JP6738529B2 - ステアリング装置 - Google Patents
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請求項2のように、前記一体移動部材としての第1ツース部材(40)と、前記アウタージャケットに回転可能に支持され、回転に伴って前記第1ツース部材と係合することによりテレスコロックを達成する第2ツース部材(50)と、を備えていてもよい。
請求項2の発明では、導電経路となる一体移動部材が、ツースロック機構の第1ツース部材と兼用されるので、構造を簡素化することができる。
請求項4の発明では、組立時おいて、側板ないし一体移動部材によってカム板部を押圧変位させると、ばね板部が接続板部に対する交差角を減少させる方向に曲げ変位されるので、ばね板部が、側板ないし一体移動部材の装着の邪魔になることがない。このため、組付性が向上する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るステアリング装置1の概略側面図である。図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2が一端(軸方向上端)に連結されたステアリングシャフト3と、インターミディエイトシャフト4等を介してステアリングシャフト3と連結された転舵機構5とを備える。
ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3を回転可能に支持する中空のコラムジャケット6を備える。コラムジャケット6は、筒状のインナージャケットとしてのアッパージャケット7と、アッパージャケット7に嵌合した筒状のアウタージャケットとしてのロアージャケット8とを備える。
図1およびステアリング装置1の概略斜視図である図2に示すように、締付機構18は、ブラケット17のチルト用長孔23に挿通され一対の被締付部19を締め付ける締付軸21と、締付軸21を回転操作する操作部材としての操作レバー20とを含む。締付軸21の中心軸線C1が、操作レバー20の回転中心に相当する。
図3は、図1のIII−III線に沿った断面図である。図3に示すように、ブラケット17は、車体13に取り付けられた取付板24と、取付板24の両端からチルト方向下方YLに延びる一対の側板22とを備えている。
ロアージャケット8の各被締付部19には、締付軸21が挿通される円孔からなる第1挿通孔29が形成されている。締付軸21と、ロアージャケット8と、アッパージャケット7と、ステアリングシャフト3とは、チルト調整時に、チルト方向Yに一体に移動する。
締付機構18は、締付軸21の他端のねじ部21bに螺合したナット33と、他方の側板22を締め付ける他方の締付部材34と、他方の締付部材34とナット33との間に介在する介在部材35とをさらに備える。介在部材35は、ワッシャ36と針状ころ軸受37とを含む。
一方の締付部材32(非回転カム)および他方の締付部材34は、それぞれ対応する側板22を締め付ける締付板部32a,34aと、それぞれ対応するチルト用長孔23に嵌合したボス部32b,34bとを有している。各ボス部32b,34bと対応するチルト用長孔23との嵌合によって、各締付部材32,34の回転が規制されている。
操作レバー20のロック方向への回転に伴って、回転カム31が一方の締付部材32(非回転カム)に対して回転することにより、一方の締付部材32が締付軸方向Jに移動されて、両締付部材32,34(の締付板部32a,34a)の間で、ブラケット17の一対の側板22がクランプされて締め付けられる。
図4はツースロック機構TLとその周辺部分の概略分解斜視図である。図3および図4に示すように、ツースロック機構TLは、第1ツース部材40と、第2ツース部材50と、連動機構60と、第1案内機構70と、第2案内機構80とを含む。
図6はステアリング装置1の要部の概略断面図である。図3および図6に示すように、ステアリング装置1は、導電部材300をさらに備える。導電部材300は、被締付部19に設けられた貫通孔からなる保持孔200に保持されて、第1ツース部材40と側板22とに接触することにより、アッパージャケット7とブラケット17とを電気的に導通させる。
図4に示すように、第1ツース部材40は、導電性の金属部材(例えば導電性の焼結金属)等の導電材料からなり、アッパージャケット7に導電可能に連結されている。具体的には、第1ツース部材40は、コラム軸方向Xに長手に延びる板材を用いて形成され、アッパージャケット7の外周面に溶接等によって固定されている。
凹溝42は、コラム軸方向Xに延びて締付軸方向Jに互いに対向する一対の内壁面を有している。これら一対の内壁面には、それぞれコラム軸方向Xに並べられた複数の第1ツース41を含む一対の第1歯列41Lが形成されている。
第1ツース部材40は、図示しないボルト等によってアッパージャケット7の外周面に固定されていてもよい。また、第1ツース部材40は、アッパージャケット7と単一の材料で一体に形成されていてもよい。
第2ツース部材50は、第2部分53において第1ツース部材40側の面に、第2ツース51が複数並べて形成された一対の第2歯列51Lを設けている。図4に示すように、一対の第2歯列51Lは、互いの第2ツース51の歯先を互いに逆向きの外側方に向けている。各第2歯列51Lの第2ツース51は、対応する第1歯列41Lの第1ツース41に対して歯筋方向Dから噛み合い可能である。
第1案内機構70は、第1部分52をコラム軸方向Xに案内する。具体的には、第1案内機構70は、第2ツース部材50の第1部分52から両外側方へ突出する一対の第1軸71と、ロアージャケット8の一対の被締付部19にそれぞれ設けられたコラム軸方向Xに延びる長孔からなる一対の第1案内孔72とにより構成される。
第2案内機構80は、第2部分53を第1ツース41と第2ツース51の噛合状態でコラム軸方向Xと直交する直交方向Zに案内する。具体的には、第2案内機構80は、ロアージャケット8の一対の被締付部19の支持孔38に両端が支持された第2軸81と、第2ツース部材50に設けられて第1ツース41と第2ツース51との噛合状態で直交方向Z[図5(a)も参照]に延びる長孔からなり、第2軸81が挿通された第2案内孔82とにより構成される。
付勢部材90は、被締付部19の係止部としての係止孔39に係止された第1端部91と、第2ツース部材50の第2ツース51と反対側で第2部分53に押圧係合した第2端部92と、第1端部91と第2端部92との間で締付軸21に巻き回されたコイル部93とを含むねじりばねからなる。
解除突起103は、締付軸21のロック解除方向への回転に伴って、第2ツース部材50の第2部分53に設けられた係合部としての係合突起54と係合することにより、付勢部材90に抗して、第2ツース部材50を噛合解除側へ回転させる。
これにより、解除部材100の解除突起103が、第2ツース部材50の係合突起54との係合を解除するため、付勢部材90が、第2ツース部材50を、支点(第1軸71の中心軸線C2)を中心として時計回りに回転駆動し、第2ツース51は、第1ツース41に対して歯筋方向Dから噛み合う[図5(a)参照]。これにより、ツースロックによるテレスコロックが達成される。
これにより、解除部材100の解除突起103が、第2ツース部材50の係合突起54を押し上げるため、第2ツース部材50は、支点(第1軸71の中心軸線C2)を中心として反時計回りに回転駆動され、第2ツース51が、第1ツース41から歯筋方向Dに沿って離間し、噛合が解除される[図5(b)参照]。これにより、ツースロックによるテレスコロックが解除される。
図4および図6に示すように、被締付部19の保持孔200は、貫通方向Kに対向する第1開口201および第2開口202のみで開放している。保持孔200は、例えば断面矩形の孔であり、案内面203を含む。
導電部材300は、導電性の金属部材により形成されていてもよいし、表面に導電材が被覆された樹脂部材により形成されていてもよい。
図7は導電部材300を保持孔200に組み付けるときの状態を示している。図7に示すように、組み付け時において、接続板部330の一部が、保持孔200の案内面203に面接触することで、接続板部330は、案内面203によって貫通方向Kに案内される。
第2接触部302は、ばね部を構成する第1板部310の付勢力で、保持孔200の第2開口202を通して第1ツース部材40(一体移動部材)の側面40bに弾性的に摺動接触する。
図7に示すように、自由状態の導電部材300において、接続板部330に対する第1板部310の交差角θは、90°を超える鈍角である。
一方、図6に示すように、導電部材300が、側板22と第1ツース部材40との間に介在するセット状態では、交差角θは、直角(90°)となる。すなわち、セット状態の第1板部310は、接続板部330への接続端310aを中心として弾性的に曲げ変形されるため、貫通方向Kの弾性付勢力を生ずる。
導電部材300を保持孔200に挿入するときに、導電部材300の接続板部330を保持孔200の案内面203に沿わせることで、導電部材300全体が、貫通方向Kにスムーズに案内される。
しかしながら、アッパージャケット7とロアージャケット8との間、並びに、ロアージャケット8と側板22との間には、これらの部材間でチルト調整時やテレスコ調整時の摺動を滑らかにするためのグリース(絶縁性)が塗布されている場合が多く、その場合、これらの部材間に導電経路を設定することは困難である。
また、導電部材300は、保持孔200内に保持されるので、大型化することなく省スペース化を実現することができる。
また、図6に示すように、ばね板部である第1板部310が、保持孔200に収容保持された接続板部330によって支持されるので、第1板部310の付勢力を安定して発揮させることができる。
(第2実施形態)
図9は本発明の第2実施形態における導電部材300Pの概略斜視図である。図9の第2実施形態の導電部材300Pが、図4の第1実施形態の導電部材300と主に異なるのは、第2板部320Pがばね板部として構成され、カム板部340Pが第2板部320Pのコラム軸方向上方XU側の端部から傾斜状に延設されている点である。
図10は、組立後のステアリング装置1Pの要部の概略断面図である。図10に示すように、導電部材300Pが、側板22と第1ツース部材40との間に介在する組立後の状態では、交差角θは、直角(90°)となる。すなわち、組立後の第2板部320Pは、接続板部330Pへの接続端320Paを中心として弾性的に曲げ変形されるため、貫通方向Kの弾性付勢力を生ずる。
このとき、アッパージャケット7と一体移動する第1ツース部材40のコラム軸方向下方XL側(装着方向側)の端面40cから傾斜状のカム板部340Pが受ける押圧力Fが、カム板部340Pの働きで、接続板部330Pに対して第2板部320Pを曲げる曲げ力G(交差角θを減少する方向の力)に変換される。
本実施形態では、図11に示すように、保持孔200が、第2板部320P(ばね板部)の付勢方向(保持孔200の貫通方向Kに相当)以外の方向に開放されていない。このため、組立時において保持孔200に挿入された導電部材300Pが、保持孔200により安定して保持される。このように導電部材300Pが安定して保持された状態で、第2板部320P(ばね板部)を弾性変形させればよいので、ステアリング装置1Pの組立性に優れる。
また、図10に示すように、ばね板部である第2板部320Pが、保持孔200に収容保持された接続板部330Pによって支持されるので、第2板部320Pの付勢力を安定して発揮させることができる。
また、締付機構18や、第1ツース部材40および第2ツース部材50を含むツースロック機構TLが、コラムジャケット6に対してチルト方向下方YLに配置されていてもよい。その他、本発明は特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
Claims (4)
- コラム軸方向に伸縮可能なステアリングシャフトと、
スリットと前記スリットの両側に配置された一対の被締付部とを有するアウタージャケットと、前記アウタージャケットに内嵌されたインナージャケットとを含み、前記ステアリングシャフトを回転可能に支持するコラム軸方向に伸縮可能なコラムジャケットと、
前記一対の被締付部の両側に配置された一対の側板を含み、車体に固定されるブラケットと、
前記一対の側板および前記一対の被締付部の締付軸挿通孔を挿通する締付軸を含み、前記締付軸によって前記一対の側板を介して前記一対の被締付部を締め付けることにより、前記アウタージャケットに前記インナージャケットを保持させる締付機構と、
導電材料からなり、前記コラム軸方向に延びる側部を有して前記インナージャケットに導電可能に連結され、前記インナージャケットと前記コラム軸方向に一体移動する一体移動部材と、
前記インナージャケットと前記ブラケットとを電気的に導通させる導電部材と、を備え、
前記一対の被締付部の少なくとも一方は、貫通孔からなり貫通方向に対向する第1開口および第2開口のみで開放し前記導電部材を保持する保持孔を含み、
前記導電部材は、前記貫通方向の付勢力を有するばね部と、前記ばね部の付勢力で前記第1開口を通して前記側板に弾性的に接触する第1接触部と、前記ばね部の付勢力で前記第2開口を通して前記一体移動部材の前記側部に弾性的に摺動接触する第2接触部と、を含むステアリング装置。 - 請求項1において、前記一体移動部材としての第1ツース部材と、前記アウタージャケットに回転可能に支持され、回転に伴って前記第1ツース部材と係合することによりテレスコロックを達成する第2ツース部材と、を備えるステアリング装置。
- 請求項1または2において、前記導電部材は、前記第1接触部を含む第1板部と、前記第2接触部を含み前記第2開口から突出した第2板部と、前記保持孔内に収容保持され前記第1板部および前記第2板部を接続する接続板部と、を含み、
前記第1板部および前記第2板部の何れか一方は、前記接続板部によって支持された前記ばね部としてのばね板部であるステアリング装置。 - 請求項3において、前記ばね板部は、前記接続板部に片持ち状に支持され、前記接続部板部に対する交差角が増大する方向の弾性を有し、
前記導電部材は、前記ばね板部から片持ち状に延設され、前記ばね板部に対して前記第1板部および前記第2板部の他方に向けて傾斜するカム板部を含み、
前記カム板部は、自身が受ける押圧力を前記交差角を減少させる方向に前記ばね板部を曲げる曲げ力に変換する機能を有するステアリング装置。
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