JP6742493B1 - 片手操作可能な車椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】左右いずれかの手で容易に操作できる軽量かつ安価な車椅子を提供する。【解決手段】ハンドリムが、ハンドリムスポークに連結された第1部分と、車輪の基部に連結された第2部分とを有しており、一方の側及び/又は他方の側の第1部分によって生ずる第1回転力を、一方の側の車輪と他方の側の車輪に伝達するための駆動機構を備え、一方の側及び/又は他方の側の第2部分によって生ずる第2回転力が、対応する側の車輪に伝達され、駆動機構が、一方の側のハンドリムスポークに連結された一方の側の車軸と、一方の側の車軸に軸部材を介して連結され、かつ、他方の側のハンドリムスポークに連結された他方の側の車軸と、一方の側の車軸に配置された第1双方向クラッチと、他方の側の車軸に配置された第2双方向クラッチとを有する車椅子が提供される。【選択図】 図1

Description

本発明は一般に、手動式車椅子(以下、単に「車椅子」という)に関する。より詳細には、本発明は、左右いずれかの手で容易に操作できる軽量かつ安価な車椅子に関する。
車椅子は基本的に、車椅子使用者(以下、単に「使用者」という)が自らの手で左右の車輪を操作することにより、前進、後退、左折、右折等の動作をさせるように構成されているが、左右いずれかの半身が不自由な人は、両手を自由に使えないため、一般的な車椅子を使用することが困難であった。そこで、左半身又は右半身の不自由な人であっても、健常な方の手のみで操作することができる片手操作可能な車椅子が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された車椅子は、使用者の健常な半身が位置する側の車輪の外方に二重のハンドリムを配置し、健常な方の手でハンドリムを操作することによって、車椅子の動きを制御することができるように構成されている。
一方、左右の車輪を連結する回転軸と、レバーやクラッチ等の操作手段を連動させ、これらの操作手段を片手で操作することによって、所望のように制御することができる車椅子も提案されている(特許文献2〜特許文献4参照)。また、特許文献5に記載された車椅子は、本発明者が開発したものであって、左右いずれかの手で容易に操作できるという特徴を備えている。
実公昭46−13386号公報 特開2004−141452号公報 特開2010−279666号公報 特許第5105256号公報 特許第6288746号公報
しかしながら、特許文献1に記載された車椅子は、操作用のハンドリムが左右の一方の側にのみ配置され、操作できる側が予め決められているため、車椅子使用者にとっては使い勝手が良くなく、車椅子製造者にとっても左側操作型と右側操作型の2種類を製造しなければならずコスト高の一因になるという課題があった。また、特許文献2に記載された車椅子は、レバーの操作を必要とし、特許文献3に記載された車椅子は、操作時に使用者が身体を左右いずれかに傾けなければならず、肉体的な負担が過重であるという課題があった。また、特許文献4に記載された車椅子は、等速移動に対応する構成が示されておらず、使い勝手が良くないという課題があった。さらに、特許文献5に記載された車椅子は、幸いにも好評を博しているが、より容易な操作で運転が可能で、軽量かつ安価に提供される車椅子に対する要望があった。
本発明は、このような状況に鑑みて開発されたものであって、左右いずれかの手で容易に操作できる軽量かつ安価な車椅子を提供することを目的としている。
本願請求項1に記載された、フレームと、右車輪及び左車輪と、右キャスタ及び左キャスタと、シートと、前記各車輪の車軸と同心に配置された左右一対の円形横断面のハンドリムとを有する片手操作可能な車椅子は、前記ハンドリムが、それぞれ別体に形成され、前記円形横断面のうち内方下部に位置する第1部分と、前記円形横断面のうち前記第1部分以外を占める第2部分とを有しており、前記第1部分が、ハンドリムスポークに連結され、前記第2部分が、前記各車輪の基部に連結されており、一方の側及び/又は他方の側の前記ハンドリムの前記第1部分によって生ずる第1回転力を、前記一方の側の前記車輪と前記他方の側の前記車輪に伝達するための駆動機構を備え、前記一方の側及び/又は前記他方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生ずる第2回転力が、対応する側の前記車輪に伝達され、前記駆動機構が、前記一方の側のハンドリムスポークに連結された前記一方の側の車軸と、前記一方の側の前記車軸に軸部材を介して連結され、かつ、前記他方の側のハンドリムスポークに連結された前記他方の側の車軸と、前記一方の側の前記車軸に配置された第1双方向クラッチと、前記他方の側の前記車軸に配置された第2双方向クラッチとを有し、前記第1双方向クラッチが、前記第1回転力を前記一方の側の前記車輪に伝達し、かつ、前記一方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生じる前記第2回転力を前記一方の側の前記車軸に伝達しないように構成され、前記第2双方向クラッチが、前記第1回転力を前記他方の側の前記車輪に伝達し、かつ、前記他方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生じる前記第2回転力を前記他方の側の前記車軸に伝達しないように構成されていることを特徴とするものである。
本願請求項2に記載された、フレームと、右車輪及び左車輪と、右キャスタ及び左キャスタと、シートと、前記各車輪の車軸と同心に配置された左右一対の円形横断面のハンドリムとを有する片手操作可能な車椅子は、前記ハンドリムが、それぞれ別体に形成され、前記円形横断面のうち内方下部に位置する第1部分と、前記円形横断面のうち前記第1部分以外を占める第2部分とを有しており、前記第1部分が、ハンドリムスポークに連結され、前記第2部分が、前記各車輪の基部に連結されており、一方の側及び/又は他方の側の前記ハンドリムの前記第1部分によって生ずる第1回転力を、前記一方の側の前記車輪と前記他方の側の前記車輪に伝達するための駆動機構を備え、前記一方の側及び/又は前記他方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生ずる第2回転力が、対応する側の前記車輪に伝達され、前記駆動機構が、前記一方の側のハンドリムスポークに連結された前記一方の側の車軸と、前記一方の側の前記車軸に軸部材を介して連結され、かつ、前記他方の側のハンドリムスポークに連結された前記他方の側の車軸と、前記一方の側の前記車軸に配置された第1一方向クラッチと、前記他方の側の前記車軸に配置された第2一方向クラッチとを有し、前記第1一方向クラッチが、前記第1回転力のうち前進方向の回転力のみを前記一方の側の前記車輪に伝達し、かつ、前記一方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生じる前記第2回転力のうち後退方向の回転力のみを前記一方の側の前記車軸に伝達するように構成され、前記第2一方向クラッチが、前記第1回転力のうち前進方向の回転力のみを前記他方の側の前記車輪に伝達し、かつ、前記他方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生じる前記第2回転力のうち後退方向の回転力のみを前記他方の側の前記車軸に伝達するように構成されていることを特徴とするものである。
本願請求項3に記載された片手操作可能な車椅子は、前記請求項1の車椅子において、前記第1双方向クラッチ及び/又は前記第2双方向クラッチの使用時に発生する回転遊びを調整するための空転機構を備え、前記空転機構が、前記ハンドリムの円形横断面のうち外方上部に前記第2部分と別体として配置された第3部分と、前記ハンドリムの周方向に所定間隔隔てて複数個配置されたローラ構造体とを有し、前記ローラ構造体が、軸部材及び前記軸部材に回転可能に取り付けられたローラからなり、前記ローラの下端が前記第2部分に接触した状態で、前記第3部分の内方に設けられた空間内に収容されるように、前記軸部材が前記第3部分に固定されていることを特徴とするものである。
本願請求項4に記載された片手操作可能な車椅子は、前記請求項2の車椅子において、前記第1一方向クラッチ及び/又は前記第2一方向クラッチの使用時に発生する回転遊びを調整するための空転機構を備え、前記空転機構が、前記ハンドリムの円形横断面のうち外方上部に前記第2部分と別体として配置された第3部分と、前記ハンドリムの周方向に所定間隔隔てて複数個配置されたローラ構造体とを有し、前記ローラ構造体が、軸部材及び前記軸部材に回転可能に取り付けられたローラからなり、前記ローラの下端が前記第2部分に接触した状態で、前記第3部分の内方に設けられた空間内に収容されるように、前記軸部材が前記第3部分に固定されていることを特徴とするものである
本願請求項5に記載された、フレームと、右車輪及び左車輪と、右キャスタ及び左キャスタと、シートと、前記各車輪の車軸と同心に配置された左右一対の円形横断面のハンドリムとを有する片手操作可能な車椅子は、一方の側のハンドリムが、それぞれ別体に形成され、前記円形横断面のうち内方下部に位置する第1部分と、前記円形横断面のうち前記第1部分以外を占める第2部分とを有しており、前記第1部分及び他方の側のハンドリムが、ハンドリムスポークに連結され、前記第2部分が、前記一方の側の車輪の基部に連結されており、前記一方の側の前記ハンドリムの前記第1部分及び/又は前記他方の側の前記ハンドリムによって生ずる第1回転力を、前記一方の側の車輪と前記他方の側の車輪に伝達するための駆動機構を備え、前記一方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生ずる第2回転力が、前記一方の側の前記車輪に伝達され、 前記駆動機構が、前記一方の側のハンドリムスポークに連結された前記一方の側の車軸と、前記一方の側の前記車軸に軸部材を介して連結され、かつ、前記他方の側のハンドリムスポークに連結された前記他方の側の車軸と、前記一方の側の前記車軸に配置された第1一方向クラッチと、前記他方の側の前記車軸に配置された第2一方向クラッチとを有し、前記第1一方向クラッチが、前記第1回転力のうち前進方向の回転力のみを前記一方の側の前記車輪に伝達し、かつ、前記一方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生じる前記第2回転力のうち後退方向の回転力のみを前記一方の側の前記車軸に伝達するように構成され、前記第2一方向クラッチが、前記第1回転力のうち前進方向の回転力のみを前記他方の側の前記車輪に伝達するように構成されていることを特徴とするものである。
本願請求項6に記載された片手操作可能な車椅子は、前記請求項5の車椅子において、前記第1一方向クラッチ及び/又は前記第2一方向クラッチの使用時に発生する回転遊びを調整するための空転機構を備え、前記空転機構が、前記ハンドリムの円形横断面のうち外方上部に前記第2部分と別体として配置された第3部分と、前記ハンドリムの周方向に所定間隔隔てて複数個配置されたローラ構造体とを有し、前記ローラ構造体が、軸部材及び前記軸部材に回転可能に取り付けられたローラからなり、前記ローラの下端が前記第2部分に接触した状態で、前記第3部分の内方に設けられた空間内に収容されるように、前記軸部材が前記第3部分に固定されていることを特徴とするものである。
本発明の車椅子によれば、いずれか一方の手のみ用いた簡単な操作で、最低限必要な運転制御を行うことができる車椅子が提供される。本発明の車椅子では、ハンドリムが複数の部分に分割されており、持ち替える必要がないので、使い勝手がよい。また、空転機構を装備することにより、クラッチの回転遊びを調整することができ、車椅子の正確な運転制御が可能になる。さらに、リハビリ訓練に好適な型式の車椅子も提供される。
本発明の車椅子は、半身の不自由な人以外であっても利用できる。すなわち、本発明の車椅子は、両手が健常な人が片手に物品(スマートフォン、食器、傘など)を持って車椅子で移動するような場合に有用である。また、車椅子でテニスやバスケットボールのようなスポーツをする場合にも有用である。さらに、詳細には後述するように、本発明の車椅子では、使用者の体力に応じて休みながら登坂走行を行うことができる点においても、従来の両手操作式の車椅子と比較して有用である。
本発明の好ましい実施の形態に係る車椅子を示した右側面図である。 図2は、図1の車椅子の背面図である。 図3(a)は、好ましいハンドリムの断面を示した図、図3(b)は、別の形態の好ましいハンドリムの断面を示した図である。 図4(a)は、図3(a)のハンドリムの第1部分と第2部分を右手で把持した状態を示した図、図4(b)は、図3(a)のハンドリムの第2部分を右手で把持した状態を示した図、図4(c)は、図3(b)のハンドリムの第1部分と第2部分を右手で把持した状態を示した図、図4(d)は、図3(b)のハンドリムの第2部分を右手で把持した状態を示した図である。 図1の線5−5に沿って見た断面図であって、車椅子の駆動機構の構成を示したものである。 図5の部分6の拡大断面図である。 図7(a)は、双方向クラッチの一例を示した図、図7(b)〜図7(f)は、双方向クラッチの作動状態を示した図である。 図8(a)は、一方向クラッチの一例を示した図、図8(b)は、一方向クラッチの一部の拡大図、図8(c)は、一方向クラッチのカムの斜視図、図8(d)〜図8(g)は、一方向クラッチの作動状態を示した図である。 車椅子の作動状態を説明するための一連の模式図である。 左右のハンドリムの第1部分の駆動経路を示した図である。 車椅子の駆動機構の変形形態を示す図であって、図6に対応したものである。 空転機構を説明するための図であって、図12(a)は、第3部分が設けられた右側ハンドリムを示した図、図12(b)は、図12(a)の線12b−12bに沿って見た図、図12(c)は、図12(b)の部分12cの拡大図である。 第3部分が設けられたハンドリムの把持の各態様を示した図4に対応する図である。 ハンドリムに凸部の代わりに凹部が設けられた図13に対応する図である。 ハンドリムの変形形態を示した図である。
次に図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態に係る車椅子について詳細に説明する。図1は、本発明の好ましい実施の形態に係る車椅子を示した右側面図、図2は、図1の車椅子の背面図である。
図1において全体として参照符号10で示される本発明の好ましい実施の形態に係る車椅子は、車椅子の骨格を形成するフレーム12と、右車輪14a及び左車輪14bと、一対のキャスタ16a、16bと、シート18とを備えている。なお、車椅子10は、原則としてその中心線に対して左右対称であり左右それぞれの側に同じ構成要素を有しているが、以下の説明において、車椅子10の右側に位置する構成要素の参照符号に「a」を付し、車椅子10の左側に位置する構成要素の参照符号に「b」を付すものとする。以下、主として車椅子10の右側部分の構成について説明する。
車椅子10はまた、右車輪14aの車軸24aと同心に配置されたハンドリム20aを備えている。ハンドリム20aは、図3(a)に示されるように、2つの部分、すなわち、円形横断面のうち内方下部に位置する第1部分20a1と、円形横断面のうち第1部分20a1以外を占める第2部分20a2とを有し、第1部分20a1と第2部分20a2は、別体として形成されている。これにより、使用者がハンドリム20aを把持したとき、親指以外の指の指先が第1部分20a1に接し、親指と掌が第2部分20a2に接するようになっており、使用者が意図した部分(第1部分20a1のみ、第2部分20a2のみ、又は第1部分20a1と第2部分20a2の両方)を操作することができるようになっている。なお、本明細書において「内方」とは、車椅子に着座する使用者が位置する側を意味し、「外方」とは、使用者が位置する側と反対側を意味する。
好ましくは、図3(a)に示されるように、ハンドリム20aの第1部分20a1の外面に、手指のかかりを良くするため、凸部20a1aが設けられている。凸部20a1aを設けることにより、使用者が第1部分20a1を指で認知しやすくなるという効果も期待できる。凸部20a1aを設ける代わりに、図3(b)に示されるように、ハンドリム20aの第1部分20a1の外面に、凹部20a1bを設けてもよい。また、ハンドリム20aの第2部分20a2の外面にも、凹部20a2bを設けてもよい。凹部20a1b、凹部20a2bは、凸部20a1aと同様に、手指のかかりを良くするとともに、使用者が第1部分20a1と第2部分20a2を指で認知しやすくなるという効果も期待できる。
ハンドリム20aの第1部分20a1は、ハンドリムスポーク22aに連結され、第2部分20a2は、右車輪14aの基部に連結されている。
図4(a)は、図3(a)に示されるハンドリム20aの第1部分20a1と第2部分20a2を右手で把持した状態を示し、図4(b)は、第2部分20a2のみを右手で把持した状態を示している。また、図4(c)は、図3(b)に示されるハンドリム20aの第1部分20a1と第2部分20a2を右手で把持した状態を示し、図4(d)は、第2部分20a2のみを右手で把持した状態を示している。
次に、図5および図6を参照して、車椅子10の駆動機構の構成について説明する。図5は、図1の線5−5に沿って見た断面図、図6は、図5の部分6の拡大断面図である。車椅子10は、右車輪14aを支持する車軸24aを備えており、車軸24aは、車軸ホルダ28a、取付ボス30aを介して、フレーム12に取り付けられている。車軸24aの外端には、ハンドリムスポーク22aが連結されている。
車軸24aは、軸受26aによって、車軸ホルダ28a(従って、フレーム12)に回転可能に配置されている。また、車椅子10の左側部分にも、対応する箇所に、同様の構成を有する車軸24bが設けられており、車軸24aと車軸24bは、円柱形の軸部材32及び連結スリーブ32a、32bを介して、1本の回転軸を形成している。
好ましくは、車軸ホルダ28aを、軸受26aをそれぞれ有する一対のホルダ部材28a1、28a2(図6参照)によって従来の通常の車椅子の取付ボス30aを挟持するように構成することにより、従来の通常の車椅子への後付けアタッチメントとして機能させることができ、これにより従来の通常の車椅子のフレームをそのままにして車輪14a、14bを本発明仕様のものに交換することが可能になる。
図5では、作図の都合上、軸部材32が左右分離した状態で図示されているが、実際は、軸部材32は、1本の円柱形の軸で形成されている。また、車軸24a、軸部材32、車軸24bを一体に形成してもよい。
なお、図5及び図6では、車軸24a、24bが中空になっており、両端に隆起部24a2が設けられたロッド24a1が挿入されているが、ロッド24a1は、車輪14aをフレーム12に着脱するためのものである。車軸24aのこのような構成自体は公知のものであり、本願発明の要旨を構成しない。
双方向クラッチ34aが、車軸ホルダ28aの外方において車軸24aに取り付けられている。ここで、双方向クラッチ34aとは、後述する内輪34a1に入力すると入力と同じ方向に回転力を伝達することができ、外輪34a3に入力すると回転力を伝達することができないクラッチをいう。双方向クラッチ34aは、車軸ホルダ28aの外方において車軸24aに回転不能に取り付けられた正多角形(図7(a)に示される例では、正六角形)の内輪34a1と、内輪34a1との間に所定間隔へだてた状態で軸受34a2によって内輪34a1に回転可能に支持された円筒形の外輪34a3とを有している。内輪34a1の車軸24aへの取り付けは、キー溝(図7(a)参照)や圧入等を用いて、回転不能になるように構成されており、車軸24aを両方向(時計回り、反時計回り)に回転させると、内輪34a1も同じ方向に回転するようになっている。正多角形の内輪34a1の各辺はカム面となり、正多角形の内輪34a1の各辺の外輪34a3との間に隙間には、図7(a)に示されるように、それぞれ1個のローラ34a4が配置され、各ローラ34a4間に保持器34a5を配置することにより、ローラ34a4間の間隔が保持されている。入力軸又は出力軸となる内輪34a1は、ハンドリムスポーク22aが取り付けられた車軸24aに連結されており、出力軸又は入力軸となる外輪34a3は、右車輪14aの車輪スポーク14a1に連結されている。
以上のように構成された双方向クラッチ34aの作動について、図7(b)〜図7(f)を参照して説明する。図7(b)〜図7(f)において、実線矢印は入力回転を示し、破線矢印は出力回転を示している。内輪34a1を時計回りに回転させると、ローラ34a4が内輪34a1の各辺34a1aの中間部(図7(b)参照)から各辺34a1aの左端部34a1b(図7(c)参照)まで移動する(この間は、内輪34a1の回転力は外輪34a3に伝達されない)。ローラ34a4が左端部34a1bに到達すると、ローラ34a4の回転がロックされ、内輪34a1の回転力(図7(c)の実線矢印)が外輪34a3に伝達され、外輪34a3は、時計回りに回転する(図7(c)の破線矢印)。内輪34a1を反時計回りに回転させると、ローラ34a4が内輪34a1の各辺34a1aの中間部(図7(b)参照)から各辺34a1aの右端部34a1c(図7(d)参照)まで移動する(この間は、内輪34a1の回転力は外輪34a3に伝達されない)。ローラ34a4が右端部34a1cに到達すると、ローラ34a4の回転がロックされ、内輪34a1の回転力(図7(d)の実線矢印)が外輪34a3に伝達され、外輪34a3は、反時計回りに回転する(図7(d)の破線矢印)。一方、外輪34a3を時計回りに回転させる(図7(e)の実線矢印)と、外輪34a3の内面がカム面ではなく円形面であるため、外輪34a3の回転力は内輪34a1に伝達されず、内輪34a1は回転しない。また、外輪34a3を反時計回りに回転させる(図7(f)の実線矢印)と、外輪34a3の内面がカム面ではなく円形面であるため、外輪34a3の回転力は内輪34a1に伝達されず、内輪34a1は回転しない。
上述のような双方向クラッチ34aの構成は、公知である(例えば、NTN株式会社のツーウエイクラッチ)。また、内輪34a1に入力すると入力と同じ方向に回転力を伝達することができ、外輪34a3に入力すると回転力を伝達することができないものであれば、他の構成の双方向クラッチを採用してもよい。
双方向クラッチ34aの代わりに、一方向クラッチ34´aを車軸ホルダ28aの外方において車軸24aに取り付けてもよい。ここで、一方向クラッチ34´aとは、後述する内輪34´a1に入力すると一方向にのみ回転力を伝達することができ、外輪34´a3に入力すると前記一方向と反対の方向にのみ回転力を伝達することができるクラッチをいう。一方向クラッチ34´aは、図8(a)に示されるように、車軸ホルダ28aの外方において車軸24aに回転不能に取り付けられた円筒形の内輪34´a1と、内輪34´a1との間に所定間隔へだてた状態で軸受34´a2によって内輪34´a1に回転可能に支持された円筒形の外輪34´a3と、内輪34´a1と外輪34´a3との間に配置された多数のカム34´a4とを有している。内輪34´a1の車軸24aへの取り付けは、キー溝(図8(a)参照)や圧入等を用いて、回転不能になるように構成されており、車軸24aを両方向(時計回り、反時計回り)に回転させると、内輪34´a1も同じ方向に回転するようになっている。図8(b)は、図8(a)の一部の拡大図、図8(c)は、カム34´a4を取り出して示した斜視図である。カム34´a4は、図8(b)及び図8(c)に最も良く示されるように、上半部34´a4‐1の横断面が湾曲した凸状に形作られ、下半部34´a4‐2の横断面が半円状に形作られており、両端に配置されたばね34´a5によって、内輪34´a1の外周と外輪34´a3の内周に常に接触するようになっている。入力軸又は出力軸となる内輪34a1は、ハンドリムスポーク22aが取り付けられた車軸24aに連結されており、出力軸又は入力軸となる外輪34a3は、右車輪14aの車輪スポーク14a1に連結されている。
以上のように構成された一方向クラッチ34´aの作動について、図8(d)〜図8(g)を参照して説明する。図8(d)〜図8(g)において、実線矢印は入力回転を示し、破線矢印は出力回転を示している。内輪34´a1を時計回りに回転させる(図8(d)の実線矢印)と、カム34´a4は、内輪34´a1及び外輪34´a3とかみ合い状態となり、これにより内輪34´a1の回転力が外輪34´a3に伝達され、外輪34´a3は時計回りに回転する(図8(d)の破線矢印)。内輪34´a1を反時計回りに回転させる(図8(e)の実線矢印)と、カム34´a4と内輪34´a1及び外輪34´a3とのかみ合いが外れ、これにより内輪34´a1の回転力が外輪34´a3に伝達されず、外輪34´a3は回転しない。一方、外輪34´a3を時計回りに回転させる(図8(f)の実線矢印)と、カム34´a4と内輪34´a1及び外輪34´a3とのかみ合いが外れ、これにより外輪34´a3の回転力が内輪34´a1に伝達されず、内輪34´a1は回転しない。外輪34´a3を反時計回りに回転させる(図8(g)の実線矢印)と、カム34´a4は、内輪34´a1及び外輪34´a3とかみ合い状態となり、これにより外輪34´a3の回転力が内輪34´a1に伝達され、内輪34´a1は反時計回りに回転する(図8(g)の破線矢印)。
一方向クラッチ34´aの場合は、前進運転と後退運転の両方が可能な双方クラッチ34aと比べて、一方向運転(通常は、前進運転)のみにしか対応できないが、クラッチ自体が双方向クラッチに比べて安価であり、回転遊びが少ないという利点を備えている。なお、一方向クラッチ34´a、34´bを備えた車椅子10に、後述する空転機構36a、36bを装備すると、使用者の腕の負担軽減という効果が期待できる。また、詳細には後述するように、ハンドリム20a、20bの2つの部分を左右の手で持ち替えることにより、登坂走行を快適に行うことができる。
上述のような一方向クラッチ34´aの構成は、公知である(例えば、株式会社椿本チエインのカムクラッチMZ‐Gシリーズ)。また、内輪34´a1に入力すると一方向にのみ回転力を伝達することができ、外輪34´a3に入力すると前記一方向と反対の方向にのみ回転力を伝達することができるものであれば、他の構成の一方向クラッチを採用してもよい。
以上の記載では、主として車椅子10の右側部分の構成について説明してきたが、車椅子10の左側部分も、右側部分と実質的に同一の構成を有している。すなわち、主要な構成要素について記すと、20bはハンドリム、22bはハンドリムスポーク、24bは車軸、34bは双方向クラッチ、34´bは一方向クラッチをそれぞれ示している。
図9を参照して、双方向クラッチ34aを備えた車椅子10の作動について説明する。図9は、車椅子10の直進走行、右折走行、及び左折走行を示した模式的な平面図である。
右手を用いて前進しようとする場合には、右手でハンドリム20aの第1部分20a1と第2部分20a2の両方を把持して前方に回転させる(図9(a)参照)。すると、第1部分20aの回転力がハンドリムスポーク22aを介して車軸24a、双方向クラッチ34a、軸部材32、車軸24b、双方向クラッチ34bに伝達され、双方向クラッチ34aの回転遊びが解消してから回転力が外輪34a3に伝達されて右車輪14aを前方回転させ、かつ、双方向クラッチ34bの回転遊びが解消してから回転力が外輪34b3に伝達されて左車輪14bを前方回転させるとともに、第2部分22aの回転力が対応する側の車輪(右車輪14a)に直接伝達されて(その際、双方向クラッチ34aの外輪34a3が回転しても、内輪34a1は回転しない)右車輪14aを前方回転させるので、車椅子10は前進する。右手を用いて後退しようとする場合には、右手でハンドリム20aの第1部分20a1と第2部分20a2の両方を把持して後方に回転させる。すると、第1部分20aの回転力がハンドリムスポーク22aを介して車軸24a、双方向クラッチ34a、軸部材32、車軸24b、双方向クラッチ34bに伝達され、双方向クラッチ34aの回転遊びが解消してから回転力が外輪34a3に伝達されて右車輪14aを前方回転させ、かつ、双方向クラッチ34bの回転遊びが解消してから回転力が外輪34b3に伝達されて左車輪14bを後方回転させるとともに、第2部分22aの回転力が対応する側の車輪(右車輪14a)に直接伝達されて(その際、双方向クラッチ34aの外輪34a3が回転しても、内輪34a1は回転しない)右車輪14aを後方回転させるので、車椅子10は後退する(図9(a)の破線下向き矢印参照)。さらに、両手を用いて前進することもできる。この場合は、右手でハンドリム20aの第1部分20a1と第2部分20a2の両方を把持して前方に回転させるとともに、左手でハンドリム20bの第1部分20b1と第2部分20b2の両方を把持して前方に回転させる。
左手を用いて前進しようとする場合には、左手でハンドリム20bの第1部分20b1と第2部分20b2の両方を把持して前方に回転させる(図9(b)参照)。すると、第1部分20bの回転力がハンドリムスポーク22bを介して車軸24b、双方向クラッチ34b、軸部材32、車軸24a、双方向クラッチ34aに伝達され、双方向クラッチ34bの回転遊びが解消してから回転力が外輪34b3に伝達されて左車輪14bを前方回転させ、かつ、双方向クラッチ34aの回転遊びが解消してから回転力が外輪34a3に伝達されて右車輪14aを前方回転させるとともに、第2部分22bの回転力が対応する側の車輪(左車輪14b)に直接伝達されて(その際、双方向クラッチ34bの外輪34b3が回転しても、内輪34b1は回転しない)左車輪14bを前方回転させるので、車椅子10は前進する。左手を用いて後退しようとする場合には、左手でハンドリム20bの第1部分20b1と第2部分20b2の両方を把持して後方に回転させる。すると、第1部分20bの回転力がハンドリムスポーク22bを介して車軸24b、双方向クラッチ34b、軸部材32、車軸24a、双方向クラッチ34aに伝達され、双方向クラッチ34bの回転遊びが解消してから回転力が外輪34b3に伝達されて左車輪14bを後方回転させ、かつ、双方向クラッチ34aの回転遊びが解消してから回転力が外輪34a3に伝達されて右車輪14aを後方回転させるとともに、第2部分22bの回転力が対応する側の車輪(左車輪14b)に直接伝達されて(その際、双方向クラッチ34bの外輪34b3が回転しても、内輪34b1は回転しない)左車輪14bを後方回転させるので、車椅子10は後退する(図9(b)の破線下向き矢印参照)。
右手を用いて左折しようとする場合には、右手でハンドリム20aの第2部分20a2のみを把持して前方に回転させる(図9(c)参照)。すると、第2部分22aの回転力が対応する側の車輪(右車輪14a)に直接伝達されて(その際、双方向クラッチ34aの外輪34a3が回転しても、内輪34a1は回転しない)右車輪14aを前方回転させるので、左車輪14bが回転しない状態で右車輪14aが回転し、これにより車椅子10は左折する。右手を用いて右折しようとする場合には、まず右手でハンドリム20aの第2部分20a2のみを把持して後方に回転させる(図9(c)参照)。すると、第2部分20a2の回転力が対応する側の車輪(右車輪14a)に直接伝達されて(その際、双方向クラッチ34aの外輪34a3が回転しても、内輪34a1は回転しない)右車輪14aを後方回転させ、車椅子10は後退して右向きになる。次いで、右手でハンドリム20aの第1部分20a1と第2部分20a2の両方を把持して前方に回転させると、結果的に車椅子10は右折することとなる。
左手を用いて右折しようとする場合には、左手でハンドリム20bの第2部分20b2のみを把持して前方に回転させる(図9(d)参照)。すると、第2部分22bの回転力が対応する側の車輪(左車輪14b)に直接伝達されて(その際、双方向クラッチ34bの外輪34b3が回転しても、内輪34b1は回転しない)左車輪14bを前方回転させるので、右車輪14aが回転しない状態で左車輪14bが回転し、これにより車椅子10は右折する。左手を用いて左折しようとする場合には、まず左手でハンドリム20bの第2部分20b2のみを把持して後方に回転させる(図9(d)参照)。すると、第2部分20b2の回転力が対応する側の車輪(左車輪14b)に直接伝達されて(その際、双方向クラッチ34bの外輪34b3が回転しても、内輪34b1は回転しない)左車輪14bを後方回転させ、車椅子10は後退して左向きになる。次いで、左手でハンドリム20bの第1部分20b1と第2部分20b2の両方を把持して前方に回転させると、結果的に車椅子10は左折することとなる。
ハンドリム20a、20bの2つの部分を左右の手で持ち替えることにより、登坂走行を快適に行うことができる。すなわち、例えば、最初に両手でハンドリム20a、20bの2つの部分を把持して前方に回転させて登坂走行を行う。一度漕ぎ切って後停止しようとする場合は、右手でハンドリム20aの第1部分20a1と第2部分20a2の両方を回転させずに把持していればよい。次いで、左手をハンドリム20bの第1部分20b1と第2部分20b2から離して最初の漕ぎ出す位置に戻して、左手でハンドリム20aの第1部分20a1と第2部分20a2の両方を回転させずに把持して(持ち替えて)停車を維持する。次いで、右手をハンドリム20aの第1部分20a1と第2部分20a2から離して最初の漕ぎ出す位置に戻し、右手でハンドリム20aの第1部分20a1と第2部分20a2の両方を回転させずに把持して(持ち替えて)停車を維持する。両手でハンドリム20a、20bの2つの部分を把持したまま前方に回転させて登坂走行を行う。この一連の動作を繰り返して登坂する。このように左右の手を持ち替えて操作することにより、従来の両手操作式の車椅子とは異なり、使用者の体力に応じて休みながら登坂走行を行うことができる。
以上は、双方向クラッチ34aを備えた車椅子10の作動であるが、双方クラッチ34aに代えて一方向クラッチ34´a(内輪を前方回転させると外輪が前方回転するタイプのもの)を備えた車椅子の作動は、以下の通りである。
右手を用いて前進しようとする場合には、右手でハンドリム20aの第1部分20a1と第2部分20a2の両方を把持して前方に回転させる(図9(a)参照)。すると、第1部分20aの回転力がハンドリムスポーク22aを介して車軸24a、一方向クラッチ34´a、軸部材32、車軸24b、一方向クラッチ34´bに伝達されて右車輪14aおよび左車輪14bを前方回転させるとともに、第2部分22aの回転力が対応する側の車輪(右車輪14a)に直接伝達されて右車輪14aを前方回転させる(その際、一方向クラッチ34´aの外輪34´a3が前方回転しても、内輪34´a1は回転しない)ので、車椅子10は前進する。
左手を用いて前進しようとする場合には、左手でハンドリム20bの第1部分20b1と第2部分20b2の両方を把持して前方に回転させる(図9(b)参照)。すると、第1部分20bの回転力がハンドリムスポーク22bを介して車軸24b、一方向クラッチ34´b、軸部材32、車軸24a、一方向クラッチ34´aに伝達されて右車輪14aおよび左車輪14bを前方回転させるとともに、第2部分22bの回転力が対応する側の車輪(左車輪14b)に直接伝達されて左車輪14bを前方回転させる(その際、一方向クラッチ34´bの外輪34´b3が前方回転しても、内輪34´b1は回転しない)ので、車椅子10は前進する。
右手を用いて左折しようとする場合には、右手でハンドリム20aの第2部分20a2のみを把持して前方に回転させる(図9(c)参照)。すると、第2部分22aの回転力が対応する側の車輪(右車輪14a)に直接伝達されて右車輪14aを前方回転させる(その際、一方向クラッチ34´aの外輪34´a3が前方回転しても、内輪34´a1は回転しない)ので、左車輪14bが回転しない状態で右車輪14aが回転し、これにより車椅子10は左折する。右手を用いて右折しようとする場合には、まず右手でハンドリム20aの第2部分20a2のみを把持して後方に回転させる(図9(c)参照)。すると、第2部分20a2の回転力が対応する側の車輪(右車輪14a)に直接伝達されて(その際、一方向クラッチ34´aの外輪34a3が後方回転すると、内輪34a1も後方回転する)右車輪14aを後方回転させ、車椅子10は後退して右向きになる。次いで、右手でハンドリム20aの第1部分20a1と第2部分20a2の両方を把持して前方に回転させると、結果的に車椅子10は右折することとなる。
左手を用いて右折しようとする場合には、左手でハンドリム20bの第2部分20b2のみを把持して前方に回転させる(図9(d)参照)。すると、第2部分22bの回転力が対応する側の車輪(左車輪14b)に直接伝達されて左車輪14bを前方回転させる(その際、一方向クラッチ34´bの外輪34´b3が前方回転しても、内輪34´b1は回転しない)ので、右車輪14aが回転しない状態で左車輪14bが回転し、これにより車椅子10は右折する。左手を用いて左折しようとする場合には、まず左手でハンドリム20bの第2部分20b2のみを把持して後方に回転させる(図9(d)参照)。すると、第2部分20b2の回転力が対応する側の車輪(左車輪14b)に直接伝達されて(その際、一方向クラッチ34´bの外輪34b3が後方回転すると、内輪34b1も後方回転する)左車輪14bを後方回転させ、車椅子10は後退して左向きになる。次いで、左手でハンドリム20bの第1部分20b1と第2部分20b2の両方を把持して前方に回転させると、結果的に車椅子10は左折することとなる。
なお、右手でハンドリム20aの第1部分20a1と第2部分20a2の両方を把持して後方に回転させると、第2部分22aの回転力が対応する側の車輪(右車輪14a)に直接伝達されて右車輪14aを後方回転させる(その際、一方向クラッチ34´aの外輪34´a3が後方回転することにより、内輪34´a1が後方回転し、車軸24a、軸部材32、車軸24bを介して、一方向クラッチ34´bの内輪34´b1が後方回転するが、外輪34´b3は回転しない)ので、左車輪14bが回転しない状態で右車輪14aが後方回転し、これにより車椅子10は後退して右向きになる。また、左手でハンドリム20bの第1部分20b1と第2部分20b2の両方を把持して後方に回転させると、第2部分20b2の回転力が対応する側の車輪(左車輪14b)に直接伝達されて左車輪14bを後方回転させる(その際、一方向クラッチ34´bの外輪34´b3が後方回転することにより、内輪34´b1が後方回転し、車軸24b、軸部材32、車軸24aを介して、一方向クラッチ34´aの内輪34´a1が後方回転するが、外輪34´a3は回転しない)ので、右車輪14aが回転しない状態で左車輪14bが後方回転し、これにより車椅子10は後退して左向きになる。
なお、一方向クラッチ34´a、34´bを備えた車椅子10では、第1部分20a1、20b1を後方回転させても、内輪34´a1、34´b1は回転するが、外輪34´a3、34´b3が回転しないので、車椅子10の作動には反映されない。
図10(a)は、ハンドリム20aの第1部分20a1とハンドリム20bの第1部分20b1が、車軸24a、軸部材32、車軸24bによって連結されている状態を示した図である。図10(b)は、後述する片側のハンドリム20bが分割されていない形態を示した図であって、ハンドリム20aの第1部分20a1とハンドリム20bが、車軸24a、軸部材32、車軸24bによって連結されている状態を示したものである。なお、図10(a)に示される形態では、双方向クラッチ34a、34b又は一方向クラッチ34´a、34´bのいずれかが装備されるが、図10(b)に示される形態では、一方向クラッチ34´a、34´bが装備される。
図11は、車椅子10の駆動機構の変形形態を示す図であって、図6に対応したものである。図11に示される形態では、右車輪14aを支持する車軸24aは、円筒形の軸支持ハウジング25a内に、軸受26aによって回転可能に収容されており、車軸24aは、取付ボス30aを介して、フレーム12に取り付けられている。参照符号25a1は、車軸24aを固定するのに用いられる公知の車軸固定ばね付きレバー部材である。
円筒形の車輪ハブ29aが、軸支持ハウジング25aの外面に配置された軸受27aによって、軸支持ハウジング25aに回転可能に支持されており、車輪ハブ29aには、車輪スポーク14a1が連結されている。車軸24aの外面と車輪ハブ29aの内面との間には、双方向クラッチ34aが配置されている。なお、双方向クラッチ34aの代わりに、一方向クラッチ34´aを配置してもよい。
軸支持ハウジング25aを備えた構成は、図5及び図6に示される構成とは異なり、車軸24aが軸支持ハウジング25aによって支持されているので、車軸24aの回転による負担を軽減することが期待できる。
好ましくは、車椅子10に空転機構36a、36bが装備される。ここで、空転機構36a、36bとは、双方向クラッチ34a、34b又は一方向クラッチ34´a、34´bの使用時に発生する回転遊びを調整するための機構である。以下、車椅子10の右側部分に装備される空転機構36aについて説明するが、左側部分に装備される空転機構36bについても、空転機構36aと同様である。ハンドリム20aの第1部分20a1を回転させると、回転力がハンドリムスポーク22a、次いでクラッチ34a、34´aを介して右車輪14aに伝達されるが、右車輪14aが回転するまでタイムラグが発生する。このようなタイムラグの発生は、クラッチ34a、34´aを介して駆動力が伝達されるまで若干の遊びがあることに起因する(このような遊びは、特に双方向クラッチ34aにおいて顕著であるが、一方向クラッチ34´aにおいても、駆動初期にはハンドリム20aの第1部分20a1、第2部分20a2の実際の駆動負荷の開始時期がずれがちであり、一種の遊びが生じ得ると考えることができる)。このようなタイムラグの発生を放置すると、右車輪14aと左車輪14bの回転の開始時期が微妙にずれることになり、その結果、車椅子10が直進せず、意図しない僅かな旋回をすることとなり、車椅子10の正確な運転制御が困難となる。空転機構36aは、このような事態の招来を回避するために装備されるものである。なお、空転機構36aは、使用者の腕の負担軽減という副次的な効果も期待できる。すなわち、使用者は通常、ハンドリム20aを把持して回転させた後に、ハンドリム20aから一旦手を離して、腕を垂直面内で楕円運動させながら振り戻す動作を余儀なくされるため、腕に負担がかかるが、空転機構36aを装備することにより、後述するハンドリム20aの第3部分20a3に掌を載せたままにすることができるので、腕を振り戻す必要がなくなり、腕の負担が軽減される。
図12を参照して、空転機構36aの構成について説明する。空転機構36aは、ハンドリム20aの円形横断面のうち外方上部に第2部分20a2と別体として配置された第3部分20a3(図12(a)参照)と、軸部材36a1及び軸部材36a1に回転可能に取り付けられたローラ36a2を有し、ハンドリム20aの周方向に所定間隔隔てて複数個配置された(図12(c)参照)ローラ構造体とを備えている。ローラ構造体は、図12(a)に示されるように、ローラ36a2の下端が第2部分20a2に接触した状態で、第3部分20a3の内方に設けられた空間内に収容されるように、軸部材36a1が第3部分20a3に固定されている。
空転機構36aの使用に際して、ハンドリム20aの第3部分20a3の表面に掌を被せて、指先で第1部分20a1を押さえた状態で、第1部分20a1を遊び分少し回転させた後、第1部分20a1と第2部分20a2の両方を把持して回転させることにより、タイムラグの発生を回避することができる。
図13は、第3部分20a3を有するハンドリム20aの把持の各態様を示した図4に対応する図である。すなわち、図13(a)は、第3部分20a3の外面に掌を被せ、第1部分20a1を右手の指先で把持し、第2部分20a2を右手の親指で把持した状態を示し、図13(b)は、第3部分20a3の外面に掌を被せ、第2部分20a2を右手の指先で把持した状態を示し、図13(c)は、第3部分20a3の外面に掌を被せ、第1部分20a1を右手の指先で把持した状態を示し、図13(d)は、第3部分20a3の外面のみに掌を被せた状態を示している。
図13では、ハンドリム20aの第1部分20a1に凸部20a1aが設けられているが、凸部20a1aの代わりに凹部を設けてもよい。図14(a)〜図14(d)は、第1部分20a1に凹部20a1b、第2部分20a2に凹部20a2bを設けた図13(a)〜図13(d)にそれぞれ対応する図である。
図15(a)は、右側ハンドリム20aに第1部分20a1、第2部分20a2、第3部分20a3を設け、左側ハンドリム20bには、第1部分〜第3部分を設けない(したがって、左側ハンドリム20bは、右側ハンドリム20aの第1部分20a1と同様の機能を果たす)ハンドリムの変形形態を示した図である。このような形態のハンドリムは、片方の手が麻痺し、もう一方の手が麻痺していない使用者にとって有用であるが、後述する理由のため、一方向クラッチ34´a、34´bを装備している。右手が健常で左手が麻痺している使用者を例にすると、麻痺している左手で左側ハンドリム20bを把持し、健常な右手で右側ハンドリム20aを把持して、所望の操作を行うことができる。すなわち、ハンドリム20aの第1部分20a1と第2部分20a2を前方回転させ、図13(a)の把持の態様から、図13(c)の把持の態様で戻り動作をし、それによって左側ハンドリム20bが戻る。この動作を繰り返すことにより、車椅子10は前進するが、その際、左側ハンドリム20bも前方回転および後方回転を繰り返すので、麻痺している左手でハンドリム20bを把持していると、左手のリハビリ訓練になる。なお、一方向クラッチ34a´、34´bではなく、双方向クラッチ34a、34bを装備した車椅子10では、ハンドリム20aの第1部分20a1を後方回転させると、車椅子10は後退して元の位置に戻ってしまうので、このような使用用途には適さない。
図15(b)では、左側ハンドリム20bが第1部分20b1と第2ハンドリム20b2に2分割されているが、左側ハンドリム20bの外面全体を所定のアタッチメント20b4で被覆することによって、分割されていないハンドリムとして使用することができる。
なお、以上の記載では、車椅子10の右側部分について説明してきたが、左側部分についても、右側部分と同様である。
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、図示した車椅子の構成要素の細部は単なる例示的なものであり、これらの細部を修正してもよい。
10 車椅子
12 フレーム
14a、14b 車輪
14a1、14b1 車輪スポーク
16a、16b キャスタ
18 シート
20a、20b ハンドリム
20a1、20b1 第1部分
20a2、20b2 第2部分
20a3、20b3 第3部分
20b4 アタッチメント
22a、22b ハンドリムスポーク
24a、24b 車軸
25a、25b 軸支持ハウジング
26a、26b 軸受
27a、27b 軸受
28a、28b 車軸ホルダ
29a、29b 車輪ハブ
30a、30b 取付ボス
32 軸部材
32a、32b 連結スリーブ
34a、34b 双方向クラッチ
34a1、34b1 内輪
34a2、34b2 軸受
34a3、34b3 外輪
34a4、34b4 ローラ
34a5、34b5 保持器
34´a、34´b 一方向クラッチ
34´a1、34´b1 内輪
34´a2、34´b2 軸受
34´a3、34´b3 外輪
34´a4、34´b4 カム
34´a5、34´b5 ばね
36a、36b 空転機構
36a1、36b1 軸部材
36a2、36b2 ローラ

Claims (6)

  1. フレームと、右車輪及び左車輪と、右キャスタ及び左キャスタと、シートと、前記各車輪の車軸と同心に配置された左右一対の円形横断面のハンドリムとを有する車椅子であって、
    前記ハンドリムが、それぞれ別体に形成され、前記円形横断面のうち内方下部に位置する第1部分と、前記円形横断面のうち前記第1部分以外を占める第2部分とを有しており、
    前記第1部分が、ハンドリムスポークに連結され、前記第2部分が、前記各車輪の基部に連結されており、
    一方の側及び/又は他方の側の前記ハンドリムの前記第1部分によって生ずる第1回転力を、前記一方の側の前記車輪と前記他方の側の前記車輪に伝達するための駆動機構を備え、
    前記一方の側及び/又は前記他方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生ずる第2回転力が、対応する側の前記車輪に伝達され、
    前記駆動機構が、前記一方の側のハンドリムスポークに連結された前記一方の側の車軸と、前記一方の側の前記車軸に軸部材を介して連結され、かつ、前記他方の側のハンドリムスポークに連結された前記他方の側の車軸と、前記一方の側の前記車軸に配置された第1双方向クラッチと、前記他方の側の前記車軸に配置された第2双方向クラッチとを有し、
    前記第1双方向クラッチが、前記第1回転力を前記一方の側の前記車輪に伝達し、かつ、前記一方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生じる前記第2回転力を前記一方の側の前記車軸に伝達しないように構成され、
    前記第2双方向クラッチが、前記第1回転力を前記他方の側の前記車輪に伝達し、かつ、前記他方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生じる前記第2回転力を前記他方の側の前記車軸に伝達しないように構成されている、
    ことを特徴とする車椅子。
  2. フレームと、右車輪及び左車輪と、右キャスタ及び左キャスタと、シートと、前記各車輪の車軸と同心に配置された左右一対の円形横断面のハンドリムとを有する車椅子であって、
    前記ハンドリムが、それぞれ別体に形成され、前記円形横断面のうち内方下部に位置する第1部分と、前記円形横断面のうち前記第1部分以外を占める第2部分とを有しており、
    前記第1部分が、ハンドリムスポークに連結され、前記第2部分が、前記各車輪の基部に連結されており、
    一方の側及び/又は他方の側の前記ハンドリムの前記第1部分によって生ずる第1回転力を、前記一方の側の前記車輪と前記他方の側の前記車輪に伝達するための駆動機構を備え、
    前記一方の側及び/又は前記他方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生ずる第2回転力が、対応する側の前記車輪に伝達され、
    前記駆動機構が、前記一方の側のハンドリムスポークに連結された前記一方の側の車軸と、前記一方の側の前記車軸に軸部材を介して連結され、かつ、前記他方の側のハンドリムスポークに連結された前記他方の側の車軸と、前記一方の側の前記車軸に配置された第1一方向クラッチと、前記他方の側の前記車軸に配置された第2一方向クラッチとを有し、
    前記第1一方向クラッチが、前記第1回転力のうち前進方向の回転力のみを前記一方の側の前記車輪に伝達し、かつ、前記一方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生じる前記第2回転力のうち後退方向の回転力のみを前記一方の側の前記車軸に伝達するように構成され、
    前記第2一方向クラッチが、前記第1回転力のうち前進方向の回転力のみを前記他方の側の前記車輪に伝達し、かつ、前記他方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生じる前記第2回転力のうち後退方向の回転力のみを前記他方の側の前記車軸に伝達するように構成されている、
    ことを特徴とする車椅子。
  3. 前記第1双方向クラッチ及び/又は前記第2双方向クラッチの使用時に発生する回転遊びを調整するための空転機構を備え、前記空転機構が、前記ハンドリムの円形横断面のうち外方上部に前記第2部分と別体として配置された第3部分と、前記ハンドリムの周方向に所定間隔隔てて複数個配置されたローラ構造体とを有し、前記ローラ構造体が、軸部材及び前記軸部材に回転可能に取り付けられたローラからなり、前記ローラの下端が前記第2部分に接触した状態で、前記第3部分の内方に設けられた空間内に収容されるように、前記軸部材が前記第3部分に固定されていることを特徴とする請求項1に記載された車椅子。
  4. 前記第1一方向クラッチ及び/又は前記第2一方向クラッチの使用時に発生する回転遊びを調整するための空転機構を備え、前記空転機構が、前記ハンドリムの円形横断面のうち外方上部に前記第2部分と別体として配置された第3部分と、前記ハンドリムの周方向に所定間隔隔てて複数個配置されたローラ構造体とを有し、前記ローラ構造体が、軸部材及び前記軸部材に回転可能に取り付けられたローラからなり、前記ローラの下端が前記第2部分に接触した状態で、前記第3部分の内方に設けられた空間内に収容されるように、前記軸部材が前記第3部分に固定されていることを特徴とする請求項2に記載された車椅子
  5. フレームと、右車輪及び左車輪と、右キャスタ及び左キャスタと、シートと、前記各車輪の車軸と同心に配置された左右一対の円形横断面のハンドリムとを有する車椅子であって、
    一方の側のハンドリムが、それぞれ別体に形成され、前記円形横断面のうち内方下部に位置する第1部分と、前記円形横断面のうち前記第1部分以外を占める第2部分とを有しており、
    前記第1部分及び他方の側のハンドリムが、ハンドリムスポークに連結され、前記第2部分が、前記一方の側の車輪の基部に連結されており、
    前記一方の側の前記ハンドリムの前記第1部分及び/又は前記他方の側の前記ハンドリムによって生ずる第1回転力を、前記一方の側の車輪と前記他方の側の車輪に伝達するための駆動機構を備え、
    前記一方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生ずる第2回転力が、前記一方の側の前記車輪に伝達され、
    前記駆動機構が、前記一方の側のハンドリムスポークに連結された前記一方の側の車軸と、前記一方の側の前記車軸に軸部材を介して連結され、かつ、前記他方の側のハンドリムスポークに連結された前記他方の側の車軸と、前記一方の側の前記車軸に配置された第1一方向クラッチと、前記他方の側の前記車軸に配置された第2一方向クラッチとを有し、
    前記第1一方向クラッチが、前記第1回転力のうち前進方向の回転力のみを前記一方の側の前記車輪に伝達し、かつ、前記一方の側の前記ハンドリムの前記第2部分によって生じる前記第2回転力のうち後退方向の回転力のみを前記一方の側の前記車軸に伝達するように構成され、
    前記第2一方向クラッチが、前記第1回転力のうち前進方向の回転力のみを前記他方の側の前記車輪に伝達するように構成されている、
    ことを特徴とする車椅子。
  6. 前記第1一方向クラッチ及び/又は前記第2一方向クラッチの使用時に発生する回転遊びを調整するための空転機構を備え、前記空転機構が、前記ハンドリムの円形横断面のうち外方上部に前記第2部分と別体として配置された第3部分と、前記ハンドリムの周方向に所定間隔隔てて複数個配置されたローラ構造体とを有し、前記ローラ構造体が、軸部材及び前記軸部材に回転可能に取り付けられたローラからなり、前記ローラの下端が前記第2部分に接触した状態で、前記第3部分の内方に設けられた空間内に収容されるように、前記軸部材が前記第3部分に固定されていることを特徴とする請求項5に記載された車椅子。
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