JP6740487B2 - レンズユニット - Google Patents

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Description

本発明は、レンズユニットに関する。
複数のレンズを備え、特定の被写体に焦点を合わせるフォーカス機構をもつレンズユニットが知られている。こうしたレンズユニットは、外筒と、レンズ光学系を保持するレンズ保持枠とを備えており、レンズ保持枠は、外筒に収容され、フォーカス調節のため外筒内部において光軸方向に移動する。外筒にはレンズ保持枠に対して光軸回りの周方向に回転するフォーカスリングが設けられており、ユーザによってフォーカスリングが回転操作されると、レンズ保持枠が光軸方向に移動する(例えば特許文献1参照)。
外筒には、レンズ保持枠を光軸方向の所望のフォーカス位置に固定するためのネジやボルトなどの締結部材が設けられている。締結部材は外筒を貫通しており、外筒の一部を構成するフォーカスリングの外周面と当接して、レンズ保持枠を所望のフォーカス位置に固定する。
また、レンズ保持枠は、外筒に対して光軸方向に移動自在に保持されるため、外筒の内周面とレンズ保持枠の外周面には隙間がある。このような隙間があると、隙間に起因して、レンズ保持枠が外筒に対して振動する。こうした振動が発生すると、レンズ保持枠の位置が、径方向、光軸方向および光軸を中心とする周方向などの種々の方向に移動する。レンズ保持枠の位置が種々の方向に移動すると、例えば、CCD(Charged-coupled devices)イメージセンサやCMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)イメージセンサなどの各種イメージセンサに結像する被写体の範囲がイメージセンサの撮像面に対して変動する。
特許文献1には、こうしたレンズ保持枠の振動を抑制するための振動対策部材として弾性リング(Oリング)が設けられている。弾性リングは、レンズ保持枠の外周面に周方向に沿って形成された環状の溝に嵌合している。弾性リングは、レンズ保持枠が外筒に組み付けられた場合に、外筒の内周面に圧接される。これにより、レンズ保持枠の外周面と外筒の内周面との間の隙間に起因して生じる、レンズ保持枠の振動が抑制される。
特開昭62−034111号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような弾性リング(Oリング)などの振動対策部材を追加するという方法は、レンズユニットの構成部品の他に新たに振動対策部材を追加する方法であるため、部品点数の増加に伴って構造の複雑化、大型化、さらには組み立て適正の悪化を招くという問題があった。
本発明は、部品点数を増加させることなく、外筒に対して光軸方向に移動するレンズ保持枠について、外筒との隙間に起因して生じる振動を抑制することができるレンズユニットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のレンズユニットは、外筒と、レンズ保持枠と、可撓性枠体部と、当接部とを備えている。レンズ保持枠は、レンズ光学系を保持するレンズ保持枠であって、かつ、外筒内に収容され、外筒に対してレンズ光学系の光軸と平行な光軸方向に移動自在である。可撓性枠体部は、レンズ保持枠の少なくとも一部を構成し、可撓性を有する材料で形成され、かつ、筒状をしている。当接部は、可撓性枠体部と一体に設けられ、弾性変形して復元力を発生した状態で外筒の内周面と当接して、レンズ保持枠の外周面と外筒の内周面との間の隙間に起因して生じる振動を防止する。
当接部は、可撓性枠体部の外周面に形成された切り込みで画定される梁状部であり、梁状部には、梁状部の周囲よりも外筒の内周面に向かって突き出している凸部が形成されていることが好ましい。
梁状部は、一端が自由端で他端が固定端となる片持ち梁であることが好ましい。
片持ち梁において、凸部は自由端に配置され、梁行き方向と直交する方向が長手方向となる細長形状をしていることが好ましい。
梁状部は、可撓性枠体部の外周面上に複数個設けられていることが好ましい。
光軸方向においてレンズ光学系の物体側を前側、像側を後側とした場合において、梁状部は、可撓性枠体部の光軸方向において間隔を空けてそれぞれ設けられる前側梁状部および後側梁状部を含むことが好ましい。
梁状部は、可撓性枠体部の光軸回りの周方向に間隔を空けて複数箇所に設けられることが好ましい。
梁状部は周方向において2箇所に設けられており、2箇所の各梁状部の間隔は、120°または90°であることが好ましい。
前側梁状部および後側梁状部は、それぞれ、光軸回りの周方向に間隔を空けて複数箇所に設けられていることが好ましい。
複数箇所に設けられる前側梁状部および後側梁状部の周方向の位置は同じであることが好ましい。
外筒に設けられ、光軸を中心とする周方向に回転操作される操作リングであって、回転操作された場合に、レンズ保持枠を光軸方向に移動させる操作リングを備えており、可撓性枠体部において、前側梁状部または後側梁状部の一方が、操作リングの内周面と当接することが好ましい。
操作リングの内周面の少なくとも一部には、レンズ保持枠の外周に形成された外周ネジ部と係合する内周ネジ部であって、光軸回りの周方向に溝が形成された内周ネジ部を有しており、前側梁状部または後側梁状部の少なくとも一方の梁状部は、内周ネジ部と当接し、内周ネジ部と当接する梁状部は、レンズ保持枠の光軸方向の位置に応じて内周ネジ部との当接位置が変化し、かつ、梁行き方向が光軸方向と直交していることが好ましい。
操作リングの外周面の一点を光軸に向かって径方向に押圧して、操作リングの内周面を可撓性枠体部の外周面に押し付けて、操作リングの周方向の位置を固定する固定ネジが設けられており、前側梁状部または後側梁状部の少なくとも一方の梁状部は、周方向の2箇所に配置されており、2箇所の各梁状部の位置は、径方向と一致する、固定ネジの押し付け方向に延びる直線を対称軸とする対称位置に配置されており、かつ、2箇所の各梁状部の間隔は、120°以下であることが好ましい。
凸部において、外筒の内周面と当接する面は、内周面の形状に合わせて同じ曲率を持つ曲面で形成されていることが好ましい。
凸部の周囲は、面取りされていることが好ましい。
本発明によれば、部品点数を増加させることなく、外筒に対して光軸方向に移動するレンズ保持枠の周方向の移動を抑制することができる。
マシンビジョンカメラを示す斜視図である。 レンズユニットの側面図である。 レンズユニットの要部の分解斜視図である。 レンズユニットの横断面図である。図4Aは、レンズ光学系が最後端にある状態の断面図であり、図4Bは、レンズ光学系が最前端にある状態の断面図である。 中間保持枠の斜視図である。 レンズユニットの前側梁状部の位置の縦断面図である。 レンズユニットの後側梁状部の位置の縦断面図である。 中間保持枠の側面図である。 前側梁状部の拡大横断面図である。 後側梁状部の拡大縦断面図である。 後側梁状部の拡大横断面図である。 前側梁状部の拡大図である。 後側梁状部の拡大図である。 片持ち梁の説明図である。 両持ち梁の説明図である。 片持ち梁と両持ち梁の特性を示すグラフである。 梁行き方向の全域に凸部がある梁状部の説明図である。図17Aは断面図であり、図17Bは平面図である。 梁状部を周方向の2箇所に設けた場合の効果についての説明図である。 固定ネジの押し付け方向を対称軸として対称配置した2箇所の梁状部の効果についての説明図である。 図19に対する比較例の説明図である。 梁状部の梁行き方向を光軸方向に対して直交配置した場合の効果についての説明図である。図21Aは、梁状部が後側にある状態を示し、図21Bは前側にある状態を示す。 図21に対する比較例の説明図である。 図21に対する別の比較例の説明図である。図23Aと図23Bは、梁状部の光軸方向の位置が異なるそれぞれの状態を示す。
[構成]
図1および図2において、マシンビジョンカメラ10は、例えば工場の生産ラインにおける物品の検査等、ファクトリーオートメーションに用いられるもので、レンズユニット11とカメラ本体12とで構成される。レンズユニット11の外筒は、例えば、アルミ合金等の軽量で加工がしやすい金属材料で形成され、カメラ本体12に着脱自在に取り付けられる。レンズユニット11は、レンズ光学系20を通じて被写体像を取り込む。レンズユニット11は、カメラ本体12に内蔵されたCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ(図示せず)の撮像面に被写体像を結像させる。
イメージセンサは、被写体像を表す撮像信号を出力する。カメラ本体12は、撮像信号をパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に送信する送信部(図示せず)を有する。送信部は、例えばUSB(Universal Serial Bus)インターフェースやギガビットLAN(Local Area Network)規格のインターフェースである。情報処理装置は撮像信号を解析し、この解析結果に応じて物品の良不良等を判定する。
図3および図4に示すように、レンズユニット11は、いずれも円環状の部材である、レンズ保持枠21、筒本体14、フォーカスリング13、アイリスリング15、および抜け止め部16を備える。
フォーカスリング13およびアイリスリング15は、破線で示す周方向CDに沿ってユーザにより回転操作される。フォーカスリング13は、特定の被写体に焦点を合わせるフォーカス調整を行う場合に回転操作される。アイリスリング15は、絞り羽根(図示せず)が形成する絞り開口の開度を調整する場合に回転操作される。フォーカスリング13およびアイリスリング15は、筒本体14に取り付けられており、筒本体14とともに、レンズ保持枠21を内部に収容する外筒を構成する。
レンズ保持枠21は、レンズ光学系20を収容する。レンズ保持枠21は、筒本体14内に収容され、筒本体14に対してレンズ光学系20の光軸OAと平行な光軸方向OADに移動自在である。ここで、光軸方向OADにおいてレンズ光学系20の物体側を前側、像側を後側とする。
図4に示すように、レンズ光学系20は、例えば、前側レンズ部20Aと、後側レンズ部20Bとで構成されている。レンズ保持枠21は、前側レンズ部20Aを保持する前側保持枠22と、後側レンズ部20Bを保持する後側保持枠23と、前側保持枠22と後側保持枠23との間に配置されて、これらを連結する中間保持枠24とを備えている。なお、本例では、前側レンズ部20A、後側レンズ部20Bをそれぞれ1枚のレンズで構成しているが、もちろん、それぞれを複数のレンズで構成してもよい。
フォーカスリング13およびアイリスリング15は、筒本体14に対して回転自在である。フォーカスリング13は、光軸OAを中心とする周方向CDに回転操作される操作リングであって、回転操作された場合に、レンズ保持枠21を光軸方向に移動させる操作リングに相当する。抜け止め部16は、アイリスリング15の抜け落ちを防止する。
レンズユニット11には、固定ネジ17と固定ネジ18が取り付けられる。固定ネジ17は、フォーカスリング13の周方向CDにおける位置を固定するための締結部材である。固定ネジ18は、アイリスリング15の周方向CDにおける位置を固定するための締結部材である。
図4に示すように、筒本体14の前端部の内周面と、フォーカスリング13の後端部の外周面とを係合させることにより、フォーカスリング13が筒本体14に対して取り付けられている。フォーカスリング13の後端部は、筒本体14の内周面と、レンズ保持枠21の一部である中間保持枠24の外周面との間に挟み込まれる状態で配置される。また、フォーカスリング13は、筒本体14に対して、周方向CDには回転自在に取り付けられているが、光軸方向OADの位置は固定されている。
図3にも示すように、フォーカスリング13の後端部の内周面には、内周ネジ部13Aが設けられている。一方、中間保持枠24の外周面には、内周ネジ部13Aと係合する外周ネジ部26が設けられている。内周ネジ部13Aは、フォーカスリング13の内周面において周方向CDの全周に設けられている。これに対して、外周ネジ部26は、中間保持枠24の周方向CDの全周ではなく、部分的に設けられている(図5および図6も参照)。当然ながら、内周ネジ部13Aも外周ネジ部26も、光軸回りにらせん状に溝が形成されており、一方が他方に対して回転することにより、光軸方向OADに相対的に移動する。
内周ネジ部13Aと外周ネジ部26の係合によって、フォーカスリング13が周方向CDに回転操作されると、筒本体14に対して、レンズ保持枠21が光軸方向OADに沿って移動する。これにより、フォーカスが調整される。図4Aは、レンズ保持枠21が最後端に位置している状態を示し、図4Bは、レンズ保持枠21が最前端に位置している状態を示す。
筒本体14の前端部には、固定ネジ17が貫通して螺合するネジ穴が形成される。固定ネジ17は、フォーカス調整時は緩められ、フォーカスリング13の周方向CDに沿った回転を許容する。フォーカス調整後、固定ネジ17が締め付けられると、固定ネジ17の先端は、フォーカスリング13の外周面と当接して、フォーカスリング13の外周面の一点を光軸OAに向かって径方向に押圧する。
この押圧によって、フォーカスリング13の外周面が筒本体14の内周面に押し付けられる。これにより、フォーカスリング13と筒本体14との間に発生する摩擦力によってフォーカスリング13の回転が規制されて、筒本体14に対するフォーカスリング13の周方向CDの位置が固定される。
図4において図示は省略しているが、レンズ保持枠21内には、例えば、複数枚の絞り羽根で構成される絞り機構が内蔵されており、アイリスリング15を周方向CDに沿って回転させると、絞り開口の開度が調整される。抜け止め部16には、固定ネジ18が貫通して螺合するネジ穴が形成されている。
固定ネジ18は、絞り開口の開度の調整時は緩められ、アイリスリング15の周方向CDに沿った回転を許容する。絞り開口の開度の調整後、固定ネジ18が締め付けられると、固定ネジ18の先端は、アイリスリング15の外周面と当接して、アイリスリング15の外周面の一点を光軸OAに向かって径方向に押圧する。この押圧によって、アイリスリング15の内周面が中間保持枠24の外周面に押し付けられる。これにより、アイリスリング15と中間保持枠24との間に発生する摩擦力によってアイリスリング15の回転が規制されて、アイリスリング15の周方向CDの位置が、絞り開口の開度の調整後の位置に固定される。
図5に示すように、中間保持枠24の外周面24Aには、外周ネジ部26に加えて、前側梁状部27と後側梁状部28が設けられている。前側梁状部27と後側梁状部28は、光軸方向OADに間隔を空けて、中間保持枠24の前端部と後端部にそれぞれ配置される。
レンズ保持枠21は、筒本体14やフォーカスリング13で構成される外筒に対して光軸方向OADに移動自在に収容されるため、中間保持枠24の外周面24Aと、外筒の内周面との間には隙間が生じる。また、レンズ保持枠21は、その外周ネジ部26がフォーカスリング13の内周ネジ部13Aと係合する。外周ネジ部26と内周ネジ部13Aのネジ溝間には隙間が生じる。レンズ保持枠21と外筒の間に生じる隙間には、こうしたネジ溝間に生じる隙間も含まれる。
このように、レンズ保持枠21と外筒の間には隙間があるため、この隙間に起因して、レンズ保持枠21は外筒に対してガタついて振動する。レンズ保持枠21が振動すると、レンズ保持枠21は、外筒に対して、径方向、光軸方向OADおよび周方向CDなどの種々の方向に移動する。前側梁状部27と後側梁状部28は、外筒の内周面と当接する当接部であり、上述の隙間に起因して生じる、外筒に対するレンズ保持枠21の振動を防止して、レンズ保持枠21の種々の方向の移動を抑制する。
中間保持枠24は、レンズ保持枠21の一部を構成し、可撓性を有する材料で形成され、かつ、筒状をした可撓性枠体部である。可撓性を有する材料は、例えば樹脂材料(プラスチック)である。前側梁状部27と後側梁状部28は、中間保持枠24と一体に形成されており、外周面24A上に配置される。前側梁状部27と後側梁状部28は、中間保持枠24の外周面24Aに形成された切り込みで画定される梁状部である。
前側梁状部27と後側梁状部28には、各梁状部27、28の周囲よりも外筒の内周面に向かって突き出している凸部27A、28Aが形成されている。前側梁状部27の凸部27Aは、フォーカスリング13の内周ネジ部13Aと当接する(図6も参照)。後側梁状部28は、筒本体14の内周面14Aと当接する(図7も参照)。内周ネジ部13Aも内周面14Aもどちらも外筒の内周面に相当する。
前側梁状部27と後側梁状部28は、可撓性を有する材料で形成されているため、弾性変形して復元力を発生する。そして、復元力を発生した状態で、外筒の内周面とそれぞれの凸部27A、28Aが当接して、レンズ保持枠21の振動を防止する。
図6および図7は、レンズユニット11における光軸OAに直交する方向の断面を示す横断面図である。図6は、図4において前側梁状部27が位置するA−A断面を示す断面図であり、図7は、図4において後側梁状部28が位置するB−B断面を示す断面図である。なお、図6および図7においては、図面の簡単化のために、レンズ光学系20の図示を省略している。
図6において、中間保持枠24の外周ネジ部26は、中間保持枠24の外周面24A上に設けられており、外周ネジ部26の周囲の面よりも径方向の外側に突出している。本例では、外周ネジ部26は、周方向CDにおいて、約120°の間隔を開けて3箇所に設けられている。外周ネジ部26が内周ネジ部13Aと係合する。破線で示す符号13Bは、内周ネジ部13Aの谷部(最大外径部)を示す。外周ネジ部26の山部(最大外径部)が、内周ネジ部13Aの谷部13Bと係合する。
前側梁状部27は、外周面24A上において、周方向CDに間隔θを空けて2箇所に設けられている。本例では、各前側梁状部27は、周方向CDの全周を3等分した位置のうちの2箇所に配置されている。すなわち、2個の前側梁状部27の間隔θは120°である。また、2箇所の各前側梁状部27の位置は、固定ネジ17の押し付け方向PDに延びる直線を対称軸とする対称位置に配置されている。
図7において、前側梁状部27と同様に、後側梁状部28も、外周面24A上において、周方向CDに間隔θを空けて2箇所に設けられている。また、各後側梁状部28の数と配置も、前側梁状部27と同様である。すなわち、各後側梁状部28は、周方向CDの全周を3等分した位置のうちの2箇所に配置されており、2個の前側梁状部27の間隔は、120°である。また、2箇所の各前側梁状部27の位置についても、前側梁状部27と同様に、固定ネジ18の押し付け方向PDに延びる直線を対称軸として対称な位置に配置されている。
図6および図7に加えて、図8にも示すように、周方向CDにおいてそれぞれ複数箇所に設けられる前側梁状部27と後側梁状部28のそれぞれの位置は、同じである。これは、2個の前側梁状部27と、2個の後側梁状部28のそれぞれの間隔θが120°で同じというだけでなく、周方向CDにおける絶対的な位置も一致するという意味である。
図8および図9に示すように、前側梁状部27は、梁が延びる梁行き方向が光軸方向OADに対して直交している。対して、図8および図10に示すように、後側梁状部28は、梁行き方向が光軸方向OADと一致している。図9および図10に示すように、前側梁状部27と後側梁状部28は、それぞれの一端が自由端で他端が固定端となる片持ち梁である。
図9に示すように、前側梁状部27の凸部27Aは、前側梁状部27の自由端付近に設けられている。図9において、破線で示す前側梁状部27の位置は、前側梁状部27に外力が加わっていない自然状態における位置を示す。中間保持枠24と、フォーカスリング13や筒本体14とが組み付けられた状態では、凸部27Aが内周ネジ部13Aと当接する。この当接により、前側梁状部27は、主として自由端側が、実線で示すように弾性変形して復元力を発生する。この復元力が、前側梁状部27からの内周ネジ部13Aに対する押し付け力として作用する。
また、後側梁状部28についても前側梁状部27とほぼ同様である。すなわち、図10に示すように、後側梁状部28の凸部28Aも、後側梁状部28の自由端付近に設けられている。図10において、破線で示す後側梁状部28の位置は、後側梁状部28に外力が加わっていない自然状態における位置を示す。中間保持枠24と筒本体14とが組み付けられた状態では、凸部28Aが内周面14Aと当接する。この当接により、後側梁状部28は、主として自由端側が、実線で示すように弾性変形して復元力を発生する。この復元力が、後側梁状部28からの内周面14Aに対する押し付け力として作用する。
また、前側梁状部27において、自由端に設けられている凸部27Aは、梁行き方向と直交する方向が長手方向(光軸方向OADと一致)となる細長形状をしている(図12も参照)。同様に、後側梁状部28においても、自由端に設けられている凸部28Aは、梁行き方向と直交する方向が長手方向(光軸方向OADと直交)となる細長形状をしている(図13も参照)。
また、図9に示すように、前側梁状部27の凸部27Aは、内周ネジ部13Aと当接する当接面27Bが、内周ネジ部13Aの形状に合わせて同じ曲率を持つ曲面で形成されている。また、図11に示すように、後側梁状部28の凸部28Aも、内周面14Aと当接する当接面28Bが、内周面14Aの形状に合わせて同じ曲率を持つ曲面で形成されている。
また、図12に示すように、前側梁状部27の凸部27Aの当接面27Bの周囲は、角をカットして面取りされており、傾斜面27Cが形成されている。図13に示すように、後側梁状部28についても同様に、凸部28Aの当接面28Bの周囲は、角をカットして面取りされており、傾斜面28Cが形成されている。
[作用効果]
以下、上記構成による作用について、図1から図13に加えて、図14から図23を適宜参照しながら説明する。レンズ保持枠21は、前側レンズ部20Aを保持する前側保持枠22と後側レンズ部20Bを保持する後側保持枠23とを中間保持枠24で連結することにより組み立てられる。レンズユニット11は、レンズ光学系20が収容されたレンズ保持枠21を筒本体14内に挿入し、さらに、筒本体14に、フォーカスリング13、アイリスリング15、および抜け止め部16を組み付けることによって完成する。
前側梁状部27および後側梁状部28において、凸部27Aおよび凸部28Aのそれぞれの当接面27B、28Bの周囲は、図12および図13に示すように、面取りされている。そのため、前側梁状部27および後側梁状部28は、組み立ての際に引っ掛かりにくく、欠けにくい。
また、レンズユニット11が組み立てられた状態では、中間保持枠24の前側梁状部27が弾性変形して復元力を発生する。この状態で、凸部27Aがフォーカスリング13の内周ネジ部13Aに対して当接する。同様に、中間保持枠24の後側梁状部28が弾性変形して復元力を発生した状態で、凸部28Aが筒本体14の内周面14Aに当接する。そのため、前側梁状部27および後側梁状部28の作用によって、筒本体14を含む外筒の内周面とレンズ保持枠21の外周面の隙間に起因して生じる振動が防止される。これにより、レンズ保持枠21の径方向、光軸方向OADおよび周方向CDの種々の方向の移動が抑制される。
レンズ保持枠21の種々の方向の移動が抑制されると、イメージセンサに結像する被写体の範囲の変動が抑制される。被写体の範囲の変動は、次のような悪影響をもたらす。すなわち、近年においては、イメージセンサで得られた撮影画像に基づいて、被写体認識などの画像処理が行われる場合も多い。この場合、イメージセンサの撮像面に対する被写体の範囲が変動すると、被写体位置の認識精度の低下の原因となる。
上述のとおり、フォーカスリング13を固定する固定ネジ17によって、フォーカスリング13の周方向CDの位置は固定される。しかし、フォーカスリング13の内周ネジ部13Aと外周ネジ部26とのネジ溝間の隙間を含めて、外筒の内周面とレンズ保持枠21の外周面24Aとの間には隙間がある。そのため、固定ネジ17のみによってはレンズ保持枠21の径方向、光軸方向OADおよび周方向CDの移動を抑制しきれない。前側梁状部27および後側梁状部28を設けることで、こうしたレンズ保持枠21の径方向、光軸方向OADおよび周方向CDの種々の方向の移動が抑制される。
こうした前側梁状部27および後側梁状部28は、可撓性を有する材料で形成された中間保持枠24と一体に形成されている。そのため、バネやゴムなどの弾性部材をレンズ保持枠21と別体で設ける場合と比べて部品点数の増加を抑制することができる。さらに、レンズ保持枠21と別体で弾性部材を設ける場合と比べて、低コストで、かつ、省スペース化を図りながら振動防止対策が可能となる。
また、前側梁状部27および後側梁状部28が一体に設けられる中間保持枠24の材料はプラスチックが使用される。プラスチックは成形性もよいため、部品コストの上昇をより抑制することができる。さらに、前側梁状部27や後側梁状部28は、中間保持枠24の外周面に形成される切り込みで画定される。そのため、プラスチックの筒状部材である中間保持枠24の外周面24Aに切り込みを入れることは、樹脂成形においては容易であり、成形性もよい。そのため、こうした切り込みで画定される前側梁状部27や後側梁状部28とすることで、製造コストの上昇をより抑制することができる。
また、レンズ保持枠21と別体で、レンズ保持枠21の周方向CDの全周に渡って配置される弾性リングを設ける場合と比べて、前側梁状部27や後側梁状部28は外筒との接触面積が少ないため、フォーカス調整の際にレンズ保持枠21をスムーズに移動させることができる。
また、前側梁状部27および後側梁状部28のそれぞれの凸部27A、28Aは、図9および図11で示したように、内周ネジ部13Aや内周面14Aの形状に合わせて、それらと同じ曲率を持つ当接面27B、28Bをそれぞれ有している。そのため、レンズ保持枠21を光軸方向OADに移動させる際の抵抗力が減るため、レンズ保持枠21をスムーズに移動させることができる。
また、光軸方向OADにおいて間隔を空けて前側梁状部27と後側梁状部28が設けられているため、レンズ保持枠21が光軸方向OADに移動する際に、外筒内部でレンズ保持枠21がピッチングすることを防止することができる。また、前側梁状部27と後側梁状部28は、それぞれ周方向CDの位置が同じであるため、光軸OAに対してレンズ保持枠21が前後方向に傾くこともない。
また、前側梁状部27および後側梁状部28は、片持ち梁であることにより、次のような効果が得られる。図14は、上述した前側梁状部27と同様の片持ち梁127の平面図である。片持ち梁127には、前側梁状部27の凸部27Aと同様の凸部127Aが設けられている。一方、図15は比較例である両持ち梁227を示す。両持ち梁227は、梁の両端が固定され、例えば中央部に内周ネジ部13Aと当接する凸部227Aを有する。
図16は、片持ち梁127と両持ち梁227の特性を比較するグラフである。図16のグラフにおいて、横軸は、梁が弾性変形した場合の変位量(撓み量)であり、縦軸は、変位量に応じた復元力である。変位量は、例えば、図9に示したように、凸部127Aや凸部227Aの自然状態の位置(破線で示す位置)を基準位置とし、この基準位置から、弾性変形した場合における凸部127Aや凸部227Aの変位後の位置(実線で示す位置)までの距離である。グラフG1は、図14に示す片持ち梁127の特性を示し、グラフG2は、図15に示す両持ち梁227の特性を示す。
図16に示すように、どちらも、変位量が大きくなれば、復元力は大きくなる。しかし、片持ち梁127は、両持ち梁227と比較して撓みやすく、変位量に対する復元力の変化が少ない。例えば、復元力の目標値の範囲を上限値TUと下限値TLに設定した場合を考える。復元力を目標値の範囲に収めるために許容される変位量の幅は、両持ち梁227がW2であるのに対して、片持ち梁127は、W2よりも広いW1である。これは、例えば、両持ち梁227や片持ち梁127の弾性が製造時の個体差によって変動する場合でも、両持ち梁227よりも片持ち梁127の方が、発生する復元力を目標の範囲内に収めやすいことを意味する。すなわち、両持ち梁227よりも片持ち梁127の方が復元力の管理がしやすい。
そのため、片持ち梁127は、復元力に起因して生じる、レンズ保持枠21を光軸方向OADへ移動させる場合の抵抗力と、レンズ保持枠21を光軸方向OADの所望の位置で位置決めした場合における振動の抑制力とを最適なバランスで両立させやすい。
こうした片持ち梁127の特性は、本例のマシンビジョンレンズに使用するレンズユニット11のように、フォーカスリング13のマニュアル操作でレンズ保持枠21を移動させて、所定のフォーカス位置にネジ止めでレンズ保持枠21を固定するようなレンズユニットに特に有効である。というのも、移動自在なレンズ保持枠21をネジ止めのみで固定する場合には、レンズ保持枠21の移動の際の抵抗力の低減とレンズ保持枠21の位置を固定する際の振動抑制の両立を図ることが、レンズの使いやすさの観点から非常に重要なためである。
特に、イメージセンサの高解像化にともなって、レンズ保持枠21において許容される振動の大きさが小さくなってきている。すなわち、イメージセンサが高解像化すると画素ピッチが狭くなるため、振動として認識される揺れ幅の下限が小さくなり、小さな振動でも振動として認識されやすい。この場合、従来と比べて、振動の許容幅が小さくなるため、確実な位置決めのために押し付け力を大きくしたい。しかし、一方で操作性を犠牲にするのは最小限に留めたいという要求もある。その場合、押し付け力を最適値に収めるために、図16において示した目標値の範囲(上限値TUと下限値TLの範囲)は狭くなる。このように、イメージセンサが高解像化すると、操作性と確実な位置決めを両立するための復元力の管理がより重要になる。そのため、両持ち梁227と比較して、復元力の管理がしやすい片持ち梁127が非常に有効である。
また、図6等で示したとおり、前側梁状部27および後側梁状部28において、それぞれの凸部27A、28Aは自由端に配置されており、梁行き方向と直交する方向が長手方向となる細長形状としている。本例のような細長形状の凸部の代わりに、例えば、図17に示すように梁行き方向の全域に凸部327Aが設けられる片持ち梁327を設けることも考えられる。図17において、図17Aは片持ち梁327の側面図であり、図17Bは片持ち梁327の平面図である。こうした図17に示す片持ち梁327と比較して、本例のように自由端に細長形状の凸部27A、28Aを配置した前側梁状部27や後側梁状部28は撓みやすく、復元力が管理しやすい。
また、前側梁状部27および後側梁状部28は、それぞれ周方向CDにおいて間隔θを空けて2箇所に設けられている。このため、1箇所に設ける場合と比べて、振動抑制効果が高い。
また、前側梁状部27および後側梁状部28の周方向CDの間隔θは120°以下である。こうした構成によれば、前側梁状部27や後側梁状部28をそれぞれ、周方向CDにおいて3箇所以上設ける場合と比較して、光軸OAの位置を簡単に安定させることができるという効果が得られる。この効果について、図18を用いて説明する。
図18は、上述したように、周方向CDの間隔θを120°として前側梁状部27を2箇所設けた場合における、中間保持枠24と外筒を構成するフォーカスリング13との位置関係を模式的に示す説明図である。
図18に示すように、周方向CDを3等分した3つの位置のうちの2箇所に前側梁状部27が設けられると、2箇所の前側梁状部27が発生する復元力(押し付け力)の作用によって、3つの位置の残りの1点PPに向けて中間保持枠24が片寄せされる。この場合、前側梁状部27の復元力を、中間保持枠24を点PPに押し付けることができる程度の力に設定しておけば、点PPに片寄せされた状態で中間保持枠24の径方向の位置を安定させることができる。この場合、各前側梁状部27の押し付け力を厳密に均等にしなくてもよく、各前側梁状部27の押し付け力が所定値以上になるようにさえしておけばよい。これにより、中間保持枠24が片寄せされて中間保持枠24の位置を安定させることができる。その結果、光軸OAの位置が安定する。
一方、3等分した3つの位置に前側梁状部27を設ける場合を考えると、3箇所の前側梁状部27の復元力を均等にしないと、中間保持枠24の径方向の位置が安定せず、光軸OAの位置が安定しない。製造時の個体差等を考慮すると、3箇所の前側梁状部27の復元力を均等にすることは難しく、2箇所の前側梁状部27の復元力を、所定値以上になるように設定する方が設計は簡単である。本例のように、周方向CDの2箇所に前側梁状部27を配置し、その間隔θを120°以下にすることで、各前側梁状部27の復元力を均等にしなくも、中間保持枠24の径方向の位置を安定させることができる。そのため、光軸OAの位置を簡単に安定させることができる。
なお、本例では、間隔θを120°の例で説明したが、間隔θは90°でもよい。つまり、中間保持枠24を、2箇所の前側梁状部27と片寄せして当接する点PPとの3点で外筒に対して位置決めすることができれば、間隔θは何度でもよい。ただし、間隔θが例えば180°になると中間保持枠24の片寄せができないため、片寄せが可能な間隔θとしては120°以下であることが好ましい。また、図18は、前側梁状部27の例であるが、後側梁状部28も同様である。
また、図6で示したとおり、固定ネジ17は、フォーカスリング13の外周面の一点を光軸OAに向かって径方向に押圧して、フォーカスリング13の外周面を筒本体14の内周面に押し付けて、フォーカスリング13の周方向CDの位置を固定する。
2箇所の各前側梁状部27の位置は、固定ネジ17の押し付け方向PDに延びる直線を対称軸とする対称位置に配置されている。押し付け方向PDは径方向と一致する。さらに、2箇所の各前側梁状部27の周方向CDの間隔θは120°以下である。こうした構成により次のような効果が得られる。
図19は固定ネジ17を締め付けた場合のフォーカスリング13の状態を示す模式図である。図19に示すように、固定ネジ17を締め付けると、固定ネジ17の押し付け方向PDと一致する径方向RD1において、フォーカスリング13は押圧を受ける。その結果、フォーカスリング13は、径方向RD1の径が小さくなり、径方向RD1と直交する径方向RD2の径が大きくなるように変形する。フォーカスリング13の径が大きくなると、中間保持枠24との隙間は大きくなる。隙間が大きくなると、前側梁状部27の押し付け力も減少する。
例えば、図20は、2個の前側梁状部27を固定ネジ17の押し付け方向PDと直交する径方向RD2を対称軸とする対称位置に配置する例である。2箇所の前側梁状部27間隔θは120°である。この場合は、各前側梁状部27の位置においては、固定ネジ17の締め付けによって隙間が大きくなるため、前側梁状部27の押し付け力が減少する。
このため、図19に示す本例のように、固定ネジ17の押し付け方向PDに延びる直線を対称軸とする対称位置に前側梁状部27を配置し、2箇所の前側梁状部27の間隔を120°以下にすることで、前側梁状部27の位置における隙間を小さく保つことができる。その結果、固定ネジ17の締め付けに起因して中間保持枠24とフォーカスリング13の隙間が大きくなり、前側梁状部27の押し付け力が変動する影響を抑制することができる。
間隔θは120°でなくてもよいが、120°以下であることが好ましい。間隔θを小さくするほど、径方向RD1に近づくため、隙間が少ない位置に前側梁状部27を配置することができる。なお、図19においては、前側梁状部27を例に説明したが、後側梁状部28についても同様である。
また、図8および図9で説明したように、前側梁状部27は、梁行き方向が光軸方向OADに対して直交している。こうした構成は、次のような効果が得られる。すなわち、前側梁状部27は、フォーカスリング13の内周ネジ部13Aと当接する。レンズ保持枠21がフォーカスリング13に対して移動した場合に、前側梁状部27が内周ネジ部13Aの当接面から脱落することは好ましくない。
図21に示すように、前側梁状部27の梁行き方向を光軸方向OADに対して直交させると、内周ネジ部13Aと前側梁状部27との当接位置において、前側梁状部27の梁行き方向と直交する幅方向が内周ネジ部13Aの溝に対して直交して配置される。
こうした配置によれば、図21Aおよび図21Bに示すように、前側梁状部27は、内周ネジ部13Aの山部(最小外径部)に対して、移動範囲の全域で常に当接することになる。そのため、レンズ保持枠21の光軸方向OADの移動に応じて変化しても、前側梁状部27は幅方向に移動するだけであり、内周ネジ部13Aから脱落することはない。
こうした効果は、図22に示す例と比較すると、より明確になる。図22に示す前側梁状部427は、梁行き方向が光軸方向OADと平行に配置されている。この場合、内周ネジ部13Aの溝の方向と前側梁状部427の幅方向が平行になる。前側梁状部427の凸部427Aは、長手方向が溝の方向と一致する。このような配置では、凸部427Aが細長形状である場合、凸部427Aが内周ネジ部13Aから脱落し易い。そのため、図22の例では、レンズ保持枠21が光軸方向OADに移動すると、レンズ光学系20が最前端にある状態では前側梁状部427が内周ネジ部13Aから脱落してしまう。
また、図22において、前側梁状部427の脱落は、自由端に設ける凸部427Aの梁行き方向の幅が小さいほど影響を受けやすい。そのため、脱落を抑制する方法として、図23に示すように、凸部427Aの梁行き方向の幅を広げることが考えられる。しかし、このように凸部427Aの幅を広げると、前側梁状部27が撓みにくくなるため、復元力の管理がしにくい。
そのため、図21に示す本例のように、前側梁状部27の梁行き方向を光軸方向OADに対して直交させることが好ましい。なお、前側梁状部27を例に説明したが、後側梁状部28に適用してもよい。すなわち、後側梁状部28が、外筒を構成する構成部材の内周ネジ部と当接する場合には、後側梁状部28についても、同様の問題が生じる。この場合には、後側梁状部28についても、図21に示すように、梁行き方向を光軸方向OADに対して直交させることが好ましい。また、こうした配置を、前側梁状部27および後側梁状部28の両方に適用してもよい。
また、図1から図13で説明したレンズユニット11の実施形態には、図14から図23で示したとおりの種々の効果があるが、もちろん、適宜変更を加えてもよい。前側梁状部27と後側梁状部28が一体に設けられる可撓性枠体部として、中間保持枠24を例に説明したが、可撓性枠体部は中間保持枠24でなくてもよく、レンズ保持枠21を構成する部材のいずれかであればよい。また、前側梁状部27や後側梁状部28が当接する外筒を構成する部材についても、フォーカスリング13や筒本体14に限らず、それ以外の部材でもよい。
また、外筒に対するレンズ保持枠21の振動を防止する梁状部として、片持ち梁で構成した前側梁状部27および後側梁状部28を例に説明したが、前側梁状部27および後側梁状部28の少なくとも一方を、図15に示したような両持ち梁で構成してもよい。
また、前側梁状部27および後側梁状部28の少なくとも一方を、図17で示した梁行き方向の全域に凸部327Aが形成された片持ち梁327で構成してもよいし、図23に示した梁状部427で構成してもよい。
また、光軸方向OADにおいて間隔を空けて前側梁状部27と後側梁状部28を設けた例で説明したが、光軸方向OADにおいて3箇所以上、梁状部を配置してもよい。また、梁状部を周方向において2箇所設けた例で説明したが、3箇所以上設けてもよい。また、2箇所の梁状部を図20に示したように配置してもよい。
さらに、レンズ保持枠21の振動を防止する当接部として、梁状部を例に説明したが、梁状部でなくてもよい。例えば、中間保持枠24の外周面24A上に切り込みを入れずに、凸部だけを設けて、これを当接部として機能させてもよい。
また、レンズ保持枠21を光軸方向OADに移動する操作リングとして、フォーカスリング13を例に説明したが、ズームレンズを移動させるための操作リングでもよい。
本発明は、上記実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。例えば、本発明は、マシンビジョンカメラ10以外の、例えば汎用のデジタルカメラに用いられるレンズユニットにも適用可能である。また、プロジェクタの投射光学系を搭載したレンズユニットにも適用可能である。
10 マシンビジョンカメラ
11 レンズユニット
12 カメラ本体
13 フォーカスリング
13A 内周ネジ部
13B 谷部
14 筒本体
14A 内周面
15 アイリスリング
16 抜け止め部
17 固定ネジ
18 固定ネジ
20 レンズ光学系
20A 前側レンズ部
20B 後側レンズ部
21 レンズ保持枠
22 前側保持枠
23 後側保持枠
24 中間保持枠
24A 外周面
26 外周ネジ部
27 前側梁状部
27A、28A 凸部
27B、28B 当接面
27C、28C 傾斜面
28 後側梁状部
127 片持ち梁
127A 凸部
227 両持ち梁
227A 凸部
327 片持ち梁
327A 凸部
427 前側梁状部
427A 凸部
CD 周方向
G1 グラフ
G2 グラフ
OA 光軸
OAD 光軸方向
PD 押し付け方向
PP 点
RD1 径方向
RD2 径方向
TL 下限値
TU 上限値
θ 間隔

Claims (12)

  1. 外筒と、
    レンズ光学系を保持するレンズ保持枠であって、かつ、前記外筒内に収容され、前記外筒に対して前記レンズ光学系の光軸と平行な光軸方向に移動自在なレンズ保持枠と、
    前記レンズ保持枠の少なくとも一部を構成し、可撓性を有する材料で形成され、かつ、筒状をした可撓性枠体部と、
    前記可撓性枠体部と一体に設けられ、弾性変形して復元力を発生した状態で前記外筒の内周面と当接して、前記レンズ保持枠の外周面と前記外筒の内周面との間の隙間に起因して生じる振動を防止する当接部とを備え
    前記当接部は、前記可撓性枠体部の外周面に形成された切り込みで画定される梁状部であり、
    前記梁状部には、前記梁状部の周囲よりも前記外筒の前記内周面に向かって突き出している凸部が形成され、
    前記梁状部は、前記可撓性枠体部の外周面上に複数個設けられ、
    前記光軸方向において前記レンズ光学系の物体側を前側、像側を後側とした場合において、
    前記梁状部は、前記可撓性枠体部の前記光軸方向において間隔を空けてそれぞれ設けられる前側梁状部および後側梁状部を含むレンズユニット。
  2. 前記梁状部は、一端が自由端で他端が固定端となる片持ち梁である請求項に記載のレンズユニット。
  3. 前記片持ち梁において、前記凸部は前記自由端に配置され、梁行き方向と直交する方向が長手方向となる細長形状をしている請求項に記載のレンズユニット。
  4. 前記梁状部は、前記可撓性枠体部の前記光軸回りの周方向に間隔を空けて複数箇所に設けられる請求項に記載のレンズユニット。
  5. 前記梁状部は前記周方向において2箇所に設けられており、
    前記2箇所の各前記梁状部の間隔は、120°以下である請求項に記載のレンズユニット。
  6. 請求項またはに記載のレンズユニットにおいて、
    前記前側梁状部および後側梁状部は、それぞれ、前記光軸回りの周方向に間隔を空けて複数箇所に設けられているレンズユニット
  7. 複数箇所に設けられる前記前側梁状部および後側梁状部の前記周方向の位置は同じである請求項に記載のレンズユニット。
  8. 前記外筒に設けられ、前記光軸を中心とする周方向に回転操作される操作リングであって、回転操作された場合に、前記レンズ保持枠を前記光軸方向に移動させる操作リングを備えており、
    前記可撓性枠体部において、前記前側梁状部または前記後側梁状部の一方が、前記操作リングの内周面と当接する請求項またはに記載のレンズユニット。
  9. 前記操作リングの内周面の少なくとも一部には、前記レンズ保持枠の外周に形成された外周ネジ部と係合する内周ネジ部であって、前記光軸回りの周方向に溝が形成された内周ネジ部を有しており、
    前記前側梁状部または前記後側梁状部の少なくとも一方の梁状部は、前記内周ネジ部と当接し、
    前記内周ネジ部と当接する前記梁状部は、前記レンズ保持枠の光軸方向の位置に応じて前記内周ネジ部との当接位置が変化し、かつ、梁行き方向が前記光軸方向と直交している請求項に記載のレンズユニット。
  10. 前記操作リングの外周面の一点を光軸に向かって径方向に押圧して、前記操作リングの内周面を前記可撓性枠体部の外周面に押し付けて、前記操作リングの周方向の位置を固定する固定ネジが設けられており、
    前記前側梁状部または前記後側梁状部の少なくとも一方の梁状部は、周方向の2箇所に配置されており、
    前記2箇所の各前記梁状部の位置は、前記径方向と一致する、前記固定ネジの押し付け方向に延びる直線を対称軸とする対称位置に配置されており、かつ、前記2箇所の各前記梁状部の間隔は、120°以下である請求項またはに記載のレンズユニット。
  11. 前記凸部において、前記外筒の内周面と当接する面は、前記内周面の形状に合わせて同じ曲率を持つ曲面で形成されている請求項から10のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  12. 前記凸部の周囲は、面取りされている請求項から11のいずれか1項に記載のレンズユニット。
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