JP6743466B2 - 薄膜導電体層の形成方法及び薄膜導電体層の焼結装置 - Google Patents

薄膜導電体層の形成方法及び薄膜導電体層の焼結装置 Download PDF

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Description

本発明は、薄膜導電体層の形成方法及び薄膜導電体層の焼結装置に関する。
各種電子機器、電子部品の小型化に付随して、配線基板上に形成される配線パターンもより一層の微細化が要望されている。このため、配線パターンの形成に、従来のメッキ法で作製される導電体層に代えて、直接所望の配線パターンの描画が可能な導電性金属ペーストを用いて、導電体層を形成する手法が進められている。
例えば、表面被覆分子層を備えた金属ナノ粒子を用いた導電性金属ペーストを用いて通常の数mm幅の配線パターンだけでなく、最小線幅/配線間隔が20μm/20μmの微細な配線パターンを安定した通電特性で再現性よく作製することが進められている。
表面被覆分子層を備えた金属ナノ粒子を含む分散液を利用すると、微細な配線パターンの描画は、高い描画精度と、再現性で行うことが可能である。
この塗布膜層に含まれる、表面被覆分子層を備えた金属ナノ粒子から、金属ナノ粒子相互の緻密な焼結体層を作製する手法を利用することで、再現性よく、微細な配線パターンの導電体層の形成を行うことができることが公知である。その際、表面被覆分子層を備えた金属ナノ粒子から、その表面の被覆分子層を除去した上で、金属ナノ粒子相互の焼結を進める必要があり、少なくとも200℃以上、通常250℃程度の温度における加熱処理が必要である。
配線基板に利用されている、基板材料に関しては、例えば、ハンダ接合に、所謂Pbフリーハンダ材料の利用が図られることに伴い、250℃程度の耐熱性を有する材料の利用も進んではいる。これら耐熱性を有する基板材料に対して、ハンダ接合工程における加熱工程以外に、さらに、金属ナノ粒子相互の焼結を図るため、250℃程度の加熱処理に曝すと、基板材料の熱的な劣化を引き起こす頻度を高める要因となる。
従って、表面被覆分子層を備えた金属ナノ粒子を含む分散液を利用する、焼結体型導電体層の形成工程において、加熱処理温度を、少なくとも200℃以下に選択して、その表面の被覆分子層の除去と、その後の金属ナノ粒子相互の焼結を進めることが可能な手法の開発が望まれている。
仮に、加熱処理温度を200℃以下に抑えて、表面被覆分子層を備えた金属ナノ粒子から、焼結体型導電体層の形成が可能となると、利用可能な基板材料の種類は格段に広がる。
従来、耐熱性の問題から、メッキ法等を利用して、導電性薄膜層の作製を行っていた種々の分野に対しても、焼結体型導電体層利用への道が開かれる。
しかしながら、特に安価な金属である銅を金属粒子として使用する場合、金属粒子を用いた直描方式パターニング配線を形成する際に、表面酸化銅形成により配線抵抗が大きくなるという問題点がある。薄膜導電体層の低抵抗化を図る手法として以下が提案されている(特許文献1〜4)。
特許文献1では、金属粒子、金属前駆体及びそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種の成分で導体配合物を基材上に塗布する工程として、該導体配合物を負に帯電したイオン性の還元性ガスに曝露しながら、焼結により該成分を金属に変えて導電体を作製する工程とする方法が開示されている。
又、特許文献2では、基板上にナノ銅金属粒子を用いたパターニング配線を直描方式により形成し、この配線に対して、原子状水素により金属表面酸化膜の還元、及び又は、有機物の除去の処理をする方法が開示されている。
特許文献3では、塗布層中に含まれる、表面被覆分子層を備えた金属微粒子から、表面の被覆分子を除去した後、金属微粒子を低温加熱焼結する際、塗布層表面からエネルギー線を照射した後、150℃以下の低温で加熱処理を施すことにより、表面の被覆分子の除去を促進し、金属微粒子の焼結自体もかかる低温加熱で速やかに進行させて、良好な導電性を示す金属微粒子焼結体を形成する方法が開示されている。
特許文献4では、粒径が0.5nm〜200nm程度の金属ナノ微粒子を含む金属分散液を、基板全面に塗布乾燥し、300nm〜550nmの波長の光を発生するレーザビームを局所的にあて金属微粒子を結合させることによって配線パターンをえがき洗浄して不要部分の金属分散液を除去し所望の配線を基板上に形成する方法が開示されている。
<問題点1>
特許文献4のように、収束レーザビームや収束荷電粒子線のエネルギーを用いて金属微粒子を焼結するものでは、数百nm〜十数μmの小さな四角領域を縦横に連結して広い四角領域の焼結を行う必要がある。有機溶剤を含む液相分散媒中に分散してなる金属微粒子分散液の金属の割合は、金属微粒子の種類によるが、概略20〜70重量%程度でありパターンを塗布して溶媒乾燥後に焼結するとパターン体積が小さくなる。そのため、図13に示すように、先に焼結が行われた領域Aと次に焼結される領域Bとの隣接部には、2回照射されて大きな体積収縮が起こり、そのため図14に拡大して示すように亀裂が生じてしまいパターンが断線してしまうという問題がある。
<問題点2>
一般的に、平均粒子径、数nm〜数十nm程度の金属微粒子は、金属ナノ粒子と呼ばれ、その金属材料の融点よりも格段に低い温度(例えば、銀であれば、清浄な表面を有するナノ粒子では200℃以下においても)で焼結することが知られている。これは、金属の微粒子においては、十分にその粒子径を小さくすると、粒子表面に存在するエネルギー状態の高い原子の全体に占める割合が大きくなり、金属原子の表面拡散が無視し得ないほど大きくなる。この結果、この表面拡散に起因して、粒子相互の界面の延伸がなされ焼結が行われるためである。導電体層を良好な通電特性(低抵抗特性)を得るには、焼結工程前に、ナノ粒子表面をいかに清浄なものにするかによって決まる。例えば、銅粒子の場合、表面の酸化膜は、導電体層の抵抗特性を著しく増加させてしまう。
銀や金のような貴金属はもともと酸化されにくいが、銅の場合は銀や金と比較すると酸化されやすい性質を持つ。配線パターン描画後は、有機溶媒を蒸発させ、さらに銅粒子同士を付着させる熱処理(150〜300℃程度)が必要である。
しかしながら、その熱処理中にも銅の表面は酸化されてしまう。ナノ金属粒子では表面部分の原子の割合が大きいので、表面酸化銅形成により配線抵抗が大きくなるという問題がある。
<問題点3>
特許文献2では、基板上にナノ銅金属粒子を用いたパターニング配線を直描方式により形成し、この配線に対して、原子状水素により金属表面酸化膜の還元、又は、有機物の除去の処理をする方法が示されている。これは、原子状水素による還元がパターニング表面に対して行われるので、パターニング配線の厚みが1μm程度であれば、有効である。しかし、例えば、数十μmの厚みのパターンでは、原子状水素が内部まで届かないので良好に還元できず、配線抵抗が大きくなる。
<問題点4>
特許文献3では、塗布層中に含まれる、表面被覆分子層を備えた金属微粒子から、表面の被覆分子を除去した後、金属微粒子を低温加熱焼結する際、塗布層表面からエネルギー線を照射した後、150℃以下の低温で加熱処理を施す。この加熱処理により、表面の被覆分子の除去を促進し、金属微粒子の焼結自体もかかる低温加熱で速やかに進行させて、良好な導電性を示す金属微粒子焼結体を形成する方法が示されている。
塗布層表面から、電子線や紫外線等のエネルギー線の照射によって、金属微粒子に負の電荷を注入することで、被覆分子と表面の金属原子との間の、配位結合に類する分子間結合力を大幅に低下させる。この低下と同時に、照射されたエネルギー線が有するエネルギーの一部を、被覆分子の分子内振動エネルギー、金属微粒子の格子振動エネルギーへと局所的に変換して、僅かな加熱を加えるのみで、被覆分子の遊離・除去を進行させるものである。しかし、照射表面状態を検出できない状態での被覆分子の分子内振動エネルギー、金属微粒子の格子振動エネルギーへの変換は、エネルギー線照射の制御が困難である。
そこで、本発明の目的は、基板上に良好な通電特性の薄膜導電体層を得ることにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、基板上に金属微粒子焼結体の薄膜導電体層を形成する薄膜導電体層の形成方法であって、機溶剤が含まれる液相分散媒中に分散してなる金属微粒子分散液を基板へ塗布して、金属微粒子分散液塗布膜層を形成する第1工程と、前記有機溶剤を蒸散させて、属微粒子塗布層とする第2工程と、属微粒子塗布層に対して定の押圧荷重を与える第3工程と、前記押圧荷重処理済みの金属微粒子塗布層に、荷電粒子ビームを射し、鎖状連結構造を形成する第4工程と、を有し、前記第4工程は、前記荷電粒子ビームをビーム可動域である四角領域の、一の頂部から対向する他の頂部へ、荷電粒子ビームを所定のピッチにて順次走査を行い、鎖状連結構造を形成し、前記鎖状連結構造の四角領域同士が隣接する外縁位置に対し、前記荷電粒子ビームの収束位置を溶融面から離れる方向にずらして溶融させることを特徴とする。
本発明によれば、基板上に良好な通電特性の薄膜導電体層を得ることができる。
(a)は、配線パターン100の一例であり、(b)は、(a)に示した配線パターン100の四角領域101の拡大図を示し、(c)は、(b)の拡大図を示す。 荷電粒子ビームの走査の一例を示す図である。 乾燥処理済みのパターニング配線(金属微粒子塗布層)の表面として銅粒子の場合示す図である。 走査電子顕微鏡写真である。 面押圧治具の外観斜視図である。 荷電粒子ビームとして例えば、電子ビームを利用した薄膜導電体層の焼結装置のハードウエアブロック図の一例である。 図6に示した焼結装置の機能ブロック図の一例である。 制御装置の駆動構成図の一例である。 図6に示した焼結装置のブランキング信号、第二偏向円周方向信号、第二偏向半径方向信号、及び第一偏向円周信号の一例である。 走査電子顕微鏡写真の一例である。 本発明の薄膜導電体層の形成方法を説明するためのフローチャートの一例である。 荷電粒子線として例えば、電子線を利用した焼成工程の実施の形態を示す図である。 走査電子顕微鏡写真の他の一例である。 図13に示した走査電子顕微鏡写真の拡大したものである。 制御装置の駆動構成図の他の一例である。 図15に示した制御装置の信号図の一例である。
<実施形態1>
以下、実施形態1について詳細に説明する。
[構成]
本発明は、例えば、インクジェット法による場合は、分散質としてナノ銅金属粒子を有機溶媒中に含有させてメディア上に所望のパターンを描く。有機溶剤を蒸発させる熱処理は、パターニング配線をしたこの段階で行うこともでき、或いは、メディアを乾燥炉で熱処理を行うことによって、有機溶媒は除去される。乾燥処理済みのパターニング配線(金属微粒子塗布層)の表面として銅粒子の場合を、図3に示す。
図4は、走査電子顕微鏡写真である。写真の倍率は10万倍であり、走査電子顕微鏡はSEMとも言う。
図3の状態でも本発明を適用可能であるが、照射する荷電粒子線の持つ運動エネルギーを有効に利用するとともに散乱を少なくする。メディアと、金属微粒子塗布層によるパターニング配線との密着力を増加させる必要がある。このため、図3のパターニング表面に、面押圧冶具等を用いて、プレート103の重量を好ましいものとして押圧を与え、図4に示す表面状態を生成することが望ましい。
図5は、面押圧治具の外観斜視図である。
面押圧冶具は、置き台101の四隅に4本の平行なガイド棒102a〜102dを配置し、ガイド棒102a〜102dが貫通するとともに置き台101に離隔自在に置き台101の上方に対向して設けたプレート103からなり、メディア14に平面的に押圧荷重を与える治具である。
ここで、メディア14に押圧荷重を当てる理由について述べる。
これには、2つの作用がある。
1.塗布した層内の空間、すなわちスキマをなくすため。
2.表面の高さを略均等にするため。例えば、電子線等の荷電粒子ビームは、物に当たるとその運動エネルギーを熱に変えながら物の後方と前方に散乱する。スキマがあると後方への散乱が不均一になる。また、表面に大きな凹凸があると、凸部になっている部分が先に溶融するため、その部分が抜け落ちてしまう。これを防止するために面押圧冶具等で均すのである。
まず、本発明の薄膜導電体層の形成方法としての連結焼結方法について図1(a)〜(c)の焼結モデル図と、荷電粒子線の照射手順を示す図2とを用いて説明する。
図1(a)は、配線パターン100の一例であり、図1(b)は、図1(a)に示した配線パターン100の四角領域101の拡大図を示し、図1(c)は、図1(b)の拡大図を示す。図2は、荷電粒子ビームの走査の一例を示す図である。
本発明の連結焼結法は、荷電粒子ビームを図1(b)、(c)のSx、Syの領域に、荷電粒子線を図2に示す手順A→B→C→…→I→J→Kのように順次スキャン照射して照射領域内の金属微粒子を局部溶融させる。尚、Sx、Syの領域は、数百nmの微小な部分領域、Sx=Syが好ましい。新たに直径Sx(=Sy、200nm〜1μm粒径)の金属粒子を生成して、順次溶融連結させ、図1(c)に示すような鎖状の連結構造を形成する。
以下、本発明に好適な焼成工程の実施形態について図6及び図7を用いて詳細に説明する。
図6は、荷電粒子ビームとして例えば、電子ビームを利用した薄膜導電体層の焼結装置のハードウエアブロック図の一例であり、図7は、図6に示した焼結装置の機能ブロック図の一例である。
図6に示す焼結装置1000は、主にホスト制御装置60、ブランキング制御装置32、第一偏向制御装置30、第二偏向制御装置28、位置コントローラ26、回転コントローラ25、焼成信号生成装置31、回転信号処理装置24、電子光学鏡筒1、及び試料室10を有する。
電子光学鏡筒1は、電子銃2、ブランカー4、電子レンズ5、アパーチャー6、円周方向偏向器8,29、半径方向偏向器7,27、及び電磁レンズ9を有する。
試料室10内には、ターンテーブル13、ステージ12、エアスピンドル61、回転角度検出装置17、位置検出装置15、除振台18、及びバルブ20が配置されている。
ターンテーブル13は、メディア14を回転可能に載置する載置台である。ステージ12は、駆動モータ11の出力軸に固定された送りネジでX方向に移動可能である。
試料室10の天板には、試料室10にて構成される空間と隔絶可能な別の仕切り10aで構成される部屋が設けられ、仕切り弁82の開閉にて両方の空間が連通する構成となっており、塗布手段としてのインクジェットヘッド(IJ)80が吊り下げられており、例えばホスト制御装置60からの信号によりメディア14上にインクタンク81からのインクを塗布できるようになっている。インク塗布時は、大気圧にて行う。
試料室10の上部は電子光学鏡筒1と連通しており、電子銃2からの電子ビーム3がメディア14に照射できるようになっている。
図6に示す焼結装置において、電子光学鏡筒1内の電子銃2から放出された電子ビーム3は、例えば平行平板電極にて構成したブランカー4を通り、電子レンズ5で収束する。電子ビーム3は、アパーチャー6を介して、電子ビーム3を半径方向に偏向する例えば平行平板電極にて構成される第一の半径方向偏向器7及び円周方向に偏向する第一の円周方向偏向器8で構成される第一の偏向装置にて偏向される。さらに、電子ビーム3を半径方向に偏向する例えば平行平板電極にて構成される第二の半径方向偏向器27及び円周方向に偏向する第二の円周方向偏向器29で構成される第二の偏向装置にて偏向される。電磁レンズ9で収束されることにより、乾燥処理済みのパターニング配線が設けられた、メディア14に照射する。
ここで、電子ビーム3は、第一と第二の半径方向偏向器7,27に正電圧が印加されるとメディア14の下方向に偏向され、第一と第二の円周方向偏向器8,29に正電圧が印加されると図6の紙面上側に偏向される構成としている。試料室10の内部には、上面に、例えば銅粒子等の、金属微粒子塗布層が塗布されたメディア14が搭載されているステージ12が収納されており、ステージ12は位置コントローラ26により駆動モータ11が回転駆動され面内自在に移動可能となる。電子光学鏡筒1は、試料室10の上面に据えられている。
電子光学鏡筒1と試料室10とからなる本体部は、除振台18の上に設置されている。また、電子光学鏡筒1と試料室10の内部は、バルブ20を通してポンプ21により排気され、10-5Paオーダーの真空度に保持されている。ステージ12には、例えば、1パルス当たり1nm以下の分解能を有するレーザーホロスケール等の位置検出装置15が位置信号処理装置34を介して設けられている。位置コントローラ26は、ホスト制御装置60から例えばパルス列等の位置指令情報39が入力され、位置検出装置15及び位置信号処理装置34の現在位置情報42と逐次比較して位置サーボ制御が行われる。
ステージ12の上面には、例えばラジアル方向及びスラスト方向に静圧軸受を形成したエアスピンドル61が固定されている。エアスピンドル61には回転駆動モータ16を介して、例えば一周を数千〜数十万等分したパルス信号と、一周に一回の原点パルス信号を送出するロータリーエンコーダ等の回転角度検出装置17と回転信号処理装置24とが同軸状に設けられている。
回転駆動モータ16への出力情報及び回転角度検出装置17から回転信号処理装置24を介した回転角度情報としてのA相信号46,B相信号45は回転コントローラ25へ入力され、全体で回転装置を構成している。回転装置は、ホスト制御装置60から例えばパルス列等の回転指令パルス信号40が入力され、回転信号処理装置24を介した回転角度検出装置17のパルス列等の現在回転角度情報23との逐次比較でPLL制御もしくは、回転位置決め制御を行う。これにより任意回転及び任意の回転角度位置へ位置決め可能な構成としている。PLL(Phase Locked Loop)制御は、入力される周期的な信号を元にフィードバック制御を加えて、別の発振器から位相が同期した信号を出力するものである。
回転信号処理装置24から出力される、回転装置が一周に一回発生する原点信号となるZ相信号は、A相信号46、B相信号45、とともに焼成信号生成装置31に入力される。ロータリーエンコーダ等の回転角度検出装置17から一周を数千〜数十万等分したパルス信号と一周に一回の原点パルス信号とが送出される。
焼成信号生成装置31では、焼成に必要な、電子線をオンオフするブランキング制御装置32、第一偏向制御装置30、第二偏向制御装置28へ供給する駆動信号を生成する。
図7に示す焼結装置1000は、操作表示手段71、回転手段72、塗布手段73、制御手段74、移動手段75、及び照射手段76を有する。
図7に示す操作表示手段71は、図6に示すホスト制御装置60によって実現される。図7に示す回転手段72は、図6に示すターンテーブル13、回転駆動モータ16、回転角度検出装置17、回転信号処理装置24、回転コントローラ25、及びエアスピンドル61によって実現される。図7に示す塗布手段73は、図6に示すインクジェットヘッド80、インクタンク81、及びホスト制御装置60によって実現される。図7に示す移動手段75は、図6に示す駆動モータ11、ステージ12、位置検出装置15、位置コントローラ26、及び位置信号処理装置34によって実現される。
制御手段74は、図6に示すブランキング制御装置32、第一偏向制御装置30、第二偏向制御装置28、及びホスト制御装置60によって実現される。図7の照射手段76は、図6の電子光学鏡筒1、電子銃2、ブランカー4、電子レンズ5、アパーチャー6、第一の半径方向偏向器7、第一の円周方向偏向器8、第二の半径方向偏向器27、第二の円周方向偏向器29、及び電磁レンズ9によって実現される。
ブランキング制御装置32、第一偏向制御装置30、第二偏向制御装置28等の制御装置は、例えば、静電レンズ等を駆動する図8に示す駆動構成とする。
図8は、制御装置の駆動構成図の一例である。
制御装置は、オペアンプからなる駆動アンプ90、出力インピーダンス91、負荷インピーダンス92、ブランカー4、第一の半径方向偏向器7、第一の円周方向偏向器8を有する。出力インピーダンス91及び負荷インピーダンス92は、いずれも50Ωのむ誘導抵抗である。
以上の構成によれば、所望とするパターン焼成に対して、ホスト制御装置60からの、パターンの位置情報である半径位置や角度位置に位置決めして、メディア14の面内の任意の位置へ電子線を照射可能となる。
[動作]
次に、電子線をオンオフするブランキング制御装置32、第一偏向制御装置30、第二偏向制御装置28へ供給する駆動信号について、図1、2、9にて説明する。
図9は、図6に示した焼結装置のブランキング信号、第二偏向円周方向信号、第二偏向半径方向信号、及び第一偏向円周信号の一例である。
ここで、ブランキング信号はオフで電子線が出射するようになっている。ブランキングがオフとなって電子線出射とともに第二の円周方向偏向器29には、図2に示すスキャンを行う三角波が供給される。同時に、第二の半径方向偏向器27には、階段波が印加される。階段波の幅は距離Prに相当する電圧VPrである。
ここで、LPr=n×Prの繰り返し回数nのときに、ビームは最初のA点へ戻す。
上記のスキャン手順で銅粒子を焼成したものを図10の走査電子顕微鏡写真に示す。全てが円形とはならないが、鎖状の連結構造を形成していることが確認できる。
この場合、局部的ではあるが、金属粒子を完全に溶融して連結していくので、金属粒子のバルク材並みの低抵抗特性をもつ配線パターンが得られる。
図11は、本発明の薄膜導電体層の形成方法を説明するためのフローチャートの一例である。
まず、基板としてのメディア14に金属微粒子分散塗布膜層を形成する(S1)。
有機溶剤を蒸散させて、乾燥処理済金属微粒子塗布層とする(S2)。
乾燥処理済金属微粒子塗布層に、図5に示した面押圧冶具を用いて押圧荷重を与える(S3)。
乾燥処理済金属微粒子塗布層に図6に示した焼結装置を用いて荷電粒子ビームを照射して、鎖状連結構造を形成する。これにより、金属微粒子塗布層中に含まれる金属微粒子相互の焼結がなされ、金属微粒子焼結体型の薄膜導電体層の形成がなされる(S4)。
[作用効果]
本実施形態によれば、有機溶剤を含む液相分散媒中に分散してなる金属微粒子分散液を用いて、金属微粒子分散液を基板上の所定位置に所定膜厚で塗布し、金属微粒子分散液塗布膜層を形成する。金属微粒子分散液塗布膜層中に含まれる、有機溶剤を蒸散させ、乾燥処理済み金属微粒子塗布層とする。乾燥処理済み金属微粒子塗布層に対して、その塗布層表面から所定の押圧荷重を与える。押圧荷重処理済みの金属微粒子塗布層に対して、所定の収束した荷電粒子ビームを数百nmの小な四角領域に順次照射し、照射領域である四角領域内の金属微粒子を局部溶融させて200nm〜1μm粒径の鎖状連結構造の四角領域を形成する。
塗布されている金属微粒子の層に、収束した荷電粒子ビームを照射し、金属微粒子表面を被覆している分散剤を直接、振動励起がなされた「活性化」状態とする。これと同時に荷電粒子ビームの運動エネルギーにより照射領域内の金属粒子(原子)を局部溶融して鎖状に連結して金属微粒子焼結体を生成するので、バルク材同等の良好な通電特性ともしくは低抵抗特性を持つ薄膜導電体層を生成できる。
ここで、「蒸散」とは、例えばオーブンを用いたヒーター加熱にて有機溶剤を乾燥させることを言う。一般的に、金属微粒子の分散溶媒は、沸点が高いものが使用されている。例えば、Agインク等はテトラデカンが用いられ、純度100%で沸点253℃である。すなわち、ここでの蒸散は、沸点まで温度を上げるのではなく、100℃未満の温度で数十分放置することを言う。
本実施形態によれば、荷電粒子ビームを照射する電子鏡筒に、収束した荷電粒子ビームを、金属微粒子塗布層の面内に、直交2軸方向に1〜5μmの四角領域を移動可能な第一の偏向手段を設ける。荷電粒子ビームを金属微粒子塗布層の面内に、直交2軸方向に100〜500nmの四角領域を移動可能な第二の偏向手段を設ける。荷電粒子ビームを、第二の偏向手段のビーム可動域である四角領域の、左上頂部から右上頂部へ走査する動作を四角領域の右下へ向けて、荷電粒子ビームのビーム径に相当するピッチにて順次走査を所定回数行う。
荷電粒子ビームが、第二の偏向手段の四角領域の、左上頂部に位置する時に同期して、第一の偏向手段を、第二の偏向手段の四角領域サイズに相当するピッチにてステップ状に荷電粒子ビームを逐次移動して鎖状連結構造を形成する。この結果、荷電粒子ビームの照射制御が容易となり、照射再現性、安定性に優れ、装置コストを安価にできる。
本実施形態によれば、所定の収束した荷電粒子ビームを数百nmの微小な部分領域に順次照射し、照射領域内を局部溶融させて200nm〜1μm粒径の鎖状連結構造を形成する。荷電粒子ビームを照射したときの、乾燥処理済み金属微粒子塗布層面から放出される二次電子を検出するために、荷電粒子照射点の近傍に2次電子検出器を設ける。直交2軸方向に100〜500nmの四角領域を移動可能な第二の偏向手段のビームスキャン時の二次元画像を取得し、そのコントラストの強弱から局部溶融状態を検知可能な構成としている。
以上より金属粒子の局部溶融状態をモニターしつつ調整することで鎖状連結構造を形成できる。これにより、荷電粒子ビームの照射再現性、安定性に優れた金属微粒子焼結が可能であり、バルク材同等の良好な通電特性もしくは低抵抗特性を持つ薄膜導電体層を生成できる。
<実施形態2>
以下、実施形態2について詳細に説明する。
[相違点]
実施形態2の実施形態1との相違点は、鎖状連結構造の四角領域同士が隣接する外縁位置に対し、荷電粒子ビームの収束位置を溶融面から離れる方向にずらして溶融して連結することで、金属微粒子塗布層中に含まれる金属微粒子相互の焼結がなされ、金属微粒子焼結体型の薄膜導電体層の形成がなされる点である。
[構成]
荷電粒子線として例えば、電子線を利用した焼成工程の一例を、図12を用いて説明する。
図12に示す電子光学鏡筒1内の電子銃2から放出された電子ビーム3は、例えば平行平板電極にて構成したブランカー4を通り、電子レンズ5で収束され、アパーチャー6を介して、電子ビーム3を半径方向に偏向される。
電子ビーム3は、例えば平行平板電極にて構成される第一の半径方向偏向器7、及び円周方向に偏向する第一の円周方向偏向器8で構成される第一の偏向手段にて偏向される。
電子ビーム3は、電子ビーム3を半径方向に偏向する例えば平行平板電極にて構成される第二の半径方向偏向器27及び円周方向に偏向する第二の円周方向偏向器29で構成される第二の偏向手段にて偏向される。
電子ビーム3は、電磁レンズ9で収束され、図15に示すような、例えば中央電極100a、外部電極100bからなる静電レンズ100によって、荷電粒子線の収束位置を可変とするフォーカス制御手段101により最適な収束径にされる。最適な収束径にされた電子ビーム3は、乾燥処理済みのパターニング配線が設けられた、メディア14に照射される。
102iは、レーザ灯光器であり、受光器102jはメディア14の反射光を検出する機能を有する。
ここで、電子ビーム3は、第一と第二の半径方向偏向器7、27に正(+)電圧が印加されるとメディア14の下方向に偏向される。電子ビーム3は、第一と第二の円周方向偏向器8,29に正(+)電圧が印加されると図12の紙面上側に偏向される。
試料室10の内部には、上面に、例えば銅粒子等の、金属微粒子塗布層が塗布されたメディア14が搭載されたステージ12が収納されている。ステージ12は位置コントローラ26により駆動モータ11を回転駆動して駆動される。電子光学鏡筒1は、試料室10の上面に据えられている。
さらに、電子光学鏡筒1と試料室10とを有する本体部は、除振台18の上に設置されている。また、電子光学鏡筒1と試料室10の内部は、バルブ20を通してポンプ21により排気され、10-5Paオーダーの真空度に保持されている。ステージ12には、例えば、1パルス当たり1nm以下の分解能を有するレーザーホロスケール等の位置検出手段15がその信号処理手段34を介して設けられている。位置コントローラ26は、ホスト制御装置60から例えばパルス列等の位置指令情報39が入力され、位置検出手段15,34の現在位置情報42と逐次比較して位置サーボ制御が行われる。
さらに、ステージ12上面には、例えばラジアル及びスラスト方向に静圧軸受を形成したエアスピンドル61が固定されている。エアスピンドル61には回転駆動モータ16を介して、例えば一周を数千〜数十万等分したパルス信号と一周に一回の原点パルス信号を送出するロータリーエンコーダ等の回転角度検出手段17が同軸状に設けられている。エアスピンドル61はその回転信号処理手段24とともに設けられている。
回転駆動モータ16への出力情報及び回転角度検出手段17から回転信号処理手段24を介した回転角度情報45,46は回転コントローラ25へ入力され、全体で回転手段を構成する。回転コントローラ25にホスト制御装置60から例えばパルス列等の回転指令パルス信号40が入力され、回転信号処理手段24を介した回転角度検出手段17のパルス列等の現在回転角度情報23との逐次比較でPLF制御(連続回転)もしくは、回転位置決め制御を行う。この制御により任意回転及び任意の回転角度位置へ位置決め可能な構成としている。
Z相信号41は、回転信号処理手段24から出力され、回転手段が一周に一回発生する原点信号となる。Z相信号41は、一周を数千〜数十万等分したパルス信号と一周に一回の原点パルス信号を送出するロータリーエンコーダ等の回転角度検出手段17からの現在回転角度情報23が回転信号処理手段24によって処理される。
A相信号46、B相信号45、及びZ相信号41は、ホスト制御装置60からのパターンの入力情報(位置情報)37とともに焼成信号生成手段31に入力される。
焼成信号生成手段31は、焼成に必要な電子線をオン/オフするブランキング制御手段32、第一偏向制御手段30、第二偏向制御手段28へ供給する駆動信号を生成する。尚、ブランキング制御手段32、第一偏向制御手段30、第二偏向制御手段28の制御手段は、例えば、静電レンズ等を駆動する図8に示す駆動構成とする。
以上の構成によれば、所望とするパターン焼成に対して、ホスト制御装置60からの、パターンの位置情報(半径位置、角度位置)に位置決めして、メディア14面内の任意の位置へ電子線を照射可能となる。
[動作]
次に、電子線をオン/オフするブランキング制御手段32、第一偏向制御手段30、第二偏向制御手段28へ供給する駆動信号について、図1、2、9にて説明する。
ここで、ブランキング信号はオフで電子線が出射されるようになっている。ブランキング信号がオフとなって電子線出射とともに第二の円周方向偏向手段29には、図2に示すスキャンを行う三角波が供給される。同時に、第二の半径方向偏向手段27には、階段波(幅は、距離Prに相当する電圧VPr)が印加される。
ここで、LPr=n×Prの繰り返し回数nのときに、ビームは最初のA点へ戻す。
次に、収束レーザビームや収束荷電粒子線のエネルギーを用いて金属微粒子を焼結するものでは、数百nm〜十数μmの小さな四角領域を平面上で縦横に連結して広い四角領域の焼結を行う必要がある。しかし、有機溶剤を含む液相分散媒中に分散してなる金属微粒子分散液の金属の割合は、金属微粒子の種類によるが、概略20〜70重量%程度でありパターンを塗布して溶媒乾燥後に焼結するとパターン体積が小さくなる。
そのため、図13の走査電子顕微鏡写真に示すように、先に焼結が行われた領域Aと次に焼結される領域Bとの隣接部は、2回照射され、大きな体積収縮が起こり、そのため図14に拡大して示すように亀裂が生じ、パターンが断線するおそれがある。
焼結時の亀裂の防止方法について、図6の信号図にて説明する。図9で説明を述べた重複部分については割愛する。尚、図15は、制御装置の駆動構成図の他の一例である。
図16は、図15に示した制御装置の信号図の一例である。
図16に示すように、図2のB−J線上箇所の焼成時にフォーカス制御手段101へステップ信号を印加して、収束荷電粒子線の最も絞られたフォーカス位置を焼結面より上方にシフトさせる。このシフトにより、荷電粒子線のビーム径を太くして、単位面積当たりの衝突電子数を概略半分程度にすることが好ましい。
尚、図2ではB−J線を一例として説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、A−B線、A−I線、I−J線、K−L線上箇所が隣接する金属粒子列との境界線を形成する場合にも同様の処理を行うのが好ましい。
金属粒子を完全に溶融して連結して、焼結範囲を広げていくので、金属粒子のバルク材並みの低抵抗特性をもつ亀裂のない配線パターンが得られる。
本実施形態によれば、塗布されている金属微粒子の層に、収束した荷電粒子ビームを照射して、金属微粒子表面を被覆している分散剤を直接、振動励起がなされた「活性化」状態とする。これと同時に荷電粒子ビームの運動エネルギーにより照射領域内の金属粒子(原子)を局部溶融して鎖状に連結して金属微粒子焼結体を生成する。又、鎖状連結構造の四角領域同士が隣接する外縁位置に対し、荷電粒子ビームの収束位置を溶融面から離れる方向にずらして溶融する。すなわち、初めに焼結した四角領域と次に焼結される四角領域との隣接外縁に対してデフォーカスして焼結できるので、広範囲にわたり亀裂のない焼結パターンが得られ、バルク材同等の良好な通電特性(低抵抗特性)を持つ薄膜導電体層を生成できる。
また、本実施形態によれば、荷電粒子ビームが、第二の偏向手段の四角領域の、左上頂部に位置する時に同期して、第一の偏向手段を、第二の偏向手段の四角領域サイズに相当するピッチにてステップ状に荷電粒子ビームを逐次移動して鎖状連結構造を形成する構造としているので、荷電粒子ビームの照射制御が容易となり、照射再現性、安定性に優れ、装置コストを安価にできる。
また、本実施形態によれば、金属粒子の局部溶融状態をモニターしながら鎖状連結構造を形成でき、同様に荷電粒子ビームの照射再現性、安定性に優れた金属微粒子焼結が可能であり、バルク材同等の良好な通電特性(低抵抗特性)を持つ薄膜導電体層を生成できる。
尚、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
1 電子光学鏡筒
2 電子銃
3 電子ビーム
4 ブランカー
5 電子レンズ
6 アパーチャー
7、27 第一の半径方向偏向器
8、29 第一の円周方向偏向器
9 電磁レンズ
10 試料室
11 駆動モータ
12 ステージ
13 ターンテーブル
14 メディア
15 位置検出装置
16 回転駆動モータ
17 回転角度検出装置
18 除振台
20 バルブ
24 回転信号処理装置
25 回転コントローラ
26 位置コントローラ
28 第二偏向制御装置
30 第一偏向制御装置
31 焼成信号生成装置
32 ブランキング制御装置
60 ホスト制御装置
80 インクジェットヘッド
100 配線パターン
102i レーザ投光器
102j 受光器
1000 焼結装置
特開2007−314866号公報 特開2006−210872号公報 特開2006−26602号公報 特開2006−38999号公報

Claims (7)

  1. 基板上に金属微粒子焼結体の薄膜導電体層を形成する薄膜導電体層の形成方法であって、
    機溶剤が含まれる液相分散媒中に分散してなる金属微粒子分散液を基板へ塗布して、金属微粒子分散液塗布膜層を形成する第1工程と、
    前記有機溶剤を蒸散させて、属微粒子塗布層とする第2工程と、
    属微粒子塗布層に対して定の押圧荷重を与える第3工程と、
    前記押圧荷重処理済みの金属微粒子塗布層に、荷電粒子ビームを射し、鎖状連結構造を形成する第4工程と、を有し、
    前記第4工程は、
    前記荷電粒子ビームをビーム可動域である四角領域の、一の頂部から対向する他の頂部へ、前記荷電粒子ビームを所定のピッチにて順次走査を行い、鎖状連結構造を形成し
    前記鎖状連結構造の四角領域同士が隣接する外縁位置に対し、前記荷電粒子ビームの収束位置を溶融面から離れる方向にずらして溶融させる
    ことを特徴とする、薄膜導電体層の形成方法。
  2. 前記第4工程は、
    2次電子検出器によって直交2軸方向に四角領域を移動可能な第二の偏向手段のビームスキャン時の二次元画像を取得し、そのコントラストの強弱から局部溶融状態を検知することを特徴とする上記請求項1記載の薄膜導電体層の形成方法。
  3. 基板上に金属微粒子焼結体の薄膜導電体層を形成する方法であって、
    前記薄膜導電体層の作製に利用される金属微粒子は少なくとも200℃を超える融点を示す金属材料で構成され、平均粒子径が1〜100nmの範囲の金属微粒子であり、前記金属微粒子の表面に金属微粒子相互の凝集を防止する分散剤の被覆分子層を設ける工程と、有機溶剤を含む液相分散媒中に分散してなる金属微粒子分散液を用いて、前記金属微粒子分散液を基板へ塗布する工程と、前記金属微粒子分散液を前記基板に塗布する塗布手段に対向して前記基板を載置して面内自在に移動可能な移動手段にて前記基板上の所定位置に前記金属微粒子分散液を所定膜厚で塗布して、金属微粒子分散液塗布膜層を形成する工程と、金属微粒子分散液塗布膜層中に含まれる、有機溶剤を蒸散させて、金属微粒子塗布層とする工程と、を有する金属微粒子焼結体の薄膜導電体層を形成する方法において、
    前記金属微粒子塗布層に対して、その塗布層表面から所定の押圧荷重を与える第1工程と、
    前記押圧荷重処理済みの金属微粒子塗布層に対して、荷電粒子ビームの収束位置を可変とするフォーカス制御手段により所定の収束した荷電粒子ビームを数百nmの微小な部分領域に照射し、照射領域内の金属微粒子を局部溶融させて200nm〜1μm粒径の鎖状連結構造を形成する第2工程と、
    前記第2工程は、前記鎖状連結構造の四角領域を縦横に形成し、
    複数の四角領域同士が隣接する外縁位置に対し、前記荷電粒子ビームの収束位置を溶融面から離れる方向にずらして溶融させる
    ことを特徴とする、薄膜導電体層の形成方法。
  4. 前記第2工程は、前記荷電粒子ビームを照射する電子鏡筒に、前記荷電粒子ビームを収束する磁界レンズと、前記磁界レンズの上下いずれかに静電レンズを設けた焦点制御手段と、収束した荷電粒子ビームを、金属微粒子塗布層の面内に、直交2軸方向に1〜5μmの四角領域を移動可能な第一の偏向手段と、荷電粒子ビームを金属微粒子塗布層の面内に、直交2軸方向に100〜500nmの四角領域を移動可能な第二の偏向手段と、前記荷電粒子ビームを、第二の偏向手段のビーム可動域である四角領域の、左上頂部から右上頂部へ走査する動作を四角領域の右下へ向けて、荷電粒子ビームのビーム径に相当するピッチにて順次走査を所定回数行うとともに次の焼結領域に隣接する照射部のみ静電レンズを設けた焦点制御手段にて収束位置を溶融面から離れる方向にステップ状にデフォーカスし、荷電粒子ビームが、第二の偏向手段の四角領域の、左上頂部に位置する時に同期して、第一の偏向手段を、第二の偏向手段の四角領域サイズに相当するピッチにてステップ状に荷電粒子ビームを逐次移動して鎖状連結構造を形成して小領域を焼結し、その小領域の隣接外縁部を連結して広範囲に焼結することを特徴とする請求項記載の薄膜導電体層の形成方法。
  5. 前記第2工程は、前記荷電粒子ビームを照射したときの金属微粒子塗布層面から放出される二次電子を検出するため、2次電子検出器によって直交2軸方向に100〜500nmの四角領域を移動可能な第二の偏向手段のビームスキャン時の二次元画像を取得し、そのコントラストの強弱から局部溶融状態を検知することを特徴とする上記請求項3に記載の薄膜導電体層の形成方法。
  6. 基板上に金属微粒子焼結体の薄膜導電体層を形成する薄膜導電体層の焼結装置であって、
    機溶剤が含まれる液相分散媒中に分散してなる金属微粒子分散液を基板へ塗布して金属微粒子分散液塗布膜層を形成する塗布手段と、
    前記有機溶剤を蒸散させて、金属微粒子塗布層を形成する照射手段と、
    属微粒子塗布層に対して、定の押圧荷重を与える押圧荷重手段と、
    前記押圧荷重処理済みの金属微粒子塗布層に、荷電粒子ビームを照射し、鎖状連結構造を形成する形成手段と、を備え、
    前記形成手段は、前記荷電粒子ビームをビーム可動域である四角領域の、一の頂部から対向する他の頂部へ、荷電粒子ビームを所定のピッチにて順次走査を行い、鎖状連結構造を形成し、
    前記鎖状連結構造の四角領域同士が隣接する外縁位置に対し、前記荷電粒子ビームの収束位置を溶融面から離れる方向にずらして溶融させる
    ことを特徴とする、薄膜導電体層の焼結装置。
  7. 前記薄膜導電体層の作製に利用される、金属微粒子は、少なくとも200℃を超える融点を示す金属材料で構成され、平均粒子径が1〜100nmの範囲の金属微粒子であり、 機溶剤を含む液相分散媒中に分散してなる金属微粒子分散液を用いて、金属微粒子分散液を基板へ塗布する塗布手段と、
    前記塗布手段に対向し、基板を載置して面内自在に移動可能な移動手段と、
    前記移動手段にて前記基板上の所定位置に移動させて金属微粒子分散液を所定膜厚で塗布して金属微粒子分散液塗布膜層を形成する手段と、
    前記金属微粒子分散液塗布膜層中に含まれる有機溶剤を蒸散させて、金属微粒子塗布層とする手段と、を有する金属微粒子焼結体の薄膜導電体層を形成する薄膜導電体層の焼結装置であって、
    属微粒子塗布層に対して、定の押圧荷重を与える手段と、
    前記押圧荷重処理済みの金属微粒子塗布層に対して、荷電粒子ビームの収束位置を可変とするフォーカス制御手段により所定の収束した荷電粒子ビームを数百nmの微小な部分領域に照射し、照射領域内の金属微粒子を局部溶融させて200nm〜1μm粒径の鎖状連結構造を形成する手段と、
    ビーム可動域である四角領域に前記荷電子ビームを順次照射して四角形状の前記鎖状連結構造を縦横に広範囲に形成する際に前記荷電粒子ビームの収束位置を溶融面から離れる方向にずらして溶融させる手段と、を備えことを特徴とする、請求項6記載の薄膜導電体層の焼結装置。
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