JP6739245B2 - ペット用ベッド - Google Patents

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Description

本発明は、ペット用ベッド、具体的には枠体に囲繞されたマットを有する犬などのペット用ベッドに関する。
枠体に囲繞されたマットを有するペット用ベッドであって、枠体がマットより厚みが大きく、高さも高いペット用ベッドは、知られている(たとえば、特許文献1〜4)。特許文献1は、枠部材とベッド本体としてのブロック体からなる愛玩動物用ベッドを開示するが、枠部材及びブロック体はクッション性を有する発泡性プラスチックからなる。特許文献2は、クッション部と周囲の枕部とからなる猫用ベッドを開示するが、クッション部よりも枕部において綿の密度を高くして、クッション部よりも枕部に硬めに構成されている。特許文献3は、主クッション部の上に通気クッション部を備えているペット用ベッドを開示し、図3に縁部に隆起部を備えているベッドを記載しているが、主クッション部及び通気クッション部は隆起部を含めて同じ素材で構成されている。特許文献4は、上面で開口し底面方向に深さがある略凹状の空間が設けられた空間部を有し、緩衝作用のあるベースと、空間部を覆う通気性のある素材で形成されたカバー部とを有するペット用マットを開示する。
特許第4422604号公報 特開2002−191247号公報 特開2004−16145号公報 特開2014−168400号公報
上記のように、従来の枠体に囲繞されたマットを有するペット用バッドでは、いずれにおいても、マットは枠体と同じ素材か枠体より軟らかい素材で構成されている。そのため、関節の弱い犬などのペットにとって、軟らかいマットの上は歩きにくく、関節を傷めやすいという問題があった。また、部分的にかかる体圧に応じてマットが部分的にへこむため、寝た状態でも腰骨などに部分的な力がかかり、床ずれを生じさせやすい。
そこで、本発明は、犬などのペットにとって、歩きやすく、関節を傷めにくい、歩行安定性の高いペット用ベッドを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、枠体に囲繞されたマットを有するペット用ベッドにおいて、マットの硬さを枠体より硬くすることで、ペットの脚がマットに沈み込む深さを小さくして、ペットが歩きやすく、関節を傷めにくい、歩行安定性の高いペット用ベッドを提供することができることを見出し、本発明を完成した。
上記課題を解決する本発明の態様は、限定するわけではないが、下記にある。
(態様1)
クッション性を有する枠体と前記枠体に囲繞されたクッション性を有するマットとを有するペット用ベッドであって、
前記枠体及び前記マットはそれぞれ高さを有し、
前記枠体の前記高さは前記マットの前記高さより高く、
前記マットは、平均繊維径が0.01〜5mmである熱可塑性樹脂繊維によって構成された繊維構造体を有し、
前記枠体及び前記マットを同じ圧力で圧縮したときに、前記マットが圧縮されて減少する厚みが、前記枠体が圧縮されて減少する厚みより小さいことを特徴とするペット用ベッド。
<効果>ベッド床をなすクッション性を有するマットの周囲をクッション性を有する背高の枠体で囲繞したペット用ベッドは、ペットにとって使用感に優れているが、従来のペット用ベッドでは、マットの部分にはクッション性の観点から枠体の部分と同じ素材かそれより軟らかい素材が用いられていたが、クッション性(ペットの体重を受けた時ペットの身体にフィットする形で受け止める軟らかい弾性反発力)だけを考えたマットでは硬さが不足して、ペットが歩行しにくくなり、関節を傷めやすいという歩行安定性の問題があった。本発明のベッドでは、従来と異なりマットに枠体より硬い素材を用いていることで、ペットの歩行時にマットが圧力を受けた場合にマットが圧縮されて減少する厚み(沈み込み深さ)が、枠体が同じ圧力で圧縮されて減少する厚み(沈み込み深さ)より小さいので、マット上での歩行安定性が高められて、ペットが歩行しやすく、関節を傷めにくい効果がある。特に、ベッドが背高の枠体内に厚みの小さいマットを有する構造では、マットの厚みが小さいので、マットが軟らかいと歩行安定性が余計に損なわれることから、枠体より硬いマットを用いることで、歩行安定性を高めることができるとともに、マットの厚みも小さくできる分だけ枠体の高さも低くできるので、ペットが枠体を跨ぎやすくなり、その点でもペットがベッドに入るときの脚の負担が減少する。
マットに、平均繊維径が0.01〜5mmである熱可塑性樹脂繊維によって構成された繊維構造体を用いることで、マットの硬さを大きくすることができるとともに、さらにはマットにクッション性と歩行安定性の両方に優れた硬さ特性を持たせることができる。また、寝た状態でも部分的にかかる圧力に対してマットの面全体で沈むため、体圧が分散され床ずれ防止する。
(態様2)
前記枠体及び前記マットを15kPaの圧力で圧縮したときに、前記マットが圧縮されて減少する厚みが、前記枠体が圧縮されて減少する厚みより小さい、態様1に記載のペット用ベッド。
<効果>ペットの歩行時にペットの脚からマットにかかる圧力は、たとえば、標準的な小型犬の4脚によってマットにかかる圧力としては15kPa(0.15kgf/cm)程度の圧力を想定すればよいことを確認したので、その圧力をかけたときのマット及び枠体の圧縮減少厚みを比較することで、マットと枠体の硬さ(沈み込みにくさ)を評価することができる。このペットの4脚の圧力に基づく圧縮試験においてマットが枠体より圧縮されて減少する厚みが小さいので、ペットにとってマット上での歩行安定性が高められて、ペットが歩行しやすく、関節を傷めにくい効果がある。
(態様3)
前記マットは平面方向及び厚み方向を有し、前記繊維構造体は、上面に連続繊維の端部を含まない連続繊維同士の交点で接合されている繊維構造体である、態様1または2に記載のペット用ベッド。
<効果>クッション性を担う繊維構造体が上面に連続繊維の端部を含まない連続繊維同士の交点で接合されている繊維構造体であると、マット内で繊維が偏ることがないので、足が引っかかりにくく、圧縮性も変化しにくいという効果があり、また、非連続繊維の端部が足裏に接触することによる違和感を低減し、歩行のバランスを崩しにくい、また、非連続繊維の端部が足裏に接触することによる違和感を低減し、歩行のバランスを崩しにくい。さらに体圧分散性に優れており、マットが、ペット、特に小型犬が横たわったときの体圧程度の圧力に対するクッション性と、ペットの歩行安定性の両方に優れた硬さ特性を有することができる。
(態様4)
前記繊維構造体は、3.4kPaの圧力で圧縮されたときの厚みが3mm以上である、態様1〜3のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
<効果>マットのクッション性は繊維構造体が担うので、繊維構造体がペット、特に小型犬が横たわったときの体圧にもとづく3.4kPa(35gf/cm)程度の圧力を受けたとき厚みが3mm以上あると、マットはペット用ベッドとして十分なクッション性を有することができる。また、繊維構造体が3.4kPa程度の荷重を受けたとき厚みが3mm以上あると、マットはさらにペットの歩行時の荷重に対してもクッション性の余力を保有して、ペットの歩行安定性にも優れることができる。
(態様5)
15kPaの圧力で前記マットを圧縮したときに前記マットが圧縮されて減少する厚みが、37mm以下である、態様1〜4のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
<効果>ペットの歩行時にペットの4脚からマットにかかる圧力として、小型犬の4脚によってマット(繊維構造体)にかかる圧力として上記の15kPa(0.15kgf/cm)程度の圧力を想定するとき、その15kPa(0.15kgf/cm)の圧力を受けてマットが圧縮されて減少する厚みが37mm以下であると、小型犬において、歩行時にペットの脚が沈み込む深さがペットにとって負担にならない程度に小さいので、当該ペットの歩行安定性に優れて、ペットの脚を保護することができる。
(態様6)
前記繊維構造体は、3.4kPaの圧力で圧縮したときに減少する厚みが13〜22mmの範囲内であり、15kPaの圧力で圧縮したときに減少する厚みが35mm以下である、態様1〜5のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
<効果>繊維構造体が3.4kPaの圧力で圧縮したときに減少する厚みが13〜22mmの範囲内であると、繊維構造体はペットが横たわるときの圧力を受けたときに十分な柔らかさを有していて、ペットの身体にフィットするクッション性があるとともに、繊維構造体が態様5と同じ15kPaの圧力で圧縮したときに減少する厚みが35mm以下であると、ペットの歩行時にペットの脚が沈み込む深さが態様5の場合よりさらに小さいので、ペットの歩行安定性により優れて、ペットの脚を保護することができる。
(態様7)
前記繊維構造体は、前記マットの上面側に表面層と前記表面層の直下に内層とを有し、前記表面層の密度が前記内層の密度より大きい、態様1〜6のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
<効果>繊維構造体のペットと接する表面層における密度が内部の密度より高いので、繊維構造体の柔軟性を維持しつつ、表面層における繊維同士の接合点が多くなり、ペットからマットに加わる圧縮荷重がペットと接する領域の周囲にある繊維も巻き込んで分散されるので、体圧分散性が高く、体重がかかった際にペットの全身及び脚の沈み込みをより小さくすることが可能にされる。
(態様8)
前記繊維構造体が中空繊維を含まない層と中空繊維を含む層との2層の繊維構造体層の積層体からなり、前記中空繊維を含まない前記繊維構造体層が前記マットの上面側に配置されている、態様1〜7のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
<効果>繊維構造体が中空繊維を含まない層と中空繊維を含む層との2層の繊維構造体層の積層体からなり、中空繊維を含まない繊維構造体層がマットの上面側に配置されていると、ペットに接する上面側ではペットにフィットする軟らかいクッション性を持つとともに、ペットに接しない下面側では、繊維構造体層が中空繊維を含むことで硬さ(強度)を増大させることができるので、繊維構造体全体の沈み込みを減らして、ペットの歩行安定性に優れた圧縮特性を持つことができる。
(態様9)
前記枠体は、直径50mmの円板の一方の平面の角を断面半径10mmで面取り(R10)をした加圧板を用いて、前記加圧板の前記面取りされた側の面を前記枠体に押し当てて前記加圧板に3.5Nの荷重をかけたときに、前記枠体が圧縮されて減少する厚みが10mm以上である、態様1〜8のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
<効果>枠体の硬さが、直径50mmの円板の一方の平面の角を断面半径10mmで面取り(R10)をした加圧板を用いて、加圧板の面取りされた側の面を枠体に押し当てて加圧板に3.5Nの荷重をかけたときに、枠体が圧縮されて減少する厚みが10mm以上になるような硬さ(柔らかさ)であると、枠体がペット、特に小型犬の枕や背当てとして好適な硬さ(柔らかさ)である。
(態様10)
前記マットは、前記枠体に脱着可能に嵌め込まれており、前記枠体より水分乾燥性が優れている、態様1〜9のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
<効果>マットが枠体に脱着可能に嵌め込まれており、枠体より水分乾燥性が優れているので、汚れ易いマットを枠体から脱着してマットだけを洗浄でき、しかもマットが乾燥性に優れているので、ベッドの洗濯及び乾燥のために犬がベッドを使用できない時間を短縮することができる。
(態様11)
前記マットは平面視で略矩形であり、前記枠体は前記マットの前記略矩形の外形を囲って、それぞれ略平行な2つの長辺部と2つの短辺部を有し、前記枠体は前記長辺部の1つにおいて、他の3辺部より高さが高い枠体高部を有する、態様1〜10のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
<効果>犬などのペットは壁に沿って眠る習性があるので、枠体に高い部位を持たせることで、背当て部として使用できるとともに、背当て部より高さの低い隣の2つの短辺部は枕部として利用される。
(態様12)
前記枠体は、前記2つの短辺部に第1の枠体低部、前記枠体高部に略平行して延在するもう1つの長辺部に第2の枠体低部を有し、前記第2の枠体低部は前記第1の枠体低部より高さが低い、態様11に記載のペット用ベッド。
<効果>枠体の背当てとして機能する枠体高部の両隣の矩形短辺にある第1の枠体低部は枠体高部より低いのでペットの枕として機能することができる。背当てとして機能する枠体高部及び枕として機能する第1の枠体低部の残りの一辺である第2の枠体低部が枕として機能する第1の枠体低部より低いことで、第2の枠体低部はペットの入口として好適に機能することができる。
本発明によれば、犬などのペットにとって、歩きやすく、関節を傷めにくい、歩行安定性の高いペット用ベッドを提供することができる。
図1は、本発明の一実施態様のペット用ベッド1の斜視図である。 図2は、図1に示したペット用ベッド1の分解斜視図である。 図3は、図1のIII−III線に沿った断面図である。 図4は、図1に示した実施態様のマット3を記載した斜視図及び部分断面図、並びに別の実施態様のマットの模式部分断面図である。 図5は、本発明の別の実施態様のペット用ベッド1の斜視図である。 図6は、図5のV−V線に沿った断面図である。 図7は、図5のペット用ベッド1の分解斜視図である。 図8は、図6のVIIの部分の拡大端面図である。
図1は、本発明の一実施態様に係るペット用ベッド1の斜視図であり、図2は、本発明のペット用ベッドの分解斜視図である。そして、図3は、図1のIII−III線に沿った断面図である。
(ペット用ベッド)
図1〜図3に示すように、本発明の一実施態様のペット用ベッド1は、平面視にて、長手方向L及び幅方向Wを有する丸みを帯びた略矩形状の外形形状を有している。なお、本発明において、ペット用ベッドの平面視における外形形状は、このような実施形態の形状に限定されず、対象とするペットのサイズや所望の意匠性等に応じて任意の形状(例えば、円形、楕円形、正方形、三角形、星形等)を採用することができる。また、ペット用ベッド1のサイズは、当該ベッドを使用するペットのサイズや種類等に応じて適宜設定することができ、例えば、ペットが小型犬ないし中型犬の場合、長手方向Lの長さは、400mm〜1400mm程度であり、幅方向Wの長さは、250mm〜1200mm程度である。
ペット用ベッド1は、図1〜図3に示すように、長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有する略長方形の各辺に沿った枠状の枠体2と、該枠体2に着脱自在に嵌め込まれた、クッション性を有する略直方体状のマット3とからなる。
このペット用ベッド1は、図1〜図3に示すように、枠体2の本体部分2Sが上方側に盛り上がっていて(高さが高くなっていて)、この本体部分2Sに囲まれた中央部分が裏面側へ窪んだ凹部2Rとして構成されている。そして、この凹部2Rの底面の裏側には、クッション性を有するマット3が配置されていて、凹部2Rの底面において、ペットの体圧を分散させながらペットの体を支持することができるようになっている。したがって、ペットは、この凹部2Rを寝床として横たわり、凹部2Rにおいて休息することができる。
(枠体)
枠体2の本体部分2Sは、ベッド1の周縁部分をなし、略矩形状の凹部2Rの周囲を囲う形で、略矩形の各辺に沿った枠状の平面視形状を有しているが、各辺どうしが出会う4つの角部で連結されている。4つの角部の連結部は、4辺を連結する部分であり、以下に説明する各辺の機能を直接に担うものではないが、隣り合う辺どうしを連続的(漸進的)に連結するものであり、連結部は連結される2つの辺の機能をどちらも引き継ぎながら隣の辺の機能を有するに至るように形成されている。
図1に示すように、枠体2の周縁部分をなす本体部分2Sを構成する4辺のうちの1辺が相対的に他辺よりも上方側に盛り上がった(すなわち、高さが高い)枠体高部2Bとして形成され、上述の凹部2R内に横たわるペットの背もたれ等として機能することができる。一方、本体部分2Sを構成する4辺のうちの3辺は、枠体高部2Bよりも相対的に高さの低い第1の枠体低部2P及び第2の枠体低部2Eとして形成され、ペットが凹部2R内へ出入りしやすくなっているとともに、凹部2R内に横たわるペットが頭部を置くことができる枕として機能することもできるようになっている。特に、ペットが矩形長辺の1辺である枠体高部2Bに背を当てて寝るとき、特に枠体高部2Bの両隣の2つの矩形短辺である第1の枠体低部2Pは枠体高部2Bより高さが低く、ペットの枕として機能するのに適している。また、本体部分2Sを構成する4辺のうち、枠体高部2Bである1つの長辺と第1の枠体低部2Pである2つの短辺の残り1つの長辺は、ペットの枕としても機能することができるが、特にペットの出入口として機能することができる。そこで、2つの矩形短辺の高さを枠体高部より低く第1の枠体低部2Pとして形成するとともに、枠体高部2Bに平行する他の矩形長辺の高さを第1の枠体低部2Pの高さより低く第2の枠体低部2Eとして形成して、ペットの出入口としての機能を高めることが好ましい。
枠体2の各部位(各辺)の高さは、通常は各部位の平面視で長さ方向および幅方向の中央の位置の高さが最も高いので、その中央の位置の高さで表すことができるが、平均高さとして、その部位(ここでは上記の連結部を除く部位とする。)をその長さ方向に4等分する境界線(3か所)上の最高高さを測定し、その平均値を用いることもできる。枠体2の各部位(各辺)の高さの測定は、各部位の測定位置に加圧板を置いて垂直方向に51Paの圧力をかけたときの高さを測定するものとする。通常加圧板の大きさは問題にならないが、測定箇所によって加圧板の種類が問題になるときは、直径50mmの円板の一方の平面の角を断面半径10mmで面取り(R10)をした加圧板を用い、この加圧板に荷重0.5Nをかけたときの厚みを測定して、その値をもって枠体の厚みとする。本態様のベッド1において枠体2の底部はベッドの設置場所に直接に接するように設置されるので、枠体2の高さは枠体の厚みとほぼ一致し、また、枠体2の凹部2Rの深さは、枠体の厚み(高さ)からマット3の厚みを差し引いて得られる深さである。
ただし、枠体2の底部に通気性や衛生面を考えて脚部を設けてもよく、その場合には枠体2の高さは脚部と枠体の本体部分2Sとの合計高さになるので、枠体2の本体部分2Sの厚みは枠体2の高さとは一致しない。また、マットはその底部の高さが枠体の底部と一致しない高さに設置されることも可能である。
枠体2は、上記のようにペットの背当てや枕として機能するので、所定のクッション性を有することが望ましく、本発明ではマット3より軟らかく形成されるが、枠体2の第2の枠体低部2Eは主として出入口として機能するので、ペットがベッド内に出入りするために枠体を踏むとき歩きやすくするために、枠体高部2B及び第2の枠体低部2Eよりも相対的に硬く形成することが好ましい。ここで、枠体の各部位の硬さを測定するには、上述した枠体の厚みを測定するために用いたと同じ直径50mmで面取りした円板を用いて、たとえば、同じ圧力をかけるために、たとえば、3.5Nの荷重をかけて圧縮したときに圧縮されて減少する厚みを測定するか、圧縮されて減少する厚みを同じ(たとえば、10mm)にしてそのときに加圧板にかかる荷重を測定することによって、測定及び比較することができる。上記の加圧板を用い3.5Nの荷重をかけたときに圧縮されて減少する厚みが10mm以上あれば、枠体はペットの枕や背当てとして十分なクッション性を有していると考えることができる。逆に、上記の加圧板を用い荷重をかけたときに枠体が圧縮されて減少する厚みが10mmになる荷重が、3.5N以下、さらには3N以下、2N以下、1N以下であることができ、これらの場合、枠体はペットの枕や背当てとして用いられるクッション性を有している。
直径50mmの円板の一方の平面の角を断面半径10mmで面取り(R10)をした加圧板を用いて枠体の硬さを測定するとき、通常は各部位の長さ方向の中央の位置かつ幅方向の中央の位置で測定すればよい。しかし、必要に応じて各部位を4等分する境界線(3か所)上の中央での硬さを測定してその平均値で補正することができる。
枠体2の本体部分2Sは、図3に示すように、枠体クッション材21を枠体カバー22で覆って構成される。
枠体クッション材21を構成する材料は、特に制限されず、例えば、コットン(木綿)繊維、ウレタンフォームや発泡ビーズ等、当分野において公知のクッション材を採用することができる。枠体カバー22を構成する材料は、特に制限されず、例えば、天然または合成繊維で構成される布帛や合成樹脂製シートであることができる。耐汚れ性、拭き取性に優れる点で、ポリエステルなど合成繊維を用いたシートが好ましく用いられる。また、通気性に優れるシートとして、編物やメッシュ状のシートが好ましく用いられる。また、枠体カバー22を構成する材料は、マットカバーと同じ材料であることができる。枠体2を作製するには、たとえば、所定の形状に成形した枠体クッション材21を枠体カバー22で覆い、縫製して作製してもよいし、あるいは所定の形状に成形した枠体カバー22中に枠体クッション材21を入れて縫製することで所定の形状の枠体を作製してもよい。
さらに、枠体の本体部分2Sは、上述の枠状の構造を有する一体物によって構成されていても、複数の構造物(例えば、4個の略直線状の構造物)を組み合わせて構成されていてもよい。
また、上述の枠体の本体部分2Sに囲まれた枠体の凹部2Rには、図2に示すように、底部23が枠体2の裏面から連続するメッシュ状の布帛(例えば、合成繊維によって構成された織布や編布等)によって形成されていて、凹部2R内に嵌め込まれるマット3に湿気等が籠らないように、通気性が確保されている。なお、上述のメッシュ状の布帛は、マット3を支持できる強度を有していればよいので、メッシュの粗さは粗くてよいが、枠体部の裏面の全体に亘って貼り付けられている。
なお、本発明のペット用ベッドは、このような構造のものに限定されず、例えば、ベッドの枠体の本体部分(周縁部分)は、4辺のうちの2辺(連結部を除く)が高さ(前記のように長さの4等分線上の3か所の高さの平均値)の高い枠体高部として形成されていてもよいし、4辺すべてが同じ高さを有していてもよい。また、ベッドの枠体の本体部分(周縁部分)の平面視形状が円形等の場合は、当該円形の周縁部分の一部が高さの高いベッド高部として形成されていてもよい。
(マット)
本態様のペット用ベッドのマット3は、図1〜3に示されているように、ベッド1の枠体2によって形成される凹部2R内に存在し、枠体2に脱着可能に嵌め込まれている。
マット3は、図2に見られるように平面視で略矩形のシート状であり、図3の断面図に示されるように、内部の繊維構造体31と繊維構造体31を覆うマットカバー32からなる。繊維構造体31はやはり平面視で略矩形のシート状であり、マットカバー32に対して、たとえば、マットカバー32の側面に設けられた開口部33から出し入れ可能とし、開口部33はジッパーやボタン等で開閉可能に形成することができる。
本態様のペット用ベッドのマット3は、同じ圧力をかけたとき枠体2より圧縮されて減少する厚み(沈み込み深さ)が小さいことを特徴とする。マットの硬さは、加圧板として平板を用いて加圧して、圧力と圧縮減少厚み(沈み込み深さ)を測定して、評価することができる。マット3及び繊維構造体31は、通常略シート状であるので、その硬さ特性を測定するには、一定面積以上の平板(たとえば、直径100mm)を用いて測定することで、マット3及び繊維構造体31の硬さ(圧縮特性)を正確に測定できる。そこで、枠体についても同じ加圧板を用いて測定することで、簡単に、マットと枠体の硬さ(沈み込み難さ)を比較できる。
しかしながら、枠体2の形状が必ずしも上面が平坦ではなく、また幅が大きくないことがあるので、マットと枠体の硬さを比較する目的では、たとえば、直径50mmの円板の一方の平面の角部を断面半径10mmで面取り(R10)をした加圧板を用いて、枠体及びマットに前記加圧板の面取りされた側の面を押し当てて、同じ荷重(圧力)で枠体及びマットを圧縮したときに枠体及びマットが圧縮されて減少する厚み(沈み込み深さ)を比較することができる。なお、本明細書において、上記の加圧板を用いて圧力をかけるときは、この加圧板の底面を直径50mmの円形の平面と考えて面積(19.6cm)を計算し、加えた荷重をその面積で割って得られる値を圧力として記載する。この面取りした加圧板を用いて圧縮特性を測定する場合には、後述するマット及び繊維構造体の圧縮特性の測定方法において、直径100mmの円形平板を用いて加圧する場合とは、同じ圧力値で圧縮した場合でも、実際に被測定物に加わる圧力の具体は同じでなく、その結果圧縮されて減少する厚みも必ずしも一致しないことに留意すべきである。
上記の面取りをした加圧板を用いて、15kPa程度の圧力で圧縮したときのマットが圧縮されて減少する厚みが、同じ加圧板及び同じ圧力で圧縮したときに枠体が圧縮されて減少する厚みより小さいと、ペットの4脚の圧力の相当する圧力において、マットが枠体より硬い(圧縮減少厚みが小さい)ので、ペット用ベッドの歩行安定性に優れることができる。この15kPa程度の圧力はマットにかかる小型犬の標準的な小型犬の4脚の圧力を想定したものであるので、これらの圧力で比較してマットの方が枠体より圧縮減少厚み(沈み込み深さ)が小さいと、当該ペットにとって歩行安定性が優れる。
この15kPa程度の圧力における硬さ(圧縮)試験において、マット及び枠体が圧縮されて減少する厚みの差は、3mm以上あることが好ましく、さらには5mm以上、8mm以上、10mm以上あることができる。また、用いる枠体及びマットの種類にもよるが、さらに12mm以上、15mm以上、18mm以上、20mm以上、25mm以上、30mm以上であることもできる。
上記の面取りをした加圧板を用いて、15kPa程度の圧力で圧縮したときマットの厚みは3mm以上残っていることが好ましい。ペットがマット上を歩行するとき4脚から圧力が加わってもマットに最低限の厚みが残ることで、マットがペットの脚を受け止めつことができ、またペットの脚の沈み込みを小さくでき、ペットの脚を保護する上で有益である。上記の圧縮時にマットの厚みは5mm以上、8mm以上であることが好ましい。さらに、残りの厚みは10mm以上、12mm以上、15mm以上であることもできるが、必要以上に厚く残る必要はない。
本態様のペット用ベッドのマット3は、直径50mmの円板の一方の平面の角を断面半径10mmで面取り(R10)をした加圧板を用いて、マットに前記加圧板の面取りされた側の面を押し当てて15kPaの圧力でマットを圧縮したときにマットが圧縮されて減少する厚みは、37mmより大きくてもよいが、37mm以下であることが好ましい。この圧縮減少厚みが37mm以下であると、この圧力に対応する標準的な体重の小型犬において歩行時にペットの脚の沈み込み深さがペットの脚を保護するのに有利に小さいので、殆どの小型犬の歩行安定性に優れていて、ペットの脚を保護する上で好ましいからである。マットが上記の条件を満たす硬さを有していると、ペットの体重がより小さい場合にも、体重が小さくなる分だけ、マットの沈み込みも小さくなるので、体重がより小さいペットにとっても歩行安定性に優れることができるものである。このマットが圧縮されて減少する厚みは、35mm以下であることがより好ましく、さらに32mm以下、30mm以下,27mm以下、25mm以下、24mm以下であることは、ペットの保護の観点から好ましいことである。また、このマットの圧縮減少厚みの好ましい値は、ペットの種類やマットの厚みや硬さ特性とも関係することに留意されるべきである
本態様の繊維構造体31は、図4(a)の斜視図及び図4(b)の側面図に示されるように、熱可塑性樹脂繊維によって構成されるが、平均繊維径は0.01〜5mmである。マットに、平均繊維径が0.01〜5mmである熱可塑性樹脂繊維によって構成された繊維構造体を用いることで、マットの硬さを大きくすることができるとともに、さらにはマットにクッション性と歩行安定性の両方に優れた硬さ特性を持たせることも容易である。平均繊維径は0.05〜3mm、さらには0.1〜2mm、0.3〜0.8mm、0.4〜0.6mmであることが好ましい。繊維構造体を平均繊維径の大きい熱可塑性樹脂繊維で構成することで、繊維構造体の強度、硬度は大きくできる。また、同じ量の熱可塑性樹脂繊維でも中空繊維とすることで、繊維構造体の強度、硬度は大きくできる。1つの好ましい繊維構造体は、平均繊維径0.4〜0.6mmのポリエステル系連続繊維の交点が融着された網状構造物であり、密度は0.03〜0.04g/cm(空隙率95%以上)、厚みは35〜45mmのシート状である。
ここで、繊維構造体を構成する繊維の繊維径の測定は、次のようにして行うことができる。まず、測定対象の繊維構造体の任意の10箇所から、所定長さ(例えば、5mm)の繊維を切り出し、該切り出した繊維の端部を、繊維の延びる方向に対して直角に切断する。その切断面を所定の拡大倍率で撮影し、得られた断面写真から繊維の繊維径(mm)を測定する。なお、繊維径は、切り出した10本の繊維の繊維径の平均値を採用する。
繊維構造体は、熱可塑性樹脂の繊維状物が無秩序に絡み合っていて、互いに接合している網状の構造体であることが好ましい。繊維構造体を構成する熱可塑性樹脂繊維としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。非親水性の熱可塑性樹脂繊維が、汚れにくさ、洗濯可能性、乾燥性等の観点から好ましい。
繊維構造体31は、連続繊維同士の交点で接合されている繊維構造体、とりわけ上面に連続繊維の端部を含まない連続繊維同士の交点で接合されている繊維構造物であることが好ましい。マットが連続繊維同士の交点で接合されている繊維構造体、とりわけ上面に連続繊維の端部を含まない連続繊維同士の交点で接合されている網状の繊維構造体であると、マット内で繊維が偏ることがないので、足が引っかかりにくく、圧縮性も変化しにくいという効果があり、また、非連続繊維の端部が足裏に接触することによる違和感を低減し、歩行のバランスを崩しにくい、また、非連続繊維の端部が足裏に接触することによる違和感を低減し、歩行のバランスを崩しにくい。また、連続繊維が水平方向に延在しているので、体圧分散性に優れている。特に、繊維径が大きくて強度のある連続繊維がねじれ、お互いに絡まりあって、交点で接合されることで、空隙率の高い網状の連続繊維構造を形成していると、交点で接合される網状の連続繊維がばねの集合体のように作用して、高い反発特性(圧縮跳ね返り特性)を示す。繊維構造体を構成する連続繊維が長さ方向に多くの交点で接合されて長さ方向の自由度が少ないと、厚み方向の力を連続繊維自体の厚み方向の弾性変形によって受けとめる形になり、繊維構造体全体としての圧縮に対する抵抗力も大きくできる。また、連続繊維が厚さ方向に垂直な水平方向に延在して交点で接合されていると、繊維構造体の厚み方向にかかる圧力を水平方向に延びる連続繊維が水平方向にも受けることで、水平方向の圧力分散が起こり、ペットの脚からの圧力をマットのより大きい面積で受けるような形になり、沈み込みも減少する。
繊維構造体31は、3.4kPa(35gf/cm)の圧力を受けたときの厚みが3mm以上であることが好ましい、本態様ではマットのクッション性は繊維構造体が担うので、繊維構造体がペット、特に小型犬の体圧(横たわるときの体圧)にもとづく3.4kPa(35gf/cm)程度の圧力を受けたとき厚みが3mm以上あると、マットはペット用ベッドとして十分なクッション性を有することができる。また、繊維構造体が3.4kPa程度の荷重を受けたとき厚みが3mm以上あると、マットはさらにペット、特に小型犬の歩行時の脚の圧力に対しても弾性(反発力)の余力を保有して、ペットの歩行安定性にも優れることができる。繊維構造体31は、3.4kPaの圧力を受けたときの厚みがさらには8mm以上、10mm以上、15mm以上であることができる。さらに、この厚みが20mm以上でもよい場合がある。この厚みの上限値は、3.4kPaの圧力を受けたときの繊維構造体の厚みではなく、繊維構造体がこの圧縮によって減少する厚みが、ペット用ベッドとして十分なクッション性を示す厚みであるかどうかによって決まる。繊維構造体が3.4kPaの圧力を受けたときに圧縮によって減少する厚みは、ペット、特に小型犬が横たわるときの体圧を考えて、15mm以上あることが好ましく、20mm以上あることがさらに好ましい。
繊維構造体が所定の圧力を受けたときの厚みを測定するには、繊維構造体に対して一定以上の面積(例えば直径100mmの円形)の加圧板を所定の圧力で押し当てて、繊維構造体の厚みを測定すればよい。ただし、この厚み測定では、初圧力51Paの圧力をかけたときの厚みをゼロ点とする。
さらに、繊維構造体は、3.4kPaの圧力で圧縮したときに減少する厚みが13〜22mmの範囲内であり、15kPaの圧力で圧縮したときに減少する厚みが35mm以下であることが好ましい。繊維構造体が、ペット、特に小型犬の横たわり時の体圧にもとづく3.4kPa程度の圧力で圧縮したときに減少する厚みが13〜22mmの範囲内であると、繊維構造体が、ペットにフィットする軟らかいクッション性(沈み込み深さ)を有する。また、繊維構造体が、ペット、特に標準的な小型犬の歩行時に脚から受けると想定される15kPa程度の圧力で圧縮したときに減少する厚みが35mm以下であるであると、当該ペットの歩行時にもマット全体としての沈み込みは少ないので、当該ペットを含むペット(当該ペットより体重が軽いペットを含む)の歩行安定性が顕著に優れることができる。このような圧縮(弾性)特性を有する繊維構造体は、繊維の材質、繊維径、繊維長、中実繊維と中空繊維の選択及び組合せ、繊維の絡まり方、空隙率、密度、積層構造などを調整することで、作成可能、入手可能であり、実用性がある。15kPa程度の圧力で圧縮したときに減少する厚みが32mm以下であることがより好ましく、さらに30mm以下,27mm以下、25mm以下、24mm以下であることは、ペットの保護の観点から好ましいことである。1つの好ましい態様の繊維構造体は、3.4kPaの圧力で圧縮したときに減少する厚みが15〜18mmの範囲内であり、10kPaの圧力で圧縮したときに減少する厚みが22〜27mmの範囲内であり、15kPaの圧力で圧縮したときに減少する厚みが30〜35mmである。
繊維構造体は、20〜80mmの厚みを有するシート状であることが好ましい。クッション性を担う繊維構造体が20〜80mmの厚みを有するシート状であることで、マットが、上記のような、ペット、特に小型犬の横たわり時にペットの身体にフィットするクッション性と、ペットの歩行安定性の両方に優れた硬さ特性を有することを容易に実現できる。繊維構造体の厚みは25〜60mm程度、さらには30〜50mm程度、45〜55mm程度であることがより好ましい。繊維構造体の厚みの測定は、繊維構造体の上に直径100mmmの平板を当てて51Nの圧力をかけたときの厚みを測定し、繊維構造体の任意の3か所以上で測定して得られる平均値を計算して、厚みとする。
繊維構造体は、平均繊維径が0.01〜5mmである熱可塑性樹脂繊維の連続繊維同士の交点で接合(特に融着)されている繊維構造体であることによって、上記の圧縮(弾性)特性を有するクッションとして機能することができる。このような連続繊維で構成された繊維構造体が、網状構造であり、上記の平均繊維径及び厚みを有し、空隙率が90%以上であることが、上記の好ましい圧縮(弾性)特性を得る上で好ましい。このような繊維構造体の密度は0.01〜0.2g/cmであることができるが、0.01〜0.1g/cm、さらには0.02〜0.05g/cm、0.03〜0.04g/cmあることがより好ましい。
繊維構造体の空隙率は、測定対象の繊維構造体から、厚みをそのままにして15cm×15cmの大きさのサンプルを切り出し、サンプルを適当な液体中に浸漬することで繊維構造体の繊維が占める体積(繊維体積)を測定して、その繊維体積を、繊維構造体の見掛けの体積で割って、100倍して繊維の体積%を求め、その体積%と100%との差として求めることができる。液体に浸漬したとき中空繊維の中空内に液体が侵入しないときは、上記の方法で測定した密度をもって中空繊維としての密度であると考えることにする。繊維構造体の見掛けの体積とは、繊維構造体の外形寸法(上記サンプルでは15cm×15cm×厚み)から計算して得られるものであるが、繊維構造体の厚みの測定方法は前述した。また、繊維構造体の空隙率は、繊維構造体の密度と繊維の密度からも概数を計算できる。たとえば、密度0.035g/cmの場合、繊維(ポリエステル)の密度を1.35g/cmとすると、空隙率は(1.35−0.035)/1.35=97.4%である。
繊維構造体の密度(見掛け密度)は、次のようにして行うことができる。まず、測定対象の繊維構造体から、厚みをそのままにして15cm×15cmの大きさのサンプルを切り出し、該サンプルの質量(g)を測定する。次に、切り出したサンプルの厚み(cm)を測定し、該サンプルの体積(cm)を算出する。最後にサンプルの質量を体積で除することにより、密度(見掛け密度)の値(g/cm)を得ることができる。繊維構造体の密度(見掛け密度)を測定するための厚みの測定は、ベッドの枠体及びマットの厚みの測定と異なり、圧力をかけずに物差しで測定する。繊維構造体が、一定の厚みを有していない場合には、測定対象物を水平面上に載置し、任意の4箇所における高さ(水平面から測定対象物の上面までの距離)を測り、その平均値を採用する。
繊維構造体は、限定されるわけではないが、図4(b)に示すように、上面側に表面層31Sと表面層の直下に内層31Cとを有し、表面層31Sの密度が内層31Cの密度より高いものが好ましく用いられる。表面層31Sとは繊維構造体の表面を構成する繊維を含む層をいうが、その厚みはたとえば1〜3mmでよい。このような表面層31Sと内層31Cの存在及びその密度の相違は、繊維構造体が厚み方向に上面から内面に向かって層状に繊維の密度が相違することを目視によって確認できればよい。このような繊維構造体の表面層31Sをマットの上面側に用いると、繊維構造体のペットと接する表面層における密度が内部の密度より高いので、繊維構造体の柔軟性を維持しつつ、表面層における繊維同士の接合点が多くなり、ペットからマットに加わる圧縮荷重がペットと接する領域の周囲にある繊維も巻き込んで分散されるので、体圧分散性が高く、体重がかかった際にペットの全身及び脚の沈み込みをより小さくすることが可能にされる。
また、繊維構造体は、硬さの異なる複数層の繊維構造体層の積層体からなることができる。繊維構造体が硬さの異なる複数層の繊維構造体層の積層体からなると、ペットにフィットする軟らかいクッション性を持つ層と、硬いクッション性(反発力)を持ち、歩行安定性を良くする層とを組み合わせることができるので、繊維構造体全体として、軟らかいクッション性(フィット性)と硬いクッション性(歩行安定性)の両方の特性を併せ持つ繊維構造体を容易に作成できる効果がある。
特に、繊維構造体は、図4(c)に示すように、相対的に軟らかい層31Uと硬い層31Lからなる積層体であると、軟らかい層31Uでは、ペットの体圧を受けてペットの身体にフィットするクッション性に優れるようにするとともに、硬い層31Lではマットの沈み込みを減らして歩行安定性に優れるように構成することが可能にされる。相対的に軟らかい層31Uと硬い層31Lの上下はどちらでもよいが、ペットの身体にフィットさせるために、軟らかい層31Uをペットに接するマット3の上面側に配置して用いることが好ましい。
相対的に軟らかい層31Uと硬い層31Lからなる積層体としては、繊維構造体の繊維径や繊維密度を変えた2層の繊維構造体層の積層体を用いるほか、繊維構造体が中空繊維を含まない繊維構造体層と中空繊維を含む繊維構造体層との2層の積層体を用いることができる。このような繊維構造体、特に後者を用いて、中空繊維を含まない繊維構造体層がマットの上面側に配置されていると、ペットに接する上面側ではペットにフィットする軟らかいクッション性を持つとともに、ペットに接しない下面側では、繊維構造体層が中空繊維を含むことで硬さ(強度)を増大させることができるので、繊維構造体全体の沈み込みを減らして、ペットの歩行安定性に優れた圧縮特性を持つことができるので、好ましい。
(繊維構造体の例)
繊維構造体の1例として、ポリエステルの連続中実繊維が絡まり、その交点が互いに融着した繊維構造物であり、寸法200mm×200mm、厚さ40mmのシート状であり、平均繊維径0.5mm、密度35kg/mである繊維構造物(試料1)について、圧縮特性を測定した結果を測定方法とともに下記に示す。
また、同様に、繊維構造体のもう1例として、ポリエステルの連続繊維が絡まり、その交点が互いに融着した繊維構造物であり、寸法200mm×200mm、厚さ40mmのシート状であるが、厚さ20mmの層の積層体であり、1層は平均繊維径0.5mmの中実繊維から構成され、もう1層は平均繊維径0.65mmの中空繊維から構成され、いずれの層も密度35kg/mである繊維構造物について、圧縮特性を測定した結果を下記表1に示す。ただし、この場合の中実繊維及び中空繊維の密度は仕込み材料の質量から計算された密度であり、同じ質量の合成樹脂を用いて、異なる平均繊維径の中実繊維及び中空繊維を製造したものを用いた。
(測定方法)
直径100mmの加圧板を用い、初圧力51Paの圧力をかけたときの試料の厚みをゼロ点とし、上記加圧板を用いて加圧板速度100mm/minで試料の厚みの75%まで圧縮し、同じ加圧板速度でゼロ点まで加圧板を戻して予備圧縮した。それから、同じ加圧板速度で圧縮を開始し、試料の厚みの25%まで圧縮したときの圧力、同様に、厚みの40%、50%、60%、65%、70%、75%まで圧縮したときの圧力をもって、それぞれ、25%圧縮硬さ、40%圧縮硬さ、50%圧縮硬さ、60%圧縮硬さ、65%圧縮硬さ、70%圧縮硬さ、75%圧縮硬さ、77.5%圧縮硬さとした。
(結果)
Figure 0006739245
いずれの繊維構造体も、低圧領域での硬さは小さく、高圧領域での硬さの増加率が大きいという特徴を有するので、本発明のペット用ベッドのマットに用いるのに好適である。
試料1(中実繊維)では、3.4kPaの圧力で圧縮したときに減少した厚み及び圧縮率は19mm及び48%であり、15kPaの圧力で圧縮したときに減少した厚み及び圧縮率は32mm及び80%であり、かついずれも厚みが3mm以上残っている。
試料2(積層体)では、3.4kPaの圧力で圧縮したときに減少した厚み及び圧縮率は18mm及び46%であり、15kPaの圧力で圧縮したときに減少した厚み及び圧縮率は29mm及び74%であり、かついずれも厚みが3mm以上残っている。
また、同じ密度の繊維構造体において、中実繊維の層と中空繊維の層の積層体である繊維構造体は、中実繊維だけの繊維構造体と比べて、低圧領域での硬さは僅かに小さく、高圧領域での硬さはより大きくなるので、本発明のペット用ベッドのマットとしてより好適であることが示された。
(水分乾燥性)
熱可塑性繊維から構成された繊維構造体は、水分乾燥性が優れることができるので、ペット用ベッドのマットの構成材料として好適である。特に繊維構造体が親水性でない熱可塑性繊維で構成されることで、水洗いができ、乾燥性に優れたマットを得ることができる。
このように洗濯及び乾燥性に優れた上記マットを枠体に脱着可能に嵌め込めるように構成すると、汚れ易いマットを枠体から脱着してマットだけを洗浄でき、しかもマットが乾燥性に優れているので、ベッドの洗濯及び乾燥のために犬がベッドを使用できない時間を短縮することができる利点がある。
また、マットを構成するマットカバーも洗濯及び乾燥性に優れた材料で構成することができる。マットカバーはたとえば熱可塑性繊維で作成した布帛、特にネット状の布帛で作成すると、洗濯及び乾燥性に優れるとともに、通気性、液透過性にも優れるので、ペット用ベッドのマットとして使用すると、通気性、液透過性にも優れるので、ペットにとって排尿などの液体排泄物が漏れたときもマットの表面が濡れにくく、またマットに接するペットが蒸れにくいので、ペットにとってベッドの使用感が優れるのみならず、マットが汚れたときにも洗濯及び乾燥性に優れるので、飼い主及びペットの両方にとって使用感が優れることができる。
(ペット用ベッドの作成例)
図1〜3に示す形状および構造を有するペット用ベッドの例を作成した。ベッド1および枠体2の長手方向Lの長さは最長部で590m程度であり、幅方向Wの長さは最長部で460mm程度である。
マット3は、ポリエステルの連続中実繊維が絡まり、その交点が互いに融着した繊維構造物であり、寸法390mm程度×240mm程度、厚さ40mm程度のシート状であり、平均繊維径1.0mm、密度35kg/mである繊維構造物(上記の試料1と寸法以外は同じ)を、ポリエステル製メッシュ状布帛からなるマットカバーに収容されたものである。
枠体2は、矩形の長辺である枠体高部(背当て部)2Bと第2の枠体低部(入口部)2E、矩形の短辺である第1の枠体低部(枕部)2Pからなり、マットカバーと同じ素材からなるポリエステル製メッシュ状布帛の枠体カバーの中に、平均繊維径0.02mm、平均繊維長20mmの短繊維コットンを詰め込んで作成されている。枠体2のマット3を受ける凹部2Rは寸法が390mm程度×240mm程度の矩形状である。枠体高部(背当て部)2Bは幅130mm程度、高さ120mm程度、第2の枠体低部(入口部)2Eは幅100mm程度、高さ70mm程度、第1の枠体低部(枕部)2Pは幅90mm程度、高さ85mm程度である。なお、ここに記載する枠体の各部位の長さ、幅および厚さはベッドに物差しを当てて測定した最大長さ(各辺の連結部を含む部位の長さ)、最大幅および最大高さである。枠体の各部位は、それらの長さ方向に幅も厚み(高さ)も両端からほぼ中央部に至って最大幅および最大高さを有するようになる丸味を帯びた長尺状(棒状)である。
加圧版として、直径50mm、厚み25mmの円板の一方の平面の円周状の縁部を面取り(R10:断面半径10mm)した円板を、面取りした面を対象物に押し当てる側の加圧版とした。この加圧板で初圧力51Paの圧力をかけたときの厚みをゼロ点とし、上記加圧板を用いて加圧板速度100mm/minで試料を厚みの75%まで圧縮し、同じ加圧板速度でゼロ点まで加圧板を戻して予備圧縮した。それから、同じ加圧板速度で圧縮を開始し、ゼロ点から10mm圧縮したときに加圧板にかかる荷重を10mm圧縮荷重とし、20mm圧縮したときに加圧板にかかる荷重を20mm圧縮荷重として、硬さの指標とした。
結果を下記表2に示す。
Figure 0006739245
マットを構成する繊維構造体は、表1に示した試料1と同じ圧縮特性を有するものである。
このペット用ベッドでは、小型犬がマット上で歩行する際に4脚が安定化されて、犬にとっても従来型の小型犬用ベッドと比べて安心感が与えられたようであった。
本発明のペット用ベッド1は、ペットの飼育空間(例えば、室内等)の所定位置において、図1に示すように、上述の凹部2Rが上方を向くように載置されて、ペットが自由に凹部2R内に出入りして休息を取れるように使用される。なお、ペット用ベッド1は、前記飼育空間の床面又は地面に直接載置しても、所定のホルダーや敷材等を介して載置してもよい。
ここで、本発明のペット用ベッドの対象ペットは、ペットとして飼育され得る動物であれば特に制限されず、犬や猫、ウサギ等の哺乳類に用いることができるが、特に犬は関節が弱いので犬、特に小型犬に好適に用いることができる。
(別の実施態様)
本発明のペット用ベッドの別の1つの実施態様を図5〜8を参照して説明する。図5は、本発明の別の実施形態に係るペット用ベッドの斜視図であり、図6は、図5のV−V線に沿った断面図であり、図7は、図5のペット用ベッドの分解斜視図であり、図8は、図6のVIIの部分の拡大端面図である。
この実施態様は、主に介護される必要のあるペット、特に介護が必要な犬に好適なベッドである。
図5〜8に示されているペット用ベッドにおいて、図1〜4に示した枠体2、マット3およびその部位等については図1〜4と同じであり、同じ参照符合を付して、説明を省略する。図5〜8では、マット3は枠体2に着脱自在に嵌め込まれ、ペット用ベッド1は、マット3の上面に吸収性シート5を備え、吸収性シート5は、展開した状態の平面視面積がマット3の上面の平面視面積よりも大きい。吸収性シート5は、液透過性シート51と液不透過性シート52の間に吸収コア53を挟持した積層構造体である。
本態様に係るペット用ベッドは、マット3の上面に吸収性シート5を備えているため、自力で立ち上がることのできない寝たきりのペットがベッド上で尿などの液状排泄物を排泄した場合、或いは、ペットをベッド上において洗浄液で洗浄した場合に、液状排泄物や洗浄液(以下、「液状排泄物等」という。)を吸収性シート5にて吸収、保持することができる。
そして、本態様に係るペット用ベッドにおいて、吸収性シート5は、展開した状態の平面視面積がマット3の上面の平面視面積よりも大きいため、吸収性シート5をマット3の上面に配置したときに、吸収性シート5の外周縁が、枠体の内周壁面に沿って上方側へ立ち上がり、防漏壁として機能する起立部5Eを形成することができる。この起立部5Eにより、上述の液状排泄物等がペットの体の表面等を伝って吸収性シート5の面方向外側へ拡散したとしても、吸収性シートか5ら漏出すること(いわゆる、伝い漏れ)を防ぐことができる。
したがって、本態様に係るペット用ベッドは、ベッド本体を清浄に保つことができ、良好な衛生状態を得ることができる。
さらに、ペット用ベッドは、吸収性シート5の上面に、5mm以上の厚みを有する液透過性のクッション材6を備え、クッション材6は、0.01mm〜5mmの平均繊維径を有する熱可塑性樹脂繊維によって構成された第2の繊維構造体からなり、第2の繊維構造体は、厚み方向に延在する側面において第2の繊維構造体を構成する繊維61の端部62を有し、端部62は吸収性シート5に係合している。
本態様に係るペット用ベッドは、吸収性シート5の上面に、5mm以上の厚みを有する液透過性のクッション材6を備え、クッション材6は、0.01mm〜5mmの平均繊維径を有する熱可塑性樹脂繊維によって構成された第2の繊維構造体からなる。本態様に係るペット用ベッドは、吸収性シート5の上面に5mm以上の厚みを有する液透過性のクッション材6を備えているため、自力で立ち上がることのできない寝たきりのペットがベッド上で尿などの液状排泄物を排泄した場合、液状排泄物はクッション材6を透過して吸収性シート5に吸収させることができ、しかもクッション材6は5mm以上の厚みを有するので、クッション材6の上のペットが液状排泄物によって濡れることを防ぐことができるので、寝たきりのペットの褥瘡を防ぐことができる。
また、第2の繊維構造体は厚み方向に延在する側面において繊維構造体を構成する繊維の端部を有し、当該端部は吸収性シートに係合しているため、吸収性シート5の起立部が第2の繊維構造体の側面に存在する繊維61の端部62によって保持されて、上述の起立部が立ち上がった状態をより確実に維持することができる。
したがって、本態様に係るペット用ベッドは、上述の吸収性シートの起立部によって奏される作用効果を更に確実に得ることができる。
本態様に係るペット用ベッドの特徴を、前述した態様1〜12と関連して記載すると、下記のように記載することができる。
(態様13)
前記マットは前記枠体に着脱自在に嵌め込まれ、
前記ペット用ベッドは、前記マットの上面に吸収性シートを備え、
前記吸収性シートは、展開した状態の平面視面積が前記マットの上面の平面視面積よりも大きい、
態様1〜12のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
(態様14)
前記ペット用ベッドは、前記吸収性シートの上面に、5mm以上の厚みを有する液透過性のクッション材を備え、前記クッション材は、0.01mm〜5mmの平均繊維径を有する熱可塑性樹脂繊維によって構成された第2の繊維構造体からなり、前記第2の繊維構造体は、前記厚み方向に延在する側面において前記第2の繊維構造体を構成する繊維の端部を有し、前記端部は前記吸収性シートに係合している、態様13に記載のペット用ベッド。
1 ペット用ベッド
2 枠体
3 マット
5 吸収性シート
6 クッション材

Claims (10)

  1. クッション性を有する枠体と前記枠体に囲繞されたクッション性を有するマットとを有するペット用ベッドであって、
    前記枠体及び前記マットはそれぞれ高さを有し、
    前記枠体の前記高さは前記マットの前記高さより高く、
    前記マットには前記枠体より硬い素材が用いられており、
    前記枠体及び前記マットを同じ圧力で圧縮したときに、前記マットが圧縮されて減少する厚みが、前記枠体が圧縮されて減少する厚みより小さく、
    前記マットは、平均繊維径が0.01〜5mmである熱可塑性樹脂繊維によって構成された繊維構造体を有し、前記マットのクッション性は前記繊維構造体が担い、
    前記繊維構造体は、3.4kPaの圧力で圧縮したときに減少する厚みが13〜22mmの範囲内であり、15kPaの圧力で圧縮したときに減少する厚みが35mm以下であることを特徴とするペット用ベッド。
  2. 前記枠体及び前記マットを15kPaの圧力で圧縮したときに、前記マットが圧縮されて減少する厚みが、前記枠体が圧縮されて減少する厚みより小さい、請求項1に記載のペット用ベッド。
  3. 前記マットは平面方向及び厚み方向を有し、前記繊維構造体は、上面に連続繊維の端部を含まない連続繊維同士の交点で接合されている繊維構造体である、請求項1または2に記載のペット用ベッド。
  4. 前記繊維構造体は、3.4kPaの圧力で圧縮されたときの厚みが3mm以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
  5. 前記繊維構造体は、前記マットの上面側に表面層と前記表面層の直下に内層とを有し、前記表面層の密度が前記内層の密度より大きい、請求項1〜4のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
  6. 前記繊維構造体が中空繊維を含まない層と中空繊維を含む層との2層の繊維構造体層の積層体からなり、前記中空繊維を含まない前記繊維構造体層が前記マットの上面側に配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
  7. 前記枠体は、直径50mmの円板の一方の平面の角を断面半径10mmで面取り(R10)をした加圧板を用いて、前記加圧板の前記面取りされた側の面を前記枠体に押し当てて前記加圧板に3.5Nの荷重をかけたときに、前記枠体が圧縮されて減少する厚みが10mm以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
  8. 前記マットは、前記枠体に脱着可能に嵌め込まれており、前記枠体より水分乾燥性が優れている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
  9. 前記マットは平面視で略矩形であり、前記枠体は前記マットの前記略矩形の外形を囲って、それぞれ略平行な2つの長辺部と2つの短辺部を有し、前記枠体は前記長辺部の1つにおいて、他の3辺部より高さが高い枠体高部を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のペット用ベッド。
  10. 前記枠体は、前記2つの短辺部に第1の枠体低部、前記枠体高部に略平行して延在するもう1つの長辺部に第2の枠体低部を有し、前記第2の枠体低部は前記第1の枠体低部より高さが低い、請求項9に記載のペット用ベッド。
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