が例示され、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、これらは直鎖状及び分枝鎖状のいずれであってもよい。
式(1a)中、Rが1個の置換基を有していてもよいアミノ基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基であれば、アミノ基の窒素原子が主鎖(C−C結合)の炭素原子と結合し得る。
式(1a)中、Rが1個の置換基を有していてもよいアミド基であれば、アミド基の炭素原子が主鎖(C−C結合)の炭素原子と結合し得る。
式(1a)中、Rがアルデヒド基であれば、アルデヒド基の炭素原子が主鎖(C−C結合)の炭素原子と結合し得る。
式(1a)中、Rがカルボキシル基であれば、カルボキシル基の炭素原子が主鎖(C−C結合)の炭素原子と結合し得る。
式(1a)中、Rとしては、上述したホスト基が例示される。
式(2a)中、Rの定義は上記式(1a)中のR1と同様であり、主鎖(C−C結合)への結合の仕方も同様である。
式(2a)中、Rとしては、上述したゲスト基が例示される。
式(3a)中、Rが1個の置換基を有するカルボキシル基であれば、カルボキシル基の水素原子がアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)、ヒドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基)で置換されたカルボキシル基が挙げられる。
式(3a)中、Rが1個以上の置換基を有するアミド基、すなわち、第2級アミド又は第3級アミドであれば、第1級アミドの少なくとも一つの水素原子又は2個の水素原子がアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)、ヒドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基)で置換されたアミド基が挙げられる。
式(1a)中、Rがアミド基及びカルボキシル基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成されていることが好ましい。すなわち、式(1a)で表される繰り返し構成単位は、水素原子がRで置換されたアミド基を側鎖に有する構造及び水素原子がRで置換されたカルボキシル基が側鎖に有する構造の少なくともいずれか一方を有していることが好ましい。この場合、重合体Aの合成が容易であり、また、耐乾燥性、自己修復性及び強度等の物性に優れた高分子ゲルが形成されやすい。
また、式(2a)中、Rがアミド基及びカルボキシル基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成されていることが好ましい。すなわち、式(2a)で表される繰り返し構成単位は、水素原子がRで置換されたアミド基を側鎖に有する構造及び水素原子がRで置換されたカルボキシル基を側鎖に有する構造の少なくともいずれか一方を有していることが好ましい。この場合、重合体Aの合成が容易であり、また、耐乾燥性、自己修復性及び強度等の物性に優れた高分子ゲルが形成されやすい。
また、式(3a)中、Rが、アミノ基;アミド基;水素原子がアルキル基、水酸基又はアルコシル基で置換されたアミド基;カルボキシル基;水素原子がアルキル基、ヒドロキシアルキル基(例えばヒドロキシエチル基)又はアルコシル基で置換されたカルボキシル基;であることが好ましい。この場合、重合体Aの合成が容易であり、また、耐乾燥性及び強度等の物性に優れた高分子ゲルが形成されやすい。
重合体A中、各繰り返し構成単位は、規則的に配列していてもよいし、あるいはランダムに配列していてもよい。すなわち、重合体Aは、ブロックポリマー、交互ポリマー及びランダムポリマーのいずれであってもよく、また、グラフトポリマーであってもよい。
重合体Aを構成する一般式(1a)、一般式(2a)及び一般式(3a)で表される繰り返し構成単位各々の含有割合は特に限定されない。例えば、重合体Aのすべての繰り返し構成単位に対して、一般式(1a)で表される繰り返し構成単位が0.5〜10モル%、一般式(2a)で表される繰り返し構成単位が0.5〜10モル%とすることができる。この場合、ホスト基とゲスト基との相互作用が生じやすく、重合体Aが架橋構造を形成しやすくなるので、安定した架橋構造体となりやすく、しかも、自己修復性にも優れる。重合体Aのすべての繰り返し構成単位に対して、一般式(1a)で表される繰り返し構成単位が1〜5モル%、一般式(2a)で表される繰り返し構成単位が1〜5モル%であることがより好ましく、この場合、自己修復性がより向上すると共に、透明性の高い高分子ゲルが得られ、適用可能な用途がより広くなる。一般式(1a)で表される繰り返し構成単位が2〜4モル%、一般式(2a)で表される繰り返し構成単位が2〜4モル%であることが特に好ましく、この場合、自己修復性がより向上すると共に透明性の高い高分子ゲルとなり、しかも、伸縮性にも優れる高分子ゲルとなる。
上記重合体Aは、例えば、一般式(1a)、一般式(2a)及び一般式(3a)で表される繰り返し構成単位を形成するための重合性単量体を重合する方法によって製造され得る。重合性単量体を重合する方法によって重合体Aを製造する方法については、次項の<自己修復材料の製造方法>で説明する。重合体Aのその他の製造方法として、ホスト基及びゲスト基を有していない重合体をあらかじめ製造しておき、この重合体とホスト分子及びゲスト分子を反応させて、重合体側鎖にホスト基及びゲスト基を導入する方法も挙げられる。
架橋構造体を構成するための重合体は1種又は2種以上を含むことができる。例えば、架橋構造体を構成するための重合体は、1種類の重合体Aのみを含んでいてもよいし、異なる2種類以上の重合体Aを含んでもよい。なお、架橋構造体は、本発明の効果を阻害しない程度であれば、ホスト基及びゲスト基を有していない重合体を含んでもよい。
重合体Aは、側鎖にホスト基及びゲスト基を有しているので、ホスト−ゲスト相互作用によって重合体Aどうしの架橋が生じ、架橋構造体として形成される。
上記架橋構造体が高分子ゲルに含まれることにより、上記高分子ゲルを含む自己修復材料は、自己修復性の機能を発揮することができる。上記架橋構造体を含む高分子ゲルに対して応力が加わると、その応力によって架橋構造体の中でも比較的弱い結合であるホスト基とゲスト基との結合が解消する。これにより、架橋構造体の一部が崩壊し、高分子ゲル自体が切断され得る。
一方、切断部どうしを例えば人為的に接触させると、切断されたホスト基とゲスト基との結合が再度起こり得る。これにより、切断部どうしの再結合が生じ、切断された高分子ゲルが自己修復され得る。
また、上記ホスト−ゲスト相互作用は、一旦、相互作用が解消されても再包接しやすい。そのため、再接着後の高分子ゲルは、初期のゲル強度に戻りやすいという点でも有利である。また、接着時間を長くするほど、強度回復率も高くなるという利点もある。
高分子ゲルに含まれる溶媒は、水よりも沸点が高い親水性溶媒とすることができる。すなわち、高分子ゲルに含まれる溶媒は、常圧で100℃を超える沸点を有し、かつ、親水性を示す溶媒とすることができる。
高分子ゲルに含まれる溶媒は、例えば、常温で液体の化合物とすることができるが、低分子化合物に限らず、粘性を有する液状であってもよいし、あるいは、常温で固体であってもよい。高分子ゲルに含まれる溶媒が常温で固体である場合は、可溶化溶媒に溶解させて使用することができる。
上記溶媒の沸点の上限は特に制限されないが、例えば、常圧で300℃以下であれば、高分子ゲルの膨潤性が優れ、物性の悪化も引き起こしにくい。溶媒がポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのような粘性を有する化合物である場合、その数平均分子量は例えば、100〜700であればよい。
上記親水性とは、水との親和性を示す性質をいい、例えば、水に対して均一に混和する性質を有していることをいう。例えば、25℃において水100gに対する溶解度が1g以上である溶媒であれば親水性溶媒ということができる。特に好ましくは、25℃において水100gに対する溶解度が10g以上である。
水よりも沸点が高い親水性溶媒は、水酸基を有する有機化合物であることが好ましい。この場合、上記架橋構造体との親和性が高いので、乾燥が生じにくく、より耐久性に優れる高分子ゲルとなり得る。
前記水酸基を有する有機化合物は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−ノルマル−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等が例示される。
上記溶媒は、1種の化合物のみで構成されていてもよいし、2種以上の化合物で構成されていてもよい。
上記溶媒を含むことで、高分子ゲルは、時間の経過にともなう溶媒の揮発が生じにくく、また、高分子ゲルが置かれている環境の温度が上昇したとしても、溶媒の揮発が生じにくい。そのため、上記溶媒を含む高分子ゲルは、乾燥が起こりにくい(耐乾燥性に優れる)材料となる。その結果、高分子ゲルの乾燥による自己修復性の低下が抑制され、自己修復性が長期にわたって維持された耐久性に優れる高分子ゲルとなり得る。
本実施形態に係る高分子ゲルは耐乾燥性に優れることから、例えば、相対湿度65%、温度25℃の環境下、28日間静置させた後の重量減が80%以下となり得るものである。当該重量減は50%以下であることが好ましく、20%以下であることが特に好ましい。この場合、耐乾燥性に特に優れた高分子ゲルとなり、自己修復性がより長期にわたって維持され得る。
また、上記溶媒を含むことで、高分子ゲルは、耐乾燥性に加えて高い破断強度や伸縮性も付加される。よって、本実施形態に係る高分子ゲルは、溶媒が水である、いわゆるヒドロゲルよりも優れた物性を有する高分子ゲルになり得る。
上記溶媒は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン及びジエチレングリコールモノエチルエーテルの群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。この場合、高分子ゲルにより高い破断力や伸縮性を付与できる。
最も好ましい溶媒は、グリセリン、ジエチレングリコール及びジプロピレングリコールの群から選ばれる少なくとも1種であり、この場合、自己修復性、耐乾燥性、引張り特性、耐久性に特に優れる高分子ゲルになり得る。
上記溶媒は、本発明の効果が阻害されない程度であれば、水を含んでいてもよい。例えば、溶媒の全量に対して水が0〜90体積%の範囲であれば、高分子ゲルの耐乾燥性が損なわれにくく、物性の低下も起こりにくい。溶媒の全量に対して水が0〜70体積%の範囲がより好ましく、0〜50体積%が特に好ましい。
高分子ゲルにおいて、架橋構造体と溶媒との組成割合は特に限定的ではなく、ゲルを形成し得る範囲において適宜、決定され得る。架橋構造体の全量に対して溶媒の下限値は、50質量%がより好ましく、60質量%が特に好ましい。また、架橋構造体の全量に対して溶媒の上限値は、150質量%がより好ましく、99質量%が特に好ましい。この場合、高分子ゲルの耐乾燥性が損なわれにくく、長期間経過後の物性の低下も起こりにくい。
高分子ゲルは、本発明の効果が損なわれない程度であれば、その他添加剤をさらに含有していてもよい。その他添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、各種フィラー、電解質等が挙げられる。また、高分子材料の機械特性等を改良する目的で、架橋構造体とは別の高分子化合物が含まれていてもよい。
高分子ゲルの形状は特に限定されず、使用する用途の適合するように形成され得る。例えば、高分子ゲルは、公知の手段により、シート状、フィルム状、ブロック状、プレート状、粒子状等に形成され得る。
上記のように得られた高分子ゲルそのものを自己修復材料として形成してもよいし、あるいは、他の材料と組み合わせた複合材料とすることで自己修復材料として形成してもよい。
<自己修復材料の製造方法>
次に、自己修復材料の製造方法について説明する。
上記自己修復材料は、例えば、ホスト基及びゲスト基による相互作用によって架橋された架橋構造体及び水を含むヒドロゲルを、水よりも沸点が高い親水性の溶媒に浸漬することにより、前記水の一部又は全部を前記溶媒に置換して前記高分子ゲルを製造する工程を具備する方法により製造され得る。
上記工程で使用する架橋構造体及び水よりも沸点が高い親水性の溶媒は、上述と同様の構成である。
上記工程で使用するヒドロゲルにおいて、架橋構造体の全量に対して溶媒の下限値は、50質量%がより好ましく、60質量%が特に好ましい。また、架橋構造体の全量に対して溶媒の上限値は、150質量%がより好ましく、99質量%が特に好ましい。この場合、高分子ゲルの耐乾燥性が損なわれにくく、物性の低下も起こりにくい。
上記ヒドロゲルを、水よりも沸点が高い親水性の溶媒に浸漬することにより、ヒドロゲルに含まれる水の一部又は全部が溶媒に置換される。
上記浸漬をさせるにあたり、水よりも沸点が高い親水性の溶媒の使用量は、ヒドロゲルに対して過剰量とすることができる。例えば、ヒドロゲルの全体が上記溶媒に浸漬される程度に溶媒を使用すればよい。この場合、ヒドロゲルの水が水よりも沸点が高い親水性の溶媒に置換されやすく、所望の自己修復材料が得られやすい。
ヒドロゲルの浸漬時間は、ヒドロゲル及び溶媒の使用量に応じて適宜設定すればよい。例えば、ヒドロゲルの浸漬時間は、浸漬時の溶媒の使用量やヒドロゲルの形状等、浸漬条件にもよるが0.1〜10時間とすることができ、この場合、ヒドロゲルの水が水よりも沸点が高い親水性の溶媒に置換するのに十分である。
ヒドロゲルの浸漬温度も、ヒドロゲル及び溶媒の使用量に応じて適宜設定すればよい。例えば、ヒドロゲルの浸漬温度は、25℃等の室温下で行うことができ、ヒドロゲルの水が水よりも沸点が高い親水性の溶媒に置換するのに十分である。
上記浸漬をするにあたり、ヒドロゲルの全体が、水よりも沸点が高い親水性の溶媒に浸ることが好ましく、この場合、効率よく溶媒の置換が行える。また、浸漬は、ヒドロゲルを上記溶媒に静置させた状態で行ってもよいし、あるいは、撹拌等を加えてもよい。
上記浸漬によって、水よりも沸点が高い親水性の溶媒に置換されたゲルを取り出すことで、上記高分子ゲルとして得られる。
上記のように得られた高分子ゲルは、架橋構造体と、水よりも沸点が高い親水性の溶媒とを含むが、一部、ヒドロゲルに含まれていた水が含有された状態であってもよい。これは、上記浸漬により、水の一部が上記溶媒に置換されたことを意味する。なお、上記溶媒置換後の高分子ゲルに水を含ませるようにするには、例えば、水と上記溶媒との混合溶媒を用いて上記同様の方法でヒドロゲルを浸漬させればよい。
ここで、上記ヒドロゲルは、例えば、水性媒体及び重合開始剤を含む重合性単量体の混合物を重合することにより製造される。
重合性単量体としては、少なくとも上記ホスト基を分子構造中に有する化合物、上記ゲスト基を分子構造中に有する化合物、並びに、ホスト基及びゲスト基のいずれをも有していない化合物を使用できる。以下、ホスト基を分子構造中に有する化合物を「単量体(1)」、ゲスト基を分子構造中に有する化合物を「単量体(2)」、ホスト基及びゲスト基のいずれをも有していない化合物を「単量体(3)」と略記する。
単量体(1)としては、例えば、下記一般式(1b)で表される化合物が挙げられる。
式(1b)中、Raは水素原子またはメチル基、R、Rは上記一般式(1a)と同義である。
単量体(1)は、上記一般式(1a)で表される繰り返し構成単位を構成するための化合物になり得る。
単量体(1)は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体であることが好ましい。なお、本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルのいずれかを示す。
単量体(1)の具体例としては、6−(メタ)アクリルアミド−α−シクロデキストリン、6−(メタ)アクリルアミド−β−シクロデキストリン、α−シクロデキストリンメタクリレート、β−シクロデキストリンメタクリレート、α−シクロデキストリンアクリレート、β−シクロデキストリンアクリレートが挙げられる。上記単量体(1)は公知の方法で製造することができる。
単量体(2)としては、例えば、下記一般式(2b)で表される化合物が挙げられる。
式(2b)中、Raは水素原子またはメチル基、R、Rは上記一般式(2a)と同義である。
単量体(2)は、上記一般式(2a)で表される繰り返し構成単位を構成するための化合物になり得る。
単量体(2)は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体であることが好ましい。
単量体(2)の具体例としては、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、1‐アクリルアミドアダマンタン、N−(1−アダマンチル)(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−1−ナフチルメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なお、単量体(2)の代わりにスチレンを使用してもよい。上記単量体(2)は公知の方法で製造することができる。
単量体(3)としては、例えば、下記一般式(3b)で表される化合物が挙げられる。
式(3b)中、Raは水素原子またはメチル基、Rは上記一般式(3a)と同義である。
単量体(3)は、上記一般式(3a)で表される繰り返し構成単位を構成するための化合物になり得る。
単量体(3)の具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合性単量体には、本発明の効果が阻害されない限りは、上記単量体(1)〜(3)以外の単量体が含まれていてもよい。
重合性単量体(1)〜(3)の配合割合は、目的とするヒドロゲルに応じて適宜決めることができる。例えば、重合性単量体(1)〜(3)の総量に対して重合性単量体(1)を0.5〜10モル%、重合性単量体(2)を0.5〜10モル%とすることができる。この場合、得られた重合体Aのホスト基とゲスト基との相互作用が生じやすく、重合体Aが架橋構造を形成しやすくなるので、安定した架橋構造体となりやすく、しかも、自己修復性にも優れる高分子ゲルが得られやすくなる。重合性単量体(1)〜(3)の総量に対して重合性単量体(1)を1〜5モル%、重合性単量体(2)を1〜5モル%とすることがより好ましい。この場合、自己修復性がより向上すると共に、透明性の高い高分子ゲルが得られやすく、適用可能な用途がより広くなる。重合性単量体(1)〜(3)の総量に対して重合性単量体(1)を2〜4モル%、重合性単量体(2)を2〜4モル%とすることが特に好ましい。この場合、自己修復性がより向上すると共に透明性の高い高分子ゲルとなり、しかも、伸縮性にも優れる高分子ゲルが得られやすくなる。
上記水性媒体は水である。また、ヒドロゲルの形成が阻害されない程度であれば、水性媒体は水とその他の溶媒の混合溶媒であってもよい。その他の溶媒としては、上述の水よりも沸点が高い親水性の溶媒が挙げられ、その他、水と相溶性のある有機溶媒、例えば、低級アルコールであってもよい。
上記混合物中の水性媒体の量の下限値は、重合性単量体の総量に対して50質量%がより好ましく、60質量%が特に好ましい。また、上記混合物中の水性媒体の量の上限値は、重合性単量体の総量に対して150質量%がより好ましく、99質量%が特に好ましい。
この場合、安定なヒドロゲルが形成されやすくなり、最終的に得られる本実施形態の自己修復材料も耐乾燥性に優れ、自己修復性等の諸物性も損なわれにくい。
上記重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム(以下、APSと称することもある)、アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと称することもある)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド(以下、VA−044と称することもある)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、光重合開始剤(イルガキュア(登録商標)シリーズ等)等が挙げられる。好ましくは、APS、VA−044である。
上記重合反応で使用する混合物において、重合開始剤の濃度は、重合性単量体の総量に対し、0.5〜5モル%とすることができる。
水性媒体及び重合開始剤を含む重合性単量体の混合物は、各々、所定の配合量で混合することで調製することができる。なお、混合物を調製するにあたり、単量体(1)と単量体(2)とをあらかじめ加熱混合してから、その他の原料を混合するようにしてもよい。
当該混合物には必要に応じて、その他の添加剤を添加してもよい。その他の添加剤としては、重合促進剤、架橋剤等が例示される。
上記重合促進剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等である。
上記混合物の重合反応の条件は、使用する単量体の重合性や使用量、重合開始剤の半減期温度等に応じて適宜の条件で行うことができる。例えば、上記混合物を、例えば0〜100℃、好ましくは、20〜25℃で撹拌することで行える。重合反応の時間は、1〜24時間とすることができ、好ましくは、12〜24時間とすることができる。なお、重合開始剤として、光重合開始剤を用いる場合は、例えば、上記混合物に波長200〜400nmのUV光を照射することにより重合反応を行うことができる。
上記のように重合反応を行うことで、単量体(1)、単量体(2)及び単量体(3)が重合してなる共重合体が得られる。ここでいう共重合体は上記の重合体Aに相当する。このように得られる重合体Aは、側鎖にホスト基及びゲスト基を有しているので、ホスト−ゲスト相互作用によって架橋が形成されて架橋構造体となり得る。
上記重合反応の後、必要に応じて精製や乾燥、養生を行うなどすることで、架橋構造体を含んで構成されるヒドロゲルが得られる。
本実施形態の製造方法では、上記のように得られたヒドロゲルを用いて、高分子ゲルを製造することができ、自己修復性材料を形成することができる。そのため、簡便なプロセスで効率よく所望の自己修復材料を得ることができる。そして、得られた自己修復材料は、上記架橋構造体及び水よりも沸点が高い親水性の溶媒を含むことから、時間の経過や温度環境等が変化しても自己修復機能が損なわれにくい。
上記の自己修復材料の製造方法は一例であり、その他の製造方法によって自己修復材料を得ることもできる。例えば、上述の重合性単量体(1)〜(3)を、水よりも沸点が高い親水性の溶媒中で直接重合することによっても得ることは可能である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
(実施例1)
ヒドロゲルの調製
サンプル瓶(3mL)に、単量体(1)として6−アクリルアミド−β−シクロデキストリン(βCD−AAm)、単量体(2)としてN−(1−アダマンチル)アクリルアミド(Ad−AAm)及び単量体(3)としてアクリルアミド(AAm)(和光純薬工業株式会社製)をそれぞれ、0.12mol/kg、0.12mol/kg及び3.76mol/kg(トータル4mol/kg)の濃度になるように混合した。この混合液を、超音波を照射しながら5分間撹拌した。これを一度ろ過した後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム(全単量体に対して0.25mol%)、及び、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(全単量体に対して5mol%)、水を加えて混合物を調製した。水は、混合物全体に対して69.64質量%となるようにした。この混合物を室温で1時間放置することにより、重合反応を行った。得られた重合体を洗浄することで、約4cmの略直方体状のヒドロゲルを得た。当該ヒドロゲルは、βCD−AAm由来の繰り返し構成単位及びAd−AAm由来の繰り返し構成単位を、いずれも重合体中に3モル%の割合で含む。
溶媒置換(高分子ゲルの調製)
100mLビーカにグリセリンを80ml入れ、そこで上記ヒドロゲルが完全に浸漬するようにした。この状態で、室温(25℃)で12時間、静置することで、ヒドロゲルに含まれる水をグリセリン(G)に置換した。これにより、高分子ゲルを得た。
得られた高分子ゲルを構成する重合体は、下記一般式(4)で示される構造を有する。
ここで、式(4)中の「−r−」との表記は、各繰り返し構成単位がランダムに配列していることを示す。また、式(4)中、xは重合体における上記式(1a)で表される繰り返し構成単位のモル%、yは重合体における上記式(2a)で表される繰り返し構成単位のモル%を示す。
なお、実施例1ではx=y=3、Rは「−CONH」である。
(実施例2)
重合体中、βCD−AAm由来の繰り返し構成単位及びAd−AAm由来の繰り返し構成単位がいずれも2.5モル%となるようにヒドロゲルを調製したこと以外は実施例1と同様の手順で高分子ゲルを得た。
(実施例3)
重合体中、βCD−AAm由来の繰り返し構成単位及びAd−AAm由来の繰り返し構成単位がいずれも4.0モル%となるようにヒドロゲルを調製したこと以外は実施例1と同様の手順で高分子ゲルを得た。
(実施例4)
アクリルアミド(AAm)の代わりに2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、すなわち、式(4)におけるRが「−COO−COH」に変更したこと以外は実施例1と同様の手順で高分子ゲルを得た。
(実施例5)
溶媒置換として、グリセリンの代わりにジエチレングリコール(DEG)に変更したこと以外は実施例4と同様の手順で高分子ゲルを得た。
(実施例6)
溶媒置換として、グリセリンの代わりにジプロピレングリコール(DPG)に変更したこと以外は実施例4と同様の手順で高分子ゲルを得た。
(実施例7)
溶媒置換として、グリセリンの代わりに水とグリセリンの混合溶媒(体積比v:vで1:1)に変更したこと以外は実施例4と同様の手順で高分子ゲルを得た。
(比較例1)
実施例1で得られたヒドロゲルの溶媒置換をせずに、ヒドロゲルをそのまま高分子ゲルとした。
(高分子ゲル中の溶媒量測定)
高分子ゲル中の溶媒量は、高分子ゲルの乾燥前後の重量の差分により算出した。高分子ゲルの乾燥は、100℃の雰囲気下で24時間静置させることで行った。
(透明性)
各実施例及び比較例で得られた高分子ゲルについて、外観を目視で確認して透明性の判断をした。なお、透明性は目視で判断し、高分子ゲルを直視し、反対側を透視できた場合を「透明」と判定し、白濁して反対側を透視できないものは透明性がないと判断した。
(耐乾燥性)
各実施例及び比較例で得られた高分子ゲルについて、相対湿度65%、室温(25℃)で28日間にわたって保管した後、保管前を基準として28日保管後の重量減少の割合によって耐乾燥性を評価した。具体的には、上記条件で28日間静置させた後の重量減少が80%以下である場合を耐乾燥性「あり」と判断し、重量減少が80%を超える場合を耐乾燥性はないものとした。
(引張り試験(破断力及び延伸率の測定))
各実施例及び比較例で得られた高分子ゲルの「ストローク―試験力曲線」(島津製作所社製「AUTOGRAPH」(型番:AGS−10KNJ MS形)から高分子ゲルの破断点を観測し、この破断点を終点とし、終点までの最大試験力を破断力とした。この引張り試験は、高分子ゲルの上端を固定し下端を引張り速度200mm/minで稼動させるダウン方式で実施した。また、その際のストローク、すなわち、高分子ゲルを引っ張った際の最大長さを、引張り前の高分子ゲル長さで除した値を延伸率として算出した。
(延伸率及び自己修復性)
上記引張り試験で破断した高分子ゲルの破断部どうしを速やかに再接触させ、この状態で24時間以上、室温下で静置した。ただし、比較例1のヒドロゲルの場合は、室温静置では乾燥するため、「湿潤環境下」で静置させた。その後、破断部どうしの再接合を確認した後、再び上記引張り試験を行った。このような高分子ゲルの「引張り試験−破断−再接合」のサイクルを数回繰り消し、各回(修復回数毎)の延伸率を算出した。
また、自己修復性については、高分子ゲルが再接着したか否かで判定し、再接着したものを「あり」、再接着しなかったものを「なし」と評価した。
(破断力の保持性)
上記引張り試験で破断した高分子ゲルの破断部どうしを速やかに再接触させ、この状態で24時間以上、室温下で静置した。その後、破断部どうしの再接合を確認した後、再び上記引張り試験を行った。このような高分子ゲルの「引張り試験−破断−再接合」のサイクルを数回繰り消し、各回(修復回数毎)の破断力を算出して、この破断力の推移から破断力の保持性を判定した。
表1には、実施例1、7及び比較例1で得られた高分子ゲルの透明性、耐乾燥性、自己修復性の評価結果を示している。
いずれの高分子ゲルにおいても高い透明性を有しており、溶媒がグリセリンに置換されてもヒドロゲルと同様の透明な材料として得られることがわかった。
図1には、実施例1及び比較例1の高分子ゲルの耐乾燥性の評価結果を示している。比較例1の高分子ゲル(HO)では数日で重量減少が見られたのに対し、実施例1の高分子ゲル(G)では、28日後も重量減少は観測されなかった。これは、比較例1の高分子ゲル(HO)では、乾燥によって重量が減少しているのに対し、実施例1の高分子ゲル(G)では耐乾燥性を有していることを示している。なお、実施例1の高分子ゲルはわずかに重量増が認められるが、これは吸湿による影響であると考えられる。
図2には、実施例1,7及び比較例1で得られた高分子ゲルの修復回数と延伸率との関係を示している。実施例1,7の高分子ゲルはいずれも修復回数が増えても延伸率に変化は見られなかったのに対し、比較例1の高分子ゲルでは延伸率が低下傾向にあり、修復回数ごとに安定した延伸率を維持していなかった。この結果から、水よりも沸点が高い親水性の溶媒を含む高分子ゲルとヒドロゲルのいずれも自己修復性を有しているといえるが、特に水よりも沸点が高い親水性の溶媒を含む高分子ゲルでは、自己修復性が長期にわたって維持されているといえ、耐久性に優れる材料であるといえる。
図3には、実施例1,7及び比較例1で得られた高分子ゲルの修復回数と破断力との関係を示している。実施例1の高分子ゲルでは、比較例1の高分子ゲルよりも極めて大きな破断力を有していることがわかる。このことから、水よりも沸点が高い親水性の溶媒を含む高分子ゲルでは、破断力も向上し、ヒドロゲルよりも機械的物性も向上する材料であるといえる。
表2には、実施例1〜3の高分子ゲルの透明性、伸縮性及び自己修復性の結果を示している。
なお、伸縮性については、延伸率300%を超える高分子ゲルを「あり」として評価した。
この結果から、ホスト基及びゲスト基の導入率が変化しても、高分子ゲルの性能を有しているといえる。
表3には、4〜6及び比較例1の高分子ゲルの透明性、耐乾燥性、伸縮性及び自己修復性の結果を示している。
この結果から、種々の溶媒において、耐久性、自己修復性、機械特性に優れる高分子ゲルが得られていることがわかる。
(乾燥後の自己修復性評価)
各実施例及び比較例の高分子ゲルを、室温(25℃)で28日間にわたって保管して乾燥処理を行った後、各々の高分子ゲルを切断し、再度、切断部どうしを接触させて、再接着するかどうかについて評価を行った。
その結果、各実施例で得られた高分子ゲルは再接着したのに対し、比較例1のヒドロゲルでは、再接着は起こらなかった。実施例の高分子ゲルは、耐乾燥性に優れるので、乾燥処理をした後も優れた自己修復性を有しているのに対し、比較例1のヒドロゲルでは、乾燥によって自己修復性が失われることが示されたといえる。この結果、実施例の高分子ゲルは、時間の経過や温度環境等が変化しても自己修復機能が損なわれにくい自己修復材料であるといえる。
本発明に係る自己修復材料は、長期にわたって自己修復性に優れる材料である。そのため、信頼性の高い製品を提供することができ、例えば、携帯電話、ディスプレイ、自動車等の部材や表面コーティング剤、その他、医療分野、生体分野、食品分野等にも応用することが可能である。

Claims (3)

  1. 高分子ゲルを含んで構成される自己修復材料であって、
    前記高分子ゲルは、ホスト基及びゲスト基による相互作用によって架橋された架橋構造体と、水よりも沸点が高い親水性の溶媒とを含み、
    前記ホスト基は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種から形成される基であり、
    前記ゲスト基は、n−ブチル基、n−ドデシル基、t−ブチル基、及びアダマンチル基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記溶媒は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン及びジエチレングリコールモノエチルエーテルの群から選ばれる少なくとも1種を含む、自己修復材料。
  2. 前記架橋構造体は、下記一般式(1a)
    [式中、Raは水素原子またはメチル基、R1はヒドロキシル基、チオール基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいチオアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個以上の置換基を有していてもよいアミド基、アルデヒド基及びカルボキシル基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表し、RAはホスト基を表す]で表される繰り返し構成単位、下記一般式(2a)
    [式中、Raは水素原子またはメチル基、R2はヒドロキシル基、チオール基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいチオアルコキシ基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個以上の置換基を有していてもよいアミド基、アルデヒド基及びカルボキシル基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表し、RBはゲスト基を表す]で表される繰り返し構成単位、及び、下記一般式(3a)
    [式中、Raは水素原子またはメチル基、R3はハロゲン原子、ヒドロキシル基、チオール基、1個の置換基を有していてもよいアミノ基、1個の置換基を有していてもよいカルボキシル基又は1個以上の置換基を有していてもよいアミド基を表す]で表される繰り返し構成単位を有する重合体の架橋体である、請求項1に記載の自己修復材料。
  3. 請求項1又は2に記載の自己修復材料の製造方法であって、
    ホスト基及びゲスト基による相互作用によって架橋された架橋構造体及び水を含むヒドロゲルを、水よりも沸点が高い親水性の溶媒に浸漬することにより、前記水の一部又は全部を前記溶媒に置換して前記高分子ゲルを製造する工程を具備し、
    前記溶媒は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン及びジエチレングリコールモノエチルエーテルの群から選ばれる少なくとも1種を含む、自己修復材料の製造方法。
JP2015199945A 2015-10-08 2015-10-08 自己修復材料及びその製造方法 Active JP6749750B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015199945A JP6749750B2 (ja) 2015-10-08 2015-10-08 自己修復材料及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015199945A JP6749750B2 (ja) 2015-10-08 2015-10-08 自己修復材料及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017071710A JP2017071710A (ja) 2017-04-13
JP6749750B2 true JP6749750B2 (ja) 2020-09-02

Family

ID=58539144

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015199945A Active JP6749750B2 (ja) 2015-10-08 2015-10-08 自己修復材料及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6749750B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11535691B2 (en) 2016-03-18 2022-12-27 Osaka University Macromolecular material, method for producing same, and polymerizable monomer composition
JPWO2019044848A1 (ja) * 2017-08-29 2020-10-29 ユシロ化学工業株式会社 3次元外科治療研修モデル用組成物及びその製造方法
JP7130446B2 (ja) * 2018-06-06 2022-09-05 株式会社Kri 自己修復性ゲル
WO2020116590A1 (ja) * 2018-12-05 2020-06-11 国立大学法人大阪大学 高分子材料及びその製造方法、並びに高分子組成物
CN109705371B (zh) * 2018-12-29 2021-05-11 广东工业大学 超分子材料、六臂星型交联的水凝胶及其制备方法
CN109705372B (zh) * 2018-12-29 2021-08-13 广东工业大学 一种超分子材料和水凝胶及其制备方法
JP7189611B2 (ja) * 2019-01-31 2022-12-14 株式会社シクロケムバイオ ゲルの製造方法
CN112225854B (zh) * 2019-07-15 2023-06-06 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种水凝胶组装体、其制备方法和应用
CN115160454A (zh) * 2021-04-01 2022-10-11 四川大学 一种基于聚-β-环糊精与金刚烷主客体作用的超分子多醛化合物及其制备方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5898004A (en) * 1996-11-06 1999-04-27 University Of Pittsburgh Of The Commonwealth System Of Higher Education Polymerized crystalline colloidal array sensors
CN101675086B (zh) * 2007-05-07 2012-06-06 独立行政法人科学技术振兴机构 分子响应性凝胶粒子及其制造方法和其利用
EP2617777B8 (en) * 2010-09-14 2016-06-01 Osaka University Material self-assembly method and selective adhesion method based on molecular recognition
JP5871223B2 (ja) * 2011-04-15 2016-03-01 株式会社ブリヂストン ロタキサン、架橋剤、架橋方法、架橋ポリマー及び架橋ポリマーの分解方法
EP2842976B1 (en) * 2012-04-27 2021-08-25 Osaka University Gel with self-restorability and shape-memory property and process for producing same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017071710A (ja) 2017-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6749750B2 (ja) 自己修復材料及びその製造方法
JP7054244B2 (ja) 高分子材料及びその製造方法、並びに重合性単量体組成物
US20190092880A1 (en) Gel with self-restorability and shape-memory property and process for producing same
US10384407B2 (en) Self-repairing material and manufacturing method therefor
Hao et al. Viscoelastic and mechanical behavior of hydrophobically modified hydrogels
JP6841530B2 (ja) 重合用組成物及びその重合体並びに重合体の製造方法
JP7337377B2 (ja) 高分子複合材料、重合性単量体組成物及び高分子複合材料の製造方法
Zhou et al. A novel 3D-printable hydrogel with high mechanical strength and shape memory properties
JPWO2009099210A1 (ja) ハイドロゲルおよびその製造方法
Selen et al. Preparation of photodegradable polyacrylamide hydrogels via micellar copolymerization and determination of their phototunable elasticity and swelling behaviors
JP6953362B2 (ja) 自己修復性導電性材料、導電性高分子化合物及び重合性単量体
Cao et al. Fabrication of self-healing nanocomposite hydrogels with the cellulose nanocrystals-based Janus hybrid nanomaterials
Sahoo et al. Self-healing stable polymer hydrogel for pH regulated selective adsorption of dye and slow release of graphene quantum dots
CN103333294B (zh) 一种高强度的抗蛋白质吸附水凝胶及其制备方法和应用
JP7032941B2 (ja) 自己修復性ゲル
JP7251123B2 (ja) 高分子ゲル製造用溶液、高分子ゲル、高分子ゲルの製造方法
EP3492576A1 (en) Polymer gel for medium, medium, and method and kit for culturing cells
JP7205345B2 (ja) 高分子ゲル製造用溶液、高分子ゲルの製造方法
JP2010111821A (ja) オルガノゲルおよびその製造方法
WO2022249904A1 (ja) ハイドロゲル、ハイドロゲルの製造方法、及び、成形体の製造方法
JP2023066720A (ja) 自己修復性材料
JP2013177566A (ja) 樹脂用改質剤
JP6266527B2 (ja) 水溶性コポリマー
JP6425141B2 (ja) 分子内相互作用に基づく高強度ゲル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190716

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200714

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200812

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6749750

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250