JP6744299B2 - 電気的接続部の構造,この構造が適用されたロータ及びモータ並びに電気的接続部の形成方法 - Google Patents

電気的接続部の構造,この構造が適用されたロータ及びモータ並びに電気的接続部の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、モータの通電部品の端子と巻線との電気的接続部における構造と、この構造が適用されたロータ及びモータと、電気的接続部の形成方法とに関する。
従来、車載電装品や事務機器といった様々な装置の動力源となるモータとして、永久磁石界磁式のDCモータが使用されている。例えば、永久磁石が固定されたステータ(固定子)に対して巻線を巻回させたロータが回転自在に軸支されたブラシ付きのモータが知られている。このモータは、巻線を流れる電流の方向をステータ側のブラシとロータ側のコミテータとを用いて切り替えることで、ロータが回転するようになっている。
コミテータの端子と巻線の端部とは、半田付けや溶接といった熱接合(熱を利用した接合処理)によって溶着されるか、あるいはヒュージングによって固着されることで電気的に接続される。なお、電気ノイズの原因となるサージ電圧を吸収するバリスタをコミテータに装着したモータにおいて、コミテータの端子と巻線の端部とをバリスタの金属端子と一体で溶接したものもある(例えば特許文献1)。
特開2006−296023号公報
ところで、コミテータの端子と巻線の端部とを熱接合により電気的に接続する場合には、巻線を端子に絡げて係止させたのち、端子の先端側から溶接や半田付け等を行うのが一般的である。このとき、巻線はロータコア等に対して所定の張力(いわゆる巻線テンション)で巻回されていることから、端子に絡げた巻線の端部側にはロータコア等へ向かう引張力が作用した状態となる。また、この状態で端子に係止された巻線の端部が緩むことなく静止していれば、巻線の端部には上記の引張力以上の力で端子に留まろうとする力が作用していることになる。つまり、巻線を端子に絡げて係止させた状態では、巻線の端部側には引張力とそこに留まろうとする力とが作用しているが、ここに熱接合時の熱が加わって後者の力が前者の力よりも小さくなると、巻線の断線を招くことになる。
このような課題に対し、例えば熱接合時に巻線の端部側に引張力が作用しないように保持する手段を設けておき、熱接合時には引張力を限りなく小さくすることで熱接合時の断線を防止することが考えられる。しかしながら、このような手法では、保持する手段を取り除いた後、熱接合により端子に生成された溶融玉の根元に位置する巻線には、上記の引張力が常に作用した状態となる。そのため、経年変化によってこの根元の部分が断線するおそれがある。特に、モータサイズが小さく巻線の線径が細いほど、根元の部分に対する引張力の影響が大きくなるため、断線のおそれが大きくなる。
本件は、このような課題に鑑み案出されたもので、モータの通電部品の端子と巻線とを熱接合したのちの断線を防止できるようにした電気的接続部の構造及びその形成方法、並びにこの電気的接続部の構造が適用されたロータ及びモータを提供することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
(1)ここで開示する電気的接続部の構造は、モータの通電部品の端子と巻線とを熱接合した電気的接続部の構造であって、前記端子は、基端側に位置する係止部と、先端側に位置する溶融部と、を有し、前記巻線は、前記係止部に対して巻回されるとともに一端部が前記溶融部で生成される溶融玉に繋がった絡げ部と、巻回状態で設けられた前記モータの主巻線部から張設されて前記絡げ部の他端部に連続した接続線部と、を有し、前記絡げ部の前記一端部は、前記接続線部を前記主巻線部側へと引っ張る張力が作用しない状態であり、熱接合後の前記絡げ部は、前記係止部に対する巻回状態をとどめる支持力が作用した状態であり、前記支持力は前記張力よりも大きいことを特徴としている。
(2)前記端子は、前記係止部と前記溶融部とを区画するとともに前記支持力が前記張力よりも大きい状態を維持する区画部を有することが好ましい。
)前記溶融玉は、前記端子の先端側から前記巻線を熱接合した時に前記区画部により進行を制限されて生成されたものであることが好ましい。
)前記区画部が、前記係止部よりも横断面積が大きいことが好ましい。
)前記区画部が、前記係止部よりも拡幅して形成された幅広部を含むことが好ましい。
)前記区画部が、前記係止部よりも肉厚に形成された肉厚部を含むことが好ましい。
)前記溶融部に前記区画部よりも横断面積を減少させる切欠き部が形成されていたことが好ましい。
)前記区画部が、前記溶融玉の材料よりも溶けにくい性質を持つ材料で形成された異質部を含むことが好ましい。
)前記端子には、前記基端側から順に前記係止部と前記区画部と前記溶融部とが設けられ、前記絡げ部には、前記区画部を斜めに横断するわたり線部が含まれるとともに、前記わたり線部は、前記端子における前記主巻線部側の一面に沿う本数が、前記一面と逆側の他面に沿う本数未満となるように配置されることが好ましい。
10)前記通電部品には、前記モータのコアとともに前記巻線が巻回される導通板が含まれ、前記わたり線部は、前記導通板の前記端子では前記他面側にのみ設けられることが好ましい。
11)前記溶融玉は、前記端子の前記他面側に位置することが好ましい。
12)前記通電部品には、前記モータのコアとともに前記巻線が巻回される導通板が含まれ、前記接続線部は、前記導通板の前記端子における前記基端側と前記先端側とを結ぶ長手方向と直交する幅方向において、前記接続線部の両端部が互いに同一側に位置することが好ましい。
13)前記巻線の先端が前記溶融部に位置することが好ましい。
14)前記巻線は、前記溶融部に対して重ならずに巻回されていることが好ましい。
15)前記溶融部が、前記巻線の材料よりも融点の低い材料で形成されていることが好ましい。
16)前記溶融部の材料がリン青銅であり、前記巻線の材料が無酸素銅であることが好ましい。
17)ここで開示するロータは、上記の(1)〜(16)の何れか1つに記載の前記電気的接続部の構造によって前記通電部品の前記端子と前記巻線とが接続されたことを特徴としている。
18)また、ここで開示するモータは、上記の(1)〜(16)の何れか1つに記載の前記電気的接続部の構造によって前記通電部品の前記端子と前記巻線とが接続されたことを特徴としている。
19)ここで開示する電気的接続部の形成方法は、基端側に係止部、先端側に溶融部を持つとともにモータの巻線と熱接合される端子を有する通電部品の前記端子と前記巻線との電気的な接続部を形成する方法であって、巻回工程と接合工程とを備える。前記巻回工程では、前記巻線を巻回状態とした前記モータの主巻線部と、前記主巻線部との間に接続線部を介して前記巻線を前記係止部に巻回させた第一巻線部と、前記第一巻線部から連続的に前記巻線を前記溶融部に巻回させた第二巻線部と、を設ける。前記接合工程では、前記巻回工程と並行又はその後に、前記溶融部を溶融して前記第二巻線部と熱接合する。さらに、前記巻回工程では、前記係止部に対する前記第一巻線部の支持力が前記接続線部を前記主巻線部側へと引っ張る力よりも大きくなるように前記巻線を巻回し、前記接合工程では、前記支持力が前記張力よりも大きい状態を維持したまま熱接合を終了する。
20前記形成方法は、前記巻回工程の前に、前記端子の前記基端側を前記係止部とし前記先端側を前記溶融部とするとともに前記溶融部よりも前記基端側を前記溶融部よりも溶融しにくい溶融困難部とした所定形状に前記端子を成形する成形工程を備えることが好ましい
開示の電気的接続部の構造及び形成方法によれば、絡げ部(第一巻線部)の一端部には、接続線部に作用している張力が作用しないことから、巻線テンションによる応力がかからない。これにより、経年変化による一端部での断線を防止することができる。また、電気的接続部に振動が加わった場合であっても、一端部は張力が作用しない状態であるため、振動による断線も防止することができる。
実施形態に係る電気的接続部の構造が適用されたロータを備えたモータの軸方向半断面図である。 図1のロータの結線前における状態を分解して示す斜視図である。 図1のロータを構成する部品のうち、(a)はコアを軸方向から見た図、(b)は導通板を軸方向から見た図、(c)はコミテータの斜視図である。 図1のロータの結線後かつ導通板への溶接後の状態を示す部分側面図である。 図4のロータの結線前の状態を示す軸方向断面図である。 実施形態に係る電気的接続部の構造が適用された導通板端子の模式図であり、(a)は溶接前、(b)は溶接後を示す。 断線の発生メカニズムを説明するための模式図であり、(a)は溶接前、(b)は溶接後を示す。 (a)は溶融困難部の位置を説明するための図であり、(b)は溶融困難部による作用を説明するグラフである。 実施形態に係る接続部の形成方法を含むロータの製造方法の一例を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は、図6(a)の導通板端子の変形例を示す模式図である。 (a)〜(f)は、溶融困難部の変形例を示す模式図である。 変形例に係る導通板端子に対する巻線の巻回状態を示す模式図であり、(a)は軸方向から見た図、(b)は径方向から見た図である。 (a)及び(b)は、溶接後の図12(a)及び(b)のそれぞれに対応する図である。 図12(a)の変形例である。 コミテータ端子に対する巻線の巻回状態を示す模式図(軸方向から見た図)である。
図面を参照して、実施形態としての電気的接続部の構造と、この構造が適用されたロータ及びモータと、電気的接続部の形成方法について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
本実施形態では、ブラシ付きのDCモータを例示し、このモータのロータを構成する通電部品の端子と巻線とを熱接合により電気的に接続する接続部の構造について説明するとともに、熱接合により電気的に接続した接続部の構造について説明する。また、本実施形態では、巻線の巻回方式(回路構成)としてY結線方式(Y結線の回路)を例示する。すなわち、本実施形態のロータは、Y結線方式により接続された巻線と、この巻線の一端が接続されるコミテータと、巻線の他端が接続される導通板とを備えている。
コミテータ及び導通板は、上記の通電部品に含まれる。本実施形態では、コミテータの端子と巻線との接続部は半田付けにより接合し、導通板の端子と巻線との接続部は溶接により接合する場合を例示する。以下の説明では、モータ及びロータの各構成を説明するとともに、通電部品としてのコミテータ及び導通板の各端子と巻線との接続部の接続構造について説明する。次いで、接続部の形成方法を説明する。
[1.全体構成]
図1は、本実施形態のDCモータ1(以下「モータ1」という)の軸方向半断面図である。モータ1は、永久磁石界磁式のブラシ付き直流モータであり、ステータ2,ロータ3,エンドベル4を備える。
ステータ2は、有底筒状に形成されたハウジング2Aと、ハウジング2Aの内周面に沿って固定された永久磁石2Bとを備える。永久磁石2Bは、ロータ3が組み立てられた状態で、ロータ3のコア20と対向し、囲むように軸方向へ延設される。本実施形態の永久磁石2Bの軸方向における一端及び他端は、いずれもコア20の対応する一端及び他端を越えた位置に配置される。ハウジング2Aには、永久磁石2Bのエンドベル4側の端面とエンドベル4との間に空間2Cが形成される。また、ハウジング2Aの底部中央には円形状の孔部2hが貫設され、この孔部2hには軸受ホルダ2Dが内嵌される。軸受ホルダ2Dは、ロータ3のシャフト10の一端を回転自在に支持する軸受2Eを有する。
エンドベル4は、ハウジング2Aの開口部に固定される本体部4Aと、本体部4Aに保持されるブラシ4Bと、モータ1へ電力を供給するための二つのターミナル4Cとを備える。ブラシ4Bは、後述するコミテータ40のブラシ接触部42aに摺動接触する部品であり、ブラシベース部(図示略)にて支持されるとともにターミナル4Cと接続される。ターミナル4Cは、エンドベル4がハウジング2Aに固定された状態でハウジング2Aの外部に突出するように本体部4Aに固定される。本体部4Aの中央には円形状の孔部4hが貫設され、この孔部4hにはシャフト10の他端を回転自在に支持する軸受4Eが内嵌される。
ロータ3は、シャフト10と一体回転するコア20と、シャフト10に固定されたコミテータ40と、導通板50とを備える。シャフト10は、ロータ3を支持する回転軸であり、モータ1の出力を外部に取り出す出力軸としても機能する。コア20は、同一形状の複数の鋼板が積層された積層コアであり、その中心には、鋼板の積層方向に軸方向を一致させた状態でシャフト10が固定される。さらに、コア20には、Y結線方式により接続される巻線30が巻回される。
図2及び図3(a)に示すように、本実施形態のコア20は、三回回転対称性を持った外形を有する。具体的には、コア20は、シャフト10が挿通されるとともに三つのキー溝25が形成された中央部21と、中央部21から径方向外側に放射状に延設された三つのティース部22と、各ティース部22の外端部において周方向に互いに離隔して設けられた三つの円弧部23とから構成され、各ティース部22の先端側に位置する円弧部23とで囲まれたスロット24が形成される。このスロット24は、コア20の軸方向に延びた溝であり、コア20の周方向において等間隔に三つ形成される。コア20のティース部22には、そのティース部22の両側のスロット24を通して所定のターン数だけ巻線30が巻回される。なお、巻線30が巻回されるコア20の部分には絶縁層(図示略)がコーティングされており、絶縁性が保たれている。
図4に示すように、巻線30は、電流が流れることで磁力を生じさせる絶縁電線である。本実施形態の巻線30の材料は、高純度銅(無酸素銅)であり、例えばポリウレタン等の被膜で覆われたエナメル銅線である。なお、巻線30が高純度銅以外(例えばリン青銅,銅合金,銅以外の金属)の材料で形成されたものであってもよい。コア20の各ティース部22に巻回された巻線30は、Y結線方式により接続される。すなわち、巻線30は、その一端が後述するコミテータ40の三つの端子42b(以下「コミテータ端子42b」という)のうちの一つに接続されたのち、コア20の三つのティース部22のうちの一つに巻回されるとともに、その他端が後述する導通板50の三つの端子53(以下「導通板端子53」という)のうちの対応する一つに接続される。例えば巻回装置によってこの処理が各ティース部22に実施されることで、Y結線方式のロータ3を形成することができる。以下、コア20に巻回された巻線30を主巻線部34と呼び、主巻線部34のうちコア20の端面から盛り上がった部分(山状に膨出した部分)を巻山35と呼ぶ。すなわち、主巻線部34は、巻線30のうち巻回状態で設けられて磁力を生じさせる部分である。
図2及び図3(c)に示すように、コミテータ40は、シャフト10に固定された樹脂製でかつ筒状の絶縁部品である支持体41と、金属製の三つのコミテータ片42とを有する。本実施形態のコミテータ片42の材料は、高純度銅(無酸素銅)である。なお、コミテータ片42は、少なくともろう付け材料(例えば半田)の融点よりも高い材料であればよく、例えば、リン青銅,銅合金,銅以外の金属(金,銀等)の材料で形成されたものでもよい。本実施形態のコミテータ40には、図5に示すように、電気ノイズの原因となるサージ電圧を吸収するバリスタ43が押さえ部材44の外周側に配置されて装着される。
コミテータ40における支持体41は、コミテータ片42が装着される第一円筒部41aと、第一円筒部41aよりも拡径された中間部41bと、中間部41bを挟んで第一円筒部41aの逆側に設けられた第二円筒部41cと、第二円筒部41cから軸方向に突設された三つの足部41d(絶縁部)とを有する。第二円筒部41cの周囲には巻山35が位置する(図1及び図4参照)。また、足部41dは、第二円筒部41cの環状の縁部から突設された突起であり、周方向に等間隔に設けられる。足部41dは、シャフト10に対する導通板50の周方向及び径方向位置を規制するとともに導通板50とシャフト10との間を絶縁するように機能する。
コミテータ片42は、ブラシ4Bが摺動接触するブラシ接触部42aと、巻線30が接続されるコミテータ端子42bとを有する。ブラシ接触部42aは、円筒を三分割した形状をなし、内周面が支持体41の第一円筒部41aの外周面に面接触される。コミテータ片42は、ブラシ接触部42aの内周面を第一円筒部41aの外周面に面接触させた状態で、環状の押さえ部材44を装着することにより支持体41に固定される。
コミテータ端子42bは、ブラシ接触部42aの円弧状端部から径方向外側へ突設された平板状の部位であり、巻線30が数回巻きつけられて係止(フッキング)されたのち溶接や半田付けといった熱接合(熱を利用した接合処理)により接合される。本実施形態のコミテータ端子42bは、半田付けによって巻線30と接合される。図4中の黒塗りの部位45は半田を示す。なお、本実施形態のコミテータ端子42bの材料は、高純度銅(無酸素銅)である。
コミテータ端子42bは、長手方向(径方向)の基端側に位置する係止部42cと、先端側に位置する溶融部42dと、これらの間に設けられた幅広部42eとを有する。すなわち、コミテータ端子42bには、径方向内側から外側に向かって順に、係止部42c,幅広部42e,溶融部42dが設けられる。なお、コミテータ端子42bの具体的な形状を含む接続構造〔コミテータ端子42bと巻線30との接続部の構造〕については、後述する。
導通板50は、電気的中性点を形成する金属製の板状部品であり、図1及び図5に示すように、コミテータ40のコミテータ端子42bとコア20との間でシャフト10に対してコミテータ40の足部41dを介して外嵌される。導通板50は、巻線30と接続される導通板端子53が、コア20に巻回された巻線30の巻山35よりもエンドベル4側に位置し、且つ、コミテータ端子42bよりもコア20側に位置するように設けられる。すなわち、導通板50は、導通板端子53が巻山35ともコミテータ端子42bとも離隔するように、その軸方向位置が巻山35とコミテータ端子42bとの中間部70に設定される。これにより、導通板端子53とブラシ4Bとの干渉が回避されるとともに、導通板端子53と巻線30とを熱接合するときの熱が巻線30に伝わりにくくなる。
図2及び図3(b)に示すように、導通板50は、三回回転対称性を持った外形を有する。具体的には、導通板50は、シャフト挿通用の貫通孔51hを中心に持つ平面部51と、平面部51よりも径方向外側に設けられた三つの導通板端子53と、これらの間に連続して設けられた立壁部52とを有する。本実施形態の導通板50は、高純度銅(無酸素銅)の一枚板で形成される。なお、導通板50の材料は高純度銅(無酸素銅)に限られず、例えばリン青銅,銅合金,銅以外の金属(金,銀等)でもよい。少なくとも、ろう付け材料(例えば半田)の融点よりも高い材料によって導通板50が形成されていればよい。
平面部51は、電気的中性点を形成する部位であり、シャフト10が挿通される環状部51aと、環状部51aから径方向外側へ放射状に延設された三つの延設部51bとを有する。三つの延設部51bのそれぞれを径方向へ延長したときの延長線上に、立壁部52及び導通板端子53が設けられる。環状部51aの中心の貫通孔51hは、シャフト10の外径よりも一回り大きい内径を有し、さらにコミテータ40の支持体41の足部41dが係合される凹部51gを有する。これにより、導通板50はシャフト10に対して非接触とされるともに、足部41dを介してシャフト10に対する周方向及び径方向位置が規制される。なお、足部41dはコア20のキー溝25にも係合する。
立壁部52は、導通板端子53の軸方向位置を規定するための部位であり、平面部51における延設部51bの径方向外側の端部から、平面部51と交差する方向へ延設(立設)される。図2〜図5に示すように、本実施形態の導通板50は、平面部51がコア20の端面に絶縁層を介して載置される。すなわち、導通板50は、延設部51bがコア20のティース部22上に載置され、平面部51にはティース部22と共に巻線30が巻回される。立壁部52は、平面部51をコア20の端面に載置したときに導通板端子53の位置を規定することから、導通板50の位置決めが容易となる。
導通板端子53は、立壁部52の延設部51bとは逆側の端部(延設方向端部)から径方向外側へ突設された平板状の部位であり、巻線30が数回巻きつけられて係止(フッキング)されたのち溶接や半田付けといった熱接合により接合される。本実施形態の導通板端子53は高純度銅(無酸素銅)で成形されており、TIG溶接によって巻線30と接合される。図1,図4及び図6(b)中の網目模様を付けた部位55は、導通板端子53が溶けて固まることで生成された溶融玉を示す。なお、溶接の種類はTIG溶接に限られず、他のアーク溶接を採用してもよい。導通板端子53の具体的な形状を含む接続構造〔導通板端子53と巻線30との接続部の構造〕については、後述する。
本実施形態の導通板端子53は、導通板50がシャフト10に対して外嵌された組立状態で、シャフト10の軸方向と直交するように立壁部52から外方へ突設される。これにより、巻線30と導通板端子53とを熱接合する際に、導通板端子53に狙いをつけやすくなるため、接合作業性が向上する。また、軸方向と直交する方向に導通板端子53を設けることで、接合時の溶接電極は軸方向と直交する方向のみに移動させればよくなり、製造設備の制御が容易となる。さらに、導通板端子53がシャフト10の軸方向と直交する方向に突設されることで、巻山35からの距離が遠くなり、接合時の熱が巻線30に対してより伝わりにくくなる。
なお、本実施形態の立壁部52は平面部51から垂直方向に屈曲形成されて立設されており、シャフト10の軸方向と平行に設けられていることから、導通板端子53は立壁部52に対して直交する方向に突設されている。このように、立壁部52が平面部51に対して直交する方向に延設されることで、所定の位置に導通板端子53を配置するために必要となる立壁部52の長さが最小となる。
導通板端子53は、巻山35とコミテータ端子42bとの中間部70の軸方向における中央領域に配置される。これは、導通板端子53が巻山35から遠いほど巻線30に伝わる熱の影響が小さくなるというメリットと、導通板端子53が巻山35に近いほど巻線30を巻回しやすいというメリットとが存在するためである。すなわち、導通板端子53の軸方向位置を中間部70の中央領域とすることで、接合時の熱の伝わりを抑制しつつ、コア20に対する巻回作業のしやすさが確保される。なお、ここでいう中央領域とは、厳密に中間部70の軸方向長さLの中心ではなく、中心を含んだ所定幅を意味する。すなわち、導通板50は、平面部51をコア20の端面に載置した状態で、導通板端子53が巻山35とコミテータ端子42bとほぼ等距離となる中央領域内に位置するように、立壁部52の高さ(軸方向長さ)が設定される。
すなわち、導通板端子53は、その先端がコア20の外周面よりも径方向外側に位置し、巻山35から離隔して設けられる。これにより、接合時の熱が巻線30に対してさらに伝わりにくくなる。また、巻線30は、導通板50の立壁部52よりも径方向内側にしか巻回することができない。これに対し、導通板端子53がコア20の外周面よりも径方向外側に突設されることで相対的に立壁部52の径方向位置がコア20の外周面の位置と同程度となり、巻線30を巻回できるスペース(径方向長さ)が広くなる。つまり、平面部51の延設部51bの径方向長さがティース部22の径方向長さと同程度となるため、コア20に巻回できる巻線30の幅(径方向長さ)が、導通板50によって制限されることがない。
なお、導通板端子53は溶接前後で長手方向長さが変化しうるが、溶接前後において、導通板端子53がコア20の外周面よりも径方向外側に突設されることが好ましい。また、導通板端子53は、図1に示すように、ロータ3がステータ2に組み立てられた状態で、ハウジング2A内の空間2Cに配置される。このとき、導通板端子53は、ハウジング2Aの内周面と非接触とされる。言い換えると、導通板50は、ロータ3がステータ2に組み立てられた状態で(すなわち溶接後の形状が)、ハウジング2Aの内周面に接触しないような形状とされる。
本実施形態の導通板50にはコア20と共に巻線30が巻回されることから、導通板50は、巻線30に対して絶縁される。具体的には、図2,図4及び図5に示すように、導通板50のシャフト先端側を向いた面(コア20とは逆側の面)には、絶縁体60が接触配置される。絶縁体60は、三回回転対称性を持った外形を有する絶縁部品である。本実施形態の絶縁体60は、平面部51の絶縁層とは逆側の面に載置される絶縁平面部61と、立壁部52の内側面(径方向内側に向いた面)に沿って延在する絶縁立壁部62とを有する。本実施形態の絶縁体60は、耐熱グレードの高い材料で成形される。
絶縁平面部61は、導通板50における平面部51の環状部51aよりも径方向及び周方向に一回り大きな環状部と、環状部から径方向外側へ放射状に延設された三つの延設部とを有する。また、絶縁立壁部62は、導通板50の立壁部52よりも周方向に一回り大きな形状に形成され、軸方向長さが導通板50の平面部51から導通板端子53に達する長さに形成される。これにより、導通板50と巻線30との絶縁性が確保される。さらに、絶縁立壁部62は、導通板50の導通板端子53と巻山35との間に立設される。これにより、接合時の熱の伝わりが絶縁体60によって遮断される。言い換えると、絶縁体60が遮熱板としても機能する。
[2.接続部の構造]
次に、導通板端子53と巻線30との接続部の構造(接続構造)について、導通板端子53の具体的な形状を説明しながら併せて説明する。図6(a)及び(b)は導通板端子53を拡大した模式図であり、(a)が溶接前,(b)が溶接後の形状である。なお、これらの図は、導通板端子53を軸方向から(導通板端子53の板厚方向に)見た図である。本実施形態では、巻線30の一端と接続されるコミテータ端子42bが、導通板端子53と同様の形状に形成されるとともに導通板端子53と同様の機能を有している。そのため、コミテータ端子42bと巻線30との接続部の構造については、導通板端子53の説明後に簡単に説明する。
図6(a)に示すように、溶接前の導通板端子53は、長手方向(径方向)の基端側に位置する係止部53aと、先端側に位置する溶融部53bと、これらの間に設けられた幅広部53c(区画部)とを有する。
本接続構造では、係止部53a及び溶融部53bは互いに同一の幅及び厚みを有し、何れも巻線30が数回巻きつけられる部位である。ただし、溶接されるのは溶融部53bであり、係止部53aにおける巻線30の絡げ状態は溶接前後において変化しない。すなわち、溶融部53bに巻回された巻線30(以下「第二巻線部32」という)は、導通板端子53に対して熱接合される熱接合部として設けられ、係止部53aに巻回された巻線30(以下「第一巻線部31」という)は、導通板端子53に熱接合されない非熱接合部として設けられる。なお、第一巻線部31(絡げ部)は、主巻線部34との間に張力(後述する接続張力F1)が作用した状態の接続線部33を介して設けられた巻線30の一部であり、第二巻線部32は、第一巻線部31と連続して設けられた巻線30の一部である。すなわち、接続線部33は、主巻線部34から張設されて第一巻線部31の他端部に連続した巻線30の一部である。
係止部53aには、コア20に巻回された主巻線部34の張力(いわゆる巻線テンション)と略同一の張力(接続張力F1)が作用した状態の接続線部33を介して、所定の張力(いわゆるフッキングテンション)で巻線30が数回巻きつけられる。この係止部53aは、溶接の前後において、巻線30を導通板端子53に係止しておく機能を持つ。また、溶融部53bには、第一巻線部31と略同一の張力で第一巻線部31から連続的に巻線30が数回巻きつけられる。溶融部53bは、溶接時に巻線30とともに溶けて、図6(b)に示すような溶融玉55が生成される部分であり、導通板端子53と巻線30とを溶着することで電気的に接続する機能を持つ。
幅広部53cは、係止部53aと溶融部53bとの間に位置してこれらを区画し、係止部53a及び溶融部53bよりも拡幅して(幅が広くなるように)形成された部位である。すなわち、幅広部53cは、係止部53a及び溶融部53bよりも横断面積(長手方向に直交する方向に切断した断面積)が大きい。これにより、幅広部53cは、導通板端子53において他の部位53a,53bよりも熱容量が大きくなることから、溶融部53bよりも基端側において、溶融部53bよりも溶けにくい性質を持った溶融困難部として機能する。
本実施形態の幅広部53cは、軸方向から見た形状が長円形状をなし、その厚みは係止部53a及び溶融部53bと同一に設けられる。導通板端子53の全体形状は、軸方向から見たときに十字形状となる。なお、幅広部53cが矩形状,楕円形状,三角形状等に形成されていてもよい。巻線30は、幅広部53cに対しては巻回されずに、斜めに横断するように設けられる。
幅広部53c(溶融困難部)は、溶接時における溶融速度を落とすための部位であり、導通板端子53に対して先端側から溶接したときの溶融玉55の進行を遅らせる。言い換えると、溶融玉55は、幅広部53cにおいて進行を制限される(遅くなる)ことから、この間に(溶融玉55が幅広部53cに存在する間に)溶接作業を終わらせれば、係止部53aが溶けることはなく、導通板端子53に対する巻線30の係止状態が保持される。つまり、本接続構造では、導通板端子53に対して、巻線30を係止部53a及び溶融部53bの両方に巻きつけ、係止部53a及び溶融部53bのうち後者のみが溶融するように幅広部53cを設けることで、溶接時における巻線30の断線を防止する。このように、幅広部53cは、溶融部53b側から溶接をしたときに溶融玉55が係止部53aに進行しないように制限する(堰き止める)機能を有する。
溶接時における断線の発生メカニズムについて、図7(a),(b)を用いて説明する。図7(a),(b)は、上述した導通板端子53の形状を簡素化した端子5に対して巻線6を巻きつけた状態を示した図に、溶接長さに対する力の関係(グラフ)を併せて示したものであり、(a)が溶接前,(b)が溶接後の形状である。端子5は、一種類の材料で平板状に形成されたものであり、一様な断面形状を持つ。巻線6は、上述した巻線30に対応し、端子5の基端側に巻回された第一巻線部6a(絡げ部)と、第一巻線部6aと連続して設けられ端子5の先端側に巻回された第二巻線部6bと、巻回状態で設けられた主巻線部6dから張設されて第一巻線部6aの端部(他端部)に連続した接続線部6cとを有する。
接続線部6cには、端子5に巻きつけられた巻線6(すなわち第一巻線部6a及び第二巻線部6b)を主巻線部6d側へと引っ張る力(以下「接続張力F1」と呼ぶ)が作用している。接続張力F1は、巻線6を所定の部品(例えばロータコア)に対して所定の張力(いわゆる巻線テンション)で巻回させることで発生する力であり、巻線テンションと同等の力かやや強い力である。
一方、第一巻線部6a及び第二巻線部6bには、端子5に対して巻回された状態のまま留まろうとする力(巻回状態を保持する力,以下「支持力F2」と呼ぶ)が作用している。支持力F2は、巻線6の摩擦力と巻線6の剛性力とを加えた力に相当する。巻線6の摩擦力は、巻線6を端子5に巻回させるときの張力(いわゆるフッキングテンション),巻線6の太さ,端子5への巻線6の巻き数等によってその大きさが決まる。また、巻線6の剛性力は、巻線6の剛性によってその大きさが決まる。なお、図7(a),(b)中の支持力F2は、接続張力F1に抗する力であることをわかりやすくするために、接続張力F1を示す矢印と逆向き(図中左向き)の矢印で表現している。
図7(a)に示すように、溶接前の状態(溶接長さが0)では、端子5に巻回されて係止された巻線6が緩むことなく静止していることから、接続張力F1と支持力F2との大小関係は、グラフに示すように「F1<F2」である。この状態で端子5の先端側から溶接すると、端子5とともに巻線6が溶けるため、溶接が進むに連れて(溶接長さが長くなるほど)支持力F2が徐々に小さくなっていく。そして、ある位置(図中一点鎖線の境界線)まで溶接が進むと接続張力F1と支持力F2との大小関係が逆転し、巻線6が断線する。なお、この断線メカニズムは、巻線6が溶けうる熱接合であれば溶接に限らず発生しうる。例えば、銅を主成分とした巻線6と端子5とを半田付けする場合には、溶けた半田に銅が溶け込む「くわれ」と呼ばれる現象が発生して巻線6が溶ける可能性があるため、上記と同様に巻線6が断線するおそれがある。
したがって、巻線6を断線させないためには、接続張力F1と支持力F2との大小関係が逆転しない範囲A内(境界線よりも先端側)で溶接を終了すればよい。例えば図7(b)に示すように、範囲A内で溶接を終了すると、溶接終了後の接続張力F1と支持力F2との関係は、依然として後者が前者よりも大きい(F2>F1の)状態が維持される。このため、溶融玉5yとの境界に位置する巻線6の一端部(以下「根元部6e」という)には、接続張力F1が作用しない状態となり、巻線テンションによる応力がかからない。これにより、経年変化による根元部6eでの断線が防止される。また、この接続構造に振動が加わった場合であっても、根元部6eは接続張力F1が作用しない状態であるため、振動による断線も防止される。
したがって、予め端子5の基端側に溶接しない部分を設けておき、この部分に巻回した巻線部分のみで接続張力F1よりも大きな支持力F2を発生させるようにすればよい。例えば、予め端子5の先端側(範囲Aよりも小さい範囲)を溶接する部分(溶接領域)とし、基端側を溶接しない部分(非溶接領域)として、非溶接領域に巻回した巻線部分のみで接続張力F1よりも大きな支持力F2を発生させるように巻線6を巻回した接続構造とすることが考えられる。この接続構造の場合、端子5の非溶接領域に対して接続張力F1よりも大きな支持力F2で巻回させた巻線部分を第一巻線部6aとし、溶接領域に巻回した巻線部分を第二巻線部6bとすれば、第一巻線部6aは熱接合されない部分(非熱接合部)となり、第二巻線部6bは熱接合される部分(熱接合部)となる。
また、溶接領域と非溶接領域との間に、溶接領域よりも溶けにくい性質を持たせた領域を設けた接続構造とすることも考えられる。すなわち、図8(a)に示すように、範囲Aのうちの基端側の部分に、範囲A内の他の領域よりも熱容量が大きくなる領域B(溶融困難領域B)を設ける。この接続構造の場合、図8(b)に示すように、端子5の先端側から溶接を進めると、溶融困難領域Bに進入した時点から溶融速度が落ちるため、この領域Bを溶かすのに要する時間(溶接時間tw)を長くすることができる。つまり、溶融困難領域Bが設けられた接続構造では、溶融速度が落ちたときに溶接を終了させればよいため、非溶接領域を溶かさないようにすることができ、溶接時における巻線6の断線を防止できる。さらに、溶接の終了タイミングをシビアに設定する必要がないうえ、溶融玉の位置を領域B内にすることができるので、溶融玉の位置ずれ防止にも繋がる。
以上、断線メカニズムを考慮した接続構造を説明したが、上述した導通板端子53と巻線30との接続部は、このような接続構造となるように、係止部53a,溶融部53b,幅広部53cが設けられているとともに、巻線30が巻回されている。すなわち、係止部53a,溶融部53b,幅広部53cのそれぞれは、上記の非溶接領域,溶接領域,溶融困難領域に対応するものとして設けられる。そして、巻線30のうちの第一巻線部31は、接続線部33を主巻線部34側へと引っ張る力(上記の接続張力F1に相当する力)よりも大きな力(上記の支持力F2に相当する力)で係止部53aに対して巻回される。
そして、溶接完了後においても力の大小関係(F2>F1)が維持されるように、溶接が終了される。これにより、図6(b)に示すように、溶融玉55との境界に位置する(溶融部53bで生成される溶融玉55に繋がった)巻線30の根元部36(第一巻線部31の一端部)には、接続張力F1が作用しない状態となり、巻線テンションによる応力がかからない。このため、上記したように、経年変化による根元部36での断線が防止される。また、導通板端子53と巻線30との接続部に振動が加わった場合であっても、根元部36は接続張力F1が作用しない状態であるため、振動による断線も防止される。
また、導通板端子53の先端側から溶接した時に溶融玉55の進行を制限するように機能した幅広部53cは、溶接後においては係止部53aと溶融部53bとを区画するとともに支持力F2が接続張力F1よりも大きい状態を維持する機能を持つ。すなわち、幅広部53cは、溶接時に溶融玉55が係止部53aへ進入しないように制限したことから、係止部53aと溶融部53b(溶融玉55)とを確実に区分けするため、F2>F1の状態を確実に維持する。これにより、溶接後においても、接続線部33に作用している接続張力F1が根元部36に作用しない状態となる。
また、コミテータ端子42bと巻線30との接続部も、導通板端子53と同様に、断線メカニズムを考慮した接続構造となるように、係止部42c,溶融部42d,幅広部42eが設けられているとともに、巻線30が巻回されている。コミテータ端子42bの係止部42c,溶融部42d,幅広部42eのそれぞれは、上記の非溶接領域,溶接領域,溶融困難領域に対応するものとして設けられる。すなわち、半田付けされるのは先端側の溶融部42dであり、係止部42cは溶接されない。また、幅広部42eは溶融困難部としての機能及び溶融玉が係止部42cに進行しないように制限する(堰き止める)機能を持つ。
また、コミテータ端子42bの基端側に巻回される巻線部分(第一巻線部,絡げ部)は、接続線部を主巻線部34側へと引っ張る力(上記の接続張力F1に相当する力)よりも大きな力(上記の支持力F2に相当する力)で係止部42cに対して巻回される。そして、溶接完了後においても力の大小関係(F2>F1)が維持されるように、半田付けが終了される。これにより、コミテータ端子42bにおいても、溶融玉との境界に位置する(溶融部42dで生成される溶融玉に繋がった)巻線30の根元部(第一巻線部の一端部)には、接続張力F1が作用しない状態となり、巻線テンションによる応力がかからない。
なお、半田付け(ろう付け)の場合には、基本的には溶けた半田45(ろう)が溶融玉となるが、溶融部42dの一部も溶け込んで溶融玉となりうる。つまり、溶融玉は、少なくとも溶融部が熱接合されるときに生成されたものである。なお、幅広部42eは、上述した幅広部53cと同様、溶接後においては係止部42cと溶融部42dとを区画するとともに支持力F2が接続張力F1よりも大きい状態を維持する機能を持ち、また、接合時には溶融玉の位置ずれ防止にも役立つ。
[3.接続部の形成方法,ロータの製造方法]
上述した接続部の形成方法を含んだロータ3の製造方法について図9を用いて説明する。この製造方法には、導通板50の成形工程(ステップS10)と、シャフト10への組立工程(ステップS20)と、巻線30を巻回する巻回工程(ステップS30)と、巻線30の両端部を接合する接合工程(ステップS40)とが含まれ、四つの工程がこの順に実施される。これらの工程は、装置によって自動的に実施してもよいし、手動で行ってもよい。また、これら四つの工程のうち、成形工程と巻回工程と接合工程とが、接続部の形成方法でもある。なお、ロータ3の部品(シャフト10,コア20等)は、導通板50を除いて予め用意されているものとする。
成形工程では、導通板50をプレス加工によって上述した完成形状(所定形状)に成形する。すなわち、電気的中性点を形成する平面部51と、平面部51の径方向外側の端部から平面部51に対して交差する方向へ延設された三つの立壁部52と、各立壁部52の端部から径方向外側へ突設された導通板端子53とを有する導通板50を成形する。このとき、導通板50の立壁部52の高さは、導通板50の平面部51がコア20の端面に載置された状態で、導通板端子53が、巻線30の巻山35よりもシャフト10の先端側に位置し、且つ、コミテータ端子42bよりもコア20側に位置するように設定される。本実施形態では、導通板端子53が巻山35とコミテータ端子42bとの中間部70の中央領域に位置するように、立壁部52の高さが設定される。
また、導通板50の導通板端子53は、上述した係止部53a,溶融部53b,幅広部53c(区画部,溶融困難部)を有する完成形状に形成される。すなわち、成形工程では、導通板端子53の基端側が係止部53a,先端側が溶融部53bとなり、溶融部53bよりも基端側が溶融部53bよりも溶融しにくい幅広部53cとなるように、導通板端子53を成形する。また、本実施形態では、導通板50の導通板端子53が、組立状態でシャフト10の軸方向に対して直交する方向へ延びるように屈曲形成される。さらに、導通板端子53が、溶接の前後においてコア20の外周面よりも径方向外側に突出し、且つ、溶接後においてハウジング2Aの内周面と非接触となるように、導通板50が成形される。
組立工程では、シャフト10に対して、コア20,成形工程で成形された導通板50,絶縁体60,コミテータ40等の部品を組み立てる。
巻回工程では、巻線30を巻回状態とした主巻線部34と、巻線30を係止部42c,53aに巻回させた第一巻線部31と、第一巻線部31から連続的に巻線30を溶融部42d,53bに巻回させた第二巻線部32と、主巻線部34と第一巻線部31との間に張架させた接続線部33と、を設ける。すなわち、第一巻線部31は、主巻線部34との間に接続線部33を介して設けられる。
本実施形態の巻回工程では、巻線30の一端を、コミテータ40の三つのコミテータ端子42bのうちの一つに巻回して第一巻回部31及び第二巻線部32を設けたのち、所定の張力(接続張力F1)が作用した状態の接続線部33を介し、コア20の三つのティース部22のうちの一つに所定のターン数だけ巻回して主巻線部34を設ける。このとき、導通板50の導通板端子53が中間部70の中央領域に配置されているため、コア20に対する巻線30の巻回作業性が確保される。
さらに、主巻線部34から延びる巻線30の他端を、導通板50の三つの導通板端子53のうちの対応する一つに巻回する(フッキングする)ことで、接続線部33を介して第一巻線部31及び第二巻線部32を設ける。このとき、コミテータ端子42b,導通板端子53の各係止部42c,53aに対して巻線30(第一巻線部31)が留まろうとする力(支持力F2)が、接続線部33を主巻線部34側へと引っ張る力(接続張力F1)よりも大きくなるように、巻線30をコミテータ端子42b,導通板端子53のそれぞれに数回巻きつける。すなわち、巻線30を各係止部42c,53aのみに絡げた状態で巻線30が緩むことなく静止するように、巻線30を巻きつける。この作業を三箇所で行う。
接合工程では、巻線30の一端を、コミテータ端子42bに対して半田付けにより接合するとともに、巻線30の他端を導通板端子53に対してTIG溶接により接合する。このとき、両端子42b,53の溶融部42d,53bを溶融して第二巻線部32と熱接合する。本実施形態の導通板端子53は、中間部70の中央領域に配置されているとともに、コア20の外周面よりも径方向外側へ突設されていることから、接合時の熱が巻線30へ伝わりにくくなっている。
なお、本製造方法(形成方法)では、巻回工程後に接合工程を実施しているが、巻回工程と並行して接合工程を行ってもよい。すなわち、コミテータ端子42bに巻線30の一端を係止して、熱接合(半田付け)によりこの一端を接合したのち、コア30に巻線30を巻回して、他端を係止するとともに熱接合(TIG溶接)することで、ロータ3を製造してもよい。
[4.効果]
(1)上述した接続部の構造では、溶融玉55と繋がった巻線30の根元部36が接続張力F1の作用しない状態となることから、この根元部36には巻線テンションによる応力がかからない。このため、経年変化による根元部36での断線を防止することができる。また、導通板端子53と巻線30との接続部に振動が加わった場合であっても、根元部36は接続張力F1が作用しないフリーな状態であるため、振動による断線も防止することができる。
また、熱接合後の第一巻線部31(絡げ部)に作用している支持力F2を、接続張力F1よりも大きくすることで、第一巻線部31の根元部36に接続張力F1が作用しない状態とすることができる。すなわち、根元部36に巻線テンションによる応力がかからない状態にできるため、経年変化による断線や振動による断線を防止することができる。なお、コミテータ端子42bにおいても同様の効果が得られる。
(2)上述した導通板端子53には、係止部53aと溶融部53bとを区画するとともに支持力F2が接続張力F1よりも大きい状態を維持する区画部としての幅広部53cが設けられる。このため、溶接後においても、接続線部33に作用している接続張力F1が根元部36に作用しないようにすることができる。これにより、経年変化や振動による根元部36での断線を防止することができる。
また、この区画部は、熱接合時には溶融部53bで生成される溶融玉55の進行を制限するように機能したものである。言い換えると、溶融玉55が、熱接合時において係止部53aに到達しないよう、区画部により制限されて(堰き止められて)形成されたものである。このように、溶融玉55の進行を制限する機能を持った区画部を導通板端子53に設けておくことで、区画部よりも先端側を溶融させて導通板端子53と巻線30とを熱接合することができる。
これにより、少なくとも係止部53aに巻回された第一巻線部31の状態を熱接合の前後において変化しないようにすることができるため、熱接合前において根元部36に接続張力F1がかからないように第一巻線部31を設けておけば、熱接合後においても、根元部36に接続張力F1がかからない状態とすることができる。このため、根元部36における経年変化による断線及び振動による断線を防止することができる。なお、コミテータ端子42bにおいても同様の効果が得られる。
(3)上述した接続部の構造では、端子(コミテータ端子42b,導通板端子53)の係止部42c,53aに対して、接続線部33に作用する接続張力F1よりも大きな支持力F2で巻線30を巻回させた第一巻線部31が非熱接合部として設けられる。一方で、端子42b,53の溶融部42d,53bに対して巻線30を巻回させた第二巻線部32が熱接合部として設けられる。すなわち、熱接合されるのは第二巻線部32であり、係止部42c,53aにおける巻線30の絡げ状態(第一巻線部31の状態)は熱接合の前後において変化しない。
このような構造によれば、端子42b,53と巻線30との熱接合時(電気的接続時)において、巻線30の断線を防止することができる。すなわち、断線不良を防止して、安定的に熱接合ができるため、生産性を向上させることができるとともに、製品の信頼性や品質をも向上させることができる。
また、このように巻線30を巻回する巻回工程を含んだ上述の形成方法によれば、同様に断線不良を防止して、安定的に熱接合ができるため、生産性を向上させることができるとともに、製品の信頼性や品質をも向上させることができる。さらに、上述した形成方法によれば、支持力F2が接続張力F1よりも大きい状態を維持したまま溶融を終了することから、根元部36に接続張力F1が作用しない状態にすることができる。これにより、溶接後における根元部36での断線をも防止することができる。
(4)また、上述した接続部の構造では、端子42b,53に、溶融部42d,53bよりも基端側において溶けにくい溶融困難部(幅広部42e,53c)が設けられるため、巻線30との熱接合時において溶融部42d,53bを溶融させて端子42b,53と巻線30とを熱接合することができる。言い換えると、主巻線部34との間に接続線部33を介して設けられた第一巻線部31の絡げ状態を、熱接合の前後において変化しないようにできるため、熱接合時(電気的接続時)における巻線30の断線を防止することができる。すなわち、断線不良を防止して、安定的に熱接合ができるため、生産性を向上させることができるとともに、製品の信頼性や品質をも向上させることができる。
また、端子42b,53をこのような完成形状に成形する成形工程を含んだ上述の形成方法によれば、同様に断線不良を防止して、安定的に熱接合ができるため、生産性を向上させることができるとともに、製品の信頼性や品質をも向上させることができる。さらに、上述した形成方法によれば、溶融困難部によって第一巻線部31の絡げ状態を熱接合の前後で変化しないようにできるため、熱接合前において第一巻線部31の支持力F2を接続張力F1よりも大きい状態としておけば、熱接合後においても、F2>F1の状態を維持することができる。すなわち、根元部36に接続張力F1が作用しない状態とすることができるため、経年変化による根元部36での断線及び振動による断線を防止することができる。なお、熱接合時に溶融困難部として機能する部位は、溶接後では区画部となる。
(5)また、上述した接続部の構造では、端子42b,53に、溶融部42d,53bよりも基端側において溶融部42d,53bよりも溶融しにくい溶融困難部(幅広部42e,53c)が設けられる。熱接合は、溶融玉55が溶融困難部に進むまで継続されるが、図8(b)に示すように、溶融困難部において溶融玉55の進行が遅くなるため、熱接合を止めるタイミングをシビアに設定する必要がない。言い換えると、熱接合をコントロールしやすくなるため、シビアな時間管理(生産条件)を不要とすることができ、作業性及び生産性をより向上させることができる。また、溶融困難部において溶融玉55の進行が遅くなりコントロールしやすくなることから、径方向への溶融玉55の位置ずれを防止することができ、製品の信頼性をより向上させることができる。
(6)また、上述した接続部の構造では、区画部が係止部42c,53aよりも横断面積が大きい形状として設けられるため、区画部を簡単に端子42b,53に設けることができ、生産性をさらに向上させることができる。なお、本実施形態では、区画部となる前の溶融困難部が、溶融部42d,53bよりも横断面積が大きい形状としても設けられるため、溶融困難部を簡単に端子42b,53に設けることができ、生産性をさらに向上させることができる。
(7)特に、上述した端子42b,53には、区画部が係止部42c,53aよりも拡幅して形成された幅広部42e,53cとして設けられるため、成形が簡単で生産性をより一層向上させることができる。また、幅広部42e,53cを設けることにより、端子42b,53の剛性を高めることができる。なお、本実施形態では、区画部となる前の溶融困難部(すなわち幅広部42e,53c)が、溶融部42d,53bよりも拡幅して形成されているため、成形が簡単で生産性をより一層向上させることができるとともに端子42b,53の剛性を高めることができる。さらに、溶融玉55が接触する面積が広いことから、溶融玉55の落下を防止することができ、製品の信頼性や品質をさらに高めることができる。
(8)また、上述した接続部の構造が適用されたロータ3及びモータ1であれば、巻線30が熱接合されるときの断線を防止できるとともに、熱接合後の断線も防止できることから、ロータ3及びモータ1のサイズにかかわらず生産性を高めることができる。また、ロータ3及びモータ1の信頼性や品質をも高めることができる。
[5.変形例]
上述した導通板端子53の形状は一例であって、上述したものに限られない。図10(a)〜(c)に、導通板端子53の変形例を例示する。
[5−1.端子形状に関する変形例]
図10(a)に示すように、導通板端子53Rの係止部53a′が、この係止部53a′における先端側の部位(幅広部53cとの隣接部分)に幅が狭くなるように凹設された凹部56aを有していてもよい。このような形状の導通板端子53Rであれば、凹部56aに巻回された巻線30(第一巻線部31,絡げ部)の絡げ状態が保持されやすくなる。すなわち、巻線30と導通板端子53との摩擦力が大きくなることから、フッキングテンションを上述した実施形態と同一にした場合であっても、図6(a)に示す形状よりも支持力F2を大きくすることができる。したがって、熱接合時における巻線30の断線を防ぐことができるとともに、熱接合後における根元部36での断線をも防止することができる。
また、図10(b)に示すように、導通板端子53Sの溶融部53b′が、矩形部57と第二の幅広部58とを結合させた形状として設けられていてもよい。すなわち、図6(a)に示す導通板端子53の溶融部53bに対し、先端側に別の幅広部58が形成されていてもよい。このような形状の導通板端子53Sであれば、例えば巻線30を導通板端子53Sの先端側に引っ張ることで切断するような構成の場合、その切断時に溶融部53b′の矩形部57に巻回させた巻線30(第二巻線部32)が導通板端子53Sの先端側から抜けるおそれがあるが、この抜けを第二の幅広部58によって防止することができる。
また、上記の二つの導通板端子53R,53Sの形状を合体させた端子形状としてもよいし、図10(c)に示すように、導通板端子53Tの溶融部53b″が、第二凹部56bと第二の幅広部58とを結合させた形状として設けられていてもよい。このような形状の導通板端子53Tであれば、凹部56a,第二凹部56bのそれぞれに巻回された巻線30(第一巻線部31,第二巻線部32)の絡げ状態が保持されやすくなるとともに、第二の幅広部58によって第二凹部56bに巻回された巻線30(第二巻線部32)における上記と同様の抜けを防止することもできる。
また、上述した実施形態では、コミテータ端子42b,導通板端子53が、何れも溶融困難部として幅広部42e,53cを有している場合を例示したが、溶融困難部は上述した構成に限られない。図11(a)〜(f)に溶融困難部の変形例を例示する。なお、これらの図では、上述した導通板端子53等の形状を簡素化した端子5〔すなわち図7,図8(a)に示した端子5〕の変形例として説明する。
図11(a)に示す端子5Wは、溶融困難部(区画部)が、溶融部5bよりも肉厚に形成された肉厚部5dとして設けられる。肉厚部5dは、図8(a)に示した領域B内に設けられる。なお、この図では、係止部5aと溶融部5bとが同一の厚みで形成されていることから、肉厚部5d(溶融困難部)のみが厚肉化され、他部5a,5bよりも横断面積が大きくなっている。このような形状の端子5Wであっても、溶融部5bよりも基端側における肉厚部5dにおいて溶融玉の進行が遅くなることから、上述した実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、溶融困難部を肉厚部5dとして設ければ、上述した幅広部53c等と同様に、端子5の剛性を高めることもできる。また、この端子5Wであれば、溶融困難部として機能した肉厚部5dが、溶接後においては区画部として機能するため、上述した幅広部53c等と同様の効果が得られる。
図11(b)に示す端子5Xは、溶融困難部(区画部)が、溶融部5b′に形成された切欠き部5fによって係止部5aに設けられる。すなわち、溶融部5b′に溶融困難部(係止部5a)よりも横断面積を減少させる切欠き部5fが設けられる。これにより、溶融部5b′の横断面積が小さくなるため、相対的に、溶融部5b′よりも基端側の係止部5aの横断面積を大きくすることができ、係止部5aを溶融困難部として機能させることができる。
切欠き部5fは、例えば溶融部5b′の幅方向略中央部を、厚み方向に貫通するように先端側から切り欠いて形成(凹設)される。図11(b)中の二点鎖線は、図8(a)に示す領域Bの先端側の境界線を示す。切欠き部5fは、図11(b)に示すように、図8(a)に示す領域Bとは重ならない位置に設けられる。このような構成の端子5Xであっても、溶融部5b′よりも基端側において溶融玉の進行が遅くなることから、上述した実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、端子5に切欠き部5fを形成するだけで、溶融部5b′よりも基端側の係止部5aを溶融困難部として機能させることができるため、成形が簡単であり、生産性を向上させることができる。なお、この端子5Xの場合には、係止部5aの先端側の一部が溶融困難部として機能したことから、係止部5aと区画部との明確な境界が存在しないことになる。
図11(c)に示す端子5Yは、溶融困難部(区画部)が、溶融部5b″を切り欠いて形成された段差部5gによって相対的に設けられる。すなわち、段差部5gによって溶融部5b″の横断面積が小さくなるため、相対的に、溶融部5b″よりも基端側(係止部5a)の横断面積が大きくなる。段差部5gは、溶融部5b″の厚みが係止部5aよりも小さくなるように切り欠いて形成される。なお、段差部5gも図11(b)の切欠き部5fと同様に、図8(a)に示す領域Bとは重ならない位置に設けられる。このような構成の端子5Yであっても、溶融部5b″よりも基端側において溶融玉の進行が遅くなることから、上述した実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、この端子5Yの場合も、端子5Xと同様に、係止部5aの先端側の一部が溶融困難部として機能したことから、係止部5aと区画部との明確な境界が存在しないことになる。
図11(d)〜(f)に示す端子5Z,5Z′,5Z″は、いずれも溶融困難部(区画部)が、溶融部5bの材料よりも溶けにくい性質を持つ材料で形成された異質部5eとして設けられる。異質部5eは、図8(a)に示した領域B内に設けられる。なお、こられの図では、係止部5aと溶融部5bとが同一の材料で形成されていることから、異質部5e(溶融困難部,区画部)のみが別の材料で形成され、他部5a,5bよりも溶融しにくくなっている。異質部5eの材料としては、溶融部5bよりも融点の高い材料(例えば鉄,タングステン,モリブデン等)や溶融部5bよりも単位体積あたりの熱容量が大きい材料が挙げられる。
図11(d)は、端子5Zの長手方向の一部分が全て異質部5eとして設けられたものである。一方、図11(e),(f)は、端子5Z′,5Z″の長手方向の一部分のうち、片面又は両面が異質部5eとして設けられたものである。すなわち、端子5Z′,5Z″は、係止部5aと溶融部5bとが異質部5eによって完全に分離されていないものである。これらの端子5Z′,5Z″は、例えば端子表面(片面又は両面)に窪みを設け、その窪みに溶融部5bとは異なる材料を接着させることで形成される。これらのような構成の端子5Z,5Z′,5Z″であっても、溶融部5bよりも基端側における異質部5eにおいて溶融玉の進行が遅くなることから、上述した実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、溶融困難部を異質部5eとして設ければ、異質部5eの材質の設定次第で溶融玉の進行をコントロールすることができるため、生産性を向上させることができる。
なお、溶融困難部(区画部)が、上述した実施形態の幅広部42e,53cや、図11(a)〜(f)に示した肉厚部5d,異質部5e,切欠き部5f,段差部5g等を組み合わせることで構成されていてもよい。溶融困難部(区画部)は、少なくとも、溶融部よりも基端側において溶融部よりも溶けにくい性質を持っていればよく、上述した構成(あるいはこれら以外の構成)を含むものであってもよい。
[5−2.巻回状態及び材質に関する変形例]
係止部53a,53a′に対する巻線30の絡げ方(巻回状態)は上述したものに限られない。ここで、図12(a)及び(b)に一例を示す。なお、これらの図に示す導通板端子53Vは、図10(a)の導通板端子53Rに比べて、係止部53a″の長手方向寸法が小さい。また、溶融部53dの長手方向および幅方向の両寸法も小さく、先端に向かって拡開形状となっている。
図12(a)及び(b)に示す巻回状態のように、巻線30は、接続張力F1が作用した状態の接続線部33の一端部33a及び他端部33bが、導通板端子53Vの幅方向において互いに同一側〔図12(a)では下側〕に位置するように、主巻線部34から係止部53a″に向けて延設されてもよい。すなわち、接続線部33が導通板端子53Vを横断しないように設けられてもよい。
図12(a)及び(b)に示す例では、接続線部33の第一巻線部31側の一端部33aが、他端部33b側の凹部56aに引っ掛けられ、係止部53a″に巻回された第一巻線部31へと続いている。導通板端子53Vに対する接続線部33の位置は、主巻線部34におけるエンドベル4側の巻山35の頂上へ向かう側である。なお、接続線部33の一端部33aが他端部33b側の立壁部52の縁に当接して設けられ、係止部53a″に巻回された第一巻線部31へと続いていてもよい。
このように、接続線部33の両端部33a,33bを同一側に配置することで、接続線部33が導通板端子53V及び主巻線部34のそれぞれに対して非接触の状態を安定して確保することができる。仮に、接続線部の一端部と他端部とが導通板端子に対して互いに逆側に配置される場合には、接続線部の軸方向位置(高さ位置)によっては、接続線部が導通板端子及び主巻線部のいずれにも接触しない長さ(非接触長さ)が長くなることもあれば極端に短くなることもある。これに対し、図12(a)及び(b)に示す導通板端子53Vであれば、接続線部33の軸方向位置(高さ位置)にかかわらず、一定の非接触長さを安定して確保することができる。このため、被膜の剥がれた巻線同士及び巻山35のピンホールとの接触によるレアショートを防止することができ、品質を向上させることができる。
また、図12(a)及び(b)に示すように、巻線30は、係止部53a″に巻きつけられるとともに、幅広部53cを斜めに横断してから溶融部53dに巻きつけられる。すなわち、巻線30の末線部30e(先端)は溶融部53dに位置する。これにより、巻線30の末線部30eを溶融玉55内に含まれることになるため、巻線30の緩みを防止することができる。以下、幅広部53cを斜めに横断する部分(第一巻線部31の一部分)をわたり線部37と呼ぶ。わたり線部37は、幅広部53cの長手方向基端側に位置するアール部38から幅広部53cを斜めに横断して溶融部53dのアール部39に至る部分である。
このわたり線部37は、導通板端子53Vにおける主巻線部34側の面(一面、以下「下面53w」と呼ぶ)ではなく、下面53wと逆側の面(他面、以下「上面53u」と呼ぶ)に沿って設けられる。すなわち、導通板端子53Vでは、わたり線部37が上面53uにのみ設けられ、下面53w側には存在しない。これにより、導通板端子53Vをその先端側からTIG溶接した場合に、溶融部53dが溶けることで生成される溶融玉55が、図13(a)及び(b)に示すように、導通板端子53Vの上面53u側に位置する。
これは、溶融部53dが溶けた状態であるとき(溶接中)に、溶け代のより多い側へと引き込まれやすくなる性質(表面張力の影響)があるためと考えられる。この性質により、液体状の溶融部53dはわたり線部37が存在する上面53u側へと寄っていき、溶接終了とともに固まることから、溶融玉55が上面53u側に位置する。これにより、溶融玉55が下面53w側に位置する場合と比べて、溶融玉55と接続線部33との距離を長くすることができるため、接合時の熱の伝わりを抑制することができ、断線防止に寄与することができる。
また、本変形例では、上述した実施形態と同様にTIG溶接が採用されることから、ガスシールドアーク溶接法を用いている。すなわち、溶接の際に、溶融金属(溶融部53d)及びアークを大気(空気)から遮断して溶融品質を安定させるために、アルゴン等の不活性ガス(シールドガス)を溶融部53dに吹き付けている。ここで、本変形の導通板端子53Vでは、上記の通り、わたり線部37の配置を工夫することで(上面53uにのみ設けられることで)溶融玉55が上面53u側に位置するようにしている。言い換えると、シールドガスの吹き付け方向によって溶融玉55の位置を制御しているわけではない。このため、シールドガスの吹き付ける方向を自由に設定することができるとともに、シールドガス流量を低減することができる。これにより、コストダウンを図ることができる。
仮に、わたり線部の位置を本変形例のようにしないで(例えば下面側にのみ設けて)、シールドガスによって溶融玉を上面側に位置させることも考えられる。しかし、この場合には、溶融玉が動く程度のシールドガス流量を確保する必要があるうえに、シールドガスの吹き付け方向を高精度に制御する必要がある。さらに、溶接時における導通板端子の設置箇所には多少のばらつきがあることから、シールドガスの吹き付け方向を高精度に制御したとしても、溶融玉を上面側に安定して位置させることは困難である。本変形例では、こういった課題を解決することができる。
また、仮に、わたり線部の位置を本変形例のようにしないで(例えば下面側にのみ設けて)、溶融玉を上面側に位置させるために、例えば溶融玉の自重を利用することが考えられる。この場合には、例えば導通板端子の先端が上方を向く姿勢で溶接したのでは、自重によって溶融玉が導通板端子の上面側,下面側のどちらに動くのかが安定しない。そのため、まずは、導通板端子の上面が重力の作用する方向(すなわち鉛直下方)や斜め下方を向くように配置する必要が生じる。しかし、ロータの設置が不安定になり、溶融品質が安定しない。また、溶接の際にワーク(導通板端子)ではなく溶接電極を動かす場合、溶接電極は導通板端子の先端側(溶融部側)に当接されるため、導通板端子が水平方向に延びるように配置されると、水平方向における設備サイズが大型化する。さらに、溶融玉の自重を利用する場合には、自重で溶融玉が動くように溶融玉を大きくしなければならず、溶融玉の大きさにばらつきが生じやすい。本変形例では、これらの課題をも解決することもできる。なお、溶融玉55が上面53u側に配置されるように、溶接電極の方向を設定してもよい。
図12(a)及び(b)に示す導通板端子53Vでは、わたり線部37が上面53u側に一本配置されているが、例えば図14に示すように、わたり線部37を上面53u側で交差させてもよい。この場合も、溶融部53dが溶けることで生成される溶融玉は上面53u側へと寄っていくため、上述した効果と同様の効果を得ることができる。図14に示す導通板端子53Xの形状は図12(a)に示すものと同一であり、巻線30の絡げ方(巻回状態)だけが異なる。具体的には、巻線30の接続線部33の一端部33aと他端部33bとが、導通板端子53Xに対して互いに逆側に配置されている。つまり、接続線部33の一端部33aが、他端部33b側の凹部56aではなく反対側の凹部56aに引っ掛けられている。このように、巻線30は、接続線部33が導通板端子53Xを幅方向に跨いで巻回されていてもよい。
なお、図12(a)及び図14に示す導通板端子53V,53Xでは、わたり線部37が上面53u側にのみ設けられているが、わたり線部37は、下面53wに沿う本数が上面53uに沿う本数未満であればよい。これにより、導通板端子の厚み方向における溶融玉55の位置を上側(エンドベル4側)へとコントロールしやすくなるため、溶融玉55が接続線部33と接触するような事態を回避でき、溶接時における断線を防止することができる。また、上記の通り、溶融玉55と接続線部33との距離を確保しやすくする(溶融玉55の熱が接続線部33へ伝わりにくくする)ことができるため、断線防止に寄与することができる。
また、図12(a)に示すように、巻線30は、溶融部53dに対して重ならずに巻回される。すなわち、図中破線Kで示すように、溶融部53dのアール部39において、わたり線部37の端部と第二巻線部32とが導通板端子53Vの幅方向に重ならずに巻回される。そして、わたり線部37の端部と第二巻線部32とが導通板端子53Vの長手方向に互いにずれるように巻回されてもよい。なお、ここでは巻線30が溶融部53dに対し一回だけ巻きつけてあるが、数回巻きつける場合には第二巻線部32同士も互いに重ならないように巻回される。
このように、巻線30を溶融部53dに沿わせて巻回することで、巻線30と導通板端子53Vとのあいだの隙間をなくすことができる。仮に、巻線と端子とのあいだに隙間があると、確実に通電を確保するためには溶融部をより多く溶かす必要があり、その結果、溶融玉が大きくなってしまう。この場合、溶融玉と周囲の巻線(主巻線部や接続線部)とがより近くなるばかりか、より大きな熱容量を加えてしまうため、熱が導通板端子を介して巻線や絶縁体へと伝わりやすくなり、断線や絶縁体溶けを招きやすくなる等の不具合が生じうる。一方で、巻線30と導通板端子53Vとのあいだの隙間をなくすことで、溶け代を小さくすることができるため溶融玉55を小さくすることができる。言い換えると、小さな溶融玉55でも通電を確保できるようになり、上記のような不具合を防ぐことができる。
なお、図12(a)及び(b)に示す例では、導通板端子53Vの溶融部53dが、図10(a)等に示す溶融部53b等よりも長手方向の寸法及び幅方向の寸法がいずれも小さく、かつ、径方向外側に向かって拡開した形状に形成されている。このような形状により、溶融部53dに巻回された巻線(第二巻線部32)の抜けを防止できるとともに、生成される溶融玉55を小さくすることができる。
また、溶融部53dが巻線30の材料よりも融点の低い材料で形成されている場合(例えば、巻線30の材料が高純度銅(無酸素銅)であり、溶融部53dの材料がリン青銅である場合)、巻線30よりも先に溶融部53dが溶ける。溶けた溶融部53dは、巻線30を包み込んで固まり、溶融玉55となる。なお、巻線30の被膜は、例えばポリウレタン等の材料(溶融部53dよりも融点の低い材料)で形成されていることから溶融部53dが溶けるよりも先に溶ける。このため、溶融玉55が巻線30を包むことにより通電が確保される。
つまり、溶融部53dは完全に溶けるのに対し、巻線30は被膜だけが完全に溶けて芯線(銅線)は完全には溶けない。そのため、溶融玉55内には、巻線30(芯線)との境界面(無酸素銅とリン青銅との組織境界)が形成された状態となる。この状態で導通板端子53Vと巻線30とが接合されることから、根元部36での断線を防止することができる。さらに、溶融玉55内に上記の組織境界が形成されることから、引張強度を向上させることもできる。
なお、導通板50が一枚板で形成される場合には、導通板50の材料を巻線30よりも融点の低い材料(例えばリン青銅)とすればよい。また、導通板端子53V,53Xのみ、あるいは、溶融部53dのみを、巻線30よりも融点の低い材料で形成してもよい。
また、端子53V等の各部位に巻線30を巻きつける回数は一回以上であればよい。なお、当然ながら、図12(a)及び(b)に示す巻回状態を、図6(a)等に示す導通板端子53等に適用してもよい。
[5−3.その他]
上述の実施形態で説明したモータ1の構成は一例であって、上述したものに限られない。すなわち、ステータ2,ロータ3,エンドベル4の形状や構成は上述したものに限られない。また、導通板50の構成が上述したもの以外であってもよい。例えば、導通板50の導通板端子53が、巻山35と端子42bとの中間部70の軸方向における中央領域でなく、巻山35寄りに配置されていてもよいし、端子42b寄りに配置されていてもよい。
また、導通板50の立壁部52が平面部51に対して鈍角をなすように屈曲形成されていてもよい。この場合であっても、導通板端子53はシャフト10の軸方向に直交する方向へ立壁部52から外方へ突設されていることが好ましい。つまり、立壁部52と導通板端子53とが直交して設けられていなくてもよい。なお、導通板端子53がシャフト10の軸方向に対して直交しない方向へ突設されていてもよい。例えば、導通板端子53がシャフト10の軸方向に対して、シャフト10の先端側(エンドベル4側)に向かって斜め外方へ突設されていれば、導通板端子53の先端を巻線30からさらに遠ざけることができ、熱の影響を小さくすることができる。
また、導通板50が立壁部52を有していないものであってもよい。すなわち、平面部51と同一平面上に導通板端子53が設けられた導通板であってもよい。この場合、導通板端子53が、巻山35と端子42bとの中間部70に位置するように、導通板をシャフト10に対して位置決めするとともに、絶縁部を介してシャフト10に外嵌すればよい。つまり、この場合は導通板をコア20の端面に載置せず、所定位置に導通板端子53が来るように配置すればよい。このような構成のロータ3であっても、上述と同様に、導通板とブラシ2Bとの干渉を回避しながら、ロータ3の信頼性及び作業性を高めることができ、ひいてはロータ3の生産性を向上させることができる。
また、導通板50及び絶縁体60を、コア20に対してコミテータ40と反対側に配置してもよい。この場合、コミテータ40との干渉の可能性がなくなるため、導通板端子53の配置の自由度が高まる。また、導通板50と絶縁体60とコミテータ40とを一体にインサート成形してもよい。この場合、絶縁体60と支持体41と押さえ部材44とは一体の樹脂部品として形成され、組立時の作業性が高まる。
なお、上述の実施形態では、ロータ3のコア20,導通板50及び絶縁体60の何れもが三回回転対称性を持った外形を有するものを例示したが、これらは少なくとも三回以上の回転対称性を持った外形を有していればよく、上述した形状に限られない。
なお、上述した実施形態では、コミテータ端子42bと巻線30とを半田付けにより接合し、導通板端子53と巻線30とをTIG溶接により接合する場合を例示したが、熱接合の方法(種類)は上述したものに限られない。例えば、両端子42b,53を同じ接合方法(例えばTIG溶接)により接合してもよい。
例えば、図15に示すように、コミテータ端子42bに対し巻線30を巻きつけ、溶融部42dの先端側から溶接することで電気的に接続してもよい。この場合にも、上述した巻回状態、例えば、わたり線部37は下面側の本数が上面側の本数未満になるようにすること、溶融部42dにおいて巻線30が重ならないことを採用してもよい。また、図中の符号30sは巻線30の始線部(先端)であり、この例では係止部42cに位置しているが、この始線部30sを溶融部42dに配置してもよい。
また、溶融部42dが溶けることで生成される溶融玉が、コミテータ端子42bの上面側に位置するように設けてもよい。さらに、コミテータ端子42bの溶融部42dの材料を、巻線30の材料(例えば無酸素銅)よりも融点の低いもの(例えばリン青銅)としてもよい。なお、この場合には、コミテータ片42のブラシ接触部42aをクラッド材(母材であるリン青銅に別の銅合金を重ねたもの)で形成してもよい。つまり、コミテータ端子42b(あるいは、コミテータ端子42bの溶融部42d)と他の部位とが別の材料で形成されていてもよい。
また、上述した電気的接続部の構造が適用されるモータの結線方式は特に限られず、Δ結線方式のブラシ付きモータであってもよい。この場合には、コミテータ端子と巻線との接続部に上述の接続構造を適用可能である。また、上述した電気的接続部の構造が適用されるモータがブラシレスモータであってもよい。この場合には、巻線を巻回させたステータ(通電部品)の端子と巻線との接続部に、上述の接続構造を適用可能である。
[6.付記]
以上の実施形態および変形例の一部または全部は、以下の付記のように記載することもできる。
(付記A−1)
モータの通電部品の端子と巻線とを熱接合した電気的接続部の構造であって、
前記端子は、基端側に位置する係止部と、先端側に位置する溶融部と、を有し、
前記巻線は、巻回状態で設けられた前記モータの主巻線部と、前記主巻線部との間に接続線部を介して設けられ、前記接続線部を前記主巻線部側へと引っ張る張力よりも大きな支持力で前記係止部に対して巻回された非熱接合部としての第一巻線部と、前記第一巻線部と連続して設けられ、前記溶融部に巻回された熱接合部としての第二巻線部と、を有する
ことを特徴とする、電気的接続部の構造。
(付記A−2)
前記端子は、前記溶融部よりも基端側において前記溶融部よりも溶けにくい性質を持つ溶融困難部が形成された
ことを特徴とする、付記A−1記載の電気的接続部の構造。
(付記A−3)
前記溶融困難部が、前記溶融部よりも横断面積が大きい
ことを特徴とする、付記A−2記載の電気的接続部の構造。
(付記A−4)
前記溶融困難部が、前記溶融部よりも拡幅して形成された幅広部を含む
ことを特徴とする、付記A−3記載の電気的接続部の構造。
(付記A−5)
前記溶融困難部が、前記溶融部よりも肉厚に形成された肉厚部を含む
ことを特徴とする、付記A−3又はA−4記載の電気的接続部の構造。
(付記A−6)
前記溶融部に前記溶融困難部よりも横断面積を減少させる切欠き部が形成されている
ことを特徴とする、付記A−3〜A−5の何れか1つに記載の電気的接続部の構造。
(付記A−7)
前記溶融困難部が、前記溶融部の材料よりも溶けにくい性質を持つ材料で形成された異質部を含む
ことを特徴とする、付記A−2〜A−6の何れか1つに記載の電気的接続部の構造。
(付記B−1)
モータの通電部品の端子と巻線とを熱接合した電気的接続部の構造において、
前記端子は、基端側に位置する係止部と、先端側に位置するとともに熱接合される溶融部と、前記溶融部よりも基端側において前記溶融部よりも溶けにくい性質を持つ溶融困難部と、を有し、
前記巻線は、巻回状態で設けられた前記モータの主巻線部と、前記主巻線部との間に張力が作用した状態の接続線部を介して設けられ、前記係止部に巻回された第一巻線部と、前記第一巻線部と連続して設けられ、前記溶融部に巻回された第二巻線部と、を有する
ことを特徴とする、電気的接続部の構造。
(付記B−2)
前記溶融困難部が、前記溶融部よりも横断面積が大きい
ことを特徴とする、付記B−1記載の電気的接続部の構造。
(付記B−3)
前記溶融困難部が、前記溶融部よりも拡幅して形成された幅広部を含む
ことを特徴とする、付記B−2記載の電気的接続部の構造。
(付記B−4)
前記溶融困難部が、前記溶融部よりも肉厚に形成された肉厚部を含む
ことを特徴とする、付記B−2又はB−3記載の電気的接続部の構造。
(付記B−5)
前記溶融部に前記溶融困難部よりも横断面積を減少させる切欠き部が形成されている
ことを特徴とする、付記B−2〜B−4の何れか1つに記載の電気的接続部の構造。
(付記B−6)
前記溶融困難部が、前記溶融部の材料よりも溶けにくい性質を持つ材料で形成された異質部を含む
ことを特徴とする、付記B−1〜B−5の何れか1つに記載の電気的接続部の構造。
(付記C)
付記A−1〜A−7及び付記B−1〜B−6の何れか1つに記載の前記電気的接続部の構造によって前記通電部品の前記端子と前記巻線とが接続された
ことを特徴とする、ロータ。
(付記D)
付記A−1〜A−7及び付記B−1〜B−6の何れか1つに記載の前記電気的接続部の構造によって前記通電部品の前記端子と前記巻線とが接続された
ことを特徴とする、モータ。
1 モータ
3 ロータ
5,5W,5X,5Y,5Z,5Z′,5Z″ 端子
5a 係止部
5b,5b′,5b″ 溶融部
5d 肉厚部(区画部,溶融困難部)
5e 異質部(区画部,溶融困難部)
5f 切欠き部
5g 段差部
5y 溶融玉
6 巻線
6a 第一巻線部(絡げ部)
6b 第二巻線部
6c 接続線部
6d 主巻線部
6e 根元部(一端部)
30 巻線
30e 末線部(先端)
30s 始線部(先端)
31 第一巻線部(絡げ部)
32 第二巻線部
33 接続線部
34 主巻線部
35 巻山
36 根元部(一端部)
37 わたり線部
40 コミテータ(通電部品)
42b コミテータ端子(端子)
42c 係止部
42d 溶融部
42e 幅広部(区画部,溶融困難部)
50 導通板(通電部品)
53,53R,53S,53T,53V,53X 導通板端子(端子)
53a,53a′,53″ 係止部
53b,53b′,53b″,53d 溶融部
53c 幅広部(区画部,溶融困難部)
53u 上面(他面)
53w 下面(一面)
55 溶融玉
A 範囲
B 溶融困難領域
F1 接続張力(張力)
F2 支持力

Claims (20)

  1. モータの通電部品の端子と巻線とを熱接合した電気的接続部の構造であって、
    前記端子は、基端側に位置する係止部と、先端側に位置する溶融部と、を有し、
    前記巻線は、前記係止部に対して巻回されるとともに一端部が前記溶融部で生成される溶融玉に繋がった絡げ部と、巻回状態で設けられた前記モータの主巻線部から張設されて前記絡げ部の他端部に連続した接続線部と、を有し、
    前記絡げ部の前記一端部は、前記接続線部を前記主巻線部側へと引っ張る張力が作用しない状態であり、
    熱接合後の前記絡げ部は、前記係止部に対する巻回状態をとどめる支持力が作用した状態であり、前記支持力は前記張力よりも大きい
    ことを特徴とする、電気的接続部の構造
  2. 前記端子は、前記係止部と前記溶融部とを区画するとともに前記支持力が前記張力よりも大きい状態を維持する区画部を有する
    ことを特徴とする、請求項記載の電気的接続部の構造。
  3. 前記溶融玉は、前記端子の先端側から前記巻線を熱接合した時に前記区画部により進行を制限されて生成されたものである
    ことを特徴とする、請求項記載の電気的接続部の構造。
  4. 前記区画部が、前記係止部よりも横断面積が大きい
    ことを特徴とする、請求項又は記載の電気的接続部の構造。
  5. 前記区画部が、前記係止部よりも拡幅して形成された幅広部を含む
    ことを特徴とする、請求項記載の電気的接続部の構造。
  6. 前記区画部が、前記係止部よりも肉厚に形成された肉厚部を含む
    ことを特徴とする、請求項又は記載の電気的接続部の構造。
  7. 前記溶融部に前記区画部よりも横断面積を減少させる切欠き部が形成されていた
    ことを特徴とする、請求項の何れか1項に記載の電気的接続部の構造。
  8. 前記区画部が、前記溶融玉の材料よりも溶けにくい性質を持つ材料で形成された異質部を含む
    ことを特徴とする、請求項の何れか1項に記載の電気的接続部の構造。
  9. 前記端子には、前記基端側から順に前記係止部と前記区画部と前記溶融部とが設けられ、
    前記絡げ部には、前記区画部を斜めに横断するわたり線部が含まれるとともに、
    前記わたり線部は、前記端子における前記主巻線部側の一面に沿う本数が、前記一面と逆側の他面に沿う本数未満となるように配置される
    ことを特徴とする、請求項の何れか1項に記載の電気的接続部の構造。
  10. 前記通電部品には、前記モータのコアとともに前記巻線が巻回される導通板が含まれ、
    前記わたり線部は、前記導通板の前記端子では前記他面側にのみ設けられる
    ことを特徴とする、請求項記載の電気的接続部の構造。
  11. 前記溶融玉は、前記端子の前記他面側に位置する
    ことを特徴とする、請求項又は10記載の電気的接続部の構造。
  12. 前記通電部品には、前記モータのコアとともに前記巻線が巻回される導通板が含まれ、
    前記接続線部は、前記導通板の前記端子における前記基端側と前記先端側とを結ぶ長手方向と直交する幅方向において、前記接続線部の両端部が互いに同一側に位置する
    ことを特徴とする、請求項1〜11の何れか1項に記載の電気的接続部の構造。
  13. 前記巻線の先端が前記溶融部に位置する
    ことを特徴とする、請求項1〜12の何れか1項に記載の電気的接続部の構造。
  14. 前記巻線は、前記溶融部に対して重ならずに巻回された
    ことを特徴とする、請求項1〜13の何れか1項に記載の電気的接続部の構造。
  15. 前記溶融部が、前記巻線の材料よりも融点の低い材料で形成された
    ことを特徴とする、請求項1〜14の何れか1項に記載の電気的接続部の構造。
  16. 前記溶融部の材料がリン青銅であり、前記巻線の材料が無酸素銅である
    ことを特徴とする、請求項15記載の電気的接続部の構造。
  17. 請求項1〜16の何れか1項に記載の前記電気的接続部の構造によって前記通電部品の前記端子と前記巻線とが接続された
    ことを特徴とする、ロータ。
  18. 請求項1〜16の何れか1項に記載の前記電気的接続部の構造によって前記通電部品の前記端子と前記巻線とが接続された
    ことを特徴とする、モータ。
  19. 基端側に係止部、先端側に溶融部を持つとともにモータの巻線と熱接合される端子を有する通電部品の前記端子と前記巻線との電気的な接続部を形成する方法であって、
    前記巻線を巻回状態とした前記モータの主巻線部と、前記主巻線部との間に接続線部を介して前記巻線を前記係止部に巻回させた第一巻線部と、前記第一巻線部から連続的に前記巻線を前記溶融部に巻回させた第二巻線部と、を設ける巻回工程と、
    前記巻回工程と並行又はその後に、前記溶融部を溶融して前記第二巻線部と熱接合する接合工程と、を備え、
    前記巻回工程では、前記係止部に対する前記第一巻線部の支持力が前記接続線部を前記主巻線部側へと引っ張る張力よりも大きくなるように前記巻線を巻回し、
    前記接合工程では、前記支持力が前記張力よりも大きい状態を維持したまま熱接合を終了する
    ことを特徴とする、電気的接続部の形成方法。
  20. 前記巻回工程の前に、前記端子の前記基端側を前記係止部とし前記先端側を前記溶融部とするとともに前記溶融部よりも前記基端側を前記溶融部よりも溶融しにくい溶融困難部とした所定形状に前記端子を成形する成形工程を備えた
    ことを特徴とする、請求項19記載の電気的接続部の形成方法。
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