JP6740381B2 - 合成・分配器 - Google Patents

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Description

本開示は合成・分配器に関し、例えばバランを備える合成・分配器に適用可能である。
バラン(Balun:平衡−不平衡(Balance-Unbalance)変換器)を備えた合成器または分配器はマイクロ波等の高周波の電力増幅等において、その合成または分配に用いられる。なお、合成器は入力端を出力端とし、かつ出力端を入力端として用いれば、分配器として機能するものであるため、以下では、「合成器」および「分配器」の両者を「合成・分配器」という。
国際公開第2016/151726号 特開2001−36310号公報
本開示の課題はバランを備えた合成・分配器に適した技術を提供することにある。
本開示のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、合成・分配器は、第一ポートと、第二ポートと、第三ポートと、前記第一ポートと前記第二ポートとの間に設けられる第一インピーダンス変換器と、前記第一ポートと前記第三ポートとの間に設けられる第二インピーダンス変換器と、前記第二ポートと前記第三ポートとの間に設けられるアイソレーション部と、を備える。前記アイソレーション部は、第一セミリジットケーブルと第二セミリジットケーブルとで構成されるバランと、複数の終端抵抗と、を備える。前記複数の終端抵抗のそれぞれの一端は前記バランに接続され、前記複数の終端抵抗のそれぞれの他端は接地される。前記第一インピーダンス変換器、前記第二インピーダンス変換器および前記第三インピーダンス変換器のそれぞれの線路長は中心周波数の波長の1/4である。前記第二ポートおよび前記第三ポートのインピーダンスをRi、前記第一ポートのインピーダンスをRo、前記第一インピーダンス変換器および前記第二インピーダンス変換器のインピーダンスをWとすると、W=(2×Ri×Ro)1/2の関係にある。
上記合成・分配器によれば、高電力であって特性の劣化を低減することが可能となる。
図1は比較例1に係るウィルキンソン型合成器の構成を示す図である。 図2は図1のウィルキンソン型合成器において、アイソレーション抵抗に吸収される電力が最大となる場合を示す図である。 図3Aは図1のウィルキンソン型合成器における通過特性(アイソレーション抵抗に理想抵抗を用いる場合)のシミュレーション結果を示す図である。 図3Bは図1のウィルキンソン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性(アイソレーション抵抗に理想抵抗を用いる場合)のシミュレーション結果を示す図である。 図4Aは図1のウィルキンソン型合成器における通過特性(アイソレーション抵抗に定格電力の小さな抵抗を用いる場合)のシミュレーション結果を示す図である。 図4Bは図1のウィルキンソン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性(アイソレーション抵抗に定格電力の小さな抵抗を用いる場合)のシミュレーション結果を示す図である。 図5Aは図1のウィルキンソン型合成器における通過特性(アイソレーション抵抗に定格電力の大きな抵抗を用いる場合)のシミュレーション結果を示す図である。 図5Bは図1のウィルキンソン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性(アイソレーション抵抗に定格電力の大きな抵抗を用いる場合)のシミュレーション結果を示す図である。 図6は実施例に係るウィルキンソン型合成器の構成を示す図である。 図7Aは図6のウィルキンソン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を示す図である。 図7Bは図6のウィルキンソン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す図である。 図8Aは理想抵抗を使用したウィルキンソン型合成器の通過特性のシミュレーション結果を広帯域に示す図である。 図8Bは図6のウィルキンソン型合成器の通過特性のシミュレーション結果を広帯域に示す図である。 図9は変形例1に係るウィルキンソン型合成器の構成を示す図である。 図10Aは図9のウィルキンソン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を示す図である。 図10Bは図9のウィルキンソン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す図である。 図10Cは図9のウィルキンソン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を広帯域示す図である。 図11は図6のウィルキンソン型合成器で使用した耐電力が高い終端抵抗の周波数特性を示すスミスチャートである。 図12Aは図6のウィルキンソン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を示す図である。 図12Bは図6のウィルキンソン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す図である。 図12Cは図6のウィルキンソン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を広帯域示す図である。 図13は実施例2に係るウィルキンソン型合成器の構成を示す図である。 図14Aは図13のウィルキンソン型合成器において終端抵抗を4個使用する場合の通過特性のシミュレーション結果を示す図である。 図14Bは図13のウィルキンソン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す図である。 図14Cは図13のウィルキンソン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を広帯域示す図である。 図15は図14のウィルキンソン型合成器で使用した終端抵抗の周波数特性を示すスミスチャートである。 図16は変形例2に係るウィルキンソン型合成器の構成を示す図である。 図17Aは図16のウィルキンソン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を示す図である。 図17Bは図16のウィルキンソン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す図である。 図17Cは図16のウィルキンソン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を広帯域示す図である。 図18は変形例3に係るウィルキンソン型合成器の構成を示す図である。 図19Aは図18のウィルキンソン型合成器において終端抵抗を4個使用する場合の通過特性のシミュレーション結果を示す図である。 図19Bは図18のウィルキンソン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性を示す図である。 図19Cは図18のウィルキンソン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を広帯域示す図である。 図20は比較例2に係るバラン型合成器の構成を示す図である。 図21Aは図20のバラン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を示す図である。 図21Bは図20のバラン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す図である。 図22は実施例3に係るバラン型合成器の構成を示す図である。 図23Aは図22のバラン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を示す図である。 図23Bは図22のバラン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す図である。
以下、実施形態、実施例および変形例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。
<実施形態1>
(比較例1)
合成・分配器にはウィルキンソン型合成・分配器がある。本願発明者らが本願に先立って検討した技術(比較例1)に係るウィルキンソン型合成器について図1、2を用いて説明する。図1は比較例1に係るウィルキンソン型合成器の構成を示すブロック図である。図2は図1のウィルキンソン型合成器において、アイソレーション抵抗に吸収される電力が最大となる場合を示す図である。
ウィルキンソン型合成器は第一ポート1と第二ポート2との間に第一インピーダンス変換器4を有し、第一ポート1と第三ポート3との間に第二インピーダンス変換器5を有し、第二ポート2と第三ポート3との間にアイソレーション抵抗6を有する。第一ポート1が出力ポートであり、第二ポート2および第三ポート3が入力ポートである。
図1において、第二ポート2および第三ポート3のそれぞれの入力端のインピーダンスをRi、第一ポート1の出力端のインピーダンスをRo、中心周波数をfcとすると、第一インピーダンス変換器4および第二インピーダンス変換器5のそれぞれのインピーダンス(W)およびアイソレーション抵抗6のインピーダンス(R)は下記の式(1)と式(2)で与えられる。
W=(2RiRo)1/2 ・・・(1)
R=2Ri ・・・(2)
ここで、インピーダンス変換器4,5の線路長はfcにおける1波長(λ)の1/4の長さ(λ/4)である。
アイソレーション抵抗6には入力ポート間(第二ポート2と第三ポート3との間)のアイソレーションを取る役割があり、また入力電力に振幅や位相のアンバランスが生じた時の合成損失を吸収する役割も有している。
アイソレーション抵抗6が吸収する合成損失が最大になる場合が、入力ポートの片側の入力がオフ(OFF)になる場合である。
図2において、第二ポート2(第一の入力ポート)の入力電力はX(W)、第三ポート3(第二の入力ポート)はOFFとなっている。この場合、入力電力の半分(X/2(W))は第一ポート1(出力ポート)から出力され、もう半分(X/2(W))は合成損としてアイソレーション抵抗6に吸収されることになる。
このように、アイソレーション抵抗6は最大で入力電力の1/2が合成損として吸収されることになり、合成器の電力が大きくなるにつれてアイソレーション抵抗6の定格電力も大きくする必要が出てくる。例えば、第二ポート2に100Wの電力が入力され、第三ポート3に電力が入力されない場合、アイソレーション抵抗に50Wの電力が吸収されることになる。
ここで問題になってくるのがアイソレーション抵抗6が有する寄生成分である。アイソレーション抵抗6の定格電力が上がると寄生成分も大きくなり、寄生成分が大きくなると高い周波数ではアイソレーション抵抗として機能しなくなってしまう。
例として、図1のウィルキンソン型合成器において、第二ポート2および第三ポート3のそれぞれの入力端のインピーダンス、第一ポート1の出力端のインピーダンスともに50Ω、1GHzの中心周波数で最適化した場合の特性について図3A、3B、4A、4B、5A、5Bを用いて説明する。インピーダンス変換器4、5の線路長はfc=1GHzにおけるλ/4となるように調整されている。Ri=Ro=50Ωであるので、式(1)より、W=(2×50×50)1/2≒70.7Ωであり、式(2)より、R=2×50=100Ωである。
図3Aはアイソレーション抵抗に理想抵抗を用いた場合の通過特性のシミュレーション結果を示す図である。図3Bはアイソレーション抵抗に理想抵抗を用いた場合の反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す。図4Aはアイソレーション抵抗が定格電力の小さな抵抗を用いた場合の通過特性のシミュレーション結果を示し、図4Bはアイソレーション抵抗が定格電力の小さな抵抗を用いた場合の反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す。図5Aはアイソレーション抵抗に定格電力の大きな抵抗を用いた場合の通過特性のシミュレーション結果を示し、図5Bはアイソレーション抵抗に定格電力の大きな抵抗を用いた場合の反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示している。なお、図3A、4A、5Aにおいて第二ポート2と第一ポート1間の通過損失(S(2,1))を示しているが、第三ポート3から見た回路と等価であり特性的には理論上合致するので、シミュレーション結果を示す図では第三ポート3と第一ポートの通過損失(S(3,1))を省略すると共に、その説明も省略する。図7A、8A、8B、10A、10C、12A、12C、14A、14C、17A、17C、19A、19Cも同様である。
アイソレーション抵抗6に理想抵抗を用いる場合は、図3A、3Bに示すように、通過特性、反射特性、アイソレーション特性ともに申し分ない特性となっている。
第二ポート2と第一ポート1間の通過損失(S(2,1))は−3.0〜−3.1dB程度である。なお、S(2,1)は絶対値が小さいほど特性が良い。
第一ポート1の反射損失(S(1,1))は−20〜−55dB程度である。第二ポート2の反射損失(S(2,2))は−40〜−60dB程度である。第三ポート3の反射損失(S(3,3))は−40〜−60dB程度である。なお、S(1,1)、S(2,2)、S(3,3)は絶対値が大きいほど特性が良い。
第二ポート2と第三ポート3間のアイソレーション(S(2,3))は−20〜−55dB程度である。なお、S(2,3)は絶対値が大きいほど特性が良い。
アイソレーション抵抗6に定格電力の小さな抵抗を用いる場合は、図4A、4Bに示すように、理想抵抗を用いる場合と比較して通過損失が増え、反射特性とアイソレーション特性も劣化している。S(2,1)は−3.4〜−3.5dB程度である。S(1,1)は−15〜−25dB程度である。S(2,2)は−20dB程度である。S(3,3)は−20dB程度である。S(2,3)は−15〜−25dB程度である。
アイソレーション抵抗6に定格電力の大きな抵抗を用いた場合は、図5A、5Bに示すように、合成器と呼べないほど特性が劣化している。S(2,1)は−8〜−15dB程度である。S(1,1)は−2〜−3.5dB程度である。S(2,2)は−4〜−5dB程度である。S(3,3)は−4〜−5dB程度である。S(2,3)は−16〜−19dB程度である。
図5A、5Bで示すように、アイソレーション抵抗6は定格電力が高くなると寄生成分が特性に大きく悪影響を与えてしまう。このことが高い電力のウィルキンソン型合成器を実現することを困難にさせている。合成器だけでなく分配器でも同様であり、定格電力の大きなアイソレーション抵抗が特性に悪影響を及ぼすので高い電力のウィルキンソン分配器を実現することを困難にしている。
実施例1に係るウィルキンソン型合成器について図6、7A、7B、8A、8Bを用いて説明する。図6は実施例1に係るウィルキンソン型合成器の構成を示す図である。
図6に示すように、ウィルキンソン型合成器10は第一ポート1と第二ポート2との間に合成器7とインピーダンス変換器4と分岐器8とを有し、第一ポート1と第三ポート3との間に合成器7とインピーダンス変換器5と分岐器9とを有し、第二ポート2と第三ポート3との間にアイソレーション抵抗6を有する。第一ポート1が出力ポートであり、第二ポート2および第三ポート3が入力ポートである。
第二ポート2および第三ポート3のそれぞれの入力のインピーダンスをRi、第一ポート1の出力のインピーダンスをRo、中心周波数をfcとすると、インピーダンス変換器4、5のインピーダンス(W)は上記の式(1)で与えられる。
ウィルキンソン型合成器10ではアイソレーション抵抗6はバラン61とインピーダンス変換器64と終端抵抗65で構成されている。バラン61はセミリジットケーブル(Semi-rigid Cable)62、63で構成される。セミリジットケーブル62,63は外部導体が銅やニッケル、ステンレスなどのパイプでできた同軸線で、最終的に使用する形状に簡単に曲げられ、曲げられた後もその形を維持するケーブルである。セミリジットケーブル62の内部導体の一端は第二ポート2に、他端はセミリジットケーブル63の外部導体の一端に接続される。セミリジットケーブル62の外部導体は接地される。セミリジット同軸ケーブル63の内部導体の一端は接地され、他端は第三ポート3に接続される。セミリジットケーブル63の外部導体の他端は接地される。セミリジットケーブル62の内部導体の他端はインピーダンス変換器64の一端に接続され、インピーダンス変換器64の他端は終端抵抗65の一端に接続され、終端抵抗65の他端は接地される。
セミリジットケーブル62、63のインピーダンスをB、終端抵抗65のインピーダンスをT、インピーダンス変換器64のインピーダンスをIとすると、Iの値は下記の式(3)で与えられる。
I=(BT/2)1/2 ・・・(3)
なお、セミリジットケーブル62、63のそれぞれの線路長とインピーダンス変換器65の線路長はfcにおける1波長(λ)の1/4の長さ(λ/4)になるよう長さを調整されている。
次に、図6のウィルキンソン型合成器10の特性について図7A、7Bを用いて説明する。図7Aは図6のウィルキンソン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を示す図である。図7Bは図6のウィルキンソン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す図である。
シミュレーションにおけるウィルキンソン型合成器10の各条件は下記のとおりである。
Ro=50Ω、Ri=50Ω、W=70.7Ω、B=50Ω、T=50Ω、I=35.35Ω、fc=1GHzである。なお、終端抵抗65は、定格電力の大きなものを使用している。
図7A、7Bに示すように、ウィルキンソン型合成器10の特性は図4A、4Bの理想抵抗を用いた時と比べても遜色がない。S(2,1)は−3.1dB程度である。S(1,1)は−20〜−50dB程度である。S(2,2)は−20〜−30dB程度である。S(3,3)は−20〜−30dB程度である。S(2,3)は−20〜−30dB程度である。
ウィルキンソン型合成器において実施例1(図6)の構成にすることで、今までは実現が困難であった高電力のウィルキンソン型合成器を実現することが可能になる。
さらに、実施例1のウィルキンソン型合成器を利用する利点として、高調波の帯域をフィルタする機能を有していることが挙げられる。図8Aは図1のウィルキンソン型合成器においてアイソレーション抵抗に理想抵抗を使用した場合の通過特性を広帯域で示す図である。図8Bは図6のウィルキンソン型合成器の通過特性を広帯域で示す図である。
比較例1(図1)のウィルキンソン型合成器においてアイソレーション抵抗に理想抵抗を使用したときの通過特性では、1GHzで最適化されているが、2GHz、4GHz、6GHzの偶数次(2次、4次、6次・・・)の高調波帯域はほぼ減衰されずそのまま出力している。実施例1(図6)のウィルキンソン型合成器の通過特性では、2GHz、4GHz、6GHzの偶数次の高調波帯域が−40dB程度に減衰されている(フィルタされている)のが分かる。これはアイソレーション抵抗にバランを組み込んでいるためで、バランが有するフィルタ機能を実施例1でも得られていることになる。
合成器が用いられる電力増幅装置の出力には、出力波から不要波を除去するために帯域外フィルタを挿入する必要があるが、実施例1を適用することで高調波が減衰されるため帯域外フィルタの仕様を緩和することが可能である。
(変形例1)
変形例1に係るウィルキンソン型合成器について図9を用いて説明する。図9は変形例1に係るウィルキンソン型合成器の構成を示す図である。
変形例1に係るウィルキンソン型合成器10Aは実施例1のウィルキンソン型合成器10からインピーダンス変換器64を削除した構成である。インピーダンス変換器64を削除するためには、セミリジットケーブル62、63のインピーダンスをBとし、終端抵抗65のインピーダンスをTとする場合、下記の式(4)を満足する必要ある。
B/2=T ・・・(4)
次に、ウィルキンソン型合成器10Aの特性について図10A、10B、10Cを用いて説明する。図10Aは図9のウィルキンソン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を示す図である。図10Bは図9のウィルキンソン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す図である。図10Cは図9のウィルキンソン型合成器の通過特性を広帯域で示す図である。
シミュレーションにおけるウィルキンソン型合成器10Aの各条件は下記のとおりである。
Ro=50Ω、Ri=50Ω、B=100Ω、T=50Ω、W=70.7Ω、fc=1GHzである。なお、終端抵抗65は、定格電力の大きなものを使用している。
図10A、10Bに示すように、ウィルキンソン型合成器10Aの特性は実施例1(図7A、7B)と比べると入力ポートの反射特性とアイソレーション特性が若干悪くなっているが、その他特性は遜色がない。S(2,1)は−3.05dB程度である。S(1,1)は−25〜−50dB程度である。S(2,2)は−14dB程度である。S(3,3)は−14dB程度である。S(2,3)は−15dB程度である。
S(2,2)、S(3,3)、S(2,3)が実施例1(図7B)と比べて5〜15dBほど悪くなっているが、それでも実用可能な水準である。変形例1のウィルキンソン型合成器は1GHzで最適化されているが、通過損失(S(2,1))は実施例1(図8B)と同様に2GHz、4GHz、6GHzで−30dB程度に大きく減衰していることが確認できる。偶数次の高調波帯域が減衰されている(フィルタされている)のが分かる。
変形例1の構成はインピーダンス変換器64を配置するスペースが無い場合に有効である。
(実施例1および変形例1の課題)
図11はシミュレーションで使用した定格電力の大きい終端抵抗のインピーダンスを示すスミスチャートである。終端抵抗65(理想:50Ω)は周波数を上げていくと理想の50Ωから外れていく。100MHz(m1)ではほぼ50Ωであり、1GHz(m2)ではまだ50Ωに近い特性になっているが、それ以上に周波数を上げていくと50Ωからずれてきて2GHz(m3)となると50Ωから大きく外れてしまう。
2GHzで最適化したウィルキンソン型合成器の特性について図12A、12B、12Cを用いて説明する。
実施例1(図6)のウィルキンソン型合成器において、W、B、Iの線路長のλ/4を2GHzで最適化し、Ro=50Ω、Ri=50Ω、W=70.7Ω、T=50Ω、B=50Ω、I=35.35Ω、終端抵抗は図6と同じ定格電力の大きなものをシミュレーションに使用している。
通過特性と出力ポートの反射特性は図7A、7Bと比較して遜色ない。しかし入力ポートの反射特性とアイソレーション特性については図7A、7Bと比較すると大きく劣化しているのが確認できる。
S(2,1)は−3.05dB程度である。S(1,1)は−30〜−55dB程度である。S(2,2)は−7dB程度である。S(3,3)は−7dB程度である。S(2,3)は−7dB程度である。
S(2,1)、S(1,1)は図7A、7Bと同等であるが、S(2,2)、S(3,3)、S(2,3)は図7Bと比較して7dB程度劣化している。なお、ウィルキンソン型合成器は2GHzで最適化されているが、通過損失(S(2,1))は実施例1(図8B)と同様に4GHz、8GHz、12GHzで−40dB程度に大きく減衰していることが確認できる。偶数次(2次、4次、6次・・・)の高調波帯域が減衰されている(フィルタされている)のが分かる。
高出力の合成器、分配器において、入力ポートの反射損失とアイソレーションが−10dB程度というのは十分ではない。このように、実施例1(図6)の構成では周波数が上がった場合に良好な特性を実現できなくなる場合が出てくる。
実施例2に係るウィルキンソン型合成器について図13、14A、14B、14C、15を用いて説明する。図13は実施例2に係るウィルキンソン型合成器の構成を示す図である。
図13に示すように、ウィルキンソン型合成器10Bは第一ポート1と第二ポート2との間に合成器7とインピーダンス変換器4と分岐器8とを有し、第一ポート1と第三ポート3との間に合成器7とインピーダンス変換器5と分岐器9とを有し、第二ポート2と第三ポート3との間にアイソレーション抵抗6を有する。第一ポート1が出力ポートであり、第二ポート2および第三ポート3が入力ポートである。
第二ポート2および第三ポート3のそれぞれの入力のインピーダンスをRi、第一ポート1の出力のインピーダンスをRo、中心周波数をfcとすると、インピーダンス変換器4、5のインピーダンス(W)は上記の式(1)で与えられる。
ウィルキンソン型合成器10Bではアイソレーション抵抗6はバラン61とN個のインピーダンス変換器64とN個の終端抵抗65で構成されている。
実施例1(図6)の構成ではインピーダンス変換器64と終端抵抗65は各1個であったが、実施例2(図13)の構成ではインピーダンス変換器64と終端抵抗65の組み合わせをN個使用している。
インピーダンス変換器64のインピーダンスをIとすると、Iは下記の式(5)で与えられる。
I=(BTN/2)1/2 ・・・(5)
この構成にすると終端抵抗65の数をN個に増やせるので、終端抵抗65の耐電力を所要の値の1/Nに下げることが可能になっている。
次に、ウィルキンソン型合成器10Aの特性について図14A、14B、14Cを用いて説明する。図14Aは図13のウィルキンソン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を示す図である。図14Bは図13のウィルキンソン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す図である。図14Cは図13のウィルキンソン型合成器の通過特性を広帯域で示す図である。
シミュレーションにおけるウィルキンソン型合成器10Bの各条件は下記のとおりである。
Ro=50Ω、Ri=50Ω、W=70.7Ω、B=50Ω、T=50Ω、N=4、I=70.7Ω、fc=2GHzである。このとき、終端抵抗8は4個使用しているので、必要となる耐電力は実施例1(図6)で使用した終端抵抗の1/4となっている。
図14A、14Bのとおり、通過特性、反射特性、アイソレーション、すべてにおいて良好な特性となっている。S(2,1)は−3.05dB程度である。S(1,1)は−30〜−55dB程度である。S(2,2)は−30〜−40dB程度である。S(3,3)は−30〜−40dB程度である。S(2,3)は−33〜−52dB程度である。
実施例2のウィルキンソン型合成器は2GHzで最適化されているが、通過損失(S(2,1))は実施例1(図8B)と同様に4GHz、8GHzで−40dB程度に大きく減衰していることが確認できる。偶数次の高調波帯域が減衰されている(フィルタされている)のが分かる。このように、終端抵抗を複数個使う構成でも偶数次の高調波帯域はフィルタされている。
終端抵抗65は耐電力が上がるとそれに伴い寄生成分も大きくなってくる。そのため終端抵抗65の数を増やし、その分だけ各終端抵抗の耐電力を下げることによって寄生成分の影響を小さくしているのが実施例2(図13)の構成である。
図15は図6で使用した終端抵抗の耐電力の1/4の終端抵抗のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。図11のほうは2GHzとなると50Ωから外れた位置にインピーダンスがあるが、図15のほうは2GHzにおいても50Ωに近い位置にインピーダンスが存在する。
実施例2(図13)の構成で必要な数だけ終端抵抗の数を増やすことで高い周波数でかつ高電力のウィルキンソン型合成器を実現することが可能となる。
(変形例2)
変形例2に係るウィルキンソン型合成器について図16、17A、17B、17Cを用いて説明する。図16は変形例2に係るウィルキンソン型合成器の構成を示す図である。
変形例2に係るウィルキンソン型合成器10Cは実施例2のウィルキンソン型合成器10Bからインピーダンス変換器64を削除した構成である。実施例2(図13)の構成においても、変形例1(図9)のようにインピーダンス変換器64を削除できる組み合わせが存在する。セミリジットケーブル62、63のインピーダンスをB、終端抵抗65のインピーダンスをT、終端抵抗65の数をNとすると、下記の式(6)の条件を満たす場合にインピーダンス変換器64が削除可能となる。
B/2=T/N ・・・(6)
次に、ウィルキンソン型合成器10Cの特性について図17A、17B、17Cを用いて説明する。図17Aは図16のウィルキンソン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を示す図である。図17Bは図16のウィルキンソン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す図である。図17Cは図16のウィルキンソン型合成器の通過特性を広帯域で示す図である。
シミュレーションにおけるウィルキンソン型合成器10Cの各条件は下記のとおりである。
Ro=50Ω、Ri=50Ω、W=70.7Ω、B=50Ω、T=50Ω、N=2、fc=2GHzである。なお、終端抵抗65の耐電力は、実施例1(図6)の1/2のものを使用している。
図17A、17Bに示すように、変形例2(図16)のウィルキンソン型合成器10Cは実施例2(図13)のウィルキンソン型合成器10Bと比較して遜色ない特性を有している。S(2,1)は−3.05dB程度である。S(1,1)は−30〜−54dB程度である。S(2,2)は−25〜―67dB程度である。S(3,3)は−25〜―67dB程度である。S(2,3)は−30〜−53dB程度である。
変形例2のウィルキンソン型合成器は2GHzで最適化されているが、通過損失(S(2,1))は実施例2(図14C)と同様に4GHz、6GHz、12GHzで−40dB程度に大きく減衰していることが確認できる。偶数次の高調波帯域が減衰されている(フィルタされている)のが分かる。
変形例2(図16)の構成はインピーダンス変換器を配置するスペースが無い場合に有効である。
(変形例3)
変形例3に係るウィルキンソン型合成器について図18、19A、19B、19Cを用いて説明する。図18は変形例に係るウィルキンソン型合成器の構成を示す図である。
実施例2(図13)に係るウィルキンソン型合成器10Bの構成ではインピーダンス変換器64と終端抵抗65をそれぞれN個配置していたが、変形例3に係るウィルキンソン型合成器10Dはインピーダンス変換器64を1つにまとめたものである。
インピーダンス変換器64のインピーダンスをIとすると、Iは下記式(7)の条件を満たす場合にインピーダンス変換器64を一つにまとめることが可能となる。
I=(BT/2N)1/2 ・・・(7)
次に、ウィルキンソン型合成器10Dの特性について図19A、19B、19Cを用いて説明する。図19Aは図18のウィルキンソン型合成器における通過特性のシミュレーション結果を示す図である。図19Bは図18のウィルキンソン型合成器における反射特性およびアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す図である。図19Cは図18のウィルキンソン型合成器の通過特性を広帯域で示す図である。
シミュレーションにおけるウィルキンソン型合成器10Dの各条件は下記のとおりである。
Ro=50Ω、Ri=50Ω、W=70.7Ω、B=50Ω、T=50Ω、I=17.7Ω、N=4、fc=2GHzである。なお、終端抵抗65の耐電力は、実施例1(図6)の1/4のものを使用している。
図19A、19Bに示すように、変形例3(図18)のウィルキンソン型合成器10Dは実施例2(図13)のウィルキンソン型合成器10Bと比較して遜色ない特性を有している。
S(2,1)は−3.05dB程度である。S(1,1)は−30〜−54dB程度である。S(2,2)は−30〜−40dB程度である。S(3,3)は−30〜−40dB程度である。S(2,3)は−34〜−55dB程度である。
変形例3(図18)のウィルキンソン型合成器は2GHzで最適化されているが、通過損失(S(2,1))は実施例2(図14C)と同様に4GHz、6GHz、12GHzで−40dB程度に大きく減衰していることが確認できる。偶数次の高調波帯域が減衰されている(フィルタされている)のが分かる。
実施例2(図13)の構成の場合はインピーダンス変換器をN個配置する必要があったが、変形例3(図18)の場合は1つにまとめることができるので、インピーダンス変換器を多数配置するスペースが無い場合に有効である。
実施形態1(実施例1、変形例1、実施例2、変形例2および変形例3)ではウィルキンソン型合成器について説明したが、ウィルキンソン型分配器にも適用することができる。すなわち、ウィルキンソン型合成器10、10A、10B、10C、10Dの構成において、第一ポート1から信号を入力すると合成器7は分配器として動作し、第二ポート2、第三ポート3から分配された信号が出力され、ウィルキンソン型合成器10、10A、10B、10C、10Dはウィルキンソン型分配器として機能させることが可能となる。
実施形態1では下記の効果を得ることができる。
(1)ウィルキンソン型合成・分配器において、アイソレーション部にバランを用いることでアイソレーション特性を改善し、偶数次の高調波を減衰させることができる。
(2)(1)のウィルキンソン型合成・分配器において、アイソレーション部のバランに終端抵抗を接続することでアイソレーション特性を改善することができる。
(3)(2)のウィルキンソン型合成・分配器において、終端抵抗とバランとの間にインピーダンス変換器を挿入することにより使用可能なバランと終端抵抗の種類を増やすことができる。
(4)(2)のウィルキンソン型合成・分配器において、アイソレーション部のバランに終端抵抗を複数並列接続することで高い周波数でも良好な特性を有することができる。
(5)(3)のウィルキンソン型合成・分配器において、終端抵抗とインピーダンス変換器の回路を複数個並列接続することで利用できる終端抵抗の種類を増やし、高い周波数でも良好な特性を有することができる。
(6)(3)のウィルキンソン型合成・分配器において、1つのインピーダンス変換器に複数の終端抵抗を並列接続することで利用できる終端抵抗の種類を増やし、高い周波数でも良好な特性を有することができる。
<実施形態2>
(比較例2)
合成・分配器には実施形態1と異なる構成のバラン型合成・分配器がある。本願発明者らが本願に先立って検討した技術(比較例2)に係るバラン型合成・分配器について図20、21A、21Bを用いて説明する。図20は比較例2に係るバラン型合成・分配器の構成を示す図である。
比較例2に係るバラン型合成・分配器20Rは、バラン70にセミリジットケーブル71、72の2本使用し、セミリジットケーブル71の一端の芯線を平衡ポート2に接続し、セミリジットケーブル72の一端の芯線を平衡ポート3に接続する。また、セミリジットケーブル71、72の他端で2本のセミリジットケーブルの芯線と被覆線を互いに接続し、そのうち一方のセミリジットケーブル71の芯線を不平衡ポート1に接続し、もう一方のセミリジットケーブル72の芯線をGNDに接続する(接地する)。
不平衡ポート1から入力された信号は平衡ポート2と平衡ポート3へ逆位相の信号として分割(分配)され、平衡ポート2と平衡ポート3からそれぞれ逆位相の信号を入力すると不平衡ポート1へと信号が合成される。
平衡ポート2および平衡ポート3のそれぞれの入力のインピーダンスをRi、不平衡ポート1の出力のインピーダンスをRo、セミリジットケーブル71、72のインピーダンスをB、中心周波数をfcとする。
次に、バラン型合成・分配器20Rの特性について図21A、22Bを用いて説明する。図21Aは図20のバラン型合成・分配器におけるアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す図である。図21Bは図20のバラン型合成・分配器における反射特性のシミュレーション結果を示す図である。
シミュレーションにおけるバラン型合成・分配器20Rの各条件は下記のとおりである。Ro=50Ω、Ri=50Ω、B=70.7Ω、fc=1GHzである。
図21Aに示すように平衡ポート2,3間のアイソレーション(S(3,2))が約−5dBと小さい。このため平衡ポート2,3から等振幅・逆位相の信号が入力された場合のみインピーダンスはマッチングされるが、そうでない場合、図21Bに示すように平衡ポート2,3の反射損失(S(2,2)、S(3,3))が約−5dBと大きくなる。
比較例2に係るバラン型合成・分配器では平衡ポート間のアイソレーションが小さく、平衡ポート2,3に接続される負荷が変動するとインピーダンス整合条件が成り立たなくなり、合成・分配量が変化するとともに平衡ポート2,3における反射波が生じるため、合成・分配器の動作性能が劣化する問題がある。
実施形態に係るバラン型合成・分配器は、比較例2係るバラン型合成・分配器の構成において平衡ポート間に1/4波長の伝送線路を2つ追加し、それぞれの伝送線路を直列に接続し、中間点にインピーダンス整合用の終端器を配置する。一方の平衡ポートより入力された信号は伝送線路側を伝搬する信号とセミリジットケーブル側を伝搬する信号とに分かれる。伝送線路側では1/2波長分の線路伝搬するため位相が180度変化するのに対し、セミリジットケーブル側を伝搬する信号では2つのセミリジットケーブルの中央部を交互に接続していることから位相変化は0度となるため、互いの信号を打ち消しあい平衡ポート間のアイソレーションが実現される。
平衡ポート間のアイソレーションを実現しながら、広帯域にわたり差動信号へ分配、または差動信号を合成できる。バラン部にセミリジットケーブルを用いることでパターンによる設計では難しい立体的な配置も可能となるため、回路の小型化を達成できる。
実施例3に係るバラン型合成器・分配器について図22、23A、23Bを用いて説明する。図22は実施例3に係るバラン型合成・分配器の構成を示す図である。
実施例3に係るバラン型合成・分配器20は、バラン70と、第一平衡ポート2と第二平衡ポート3との間のアイソレーション部80と、を備える。バラン70はセミリジットケーブル71とセミリジットケーブル72を備える。セミリジットケーブル71芯線の一端を第一平衡ポート2に接続し、セミリジットケーブル72の芯線の一端を第二平衡ポート3に接続する。セミリジットケーブル71とセミリジットケーブル72の他端の芯線と被覆線を互いに接続し、セミリジットケーブル71の芯線の他端を不平衡ポート1へ接続し、セミリジットケーブル72の芯線の他端をGNDに接続する。セミリジットケーブル71とセミリジットケーブル72の芯線と被覆線を互いに接続することで、不平衡ポート1から入力された信号は第一平衡ポート2と第二平衡ポート3へ、それぞれ差動信号として分配される。
セミリジットケーブル71およびセミリジットケーブル72は、不平衡ポート1と第一平衡ポート2とのインピーダンス変換、不平衡ポート1と第二平衡ポート3とのインピーダンス変換もしている。例えば第一平衡ポート2、第二平衡ポート3、不平衡ポート1が全て50Ωの場合、セミリジットケーブル71とセミリジットケーブル72のインピーダンスを(2×50×50)1/2≒70.7Ωにし、ケーブル長を1/4波長にすることでインピーダンスマッチングが達成される。
第一平衡ポート2と第二平衡ポート3間のアイソレーションを実現するために、アイソレーション部80は伝送線路81と伝送線路8と終端抵抗83を備える。伝送線路81の一端を第一平衡ポート2に、伝送線路82の一端を第二平衡ポート3に接続する。伝送線路81の他端と伝送線路82の他端の中間点に終端抵抗83の一端を接続し、終端抵抗83の他端を接地する。インピーダンスマッチングを達成するために、伝送線路81を1/4波長の長さにし、インピーダンスを70.7Ωとする。同様に伝送線路82を1/4波長の長さにし、インピーダンスを70.7Ωとする。
第一平衡ポート2および第二平衡ポート3から入力された差動信号は伝送線路81と伝送線路82を伝搬する信号と、セミリジットケーブル71とセミリジットケーブル72を伝搬する信号とに分かれる。アイソレーション80(伝送線路81,82)側では位相が180度変化するのに対し、バラン70(セミリジットケーブル71,72)側では位相変化は0度となる。このため、互いの信号を打ち消しあい第一平衡ポート2から入力される信号は第二平衡ポート3に現れない。同様に第二平衡ポート3から入力される信号は第一平衡ポート2に現れない。またノード84において電圧は0Vとなるため、終端抵抗83による電力の消費は無い。
第一平衡ポート2と第二平衡ポート3の入力が不均等、または逆位相ではない、またはどちらか一方からのみ入力がある場合、ノード84において電圧は0Vではなくなる。このため、終端抵抗83の両端に電圧差が生じ不要な電力は終端抵抗83に吸収され、もう一方の平衡ポートに信号は現れない。
第一平衡ポート2および第二平衡ポート3のそれぞれの入力のインピーダンスをRi、不平衡ポート1の出力のインピーダンスをRo、セミリジットケーブル71、72のインピーダンスをB、伝送線路81,82のインピーダンスをW、終端抵抗をTと、中心周波数をfcする。
次に、バラン型合成・分配器20の特性について図23A、23Bを用いて説明する。図23Aは図22のバラン型合成・分配器におけるアイソレーション特性のシミュレーション結果を示す図である。図23Bは図22のバラン型合成・分配器における反射特性のシミュレーション結果を示す図である。
シミュレーションにおけるバラン型合成・分配器20の各条件は下記のとおりである。Ro=50Ω、Ri=50Ω、B=70.7Ω、W=70.7Ω、T=50Ω、fc=1GHzである。
図23Aに示すように、平衡ポート間のアイソレーション(S(3,2))が−60dB以下と大きい。このため、各ポートでのインピーダンスマッチングが成立し、図23Bに示すように、平衡ポートの反射損失(S(2,2)、S(3,3))は1GHzで−60dB以下と低減される。
実施形態2の記載事項には、少なくとも次の構成が含まれる。すなわち、
第1の構成は、
不平衡ポートと、
第一平衡ポートと、
第二平衡ポートと、
前記不衡ポートと前記第一平衡ポートと前記第二平衡ポートの間に設けられるバランと、
前記第一平衡ポートと前記第二平衡ポートとの間に設けられるアイソレーション部と、
を備え、
前記バランは、
芯線と被覆線とを有する第一セミリジットケーブルと、
芯線と被覆線とを有する第二セミリジットケーブルと、
を備え、
前記第一セミリジットケーブルの芯線の一端が前記第一平衡ポートに接続され、前記第二セミリジットケーブルの芯線の一端が前記第二平衡ポートに接続され、前記第一セミリジットケーブルの芯線の他端が前記第二セミリジットケーブルの被覆線の一端および前記不平衡ポートに接続され、前記第二セミリジットケーブルの芯線の他端が前記第一セミリジットケーブルの被覆線の一端および接地線に接続され、
前記アイソレーション部は、
第一伝送線路と、
第二伝送線路と、
終端抵抗と、
を備え、
前記第一伝送線路の一端が前記第一平衡ポートに接続され、前記第二伝送線路の一端端が前記第二平衡ポートに接続され、前記第一伝送線路の他端と前記第二伝送線路の他端と前記終端抵抗の一端が接続され、前記終端抵抗の他端は接地され、
前記第一セミリジットケーブル、前記第二セミリジットケーブル、前記第一伝送線路および前記第二伝送線路のそれぞれの線路長は中心周波数の波長の1/4である
合成・分配器。
第2の構成は、前記第1の構成において、
前記不平衡ポート、前記第一平衡ポート、前記第二平衡ポートおよび前記終端抵抗のインピーダンスは50Ω、前記第一セミリジットケーブル、前記第二セミリジットケーブル、前記第一伝送線路および前記第二伝送線路のインピーダンスは70.7Ωである
合成・分配器。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態、実施例及び変形例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態、実施例及び変形例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
実施例および変形例ではバランにセミリジットケーブルを用いているが、外部導体が網状に織り込まれたセミフレキシブルケーブルや配線基板上のパターンにより形成されたパターンバランを用いてもよい。
産業上の利用分野
本開示は高電力の合成・分配器に適用可能である。
10・・・ウィルキンソン型合成器
1・・・第一ポート(不平衡ポート)
2・・・第二ポート(第一平衡ポート)
3・・・第三ポート(第二平衡ポート)
4,5・・・インピーダンス変換器
6・・・アイソレーション抵抗
61・・・バラン
62,63・・・セミリジッドケーブル
64・・・インピーダンス変換器
65・・・終端抵抗
20・・・バラン型合成・分配器
70・・・バラン
71,72・・・・セミリジッドケーブル
80・・・アイソレーション部
81・・・伝送線路
82・・・伝送線路
83・・・終端抵抗

Claims (1)

  1. 第一ポートと、
    第二ポートと、
    第三ポートと、
    前記第一ポートと前記第二ポートとの間に設けられる第一インピーダンス変換器と、
    前記第一ポートと前記第三ポートとの間に設けられる第二インピーダンス変換器と、
    前記第二ポートと前記第三ポートとの間に設けられるアイソレーション部と、
    を備え、
    前記アイソレーション部は、
    第一セミリジットケーブルと
    第二セミリジットケーブルと
    複数の終端抵抗と、
    複数の第三インピーダンス変換器と、
    を備え、
    前記第一セミリジットケーブルの一端の内部導体が前記第二ポートに接続されると共に外部導体が接地され、
    前記第二セミリジットケーブルの一端の内部導体が前記第三ポートに接続されると共に外部導体が接地され、
    前記第一セミリジットケーブルの他端の内部導体と前記第二セミリジットケーブルの他端の外部導体が接続されると共に前記複数の第三インピーダンス変換器のそれぞれの一端に接続され、
    前記第二セミリジットケーブルの他端の内部導体と前記第一セミリジットケーブルの他端の外部導体が接続されると共に接地され、
    前記複数の終端抵抗のそれぞれの一端は前記複数の第三インピーダンス変換器のそれぞれの他端に接続され、前記複数の終端抵抗のそれぞれの他端は接地され、
    前記第一インピーダンス変換器および前記第二インピーダンス変換器のそれぞれの線路長は中心周波数の波長の1/4であり、
    前記第二ポートおよび前記第三ポートのインピーダンスをRi、前記第一ポートのインピーダンスをRo、前記第一インピーダンス変換器および前記第二インピーダンス変換器のインピーダンスをWとすると、W=(2×Ri×Ro)1/2の関係にあり、
    前記複数の第三インピーダンス変換器のそれぞれのインピーダンスをI、前記終端抵抗のインピーダンスをT、前記第一セミリジットケーブルと前記第二セミリジットケーブルのインピーダンスをBとすると、I=(B×T×N/2) 1/2 の関係にあり、前記Nは2以上の整数であ
    合成・分配器。
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