JP6740464B2 - アウターロータ型回転電機 - Google Patents
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Description
本願は、2017年11月2日に出願された国際出願PCT/JP2017/039711に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ここで、上記のような回転電機は、小型化、高性能化の要望が高い。また、高性能化を図るために、エンジンや回転電機を冷却するための冷却用ファンを、フライホイールユニットの底部に設けることもある。
また、クランクシャフトを延ばす必要もなく、クランクシャフトの振れ回りを抑制できる。
また、ロータヨークの底部のエンジンとは反対側の面に、冷却用ファンが設けられるので、エンジンとアウターロータ型回転電機との間に冷却用ファンが配置されることもなく、アウターロータ型回転電機のエンジンとは反対側に冷却用ファンを配置できる。
よって、アウターロータ型回転電機を、小型化、高性能化できる。
また、ロータヨークの径方向中央側と比較してロータヨークの外周部の重量をより確実に増大することができる。このため、ロータヨークの慣性力を確実に高めることができる。
また、マグネットカバーを設けた場合であっても、マグネットカバーに形成された孔とロータヨークに形成された連通孔を利用して、ロータヨーク内の水滴等を確実にロータヨークの外側に排出することができる。つまり、連通孔が、排水用孔として機能する。このため、動作不良を確実に防止でき、信頼性の高いアウターロータ型回転電機を提供できる。
また、マグネットカバーを設けた場合であっても、マグネットカバーに形成されたスリットとロータヨークに形成された連通孔を利用して、ロータヨーク内の水滴等を確実にロータヨークの外側に排出することができる。つまり、連通孔が、排水用孔として機能する。また、ロータヨークとマグネットカバーの内フランジ部との間の隙間に、水滴等が溜まってしまうことを確実に防止できる。このため、動作不良を確実に防止でき、信頼性の高いアウターロータ型回転電機を提供できる。
また、クランクシャフトを延ばす必要もなく、クランクシャフトの振れ回りを抑制できる。
また、ロータヨークの底部のエンジンとは反対側の面に、冷却用ファンが設けられるので、エンジンとアウターロータ型回転電機との間に冷却用ファンが配置されることもなく、アウターロータ型回転電機のエンジンとは反対側に冷却用ファンを配置できる。
よって、アウターロータ型回転電機を、小型化、高性能化できる。
また、ロータヨークの径方向中央側と比較してロータヨークの外周部の重量をより確実に増大することができる。このため、ロータヨークの慣性力を確実に高めることができる。
(アウターロータ型回転電機)
図1は、アウターロータ型回転電機1の断面図である。図2は、アウターロータ型回転電機1の分解斜視図である。
図1、図2に示すように、アウターロータ型回転電機(以下、単に回転電機という)1は、例えば、自動二輪車等のエンジン100のクランクケース101に固定されているステータ2と、エンジン100のクランクシャフト102に取付けられるフライホイールユニット3と、フライホイールユニット3に設けられている冷却用ファン4と、を備えている。
なお、以下の説明では、フライホイールユニット3(クランクシャフト102)の回転軸線Cに沿う方向を、単に軸方向、軸方向に直交するフライホイールユニット3の径方向を、単に径方向、軸方向及び径方向に直交するフライホイールユニット3の回転方向を周方向と称する。
ステータ2は、略円環状のステータコア5を有している。このステータコア5が、エンジン100のクランクケース101に、不図示のボルトによって締結固定される。ステータコア5は、例えば、磁性材料の板材を軸方向に積層してなる。しかしながら、これに限られるものではなく、ステータコア5を、例えば、軟磁性粉を加圧成形することにより形成してもよい。
ステータコア5の径方向中央には、軸方向に貫通する貫通孔5aが形成されている。この貫通孔5aには、クランクシャフト102、及び後述のロータボス21が挿通される。クランクシャフト102の先端は、貫通孔5a及びロータボス21を介し、ステータコア5のクランクケース101とは反対側に突出している。
さらに、ステータコア5の外周面には、径方向外側に向かって放射状に突出形成された複数のティース6が設けられている。各ティース6には、これらティース6に装着されているインシュレータ7の上からコイル8が巻回されている。各コイル8の端末部は、クランクケース101側(図1における左側、図2における上側)に向かって引き出されている。
センサケース12には、ボルト14によってステータコア5にセンサケース12を締結固定するための雌ネジ部12aが刻設されている。
図3は、フライホイールユニット3の分解斜視図である。
図1〜図3に示すように、フライホイールユニット3は、ステータ2をクランクケース101とは反対側(ステータコア5の他面5e側)から覆うように、クランクケース101側に開口部20aを有するロータヨーク20を備えている。すなわち、ロータヨーク20は、クランクシャフト102の先端側に外嵌固定されるロータボス21と、ロータボス21のクランクケース101とは反対側端に設けられた略円板状の底部22と、底部22の外周縁からクランクケース101側に向かって屈曲延出し、ステータコア5の外周面を覆う略円筒状の側部23と、を有している。そして、側部23の底部22と反対側の周縁が、ロータヨーク20の開口部20aとして構成される。
ここで、底部側連結部28の屈曲部における外側の曲率半径R1は、できる限り小さく設定することが望ましい。このように曲率半径R1を設定することにより、底部側連結部28の内周面の面積をできる限り大きく確保することができる。これにより、底部側連結部28の内周面とロータボス21の外周面との接触面積をできる限り大きく確保できる。大きく確保できる分、ロータボス21と取付座27とを確実に固定できる。
さらに、底部22には、貫通孔32よりも若干外周寄りに、複数の取付ボス40が周方向に等間隔で形成されている。取付ボス40は、底部22にプレス加工を施すことにより、クランクケース101側に向かって突出形成されている。取付ボス40は、後述のマグネットカバー35を固定するためのものである。
すなわち、凸部31は、クランクケース101側が開口された断面略C字状に形成されており、底部22から軸方向に沿って、且つクランクケース101とは反対側に向かって立ち上がる内側壁31aと、内側壁31aの先端から径方向外側に向かって屈曲延出する平坦な横壁31bと、横壁31bと、横壁31bの径方向外側端から軸方向に沿って、且つクランクケース101側に向かって屈曲延出する外側壁31cと、により構成されている。
ここで、凸部31は、底部22にプレス加工を施して屈曲形成してなるので、底部22と内側壁31aとの屈曲部の外側の曲率半径R2は、できる限り大きく設定することが望ましい。このように曲率半径R2を設定することにより、底部22、及び内側壁31aの肉厚をできる限り厚く設定することが可能になる。
底部22には、冷却用ファン4を締結固定するための雌ネジ部43が、周方向に等間隔で複数(例えば、本第1実施形態では3個)形成されている。
ここで、各マグネット34の間の隙間の数と、ロータヨーク20に形成されている治具用孔33の数は一致している。また、各マグネット34の間の隙間は、治具用孔33の周方向中央に位置している。
マグネットカバー35は、各マグネット34の内周面を覆うカバー本体36と、カバー本体36におけるロータヨーク20の底部22側端から径方向内側に向かって張り出す内フランジ部37と、カバー本体36におけるロータヨーク20の開口部20a側端から径方向外側に向かって張り出す外フランジ部38と、により構成されている。
また、内フランジ部37の当接部52には、ロータヨーク20の底部22に形成された取付ボス40に対応する位置に、この取付ボス40に嵌合可能な嵌合孔39が形成されている。嵌合孔39に取付ボス40を取付けた後、取付ボス40をカシメることによりロータヨーク20にマグネットカバー35が固定される。
次に、フライホイールユニット3の組立方法について説明する。
図4は、フライホイールユニット3の組立方法の途中工程を示す説明図であって、ロータヨーク20の側部23を内周面側からみた平面図である。
同図に示すように、まず、ロータヨーク20の凸部31に形成された各治具用孔33に、治具Zの位置決め突起Ztを、ロータヨーク20の開口部20aとは反対側の一面22a側(図3参照、図4における下側)から挿入する。
ロータヨーク20の治具用孔33に位置決め突起Ztが挿入されることにより、位置決め突起Ztに対するロータヨーク20の周方向の位置決めが行われる。また、ロータヨーク20は、凸部31の横壁31bが治具Zの不図示の台、又は作業台上に載置されることにより、治具Zに対するロータヨーク20の軸方向の位置決めが行われる。このため、横壁31bの平面度をできる限り高くすることが望ましい。横壁31bの平面度を高めることにより、治具Zに対してロータヨーク20が傾いてしまうことをできる限り抑制できる。
この後、ロータヨーク20にマグネットカバー35を取り付ける。これにより、フライホイールユニット3の組立てが完了する。
次に、回転電機1の動作について説明する。
まず、エンジンの回転運動の一部を電気エネルギーに変換する発電機能について説明する。
クランクシャフト102が回転すると、クランクシャフト102と一体となってフライホイールユニット3が回転する。すると、ステータ2のティース6を通過するフライホイールユニット3のマグネット34の磁束が変化する。この磁束の変化が起電力となって、ステータ2のコイル8に電流が発生する。コイル8に発生する電流は、不図示のバッテリに蓄電されたり、不図示の付属電機機器に電力供給を行ったりする用途に用いられる。
回転電機1によってエンジン100を始動する際、バッテリに蓄電された電流を選択的にコイル8に供給する。いずれのコイル8に電流を供給するかは、位置検出センサ11によるフライホイールユニット3の回転位置の検出結果に基づいて制御される。
コイル8に電流を供給すると、所定のティース6に磁束が形成され、この磁束とフライホイールユニット3のマグネット34との間に、磁気的な吸引力や反発力が生じる。この結果、フライホイールユニット3が回転し、さらにクランクシャフト102が回転する。これにより、エンジン100が始動される。
ここで、ロータヨーク20に凸部31が形成されているので、ロータヨーク20が回転し始めると大きな慣性力を得ることができる。この慣性力を利用してクランクシャフト102を効率よく回転させることができる。
また、ロータヨーク20の慣性力を高めるために、ロータヨーク20全体の重量を増大する必要がない。このため、ロータヨーク20の大型化を抑制できる。よって、このロータヨーク20を取り付けるためにクランクシャフト102を延ばす必要もなく、クランクシャフト102の振れ回りを抑制できる。
しかも、ロータヨーク20の凸部31の径方向内側に形成される凹部41を、冷却用ファン4を収納する冷却用ファン収納凹部42として機能させている。このため、ロータヨーク20に冷却用ファン4を設けた場合であっても、回転電機1の全体の軸長をできる限り抑えることができる。
また、凸部31の横壁31bには、複数の治具用孔33が周方向に等間隔で形成されている。そして、これら治具用孔33に、ロータヨーク20の一面22a側から治具Zの位置決め突起Ztを挿入し、ロータヨーク20に対するマグネット34の位置決めを行っている。このように、ロータヨーク20の底部22の外側(一面22a側)からマグネット34の治具Zを挿通できるので、この治具Zの使用を容易化できる。このため、ロータヨーク20へのマグネット34の組み付けを容易化できる。
ここで、ロータヨーク20は、ステータ2のクランクケース101とは反対側からステータ2を覆うように設けられている。このため、クランクシャフト102に外嵌固定されるロータボス21と連結される取付座27をクランクケース101側にずらすことにより、クランクケース101から突出しているクランクシャフト102をできるだけ短く設定できる。よって、クランクシャフト102の振れ回りを確実に抑制でき、回転電機1を、より確実に小型化、高性能化できる。
次に、図1、図3、図4を援用し、図5、図6に基づいて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、前述の第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する。
図5は、第2実施形態における回転電機201を自動二輪車200の車体202に取り付けた状態を、車体202の進行方向後方からみた平面図である。なお、図5では、サイドスタンド203を使用して車体202を停止させた状態を示している。
水抜き孔204は、内フランジ部237の傾斜部51に形成されている。水抜き孔204は、平面視で略円形状に形成されている。スリット205は、内フランジ部237の当接部52における内周縁から径方向外側に延出形成されている。スリット205は、内フランジ部237の当接部52における内周縁から傾斜部51の当接部52側に至る間に形成されている。また、スリット205は、傾斜部51に向かうに従って徐々に先細りとなるように形成されている。
例えば、上述の実施形態では、自動二輪車200等のエンジン100に回転電機1,201を取付けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな機器に回転電機1,201を利用することが可能である。
また、上述の第1実施形態では、底部22の径方向中央に形成された取付座27を、底部22から僅かにクランクケース101側にずらして形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、必要に応じて底部22と取付座27とを同一平面上に形成してもよい。
また、ロータヨーク全体の重量を増大する必要がないので、ロータヨークの大型化を抑制できる。このため、クランクシャフトを延ばす必要もなく、クランクシャフトの振れ回りを抑制できる。
また、ロータヨークの底部のエンジンとは反対側の面に、冷却用ファンが設けられるので、エンジンとアウターロータ型回転電機との間に冷却用ファンが配置されることもなく、アウターロータ型回転電機のエンジンとは反対側に冷却用ファンを配置できる。
よって、アウターロータ型回転電機を、小型化、高性能化できる。
Claims (10)
- エンジンに固定されるステータと、
エンジンのクランクシャフトに取付けられ、前記ステータを前記エンジンとは反対側から覆うロータヨークと、
を備え、
前記ロータヨークは、
前記クランクシャフトに外嵌固定されるロータボスと、
前記ロータボスの前記エンジンとは反対側端に設けられ、前記クランクシャフトの回転軸線と同軸に形成された円板状の底部と、
前記底部の外周縁から前記エンジン側に屈曲延出され、前記ステータの外周面を覆うとともに、内周面に複数のマグネットが等間隔に設けられた側部と、
を備え、
前記底部の前記エンジンとは反対側の面には、前記底部の外周部全体に渡って、且つ前記エンジンとは反対側に突出する凸部が設けられており、
前記底部の前記エンジンとは反対側の面には、前記凸部の径方向内側に、冷却用ファンが設けられている
アウターロータ型回転電機。 - 前記凸部において、隣接する前記複数のマグネット同士の中間に対応するそれぞれの位置に、連通孔を複数形成した
請求項1に記載のアウターロータ型回転電機。 - 前記底部の径方向中央に、該底部と前記ロータボスとを連結するための取付孔を有する取付座が設けられており、
前記取付座は、前記底部よりも前記エンジン側にずれて配置されている
請求項1又は請求項2に記載のアウターロータ型回転電機。 - 前記ロータヨークにおける前記底部の内面に固定されるとともに、前記マグネットを内周面側から覆って前記マグネットを保持するマグネットカバーを備え、
前記マグネットカバーには、前記ロータヨークの径方向内側と前記ロータヨークの前記連通孔とを連通させる孔が形成されている
請求項2に記載のアウターロータ型回転電機。 - 前記マグネットカバーは、
前記マグネットの内周面を覆うカバー本体と、
前記カバー本体における前記ロータヨークの前記底部側端から径方向内側に向かって張り出す内フランジ部と、
前記カバー本体における前記ロータヨークの開口部側端から径方向外側に向かって張り出す外フランジ部と、
を備え、
前記内フランジ部が前記底部の前記内面に固定されるとともに、前記内フランジ部に前記孔が形成されている
請求項4に記載のアウターロータ型回転電機。 - 前記孔は、径方向で前記マグネットと重ならない位置に形成されている
請求項4又は請求項5に記載のアウターロータ型回転電機。 - 前記ロータヨークにおける前記底部の内面に固定されるとともに、前記マグネットを内周面側から覆って前記マグネットを保持するマグネットカバーを備え、
前記マグネットカバーには、前記ロータヨークの径方向内側と前記ロータヨークの前記連通孔とを連通させるスリットが形成されている
請求項2に記載のアウターロータ型回転電機。 - 前記マグネットカバーは、
前記マグネットの内周面を覆うカバー本体と、
前記カバー本体における前記ロータヨークの前記底部側端から径方向内側に向かって張り出す内フランジ部と、
前記カバー本体における前記ロータヨークの開口部側端から径方向外側に向かって張り出す外フランジ部と、
を備え、
前記内フランジ部が前記底部の前記内面に固定されるとともに、前記内フランジ部に前記スリットが形成されている
請求項7に記載のアウターロータ型回転電機。 - 前記スリットは、径方向で前記マグネットと重ならない位置に形成されている
請求項7又は請求項8に記載のアウターロータ型回転電機。 - 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のアウターロータ型回転電機と、
前記アウターロータ型回転電機が取り付けられた車体と、
前記車体の車幅方向外側に設けられたサイドスタンドと、
を備え、
前記アウターロータ型回転電機と前記サイドスタンドとが、前記車体の車幅方向の同一側面に配置されている
自動二輪車。
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