JP2022050860A - ペット兼用マット - Google Patents

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英三郎 宮本
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晴香 本藤
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Abstract

【課題】滑りを抑制することができるペット兼用マットを提供する。【解決手段】ペット兼用マットは、基材と、該基材の一面に設けた接着層とを備え、前記基材の他面における最大静止摩擦係数が0.4~0.7である。好ましくは、前記基材の他面における動摩擦係数が0.3~0.5である。より好ましくは、0gfから200gfまで球形端子を介して荷重を作用させた場合、圧縮幅及び圧縮荷重による積分値WCが3~10gf・cmであり、好ましくは5~9gf・cmである。【選択図】図4

Description

本技術は、人とペット(例えば犬)が共に居住する室内におけるペットが移動する場所、例えば室内の床に敷設されるペット兼用マットに関する。
従来、表面に複数の凸部を設けた化粧シートが提案されている。化粧シートを木製のフローリング材の上に敷設することによって、フローリング材の上を脚が滑り、犬などのペットの足腰に悪影響を及ぼすことを抑制することができる(例えば特許文献1参照)。
特許第6606901号公報
近年、フローリング材を床材として使用した部屋が増加し、また犬などのペットを室内にて飼う世帯も増加しており、人のみならず、ペットにとっても滑り止め効果があり、自然な移動ができるマットが求められている。
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、室内で飼われる犬などのペットの移動時の滑りを抑制し、自然な歩行をすることができるペット兼用マットを提供することを目的とする。
本開示の一実施形態に係るペット兼用マットは、基材と、該基材の一面に設けた接着層とを備え、前記基材の他面における最大静止摩擦係数が0.3~0.8であり、好ましくは0.4~0.7である。
本開示の一実施形態においては、基材の一面に接着層を設けて、基材を床に接着させ、他面の最大静止摩擦係数を0.43~0.78、好ましくは0.4~0.7にして、ペットが滑りにくくする。
本開示の一実施形態に係るペット兼用マットは、前記基材の他面における動摩擦係数が0.2~0.7であり、好ましくは0.3~0.6である。
本開示の一実施形態においては、基材の他面における動摩擦係数を0.2~0.7、好ましくは0.3~0.6にして、ペットが滑りにくくする。
本開示の一実施形態に係るペット兼用マットは、0gfから200gfまで球形端子を介して荷重を作用させた場合、圧縮幅及び圧縮荷重による積分値WCが3~10gf・cmであり、好ましくは5~9gf・cmである。
本開示の一実施形態においては、圧縮性を示す積分値WCを3~10gf・cm、好ましくは5~9gf・cmとすることによって、ペットの肉球はマットに引っ掛かりやすくなり、爪はマットに入り込みやすくなる。
本開示の一実施形態に係るペット兼用マットは、(1)式及び(2)式にて表される値LCが、0.5~0.8であり、好ましくは0.5~0.75である。
LC=WC/WOC・・・(1)
WOC=|第一厚みTm-第二厚みT0|・(200gfの荷重)/2・・(2)
第一厚みTmは、球形端子を介して200gfの荷重を作用させた場合における厚みである。
第二厚みT0は、200gfから0gfまで荷重を減少させた場合において、0gfの荷重を作用させたときの厚みである。
本開示の一実施形態においては、硬さを示す値LCを、0.5~0.8、好ましくは0.5~0.75とすることによって、ペットの脚をマットに押し付けた場合、脚はマットに引っ掛かりやすく、且つペットの脚をマットから離れさせた場合、脚はマットから円滑に離れる。
本開示の一実施形態に係るペット兼用マットは、球形端子を介して荷重200gfを付与した場合において、表面材の厚みの変位量が0.5~3.0mm、好ましくは1.0~2.0mmである。
本開示の一実施形態においては、ペットの滑り及び躓きを抑制する。
本開示の一実施形態に係るペット兼用マットは、前記接着層は、真空吸着性を有する滑り止め層を含む。
本開示の一実施形態においては、ペット兼用マットは、取り外し可能に床に固定される。
本開示の一実施形態に係るペット兼用マットにあっては、基材の一面に接着層を設けて、基材を床に接着させ、他面の最大静止摩擦係数を0.4以上にして、ペットが滑りにくくする。そのため、移動時するペットの上下動の幅が小さくなり、ペットの腰への負担を軽減させることができる。
ペット兼用マットの略示側面図である。 フローリング材、第一マット~第四マットの構成を示す表である。 静動摩擦測定機の略示部分拡大側面図である。 静動摩擦測定機による第一マット~第四マットの静摩擦係数及び動摩擦係数の測定値である。 圧縮試験機の略示部分拡大側面図である。 圧縮特性を示すグラフである。 フローリング材及び第一マット~第四マットの圧縮試験の結果を示すグラフである。 複合フローリング材及び第一マット~第四マットの上をペットが歩行した場合における、ペットの平均上下振幅、分散及び複合フローリング材との有意差の測定結果を示すグラフである。
以下本発明を、実施の形態に係るペット兼用マットを示す図面に基づいて、説明する。図1は、ペット兼用マットの略示側面図である。ペット兼用マットは、シート状の基材1と、接着層2とを備える。接着層2は、基材1の一面(裏面)に設けられている。基材1は、ポリエステル材を使用した不織布によって構成され、例えば、ポリエステル短繊維綿からなる不織布表面層、又は不織布層表面をポリエステル樹脂材やアクリル樹脂材でコーティング塗工された表面層を構成する。接着層2は、アクリル樹脂材によって構成され、例えば、発泡アクリル樹脂材からなる真空吸着性を有する裏面層を構成する。
ペット兼用マットの製造方法は、一般的なニードルパンチ法による不織布製造法により得ることが出来る。ポリエステル短繊維綿を空気流で開綿攪拌し、カード機で繊維を一定量・一定方向に送り出しながらウェブ・ラップ形成した後、ニードルパンチ加工を行い、フラット生地を得る。その後、パンチ工程、パイルパンチ工程等を経ることで、ループパイル生地やカットパイル生地など多様な不織布、即ち基材1が得られる。また、基材1の裏面に、発砲させたアクリル樹脂ラテックスを塗工プレスによって含侵させ、乾燥させることで真空吸着性を有するマット裏面層、即ち接着層2を成型する。接着層2は、滑り止め機能を有する。またマット裏面層は、真空吸着性を有するので、床から取り外すことが可能である。
また、不織布表面にポリエステル樹脂材やアクリル樹脂材でコーティング塗工を施して、基材1を製造してもよい。不織布表面へのコーティング塗工は、上述の接着層2の成型方法と同様な処理工程によって、実行することができる。なお、ペット兼用マットの製造方法は、上述の製造方法に限定されない。接着層2を床、例えば木製のフローリング材に接着させて、ペット兼用マットを使用する。
次にペット兼用マットの特性について説明する。ペット兼用マットとして、第一マット11~第四マット14を準備し、フローリング材と比較する。
図2は、フローリング材、第一マット11~第四マット14の構成を示す表である。フローリング材の表面の材質は木材であり、突板によって構成されている。フローリング材の裏面の材質は木材であり、合板によって構成されている。フローリング材の表面はウレタン樹脂剤によってコーティングされている。
第一マット11の表面は、ポリエステル不織布によって構成され、裏面は発泡アクリル樹脂材によって構成されている。第一マット11の表面にはループ加工が施されている。表面材の目付は、400g/m2 であり、厚み(有姿)は4mmである。第一マット11の表面はコーティングされていない。
第二マット12の表面は、ポリエステル不織布によって構成され、裏面は発泡アクリル樹脂材によって構成されている。第二マット12の表面は、繊維を立てる加工が施されている。ループ加工は、施されていない。以降、繊維を立てる加工が施され、ループ加工が施されていない状態をフラットと称する。第一マット11の表面はポリエチレン樹脂剤によってコーティングされている。表面材の目付は、280g/m2 であり、厚み(有姿)は2mmである。
第三マット13の表面は、ポリエステル不織布によって構成され、裏面は発泡アクリル樹脂材によって構成されている。第三マット13の表面は、ループカット加工が施されている。表面材の目付は、400g/m2 であり、厚み(有姿)は4mmである。第三マット13の表面はコーティングされていない。
第四マット14の表面は、ポリエステル不織布によって構成され、裏面は発泡アクリル樹脂材によって構成されている。第四マット14の表面はフラットである。第四マット14の表面はアクリル樹脂剤によってコーティングされている。表面材の目付は、250g/m2 であり、厚み(有姿)は3mmである。
第一マット11~第四マット14の摩擦係数について説明する。京都市産業技術研究所において、トリニティーラボ社製の静動摩擦測定機TL201(以下、静動摩擦測定機)を使用して、第一マット11~第四マット14の静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。図3は、静動摩擦測定機の略示部分拡大側面図である。静動摩擦測定機は、感触接触子20と、台22とを備える。台22の上側に感触接触子20が配置される。また感触接触子20の下面は測定面21を構成し、該測定面21は合成バイオスキン質に形成され、犬の肉球をモデル化している。測定面21の面積は、約1.5cm2 である。台22の上面は測定面21に対向し、前記上面に第一マット11~第四マット14の試験片が、表面を感触接触子20に向けて、設置される。
第一マット11~第四マット14は、台22と測定面21との間に所定の荷重(本実施例においては、300gf/cm2 )を与えられた状態で挟持され、台22は、第一マット11~第四マット14に平行な方向に一定の速度(本実施例においては、10mm/s)で移動する。例えば、図3の矢印にて示す方向に移動する。測定環境は、室温20℃且つ相対湿度65%である。サンプリング周期は1msec(毎秒1000サンプリング)である。
図4は、静動摩擦測定機による第一マット11~第四マット14の静摩擦係数及び動摩擦係数の測定値である。測定は、台22を移動させて、ランダムに3回行われ、測定値は、測定した静摩擦係数及び動摩擦係数の平均である。なお測定方法及びデータ解析方法の詳細は、取り扱いマニュアルに準じて行われる。図4に示すように、複合フローリング材の最大静止摩擦係数は0.59、動摩擦係数は0.47である。第一マット11の最大静止摩擦係数は0.40、動摩擦係数は0.33である。第二マット12の最大静止摩擦係数は0.44、動摩擦係数は0.40である。第三マット13の最大静止摩擦係数は0.33、動摩擦係数は0.28である。第四マット14の最大静止摩擦係数は0.62、動摩擦係数は0.42である。
次に、フローリング材及び第一マット11~第四マット14の圧縮試験について説明する。京都市産業技術研究所において、カトーテック社製の圧縮試験機KES-G5(以下、圧縮試験機)を使用して、フローリング材及び第一マット11~第四マット14の圧縮試験を行った。図5は、圧縮試験機の略示部分拡大側面図である。圧縮試験機は、プローブ30と、台31とを備える。プローブ30は上下に延び、その下端部の測定端子は直径約10mmの球形をなし、マットに点接触する。プローブ30の該測定端子は犬の爪のモデルと考えることができる。プローブ30は台31の上側に配置される。台31には、第一マット11~第四マット14の試験片が、表面をプローブ30に向けて載置される。またフローリング材の試験片が台31に載置される。プローブ30は略垂直に下降し、第一マット11~第四マット14及びフローリング材の試験片を圧縮する。
測定環境は、室温20℃且つ相対湿度65%である。荷重は0~200gf、速度は0.020cm/sである。毎秒224個のサンプリングを行う。
図6は、圧縮特性を示すグラフである。図6において、Tは試験片の厚みを示すパラメータであり、Tsは測定開始時点の試験片の厚みを示し、Tmは最大荷重を付与した場合における試験片の厚みを示し、T0は最大荷重付与後、荷重を減少させて、荷重が0.5gf となった場合における試験片の厚みを示す。Pは試験片に付与した荷重を示すパラメータであり、Pmは試験片の付与する最大荷重を示す。なお、本圧縮試験においては、Pmは200gfである。
またf(T)は、試験片に付与する荷重を0からPmまで徐々に増加させた場合における、厚みTに関する荷重Pの関数を示し、g(T)は、試験片に付与する荷重をPmから0まで徐々に減少させた場合における、厚みTに関する荷重Pの関数を示す。
図6に示すように、関数f(T)においては、荷重0の場合における厚みTは、Tsであるが、関数g(T)においては、荷重0の場合における厚みTはT0(<Ts)である。即ち、ヒステリシスが発生する。
物体の圧縮の容易性を示すWCは、以下の(1)式によって表される。WC値が大きい程、圧縮されやすい。WCは、圧縮エネルギーを表し、値が大きいほど圧縮されやすい。荷重をかけた場合、値が大きいほどエネルギーが吸収される。即ち、ペットの足腰の負担が軽減されると言える。
WC=∫T0 Tmf(T)dT・・・(1)
物体の硬さを示すLCは、以下の(2)式によって表させる。LCは、圧縮剛性を表し、LC値が1に近い程、硬い。圧縮されない場合、LC値は1である。
LC=WC/WOC・・・(2) ただし、WOC=|Tm-T0|・Pm/2;Tmは、200gfの荷重を作用させた場合における厚み;T0は、200gfから0gfまで荷重を減少させた場合において、0gfの荷重を作用させたときの厚みである。
図7は、複合フローリング材及び第一マット11~第四マット14の圧縮試験の結果を示すグラフである。図7に示すように、複合フローリング材のWC値は0.32、LC値は0.93、最大荷重Pm(本実施例においては200gf)付与下での厚みの変位量は0.028mmである。また厚みの変位率は、0.9%である。ここで、厚みの変位量は、最大荷重Pm(荷重200gf)付与時の表面材の変位量を示し、変位率は図2の表面材厚みに対する割合を示す。
第一マット11のWC値は6.8である。複合フローリング材のWC値が第一マット11のWC値と同等になる確率P1は、有意水準を0.001とした場合、有意水準よりも小さい。LC値は0.53である。複合フローリング材のLC値が第一マット11のLC値と同等になる確率P2は、有意水準を0.01とした場合、P2は有意水準よりも小さい。最大荷重Pm付与下での厚みの変位量は1.5mmである。また厚みの変位率は、38%である。
第二マット12のWC値は6.4である。複合フローリング材のWC値が第二マット12のWC値と同等になる確率P3は、有意水準を0.001とした場合、P3は有意水準よりも小さい。LC値は0.68である。複合フローリング材のLC値が第二マット12のLC値と同等になる確率P4は、有意水準を0.01とした場合、P4は有意水準よりも小さい。最大荷重Pm付与下での厚みの変位量は1.0mmである。また厚みの変位率は、50%である。
第三マット13のWC値は8.7である。複合フローリング材のWC値が第三マット13のWC値と同等になる確率P5は、有意水準を0.001とした場合、有意水準よりも小さい。LC値は0.60である。複合フローリング材のLC値が第三マット13のLC値と同等になる確率P6は、有意水準を0.01とした場合、有意水準よりも小さい。最大荷重Pm付与下での厚みの変位量は1.4mmである。また厚みの変位率は、35%である。
第四マット14のWC値は8.1である。複合フローリング材のWC値が第四マット14のWC値と同等になる確率P7は、有意水準を0.001とした場合、有意水準よりも小さい。LC値は0.72である。複合フローリング材のLC値が第四マット14のLC値と同等になる確率P8は、有意水準を0.01とした場合、有意水準よりも小さい。最大荷重Pm付与下での厚みの変位量は1.1mmである。また厚みの変位率は、37%である。
上述のように、WC値及びLC値において、複合フローリング材に比べて、第一マット11~第四マット14には有意な差が認められる。
次に、複合フローリング材及び第一マット11~第四マット14の上をペットが歩行した場合における、ペットの上下移動幅の測定について、説明する。具体的には、歩行中の犬の上下移動幅を測定した。測定には、バイコン(Vicon)社製3次元動作解析装置のVANTAGEカメラV16&V8を計8台使用した。測定対象であるペット(本実施例では犬)の背部3箇所、及び前後肢各3箇所に、マーカーを設けた。ペットの歩行態様を測定する床の寸法は、横幅900mm、縦幅3600mmである。複合フローリング材を床に敷く場合、横幅略303mm、縦幅略1818mmの部材を、横に3枚並べ、縦に2枚に並べた。第一マット11~第四マット14を床に敷く場合、横幅略300mm、縦幅略300mmのマットを、横に3枚並べ、縦に12枚並べた。測定値の解析は、背部マーカーの上下振幅を一元配置分散分析し、複合フローリング材と比較した第一マット11~第四マット14の有意差を算出した。
図8は、複合フローリング材及び第一マット11~第四マット14の上をペットが歩行した場合における、ペットの平均上下振幅、分散及び複合フローリング材との有意差の測定結果を示すグラフである。平均上下振幅は、計測された移動幅の平均値を示し、分散は、平均上下振幅に対する上下振幅データのばらつき度合を示し、複合フローリング材との有意差は、平均上下振幅における第一マット11~第四マット14の複合フローリング材との有意差を示す。
図8に示すように、フローリング材の上を歩いた場合のペットの平均上下振幅は、20.4mmであり、分散は60.9である。第一マット11の上を歩いた場合の平均上下振幅は、8.0mm、分散は3.86である。また複合フローリング材の平均上下振幅が第一マット11の平均上下振幅と同等になる確率P9は、有意水準を0.001とした場合、有意水準よりも小さい。
第二マット12の上を歩いた場合の平均上下振幅は、10.3mmであり、分散は41.9である。また複合フローリング材の平均上下振幅が第二マット12の平均上下振幅と同等になる確率P10は、有意水準を0.001とした場合、有意水準よりも小さい。
第三マット13の上を歩いた場合の平均上下振幅は、21.0mmであり、分散は50.8である。また複合フローリング材の平均上下振幅が第三マット13の平均上下振幅と同等になる確率P11は、0.81であり、有意水準を0.001とした場合、有意水準よりも大きい。
第四マット14の上を歩いた場合の平均上下振幅は、8.2mmであり、分散は5.68である。また複合フローリング材の平均上下振幅が第四マット14の平均上下振幅と同等になる確率P12は、有意水準を0.001とした場合、有意水準よりも小さい。
平均上下振幅が小さい程、犬の腰への負担は軽減されると考えられる。したがって、フローリング材の上を歩く場合に比べて、第一マット11、第二マット12及び第四マット14の上を歩いた場合は、平均上下振幅が小さくなり、犬の腰への負担は抑制されている。また、複合フローリング材との比較において、平均上下振幅における第一マット11、第二マット12、及び第四マット14には有意差が認められる。即ち、平均上下振幅において、第一マット11、第二マット12及び第四マット14は、フローリング材に比べて有意な特徴を有する。
また分散が小さい程、犬は安定した歩行ができていると考えられるところ、第一マット11~第四マット14の分散は、複合フローリング材よりも小さい。したがって、分散において、第一マット11、第二マット12及び第四マット14は、フローリング材に比べて有意な特徴を有する。
上述したように、第一マット11、第二マット12及び第四マット14の最大静止摩擦係数は、それぞれ、0.40、0.44、0.62である。平均上下振幅において、フローリング材に比べて有意な特徴を有さない第三マット13の最大静止摩擦係数が0.33であり、0.4に満たないことに鑑みれば、最大静止摩擦係数が0.4以上であることが、犬の腰への負担抑制につながると考えられる。また第四マット14の最大静止摩擦係数が0.62であることに鑑みれば、犬の腰への負担抑制につながる最大静止摩擦係数の上限値は、0.6~0.7程度であると考えられる(図4参照)。即ち、犬の腰への負担抑制につながる最大静止摩擦係数の範囲は、好ましくは0.4以上0.7以下であり、より好ましくは0.4以上0.6以下である。
また、一般的に人の歩行時において、静止摩擦係数が0.3以下だと、歩行開始時に滑り易くなり、0.8以上だと摩擦力が大きくて躓きの原因になり易い。
また第一マット11、第二マット12及び第四マット14の動摩擦係数は、それぞれ、0.33、0.40、0.42である。フローリング材に比べて有意な特徴を有さない第三マット13の動摩擦係数が0.28であり、0.3に満たないことに鑑みれば、動摩擦係数が0.3以上であることが、犬の腰への負担抑制につながると考えられる。また第四マット14の動摩擦係数が0.42であることに鑑みれば、犬の腰への負担抑制につながる動摩擦係数の上限値は、0.4~0.5程度であると考えられる(図4参照)。即ち、犬の腰への負担抑制につながる動摩擦係数の範囲は、好ましくは0.3以上0.5以下であり、より好ましくは0.3以上0.4以下である。
また、一般的に人の歩行時において、動摩擦係数が0.3以下だと移動中に滑り易く、0.8以上だと摩擦力が大きくて躓きの原因になり易い。
またWC値は、物体の圧縮の容易性を示す値であるところ、フローリング材に比べて有意な特徴を有する第一マット11、第二マット12及び第四マット14のWC値は、それぞれ、6.8、6.4、8.1であり、犬が床を踏みつける場合に、犬の腰への負担抑制につながる適度な圧縮具合を提供できるWC値は、6以上9以下であると考えられ、第三マット13のWC値が8.7であることに鑑みれば、より好ましくは6以上7以下であると考えられる(図7参照)。
またWC値が3より小さいと、歩行時に、犬の足に作用する負荷が吸収されにくく、犬の足腰への負担が増大し、10より大きいと、歩行面がスポンジのようになりスムーズな歩行が阻害されると推察される。
またLC値は、物体の硬さを示す値であるところ、フローリング材に比べて有意な特徴を有する第一マット11、第二マット12及び第四マット14のLC値は、それぞれ、0.53、0.68、0.72であり、犬が床上を移動するのに、犬の腰への負担抑制につながる適度な硬さを提供できるLC値は、0.5以上0.8以下であり、より好ましくは、0.5~0.75であると推察される。
また荷重200gfを付与した場合において、表面材の厚みの変位量が0.5~3.0mm、好ましくは1.0~2.0mmであることが望ましい。0.5mm以下だと犬の爪が引っ掛かり難く、3mm以上だと躓きの原因となると推察されるからである。
上述のペット兼用マットは、犬のみならず、他のペット、例えば猫のために使用することもできる。
上述の実施例によれば、犬の歩行時の観察から、平面床での自然な歩行では上下移動差が小さくなるため、この結果から、複合フローリング材に比べて、第一マット11、第二マット12及び第四マット14には明らかに有意差が見られ、第一マット11、第二マット12及び第四マット14は、自然に近い歩行が出来る床材であると言える。即ち、室内犬が室内床面で安心安全に歩行できる床材の提供に関して、Vicon社製の3次元動態解析装置を用いて犬の歩行特性を測定した結果、一般的に犬が滑り易いと言われる合板木質のフローリングと、第一マット11、第二マット12及び第四マット14上での歩行状態において、上下移動変位に有意な差が見られた(図8参照)。
この差異に着目し、床材の物性との関係性を明らかにし、新たな品質機能としてヘルスケア価値が見出された。それを提供できる床材は、下記二つの要件を満足する床材である。第一の要件は、上述したように、犬足裏の肉球と床材の滑り易さ(静止摩擦係数及び動摩擦係数)の関係性から導き出され、犬の歩行安定性を担保できる範囲に、静止摩擦係数及び動摩擦係数が存在することである。なお肉球は、感触接触子20(合成バイオスキン)でモデル化された。
第二の要件は、上述したように、足指及び爪などの立て易さによって決定される床面をグリップする機能であり、床材の硬さや圧縮性で見出されるものであって、LC値、WC値、厚みの変位量、及び/又は、厚み変位率が、犬の歩行安定性を担保できる範囲に存在することである。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
1 基材
2 接着層
11 第一マット
12 第二マット
13 第三マット
14 第四マット
20 感触接触子
21 測定面
30 プローブ
31 台

Claims (6)

  1. 基材と、
    該基材の一面に設けた接着層と
    を備え、
    前記基材の他面における最大静止摩擦係数が0.3~0.8であり、好ましくは0.4~0.7である
    ペット兼用マット。
  2. 前記基材の他面における動摩擦係数が0.2~0.7であり、好ましくは0.3~0.6である
    請求項1に記載のペット兼用マット。
  3. 0gfから200gfまで球形端子を介して荷重を作用させた場合、圧縮幅及び圧縮荷重による積分値WCが3~10gf・cmであり、好ましくは5~9gf・cmである
    請求項1又は2に記載のペット兼用マット。
  4. (1)式及び(2)式にて表される値LCが、0.5~0.8であり、好ましくは0.5~0.75である請求項3に記載のペット兼用マット。
    LC=WC/WOC・・・(1)
    WOC=|第一厚みTm-第二厚みT0|・(200gfの荷重)/2・・(2)
    第一厚みTmは、球形端子を介して200gfの荷重を作用させた場合における厚みである。
    第二厚みT0は、200gfから0gfまで荷重を減少させた場合において、0gfの荷重を作用させたときの厚みである。
  5. 球形端子を介して荷重200gfを付与した場合において、表面材の厚みの変位量が0.5~3.0mm、好ましくは1.0~2.0mmである
    請求項1から4のいずれか一つに記載のペット兼用マット。
  6. 前記接着層は、真空吸着性を有する滑り止め層を含む
    請求項1から5のいずれか一つに記載のペット兼用マット。
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