JP6744084B2 - 幹細胞由来の分化細胞用培地、幹細胞からの分化細胞の製造及び該分化細胞を含む細胞医薬組成物の製造のための方法 - Google Patents

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本発明は、幹細胞由来の分化細胞用培地、幹細胞からの分化細胞の製造及び該分化細胞を含む細胞医薬組成物の製造のための方法に関する。より詳しくは、アトルバスタチンによって幹細胞の生存を抑制して分化細胞のみを選択的に培養可能な培地等に関する。
人工多能性幹細胞(iPS細胞)、胚性幹細胞(ES細胞)等の多分化能幹細胞を用いる再生医療技術の課題のひとつは、多分化能幹細胞を所望のタイプの細胞に分化させた後に患者の体内に移植する際に、多分化能幹細胞が未分化状態のまま残存し、分化した細胞とともに患者の体内に移植され、患者の体内で腫瘍及び癌化する危険を如何に防止するかである(非特許文献1参照)。
造腫瘍性を持つおそれのある未分化iPS細胞等の混入を評価する試験系としては、未分化多能性細胞特異的なマーカーや分化能の高い細胞に特異的なマーカー(非特許文献2参照)の発現を指標にしたフローサイトメトリーや定量的RT-PCR(qRT-PCR)が挙げられる。しかし、いずれも一定の頻度以下の未分化多能性幹細胞の混入は検出できず、最終製品を未分化多能性幹細胞培養条件に戻して培養してiPS細胞等のコロニーが出現しないことの確認などが必要である。
アトルバスタチン(Monocalcium bis{(3R,5R)−7−[2−(4−fluorophenyl)−5−(1−methylethyl)−3−phenyl−4−(phenylcarbamoyl)−1H−pyrrol−1−yl]−3,5−dihydroxyheptanoate} trihydrate、式(I)参照)は、HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)と呼ばれる薬剤の一種である。
スタチン薬剤は、現在、シンバスタチン(Simvastatin)、フルバスタチン(Fluvastatin)、ロバスタチン(Lovastatin)、アトルバスタチン(Atorvastatin)、ピタバスタチン(Pitavastatin)、プラバスタチン(Pravastatin)、メバスタチン(Mevastatin)及びロスバスタチン(Rosuvastatin)が知られている。スタチン薬剤は、心血管疾患についてのリスク患者における血中低密度リポタンパク質(LDL)濃度を低下させるために最も効果的な薬剤である。血中における高レベルのLDLは、血流の遮断、血管の破裂、血栓症を促進する冠動脈損傷の形成に関連している(非特許文献3参照)。
本発明に関連して、特許文献1には、iPS細胞の腫瘍化を抑制して目的の分化細胞に分化させる技術が開示されている。当該文献の実施例には、iPS細胞を骨芽細胞へ誘導し免疫不全マウスに移植する実験において、シンバスタチン、フルバスタチン又はロバスタチンを含む培地中で分化誘導を行うことにより、移植された細胞による腫瘍形成を抑制できたことが記載されている。しかし、引用文献1には、アトルバスタチンについて具体的な検討はなされておらず、またiPS細胞の心筋細胞への分化誘導に関する具体的な開示はなされていない。
国際公開第2013/100080号
J. Cell Sci.,2010,123,p.643−651 PNAS,2013,110,51,p.20569-20574 The Pharmacological Basis of Therapeutics,1996,9,p.879
本発明は、幹細胞から誘導される分化細胞において、未分化な幹細胞の混入のない分化細胞を調製するための技術を提供することを主な目的とする。
[1]アトルバスタチンを含む、幹細胞由来の分化細胞用培地。
[2]前記幹細胞が誘導性多能性幹細胞である[1]の培地。
[3]前記分化細胞が心筋細胞である[1]又は[2]の培地。
[4]前記幹細胞がヒト由来である[1]〜[3]のいずれかの培地。
[5]アトルバスタチンを濃度1〜20μMで含む[1]〜[4]のいずれかの培地。
[6]前記培地が無血清培地である、[1]〜[5]のいずれかの培地。
[7]アトルバスタチンを有効成分とする幹細胞生存抑制剤。
[8]前記幹細胞が誘導性多能性幹細胞である[7]の幹細胞生存抑制剤。
[9]前記幹細胞がヒト由来である[7]又は[8]の幹細胞生存抑制剤。
[10]幹細胞由来の分化細胞を含む細胞医薬組成物の生体内での腫瘍化を抑制するため医薬組成物であり、[7]〜[9]のいずれかの幹細胞生存抑制剤を含む医薬組成物。
[11]幹細胞から分化細胞を製造する方法であって、分化誘導後の細胞をアトルバスタチンにより処理する工程を含む方法。
[12]前記幹細胞が誘導性多能性幹細胞である[11]の方法。
[13]前記分化細胞が心筋細胞である[11]又は[12]の方法
[14]前記幹細胞がヒト由来である[11]〜[13]のいずれかの方法。
[15]幹細胞を培養する工程と、幹細胞を分化誘導する工程と、をさらに含む[11]〜[14]のいずれかの方法。
[16]幹細胞由来の分化細胞を含む細胞医薬組成物を製造する方法であって、前記幹細胞を分化誘導する工程と、分化誘導後の細胞をアトルバスタチンにより処理する工程と、を含む方法。
[17]前記幹細胞が誘導性多能性幹細胞である[16]の方法。
[18]前記分化細胞が心筋細胞である[16]又は[17]の方法
[19]前記幹細胞がヒト由来である[16]〜[18]のいずれかの方法。
[20]幹細胞を培養する工程、をさらに含む[16]〜[19]のいずれかの方法。
[21]幹細胞及び分化細胞を含む細胞混合物から分化細胞のみを分離する方法であって、
前記細胞混合物をアトルバスタチンにより処理する手順を含む方法。
[22]前記幹細胞が誘導性多能性幹細胞である[21]の方法。
[23]前記分化細胞が心筋細胞である[21]又は[22]の方法
[24]前記幹細胞及び前記分化細胞がヒト由来である[21]〜[23]のいずれかの方法。
[25]幹細胞を培養する工程と、幹細胞を分化誘導する工程と、をさらに含む[21]〜[24]のいずれかの方法。
[26][1]の培地、[7]の幹細胞生存抑制剤、[10]の医薬組成物の製造のためのアトルバスタチンの使用。
[27]幹細胞由来の分化細胞を含む細胞医薬組成物の製造のためのアトルバスタチンの使用。
[28]幹細胞由来の分化細胞を含む細胞医薬組成物の生体内での腫瘍化を抑制するためのアトルバスタチンの使用。
本発明により、幹細胞から誘導される分化細胞において、未分化な幹細胞の混入のない分化細胞を調製するための技術が提供される。
培養ヒトiPS細胞に対するスタチン類の生存抑制活性を評価した結果を示すグラフである(実施例1)。 培養ヒトiPS細胞に対するアトルバスタチンの生存抑制活性を評価した結果を示すグラフである(実施例1)。 培養ヒトiPS細胞に対するアトルバスタチンの生存抑制活性を評価した結果を示すグラフである(実施例1)。 培養心筋細胞に対するアトルバスタチンの生存抑制活性(細胞死誘導活性)を評価した結果を示すグラフである(実施例2)。
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
1.分化細胞用培地
本発明に係る分化細胞用培地は、幹細胞から分化細胞を誘導するために用いられるものであり、アトルバスタチンを含むことを特徴とする。本発明において、アトルバスタチンは、未分化な幹細胞に特異的な生存抑制活性を有し、分化細胞(特に心筋細胞)の細胞死を誘発することなく、未分化幹細胞の生存を抑制することが明らかとなった。
本発明に係る培地において、アトルバスタチンの濃度は、未分化幹細胞に対して生存抑制活性を示し、かつ分化細胞の細胞死を誘発することがない濃度である限りにおいて、特に限定されない。このような濃度は、実施例記載の方法及び従来公知の方法を用いて当業者が適宜設定可能である。アトルバスタチンの濃度は、例えば0.01〜2000μM、好ましくは0.1〜200μM、より好ましくは1〜20μMとされる。
本発明に係る培地は、幹細胞の培養や幹細胞からの分化細胞の誘導のために従来用いられている培地(基礎培地)に、アトルバスタチンを上記濃度で添加することにより調製できる。このような培地としては、例えば、以下を挙げることができる。
[基礎培地]
RPMI-1640培地、EagleのMEM培地、ダルベッコ改変MEM培地、Glasgow’s MEM培地、α-MEM培地、199培地、IMDM培地、DMEM培地Hybridoma Serum free培地、Chemically Defined Hybridoma Serum Free培地、Ham’s Medium F-12、Ham’s Medium F-10、Ham’s Medium F12K、ATCC-CRCM30、DM-160、DM-201、BME、Fischer、McCoy’s 5A、Leibovitz’s L-15、RITC80-7、MCDB105、MCDB107、MCDB131、MCDB153、MCDB201、NCTC109、NCTC135、Waymouth’s MB752/1、CMRL-1066、Williams’ medium E、Brinster’s BMOC-3 Medium、E8 Medium、E8 medium(以上サーモフィッシャーサイエンティフィック)、ReproFF2(リプロセル社)、EX-CELL 302培地(SAFC社)またはEX-CELL-CD-CHO(SAFC社)及びこれらの混合物。
本発明に係る培地は、これらの培地にアトルバスタチンを予め添加あるいは細胞培養中に添加することによって調製できる。
また、培地には、必要に応じて細胞の生存又は増殖に必要な生理活性物質及び栄養因子などを添加できる。これらの添加物は、培地に予め添加されていてもよく、細胞培養中に添加されてもよい。培養中に添加する方法は、1溶液または2種以上の混合溶液などいかなる形態によってでもよく、連続的または断続的な添加であってよい。
生理活性物質としては、インシュリン、IGF−1、トランスフェリン、アルブミンまたは補酵素Q10などが挙げられる。
栄養因子としては、糖、アミノ酸、ビタミン、加水分解物または脂質などが挙げられる。
糖としては、グルコース、マンノースまたはフルクトースなどが挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
アミノ酸としては、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グルタミン酸、L−グルタミン、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシンまたはL−バリンなどが挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
ビタミンとしては、d−ビオチン、D−パントテン酸、コリン、葉酸、myo−イノシトール、ナイアシンアミド、ピロドキサール、リボフラビン、チアミン、シアノコバラミンまたはDL−α―トコフェロールなどが挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
加水分解物としては、大豆、小麦、米、えんどう豆、とうもろこし、綿実、酵母抽出物などを加水分解したものが挙げられる。
脂質としては、コレステロール、リノール酸またはリノレイン酸などが挙げられる。
さらに、培地には、カナマイシン、ストレプトマイシン、ペニシリンまたはハイグロマイシンなどの抗生物質を必要に応じて添加してもよい。シアル酸等の酸性物質を培地に添加する場合には、培地のpHを細胞の成育に適した中性域であるpH5〜9、好ましくはpH6〜8に調整することが望ましい。
本発明に係る培地は、血清含培地であっても無血清培地であってもよい。異種動物由来成分の混入防止の観点からは血清を含有しないか、培養される幹細胞と同種動物由来の血清が用いられることが好ましい。ここで、無血清培地とは、無調整又は未精製の血清を含まない培地を意味する。無血清培地は、精製された血液由来成分や動物組織由来成分(例えば、増殖因子)を含有していてもよい。
本発明に係る培地は、血清と同様に、血清代替物についてもこれを含んでいても含んでいなくともよい。血清代替物としては、例えば、アルブミン、脂質リッチアルブミン及び組換えアルブミン等のアルブミン代替物、植物デンプン、デキストラン、タンパク質加水分解物、トランスフェリン又は他の鉄輸送体、脂肪酸、インスリン、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’-チオグリセロールあるいはこれらの均等物などが挙げられ得る。血清代替物の具体例として、例えば、国際公開第98/30679号記載の方法により調製されるものや、市販のknockout Serum Replacement(KSR社)、Chemically-defined Lipid concentrated(Life Technologies社)及びGlutamax(Life Technologies社)などが挙げられる。
[幹細胞]
本発明が対象とする「幹細胞」は、自己複成能及び分化増殖能を有する未熟な細胞をいい、分化能力に応じて、多能性幹細胞(pluripotent stem cell)、複能性幹細胞(multipotent stem cell)、単能性幹細胞(unipotent stem cell)等が含まれる。「幹細胞」は、一般に、未分化状態を保持したまま増殖できる「自己再生能」と、三胚葉系列すべてに分化できる「分化多能性」とを有する未分化細胞と定義されている。
多能性幹細胞とは、生体を構成する全ての組織や細胞へ分化し得る能力を有する細胞を意味する。
複能性幹細胞とは、全ての種類ではないが、複数種の組織や細胞へ分化し得る能力を有する細胞を意味する。
単能性幹細胞とは、特定の組織や細胞へ分化し得る能力を有する細胞を意味する。
幹細胞の由来種も特に限定されず、例えば、ラット、マウス、ハムスター、モルモット等のげっ歯類、ウサギ等のウサギ目、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ等の有蹄目、イヌ、ネコ等のネコ目、ヒト、サル、アカゲザル、マーモセット、オランウータン、チンパンジーなどの霊長類などの細胞であってよい。
幹細胞の具体例としては、筋芽細胞、血管内皮細胞、骨芽細胞、脂肪細胞、筋細胞、心筋細胞、軟骨細胞等へ分化する間葉系幹細胞、ニューロンやグリア細胞へ分化する神経幹細胞、白血球、赤血球、血小板、肥満細胞、樹状細胞等へ分化する造血幹細胞又は骨髄幹細胞、スフェロイド状態から胚様体(EB体)と呼ばれる擬似的な胚の形成を経て様々な組織への分化・誘導のステップに進むことが知られている胚性幹細胞(Embryonic stem cell:ES細胞)や誘導性多能性幹細胞(induced pluripotent cell:iPS細胞)、始原生殖細胞に由来する胚性生殖(EG)細胞、精巣組織からのGS細胞の樹立培養過程で単離されるmultipotent germline stem(mGS)細胞、骨髄から単離されるmultipotent adult progenitor cell(MAPC)等の多能性幹細胞などが挙げられる。
多能性幹細胞としては、特に、上述のES細胞またはiPS細胞を挙げることができる。体細胞の核を核移植することによって作製された初期胚を培養することによって樹立した幹細胞も、多能性幹細胞としてまた好ましい(Nature,1997,385,p.810、Science,1998,280,p.1256、Nature Biotechnology,1999,17,p.456、Nature,1998,394,p.369、Nature Genetics,1999,22,p.127、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1999,96,p.14984、Nature Genetics,2000,24,p.109)。
ヒトES細胞株は、例えばWA01(H1)およびWA09(H9)は、WiCell Reserch Instituteから、KhES−1、KhES−2及びKhES−3は、京都大学再生医科学研究所(京都、日本)から入手可能である。
iPS細胞としては、例えば、皮膚細胞等の体細胞に複数の遺伝子(初期化因子)を導入して得られる、ES細胞同様の多分化能を獲得した細胞が挙げられる。例えばOct3/4遺伝子、Klf4遺伝子、C-Myc遺伝子及びSox2遺伝子を導入することによって得られるiPS細胞、Oct3/4遺伝子、Klf4遺伝子及びSox2遺伝子を導入することによって得られるiPS細胞(Nature Biotechnology,2008,26,101-106)等が挙げられる。初期化因子に含まれる遺伝子として、例えば、Oct3/4、Sox2、Sox1、Sox3、Sox15、Sox17、Klf4、Klf2、c−Myc、N−Myc、L−Myc、Nanog、Lin28、Fbx15、ERas、ECAT15−2、Tcl1、beta−catenin、Lin28b、Sall1、Sall4、Esrrb、Nr5a2、Tbx3またはGlis1等が例示され、これらの初期化因子は、単独で用いても良く、組み合わせて用いても良い。初期化因子の組み合わせとしては、WO2007/069666、WO2008/118820、WO2009/007852、WO2009/032194、WO2009/058413、WO2009/057831、WO2009/075119、WO2009/079007、WO2009/091659、WO2009/101084、WO2009/101407、WO2009/102983、WO2009/114949、WO2009/117439、WO2009/126250、WO2009/126251、WO2009/126655、WO2009/157593、WO2010/009015、WO2010/033906、WO2010/033920、WO2010/042800、WO2010/050626、WO 2010/056831、WO2010/068955、WO2010/098419、WO2010/102267、WO 2010/111409、WO 2010/111422、WO2010/115050、WO2010/124290、WO2010/147395、WO2010/147612、Nat. Biotechnol., 2008,26,p.795−797、Cell Stem Cell, 2008,2,p.525−528、Stem Cells. 2008,26,p.2467−2474、Nat Biotechnol. 2008,26,p.1269−1275、Cell Stem Cell, 2008,3, p.568−574、Cell Stem Cell, 2008,3,p.475−479、Cell Stem Cell, 2008,3, p.132−135、Nat Cell Biol.,2009,11,p.197−203、Nat. Biotech., 2009,27,p.459−461、Proc Natl Acad Sci U S A.,2009,106,p.8912−8917、Nature,2009,461,p.643−649、Cell Stem Cell,2009, 5,p.491−503、Cell Stem Cell,2010,6,p.167−74、Nature,2010,463,p.1096−100、Stem Cells,2010,28,p.713−720、Nature,2011,474,p.225−9に記載の組み合わせが例示される。iPS細胞は、所定の機関(理研バイオリソースセンター、京都大学)より入手可能である。
複能性幹細胞としては、特に、間葉系幹細胞、造血系幹細胞、神経系幹細胞、骨髄幹細胞及び生殖幹細胞等の体性幹細胞等が挙げられる。複能性幹細胞は、好ましくは間葉系幹細胞、より好ましくは骨髄間葉系幹細胞である。なお、間葉系幹細胞とは、骨芽細胞、軟骨芽細胞及び脂肪芽細胞等の間葉系の細胞全て又はいくつかへの分化が可能な幹細胞又はその前駆細胞の集団を広義に意味する。
本発明に係る培地は、いずれの幹細胞の培養にも好適に使用することができるが、好ましくは間葉系幹細胞、ES細胞又はiPS細胞の培養に、より好ましくはiPS細胞の培養に、特に好ましくはヒトiPS細胞の培養に使用することができる。ヒトiPS細胞としてより具体的には253G1株(理研セルバンクNo. HPS0002)、201B7株(理研セルバンクNo. HPS0063)、409B2株(理研セルバンクNo. HPS0076)、454E2株(理研セルバンクNo. HPS0077)、HiPS−RIKEN−1A株(理研セルバンクNo. HPS0003)、HiPS−RIKEN−2A株(理研セルバンク No. HPS0009)、HiPS−RIKEN−12A株(理研セルバンク No. HPS0029)、Nips−B2株(理研セルバンクNo. HPS0223)などを挙げることができる。
[幹細胞生存抑制剤等]
上述の通り、アトルバスタチンは、未分化な幹細胞に特異的な生存抑制活性を有し、分化細胞(特に心筋細胞)の細胞死を誘発することなく、未分化幹細胞の生存を抑制する。このため、アトルバスタチンは、in vitroでの細胞培養において幹細胞生存抑制剤として利用でき、さらにin vivoにおいても幹細胞生存抑制剤として、幹細胞由来の分化細胞を含む細胞医薬組成物の生体内での腫瘍化を抑制するため利用できる可能性がある。
2.分化細胞の製造方法
本発明に係る分化細胞の製造方法は、分化誘導後の細胞をアトルバスタチンにより処理する工程を含むことを特徴とする。より具体的には、本発明に係る分化細胞の製造方法は、上述の本発明に係る分化細胞用培地中で分化誘導後の細胞を培養する手順を含むことを特徴とする。ただし、本発明に係る分化細胞の製造方法は、分化誘導前の幹細胞がアトルバスタチンにより処理されることを排除する趣旨ではない。すなわち、本発明に係る分化細胞の製造方法では、少なくとも分化誘導後の細胞(分化細胞に加えて未分化状態を維持した幹細胞を含み得る)がアトルバスタチンにより処理されるものであり、加えて分化誘導前の幹細胞もがアトルバスタチンにより処理されてもよい。
アトルバスタチンは、未分化な幹細胞に特異的な生存抑制活性を有し、分化細胞の細胞死を誘発することなく、未分化幹細胞の生存を抑制する。このため、本発明に係る分化細胞の製造方法によれば、未分化幹細胞の混入がない(あるいは極めて少ない)分化細胞を得ることができる。
また、本発明に係る分化細胞の製造方法と同様のアトルバスタチン処理工程に、幹細胞及び分化細胞を含む細胞混合物を供すれば、分化細胞の細胞死を誘発することなく、未分化幹細胞の生存を抑制することができるので、細胞混合物から未分化幹細胞の混入がない(あるいは極めて少ない)分化細胞のみを分離することもできる(分化細胞の分離方法)。
本発明に係る分化細胞の製造方法は、特に幹細胞から心筋細胞を製造するために好適に用いられる。実施例において後述するように、フルバスタチン等のスタチンでは、幹細胞から分化誘導した心筋細胞に対して細胞死誘導活性が発現する場合がある。このため、本発明に係る分化細胞の製造方法は、幹細胞から心筋細胞を製造する場合に特に好適となる。
本発明に係る分化細胞の製造方法は、上記のアトルバスタチンによる処理工程に加えて、幹細胞を培養する工程と、幹細胞を分化誘導する工程と、をさらに含んでいてもよい。これらの工程において、細胞の培養及び幹細胞の分化誘導は、従来公知の手法に従って行えばよく、アトルバスタチンの存在下又は非存在下で行うことができる。
細胞培養に用いられる培養器は、特に限定されないが、フラスコ、ディッシュ、シャーレ、マイクロウエルプレート、マイクロスライド、チャンバースライド、チューブ、トレイ、培養バック又はタンクなどの培養槽などが挙げられ得る。これらの培養器の基材も、特に限定されず、ガラスや、ポリプロピレイン及びポリスチレンなどの各種プラスチック、ステンレスなどの金属又はそれらの組み合わせが挙げられる。
培養器は、細胞接着性であっても細胞非接着性であってもよく、目的に応じて適宜選ばれる。細胞接着性の培養器は、培養器の表面と細胞との接着性を向上させる目的で、細胞外マトリックス(ECM)等の任意の細胞支持用基質でコーティングされたものであり得る。細胞支持用基質は、幹細胞又はフィーダー細胞(用いられる場合)の接着を目的とする任意の物質であり得る。このような細胞支持用基質としては、コラーゲン、ゼラチン、ポリ-L-リジン、ポリ-D-リジン、ラミニン(または、ラミニンの一部構造体)、及びフィブロネクチン並びにそれらの混合物、例えばマトリゲル、並びに溶解細胞膜調製物が挙げられる(Lancet,2005,365,9471,p.1636-1641参照)。
培養される幹細胞は、分散細胞又は非分散細胞であり得る。分散細胞とは、細胞分散を促進するために処理された細胞をいう。分散細胞としては、数個(典型的に2〜50、2〜20、又は2〜10個)の細胞からなる小さな細胞塊を形成している細胞が挙げられる。分散細胞は、浮遊(懸濁)細胞、又は接着細胞であり得る。
細胞の培養密度は、細胞の生存及び増殖を促進する効果を達成し得るような密度である限り特に限定されない。好ましくは1.0×101〜1.0×107細胞/ml、より好ましくは1.0×102〜1.0×107細胞/ml、さらにより好ましくは1.0×103〜1.0×107細胞/ml、最も好ましくは3.0×104〜1.0×107細胞/mlである。
温度、CO2濃度、酸素濃度及びpHなどの培養条件は、動物組織に由来する細胞の培養に従来用いられている技術に基づいて適宜設定できる。例えば、培養温度は、特に限定されるものではないが30〜40℃、好ましくは37℃であり得る。CO2濃度は、1〜10%、好ましくは2〜5%であり得る。酸素濃度は、10〜25%であり得る。
幹細胞の接着培養を行う場合、フィーダー細胞の存在下で培養してもよい。フィーダー細胞には、胎児線維芽細胞等のストローマ細胞を用いることができる(例えば、Manipulating the Mouse Embryo A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1994、Gene Targeting, A Practical Approach, IRL Press at Oxford University Press, 1993;Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1981,78,12,p.7634−7638、Nature,1981,292,5819,p.154−156、J. Virol.,1969,4,5,p.549−553、Science,1996,272,5262,p.722−724、J. Cell. Physiol.,1982,112,1,p.89−95、国際公開第01/088100号、同第2005/080554号参照)。
幹細胞の浮遊培養の態様としては、担体上での浮遊培養(J. Biotechnology,2007,132,2,p.227−236)又はメチルセルロースなどの高分子ポリマーを用いた浮遊培養(Stem Cell Reports,2014,2,5,p.734−745)などが挙げられる。幹細胞の浮遊培養との用語は、培地中において、培養器又はフィーダー細胞(用いられる場合)に対して非接着性の条件下で幹細胞を培養することをいう。幹細胞の浮遊培養としては、幹細胞の分散培養及び幹細胞の凝集浮遊培養が挙げられる。幹細胞の分散培養との用語は、懸濁された幹細胞を培養することをいい、数個(例、2〜20個)の幹細胞からなる小さな細胞塊の分散培養が挙げられる。分散培養を継続した場合、培養された分散細胞がより大きな幹細胞塊を形成し、その後凝集浮遊培養が実行され得る。このような凝集浮遊培養としては、胚様体培養法(Curr. Opin. Cell Biol.,1995,7,6,p.862-869参照)、SFEB法(Nature Neuroscience,2005,8,3,p.288-296、国際公開第2005/123902号)、メッシュフィルターを用いて機械的処理により細胞株を継代させるスフェア培養法(Stem Cell Reports,2014,2,5,p.734−745)が挙げられる。
幹細胞の分化誘導は、例えば心筋細胞の分化誘導プロセスでは、培地(例えば、STEMdiff APEL Medium、STEMCELL社)に0.5ng/ml BMP-4を添加し、1日後、培地を10ng/ml BMP-4、10ng/ml Activin A、5ng/ml bFGFを添加した物に交換し、4日目後、培地を10ng/ml VEGF、150ng/ml Dkk1を添加した物に交換し、8日目後、培地を10ng/ml VEGF、150ng/ml Dkk1、10ng/ml bFGFを添加した物に交換することで自律的な拍動を伴う心筋細胞を確認できる。
また、例えば、軟骨細胞の分化誘導プロセスでは、培地(90%αMEM培地、10%牛胎児血清(FBS)、2mM L-グルタミン、0.1μMのデキサメタゾン)中で、間葉系幹細胞を培養することによって行うことができる。さらに、例えばレチノイン酸などの分化誘導剤を培地に添加することにより、幹細胞を神経系細胞などに分化させることが可能となる。分化誘導剤には、BMP阻害剤、Wnt阻害剤、Nodal阻害剤、レチノイン酸なども用いることができる。血小板分化誘導プロセスの過程で必要となる巨核球の形成には、血清含有培地(20%FCS)において誘導された胚葉体を経て、トロンボポエチン(TPO)、インターロイキン3(IL3)、インターロイキン6(IL6)及び幹細胞因子(SCF)等の因子が使用され得る。
3.細胞医薬組成物の製造方法
本発明に係る、幹細胞由来の分化細胞を含む細胞医薬組成物の製造方法は、幹細胞を分化誘導する工程と、分化誘導後の細胞をアトルバスタチンにより処理する工程と、を含むことを特徴とする。この製造方法は、さらに、幹細胞を培養する工程を含むことができる。
分化誘導工程及びアトルバスタチンによる処理工程は、上記の分化細胞の製造方法と同様の手順によって行うことができる。本発明に係る細胞医薬組成物の製造方法においても、分化誘導前の幹細胞がアトルバスタチンにより処理されることは排除されないものとする。
アトルバスタチンは、未分化な幹細胞に特異的な生存抑制活性を有し、分化細胞の細胞死を誘発することなく、未分化幹細胞の生存を抑制する。このため、本発明に係る細胞医薬組成物の製造方法によれば、分化細胞を含み、未分化幹細胞の混入がない(あるいは極めて少ない)細胞医薬組成物を得ることができる。
細胞医薬組成物は、分散された分化細胞、所定形状の細胞塊を形成した分化細胞集団、あるいは組織構造や小器官を形成した分化細胞集団であり得る。細胞医薬組成物は、再生医療用の細胞ソースのために利用され得る。本発明に係る製造方法により得られる細胞医薬組成物は、未分化幹細胞の混入がない(あるいは極めて少ない)ため、移植後に再生内で腫瘍化又は癌化するおそれがなく、優れた安全性が期待できる。例えば、本発明に係る細胞医薬組成物により得られる心筋細胞を含む細胞医薬組成物は、シート状に形成されてて、心疾患の治療のため好適に心臓へ移植され得るものである。
[実施例1:ヒトiPS細胞維持培養におけるアトルバスタチンによる細胞生存抑制]
培養ヒトiPS細胞に対するアトルバスタチンの生存抑制活性を評価した。
(方法)
ヒトiPS細胞は、京都大学iPS細胞研究所山中伸弥教授が樹立したヒト人工多能性幹細胞(201B7)を、理化学研究所セルバンク(No.HPS0063)より入手し使用した。ヒト多能性幹細胞培養の実践プロトコール(第2版)(理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 幹細胞研究支援・開発室作成 http://www.cdb.riken.jp/hsct/protocol.html)に従い、細胞のフィーダー層としてマウス胎児線維芽細胞(マイトマイシン処理で不活化、MEF)を蒔いたプラスチック培養皿の上で未分化ヒトiPS細胞を培養した。
培養液(維持培地)には、D-MEMF12(Sigma D6421)に最終濃度20% KSR(Life Technologies)、最終濃度1% NON-ESSENTIAL AMINO ACID(×100)(非必須アミノ酸;SIGMA D7145)、2mM L-グルタミン酸及び、80μM 2-メルカプトエタノールを添加したものを用いた。培養は、37℃、5% CO2下で行った。3〜4日毎に継代を行った。解離液(リン酸バッファー緩衝生理学的食塩水に0.25%トリプシン、1mg/mlコラゲナーゼIV液、1mM CaCl2を添加したもの;全てLife Technologies)を用いて、iPS細胞をフィーダー層から解離し、ピペッティングで小細胞塊(細胞数が約50-100個程度の細胞集団)に分散した後、前日にMEFを播種し形成させたフィーダー層の上に蒔いた。
上記のように培養したヒトiPS細胞を、フィーダー細胞から小細胞塊として解離し、さらに混入するフィーダー細胞を除去するために細胞接着性の培養プレート(0.1% ゼラチンコート)の底に吸着させ、培養液(アッセイ培地)で37℃、1時間培養した(iPS細胞塊はプレートに吸着しないが、混入するフィーダー細胞は強く吸着する)。iPS細胞塊をピペッティング操作により小細胞塊へ細かく砕いた後、24ウェル培養プレートを用いて、Growth Factor Reduced BD Matrigel (BD)上に、1×105個/0.65cm2/培地液量1.0mlで播種した。スタチンを含むアッセイ培地で数日間培養後に、形成されたアルカリフォスファターゼ染色陽性(ALP+)のコロニー数を未分化細胞として計測し、スタチンを含まないコントロール群と比較した。アッセイ培地はEssential8(サーモフィシャーサイエンティフィック、A1517001)を用いた。
(結果1)
スタチン類を20.0μM含むアッセイ培地で48時間培養後、コロニー(ALP+)数を測定した。アトルバスタチン添加群は、コントロール群に比べて、コロニー数は有意に低下した。他のスタチン類(フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、シンバスタチン)については、未分化幹細胞に対する明らかな生存抑制活性は認められなかった(図1)。
(結果2)
アトルバスタチン10.0μM含むアッセイ培地で24時間培養後、コロニー(ALP+)数を測定した。アトルバスタチン添加群では、コロニー数はコントロール群に比べ60%以下と有意に低下し、未分化幹細胞の生存抑制が認められた(図2)。
(結果3)
アトルバスタチン1μMもしくは10μMを含むアッセイ培地で96時間培養後、コロニー(ALP+)数を測定した。アトルバスタチン添加群では、コントロール群に比べ、コロニー数は有意に低下し、未分化幹細胞の生存抑制が認められた(図3)。
[実施例2:分化心筋細胞におけるアトルバスタチンによる細胞生存抑制]
iPS細胞から分化させた分化心筋細胞に対するアトルバスタチンの生存抑制活性(細胞死誘導活性)を評価した。
(方法)
ヒトiPS細胞をフィーダー細胞から小細胞塊として解離し、さらに混入するフィーダー細胞を除去するために細胞接着性の培養プレート(0.1% ゼラチンコート)の底に吸着させ、アッセイ培地で37℃、1時間培養した(iPS細胞塊はプレートに吸着しないが、混入するフィーダー細胞は強く吸着する)。iPS細胞塊をピペッティング操作により小細胞塊へ細かく砕いた後、48ウェル培養プレートを用いて、Growth Factor Reduced BD Matrigel(BD)上に、高密度(1×106個/0.65cm2/培地容量0.5ml)で播種した。
心筋への分化誘導は、PSdif−Cardio Cardiomyocyte Differentiation Kit(Stem RD)を用い、キット付属のプロトコールに従って行った。分化誘導培地(PSdif−Cardio(登録商標)A、及びB、及びC)中で6日間培養後に、心筋培養培地(CardioGro(登録商標))に培地交換した。分化誘導された心筋細胞の拍動を顕微鏡下に確認し、コントロール群、及び実験群(アトルバスタチン10.0μM又はフルバスタチン10.0μMを心筋培養培地へ添加)とし、24時間後にLive/Dead Cell Staining Kit II(PromoKine)を用いて死細胞の割合を、蛍光顕微鏡を用いて測定した。
(結果)
iPS細胞から分化誘導した心筋細胞に対して、フルバスタチンは、有意な細胞死誘導活性を示した(図4)。一方、アトルバスタチンでは死細胞の割合はコントロール群と同程度であり、分化細胞の生存抑制及び細胞死の誘導は認められなかった。
以上の結果より、アトルバスタチンは、分化細胞の細胞死を誘発することなく、未分化幹細胞の生存のみを著しく抑制することが明らかとなった。これらの結果は、アトルバスタチンが、未分化幹細胞に特異的な生存抑制活性を有することを示す。

Claims (6)

  1. ヒト由来である誘導性多能性幹細胞から分化した心筋細胞を製造する方法であって、
    ヒト由来である誘導性多能性幹細胞を心筋細胞に分化誘導する工程と、
    分化誘導後の心筋細胞及びヒト由来である誘導性多能性幹細胞を含む細胞混合物をアトルバスタチンにより処理する工程と、を含む方法。
  2. ヒト由来である誘導性多能性幹細胞を培養する工程、をさらに含む請求項に記載の方法。
  3. ヒト由来である誘導性多能性幹細胞から分化した心筋細胞を含む細胞医薬組成物を製造する方法であって、
    前記ヒト由来である誘導性多能性幹細胞を心筋細胞に分化誘導する工程と、
    分化誘導後の心筋細胞及びヒト由来である誘導性多能性幹細胞を含む細胞混合物をアトルバスタチンにより処理する工程と、を含む方法。
  4. ヒト由来である誘導性多能性幹細胞を培養する工程、をさらに含む請求項に記載の方法。
  5. ヒト由来である誘導性多能性幹細胞及び該幹細胞から分化した心筋細胞を含む細胞混合物から該心筋細胞のみを分離する方法であって、前記細胞混合物をアトルバスタチンにより処理する手順を含む方法。
  6. ヒト由来である誘導性多能性幹細胞を培養する工程と、該幹細胞を心筋細胞に分化誘導する工程と、をさらに含む請求項に記載の方法。
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