JP6743366B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
近年、携帯電話及びノートパソコン等の携帯機器、並びに電気自動車等の電源として、リチウム二次電池に代表される非水電解質二次電池が用いられている。
特許文献1には、「正極活物質としてLiFePOを含有する正極層、負極活物質として炭素材料を含有する負極層、並びに、LiPFおよびLiBOBを含有する非水電解液を有する処理用リチウム二次電池を作製する処理用リチウム二次電池作製工程と、前記処理用リチウム二次電池の電圧が、前記LiBOBに含まれるBOBアニオンの酸化分解生成物の皮膜が前記正極活物質の表面に形成される高電圧範囲に属するまで、前記処理用リチウム二次電池の充電処理を行う皮膜形成工程と、を有することを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。」(請求項1)の発明が記載され、非水電解液の溶質として、1MのLiPFと0.05MのLiBOBを用いた実施例(表1参照)が記載されている。
特許文献2には、「層状構造を有し、遷移金属の主成分がニッケル及びマンガンの2元素から構成されるリチウム含有遷移金属酸化物を正極活物質として用いた非水電解質二次電池において、出力特性に優れ、かつ低コストな非水電解質二次電池を得る」(要約欄)ことを目的として、「正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、リチウムイオン伝導性を有する非水電解質とを備える非水電解質二次電池において、前記正極活物質が、層状構造を有し、一般式Li1+x(NiMnCo)O2+α(x+a+b+c=1,0.7≦a+b,0<x≦0.1,0≦c/(a+b)<0.35,0.7≦a/b≦2.0,−0.1≦α≦0.1)で表わされるリチウム含有遷移金属複合酸化物であり、かつ前記非水電解質に、オキサレート錯体をアニオンとするリチウム塩が含まれていることを特徴とする非水電解質二次電池。」(請求項1)の発明が記載され、非水電解液の溶質として、1MのLiPFと0.05〜0.3MのLiBOBを用いた実施例(表1参照)が記載されている。
特許文献3には、シリコンなどの体積変化の大きい活物質とカーボンファイバーとを含む負極を備えた電池に関し、「正極合剤を含む正極、負極合剤を含む負極、ならびに非水溶媒および前記非水溶媒に溶解された第1リチウム塩と第2リチウム塩とを含む非水電解質を備え、前記負極合剤は、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な材料とカーボンナノファイバを含み、前記リチウムイオンを吸蔵および放出可能な材料は、放電状態における体積Bに対する充電状態における体積Aの比A/Bが、1.2以上であり、前記第1リチウム塩は、LiBF4およびLiB(C242よりなる群から選択される少なくとも1種であり、前記第2リチウム塩は、前記第1リチウム塩以外の塩であり、前記非水電解質に含まれる前記第1リチウム塩の量は、前記カーボンナノファイバに対して、重量比で10-4以上であり、前記非水電解質に含まれる前記第1リチウム塩の濃度は、0.05mol/dm3以下である非水電解質二次電池。」(請求項1)の発明が記載され、「電池19
」として、1MのLiPFに加えて、LiBFとLiBOBとを等重量比で合計0.015Mとなるように添加した非水電解液を用いた実施例が記載されている。
特許文献4には、Si、Sn等の活物質を用いた負極を備えた電池に関し、「負極14は、Liを吸蔵および放出することが可能な金属元素あるいは半金属元素の単体,合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含んでいる。セパレータ15には溶媒に電解質塩が溶解された電解液が含浸されている。電解質塩には、化学式LiB(Cx 2(x-2)4 )(Cy 2(y-2)4 )(xおよびyはそれぞれ2以上の整数である)で表されるLi塩の少なくとも1種よりなる第1のLi塩と、LiPF6 ,LiBF4 ,LiN(CF3 SO2 2 ,LiN(C2 5 SO2 2 ,LiClO4 およびLiAsF6 のうちの少なくとも1種よりなる第2のLi塩とが用いられている。第1のLi塩により負極14に安定な被膜が生成され、負極14と電解液との間に生じる不可逆反応が抑制される。また、第2のLi塩により高いイオン伝導率が得られる。」(要約書)と記載され、Ci−Sn合金を負極に用い、電解質塩の種類と濃度を各種組合せた実施例が性能値と共に記載されている。
特開2009−252489号公報 特開2010−050079号公報 特開2007−207465号公報 特開2005−079057号公報
非水電解質二次電池は、体積当たりの容量が大きいことが求められている。特に、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車等においては、電池からの電力によってモーターを駆動する必要があることから、放電容量(Ah)が大きいことだけではなく、高い電圧(V)が取り出せること、即ち、エネルギー密度(Wh)が高いことが求められる。
非水電解質二次電池のエネルギー密度を高める手段として、電池の充電電圧を高く設定する方法がある。充電電圧を高く設定することにより、高い放電電圧及び大きな放電容量を得ることができるので、リチウム二次電池のエネルギー密度を高くすることができる。
しかしながら、充電電圧を高く設定すると、充放電サイクルに伴う容量維持率が低下するという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電池の充電電圧を高く設定した場合であっても、充放電サイクルに伴う容量維持率の低下が抑制された非水電解質電池を提供することを目的とする。
本発明の構成及び効果について、技術思想を交えて説明する。但し、作用機構については推定を含んでおり、その正否は、本発明を制限するものではない。なお、本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、後述の実施の形態若しくは実験例は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
本発明は、正極、負極及び非水電解質を備え、前記非水電解質は、電解質塩のアニオンが実質的にビスオキサレートボラートイオン(B(C )及びホウフッ化物イオン(BF )からなり、前記アニオン中の前記ビスオキサレートボラートイオンの比率が10〜70mol%であることを特徴とする非水電解質電池である。
非水電解質が含有している電解質塩のアニオンがフッ素を含む場合、電解質中の微量水分との反応により、フッ化水素(HF)が生成することが考えられる。非水電解質中にHFが存在すると、正極活物質を構成する遷移金属を溶出させる虞がある。正極活物質からの遷移金属の溶出は、電池性能の低下を招くから、充放電サイクルの繰り返しに伴って容量が低下する原因となると考えられる。特に、充電時の正極電位が4.4V(vs.Li/Li)以上となる使用形態が採用される非水電解質電池において、電解質塩のアニオンが六フッ化リン酸アニオン(PF )であるとき、充放電サイクルの繰り返しに伴う容量低下が大きい。
本発明者は、電解質塩のアニオンとして、水分との反応によりHFを発生しにくいホウフッ化物イオン(BF )を採用すると共に、フッ素を含まないアニオンであるビスオキサレートボラートイオン(B(C )を用いた系において混合比率を種々検討したところ、充電時の正極電位が4.4V(vs.Li/Li)以上となる使用形態が採用される非水電解質電池においては、B(C を10〜70mol%の割合で混合した場合に、充放電サイクルの繰り返しに伴う容量低下が抑制されるだけではなく、BF を単独で用いた場合に比べて向上する場合があることを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、充放電サイクルに伴う容量維持率の低下が抑制された非水電解質電池を提供できる。
本発明に係る非水電解液蓄電素子の一実施形態を示す外観斜視図 本発明に係る非水電解液蓄電素子を複数個集合して構成した蓄電装置を示す概略図
本発明電池に用いる非水電解質は、電解質塩のアニオンが実質的にB(C 及びBF からなり、前記アニオン中の前記B(C の比率が10〜70mol%であることを特徴としている。このような構成は、例えばリチウムイオン二次電池用の非水電解質であれば、非水溶媒に、電解質塩としてLiBF及びLiB(C(以下「LiBOB」ともいう)を溶解することにより得ることができる。ここで、両者のモル比率をLiBF:LiBOB=90:10〜30:70とする。LiBOBのモル比率が両者の合計に対して10〜70mol%であることにより、電池の充電電圧を高く設定した場合であっても、電解質塩がLiBFからなる場合や、LiBOBからなる場合に比べて、充放電サイクルに伴う容量維持率の低下が抑制された非水電解質電池を提供できる。
非水電解質における電解質塩の濃度は、限定されない。優れた電池性能を有する非水電解質電池とするために、非水電解質における電解質塩の濃度は、0.1mol/l以上が好ましく、0.5mol/l以上がより好ましく、0.8mol以上がさらに好ましい。また、5mol/l以下が好ましく、2.5mol/l以下がより好ましく、1.3mol/l以下がさらに好ましい。但し、LiBOBは、一般的な非水溶媒に対する溶解度が低いため、約0.8mol/lを超えて溶解することが困難である点に留意すべきである。
本発明電池に用いる非水電解質は、電解質塩のアニオンが実質的にB(C 及びBF からなるが、本発明の効果が奏される限り、他の電解質塩に由来する他のアニオンを含有していてもよい。
リチウムイオン二次電池用の非水電解質に用いることができる他の電解質としては、LiClO,LiAsF,LiPF,LiSCN,LiBr,LiI,LiSO,Li10Cl10,NaClO,NaI,NaSCN,NaBr,KClO,KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCFSO,LiN(CFSO,LiN(CSO,LiN(CFSO)(CSO),LiC(CFSO,LiC(CSO,(CHNBF,(CHNBr,(CNClO,(CNI,(CNBr,(n−C、NClO,(n−CNI,(CN−maleate,(CN−benzoate,(CN−phtalate、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム等の有機イオン塩等が挙げられる。
但し、LiPFについては、本発明の効果を阻害する傾向があるので、0.05mol/l以下であることが好ましく、含有しないことがより好ましい。
前記非水電解質を構成する非水溶媒は、限定されない。一般にリチウム電池等への使用が提案されているものが使用可能である。例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができる。
前記非水電解質に、負極の電気化学反応場において還元分解されやすい添加剤を添加してもよい。特に、本発明では、非水電解質がBF を含有している。このように、BF が含まれる非水電解液を用いると、負極上に安定な被膜が形成されにくい傾向がある。そこで、還元分解されやすい添加剤を含有させることにより、負極上に安定な被膜が形成されることで、非水電解液蓄電素子の充放電特性が向上するため、好ましい。このような添加剤としては、フッ素化エチレンカーボネート(FEC)、1,3−プロペンスルトン(PRS)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジグリコールサルフェート(DGLST)、ペンチルグリコールサルフェート(PEGLST)、硫酸プロピレン(PGLST)、リチウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)アミド(LiTFSA)及びリチウムテトラフルオロオキサレートホスフェート(LiFOP)等が挙げられる。中でも、非水電解液蓄電素子の充放電特性の向上への寄与度の観点から、フッ素化エチレンカーボネートが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池を構成する正極に使用する正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを挿入・脱離可能なものであれば、特に制限はなく、一般に非水電解質二次電池用正極活物質に使用される正極活物質が使用できる。例えば、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有ポリアニオン金属複合化合物等が挙げられる。遷移金属酸化物としては、マンガン酸化物、鉄酸化物、銅酸化物、ニッケル酸化物、バナジウム酸化物、遷移金属硫化物としては、モリブデン硫化物、チタン硫化物等が挙げられる。リチウム遷移金属複合酸化物としては、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムニッケルマンガン複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等が挙げられる。リチウム含有ポリアニオン金属複合化合物としては、リン酸鉄リチウム、リン酸コバルトリチウム等が挙げられる。さらに、ジスルフィド、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラスチレン、ポリアセチレン、ポリアセン系材料等の導電性高分子化合物、擬グラファイト構造炭素質材料等が挙げられる。
正極集電体の材質としては特に制限は無く、公知のものを任意に用いることができる。具体例としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ、チタン、タンタル等の金属材料;カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素質材料が挙げられる。中でも金属材料、特にアルミニウムが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池を構成する負極に使用する負極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを挿入・脱離可能なものであれば、特に制限はなく、炭素質材料、酸化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。 炭素質材料としては、天然グラファイト、人造グラファイト、コークス類、難黒鉛化性炭素、低温焼成易黒鉛化性炭素、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、活性炭等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。中でも炭素質材料又はリチウム複合酸化物が安全性の点から好ましく用いられる。
負極の集電体としては、公知のものを任意に用いることができる。例えば、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料が挙げられ、中でも加工し易さとコストの点から特に銅が好ましい。
セパレータとして、微多孔性膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。セパレータを構成する材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を挙げることができる。中でもポリエチレン、ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂を主成分とする微多孔性膜であることが好ましい。
その他の電池の構成要素としては、端子、絶縁板、電池ケース等があるが、これらの部品は従来用いられてきたものをそのまま用いて差し支えない。
図1に、本発明に係る非水電解質二次電池の一実施形態である矩形状の非水電解質二次電池1の外観斜視図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図1に示す非水電解質二次電池1は、電極群2が電池容器3に収納されている。電極群2は、正極活物質を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して捲回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。
本発明に係る非水電解質二次電池の形状については特に限定されるものではなく、円筒型電池、角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。本発明は、上記の非水電解質二次電池を複数備える蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図2に示す。図2において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の非水電解質二次電池1を備えている。前記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
本発明は、正極電位が4.4V(vs.Li/Li)以上となる充電条件で使用された場合、特に顕著な効果を奏する。正極の充電上限電位が4.4V(vs.Li/Li)以上である非水電解質電池は、充電上限電圧が、正極電位が4.4V(vs.Li/Li)であるときの電池電圧以上に設定された充放電制御回路を備えた蓄電池システムで使用される。正極の充電上限電位は、5.0V(vs.Li/Li)以下が好ましく、4.7V(vs.Li/Li)以下がより好ましい。正極の充電上限電位が4.4V(vs.Li/Li)以上である非水電解質電池とは、正極の作動上限電位が4.4V(vs.Li/Li)以上であることと同義である。即ち、非水電解質電池のSOC(State of Charge:充電状態)が0〜100%の範囲内に、正極活物質の酸化還元電位(作動上限電位)が4.4V(vs.Li/Li)以上の領域があることをいう。
〔充電電圧が4.35Vである場合〕
(実施例1)
正極活物質であるLiNi1/3Co1/3Mn1/3と、導電剤であるアセチレンブラックを混合し、さらに結着剤としてポリフッ化ビニリデンのN−メチル−2−ピロリドン溶液を混合し、この混合物(正極合剤ペースト)をアルミニウム箔からなる正極集電体の片面に塗布した後、乾燥し、プレスし、正極を得た。
負極活物質である黒鉛(エックス線広角回折法による(002)面の面間隔0.336nm)と、結着剤であるスチレン−ブタジエン・ゴム及びカルボキシメチルセルロースの水溶液を混合し、この混合物(負極合剤ペースト)を銅箔からなる負極集電体の片面に塗布した後、乾燥し、プレスし、負極を得た。
非水電解質として、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の体積比3:7の混合溶媒に0.1mol/LのLiBOBと0.9mol/LのLiBFが溶解しているものを用いた。
ポリエチレン製微孔膜からなるセパレータを介して前記正極及び負極を対向させ、正負極端子を取り付け、アルミラミネートフィルム製の外装体で覆い、前記非水電解質を注入し、封口した。このようにして、実施例1の非水電解質二次電池を作製した。
(実施例2)
非水電解質として、ECとEMCの体積比3:7の混合溶媒に0.5mol/LのLiBOBと0.5mol/LのLiBFが溶解しているものを用いたことを除いては、実施例1と同様にして、実施例2の非水電解質二次電池を作製した。
(実施例3)
非水電解質として、ECとEMCの体積比3:7の混合溶媒に0.7mol/LのLiBOBと0.3mol/LのLiBFが溶解しているものを用いたことを除いては、実施例1と同様にして、実施例3の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例1)
非水電解質として、ECとEMCの体積比3:7の混合溶媒に1.0mol/LのLiBFが溶解しているものを用いたことを除いては、実施例1と同様にして、比較例1の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例2)
非水電解質として、ECとEMCの体積比3:7の混合溶媒に0.7mol/LのLiBOBが溶解しているものを用いたことを除いては、実施例1と同様にして、比較例2の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例3)
非水電解質として、ECとEMCの体積比3:7の混合溶媒に1.0mol/LのLiPFが溶解しているものを用いたことを除いては、実施例1と同様にして、比較例3の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例4)
非水電解質として、ECとEMCの体積比3:7の混合溶媒に0.5mol/LのLiBOBと0.5mol/LのLiPFが溶解しているものを用いたことを除いては、実施例1と同様にして、実施例3の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例5)
非水電解質として、ECとEMCの体積比3:7の混合溶媒に0.7mol/LのLiBOBと0.3mol/LのLiPFが溶解しているものを用いたことを除いては、実施例1と同様にして、実施例3の非水電解質二次電池を作製した。
(充放電試験)
上記実施例及び比較例の電池を用いて、次の手順に従って、容量維持率を測定した。なお、上記実施例及び比較例の電池はいずれも、電圧が4.35Vのとき、正極電位は4.45V(vs.Li/Li)である。
(1)初期充放電
25℃にて、1サイクルの初期充放電を行った。充電は、充電電流0.1CmA、充電上限電圧4.35Vの定電流定電圧充電とし、充電電流が0.02CmAにまで減衰した時点で充電を終止した。放電は、放電電流0.1CmA、放電終止電位2.75Vの定電流放電とした。
(2)初回容量確認
次に、25℃にて、初回容量確認試験を行った。充電は、充電電流0.1CmA、充電上限電圧4.35Vの定電流定電圧充電とし、充電電流が0.02CmAにまで減衰した時点で充電を終止した。放電は、放電電流1.0CmA、放電終止電位2.75Vの定電流放電とし、この充放電を1サイクル行った。この初回容量確認試験における放電容量を「初回放電容量(mAh/g)」として記録した。
(3)充放電サイクル試験
続いて、加速のため、45℃にて、100サイクルの充放電サイクル試験を行った。充電は、充電電流1.0CmA、充電上限電圧4.35Vの定電流定電圧充電とし、充電電流が0.05CmAにまで減衰した時点で充電を終止した。放電は、放電電流1.0CmA、放電終止電圧2.75Vの定電流放電とした。
(4)充放電サイクル後容量確認
その後、25℃にて、充放電サイクル試験後の容量確認試験を行った。条件は、上記初回容量確認試験と同一である。上記「初回放電容量(mAh/g)」に対するこの充放電サイクル後容量確認試験における放電容量(mAh/g)の百分率を「容量維持率(%)」として算出した。結果を表1に示す。
比較例3〜5の結果からわかるように、0.5mol/lのLiBOBと0.5mol/lのLiPFを用いた比較例4や、0.7mol/lのLiBOBと0.3mol/lのLiPFを用いた比較例5では、1.0mol/lのLiPFを用いた比較例3に比べて、容量維持率が低下した。一方、実施例1〜3及び比較例1の結果からわかるように、0.1mol/lのLiBOBと0.9mol/lのLiBFを用いた実施例1、0.5mol/lのLiBOBと0.5mol/lのLiBFを用いた実施例2及び0.7mol/lのLiBOBと0.3mol/lのLiBFを用いた実施例3では、1.0mol/lのLiBFを用いた比較例1に比べて、容量維持率が向上した。なお、0.7mol/lのLiBOBを用いた比較例2では、容量維持率が著しく低かった。
なお、上記した全ての実施例及び比較例において使用した非水電解質は、いずれも、目視上、透明であり、電解質塩が完全に溶解しているとみなすことができるから、それぞれの非水電解質において溶解している各電解質塩のモル数は、そのまま各電解質塩を構成するアニオンのモル数と等しいとみなすことができる。
〔充電電圧が4.2Vである場合〕
(比較例6)
実施例1と同じ処方、同じ手順で、比較例6の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例7)
非水電解質として、ECとEMCの体積比3:7の混合溶媒に0.1mol/LのLiBOBと0.9mol/LのLiPFが溶解しているものを用いたことを除いては、実施例1と同様にして、比較例7の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例8)
比較例2と同じ処方、同じ手順で、比較例8の非水電解質二次電池を作製した。
(充放電試験)
上記比較例6〜8の電池を用いて、次の手順に従って、容量維持率を測定した。なお、上記比較例6〜8の電池はいずれも、電圧が4.2Vのとき、正極電位は4.3V(vs.Li/Li)である。
(1)初期充放電
25℃にて、1サイクルの初期充放電を行った。充電は、充電電流0.1CmA、充電上限電圧4.2Vの定電流定電圧充電とし、充電電流が0.02CmAにまで減衰した時点で充電を終止した。放電は、放電電流0.1CmA、放電終止電位2.75Vの定電流放電とした。
(2)初回容量確認
次に、25℃にて、初回容量確認試験を行った。充電は、充電電流0.1CmA、充電上限電圧4.2Vの定電流定電圧充電とし、充電電流が0.02CmAにまで減衰した時点で充電を終止した。放電は、放電電流1.0CmA、放電終止電位2.75Vの定電流放電とし、この充放電を1サイクル行った。この初回容量確認試験における放電容量を「初回放電容量(mAh/g)」として記録した。
(3)充放電サイクル試験
続いて、加速のため、45℃にて、100サイクルの充放電サイクル試験を行った。充電は、充電電流1.0CmA、充電上限電圧4.2Vの定電流定電圧充電とし、充電電流が0.05CmAにまで減衰した時点で充電を終止した。放電は、放電電流1.0CmA、放電終止電圧2.75Vの定電流放電とした。
(4)充放電サイクル後容量確認
その後、25℃にて、充放電サイクル試験後の容量確認試験を行った。条件は、上記初回容量確認試験と同一である。上記「初回放電容量(mAh/g)」に対するこの充放電サイクル後容量確認試験における放電容量(mAh/g)の百分率を「容量維持率(%)」として算出した。結果を表2に示す。
次のことがいえる。
まず、充電電圧が4.2Vである場合の結果について述べる。表2からわかるように、LiBFとLiBOBを併用して用いた比較例6と、LiPFとLiBOBを併用して用いた比較例7を比べると、LiBFと併用した比較例6の方が、電池性能が悪化した。同様の結果は特許文献4においても認められる。特許文献4の表2には、充電電圧が4.2Vである(段落0049参照)場合の結果について、LiBFとLiBOBを併用して用いた実施例2−3と、LiPFとLiBOBを併用して用いた実施例1−7を比べると、LiBFと併用した実施例2−3の方が、電池性能が悪化したことが示されている。
次に、充電電圧が4.35Vである場合の結果について述べる。表1からわかるように、LiBOBを単独で用いた比較例2は、電池性能が極端に劣るものであった。LiBOBを構成するオキサラト錯体は、とりわけ高い電位において酸化分解しやすいことが知られているから、比較例2の結果は理解できる。また、LiPFとLiBOBを併用して用いた比較例4、5は、LiPFを単独で用いた比較例3に比べて、電池性能が悪化した。これは、LiPFに由来するHFの発生が抑制できていないことに加え,LiBOBの分解により電池抵抗が大きく増大したためであると推察される。これに対して、LiBFとLiBOBを併用して用いた実施例1〜3は、LiBFを単独で用いた比較例1や、LiPFを単独で用いた比較例3に比べて、電池性能が顕著に向上した。
1 非水電解液蓄電素子
2 電極群
3 外装体
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置

Claims (1)

  1. 正極、負極及び非水電解質(但し、非水電解質が含有する溶媒中のアセトニトリルの含有量が30体積%以上の非水電解質を除く)を備え、前記非水電解質は、リチウムを含む電解質塩のアニオンが実質的にビスオキサレートボラートイオン(B(C242 -)及びホウフッ化物イオン(BF4 -)からなり、前記アニオン中の前記B(C242 -の比率が10〜70mol%であって前記電解質塩のアニオン濃度が1.5mol/l以下であり、前記B(C 2 4 2 - の濃度が0.7mol/l以下であり、前記正極は、作動上限電位が4.4V(vs.Li/Li+)以上である、非水電解質電池。
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