JP6744103B2 - 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 - Google Patents

半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、高周波信号で作動する半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置に関する。
従来、マイクロ波帯やミリ波帯等の高周波信号を用いる半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージには、半導体素子と外部電気回路基板とを電気的に接続するための入出力端子が設けられている(例えば、下記の特許文献1参照)。
しかしながら、信号の周波数が増大するにつれて、入出力端子内に生じる不要な共振が伝送特性を悪化させるという問題があり、高周波における伝送特性を向上させることが求められている。
特開2002−184888号公報
従来の入出力端子では、線路導体を伝送する高周波信号の周波数が増大するにつれて、入出力端子内に生じる不要な共振が伝送特性を悪化させるという問題があった。
本発明の実施形態に係る半導体素子収容用パッケージは、主面と、主面に位置する載置部と、を有する基板と、切欠き部を有するとともに、載置部を囲む枠体と、入出力端子と、を備える。切欠き部は、枠体の一部を、基板とは反対の側から切欠いたものである。入出力端子は、主面の正面視で枠体の外側に位置する第1辺と、主面の正面視で第1辺に対向し枠体の内側に位置する第2辺と、を含む第1面を有する矩形形状の第1絶縁体部と、第1面と対向し、かつ、主面の正面視で第1辺よりも枠体に近接して位置する第2面を有するとともに、主面の正面視で枠体の外側から枠体の内側にかけて位置している矩形形状の第2絶縁体部と、第1面に位置するとともに第1辺から第2辺にかけて延びる複数の接地導体と、第1面に位置し、かつ、主面の正面視で枠体の外側から枠体の内側にかけて延びるとともに主面の正面視で複数の接地導体のうちの隣接する2つの接地導体の間に位置する信号線路と、を有するとともに、切欠き部を塞いで位置する。第1絶縁体部は、主面の正面視で第1辺と第1辺に隣り合う辺とを含む角部に位置する角部切欠きと、主面の正
面視で第1辺に隣り合う辺に位置する側面切欠きと、角部切欠きの表面のうち少なくとも第1面と交差する面、および側面切欠きの表面のうち少なくとも第1面と交差する面に位置する接地導体層と、第1絶縁体の内部に位置する内層接地導体層と、を有している。角部切欠きの表面に位置する接地導体層、および側面切欠きの表面に位置する接地導体層は、それぞれ接地導体と内層接地導体層と、を接続する。
また、本発明の実施形態に係る半導体装置は、上記の半導体素子収納用パッケージと、
前記載置部に載置されるともに前記入出力端子に電気的に接続された半導体素子と、前記枠体に取り付けられた蓋体と、を含むことを特徴とする。
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上記の入出力端子を備えることにより、不要な共振の発生を抑制して高周波信号の伝送特性を向上させることができる。
また、本発明の半導体装置は、上記の半導体素子収納用パッケージを備えることにより、高周波信号の伝送特性が向上されたものとなる。
本発明の実施形態の半導体素子収納用パッケージを枠体側から視た斜視図である。 本発明の実施形態の半導体素子収納用パッケージを入出力端子側から視た斜視図である。 本発明の実施形態の半導体素子収納用パッケージを基板側から視た斜視図である。 本発明の実施形態の半導体素子収納用パッケージの分解斜視図である。 本発明の実施形態の半導体素子収納用パッケージが備える入出力端子の分解斜視図である。 (a)は、本発明の実施形態の半導体素子収納用パッケージを示す上面図であり、(b)は、本発明の実施形態の半導体素子収納用パッケージを示す底面図である。 (a)は、本発明の実施形態の半導体素子収納用パッケージを示す側面図であり、(b)は、図6(a)のA−A線における断面図である。 本発明の半導体装置を示す断面図である。 実施例および比較例における高周波信号の反射損失のシミュレーション結果を示す図である。 実施例および比較例における高周波信号の挿入損失のシミュレーション結果を示す図である。
本発明の実施形態に係る半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置について以下に詳細に説明する。
図1〜図7を参照して、本発明の実施形態に係る半導体素子収納用パッケージ100について説明する。
半導体素子収納用パッケージ100は、基板1、枠体2、および入出力端子3を含む。
基板1は、主面1aにIC,LSI,半導体レーザ、フォトダイオード等の半導体素子を載置するための載置部1bを有している。載置部1bは、基板1の主面1aに形成された凹部であってもよい。
基板1は、半導体素子を支持するための支持部材、および半導体素子で発生した熱を放散するための放熱板として機能するものであり、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金,Cu−W合金等の金属、またはAl質セラミックス,AlN質セラミックス,3Al・2SiO質セラミックス等の誘電体から成る。
基板1が金属から成る場合、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。一方、基板1がセラミックスから
成る場合、その原料粉末に適当な有機バインダや溶剤等を添加混合しペースト状と成し、このペーストをドクターブレード法やカレンダーロール法等によってセラミックグリーンシートと成し、しかる後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施し、これを複数枚積層し約1600℃の高温で焼成することによって作製される。
基板1が金属からなる場合、その表面に耐蝕性に優れ、かつろう材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と厚さ0.5〜5μmの金(Au)層とを順次メッキ法により被着させておくのがよい。これにより、基板1が酸化腐蝕するのを有効に防止できるとともに、基板1の主面1aの載置部1bに半導体素子を強固に接着固定させることができる。一方、基板1がセラミックスから成る場合、載置部1bに、W,Mo等のメタライズ層を下地層として形成し、この表面に耐蝕性に優れ、かつろう材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と厚さ0.5〜5μmのAu層とを順次メッキ法により被着させておくのがよい。これにより、載置部1bに半導体素子を強固に接着固定することができる。
枠体2は、基板1の載置部1bを囲繞するように、基板1の主面1aに接合される。枠体2の形状は、特に限定されず、平面視で、矩形枠状であってもよく、正方形枠状であってもよく、その他の形状であってもよい。本実施形態では、図6(a)に示すように、枠体2は、矩形枠状の形状を有している。
枠体2は、基板1側とは反対の側から切り欠かれた切欠き部2aを有する。枠体2が、平面視で、矩形枠状の形状を有する場合、切欠き部2aは、枠体2の4つの側壁のうちの1つの側壁に形成されてもよく、3つの側壁に連続して形成されてもよい。
また、枠体2の側壁には、貫通孔2bが設けられる。貫通孔2bには、光ファイバ等が取り付けられた金属ホルダ(図示せず)を固定する固定部材(図示せず)が接合されてもよい。
枠体2は、Agろう、Ag−Cuろう材等の高融点金属ろう材によって基板1の主面1aに接合される。枠体2は、誘電体から成ってもよく、金属から成ってもよいが、基板1との接合を強固にするとともに、外部に対する電磁遮蔽を行なうために、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成るのが望ましい。
入出力端子3は、載置部1bに載置される半導体素子と外部配線とを電気的に接続するものであり、枠体2の切欠き部2aに挿入固定される。
入出力端子3は、第1絶縁体部30、第2絶縁体部31、複数の信号線路33、および複数の接地導体32を含む。
第1絶縁体部30および第2絶縁体部31は、Al質セラミックス、AlN質セラミックス、3Al・2SiO質セラミックス等からなる誘電体層が複数積層されて成る矩形形状のものである。また、図示しないが、第1絶縁体部の内部には、1つまたは複数の内層接地導体層が設けられる。
第1絶縁体部30および第2絶縁体部31は、枠体2の内側から枠体2の外側に延びているとともに、第1絶縁体部30の一方主面30aと第2絶縁体部31の一方主面31aとが対向するように設けられる。
第1絶縁体部30は、平面視で、第1絶縁体部30の一端部30bが第2絶縁体部31よりも枠体2の外方に張出するように設けられる。その結果、第1絶縁体部30の一方主
面30aのうち枠体2の外方に遠ざかった箇所が第2絶縁体部31から露出する。
第2絶縁体部31は、図1に示すように、第2絶縁体部の一端部31bが第1絶縁体部30よりも枠体2の内方に張出するように設けられることが望ましい。その結果、第2絶縁体部31の一方主面31aのうち枠体2の内方に遠ざかった箇所が第1絶縁体部30から露出するので、この露出した箇所に信号線路33を配設することにより、信号線路33と半導体素子とを電気的に接続する接続加工が容易になる。
複数の接地導体32および複数の信号線路33は、W,Mo等のメタライズ層から成る。
接地導体32は、信号線路33に対する接地を強化するものであり、第1絶縁体部30の一方主面30aのうち枠体2の外側に位置する一辺から対向する他辺に向かって形成され、枠体2の外側から枠体2の内側まで延びている。
信号線路33は、半導体素子収納用パッケージ100に収納された半導体素子と外部配線基板とを電気的に接続するものである。信号線路33は、接地導体32に沿って形成され、枠体2の外側から枠体2の内側まで延びている。
複数の信号線路33は、各々、複数の接地導体32のうちの隣接する2つの接地導体32の間に配設される。すなわち、接地導体32および信号線路33が延びる方向に交差し、かつ第1絶縁体部30の一方主面30aの面方向に平行な方向において、接地導体32と信号線路33とが交互に配設されるとともに、最外方には接地導体32が配設される。
第2絶縁体部31の一方主面31aのうち枠体2から内方に遠ざかった箇所が第1絶縁体部30から露出している場合には、この露出した箇所まで信号線路33が延びていることが望ましい。その結果、信号線路33と半導体素子とを電気的に接続する接続加工が容易になる。接地導体32も、信号線路33と同様に、第2絶縁体部31の一方主面31aが露出した箇所まで延びていることが望ましい。その結果、信号線路33に対する接地を強化し、高周波信号をより効率よく伝送させることができる。
本実施形態の半導体素子収納用パッケージ100は、第1絶縁体部30の端面30cと端面30cに隣り合う2つの側面30dとの角部の少なくとも一方に、第1絶縁体部30の一方主面30a側から第1絶縁体部30の厚み方向に一部分が切り欠かれた角部切欠き30eを有する。端面30cは、図6に示すように、枠体2の外側であって接地導体32の端部が配されている一方主面30aの一辺を含む面である。また、角部切欠き30eの表面には、接地導体層30gが設けられる。接地導体層30gは、接地導体32および信号線路33が延びる方向に交差し、かつ第1絶縁体部30の一方主面30aの面方向に平行な方向において、最外方に配設される2つの接地導体32のうち角部切欠き30eが形成された側面30d側に位置する接地導体32に接続されてもよい。接地導体層30gは、第1絶縁体部30の内部に設けられる内層接地導体層に接続されてもよい。また、例えば図3に示すように、最外方に配設される接地導体32が一方主面30aの辺に沿って形成される場合には、平面視で、最外方に配設される接地導体32の形状は、角部切欠き30eの一方主面30aにおける開口形状に応じた形状とされてもよい。
このように、第1絶縁体部30に角部切欠き30eを設けることで、高周波信号が信号線路33を伝送する際に、高周波信号の伝送方向に対して垂直方向かつ側面30dの方向に分布する一部の電界を、角部切欠き30eの表面に設けられた接地導体層30gに結合させることができる。それによって、高周波信号の伝送方向に対して垂直方向かつ側面30dの方向に分布する一部の電界が、入出力端子3の外部に漏れ出して、周囲の誘電体または導体に結合し、不要な共振を発生させることを抑制することができ、その結果、高周波信号を効率よく伝送させることができる。
角部切欠き30eの形状は、特に限定されず、第1絶縁体部30の一方主面30aの面方向に平行な断面が、半円状であってもよく、長円上であってもよく、凹状であってもよく、その他の形状であってもよい。
本実施形態では、図6(b)に示すように、角部切欠き30eは、第1絶縁体部30の一方主面30aの面方向に平行な断面の形状が直線状とされている。これにより、応力が角部切欠き30eに集中することを抑制して、角部切欠き30eにクラック等の破損が生じることを防止することができる。さらに、角部切欠き30eに設けられる接地導体層30gの面積を小さくできることから、信号線路33と外部配線基板との接続部と、角部切欠き30eとの間に生じる容量成分を低減することができ、特性インピーダンスが所望の値より小さくなることを抑制できる。また、平面視で、角部切欠き30eの表面と端面30cとがなす角度は、特に限定されず、例えば30度〜60度の角度であってもよいが、45度であることが望ましい。これにより、角部切欠き30eにおけるクラック等の破損の発生をより効果的に抑制することができる。角部切欠き30eは、第1絶縁体部30の厚さ方向の高さを0.1mm〜1mmとすることが望ましい。これにより、信号線路33と角部切欠き30eとの結合を良好に保つことができる。
本実施形態の半導体素子収納用パッケージ100は、角部切欠き30eが形成された側面30dに、一方主面30a側から第1絶縁体部30の厚み方向に一部分が切り欠かれた側面切欠き30fをさらに有してもよい。側面切欠き30fの表面には、接地導体層30gが設けられる。接地導体層30gは、信号線路33および接地導体32が延びる方向に交差し、かつ第1絶縁体部30の一方主面30aの面方向に平行な方向において、最外方に配設される2つの接地導体32のうちの一方に接続されてもよい。接地導体層30gは、第1絶縁体部30の内部に設けられる内層接地導体層に接続されてもよい。また、例えば図3に示すように、最外方に配設される接地導体32が一方主面30aの辺に沿って形成される場合には、平面視で、最外方に配設される接地導体32の形状は、側面切欠き30fの一方主面30aにおける開口形状に応じた形状とされてもよい。
このように、第1絶縁体部30に角部切欠き30eおよび側面切欠き30fを設けることで、高周波信号が信号線路33を伝送する際に、高周波信号の伝送方向に対して垂直方向かつ側面30dの方向に分布する一部の電界を、角部切欠き30eの表面に設けられた接地導体層30gに結合させることができるとともに、入出力端子3の端面30cから枠体2の内側に向かって伝送される高周波信号の伝送方向に対して垂直方向かつ側面30dの方向に分布する一部の電界を、側面切欠き30fの表面に設けられた接地導体層30gに結合させることができる。それによって、高周波信号の伝送方向に対して垂直方向かつ側面30dの方向に分布する一部の電界が、入出力端子3の外部に漏れ出して、周囲の誘電体または導体に結合することによって生じる、不要な共振を発生させることを一層効果的に抑制することができ、その結果、高周波信号を一層効率よく伝送させることができる。
側面切欠き30fの形状は、特に限定されず、第1絶縁体部30の一方主面30aの面方向に平行な断面が、半円状であってもよく、長円上であってもよく、その他の形状であってもよい。本実施形態では、図6(b)に示すように、側面切欠き30fは、第1絶縁体部30の一方主面30aの面方向に平行な断面の形状が凹状とされている。また、側面切欠き30fは、信号線路33が配列される方向の幅を0.1mm〜1mm、高周波信号の伝送方向の長さを0.1mm〜1mm、第1絶縁体部30の厚さ方向の高さを0.1mm〜1mmとすることが望ましい。これにより、信号線路33と側面切欠き30fとの結合を良好に保つことができる。
入出力端子3は、第1絶縁体部30および第2絶縁体部31の周囲領域に設けられる立壁部34を有してもよい。立壁部34は、Al質セラミックス、AlN質セラミックス、3Al・2SiO質セラミックス等の誘電体から成る。立壁部34は、枠体2の切欠き部2aを塞ぐものであり、その形状は、枠体2の切欠き部2aの形状に応じて選択すればよい。また、図示しないが、立壁部34は、信号線路33に対する接地を強化するための導体層を有してもよい。立壁部34に導体層を設けることにより、高周波信号の伝送効率を向上させることができる。
本実施形態の半導体素子収納用パッケージ100が備える入出力端子3は、以下のようにして作製される。
入出力端子3が、例えば、Al質セラミックスから成る場合、先ず酸化アルミニウム、酸化珪素(SiO)、酸化マグネシウム(MgO)および酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加混合して泥漿状と成す。これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成形技術により複数のセラミックグリーンシートを得る。
次に、このセラミックグリーンシートに、W,Mo等の高融点金属粉末に適当な有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを、スクリーン印刷法等の厚膜形成技術により印刷塗布して、接地導体32、信号線路33、および第1絶縁体部30の内層接地導体層となるメタライズ層を所定パターンに形成する。また、第1絶縁体部30となるセラミックグリーンシートに金型等によって打ち抜き加工を施すことによって、所望の位置に所望の形状の角部切欠き30eおよび側面切欠き30fを形成し、この角部切欠き30eおよび側面切欠き30fの内面に接地導体層30gとなるW、Mo等の高融点金属粉末に適当な有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを塗布する。
その後、セラミックグリーンシートを複数枚積層し、これを還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することにより作製される。角部切欠き30eおよび側面切欠き30fは、第1絶縁体部30となるセラミックグリーンシートに形成されてもよいが、焼成後の第1絶縁体部30に切削加工を施すことにより形成されてもよい。
また、立壁部34は、金型等によって打ち抜き加工を施すことによって、枠体2の切欠き部2aに応じた形状に加工したセラミックグリーンシートを複数枚積層し、これを還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することにより作製される。
次に、本発明の半導体装置200について図8に基づいて説明する。図8は、本発明の実施形態に係る半導体装置200を示す断面図である。
半導体装置200は、上記構成の半導体素子収納用パッケージ100と、半導体素子5と、蓋体9とを含む。
半導体素子5は、例えばIC,LSI,半導体レーザ、フォトダイオード等である。半導体素子5は、基板1の載置部1bにろう材を介して接合されてもよいが、本実施形態では、半導体素子が基台6を介して基板1の載置部1bに載置される構成としている。
基台6は、半導体素子5から基板1へ熱を伝えるための伝熱媒体として機能し、放熱性および加工性に優れるシリコン(Si)、または基板1の熱膨張係数に近似するアルミナ
セラミックスや窒化アルミニウムセラミックス等の誘電体から成ることが好ましい。基台6は、Au−Sn合金等の低融点ろう材を介して基板1の載置部1bに接合される。
また、基台6の上面には、高周波信号が伝送される配線導体7が形成されるとともに、半導体素子5を搭載するための導体層(図示せず)が形成される。配線導体7は、ボンディングワイヤ8を介して、半導体素子5の電極に電気的に接続されるとともに、入出力端子3の信号線路33に電気的に接続される。
次に、必要に応じて枠体2の上面にシールリング4を鉛(Pb)−錫(Sn)半田やAu−Sn半田等の低融点金属ろう材やAg−Cuろう材等の高融点金属ろう材等により取り付け、シールリング4の上面に蓋体9を半田付けやシームウエルド法等の溶接により取り付けることにより、半導体素子5が半導体素子収納用パッケージ100の内部に収納された製品としての半導体装置200となる。蓋体9は、シールリング4を介することなく、Au−Sn合金半田等の低融点ロウ材を介して枠体2の上面に取り付けられてもよく、YAGレーザ溶接等の溶接法により取り付けられてもよい。
シールリング4は、例えばFe−Ni−Co合金等の金属から成り、蓋体9は、例えばFe−Ni−Co合金等の金属またはアルミナセラミックス等のセラミックスから成る。
このような本発明の半導体装置200は、本発明の実施形態に係る半導体素子収納用パッケージ100を備えていることから、不要な共振の発生を抑制し、高周波信号の伝送特性を向上させることができる。
次に、本発明の半導体素子収納用パッケージ100の実施例について説明する。
実施例1として、側面切欠きが設けられていないこと以外は図1〜図7と同様の構成の半導体素子収納用パッケージに外部配線基板を接続するとともに、外部配線基板に高周波信号を伝送させたときの高周波信号の伝送特性を、シミュレーションにより算出した。外部配線基板は、信号配線および接地配線を有するフレキシブル配線基板であり、第1絶縁体部30の一方主面30aに配設された信号線路に接続した。なお、シミュレーションは、CYBERNET社製のANSYS HFSSを使用し、信号線路33はその幅を0.25mm、厚さを0.01mmとし、接地導体32はその幅を0.35mm、厚さを0.01mmとし、信号線路33と接地導体32との間隔を0.3mm、信号線路33から側面30dまでの間隔を0.725mm、角部切欠き30eはその表面と端面30cとがなす角度を45度、第1絶縁体部30の厚さ方向の高さを0.4mmとし、側面切欠き30fはその信号線路33が配列される方向の幅を0.2mm、高周波信号の伝送方向の長さを0.45mm、第1絶縁体部30の厚さ方向の高さを0.4mmとし、第1絶縁体部30の内層の全面に設けられる、一方主面30aの面方向に平行な内層接地導体層と信号線路33との間隔を0.4mm、信号線路33および接地導体32の導電率を10×10−8Ωm、第1絶縁体部30および第2絶縁体部31の誘電率を10とし、それぞれの反射損失および挿入損失を電磁界シミュレーションによって評価した。
実施例2として、角部切欠きおよび側面切欠きを有する図1〜図7と同様の構成の半導体素子収納用パッケージ100に外部配線基板を接続するとともに、外部配線基板に高周波信号を伝送させたときの高周波信号の伝送特性を、実施例1と同様に、シミュレーションにより算出した。
比較例として、角部切欠き30eおよび側面切欠き30fが設けられていないこと以外は図1〜図7と同様の構成の半導体素子収納用パッケージに外部配線基板を接続するとと
もに、外部配線基板に高周波信号を伝送させたときの高周波信号の伝送特性を、実施例1と同様に、シミュレーションにより算出した。
実施例1、実施例2、および比較例における反射損失の周波数依存性を図9に示す。
図9より、実施例1では、比較例に比べて、17〜28GHzの周波数帯域で反射損失が改善され、かつ共振による影響が高周波側にシフトされていることがわかる。実施例2では、比較例に比べて、17〜32GHzの周波数帯域で反射損失が改善されており、共振による影響が高周波側にシフトされている。また、実施例2は、実施例1と比べて、21〜36GHzの周波数帯域で反射損失が改善されており、共振による影響が高周波側にシフトされている。
次に、実施例1、実施例2、および比較例における挿入損失の周波数依存性を図10に示す。
図10より、実施例1および実施例2では、比較例に比べて、共振によって生じる挿入損失の谷が高周波側にシフトされていることがわかる。特に、実施例2では、実施例1および比較例に比べて、共振によって生じる挿入損失の谷が高周波側にシフトされていることがわかる。
図9および図10の結果は以下に示す理由によると考えられる。
比較例1では、高周波信号の伝送方向および第1絶縁体部30の一方主面30aに対して垂直方向の電界は、第1絶縁体部30の内層接地導体層およびフレキシブル配線基板の接地配線に結合されるが、高周波信号の伝送方向に対して垂直方向かつ側面30dの方向に分布する一部の電界は、第1絶縁体部30の内層接地導体層およびフレキシブル配線基板の接地配線には結合されず、入出力端子3の外部に漏れ出し、周囲の誘電体または導体に結合することにより、不要な共振を発生させる。
実施例1では、高周波信号の伝送方向に対して垂直方向かつ側面30dの方向に分布する一部の電界が、角部切欠き30eの表面の接地導体層30gに結合されるので、高周波信号の伝送方向に対して垂直方向かつ側面30dの方向に分布する一部の電界が、入出力端子3の外部に漏れ出すことを抑制することができる。それによって、信号線路33とフレキシブル配線基板の接地配線との間に擬似的な同軸線路が形成されやすくなり、高周波信号の伝送特性が向上すると考えられる。
また、実施例2では、高周波信号の伝送方向に対して垂直方向かつ側面30dの方向に分布する一部の電界が、角部切欠き30eの表面の接地導体層30gに結合され、かつ入出力端子3の端面30cから枠体2の内側に向かって伝送される高周波信号の垂直方向かつ側面30dの方向に分布する一部の電界が、側面切欠き30fの表面に設けられた接地導体層30gに結合されるので、高周波信号の伝送方向に対して垂直方向かつ側面30dの方向に分布する一部の電界が、入出力端子3の外部に漏れ出すことを一層効果的に抑制することができる。それによって、信号線路33とフレキシブル配線基板の接地配線との間に擬似的な同軸線路がさらに形成されやすくなり、高周波信号の伝送特性が一層向上すると考えられる。
以上の結果から、本実施形態の半導体素子収納用パッケージ100では、高周波における伝送特性が向上されていることがわかった。
1 基板
1a 主面
1b 載置部
2 枠体
2a 切欠き部
2b 貫通孔
3 入出力端子
4 シールリング
5 半導体素子
6 基台
7 配線導体
8 ボンディングワイヤ
9 蓋体
30 第1絶縁体部
30a 一方主面
30b 一端部
30c 端面
30d 側面
30g 接地導体層
31 第2絶縁体部
31a 一方主面
31b 一端部
32 接地導体
33 信号線路
34 立壁部
100 半導体素子収納用パッケージ
200 半導体装置

Claims (4)

  1. 主面と、前記主面に位置する載置部と、を有する基板と、
    切欠き部を有するとともに、前記載置部を囲む枠体と、
    入出力端子と、を備え、
    前記切欠き部は、
    前記枠体の一部を、前記基板とは反対の側から切欠いたものであり、
    前記入出力端子は、
    前記主面の正面視で前記枠体の外側に位置する第1辺と、前記主面の正面視で前記第
    1辺に対向し前記枠体の内側に位置する第2辺と、を含む第1面を有する矩形形状の
    第1絶縁体部と、
    前記第1面と対向し、かつ、前記主面の正面視で前記第1辺よりも前記枠体に近接し
    て位置する第2面を有するとともに、前記主面の正面視で前記枠体の外側から前記枠
    体の内側にかけて位置している矩形形状の第2絶縁体部と、
    前記第1面に位置するとともに前記第1辺から前記第2辺にかけて延びる複数の接地
    導体と、
    前記第1面に位置し、かつ、前記主面の正面視で前記枠体の外側から前記枠体の内側
    にかけて延びるとともに前記主面の正面視で前記複数の接地導体のうちの隣接する2
    つの前記接地導体の間に位置する信号線路と、を有するとともに、
    前記切欠き部を塞いで位置し、
    前記第1絶縁体部は、
    前記主面の正面視で前記第1辺と該第1辺に隣り合う辺とを含む角部に位置する角
    切欠きと
    前記主面の正面視で前記第1辺に隣り合う辺に位置する側面切欠きと、
    前記角部切欠きの表面のうち少なくとも前記第1面と交差する面、および前記側面切
    欠きの表面のうち少なくとも前記第1面と交差する面に位置する接地導体層と、
    前記第1絶縁体の内部に位置する内層接地導体層と、を有し、
    前記角部切欠きの表面に位置する前記接地導体層、および前記側面切欠きの表面に位置
    する前記接地導体層は、それぞれ前記接地導体と前記内層接地導体層と、を接続するこ
    とを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
  2. 前記角部切欠きは、
    前記第1絶縁体部の前記第1面の面方向に平行な断面の形状が、直線状であることを特
    徴とする請求項1に記載の半導体素子収納用パッケージ。
  3. 前記側面切欠きは、
    前記第1絶縁体部の前記第1面の前記面方向に平行な断面の形状が矩形状であることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体素子収納用パッケージ。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置されるとともに前記入出力端子に電気的に接続された半導体素子と、前記枠体に取り付けられた蓋体と、含むことを特徴とする半導体装置。
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