JP6740974B2 - ガスセンサ - Google Patents
ガスセンサ Download PDFInfo
- Publication number
- JP6740974B2 JP6740974B2 JP2017138355A JP2017138355A JP6740974B2 JP 6740974 B2 JP6740974 B2 JP 6740974B2 JP 2017138355 A JP2017138355 A JP 2017138355A JP 2017138355 A JP2017138355 A JP 2017138355A JP 6740974 B2 JP6740974 B2 JP 6740974B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- housing
- mass
- gas sensor
- sensor element
- insulator
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N27/00—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
- G01N27/26—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
- G01N27/403—Cells and electrode assemblies
- G01N27/406—Cells and probes with solid electrolytes
- G01N27/407—Cells and probes with solid electrolytes for investigating or analysing gases
- G01N27/4078—Means for sealing the sensor element in a housing
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01M—TESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- G01M15/00—Testing of engines
- G01M15/04—Testing internal-combustion engines
- G01M15/10—Testing internal-combustion engines by monitoring exhaust gases or combustion flame
- G01M15/102—Testing internal-combustion engines by monitoring exhaust gases or combustion flame by monitoring exhaust gases
- G01M15/104—Testing internal-combustion engines by monitoring exhaust gases or combustion flame by monitoring exhaust gases using oxygen or lambda-sensors
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N27/00—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
- G01N27/26—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
- G01N27/403—Cells and electrode assemblies
- G01N27/406—Cells and probes with solid electrolytes
- G01N27/4067—Means for heating or controlling the temperature of the solid electrolyte
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N27/00—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
- G01N27/26—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
- G01N27/403—Cells and electrode assemblies
- G01N27/406—Cells and probes with solid electrolytes
- G01N27/407—Cells and probes with solid electrolytes for investigating or analysing gases
- G01N27/409—Oxygen concentration cells
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N27/00—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
- G01N27/26—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
- G01N27/403—Cells and electrode assemblies
- G01N27/406—Cells and probes with solid electrolytes
- G01N27/407—Cells and probes with solid electrolytes for investigating or analysing gases
- G01N27/41—Oxygen pumping cells
Description
固体電解質体(31)及び前記固体電解質体の両面に設けられた電極(32A,32B)を有し、前記保持穴に単独で又は絶縁碍子(4)を介して挿通されたセンサ素子(3)と、
前記保持穴と、前記センサ素子又は前記絶縁碍子との隙間(S1)に充填されたセラミック粉末からなるシール材(51)と、
前記ハウジングの一部によって前記シール材が圧縮されて、前記隙間が封止されたガスセンサ(1)において、
前記ハウジングは、650℃における0.2%耐力が80MPa以上であるフェライト系ステンレス鋼からなる、ガスセンサにある。
固体電解質体(31)及び前記固体電解質体の両面に設けられた電極(32A,32B)を有し、前記保持穴に単独で又は絶縁碍子(4)を介して挿通されたセンサ素子(3)と、
前記保持穴と、前記センサ素子又は前記絶縁碍子との隙間(S1)に充填されたセラミック粉末からなるシール材(51)と、
前記ハウジングの一部によって前記シール材が圧縮されて、前記隙間が封止されたガスセンサ(1)において、
前記ハウジングを構成する材料は、Crを15〜25質量%、Nbを0.01〜1.0質量%、Wを単独で、又はW及びMoを合計で0.5〜4質量%含有し、残部が、Fe、並びにC、N、Mn及びSiを含む不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼によって構成されている、ガスセンサにある。
本発明の他の態様は、保持穴(21)を有するハウジング(2)と、
固体電解質体(31)及び前記固体電解質体の両面に設けられた電極(32A,32B)を有し、前記保持穴に単独で又は絶縁碍子(4)を介して挿通されたセンサ素子(3)と、
前記保持穴と、前記センサ素子又は前記絶縁碍子との隙間(S1)に充填されたセラミック粉末からなるシール材(51)と、
前記ハウジングの一部によって前記シール材が圧縮されて、前記隙間が封止されたガスセンサ(1)において、
前記ハウジングを構成する材料は、Crを15〜25質量%、Nbを0.01〜1.0質量%、W及びMoの少なくとも一方を単独又は合計で0.5〜4質量%含有し、残部が、Fe、並びにC、N、Mn及びSiを含む不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼によって構成されており、
前記ハウジングの母相中におけるラーベス相の析出量は、0.1質量%未満である、ガスセンサにある。
高温強度としての高温時の材料の降伏点を上げるための手法として、析出強化法や置換型の固溶強化法が有効であることが一般的に知られている。析出強化法としては、Nb,Mo,W,Si、Cu他の元素の添加により、炭化物又は窒化物を析出させることによって材料を強化することが一般的に知られている。析出強化法によれば、高温強度を大きく上げることができるため、高温環境下における気密性を上げるために有効である。
冷鍛加工性の指標には、常温での変形抵抗・伸び・靱性などがある。置換型の固溶強化をする元素としては、Nb、W、Mo、Ta、V等がある。また、低炭素化、低窒素の他、焼きなますことによって常温における加工性を改善することができる。
従って、前述したいずれの手段を選択するかは、いずれも設計的事象である。
(Crの含有量)
ハウジングを構成する材料全体におけるCrの含有量は、15〜25質量%であることにより、フェライト系ステンレス鋼による耐酸化性、耐食性、低熱膨張性等を確保することができる。Crの含有量が15質量%未満である場合には、耐酸化性、耐食性等を十分に発揮できないおそれがある。一方、Crの含有量が25質量%を超える場合には、変形抵抗が増加するとともに靱性が低下し、加工性が悪化するおそれがある。冷鍛加工によってハウジングを成形することを考慮すると、Crの含有量は、21質量%以下、より好ましくは18質量%以下であることが好ましい。なお、Crの含有量は、耐酸化性、加工性等を確保できる範囲で適宜設定される設計的事項である。
ハウジングを構成する材料がNbを含有することにより、550℃以上の高温時における材料の降伏点を上げることができる。また、ハウジングを構成する材料がNbを含有することにより、鋭敏化を抑制することもできる。耐鋭敏化には、量論的にはC及びNの含有量と等しいNbの含有量が必要となるが、NbとC及びNとの化学結合は確率的な事象となるため、ある程度過剰となるNbの含有量が必要となる。例えば、Nbの含有量は、C及びNの合計含有量の3倍程度が好適であると、SUS430LXの条件として一般に知られている。
また、Nbの含有量が0.01質量%未満になると、Nbを含有することの効果が得られないおそれがある。
ハウジングを構成する材料がW及びMoの少なくとも一方を含有することにより、550℃以上の高温時における材料の耐力を上げることができる。
W及びMoの少なくとも一方の単独又は合計の含有量が0.3質量%未満である場合には、550℃以上の高温時における材料の降伏点を上げる効果が十分に得られない。一方、W及びMoの少なくとも一方の単独又は合計の含有量が2質量%を超える場合には、材料の変形抵抗が増加し、ハウジングの加工性が悪化するおそれがある。
Mn(マンガン)及びSi(ケイ素)は、酸化膜の剥離を抑制し、耐高温酸化性を向上させる作用を有する。特に、耐高温酸化性を重視する場合には、ハウジングを構成する材料におけるMn及びSiの含有量は、それぞれ0.05質量%以上とすることが効果的である。一方、Mn及びSiの含有量を多くすると脆性を悪化させることが知られている。そのため、冷間加工性を維持したい、本ハウジングの材料の場合には、少量であることが望ましい。Mn及びSiの合計含有量は、2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下とすることが望ましい。
S(硫黄)は、切削加工時の開削成分として知られている一方、低減が困難な不可避不純物である。P(リン)及びSは、多量に含有すると、耐食性の低下及び溶接時のブローホールの発生要因となるため、少量で有ることが望ましい。ハウジングを構成する材料におけるP及びSの含有量は、0.07質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下に管理されることが望ましい。
C(炭素)は代表的な固溶元素である。また、Cは、NbやTiなどの元素と炭化物を形成し、結晶粒成長を抑制する効果がある。この効果を得るためには、ハウジングを構成する材料におけるCの含有量には、0.001質量%以上が必要となる。一方、CやN(窒素)は、低減が困難な不可避不純物であり、冷間加工性や靱性の悪化、耐食性の悪化を引き起こす。よって、C及びNの含有量は、合計で0.12質量%以下、より好ましくはそれぞれ単独で0.03質量%以下とすることが望ましい。
Ni(ニッケル)は、Cuと同様に低温靱性を改善する元素である。言い換えれば、ハウジングを構成する材料の延性脆性遷移温度を低くして、ハウジングの切断加工及び冷間鍛造加工を容易にすることができる。このような効果を得るためには、Niの含有量は0.1質量%以上とすることが望ましい。
前記ハウジングを構成する材料は、さらにAl及びTiの少なくとも一方を単独又は合計で0.15〜0.6質量%含有していてもよい。
ハウジングを構成する材料がAl(アルミニウム)又はTi(チタン)の少なくとも一方を含有することにより、材料の耐酸化性を向上させることができる。また、ハウジングを構成する材料がMoを含有する場合には、ハウジングを構成する材料がAl又はTiの少なくとも一方を含有することにより、材料におけるMoの拡散を抑制し、材料の耐クリープ性を向上させることができる。
本形態のガスセンサ1は、図1〜図3に示すように、保持穴21を有するハウジング2と、固体電解質体31及び固体電解質体31の両面に設けられた電極32A,32Bを有するセンサ素子3と、センサ素子3を保持して保持穴21に配置された絶縁碍子4と、保持穴21と絶縁碍子4との隙間S1に充填されたセラミック粉末からなるシール材51とを備える。ガスセンサ1においては、ハウジング2のかしめ部24によってシール材51が圧縮されており、このシール材51によって隙間S1が封止されている。
ガスセンサ1は、車両の内燃機関(エンジン)の排気管7内に配置されて、排気管7内を流れる排ガスGのガス検出を行うものである。本形態のガスセンサ1は、排ガスGの組成から求まる内燃機関の空燃比を検出するA/F(空燃比)センサとして使用される。また、ガスセンサ1は、排気管7における触媒の配置箇所よりも上流側に設けることができる。
本形態のガスセンサ1においては、排気管7内に配置される側を先端側L1といい、先端側L1と反対側を基端側L2という。
図3に示すように、センサ素子3の固体電解質体31は、ジルコニアを主成分とするものであり、希土類金属元素又はアルカリ土類金属元素によってジルコニアの一部を置換させた安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなり、例えば、イットリア安定化ジルコニア又はイットリア部分安定化ジルコニアから構成することができる。固体電解質体31は、所定の活性化温度において、酸化物イオン(O2-)を伝導させるイオン伝導性を有するものである。各電極32A,32Bは、酸素に対する触媒活性を示す白金、及び固体電解質体31を構成する材料を含有している。
図1に示すように、ハウジング2は、ガスセンサ1の筐体を構成し、ガスセンサ1を排気管7に取り付けるための部材である。ハウジング2は、中心部に保持穴21を有する筒形状に形成されており、排気管7の取付ボス部71に設けられたネジ穴711に螺合されるネジ部22と、ネジ部22の基端側L2に隣接して形成され、外周側に最も突出した外周面を構成する六角形状のフランジ部23と、フランジ部23の基端側L2に隣接して形成されたかしめ部24とを有する。
絶縁碍子4は、センサ素子3を挿通するための挿通穴41と、挿通穴41の基端側L2に隣接して形成された凹部42と、外周側に最も突出した外周面を構成する突出部43とを有する。絶縁碍子4がハウジング2の保持穴21に配置されたときには、突出部43が大径穴部212に配置されるとともに、突出部43が金属材431等を介して段部213に対向する。また、大径穴部212には、シール材51、絶縁部材52及び金属リング53が配置され、かしめ部24が内側に屈曲されることによって、突出部43とかしめ部24との間に、シール材51、絶縁部材52及び金属リング53が圧縮される。また、センサ素子3が挿通穴41に挿通された状態で、凹部42には、セラミック粉末等の絶縁粒子44が配置される。そして、センサ素子3は、絶縁粒子44によって絶縁碍子4に保持される。
絶縁碍子4の基端側L2には、別の絶縁碍子4Aが配置されており、別の絶縁碍子4Aには、センサ素子3及びヒータ35の電気接続を行うための複数の接点端子54が配置されている。センサ素子3の先端部36から基端部37には、センサ素子3の電極32A,32Bのリード部321及びヒータ35の発熱体352のリード部353が引き出されている。接点端子54には、電極32A,32Bのリード部321に接触するものと、発熱体352のリード部353に接触するものとがある。
図1に示すように、ハウジング2の先端側L1には、センサ素子3の先端部36を覆って、センサ素子3を保護する保護カバー61が装着されている。ハウジング2の基端側L2には、接点端子54、別の絶縁碍子4A、接点端子54に繋がるリード線55等を内部に配置するための基端側カバー62が装着されている。保護カバー61には、排ガスGが流通するための複数の排ガス流通孔611が設けられている。排ガスGは、排ガス流通孔611を通って保護カバー61内に流入して、センサ素子3の検出電極32Aに導かれるとともに、排ガス流通孔611を通って保護カバー61の外部に流出する。
本形態のハウジング2は、650℃における0.2%耐力が80MPa以上であるフェライト系ステンレス鋼からなる。また、ハウジング2は、Fe中にCrを15〜25質量%含有するフェライト系ステンレス鋼が有する低熱膨張性を維持しつつ、550℃以上の高温時における材料の降伏点を上げることができるものである。
本形態のハウジング2は、Fe(鉄)、Cr(クロム)、Nb(ニオブ)、Ni(ニッケル)及びAl(アルミニウム)を構成元素とし、不可避的不純物としてMn(マンガン)、Si(ケイ素)、C(炭素)、N(窒素)を含有する。
次に、ハウジング2及びガスセンサ1の製造方法について簡単に説明する。
本形態のハウジング2を製造する際には、Fe、Nb、W、Mn、Si、Ni、Al等の金属材料を溶解する工程、金属材料を所定の断面形状を有する長尺材に引き伸ばす工程、金属材料に固溶化熱処理を行う工程、長尺状の金属材料をせん断して、個々の金属素材を形成する工程、金属素材に冷間鍛造を行って、金属素材をハウジング2の形状を形成する工程、及びハウジング2の形状の金属素材に切削を行って、組付前のハウジング2を形成する工程が行われる。特に、FeにNiが含有されていることにより、金属材料の靭性が改善されており、金属材料のせん断を行う工程及び冷間鍛造を行う工程の実施を容易にすることができる。
本形態のハウジング2のかしめ部24のかたさは、少なくともガスセンサ1の製品出荷状態において、ビッカースかたさでHv220〜Hv400の範囲内にある。これにより、ハウジング2を構成する材料の耐力が高く、ハウジング2の永久変形を抑制することができる。このビッカースかたさは、JIS Z 2244の「ビッカースかたさ試験」に準拠して求めた値とする。このJIS Z 2244は、ISO規格のISO6507に相当する。
本形態のガスセンサ1においては、ハウジング2を構成する材料が前述した組成を有することにより、550℃以上の高温環境下における、ハウジング2のかしめ部24の強度低下を抑制することができる。ハウジング2を構成する材料のFe中には、Crの他に、Nbが0.01〜1.0質量%、Wが0.5〜4質量%含有されている。これにより、550℃以上の高温時におけるハウジング2の永久変形を抑制することができる。その結果、550℃以上の高温環境下においても、ハウジング2のかしめ部24がシール材51を圧縮する力を維持することができ、シール材51による、ハウジング2の保持穴21とセンサ素子3又は絶縁碍子4との隙間S1の気密性を維持することができる。
A/Fセンサにおいては、ハウジング2のかしめ部24の高温強度が保たれることにより、排ガスGがセンサ素子3の内部に取り込まれた大気Aへ混入することが防止される。これにより、センサ素子3のダクト34内が、大気Aではなく排ガスGによって満たされることが防止される。そのため、特に、排ガスGから求まる内燃機関の空燃比が燃料リッチ側にあるときにおいて、固体電解質体31を介して、基準電極32Bから検出電極32Aへ酸化物イオン(O2-)を送り込めなくなる事態が発生しなくなる。その結果、A/Fセンサが燃料リッチ側の空燃比を検出する際に、この燃料リッチ側の検出レンジの保証範囲を広く維持することが可能になる。検出レンジの保証範囲とは、燃料リッチ側の空燃比を、所定の誤差範囲内において検出できるレンジ(スケール)のことをいう。
ガスセンサ1においては、ハウジング2のかしめ部24の高温強度が保たれることにより、排ガスGがセンサ素子3の内部に取り込まれた大気Aへ混入することが防止される。これにより、排ガスGが、センサ素子3に接触する金属製の接点端子54に直接接触することが防止される。そのため、接点端子54が排ガスG中の水分、窒素化合物等によって腐食することが防止される。なお、この効果は、A/Fセンサ及び酸素センサのいずれにおいても得られる。
(試験1)
試験1においては、ハウジング2を構成する材料と耐力との関係を測定した。図5は、Fe中に、Cr:17質量%及びNb:0.35質量%を含有する合金鋼において、Wの含有量を、0質量%、1質量%、2質量%、4質量%と変化させた場合の、650℃における耐力(MPa)の変化を示す。同図において、Wの含有量が増加するに従って耐力が上昇していることが分かる。
試験2においては、Fe中に、Cr:17質量%、Nb:0.35質量%、W:2質量%を含有する合金鋼を用いて形成した試験品のハウジング2と、Fe中にCr:17質量%を含有するステンレス鋼(SUS430)を用いて形成した比較品のハウジング2とについて、気密性の確認を行った。試験2においては、それぞれのハウジング2を用いてガスセンサ1を形成し、各ガスセンサ1における、ハウジング2の保持穴21と絶縁碍子4との隙間S1に排ガスGの漏洩が生じたか否かを確認した。
試験3においては、Fe中に、Cr:17質量%、Nb:0.35質量%、W:2質量%を含有する合金鋼を用いて形成した試験品のハウジング2と、Fe中にCr:17質量%を含有するステンレス鋼(SUS430)を用いて形成した比較品のハウジング2とについて、温度を変化させたときの耐力の変化について確認した。また、試験品のハウジング2については、ハウジング2の素材に、約780℃に加熱した後冷却する焼鈍処理を行った試験品1と、ハウジング2の素材に、約950℃に加熱した後冷却する固溶化熱処理を行った試験品2とを準備した。比較品のハウジング2については、約780℃に加熱した後冷却する焼鈍処理を行った。試験品1,2及び比較品の耐力のグラフは、室温から700℃までの間の温度範囲について求めたものである。
試験4においては、Fe中に、Cr:17.1質量%、Nb:0.35質量%、W:2.00質量%を含有する合金鋼を用いて形成した試験品のハウジング2について、ハウジング2の素材の熱処理を行う温度を変化させたときの、常温における耐力(MPa)の変化について確認した。図7に示すように、常温における耐力は、熱処理を行った温度が750℃付近である場合に高く、熱処理を行った温度が900℃に近づくに連れて低くなる。そして、熱処理を行った温度が900℃を超える場合には、耐力は変化していない。
材料評価試験である試験5においては、固溶化熱処理(焼鈍処理)によるラーベス相の固溶状態を確認した。評価対象である材料の組成は、Cr:17質量%、Nb:0.35質量%、W:2質量%、C+N:0.02質量%、P+S:0.02質量%、Si、Mn等のその他の不可避的不純物:0.9質量%、残部:Feの組成である。また、評価対象である材料は、熱間鍛造によって、伸線材相当の粒度である、粒度番号がNo.5〜No.9の粒度に調整し、この粒度の調整を行ったものを再び熱処理(焼鈍処理)し、所定の温度において4時間保持した後、ラーベス相の固溶量を定量分析した。粒度番号は、JIS G 0551において規定される。また、JIS G 0551は、ISO規格のISO643に相当する。
ラーベス相の定量分析方法の一つとして、抽出残渣分析法がある。この抽出残渣分析法においては、受入材及び時効材に対して試料中の析出物を抽出分離し、さらにラーベス相とその他の析出物(炭化物や窒化物など)に分離して、定量分析する。また、抽出残渣分析法においては、電解抽出を行い、具体的には、電解液として10%アセチルアセトン−1%テトラメチルアンモニウムクロライド−メタノール溶液を用い、電流密度20mA/cm2とする定電流電解法を用いる。この電解を行った後は、孔径0.2μmのニュークリポアフィルターを用いたろ過を行い、ろ液と残渣とに分離した。残渣の重量分析及びXRD分析(X線回析分析)により、NbC等の析出物とラーベス相とを分離した。
また、組成を検討する試験である試験6においては、評価対象である試料1〜7の組成を適宜変化させ、この組成と、0.2%耐力及び常温加工性との関係を確認した。評価対象である材料の組成及び材料への熱処理は、試験5の場合と同じである。
常温における変形抵抗は、冷鍛加工を模擬した円柱圧縮試験(歪み速度6.0/秒)による70%圧縮時の値として示す。変形抵抗は、800MPa未満である場合を良品(○)として判定し、それ以外を良品でない(×)として判定した。この変形抵抗の判断基準は、鍛造工程に依存しており、絶対的なものではない。
製品評価としての試験7においては、試験6における試料1,3,4の組成を有するハウジング2の気密性を確認する試験を行った。各組成のハウジング2は冷間鍛造を行って製造した。また、各組成のハウジング2を用いたガスセンサ1を配管に装着し、配管中に、650℃であって0.4MPa(ゲージ圧)の気体を通過させたときに、ガスセンサ1のハウジング2のかしめ部24における気体の漏れ量を測定した。
2 ハウジング
21 保持穴
24 かしめ部
3 センサ素子
31 固体電解質体
32A,32B 電極
4 絶縁碍子
51 シール材
54 接点端子
Claims (9)
- 保持穴(21)を有するハウジング(2)と、
固体電解質体(31)及び前記固体電解質体の両面に設けられた電極(32A,32B)を有し、前記保持穴に単独で又は絶縁碍子(4)を介して挿通されたセンサ素子(3)と、
前記保持穴と、前記センサ素子又は前記絶縁碍子との隙間(S1)に充填されたセラミック粉末からなるシール材(51)と、
前記ハウジングの一部によって前記シール材が圧縮されて、前記隙間が封止されたガスセンサ(1)において、
前記ハウジングを構成する材料は、Crを15〜25質量%、Nbを0.01〜1.0質量%、Wを単独で、又はW及びMoを合計で0.5〜4質量%含有し、残部が、Fe、並びにC、N、Mn及びSiを含む不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼によって構成されている、ガスセンサ。 - 保持穴(21)を有するハウジング(2)と、
固体電解質体(31)及び前記固体電解質体の両面に設けられた電極(32A,32B)を有し、前記保持穴に単独で又は絶縁碍子(4)を介して挿通されたセンサ素子(3)と、
前記保持穴と、前記センサ素子又は前記絶縁碍子との隙間(S1)に充填されたセラミック粉末からなるシール材(51)と、
前記ハウジングの一部によって前記シール材が圧縮されて、前記隙間が封止されたガスセンサ(1)において、
前記ハウジングを構成する材料は、Crを15〜25質量%、Nbを0.01〜1.0質量%、W及びMoの少なくとも一方を単独又は合計で0.5〜4質量%含有し、残部が、Fe、並びにC、N、Mn及びSiを含む不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼によって構成されており、
前記ハウジングの母相中におけるラーベス相の析出量は、0.1質量%未満である、ガスセンサ。 - 前記ハウジングの母相中には、金属間化合物としてのFe2W、又はFe2W及びFe2Moのラーベス相が形成されており、前記ラーベス相の析出量は、0.1質量%未満である、請求項1に記載のガスセンサ。
- 前記ハウジングの母相中には、金属間化合物としてのFe2W、又はFe2W及びFe2Moのラーベス相が形成されている、請求項2に記載のガスセンサ。
- 前記ハウジングの、650℃における0.2%耐力は、80MPa以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ。
- 前記ハウジングを構成する材料は、前記Cを0.05質量%以下含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
- 前記ハウジングを構成する材料は、さらにNiを0.1〜0.6質量%含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスセンサ。
- 前記ハウジングのかしめ部のかたさは、ビッカースかたさでHv220〜Hv400の範囲内にある、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガスセンサ。
- 前記センサ素子を加熱する発熱体(352)を有するヒータ(35)と、
前記センサ素子における前記電極のリード部(321)、又は前記発熱体のリード部(353)に接触する接点端子(54)と、をさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載のガスセンサ。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017138355A JP6740974B2 (ja) | 2017-07-14 | 2017-07-14 | ガスセンサ |
CN201880046882.1A CN110914678B (zh) | 2017-07-14 | 2018-07-13 | 气体传感器 |
DE112018003606.5T DE112018003606T5 (de) | 2017-07-14 | 2018-07-13 | Gassensor |
PCT/JP2018/026584 WO2019013342A1 (ja) | 2017-07-14 | 2018-07-13 | ガスセンサ |
US16/740,825 US20200150079A1 (en) | 2017-07-14 | 2020-01-13 | Gas sensor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017138355A JP6740974B2 (ja) | 2017-07-14 | 2017-07-14 | ガスセンサ |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019020232A JP2019020232A (ja) | 2019-02-07 |
JP2019020232A5 JP2019020232A5 (ja) | 2019-10-31 |
JP6740974B2 true JP6740974B2 (ja) | 2020-08-19 |
Family
ID=65002093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017138355A Active JP6740974B2 (ja) | 2017-07-14 | 2017-07-14 | ガスセンサ |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20200150079A1 (ja) |
JP (1) | JP6740974B2 (ja) |
CN (1) | CN110914678B (ja) |
DE (1) | DE112018003606T5 (ja) |
WO (1) | WO2019013342A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7251527B2 (ja) | 2020-07-14 | 2023-04-04 | 株式会社デンソー | ガスセンサ |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3635197B2 (ja) * | 1997-11-28 | 2005-04-06 | 日本特殊陶業株式会社 | ガスセンサ |
JP3474829B2 (ja) * | 2000-05-02 | 2003-12-08 | 新日本製鐵株式会社 | 溶接性と加工性に優れた触媒担持用耐熱フェライト系ステンレス鋼 |
JP4604714B2 (ja) * | 2003-12-26 | 2011-01-05 | Jfeスチール株式会社 | フェライト系Cr含有鋼材及びその製造方法 |
JP2009002846A (ja) * | 2007-06-22 | 2009-01-08 | Denso Corp | ガスセンサ及びその製造方法 |
JP5178157B2 (ja) * | 2007-11-13 | 2013-04-10 | 日新製鋼株式会社 | 自動車排ガス経路部材用フェライト系ステンレス鋼材 |
JP2009198422A (ja) * | 2008-02-25 | 2009-09-03 | Ngk Spark Plug Co Ltd | ガスセンサ |
JP4471016B2 (ja) * | 2008-04-07 | 2010-06-02 | トヨタ自動車株式会社 | ガスセンサとその製造方法 |
JP2010019729A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Denso Corp | ガスセンサ及びその製造方法 |
EP2546378A4 (en) * | 2010-03-11 | 2017-08-16 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation | Highly oxidation-resistant ferrite stainless steel plate, highly heat-resistant ferrite stainless steel plate, and manufacturing method therefor |
US9399809B2 (en) * | 2011-02-08 | 2016-07-26 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation | Hot rolled ferritic stainless steel sheet, method for producing same, and method for producing ferritic stainless steel sheet |
PL2980244T3 (pl) * | 2013-03-28 | 2018-09-28 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation | Blacha cienka z nierdzewnej żaroodpornej stali austenitycznej |
JP6295155B2 (ja) * | 2014-07-22 | 2018-03-14 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法、並びにフェライト系ステンレス鋼を部材とする熱交換器 |
KR101979717B1 (ko) * | 2014-09-02 | 2019-05-17 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 요소 scr 케이스체용 페라이트계 스테인리스 강판 |
US9951674B2 (en) * | 2016-01-07 | 2018-04-24 | Hille & Müller GMBH | Method for producing a corrosion resistant steel and corrosion resistant steel provided thereby |
-
2017
- 2017-07-14 JP JP2017138355A patent/JP6740974B2/ja active Active
-
2018
- 2018-07-13 CN CN201880046882.1A patent/CN110914678B/zh active Active
- 2018-07-13 WO PCT/JP2018/026584 patent/WO2019013342A1/ja active Application Filing
- 2018-07-13 DE DE112018003606.5T patent/DE112018003606T5/de active Pending
-
2020
- 2020-01-13 US US16/740,825 patent/US20200150079A1/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2019013342A1 (ja) | 2019-01-17 |
CN110914678B (zh) | 2023-10-31 |
CN110914678A (zh) | 2020-03-24 |
US20200150079A1 (en) | 2020-05-14 |
DE112018003606T5 (de) | 2020-04-02 |
JP2019020232A (ja) | 2019-02-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2759607B1 (en) | Diaphragm made of two-phase stainless steel, method of manufacturing the same, and pressure sensor, and diaphragm valve comprising the diaphragm | |
RU2605022C1 (ru) | Хромоникелевый сплав с хорошими показателями обрабатываемости, предела ползучести и коррозионной стойкости | |
RU2599324C2 (ru) | Хромоникелевоалюминиевый сплав с хорошими показателями обрабатываемости, предела ползучести и коррозионной стойкости | |
US9932656B2 (en) | Nickel-based alloy with silicon, aluminum, and chromium | |
JP5661938B2 (ja) | Ni−Fe−Cr−Mo−合金 | |
EP2172299A2 (en) | Ni-base alloy, high-temperature member for steam turbine and welded rotor for turbine using the same, and method for manufacturing the same | |
US8133432B2 (en) | Conductive material | |
JP6740974B2 (ja) | ガスセンサ | |
JP4675066B2 (ja) | 固体酸化物型燃料電池セパレーター用フェライト系ステンレス鋼 | |
JP2002098333A (ja) | グロープラグ | |
JP5105990B2 (ja) | 耐熱PtRh合金 | |
WO2012086206A1 (ja) | スパークプラグ | |
EP2899286A2 (en) | Sheated heater, glow plug | |
JP5864079B2 (ja) | ダイヤフラムの製造方法、及び圧力センサの製造方法 | |
JP4991433B2 (ja) | 内燃機関用のスパークプラグ | |
JP2008039568A (ja) | ガスセンサ | |
KR101625349B1 (ko) | 전극 재료 및 스파크 플러그 | |
CA1306123C (en) | Exterior protective member made of austenitic stainless steel fora sheathing heater element | |
US10302505B2 (en) | Temperature sensor | |
JP6604869B2 (ja) | 白金パラジウムロジウム合金 | |
CN107923002B (zh) | 簧片开关用线材、簧片开关用簧片以及簧片开关 | |
US20230160029A1 (en) | Seal member and method for manufacturing same | |
JP4854459B2 (ja) | グロープラグ | |
JP5854409B2 (ja) | ダイヤフラム、圧力センサ、及びダイヤフラムの製造方法 | |
EP3428292A1 (en) | Ferritic stainless steel and heat-resistant member |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190912 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190912 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200421 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200608 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200623 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200706 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6740974 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |