JP2003140330A - 導電性パターニング組成物及びこれを用いた導電性パターン膜の製造方法 - Google Patents

導電性パターニング組成物及びこれを用いた導電性パターン膜の製造方法

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JP2003140330A
JP2003140330A JP2001339526A JP2001339526A JP2003140330A JP 2003140330 A JP2003140330 A JP 2003140330A JP 2001339526 A JP2001339526 A JP 2001339526A JP 2001339526 A JP2001339526 A JP 2001339526A JP 2003140330 A JP2003140330 A JP 2003140330A
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conductive
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noble metal
copper
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JP2001339526A
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Masafumi Ohata
雅史 大畑
Akira Matsumura
晃 松村
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトリソグラフィー法によりパターニング
することができる感光性を有し、かつ比較的低温の加熱
処理で導電性を発現させることができる導電性パターニ
ング組成物及びこれを用いた導電性パターン膜の製造方
法を得る。 【解決手段】 貴金属または銅コロイド粒子と、該コロ
イド粒子を分散させるための高分子分散剤と、光ラジカ
ル発生剤と、溶媒とを含む導電性パターニング組成物2
を、基板1上に塗布し、塗膜3を形成した後、該塗膜3
をフォトマスク4を用いて選択的に露光し、露光部を現
像してパターニングし、パターニングした塗膜3bを加
熱して導電性を発現させ、導電性パターン膜6を形成す
ることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性パターン膜
を容易に形成することができる導電性パターニング組成
物及びこれを用いた導電性パターン膜の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】回路基板に形成する電極などの導電性パ
ターン膜には、その他の用途に比べて良好な導電性が要
求される。導電性パターン膜の形成には、従来より、銀
や他の貴金属粒子を樹脂成分や有機溶媒に練り混んだ銀
ペースト等が広く用いられている。例えば、特開200
0−305260号公報では、感光性導体ペーストとし
て、アルカリ可溶性ネガ型感光性樹脂組成物と、光重合
開始剤と、金属粉末と、金属微粒子からなる感光性ペー
ストが開示されている。該公報では、感光性樹脂組成物
をパターニングした後、電気炉やベルト炉などで有機成
分を揮発させ、無機粉末を焼成させることにより導電性
パターン膜を形成している。焼成の雰囲気は、大気中ま
たは窒素雰囲気中で、800〜1000℃である。
【0003】上記の感光性導体ペーストにおいては、樹
脂成分を含有するため、導電性が低下しやすい傾向にあ
り、樹脂成分を高温焼成により完全に揮発させるために
は、非常に高い温度で焼成することが必要となり、回路
基板に高度の耐熱性が要求される。
【0004】特許第2561537号公報では、金属微
粒子の表面を有機溶媒で覆い均一に分散した金属ペース
トが開示されている。樹脂成分を含まないため、比較的
低い温度の加熱で金属微粒子を焼結させ導電性を付与す
ることができるが、それ自身感光性を有していないため
パターニングすることができないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来の導電性
パターン膜の形成においては、パターニング可能な感光
性を有し、かつ比較的低温の加熱処理で良好な導電性を
示すものは用いられておらず、このような感光性及び導
電性に優れたパターニング組成物が従来から要望されて
いる。
【0006】本発明の目的は、フォトリソグラフィー法
によりパターニングすることができ感光性を有し、かつ
比較的低温の加熱処理で導電性を発現させることができ
る導電性パターニング組成物及びこれを用いた導電性パ
ターン膜の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性パターニ
ング組成物は、貴金属または銅のコロイド粒子と、該コ
ロイド粒子を分散させるための高分子分散剤と、光ラジ
カル発生剤と、溶媒と含むことを特徴としている。
【0008】本発明において用いる高分子分散剤は、光
ラジカル発生剤から発生したラジカルによって分解し、
その水溶性が高められる高分子分散剤であることが好ま
しい。
【0009】本発明の導電性パターン膜の製造方法は、
上記本発明の導電性パターニング組成物を基板上に塗布
し、塗膜を形成する工程と、該塗膜を選択的に露光した
後、現像してパターニングする工程と、パターニングし
た塗膜を加熱して導電性を発現させ導電性パターン膜を
形成する工程とを備えることを特徴している。
【0010】本発明の導電性パターニング組成物は、フ
ォトリソグラフィー法によりパターニングすることがで
きる感光性を有しており、かつ比較的低温の加熱処理で
導電性を発現させることができる。従って、本発明によ
れば、導電性パターン膜をより簡易な工程で形成するこ
とができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の導電性パターニング組成物は、貴金属ま
たは銅のコロイド粒子と、該コロイド粒子を分散させる
ための高分子分散剤と、光ラジカル発生剤と、溶媒とを
含んでいる。
【0012】コロイド粒子の貴金属としては、特に限定
されず、例えば、金、銀、ルテニウム、パラジウム、オ
スミウム、イリジウム、白金等を挙げることができる。
中でも、金、銀、白金が好ましい。
【0013】貴金属または銅のコロイド粒子は、貴金属
または銅の化合物から形成することができる。上記貴金
属または銅の化合物としては上記貴金属または銅を含む
ものであれば特に限定されず、例えば、塩化金酸、硝酸
銀、酢酸銀、過塩素酸銀、塩化白金酸、塩化白金酸カリ
ウム、塩化銅(II)、酢酸銅(II)、硫酸銅(II)等を
挙げることができる。
【0014】本発明における貴金属または銅のコロイド
粒子は、例えば、貴金属または銅の化合物を、高分子分
散剤の存在下に還元することにより製造することができ
る。本発明において用いる高分子分散剤は、顔料表面に
対する親和性の高い官能基が導入されている両親媒性の
共重合体であることが好ましい。このような高分子分散
剤を用いることにより、貴金属または銅のコロイド粒子
の保護コロイドとして機能させることができ、貴金属ま
たは銅のコロイド粒子を安定した状態で分散させること
ができる。
【0015】上記高分子分散剤としては特に限定されな
いが、以下に説明するものを好適に使用することができ
る。 (1)顔料親和性基を主鎖及び/または複数の側鎖に有
し、かつ、溶媒和部分を構成する複数の側鎖を有する櫛
形構造の高分子 (2)主鎖中に顔料親和性基からなる複数の顔料親和部
分を有する高分子 (3)主鎖の片末端に顔料親和性基からなる顔料親和部
分を有する直鎖状の高分子 ここで、上記顔料親和性基とは、顔料の表面に対して強
い吸着力を有する官能基をいい、例えば、オルガノゾル
においては、第3級アミノ基、第4級アンモニウム、塩
基性窒素原子を有する複素環基、ヒドロキシル基、カル
ボキシル基;ヒドロゾルにおいては、フェニル基、ラウ
リル基、ステアリル基、ドデシル基、オレイル基等を挙
げることができる。上記顔料親和性基は、貴金属または
銅に対して強い親和力を示す。上記高分子分散剤は、上
記顔料親和性基を有することにより、貴金属または銅の
保護コロイドとして充分な性能を発揮することができ
る。
【0016】上記櫛形構造の高分子(1)は、上記顔料
親和性基を有する主鎖及び/または複数の側鎖ととも
に、溶媒和部分を構成する複数の側鎖を主鎖に結合した
構造のものであり、これらの側鎖があたかも櫛の歯のよ
うに主鎖に結合されているものである。本明細書中、上
述の構造を櫛形構造と称する。上記櫛形構造の高分子
(1)において、上記顔料親和性基は、側鎖末端に限ら
ず、側鎖の途中や主鎖中に複数存在していてもよい。な
お、上記溶媒和部分は、溶媒に親和性を有する部分であ
って、親水性または疎水性の構造をいう。上記溶媒和部
分は、例えば、水溶性の重合鎖、親油性の重合鎖等から
構成されている。
【0017】上記櫛形構造の高分子(1)としては特に
限定されず、例えば、特開平5−177123号公報に
開示されている1個以上のポリ(カルボニル−C3〜C6
−アルキレンオキシ)鎖を有し、これらの各鎖が3〜8
0個のカルボニル−C3〜C6−アルキレンオキシ基を有
しかつアミドまたは塩架橋基によってポリ(エチレンイ
ミン)に結合されている構造のポリ(エチレンイミン)
またはその酸塩からなるもの;特開昭54−37082
号公報に開示されているポリ(低級アルキレン)イミン
と、遊離のカルボン酸基を有するポリエステルとの反応
生成物よりなり、各ポリ(低級アルキレン)イミン連鎖
に少なくとも2つのポリエステル連鎖が結合されたも
の;特公平7−24746号公報に開示されている末端
にエポキシ基を有する高分子量のエポキシ化合物に、ア
ミン化合物と数平均分子量300〜7000のカルボキ
シル基含有プレポリマーとを同時にまたは任意順に反応
させて得られる顔料分散剤等を挙げることができる。
【0018】上記櫛形構造の高分子(1)は、顔料親和
性基が1分子中に2〜3000個存在するものが好まし
い。2個未満であると、分散安定性が充分ではなく、3
000個を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難と
なり、また、コロイド粒子の粒度分布が広くなる。より
好ましくは、25〜1500個である。
【0019】上記櫛形構造の高分子(1)は、溶媒和部
分を構成する側鎖が1分子中に2〜1000存在するも
のが好ましい。2未満であると、分散安定性が充分では
なく、1000を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが
困難となり、また、コロイド粒子の粒度分布が広くな
る。より好ましくは、5〜500である。
【0020】上記櫛形構造の高分子(1)は、数平均分
子量が2000〜1000000であることが好まし
い。2000未満であると、分散安定性が充分ではな
く、1000000を超えると、粘度が高すぎて取り扱
いが困難となり、また、コロイド粒子の粒度分布が広く
なる。より好ましくは、4000〜500000であ
る。
【0021】主鎖中に顔料親和性基からなる複数の顔料
親和部分を有する高分子(2)は、複数の顔料親和性基
が主鎖にそって配置されているものであり、上記顔料親
和性基は、例えば、主鎖にペンダントしているものであ
る。本明細書中、上記顔料親和部分は、上記顔料親和性
基が1つまたは複数存在して、顔料表面に吸着するアン
カーとして機能する部分をいう。
【0022】上記高分子(2)としては、例えば、特開
平4−210220号公報に開示されているポリイソシ
アネートと、モノヒドロキシ化合物及びモノヒドロキシ
モノカルボン酸またはモノアミノモノカルボン酸化合物
の混合物、並びに、少なくとも1つの塩基性環窒素とイ
ソシアネート反応性基とを有する化合物との反応物;特
開昭60−16631号公報、特開平2−612号公
報、特開昭63−241018号公報に開示されている
ポリウレタン/ポリウレアよりなる主鎖に複数の第3級
アミノ基または塩基性環式窒素原子を有する基がペンダ
ントした高分子;特開平1−279919号公報に開示
されている水溶性ポリ(オキシアルキレン)鎖を有する
立体安定化単位、構造単位及びアミノ基含有単位からな
る共重合体であって、アミン基含有単量単位が第3級ア
ミノ基若しくはその酸付加塩の基または第4級アンモニ
ウムの基を含有しており、該共重合体1g当たり0.0
25〜0.5ミリ当量のアミノ基を含有する共重合体;
特開平6−100642号公報に開示されている付加重
合体からなる主鎖と、少なくとも1個のC1〜C4アルコ
キシポリエチレンまたはポリエチレン−コプロピレング
リコール(メタ)アクリレートからなる安定化剤単位と
からなり、かつ、2500〜20000の重量平均分子
量を有する両親媒性共重合体であって、主鎖は、30重
量%までの非官能性構造単位と、合計で70重量%まで
の安定化剤単位及び官能性単位を含有しており、上記官
能性単位は、置換されているかまたは置換されていない
スチレン含有単位、ヒドロキシル基含有単位及びカルボ
キシル基含有単位であり、ヒドロキシル基とカルボキシ
ル基、ヒドロキシル基とスチレン基及びヒドロキシル基
とプロピレンオキシ基またはエチレンオキシ基との比率
が、それぞれ、1:0.10〜26.1;1:0.28
〜25.0;l:0.80〜66.1である両親媒性高
分子等を挙げることができる。
【0023】上記高分子(2)は、顔料親和性基が1分
子中に2〜3000個存在するものが好ましい。2個未
満であると、分散安定性が充分ではなく、3000個を
超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となり、ま
た、コロイド粒子の粒度分布が広くなる。より好ましく
は、25〜1500個である。
【0024】上記高分子(2)は、数平均分子量が20
00〜1000000であることが好ましい。2000
未満であると、分散安定性が充分ではなく、10000
00を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難とな
り、また、コロイド粒子の粒度分布が広くなる。より好
ましくは、4000〜500000である。
【0025】主鎖の片末端に顔料親和性基からなる顔料
親和部分を有する直鎖状の高分子(3)は、主鎖の片末
端のみに1つまたは複数の顔料親和性基からなる顔料親
和部分を有しているが、顔料表面に対して充分な親和性
を有するものである。
【0026】上記直鎖状の高分子(3)としては特に限
定されず、例えば、特開昭46−7294号公報に開示
されている一方が塩基性であるA−Bブロック型高分
子;米国特許第4656226号明細書に開示されてい
るAブロックに芳香族カルボン酸を導入したA−Bブロ
ック型高分子;米国特許第4032698号明細書に開
示されている片末端が塩基性官能基であるA−Bブロッ
ク型高分子;米国特許第4070388号明細書に開示
されている片末端が酸性官能基であるA−Bブロック型
高分子;特開平1−204914号公報に開示されてい
る米国特許第4656226号明細書に記載のAブロッ
クに芳香族カルボン酸を導入したA−Bブロック型高分
子の耐候黄変性を改良したもの等を挙げることができ
る。
【0027】上記直鎖状の高分子(3)は、顔料親和性
基が1分子中に2〜3000個存在するものが好まし
い。2個未満であると、分散安定性が充分ではなく、3
000個を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難と
なり、また、コロイド粒子の粒度分布が広くなる。より
好ましくは、5〜1500個である。
【0028】上記直鎖状の高分子(3)は、数平均分子
量が1000〜1000000であることが好ましい。
1000未満であると、分散安定性が充分ではなく、1
000000を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困
難となり、また、コロイド粒子の粒度分布が広くなる。
より好ましくは、2000〜500000である。
【0029】上記高分子分散剤としては、市販されてい
るものを使用することもできる。上記市販品としては、
例えば、ディスパービック151、ディスパービック1
54、ディスパービック160、ディスパービック16
1、ディスパービック162、ディスパービック16
3、ディズパービック166、ディスパービック17
0、ディスパービック180、ディスパービック18
1、ディスパービック182、ディスパービック18
4、ディスパービック190、ディスパービック19
1、ディスパービック192(ピックケミー社製);ソ
ルスパース20000、ソルスパース24000、ソル
スパース26000、ソルスパース27000、ソルス
パース28000(ゼネカ社製);EFKA−46、E
FKA−47、EFKA−48、EFKA−49(EF
KAケミカル社製);ポリマー100、ポリマー12
0、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー40
1、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー45
0、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453
(EFKAケミカル社製);アジスパーPB711、ア
ジスパーPA111、アジスパーPB811、アジスパ
ーPW911(味の素社製);フローレンDOPA−1
58、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA
−17、フローレンTG−730W、フローレンG−7
00、フローレンTG−720W(共栄社化学社製)等
を挙げることができる。
【0030】上記高分子分散剤は、顔料親和性基が側鎖
に存在し、溶媒和部分を構成する側鎖を有するグラフト
構造のもの〔上記櫛形構造の高分子(1)〕;主鎖に、
顔料親和性基を有するもの〔上記高分子(2)及び上記
直鎖状の高分子(3)〕であるので、コロイド粒子の分
散性が良好であり、貴金属または銅のコロイド粒子に対
する保護コロイドとして好適である。上記高分子分散剤
を使用することにより、貴金属または銅のコロイド粒子
を高い濃度で含有する貴金属または銅のコロイド粒子分
散体を得ることができる。
【0031】上記高分子分散剤の含有量は、上記貴金属
または銅100重童部に対して5〜1000重童部が好
ましい。5重量部未満であると、上記貴金属または銅の
コロイド粒子の分散性が不充分であり、1000重量部
を超えると、組成物に配合した際に、高分子分散剤の混
入量が多くなり、焼成(加熱処理)後の導電性等に不具合
が生じやすくなる。より好ましくは、100〜650重
量部である。
【0032】本発明において、貴金属または銅のコロイ
ド粒子の平均粒径は、5〜30nmであることが好まし
い。5nm未満であると高分子分散剤の配合量が多く必
要となるため、後工程における加熱処理後に高分子分散
剤が残存して、導電性が充分に発現できない場合があ
る。また、30nmを超えると、コロイドの貯蔵安定性
が問題となる場合がある。
【0033】本発明における貴金属または銅のコロイド
粒子は、貴金属または銅の化合物を溶媒に溶解し、高分
子分散剤を加えた後、貴金属または銅に還元して上記高
分子分散剤で保護された貴金属または銅のコロイド粒子
として形成することができる。
【0034】上記の製造方法において、上記貴金属また
は銅の化合物は、溶媒に溶解して使用される。上記溶媒
としては上記貴金属または銅の化合物を溶解することが
できるものであれば特に限定されず、例えば、水;アセ
トン、メタノール、エチレングリコール、酢酸エチル等
の有機溶媒等を挙げることができる。これらは単独で使
用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、水と
有機溶媒とを混合して使用する場合には、上記有機溶媒
としては水可溶性のものが好ましい。
【0035】上記溶媒が水である場合、得られるコロイ
ド溶液はヒドロゾルとなる。この場合、上記貴金属また
は銅の化合物は、50mM以上の濃度となるように水で
溶解されることが好ましい。50mM未満であると、高
濃度のコロイド溶液を得ることができない。より好まし
くは、100mM以上である。
【0036】上記溶媒が有機溶媒である場合、得られる
コロイド溶液は、オルガノゾルとなる。この場合、上記
貴金属または銅の化合物は、10mM以上の濃度となる
ように上記有機溶媒に溶解されることが好ましい。10
mM未満であると、高濃度のコロイド溶液を得ることが
できない。より好ましくは、50mM以上である。
【0037】上記溶媒が水及び水可溶性有機溶媒からな
る混合溶液である場合、まず、上記貴金属または銅の化
合物を水に溶解した後、高分子分散剤を溶解した水可溶
性有機溶媒を添加して溶液とすることが好ましい。上記
貴金属または銅の化合物を水に溶解することにより、オ
ルガノゾルをより高濃度に調製することができる。この
とき、上記貴金属または銅の化合物は、50mM以上と
なるように水に溶解されることが好ましい。50mM未
満であると、貴金属または銅のコロイド粒子を高い割合
で含有した高濃度のコロイド溶液を得ることができな
い。より好ましくは、100mM以上である。
【0038】貴金属として銀を使用する場合、上記水溶
液は、pH7以下であることが好ましい。pH7を超え
ると、例えば、銀の化合物として硝酸銀を用いる場合、
銀イオンを還元する際に酸化銀等の副生成物が生成し、
溶液が白濁するので好ましくない。上記水溶液のpHが
7を超える場合には、例えば、0.1N程度の硝酸等を
添加して、pHを7以下に調整することが好ましい。
【0039】上記水可溶性有機溶媒は、上記貴金属また
は銅の化合物を溶解する水に対して、体積比が1.0以
上となるように添加することが好ましい。1.0未満で
あると、溶剤型塗料用の高分子分散剤が溶解しない。よ
り好ましくは、5.0以上である。
【0040】上記貴金属または銅の化合物の溶液に高分
子分散剤を添加する。上記高分子分散剤は、上記溶媒が
水及び水可溶性有機溶媒からなる混合溶媒である場合に
は、水不溶性のものであることが好ましい。水溶解性で
あると、水可溶性有機溶媒を除去して固体ゾルを得る際
に、コロイド粒子を析出させるのが困難となる。上記水
不溶性の高分子分散剤としては、例えば、ディスパービ
ック(ビックケミー社製)、ソルスパース(ゼネカ社
製)等を挙げることができる。
【0041】上記貴金属または銅の化合物の溶液に上記
高分子分散剤を添加した後、貴金属または銅のイオンを
還元する。上記還元の方法としては特に限定されず、例
えば、化合物を添加して化学的に還元する方法、高圧水
銀灯を用いて光照射する方法等を挙げることができる。
【0042】上記化合物としては特に限定されず、例え
ば、従来より還元剤として使用されている水素化ホウ素
ナトリウム等のアルカリ金属水素化ホウ素塩;ヒドラジ
ン化合物;クエン酸またはその塩、コハク酸またはその
塩等を使用することができる。また、上記還元剤のほか
に、アルカノールアミンを使用することができる。
【0043】上記アルカノールアミンは、通常は還元剤
として使用されないものであるが、上記貴金属または銅
の化合物の溶液に上記アルカノールアミンを添加して撹
梓、混合することによって、貴金属イオンや銅イオン等
が常温付近で貴金属、銅に還元される。上記アルカノー
ルアミンを使用することにより、危険性や有害性の高い
還元剤を使用する必要がなく、加熱や特別な光照射装置
を使用することなしに、貴金属または銅の化合物を還元
することができる。
【0044】上記アルカノールアミンとしては特に限定
されず、例えば、ジメチルアミノエタノール、トリエタ
ノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、プロパノールアミン、2−(3−アミノプロピルア
ミノ)エタノール、ブタノールアミン、ヘキサノールア
ミン、ジメチルアミノプロパノール等を挙げることがで
きる。
【0045】上記アルカノールアミンの添加量は、上記
貴金属または銅の化合物の溶液1molに対して1〜2
0molが好ましい。1mol未満であると、還元が充
分に行われず、20molを超えると、生成したコロイ
ド粒子の耐凝集安定性が低下する。より好ましくは、2
〜8molである。
【0046】また、上記還元剤として水素化ホウ素ナト
リウムを使用する場合、上記水素化ホウ素ナトリウム
は、高価であり、取り扱いにも留意しなければならない
が、常温で還元することができるので、加熱や特別な光
照射装置を用意する必要がない。
【0047】上記水素化ホウ素ナトリウムの添加量は、
上記貴金属または銅の化合物1molに対して1〜50
molが好ましい。1mol未満であると、還元が充分
に行われず、50molを超えると、耐凝集安定性が低
下する。より好ましくは、1.5〜10molである。
【0048】上記還元剤としてクエン酸またはその塩を
使用する場合、アルコールの存在下で加熱還流すること
によって貴金属イオンや銅イオン等を還元することがで
きる。上記クエン酸またはその塩は、非常に安価であ
り、入手が容易である利点がある。上記クエン酸または
その塩としては、クエン酸ナトリウムを使用することが
好ましい。
【0049】上記クエン酸またはその塩の添加量は、上
記貴金属または銅の化合物1molに対して1〜50m
o1が好ましい。1mol未満であると、還元が充分に
行われず、50molを超えると、耐凝集安定性が低下
する。より好ましくは、1.5〜10molである。
【0050】本発明に用いるコロイド粒子は固体ゾルと
して用いてもよい。このような固体ゾルは、上記貴金属
または銅のイオンを還元した後、上記高分子分散剤で保
護された貴金属または銅のコロイド粒子を沈殿させてか
ら上記溶媒を除去して得ることができる。上記溶媒とし
て水及び水可溶性有機溶媒を使用する場合には、使用す
る高分子分散剤の性質に応じて以下の方法に従って上記
溶媒を除去することができる。
【0051】上記高分子分散剤が水不溶性のものである
場合、まず、上記水可溶性有機溶媒を蒸発等により除去
して、上記高分子分散剤で保護された貴金属または銅の
コロイド粒子を沈殿させた後、水を除去することが好ま
しい。上記高分子分散剤が水不溶性のものであるので、
上記水可溶性有機溶媒を除去することにより、上記高分
子分散剤により保護された貴金属または銅のコロイド粒
子が沈殿する。
【0052】この場合において、上記水可溶性有機溶媒
は、蒸発速度が水より大きいものであることが好まし
い。蒸発速度が水より小さいものであると、上記高分子
分散剤として水不溶性のものを使用した場合、溶媒を除
去して固体ゾルとする際に、上記水可溶性有機溶媒を先
に取り除くことができず、貴金属または銅のコロイド粒
子を沈殿させることができない。
【0053】上記高分子分散剤が溶剤型のものである場
合、該高分子分散剤を溶解しない非極性有機溶媒を過剰
量添加して上記高分子分散剤で保護された貴金属または
銅のコロイド粒子を沈殿させた後、デカンテーション等
により溶媒を除去することもできる。
【0054】上記高分子分散剤で保護された貴金属また
は銅のコロイド粒子は、残留イオンが存在すると、塗料
中で凝集を引き起こすことがあるので、残留イオンが存
在しないことが好ましい。上記残留イオンは、上記溶媒
の除去の際に同時に除去されるが、上記溶媒を除去した
後、上記高分子分散剤で保護された貴金属または銅のコ
ロイド粒子をイオン交換水で洗浄することが好ましい。
上記高分子分散剤で保護された貴金属または銅のコロイ
ド粒子が過剰量の上記非極性溶媒により沈殿された場合
は、上記非極性有機溶媒で洗浄することができる。
【0055】本発明の導電性パターニング組成物は、上
記のようにして得られる高分子分散剤で分散させた貴金
属または銅コロイド粒子に、光ラジカル発生剤及び、必
要に応じて溶媒を添加して製造することができる。
【0056】光ラジカル発生剤の具体例としては、ベン
ゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4'
−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビ
ス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロ
ロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニ
ルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−
ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−
フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジク
ロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオ
キサントン、2−メチルオキサントン、2−クロロチオ
キサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチ
ルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケター
ル、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテ
ル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、
2−アミノアセトラキノン、β−クロルアントラキノ
ン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズアントロ
ン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフ
ェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シク
ロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)
−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2
−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシ
ム、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルフォリノ−1−プロパン、ナフタレンスルフォニ
ルクロリド、キノリンスルホニルクロリド、N−フェニ
ルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリ
ル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスル
フィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、
四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベ
ンゾイル及びエオシン、メチレンブルーなどの光還元性
の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの
還元剤の組合せ等が挙げられる。本発明では、これらを
1種または2種以上使用することができる。
【0057】光ラジカル発生剤の含有量は、貴金属また
は銅のコロイド粒子100重量部に対して、0.01〜
50重量部であることが好ましく、さらに好ましくは
0.1〜20重量部である。光ラジカル発生剤の量が少
な過ぎると、感光性を高めることができず、フォトリソ
グラフィー法によるパターニングを充分に行うことがで
きない場合がある。また、光ラジカル発生剤の量が多過
ぎると、感光性が高くなり過ぎ、露光部分と未露光部分
とのコントラストが不充分となり、所望のパターニング
が得られない場合がある。
【0058】本発明における貴金属または銅のコロイド
粒子は、上述のように、水媒体中で製造するのが一般的
であり、このため、光ラジカル発生剤の添加の際に、添
加する溶媒としては、水と混和性を有する溶媒が好まし
く用いられる。水と混和性を有する溶媒としては、特に
限定されるものではないが、例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、ブチルアルコール、イソブチル
アルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類
などが挙げられる。
【0059】また、貴金属または銅のコロイド粒子を、
水と非混和性の有機溶媒中で製造してもよい。水と非混
和性の有機溶媒としては特に限定されず、例えば、トル
エン、メチルイソブチルケトン、キシレン、ベンゼン、
クロロフォルム、四塩化炭素、シクロヘキサン、ノルマ
ルヘキサン、ノルマルペンタン、ノルマルヘプタン、メ
チルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソ
ブチル、エチルベンゼン等を挙げることができる。
【0060】本発明の導電性パターニング組成物におけ
る、貴金属または銅コロイド粒子の含有量は、1〜90
重量%であることが好ましい。本発明の導電性パターン
膜の製造方法においては、まず上記本発明の導電性パタ
ーニング組成物を、基板上に塗布し塗膜を形成する。基
板としては、特に限定されないが、例えば、アルミナ焼
結体、フェノール樹脂、ガラスエポキシ樹脂、ガラス等
からなる基板や、ガラス、樹脂、セラミックス等からな
る建材、樹脂やセラミックスなどで表面が形成された電
子機器等の基板を挙げることができる。基板の形状とし
ては、特に限定されず、板状やフィルム状などの基板が
挙げられる。
【0061】基材上に導電性パターニング組成物を塗布
する方法としては、特に限定されるものではないが、例
えば、バーコート法、スピンコート法、刷毛塗り法など
の方法を挙げることができる。
【0062】基板上に導電性パターニング組成物を塗布
した後、導電性パターニング組成物を乾燥させて、塗膜
を形成する。乾燥条件は、導電性パターニング組成物中
の溶媒を揮発させて、塗膜を形成できればよく、常温で
乾燥してもよいし、加熱して乾燥してもよい。加熱乾燥
する場合の温度は、70〜200℃程度であることが好
ましい。
【0063】塗膜を形成した後、露光装置を用いて塗膜
を選択的に露光する。露光は、通常のフォトリソグラフ
ィー法で行われるような、フォトマスクを用いたマスク
露光方法が一般的であるが、フォトマスクを用いずに、
レーザー等を用いてレーザー光を走査させ露光してもよ
い。光源としては、例えば、高圧または超高圧水銀灯、
キセノンランプ、メタルハライドランプ等を用いること
ができ、レーザー光を走査させる場合には、He−Cd
レーザー、Arレーザー、YAGレーザー、エキシマレ
ーザーなどを用いることができる。
【0064】露光量は、特に限定されるものではない
が、一般的には、0.01〜1J/cm2の範囲である
ことが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.5J/
cm2の範囲の照射光量であることが好ましい。照射量
が0.01/cm2を下回ると、パターニングを充分に
行うことができない場合があり、1J/cm2を上回る
と、塗膜にピンホール等が発生する場合がある。
【0065】塗膜を露光した後、現像してパターニング
する。導電性パターニング組成物が水系溶媒である場合
には、一般には水を用いて現像する。また、導電性パタ
ーニング組成物が有機溶剤系である場合には、一般的に
有機溶剤を用いて現像する。現像の際の温度条件は、室
温であってもよいし、加熱してもよい。また、現像方法
は、浸漬法やスプレー法など一般的な現像法を用いるこ
とができる。
【0066】本発明においては、塗膜を現像しパターニ
ングした後、塗膜に導電性を発現させるため、加熱処理
を施す。この加熱処理により、塗膜中に含有されている
高分子分散剤や光ラジカル発生剤を分解し除去する。加
熱温度条件としては、100〜600℃であることが好
ましく、加熱時間は10〜360分間であることが好ま
しく、さらに好ましくは30〜180分間である。加熱
温度が低過ぎると、充分な焼成を行うことができず、充
分な導電性を発現できない場合がある。また、加熱温度
が高過ぎたり、加熱時間が長過ぎると、基板に対する熱
的な負荷がかかり過ぎるため好ましくない場合がある。
【0067】図1は、本発明の導電性パターン膜の製造
方法の一例を示す模式的断面図である。まず、図1
(a)に示すように、基板1上に、導電性パターニング
組成物2を塗布する。図1(b)に示すように、導電性
パターニング組成物2を乾燥し、塗膜3を形成する。
【0068】次に、図1(c)に示すように、塗膜3の
上にフォトマスク4を配置し、フォトマスク4の上方か
ら、紫外線5を塗膜3に照射し、塗膜3に露光部分3a
と未露光部分3bを形成する。
【0069】次に、水などの現像液を用いて、露光部分
3aを除去し、未露光部分3bのみを基板1上に残すこ
とにより、塗膜3を現像して、パターニングする。この
とき、現像により除去した露光部分3aから、貴金属ま
たは銅のコロイドを回収することができる。
【0070】次に、図1(d)に示すように、未露光部
分3bを加熱処理することにより、導電性を発現させ、
導電性パターン膜6とする。以上のようにして、本発明
の導電性パターニング組成物を用いて、所望の形状にパ
ターニングされた導電性パターン膜を形成することがで
きる。
【0071】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更
して実施することが可能なものである。
【0072】(銀コロイドの調製例1)硝酸酸性の10
0mM硝酸銀水溶液100mlをビーカーにとり、高分
子分散剤としてのデイスパービック190(ビックケミ
ー社製、分子量=約20000、酸価=25、スチレン
と無水マレイン酸の共重合体の無水マレイン酸部分をポ
リエチレングリコールにてハーフエステル化した櫛型構
造の高分子)5gを溶解させた。高分子分散剤を完全に
溶解した後、トリエタノールアミンを5ml添加し、硝
酸銀を還元させることにより、銀コロイドを生成させ、
銀コロイド水溶液を調製した。
【0073】(実施例1)調製例1で調製した銀コロイ
ド水溶液3g(銀コロイド不揮発分37重量%)と、光
ラジカル発生剤としてのDTX(ジエチルチオキサント
ン)0.011gと、エタノール2.55gとを均一に
混合した。得られた銀コロイド感光性樹脂組成物を、ガ
ラス基板の上にスピンコーターにて800rpmで30
秒間回転塗布した後、100℃で20分間加熱乾燥し、
膜厚3000Åの塗膜を形成した。
【0074】次に、この塗膜の上に、ライン/スペース
(L/S)が所定の間隔となるように孔が形成されたフ
ォトマスクを載せ、超高圧水銀灯の露光機にて、500
mJ/cm2の露光量となるように紫外線を照射した。
照射後、基板を室温にて水中に1分間浸漬することによ
り、露光部分の塗膜を水中に溶解させて、未露光部分が
残存したパターンを形成した。
【0075】次に、この基板を水から引き上げて、25
0℃の焼成炉に入れて30分間加熱することにより、パ
ターニングした塗膜を焼付けて導電性を発現させた。図
3は、以上のようにして形成した導電性パターン膜を示
す平面図である。ライン/スペース(L/S)は、50
/50μmから0.8/0.8μmまで変化させてお
り、種々のライン幅及びスペース幅となるように形成し
ている。いずれのライン/スペース幅でも所定のパター
ニングで導電性パターン膜が形成されていることがわか
る。
【0076】各導電性パターン膜の膜厚は2000Åで
あり、体積抵抗率は2.6×10-6Ω・cmであった。
次に、加熱温度を200℃及び300℃に変えて、上記
と同様の条件でパターニングした塗膜を加熱処理し、加
熱処理後の導電性パターン膜の体積抵抗率を測定した。
測定結果を図2に示す。図2に示すように、250℃以
上の温度で焼成することにより、ほぼ一定の体積抵抗率
が得られることがわかる。
【0077】
【発明の効果】本発明の導電性パターニング組成物は、
フォトリソグラフィー法によりパターニングすることが
できる感光性を有し、かつ比較的低温の加熱処理で導電
性を発現させることができる。従って、本発明によれ
ば、導電性パターン膜をより簡易な工程で形成すること
ができる。また、比較的低温の加熱処理で導電性パター
ン膜を形成することができるので、種々の基板に対して
導電性パターン膜を形成することができる。
【0078】本発明は、例えば、ブラウン管の電磁波遮
断用、建材または自動車の赤外線遮断用、電子機器の静
電気帯電防止用、曇りガラスの熱線用などの導電性パタ
ーン膜の形成に適用することができ、さらには、ICカ
ード用コイル、回路基板に形成する電極、スルホールま
たは回路に用いる導電性パターン膜の形成に適用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性パターン膜の製造方法の一例を
示す模式的断面図。
【図2】導電性パターン膜を形成する際の焼成温度と体
積抵抗率との関係を示す図。
【図3】本発明の実施例において形成した導電性パター
ン膜を示す平面図。
【符号の説明】
1…基板 2…導電性パターニング組成物 3…塗膜 3a…露光部分 3b…未露光部分 4…フォトマスク 5…紫外線 6…導電性パターン膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 1/20 H01B 1/20 A 5G301 13/00 503 13/00 503D 5G323 H05K 1/09 H05K 1/09 D 3/02 3/02 B Fターム(参考) 2H025 AB15 AB17 AB20 AC01 AD03 BF00 BG00 CA01 CA14 CA18 CA27 CC09 FA03 FA17 FA29 2H096 AA26 AA27 AA30 BA11 BA20 EA02 GA08 HA01 JA04 4E351 BB01 BB22 CC11 CC21 CC27 DD04 DD05 DD06 DD20 EE24 EE27 GG16 4J002 AA001 BC041 DA066 DA076 GQ02 HA06 5E339 BB02 BC02 BD07 BE13 DD03 DD04 5G301 DA02 DA06 DD01 5G323 CA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貴金属または銅のコロイド粒子と、該コ
    ロイド粒子を分散させるための高分子分散剤と、光ラジ
    カル発生剤と、溶媒とを含むことを特徴とする導電性パ
    ターニング組成物。
  2. 【請求項2】 前記高分子分散剤が、前記光ラジカル発
    生剤から発生したラジカルによって分解しその水溶性が
    高められる高分子分散剤であることを特徴とする請求項
    1に記載の導電性パターニング組成物。
  3. 【請求項3】 前記高分子分散剤が、(1)顔料親和性
    基を主鎖及び/または複数の側鎖に有し、かつ溶媒和部
    分を構成する複数の側鎖を有する櫛型構造の高分子、
    (2)主鎖中に顔料親和性基からなる複数の顔料親和部
    分を有する高分子、または(3)主鎖の片末端に顔料親
    和性基からなる顔料親和部分を有する直鎖状の高分子で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性
    パターニング組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の導
    電性パターニング組成物を基板上に塗布し、塗膜を形成
    する工程と、 前記塗膜を選択的に露光した後、現像してパターニング
    する工程と、 パターニングした塗膜を加熱して導電性を発現させ導電
    性パターン膜を形成する工程とを備えることを特徴とす
    る導電性パターン膜の製造方法。
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