JP6747026B2 - 円すいころ軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、円すいころ軸受に関し、特に、円すいころが転動する空間に潤滑油を貯留する円すいころ軸受に関する。
円すいころ軸受は、外輪、内輪、複数の円すいころ、及び保持器を備える。円すいころは、円すいころが転動する方向の軸が、円すいころ軸受の軸心に対して傾斜するように配置されている。円すいころの大径の底面(以下、大端面とも称する。)は、小径の底面(以下、小端面とも称する。)よりも、軸受の径方向外方に配置されている。
円すいころ軸受の特性としては、円すいころの大端面と、内輪のうち円すいころの大端面と接触する面(以下、大つば面とも称する。)との焼き付きに対する耐性を向上させること、及び円すいころ軸受の保持器のポケット面の摩耗を抑制することが求められる。このような円すいころ軸受として、外輪に潤滑油保持部材を取り付けて、潤滑油保持部材と外輪の間の空間に潤滑油を貯留する円すいころ軸受が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2008−223891号公報
ところで、特許文献1の円すいころ軸受は、外輪の一部の肉厚を薄くして薄肉部分を形成し、薄肉部分の外周に潤滑油保持部材を圧入することにより、外輪に潤滑油保持部材を固定している。この場合、外輪の外周面の径の寸法と潤滑油保持部材の内径の寸法とに高い精度が要求される。そのため、外輪のうち潤滑油保持部材を圧入する部分に対して、切削加工に加え、研磨加工を行う必要がある。これにより、外輪の製造工程が煩雑になる。特に、潤滑油保持部材は外輪のうち薄肉部分に圧入されるので、薄肉部分とそれ以外の部分との段差付近における研磨作業が外輪の歩留まりの低下の原因となる。
上記の課題を鑑み、本発明は、外輪のうち潤滑油保持部材と嵌まり合う部分を研磨加工することなく潤滑油保持部材を外輪に取り付け可能な円すいころ軸受を提供することを目的とする。
上記の課題を解決する本発明の円すいころ軸受は、内周面に第1の軌道面を有する外輪と、外周面に第2の軌道面を有し、外輪と同軸上に配置された内輪と、第1の軌道面及び第2の軌道面の間の空間に配置された複数の円すいころと、外輪と一体に固定された潤滑油保持部材と、を備える。外輪は、外周面に設けられた環状の段差面によって軸方向一方側の端部に環状の薄肉部が形成され、軸方向の他方側の端部がハウジングに嵌め込まれる。潤滑油保持部材は、軸方向に延びる円筒状に形成され、軸方向他方側の端面が外輪の段差面に軸方向に対向し且つ薄肉部の外周面を覆うように配置された筒状部と、径方向に延びる円環状に形成され、径方向外方における端部が筒状部の軸方向一方側の端部に接続された環状部と、を含む。筒状部は、内周面に、径方向内方に向かって突出して形成された凸部を有する。薄肉部は、外周面に、凸部を収容可能で潤滑油保持部材の軸方向の移動を規制するように形成された凹部を有する。
本発明によれば、外輪のうち潤滑油保持部材と嵌まり合う部分を研磨加工することなく潤滑油保持部材を外輪に取り付け可能な円すいころ軸受が得られる。
図1は、実施形態1の円すいころ軸受の全体を示す断面図である。 図2は、実施形態1の円すいころ軸受の一部を示す断面図である。 図3は、実施形態1の外輪及び潤滑油保持部材の断面図である。 図4は、変形例1の外輪及び潤滑油保持部材の断面図である。 図5は、変形例2の外輪及び潤滑油保持部材の断面図である。
本発明の円すいころ軸受は、内周面に第1の軌道面を有する外輪と、外周面に第2の軌道面を有し、外輪と同軸上に配置された内輪と、第1の軌道面及び第2の軌道面の間の空間に配置された複数の円すいころと、外輪と一体に固定された潤滑油保持部材と、を備える。外輪は、外周面に設けられた環状の段差面によって軸方向一方側の端部に環状の薄肉部が形成され、軸方向の他方側の端部がハウジングに嵌め込まれる。潤滑油保持部材は、軸方向に延びる円筒状に形成され、軸方向他方側の端面が外輪の段差面に軸方向に対向し且つ薄肉部の外周面を覆うように配置された筒状部と、径方向に延びる円環状に形成され、径方向外方における端部が筒状部の軸方向一方側の端部に接続された環状部と、を含む。筒状部は、内周面に、径方向内方に向かって突出して形成された凸部を有する。薄肉部は、外周面に、凸部を収容可能で潤滑油保持部材の軸方向の移動を規制するように形成された凹部を有する。
上記の構成によれば、潤滑油保持部材の筒状部の凸部と、外輪の薄肉部の外周面の凹部とが、対応するように形成されているので、筒状部の凸部を薄肉部の凹部に係合させることができる。そのため、筒状部の内周面を薄肉部の外周面に圧入することなく、筒状部が薄肉部の外周面を覆うように潤滑油保持部材を外輪に固定することができる。
筒状部の内周面を薄肉部の外周面に圧入する必要がないので、筒状部の内周面の寸法と薄肉部の外周面の寸法とに高い精度が要求されない。したがって、薄肉部の外周面を研磨する工程が不要となり、外輪の歩留まりを向上させることができる。
本発明の円すいころ軸受は、潤滑油保持部材における軸方向内方の端面から凸部の軸方向内方の端部までの距離が、外輪の段差面から凹部の軸方向内方の端部までの距離以上であることが好ましい。
円すいころ軸受は、外輪のうち薄肉部が形成された端面と反対側の端面において、ハウジングに取り付けられる。上記の構成によれば、潤滑油保持部材における軸方向内方の端面から凸部の軸方向内方の端部までの距離は、外輪の段差面から凹部の軸方向内方の端部までの距離以上であるので、筒状部の凸部の表面と薄肉部の凹部の表面とが軸方向に接触しにくくなる。そのため、円すいころ軸受をハウジングに取り付ける際に潤滑油保持部材に力を加えても、潤滑油保持部材に加えた力が凸部及び凹部を介して外輪に影響するのが抑制される。その一方で、筒状部の軸方向内方の端面が外輪の段差面に軸方向に接触しているので、潤滑油保持部材に加えた力を、筒状部の軸方向内方の端面と外輪の段差面との接触部分を介して効果的に外輪に伝えることができる。つまり、潤滑油保持部材に加えた力を、効果的に、外輪をハウジングに取り付けるための力として用いることができる。
本発明の円すいころ軸受は、外輪の段差面が、軸方向に垂直な面を有し、筒状部の軸方向内方の端面が、軸方向に垂直な面を有することが好ましい。
上記の構成によれば、筒状部の軸方向内方の端面と外輪の段差面が軸方向に垂直な面を介して接触しているので、円すいころ軸受をハウジングに取り付ける際、潤滑油保持部材に加えた力を効率的に外輪に伝えることができる。
本発明の円すいころ軸受の凹部は、薄肉部の外周面の全周に亘って溝状に形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、凹部が薄肉部の全周に亘って溝状に形成されているので、凹部を旋削加工によって容易に形成することができる。また、凹部が全周に亘って形成されているので、外輪に潤滑油保持部材を取り付けるときに、凹部と凸部のアライメントについて考慮することなく凸部を凹部に係合させることができ、外輪に潤滑油保持部材を取り付ける作業が容易になる。
本発明の円すいころ軸受の凸部は、複数個形成されていると共に、筒状部の内周面に周方向に並び且つ等間隔で配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、筒状部をたとえばディンプル加工等することによって複数の凸部を形成することができるので、凸部を容易に形成することができる。また、複数の凸部が等間隔で配置されているので、外輪に対する筒状部の安定性を良好なものとすることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材を示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、以下の各図中の部材の寸法は、実際の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
<実施形態1>
図1は、実施形態1の円すいころ軸受1の断面図である。図1は、円すいころ軸受1の外輪中心軸L1を通る断面図である。円すいころ軸受1は、例えば、自動車等の変速装置の軸を指示する軸受に用いられる。なお、本明細書において、単に「軸方向」というときは、外輪中心軸L1の軸方向を意味することとする。
図1に示すように、円すいころ軸受1は、外輪10,内輪20,複数の円すいころ30、保持器40,及び潤滑油保持部材50を備える。外輪10,内輪20、保持器40及び潤滑油保持部材50は、円すいころ軸受1の外輪中心軸L1と同軸上に設けられた環状の部材である。潤滑油保持部材50は、外輪10に取り付けることで、潤滑油保持部材50と外輪10との間の空間に潤滑油Jを貯留する機能を有する部材である。
外輪10と内輪20とは、図1に示すように、外輪10の径方向内側に内輪20が嵌まるように配置されている。径方向において外輪10と内輪20とで挟まれた空間には、複数の円すいころ30が配置されている。保持器40は、複数の円すいころ30を保持している。潤滑油保持部材50は、外輪10の軸方向の一方の端部に取り付けられている。
円すいころ30は、円すい台の形状を有する。円すいころ30のころの中心軸L2は、外輪中心軸L1に対して傾斜している。ころの中心軸L2は、円すいころ30の小径側の底面31(以下、小端面31とも称する。)から大径側の底面32(以下、大端面32とも称する。)に向かうにつれて、外輪中心軸L1から離間している。
なお、本明細書の以下の記載において、軸方向のうち、内輪20の背面23側の方向を「一方側」、正面24側の方向を「他方側」とする。円すいころ軸受1の軸方向一方側の端部の構造(たとえば、潤滑油保持部材50など)において、円すいころ軸受1の軸方向外方が一方側に相当する。また、円すいころ軸受1の軸方向内方が他方側に相当する。
図2は、円すいころ軸受1の一部を拡大した断面図である。
外輪10は、内周面に第1の軌道面11を有する。第1の軌道面11は、軸方向他方側から一方側に向かうにつれて外輪中心軸L1との距離が大きくなった、テーパー形状となっている。
外輪10の外周面12には、環状の段差面13が周方向に沿って形成されている。段差面13は、外輪中心軸L1に垂直な面である。外輪10のうち、段差面13よりも軸方向一方側は、他方側よりも径方向の厚さが小さい薄肉部14となっている。段差面13及び薄肉部14は、潤滑油保持部材50を外輪に固定するために形成されている。薄肉部14の外周面15は、外輪中心軸L1に対して平行な円筒面である。
図3は、潤滑油保持部材50及び外輪10の一部を示す断面図である。外輪10の薄肉部14の外周面15には、環状の溝16が形成されている。溝16は、径方向外方に開口している。溝16は、例えば、断面が三角形に形成されている。
内輪20は、図2に示すように、外周面に第2の軌道面22を有する。第2の軌道面22は、軸方向他方側から一方側に向かうにつれて外輪中心軸L1との距離が大きくなった、テーパー形状となっている。なお、第2の軌道面22の外輪中心軸L1に対するテーパー角は、第1の軌道面11のテーパー角よりも小さい。
内輪20の第2の軌道面22よりも軸方向他方側は、径方向の大きさが第2の軌道面22の軸方向他方側の端部よりも大きく形成されており、円すいころ30の小端面31と対向する小つば部25が形成されている。また、内輪20の第2の軌道面22よりも軸方向一方側は、径方向の大きさが第2の軌道面22の軸方向一方側の端部よりも大きく形成されており、円すいころ30の大端面32と対向する大つば部26が形成されている。
図2に示すように、円すいころ30は、第1の軌道面11と第2の軌道面22との間に構成される空間に配置されている。上述のように、複数の円すいころ30のそれぞれは円すい台の形状であり、ころの中心軸L2は、外輪中心軸L1に対して傾斜している。
保持器40は、図示しないが、軸方向他方側から一方側に向かうにつれて外輪中心軸L1との距離が大きくなるテーパー面を有する円環形状となっている。保持器40のテーパー面には、複数のポケット41が形成されている。テーパー面における複数のポケット41のそれぞれの形状は、円すいころ30の形状に対応する略台形である。保持器40は、金属または樹脂で形成されている。
潤滑油保持部材50は、図3に示すように、リング60と、弾性体リップ70とで構成されている。
リング60は、円筒状のリング本体61と、リング本体61の内周面から径方向内方に突出した環状の爪62と、を含む。リング本体61と爪62とは、一体に形成されている。リング本体61の内径の大きさは、外輪10の薄肉部14の外周面15の外側に嵌め合わせが可能な大きさとなっている。爪62は、リング本体61の軸方向外側に形成されている。リング60は、例えば、ステンレス等の金属で形成されている。
リング本体61の軸方向他方側の端面63は、段差面13と略平行に配置された円環状の面である。端面63は、外輪中心軸L1に垂直な面である。また、リング本体61の内周面64は、外輪10の薄肉部14の外周面15と略平行に配置された円筒状の面である。
リング本体61には、複数の凸部65が形成されている。複数の凸部65は、内周面64から径方向内方に突出しており、潤滑油保持部材50が外輪10に固定された状態において薄肉部14の外周面15に形成された溝16に嵌め合い可能な位置に形成されている。つまり、複数の凸部65は、周方向に間隔をあけて離間して配置されている。複数の凸部65は、例えば、3〜10個形成されている。
リング本体61の軸方向他方側の端面63から凸部65の軸方向他方側の端部65aまでの距離(図3で「A」で示す長さ)は、外輪10の段差面13から溝16の軸方向他方側の端部16aまでの距離(図3で「B」で示す長さ)よりも大きく設定されている。そのため、リング本体61の端面63が外輪10の段差面13に接した状態においては、凸部65の軸方向他方側の端部65aは、溝16の軸方向他方側の端部16aに接触しない。
複数の凸部65のリング本体61の内周面から径方向内方に突出する高さは、溝16の薄肉部14の外周面15からの凹み深さよりも小さく設定されている。また、溝16の軸方向の幅(図3で「C」で示す、端部16aと溝16の軸方向一方側の端部16bを結ぶ長さ)は、凸部65の軸方向の幅(図3で「D」で示す、端部65aと凸部65の軸方向一方側の端部65bを結ぶ長さ)よりも大きく設定されている。そのため、凸部65が溝16に収容された状態において、凸部65の表面と溝16の内壁との間に隙間が存在することとなる。
複数の凸部65は、例えば、リング本体61の外周面から径方向に内方に向かってディンプル加工することにより形成されている。凸部65がディンプル加工で形成されている場合、リング本体61の外周面のうち凸部65が形成された場所に対応する場所は凹みが形成されている。
弾性体リップ70の形状は、全体として、円環形状である。弾性体リップ70のうち径方向外方を構成する部分は、軸方向の厚さがリング60の爪62の厚さよりも大きい、厚肉部71となっている。また、弾性体リップ70のうち径方向内方を構成する部分は、厚肉部71よりも軸方向の厚さが小さい薄肉部72となっている。弾性体リップ70は、例えば、ニトリルゴム、アクリルゴム等のゴムで形成されている。
弾性体リップ70においては、厚肉部71と薄肉部72が連続して一体に形成されている。つまり、弾性体リップ70の軸方向内側の表面においては、厚肉部71の表面71bが薄肉部72の表面72bよりも軸方向内側に位置づけられている。
厚肉部71には、径方向において外方から内方に向かう溝73が形成されている。溝73は、厚肉部71の全周に亘って形成されている。溝73の大きさは、リング60の爪62をはめ込み可能な大きさに設定されている。溝73に爪62をはめ込むことにより、リング60と弾性体リップ70とが一体に組み合わされ、潤滑油保持部材50を構成している。
なお、リング60と弾性体リップ70とが一体に組み合わされることにより、潤滑油保持部材50の形状は、全体として、円環状の環状部51と、筒状部52とが一体となった形状になっている。環状部51は、リング60の爪62及び弾性体リップ70に相当する。また、筒状部52は、リング本体61に相当する。
図3に示すように、リング60は、リング本体61の内周面64が外輪10の薄肉部14の外周面15を覆い、リング本体61の軸方向他方側の端面63が外輪10の段差面13に対向するように、外輪10の軸方向一方側の端部に嵌め込まれる。このとき、リング60を軸方向から嵌め込む際に凸部65が外周面15にあたり、リング60が弾性変形することで、凸部65が外周面を越えて溝16に収容される。これにより、外輪10と潤滑油保持部材50とが固定される。
このとき、複数の凸部65は、溝16に収容される。これにより、潤滑油保持部材50の軸方向の移動が規制され、潤滑油保持部材50が外輪10から抜け落ちることを防止することができる。
潤滑油保持部材50と外輪10の間に形成される空間には、図1の下部に示すように、潤滑油Jが供給される。潤滑油Jは、円すいころ軸受1の鉛直方向の下方向側の下部に溜まることとなる。潤滑油Jの液面S1の高さは、円すいころ軸受1の最下部における弾性体リップ70の高さとなっている。
円すいころ軸受1の静止状態においては、潤滑油Jは、外輪10の一部、円すいころ30の一部及び保持器40の一部と接触している。円すいころ軸受1が回転することにより、円すいころ軸受1の下部に溜まった潤滑油Jが回転と共に巻き上げられ、第1の軌道面11及び第2の軌道面22等に供給される。そして、供給された潤滑油Jにより、円すいころ30と第1の軌道面11の間や、円すいころ30と第2の軌道面22の間などに発生する摩擦が低減される。
上記の構成の円すいころ軸受1は、図2に示すように、外輪10の外周面がハウジング200に接するようにハウジング200に嵌め込まれる。円すいころ軸受1をハウジング200に嵌め込む作業において、作業者は、外輪10に固定された潤滑油保持部材50の環状部51を押すこととなる。このとき、作業者が環状部51に加えた力は、リング本体61の端面63から外輪10の段差面13に伝達され、外輪10をハウジング200に嵌め込む力として用いられる。
なお、円すいころ軸受1とハウジング200との間には、図2には図示しないが、例えば、皿ばね等からなるリングが存在していてもよい。
(実施形態1の効果)
実施形態1の円すいころ軸受1によれば、リング本体61に形成された複数の凸部65が溝16に収容されることにより、潤滑油保持部材50の軸方向の移動が規制され、潤滑油保持部材50が外輪10から抜け落ちることを防止することができる。そのため、潤滑油保持部材50を外輪10の薄肉部14に締まりばめすることなく、潤滑油保持部材50を外輪10に固定することができる。
潤滑油保持部材を外輪の薄肉部に締まりばめする場合には、潤滑油保持部材の内周の径が外輪の薄肉部の外周の径よりもやや小さくなるように設定する必要があり、潤滑油保持部材の内周面の寸法と薄肉部の外周面の寸法とに高い精度が要求される。しかしながら、本実施形態の円すいころ軸受1によれば、潤滑油保持部材50を外輪10の薄肉部14に締まりばめする必要がないので、リング本体61の内周面の寸法と薄肉部14の外周面の寸法とに高い精度が要求されない。したがって、薄肉部の外周面を研磨する工程が不要となり、外輪10の歩留まりを向上させることができる。
実施形態1の円すいころ軸受1は、図2に示すように、外輪10のうち軸方向一方側の端面において、ハウジング200に取り付けられる。上記の構成によれば、リング本体61の軸方向他方側の端面63から凸部65の軸方向他方側の端部までの距離(図3で「A」で示す長さ)は、外輪10の段差面13から溝16の軸方向他方側の端部までの距離(図3で「B」で示す長さ)よりも大きく設定されている。そのため、リング本体61の端面63が外輪10の段差面13に接した状態においては、凸部65の軸方向他方側の端部は、溝16の軸方向他方側の端部に接触しない。
したがって、円すいころ軸受1をハウジング200に取り付けるために潤滑油保持部材50に対して力を加えるとき、潤滑油保持部材50のリング本体61は、リング本体61の凸部65の軸方向他方側の端部が溝16の表面に接触するよりも先に、リング本体61の端面63が外輪10の段差面13に接触することとなる。その結果、潤滑油保持部材50に加えた力を、リング本体61の端面63と外輪10の段差面13との接触部分を介して、効果的に外輪10に伝えることができる。つまり、潤滑油保持部材50に加えた力を、効果的に、外輪10をハウジング200に取り付けるための力として用いることができる。
また、円すいころ軸受1をハウジング200に取り付けるために潤滑油保持部材50に対して力を加えるとき、潤滑油保持部材50のリング本体61は、リング本体61の凸部65の軸方向他方側の端部が溝16の表面に接触するよりも先に、リング本体61の端面63が外輪10の段差面13に接触することとなる。そのため、潤滑油保持部材50に対して加えた力が凸部65から溝16の表面を経由して外輪10に径方向に伝達されるのが抑制され、リング本体61の変形を抑制することができる。
実施形態1の円すいころ軸受1によれば、円すいころ軸受1をハウジング200に取り付ける際、外輪中心軸L1に対して垂直なリング本体61の端面63と、外輪中心軸L1に対して垂直な外輪10の段差面13とが接触する。そのため、潤滑油保持部材50に加えた力を効率的に外輪10に伝えることができる。
実施形態1の円すいころ軸受1の外輪10の薄肉部14には、全周に亘って溝16が形成されているので、旋削加工によって容易に溝16を形成することができる。また、溝16が全周に亘って形成されているので、外輪10に潤滑油保持部材50を取り付けるときに、溝16と凸部65の周方向における位置合わせについて考慮することなく凸部65を溝16に係合させることができ、外輪10に潤滑油保持部材50を取り付ける作業が容易になる。
実施形態1の円すいころ軸受1の凸部65は、例えば、金属製のリング本体61に対してディンプル加工等することによって形成されているので、形成が容易である。また、複数の凸部が等間隔で配置されているので、外輪に対する筒状部の安定性を良好なものとすることができる。
<実施形態1の変形例>
実施形態1では、潤滑油保持部材50のリング本体61には複数の凸部65が形成された円すいころ軸受1について説明したが、凸部は、リング本体61の外周面に環状に形成されていてもよい。
また、実施形態1では、溝16及び凸部65の断面形状が略三角形である場合について図示したが、本発明の溝16及び凸部65の形状はこれに限定されない。例えば、溝と凸部の断面形状が略矩形であってもよく、略半円形であってもよい。また、例えば、溝の断面形状が略矩形であり、凸部の断面形状が略半円形である場合等、溝と凸部の形状が異なっていてもよい。
また、実施形態1では、リング本体61の端面63と外輪10の段差面13とが共に外輪中心軸L1に対して垂直であるとしたが、これは、本発明の必須の構成ではない。例えば、リング本体61の端面63と外輪10の段差面13とが、径方向内方から外方に向かうにつれて他方側から一方側に傾くテーパー状の面であってもよい。
実施形態1では、外輪10の薄肉部14の外周面15には、凹部として、周方向に延びる環状の溝16が形成されていると説明したが、薄肉部14に形成される凹部の形状は溝に限定されない。例えば、溝16の代わりに、複数の凹部が形成されていてもよい。この場合、複数の凹部は、潤滑油保持部材50のリング本体61に形成された複数の凸部65と対応する位置に、周方向に離間して形成される。
また、図4に変形例1として示すように、溝16の代わりに、外輪10Aの薄肉部14Aが第1薄肉部141A及び第2薄肉部142Aを含むことにより、薄肉部14Aに凹部が形成されていてもよい。
この場合、第1薄肉部141Aは、第2薄肉部142Aよりも径が小さく、第2薄肉部142Aの軸方向他方側に配置されている。そのため、薄肉部14Aの外周面15Aにおいて、第1薄肉部141Aの外周面が第2薄肉部142Aの外周面よりも凹んだ凹部16Aを構成する。潤滑油保持部材50のリング本体61Aに形成された凸部65は、凹部16Aの軸方向一方側において、凹部16Aに収容される。そのため、凸部65Aの軸方向他方側には、空間161Aが存在することとなる。
また、図5に変形例2として示すように、リング部材60のリング本体61の軸方向他方側の端部に凸部65Bが形成され、外輪10の薄肉部14Bのうち軸方向他方側の端部に凹部16Bが形成されていてもよい。こうすることにより、外輪10の薄肉部14Bの軸方向の大きさを小さくすることができ、外輪10の剛性を向上させることができる。
また、変形例2の円すいころ軸受によれば、凸部65Bの軸方向他方側の端部65Baとリング本体61Bの軸方向他方側の端面63Bとが同一である。また、外輪10の段差面13と凹部16の軸方向他方側の端部16Baとが同一である。そのため、外輪10をハウジングに取り付けるために潤滑油保持部材50に対して力を加えるとき、潤滑油保持部材50のリング本体61の凸部65の軸方向他方側の端部65Baが溝16Bの表面に接触するのと同時に、リング本体61Bの軸方向他方側の端面63Bが段差面13に接触する。したがって、外輪10の段差面13とリング本体61Bの軸方向他方側の端面63Bとの間に隙間が存在していても、潤滑油保持部材50に対して加えられた力を確実に外輪10に伝達することができる。
以上、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
1 円すいころ軸受
10 外輪
12 外輪の外周面
13 段差面
14 薄肉部
16 溝(凹部)
20 内輪
30 円すいころ
50 潤滑油保持部材
51 環状部
52 筒状部
65 凸部

Claims (4)

  1. 内周面に第1の軌道面を有する外輪と、
    外周面に第2の軌道面を有し、前記外輪と同軸上に配置された内輪と、
    前記第1の軌道面及び前記第2の軌道面の間の空間に配置された複数の円すいころと、
    前記外輪と一体に固定された潤滑油保持部材と、
    を備えた円すいころ軸受であって、
    前記外輪は、
    前記外輪の外周面に設けられた環状の段差面によって形成された薄肉部を有し、前記潤滑油保持部材が嵌め込まれる軸方向一方側端部と、
    ハウジングに嵌め込まれる軸方向他方側端部と、
    を含み、
    前記潤滑油保持部材は、
    軸方向に延びる円筒状に形成され、軸方向他方側の端面が前記外輪の前記段差面に軸方向に対向し且つ前記薄肉部の外周面を覆うように配置された筒状部と、
    径方向に延びる円環状に形成され、径方向外方における端部が前記筒状部の軸方向一方側の端部に接続された環状部と、
    を含み、
    前記筒状部は、内周面に、径方向内方に向かって突出して形成された凸部を有し、
    前記薄肉部は、外周面に、前記凸部を収容可能で前記潤滑油保持部材の軸方向の移動を規制するように形成された凹部を有し、
    前記潤滑油保持部材における軸方向内方の端面から前記凸部の軸方向内方の端部までの距離は、前記外輪の前記段差面から前記凹部の軸方向内方の端部までの距離以上である、円すいころ軸受。
  2. 請求項1に記載の円すいころ軸受において、
    前記外輪の前記段差面は、軸方向に垂直な面を有し、
    前記筒状部の前記軸方向内方の端面は、軸方向に垂直な面を有する、円すいころ軸受。
  3. 請求項1または請求項2に記載の円すいころ軸受において、
    前記凹部は、前記薄肉部の外周面の全周に亘って溝状に形成されている、円すいころ軸受。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の円すいころ軸受において、
    前記凸部は、複数個形成されていると共に、前記筒状部の内周面に周方向に並び且つ等間隔で配置されている、円すいころ軸受。
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