JP6745595B2 - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、軽量性に優れた熱可塑性樹脂組成物及び成形体を提供する。
熱可塑性樹脂の発泡成形体は、軽量であり、断熱性があるため、断熱材、家電、OA機器など様々な用途に利用されている。発泡成形体を製造する方法の一つとして、熱可塑性樹脂に熱膨張性マイクロカプセルを添加して加熱混練する方法が知られている(特許文献1〜5)。
特開2001−138377公報 特開2006−27084公報 特開2010−138214公報 特開2013−82117 特開2014−224261公報
本発明は、溶融混練工程での熱膨張性マイクロカプセルの破壊を防ぐことにより、微細な発泡セルが分散していて、十分に軽量化された熱可塑性樹脂組成物、および成形体を提供することである。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、熱膨張性マイクロカプセルを押出加工機のシリンダーの中間から投入することにより、本発明を完成させた。
つまり、本発明は以下のとおりである。
1.押出方向に並んで2箇所以上の原料供給口を有する二軸押出加工機を用いて、上流側の供給口から(A)熱可塑性樹脂を投入し、ダイ側の供給口から熱可塑性樹脂の外殻を有する(B)熱膨張性マイクロカプセルを投入して溶融混練する熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、
前記熱可塑性樹脂組成物は、シリンダー温度230℃、金型温度60℃で射出成形した厚さ3mm、長さ100mm、幅100mmの成形品を23℃、20RHに24時間放置後、比重計を用いて測定した比重に基づき、下記式(1)により示される軽量化度が10%以上であり、
軽量化度=100−[(B)熱膨張性マイクロカプセルを含有する熱可塑性樹脂組成物からなる成形品の比重/(A)熱可塑性樹脂のみからなる成形品の比重]×100 (1)
前記(A)熱可塑性樹脂がスチレン系樹脂、ゴム変性スチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも一種であり、
前記(B)熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度が140℃〜200℃であり、なおかつレーザー回折法によって測定される膨張前のメジアン径(D50)が0.1〜35μmであり、
前記二軸押出加工機が2箇所以上の混練部を有し、(A)熱可塑性樹脂と(B)熱膨張性マイクロカプセルを混合する混練部の長さ(L)と直径(D)との比率(L/D)が10以上であり、
前記(B)熱膨張性マイクロカプセルを投入する直前の樹脂温度が140〜240℃であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
2.前記(B)熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度が150℃〜200℃であることを特徴とする1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
3.前記(B)熱膨張性マイクロカプセルのメジアン径(D50)が0.1〜25μmであることを特徴とする1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
本発明の熱可塑性樹脂組成物および成形体は、軽量性に優れており、容器・包装材、家電・OA機器、雑貨、住宅設備資材、農林業資材等の多くの分野で使用可能である。
本発明で使用する押出加工機の模式図である。1 押出加工機2 第1供給口3 第2供給口4 真空ベント口5 熱可塑性樹脂組成物の排出口(ダイ)6 第1混練部7 第2混練部8 温度計
図1は、本発明の製造方法で使用する押出加工機の模式図である。以下、この押出加工機を用いて、熱可塑性樹脂の製造方法について説明する。
押出加工機1は、押出方向に並んで2箇所以上の原料供給口を有する。熱可塑性樹脂は、上流に位置する第1供給口(2)から投入する。熱膨張性マイクロカプセルは、ダイ側に位置する第2供給口(3)より投入する。第1供給口(2)から投入された熱可塑性樹脂は、第1混練部(6)を通り、第2混練部(7)で、第2供給部(3)から投入された熱膨張性マイクロカプセルと混合される。第2供給口(3)の前後に、熱膨張性マイクロカプセル以外の原料を投入するための供給口を増やしても良い。また、樹脂温度を観測するために、温度計(8)を取り付けたが、温度計が無くても、本製造方法には影響しない。
本発明の押出加工機としては、単軸押出機、二軸押出機、特殊押出機等が挙げられるが、熱膨張性マイクロカプセルを樹脂中に均一に分散させる観点から、二軸押出機が好ましい。
本発明では、第2混練部(7)の長さL(mm)と、直径D(mm)の比率(L/D)が10以上であることが好ましい。L/Dが10未満であると、熱膨張性マイクロカプセルが樹脂中に均一分散しにくくなるため好ましくない。
本発明では、図1において、温度計(8)の位置で観測される樹脂温度、つまり、熱膨張性マイクロカプセルを投入する直前の樹脂温度が、140℃〜240℃であることが好ましい。熱膨張性マイクロカプセルを投入する直前の樹脂温度が140℃未満であると、溶融混練装置内の樹脂圧力が高すぎて溶融混練出来ず好ましくない。また、熱膨張性マイクロカプセルを投入する直前の樹脂温度が240℃を超えると、熱膨張性マイクロカプセルが過度に軟化し、外殻が破壊されるため好ましくない。
本発明において使用する熱可塑性樹脂とは、熱可塑性を有する重合体であれば、特に限定されず、ポリスチレン(GPPS)樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、MS樹脂(メチルメタクリレート−スチレン共重合体)、無水マレイン酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体)等のゴム変性スチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等で、炭素数2〜10のα−オレフィンの少なくとも1 種からなるα−オレフィン(共)重合体並びにその変性重合体(塩素化ポリエチレン等)、環状オレフィン共重合体等のオレフィン系樹脂;アイオノマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のエチレン系共重合体; ポリ塩化ビニル、エチレン・塩化ビニル重合体、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の(メタ)アクリル酸エステルの1 種以上を用いた(共)重合体等のアクリル系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,12等のポリアミド系樹脂(PA);ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリアセタール樹脂(POM);ポリカーボネート樹脂(PC);ポリアリレート樹脂;ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル等のポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;液晶ポリマー;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のイミド系樹脂;ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のケトン系樹脂;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のスルホン系樹脂;ウレタン系樹脂;ポリ酢酸ビニル;ポリエチレンオキシド;ポリビニルアルコール;ポリビニルエーテル;ポリビニルブチラール;フェノキシ樹脂;ポリ乳酸樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、スチレン系樹脂、ゴム変性スチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂を用いることが好ましい。
上記、スチレン系樹脂とは芳香族ビニル化合物系単量体を重合して得られるものであり、ゴム状重合体を加えてゴム変性を行ったスチレン系樹脂をゴム変性スチレン系樹脂と呼ぶ。重合方法としては公知の方法、例えば、塊状重合法、塊状・懸濁二段重合法、溶液重合法等により製造することができる。芳香族ビニル化合物系単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の公知のものが使用できるが、好ましくはスチレンである。また、これらの芳香族ビニル化合物系単量体と共重合可能なアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のスチレン系単量体や無水マレイン酸等以外の単量体も、樹脂組成物の性能を損なわない程度ものであれば良い。さらに本発明ではジビニルベンゼン等の架橋剤をスチレン系単量体に対し添加して重合したものであっても差し支えない。
上記、ゴム変性スチレン系樹脂に用いるゴム状重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダムまたはブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−イソプレンのランダム、ブロック又はグラフト共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムなどが挙げられるが、特にポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダム、ブロック又はグラフト共重合体が好ましい。また、これらは一部水素添加されていても差し支えないし、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いても差し支えない。
熱可塑性樹脂の分子量は、重量平均分子量(Mw)で1万〜50万が好ましい。好ましくは、3万〜40万である。50万を超えると、熱可塑性樹脂組成物とした際の流動性が低く過ぎて成形性に劣り、1万未満だと成形品の耐熱性及び衝撃強度が劣るため好ましくない。
本発明で使用する熱膨張性マイクロカプセルとは、熱可塑性樹脂の外殻に、常温常圧で液状である炭化水素を内包させたカプセル状の粉体である。この熱膨張性マイクロカプセルを加熱すると、内部の炭化水素が気化して膨張し、それと同時に熱可塑性樹脂の外殻が軟化して膨張し、冷却すると中空粒子の形状を維持することができる。
熱膨張性マイクロカプセルの外殻に使用される熱可塑性樹脂としては、本発明の熱可塑性樹脂組成物を溶融成形する際に軟化するが、流動しない程度のガラス転移点もしくは融点を有する樹脂である必要があり、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体などが挙げられる。
上記熱膨張性マイクロカプセルに内包される炭化水素としては、プロパン、プロピレン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン等が挙げられる。
熱膨張性マイクロカプセルの膨張前の粒子径は、0.1〜35μmが好ましく、特に、0.1〜25μmが好ましい。粒子径が0.1μm未満であると、樹脂中に均一分散しにくくなるため好ましくない。また、35μmを超えると溶融混練工程において熱膨張性マイクロカプセルがせん断や衝突により破壊される易くなるため好ましくない。
本発明における熱膨張性マイクロカプセルの粒子径とは、レーザー回折法によって測定される、累積頻度が50%となる粒径(メジアン径D50)を意味する。
熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度は、150〜200℃であることが好ましい。膨張開始温度が150℃未満だと、膨張速度が速いために、樹脂組成物中に気泡を均一に発生させることが難しくなってしまう。一方、膨張開始温度が200℃を超えると熱膨張性マイクロカプセルが膨張しにくく、十分な軽量化効果が得られない可能性がある。
本発明における熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度とは、動的粘弾性装置(DMA)を用いて10℃/minの昇温速度で測定を行った際に、正方向への変移が開始された温度である。
本発明において、熱膨張性マイクロカプセルの供給量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1〜15質量部となるように調節することが好ましい。更に好ましい添加量は0.5〜10質量部である。熱膨張性マイクロカプセルが0.1質量部未満だと軽量化効果を示さず、15質量部を超えると成形品の外観が著しく悪化するため好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の要旨を超えない範囲で各種添加物、例えば難燃剤、染顔料、着色防止剤、滑剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、充填剤、相溶化剤等の公知の添加剤、酸化チタンやカーボンブラックなどの着色剤などの改質剤を添加できる。これらの添加剤は、押出加工機の上流側の供給口から熱可塑性樹脂と共に投入しても良いし、あるいはダイ側の供給口から熱膨張性マイクロカプセルと共に投入しても良い。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて更に成形加工を行う場合、その成形方法としては、押出成形、圧縮成形、射出成形、ブロー成形、射出ブロー成形、カレンダー成形が好ましい。
以下に本発明を実施例及び比較例によって詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<熱可塑性樹脂(A)>
(A);東洋スチレン株式会社製 ゴム変性ポリスチレン
ゴム状重合体=ポリブタジエンゴム、マトリックス部の重量平均分子量(Mw)=23万。
<熱膨張性マイクロカプセル(B)>
(B−1);マツモトマイクロスフェアFN−190SSD(松本油脂製薬株式会社製)
粒子径10μm、膨張開始温度160℃。
(B−2);Expancel 980DU120(日本フィライト株式会社製)
粒子径30μm、膨張開始温度165℃。
(B−3);Expancel 950DU80(日本フィライト株式会社製)
粒子径は20μm、膨張開始温度140℃。
[実施例1]
二軸押出機TEM26SXの最も上流側に取り付けたホッパー(第1供給口)より、熱可塑性樹脂(A)を供給量14.9kg/hで投入し、シリンダー中間に取り付けたホッパー(第2供給口)より、熱膨張性マイクロカプセル(B−1)を供給量0.1kg/hで投入して、ストランドを押し出し、水冷してからペレタイザーへ導き、ペレットを作製した。供給量から計算される配合比率は、(A)が100質量部に対して、(B−1)が0.67質量部である。第2混練部のL/Dは15.3であった。第2供給口の直前(温度計8)で測定した樹脂温度は230℃であった。
[実施例2]
二軸押出機TEM26SXの最も上流側に取り付けたホッパー(第1供給口)より、熱可塑性樹脂(A)を供給量13.6kg/hで投入し、シリンダー中間に取り付けたホッパー(第2供給口)より、熱膨張性マイクロカプセル(B−1)を供給量1.4kg/hで投入して、ストランドを押し出し、水冷してからペレタイザーへ導き、ペレットを作製した。供給量から計算される配合比率は、(A)が100質量部に対して、(B−1)が10.29質量部である。第2混練部のL/Dは15.3であった。第2供給口の直前(温度計8)で測定した樹脂温度は230℃であった。
[実施例3]
二軸押出機TEM26SXの最も上流側に取り付けたホッパー(第1供給口)より、熱可塑性樹脂(A)を供給量13.6kg/hで投入し、シリンダー中間に取り付けたホッパー(第2供給口)より、熱膨張性マイクロカプセル(B−2)を供給量1.4kg/hで投入して、ストランドを押し出し、水冷してからペレタイザーへ導き、ペレットを作製した。供給量から計算される配合比率は、(A)が100質量部に対して、(B−2)が10.29質量部である。第2混練部のL/Dは15.3であった。第2供給口の直前(温度計8)で測定した樹脂温度は230℃であった。
[実施例4]
二軸押出機TEM26SXの最も上流側に取り付けたホッパー(第1供給口)より、熱可塑性樹脂(A)を供給量13.6kg/hで投入し、シリンダー中間に取り付けたホッパー(第2供給口)より、熱膨張性マイクロカプセル(B−3)を供給量1.4kg/hで投入して、ストランドを押し出し、水冷してからペレタイザーへ導き、ペレットを作製した。供給量から計算される配合比率は、(A)が100質量部に対して、(B−3)が10.29質量部である。第2混練部のL/Dは15.3であった。第2供給口の直前(温度計8)で測定した樹脂温度は230℃であった。
[比較例1]
熱可塑性樹脂(A)100質量部と、熱膨張性マイクロカプセル(B−1)0.5質量部を粉体の状態で予備混合しておき、その混合粉体を、二軸押出機TEM26SXの最も上流側に取り付けたホッパー(第1供給口)より、供給量15kg/hで投入して、ストランドを押し出し、水冷してからペレタイザーへ導き、ペレットを作製した。第2供給口の直前の位置(温度計8)で測定した樹脂温度は250℃であった。
[比較例2]
熱可塑性樹脂(A)100質量部と、熱膨張性マイクロカプセル(B−1)10質量部を粉体の状態で予備混合しておき、その混合粉体を、二軸押出機TEM26SXの最も上流側に取り付けたホッパー(第1供給口)より、供給量15kg/hで投入して、ストランドを押し出し、水冷してからペレタイザーへ導き、ペレットを作製した。第2供給口の直前の位置(温度計8)で測定した樹脂温度は250℃であった。
[比較例3]
熱可塑性樹脂(A)100質量部と、熱膨張性マイクロカプセル(B−2)10質量部を粉体の状態で予備混合しておき、その混合粉体を、二軸押出機TEM26SXの最も上流側に取り付けたホッパー(第1供給口)より、供給量15kg/hで投入して、ストランドを押し出し、水冷してからペレタイザーへ導き、ペレットを作製した。第2供給口の直前の位置(温度計8)で測定した樹脂温度は250℃であった。
[比較例4]
熱可塑性樹脂(A)100質量部と、熱膨張性マイクロカプセル(B−3)10質量部を粉体の状態で予備混合しておき、その混合粉体を、二軸押出機TEM26SXの最も上流側に取り付けたホッパー(第1供給口)より、供給量15kg/hで投入して、ストランドを押し出し、水冷してからペレタイザーへ導き、ペレットを作製した。第2供給口の直前の位置(温度計8)で測定した樹脂温度は250℃であった。
実施例及び比較例に示した各種測定は以下の方法により実施した。
<重量平均分子量>
熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、下記に示す条件で、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した。サンプルは、熱可塑性樹脂をメチルエチルケトン(MEK)/アセトンの50%/50%(体積比)混合溶媒に溶解させた後、遠心分離機H−2000B(ローター:H)(株式会社コクサン製)を用いて、ゴム状分散粒子を除去し、メタノール中で再沈殿させることによって調製した。
装置:「Shodex GPC−101」(昭和電工株式会社製)
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 5μm MIXED−C
移動相:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃、注入口35℃、検出器35℃
検出器:示差屈折計
<粒子径>
熱膨張性マイクロカプセルの粒子径は、レーザ回折方式粒子径分布測定装置「LA−950」(株式会社堀場製作所製)によりメジアン径(D50)を測定した。
<膨張開始温度>
熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度は、動的粘弾性装置(DMA)「Q−800」(TA Instruments製)を使用して、熱膨張性マイクロカプセル0.5mgを直径6.0mm、深さ4.8mmのアルミカップに入れ、上部にアルミ蓋をのせ、加圧0.01Nの力を加えた状態で、20℃から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱し測定した。
<軽量化度>
成形品の軽量化の指標として、以下の式(1)により軽量化度を評価した。

軽量化度=100−[(B)熱膨張性マイクロカプセルを含有する熱可塑性樹脂組成物からなる成形品の比重/熱可塑性樹脂のみからなる成形品の比重]×100 (1)

ここで成形品の密度は、下記条件の射出成形にて100角板(厚さ3mm、長さ100mm、幅100mm)を作製し、23℃,20RHに24時間放置後、比重計を用いて測定した。測定した成形品の軽量化度が10%以上であれば合格、10%未満は不合格とした。
射出成形機:日本製鋼所株式会社製J100E−P
シリンダー温度:230℃
金型温度:60℃
電子比重計:アルファミラージュ株式会社製MDS−300
下記表1および2に結果を示した。
Figure 0006745595
Figure 0006745595
表1及び表2からわかるように、本発明の製造方法(実施例1〜4)は、従来の製造方法(比較例1〜4)に比べて、軽量化度が高い成形品が得られる。
また、表1から、粒子径が0.1〜25μm、なおかつ膨張開始温度が150〜200℃である熱膨張性マイクロカプセル(B−1)を使用した場合(実施例1〜2)には、粒子径が25μmよりも大きい熱膨張性マイクロカプセル(B−2)を使用した場合(実施例3)及び膨張開始温度が150℃未満の熱膨張性マイクロカプセル(B−3)を使用した場合(実施例4)よりも、軽量化度が大きな成形品が得られることがわかる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は軽量性に優れており、容器・包装分野、家電・OA機器分野、雑貨分野、住宅設備分野、農林業分野等の様々な分野での利用可能である。


Claims (3)

  1. 押出方向に並んで2箇所以上の原料供給口を有する二軸押出加工機を用いて、上流側の供給口から(A)熱可塑性樹脂を投入し、ダイ側の供給口から熱可塑性樹脂の外殻を有する(B)熱膨張性マイクロカプセルを投入して溶融混練する熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、
    前記熱可塑性樹脂組成物は、シリンダー温度230℃、金型温度60℃で射出成形した厚さ3mm、長さ100mm、幅100mmの成形品を23℃、20RHに24時間放置後、比重計を用いて測定した比重に基づき、下記式(1)により示される軽量化度が10%以上であり、
    軽量化度=100−[(B)熱膨張性マイクロカプセルを含有する熱可塑性樹脂組成物からなる成形品の比重/(A)熱可塑性樹脂のみからなる成形品の比重]×100 (1)
    前記(A)熱可塑性樹脂がスチレン系樹脂、ゴム変性スチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも一種であり、
    前記(B)熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度が140℃〜200℃であり、なおかつレーザー回折法によって測定される膨張前のメジアン径(D50)が0.1〜35μmであり、
    前記二軸押出加工機が2箇所以上の混練部を有し、(A)熱可塑性樹脂と(B)熱膨張性マイクロカプセルを混合する混練部の長さ(L)と直径(D)との比率(L/D)が10以上であり、
    前記(B)熱膨張性マイクロカプセルを投入する直前の樹脂温度が140〜240℃であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記(B)熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度が150℃〜200℃であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記(B)熱膨張性マイクロカプセルのメジアン径(D50)が0.1〜25μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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