JP6741512B2 - ガスセンサ素子 - Google Patents

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Description

本開示は、被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を検出するガスセンサ素子に関する。
特許文献1のように、被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度(以下、NOx濃度)を検出するNOxセンサが知られている。
このNOxセンサでは、被測定ガスが第1測定室に導入され、固体電解質体と一対の第1電極とからなる第1ポンピングセルによって被測定ガスの酸素濃度が所定の濃度に調整される。そして、この酸素濃度が調整された被測定ガスが第1測定室から第2測定室に流入し、固体電解質体と一対の第2電極とからなる第2ポンピングセルにて被測定ガス中のNOxが分解され、一対の第2電極間にNOx濃度に応じた第2ポンピング電流が流れる。
特開2014−98658号公報
NOxセンサは、固体電解質層における酸素イオンの伝導性を高めてNOxセンサの動作を安定化させるために、ヒータによって活性化温度まで加熱される。このため、NOxセンサでは、ヒータを作動させるための電力を供給する必要がある。
本開示は、ガスセンサ素子を作動させるための消費電力を低減することを目的とする。
本開示の一態様は、測定室と、第1ポンピングセルと、第2ポンピングセルと、ヒータとを有し、長尺の板状に形成された素子本体部と、保護層とを備えたガスセンサ素子である。
測定室には、被測定ガスが導入される。第1ポンピングセルは、酸素イオン伝導性の第1固体電解質体と、第1固体電解質体上に形成された一対の第1電極とを有し、一対の第1電極の間で第1ポンピング電流を流すことにより、測定室に導入された被測定ガス中の酸素の汲み出し又は汲み入れを行う。
第2ポンピングセルは、絶縁層に形成された貫通孔の内部に配置された酸素イオン伝導性の第2固体電解質体と、第2固体電解質体上に形成された一対の第2電極とを有し、第1ポンピングセルにて測定室内における酸素濃度が調整された被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度に応じて値が変化する第2ポンピング電流が一対の第2電極の間で流れる。
ヒータは、発熱抵抗体と、発熱抵抗体の両端に接続された一対のリード部とを有し、第1ポンピングセルおよび第2ポンピングセルを加熱する。
保護層は、素子本体部の先端側において素子本体部の周囲を覆う多孔質の内側保護層と、内側保護層の周囲を覆う多孔質の外側保護層とを有する。つまり、内側保護層の全周が外側保護層により覆われている。さらに、外側保護層は内側保護層よりも緻密である。
そして内側保護層は、その後端側の端部が、第2固体電解質体の後端側の端部よりも、素子本体部の長手方向に沿って素子本体部の先端側の端部から遠くなるように素子本体部の周囲を覆う。
また発熱抵抗体は、その後端側の端部が、第2固体電解質体の後端側の端部よりも、素子本体部の長手方向に沿って素子本体部の先端側の端部から遠くなるように、素子本体部の先端側と素子本体部の後端側との間で延びるように形成されている。
このように構成された本開示のガスセンサ素子では、外側保護層および内側保護層が第2ポンピングセルの全体を覆っているため、ヒータにより加熱される第2ポンピングセルの熱がガスセンサ素子の外部へ放出されるのを最小限に抑制することができる。なお、本開示のガスセンサ素子では、第2ポンピングセルの第2固体電解質体は、絶縁層に形成された貫通孔の内部に配置されており、第2固体電解質体の周囲は絶縁層で覆われている。このため、第2ポンピングセルの第2固体電解質体に供給された熱は、絶縁層を介して外部へ放出され易い。ここで内側保護層よりも緻密である外側保護層はヒータによる熱がガスセンサ素子の外部へ放出されにくくし、外側保護層よりも多孔である内側保護層は断熱層として機能する。
さらに、本開示のガスセンサ素子では、ヒータの発熱抵抗体が、第2固体電解質体の先端側の端部から第2固体電解質体の後端側の端部まで対向するように配置されるため、ヒータから第2ポンピングセルへ効率良く熱を供給することができる。
これにより、本開示のガスセンサ素子は、ヒータへ供給される電力を低減することができ、ガスセンサ素子を作動させるための消費電力を低減することができる。
本開示の一態様では、発熱抵抗体が、複数の直線部と、先端側折返部と、後端側折返部とを有して、蛇行状に形成されるようにしてもよい。直線部は、素子本体部の長手方向に沿って延びる。先端側折返部は、複数の直線部のうちの互いに隣り合う2つの直線部を素子本体部の先端側で繋ぐ。後端側折返部は、複数の直線部のうちの互いに隣り合う2つの直線部を素子本体部の後端側で繋ぐ。そして本開示の一態様では、後端側折返部は、第2固体電解質体の後端側の端部よりも、素子本体部の長手方向に沿って素子本体部の先端側の端部から遠くなるように配置されるようにしてもよい。
このように構成された本開示のガスセンサ素子では、発熱抵抗体が第2ポンピングセルの第2固体電解質体に対向している領域において素子本体部の長手方向に沿った発熱抵抗体の温度勾配を緩やかにすることができる。これにより、本開示のガスセンサ素子は、第2ポンピングセル内における温度のばらつきを低減することができ、窒素酸化物の濃度の測定精度を向上させることができる。
NOxセンサ1の断面図である。 素子本体部31とセンサ制御装置170の概略構成を示す図である。 NOxセンサ1の分解斜視図である。 セラミック層114、セラミック層118、絶縁層120およびヒータ160の平面図である。
以下に本開示の実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態のNOxセンサ1は、車両に搭載され、内燃機関から排出される排気ガスに含まれる窒素酸化物(以下、NOx)を検出する。
NOxセンサ1は、図1に示すように、主体金具2と、ガスセンサ素子3と、保持部4と、プロテクタ5と、外筒6と、複数のリード線7と、複数の接続端子8と、分離部9と、グロメット10を備える。図1において、ガスセンサ1の下端側を先端側FEといい、ガスセンサ1の上端側を後端側BEという。
主体金具2は、例えばステンレス等の耐熱金属で筒状に形成された部材である。主体金具2は、本体部21と取付部22を備える。
本体部21は、ガスセンサ1の軸線Oの方向(以下、軸線方向DA)に延びる円筒状に形成され、その外周に雄ネジ21aが形成されている。雄ネジ21aは、ガスセンサ1を内燃機関の排気管に取り付けるために排気管に設けられている取付ネジ孔に嵌め合わせることが可能な形状を有する。また本体部21は、軸線方向DAに沿って貫通する貫通孔21bを備える。貫通孔21bの内周壁には、径方向内側に向かって突出する段部21cが形成されている。
取付部22は、本体部21において雄ネジ21aよりも後端側BEに位置する外周から径方向に沿って外側へ延びて外周が六角形の板状に形成されている。取付部22は、ガスセンサ1を排気管に取り付けるときに六角レンチ等の取付工具を嵌合させるための部位である。
ガスセンサ素子3は、素子本体部31と保護層32を備える。素子本体部31は、軸線方向DAに延びる長尺の板状に形成されている。そして、素子本体部31の先端側FEに、ガスセンサ素子3が晒される被測定ガス(本実施形態では内燃機関の排気ガス)に含まれる特定ガス(本実施形態ではNOx)の濃度を検出する検知部31aが形成されている。保護層32は、多孔質状のアルミナで形成されており、少なくとも検知部31aを覆うようにして素子本体部31の先端側FEに配置される。
保持部4は、セラミックホルダ41と滑石リング42,43とセラミックスリーブ44とパッキン45と金属ホルダ46を備える。
主体金具2の貫通孔21bの内部には、先端側FEから後端側BEに向かって順に、ガスセンサ素子3の径方向周囲を取り囲む筒状の部材であるセラミックホルダ41と、粉末充填層である滑石リング42,43と、セラミックスリーブ44とが積層されている。
セラミックスリーブ44と主体金具2の後端側BEの端部との間には、パッキン45が配置されている。セラミックホルダ41と主体金具2の段部21cとの間には、金属ホルダ46が配置されている。金属ホルダ46は、滑石リング42とセラミックホルダ41を保持する。主体金具2の後端側BEの端部は、パッキン45を介してセラミックスリーブ44を先端側FEに向かって押し付けるように加締められる。これにより、滑石リング42,43が圧縮充填され、保持部4は、ガスセンサ素子3の先端側FEが主体金具2の先端側FEより突出するとともに、ガスセンサ素子3の後端側BEが主体金具2の後端側BEより突出する状態で、ガスセンサ素子3を保持する。
プロテクタ5は、主体金具2から突出するガスセンサ素子3の先端側FEの端部を覆うように筒状に形成された金属製の部材である。プロテクタ5には、複数のガス取入孔が形成されている。プロテクタ5は、溶接により、主体金具2の先端側FEの外周に接合されている。
プロテクタ5は、二重構造をなしており、外側プロテクタ51と内側プロテクタ52を備える。外側には、有底円筒状の外側プロテクタ51が配置され、内側には、有底円筒状の内側プロテクタ52が配置される。
外筒6は、軸線方向DAに延びる筒状に形成された金属製の部材である。外筒6は、先端側FEの端部の開口部6a内に、主体金具2の本体部21において取付部22よりも後端側BEに位置する部分を嵌め込んだ状態で固定される。
複数のリード線7は、素子本体部31の後端側BEに形成された複数の電極パッド36a,36b,36c,37a,37b,37cのそれぞれに対応して設けられており、素子本体部31と、ガスセンサ素子3を駆動制御するセンサ制御装置170とを電気的に接続するための導線である。なお、図1では2本のリード線7を示す。また、電極パッド36a,36b,36c,37a,37b,37cは図1に示しておらず、図3に示している。また、センサ制御装置170は、図1に示しておらず、図2に示している。
複数の接続端子8は、複数のリード線7のそれぞれに対応して設けられ、対応するリード線7の一端部に取り付けられる。
分離部9は、セパレータ91,92と保持部材93を備える。セパレータ91,92は、軸線方向DAに延びる円筒状に形成されたセラミック製の部材であり、先端側FEから後端側BEに向かって順にセパレータ91とセパレータ92とが積層された状態で、外筒6内に配置される。
セパレータ91の内部には、複数の接続端子8と、素子本体部31の後端側BEの一部分とを収容可能な空間が形成されている。セパレータ91は、複数の接続端子8の後端側BEがセパレータ91の後端側BEより突出しており且つ複数の接続端子8が互いに接触しない状態を保持して、複数の接続端子8を内部に収容する。またセパレータ91は、複数の接続端子8がそれぞれ素子本体部31の電極パッド36a,36b,36c,37a,37b,37cに接触している状態を保持する。また、セパレータ91の後端側BEの外周面には、径方向に沿って外側へ延びる鍔部91aが形成されている。
セパレータ92には、軸線方向DAに沿って貫通する複数の貫通孔が形成されている。複数の貫通孔は、上記の複数の接続端子8のそれぞれに対応して設けられており、複数の貫通孔には、それぞれ対応する接続端子8が挿入される。
保持部材93は、本体部93aと湾曲部93bを備える。本体部93aは、軸線方向DAに延びる筒状に形成された金属製の部材である。湾曲部93bは、本体部93aの後端側BEから延びてU字状に曲げられた部材である。保持部材93は、鍔部91aよりも先端側FEで外筒6とセパレータ91との間に位置するように設置される。これにより、本体部93aは、外筒6の内周面に接触する状態となり、湾曲部93bは、セパレータ91をその内側に向けて押し付ける状態となる。このため、セパレータ91は保持部材93によって外筒6内に保持される。
またセパレータ92は、その先端側FEの端部および後端側BEの端部がそれぞれセパレータ91およびグロメット10に押し付けられた状態となっている。これにより、セパレータ92は外筒6内に保持される。
グロメット10は、軸線方向DAに延びる円筒状に形成されたフッ素ゴム製の弾性部材である。グロメット10には、軸線方向DAに沿って貫通する複数の貫通孔が形成されている。複数の貫通孔は、上記の複数のリード線7のそれぞれに対応して設けられており、複数の貫通孔には、それぞれ対応するリード線7が挿入される。
グロメット10は、外筒6における後端側BEの端部の開口部6bの内側に配置され、外筒6を介して径方向に加締められる。これにより、外筒6における後端側BEの端部の開口部6bが閉塞される。
ガスセンサ素子3の素子本体部31は、図2に示すように、絶縁層113、セラミック層114、絶縁層115、セラミック層116、絶縁層117、セラミック層118、絶縁層119および絶縁層120が順次積層されて構成されている。絶縁層113,115,117,119,120は、アルミナを主体として形成されている。
素子本体部31は、セラミック層114とセラミック層116との間に形成される第1測定室121を備える。素子本体部31は、第1測定室121に隣接するようにしてセラミック層114とセラミック層116との間に配置された拡散抵抗体122を介して、外部から第1測定室121の内部に排気ガスを導入する。拡散抵抗体122は、アルミナ等の多孔質材料で形成されている。
素子本体部31は、第1ポンピングセル130を備える。第1ポンピングセル130は、固体電解質層131と、ポンピング電極132,133を備える。
固体電解質層131は、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主体として形成されている。第1測定室121と接触する領域における一部分のセラミック層114が除去され、セラミック層114の代わりに固体電解質層131が充填されている。
ポンピング電極132,133は、白金を主体として形成されている。ポンピング電極132は、固体電解質層131において第1測定室121と接触する面上に配置される。ポンピング電極133は、固体電解質層131を挟んでポンピング電極132とは反対側で固体電解質層131の面上に配置される。ポンピング電極133が配置された領域とその周辺の領域の絶縁層113は除去され、絶縁層113の代わりに多孔質体134が充填される。多孔質体134は、ポンピング電極133と外部との間でガス(例えば、酸素)の出入りを可能とする。
素子本体部31は、酸素濃度検出セル140を備える。酸素濃度検出セル140は、固体電解質層141と、検知電極142と、基準電極143を備える。
固体電解質層141は、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主体として形成されている。固体電解質層131よりも後端側(すなわち、図2の右側)の領域における一部分のセラミック層116が除去され、セラミック層116の代わりに固体電解質層141が充填されている。
検知電極142と基準電極143は、白金を主体として形成されている。検知電極142は、固体電解質層141における第1測定室121と接触する面上に配置される。基準電極143は、固体電解質層141を挟んで検知電極142とは反対側で固体電解質層141の面上に配置される。
素子本体部31は、基準酸素室146を備える。基準酸素室146は、基準電極143が配置された領域とその周辺の領域の絶縁層117が除去されることにより形成された貫通孔である。
素子本体部31は、第2測定室148を備える。第2測定室148は、検知電極142および基準電極143よりも後端側で固体電解質層141および絶縁層117を貫通して形成される。素子本体部31は、第1測定室121から排出された排気ガスを第2測定室148の内部に導入する。
素子本体部31は、第2ポンピングセル150を備える。第2ポンピングセル150は、固体電解質層151と、ポンピング電極152,153を備える。
固体電解質層151は、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主体として形成されている。基準酸素室146および第2測定室148と接触する領域とその周辺の領域のセラミック層118が除去され、セラミック層118の代わりに固体電解質層151が充填されている。
ポンピング電極152,153は、白金を主体として形成されている。ポンピング電極152は、固体電解質層151において第2測定室148と接触する面上に配置される。ポンピング電極153は、基準酸素室146を挟んで基準電極143とは反対側で固体電解質層151の面上に配置される。基準酸素室146の内部において、ポンピング電極153を覆うように多孔質体147が配置されている。
素子本体部31は、ヒータ160を備える。ヒータ160は、白金を主体として形成され、通電されることで発熱する発熱抵抗体であり、絶縁層119と絶縁層120との間に配置される。
素子本体部31は、センサ制御装置170に接続されている。センサ制御装置170は、素子本体部31を制御するとともに、素子本体部31の検出結果に基づいて、排気ガス中のNOx濃度を算出する。
センサ制御装置170は、制御回路180と、マイクロコンピュータ190(以下、マイコン190)を備える。
制御回路180は、回路基板上に配置されたアナログ回路である。制御回路180は、Ip1ドライブ回路181、Vs検出回路182、基準電圧比較回路183、Icp供給回路184、Vp2印加回路185、Ip2検出回路186およびヒータ駆動回路187を備える。
そして、ポンピング電極132、検知電極142およびポンピング電極152は、基準電位に接続される。ポンピング電極133は、Ip1ドライブ回路181に接続される。基準電極143は、Vs検出回路182とIcp供給回路184に接続される。ポンピング電極153は、Vp2印加回路185とIp2検出回路186に接続される。ヒータ160は、ヒータ駆動回路187に接続される。
Ip1ドライブ回路181は、ポンピング電極132とポンピング電極133との間に電圧Vp1を印加して第1ポンピング電流Ip1を供給するとともに、供給した第1ポンピング電流Ip1を検出する。
Vs検出回路182は、検知電極142と基準電極143との間の電圧Vsを検出し、検出した結果を基準電圧比較回路183へ出力する。
基準電圧比較回路183は、基準電圧(例えば、425mV)とVs検出回路182の出力(すなわち、電圧Vs)とを比較し、比較結果をIp1ドライブ回路181へ出力する。そしてIp1ドライブ回路181は、電圧Vsが基準電圧と等しくなるように、第1ポンピング電流Ip1の流れる向きと第1ポンピング電流Ip1の大きさとを制御するとともに、第1測定室121内の酸素濃度を、NOxが分解しない程度の所定値に調整する。
Icp供給回路184は、検知電極142と基準電極143との間に微弱な電流Icpを流す。これにより、酸素が第1測定室121から固体電解質層141を介して基準酸素室146に送り込まれるため、基準酸素室146は、基準となる所定の酸素濃度に設定される。
Vp2印加回路185は、ポンピング電極152とポンピング電極153との間に、一定電圧Vp2(例えば、450mV)を印加する。これにより、第2測定室148では、第2ポンピングセル150を構成するポンピング電極152,153の触媒作用によって、NOxが解離される。この解離により得られた酸素イオンがポンピング電極152とポンピング電極153との間の固体電解質層151を移動することにより第2ポンピング電流Ip2が流れる。Ip2検出回路186は、第2ポンピング電流Ip2を検出する。
ヒータ駆動回路187は、発熱抵抗体であるヒータ160の一端にヒータ通電用の正電圧を印加するともに、ヒータ160の他端にヒータ通電用の負電圧を印加することにより、ヒータ160を駆動する。
図3に示すように、絶縁層113の上面における後端側BEの端部には、3つの電極パッド36a,36b,36cが形成されている。絶縁層120の下面における後端側BEの端部には、3つの電極パッド37a,37b,37cが形成されている。
セラミック層114の下面には、先端側FEでポンピング電極132に接続されて後端側BEに向けて延びるリード部132aが形成されている。セラミック層114の上面には、先端側FEでポンピング電極133に接続されて後端側BEに向けて延びるリード部133aが形成されている。
セラミック層116の上面には、先端側FEで検知電極142に接続されて後端側BEに向けて延びるリード部142aが形成されている。セラミック層116の下面には、先端側FEで基準電極143に接続されて後端側BEに向けて延びるリード部143aが形成されている。
セラミック層118の上面には、先端側FEでポンピング電極152に接続されて後端側BEに向けて延びるリード部152aと、先端側FEでポンピング電極153に接続されて後端側BEに向けて延びるリード部153aが形成されている。
ヒータ160は、発熱抵抗体161と、発熱抵抗体161の一端に接続されるリード部162と、発熱抵抗体161の他端に接続される163を備える。
電極パッド36aは、スルーホール導体L1によってリード部133aに接続される。電極パッド36bは、スルーホール導体L2によってリード部143aに接続される。電極パッド36cは、スルーホール導体L3によってリード部152aに接続される。
電極パッド37aは、スルーホール導体L4によってリード部153aに接続される。電極パッド37bは、スルーホール導体L5によってリード部162に接続される。電極パッド37cは、スルーホール導体L6によってリード部163に接続される。
スルーホール導体L1は、絶縁層113における後端側BEの端部に形成された貫通孔H1の内表面に導体を形成することで作成される。
スルーホール導体L2は、貫通孔H2,H3,H4,H5の内表面に導体を形成することで作成される。貫通孔H2,H4はそれぞれ、絶縁層113,115における後端側BEの端部に形成される。貫通孔H3,H5はそれぞれ、セラミック層114,116における後端側BEの端部に形成される。
スルーホール導体L3は、貫通孔H6,H7,H8,H9,H10の内表面に導体を形成することで作成される。貫通孔H6,H8,H10はそれぞれ、絶縁層113,115,117における後端側BEの端部に形成される。貫通孔H7,H9はそれぞれ、セラミック層114,116における後端側BEの端部に形成される。
スルーホール導体L4は、貫通孔H11,H12,H13の内表面に導体を形成することで作成される。貫通孔H11はセラミック層118における後端側BEの端部に形成される。貫通孔H12,H13はそれぞれ、絶縁層119,120における後端側BEの端部に形成される。
スルーホール導体L5,6はそれぞれ、貫通孔H14,H15の内表面に導体を形成することで作成される。貫通孔H14,H15は、絶縁層120における後端側BEの端部に形成される。
次に、ガスセンサ素子3の動作の一例について説明する。
まず、センサ制御装置170が起動すると、センサ制御装置170は、ヒータ160に電力を供給する。ヒータ160は、第1ポンピングセル130、酸素濃度検出セル140および第2ポンピングセル150を活性化温度まで加熱する。
そして、各セル130,140,150が活性化温度まで加熱されると、センサ制御装置170は、第1ポンピングセル130に第1ポンピング電流Ip1を流す。これにより、第1ポンピングセル130は、固体電解質層131を介してポンピング電極132とポンピング電極133との間で酸素を移動させることで、第1測定室121に流入した排気ガスに含まれる酸素の汲み入れおよび汲み出しを行う。
センサ制御装置170は、酸素濃度検出セル140の検知電極142と基準電極143との間の電圧Vsが基準電圧(例えば425mV)になるように、第1ポンピングセル130に流す第1ポンピング電流Ip1を制御する。酸素濃度検出セル140の電圧Vsは、基準酸素室146の酸素濃度を基準として、検知電極142における酸素濃度に応じた値となる。この制御によって、第1測定室121の内部の酸素濃度は、NOxが分解しない程度に調整される。
第1測定室121にて酸素濃度が調整された排気ガスは、第2測定室148に向かってさらに流れる。
センサ制御装置170は、第2ポンピングセル150のポンピング電極152とポンピング電極153との間に一定電圧Vp2を印加する。この電圧は、排気ガス中のNOxガスが酸素と窒素ガスに分解する程度の電圧に設定されている。これにより、排気ガス中のNOxが、窒素と酸素に分解される。NOxの分解により生じた酸素を第2測定室148から汲み出すように、第2ポンピングセル150に第2ポンピング電流Ip2が流れる。第2ポンピング電流Ip2とNOx濃度の間には比例関係があるので、第2ポンピング電流Ip2の電流値を検出することによって排気ガス中のNOx濃度を検出することができる。
次に、ガスセンサ素子3の製造方法を説明する。
図3に示すように、素子本体部31のセラミック層114,116,118となる未焼成絶縁シート、固体電解質層131,141,151となる未焼成固体電解質シート、絶縁層113となる未焼成絶縁層シート、絶縁層119,120となる未焼成絶縁シートを作製する。
具体的には、セラミック層114,116,118となる未焼成絶縁シートを形成する場合には、アルミナを主体とするセラミック粉末に対して、ブチラール樹脂とジブチルフタレートとを加えて、更に混合溶媒を混合して、スラリーを生成する。そして、このスラリーをドクターブレード法によりシート状とし、混合溶媒を揮発させることで未焼成絶縁シートを作製する。
そして、セラミック層114,116,118となる各未焼成絶縁シートには、固体電解質層131,141,151の未焼成固体電解質シートの平面形状に対応した矩形状の貫通孔を形成する。また、絶縁層113となる未焼成絶縁シートにも、多孔質体134に対応した矩形状の貫通孔を形成する。
また、固体電解質層131,141,151となる未焼成固体電解質シートを形成する場合には、まず、ジルコニアを主体とするセラミック粉末に対して、アルミナ粉末およびブチラール樹脂などを加えて、さらに混合溶媒を混合して、スラリーを生成する。そして、このスラリーをドクターブレード法によりシート状とし、混合溶媒を揮発させることで未焼成固体電解質シートを作製する。そして、この未焼成固体電解質シートを、固体電解質層131,141,151に対応した矩形状に切断する。
また、焼成後に絶縁層115,117となる材料として、アルミナを主体とするセラミック粉末に対して、ブチラール樹脂とジブチルフタレートとを加えて、更に混合溶媒を混合して、アルミナスラリーを作製する。
また、焼成後に拡散抵抗体122、多孔質体134、多孔質体147となる未焼成の多孔質を形成するために、アルミナ粉末100質量%、加熱焼失材(例えば、カーボンなど)および可塑剤を湿式混合により分散した多孔質用スラリーを作製する。可塑剤はブチラール樹脂およびDBPを有する。
次に、絶縁層120となる未焼成絶縁シートの上面に、発熱抵抗体161とリード部162,163とを備えるヒータパターンを形成する。ヒータパターンの材料として、例えば白金を主成分としセラミック(例えば、アルミナ)が含まれる白金ペーストを作製し、この白金ペーストを印刷してヒータパターンを形成する。
また、絶縁層120となる未焼成絶縁シートの下面には、例えば白金等のメタライズインクを用いて、電極パッド37a,37b,37cのパターンを印刷する。
さらに、絶縁層120となる未焼成絶縁シートには、貫通孔H13,H14,H15となる孔を形成し、この孔の内周面にはメタライズインクを塗布する。
なお、他の貫通孔H1〜H12の形成方法とメタライズインクの塗布方法も同様であるので、以下では、他の貫通孔H1〜H12に関する同様の説明は省略する。
次に、絶縁層120となる未焼成絶縁シートの上面に、ヒータパターンを覆うように、絶縁層119となる未焼成絶縁シートを積層する。
次に、セラミック層118となる未焼成絶縁シートの貫通孔に、固体電解質層151となる未焼成固体電解質シートを埋め込む。そして、絶縁層119となる未焼成絶縁シートの上面に、セラミック層118となる未焼成絶縁シートを積層する。
次に、セラミック層118となる未焼成絶縁シートの上面に、メタライズインクを用いて、ポンピング電極152,153となる電極パターンを印刷する。また、白金ペーストを用いて、リード部152a,153aとなるリードパターンを印刷する。なお、電極パターンとリードパターンの材料は、セラミック層114,116となる各未焼成絶縁シートでも同様である。
また、セラミック層118となる未焼成絶縁シートの上面に、アルミナスラリーを用いて、絶縁層117となる層を印刷する。
この層を形成する際には、基準酸素室146および第2測定室148となる部分には層を形成せずに、開口としておく。そして、基準酸素室146となる開口の底部には、多孔質体147となる多孔質スラリーを印刷する。また、この多孔質スラリーの上面と、第2測定室148となる開口には、昇華剤としてカーボンペーストを印刷する。
次に、セラミック層116となる未焼成絶縁シートにおける固体電解質層141に対応した貫通孔に、固体電解質層141となる未焼成固体電解質シートを埋め込む。
次に、固体電解質層141となる未焼成固体電解質シートに、第1測定室121と第2測定室148とを接続するための導入路141aとなる貫通孔を開ける。なお、この貫通孔には、カーボンペーストを充填する。
そして、セラミック層116となる未焼成絶縁シートの上面に、検知電極142となる電極パターンと、リード部142aとなるリードパターンを形成する。一方、セラミック層116となる未焼成絶縁シートの下面には、基準電極143となる電極パターンと、リード部143aとなるリードパターンを形成する。
次に、絶縁層117となる層の上面に、セラミック層116となる未焼成絶縁シートを積層する。
さらに、セラミック層116となる未焼成絶縁シートの上面に、アルミナスラリーを用いて、絶縁層115となる層を印刷する。この層には、拡散抵抗体122を形成する位置に第1の開口を設けるとともに、第1測定室121となる位置にも第2の開口を設けておく。そして、第1の開口には、拡散抵抗体122となる多孔質スラリーを印刷する。また、第1測定室121となる第2の開口には、カーボンペーストを印刷する。なお、第1の開口と第2の開口とは、ガスが流通可能となるように繋がっている。
次に、セラミック層114となる未焼成絶縁シートにおける固体電解質層131に対応した貫通孔に、固体電解質層131となる未焼成固体電解質シートを埋め込む。
そして、セラミック層114となる未焼成絶縁シートの上面に、ポンピング電極133となる電極パターンと、リード部133aとなるリードパターンを形成する。一方、セラミック層114となる未焼成絶縁シートの下面には、ポンピング電極132となる電極パターンと、リード部132aとなるリードパターンを形成する。
次に、絶縁層115となる層の表面に、セラミック層114となる未焼成絶縁シートを積層する。さらに、セラミック層114となる未焼成絶縁シートの上面に、絶縁層113となる未焼成絶縁シートを積層する。なお、絶縁層113となる未焼成絶縁シートにおいて多孔質体134に対応した貫通孔には、予め多孔質スラリーを印刷しておく。また、絶縁層113となる未焼成絶縁シートの上面には、メタライズインクを用いて、電極パッド36a,36b,36cの形状に印刷しておく。
このようにして、各層を積層することにより、未焼成積層体が形成される。そして、この未圧着積層体を1MPaで加圧することにより、圧着された成形体を得る。その後、加圧により得られた成形体を、所定の大きさで切断することにより、ガスセンサ素子3と大きさが同等の複数(例えば10個)の未焼成積層体を得る。そして、この未焼成積層体を樹脂抜きし、さらに焼成温度1500℃にて1時間で本焼成して、ガスセンサ素子3を得る。
図4は、軸線方向DAにおける第1ポンピングセル130、酸素濃度検出セル140、第2ポンピングセル150およびヒータ160の配置位置を示すためのセラミック層114、セラミック層118、絶縁層120およびヒータ160の平面図である。
図4では、セラミック層114内において固体電解質層131が配置されている領域が、軸線方向DAにおける第1ポンピングセル130の配置位置に相当する。また、セラミック層118内において固体電解質層151が配置されている領域が、軸線方向DAにおける酸素濃度検出セル140および第2ポンピングセル150の配置位置に相当する。
図4に示すように、保護層32は、素子本体部31の外周面に密着する内側保護層32aと、内側保護層32aの表面全体を覆うとともに素子本体部31の後端側BEに延びて素子本体部31の外周面に密着する外側保護層32bとを備える。
内側保護層32aは、例えばチタニア、スピネル、アルミナ、ジルコニア、ジルコンおよびコージェライトの群から選ばれる1種以上のセラミック粒子からなり、気孔率が例えば35%〜70%、平均細孔径が10μm〜30μmの多孔質の層である。外側保護層32bは、例えばチタニア、スピネル、アルミナ、ジルコニア、ジルコンおよびコージェライトの群から選ばれる1種以上のセラミック粒子からなり、気孔率が例えば10%〜50%、平均細孔径が0.05μm〜10μmの多孔質の層である。
なお、内側保護層32aの気孔率および平均細孔径は、外側保護層32bの気孔率および平均細孔径よりも大きく設定されている。つまり、内側保護層32aにおける空孔の割合は、外側保護層32bにおける空孔の割合より大きい。詳しくは、内側保護層32aに気孔径の大きな空孔が多く、外側保護層32bに気孔径の大きな空孔が少ない。
そして内側保護層32aは、素子本体部31の先端側FEの端部から内側保護層32aの後端側BEの端部までの距離D1が、素子本体部31の先端側FEの端部から酸素濃度検出セル140および第2ポンピングセル150の後端側BEの端部までの距離D2よりも長くなるように素子本体部31の外周面に密着する。
発熱抵抗体161は、リード部162,163よりも幅狭に形成されている。発熱抵抗体161は、直線部161a,161b,161c,161dと、折返部161e,161f,161gとを備える。
直線部161a,161b,161c,161dは、軸線方向DAに沿って延びる直線状に形成されており、軸線方向DAに対して垂直な方向に沿って等間隔で配列されている。折返部161e,161f,161gは、湾曲した線状に形成されている。
直線部161aは、一端がリード部162に接続されて先端側FEに向かって延び、他端が折返部161eの一端に接続される。図4では、直線部161aとリード部162との接続箇所を接続点Pc1で示している。
直線部161bは、一端が折返部161eの他端に接続されて後端側BEに向かって延び、他端が折返部161fの一端に接続される。
直線部161cは、一端が折返部161fの他端に接続されて先端側FEに向かって延び、他端が折返部161gの一端に接続される。図4では、折返部161fにおける後端側BEの端部を折返点Ptで示している。
直線部161dは、一端が折返部161gの他端に接続されて後端側BEに向かって延び、他端がリード部163に接続される。図4では、直線部161dとリード部163との接続箇所を接続点Pc2で示している。
そしてヒータ160は、素子本体部31の先端側FEの端部から接続点Pc1,Pc2までの距離D3が、上記の距離D2よりも長くなるように配置される。さらにヒータ160は、素子本体部31の先端側FEの端部から折返点Ptまでの距離D4が、上記の距離D2よりも長くなるように配置される。なお、距離D3は距離D4より長い。
このように構成されたガスセンサ素子3は、第1測定室121と、第1ポンピングセル130と、第2ポンピングセル150と、ヒータ160とを有し、長尺の板状に形成された素子本体部31と、保護層32とを備える。ここで、ガスセンサ素子3の積層方向にみて、第1ポンピングセル130とヒータ160との間に第2ポンピングセル150が配置されている。
第1測定室121には、排気ガスが導入される。第1ポンピングセル130は、酸素イオン伝導性の固体電解質層131と、固体電解質層131の上面と下面に形成された一対のポンピング電極132,133とを有する。第1ポンピングセル130は、一対のポンピング電極132,133の間で第1ポンピング電流Ip1を流すことにより、第1測定室121に導入された排気ガス中の酸素の汲み出し又は汲み入れを行う。
第2ポンピングセル150は、セラミック層118に形成された貫通孔の内部に配置された酸素イオン伝導性の固体電解質層151と、固体電解質層151上に形成された一対のポンピング電極152,153とを有する。第2ポンピングセル150では、第1ポンピングセル130にて第1測定室121内における酸素濃度が調整された排気ガスに含まれる窒素酸化物の濃度に応じて値が変化する第2ポンピング電流Ip2が一対のポンピング電極152,153の間で流れる。
ヒータ160は、発熱抵抗体161と、発熱抵抗体161の両端に接続された一対のリード部162,163とを有し、第1ポンピングセル130および第2ポンピングセル150を加熱する。
保護層32は、素子本体部31の先端側FEにおいて素子本体部31の周囲を覆う多孔質の内側保護層32aと、内側保護層32aの周囲を覆う多孔質の外側保護層32bとを有する。つまり、内側保護層32aの全周が外側保護層32bにより覆われている。さらに、外側保護層32bは内側保護層32aよりも緻密である。
そして内側保護層32aは、その後端側BEの端部が、固体電解質層151の後端側BEの端部よりも、素子本体部31の軸線方向DAに沿って素子本体部31の先端側FEの端部から遠くなるように素子本体部31の周囲を覆う。
また発熱抵抗体161は、その後端側BEの端部が、固体電解質層151の後端側BEの端部よりも、素子本体部31の軸線方向DAに沿って素子本体部31の先端側FEの端部から遠くなるように、素子本体部31の先端側FEと素子本体部31の後端側BEとの間で延びるように形成されている。
このように構成されたガスセンサ素子3では、外側保護層32bおよび内側保護層32aが第2ポンピングセル150の全体を覆っているため、ヒータ160により加熱される第2ポンピングセル150の熱がガスセンサ素子3の外部へ放出されるのを最小限に抑制することができる。なお、ガスセンサ素子3では、第2ポンピングセル150の固体電解質層151は、セラミック層118に形成された貫通孔の内部に配置されており、固体電解質層151の周囲は、熱伝導率が高いセラミック層118で覆われている。このため、第2ポンピングセル150の固体電解質層151に供給された熱は、セラミック層118を介して外部へ放出され易い。ここで内側保護層32aよりも緻密である外側保護層32bはヒータ160による熱がガスセンサ素子3の外部へ放出されにくくし、外側保護層32bよりも多孔である内側保護層32aは断熱層として機能する。
さらにガスセンサ素子3では、ヒータ160の発熱抵抗体161が、固体電解質層151の先端側FEの端部から固体電解質層151の後端側BEの端部まで対向するように配置されるため、ヒータ160から第2ポンピングセル150へ効率良く熱を供給することができる。
これにより、ガスセンサ素子3は、ヒータ160へ供給される電力を低減することができ、ガスセンサ素子3を作動させるための消費電力を低減することができる。
また発熱抵抗体161が、複数の直線部161a,161b,161c,161dと、折返部161e,161f,161gとを有して、蛇行状に形成されている。直線部161a〜dは、素子本体部31の軸線方向DAに沿って延びる。折返部161eは、互いに隣り合う2つの直線部161a,161bを素子本体部31の先端側FEで繋ぐ。折返部161gは、互いに隣り合う2つの直線部161c,161dを素子本体部31の先端側FEで繋ぐ。折返部161fは、互いに隣り合う2つの直線部161b,161cを素子本体部31の後端側BEで繋ぐ。そして折返部161fは、固体電解質層151の後端側BEの端部よりも、素子本体部31の軸線方向DAに沿って素子本体部31の先端側FEの端部から遠くなるように配置される。
これにより、ガスセンサ素子3は、発熱抵抗体161が第2ポンピングセル150の固体電解質層151に対向している領域において素子本体部31の軸線方向DAに沿った発熱抵抗体161の温度勾配を緩やかにすることができる。このため、ガスセンサ素子3は、第2ポンピングセル150内における温度のばらつきを低減することができ、窒素酸化物の濃度の測定精度を向上させることができる。
なお、第1測定室121は測定室に相当し、固体電解質層131は第1固体電解質体に相当し、ポンピング電極132,133は第1電極に相当する。
また、セラミック層118は絶縁層に相当し、固体電解質層151は第2固体電解質体に相当し、ポンピング電極152,153は第2電極に相当する。
また、軸線方向DAは素子本体部の長手方向に相当し、折返部161e,161gは先端側折返部に相当し、折返部161fは後端側折返部に相当する。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、第1ポンピングセル130が第2ポンピングセル150よりも軸線方向DAにおいて先端側FEに位置していたが、これに限られず、第1ポンピングセル130と第2ポンピングセル150とが軸線方向DAにおいて同位置であっても良く、また、第1ポンピングセル130が第2ポンピングセル150よりも後端側BEであっても良い。また、上記実施形態では、第1ポンピングセル130とヒータ160との間に第2ポンピングセル150が位置していたが、これに限られず、例えば、第1ポンピングセル130と第2ポンピングセル150が同じ層であっても良い。
上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
3…ガスセンサ素子、32…保護層、32a…内側保護層、32b…外側保護層、118…セラミック層、121…第1測定室、130…第1ポンピングセル、131…固体電解質層、132,133…ポンピング電極、150…第2ポンピングセル、151…固体電解質層、152,153…ポンピング電極、160…ヒータ、161…発熱抵抗体、162,163…リード部

Claims (2)

  1. 被測定ガスが導入される測定室と、
    酸素イオン伝導性の第1固体電解質体と、前記第1固体電解質体上に形成された一対の第1電極とを有し、前記一対の第1電極の間で第1ポンピング電流を流すことにより、前記測定室に導入された前記被測定ガス中の酸素の汲み出し又は汲み入れを行う第1ポンピングセルと、
    絶縁層に形成された貫通孔の内部に配置された酸素イオン伝導性の第2固体電解質体と、前記第2固体電解質体上に形成された一対の第2電極とを有し、前記第1ポンピングセルにて前記測定室内における酸素濃度が調整された前記被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度に応じて値が変化する第2ポンピング電流が前記一対の第2電極の間で流れる第2ポンピングセルと、
    発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の両端に接続された一対のリード部とを有し、前記第1ポンピングセルおよび前記第2ポンピングセルを加熱するヒータと
    を有し、長尺の板状に形成された素子本体部と、
    前記素子本体部の先端側において前記素子本体部の周囲を覆う多孔質の内側保護層と、前記内側保護層の周囲を覆う多孔質の外側保護層とを有する保護層と
    を備えたガスセンサ素子であって、
    前記外側保護層は前記内側保護層よりも緻密であり、
    前記内側保護層は、その後端側の端部が、前記第2固体電解質体の後端側の端部よりも、前記素子本体部の長手方向に沿って前記素子本体部の先端側の端部から遠くなるように前記素子本体部の周囲を覆い、
    前記発熱抵抗体は、その後端側の端部が、前記第2固体電解質体の後端側の端部よりも、前記素子本体部の長手方向に沿って前記素子本体部の先端側の端部から遠くなるように、前記素子本体部の先端側と前記素子本体部の後端側との間で延びるように形成されているガスセンサ素子。
  2. 請求項1に記載のガスセンサ素子であって、
    前記発熱抵抗体は、前記素子本体部の長手方向に沿って延びる複数の直線部と、前記複数の直線部のうちの互いに隣り合う2つの直線部を前記素子本体部の先端側で繋ぐ先端側折返部と、前記複数の直線部のうちの互いに隣り合う2つの直線部を前記素子本体部の後端側で繋ぐ後端側折返部とを有して、蛇行状に形成されており、
    前記後端側折返部は、前記第2固体電解質体の後端側の端部よりも、前記素子本体部の長手方向に沿って前記素子本体部の先端側の端部から遠くなるように配置されるガスセンサ素子。
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